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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

【安価】真宮寺「これは…」 夜長「天神小学校…?」chapter:03

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  1. 1 : : 2018/01/02(火) 03:00:16

     (※5回目の投稿になります。誤字・脱字等々ございますが、生暖かい目で読んでくださると助かります※) 

    (※この作品は『コープスパーティー』とのコラボ作品となります。基本はコープスのストーリーに沿ってますが、オリジナル展開も予定しています※)

    (※なお、今回はホラー・エロ・グロ、CP要素がもりもりあります※) 

    (※chapter事に視点が変わります、さらに同じchapter内でも視点が変わるので見辛いかもしれません※) 

    (※また死ぬキャラクターが多数でるので、推しのキャラが退場しても許しください※) 



    ・登場人物 

    ニューダンガンロンパV3 メンバー 
    (希望ヶ峰学園の制服を着てるイメージをしております)


    ・舞台設定 

    育成計画+α 『希望が峰学園79期生』設定 
    というより紅鮭の方が近いかも…… 


    ・前説 

    それはある日の夕暮れのこと。
    怪談話をしていく最中、才因組のクラスメイトたちはあるおまじないをすることに…

    …それが、禁じられた『呪いの類い』であることを知らずに……



    (※基本は安価は選択制オンリーですが、秒数安価もあるかも知れません※) 

    (※では、今回もスタートします。完 全 に 二番煎じです、先に作成した方申し訳ありません……(汗)※) 

    (※今回は進行上、期待とうの感謝の言葉が言えないのでこの場でお礼申し上げます※) 

    (※鈍行列車や徒歩よりも遅い進行ですが、生暖かい目線、保護者の目線で見守ってやってください※)

  2. 2 : : 2018/01/02(火) 03:01:21



    …わからない。わからねーんだよっ。

    誰が、どんな目的で、オレたちを巻き込んだのかが。
    アイツのいうことを信じるとすれば、完全にオレたちはここに巻き込まれる形になっちまうんだ。

    …くっ、仲間を信じるオレが仲間を疑うなんてこと、したかねーよ。

    でもな、もし、そうだったら。


    ソイツにガツンといってやりてぇんだ。

    『 こんなことになることを予想してたのか? 』

    ってな。


  3. 3 : : 2018/01/02(火) 03:01:57

    【 chapter:00 】 『 白銀つむぎ 』side

    地味に、無理しちゃったみたい。
    慣れない力を無理くり使っちゃったからだよ!
    あのときは…必死の思いだったからちゃんと違う次元に行けたかな?…正直自信があまり無いけど…ね。

    …体がフラフラする。こうしていると、死んじゃって改めて感覚が残ってるということにビックリしてるんだ。

    それに、多分これはわたしのせいだけじゃないと思うけどさ。
    …そう、わたしだけが悪いわけじゃないもん!
    ( 大切なことだからちゃんと2回言わせてもらうよ! )

    地味に…ガタガタと地面が目の前の景色が揺れているのを見て、地震が起こっている事を指し示しているんだもの。わたしの体が浮いているのもあって気がつかないんだ。

    白銀『何度目になるのか分からないけど…ちゃんと東条さんを違う次元に飛ばせたかな…?』

    首を傾げていると、急に視界にノイズのような砂嵐が現れて――――再び視点がわたしの体を奪った相手の視点になった。

    ??『…ちぃ。同じタイミングで使ったな…』

    荒い息をしているのはわたしの死んだ肉体を使っている人物だよ。
    …そうか、さっき最原くんを東条さんみたく異なる次元に送ったんだっけ?
    だから、わたしの疲労度が半端ないんだよね?ねぇ、そうでしょう?答えてよ!

    ??『そのようなことが出来るのは…あなたの体が「 さやか 」以上の霊力があるからですよ?』

    わたしと同じ声で発せられたのは恐らくわたしに向けてるみたいだね。そもそも、「 さやか 」って誰なのかな?かな?

    あの人の知り合いなのかな?…死んでしまったわたしからするとどうでも…良くはないけどね。

    ??『でも…あんなことしても無駄だわ』

    彼女は誰もいなくなった旧校舎の職員室内で呟く。
    え…どういうこと?

    それに、答える前に彼女が観ていた視界がプツリと切れたんだよ。瞬きすると元の場所になってたんだ。

    …一体、どういうことなのか、全く訳がわからないよ。
    それに、アンジーさん達のことがとても心配…なんだけどっ。

    ……わたしの心配はただの徒労なのかな?


  4. 4 : : 2018/01/02(火) 03:16:16

    【 chapter03 】『 夢野秘密子 』side


    …ぴちゃん、ぴちゃん…

    頬を伝うのは冷たいもの…じゃな…?

    夢野「…うっ…」

    肌寒いのは風が吹いておるからかの?…ウチはゆっくりと目を開け、状態を起こすと…

    夢野「な、なんなのじゃ!?…ここはっ?!」

    …天国かの?それとも地獄か?!

    にしては寒いのも感じるし、体は無事…じゃな…

    …うむ。ここはどこなのじゃ?
    ここは…外のようじゃ…と言っても、廊下の中心に倒れておったからの。別な場所へと向かう、渡り廊下的な所なのだろうな。目の前と背後には扉があるようじゃし、建物の構造自体が古い。…と言うことは、まだ『 天神小学校 』とやらの中なのかもしれぬ。

    夢野「うーむ…装いからしてウチが今までおった場所とは違うと言うことは…恐らくは、『 違う次元 』の校舎、ということかの」

    ふむふむ。ウチにしてはえらく頭の回転が早い!
    …王馬や転子、アンジーが側におったら…褒めてくれただろうか…?

    夢野「さて…」

    あれからどうなったのか、ウチにはさっぱりじゃった。
    突然、見知らぬ生徒に「 ウチの存在が邪魔 ! 」とかいいおった挙げ句、ウチを穴に落としおって!!!

    …うむ、何だかむしゃくしゃするぞ?
    そしてこの扱いと来たらっ!!

    夢野「んあー!!」

    考えれば考えるほどイライラするのじゃ!
    何故ウチがこんな目に合わんと行けんのじゃ!!
    ぷりちーなウチが何をしたと言うのかっ!!

    と、一人でぷんすかしておると背後からなにやらむかつく気配を感じたのじゃ。…ウチが恐る恐る振り返ると…そこには…

    夢野「しっ、白銀かの!?」
  5. 5 : : 2018/01/02(火) 03:35:30
    白銀(?)『先程は失礼しました』

    夢野「んぁ…?」

    白銀は普段と違う言い方をすると一礼をしたのじゃ。
    んあ?…物腰もどこか何時もと違うし…さてはお主も何かこの場所の毒に侵されたのか?!

    ウチが混乱しておると白銀がにこりと微笑み血の気のない白い手をウチに伸ばしおったのじゃ。…立て、ということかの?
    白銀の気遣いにウチは手を伸ばして立ち上がる。

    …はて?白銀は体温がこんなに低かったかの?疑問を抱えたウチをニコニコと見ておるのは…どうしてかのぉ?

    白銀(?)『…ふふふ。かなり驚かれているようですね。私は、「 冴之木七星 」と申します』

    夢野「…?『 さえのき…なほ 』…じゃと…?」

    はて、どこかで聞いたことのある名じゃが、んあー…どこだったかのぉ…とウチが悩んでおると『 冴之木 』と名乗った白銀は、「初めまして」と言い、ウチと握手を交わす。差し出された手を握ると何だか寒気がするのじゃ。

    白銀( 七星 )『実は訳がありまして、この「 白銀さん 」のご遺体を借りているのです』

    夢野「…白銀のご遺体?」

    しまった!聞き返してしもうた!!…不穏な言葉にはっとなるウチは冴之木とやらを睨んでしまう。
    …白銀が…コヤツは『 死んだ 』といったか!?

    白銀(七星)『そうです。現に貴女のお友だちはその事を知ってますよ。…貴女がこの場所に来るまでに、ですが』

    夢野「な、なんじゃとー!?」
  6. 6 : : 2018/01/02(火) 03:51:49
    驚きじゃ…王馬たちが知っておるといいたいのか?
    …しかし、あの白銀が既に死んだとは信じられぬ…
    じゃが、目の前におる白銀は『 冴之木 』と言っておるしの…何がなにやら分からんのじゃが、今はコヤツの言うことを信じる他、なかろう。

    夢野「んあ、して…そのぉ…『 冴之木 』とやら。ウチがこの場所にやって来た理由を教えてくれぬか?」

    白銀(七星)『そうですね…理由は単純です。この場所では、「 霊力 」を持つ人が居ないから、ですね。だからこそ貴女に来てもらったのです』

    私の力と貴女の力を少しばかり借りましたが、と続けおった。

    夢野「…そんな理由で…ウチをこの場所に来させた、というのか!」

    白銀(七星)『そうです』

    コクリと頷くや否や片手をスッとうち背後に向けた…

    すると、背後で『 カチャリ 』と何かが開く音がしたのじゃ…咄嗟に振り向こうとしたが、それを制止させられた。

    白銀(七星)『…さあ、話はここまでです。…行きなさい。親しい友の許に…』

    夢野「!?」

    白銀(七星)『扉は開きました…この先に、「 彼 」がいます。「 彼 」と協力してせいぜい足掻いて下さい』

    …そう微笑むとウチをくるりと半回転させ、その背をポンッと軽く押したのじゃ…

    夢野「ちょ!!んあっ!…まだ…話はっ―――んあ?」

    押されて振り向くと…


    もう、誰もおらんかったのじゃ…

    夢野「…どういうことじゃ?」

    何がなにかさっぱりのなか、言われた通りに扉に向かって歩き出すのじゃ…



    情報:(【 白銀の正体 】について更新しました…。
    白銀の体を借りていたのは『 冴之木七星 』という人物でした。…彼女が果たしたい目的とは…そして、敵なのか、味方なのか…)


  7. 7 : : 2018/01/02(火) 03:53:25

    『 入間美兎 』side


    入間「ちぃ、…ここはどこなんだよっ!」

    ガツン、と机を豪快にヒールで叩く。…けれどもびくともしないそれにオレ様は逆に、びっくり…するんだよっ!わ、悪いかよぉぉっ!!

    今は1人。気が付くとオレ様はこの教室で倒れていたんだ。教室があまりにも暗いからビクビクしている体を必死に食い止めるように腕を組んで立つんだ。…決して弱音を吐いてる訳じゃねーからなっ?!

    …どうやら、普通の教室じゃねーことはオレ様だから分かるんだよ!他の奴等なんかには全くわかんねーよな、きっとな!!ギャーハッハッ!!

    虚勢を張ることでしか自分の現状を理解できないオレ様はしばらく動かぬ机に八つ当たりをしていたが、不意に何を思ったのか振り返った。

    と、その時だった。
    ぐらり…と足元が揺れる。

    入間「ーーっう!?」

    今までに体験したことなんて無いような巨大な横揺れだったんだ。そいつはな。たまにブッこんでるバイブの衝撃を遥かに越えちまうその振動にビクンと肩を震わせる。
    な、なんだよぉぉっ、さっきからうさんくせーしよぉぉおっ!

    叫ぶと舌を噛みそうになるから黙るが、…揺れは収まんねーしよ、どうすっか――――

    ここで、喚いたとしても誰も助けに来るわけがねぇのは、もう分かりきったことだ。嫌だが、オレ様は地震が収まるのを待ってからここから出る…って言う考えに辿り着くわけだ、流石だなオレ様はよぉ!

    酷い揺れが収まったかと思えば、辺りは嘘みてーに静かになりやがった。ったく、なんなんだよぉおおっ!

    オレ様は叫びたい衝動を我慢して周囲を再び睨んだ。

    入間「…先ずはここをくまなく探すっか…」

    あーだりーとか思ってはないけど、オレ様は調べることにした…



    question、初安価!!>>8番さん、入間の行動先
    (全て選ばないと進みません)

    1、…ん?なんだ端の方には布被ってるなんかがあんなぁ…

    2、よくよく見ると書類がたんまりあるな!…棚か?

    3、そんなに机がある訳じゃねーし、面倒臭いがチマチマ見てみっか。

    4、ん?窓があんなあ…

    5、奥の方には…誰かいんのか?


  8. 8 : : 2018/01/02(火) 08:10:57
  9. 9 : : 2018/01/02(火) 23:55:51

    入間「…ん?なんだありゃ」

    端の方に何かが布みてーのが被ってやがる。散乱した室内をヒールで蹴っ飛ばしながら進んで布の近くまで寄っていくと…なにかを覆ってるみたいだな!

    入間「このなかには如何わしいもんがあるってことか?…例えば…春画とかか?」

    …布で被せるったらそういうのしかねーだろ?ぎゃーはっはっ!!オレ様ってすげぇ閃きの才能を持ってるよなぁ…はぁはぁ。

    入間「―――しかもこの布シコった後のシーツ見てーな感触もしやがるしエロエロな絵があるってんだろ!!」

    布の端を持ち一気にそれを捲った…ら。

    入間「…な、なんだよ…ただの鏡じゃねーかよぉ!!」

    姿見がスーパーエロてぃくダイナマイトボディーを見せびからしてるオレ様の姿と背後に広がる景色を写した鏡だったんだ。…ちぇー

    カピカピに乾燥してる白い布をぽいっとそこら辺に投げると鏡を眺めてみる。

    入間「ったはー!オレ様今日も美人だなぁ!」

    暫く見た後にオレ様はその場から離れっぞ…!
    ルンルンと鼻唄を歌いつつ、次を調べねーとなっ。



    …入間は鏡に映る彼女を睨む長い黒髪の少女が居たことに気がついてはいないようですね。
    …黒髪の少女はニヤリと口角を歪ませると鏡から姿を消してしまいました…



    情報:(【 入間 】について補足情報です。
    彼女は霊感が皆無な為に『 肉体を持つ幽霊 』以外は知覚できません。…と言うことは彼女がむやみやたらに調べていると理不尽なエンドに向かうかもしれません。幽霊がいた場合、上記のように書いていきます)



    question、>>10番さん、入間の行動先 
    (全て選ばないと進みません) 

    1、…ん?なんだ端の方には布被ってるなんかがあんなぁ…(★調査済み)

    2、よくよく見ると書類がたんまりあるな!…棚か? 

    3、そんなに机がある訳じゃねーし、面倒臭いがチマチマ見てみっか。 

    4、ん?窓があんなあ… 

    5、奥の方には…誰かいんのか? 

  10. 10 : : 2018/01/02(火) 23:57:14
  11. 11 : : 2018/01/03(水) 00:17:20

    (>>10番さん、早いぞ?!ビックリしたんだ!)


    鏡を調べ終わったオレ様はふとこの室内が書類ばっかであることに気が付くんだ!
    どうだ!名探偵だろ?これなら陰キャ原のヤローもビックリするってもんだしな!

    入間「しかも…無駄に棚が多く感じるしなぁ…如何わしいモンでもあんじゃねーのか?」

    オレ様の疑問に答えてくれる奴なんていねーが、兎に角だ。手当たり次第に棚を見ていくことにすっぞ!!


    入間「…んなんだよぉ…シケたもんばっかじゃねーかよ!」

    ガサゴソ、書類やら昔の教科書や日誌見てーなモンばっかだしよぉ…どこを探してもオレ様のお眼鏡に届くもんはねぇーしよぉ。

    ガシャン!!

    入間「ひ、ひぐぅ!?」

    オレ様がガサゴソしてたせいか、何かが戸棚から落ちやがった!…金属音なんて立てんじゃねーしっ!!と言いたい気持ちを吐いたところでオレ様以外には居ないこの室内。
    はぁ、とそれを手に取ったんだ。形状からして鍵だなこれ。

    入間「んにゃ?これは―――どこの鍵だぁ??」

    昔ながらの鍵束についていたのはひとつの古びた鍵だったんだ。
    なんだこりゃ?と眺めていたけど、オレ様秘蔵のローターコレクションのひとつに近いようなそうでもねーような形状の鍵は持っておくべきか…と思い胸の谷間にそれを押し込んだ。

    入間「んぅんう…っ!!…ヒンヤリしてて気持ちいいなぁ!!」

    胸の谷間にすぽりと収まったそれを満足げに見たオレ様は粗捜しを止めて違うところを調べることにしたんだぜ!



    ▼【 どこかの鍵 】を入手しました…▼

    説明:(棚から見つけたそれは昔ながらの鍵のデザインをしていました。が、どこのかは全くわかりません…)



    question、>>12番さん、入間の行動先  
    (全て選ばないと進みません)  

    1、…ん?なんだ端の方には布被ってるなんかがあんなぁ…(★調査済み) 

    2、よくよく見ると書類がたんまりあるな!…棚か?(★調査済み)  

    3、そんなに机がある訳じゃねーし、面倒臭いがチマチマ見てみっか。  

    4、ん?窓があんなあ…  

    5、奥の方には…誰かいんのか?  


  12. 12 : : 2018/01/03(水) 01:29:30
  13. 13 : : 2018/01/03(水) 01:50:01

    入間「…ここはもしかすっとアレか?『 職員室 』的な奴か?」

    先生用の机が綺麗にそーえば整頓されてることに気が付くオレ様はクールだな!
    『 職員室 』なら紙の束が大量にあったとしても何ら問題はねーからなっ!

    入間「にしてもよぉ、ここはなんだよっ!」

    ふんずけてる紙を蹴り飛ばす。紙が多すぎんだよ!

    紙を掻き分けつつ、机に向かう…とそこには色んなもんがこれまた散らばってんだ。使いかけのちり紙に書きかけの…日記か?これ。それに鉛筆、赤ペン…教科書…と乱雑に置かれてるそいつらはかなり時間が経過してるのかオレ様がさわっちまうとボロボロと散らばっちまう。
    …深く調べても何もでなさそうだなと早い段階で切り上げ、周囲を見る。

    入間「…なんだか古すぎんだよなぁ…」

    今までオレ様が居たのはきれいな校舎なはずだ。学園内の細部までは知らないけどよぉ、こんな場所は無かったはずだ。

    入間「…けっ『 サチ子のおまじない 』をしてからの記憶が曖昧なんだよなぁ…」

    ボリボリと頭を掻いて悩む。確か『 おまじない 』とやらをひょろ宮寺がやってからおかしくなったまでは覚えてんだが…それ以降の記憶がさっぱり抜け落ちちまってんだ。
    んで、気が付いたらここにいたんだが―――

    入間「深く考えてもなんも出ねぇし、調べるか…」

    …ったくよぉ、どうしてこうなっちまったんだよぉぉっ!



    question、>>14番さん、入間の行動先  
    (全て選ばないと進みません)  

    1、…ん?なんだ端の方には布被ってるなんかがあんなぁ…(★調査済み) 

    2、よくよく見ると書類がたんまりあるな!…棚か?
    (★調査済み)  

    3、そんなに机がある訳じゃねーし、面倒臭いがチマチマ見てみっか。 (★調査済み) 

    4、ん?窓があんなあ…  

    5、奥の方には…誰かいんのか?  

  14. 14 : : 2018/01/03(水) 03:06:01

  15. 15 : : 2018/01/03(水) 03:46:56

    (>>14番さん、深夜なのにありがとうございます。…少しだけ進みます)


    …にしてもよぉ、外はくれーし時間は今何時なんだ?
    と、ポケットからスマホを取り出し確認すっぞ。…が。

    入間「…はぁ?!文字化けぇ?!」

    スマホの時刻表示は『 99:99 』で止まったままだった。しかも『 圏外 』だとぉ?!
    一体オレ様は何に巻き込まれたんだよっ!

    戸惑いの中、フラフラとした足取りで窓の方へと向かっていくんだ。窓があるってことは…

    入間「外に出られるってことだよなぁ!?」

    オレ様は窓の縁に手をついてガタガタと動かしてみる…が、ガタガタと音が鳴るだけでビクともしねーんだ。…なんなんだよぉっ!

    暫く格闘をしていたんだが、何せ今、持ってんのは虚言癖のツルショタから取り返したオレ様の自信作の『 蝋燭 』しか持ってねーし「 持ってそう!」と言われがちな、スパナとかは鞄の中に置いたままだし、鞄ごと連れ出された可能性は低いだろ。なら、あるとすれば…

    入間「…真宮寺から貰った縄ぐれーしか無いしなぁ…これを弄るっても工具がねぇと無理だっつーの!」

    外に出る方法は諦めることにする。オレ様は諦めがはえーからよ!

    入間「あとは…気になるったらアレしかねーしな…」

    ちらり、と室内の端を見る。そこにあるものと言えば…

  16. 16 : : 2018/01/03(水) 03:47:20

    入間「ありゃどーみても、ししし…死体だよなぁ…」

    ギロリ、椅子に律儀にも座っているキモくてグロい奴。
    あれは…生きてる人じゃねー。信仰ビッチが作ってた蝋人形よりも精巧なアレは…完全に人間だ。

    入間「うわぁ…みたくねーよ…」

    言ってることと行動が違ってたんだ。…気が付くとオレ様はそいつの近くまでやって来てたからな!

    明日⚫ジョーのように持たれやがっらソイツから臭うのは腐った卵の臭いより臭い。半分がボロボロになってるからか?

    入間「ひぐぅぅううっ!!気持ち悪いんだよぉ!!」

    目を閉じて思わず片手でバン、となにかを叩いてしまう。…ドサリ、と何かが落ちた音でハッと我に戻ったオレ様はゆっくりと顔をあげる…と。死体は床に転げ落ちてしまったじゃねーか!!

    入間「あああ…死体を触っちまっだぁぁあっ!」

    ブンブンと叩いた手をその場で振る。嫌だよぉおおっ!!

    少し経過してから手の臭いを嗅いだ…うげっ、くっさぁーい!!

    入間「オレ様って何をやって……ん?なんじゃこりゃ?」

    死体を退けた椅子の座る部分になんかが貼ってあんなぁ…オレ様はそれを取る…と折り畳まれた紙だって事が分かるんだ。

    入間「なんだぁ?」

    ぺらり…と紙を広げると文字が書いてあった。…無意識的にそれを読んでしまうんだ!

    入間「『かーって嬉しい…花いちもんめ…まけーて悔しい花いちもんめ』…ってこりゃガキの頃にやる遊びの言葉じゃねーか!」

    なんでこんなもんが?…と悩みつつも、何故かそれを谷間にしまうオレ様だったんだ…


    ▼ 【 謎のメモ1 】を入手しました… ▼

    説明:(ルーズリーフのような材質の紙に、昔懐かしい遊びの文字が記入されています。が…何をしめしているのでしょうか?)

  17. 17 : : 2018/01/03(水) 03:57:20

    さて、これであらかた調べたのか…?
    キョロキョロと周囲を見回した。もうオレ様にとっての情報は無いな。そう決めつけて、扉に向かう…

    入間「…この扉、ガタガタと…油とか差せよ」

    ガタガタと古いのを自己主張しているソイツはやっとのことで開いた…

    入間「…ううっ、さっぶっ!」

    廊下に出たらしいな。そこに広がんのは―――ボロボロの木造の校舎。昭和初期に造られたかん満載の構造は今にもぶっ壊れそうだとオレ様でもわかる。

    扉からでて何かが無いかと目線で追う…けど、ただひっそりと無音な空間はチビっちまう…。

    入間「真っ直ぐ進めんのか…あとは左側にも行けるみてーだな」

    肌寒く、腕を組んだオレ様はとりあえず左側にと進むことにしたんだぜ!

    入間「…もうひとつ教室があるな」

    暫く進むとオレ様が出てきた扉と同様のスライド式の古い扉があるのに気が付く。…扉の上にはプレートがキィキィと風もねーのに揺れやがってた。

    入間「…ん?音楽室だとぉ?」

    …イカ松がいたら喜びそうな教室だなぁ。…入ってみっか。とオレ様は扉に駆け寄った…


    ガチャガチャ。

    ガチャガチャ。しーん…

    入間「…鍵が掛かってんのか?」

    びくともしねー扉。何があんだってんだよ…
    ん?鍵だと?

    入間「…そーえば、これ使えねーかな?」

    胸の谷間からするり…と取り出したのは『 使い用途のわからぬ鍵 』。ソイツがもし使えるなら―――

    入間「オレ様って、幸運じゃね?!」

    かろうじであった鍵穴にソイツをブっこむ…と。

    入間「…入ったな。あとは…動けばいいんだがな…」

    ゆっくりと祈りつつソイツを捻る…


    かちゃり


    糸も容易く捻れたそれは、開錠の音が聴こえた事によりこの場所…『 音楽室の鍵 』ってことが分かる。ヨシッ!
    喜ぶのは早いと…鍵を抜こうとしたが…抜けねぇ…

    入間「…かてぇ…処女のアソコみてーに噛みついてやがる…無理みてーだな」

    鍵を抜くことを放棄してオレ様は扉を動かす…と。
    今度は簡単に開いたんだ。
  18. 18 : : 2018/01/03(水) 04:18:34

    入間「オレ様って、さいきょーだよなぁ!」

    『 音楽室 』の中はデカイピアノが置かれてるし、机が並べておいてある…昔からかわんねーんだなとか思っているとふと机の影に隠れているがなんかがいるみてーだ。

    入間「…だれだよぉっ!」

    おっかなビックリな声を上げ、ソイツに近づく…と、ピクリと僅かに動いたんだ!

    入間「ひぐぅぅうううっ!!」

    突然の出来事だ、驚かねー奴はいねぇだろぉぉっ!
    オレ様の叫びにソイツは、反応した。

    ??「…?…ここは…」

    声を聞くとどこかで聞いたような声。しかも動きがぎこちない…のは…

    入間「お、お前っ…!」

    ??「…!その声は…入間サンですか…?」

    ソイツはオレ様の子分の『 キーボ 』じゃねーか!?

    入間「キーボっ!お前大丈夫かっ!」

    オレ様は距離を詰め寄って、起き上がろうとしてるキーボを支える。おお!この感触は…紛れもない!キーボだ!

    キーボ「…入間サン?…ここはどこなんでしょうか?」

    キーボは起動したてのようで頭を抑え、オレ様の支えによって立ち上がる。どうやら意識を遮断された影響か混乱してるようだな!でも、オレ様がいるんだから大丈夫だぜ!

    入間「…さあな。…オレ様も今目を覚ましたばっかなんだから聞くんじゃねーよ!」

    キーボ「ああ、ごめんなさいっ!入間サン…ボクとしたことがどうも記憶になくって…入間サンなら分かるかなっとおもったのですが―――」

    キーボはキョロキョロと見回すと青ざめたようすでオレ様をみた。

    キーボ「ここって…まさか、真宮寺クンが言ってた…『 天神小学校 』とやらじゃ…ないでしょうか?」
  19. 19 : : 2018/01/05(金) 04:04:46

    入間「…はぁ!?…どうしてそうなんだよっ!」

    キーボ「…っう!!…大声…出さないで、くださいっ…」

    キーボの怯えた声が更に震える。オレ様の声のせいだ。

    入間「ヒグウッ…わ、わかったよぉっ!!オレ様が悪かったってば!…キーボ、話を続けろ」

    なにか言いたげな顔をしてるから、オレ様が譲ってやった。…アイツはモジモジと特殊な素材で出来てるアンテナを左右に動かす。

    キーボ「ボクは…ハッキリと見たんですからっ!ボク自身の記憶が曖昧になる前に…みんなが『 おまじない 』をしてからの様子がおかしかったんです!
    …絶対に皆さんここに何らかの方法で来てしまったに違いありませんよ!」

    キーボは断言しやがった。…いや、オレ様の聞きたいことの根本的な解決じゃないが、キーボの言っていた通りとなると…オレ様が『 おまじない 』とやらをやったあとの記憶が曖昧な理由も解決するのは…事実、だな。

    入間「…そうだな。他にも誰が居るって言いてぇのか?」

    ―――なら、まず優先すべきは、仲間…もとい誰かと合流スッ事か。…この状況下、誰かと手を組まないとどうにかなっちまいそうだしな。

    キーボ「…えっ!…ハイ…恐らくは」

    キーボが頷く。…ま、オレ様単体で行動しても良いが…キーボが怖がるだろう。ならば、オレ様と行動を共にすべきなのは誰でもわかっぞ?

    入間「…キーボなら早速行動だ。イくぞ」

    キーボ「え?…ああ、はい…入間サン」

    こうしてオレ様の暇潰しとなる奴を見つけたんだ。


    情報:(【 キーボ 】と合流しました。)

  20. 20 : : 2018/01/05(金) 04:05:29

    キーボを引き連れたオレ様はそのままの勢いで『 音楽室 』から出ることにした。
    相変わらず胡散臭い古びた廊下に軋む音。…廃校って響きがぴったりだな!ギャーハッハッ!

    …と、『 音楽室 』から先にも道が伸びてんな…ってことは北側と南側に進めるってことか…オレ様がいたであろう『 職員室 』から伸びる道とキーボがいた『 音楽室 』から伸びる道、どっちに進むべきだろうな…

    入間「…こっち側にも道があんのか…行き先は広いな…」

    キーボ「…入間サン、もうここを一帯を調べたんですか?」

    …ちっ、ちげーしっ!
    なんでコイツは目をキラキラさせてオレ様に敬意な瞳を浮かべてんだよ!…嬉しいが何か調子く、狂うだろ!
    ツルショタかダサい原がいたら即刻論破されるわ!

    入間「はぁ、ちげーよ。オレ様はただここら辺しかみてねーって」

    とりあえずは、北側の道でもいくか…

    入間「キーボ!…ついてこい」

    キーボ「あっ、入間サン!ちょっと…」

    すたこらとヒールと床の喘ぎ声をならしつつ先ずはオレ様がいた方の廊下に向かっていく…


    入間「にしても、うすぐれーな」

    キーボ「ボクの機能をもってしても周囲までは照らすことは難しい…ですね」

    キーボがライトの代わりになってくれている。…だが、あまり長時間使うとキーボ自体がバッテリー切れに成りかねねぇ…使いどころを見誤るとヤベーかもな。

    入間「…って、通れないじゃねーか!…棚が倒れてんのか?」

    ある程度進んだらバット明るくなった。理由はわかんねーけど、どうやら玄関の様だ。
    オレ様たちから見ると玄関の扉しか見えねぇしな。

    キーボ「玄関、ですか!!…なら出られるかも知れないですね!…ですが…」

    入間「か弱いオレ様がこの『 倒れた棚 』をどーこーできねーし、ましてやキーボは無理だろ」

    そう。『 倒れた棚 』がオレ様達の行く手を遮ってる。跨げば…どうこうできるだろうが、近くに散らばってる刃物の先端が床から突き破ってギラギラと気味悪ぃ光沢を見せてるから近付けない。

    入間「…道は繋がってんだろ。…引き返すか」

    キーボ「そうですね、そうしましょう!」

    オレ様達は来た道を引き返した…


    情報:(【 倒れた戸棚 】を発見しました。この先には玄関が有りますがこれ以上は進めません。女子は勿論、キーボもどかすことが出来ませんが…もしかして他の男子なら可能かも…知れませんよ?)

  21. 21 : : 2018/01/09(火) 03:38:38

    再びオレ様達はボロボロな床を大胆に踏み抜きながら闊歩する。

    キーボ「…これは…器物破損にならないですかね…」

    …怖がってん癖に何言いやがるんだよ!オレ様達は連れてこられた…または拉致られたってのによぉ…

    入間「なんねーだろ?」

    とだけ返しつつ、キーボがさっき居た『 図書室 』まで帰って来たぞ。
    この先も、ままま…まさか、行き止まりってことはねぇ…よなぁ…?
    スーパービューティーなオレ様の懸念を無視しやがって!…キーボのヤツは童貞の先走りもビックリな行動力を見せつけ、「 いきますよ 」とオレ様を見ていう姿に―――カッコいい…だなんて思ってな、ないからなぁ!?


    キーボ「…こっちは進めるようですね…」

    入間「そーだな…(進めなかったら、ゲキヤバだっつーの!!)」

    南側の廊下をある程度進んだ。…すると扉があり、ソコを進んだらこれまた、中途半端な廊下があった。…何処まで続いてんだよ…と思わず突っ込みたくなんだが。

    …ただ何にもねぇ廊下って…無意味じゃね?ま、とりあえず進むしかねぇ…な…?
    とふんぞり返ってんとキーボに袖を摘ままれた。キーボはいつの間にか、手にした紙をオレ様に見せつけっぞ。

    キーボ「や、やっぱり…ここは『 天神小学校 』のようです…こんな非科学的な事があって…良いんでしょうか?」

    キーボが差し出してきたそれは…小学生が作るような下手っくそな手書きでかかれた紙だった。
    オレ様は無意識に差し出したそれを手にとって、一瞥する。

    入間「…ん?なんだよぉっ!…『 ◼️天神小学校 学級新聞◼️ 』…って、ただの脅かしに決まってんだろぉ!」

    キーボ「しかし…この紙の劣化具合は…」

    キーボが言いたげにオレ様を見る。が、オレ様はそれをぐしゃぐしゃにするとポイっと床に投げ捨てた。

    入間「こ、こんなのは…まやかし、そうだ!まやかしだ!脅かし要素ってヤツだろ!!…犯人のヤローが故意に置いたんだろ…いくぞ!キーボ」

    キーボ「…入間サン…」

    オレ様は目を瞑りつかつかと廊下を渡りきった…

  22. 22 : : 2018/01/09(火) 03:38:59

    入間「今度は階段か。このオレ様を見くびんなよぉ!」

    キーボ「…階段に言っても無駄な――」

    入間「良いんだよ!この先に『 玄関に行くヒント 』があるかも知れねーだろ?」

    オドオドしてるキーボを一喝すると目の前に伸びる階段を上り始める。オレ様の後にキーボが続いていんのか一際大きな喘ぎ声に似た軋む音が証明してる。

    入間「(キーボ、お前あんまり喘ぐなよ…)」

    と言った所で返っては、来たとしてもクソ真面目に「 喘いでません!床が階段が軋んでいる音ですよ! 」と言われるだけだろうから、オレ様は黙って階段を上り続けた…

    キーボ「喘いでません!床が階段が軋んでいる音ですよ!」

    …あ、口に出てたみてーだな。アイツが怒ってオレ様を見てるが…こっち向くんじゃねーよ!!目がライトになってんの忘れてんだろ!!お前!ま、眩しいじゃねーかよぉぉ!


    入間「また、変な廊下か」

    エロエロあって、踊り場やら死体っぽいヤツがいっぱいあったりしたが、すっ飛ばして辿り着いたのはまたさっきと同じような中途半端な廊下…がしかし、何かあるみてーだな。

    キーボ「トイレ…『 女子トイレ 』ですかね」

    入間「見ればわかるだろ」

    いかにも古いと主張している木で出来た扉。同じく木で出来たプレートにはでかでかと『 女子トイレ 』と書かれてる。…今はしたくねーし。スルーするか。

    入間「キーボ、とりあえずこのまま突っ切るぞ。向こうにも扉あんだからそっちから行くべきじゃね?」

    キーボ「そうですか…分かりました」

    入間「なんだ?キーボ用事でもあんのか?」

    しょんぼりとなんだか残念そうなキーボを見かねて声を掛けたんだが…?テメーつ、ついに目覚めたのかよっ!性の喜びにっ!!うっひょーまじか?!

    キーボ「別に用事はありませんが…こういう場合は、徹底的に調べるもので」

    入間「あ゛あぁん?…何か文句でもあんのか?!」

    キーボ「あ、いえ!…何でもないです…」

    まあ、折角オレ様がイってヤってんのにな。真面目クンにもほどがあんだっつーの!
    別にいいけどよ…ソコがキーボらしいが…な。

    オレ様達は『 女子トイレ 』を通過して廊下を突っ切る形で扉に手を掛けたんだぜ。
  23. 23 : : 2018/01/09(火) 03:39:19

    喘ぎ声をけたたましく鳴らした扉の先には―――また廊下か?オレ様を何処まで歩かせれば気が済むんだよっ!

    キーボ「…ここはもしかすると下の階と同じ造りですかね…」

    入間「んなモン、見なくてもわかっだろ?校舎なら大体同じ造りだろ?」

    キョロキョロをヤローが居ねーか見ていたがふっと延長線上に見えたのは『 図工室 』とかかれたプレートだった。

    入間「(…図工室なら何かしらオレ様にとって有益なアイテムがあるかもな…)」

    よし、決めた。
    次は…『 図工室 』にイってやんよ!

    オレ様がずんずんと薄暗い廊下を突き進む…のを慌てててキーボが追い掛ける…


    キーボ「入間サン!…急に進まないでくださいっ!…危うく見失いかけましたよ!」

    入間「ピグゥゥ!!なんだよぉ…急に大きな声でいうんじゃねぇよぉ!」

    『 図工室 』の扉の前に着くや否やキーボが追い付いたらしくオレ様を睨み付けた…そ、そんな目で見ると…やべぇよ…イっちゃ

    キーボ「『 図工室 』ですか?…ここなら入間サンの使えそうな工具とかあるかもしれませんね!」

    …はぁ、テメーはもっと空気を読めよぉ!確かにキーボの言ってることは正論だ。だが…

    オレ様が考え込んでいると、キーボは無言で扉を開いた。


    ガラガラ…

    入間「!!お、おぃっ!!キーボっ!…無言で扉を開けるのやめろよぉ!…人には準備ってのが」

    キーボ「…やはり、暗いですね…はっ!?アレはっ―――」

    室内を先に覗いたキーボが何かに気が付いたらしい。キーボの言葉が止まった。オレ様は何事かと思いツッコミを入れながらもキーボと同様に室内を見てみる…と…

    入間「人の話をきけよぉぉぉっ!…ん?」
  24. 24 : : 2018/01/09(火) 03:40:33

    デッサンに使うのキャンバス…夜長…エセ宗教ビッチが使うボードのヤツが円を描いて等間隔に置かれいる。床は当然赤やら黒のシミが至る所に散らばってる気味悪ぃ。
    そんな、円の中心に倒れているチビ…はアレは。

    キーボ「星クンですね!…彼もまたここに来てしまった、ということですか…」

    入間「短小チビか。おぃっ、キーボ起こしに行くぞ」

    キーボ「入間サンがそんなことを言うだなんて…はっ、勿論です!」

    こうしてオレ様達は、クラスメイトの一人。星と再会する事になった。



    星「…やれやれだぜ」

    キーボ「やはり、星クンもここまでに来る記憶が無いんですね…」

    キーボが揺すって起こした短小チビは、キーボに聞かれたことを一通り答えた後、めんどくさそうな表情で白い棒状の例のアレを口に咥えて溜め息をついた。

    入間「…ってかよぉ…そもそも、ここはキーボのいう通り、『 天神なんやら 』ってとこなのか?」

    星「さあな。ただ、こんなトコ俺は少なくとも初めてだ」


    オレ様がわざわざ聞いてやってんのに、なんつー態度をしてんだよぉ!…事の後の賢者タイムみたいな顔をしてっぞ。

    キーボ「入間サンに星クン、そしてボクがいるのですから他の皆さんも絶対にいるはずですよね!…星クン、ここは協力して行動しましょう!」

    キーボの言いたいことも至極当然、って事だな。だか、相手はボッチが好きな…チビだぞ?
    そー簡単に…

    星「まぁ、普段なら単独行動をするがお前さんらに起こされた恩もあるしな。…犯罪者の俺でよければいいか?」

    …は?

    こうしてオレ様は3P状態で行動をすることになったぞ!
    …オレ様の貞操がやべーな!!ギャーハッハッ!!


    情報:(【 星竜馬 】が合流しました。)




    question、>>25番さん~>>29番さんまでの5名。視点安価
    行動キャラクターの誰視点で進行するかの安価

    ( 選択肢です。誰を選んでもストーリー自体には影響ありません )


    1 入間美兎

    2 キーボ

    3 星竜馬
  25. 25 : : 2018/01/09(火) 07:56:11
  26. 26 : : 2018/01/09(火) 22:32:47
    3で
  27. 27 : : 2018/01/09(火) 22:51:09
    3で
  28. 28 : : 2018/01/10(水) 01:02:33
  29. 29 : : 2018/01/10(水) 22:50:05
  30. 30 : : 2018/01/12(金) 04:30:05

    (協力ありがとうございました!…しばらく進行します。遅れせながらお待たせしました…)




    『 星竜馬 』side


    入間「そうか。オレ様は別に行動するヤツが一人増えた所で何ら変わりはねーけどよぉ…オレ様に惚れるんじゃねーからなぁ!!」

    …開口一番がそれか。
    そんなに不満なら俺はひとりで行動した方が良いだろうか?
    しかし、だ。キーボが「 いて欲しいんです!ボクひとりでは…入間サンが止められる自信ないんです! 」と言いたげな眼差しで俺の事を見ていたから―――敢えて妥協したんだが。…決してこの状況が怖いという感情から出たもんじゃねぇしな。

    キーボ「入間サン!…一緒に行動することが嬉しいなら、そこは喜ぶべきじゃないですか!少なくともボクは嬉しいですし、大変助かりますよ!」

    現にそんなことを言って、入間を宥めてやがる。
    …ん?アレは宥めてんのか?いまいち分からねーが、端から見りゃそーだろうよ。

    フン…やれやれだぜ。
    こうしていても何ら状況が好転する訳なんぞ無いからな、ここは調べた方が良いだろ。…んな事より、入間を宥めているキーボの背中に貼ってある物を取ってやるか。

    星「…キーボ。なんかついてるぞ…これは…なんだ?」

    糸も容易く剥がすことの出来たそれは…紙切れか?
    俺がまじまじと見ているとキーボが驚いた様子でお辞儀をした…気がついてなかったんだな。入間も「 なんだ?そりゃ 」って言ってる時点で気が付いて無かったんだと知る。

    キーボ「え?…あ、ありがとうございます。気がつきませんでした……文字が書いてありますが…ボクの知る限りでは初めて見ますね」

    入間「んな、辛気臭ぇモン持ち歩いてんじゃねーよぉ!!」

    …キーボも入間も要らねーよって顔しやがる。なら俺が持っておくか。…恐らくこれは…『 御札 』の類いだろうし、持っておけば何かに使えんだろ。


    ▼ 『 御札のようなもの 』を入手しました… ▼

    説明:(キーボの背中に張り付いていた紙切れです。これは呪いを授けるのかそれとも守ってくれるのか?…現時点では分かりません。このアイテムを見てくれる人物が居ればいいのですが…)


    さて、と。
    ここでくちゃべっても意味はないだろう。徐に周囲を見回し調べるか。
  31. 31 : : 2018/01/12(金) 04:30:30

    入間「んなモン調べてどーすんだよ!」

    星「フン…少しでも手掛かりを探すんだろ?…だったら地道に調べるのが一番の近道だからな」

    悪態をつき、丸い木の椅子に行儀悪く胡座をかいている入間を軽くあしらい調査を開始する。…最原みてぇだが、ここでは少しでも何かしらを得れば俺達がここに来た理由何かが分かるかもしれないからな。気が付けばキーボも戸棚を開けたりして調べ始めていた。

    星「(…真宮寺みてーに幽霊とかは信じねぇ質だが、ここはどうも…血の臭いがする。だとすれば…確実に解る事はここで誰かが死んでるって事だ)」

    嗅ぎ慣れた血の臭い。それが何処からもなく匂う。
    恐らくこの教室内では死体らしきものは見てねーから違う所にでも転がってんのが関の山だろうな。

    …ん?なんとなく調べた机の中に何かある。…これは…
    手を伸ばしそれを手にするとマジマジとそれを眺めた。

    星「…また随分と長ぇ『 棒 』だな」

    キーボ「星クン?何か見つけましたか?」

    キーボがすっ飛んでくる。…まぁなと軽く頷くとその『 棒 』をキーボに手渡す。キーボが持っても長く感じる長さだからな…1メートル以上はあんだろうよ。

    キーボ「…どこかで使えるんでしょうか?」

    星「…さぁな」

    入間「お、そのながーい棒でお、オレ様のひ、ひ」

    キーボ「入間サンは黙っていてください!」

    入間「!!ヒグゥゥウウ!!」

    …一連の会話を経て『 棒 』を手にしたキーボが俺を気遣ったのか分からねぇが、「 ボクが持ちますよ 」と言ったからキーボに任せる事にした。


    ▼ 『 長い棒 』を入手しました… ▼

    説明:(図工室の長机の中にあった木で出来た棒の様なものです。1メートルは軽く越えて尚且つ星の身長よりも長いです。…どこかでつかえるかもしれません)


    身悶えている入間を無視しながらも俺とキーボが手分けして調べたが、それ以上は目ぼしい物が見当たらなかった。…それをみた入間が再びふんぞり返りそうだったから俺とキーボは『 図工室 』から出ることにしたんだぜ。

    …やれやれ、全く世話のかかるヤツだな。…東条なら俺の意図を簡単に汲んだ上で行動してくれるから、助かるんだが…

    って、何をいってやがんだ、俺は。
  32. 32 : : 2018/01/12(金) 04:31:02

    ??『…ダメです!…このまま…じゃ…!…達はっ!!』

    ??『…しかた…ないっ……ちゃ……、俺がここは……にな……!』

    ドタンッ、バタッ…バタバタ…

    ??『はぁっ…はぁっ、えっ!!…それで………さん……が!!』


    星「!!」

    教室を出た途端に途切れ途切れだが声がしたんだ。…この声は…

    星「…天海と茶柱か?」

    キーボ「…?どうかしましたか?星クン」

    星「…あ、いや…なんでもねぇよ」

    切羽詰まった声と同時に誰かがドタバタと走る音がしたんだが…キーボのその様子だと…聞こえてねぇのか?
    首を傾げてんのはキーボだけか…と入間をみたが入間も何も聞いていないのが分かる。もし聞いてたとすればなんかしらのアクション、反応があるはずだが…入間は立ち止まる俺を睨んでいるからな。

    入間「…なんだ?流石のテメーもビビってんのか?
    …なんだよぉっ!その視線はよぉ!お…オレ様はビビる訳ねーだろ!!」

    星「…なんでもない、さ。キーボ、入間どこに行くんだ?」

    今の声が確かに気になる。が、キーボと入間が聞こえてねぇとすれば…考えたくねぇが、こうとしか考えらんねぇ。

    『 茶柱と天海が既に死んでる 』って事だ。

    星「…(最原、百田が言ってたな…『 決めつけんのは俺の悪いところだ 』と…だが…)」

    考えれば考える程、そうとしか思えない。違う階から聞こえるなら入間達も聞こえるんだろう。
    だが…ここがキーボのいう通り『 天神小学校 』とやらなら、あり得なくもない。…霊的なものがうようよいるかもしれないしな。
    俺がそいつらを目撃するまではまだ確定すべき事じゃない。つまりは―――

    キーボ「入間さん、今度はこっちに進みませんか?」

    入間「…そうだな。オレ様達が来た方は進めねーしなら行けるところを行くしかねーだろ…おぃっ!短小チビ。聞いてんのか?」

    星「聞いてるさ。…向こうに進むんだろ…行くぞ」

    今にも俺から見て右の廊下に進もうとするキーボの達の後を追い掛ける。


    …頼むから無事で居てくれよ…天海、茶柱。


    情報:(【 天海・茶柱 】の声が聞こえました…
    聞こえたのは星だけのようです。キーボもまた入間と同じように『 肉体を持つ幽霊以外、声と姿が聞こえない体質 』のようです。ロボットが聞こえたら怖いですものね!)

  33. 33 : : 2018/01/17(水) 03:32:04

    星「…よくもこんな所を進んだな」

    ギシギシと軋む床板を踏み抜かないように慎重にどうしてもなる足取り。キーボの目から発せられるライトによってどうにか進めるのだから、ここが暗すぎる…のが悪いと思うがな。

    キーボ「…ボクもそう思います」

    入間「キーボがいるからな!…怖くねーし!」

    こういう時だけお前さん方は気が合うんだな。
    廊下をある程度進んだら曲り道に差し掛かり、そのまま左に曲がる。

    突き当たりを進むとチラチラと目にはいるのは…廊下の端に転がる死体だ。…キーボや入間は気が付いてんのかさっぱりだが、匂いの元がこの死体達からしてるのだろう。
    血生臭い嗅ぎ慣れた臭いと蛆がわらわらと死体を喰らっているのを見ていると―――どうも気分が悪くなる。

    やれやれだな…無理やり見なかったことにして突き当たりの扉を開くと…また廊下が続いて、その先には階段が下に伸びていた。

    星「これはまた…随分と古い階段だな」

    キーボ「…一段一段の高さが結構ありますし、踊り場が有りますが急ですから慎重に下りた方がいいかもしれませんね」

    入間「んなコトは見ればわかんだろ!…行く…わっ!」

    ドンガラガッシャーン!!

    入間が勢いよく階段を踏み抜いて転げ落ちた。踊り場で背中を激しく打ってやっと停止した。

    星「お、おいっ!入間!」

    キーボ「!!入間サン!!…だ、大丈夫なんですかっ!?」

    慌てててキーボが下りようと入間の踏み抜いた段差の上に足を下ろそうとしていたのを俺が寸で止めて、俺達は慎重に下りる事にした…
  34. 34 : : 2018/01/17(水) 03:32:26

    入間「…っだぁ…っ!!」

    頭と背中を抑え踞る入間は外傷は無さそうだ。打ち所が悪ければお釈迦だろうから、ひとまずは安心だな。だが、たんこぶやら打撲は免れないだろうな。
    キーボはブスッと表情を歪ませてはいるが入間の事が心配なのだろう。ずっと「 大丈夫ですか?! 」と心配している。

    入間「…痛いに決まってんだろぉお!!…ったくなんでこんな所にオレ様がいなきゃ行けねーんだよぉぉっ!!」

    元気で何より、だ。
    だが、入間の言いたいのは一理あるな。
    …とにかくここから出ねぇと分からない。だとしたら…グズっている入間を見上げる。

    キーボ「そ、それが分かれば困りませんよぉ…入間サン、大丈夫ですか?立てますか?」

    キーボが気を使って手を伸ばすが…お前さん、今ライトで目が光ってんのに気がついてないな。眩しさに顔をしかめた入間がギャーギャー叫びながら手を取ってたんだからな


    入間「…ひぐっ、とんだ災難だ…ったくよぉ、オレ様もう疲れたのにまだ進むのかよぉぉっ…」

    弱音ばかり吐いてる入間をちぃと舌打ちする。俺だってあまりこういう所は動き回りたくねぇさ。だが、な…

    やめた。あまりぐだぐた言うのは性にあわねぇ。下に伸びる階段を見据えて呟く。

    星「…進みたくねぇなら、置いていくぞ」

    キーボ「ちょっと、そんな言い方はっ…流石に」

    バッサリと切り捨てたのが気に食わないのかキーボが突っ掛かってくるが気にしない。…元々は一人でも行動は出来るからな。

    入間「進むって言ってんだろ!…ったく、テメーは少しくらいオレ様のパーフェクトダイナマイトぼでぇをいたわれよっ!!」

    よろけながらも付いていく入間を見て、キーボは…

    キーボ「入間サンのやる気を起こすにわざと言ったんですね!スゴいです!星クン!」

    …なんて甚だしい勘違いをしていた。
  35. 35 : : 2018/01/17(水) 03:32:48

    踊り場からの残りの階段を下りきると…急に暗かった視界が開けた。…何が起こってんだ?
    キーボがライトで照らさなくともハッキリと空間が把握できるぐらいの明るさ…とは言っても、薄暗いっちゃ薄暗いんだがな。

    キーボがライトを消してキョロキョロを周囲を見渡して「 明るいですね… 」と呟いた。

    また中途半端な廊下があるが、今度は…『 男子トイレ 』と書かれたプレートが引っ提げられていて2階の空間よりもやや狭く感じんな。

    キーボ「…誰も会いませんね…」

    入間「…まさか、ここにはオレ様達以外…居ないのか?」

    星「まだ調べきってねぇからまだ言い切れないだろうさ…」


    と、そこで。


    ??『…ってか…よぉ…ここはどこなんだよ?知ってんだろ?その様子を察するに』

    ??『ここは―――そうじゃのぉ…『 天神小学校 』に間違いはないのじゃ…が…ウチもこの次元に飛ばされたばかりなんじゃが、んあー……この校舎自体は初めて見るのう。…案内は出来んぞ?』


    トイレの方向から声がした。今度は…俺以外の奴らも聞こえたらしく、驚いて固まっていたが。

    キーボ「今の声は…」

    星「…百田と夢野か?」

    入間「誰か居るんじゃねーか!!…あそこの中から如何わしい声が聞こえてんだろ?…だったら覗き見すべきだよなぁ!」

    ゲラゲラと下品な笑みを溢した入間が大股で『 男子トイレ 』の扉に近づく。…百田と夢野らしき人物の会話はまだ続いているらしく、飛び飛びで聞こえる。

    星「…幽霊とかじゃねーといいんだがな…」

    オカルトチックな話は信じないんだが。…ふと思う俺がいた。

    キーボ「…星クン、行きましょう!」

    星「…ああ、行く」

    入間の後を付いていき…先行していた入間が扉を大きくスライドさせた…
  36. 36 : : 2018/01/17(水) 04:48:12

    ガラガラ…

    動作の割には味気ない音を立てて開いた扉の先にいたのは…やはり百田と夢野だった。

    突然開かれた扉に二人は驚いてそれぞれ声を上げる。

    百田「うわぁぁああああっ!!…な、なんだぁ!?」

    夢野「んあっ!!…って…なんじゃ、お主らか…」

    百田は床に座り込んでいて、夢野は側で立っていた。
    …トイレ自体の広さは普通だな。

    入間「…お、ヤッパリテメーらか!!…なんだよ!オレ様に隠れてシコってんじゃねーしっ!」

    入間が下品な笑みを浮かべながらもいう言葉に百田が慌ててて「ち、ちげーからなぁ!? 」と上擦った声で答える。
    俺とキーボが鼻息を荒げてる入間を見て呆れていた。

    キーボ「…百田クン達もここに来ていたんですか…」

    百田「まぁ、そーなるわな。…ってか、なんで…こ、ここ
    、こ…こんな辛気臭い所にいんだよ…」

    かなりこの廃校舎自体が怖いんだろうな、百田は肩を震わせ普段の怒号もどこにやら怯えた声で辺りを見渡してから立ち上がった。

    星「それは、こっちが聞きたい所だ。百田、夢野あんたらは何か知らないのか?」

    …するとピクリと肩を震わせたのは夢野の方で、夢野がボソッと呟く。

    夢野「原因がさっぱりなのじゃが…どうやらここは『 天神小学校 』という所のようじゃ…恐らくは…直前に行った『 サチ子さんのおまじない 』とやらがキッカケじゃったのかもしれん…まだ断定は出来んじゃがの」

    キーボ「や、やはりここは…」

    キーボは何か思う所があんだろ。考え込む傍らで入間もびくびくと肩を震わせる。その光景を見た夢野がゴクンと唾を飲み込む。

    夢野「んあ。…ウチは先程まで、こことは違う場所に居ったんじゃ。そこには、王馬と東条、それからアンジー…あとは白銀も居った」

    入間「じゃあ、アイツラも居るってことか?」

    入間の問いかけに首を横に振る。夢野は普段の三角帽子じゃなく、王馬が付けてる白黒チェックのスカーフを頭に巻いている。…その事から王馬と共に行動をしてたのは事実なのだろう。
    夢野は王馬と違って嘘はつかないしな。

    夢野「居るんじゃか…恐らく見つからないであろうな」

    キーボ「何故ですか??…いっている意味が分かりませんね…?」

    確かにキーボのいう通りだ。…夢野が言ってる事が真実ならば、王馬達が何処かにいるはずじゃないのか?

    夢野「んあ…空気…が違う。…それに、ウチが居た場所はこんな所無かったからの。もしかすると…」

    百田「同じ様な空間が何個かあって、そこにバラバラで閉じ込められてるってか?
    …場所は特定出来ないにしろ、全員が全員、同じ場所に閉じ込められてはないって事か?夢野が言いてぇのはよ」

    夢野の続きを百田が呟く。それに夢野も頷いた。
    …確かにそれなら可能性が有りそうだが…

    夢野「…そうかもしれぬ。だとしても合流すべき方法はあるのやも知れぬ。ウチがここに来たように、じゃが」
  37. 37 : : 2018/01/17(水) 04:50:55

    星「…そうだとしてもここから脱出する方法なんぞあんのか?…ここで話しても時間が過ぎるだけだろ?」

    問いかけに夢野が「…そうじゃな…話しておっても現状は変わらないのは星の言う通りじゃの」と唸った。

    キーボ「だったらこのまま、みんなで調査を続行すべきです!」

    みんなで、と続けて言ってはいるが…ここは手分けすべきじゃないのか?
    百田も俺と同じ事を考えていたのか「 それは… 」と言葉を続ける。

    百田「…みんなで、固まって動くのも手だとは思うが…ここは2手に別れねーか?…夢野の話を聞いてると、『 さっきまで変な奴に追われた 』って言ってるしよォ…だったらその方がいいのかも知れねーと思ったんだが」

    星「…そんなことがあったのか?夢野」

    …百田の発言に一同は夢野の再びみる。
    夢野はこくんと頷いた。

    夢野「…んあー…ソヤツは足が遅かったから撒くことに成功したのじゃが、ここで同じ事が起きないという確証がないからの。キーボの言う通りに固まって動くのはよくないかもしれぬ」

    キーボ「言われてみると…そうかもしれませんね。夢野サンの言葉を信じるとするなら、逃げる場面に遭遇するんですよね?…ならある程度バラけていた方がいい…ですからね。逃げやすさからして、ですが」

    入間「はぁ!?…お、オレ様は別にどーでもいいが…オレ様の居ない所でエロエロな事とかすんじゃねーよ!…だったらオレ様も混ぜろ!」

    …この場合は無視して置くべきか?…俺らの睨むような視線を入間は知ってんのだろうか?
    ひと沈黙を破って口火を切った。

    星「…はぁ、で、どう行動すんだ?…俺らは今まで上の階から来たんだが、そこをもう一度調べるとかするのか?」

    キーボ「そーですね…ですがボク達は事細かく調べた訳じゃないですからね、ここは違う視点で細かく調べてみるべきかも…しれませんよね。で、どのように別れますか?」

    キーボの問いかけに夢野が返事をする。

    夢野「妥当な線で2人と3人じゃろ」

    百田「だな。だったらオレはこの階を調べるぜ。…ここで言うところじゃねーが、実は夢野ついさっき起こされたからな。まだどこも調べてはねぇし」

    百田がいうと次に夢野が上を指差してならば…と言葉を続ける。

    夢野「…ウチは上を見てみようかの…ウチは玄関からここに来たからの。もしかすると何かあるやもしれぬ」

    玄関?…出口ならあんじゃねーか?と思うが口に出すのはやめた。もしそこから出られるとするなら、そうそうに夢野じゃなくても案内するだろうしな。恐らくは、何処かに繋がる道なのだろう。

    星「なら俺達がバラけるってことだな。…俺は>>38の方に付いていくとするか」

    キーボ「…そうですね、じゃあ、ボクは>>39の方に同行しますよ」

    百田「入間は、どうすんだ?」

    入間の方を見たら入間は弱々しくなっていた。いつも通りの反応に安堵する反面、もう少し空気を読めねぇのかと思っちまう。

    入間「ぴぐぅぅぅん!!……お、おれ様を無視して進めるなよぉぉっ!オレ様のは、な―――」



    情報:(【 夢野・百田 】と再会しました…)
    注!!(ここから先、2手に別れます)


    question、>>38番さん、>>39番さん。星、キーボの同行先。
    ( 人物指定安価 )

    >>38番さんは星の同行先
    >>39番さんはキーボの同行先を『夢野』、『百田』のどちからでお選びください。


    どちらに別れても話は変わりません。
    入間に関しては、星、キーボの同行先が決まり次第自動的に決まります。ご了承を。
  38. 38 : : 2018/01/17(水) 17:41:48
    夢野
  39. 39 : : 2018/01/21(日) 15:29:17
    百田
  40. 40 : : 2018/01/23(火) 02:50:03

    (お二方、ご協力感謝します。長らくお待たせしました。暫く進行します)



    星「なら俺達がバラけるってことだな。…俺は夢野に付いていくとするか」

    …百田…アイツと一緒にいるとどうも調子が狂うからな。別に夢野でいいだろ。あとは夢野にとっては考えがあるみたいだからな。それに俺も上の階をこと細かく見てないからな確認もある。…妥当な選択だろ。

    キーボ「…そうですね、じゃあ、ボクは百田クンに同行しますよ」

    キーボはどうやら百田についていくらしいな。夢野の側につくとなると直ぐに「 爆破しろ 」だのなんなの言われかねないのを加味してるのかもな。…で、残るは――入間か。

    百田「入間は、どうすんだ?」

    百田の声で入間の方を見たらアイツは弱々しくなっていた。
    いつも通りの反応に安堵する反面、もう少し空気を読めねぇのかと思っちまう。…ってか話を聞いていたのかが謎だがな。

    入間「ぴぐぅぅぅん!!……お、おれ様を無視して進めるなよぉぉっ!オレ様は、キーボのメンテもしてーから粗チン野郎についてやんよ!」

    百田「はぁ?!…オレはそんな貧相なモン持ってるとでも言うのか?入間ァ!」

    …おい、どこにツッコミをいれてんだ。
    百田…ズレてるぞ。やれやれだな…とため息を吐いたら夢野が珍しくまとめ役に徹してたんだ。…普段の夢野を見ているせいもあるんだろ。何となく…あ、いや違うな。かなり頼もしく見えるのは何故だろうな。

    夢野「…ならば、早速で悪いがの、星とウチで上の階を調べてくるとするか…しばらくしたらばこの場所で落ち合うのが良いじゃろ。…ほれ、行くぞ?星よ」

    星「…ああ、分かった」

    百田「おう、そうだな」

    夢野が俺らがやって来た方向にずんずんと力強い歩みを踏み出した。俺もその後をついていこうとしたら、キーボに止められた。…もちろん、声を掛けたのは夢野に向かってだが。

    キーボ「夢野サン!ボクの内なる声がこの『 棒 』を夢野サンにと言っていたのでお渡ししときますね」

    夢野「…んあ?お主、テレパシーでも使えるのかの?」

    キーボ「て、テレパシー等低俗なものじゃありませんよ!…今のは本当に聴こえたんですからね!」

    おいおい。
    キーボがそこまで固くなにいうのも珍しくは無ぇが、この場所でそんな類いが聞こえたならホラーじゃねぇかよ…

    夢野「まあ、良かろう。…この手のアイテムはウチの魔力を高めるかもしれぬしな」

    夢野はキーボから『 棒 』を受け取ると、それをまじまじと見つめたさ。…仕掛けなんぞないが…?俺の疑念をどこにやら、夢野は百田たちに別れを告げ、階段へと進む事になったのだからな…



    情報:(【 夢野・星 】で調査を開始します。視点が一時的に『 夢野秘密子 』に変わります…ご了承下さい)


  41. 41 : : 2018/01/23(火) 02:50:36

    『 夢野秘密子 』side


    ぎりっ、ぎしっ…

    相変わらずここはウチが最初にいた場所よりも嫌な気配がするのじゃ。…じゃが、今までのように『 体を乗っ取られたり 』はせんようじゃな。理解したくは無いのじゃが、ウチがこの空間に慣れつつあると言うことか?

    …うーむ…出来れば早くここから出たい、しかし。そうなるとすればウチが捜すのは…

    夢野「…白銀の側をした『 冴之木 七星 』じゃろうな」

    星「…どうかしたか?…さっきからぶつぶつ独り言を言ってるが」

    …んあ!?無意識に呟いていたらしい。…しまったのじゃ。せっかくカッコ良く纏めてこうして行動をし始めたと言うのにウチはなんたる凡ミスをっ…
    ウチの先をスマホで照らしてくれておる星が訝しげにウチを見ている。まずいのじゃ…っ!

    夢野「な、なんでもないぞ?」

    星「…そうか。なら別に良いんだがな」

    ウチをチラッと横目でみた星は残りの階段を慎重に上っていく。口を無意識に尖らせたウチは遅れないように星の後をついて行く。

    階段は非常に薄暗いのもあって危うく踏み外しそうになってしまう。…もしウチが転げてしもうたら星は…助けてくれるじゃろうか?…いや体格的にムリかの。ならば気を付けねばいかんな―――とそのようなことを思っておったら、上の階層にたどり着くのじゃ。

    夢野「…んっぁっ…ここは…」

    ぐらり、上の階層…恐らくここは2階じゃろ。に来た途端、眩暈がしたのじゃ。…咄嗟にキーボから譲り受けた『 棒 』を支えしないとたてなくなってしまう―――そのぐらい酷い眩暈に星が咄嗟に近寄った。

    星「おい…大丈夫か?夢野っ」

    星はどうしてウチがこんな状態になっておるのかさっぱりなのじゃう。ウチはかろうじで声を捻り出す。

    夢野「…んぁ…ここには…良からぬ…輩が多いのじゃ…ウチにとっては…少し辛いが…休めば平気じゃ…」

    精神を支配されそうな感覚に必死で堪えてはいるがどうも体は受け付けることが出来んじゃな、気が付けば鼻から…たらっ…と何かが垂れてきたのじゃから。

    星「!!夢野っ」

    視界から床に落ちていくのが見える…真っ赤な何か。
    …ああ鼻血だと理解するまで時間がかかった。咄嗟に鼻を抑えようと考えたが、上手く手が動かんじゃった。

    星「鼻血を流すなんぞ…何がどうなってんだ?」

    ウチの体質を知らぬ星は驚いているのが目に見える。…ウチは、首を振って近場の壁に寄りかかる。

    夢野「…んあ…平気じゃ。ちり紙でも詰めておればいつかは止まるじゃろ」

    …先程よりか落ち着いたのであろう。眩暈が収まってきた。心配している星を押し退けて、片鼻に小さく千切ったちり紙を丸めて突っ込んだ。

    星「良く見るとオメーさん顔面蒼白に近いが…平気なのか?」

    …見た目はかなり具合が悪そうに見えるみたいじゃな。まぁ…現にそうであるのは間違いないのじゃが、ここで引き返しても遅かろう。ウチは固くなに首を横に振って、イヤと否定の言葉を告げた。

    夢野「…ウチの事は後回しじゃ。…今は探索することを優先にせねばのぅ…眩暈も大分収まった。大丈夫じゃ」

    星「お前さんがそこまで言うなら別に構わないが…もし駄目なら言ってくれ」

    夢野「うむ、そうじゃな…」

    星の遠回しの気遣いに感謝しつつウチらは短い廊下を突き進む…

  42. 42 : : 2018/01/26(金) 06:57:20
    夢野「(んあー…やはりウチがいた空間とは全く違う構造をしておるのじゃな…)」

    ある程度廊下を道なりに進む。廊下には色とりどりの死んでおる人間が散らばっているのじゃが…いちいち反応をしていたら日が暮れてしまう―――じゃから、『 見ない事 』にして一気に進んだのじゃ。
    すると、突き当たりに付いたらしく二つの扉が見えた。

    一つはプレートが下がっておらぬ教室で、いくら調べても扉は開くことは無かったのじゃ。
    もう一つの扉は星が居たという『 図工室 』じゃった。
    星に言われるがまま入り調べたが、なんら変化はなかった。…ウチからすればとても嫌な気配だけが残っていたのが気になりはしたのじゃが、星に言うこともなかろう。黙ることにした。

    進めば進む程、王馬やウチ、そしてアンジーがおった場所とは違う。
    …アヤツらはあれからどうなったのか…心配であるが、ここで遭遇する事は難しいじゃろう―――気持ちを切り替えていかねばの。ウチが新な決意と共にふんっと鼻息を荒くしておると星がウチを見た。「 そういえば… 」から始まる言葉は気だるげじゃったが。

    星「入間たちがこっちから来らしい。アイツラの事だ…恐らく、この先ロクに調べてねぇんじゃないかと思うんだがな」

    唐突に星がシガレットを持った手を真っ直ぐ伸ばす。…その先はウチがまだ進んだことのない道じゃった。

    夢野「入間のことじゃからのぅ。恐らくはそうじゃろ…」

    とするならば、進まない以外の選択肢はなかろう。ウチと星は曲がり角から伸びる廊下を進むのじゃ…


    夢野「んあー…して、ここはどんな構造をしておるのか…」

    廊下の終わり側。扉を潜れば見えたのは短い廊下。…しかも、なにやら『 女子トイレ 』と書かれておる扉が佇んでおる。

    星「さぁな…ここに『 常識 』を求めるのが間違いかもな」

    夢野「確かに…言えておるが…」

    トイレならば隣通りまたは、同じ箇所の上限と相場が決まっておろう!
    …まぁよい。それよりも―――ウチが気になるのは。

    夢野「…」

    星「…?どうかしたか夢野?」

    無言で『 女子トイレ 』を睨むウチを心配しておるのか星が口にしたシガレットを噛み砕き顔を覗く。

    夢野「んあ。…何でもないわい…行くぞ!」

    ウチは抱いた疑念に頭を振ることで、忘れる事にした。とにかく、調べない事にはなんら始まらんからの。…と今度は星が固まった。…何か言いたげじゃったが、ウチが声に出す前に向こうから話し出した。

    星「…男のオレが『 女子トイレ 』入っていいのか?」

    んあ!…ああすっかりそのような細かいことを気にしておらんかったの。…先程ウチは『 男子トイレ 』におったからの。別に構わないじゃろうて。

    夢野「んあ!!確かに…そうじゃな…じゃが、今は『 緊急事態 』じゃから平気じゃろ…さ、行くぞ!」

    星「そうだな…」

    …こうしてうちらは『 女子トイレ 』に突入するのじゃ。
  43. 43 : : 2018/01/26(金) 06:57:44

    夢野「…見た感じは普通のトイレじゃな」

    星「…ただし、古いみてーだな。所々ボロボロだしな」

    木製の扉を開き中へと進む。中はボロボロではあるが洗面台が3つの個室が4つ…と何処にでもあるトイレじゃった。星が床をなぞるとボロボロと床の木材がめくれてしまうほどじゃからの。
    洗面台の近くにある鏡の殆どが割れてしまってウチらを歪に映しておった。…といってもウチらがたっている出入口付近からは星が死角になっておるのやも知れぬ。星の帽子の尖った部分しか映っておらんかったからの。

    …とふっと、懐かしい気配を感じた。
    その気配は誰かはハッキリと分かる…そうじゃな。
    この気配は―――

    夢野「ハルマキ…かの?」

    星「…春川がどうかしたのか?」

    ウチらの声に、トイレ内は静まり返る。ハルマキはおろか何一つ返ってこない返事にウチは顔をしかめる。
    星が無意識じゃろ、身構えた。…と、すると耳元で何が囁く声がする。「…ご、めん…」とな?

    …んあ?この声はま、まさか―――

    どくん。どくん。

    …心臓の音が五月蝿い。
    …自分が自分じゃなくなるような冷めた手足。…手を伸ばそうとしても―――動くことさえままならぬ。どうして?と聞きたい気持ちと同時にだんだん薄れ行く意識。ウチの異変に感付いたのか星が「 大丈夫か?! 」と呟いている声がどうも…遠い。

    意識が完全に奪われる手前、曖昧な線引きの中でウチは勝手に口を動かす。

    夢野「…」

    夢野(?)『…ごめんね。夢野。また―――少しだけ体を貸して欲しいんだ』

    星「…っ!!夢野どうした!!」

    ハッキリと間近で聞こえる星の声。…じゃが、ウチは金縛りにあったかのように体が動かせん状態で、口だけが勝手に動く。…何故かは、分かりたくなかったが分かってしもうた。

    夢野(?)『…時間がないから手短に伝えるよ。…良かった。夢野の一緒にいるのがアンタで』

    星「夢野じゃないな?…お前さんは…誰だ」

    ウチが話しておるのではないと理解した星が警戒色を強める。…アヤツの勘は当たっておる。…だって。

    夢野(?)『まずは私はアンタたちの敵じゃない。寧ろ味方。…私は『 春川魔姫 』だから』

    ウチの体を奪っておるのがハルマキじゃから…ということは…ハルマキは―――
  44. 44 : : 2018/01/26(金) 06:58:04

    夢野(春川)『私はこの空間――厳密に言うと次元も場所も違うけど『 天神小学校 』で死んだんだ。だからもう…アンタらと直で逢えない』

    聞きたくなかった。…この空間で『 死んだ 』と言っておったが白銀…もとい『 冴之木 』から聞いた時、いやはやもっと早くの段階で理解できておった筈じゃった、事実。

    星「…本当なのか?」

    星もいきなりの展開についていけておらぬ事も分かる。ウチも…分かりたくなかった。出来れば…夢だと言って欲しいのじゃぞ。じゃが、現実は残酷じゃった。
    ウチの声で告げる、ハルマキの言葉。

    夢野(春川)『…本当だよ。死んだ時の事は話したくないけど、私は死んだ…死んだんだよ』

    星「…そうか」

    星の一言はウチに重く突き刺さる。すべてを察してしまったのか、その一言にぎゅっと詰め込まれておるようじゃったから。

    夢野(春川)『だから、みんなとは一緒に出る事は出来ない。でも、出る為の『 手伝い 』なら出来るよ』

    星「お前さんは…良いのか?それで」

    ウチから視線をずらした星が何とも言えない顔をしておる。ウチもその意見に同意なのじゃ。死んだからって―――どうして、お主はそこまで…

    夢野(春川)『いいよ。別に。『 死 』ってのは私の才能上、常に纏わりついてたし。それに―――』

    そこでハルマキがぐっと言い淀んだ。何かを言いたげなハルマキの姿が目に浮かぶ。

    星「なんだ?勿体ぶるような言い方」

    夢野(春川)『何でもないよ。…とにかく、私はアンタたちのサポートをする。それだけだよ』

    …その言葉に決意が込められておるようなそんな言い方じゃった。そんな決意を受け取った星は何も言わなかった。

    夢野(春川)『とりあえず、夢野。アンタに「 コレ 」渡しとく。どこかで使えるかも…何処かは分からないけどね』

    と、同時に『 ガチャリ 』とポケットに何かがが落とされる。…後でみてと耳元で言われた。
    う、うむ、ハルマキがそう言うならば…受け取っておこうぞ?

    夢野(春川)『それから、アンタたちに伝えておく。…生きてるアンタたちを『 誰か 』が狙ってる。『 誰か 』は分からないけどね。その『 誰か 』に捕まれば―――待ってるのは『 死 』、分かるよね』
  45. 45 : : 2018/01/26(金) 06:58:37

    し、死ぬ…じゃとっ?!
    確かにここではただで死なぬハルマキが死んだのじゃから意図も容易く死ぬ…のはあり得るのじゃが…
    ハルマキがウチらに言うことがどうも浮世離れしておって嘘じゃろ?と言いたくなる。

    星「…廊下に転がってた死体になるって事か」

    夢野(春川)『うん。そうだよ。あとは夢野ならわかってると思うけど、『 天神小学校 』は『 幾つもの異なる次元 』を持ってる【 多重閉鎖空間 】なんだ。
    だから、この次元だと赤松に最原や茶柱、そして王馬たちとはまず逢うことは出来ない』

    星「!?みんなで…脱出するなんて難しくなってくるな」

    星の意見もごもっともじゃ。しかし―――ハルマキは頭を振った。

    夢野(春川)『でも、脱出する時は『 生存する何人か 』居ないと成立しないみたい。脱出する方法、順序とかはさっぱりだけど、私を殺した人が言ってたから違いないと思う。それに――っ!』

    僅かに感じる痛みの記憶。こ、これは――?しかし何の記憶が理解する前に手足の感覚が戻る、な、何が起きたのじゃっ!?急の出来事に狼狽えるウチ。
    ウチがハルマキに声をかけようとしたらば、ハルマキが小さく呟いた。ごめん、これ以上は…と。

    夢野「んぁっ!!…ハルマキよ、どうしたのじゃっ!?」

    星「…!!ゆ、夢野のか…?」

    夢野「ハルマキが…消えたのじゃ…ハルマキっ!!」

    懇願するようにハルマキの名を呼ぶが…それっきり、無反応じゃった。唐突な事の連続にどうも意識がついていけぬ。…ハルマキの気配はさっぱり途切れてしもうたし、どういうことかの…?

    ま、さか…いまのは…夢オチじゃないのかと思いポケットに手を突っ込んで…取り出したものを見ると現実に起きたことじゃったと理解する。

    夢野「これは…『 何かのネジ 』のようなものじゃな…」

    星「…オモチャみたいだな…春川はそれがどこかで使えるかもって言ってたが…」

    首をかしげるウチら。とにかく使えるものじゃろうから、貰っておくぞ。



    ▼【 ネジ 】を入手しました… ▼

    情報:(春川が夢野に託したアイテムです。…ブリキのオモチャを回すような懐かしさを孕んだ造形の小さな金属製のネジです)



    と、その時じゃった。出入口から『 ガタン 』と音がしたのは…

    夢野・星「「 !! 」」



    question、>>46番さん、夢野・星の行動安価
    (2択です)


    1、なんじゃろうか…外の廊下に出てみるかの?

    2、いや、怖いからここに閉じ籠るぞ?

  46. 46 : : 2018/01/27(土) 00:29:11
  47. 47 : : 2018/01/27(土) 02:53:16

    (>>46番さん、おめでとう!…実は昨日私の誕生日(祝って欲しかったのは内緒(笑))…というのは置いといて、少しだけね。進みますよ…)


    ガタン、ゴトゴト…

    扉になど鍵がかかっておらぬ筈なのに何故か扉から音が…聞こえるのじゃ。…ビクッと肩を震わせ、扉を睨む。星は反射的に身構えるのが横目で見えるのじゃ。
    意を決し、ウチが恐る恐る声を出した…

    夢野「なんじゃろうか…外の廊下に出てみるかの?」

    星「…正気か?」

    扉からの音は止まぬ。普通の選択肢ならば、閉じ籠るのが正解じゃろうが、今のウチには冷静な判断は出来んかった。星の制止の言葉さえ届かなくて、ウチは朧気な足取りで―――出入口の扉を開く…と。

    そこには…

    夢野「…んあ?」

    ウチの目の前に立ち塞がる巨体、懐かしい姿。…年齢の割に背が大きいウチのクラスメイト―――『 獄原ゴン太 』がおったのじゃから。深い緑色の髪が自由に跳ねていて、瞳は―――深紅色を帯びたソヤツは間違いなく、ゴン太である。

    じゃが―――

    獄原「…」

    夢野「ゴン太かの?ど、どうしたのか…なにも話さぬなどお主らしくなかろうて」

    獄原「…」

    普段の獄原ならば、すぐに「 あ!夢野さんに星くん!…良かったぁ… 」とぱぁあああっと表情が明るくなる筈じゃろ…しかし今のゴン太は俯き片手に持っておるのは―――

    星「夢野!!…危ないっ!」

    夢野「んあっ!!」

    星が突然声を出さなかったらウチは硬直したままじゃったじゃろう…ウチが咄嗟に数歩後退る、と。

    ドカン!!

    ウチが先程までおった場所が大きく抉られて床が抜け落ちてボロボロ…と下の階へと床材の木片が落ちていった。
    ゴン太が片手に持つ『 血にまみれたハンマーみたいなもの 』を振り下ろしたのじゃった。

    夢野「ご、ゴン太っ!!お、お主はっ!!」

    星「ちぃ…夢野!…獄原は正気じゃねぇ!!…今は逃げるぞ!」

    ウチに向けてさらに『 ハンマーらしきもの 』を振り下ろそうとしておる、ゴン太にウチは鳥肌が立ってしまう。星が居らんかったら…恐らくウチはハンマーの餌食になっておったかもしれぬ…

    夢野「…どこに逃げるというのか?!」

    星「とりあえず…玄関まで行くしかねぇだろ」

    迫り来るゴン太を避け、ウチと星は『 女子トイレ 』から這い出ると辺り構わず、走り出した……



    accident!!、>>48番さん、獄原からの夢野・星逃走イベント
    ( 秒数指定です )


    ゾロ目→成功&+α

    偶数、十の位が1,3である場合→成功

    それ以外→失敗


  48. 48 : : 2018/01/27(土) 14:52:50
    んあー
  49. 49 : : 2018/01/31(水) 00:30:25
    (>>48番さん、おめでとうございます、しばし進行いたしまする…)


    バタバタバタ…

    ジャラ、ジャラ…ドタバタ…ズル、ズル…

    廊下を全速力で駆ける。
    今までに星と共に調べ進んだ廊下を引き返すようにそして、背後を振り向かんように―――ただ真っ直ぐを見据える。…ゴン太は王馬と共に追われた時の『 男児の幽霊 』とは桁外れに足の速度が違い…速い。相手が同年代、かつ身体能力が高いということかの。

    なぜ?追いかけるのじゃ!…と言いたくなるが、ここで何かしら話すと舌を噛むに違いないので荒い呼吸だけしか出せぬ。

    夢野「んあー…!!……ぜぇ…はぁ…はぁ…」

    星「…ちいっ、夢野!ここの階じゃ撒けねぇ!…おめーさんが来たっていう…下の階の玄関まで一気に走れるか?!」

    夢野「ん…ぁ…か、かま…わん…はょ、行く!」

    やはりここは『 超校高級のテニス選手 』であること、してその体育会系の才能じゃからだろうか…息をひとつも乱さぬ星の指示に従う他、あるまい。
    目の前の星の後ろ姿に必死に食らいつくように走っておるせいか脇腹と足が早くも悲鳴をあげている。だが、それに鞭を打ってなんとか走りきる。

    ドタバタと走る音、それに加えた自らの荒い息のまま…一気に階段を下る…

    階段を降りてもなおゴン太は追いかけて来る。
    …最早『 森のくまさん 』状態になっておるのじゃが――冗談を言っておる暇などないがどうしてもそのことが頭をよぎってしもうた。

    振り向けはせんが背後に迫る嫌な空気、そして足音でまだ追いかけておるのは明白じゃからの。

    星「…一体、どうなってんだ?!」

    それはウチが聞きたい。百田や入間たちと合流した『 男子トイレ 』を素通りする。…この先に百田たちがおらぬことを祈りつつ…扉を開く―――


    星「…ここは…玄関か?!」

    夢野「ゼエッ…はぁ…そ、そうじゃ…」

    割りと背の低めの下駄箱が2列ほど並んでおるこじんまりとした玄関。
    簀が敷いてはおるががボロいのじゃろう、半分がささくれて尖った木片が辺りに散らばっておった。下駄箱の陰に隠れながらも禍々しい『 赤色の蝋燭 』の灯火が揺らいでいるのが見え…それが入間の設置したものだと理解するのにさほど時間は掛からんかった。

    乱れた息を整える間もなく星が玄関口の扉に手を掛けた。すっ、と糸も容易く開いた扉を雪崩れ込むように奥へと進む…
  50. 50 : : 2018/01/31(水) 00:30:48

    ウチが最初に目を覚ました場所に戻ってきた。…校舎と校舎を繋ぐ外に作られた廊下の距離は思ったよりも短いようじゃ。

    バタン、と閉めた扉から『 ガチャン 』と鍵の締まるような音がしたのじゃ。慌てて星が息も絶え絶えなウチの代わりにと扉を動かす…が。

    星「ちぃ…締め出されたか」

    夢野「な、はぁ…なん、じゃとぉ…」

    星が押しても引いてもしまいには持ち上げたりしたが、ウンともスンとも動かぬ扉に―――あることが思い浮かぶ。

    夢野「…また…閉じ込め、られた…のかの?」

    星「…?またとはなんだ…?」

    そうか、星は知らんかったのじゃったな。ウチがこの場所…次元に来る前の話じゃ、とだけ答える。星はそれに納得でもしたのであろうか?扉の小窓から見える玄関をジャンプしながら覗いておった。

    …流石にその身長では見辛かろうに、と思っている内に息が落ち着いてきた。

    星「…獄原のやつ。…向こう側にいったみたいだな」

    と、同時にウチらがゴン太から上手く逃げれた事が判明し、安堵のあまりその場に座り込んでしもうた。

    夢野「…よ、よかったのかの…ゴン太を振りきってしもうて」

    安堵のあまりに出てしまう言葉。星は小窓を覗くの止めウチのそばへと近づいた。

    星「さぁな」

    夢野「さぁなっとはなんじゃ!!…確かに今のゴン太は様子が変じゃったがただ錯乱しておっただけかもしれぬ、それであったら話が―――」

    星「それは無ぇよ。…獄原がそういうタイプに見えるか?」

    首を振り、視線を遠くにした星が答える。…確かにアヤツは曲がりにも『 超校高級の昆虫博士 』じゃ。少しの事で動じておったらば、『 超校高級の小心者 』とか『 超校高級のビビり 』になっておるやもしれぬ。

    それにウチもそうじゃったが、あまり動じてはなかったからの。…それらを加味するとやはり、ゴン太は…

    星「事情はどうであれ、今の獄原に近づくのは良くないだろうよ…逃げたのは英断だと思うがな」

    夢野「そうじゃ、な…」

    ウチはポンポンとスカートに付いたかもしれぬ埃を取っ払い、立ち上がると、目先の扉を睨む。

    夢野「…ならばあそこに行く他、選択肢は無いのかもしれぬ」

    星「…話はここまでだな。先に行くか」

    新たなる扉に向けて外の渡り廊下を歩む…
  51. 51 : : 2018/01/31(水) 00:31:09

    廊下は屋根がついておるせいか濡れたりはせぬ…が、ウチがここに来た当初よりも激しくなっておる雨音に耳を塞ぎたくなる。…雨音と共に別の良からぬ声がきこえてしまっているせいじゃ。
    止まない雨天の夜の闇と校舎を取り囲むように鬱蒼と生い茂る木々を見ながら歩く道は怖さを孕む。

    星「…雨、か…?」

    夢野「うむ。先程よりも激しく感じるのじゃが…」

    てくてく…
    そうした会話も雨音に紛れ消えてしまいそうじゃった。早く室内に入らねば肌寒さに身が凍えてしまう…と思ったら丁度どんつき―――突き当たりまで到着した。

    夢野「…小窓からは…なんじゃ?校舎かの?」

    劣化具合から察するにウチがいた場所とはこれまた違うが、構造は同じのようじゃな。真っ直ぐと伸びた廊下の至る所に上履きが散乱しておったのじゃから。

    星「…夢野、開くか?」

    星の合図と共に扉に手を掛けた…のじゃが、今度は…またびくともせん。

    夢野「んあ!?…開かない…じゃと?!」

    驚きのあまりつい声が大きくなってしもうた。星も同様に協力をしてはくれたのじゃが、反応がなかった。

    星「…これはマジでヤバイな…」

    夢野「また、閉じ込められたのかのぅ…」

    災難じゃよ、本当に…と無意識にポケットの中に手を突っ込んでいたらしい。…ころん、となにかが床に落ちた。

    星が音に敏感に反応し、それを掬い上げる―――落ちたものは『 ネジ 』じゃった。ハルマキから貰った「 どこかで使えそう 」だと言っておった、『 ネジ 』。

    夢野「おお、星。すまぬな…落としてしまったのじゃ」

    星「春川から貰ったんだ、無くすなよ?」

    夢野「うむ、も、勿論じゃ!…んあ?」

    星からそれを受けとる時、じゃった。視線が不意に廊下の先の地面を捉えた。…そこにあるものに引っ掛かりを感じ、上履きのままに気が付けば屋根の外―――雨に濡れていた。

    星「ゆ、夢野!!どうしたんだ?!急にっ」

    ウチの突然の行動に戸惑いつつも後を追い掛けて来おる星もウチと同じくして雨に濡れる。雨の冷たさなどよりも惹かれたもの、それは石像じゃった。
    こじんまりと置かれたそれは苔が生えておってつるつるしておった。

    夢野「んあー…この犬のような置物がどうも―――気になったのじゃ」

    星「…狛犬か何かの石で造られた像だな…」

    二人してそれを眺める。丁度首辺りに丸い何かを捩じ込めそうな窪みがあるのに気づくのにさほど時間は掛からんかった。

    星「この窪み…お前さんが貰った『 ネジ 』と同じぐらいの大きさじゃねぇか?」

    確かに、と手の中に収まる『 ネジ 』を眺めてから窪みを見ると同じだという事が判明する。ならば、とウチは『 ネジ 』を窪みに入れて捻ってみた…ら。

    夢野「んあ!…すっぽり入ったのじゃ!…捻れるし、何かの装置かもしれぬ」

    くるくるとネジを巻いていくと同時に『 ガラガラ… 』と何かが動く音がする。
    丁度巻き終えた所ネジを抜こうとしたが丁度よすぎるのか抜けることはなかった。ウチはそのままにして「 どうじゃ? 」と星を見たら…星が扉の方向を指差して呟いた。

    星「夢野。どうやらここの仕掛けの為にあったみたいだな…扉が開いたぞ」



    ▼ 【 ネジ 】を使用しました… ▼



  52. 52 : : 2018/01/31(水) 00:31:32


    ( 時は遡り… )


    『 百田解斗 』side


    …うっ…

    ペチペチと頬に何か、冷たいものが当たる…僅かな衝撃と痛みに眉をひそめる。

    ??『おい、―――!!お、…!!』

    誰だ…こんな時に…オレは寝て…

    ?なんで寝てんだ?オレは…確か―――さっきまで教室に居たんじゃなかったのか?

    ??『…んあー!!…は……、お…んか!!……百田!!』

    怒号。なんだよ…今考えをまとめんだよ…
    だが、思考とは反対にクリアになる五感に…誰かが側に座ってるのと、オレは逆に倒れてんだなと思った。
    ゆっくりと瞼が光を取り込む…そして上体を起こした…

    百田「…っぅ…っ!…ここは…」

    声をずっと掛け続けてたのは―――夢野だったらしい。夢野はオレの反応にビクッと頬を叩いていた手を飛び退いた。

    百田「…ん?ここは…どこなんだよ…」

    頭を掻きむしり、胡座をかく。夢野はキョロキョロと周囲を落ち着きなく見ていたが「 そうじゃなぁ… 」と答えに困っている様子だった。

    百田「…うわっ、ななな…なんだよここはっ!!」

    夢野同様に周囲を眺めると異様な肌寒さにボロボロの壁、そして異臭のするこの空間に鳥肌が立っちまう。思わず叫び声に似た声を上げると、夢野が再び飛び退いた。

    夢野「ここは…ウチらがおった校舎ではないぞ」

    百田「んなことは見れば分かるってんだよ!…何でこんな所に入るんだって聞いてんだよぉっ」

    後半は涙目で叫ぶ。ここはオレが一番苦手な場所に違いない、と本能がそう断定してるからだ。こうなると中々恐怖心を切り捨てることは難しいんだぜ!…ってこんな場面で断言しても、無駄、か…

    夢野「―――っ!…急に叫ぶな…ウチとてあのような『 まじない 』がここに来る為の手順の一つだとは思わんかったのじゃから!!」

    百田「…?『 まじない 』?…ってアレか?真宮寺の奴がやろって言った…たしか」

    夢野「うむ。そうじゃ。『 サチ子のおまじない 』のことじゃよ」

    …ようやく冷静さを取り戻しつつあるオレの思考回路は、あのときの事を思い出した…

    百田「確か―――アンジーと真宮寺が率先してやろうってた『 まじない 』だろ?…みんなで2つのグループに別れて―――その後は…ああそうだ、地震が起きたんだったな、ありゃ…ひでー揺れだったな」
  53. 53 : : 2018/02/01(木) 06:22:54


    夢野「…地震、じゃと?」

    今度は夢野がきょとんとした顔をした。夢野は覚えてねーのか…?

    百田「ああ、そうだぜ。そんで、床が崩壊したんだ。…アレには全員驚いてたな…で、その後に床が崩壊した所に丁度立ってた―――テメーと王馬、それに後を追うように白銀が落ちてって―――…ん?そこからは記憶がねーからオレも落ちたんだろ」

    夢野「…そうじゃったのか…ウチには覚えが無いのう…」

    言葉にすっとスラスラと蘇る記憶に夢野は心当たりが無いんだろう、首を傾げていたんだからな。

    …ってか、ここはまさか―――

    百田「オレは…死んだのか?!」

    夢野「んあー!!そのようなことはあり得ん。何故ならば、頬をつねればわかるわ!」

    そういって夢野はオレの頬をぐいっとつねった。…い、いてー…実感する痛みに溜まっていた涙がポロっと頬を伝い、床にシミを作った。

    百田「いてて…って!…夢野!分かったから、もういい!」

    夢野「―――現実じゃ。ウチもお主もちゃんと生きておるぞ、自らの心臓に手を当てればすぐわかることじゃがの」

    腕をバタバタさせギブギブと叫んだ。夢野はその仕草をみるとパッと手をオレの頬から離したんだ。…ジンジンと痛みが残っていた…って事は夢野の言う通り、オレはまだ死んでねーって訳か。
    となると、疑問が再度浮かぶ。…目の前にいる夢野はどうやらこの場所について何かしらの情報を持ってんのは明白だろうしな。

    百田「天国でも地獄でもねーってか…よぉ…ここはどこなんだよ?知ってんだろ?その様子を察するに」

    だからここは素直に情報を共有すべきだ。夢野に聞いてみると歯切れの悪い口癖と共に話し出した。

    夢野「ここは―――そうじゃのぉ…『 天神小学校 』に間違いはないのじゃ…が…ウチもこの次元に飛ばされたばかりなんじゃが、んあー……この校舎自体は初めて見るのう。…案内は出来んぞ?」

    …『 てんじん、しょうがっこう 』??なんだよそりゃ。
    飛ばされたとかオレの理解の外側を語る夢野。事情をさらに聞く必要があるじゃねーのか?と思ってた時だった。

    ガラガラ…と扉が開いたのは。
  54. 54 : : 2018/02/01(木) 06:23:21

    夢野「…ならば、早速で悪いがの、星とウチで上の階を調べてくるとするか…しばらくしたらばこの場所で落ち合うのが良いじゃろ。…ほれ、行くぞ?星よ」

    星「…ああ、分かった」

    百田「おう、そうだな」

    普段の面倒臭がりな夢野はナリを潜めていた。そこにいるのはテキパキと指示をして、率先して行動に移る夢野の姿。…偽物なんじゃねぇのか?とも考えたがどうも違う―――気がした。これは勘なんだろうな。と思っている最中でも、夢野と追いかける星の背は段々小さく見えんだからよ。

    途中、『 棒 』を持っていたキーボの奴が夢野にそれを渡していたが、夢野たちはそれから振り向く間もなく廊下の扉を開き、姿を消したんだからよ。

    百田「…普段の夢野とは違うな」

    キーボ「そうでしょうか?…ボクたちも進みましょう!…こうしている間にも何かが変わっているかも知れませんしね!」

    ボソッと呟いた言葉に『 棒 』を渡して、オレと入間の方に戻って来たキーボが反応した。…そこまで反応しなくてもいいんだぜ?

    入間「…ってもよぉ…ここの階を調べるのは大体オレ様が調べたような気がすっぞ?」

    百田「さっきも言ったが、第3者によって新たなる発見っーもんがあるからな。…入間にはわりーが調べ直すからな」

    入間「…オレ様はついていくだけだからなっ!」

    キーボ「では、行きましょうか…」

    こうして、オレたちも夢野のいった方向とは正反対の廊下にある扉をくぐり行動を開始した。


    情報:( 【 百田・入間・キーボ 】が行動を開始します… )


  55. 55 : : 2018/02/01(木) 06:25:02
    『 男子トイレ 』から出た廊下を夢野とは違う方向に進む、とそこは…『 玄関 』だった。

    百田「玄関だと…外に出られんのか?」

    キーボ「試してみますね」

    玄関にある唯一の扉にキーボが向かっていった。キーボ一人に任せるのもシャクだったからオレもそっちへと向かう。

    キーボ「ぐぬぬ…アレ?開きませんね」

    先行したキーボが扉を開こうとしたらしいが、どうやら動かねーらしい。顔を真っ赤にして押したり引いたりしたが変化がからきしねーしな。

    百田「ん?この扉って鍵とかかかってねーからな…二人で押したりすれば開くんじゃねーか?」

    キーボ「…ぜぇ、はぁ…そうですね、試してみましょう」

    相当頑張ったみてーでキーボは息を荒げてたが、もうひと踏ん張りしてもらおう。…オレの意見に同意したのか再び表情を引きしめた。
    オレとキーボが扉から数歩下がる。
    入間はその様子を心配…いやあの顔は良からぬ事でも考えてんだろ。ならばと声を掛けた。

    百田「入間、掛け声頼む」

    入間「はぁ!?…なんでオレ様がテメーらのためにかわいい声をあげないといけねーんだよ!」

    キーボ「…今は一大事ですから、お願いします」

    入間「…ひぐっ!寄ってたかっていうなよぉおっ!!…分かったからさ…―――イくぞ…せーのっ」

    入間の声と共にオレたちは扉に向かって…体当たりをした。

    『 ドゴォオオオん!! 』

    扉にぶつかったのだから派手な音がした…が、扉は開かなかった。ただ体をぶつけただけに終わっちまったから、全身を痺れる痛みが駆け回るに終わった。

    百田「…いてーな、オイっ…一体どうなってんだよ」

    キーボ「こんな事をしても…ビクともしないだなんて…」

    パラパラ…と肩に着いた木屑やら埃やらを払いながらオレたちは入間の元へと戻る。無駄なことをしちまったなと苦笑いのオレたちに入間があるものを拾い上げた。

    入間「オイ、宇宙バカのポットからこんなのが落ちたぞ?」
  56. 56 : : 2018/02/02(金) 01:54:13

    すっと入間の手からに渡されたのは『 ペーパーナイフ 』だった。そいつは何処にでもあるような黒い持ち手のオーソドックスなデザインのヤツだ。

    百田「ん…こんなもん、アンジーや最原じゃあるまいし…持たねーよ?」

    キーボ「確かに…百田君がこのようなものを常に持つとは思えませんが―――」

    首を傾げそれを反射的に受け取る。キーボが傍らで眺めていると入間が下品な笑い声をあげた。

    入間「あの子持ちシシャモにでも掴まされたんだろ?…持っとけよ、新たなるプレイができるかも知れねぇよ?」

    百田「夢野がそんな器用な真似出来るわけねーと思うが…まあ、オレのポケットにあったならオレのもんだろ。貰っておくぜ」

    ポケットに『 ペーパーナイフ 』を捩じ込んでその場を後にする…


    ▼ 【 ペーパーナイフ 】を入手しました… ▼

    情報:(どこにでもある既製品の黒い持ち手の封筒などを切るための歯があまり尖っていないナイフです。これがどうして百田のポケットに合ったのか…疑問ですね)

    入間「にしてもよ、こんなうさんくせー所にナニがあるんだか…薄暗れーしな」

    ツカツカと入間個人が改造したヒール型の上履きをならしながらも下駄箱のひとつひとつを眺めて呟いたんだ。
    確かに…夢野が言っていた言葉にどうも王馬のような『 嘘 』が含まれている訳じゃねぇのは分かるが…いまいち実感ってヤツを得られずにいたんだ。

    百田「調べる…とはいったがオレらは終一みてーに調べることのプロって訳じゃないしな…こうも暗いと…」

    入間「ん?暗い、そーいったな!!…オレ様イイモン持ってるぜ!」

    意気揚々に入間が胸の谷間をまさぐり始めた。…おいっ、こんな所で何をしてんだよ!!

    キーボ「入間サン…如何わしいものじゃないですよね?」

    当然オレとキーボはまさぐる入間のあえぎ声をバックサウンドにジト目になっちまう。だが、当の本人はどこ吹く風。気にも止めず――取り出したのは一本の…棒か?

    入間「これがあれば、なんとかなんだろ!!」

    真っ赤な棒は…よく見てっと蝋燭のようなものだと分かるが…普通の蝋燭よりも毒々しい赤が目に入ってチカチカする。
    そして入間のドヤ顔。…一体何がしたいんだよ…とツッコミをしたくなるがその前に入間が表情を崩すことなく囃し立てるように話した。
  57. 57 : : 2018/02/02(金) 01:54:36

    入間「これはよぉ!…ツルショタに頼まれて発明した『 蝋燭 』だ!元はSMプレイ用にと開発したんだが…な。これがあれば、灯りとまでは行かねーが目印にはなんだろ?…長持ちするし、火が着く温度だって低いしな。んなスゲー発明したオレ様はさいきょーだぜ!!」

    キーボ「また、入間サンはっ!なんていうものを造ってんですか!?」

    キーボが思わず声を張り上げる。確かにそんなもんを王馬は頼んで何がしたいんだよ…ん待てよ、今入間はなにかを言ってたな…確か―――

    百田「『 目印 』だと?」

    そーだよ、と得意気に頷いた。…いちいち煽るように吐き出される言葉に王馬のヤローを連想するがアイツみたいに得たいの知れなさを醸し出してねー分、入間の方がましか。

    入間「ま、蝋燭の灯りなんて人間が造り出すライトより心許ねーがここの場所に『 オレ様もいる 』って証明になんだろ?…まだ出くわしてねーヤツがこの先いたとしたらソイツがこれを見てオレ様たちのもとにくるかもしれねーしな」

    百田「…例えクラスメイトじゃなくても、ある程度の情報交換が可能になるってことか!?…流石だな!入間!!」

    教訓から「 入間をおだてると良くねー 」と言われてるがここは素直に感心すべきだ。ここまで頭が回るとは思いもしなかったからな。
    入間はポケットから『 ライター 』を取り出すと蝋燭に灯をともす。ぼう…と付いた灯火は心許ないが暖かみのある色で入間の手元を照らしていた。

    キーボ「ですがー燭台とか無いと…バランスを崩しませんか?」

    そしたら大火事もいい所じゃないですか?!とひとりあたふたする。…木造だからな…固定する場所がなければ火の手はあっちゅう間に回りそうだしな。

    入間「チッチッチ…キーボテメーの頭はポンコツか?…オレ様をみくびんじゃねーよ!…燭台位持ってんだ!」

    その短いスカートからどうやって取り出したんだよ…と言いたいがやめておく。入間はライターを出したポケットから反対のポケットから燭台を取り出してそれを地面に置いた。それから蝋燭を燭台にぶっさした。

    入間「こんなことを予測してた訳じゃねーけどな、ギャーハッハッ!!」

    ドヤ顔で下駄箱近くに置いた蝋燭を眺めてゲラゲラと笑っていると今度はキーボが「 あ、あそこは――― 」とあるところを指差したんだよ。

    キーボ「あそこって確か…倒れていた棚が合ったから進めなかったんですっけ?…こことあそこが繋がっていたんですね!」

    百田「ん?どーした?」
  58. 58 : : 2018/02/02(金) 01:54:56

    キーボが指を指し示した先には、『 道を塞ぐ戸棚 』が倒れていたんだ。これがあったからキーボや入間は遠回りで『 男子トイレ 』にやって来たんだな、と理解したんだ。

    百田「ありゃー確かに重たそうだな…キーボ手伝え!」

    キーボ「え?あ、はい…」

    キーボと二人で動かせばなんとかなんだろ?と安直な考えで『 倒れた戸棚 』に近づいた。…こんな場面で女子の力を借りたりはしねーよ。入間が視界の奥でソワソワしてるが無視を貫いたしな。

    入間「おぃぃ…迂回してすすまねーのかょっ」

    百田「あたりめーだ。上の階には夢野達がいるしな…ここを退かせば後々楽になんだろ?」

    キーボ「確かにそうですが…動かせますかね?」

    キーボの不安な声に一喝する。なよなよすんじゃねーよ!

    百田「やってみねーとわからねーだろうが!?」

    キーボ「ああ…はい、分かりました…せーのっで持ち上げますからね…せーのっ」

    戸棚の床に接する場所を持ち上げる…なにやら物が入ってねーのか、ひょいっと持ち上がった戸棚を倒れる前の位置に浮かせて戻した…戸棚はガラス部分が倒れた衝撃で粉々になっていたらしく持ち上げた時に手を軽く切ったが…深くは切れなかったみてーで出血はまだしてなかったが、な。

    キーボ「…すんなりと持ち上がりましたね」

    掌に出来た切り傷を眺めてると傍らにいたキーボが汗を拭う仕草をしながらも戸棚を見ていた。

    百田「ああ…軽かったな」

    キーボ「…?どうかしましたか?百田クン」

    曖昧な返事をしたせいだろ。キーボのヤツが心配そうにオレを気が付けば見ていた。

    百田「いや、なんでもねーよ」

    ニコッと笑ってこっそり血が滲んできた手をさっと肩に掛けてる赤紫色のセーターの下に隠す。オレの答えに満足したのかキーボがくるりと背後にいる入間に声を掛けて、オレから視線を外したときに再び掌を眺める。

    血がうっすらと滲んだ手。…気掛かりなのはそこじゃねー…ベットリと付いた黒い液体に第六感が告げていた

    『 嫌な予感がする 』…とな。

    百田「(この液体が問題ねーやつじゃないといいが…)」

    よくみると床にもシミを作っていた液体は戸棚に元々合ったみたいだった。ハンカチも無かったから、ズボンでそれを拭うと…深く考える事を止めオレは二人に声を掛けた。

    百田「よし、この先に進むぞ…」


    情報:(【 倒れた戸棚 】を退かしました…)


  59. 59 : : 2018/02/02(金) 01:55:26
    百田「…この先には何があんだ?…入間たちは調べたんだよな?」

    玄関を過ぎて長めの廊下を道なりに進んだ。…玄関よりも薄暗さが増している為、キーボがライト代わりにと目から光を照らしてくれるお陰で恐怖心は…少しだけ収まってはいるが、やはり口調に出ちまうみたいで声が震えてたがな。

    確認を取るように二人に聞いてみる。…入間がすぐ答えてくてた。

    入間「確か…真っ直ぐ行けばオレ様が最初に倒れてた『 職員室 』…だっけか?があったな。あとはキーボがいた『 音楽室 』が隣にあったぜ?」

    キーボ「たしか…『 音楽室 』はちゃんとは調べませんでしたね。僕を起こしてそのまま向こう側にいきましたから」

    百田「…じゃあ、『 音楽室 』から調べっか?」

    入間「オレ様が最初にいた場所はくまなく調べたからな!!」

    意見がすんなりと決まるのはいいことだな。入間の言ってることは信じるとして『 音楽室 』を調べるのが先決だろ…と思っていると丁度廊下の突き当たりに到着したんだ。

    入間に促されるままにオレたちは『 音楽室 』に足を踏み入れた…

    音楽室、赤松が居りゃピアノが置いてあっから直ぐに弾きにかかるだろうな。グランドピアノが隅に置かれていて、オレらの身長よりも大分低い椅子と机が乱雑に置かれてる。

    キーボが背後で音楽室の扉を締めてからオレたちは探索を開始した…



    question、>>60番さん。百田side、音楽室調査
    (ある選択肢で進行します)

    1、肖像画か…
    (壁に並べてある肖像画を調べます)

    2、あそこにボクがいたんですよ。
    (キーボが倒れていた地点の周囲を調べます)

    3、なんであんな中途半端なトコに戸棚があんだよぉ!
    (音楽室中央に置いてある戸棚を調べます)

    4、ピアノが怪しいな…みてみっか?
    (グランドピアノを調べます)

    5、なんだか楽譜がちらばってますね…
    (教室の端の床に散らばる楽譜を調べます)



  60. 60 : : 2018/02/03(土) 22:15:50
    2で
  61. 61 : : 2018/02/05(月) 00:56:44
    (>>60番さん、お待たせしました…)

    入間「確かアソコにキーボが倒れ…(機能停止って言うべきだったか?)てたんだ!」

    キーボ「疑問符のつくような発言はやめてください!」

    上手く言えねぇが、「 倒れる 」で合ってんじゃねーのか?…キーボはロボットだから難しい線引きだと思うが。
    まあ、ともかく、だ。入間が開口一番に真っ直ぐ指差した地点―――をオレは遠目で見る。
    確かに入間の言ってた地点はまるでなんかがあったかのように机が退けられて丁度ひとり分の空間が空いていたんだからな。

    百田「なんか怪しいな。調べるか」

    呟きつつもなかなか目的地に到着出来ない。理由は机に行く手を阻まれてんのと床が所々抜けそうな箇所があったからだ。
    ――流石に床が落ちそうな所を堂々とはわたらねーよ?…んなことをするのは――体重の軽くてフットワークが軽いだろう王馬か星、またはチャレンジャーな女子…だろうな。
    キーボや入間は心配そうに見てたが…ようやく辿り着いた。それを背後に周囲を再び凝視する。

    百田「(近くで見たら分かるが…これはなんだ?…黒いシミが床にあんな…ん…渇いてるから結構前のシミか?)」

    床に溢したように…いやまるで人が倒れたように見えるシミが目立ってた。終一なら「 なんの液体だか分からないから安易に触れたら… 」ってお叱りを受けそうだが、そんな悠長な事をいってる暇はない。…直感がそう、行動しろと告げている気がしたからな。
    シミは既に乾いているし、よく見ないとこの暗さの中では気がつかないだろう…っと、あとは――

    キーボ「何かありましたー?」

    百田「……いや、なんにもねーよ?…いまそっちに行くからな!」

    転がってんのも無いし大したものは得られねぇな…オレはキーボたちの元へと四苦八苦しながら戻ることにしたんだ―――




    question、>>62番さん。百田side、音楽室調査
    (ある選択肢で進行します)

    1、肖像画か…
    (壁に並べてある肖像画を調べます)

    2、★調査済


    3、なんであんな中途半端なトコに戸棚があんだよぉ!
    (音楽室中央に置いてある戸棚を調べます)

    4、ピアノが怪しいな…みてみっか?
    (グランドピアノを調べます)

    5、なんだか楽譜がちらばってますね…
    (教室の端の床に散らばる楽譜を調べます)

  62. 62 : : 2018/02/05(月) 06:12:44
    3で
  63. 63 : : 2018/02/05(月) 20:27:43

    (>>62番さん、協力感謝です)

    百田「…にしてもよぉ…」

    入間とキーボの元に戻ってきたオレは再び音楽室を眺める。年代の分からない机と椅子が並べられたなかで一際目立つもん、それは――戸棚だ。

    入間「ここはマジで使われてたのか?…教室の中心に戸棚があるだなんてよぉ、隠れてヤっても先公にはバレねーy」

    キーボ「次はそこを調べましょう!…今度はボクが見てきますね!!」

    入間の言葉を遮るようにわざとらしくキーボが声を張り上げたが…タイミングがいささかズレている気するが、ここであーだこーだいっちまうとキーボのヤル気が失せちまうからグッと堪えて「 おうよ 」とだけ頷いたんだ。

    キーボはオレ同様に机と椅子、それに加えて床の抜けた穴を避けながら進むから時間が少しばかり掛かったが戸棚に到着したんだ。

    百田「キーボどうだ?」

    キーボ「ぱっと見た感じは…何処にでもありそうな戸棚ですが…」

    キイィイ…と古い構造をしてんのか軋む音を立てて入るが鍵などは掛かってねーみたいだ。オレと入間からは戸棚の背中しかみえねーからキーボが調べてるのも死角に入り、どうだが分かんねぇな。

    百田「キーボ!なんか見つかったか?」

    キーボ「…何もありませんね…どこも空っぽのようです…あ、そちらに戻りますね!」

    入間「けっ!…なんだよぉっ!シケてんなぁ…」

    入間はそっぽを向いて、イライラしてんのかちっ…舌打ちをしてた。…ここでイライラすんのもなぁ…

    キーボ「実は何も無かったり…しませんかね?」

    オレたちの元に戻ってきたキーボが恐る恐る呟いた。

    百田「まだ全部調べてねーから、答えを出すのはまだはえーと思うぞ…次は――――」

    …どこを調べっかなぁ…?




    question、>>64番さん。百田side、音楽室調査
    (ある選択肢で進行します)

    1、肖像画か…
    (壁に並べてある肖像画を調べます)

    2、★調査済


    3、★調査済み

    4、ピアノが怪しいな…みてみっか?
    (グランドピアノを調べます)

    5、なんだか楽譜がちらばってますね…
    (教室の端の床に散らばる楽譜を調べます)



  64. 64 : : 2018/02/06(火) 06:40:27
  65. 65 : : 2018/02/06(火) 22:49:50

    (>>64番さん、ありがとうごぜいますよ?)


    入間「ってか、ホントになんかあるのかよ!…ここまでみて何にもねぇってオチは――エロエロの袋とじの気体感を削がれたようなカンジだよなぁ!!」

    キーボ「いまいち分からない例えを言わないでください!!」

    百田「お前ら本当に仲良いよな!」

    …と感想を述べた所で背後にある音楽家の肖像画のレプリカを一瞥する。有名なショパン、ベートーベン、バッハやらあと…?…シェイクスピア?まて、場違いなのがひとり紛れているが…そこは突っ込んじゃダメな気がしたので見なかった事にした。

    百田「…んーなんかみられてる気がするよなーこれを見てるとさ」

    キーボ「言われてみれば目力が強い気がしますね…」

    気がつけばオレと同様に肖像画を眺めてるキーボ。入間もビクビクしながら同じように睨んでたんだ。

    入間「ままま…まさかここからオレ様たちを監視してる―――ってドッキリだったりしねーか?」

    入間が何気無く呟いた言葉に、カチン…と来た。
    クラスメイトを信じねーなんて…テメーは…よぉ…。
    よくよく考えれば、何事もねーのによ、何故か―――イライラしちまうんだ。

    百田「…夢野の言葉が『 嘘 』って言いてぇのか?」

    ギロリと睨む。当然、入間は立ちすくむ。オレと入間の間にいるキーボがあたふたしてるが、気にしない。

    入間「だ、だってそーだろぉ?…ここが本当に…『 天神なんちゃら 』だったらよぉ、オレ様たちは今どんな状態かも分からねーだろ…それに、ここで…ホントに死ぬのか?…VR見たいな仮想世界かもし、知れねーぞ?」

    確かに、冷静に考えればまだ、夢野の言葉が『 真実 』とは限らねーってのもわかる…が。

    百田「夢野がいってたなら信じるのも手だろうが!」

    キーボ「このままでは話が平行線ですよ!!…ここがどこなのか?については後でボクたちが決めればいいじゃないですか?!
    百田クンも入間サンも冷静になりましょう!!」

    ……キーボの言う通りだ。このままじゃ、ダメだ。
    深呼吸をする。よし、落ち着いた…か?腹の中の黒い感情を吹き飛ばす。

    百田「…ちぃ、…悪かった、入間」

    入間「…けっ、テメーが悪いんだよ!」

    キーボ「入間サン!!」

    …キーボに促されしぶしぶ「 悪かったよ 」とだけ呟いた入間。それをみてから再度声をかける。

    百田「大詰めだ、次は」




    question、>>66番さん。百田side、音楽室調査
    (ある選択肢で進行します)

    1、★調査済み


    2、★調査済み


    3、★調査済み

    4、ピアノが怪しいな…みてみっか?
    (グランドピアノを調べます)

    5、なんだか楽譜がちらばってますね…
    (教室の端の床に散らばる楽譜を調べます)


  66. 66 : : 2018/02/06(火) 22:53:02
    4で!
    私もコープス好きなので応援してます!
  67. 67 : : 2018/02/07(水) 04:15:15

    (>>66番さん、ありがとうございます!)
    (それに、おめでとう!フラグを回避したよ!…すこーし進みます…)


    百田「グランドピアノだな」

    この音楽室で一番目立つ…というのはこの場所だしな。どうしてここを真っ先に調べなかったのか――と疑問に思わなくも無いがまあ、良いだろうよ。

    キーボ「…全くどうして今まで調べなかったのか疑問ですけどね!」

    入間「テメーがそれをいってどうすんだよ!」

    キーボの言い分に入間が反論する。「 調べる順序ってのは案外適当なんだけどね 」と以前最原が霧切と話していた事が頭によぎった。

    百田「とりあえず、だ。ここは手分けをしてみた方が利口だろうな…キーボは向こう側を見てくれ、入間は…」

    指示を軽く飛ばす。オレは…椅子とペダルを見るか…としゃがんだ時だった。床についた手の感覚が…ふっと消えた。
    例えるなら局部麻酔をかけた後の痺れる感じに似た――――

    百田「(…?手が…痺れてんのか?)」

    その感覚と言えば一瞬だけで、両手を見たときには痺れなど嘘のように動いた。心の中に感じた違和感を切り替える。…ここの場所がオレにとって一番苦手だからな…と理由を付け割り切った、がな。

    キーボ「…!!あ、入間サン、百田クンも!!…ピアノの下に何か――ありますよ!…入間サンの方が近いです!入間サン取れますか?」

    入間「ん…ああ、なんかあんな!!…はぁ、オレ様にしゃがめってんのか?!」

    キーボ「入間サンのスカートの中はみないですから早く取ってください!」

    入間「っ!!…ハッキリというなよぉっ!!…分かったから、あーもーっ!!取ればいいんだろぉ!」

    キーボの必死の訴えにあわてて視線をピアノの下側から覗きみる…と、そこには必死にピアノの裏側の白い物体に手を伸ばすキーボが居たんだ。入間が丁度違う所から手を伸ばす。しかし白い物体は貼ってついてんのかなかなか取れねぇ…どうこった、とオレが首を傾げると入間の声がした。

    入間「なんだか…入ってやが、るがぁっ!…取れねーよ!…封がしてあるみたいだからなっ!…この具合といやぁ――」

    取れない?だと?…うーん。これは…ふっと立ち上がり、ピアノの椅子に腰を掛ける。ギシッと音がしたがちゃんと吸われんだな。人並みの感想を抱き腕を組んだ。
  68. 68 : : 2018/02/07(水) 04:15:59

    キーボ「それが紙で出来てるなら、破けばいいんじゃないでしょうか?」

    キーボが、困ったようにピアノから体を上げて、どうだ!と言いたげなのを横目にあることが…引っ掛かったんだぜ。

    百田「ん?『 破く 』…だと?…手を使って破けねーなら――っ!」

    パッと思い浮かんだ考えに、ポケットの膨らみを探す。…ああ、コレならっ!!

    入間「ん…これかっ!」

    オレは手にした『 ペーパーナイフ 』を入間に向かって床を滑らした――コントロールに関しては昔テニスをやってたんだ、ミスなんかはしねーよ!…見事に入間の足元に止まる。…流石に人には投げれねーよ。一応、刃物だしな。

    入間は一瞬刃先を見ていたが直ぐにしゃがんでピアノの下へと身を隠した。そして小さく何かを切る音がしたのち、『 チャリン 』と金属が落ちる音がしたんだ。…おっ!

    百田「お、入間!なんか取れたのか!!」

    入間は返事をしない代わりに転がった何かをガシッと掴んでからピアノから顔を出した。あ、高さを見謝ったのかのかゴツッンと軽く頭を打ってたが…大丈夫なのかよっ?

    入間「あだっ……っぷはぁっ!!…お、オレ様のパンティみてねーよなぁ!!」

    キーボ「見てませんから、何か発見があったようですね!」

    入間の恥じらいもキーボはそっちのけみてーだな。入間は打ち付けた頭を擦りつつ、『 ペーパーナイフ 』を俺に返した。そして、残りを見せびらかした。

    入間「コレだぜ!!…テメーらがエロエロに楽しみにしてたヤツはよぉっ!!」

    どん、という効果音が付きそうな勢いで見せびらかす、それは。

    百田「…ん?鍵か?」

    と、その時だった――――何処からか音がした。

  69. 69 : : 2018/02/07(水) 04:16:21

    微かに複数の足音。これは…
    嫌な予感がした。咄嗟に指示をした。

    百田「入間!キーボ!…誰かがこっちに来るぞ!!…ピアノの下に隠れろっ!」

    キーボ「え?足音なんて――聞こえませ」

    入間「はぁ!?なんで」

    耳を澄ますと…やっぱりだ。
    誰かの走る音が響いてる。しかも――心無しか近づいてねぇか?!
    アイツらの抗議の声をそっちのけで、入間の元に走る。
    キーボはしゃがめばピアノの陰で見えねーかも知れねーが、入間とオレは扉から見える…ならばっ、とギャーギャー喚く入間の体を押し込み、オレ共々ピアノの下に身を隠した。

    百田「キーボ、はやくしろっ!」

    しどろもどろになるキーボに声をかけ、手を思いっきり引っ張る、ゴツッンと金属が当たる音がしたが今はそれどころじゃねー。キーボもピアノの下に潜り込むことが成功した。

    入間「げっ、おまっオレ様に、欲情してん」

    キーボ「えっ、いたっ…なん、なんで」

    百田「…誰かが来る、しゃべんなよ!」

    声色を咄嗟に落とし、脅しを掛ける。

    入間「だよぉ……ひぐっ…な!?」

    キーボ「ほ、ほんとですか!?」

    百田「――ああ、だから、少し静かにしろよ…」

    オレのカンが当たってんなら――――夢野たちが何かあったのかも知れねぇ。そんで、『 誰かに 』追われてる、んな足音がオレが聞いた音。自慢じゃねーが、赤松より耳は悪りぃが、一般人よりは耳がいいからな。…っと話が逸れた。

    オレが言いたいのは…今からこっちに向かってくるとしたら。

    ソイツはオレたちの味方じゃない。

    バタバタと響く足音が消え、ダッダッ…と一人の足音が近くまで来て…ピタッ、と止まったからだ。
  70. 70 : : 2018/02/07(水) 04:16:49

    入間「っ!!」

    キーボ「!!」

    流石にその足音は聞こえたか。ソイツは音楽室の前に立ってる。丁度シルエットがウッスラと見える…人物を特定までは行かない。だが…

    百田「(かなり背の高ぇ奴だな…男か?)」

    ドクドク。

    心拍数が跳ね上がる。それは入間もキーボも同じみてーだな、入間は涙目になっており喋らまいと咄嗟に口を抑えガタガタと震えてんのはキーボと同じだな。

    ゴクリ

    と生唾を飲み込む。この中に入って来んなよ…と祈るように目を固く閉じた。

    百田「(頼む…っ)」

    入って来るなら味方であってくれ!!
    閉じた事で真っ暗な視界の中で、心のなかで祈る。――オレのヤマカンがハズれてくれよ!

    しかし、長い沈黙の時は終わりを告げる。
    とんとん、と肩をつつかれてハッと瞼を開く…とキーボが扉を指差した…

    キーボ「(どうやら…どこかに行くみたいです…)」

    百田「(…ああ、そうだな…)」

    扉の窓に映るシルエットがピト…ぴと…と廊下を歩いていくのがわかる。――よし、ここを見ねーみたいだな。と、安堵してはぁ…と胸を撫で下ろした時だった――

    バリーンッ!!

    入間・キーボ・百田「「「!!」」」

    再び走る緊張。
    何かが割れた音。何が、割れたのか…?分かってんだろ?
    音楽室の廊下側の窓ガラスがバラバラ…と床に飛び散った…その光景にオレもキーボも気がつけば両手で口を抑えてたんだ。
    驚くなかでパラパラとスローモーションのように粉々になっていく硝子に、恐怖心が増してきた。声も出せねー環境にオレたちはびびってたんだ。

    ちらり、と割れた硝子に混じり一瞬だけ、ソイツの後ろ姿が見えた。それは…

    百田「(……っ!?)」

    ソイツはオレがよく知る――いやオレたちがよく知る髪の毛…巨体に。入間が震えながら…アイツが闇に姿を消した後に小声で…ソイツの名前を口にした…

    入間「(…な、なんでだよ…なんで、デカチン…が…窓ガラスを割ったんだよ…)」


    デカチン、入間がそういう相手はひとりだけ。
    獄原ゴン太――ただその人だけ。


    ゴン太が闇に姿を消して大分時間が過ぎてから、キーボが開口一番言葉を発する。

    キーボ「ゴン太クン…がああいう事をするなんて…」

    百田「…するわけがねーよ…ぜっていちげー」

    入間「でも、だけどよぉっ!!」

    入間が言いたい言葉を言う前にオレがピアノから身を乗り出して手を伸ばす。

    百田「…入間、さっきの続きだ。何を見付けたんだ?」
  71. 71 : : 2018/02/07(水) 04:17:15

    オレが淡々と呟いたもんだからキョトンとしていたがあわてて手にしたものをオレの手に渡してから、ピアノから這い出てきた。

    チャリン…それは『鍵』だった。複製しやすい見た目でやすっちい『 鍵 』は時代を感じさせない位…きれいな銀色だった。タグなどは付いていないな。

    百田「…どっかの鍵か?どこなんだろうな…」

    入間「あとうひとつあったぞ?」

    すっ、と取り出したのは…紙切れだった。
    そいつをキーボがピアノから身を出したのちに読み上げる。

    キーボ「えっ…と…これは…?『 秘密の紙。答えは女子トイレの中の一番奥、開錠番号は…3445。 』って書かれてますが…一体どういう事なのでしょう?」

    百田「鍵といい…何だろうな。」

    入間「…デカチンのいった先にトイレがあんだよ…ってかソコに進むのか?」

    首を傾げてっと入間が恐る恐る呟いた。確かに…今のゴン太には近づいたら危険かもしれねーあれは怒ってんのかもしれねーし…だが。

    百田「…情報がねぇし…な行くしかねーだろ」

    キーボ「し、正気ですか?!だって上の階には夢野サンたちがいるはず…ですよね?」

    百田「いたら、そこで合流刷りゃいいだけの話だ。…だが」

    キーボ「…だが?」

    百田「いや、なんでもねーよ、行くぞ?」

    入間「な、なんだよ…含みのある言い方すんじゃねーよ!」

    百田「ああ、わりぃな」

    恐らく、夢野たちはもう――――上には居ねぇだろ。その言葉を飲み込んで、オレたちは『 音楽室 』を後にした…



    ▼ 【 鍵 】を入手しました… ▼

    情報:(複製できそうな何処でもあるような鍵です。どこかの鍵なのでしょうか?この校舎内で使える場所は無さそうですが…)


    ▼ 【 暗号の紙切れ 】を入手しました… ▼

    情報:(謎の暗号が書かれていました。が、これを解いたところで何処かが解決するのでしょうか?)


  72. 72 : : 2018/02/07(水) 04:18:37

    百田「にしてもよぉ、ここまで割れてるとはな…」

    入間「ド派手に割ってたからなデカチンは」

    ジャク、ジャク…と廊下に飛び散った硝子の破片をできるだけ避けて進んで入るが、どうしてもふんずけちまう。
    オレらは上履きを履いてっからなんともねーが、背後にいるキーボはジャリ…と踏む度に「 いたっ 」と小声で呟いてるが…アイツは…ロボットだろ?痛覚ってあんのかよ…と思いながらも廊下を渡りきって、階段を上り、入間に促されるままに『 女子トイレ 』に向かってった。

    上の階につくや否やで『 女子トイレ 』を見付けた。
    いざ、進まんと踏み出した足が入間によって止められる。

    百田「一体どーしたんだよ?」

    すると、モジモジとうつむいた入間が叫んだ。

    入間「ここだぞ?…テメーらこの中に入るなんてとんだ童貞共だよなぁ!!」

    ん?『 女子トイレ 』の事でなんかあんのか?…トイレを目前にしてなんだ…アレか?ションベンでもしてーのか?

    百田「今は緊急事態だからな、…まさか入間、ションベンでも行きてーのか?」

    入間「んぁああっ?!なんでそーなるんだよぉ!!」

    キーボ「それは流石にデリカシーのない言葉ですよ!!百田クン!!」

    オレの冗談半分に聞いた言葉が不味かったのか逆にキーボに窘められた。…ああ、冗談だからなぁっ!!と言いたげな目線を送ったがキーボには通用はしねーみたいだ。

    百田「ああ、わるかった。…なら問題ねーよな。とりあえず入るからな――変なこと考えてんじゃねーよ?」

    入間「今は緊急事態だしな…しょうがねーよな…」

    何がどうなってそう考えてんのか分からねーが一応入間は納得したみたいで渋々頷いたんだ。

    キーボ「そうですね、この中に何があるのかは…分かりませんが、行きましょう」

    入間「なにっ!キーボてめー今、イくっていったか?!キーボも思春期でお盛んな時期なのか?!…そこまで博士が作り上げてっとは…」

    ぶつぶつと独り言を吐いてる入間を無視してオレたちは『 女子トイレ 』に突入する…ぜ。

    扉を動かして、入るや否や、強烈なアンモニアの臭いに顔をしかめる。
    入間は「 くっせー 」と噎せてるから余程なのかもしれねーな。
    キーボはただひとり首を傾げてやがった…

    キーボ「お二人ともどうかしたんですか?」

    キョトンとするなかで、オレは無意識に入間と結託をした。…ああ、そうだな、と無言で頷いたんだぜ。

    百田「頼む、キーボにしか出来ねぇんだ。…トイレの奥を調べてくれねーか?」

    入間「キーボなら、出来ると思うぞ!!」

    キーボ「わかりました…この紙の通りに調べてみますよ…」

    釈然としないままにキーボはトイレの奥へと進みだしたんだ。
  73. 73 : : 2018/02/07(水) 04:19:05

    キーボ「ああ、トイレの奥の個室の中に何かがありますよ!」

    キョロキョロとオレらの代わり調べてくれてるキーボが奥にある個室内に入っていく。
    それをオレらはアンモニアの独特な臭いに苦しみながらも応援する。

    百田「よくやった!キーボ!…さくっと終わらせろよ!」

    キーボ「…わかってます!急かさないで…って奥にダイヤルがありますね、この紙の文字と同じ数だけありますよ!」

    ダイヤルを見つけたのか大喜びで報告する。

    入間「よし、早くダイヤル回せ!!…ここに長居したかねーんだよぉぉおっ!!」

    百田「お、おいっ、入間っ!」

    キーボ「…?どうかしたんですか?」

    トイレの個室からひょっこりと顔を出したキーボは戸惑っているみたいで、入間の本音の声を聞いてないみたいだ。とにかく早くしろっと言いたい気持ちを圧し殺してキーボに向けて叫ぶ。

    百田「なん・でも・ねー!!」

    キーボ「そんな大声で怒鳴らないでくださいよぉっ!…回しますよ?」

    入間「いーから回せっ!」

    オレらの叫びが届いたのかキーボは個室の中へと戻っていく…と、しばらくするとダイヤルを回す音が響いた…

    じーじー…カチッ、

    ドドトド…

    最後のダイヤルを回し終わったと同時に地響きが起こった…

    百田「――っう!!な、なんだあっ?!」

    入間「ひぐううっ!!また、地震かぁ!?」

    不気味な地響きに身を寄せあう。無意識に、だから別にいいだろぉぉおっ!!
  74. 74 : : 2018/02/07(水) 04:19:27

    ゴゴゴゴ…ガッチャン。

    しばらく地響きが起こった後に何かがハマったような音を残して、静かになったんだ。

    百田「…一体…何があったんだよっ!?」

    抱きついてるもんにしがみつく…柔らかい感触に我に返るっと…そこには顔を真っ赤にした入間がプルプルと震えてった。

    あ、しまった、とばっと距離を置いた。
    入間は無言で睨んでいたが…キーボがこっちにやって来たことで睨むのをやめてキーボの方に声をかけた。

    入間「ゴホンッ…どっかのナニかが…動いた…んな機械の音だったな。キーボ、わかるか?」

    キーボ「あれ…どうかしたんですか入間サン?…顔が真っ赤です」

    入間「んなことは関係ねーだろ!!…で、どうだ?」

    キーボ「うーん…分からなくもないのですが…階段の方から聞こえた気がします…どっちの階段かは分かりませんが…」

    百田「なら次は階段だな。進むぞ…」

    次の行き先は階段。とんとん拍子に進んでる状況にオレは甘んじていたのかもしれない…にこやかに清々しい気分のまま、扉を開け、廊下に出たら…

    ??『…見付、けた…』

    百田「っ!!テメーはっ!!」

    ゴン太が待ち構えてたんだからなっ。
    それには続けて出てきた入間、キーボも驚く。
    ゴン太は死んだ魚のような瞳を焦点の合わねー目を向けるとその手にしていた真っ赤に濡れた…ハンマーをオレたち目掛けて…振り下ろしてきたんだからな…






    accident!!、>>75番さん、
    獄原からの入間・キーボ・百田の逃走イベント
    ( 秒数指定です )


    ゾロ目→成功&+α

    奇数+1の位が0,4である場合→成功

    それ以外→失敗
  75. 75 : : 2018/02/07(水) 12:49:15
    ゴン太…!!
  76. 76 : : 2018/02/09(金) 00:38:27
    (>>75番さん、おめでとう!しばーらく進むぞ?)


    オレの声を遮るように振り下ろされたハンマーが大きく床を抉る。バラバラ…と木屑と埃がハンマーと共に巻き上がってゴン太の表情を隠してしまう。
    普段のゴン太からは想像出来ねー行動に戸惑うオレたち。
    じりり…と間合いを詰めてくるゴン太にキーボが声を掛けたんだ。

    キーボ「ゴン太クン!…なんでっ」

    獄原『…』

    入間「デカチン!!テメーついにオレ様たちがまともに見えねーってのか!!」

    獄原『ぐぁぁああっ』

    入間の声にも動じず、ゴン太はハンマーを再び振りかざす。…そのハンマーの先にいるのは――――入間だ。
    入間は驚きと戸惑いのせいで動けねーみたいだな…ヤベェ。
    ゴクリと生唾を飲み込む。…このままじゃっ、今のゴン太はヤベー。…落ち着くのを待つか…それともっ。

    百田「(テメーを裏切る事になっちまうが、許せよ、ゴン太っ!!)」

    思考を停止させ、目を閉じ再び開く。…ゴン太との距離はあとほんの少しだ。このままだと『 同級生殺し 』を許すことになっちまう。――なら、選択肢はひとつだけだ。
    入間の腕を強く引っ張る。バランスを崩した入間が驚きながらもオレを睨む。そんなのを気にせずにキーボに向けて叫んだ。

    入間「お、おいっ、トンガリ頭っ!!急に何をっ」

    百田「キーボ!!逃げっぞ!!」

    キーボ「で、ですが…っ」

    戸惑いの声をあげてるキーボの近く――入間がさっきまでいた地点にハンマーが落ちる。…床が崩れる音が間近で聞こえちまう。オレが腕を引いてなければ…入間は無事じゃなかっただろう。入間は無意識に震えていた。

    百田「今のゴン太に何を言っても無駄だ。…一旦夢野たちと合流すっ事を考えんだ!!」

    キーボ「…わ、わかりました!」

    すまん、ゴン太。
    心のなかで謝ったオレはそのまま入間の腕を引いて走り出した…んだ。


    入間「んはぁっ、はあっ…」

    キーボ「まだ…追ってきますよ!!」

    女子トイレから近くの階段を下りて廊下をひた走る。
    ゴン太はかなりのスピードで追いかけてるのがペタペタと裸足の音で分かる。…っーかここに来てゴン太は裸足だったのかよ!?

    百田「(…このままだと校舎をぐるぐるするだけだ…)」

    どうする――また階段を上った所でゴン太を撒いたとしてもどうせまた鉢合わせになっちまう。
    ならば、この場所から出るのが一番じゃねーのか?

    でも、どうすれば…外に出られるんだ?
    考えを巡らせてるとオレの先を走ってるキーボが、ある場所を指差した…

    キーボ「あ!あそこが開いてますよ!」

    百田「!!ソコって――――っ!!」
  77. 77 : : 2018/02/09(金) 00:38:54

    (再び時は遡り…)


    『 夢野秘密子 』side


    ウチらがびしょ濡れになりながらも解いた仕掛けの開いた扉に入るとフワッとまた嫌な気配が脳裏を支配する。
    じゃが、流石にウチが慣れてしまったのか、それとも――ウチの意志が強くなったのかは分からんじゃが、乗っ取られたりはせんかった。
    雨に濡れたせいか、星がブルッと肩を震わせた。武者震いってやつかもしれぬが。

    夢野「うむ…ここに繋がっておったのか…いやウチが最初におった場所にはこんな所なかったのじゃ」

    背後になった扉を閉めながら呟いた。独り言じゃったのじゃが、星にも聞こえたのかこちらを見たのじゃ。

    星「…なんだ夢野、この場所に見覚えがあんのか?」

    星が驚くのも当然じゃ。ウチらが新たに来た場所――そこはウチが最初に王馬と共におった場所に似ておったからじゃ。じゃが、少し壁の色も異なるし、ボロボロ具合も風合いも違うがの。

    夢野「んあ。風合いが違うのじゃが、何となく似ておる。ウチが当初いた場所にの…崩れ具合もウチのおった場所とは違い比較的綺麗なのじゃな」

    今度は壁をなぞる。…パラパラと木片が落ちるが抜け落ちたりするほどボロボロではない。床も穴が開いる箇所もなく比較的に歩きやすいのじゃ。

    星「そうか…だったら構造自体は変わらねぇのかもしれないな」

    夢野「じゃと…いいのじゃが…」

    ギシリ…んあー…床は崩れたりせんが軋むのじゃな。一歩踏み出した足跡が目立つ。…濡れてしまったせいかと思うたが、土で汚れておることからこれは濡れたのではないと分かるのじゃ。

    星「ここで立ち止まっても意味がねぇだろ…とにかく進め――――」

    ??『と…うさん!!どう…た……そ……け…は?!』

    ??『…い…ら君、わ……だ、い…よ?…それ…り…』

    星がため息混じりで呟いた言葉に覆い被さるように違う誰かの言葉がフワッと浮かんできたのじゃ。浮かんだ、とは違うな。…これはテレパシーってやつじゃな。どこか遠い場所なのじゃろうかウチの耳でも聞き取れんかった。

    星「おい?聞いてんのか…夢野?」

    気が付くと不思議そうにウチを見上げる星がおった。…どうやら見知らぬ声に集中しておったせいか、星の言葉をまともに聞かなかったからかの?

    夢野「(んあ?…星には聞こえなかったのじゃな…)」

    ウチだけに聞こえる声。なんだったのか…クラスメイトの声に近かったが、油断はせんほうが良いじゃろ。

    夢野「何でもないぞ?…少し考え事をしておっての」

    星「そうか。あんまり変なことを考えるんじゃないぞ?」

    スタスタと歩き始める星を追いかけ廊下を歩いていく…


    情報:(誰かの声がしました…夢野にしか聞こえなかったようですが彼らは一体…)
  78. 78 : : 2018/02/09(金) 00:39:36

    かちっ、かちっ
    と点滅を繰り返しておる蛍光灯があるせいで目がチカチカするのじゃ…電気があることに驚きを隠せんウチはビクビクと先に行く星の真後ろに続いておった。
    と、目の前を行く星が立ち止まった。…なんじゃ?

    星「…なぁ夢野、お前さんの知る限り…『 更衣室 』って場所あったか?」

    何を急に聞いておるのか…と星の帽子を眺めておった視点をずうっと上に移す…と星の言いたいわけが分かった。
    廊下の突き当たりまで到着しておったのにも気がつかなかったのじゃが、そこには初めて扉が佇んでおったからの。

    夢野「いや、知らぬ…が…ここも初めてじゃ」

    なら、と星が振り返りウチを見上げる。

    星「ここから調べてみるか?」

    夢野「そうじゃの。ここの中に何かあるやも知れぬ」

    こくんと小さく頷いてウチらは『 更衣室 』とかかれた無機質な扉のドアノブを捻った…
    寸なりと鍵もかかっておらんかったのじゃろう、そいつは糸も簡単に開いたのじゃ。

    夢野「おお、あいたのじゃ!」

    星「なら、入るぞ」

    スタスタ…

    夢野「んあっ――っ!!」

    入るや否や。ズトーンと酷い頭の痛みが増した。
    『 更衣室 』と書かれておるからか、シャワーが壁に掛けられておって、洗面台が入ってすく側にあり、奥の方には違う扉がうっすらと見えておった。
    衣類を置くであろう銭湯でも見る木製のロッカーがこじんまりと並んでおる傍らで死体が転がっておって、頭痛の原因はソヤツの怨念からだとすぐ分かった。

    星「夢野!!大丈夫か?さっきから様子が変だぞ?」

    星が心配そうにウチを見上げておる。
    そんなに心配されると…少し気恥ずかしくなってしまう。それどころじゃないくせにどうもその事ばかりを考えておるウチがおった。

    夢野「…長居せんなら大丈夫…じゃ…とりあえず奥の扉に進まないか?」

    星「奥の扉?…ああ、アレか。じゃ行くか?」

    酷い痛みのまま奥の方に向かい入り口と同じような構造の扉を開くと…そこには。

    夢野「プールサイドじゃと…」

    星「まあ、『 更衣室 』があるとすれば当たり前だろ」

    雨ざらしの『 プールサイド 』が広がっておった…
    掃除などされておらぬ苔まみれのプール。そこにはプカプカと浮いておるのはこれまた死体じゃ。
    思わず顔をしかめる。星も「 酷いな… 」としかつぶやいておらんかったが、意を決したのかウチの方をみて、

    星「…何かあるかもな調べるか」

    と答えた。


    question、>>79番さん、夢野・星の調査安価
    (ある選択肢で進みます)


    1、プールに何かういてるみてーだな…
    (プールに浮いてるものを調べます)


    2、雨に当たるからな…調べるのは濡れちまいそうだな
    (いっかい考えます)


    3、プールサイドのフェンスになんか貼ってあるな
    (フェンスに貼られた紙を調べます)


    4、ん?奥になんか扉が見えるな
    (奥にある小屋を調べます)

  79. 79 : : 2018/02/09(金) 05:55:47
  80. 80 : : 2018/02/13(火) 05:13:37
    (>>79番さん、長らくお待たせしました!……少し個人的問題が発生し為、投稿が遅れ……ました…支部の投稿のデータが無くなるとかマジ泣ける)


    星「また向こう側に扉があるな。其処から調べるか」

    夢野「そうじゃな。ではウチも――手伝うぞ?」

    帽子をかぶっておったらば――この程度の雨など造作もないが――帽子はアヤツに奪われてしもうたままじゃから、この『 次元 』にはないじゃろ。
    ふん、と意を決したウチが一歩を踏み出そうとした時じゃった。星がそれを止めた。

    星「お前さん、無理はするな。今にも倒れそうな顔色をしてるぞ。俺が調べてくるからここで待ってろ」

    夢野「し、しかしのぉ……」

    星「…人の好意は受け取っとけ」

    そう呟いた星は雨など気にも留めずにずんすんとプールサイドを小走りで進んでいく。死体の浮いたプールを横目にあっという間に向こう側におった小屋まで到着した。

    星「…やはり鍵が掛かってるな」

    ガチャガチャとドアノブを捻る音が聞こえたのちに星が残念そうに呟いた。
    鍵が掛かっておる――と言っておったが、今の手持ちでは『 鍵 』に等しいアイテムを持っておらんからの。なにもできぬ…かと思っておると再び星が走って戻ってきたのじゃ。

    星「ダメだな、アソコの中には入れないな。一応抜け道とか無いかも見たが――見つからなかった。廃屋みたいな場所だからな。ひとつやふたつ見つかるかと踏んでたが――収穫は無しだ、つぎはどうするんだ?」

    夢野「そうじゃのぅ…つぎは――」



    question、>>81番さん、夢野・星の調査安価
    (ある選択肢で進みます)


    1、プールに何かういてるみてーだな…
    (プールに浮いてるものを調べます)

    2、雨に当たっちまったから、少し雨宿りでもするか
    (いっかい考えます)

    3、プールサイドのフェンスになんか貼ってあるな
    (フェンスに貼られた紙を調べます)

    4★調査済み

  81. 81 : : 2018/02/13(火) 06:11:40
  82. 82 : : 2018/02/14(水) 03:10:50
    (>>81番さん、はやっ…いです。そして…すこーし進みます)


    夢野「や、やはり――普通ならば目立つところじゃろうか…?」

    例えばプールに浮かぶ…死体とか――かの?
    ウチの飲み込んだ言葉を汲み取ったのか星はウチと同じ方角――プールを見ておった。

    星「そうだな…見てみるか」

    また、軽い足取りで降りしきる雨のの中を繰り出す。
    …どこかで嫌な予感がしておったが…予感がするだけじゃろ、と勝手にそれを星には言わずにその背を見送った。

    星「…パッとみると…死体以外は浮いてはなさそうだがな――ん?」

    夢野「星よ…何かあったのかの?」

    星がプールの縁をじっと見ている。この場所では何かを見つけたとしてもウチの目には見えないのじゃ。
    それぐらい水は濁っておるし、死体も浮かんでおる。強いて言えば…外も暗いからの。

    目を凝らしても――


    『 キャハハ…アハハッ 』

    『 アーア…ダメジャナイ…ソンナコトシテタラ… 』


    夢野「…?」

    誰かの…笑い声がした。星は当然気が付く筈も無いのじゃが、無意識に星の方を眺める。

    星「この位置だと取れねーな…何か引っ掻けるもんがありゃ…いいんだが…」

    星の呟きにはっと何かが思い浮かぶ。それは――キーボから貰った『 棒 』…じゃな。これがあれば星の困り事が解決するのではないのか?

    夢野「星っ!これはどうじゃ?」

    ウチの呼び掛けに反応を示し、上体をウチの方に向けた星に『 長い棒 』を掲げる。

    星「…手繰り寄せられるか――やってみるさ…取りに行くから待ってろ」

    夢野「分かったのじゃ!気を付けるのじゃぞ?」

    星がこちらにそう答え、またウチの方へ近付いた時じゃった――…


    『 ザンネンダネー…オネェ―――チャン… 』

    夢野「!?」

    間近で…いや耳元で声がしたのじゃ。吐息さえ聞こえてしまう距離感に耳を押さえたため『 長い棒 』をカラン…と地面に落としてしもうた。
    が、そのような事はお構い無しに背筋が凍りつき、ハッとなり、振り返る…とそこに居ったのは――――

  83. 83 : : 2018/02/14(水) 03:11:25

    『 星竜馬 』side


    夢野に持たせた『 長い棒 』を取りに戻る途中だった。
    夢野が驚いた顔で背後を見ていたんだ。

    驚いた拍子に「 カラン… 」と棒を地面に落としたが夢野はその事に気が付いてはなかった。

    星「夢野!?…どうしたんた!!」

    柄に無ぇが思わず声をあらげちまう。普段の夢野なら俺の態度にすぐさま反応する癖に――無反応だった。…無事ならいいんだが――夢野の背後にはなにもいねーし一体どうしちまったんだか…

    夢野「…」

    星「ちぃ…夢野!」

    叫ぶ。夢野は相変わらず黙りを貫いていた。
    夢野まであと少しで辿り着く筈なのにどうしてだろうな。距離が縮んでいる様子が全くねぇな。
    寧ろ離されている――んな気もした。

    夢野(?)「ふっ…本当に残念だなぁ…」

    ガラリ、と夢野の口調が変わっちまった。
    な、何事だ?!
    驚きを隠せないままその場で立ち止まり、癖で間合いを取っちまった。雨に濡れた上履きがじっとりと水分を吸って少し…重くなっちまったな。――なんて余計な事を考えながらも叫んだ。

    星「おいっ!!」

    夢野(?)『…あーあ…残念だなぁ…おにぃちゃんとおねぇちゃんなら、楽しませてくれると思ったのに…ううん、ちがうね。これから楽しませてくれるんだよね!!』

    夢野はくるり…と俺の方をみた。その瞳の色はくすんでいた。…瞳孔は開いたままで俺の事を凝視していたんだ。

    夢野(?)『あーあ…二人とも死んじゃうのかなー?』

    くすくすと王馬みたいなえげつない笑みを浮かべ夢野が叫ぶ。普段の夢野とはかけ離れた姿に頬から冷たい汗が流れ落ちるのを感じた。

    星「(ぐっ、何が起きてんだか、さっぱりだ。だが――夢野は夢野じゃないのはわかる…)」

    ぎりっと奥歯を噛み締めた。夢野は両腕を天に広げ叫ぶ。

    夢野(?)『早く、おねぇちゃんを助けないと――おにぃちゃんも死んじゃうよ?』

    さあ――どうする?

    歪んだ唇が言葉を汚く吐き出す。…どうすればっ――っ!?



    accident!!、>>84番さん、夢野の異変イベント
    (秒数安価です)


    ゾロ目,成功+アルファ
    (描写が追加されます。が、どこの描写かは内緒)

    1の位が4の場合,大失敗
    (ゾロ目でも、成功ラインでも容赦なく大失敗します)

    0~20,成功

    21~40,辛くも成功
    (成功しますが…のちのストーリーに関わるかも?)

    41~59,失敗

  84. 84 : : 2018/02/15(木) 09:58:04
    んあー!復活の呪文を唱えるぞ!
  85. 85 : : 2018/02/15(木) 09:59:17
    \(^o^)/
  86. 86 : : 2018/02/15(木) 16:16:47
    あっ……笑
  87. 87 : : 2018/02/16(金) 12:11:55

    (>>84番さん、あっ…大失敗と言うことは大改造ストーリー改編です。本来でしたら星君が――――でしたが…残念だなぁうぷぷぷ…)

    (あ、支部とはストーリーが変わるよ!!……少しだけ、ね……)


    おねぇちゃん――夢野が『 死ぬ 』ってなんだ?
    確かにここは胡散臭いし、目の前にいる夢野事態もおかしいし。となると…万事休す、背水の陣――ってヤツか。

    星「ちっ」

    舌打ちを打って夢野を睨む事しか出来ないのが歯痒い。夢野はどうなっちまったんだ?夢野を何とかしないといけない、だがどうやって――助けるんだ?
    解決の糸口が見えないのはどうもイライラする。
    …どうにかなんねぇのか?俺には何も出来ないのかっ。

    夢野(?)『…おにぃちゃんは「 サチ子 」を喜ばせてくれるよね?』

    星「…どうしたいんだ」

    夢野――「 サチ子 」と名乗った人物はゆっくりとした動作で指を鳴らす。
    パチン、と乾いた音を響かせると――雨が止んだ――っ?
    今まで止む気配も無かった雨が止み、曇天が空を暗くした。

    ――まるで、目の前の人物が全てを牛耳るように暗闇が夢野を隠す。視界が…闇に覆い尽くされた。

    星「(な、何が起こるんだ…)」

    暗闇が怖いとかそんなんじゃねぇ。得たいの知れない物が支配しているこの場所に――気味悪さを含んでいた。
    その中で、夢野とは違う声がする…

    ??『…運が悪いよね――おにいちゃんの運命はサチ子が握ってあげる…フフっ、キャハハハ…』

    耳元で囁くように呟かれた言葉。こそばゆいとかの感情はそこにはない。ただ気味が悪い――嫌悪感だけが募る空間にギリリ…と自分の歯軋りだけが聴こえるような静けさ。

    星「(暗い…静かすぎる…これだと…下手に動けねぇ)」

    最早助かる気がしない。そう思って瞼を瞑る。
    死ぬなら潔く死にたい――いっそ、簡単に――思いが過り、それから瞼を再び開いた。

    ??『えー…それだとつまんないじゃん。死にたがりさん?』

    子供の声でケラケラと俺の気持ちを把握するように呟く。その声は無邪気であるが――これから起こる出来事に想いをのせている…そんな声色だった。
  88. 88 : : 2018/02/16(金) 12:12:30

    星「…っ!?」

    子供声が聞こえた後、ばっと視界が開けた…月明かりが雲間から差し込んだんだ。柔らかい明かりだったから目が眩んだりとかはしなかった。…だが――

    星「夢野が…居ないっ?」

    目の前に対峙していたハズの夢野が居なかった。…一体どうなってやがる――と回りを見回した――ら。プールに見慣れないものが新たに浮いてたんだ。

    濁ったプールの真ん中にプカプカと力なく浮いているその背中に見覚えがあった…アレは――

    星「――夢野ッッ!!」

    あの制服、赤毛の髪の毛。確かにいや確実に夢野、だ。
    名前を叫んだが、動く気配がねぇ。…アレは遠目で見ても分かるんだ、分かりたくないが。

    星「…(死んでる…な)」

    夢野が、どうしてあんな状態なのか理解が追い付かなかった。…闇に覆われた時だって何も音なんてしなかったのに――どうしてだ。
    さっきから理解が出来ない事が多過ぎてどうしようもない。とりあえず、夢野を助けねぇと…そう思ったのはしばらく後だった。

    夢野が落とした棒を使ってプールの深さを調べる。
    …小学生用のプールだ。そんなに深くねぇだろと考えたのが甘かった。…棒を刺した途端に食いっと何かに引きずり込まれる感覚がしたんだからな。

    星「――おいっ、どういう…っ!」

    棒に気を取られ過ぎた。背後に『 誰か 』が居たのに気が付かなかった訳じゃねぇ。だが、咄嗟に避ける行為――受け身やら取れなかったんだ。

    トン、と軽く背中を押された…棒を握っていたから、そのまま――ドブンと汚れた水の中へと落ちちまう。

    星「しまっ…ゴホッ」

    突然の出来事だったから息を吸い込む動作も出来ずに底なし沼のような深さのプールに墜ちていく…視界が藻やら汚れで緑色に染まる。苦しい…と体をもがいてもがく…がそれが無駄である事は、だんだんと水面から離れ行く事で嫌でもわかっちまう。

    星「く、そっ…」

    どこが底なんだっ、底に足さえつけばっ!
    と体勢を変えようとしたが藻がが絡み付いて動かねぇ…いつの間にとぐっと下唇を噛み締めた。

    このままじゃ――いや、いっそこのまま…絶望感が全体を支配して、目を閉じた。
    最早助かる事を諦め、朧気な意識を手放した――



    【 WRONG END(★4) 】:彼と言えば――溺死だよね?


    (初バットエンドおめでとう!…再開は>>87からです。安価の結果が『 大失敗 』なので再安価は無しです。選び直しは出来ないのが――『 大失敗 』の内容でした、進行は『 辛くも成功 』でしばらくすすむよ!)


  89. 89 : : 2018/02/17(土) 01:27:11

    ??『そんなに死にたいなら、ゆっくり死なせてあげる…でも、今はその時じゃないみたいだからやーめーたっ!』

    パチン、と響いた。
    …すると、目の前の風景が元に戻る。急速に色を取り戻した世界には雨がぽつり、ぽつりと頬に当たる。…雨特有の湿気に顔をしかめたが、目の前に夢野が倒れている事と同時にほっと胸を撫で下ろすが―――ピリッと左手が痛むのに驚く。何事だ――と…起こったのか分からぬままに手首を見た…ら。

    星「……っ!」

    震える左手。…元々爪はコツメカワウソ並に短いんだが…薬指の爪が剥がれて血が流れていたのさ。

    星「――っ……痛いな…」

    何をされたのかさっぱりだった。痛みも何も感じなかったからな。クソっ…アイツがやったのか?
    しかも薬指ってのが地味に…嫌な予感がした。流れ落ちる血は止まる気配か無い。止まらないのであれば少し危険だろう、まあ…少し時間が経過すりゃ止まるだろうよ。
    この程度の痛みは慣れてるだから平気と言えば平気だ、だが――

    …と、頭上から声がした。

    夢野「星っ!…そそ、それはどうしたのじゃ?!」

    星「…ゆ、夢野っ!」

    声をかけられふっと頭上を上げるとそこには先ほどの夢野は微塵もない…普段の気だるそうな夢野が慌てて俺を見ていたんだからな。逆にその変わりように驚きを隠せないまま呟いた。

    星「ゆ、夢野…なんだよな…?」

    夢野「…んぁ?……なんの事じゃ?」

    キョトンとしているな。…今までの事は夢野には記憶にさえないと言うのか。…夢野には俺たちが把握できない何かがあるのかもしれないな。
    今までの異変の起きたお前さんの事は隅に追いやる事にした。

    星「いや…なんでもないさ」

    夢野「?……まあよい。――じゃない!お主のその薬指どうしたのじゃ!…ぐ、グロい事になっておるではないかっ!?」

    夢野は何も持っていない両手から絆創膏やら布やらをマジックのように出した。…それはどこから出てくるんだ?――と思わなくもないが、夢野の才能からしてできて当たり前なのだろう。
    深く口出しはしねぇさ。

    星「ああ…このくらい日常茶飯事だから平気だが…」

    夢野「日常茶飯事…じゃとっ。それでも血が流れておるから平気な訳なかろう!」

    …確かに、な。夢野の言う通りだが――囚人である俺に構うなんてお人好しのする事だよな…

    星「ふっ…本当にお前さん方はお人好しが過ぎるな」

    気が付けば、夢野は手当てをし終えていた。…手際のよさは恐らくその気だるい見た目に反した器用さからだろうな。

    夢野「そうじゃぞ!…じゃから…」

    厚ぼったい唇が言葉を紡ぐ。雨に濡れ始めた髪の毛から滴が落ちていくのを気にせずに、な。

    夢野「――簡単に自分を犠牲に…とか考えるんじゃないぞ」

    普段の夢野が言わなさそうな言葉に目を丸くする。…この物言いは何処と無く、赤松や百田を連想させた。
    それから黙った夢野に対して――頷くしか出来なかった。

    星「…ああ」

  90. 90 : : 2018/02/17(土) 01:27:36

    夢野「…ウチがついておってよかったのじゃ!」

    満足げに絆創膏に絆創膏を重ねたので血が見えないぐらいになったな…直ぐに真っ赤になっちまうだろうが。とりあえずの応急措置だ。
    もし、ここから出ることになれば直ぐに病院に駆けつけた方が良いだろうな。絆創膏にプリントされたキャラクター柄をマジマジと見ながらふっと考えた。

    夢野「そうじゃ!星よ。こうしてウチの元に来たということは…何か見つけたのかの?」

    夢野のその言葉にハッとプールの中に浮いているモンについて思い出したんだ。

    星「…プールに死体以外何かあるみたいだ。…お前さんの持ってる『 棒 』を使えば何とかならねぇか?」

    夢野「『 棒 』…か?」

    星「そうだ。…潜って取りに行くなんぞ普通はやらねぇだろ」

    左の人差し指でプールの中央を示す。…ここからは見えねぇが『 何か 』が浮いていたんだ、と言葉を付け足した。

    夢野「こ、こんな死体が浮いておる場所に…あるアイテムを使いたくないが――」

    星「確かに、そうだが、もしここで使えるなら使うべきだろ?」

    夢野は渋っていたが、決心をしたのか落とした『 棒 』を拾い上げ、持ち上げて叫ぶ。

    夢野「ならば、ウチがそれを取りにいくぞ?…星よ。お主は手を怪我しておるから持つのも辛いのではないか?」

    利き手が左手……って訳じゃねぇが、普段からラケットを持つのは左手だからな。もし棒を持つとしたら無意識に左手の方が力が入りやすい…となると傷口に負担が掛かるかもしれないな。
    それを知ってか何だか分からねぇが夢野なりに気を効かせたんだろう。別に俺が取りに行っても良いんだが……ここは素直に甘える事にしたさ。

    星「…別に辛くはねぇが…頼む」

    夢野「ウチに任せておけ!」

    エヘン!と鼻息を荒くした夢野と共にプールサイドを歩いていく…

  91. 91 : : 2018/02/17(土) 01:28:37

    星「ここからなら見えるだろ」

    夢野「おお、確かに――何かが浮いておるの…この『 棒 』を使えばなんともないじゃろ」

    夢野が棒の端を握り、先端をプールの汚水に浸す…藻が何かが直ぐに絡み付いたのか動かしにくそうなのが横目で分かる。

    星「…進めそうか?」

    夢野「んあぁぁ…分からぬ…じゃが、届きはするぞ」

    棒の先端が浮かんだものの取ってとなる部分を引っかける事に成功した。夢野は顔をしかめつつもプールサイドへとゆっくりと手繰り寄せた。

    夢野「んあっ!!」

    掛け声と共に手に取れる位置まで寄せるとそれを拾おうとしたから代わりに俺がひょいっとプールサイドに持ち上げる。…藻が絡んでいるが形状から察するに『 カンテラ 』のような物だと推測される。

    夢野「んあっ!」

    プールの汚水にまみれた棒切れをプールサイドに捨て置くと睨むように『 カンテラ 』を見た。

    夢野「…むむ、これは『 カンテラ 』じゃな?…よく師匠がこれを用いた魔法をウチに見せてくれたのを思い出すのじゃ」

    星「藻が絡んでるみたいだが……使えそうか?」

    …使えれば少なくとも灯りとなる。そうすれば探索もしやすいだろう。使い方が分かると自慢気に話す夢野を片眼に比較的汚れてない取っ手の部分を持ち、藻が出来るだけ捨てれるようにと傾けたり軽く振った。藻がプールサイドに落ちてくと全体図がハッキリと…するな。
    年代が古そうだが、特段ヒビとか入ってないな…大体30センチ前後の大きさか。

    夢野「この型は…オイル…つまりじゃな、『 燃料 』さえあれば問題無く使えるじゃろ」

    星「蝋燭とかか?」

    夢野「うむ…蝋燭よりも固形燃料とか油じゃろうな…ほれこのしたの部分を見るのじゃ…ここから入れるんじゃろ?」

    夢野が指差した位置には小窓があってソコからなにかを入れる仕組みになってるみたいだ。…どこかで使うにも燃料がないとなると持つ意味がねぇ気がするが。

    星「これをどうするんだ?…持ち歩くにも『 燃料 』がねぇと意味がないだろうよ」

    夢野「折角棒をオジャンにして取ったのじゃ。…持っておくべきじゃなかろうか?」

    …そこまで言うなら持ち歩く、か…


    ▼ 【 燃料の入っていないカンテラ 】を入手しました… ▼

    説明:(プールに浮いていたものです。カンテラとしては少し重めですが、燃料を入れてしまえば使えるかもしれません。…どこかに燃料があるんでしょうか…?)


    ▼ 【 長い棒 】を使用しました… ▼


  92. 92 : : 2018/02/17(土) 01:28:58

    夢野「…して、ここでウチらが出来る事は無いじゃろ?」

    周囲を確認した夢野が確認するかのように呟く。

    星「確かにそうだな」

    調べられる所は大体調べ尽くした――気がするな。一ヶ所に時間も掛けられねぇだろうからここから違う場所に移動すべきなのかもな。

    夢野「…ふぁ、くしゅん!!」

    星「そう言えば随分雨ざらしの場所に居たしな。少し屋根のある所にでも行くか」

    寒さと雨に濡れたせいだろうよ。夢野が肩を震わせくしゃみをした。忘れては無いがここは外だ。このままじゃ濡れて風邪を引いちまうだろ。

    いそいそと俺らはプールサイドから退散する。
    …プールの水面が風も吹いてないのに波打ってた事を見てみぬ振りをしちまったが。

    『 更衣室 』に辿り着くと外気温とあまり変わらぬ寒さに身震いをしちまった。それは夢野も同じで武者震いをしていた。

    星「…早く燃料を見つかるといいが…」

    夢野「『 カンテラ 』の明かりでは心許ないぞ?」

    星「そうだが――無いよりはマシだろ?」

    んあーそうじゃのぉ…と歯切り悪く答えるのは寒さで考えられないからだろ。
    このままじゃ本当に風邪を引くだろう。
    暖は取れねぇにしてもせめて濡れた衣服でも更ける場所さえあれば良いんだが……と思ってると夢野も同様の事を考えたらしいな。ふっと指を立てた。

    夢野「…ならば、この校舎がウチのいた場所と似たような図面ならばウチにいきたい場所があるんじゃが――よいか?」

    星「そこに何かがあんのか?」

    夢野はくっくっと笑った。心なしか王馬の悪巧みを考えてるようなイタズラっ子特有の笑顔を浮かべている――気がしたがな。

    夢野「ウチの予想じゃからあまり頼るでないぞ」

  93. 93 : : 2018/02/18(日) 01:07:17
    自分のレスで推しキャラに引導を渡すだなんて絶望的ぃぃぃぃ!
    もし軌道修正が入らなかったら
    世界中の星ファンと夢野ファンと転子に顔向けできなくなる所だったので安心しました
  94. 94 : : 2018/02/20(火) 04:33:36
    (>>84番さん…今は、ね…まだ彼らが退場する場面じゃないのですよ、でもこれによって少しだけ今後の展開が変更したのも事実ですが)


    (……時は遡り…)


    『 百田解斗 』side


    百田「はあっ、はぁっ…」

    入間「ぜぇ…っ。はぁっ…」

    キーボ「…お二人とも大丈夫、ですか…?」

    息も絶え絶えだ。ロボットのキーボには「 息切れ 」って概念がないのもあるせいか――全く乱れてねー声にオレたちは急いで息を整える。

    入間「だ、だいっ、じょーぶな、わ、け…はぁっ、ねーだ…ろ…っ」

    キーボの心配をよそに入間は真っ赤な顔をしたまま『まあねー』を睨み付けてやがる。キーボはその様子に慌てているが、んなことは関係ねーし。ってかオレも多分顔が真っ赤になってるにちがいねぇ。

    今はこうして逃げ延びたんだが――偶然開いていた玄関を突っ切って進んだ先の校舎の扉の前に居るんだからよ。ゴン太のヤツは…追いかけては来ねーみてーだな。
    で、キーボがとりあえず今までいた扉の側に立っていて何かあったらキーボで抑える作戦にしてるから――少しは時間が稼げるかも知れねーよな…?これだダメだったら、オレらは…いや、考えんのを、やめた。
    んなシケた事を考えたりすると気が滅入るしな。

    外の渡り廊下は少し暑くなる身体を醒ますのに丁度いい温度だったんだ。と、しばらく息を整えてっと、キーボが再び声をかけた。

    キーボ「…どうやらゴン太君は違う場所に行ったみたいです…ほっ」

    入間「ってかなんなのぉっ!?…デカチンは一体どうなっちまったんだよ!…普段からあんな激しい奴じゃねーだろうが!」

    百田「それは確かにな。…ゴン太のヤツ、一体どうしちまったのか――夢野なら分かるかも知れねー。とりあえず、この先に進んで夢野たちがいるかも知れねーから探すぞ?」

    ようやく息を整えたオレたちは今度は『 夢野を探す 』という目的でゴン太の徘徊する校舎から離れた…

    ガチャン…キィイイイッ

    木製の扉を開くとオレらのいた校舎とは造りが若干違う事に気がつく。特段キレーって訳じゃねーけどよ。ボロボロ感がないことにたまげるんだぜ。

    キーボ「…こちらの校舎は真新しいとは言えませんが…あまり崩壊はしていませんね」

    入間「どーいうこった?」

    百田「さぁな。…わからねーまま進むのは怖いが…行くしかねーだろ…」

    歩いてもあまり軋まない廊下を歩き出すんだぜ…
  95. 95 : : 2018/02/20(火) 04:33:58

    百田「とりあえずこの階からみるしかねーだろ?」

    とオレの意見が採用されたんだ。
    この階層の廊下を道なりに進む…と途中で3方向に分かれてたんだ。
    一つは…下駄箱が見えっから本来の『 玄関 』なんだろ。って事はオレたちが今までいたのはさしずめ『 別館 』とかそんな類いなモンだろ。それと真っ直ぐの廊下は突き当たりに扉が有るんだな。それと右側には真っ直ぐ廊下が延びてる。
    行く先が増えたな!こういう時は手短な場所から進む――と相場は決まってんだ。

    百田「キーボ、そこの扉…開くか?」

    キーボ「え?ああ、はい、やってみます…」

    近場にある扉を押したり引いたりしてもビクりともしない。つまり、何が引っ掛かってんのかそれもと『 鍵 』でも掛かってんのか動かねー。オレらが持ってる手持ちの『 鍵 』と形状が違うから使えないだろーな。

    やがて、キーボが「 だめですね… 」と首を振ったんだ。
    どうやら『 玄関 』には進めねえな。頭をガシガシと書いて次の行動を考えるんだ。 …だとすれば…

    入間「このままツっきちゃえば良いんじゃねーの?あそこの扉にツルペタがいるのかもしれねーよ!そんな気がするぞ?」

    百田「どこからその自信が来るんだよ…」

    入間の謎の自信もあってか、オレたちはどんつき……突き当たりにある扉に向かって行く……


    キーボ「……ここは『 更衣室 』のようですね。…プールでもあるのでしょうか?」

    夢野の言葉通り『 天神小学校 』…つまりは『 小学校 』って訳だよな、と言う事は『 プール 』とかあんのは当たり前か。

    百田「そうかも知れねーな。古い建物だ、男女の区別なくあるのかもな…開くぞ…」

    ドアノブを捻る…が、ガチャガチャと空回りするだけで開く気配さえない。ん?鍵なんて掛かってねーよな?

    百田「鍵掛かってねーけど開かねーな…」

    入間「う、嘘だろぉっ?…オレ様に貸してみろよ!」

    百田「うわっと!!お、おいっ!い、入間…」

    強引に入間がドアに体当たりをしたりしてるが…開く気配がねぇ。ゼーハーと荒い息を吐いてるが、キーボは入間の行為自体理解が出来てねーみたいだな。


    キーボ「あと残るのは…」

    百田「進まなかった廊下の先、だな」

    オレらは引き返して廊下を歩きだした…
  96. 96 : : 2018/02/20(火) 04:34:19

    百田「…暗いなぁっ!……おいっ」

    入間「キーボのライトでもこのぐらいってのが癪に障るが仕方ねーだろぉっ!?」

    キーボ「……先頭をいく僕の背にしがみついて言わないで下さいよ!!」

    「 僕だって怖いんですからね! 」と続けて叫ぶキーボの声が真っ暗な視界に怯えるオレら。歩いている感覚さえ分からないんだ。……それがバッと開けた…ら足元に『 ガツン 』と何かにぶつかった。

    入間「ひぐぅ!?…なな、なんの音ぉっ?」

    キーボ「ちょっと、百田クン?!…どうかしたんですか?」

    百田「あ、わりぃ…ってなんだよ……これっ?」

    足元に落ちていた『 何か 』を拾った……ん?
    キーボに照らしてもらって見えたのは――『 DVD 』か?
    タイトルは書いてないのか、透明のケースにこの場所に不釣り合いな白地のDVDは何かを…記録してるもんなのか?

    入間「……『 DVD 』か…キーボに読み込ませれば――内容がみれるが、キーボの消費が気になるからな…みる必要性は無いかも知れねーな」

    百田「そうか?…見てみたい気ぃもあんだが」

    キーボ「再生できても音声しかでないかもしれません…映像を写しだす物が無いと…意味がないですし」

    まじまじとみたキーボが困り顔で答える。入間も唸るだけで、再生するのはオススメしてねーしな、ここは持っておけばいつかは…使えるか?

    百田「とりあえず貰えるもんは貰っとくべきだろ。…オレが持っとくな」

    キーボ「そうですね、ここに置いてあるということは…再生する機材も有るかもしれませんしね!」

    キーボがもっと高性能だと良いんだがな…と思ったのを堪えて、『 DVD 』をポケットに突っ込んだ。


    ▼ 【 謎のDVD 】を入手しました… ▼

    情報:(百田が見つけたDVDです。タイトルは無いので内容がわかりませんがこのようなアイテムがあるということは、恐らく撮影機材があるのかもしれませんね)


    百田「そうだな…この先もくれーしあまり進みたくないしな…早々に切り上げるか?」

    入間「童貞野郎の癖に粋な発言してんじゃねーか!引き返すっぞ!」

    キーボ「え?ああ、はい、分かりました…」

    キーボは若干不満げだったが、正直な話、暗いから無理して進むことはねーだろ。まだ行き先が有りそうだし、そっちを見てから回った方が良いだろ。

    キーボ「お二人がそういうなら…分かりました、引き返しましょうか」

    キーボがくるりとライトを光らせた目をオレらに向ける――ま、まぶしっ!!
    眩しさに顔をしかめてるとキーボがむすっとした。

    キーボ「もう!!……そんな嫌な顔をしないで下さいよ!!」

    入間「だーかーら、眩しいんだって!……いい加減分かれよぉ!キーボ」
  97. 97 : : 2018/02/21(水) 04:40:52

    百田「次はどこにいくか?」

    入間「妥当に近い方の階段からじゃねーのか?」

    キーボ「じゃあ、向こう側の階段に行くんですね?」

    戻ってきた『 玄関 』の前で話し合うオレら。…入ってきた扉の近くに上にいく階段、同じく『 更衣室 』側に上にいく階段があったから、どっちにいくんだ?と軽く話し合ってたんだ。
    ある程度話が進んだ所でオレたちが進む道が決まったんだ。

    入ってきた方近くの階段に向かう…と木造の古い階段が見えるな。

    入間「…ったくよぉ、何段階段を上れば気が済むんだかな、こんなんじゃ…童貞が初めて卒業してセックスする時に何発も抜いちまうだろ!」

    満足げにいってオレの方を向いてんじゃねーし!!
    入間のことを無言でにらむ。入間は萎縮しやがったのか黙ったのを区切りにキーボが先頭を務め、階段を上り始める…

    ぎり、ぎり、…

    キーボ「階段自体にはガタが来ているのですね、軋む音がすごく響いてますし」

    入間「軋む音に隠れておっぱじめるなよ!」

    百田「んなとこで、やるワケねーだろうが!」

    入間「ぴくぅううん!!」

    言い過ぎたか…と少しだけ反省していたが、入間は通常運転過ぎて逆に肩の力が抜ける。ほっとしたのも付かぬ間に視界が開けた…おっと2階か?

    キーボ「2階は意外と…明るいんですね!……よかったです」

    キーボが真っ先にライトを消した。…長時間とはいえねーがずっとキーボのライトに頼りっぱなし立ったから急に暗くなる視界に顔を思わずしかめちまう。

    百田「…肉眼でもなんとかなりそうだな…お?あれは…なんだ?蝋燭か?」

    暗い廊下に目が慣れたごろ、廊下の隅っこにこじんまりと置かれた蝋燭に自然と目がいった。
    と、入間も蝋燭の存在に気がついたのか「 おっ 」と声を荒げた。

    入間「…アレはオレ様がつい先週発明した蝋燭だ、な」

    百田「なんでテメーの蝋燭がここにあるんだよ?」

    オレの問い掛けに入間は首を傾げ不思議そうな顔をしてたぞ。キーボも困惑していたがな。

    入間「…確か、アレを持ってるのはオレ様以外なら――ツルショタぐらいだ」

    ツルショタ…って王馬の事か。アイツなら確かに持っていてもおかしくはねーが…
    それだと夢野の話と異なるよな…いや待てよ…夢野がまだ知らない事実もあるのかもしれねぇ。それか、どうでもいいからと敢えて話してねーとか…か?
    …とにかく、大した事じゃねーよな。

    キーボ「蝋燭をみてると心が安らぐ気がします…みんながみている…ということでしょうか?」

    百田「…(にわかに信じたくないが…キーボがそういってんのも分かる気がするんだよな…)」

    だって、オレの周囲に『 懐かしい何か 』の気配がまとわりついてんだからな。それが何なのかはさっぱりだが…オレに危害を加えるってことはしない、と何でか分かんねーが断言出来るからよぉ…

    百田「(意外と…ハルマキが近くにいたりしてな…そうだと、良いんだがな…――ってなに考えてんだ、オレは)」

    そう考えたら気が楽になった。
  98. 98 : : 2018/02/21(水) 04:41:18

    入間「おい、ここもダメなのか…?」

    キーボ「どこも…閉まってますね…」

    百田「上には行けそうなんだが…な」

    2階に到着したのはいいんだが、どの教室も押しても引いてもビクともしねー…手分けをしてたぞ調べてたんだが…どうも『 鍵 』ってよりかは『 接着剤で固定されてどう頑張っても開かない 』―――ってイメージが貼りついちまう。
    次第には扉を調べることすら放棄しかねぬ状況のなか、また階段を発見しちまった。…みつけたなら――と階段に上ることにしたんだ…

    百田「ここってどんな造りをしてんだかな」

    入間「さあな」

    入間のそっけの無い言葉に何故かムシャクシャするのは性分か。そう思ってっと階段からアンモニアの刺激臭が段差を上る度にたち込めてしまって、顔をしかめた。

    キーボ「成分から感知すると人間の尿の成分…でしょうか?」

    入間「んなもん、感知しなくても分かるってーの!…ん?ってコトは――ここもトイレか?」

    階段を上りきってやって来た3階はどうやら構造自体、狭いのか広くねー廊下だな。
    入間たちの言うとおり…トイレだけあるのかも知れねーそう思って、廊下を曲がり進むと案の定そこは――『 トイレ 』だったな。

    百田「ちぃ…なんだよ。どっちも木が打ち付けられて調べられねーな」

    『 男子トイレ 』も『 女子トイレ 』も入ることはままならねぇみたいだ。頑丈にも木が打ち付けられているためか『 釘抜き 』とか、んな類いを使わねーと入れねぇみていだな。その様子にオレたちはガックリと肩を落としたんだ。

    キーボ「ボクの機能で破壊できればいいのですが…」

    入間「メンテをしねーと無理だからな…ここにそんなハイテクなモンは無さそうだしな」

    困った…と項垂れるキーボがなんかに気付いて不意に何かを…拾った。
    どこかで見たことのあるそれは、拾ったキーボにも思い当たる節があるようにも見えたんだぜ。

    キーボ「これっ…みたことありますよ!…真宮寺クンの手帳じゃないですか!?」

    百田「確かに…アイツが普段から持ってる『 民俗学についての研究を纏めた手帳 』だっけか?」

    オレの確認をキーボが頷いて返す。…内容はどんなのかは分かんねーが普段から真宮寺が持ち歩いてる手帳にそっくりだったんだ。
    入間がキーボからソイツを奪い取って、ペラペラと内容を見てく…ってか、内容を見ていいのか?とツッコミをいれる前にいち早く内容を読んだ入間の顔が青ざめた…

    百田「な、なにか書いてあんだよ…入間がそんな顔するなんて、驚くじゃねーかよ…」

    入間「う、そだ…ろ?真宮寺は…イカれ野郎だ…」

    入間の手が震える。…な、何を…見たんだ、と声を掛けようとしたら、手帳をスッと渡されたんだ。

    入間「――アイツは、し、知ってたんだよぉ…この場所がどんな場所で、どうしたらここに来るのか――もよォォオオッ!!」
  99. 99 : : 2018/02/21(水) 04:41:45

    入間の異変に手渡された手帳を掴み、キーボと共に顔を見合せた。入間がふるふると震え床をじっと見つめてるってことは――…どんなことが書いてあんのか?
    クラスメイトの個人的手記をみるのは気持ち的にアレだが、事情が事情、だ。オレはゴクリと生唾を飲み込んで手帳をゆっくりと…開いたんだ…

    百田「…几帳面な奴だな…」

    ペラペラ…とリングに繋がったメモを捲る…細かく色んなことを書いてあるのを見ると真宮寺の才能の腕の見せ所を感じちまうな。

    百田「(…オレも負けてられねーな…っ?)」

    ぴた、と付箋が貼ってあるあるページに目が止まっちまう。タイトルは『 サチ子さんのおまじない 』と書かれていたんだ。それって――

    キーボ「ボクたちが行ったのも『 サチ子さんのおまじない 』でしたよね?」

    百田「ああ…そーだな…アイツ、色々…調べた上で行ったのか」

    確か、真宮寺が「 僕も詳しくは知らないんだけどネ…俗説って言うのが近いかもしれない話なんだヨ 」ってたワリには事細かく書かれてたんだ。

    百田「読むぞ…
    『 【 サチ子さんのおまじない 】 はまじないというよりは【 呪い 】の類いに分類される。 主にこの霊磁場の根源は【 ある凄惨な事件 】からであるが、それについては別ページに記載しておく。

    これを行い――失敗するとこの呪いの根源でもある霊磁場、【 天神小学校 】に強制的に連れていかれる。
    成功すると近場の浮遊霊がその場所を通りすぎるだけとなるので、失敗した場合【 天神小学校 】から現世に戻るのは【 ある方法 】でしか意味を成さない。
    成功方法を別ページにこれも記載しておく。

    これらの情報は確固たるものではないので、事前に調査していたという【 冴之木七星 】と接触すべきだろうか?
    だが、先日から彼女は行方不明、とのこと。まさか… 』
    …つぎのぺージは…ん?」

    そこでページが途切れていたんだが、つぎのページには違う事が書かれていたんだ。…そこだけ――ページがないのはなぜだ?疑問に思うとキーボが不思議そうに首をかしげた。

    キーボ「この書き方だと…真宮寺クンは、本来の方法を知ってるにも関わらずに、『 わざと 』失敗する方法をボクらに教えた…ということじゃないですか?!」

    入間「や、っぱりアイツはわざと――――オレ様たちを陥れたってワケだろっ!」

    …真宮寺の野郎…何で、どうしてなんだよっ!?
    わざと、なのかよ?…本当に…なんでっ!?

    無意識に手帳に力が入る。…だが、まだ、アイツが『 わざと 』じゃないということもある。――この情報が『 ガセ 』だった場合だ。…成功方法が偽りの方法かもしれねー…そう考えれば考える度に出てくる言葉は一つだった。

    百田「んなもん、真宮寺に問い詰めれば良いだけだろ…」


    ▼ 【 真宮寺の手帳 】を入手しました… ▼

    情報:(真宮寺が普段から持ち歩いている手帳です。ミリタリー柄なのは彼の趣味でしょう。…あらとあらゆる風習 等々を記載してありますが、所々ページが抜けているようです)

  100. 100 : : 2018/02/21(水) 04:42:07

    キーボ「そうですよ、ね!真宮寺クンがボクたちを陥れる理由が分かりませんし…彼に逢えればなにか分かるかもしれません」

    入間「…でもよぉおっ、どうやって…イカれ野郎に逢うんだよ?百田、テメーが言ったんだろ?『 同じような空間がいくつもあって別々に散らばってるから、逢うことは出来ねー 』ってよ!」

    百田「んなもん、ぜってー見つけてやる。…じゃねーと気が済まねぇからな!」

    グッと拳に力を込め、弱々しくなった入間に渇を入れる。
    確かに、入間の言い分も分かるが、ウジウジしててもなんにも始まらねー
    だから、行動できることは全部、すべてやってやる。
    それで後悔するなら満足だからよ。
    …な、そうだろ。赤松や終一ならそうするだろ?

    オレの叱咤が効いたのか分かんねーが…入間は俯いたのちにコクンと頷いた。キーボは目をキラキラさせてたがな。

    キーボ「そうですよ!!きっと、希望を抱いていればいつかは、いつか叶います!」

    入間「…テメーらがそこまで断言するなら、お、オレ様も…協力してやらねぇことないからな!」

    うすぐれー廊下にこだまする声。久々にやる気に満ちた空気だから、と――――これなら何でもできる、とタカを括ってたのが悪かった。


    実はオレたちにはあまり時間が残されていないことをこの後直ぐに実感しちまうんだからよ。


    百田「とりあえず、夢野たちと合流するのが先決だ。こうして調べられる所は調べきった…んなカンジしてるしな」

    キーボ「そうでしたね、夢野サンたちもきっと何らかの情報を得ているかもしれませんし、いきましょう!」

    入間「…ったく、短小野郎とツルペタはどこにいるんだろうな…はぁ、全く世話が焼けるよな…」

    ズラズラともと来た道を引き返す。
    …キーボが先導を切ってその後に入間が続く。
    オレも置いてきぼりを喰らわないと歩き出そうとした時、今度は足が痺れた…感覚が無くて、上手く踏み出すことが出来なかったんだ。

    百田「(…足が力がはいんねぇ…くっ)」

    入間「おい、言い出しっぺが立ち止まってどうしたんだよ?……ま、まさかっ!張り切りすぎて先走りでもチビったか?」

    百田「ち、ちげーよ!!…なんにもねぇ」

    無理やり足に力を込めてなんとか歩き出す。不自然な力を入れちまったからか、変な汗をかいちまった。

    百田「(…どうなってんだよ…?)」

    体に感じる違和感は段々酷くなっちまってる。
    …恐怖からかと思っていたが――これは違うんじゃねーのか?とどこかで考え始めてたんだ。
  101. 101 : : 2018/02/23(金) 04:50:57

    『 夢野秘密子 』side


    夢野「どこも開かぬとはどういうことじゃー!!」

    星「さぁな…」

    ウチの心当たりとは、2階の『 1のA 』のことじゃ。ウチが最初に王馬とおった場所に何かしらの情報又は手がかりがあるのでないか?と思っておったのじゃが…
    教室の配置等々は何ら変わらんかった…が、どこも扉が開かないのじゃ!全く、どういうことなのじゃ!!
    プンスカしておるウチの傍らに星はやれやれと溜め息を吐いておるだけに留まっておった。

    夢野「床は抜け落ちておらんかったから、向こう側にも進めたが…どこも開かぬ。…ましてや上の階に行こうとしたが…椅子が積み上げられておって進めんし…なんなのじゃ!」

    ドタバタと地団駄を踏む。…水分を含んで重くなっておる上履きが気持ち悪くびちゃびちゃと回りの床や下の方の壁に水を飛でおるのを星は華麗に避けておった。

    ??「あ!…夢野サンたちもここに来ていたんですね!」

    星「…お前さんは…!」

    と、ウチらの方に近づく姿は…キーボたちじゃな。まさかここで逢うとは思わんったがの。
    手を大きく振ったキーボと百田、それにケッとそっぽを向いておる入間の表情はどことなく嬉しそうじゃった。

    百田「やっぱりテメーらもここまで来てたんだな」

    夢野「百田こそ、何故ここに…おるのじゃ?向こうの校舎を調べておったのではないのか?」

    ウチらこそ調べておったのにどうしてここにおるのか?と聞かれるのじゃろとか思っておったら全然違う答えが返ってきおった。

    キーボ「…夢野サンたちは…『 ゴン太クン 』に追われてここに来たんですか?ボクたちもそうだったんです…」

    夢野「んあ!?……ホントかの?!」

    星「…!!お前さんらもか!!」

    驚くウチらに百田が無言で頷いた。

    入間「そ、そうなんだよぉ…あのデカチンは――――」

    入間の言葉を遮ってウチはある仮説を口にするのじゃ。

    夢野「ゴン太は…『 操られて自我が無いのかも 』しれぬ」

  102. 102 : : 2018/02/23(金) 04:51:17

    百田「だよなぁ…あの温厚なゴン太がんな事をするなんて考えられねーしよ…オレもそうだと思うぜ」

    腕組をした百田が眉をひそめる。…心なしか顔色が悪いのは…気のせいかの?

    キーボ「絶対にそうですよ!!…しかしこのままでは、再びゴン太クンがボクたちの元に来るかもしれません」

    入間「…ぴぐぅあああっ!?…いつものデカチンならいい……けど、オレ様たちが出会った時のまんまのデカチンなら…ひとたまりも…ねーよなぁ?」

    星「その可能性が高いかもな、だが、今はこうして再開したんだ。情報を共有していくことが先決だろ。…話せる場所が有れば良いんだが――」

    その時じゃった。…どこからか声がしたのじゃ…声の出所は、百田の近くじゃった。
    目を凝らしてみるとそこに佇んでおったのは…ハルマキじゃった。体がうっすらと透けておるし、ウチ以外には見えておらぬようじゃのぅ。

    夢野「!?……はるっ」

    春川『…静かにして。…バレたくないから、百田に…私が死んだ事』

    ハルマキの剣幕に咄嗟に名前を呼ぼうとしたのをこらえた。隣におる星が怪訝な顔をしておった。

    星「…?どうかしたか?夢野」

    夢野「あ、んぁ、何でもないぞ…」

    百田「…話を戻すぞ――」

    百田たちが、今後について話し合ってるなかでウチだけが固まっておった。ハルマキの幽霊姿を初めて見たからじゃろう。ウチにしか見えないのは恐らくそこまでの霊力があるワケでは無いということじゃろ…逆に百田たちには見る力がないのかもしれぬ。

    春川『…百田が「 理科室 」の鍵をもってる。だから、そこでなら話せると思うよ』

    夢野「(本当かの?)」

    ウチの心の声にこくん、と頷く。それと、とハルマキは続けた。

    春川『あと、言いにくいけど…このままじゃ、百田が死んじゃう』

    夢野「!?」

  103. 103 : : 2018/02/23(金) 04:51:41

    悲しそうに呟いたハルマキは今にも泣きそうじゃった。
    ウチが声にならぬ声をあげておるとハルマキは再び話す。

    春川『…百田が百田自身は気がついてないけど、棚をどかした時に「 拷問致死薬 」ってのが手についたの。それがほんの僅かな量だったんだけどさ、傷口から入ったんだよ。…それで、その薬はっ「 解毒薬 」を使わないと…確実に死ぬんだ』

    夢野「(ほ、ホントか!?……ならば、今の百田は――)」

    ちらりと普段と変わらずに話しておる百田に視線が行く。…ウチが抱いた違和感の正体が…これじゃったとはの…ハルマキは泣きそうになっておる。
    そうじゃろうなぁ。ハルマキは百田に「 死んで欲しくない 」と思っておるに違いないから…

    春川『「拷問致死薬 」は、ゆっくりと体を蝕むから、まだ時間は、あると思う。それに…「 解毒薬 」を誰かが持ってるのは分かるんだけど…場所まで特定出来ないんだ。もし見つけても…私にはそれを掴むことも百田に渡すことも出来ないから…お願い』

    唇を噛み締めたハルマキはとても悔しそうじゃった。

    春川『…私にはこうして姿を見せるのも少しの間だけしか出来ないから…私の姿や声が分かる夢野にしか頼めないんだ』

    夢野「(そのようなこと…当たり前じゃ!!…お主を助けられんかったじゃから、それくらいやるに決まっておる!)」

    春川『ごめん…頼む…よ、夢野…』

    ウチの心の叫びにハルマキは涙をこぼす。しかし、その涙は頬を離れた瞬間に消えてしまう。目を閉じてウチにしか聞こえぬ嗚咽をこぼすと、ハルマキはそのままの口調で話す。

    春川『…とにか、く。助けて…私には…なんにも…出来ないから…』

    ハルマキの声や姿がウチにも分からなくなって行く。…透けた体は段々と見えなくなって行き、声もそのまま消えてしもうた。

    夢野「(ハルマキ…)」

    目を閉じてグッと拳に力を入れる。
    見開き、うっすらと顔色の悪い百田を見据える。
    ハルマキの言葉をしかと受け取った。…そうじゃ、いつまでもこのような場所におったらハルマキや白銀以上の被害が発生しかけぬ。
    早急に手を打たねば…

    ウチがそう思っておると話し合いが終わったらしい。黙り混んでおったウチを心配してか星から声をかけられた。

    星「夢野?大丈夫か?」

    夢野「んあー…大丈夫じゃ。して、百田…お主さては『 鍵 』を持っておらぬか?それが使える場所が一つあるのじゃ」

    百田「ああ、確かに持ってるが――どうして分かったんだよ?」

    ウチの発言に百田が驚いた。…ほぅ、ハルマキのいう通りじゃな…ハルマキの事じゃから、嘘は付いておらぬと思っておったぞ?

    夢野「ふっふっふっ…魔法じゃよ」
  104. 104 : : 2018/02/23(金) 04:53:20

    入間「こんな所でもメルヘンにひたってんじゃねーよ!」

    入間がウチを指差し叫ぶ。厳密に言えば違うが…魔法に近いものじゃぞ?
    まあ、よい、話がそれるからの。手短に伝えるとしようかの。

    夢野「どうやらそれは『 理科室の鍵 』らしいぞ?…そこで使えば道が開けるかもしれん…とウチの魔法が言ってるぞ?」

    キーボ「魔法って、ただのカンじゃないですか!?」

    愕然としたキーボがウチを指差す…カンではないのは事実、じゃぞ――といってもロボットのお主には到底分からんじゃろうが…

    百田「――ってもよ、使えんのか?…オレたちはこの階の扉っちゅーもんは開くか一応しらべたけどよ」

    入間「そいつは、喪女の股以上に開かなかったんだぞ!」

    夢野「…そ、そうなのかの?入間よ…」

    入間「え?……えっとー…例えだから真に受けてんじゃねーよ!このロリババァが!」

    …むっ、こやついま、ウチの事を…んあぁあああっ!!
    コメカミ当たりに筋が入るのがわかる。

    夢野「ウチとお主とでは同じ年で、誕生日も半月しか変わらんじゃろ!!」

    キッパリと正論をぶちかますのじゃ!……入間が驚いておるが直ぐに指をウチに向ける。

    入間「んな口調で、仕草もババくせーだろ!んなもん、ロリババァに違いないだろ!」

    むっ、きぃー!!
    ウチのこの口調はお師匠さま直伝なのじゃぞ!その師匠の事を愚弄するなどなんというやつじゃ!

    夢野「お、お主とて普段から色欲」

    百田「そこまでにしとけ、な……夢野」

    星「……とにかく、ここで言い合う内容じゃないだろうさ…『 理科室 』に行くぞ」

    キーボ「そうですよ!!…口調とか体型だとかは今話すべき内容ではないですから、落ち着いてください、大体あなたたちは普段からもっと節操を持ってくださいよ」

    夢野・入間「「キーボに言われたくないわい!」ねーし!!」

    ウチらの声にキーボは一人項垂れていたが、それを無視して理科室へと向かうのじゃ…


    情報:( 【 夢野・星チーム 】と【 百田・キーボ・入間チーム 】が合流しました )
  105. 105 : : 2018/02/23(金) 04:54:01

    星「ここが、『 理科室 』か?」

    百田「そーだぜ」

    先導を切って百田が案内した先に佇むのは『 理科室 』と書かれていた木のプレートを引っ提げておった扉じゃ。
    キーボが「 何度も調べたんですけど、本当に開くんでしょうか……? 」と不安げな声をあげているなかで、懐から取り出した『 鍵 』を鍵穴にあてがう百田にはつぅ……と汗が一筋流れておった。無論、この事に気がついたのは側におったウチぐらいじゃったが。

    夢野「(早く、解毒薬を見つけなければならぬの……)」

    事態は深刻になりつつあるのかもしれぬ。…ハルマキや白銀が死んだと言うことは…そういう事なんじゃろ?

    カチャリ、と解錠の音が廊下に響く。そこで視点を百田から扉へと動かす。

    入間「…あ、開いたな」

    入間が扉をスライドさせると…今度はすんなり動いた…まるで、これでは

    夢野「(王馬からみたら『 予定調和 』と言いそうじゃが…)」

    ウチが抱く疑念。…嫌な予感がする…この先に進めば恐らく引き返すのが出来ないような、感じ。じゃが…

    夢野「(進むしかないじゃろ)」

    ウチらは顔を見合せ、扉の奥へと侵入する…のじゃ



    question、>>106番さん、調査安価です
    (全て選ばないと進みません)



    1、机は…何処にでもあるような理科室の机じゃの
    (机上を調べます)

    2、黒板になにか…書かれておるようじゃの
    (黒板を調べます)

    3、理科室といえば…これじゃな
    (展示品を調べます)


  106. 106 : : 2018/02/23(金) 10:53:57
  107. 107 : : 2018/02/23(金) 18:24:06

    理科室。ここはどこの時代とも何ら変わらぬのじゃな。
    薬品の臭いがつんとしてるが同時に誇り臭くもあるの。
    明かりがないのか、薄暗さが一際目立つのじゃ、自ずとキーボがライト機能を使う…

    キーボ「本当にここが休息場所と言えるんですか…?」

    百田「どこも変わらねぇだろ?…とりあえず、ここになんか無いか調べるからキーボそこに立っててくれ」

    キーボ「あ、はい…わかりました」

    百田の指示で入り口に待機するキーボのお陰で全体が見渡せるのじゃ。
    百田は奥の方に、入間はキーボの近くをうろうろしておって便りには――ならんな。ウチは全体をまず見回すことにしたのじゃ。
    んあ?……ウチの視線がある一点に止まる――なにか描いた画用紙が貼られた黒板。子供の描いたような絵心がありそうでないのが入り口でもみえる…星が黒板の方へと進み、画用紙の絵を眺めておった。

    星「これは…なんだ」

    愕然としておった星の言葉にウチが先行く星の近くへと歩み寄る。……そして、引き寄せられるようにそれを見てしもうた。

    夢野「…子供の絵にしては……偉く物騒じゃな…」

    星「…これは何を示してんだ」

    眼鏡をかけた大人が4人の子供に滅多刺しにされた絵じゃった。大人が懇願するように子供たちの方を見ておった…クレヨンを使っておるせいか、彩りは明るくてむしろ気味悪さを感じてしもうた。
    それは星も同じ事を思っておったのか疑問を口にしておったのじゃ。

    入間「…な、なんだよぉぉ…このキモい絵はよ…」

    夢野「ウチが聞きたいぞ…これを描いた生徒の精神状態を疑うのじゃが…」

    側によってきた入間もそれを指差し叫んだ。確かに…このようなものを配置した理由がわからん。
    …ただの脅しであることを思いたいのじゃが――

    百田「お、夢野と星こっちこれるか!!」

    と、ウチが思っておると奥の方から百田が手招きをしておった。

    夢野「なにかの…?」



    question、>>108番さん、調査安価です
    (全て選ばないと進みません)



    1、机は…何処にでもあるような理科室の机じゃの
    (机上を調べます)

    2、調査済み


    3、理科室といえば…これじゃな
    (展示品を調べます)


  108. 108 : : 2018/02/23(金) 19:11:53
  109. 109 : : 2018/02/24(土) 03:42:44

    (>>108番さん、ありがとうございます。進みますよ…)


    百田に呼ばれ、百田のおる場所へと向かう。アヤツが手招きすると…目の前には棚が並んでおった。百田はその一つを指差した。

    百田「これ、薬品が置かれてんぞ…戸棚が開くから探してみたんだが一つだけ違和感のある瓶があったんだ」

    夢野「違和感、じゃと?」

    星と共に百田の言い方に若干の違和感を感じるのじゃ。
    ふむ…どういう事とかの?

    百田「ああ、ソイツがこれなんだがよ――星、テメーが持ってるそれって『 カンテラ 』だろ?」

    星の持ってる『 カンテラ 』を瓶を持っておらぬ方の指で示したぞ。…ウチは逆に百田から渡された瓶の表示を見てみる…ん?

    夢野「『 油 』…じゃと?!……これはっ」

    食用油なのかは分からぬのじゃが、これを使えば、『 カンテラ 』に灯火を与えることが出来るかもしれん。
    うっすらと沸いた希望に百田が微笑む。

    星「……これを使えばいいが…今はキーボがいるからな」

    夢野「そうじゃが、少し暖を取りたいのもある…貰っておくかの…」

    百田「だろ!貰っといても何ら問題ねーだろ?」

    ニカッと屈託なく笑う。そんな百田に少しだけ胸が痛むのじゃ…コヤツがどう思っておるかは分からぬ――が、ハルマキは……

    夢野「(ハルマキの事を知ったらコヤツは――)」


    ▼ 【 油 】を入手しました… ▼

    情報:(透明な瓶に並々と入っています。なんの種類の油なのかは不明ですが、発火性は有るのかもしれません…カンテラの火種に使えそうですが…)


    …俯いて『 油 』の瓶を握りしめた時じゃった…

    入間「え?…な、なんでだよぉぉっ!?…なんでっ」

    入間の言葉にウチらが振り向く。そこにおったのは――――

    入間「じ、人体模型がう、動いてんだよぉっ!!」


    星・百田・夢野「「「!!!!」」」

    窓際にあった人体模型がゆっくりと入間とキーボの元へと進みだしておったのじゃった……

    べちょり、べちょり……ときっしょい音を立ててゆっくりとゆっくり入間たちに距離を詰めてゆく。

    夢野「(ハルマキはそこまでは分からんかったのかも……しれぬ……が、この距離ではっ!!)」

    キーボ「!?……人体模型がどうして動いてるんですかぁぁぁあああ!!」

    入間「お、オレ様にもわからねぇよ……ってか、コレって、や、やばくねぇかよぉぉっ」

    怯えた入間は無意識じゃろう、キーボにしがみついて泣き言を叫んでおる。

    星「ちぃ、人体模型の奴は俺らに気が付いていないようだな…」

    百田「ってことは『 音 』に反応してるってことか?」

    夢野「ど、どうするのじゃっ…このままじゃと…入間たちが、危ないぞ――!!」

    小声で話すウチらを無視している人体模型はあと数歩で入間たちのもとに辿り着いてしまう…

    ど、どうすれば――――――


    accident!!、>>110番さん、入間とキーボの危機
    (秒数安価です)


    ゾロ目、大成功+α

    10~30&1の位0又は3、成功

    それ以外、失敗

    ゾロ目00の場合、大失敗


  110. 110 : : 2018/02/24(土) 08:31:27
    はい
  111. 111 : : 2018/02/27(火) 05:58:26

    (>>110番さんご協力感謝します。なお、このchapter最後の安価でございます。…ラストまで一気に走りますよー)


    ぎゅっと固く目を閉じたのじゃ。――もう入間たちは…と絶望感を否めない空気を引き裂いたのは星の言葉だった。

    星「イチか…バチか、だ。これでも喰らいなっ!」

    はっと目を開くと同時に窓近くに何かを投げる…人体模型より遥か後方に投げられたそれは『 カンテラ 』じゃった。

    バリーンと激しい音を立てる…さすがに人体模型もくるりと…『 音 』を聞き付けたのか割れた『 カンテラ 』の方へと向かった瞬間じゃった。

    百田「なんでテメーわざと外したんだよ――って、ん?……そうかっ」

    夢野「んあ?!どうかしたのか?もも」

    百田「夢野悪ぃ。『 油 』を貸してくれ」

    夢野「へ?」

    ウチの許可なく『 油 』を奪い取るとそれを人体模型に向かって投げるのじゃ!……おお、そうかと納得する間もなく、瓶が人体模型に当たり中身が容赦なく掛かる。

    その行為を行った百田が咄嗟に叫ぶのじゃ。

    百田「入間ァ!!お前『 ライター 』を火ぃ着けたまま、人体模型に向かって投げろ!」

    入間「はぁ!?…あ、わ、わかったよ!」

    入間が懐からアワアワと取り出したのは『 ライター 』じゃった。それを百田に言われた通りに火をつけ人体模型へと投げるぞ。
    いくらノーコンである入間とて近距離じゃったから、見事に人体模型に当たり、それは一気に火柱と化してゴウゴウと燃え上がるのじゃ。

    『 ギィィイアアァァァアアアッ!!』

    燃える人体模型から何処ともなく悲鳴のようなつんざく叫びに耳を押さえてしまもうた。
    それは皆同じじゃったようで、叫び声が終わり静けさが戻るまで塞いでおったからの。

    煙がごうごうと巻き上げ、次第に悲鳴が小さくなったかと思えばそれと同様に火柱と煙が小さくなったのじゃ。
    それから暫くして見事に人体模型だけが焼け落ちた。人体模型のいた周辺は焼け焦げた人形の形のシミだけが残っておる。それをウチらは呆然と眺めておったがの。

    キーボ「お、終わったんですか…ね…」

    静寂を破ったのはキーボの怯えた声だった。
    声につられて入間がペタん…とその場に座りこんでしもうた。

    入間「こ、こわかっだぁあああっ!!」

    安堵のためか涙がどっとあふれでた入間を介抱するのはキーボじゃのう。そのキーボも手が僅かに震えておった。

    百田「…人体模型だけが燃えて良かったな」

    星「…一か八かだったんだが、よく気がついたな…百田」

    百田「たりめーよ!…星が的を外すなんて真似、早々しねーからよ」

    横を向いたら、百田と星が称えあっておった。…こうした光景を間近で見るとは思わんかった。…星もクラスに馴染んでおるやも知れぬ…そう思うとなんだか今まで起きた事が偽物のように感じて少しだけ嬉しくなってしまったぞ?

    喜ぶのも束の間。百田が人体模型があったところに落ちている見覚えのあるスマホを拾い上げたのじゃ。

  112. 112 : : 2018/02/27(火) 05:58:52

    百田「…これは――――まさか」

    百田の呟きにウチは胸騒ぎを覚えた。そして、無意識にそのスマホを見るべく近付いていく…

    夢野「(まさか…まさかっ!!)」

    入間「はぁ、どうかしたんだ?……ロリっ子?……血相変えてよぉ?!」

    キーボ「――っ!?」

    スマホを持つ百田は勿論、キーボもその特徴的なデザインのカバーをしたそれの持ち主について覚えがあるのじゃな。キーボも表情を固くした。スマホについて疑問に思っておるのは入間と星のようじゃが、ウチらにはその持ち主が分かっておった。

    百田「ちぃ…なんで、こんな所にっ……アイツのがあんだよ…何が起きてんだよっ!!」

    唇を噛み締めた百田の側にたどり着きウチは愕然としたのじゃ。

    キーボ「それは――王馬クンのスマートフォンですよね」

    夢野「……やはり、か」

    白黒チェックのカバーをしたスマホは…確かにアヤツのものじゃ。だって、ウチはそれをはぐれる前まで間近で見ておったからの。

    入間「王馬のって――ま、ままさかっ、あの人体模型っておう」

    星「野暮な考えは止めろ!…恐らくは…違うだろ…そうじゃねぇと俺たちは…」

    星が口をつぐんだ。…その先の言葉を代わりに呟いたのは…百田じゃった。

    百田「『 人殺し 』になっちまう…そんなのは、あり得ねーよ!!」


    ▼ 【 王馬のスマートフォン 】を入手しました…▼

    情報:(王馬が普段から使用しているハードカバーケースに入れられたスマートフォンです。…電池の残量が70%を切っていますが壊れてはいません)


    夢野「お、王馬は…どうなったのじゃ…」

    百田「分からねぇ。…夢野と行動してた後に無くしたんだろうが…なんでこんな場所にあるんだかな」

    王馬のスマホを大事そうにもつ百田はそれをポケットにしまったのじゃ。
    アヤツが…無事でいることを祈らねばならんが、そんな暇など与えては――――くれんかったのじゃ。

    なぜなら。


    星「!!――――入間っ!キーボっ!!背後だっ!逃げろっ!!」

    入間・キーボ「「…?!」」

    星の声でウチと百田が顔を上げた…そこには。
    濁った瞳で入間たちを見ておるゴン太の姿があったからじゃ…

    ドカンッ!!

    寸で避けた、入間とキーボの中心に容赦なくハンマーの一撃が落とされる。パラパラと埃を巻き上げたかと思えばまた、同じ行動を繰り返すのじゃ。

    入間「い、いやぁっ!!」

    入間が先行して『 理科室 』からでていった後に追うようにキーボも飛び出していく…ゴン太は…ターゲットを入間たちに絞ったのか、一瞬だけ言葉を呟いてから、入間たちを追いかけるべく飛び出していったのじゃ…

    獄原『ごめ、…に、げ…みんな……たす…』

    百田「お、おいっ、ゴン太ぁあああっ!!」

    百田の叫び声も虚しく再び静寂が場を支配する。
    そのには入間とキーボはおらん。…ウチらは誰ともなく頷き合ってゴン太たちを追いかけることにしたのじゃ。
  113. 113 : : 2018/02/27(火) 06:18:08

    夢野「あ、アヤツは、何処に……行ったんじゃっ!!」

    走って、突き進む。…気が付けば最初に居った方の校舎まで探しておった。

    星「ちぃ…油断しすぎたんだな…」

    百田「アレは仕方ねーだろうよ!」

    止めどない後悔の念が溢れ出てしもうた。…どうすれば良かったのかなどもわからぬ状況にただただ廊下を走って居ったのじゃから。

    夢野「…にしても、校舎が広いのじゃ!!」

    そうなのじゃ。校舎が広すぎるが故、完全に入間たちを見失ってしまったのじゃ。早く見つけなければならぬ状況にウチらは余計に焦ってしまうのじゃ。

    夢野「(焦っても変わらない…そうじゃ…変わらないからの…)」

    みなわかってはおるのじゃ。…じゃが、早る気持ちに歯止めが上手く機能などせんじゃった。

    気がつくとウチらは…最初に落ち合った場所『 玄関』にやってきとった。

    百田「こんだけ、探してるのに物音一つしねーのは…偉く不気味だぜ…」

    星「探すにも…逃げた先が分からねぇのが…嫌だな」

    息など上がる余裕もなくウチらはひたすらに入間とキーボ、それからゴン太の痕跡を探す…と、地面に何かが摩れた跡が『 男子トイレ 』に向かって伸びておるのに気がつくのじゃ…これはっ。

    夢野「星、百田っ!!これはっ……なんじゃろうかっ?」

    星「……なんだ夢野なにか見つけたのか……っ!?」

    ウチの呼び掛けにすぐやって来た星が痕跡を見て驚く。……驚いておるのはその床のシミの痕の色からじゃろ。

    そう。床の引き摺ったシミの痕は真っ赤な朱じゃったのじゃから……それはまだ乾ききっておらぬ事から、出来たてなのじゃろう。

    夢野「……嫌な予感がするのじゃ……」

    星「奇遇だな、同感だ」

    ゴクリ、と生唾を飲み込む。
    この先に広がるのはどんな光景じゃろうか?
    ウチらにとって良いものなのか、それとも悪いことなのか?疑問はやがて解決すべく、遅れてやって来た百田と共に頷き合うのじゃ……

    百田「……ひ、開くか?」

    百田の提案に頷くウチら。
    …そして――――

    星が『 男子トイレ 』側に続く扉をゆっくりと…開く…のじゃ。

  114. 114 : : 2018/02/28(水) 04:27:07

    ガチャ――――

    夢野・星・百田「「「――っ!?」」」

    扉を開いた先に広がる光景に思わず息を吸うことを忘れてしまう。

    夢野「(な、なんで、じゃ…)」

    廊下中央で、ゴン太がバラバラになったキーボの胴体部分にまたがり何度も、何度もハンマーを振り下ろしておって、入間が向こう側にある扉の付近で頭から血を流して地に伏せておったのじゃから……

    ガコン、ガコン、っと無情にも金属が容赦なく破壊される音が響いておった。ゴン太は髪の毛を振り乱して何度も、何度も繰り返しキーボをバラバラにしておったから表情、感情が読み取れないのじゃ。

    百田「な、なんで、だよっ!!」

    百田の叫びで漸く行動をピタリ……と止めたゴン太は、ゆっくりとした動作でウチらの方向を見た……その顔には、なにも感情を感じられんかった。

    キーボはもう端から見ても壊れておることは明白、じゃった。キーボが壊れておるならばキーボ本人も……

    星「ちぃ……なんでお前さんがっ」

    驚きは止まらないのじゃ。…星でさえも現実を認めたくないのが分かるほどに。百田はぐっと顔をしかめ、プルプルと震える拳からして怒っておるのが分かるのじゃから。

    獄原『……』

    百田「おい…ゴン太、テメーは何をしてるのかわかんだろ…」

    獄原『…』

    百田の問いかけに無反応な獄原はすくりと立ち上がってキーボの残骸を蹴り上げた。…すでにスクラップ同然のキーボの体は宙を舞って、ボトリ…と派手な音をたてて転がる。頭部の部分は既に粉々になっておる事から完全に――鉄屑と化した姿に声が出なくなってしもうた。

    星「おいっ、獄原っはやく、目をさませっ!」

    獄原『…もっ、と…あの子に…友達…作って…あげ、ないと…だから…みん、なも…一緒に…』

    うわごとのように呟くのはずっと同じ言葉の羅列じゃ。目は虚ろじゃし、気が付けばウチらのもとに近づこうとしておった。

    夢野「…このままではっ!!」

    百田「ヤベーどころじゃねぇよ!」

    遅かれ早かれ、ゴン太にやられてしまうっ!…そんな切迫した状況で、誰かが叫んだのじゃ。

    ??『あそこにっ…この校舎のもう一つの短い廊下に…逃げて!!あそこならっ助けられるからっ!!』

  115. 115 : : 2018/02/28(水) 04:27:29

    夢野「…?誰、じゃ?」

    不思議な声がこだまする。切迫した状況な癖をしておるのに何故かその声が何度も何度も脳内で繰り返される、のじゃ。

    百田「…逃げるのかよ…また…っ!!」

    星「それしか、ねぇだろ…っ」

    横にはキーボたちを見捨てる覚悟が出来ておらん百田が拳を握り締めおって、プルプルと震えておった。
    星もなくなくそうするんだと百田を説得しておるが…そうしておるうちでも、ゴン太は距離を詰めておるのじゃから、このままでは埒が開かぬ…ぞ?!

    ??『大丈夫、わたしを…信じてくれるかな?
    だから…逃げて、ゴン太くんは…もう――――だから…夢野さんの力を借りれば、移動ができるはずだからっ!』

    ハッキリと聞こえた声の主がようやっと分かったぞ!
    …恐らくは、あやつしかおらぬ。…気が付けばその人物の名前を叫んでおった。

    夢野「その声はっ、し、白銀じゃな!!」

    百田・星「「!!」」

    ウチの声に二人が一斉にこちらを向いた、それが行けんかった…ゴン太がその隙をついて…一気に距離を詰め『 ハンマー 』を振りかざすのじゃ…っ!!

    獄原『と、もだち、に…なろ…っ?』

    百田「!!しまっ――」

    もうダメじゃ…とウチらは絶望に打ちしがれる。
    ガツン、と鈍い音がした。が、幾度過ぎれども痛みは感じずに頬にビチャっと生暖かい何かが跳ねる。
    それは、何故かはすぐにわかった。
    ウチらの目の前に立ちふさがった人物が身代わりとなってくれたのじゃから……そやつは吠える。

    ??「…っ、たくよぉ…どう、てい共が、…いっつも…ツメが甘々なんだっつーの!!」

    星「お、お前さんはっ…!!」

    夢野「なん……でっ」

    ニヤリとそやつがこちらを振り向いて笑った。
    それは普段の下品な笑みとは違う不敵の微笑み。…そして――――入間美兎は血塗れの顔などものともせず、震える足を必死に食い止めて叫んだのじゃ。

    入間「い、いからテメーらは引っ込んでろぉぉよぉぉっっ!!!」

  116. 116 : : 2018/02/28(水) 04:27:50

    入間の渾身の叫びは空間を震え上がらせるのじゃ。ウチらも普段とは違う果敢な入間の姿に呆然としてしまった。

    入間「い、いかぁっ!?……オレ様がっ、こうして…デカチンをっ、くぃ、食い止めてんだ!!…とっとと……どっかにいきやがれってんだよ!!」

    それは命を燃やしてウチらを助けるべく必死で、入間が叫んでおる最中でも何度も何度も『 ハンマー 』の脅威からウチらを助けてくれる。
    その度に入間は傷付いて、どんどん真っ白なYシャツやニーソックスを金髪を血で染め上げていく…

    百田「もう、よせっ、入間!」

    星「……ちっ」

    普段と違う入間に驚きつつも、百田が入間の腕を掴もうと伸ばすが、星に止められる。

    …星は覚悟をしたのじゃな。下唇を噛んで百田の脚にしがみつく姿は…ウチの決心を固めてくれたのじゃ。

    夢野「行くぞ。百田……一刻もはやく、遠くに」

    百田「っ!!夢野、テメーも見捨てんのかよっ!」

    進もうとするウチらを食い止める百田の目にはうっすらと涙が滲んでいたのじゃ。…きっとウチも同じ顔をしておるのじゃろ。
    ウチらがこれからする事はそういうことじゃから――のう。
    渋るウチらに入間がトドメを刺すべく吠えたのじゃ。もう、背を向けておるからどのような状態をしておるのか分からぬままじゃが、それでも言葉を吐くのを止めぬ。

    入間「グダグタなにやってんだよ!!……誰かがっ、食い止めねーと……みんなが、アタシの大好きな……みんなが居なくなっちまうだろ!」

    再び、振り向いた……もはやぐちゃぐちゃになった髪の毛によって、口元しか見えんかったが――その口角がくいっと笑うのじゃ。

    入間「いい、か……テメーらは……死ぬんじゃねぇ……ここでおじゃんなんて、ガバガバに……許してんじゃねーしっ!……アタシがそんなの許す訳ねーだろっ!!」

    ウチは涙を拭う。百田はただ涙を流しておったが、星とウチと目を合わせると呟いた。

    百田「ゴン太なんかに、負けんなよっ!…絶対に、ぜってーテメーを助けてやるから、まってろよ!」

    ビシッと入間にむけて指を差したのち…ウチらは引き返すようにその場を後に…するのじゃ――っ!!


    入間「頼むから…お願いだから……アタシの代わりに…生きて…出て、よ…ね…」

    ウチらが聞いた入間の声は――――これが最後じゃった…


  117. 117 : : 2018/02/28(水) 04:28:12

    入間と別れ、ひたすらに、闇雲に走る。
    誰一人として話さない…鼻をすする音と走る音以外は聞こえんかった。

    …入間はどうなったのか?どうしてキーボがあたなってしもうたのか?と疑問が沸いているがそれの答えを持ち合わせておるものがこの場所にはおらぬ。
    知っておれば対抗策でも出来たのじゃろうか…?と後悔の波が打ち寄せるだけじゃから。
    …それらを圧し殺すようにウチらは黙っておったのじゃから。

    星「逃げるにも…ほぼほぼ袋小路だ…このままだと俺らも直に掴まっちまうだろ?」

    階段を上りきった星が沈黙を破った。
    …ウチと百田が上りきった直後に向こう側から追いかけておるのが分かるのじゃ…ゴン太の足音であることは直ぐに理解できるのじゃ。

    百田「…なんでなんだよっ!どうしてっこんな目に遇わねーといけねーんだよ!」

    ガツッと百田は壁に拳をつく。…ゴン太が追ってきておるという事は…入間はもう、力尽きてしまったのじゃろう。その事実にウチらは自ずと唇を噛み締め俯いた。

    夢野「(入間…っ)」

    星「アイツは、よくやってくれたさ…普段、ビビりな癖して俺らを逃がしたんだ、立派だぜ」

    百田「…入間ぁあっ!!」

    誰かが居なくなる痛みが酷く辛くてウチらの足を止めてしまう。…入間が必死に繋ぎ止めた時間を無駄にしてはならぬハズなのに、足が動いてくれんかったのじゃから。

    夢野「なんでじゃ!どうしてっ……罪もないものたちがこうして死なねばならんのか!」

    足音が次第に近づいておる事にハッと顔をあげるのじゃ。くよくよする間も与えてはくれぬのじゃな…と顔を上げた時じゃった。ふっ、と誰かの気配を感じて涙に濡れる視界を拭うと青い髪の毛がふわりと靡いておるのに気がついて目が丸くなってしもうた。微笑んだ顔をウチに向けた、お主は――――っ!

    目の前に青白い姿をちらつかせたソヤツは――白銀であって、と同時にばぁああん!!と派手な音を立ててゴン太に向かって姿をみせるのじゃ。
    その白銀がゴン太の前に立ち塞がる。そして、両腕を真っ直ぐに伸ばしてからじっとゴン太を睨むのじゃぞ。
    その白銀の姿に百田と星は視えないらしく、立ち止まったゴン太を見て驚いておった。

    白銀『…ゴン太くんにこれ以上は…辛い思いさせたくないからっ!!』

    と白銀が叫んだと同時にプツリと意識が途絶えたのじゃ…

  118. 118 : : 2018/02/28(水) 04:49:03

    『 百田解斗 』side


    百田「うっ……」

    ゆっくりと大分鈍った体を起こす…起き上がると今まで今場所とはかなりちげー事、それから場所も違う事に一気に目が覚めちまった。

    ……急に何が起こったかだなんて分かる訳がなかったんだ。
    ゴン太のヤローがオレらの前に現れたかと思えば、立ち止まったんだからよぉ。
    それから、急に目の前が真っ暗になっちまって……気ぃつけば、ここは――どこだ?

    百田「(……廊下、か?)」

    周囲を見渡すっと、廊下に倒れていたみてーだな。……夢野と星はどうなっちまったんだよ?
    と二人の姿を捜すが見当たらねー……なんだよ、何が起きたんだよ!とやり場のねぇー怒りを床板にぶつける…と床板が脆いらしく、木屑が手に刺さっちまった。

    百田「……っ」

    刺さっちまった木屑を取ろうとした指の震えが止まらねぇ。さっきまではここまで酷くなかった筈なのに、体全体が痺れている感じがする。……この状態では上手く立てねーし、なにより。

    百田「(いき、苦しい……んだよな)」

    呼吸が上手く出来ている気がしない。鈍る体に鞭を打つべきかと悩んで左側を見た時だったんだ。

    …?誰かが、此方に……向かってくる……のか?

    ??「――!!!…っ!」

    ??「…っ?……!…っ!」

    なにかを話ながらこっちに向かって走ってくる姿にどこか見覚えがあんだが――あーだめだ、そこまで気が回らねぇ。呼吸が浅くて苦しい、なんでだよと言いたいが口も痺れていて上手く言葉を話せねーだろうよ。

    その姿は二つに見えた……が、ソイツらに声をかける前に痺れが頂点に来たのか意識もかっさらって…い、く…ん、だ…

    くそっ――――……




    ……

    ………





    【 chapter:03 】end


    死亡確定者:03→05 名
    『白銀つむぎ』、『春川魔姫』、『夜長アンジー』、
    『キーボ』、『入間美兎』
  119. 119 : : 2018/03/01(木) 02:07:00

    (ここまで閲覧していただきまして、ありがとうございます)


    (不穏な空気が渦を巻いて来てますが、これはまだ序の口なのです…)

    (ちなみに、エンドリストはこうなっていました!!)

    【 WRONG END 】リスト


    (★1):『 信じて近づくな 』

    内容:夢野・星が行動しているときに獄原に捕まると発生
    夢野を庇った星が撲殺されたのち、逃げた夢野は外の渡り廊下から森の中を走っているうちに行方不明となる


    (★2):『 信じちゃダメ!! 』

    内容:百田・入間・キーボが行動しているときに獄原に捕まると発生
    百田とキーボが殺される様を入間は見て発狂して逃げまとうが、最後に待っているのは獄原と子供の幽霊たちだった…


    (★3):『 犠牲者の手紙 part03 』

    内容:【 謎のメモ 】を1~5全て読む事で発生
    前のナンバーの文字を読むと次のメモが現れる
    人体模型に惨殺されてしまう

    【 謎のメモ 】のある場所
    1「 ??校舎、1階職員室 」
    2「 ??校舎、2階女子トイレ 」
    3「 ??校舎、1階音楽室 」
    4「 本校舎、1階水練場(プールサイド) 」
    5「 本校舎、2階理科室 」


    (★4):『 彼と言えば――溺死だよね? 』

    内容:夢野・星でプールサイドを調べているときに選択肢を間違うと発生
    夢野がプールにドボンしたあと助けられずに溺れて星も死亡する


    (★5):『 首斬り 』

    内容:理科室のイベント失敗で発生
    人体模型から逃げられたと思いきや廊下に佇んでいた獄原に撲殺される…


    (★6)『 調べすぎ 』

    内容:百田・入間・キーボで探索時に選択肢を全て選ぶ(全て選ぶ指定がある場合は除く)と場所関わらずに発生
    調べすぎた一行には霊を逆撫でしていることがわからないまま悪霊たちに精神を毒されてしまうのだ

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著者情報
bashikosama

飛んで火にいるばし子さん

@bashikosama

この作品はシリーズ作品です

【V3×コープス】真宮寺「これは…」 夜長「天神小学校…?」 シリーズ

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