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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

【安価】真宮寺「これは…」 夜長「天神小学校…?」chapter:02

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  1. 1 : : 2017/09/30(土) 03:19:49
    (※4回目の投稿になります。誤字・脱字等々ございますが、生暖かい目で読んでくださると助かります※) 

    (※また、2回目の投稿とと同時進行でやっているのもあるので良かったらそちらも閲覧してくださると嬉しいです!※)


    ※この作品は『コープスパーティー』とのコラボ作品となります。基本はコープスのストーリーに沿ってますが、オリジナル展開も予定しています※

    ※なお、今回はホラー・エロ・グロ、CP要素がもりもりあります※

    ※chapter事に視点が変わります。さらに同じchapter内でも視点が変わるので見辛いかもしれません※

    ※また死ぬキャラクターが多数でるので、推しのキャラが退場しても許しください※



    ・登場人物 

    ニューダンガンロンパV3 メンバー 
    (因みに服装は『希望ヶ峰学園の制服』をイメージしてます)


    ・舞台設定 

    育成計画+α 『希望が峰学園79期生』設定 
    というより紅鮭の方が近いかも…… 


    ・前説 

    それはある日の夕暮れのこと。
    怪談話をしていく最中、才因組のクラスメイトたちはあるおまじないをすることに…

    …それが、禁じられた『呪いの類い』であることを知らずに……



    (※基本は安価は選択制です、たまに秒数安価もあります※) 

    (※では、今回もスタートします。完 全 に 二番煎じです、先に作成した方申し訳ありません……(汗)※) 

    (※今回は進行上、期待とうの感謝の言葉が言えないのでこの場でお礼申し上げます※) 

    (※鈍行列車や徒歩よりも遅い進行ですが、生暖かい目線、保護者の目線で見守ってやってください※)
  2. 2 : : 2017/10/03(火) 00:00:00




    …なんでだよっ!!


    誰があんな展開を望んでたんだよっ…嘘だろ…
    オレは誰よりも他人の嘘が嫌いなのにさー…


    …このままだといけない。
    これ以上、オレの大切な……がいなくなるのはゴメンだから。


    …だからさ、隣にいる君だけは居なくならないでよ。

    …お願いだから。




  3. 3 : : 2017/10/03(火) 00:00:25


    【chapter:0】 『????』side


    目を覚ます。…この言い方であっているのか不思議だけどね。
    先程とは違う景色が頭に入り込んでるけれど、今はここ、図書室から出られない。

    …きっと 『 アイツ 』 が自分の身体を使ってなにかをしているんだろうな。

    動こうと必死の想いでジタバタしてはいるだけど…

    … 『 アイツ 』 からされた 『 施された呪術 』 のせいでここから一歩も出られないので、立っていることしか出来ない。

    自分の透けている足元には乾ききっていない血溜まりが広がっているし、出口までその血の後が続いている。

    ふと、視界がブレる。…ん?
    そこには良く見知った顔が居て。
    彼らの表情を見るともう無い自分の心臓が痛む。

    ああ、そうか。あなたたちは知らないんだね…

    …自分が既に死んでしまったことを。


  4. 4 : : 2017/10/03(火) 00:01:00
    【chapter:2】 『 東条斬美 』 side


    東条「…夢野さん、落ち着いて」

    教壇に背をもたれ荒い呼吸をする人物…夢野さんに私は優しく声を掛ける。
    彼女は涙目で苦しそうだ。半ば過呼吸になりかけているせいか顔色は悪い。

    それを横目に窓を見ているのは…

    王馬「…雨止まないよねー」

    王馬君である。既に窓から出られないことを調べているせいか、窓の闇を見続けていた。

    ここにはその3名しかいない。彼らが気がついてから大分時間が過ぎたみたいであったが、夢野さんが急に体調を崩してしまったのもあり教室内にずっと滞在している。

    東条「…(このままではーーー)」

    荒い息をする夢野さんを見捨てて行動は移せない。そんな思っていた時、だった…

    ??『いやゃぁぁぁっ!!……ちゃぁぁぁあんっ!!』

    王馬・東条・夢野「「「 !!! 」」」

    よく知った、クラスメイトの絶叫が教室に木霊する。
    思わずその声に3人はビクッと肩を震わせる。

    東条「い、いまのはーーー」

    王馬「…赤松ちゃんの声だね」

    王馬君がこちらを向いて真剣な眼差しで訴える。
    私もそんな気がしたので頷くと…彼が呟いた。

    王馬「…東条ちゃん、オレ見てくるよ」

    東条「…ええ、わかっ」

    言葉の続きが言えなかった、声が再び響いたからだ。

    ??『ゆ…の…さぁ……ん!』

    先程よりも小さな声。…誰かを探しているようで、恐らく相手はーーー

    夢野「…はぁっ、て、転子…かの…?」

    か細い声を捻り出して答えるは夢野さん。私も同じ事を思っていたわ。
    …と言うことは、

    王馬「…別れて探した方が効率はいいけどさー」

    東条「今の彼女を連れていくのは…」


    説明:( 【 赤松・茶柱の声 】がしましたが、彼女達がここにいるとは限りません。…という事実を3人はまだ知りません)
  5. 5 : : 2017/10/03(火) 00:01:32

    王馬「…得策じゃないよね」

    東条「…だからといって、このままでは…」

    王馬君は恐らくこの状態が良くない、と言うことがわかっているのかもしれない。…私もそれに同意するわ。

    すると、袖を掴まれた。相手は夢野さんで、

    夢野「う、ウチは平気…じゃ…から…」

    呟かれる言葉はあまりにもか弱い。それに反発するのは勿論王馬君。

    王馬「そんな状態でも虚勢張っちゃってさー。この先に何かあるのか分からないんだよ?」

    平気なんて言わない方がいいと思うけど、と続けた。
    それが、彼なりの遠回しの心配であることは明白だけれど、今の夢野さんには届かない。だから、彼女は王馬君の方に向かって、

    夢野「大丈夫、ったら、大丈夫なのじゃっ!」

    と叫んだ。この声には王馬君はビックリして目を丸くしていたが、すぐにもとの調子で

    王馬「お魚屋さんで活け作りにされそうなアジの表情をしてるのにー?」

    東条「…王馬君、ふざけないで頂戴」

    王馬「ちぇー。ママに怒られたしー」

    東条「ママと呼ばないで、といつもいってるわよね?」

    王馬「えーっ、睨まないでよー」

    流石にこの状況で冗談は言ってられない。
    とにかく、どうするか考えないと…進まない事には始まらないもの。

    それと、ママ呼びするのはやめて欲しいわ。
    はぁ、とため息が出てしまう。
    暫く考えを巡らせたけれど一向にいい案が浮かばなかった。
    …王馬君も何か考えているのか、それっきり黙ってしまったし。

    このままでは本当に駄目ね。

    東条「…わかったわ。ここは私が行くわ」

    私は立ち上がるとスカートについた埃を軽く払う。
    王馬君が何かで言いたそうにしている前にそれを止めた。

    東条「私はメイドよ。調べて何もなければ戻ってくるわ」

    それまで待っていて頂戴。と続けて、教室を出ていった…


    説明:(【 東条斬美 】が単独行動にうつります。ちなみに彼女は怪我をしていません。)

  6. 6 : : 2017/10/03(火) 00:01:55
    教室を出ると、一気にここが幻ではない、と言うことを嫌でも理解してしまう。…私が目を覚めたとき倒れていたのが丁度この廊下だったのだから。
    先程とは何ら変わらないお世辞にも綺麗だとは言えない校舎。…ここが真宮寺君の言った 『 天神小学校 』なら、早急に脱出しないと行けないわ。
    手のなかに握られている紙の切れ端をぎゅっと握り締めると北の方角に歩き出した…


    …あのときは驚いたわ。…それで目の前に見えた『 1―A 』と言う表示。…ここにとりあえず入ってみようか…と思い扉を開けたら目の前に気を失っている夢野さんを見つけて、それから教室の奥の方に同じく倒れてる王馬君を見つけたのである。

    先に目の前の夢野さんを起こすと彼女は怯えた表情をしていた。不安そうに見つめる瞳は誰かを求めているのが明白で、第一声からその人物の名前が呟かれたぐらいだったのだから。

    夢野「…転子は…みなかったのか?……東条知らんか?」

    私は当然答えるわ。分からないと……だって目が覚めてから直ぐにこの教室に入ったのだから。

    首を横に振ると彼女は明らかに落胆した。…そうか…と紡がれた言葉がこの空間に飲まれたように、消えてしまう。
    夢野さんが急に虚ろな瞳で不思議な言葉を呟く。

    夢野『お嬢さん…ここは長時間いてはいけないよ。…たくさんの霊が悪霊が生きているものを狙ってしまうんだ』

    何時もの彼女とは全く異なる口調。誰かが彼女の体、声を借りたように吐き出された言葉に驚いている私。
    夢野さんは瞬きすると我に返ったのか、呟いた言葉の意味理解ができなかったようで、語った内容に驚いたのか「ウチはなにを…」と、呟いた。

    東条「…夢野さん、ここがどこだか分かるの?」

    問いかける。夢野さんは首を傾げて

    夢野「…分からぬ。じゃが…」

    息苦しいと答え、急にゼエゼエと荒い呼吸を繰り返したのだ!

    …過呼吸になったのかしら?……とりあえず落ち着かせないと……

  7. 7 : : 2017/10/03(火) 00:02:18


    とりあえず彼女を教壇を背にもたれさせて、もう1人…王馬君の方に近づいてみる。
    同じ教室なのに向こうまでたどり着けない。何故なら、教室の中心から裂けるように大きな亀裂が走っているからであった。

    その亀裂は到底私の身体能力では飛び越せない。…どうにかしてそこへたどり着くことは出来ないのかしら?

    …ふと視線を全体に広げる。…あ、あったわ。奥の扉から入れば恐らくは向こう側に行けるみたいだわ。

    ちらりと背後に居る夢野さんに声をかける。

    東条「夢野さん、向こうに王馬君が居るわ。…少しだけ我慢できるかしら?」

    夢野「お、王馬じゃと?…………」

    夢野さんも顔を上げて倒れている白黒の物体……これが王馬君よ?…彼を捉えると余計に表情を暗くする。

    夢野「何故、王馬なんじゃ…」

    夢野さんは王馬君の事が苦手…いいえ嫌いみたいだから苦虫を潰したかのような表情をしているわけね。
    …でもここでいちいち自分の気持ちを優先させては、助からなくなってしまう…と思うわ。
    彼をこちらに連れてくるわと呟いて教室を飛び出して行く…。

    廊下を南に数歩歩くと、扉が見つかる。…恐らくここが繋がっていればいいのだけれど。
    引き戸に手を入れゆっくりと横にスライドすると…簡単にそれが開いた。

    扉から見えるのは先程と違う視点の教室で、倒れている王馬君が近くに見える。
    よかったわ…とホット胸を撫で下ろして、彼のもとに近づいていった…

  8. 8 : : 2017/10/03(火) 00:02:44
    とりあえず彼を起こしてから、夢野さんと合流する。
    それまでの彼は黙り周囲に目を光らせていた。

    王馬「いやーとんでもない空間に閉じ込められた訳だよねー」

    東条「…それが、起きてからの第一声なの?」

    彼、王馬君はあくまでも自分のペースを崩さない。楽しそうにケタケタ笑う姿は私でも気味が悪い…なんて思うわ。

    王馬「…窓はびくともしないし、夢野ちゃんは死にそうだし…この教室はとってもボロいし、良いことなんにもないよねー」

    いやーまいっちゃうよーと軽口を叩いているところを見ていると彼の性格が曲がっていることが嫌でもわかってしまう。

    夢野さんはそんな彼を睨んでいるし…本当にこの状況は不味いわね。

    でも、このときの彼ほど味方になれば強い人物は最原君位だろうか。

    でも、王馬君だって味方になれば心強いわね。
    彼は軽口を叩いているけれど至るところを夢野さんを介抱している私に代わって調べてあげているのだから。

    一通り調べた彼が机の中から紫色の石を見付ける。
    それは?と聞く傍らで声を出したのは夢野さんだった。

    夢野『アメジストだろうね、魔除けだよ。見付けたなら持っておくと良いだろう』

    まただ。彼女ではない誰かが操って居るよう。
    流石の王馬君もいつもとは異なる彼女の変化に目をぱちくりさせているもの。

    王馬「…あのさ、夢野ちゃん大丈夫なの?」

    東条「分からないわ、先程からこんな調子で…」

    王馬君がテクテクと夢野さんに近づく。そして彼女に近づくとその小さな手にアメジストを握らせる。

    夢野「…ん、はっ…な、なんじゃ……これはーーー」

    王馬「夢野ちゃんにプレゼント。…これで少しは楽になった?」

    夢野「ハッキリと…お主の声が聞こえる…さっきまでの色んな声が少しは…ひいたようじゃの…」

    そう呟いた彼女の表情は少しだけ明るくなっていた。
    本当に少しだけ、ね。


    ▼ 夢野は 『 アメジスト 』 を手にいれました…… ▼
    説明:(魔除けのアイテムのひとつです。所持していると任意のタイミングで使う事が出来きますが、消費アイテムでもありますのでタイミングには気を付けてください。)


  9. 9 : : 2017/10/03(火) 00:03:12

    王馬「…やっぱり。夢野ちゃんは恐らくここの悪いものに取り憑かれやすいのかもね」

    東条「…それはどういうことかしら?」

    彼の言葉に耳を疑う。
    すると「 これはあくまでも予測、推測なんだけどさー 」と指を口元にあてがい呟くように語った。

    王馬「ここにはたくさんの幽霊とかが居るんじゃないかな?……いかにもボロいしさ。んで、ここからが本題。夢野ちゃんはそれらをキャッチしちゃう体質なんじゃないかな?……今までそれに気がついていないだけで」

    だからと続ける。

    王馬「ここは相当まずいってこと。沢山の霊が居るならば、生きている対象に関して呪殺とかしそうじゃん?」

    東条「確かにそうね。貴方の言うとおりだわ……だとしたら」

    早めにここからが脱出した方がいいわね……と夢野さんを見る。彼女は王馬君の見つけた 『 アメジスト 』のお陰でいくぶんか落ち着いては居るようだけれど……

    私は廊下に出たことがあるからわかるけれど、廊下は重い空気が流れているから、夢野さんを同行させるには……厳しいものがあるわね。

    ……とここまでが冒頭までの回想。
    廊下を1人歩くのは流石の私でも気が引けるわ。

    彼らを残してしまったことに関してもだ。 
    きっと王馬君のことだろう、この現状を把握できていなくてもなんとかしてくれるんじゃないか……なんて淡い期待を持ってしまう私は駄目ね。

    窓から見える暗闇を眺めつつ、コツリコツリと一歩ずつ確かめながら歩きだした……

  10. 10 : : 2017/10/03(火) 00:03:38
    東条「…気味が悪いわ」

    南の行けるところまで進む。…目の前には大穴を開けた床が広がっており、これ以上進めないことが誰の目にも見えて明白。
    飛び越えるなんてもってのほかだ、恐らくあとすこしで大穴の闇に吸い込まれてしまいそう…と直感してしまう。

    何かを渡せば通れそうな気がするけれどーー

    無理は禁物。調べらるところからいきましょう。
    私は回れ右をして今度は北の方へと足を運んだ。

    北は奥まで進めるみたいだわ。…途中床に大穴が空いているけれど丁度いい『 板 』が、がっちりはまっていてそこから人一人なら進める気がする。

    …見るからに弱そうな板だけれど渡る意外の選択肢を今の私は持ち合わせていない。…だったら行くしかないわ。

    意を決して、軋む弱々しい橋を渡る…
    思ったよりも頑丈なそれは私一人をのせたところでピクリともしない。恐らくは空間に固定でもされているのかしら?

    簡易的な橋を渡ると進行方向北に階段、東に廊下が続いている。…どちらに進みましょうか?

    東条「廊下は床が脆そうだわ…だったら」

    消去法で階段を昇ることにした。

    階段は上に続くのね。この校舎は特殊な造りをしているみたいで下にはいけなくなっている。
    恐らく先ほど行けなかった方角に階段があるのかも知れないわね。と思いつつぎしりと軋む段差を昇る…

    東条「踊場かしら?」

    13段登ったところで踊場に出る。…なにかがあるみたいだわ。それを手に取り見つめる。
    それは、『 鍵 』だ。タグがついている。
    少し錆びてはいるけれどちゃんと『 鍵 』として使えそうだ。 

    東条「鍵…ね『 3のA 』と描かれているようだわ」


    ▼ 東条は【 3のA の鍵 】を入手しました… ▼
    説明:(タグには『 3のA 』とかかれています。何処で使えそうです)


    再び階段を昇ろうとしたところ、結論からいえば進めなかった。
    板で通せんぼしていたためである。
    2枚の長い板で行く手を塞いでおりプリントが貼られている。

    東条「『 ここから先は生徒は通行禁止 』…無理に行くのは行けないわね」

    踵を返し、階段を降りて、東側に進むことにした…


    情報:(【 進めぬ3階 】を得ました。…なにやら文言からして進んでは行けないものでもあるのでしょうか…?)


  11. 11 : : 2017/10/03(火) 00:04:41
    東条「…さて」

    じくりと見渡すのは東側の廊下。…所々穴が空いているため一歩ずつ慎重に進まないとと歩みだした…

    ふと、廊下の壁に貼られている紙に目線がいった。
    読む気なんて更々なかったのだけれど気が付くと読んでしまっていた。

    東条「『はやくおうちにかえろう…かえらないこは おなかがすいてしんじゃうよ』…すべて平仮名で書かれているわ」

    東条「…そうね」

    その言葉で少し考えてしまう…そう。クラスメイトのことだ。
    私たちがここに来る前の時間は夕暮れだった…
    もしかするとあれから大分時間が過ぎたとしたら。誰かしらがお腹を空かせてしまっているかもしれない。

    早く、みんなを見つけて帰らないと。

    ふと、よぎった思考を抱きつつ、無意識に目の前の空いている扉に入って行く…

    東条「…あら、いつの間にか教室に入ってしまったようね」

    あくまでも自分のペースを崩さない。こういうところでは、少しでの出来事で一番望んでいない展開が起きてしまう。
    それを痛いほど理解している私は流されつつも自分を保つことに意識を持つ。

    …たとえピシャリと入ってきた扉が勝手に閉まっても、だ。

    東条「…王馬君のいう通りかしら。…幽霊がいるのかもしれないわね」

    普通の人では見えないもの、力がここでは働いているのかもしれない。一応扉が開かなくなったのを確認してからこの部屋を調べることにした…



    question、>>12番さん。東条の行動選択
    (とある選択を選ぶと進みます)


    1、棚を調べましょう

    2、前の扉が開くかどうか見てみないと

    3、黒板に何か書かれているわ

    4、新聞みたいのが貼られているわね


  12. 12 : : 2017/10/03(火) 23:11:36
    4番で。
  13. 13 : : 2017/10/04(水) 01:15:40
    (>>12番さん、おめでとうございます!…進みます)



    東条「…新聞、かしら?」

    ふと、視線をあげると新聞の1面が掲示されているのに気が付く。そこにある文字を読むべく近くへ近づく。

    近づくと分かるのだが掲示されているものの真横は私が入ってきた扉とは違うもう一つの扉だ。

    …まるで、わざとその位置に誘導しているようで気分が悪い。しかし今はそんなことよりも1つでも多くの情報を王馬君達と共有しないと。

    ゴクリと、普段の私らしからぬ音を鳴らしてそこに書かれた文章を噛み砕くように口にする…

    東条「『【 天神小奉知新聞 】児童4名 連続誘拐:殺害事件 速報  
    ここひと月の間に町内で多数発生していた「 連続児童失踪事件 」は当局の操作の結果、急転直下の最悪な形で解決へと向かった。
    昭和48年、9月18日、午後7時、同校内にて、失踪中の児童たちの亡骸と血のついた鋏を持ち放心している教員1名を発見、これを確保した。
    遺体は全て、舌が※り取ら※※おり、※※※を※器と断定』
    …ってここで切れているわね」

    残りは切り離されているそれは昔ここであったという実際の事件だったのか…?今の彼女にはそれを判断する材料が少ない。

    東条「…だとしたら…かなり」

    ガラッ

    東条「…っ!?」

    手を顎に当てて考えを巡らせていると不意にがらりと糸も容易く真横の扉が開いた。
    これには、私も当然驚くのだけれど、多分これを見せるためだけに行ったとしか思えなかった。


    情報:(【 連続児童失踪事件 】についての情報が更新されました。どうやら、ここの場所で不穏な事が起こったみたいですが…)
  14. 14 : : 2017/10/04(水) 01:38:34

    今しがた開いた扉から出ることにしたの。
    その先はどうやら続いているみたいで。…その先に進むことにした…

    東条「…ここは一体…」

    慎重に歩きだす。…真宮寺君ならばここの『 天神小学校 』とやらの事を知っているのだろう。…彼に逢って色々と聞きたいこともある。
    ーー実はこうなる事を事前に知っていた可能性があるからだ。私達をこうして誘導させてーー…とクラスメイトを疑う事はしたくはないのだけれど。
    『 おまじない 』をするまでの一連の行動がどうにもーーー引っ掛かっていたから。

    とにかく、よ。既に起きてしまったことを根掘り葉掘りしても無駄である。今は打開策を手繰り寄せないと…

    東条「…これ以上は進めないようね」

    ある程度廊下を進むと床が抜けていて進めなくなっていた。…現状、私が進めるところはあとはーー

    東条「ここ、ね」

    視点をずらす。そこには先程手に入れた『 3のA 』と書かれた教室の扉が佇んでいる。

    ここに、入れ…という事で良いのかしら?

    私は手持ちの鍵を使い、『 3のA 』に入ることにした…


    ▼ 【 3のAの鍵 】を使用しました… ▼



    『 3のA 』の教室は廊下とくらべて暗い。
    ライトがないと数歩先が暗闇…というぐらい。…ヒンヤリとした空気に背筋が凍るのを感じる。

    東条「…(嫌な、予感がするわ)」

    スマホを取り出してライト機能をつけるが、スマホの心許ない明かりではここの教室の状況が理解できない。

    どうしたものかーー

    そう考えつつ、足を1歩ずつ踏み出して行く…




    question、>>15番さん、東条の行動選択
    (ある選択肢で進みます)

    1、青白い…ものが見えるわね

    2、棚が…前方に有るわね

    3、嫌な予感がするわ、1度王馬君達の居る教室へ戻りましょうか?

  15. 15 : : 2017/10/04(水) 06:26:05
    1で
  16. 16 : : 2017/10/06(金) 02:54:57

    (>>15番さん、大変お待たせしました。大分進行します)




    目の前に唐突に現れるのは淡い光。…青白いそれはとても儚くて。でも、それが明かりのようにも見えた。

    東条「なにが起きているのかしら?」

    あくまでも冷静を保つ。青白いそれに近付くと何処からか声が聞こえた…

    『 ヒトリデ ナニヲ スルツモリナンダ? 』

    野太い男性特有の声に流石の私でもたじろぐ。
    …何処から声が聞こえるのかしら。と私は周囲を見渡すとその行為が滑稽らしくケタケタと笑い声をあげる…

    『 ココニ来テモ 無駄ダ。大人シクシテイレバ イイノニ 』

    東条「…それは出来ないわ、例え『 依頼 』だとしても」

    すると、目の前の淡い光がゆらゆらと揺れる。
    …声はまさか…ここから?だとしたら目の前の光がとはーー
    私の考えがお見通しなのか、声は再び響く。

    『 ココデ死ンダンダ 理不尽ダッタサ… ソレハーー 』

    東条「(恐らく人魂または霊魂のようなものね。…やはりここは長時間居るのはーー夢野さんが心配だわ…)」

    思考が一巡りする。黙り込んだ私の事がつまらないのか、ゆらりと青白い灯火を揺らしている。

    東条「…貴方は何かここについて知っている事は無いのかしら?知っていたらーー」

    『 【 多重閉鎖空間 】ッテ奴サ 声ハ シテルケレド 互イニ逢ウ事ハ 出来ナイ…ソンナ 空間サ 』

    私の言葉を打ち切るように語り出す。…【 たじゅうへいさくうかん 】…とななんの事かしら?
    疑問が膨れ上がる中、霊魂は再び話を始める。

    『 ツマリハ 存在スル 次元ガ違ウナラバ 逢ウ事ナンテ 無理、ナノサ… 』

    東条「つまり、貴方は私たちが耳にした声の主が実際にここに居るとは限らない…と言いたいのかしら?」

    私の結論に揺らめきで返事をする。その通りだよ、と言わんばかりだ。…だから捜すのは諦めなさい、とでも言いたげだわ。

  17. 17 : : 2017/10/06(金) 03:10:20

    だから、といってなにもしないのはもっともどかしい。
    その言い方ならば、ゆっくりと訪れる『 死 』を待ちなさい。と言っているようなものだ。

    『 流石ダナ 賢イ餓鬼ハ 嫌イジャナイ 』

    東条「それは誉め言葉として受けとるわ。ありがとう」

    相手に同情とかしてはいけない、そう私の勘が言っている。あくまでも、対等であるまたはこちらが上であるように振る舞う。…そうする事でこの場の主導権を握る。

    東条「でも、手掛かりがあるなら手繰り寄せるわ。だから先にいかせて頂戴」

    炎の揺らめきをよそに私は霊魂を睨み付ける。彼はそんな私には気にと止めず、再び語る。

    『 君達ガ ココニ来タ タイミングモ 経過シタ 順序モ 違ウノニ ヨクソウ言イ切レルナ 』

    『 例エ 声ガ聞エタトシテモ ココト 同ジ時間ニ 発セラレタノカ…ソレトモ未来デ起キタ 時間ノ出来事ナノカ 分カラナインダゾ 』

    東条「それでもー」

    私は調べるわ。少しでも、みんなの為になるなら。

    霊魂を振り払い、棚の方へと進みだした…

    霊魂はそれ以降何も言わなくなってしまったけれど青白い灯火はその場で揺らめいていた。私はそれを警戒しつつ、棚に詰め込まれた包丁や鋏、手術用のメスを見ていた。

    東条「随分危ないものが置かれているのね。…これだけの物を用意するのは一苦労でしょうに」

    棚の硝子扉が開かないことを調べた時であった…

    『 生意気ナ…生徒ダナァ… 』

    東条「…っ!」

    低く、ドスの効いた声。…声質的に背後に居る霊魂から発せられているのは間違いなく。振り返ろうとしたらーー

    ガタガタと大きく教室が揺れる。…地震だわ!

    立っていられない程の地震で思わず戸棚の前で体制を崩してしまう。…もし、目の前のーー戸棚が倒れでもしたらっ!

    『 ハハハッ! 』

    背後に迫る悪意の声。地震は段々酷くなる。こ、このままじゃーーーっ!

    戸棚がガタガタと前後に大きく揺れて、そのままバランスを崩し、私の方へと大きく倒れた…

    東条「しまっーー」
  18. 18 : : 2017/10/06(金) 03:46:52

    『 王馬小吉・夢野秘密子 』 side

    …突然だった、激しく揺れる教室。
    それに怯えない夢野ではなくて、彼女は必死に教壇に掴まっていた。
    王馬も突然の事にバランスを崩しその場で尻餅を付いた。

    王馬「あたっ!…地震?」

    夢野「な、なんじゃあっ!!」

    怯えながら震える声で叫ぶ夢野の姿に王馬は夢野の方へと四つん這いの姿勢で近付く。

    王馬「…東条ちゃんに何かあったのかもね」

    夢野「縁起でも無いことを言うではない!」

    王馬「ま、ママの事だから心配は要らないと思うけどさ!」

    夢野「…」

    揺れが段々と収まり、やがて教室は静まり返る。
    何事もなかったように佇む教室を眺めているととても不気味だ。

    涙目の夢野は深く三角帽子を被り直すと俯いた。

    夢野「…東条じゃなくて、お主が先に調べておったらよかったのじゃ…」

    王馬「えーそんな言い方あるー?…折角人が心配してんのに」

    王馬は相変わらずでこの場に早くも馴染んでいる気さえしてしまう。…異常だ。そう感じた夢野はブルブルと体を震わせる。

    夢野「…ウチも行くぞ」

    王馬「行くってどこに?…まさか自殺…っ!」

    王馬のわざとらしい反応をよそに夢野はそれを制止させる。

    夢野「東条を捜しに行くに決まっておろう!…ウチとて、こんな所居たくないわ!」

    王馬「…大丈夫なの?無理はしない方が良いんじゃない?」

    夢野「…っ!お主に言われると府に落ちんな」

    夢野の決意に王馬は心配そうに見つめているが、夢野からしては単なる冗談にしか思えなくて、余計に腹立たしくなる。むすっと頬を膨らませ、王馬を睨み付けるとすくりと立ち上がる。

    夢野「とにかく行くのじゃ!」

    最早、夢野の一方的なワガママみたく感じる。王馬はやれやれと立ち上がると、

    王馬「仕方ないから一緒に行ってあげるよ」

    と呟いた。


    説明:(ここから【 王馬小吉・夢野秘密子 】が行動を開始します。さて、東条はどうなったのでしょうか…?)


    questionその①
    >>19>>23番さんまでの5名。視点についてです。
    操作キャラクターが2名居るので多数決でどちらの視点にするか選んでください。


    1、王馬小吉(無傷ですが…)

    2、夢野秘密子(霊に人格を乗っ取れやすい)





    questionその②、>>24番さん、王馬・夢野の調査先
    (全て選ばないと進みません)


    1、辺りを再度見渡す

    2、戸棚周辺を調べる

    3、扉近くの掲示板を見てみる

    4、東条に書き置きを残しておこうか…
  19. 19 : : 2017/10/06(金) 06:47:35
  20. 20 : : 2017/10/06(金) 15:29:21
    1で
  21. 21 : : 2017/10/06(金) 18:19:48
  22. 22 : : 2017/10/07(土) 22:36:06
    1で
  23. 23 : : 2017/10/08(日) 07:37:39
  24. 24 : : 2017/10/08(日) 07:38:21
  25. 25 : : 2017/10/09(月) 04:55:35
    (>>19番さん~>>23番さん、ご協力感謝いたします…私的には夢野を進めたかったんですけどね(笑))

    (大変お待たせしました。スタートします)


    『 王馬小吉 』side


    目の前に佇んで意気がってる夢野ちゃんを放って置くコトなんて出来るワケ無いじゃん!
    そんなオレの本心なんて夢野ちゃんには分からないだろうな…そう思いつつ、震える肩に手を置いた。

    夢野「んあっ!」

    王馬「…あからさまに驚かないでよー!オレ、泣いちゃうよ?」

    夢野「…勝手にひとりで泣いておればよかろう」

    夢野ちゃんはオレの冗談に反応はせず、手を払い除けてそっぽを向いてしまう。
    …あーあ。こりゃ怒ってるな、感情的に見えるし。こうなると勝手に行動し始めるだろうから、とにかく彼女の行動をコントロールしないとね。

    王馬「…この教室を調べきってから出た方がいいんじゃない?」

    …さて、食いつくか。
    オレの真剣味を帯びた口調にピクリと僅かに肩を震わせる。少しだけ考えて答えを出したようだね。

    夢野「そうじゃな…めんどいのじゃが、あそこの掲示物を見ておこうかの」

    王馬「えーオレの言葉を真に受けるカンジ?」

    夢野「手のひら返しがはやいのう!」

    よし、引っ掛かったね。まずは掲示物って言ったよね。
    読み上げるのは面倒だけど、発言はいっちょまえな割に足が震えているのを必死で隠してる夢野ちゃんの代わりとして読んであげるか…オレって優しいね!

    トコトコと軽い足取りでオレは黒板横に貼ってある掲示しているものを舐めるように眺めた。…背後に居る夢野ちゃんに内容が解るように声に出してやるか。

    王馬「『 ■ 天神小連絡通紙 ■
    校内で頻発している【 生徒児童 誘拐事件 】への対策を先般の事例に基づいて各員速やかに執られたし【 天神小学校校長:柳堀隆峰 】』…ってさ、どう?」

    夢野「…突然声に出すことなかろう!」

    オレの声に驚いたのか涙目でこちらを睨んでいる。こんな調子でここをちゃんと調べて、なおかつ『 脱出 』が出来るのだろうか?と思ってしまう。

    王馬「はいはい。勝手に驚いてなって…次は?」

    夢野「んあ?」

    …惚けた表情でこちらを見ないで欲しい。
    オレの気持ちを微塵も拾ってくれないんだから!
    おっと、語りすぎたな。「 次はどこ調べるの? 」と話しかける。

    夢野「そいうことならば、先に言ってくれい…じゃったらーーー」


    情報:(【 生徒児童 誘拐事件 】について得ました。因みにchapter01にて得た情報は共有されませんので王馬、夢野はこれ以上の情報は知りません)



    questio、>>26番さん。王馬・夢野の調査先
    (全て選ばないと進みません)


    1、辺りを再度見渡す

    2、戸棚周辺を調べる

    3、(扉近くの掲示板を見てみる)★調査済

    4、東条に書き置きを残しておこうか…
  26. 26 : : 2017/10/09(月) 06:05:07
  27. 27 : : 2017/10/09(月) 13:58:13

    夢野ちゃんが指を差した方角に体を向ける。
    …戸棚、か。

    確かに何がありそうだけど…あそこを調べるなんて、ね。オレはさっき夢野ちゃんがガタガタと震えて荒くて浅い呼吸を繰り返していた時にちょこっと見ていたんだどさ。
    ま、そこを自力で調べさせるのもーー

    夢野「…なんじゃ、黙り込むとはお主らしくないが」

    ふとか細い声で我に返る。…だからそんな心配そうな顔で見ないでってば!と無言で見つめてみるが、きっと夢野ちゃんには通じない。オレの意思とは逆で、訝しげにこちらを睨み返したので見るのを辞めて違う方向を見る事にした。

    王馬「あ、少しね。…そうだ自分で調べてみればいいじゃないの!
    …なにか分かるかもよ?オレを頼るなんて0.5年と1秒、早いよ!」

    夢野「微妙じゃな!?その位すぐに追い付いてやろう!
    …うむ、ウチとて調べないとのぅ」

    とても特徴的な帽子を深々と被り直してから意を決したようで慎重な足取りで戸棚の方に向かう…
    その様子を見つつオレも後に続く。

    戸棚に着くや否や夢野ちゃんの息を呑む音が聞こえた。彼女は無意識に両手を口に当てて後退りをしていた。

    夢野「なんなのじゃ…こ、これはーー」

    王馬「…見ての通りの髪の毛だよ」

    夢野「んあっ!急に話しかけるでないっ」

    あーあ。そんな些細なことで嫌な顔をするの辞めてよー。…折角のアジ顔が台無しじゃん!

    夢野「不気味すぎるのじゃ…」

    そ。戸棚はこれでもかっていう位の黒い髪の毛が詰め込まれていて、開いたらそれが滝の様に雪崩れそうだし触らないに越したこと無いよ。

    見て欲しいのはそこじゃなくてーーー

    王馬「あとさ、この戸棚の裏」

    夢野「んぁ?」

    オレはある一点を差した。戸棚の後ろ側。戸棚で隠している様に見えるけど、教室の出入り口と同じデザインの扉がある。

    王馬「ここ、今は木の板で行けないけど、この奥に何がある気がするんだよね…」

    夢野「…そうじゃな…」

    一応、扉が動かせるか調べるみたいだね。夢野ちゃんはその小さな手で扉をガタガタと動かした。が、当然板のせいで開くハズは無くて。

    夢野「…ここの奥がきになるのぅ」

    と呟いてその場を離れた…


    情報:(【 1のAの戸棚の裏の扉 】を取得しました。『 ホラーゲーム御用達 』のアイテムを入手後に来ましょう)


    questio、>>28番さん。王馬・夢野の調査先
    (全て選ばないと進みません)


    1、辺りを再度見渡す

    2、(戸棚周辺を調べる)★調査済

    3、(扉近くの掲示板を見てみる)★調査済

    4、東条に書き置きを残しておこうか…
  28. 28 : : 2017/10/09(月) 15:10:58
  29. 29 : : 2017/10/09(月) 23:45:40
    (>>28番さん、少し進行します。おめでとうございます)



    夢野「もう良いのではないか?」

    唐突に彼女から呟かれた言葉。この教室を調べてから大分時間が経過しているのもあるせいだろう。もうここにはめぼしい物や得られる情報が無いっていうコトだろうね。

    王馬「…じゃあ、廊下に出るの?」

    ここから出るのは正直好ましくないと思っている。夢野ちゃんが心配…もとい足手まといってのも然り、東条ちゃんが帰ってこないコトもあるし。でも、こうしてただひたすらに東条ちゃんを待つのもオレの性分じゃない。

    夢野「うむ…」

    王馬「ならさ、ママにメモ残しておくべきだよね、入れ違いになると…色々と不便じゃん」

    夢野「そうじゃな、東条はただ単に戻らないだけかもしれぬしな!たまには良いことを言うのじゃな」

    …それって褒められてる、って認識でいいのかな?
    さておき、夢野ちゃんの同意を得たコトだしオレはポケットの中からイタズラにいつも使う油性のペンを取り出した。

    夢野「…お主また懲りずにそれをーー」

    まあね、とだけ答える。どんなときでもユーモラスを忘れちゃぁ、オレの面子丸潰れってもんだし。

    背後にある教卓にでも書いとくか、細字のペンの蓋をきゅぽっと開けて、さらさらっと記入していく。文面はこんなんで良いね。夢野ちゃんがオレの書いた文字を読み上げる。

    夢野「『 東条ちゃんへ、
    東条ちゃんがなっかなか戻ってこないから暇なんだよねー……だから、夢野ちゃんと一緒に東条ちゃんを探しがてら色んな所を調べちゃうね!…これはホントだよー 』」

    夢野「……」

    読み上げた所でこちらをひと睨み。なにか言いたげだけど、言わせない。オレはペンの蓋をしてからポケットに突っ込んで教室を出るべく第一歩を踏み出した。

    教室の扉の持ち手を掴んで後を振り向くとトコトコとついてくる夢野ちゃんが居るのを確認してオレたちは教室から出ることにした…
  30. 30 : : 2017/10/10(火) 00:26:40

    教室から出るとひゅおっと風の切る音がする。なにより、教室より肌寒く感じる。
    頬に冷や汗が伝う感覚がする。正直ここは長居したいっていう物好きは居ないんじゃないかな?
    …少なくともオレはそう思うよ、ホントだってば!

    夢野「…怖い」

    ぎゅっと長袖のYシャツの裾を誰かが掴む。…まあこの場合は一人しか居ないんだけど。その掴んだ主がポツリと呟く。

    王馬「何…自分から行くなんて言った癖にもう降参?」

    掴まれたコトに驚きを押し隠すように冗談口調になってしまう。だけど、返ってきた言葉に彼女に余裕なんて代物は無いというが分かってしまう。

    夢野「…色んな…声がするんじゃ…悲鳴や断末魔が…」

    帽子から僅かに見える夢野ちゃんの表情は青白い。オレの肌色も白い方だけどそれよりも白く見える。
    やっぱり…夢野ちゃんには何が聞こえているだろう。聞こえないオレにとっては全く判らないけれどここで立ち止まられてもなぁ…

    少しだけその体制でいつつ、オレはふと思い立って夢野ちゃんの方を向いてひょいっと慣れた手付きで帽子を奪った。

    夢野「んあっ!お、お主ーー嫌っ!」

    帽子を取ると今にも崩れてしまいそうな血の気がない夢野ちゃんの姿。帽子取ったせいもあってその場で耳を塞いでしゃがみ込む。目の端には涙が溢れそうだ。

    奪った帽子をそのままオレの頭に被る。仄かに夢野ちゃんの甘い香りがするけど今はその匂いに堪…野次る場合じゃない。
    首に巻かれた白黒チェックのスカーフをしゅるり…とほどく。その些細な音で夢野ちゃんが伏せていた顔をこちらに向ける。

    夢野「ななにを…するの…じゃ?」

    か細い声。上目遣いで見るんじゃねーよ!と心の中で悪態をついてから、スカーフを夢野ちゃんに被せる。

    夢野「お主、なにをーー」

    王馬「手離して。…それとじっとしてて」

    夢野「…」

    スカーフを長細くして夢野ちゃんの両耳に被せる形でそれを頭の上で結ぶ。カチューシャ見たくしたかったけどスカーフが長かったから少しだけ不格好になってしまったけど。気休め程度だし、良しとしよう。

    唐突にオレがした行動にビックリしている。つまらなくない表情をしてるね!

    王馬「…どう?帽子よりは聴こえないんじゃない?」

    苦肉の策。多分これで聴こえないって言うなら気休めも良い所。

    夢野「…気休めじゃな、じゃが…」

    すくっと立ち上がるとこちらから視線をあえてずらす。
    ボソリと厚みのある唇が開く…

    夢野「…少し、気が楽になった…ありがとうなのじゃ」

    王馬「さて、これで調べられるね!…行こっか」

    オレは彼女から背を向ける。…今の顔を見られたくないからね。



    question、>>31番さん。王馬・夢野の行動先
    (2択ですがどちらでも進行します)


    1、東条の行った方(北側)

    2、南側(下の階に進みます)

  31. 31 : : 2017/10/10(火) 06:18:58
  32. 32 : : 2017/10/11(水) 03:58:15
    (>>31番さん、大変お待たせしました…少しだけ進みます)



    ここは普通に考えたら、出口の有りそうな南側に行くよね!…ってそんな考え方はないだろって?
    まあまあ、それは置いておくとして…

    王馬「東条ちゃんはどっちに行ったんだろうね…」

    夢野「あっち」

    夢野ちゃんはある方向を指差したんだ。…それは北側。
    何故断言したのかは問わない。だって、夢野ちゃん焦点の合ってない虚ろな瞳だったから。それを訊いた所でどうなるというのか。
    …まあ、それでも聞いちゃうのがオレだけど…蛇足ってヤツだよね。

    王馬「どうして?」

    夢野「…声がする…のじゃ、年増の男性の声が…呼んでおる」

    だ、そうだ。ならば、そうなのだろう。
    そして、夢野ちゃんはおぼつかないゆらゆらとした歩みでオレを無視するかの様に進みだした…

    王馬「えっ、ちょっと待ってよー!」

    夢野「…」

    誰かに呼び寄せられているのか、それともーー操られているのを演じているのか。人の『 嘘 』に敏感なカンが反応していないのを見ると恐らく夢野ちゃんは前者なんだろう。
    確実に誰かがーー呼んでいる。そう判断したオレは夢野ちゃんの後を追いかける。

    オレの先を行く夢野ちゃんは、目の前にある上り階段をスルーして廊下を曲がる。その先にはーー行く手を阻む大きな穴。到底飛び越えることは無理に等しいのが目に見えるワケで。

    夢野「…」

    夢野ちゃんはその先へと進もうとしているモンだから、オレは慌ててその腕を引っ張った。

    王馬「ーーっ!夢野ちゃん!!」

    夢野「ーーっんぁっ!?」

    オレの声で我に返ったのか、いつもの間抜けな声を出してバランスを大きく崩す。そして勝手に尻餅をつく。

    王馬「ちょっと!自滅するつもりなのっ!オレの前で辞めてくれない?」

    夢野「…ウチは…何を…」

    …言葉を聞いてないなコイツ。
    いや、ようやく自分がしようとしていた行動が理解できたのか顔は真っ青だ。肩を抱いてカタカタと震えているのを見ていると弄る気が失せる。

    だけど、しばらくこうしてもらっては困るので、冗談でもかましておく。

    王馬「へー暗闇に自分から飛び込みたいなんてとんだチャレンジャーだよね!」

    夢野「…んあっ!お主には言われとう無いわ!」

    こっちを向いて抗議をしている彼女の表情は少し血色が戻ったみたいだ。焦点も合ってるしね。
    それを見計らって問いかけをぶつける。

    王馬「ねえ、この先に東条ちゃんがいたの?」
  33. 33 : : 2017/10/11(水) 04:16:47

    声のトーンをわざと落として目を細くして聞く。
    それにビクリと肩を震わせる。…ここに来てビクビクしすぎなんだよね…まったくさ。

    夢野「…確かにおった…みたいじゃ、この先に東条がいたみたいじゃがーー」

    夢野ちゃんは呟くと下を向いた。その視線の先には進むことの出来ない大穴が闇を覗かせている。ここに落ちたらいくらなんでもひとたまりも無いんじゃないかな?
    歯切れの悪い返事に東条ちゃんに何かあったんじゃないのか、という結論に至るーー例えば死んじゃった、とか?

    夢野「王馬、お主良からぬ事考えておらぬか?」

    王馬「たはーバレちゃった?」

    夢野「…東条は…」

    オレをキツく睨んだ重々しく厚い唇が開く。

    夢野「…この先におるのじゃよ」

    その言い方は駄々を捏ねる子供のように頑固である。
    つまらない答えにはぁ、とつきたくもない溜め息がつい漏れてしまう。

    王馬「…オレの聞きたいコトの答えになってないよ」

    そうじゃろうな…と再び歯切れが悪くなる。すくりと立ち上がり、パンパンとスカートの埃と木屑を払うと、

    夢野「この先に行く方法があるようじゃ、大回りになるがの…行くぞ王馬」

    王馬「はいはい」

    夢野「返事は一回で良い!」

    半ば一方的に進み出すわけだよね…ま、引き返すだけだけどさ。


    情報:(【 2階の大穴 】について。東条行動時には進めた廊下ですが…先程の地震によって地形が少し変わったのかもしれません。夢野は東条の居場所が分かるようですが…)



    question、>>34番さん、王馬・夢野の行動先
    (2択ですが、どちらを選んでも構いません)


    1、階段が気になるよね!(上の階にいきますか?)

    2、階段をスルーするよ!(そのまま南側に進みます)
  34. 34 : : 2017/10/11(水) 06:39:16
  35. 35 : : 2017/10/13(金) 02:42:54
    (>>34番さん大変お待たせしました。
    支部の投稿とかでスマホの調子が悪くなってしまったので少し調整したりしてました…しかし直らん(笑))



    来た道を引き返す。先程と通り越した階段を横目で流す。今は…夢野ちゃんの言葉を信じることにする。
    …じゃないと、彼女怒っちゃう…でしょ?こんな所で勝手に怒られたら堪ったもんじゃないし。

    さて、再び振り出しの立ち位置に戻っんだけど。
    ふうん…オレの隣にいる夢野ちゃんはそのまま真っ直ぐ行くみたいだし、オレもヒョコヒョコと付いていく。

    王馬「…で、下の階に行くつもり?」

    夢野「そうじゃな…」

    王馬「いつもの威勢のよさはどこにいったのさー!夢野ちゃんらしくなくない?」

    夢野「お主はウチをなんだと思っておるのじゃ…」

    睨まれた。不細工な顔をこちらに向けないで欲しいね!…嘘だけど。

    夢野「…この先に…下へと向かう階段があるようじゃ…そこから向こうに行けるようじゃ」

    王馬「え゛何で分かるのさ!」

    不気味だろ。ここに来たこと有るのかと問いたぐらい夢野ちゃんの情報は正確で、彼女の言う通りに暫く真っ直ぐ進むと下りの階段が闇を覗かせていた。

    夢野「…行くぞ」

    オレが貸してあげたスカーフの端が揺れる。
    夢野ちゃんから奪うようにかっさらった帽子を被り直してオレも階段を降り始める。

    ギシギシ、ここの床は喘ぐなよ!と言いたいぐらいのデカイ軋む音に顔をしかめる。…ここって築何年だよ!!
    …完全なる廃墟に聞いても誰も分からないだろう。

    夢野「しかし、暗いの…」

    スカートから覗く足ががくがくと震えているのがはっきり分かる。かなり怖いんだろうね。でも、夢野ちゃんの性格上、誰かを見過ごす…のは出来ないのだろう。
    ま、相手によるのかもしれないよね!…オレなら助けに行こうなんて考えてくれないだろうな…目の前のチビッ子はさ。

    数える気なんて無かったけど、13段を降りたところで踊り場に到着する。この事から上の階と下の階の高低さがあることが分かるんだけど、夢野ちゃんはそんな事伝えても分からないだろうね。

    夢野「…!王馬、何をーー」

    あ、ふと、良いことを思い付いた。唐突のオレの行動に目を丸くするのは良い反応だと思うよ。
  36. 36 : : 2017/10/13(金) 03:10:27

    王馬「…よっと」

    ポケットの中から取り出したのはーー真っ赤な蝋燭。蝋燭台が何故か手短な机上にあるのでそこに刺して、また『 マッチ箱 』も取り出して火を点ける。
    そしてーーー蝋燭に火を灯した。

    夢野「それはーーなんじゃ?」

    王馬「見て解らない?蝋燭だよ」

    夢野「それは見れば解るわ!…じゃなくて、お主いつ手にいれたんじゃ…」

    王馬「あーそういう事?
    …これはね。数日前に入間ちゃんから奪ったんだけどさーー」

    入間ちゃんが、なんかの発明品の片手間で造った産物のひとつ。『 入間印の蝋燭 』だよ。
    と、夢野ちゃんに事情を軽く説明する。これは手で火に触っても火傷しない程度の熱さである癖にここから垂れる蝋は結構火傷しちゃうとか言ってたっけ?
    …まあ、そんな野暮ったい使い方をするヤツなんて居ないだろ?…肉便器ちゃん以外に、ね。

    王馬「奪って正解だったよー。これで少しは明るいでしょ?」

    夢野「…そう、じゃな、いささか心許ないがの」

    びぇーん、何だか腑に落ちないけどま、いっか。
    蝋燭を何本か奪っておいて正解だった。これをあるとこあるとこに置いておけば、オレや夢野ちゃんが居ることは分からずともクラスメイトがいるってことの証明になるだろうし。

    夢野「じゃが、蝋燭を置いた所でウチらがおることよりも入間がおるって勘違いせぬか?」

    どうやら、いつの間にか考えていた事を口走っていたらしい。蝋燭に灯る炎とオレの表情を見比べた夢野ちゃんが問いかける。

    王馬「アジの開き癖に、鋭いじゃん!…」

    夢野「…アジの開きは余計じゃ!」

    王馬「そうだね…ま、入間ちゃんからしたら蝋燭を盗んだ…オレが居る事が分かるしそれで良いんじゃない?」

    随分適当じゃな!何て言いたげな鼻をつまむ。

    王馬「オレからすれば、逢うなら入間ちゃんが良いワケ。本当は…最原ちゃんとかとも逢いたいけど、さ」

    夢野「ふぉわっ!?」

    入間ちゃんならば脅せば、彼女の損得を抜きにしてここを脱出する物を発明できるからね。
    …そう簡単に行くわけ無さそうだけど。

    摘まんでいた鼻をピッと離すと鼻を抑えた夢野ちゃんが涙目で睨んで居る。言うことあれば言い返せば良いのに…と思うけど、無言で睨むだけの夢野ちゃんに飽きたので残りの階段を降りることにした。



    情報:(【 入間の蝋燭 】を更新しました。これを設置したのは王馬だったようです。目的の入間とは逢えるのでしょうか…?)


    ▼ 【 入間の蝋燭 】を入手しました… ▼
    説明:(王馬の所持品の一つです。以前入間から奪った品のようです。低温で火が点いて長い時間火がつくので灯りや居場所の証明に便利なアイテムと言えるでしょう)


    ▼【 マッチ箱 】を入手しました…▼
    説明:(王馬の所持品の一つです。普段から何故か持っているようですが、あまり使ってないようです)

  37. 37 : : 2017/10/13(金) 03:48:00

    階段を降りきると一段と冷える。
    この寒さは形容しがたい。ただ単に寒い訳じゃなくて、何て言えば良いのか…
    言葉に迷っていると夢野ちゃんが焦点の合わない虚ろな瞳で呟く。

    夢野『…誰か、助けてよ』

    王馬「…夢野ちゃん?」

    今回は夢野ちゃんに呼び掛けても反応せず。…ったく、電波かよっ!
    …その唇は違う言葉を矢継ぎ早に紡いでいく。

    夢野『…ここは、どこなの?』

    夢野『ねぇ、君はだぁれ?』

    夢野『今日は!?良い子にしていたのにどうしてっ!』

    夢野『サッチャン…逃げなさいっ!!ここは、来てーー』

    不味い、直感的に夢野ちゃんの両肩を乱暴に掴み揺する。オレの力任せに夢野ちゃんはされるままだ。

    王馬「夢野ちゃんっ!!…しっかりしてよっ!」

    夢野『…ダメじゃないか、こんな夕方にここにきちゃぁああ』

    揺さぶり続けていると次第に夢野ちゃんの瞳がーー意識が戻っていく。そして、完全に色を取り戻した夢野ちゃんが微かに唸る。

    夢野「…んあっ!………お、おう…ま…」

    王馬「夢野ちゃん!」

    次の言葉では、揺さぶるでない!と大声を上げたのでほっと胸を撫で下ろす気持ちで夢野ちゃんから離れる。
    夢野ちゃんはキョロキョロと様変わりしない風景を見渡していた。

    夢野「…ここに来た途端、意識が何処かに引っ張られそうに…なったのじゃ…」

    王馬「いや、引っ張られてたと思うけど」

    夢野「そうじゃな…すまぬ」

    謝罪の言葉を呟くとポケットの中にいれていたであろう『 アメジスト 』を出して両手でそれを胸元にあてがい、握り締めた。暫くその体制でじっとしていたのでオレは自然に黙る。…ここで矢継ぎ早に話すのは不粋でしょ?

    王馬「大丈夫?進める?」

    夢野「…いく、のじゃ」

    彼女の決意は決まったようだね。オレたちはそのまま廊下を進む…

    ある程度進むと道が開ける。足元には散乱した色とりどりの上履きがある。…綺麗にしとけよ!

    王馬「…扉が一つ、曲がり道があって、それからーーあっちが東条ちゃんが居る方向に行けそうだけど…」

    夢野「…真っ直ぐ進むのが良かろう!」

    なんて、言っては居るけどここはしらみ潰しに調べていくべきだろうな。ちらりと行ける道を見つめた。



    question、>>38番さん。王馬・夢野の行動先
    (ある選択肢で進行します)

    1、ここって一階だったんだね!下駄箱があるよ?
    (玄関に入ります)

    2、夢野ちゃんの話だとこの先も進めるって言ってたけどなー?(直進します)

    3、あららー廊下がアッチにも伸びてんだね?
    (北側に進みます)
  38. 38 : : 2017/10/13(金) 06:48:57
  39. 39 : : 2017/10/14(土) 01:23:32

    (>>38番さん、お待たせしました、早起きさんは羨ましっすよ…私は夜型なので更新が夜になってしまいます…ご理解を)



    床に散乱している上履きを無視しながら真っ直ぐ進む。
    だけど、ある地点から進めなくなっていた。

    なぜか、というと…

    王馬「…頑張れば飛び越えられそーだけどさ…」

    夢野「ウチは無理じゃな!」

    王馬「ちょ、言い出しっぺが断言しないでくれない?」

    床が崩れているからだ。
    2マス位の穴だから、飛び越えられなくもないのけどさ、小柄なオレらだとでは届きそうもないよ!…ホントだよ!

    それにーー

    王馬「何だか、ここ仕掛けがある気がするんだよねー」

    夢野「…?」

    そう。何か底にうっすらと光るものがある。アイテム…という感じじゃなく、これはピアノ線的な物だろうね?
    何かを動かせば元に戻る気がする。

    王馬「…ここ。進めそうだよ?」

    夢野「そうなのか?」

    …全く、なんなのそのポカーンとしてる顔はさ。もっと緊張感を持ってよー…という視線を送るけど、きっと春川ちゃんや、ママみたいに人の視線に敏感なタイプじゃないから気が付かないな…とか思って止めた。

    王馬「とりあえず、ここは後回しだね。無理に飛び越えて失敗するリスクを考えると石橋を叩くぐらい用心しないと…ね」

    夢野「お主にしては真面目な考えじゃな!」

    …そりゃ、どーも。
    気持ちを切り替えて、さてどうするか…


    情報:(【 仕掛けのありそうな床 】を発見しました。…どうやら何処かに床を出現させる何かがあるやかもしれませんよ…?)



    question、>>40番さん。王馬・夢野の行動先
    (ある選択肢で進行します)


    1、ここって一階だったんだね!下駄箱があるよ?
    (玄関に入ります)

    2、夢野ちゃんの話だとこの先も進めるって言ってたけどなー?(直進します)★調査済

    3、あららー廊下がアッチにも伸びてんだね?
    (北側に進みます)
  40. 40 : : 2017/10/14(土) 01:37:52
  41. 41 : : 2017/10/18(水) 01:26:53
    (>>40番さん、作者多忙の為投稿が遅れてました。申し訳ないです。)

    (ちなみに、進むルートは3の選択肢でした、一気に進みます)




    考えていると、チラリと視線を向けた扉から覗いたのは下駄箱らしきもの、だ。

    下駄箱…?…外に出られるかもしれないな。ま、オレたちをこんな胡散臭い所に閉じ込めるワケだから簡単には外に出られるーーなんて淡い希望もいいトコだけど。

    王馬「玄関かも…行ってみるか」

    夢野「んあ?…扉の方に進むのか?」

    …間抜けな顔でこっちをみないで欲しい。ってか、もう少し気を引き締めろっての。思わず眉間にシワが寄るけど、傍らで張り付いた笑みを浮かべる。

    王馬「そうだよ。進みたいのに行けない理由を調べないと」

    夢野「そうか」

    オレの言葉に納得したのかな?夢野ちゃんはすたすたと扉の方へと向かう。こういう時の夢野ちゃんの行動力には目を見張るものがあるんだけどね。

    王馬「最原ちゃんなら…な」

    よぎるのはクラスメイトの中で一番こういうのに向いているであろう、彼。…『 探偵 』の肩書きがある以上、閉じ込められた状況を冷静に判断してそうだけど…どうだろうね。
    ま、オレも比較的に状況把握はすんなりと理解するけどさ。

    夢野「おうまーお主怖じ気づいたのかの?…ゆくぞー」

    たはー。勘違いも甚だしいね!

    王馬「ちょっと、前世がアジだからってオレよりも先に行かないでってばー」

    んあ!と反応する前に扉をバーンと開けようと両手で押すけれどーー

    ピクリともしない。
    あららら。鍵が掛かってる感じはしないんだけどね。

    オレが押してもピクリともしないのをケタケタと「 力がないのぅ、王馬は 」とかほざいているやつのほっぺをつねる。

    王馬「オレだって男だからね?力くらいはあるよ!」

    夢野「いひゃい…のひゃ!」

    膨れっ面をしてつねるのをやめる。夢野ちゃんは自分の頬を大事そうに撫でている傍らでオレは腕を後ろに組んで扉から背を向けた。

    王馬「言うならば、『 ピタリと空間に固定されているように動きません 』って所かな?」

    夢野「んあ!…そうなのか…」

    となると、行ける場所は一つーーになるんだけどね。
    オレは自分の視線の延長線を見据える。

    方角なんて判らないけど、多分北側の廊下がやけに薄暗く延びている。先には行けそうだけれどーー

    王馬「…夢野ちゃんがまたラリっちゃう予感がするんだよなー」

    夢野「…?なにかいったか?」

    王馬「?夢野ちゃんの空耳だよー!」

    とにかく、北側にしかいけないってことだね。
  42. 42 : : 2017/10/18(水) 01:42:19

    夢野ちゃんの顔色をチラ見する。
    血色は…まぁそんなに悪くないんじゃない?…普段からオレは夢野ちゃんを舐めるようにみてないから、些細な変化なんて気が付くなんて、期待しない方がいいよ!
    …茶柱ちゃんじゃあるまいし、オレは夢野ちゃんをただの『 イジリがいのある奴 』としか認識してないし。

    そうとしか思ってないからね!

    夢野「向こうも扉も進めぬということになれば、アッチにいくのじゃな…?」

    王馬「そうなるね」

    夢野ちゃんは薄々感じているのかもしれないね。
    この先にあるであろう「 何か 」を。
    オレは霊感がある方じゃないから夢野ちゃんの気持ちが分からないけどーーきっと好んで進もうなんて思ってないよね、その顔は。

    王馬「ここで待ってる?オレだけでも調べていけるし」

    …柄にない事をさっきから口走っている自分が居るな。
    普段なら言わないんだけど。恐怖からくるのかそれともーーー
    いや、今はそれについて考えるのは無しだ。脱線しかねないし。

    夢野「…いやじゃ、ウチも行く」

    俯いてぎゅっとオレのワイシャツの裾を掴む。
    …赤松ちゃんが見たら絶対勘違いする。…茶柱ちゃんなら、きえーされちゃうからね!1000%の確率でさ!

    まあ、いいか。…ママみたいに帰ってこない事を思うと夢野ちゃんはひとりにさせちゃ不味いだろうな。

    つままれた裾を振り払うことなくオレはゆっくりと軋む床を踏みしめながら、北側へと進む…
    夢野ちゃんの歩幅と合わせつつ、ね?
  43. 43 : : 2017/10/18(水) 02:20:34

    何処と無くすきま風が漂う廊下を歩いていく。
    暗いのもあってスマホを取り出してライトをつける。

    淡い光が周囲を照らし出す、とーー

    夢野「んあぁぁあっ!!」

    王馬「っ!?」

    床に散らばるは沢山の骨や、肉片と呼ぶべきか。真っ赤に濡れた床はおそらくペンキの類いではない。所々衣服らしきものが見えるけれど無惨にも切り刻まれている点から、刃物とかでやられたんだね。

    …幻でない事は、そこから匂う腐乱臭から嫌でも伝わる。

    顔をしかめて、咄嗟にスマホを持つ腕で鼻を塞ぐ。ライトの照らす範囲が変わるので一気に暗くなる。
    背後では、ぎゅっと音がする位、夢野ちゃんが裾を掴む手に力が入るのを感じる。

    そして、嘘だろ…と呟いた言葉よりも先にーー

    『 ユルサナイ…アイツ… 』

    という、低い低い声が被さった。

    夢野「んきゃ!」

    途端にパッと離したせいか、体が軽くなった。
    咄嗟に振り向くとカタカタと震え、両手で耳を抑えて涙目の夢野ちゃんがいた。

    夢野「…きこえるのじゃ…こやつらは…人間じゃ。…して」

    王馬「みれば分かるよーーそれで?」

    夢野「…誰かに無惨に殺されてしまったのじゃーー」

    王馬「殺されたって…ホントなのかよ!!」

    思わず語気を荒げてしまった。それにびくんと肉便器ちゃんみたくあからさまに肩を震わせる。その振動で目の端から一筋の滴が流れた。

    余程彼女の耳にはオレには聞こえないモノが聞こえてしまっているのだろう。ここに居たらまた、乗っ取られる、そう思って、夢野ちゃんの腕を掴む。

    夢野「んひやぁ!」

    王馬「んもー変な声出さないでよ……奥に行くよ」

    夢野「おうま…」

    だからっ、その潤んだ上目遣いでオレを見ないでってばっ!!

    そこから逃げるようにその場を立ち去った。


    情報:(【 惨殺された死体達 】を発見しました。夢野パートだったら、誰に殺されたかのヒントがあったかもしれません。ちなみに、誰の手によってかは、後程わかります。が、このchapterでは答えは出ませんよ?)


    奥へと進んだ…突き当たりに到着すると、調べがいがあるようで、沢山の扉や危険な香りがするお札の貼ってある扉やらが暗がりから見える。

    王馬「…先にどこから調べるかーー」




    question、>>44番さん、王馬・夢野の行動先

    (ある選択肢で進みます)


    1、教室が開いてる気がするよ!(教室に入ります)

    2、お札の扉周辺を調べるよ!(西側を調べます)

    3、奥の方に赤い扉があるよね!(東側を調べます)


    注意:(今更ですが、chapter毎に地形がかなり変わります。< 同じ場所でも、違う次元の為 >ので、前のchapterで入れても今のchapterでは入れなかったり、逆も然りです。ま、ホラーあるあるっすよね…)
  44. 44 : : 2017/10/18(水) 07:43:01
  45. 45 : : 2017/10/19(木) 00:04:05

    お札の貼ってある扉。アソコに何があると言うのか?
    お札がされているということは開いた形跡が無いということ。つまりはーー

    夢野「…あそこは開かんじゃろうな」

    王馬「あれ?状況把握がようやく出来た感じ?ーー全く遅いな!夢野ちゃんは」

    …そう。今の彼女が言う通り、恐らくはあそこは開かないだろうね。だから現状、調べられるとしたらーー

    王馬「扉の周辺でも調べる?」

    夢野「…そうじゃな」

    小さくごくんと頷いた夢野ちゃんが頼りない足取りで奥へと進んでいく。オレもその後をついていく、と。

    ガツン、と足元に何かが当たった音がした。これでバランスを崩しかけるけれど、流石に転ぶまでは行かずに、壁にぶつかってごつんと頭から体当たりしてしまう。

    王馬「あだっ…いたたた」

    夢野「んあっ?」

    ごつん、という音に気付いたのかトテトテとこちらにやってくる夢野ちゃん。オレは壁から身体を離し、彼女の方を向く。…こんな情けない行動をするわけ無いじゃん!と言わんばかりにぶつけた額を隠すのを忘れずに。

    夢野「なんじゃ?おぬし、急にーーひいっ!」

    王馬「?なに」

    唐突に夢野ちゃんが小さく悲鳴を上げた。何事?と思って、彼女が視線を向けた先をみるとーー

    死体が転がっていたんだよ。…廊下で先程見たモノよりもはっきりと人の形を保っているそれにオレは足元を躓いたーーということは明白であろう。

    王馬「…ん?何か近くにあるけどーー」

    近くで光るものと紙切れのようなものが落ちているのに気が付いて、恐らくたんこぶが出来ているであろう額を抑えつつ近くに寄る、と、落ちているものを拾い上げる。

    夢野「これはーー『 名札 』かの?それと、文字が書いてあるようじゃの…どれ、王馬よ、ライトをはよ着けんか!」

    王馬「あーはいはい…っと、これでいい?」

    ぱっと、名札と紙切れにスマホのライトを当てると名札には名前が書いてある事と、紙切れはよくあるゆるキャラが端っこにイラストされているメモ帳である事が判明する。文字が書いてあって、夢野ちゃんが身を乗り出すようにして読み上げた。

    夢野「『 酷い、酷いよっ…なんで…みんな… 』なんじゃ?これは?」

    王馬「こっちが聞きたいんだけど。一応貰っておくとして、名札はどうするの?」

    夢野ちゃんに名札を手渡すと、それを眺めていた彼女がポケットにそれを突っ込んだ。…どうやら集めるつもりか?…そりゃけったいな趣味だよね!

    夢野「…他にはなにもなさそうじゃの…」

    そういってキョロキョロと周囲を彼女は見渡す。
    とりあえずメモはオレが持っておくか。


    ▼ 【 謎のメモ1 】を入手しました… ▼
    説明:(chapter:1にもありましたがこれの正式な名称は『 犠牲者の手紙 』です。が、この時点では彼らはこの紙の事を知らないのでこの表記にしております)




    question、>>46番さん、王馬・夢野の行動先

    (ある選択肢で進みます)


    1、教室が開いてる気がするよ!(教室に入ります)

    2、お札の扉周辺を調べるよ!(西側を調べます)
    ★調査済

    3、奥の方に赤い扉があるよね!(東側を調べます)
  46. 46 : : 2017/10/19(木) 01:11:29
    1で!
  47. 47 : : 2017/10/19(木) 02:10:08
    (>>46番さん、良いんですね…その選択で…?)
    (おめでとうございます。進行しますよ…ふふっ)



    王馬「教室の中に何かがあるかもしれないね!…現状調べられるのはここだけっぽいし…面倒だけど行くよ、夢野ちゃん」

    夢野「そうじゃな…」

    『 5のA 』と『 4のA 』の教室が並んであるようだね!でも、入れるのは後者の『 4のA 』みたいで。なぜなら『 5のA 』の扉には板で塞がれているのがここから見えるわけさ!

    丁度、お札のある扉の隣に位置してる『 4のA 』と書かれたプレートのある引き戸を動かしたんだよ…

    夢野「んあ!…ここは嫌な気配がするのう…」

    教室の中は歪そのもの。廊下のように真っ直ぐに伸びたそれは机と椅子なんてものは全く無い。異質そのものだった。
    ぼう…と廊下より薄暗い教室の奥には青白く光るものがいるのがうっすらとみえる。

    あれはーー?

    首をかしげてそれを見ていると急に夢野ちゃんの両手の掌がオレの頬を挟むと頭ごと向きを変えられた。…グピッという関節が鳴る音がしたけれどお構いなしで青白い夢野ちゃんの顔がみえる。その瞳にあるのは恐怖の色が見える。

    王馬「…ど、どうしたのさ!…夢野ちゃんてダイタンになるときあるけどこれは流石にーー急すぎるよ?」

    オレと目を合わせる夢野ちゃんの瞳の色がうっすらと紅くなっていく気がする…これは気がする…だけなのかな?と自分の中に抱く疑問が膨らんだ。

    夢野『これは、忠告だよ。あの青白いのをずっと見たら王馬、アンタ死ぬよ。死にたくないなら目を合わせないのが一番利口な選択だから、アンタならそれぐらいわかって当然でしょ?』

    王馬「…夢野ちゃんじゃないね、誰?」

    話し方が全く異なる。また、乗っ取られたのか?
    すうっと自らの瞳が細くして、相手の動向を確かめるべく聞いてみる。
    が、相手は名前を名乗るつもりは更々無いらしい。寧ろこちらに敵意を向けているのがひしひしと頬にかかる掌の力のいれ具合で分かる。

    夢野『私が誰だとは別にいいでしょ。…アンタが死ぬ事に関しては私はどうでもいい、けどーー』

    夢野ちゃん?が目を伏せる。その仕草は、あるクラスメイトと重なる。ま、まさかーー乗っ取ってるのって…

    夢野『夢野を悲しませることだけは私は許さないから』

    王馬「ねぇ、まさかーー」

    夢野ちゃんを乗っ取った人物の名前を呼ぼうとした時、彼女が瞬きをした。そして開かれた瞳の色はーー元に戻っていて。

    夢野「…んあ?ななな、なんでウチはお主の頬に手を当てておるのか?」

    普段の夢野ちゃんに戻っていたんだよ。まさか、な。

    既にクラスメイトの誰かは死んじゃった…とか笑えない冗談よしてくれよ…?
  48. 48 : : 2017/10/19(木) 02:36:50

    正気に戻った夢野ちゃんが目を白黒させて、ぱっと手を離すともじもじとその手を胸元に置いた。

    王馬「なかっなかつまらなくない展開だったのになーちぇー」

    夢野「んあっ!なななにをウチはしておったのじゃっ!」

    王馬「え?あと少しでキスする所でだったんだよーーオレの純情がこんな薄暗い所で奪われるなんていやだよおぉぉぉぉおおおおっ!!」

    場を和ませるためのジョーク。オレの十八番の嘘泣きをしてみる。あたひたどう反応すればいいのか困っているのはなかなか見ていて飽きないね!

    しかし、少しして冷静になったのかこちらを一瞥するので、泣く泣く泣くのをやめた。…あーあ、バレるのが早いなーつまんないや。

    夢野「…して、こんな所にしばらく居るのも嫌じゃから、早く調べて他の所に行くぞ?」

    オレを軽く無視して、すたすたと先に進みだす。…さっきの夢野ちゃん?が言うことを信じるとすればこの先に『 なにか 』がいるわけだけど。

    このまま夢野ちゃんにいいとこ取りされるのもしゃくなので彼女を追い越すことにしたオレはひょいっとその後をついていく訳だよねー!

    夢野「…!!」

    青白い物体に近づくにつれてそれの正体が分かる。
    それはひとの姿をしているけれど、外見は小学低学年だろうか男の子だ。
    …体育座りをしてちょこんと端の方にいる。

    男の子は耳と胸の当たりかぼやけている。
    …まるで、そこだけうしなわれている様に感じた。
    と、いうことは幽霊ってことだね。

    居るだけで謎の存在感を醸し出す男の子の目線は虚ろに遠くを見ている。異質な存在で、近くに居るだけでも嫌な感じがする。
    …近づいてもダメな気がするのは夢野ちゃんも同じで小さく「 アヤツからは危険な気配がするのじゃ… 」と呟いていたほどだからね。

    と、視点をずらすと男の子の先には『 装置のようなもの 』と『 光るもの 』がみえる。

    王馬「…向こうに何かが在るみたいだね。どうやら…見るしかないみたいだしね」

    夢野「…その言い方じゃと、お主が取りにいくのか?」

    まあ、そうなるよね。二手に別れていた方が幽霊を出し抜けるかもしれないし。ま、オレの方に来てくれると夢野ちゃんが逃げれるわけだけど。

    オレは意を決して幽霊の前を横切って(もちろん目を合わせるわけ無いじゃん!)その先にあるもの達を見ることにしたんだ…
  49. 49 : : 2017/10/19(木) 02:59:28

    王馬「(目を合わせなければ追っては来ないみたいだね)」

    ちらり、動く気配のない幽霊を背にして、まずは『 光るもの 』のある方へと進む。

    背後では夢野ちゃんがそわそわしているのが見なくても分かる。オレってエスパーだからね!…嘘だけど。

    王馬「ん、あった。これ…って、『 バール 』?」

    『 光るもの 』を手に取るとずっしりとした重量感を感じる。これは、廃屋探索ゲームあるあるの『 バールのようなもの 』か。どこかで使える気がする。持っておこうかな?


    ▼ 『 バールのようなもの 』を入手しました… ▼
    説明:(ホラーお約束アイテムのひとつですね。…おや?これでどこかを開けることが出来ますね。はて、どこだったでしょうかねぇ…)


    王馬「次はーー」

    視線の先。そこには『 何かの装置のようなもの 』が置かれているけれどーー周辺に穴が開いて進むことが出来ない。綺麗に開いている穴を見る限り、あの廊下同様に『 仕掛け 』を動かせば進めるきがするね。

    とにかく、現状ではここまでが精一杯。だから、引き返すことにするーー


    情報:(【 装置 】を発見しました。…周りの床が抜けていますが何かを施せば、『 装置 』まで、進めそうです)


    また、幽霊の前を通る。何事もなく夢野ちゃんの元に辿り着くと夢野ちゃんがほっとしたように口を開いた。

    夢野「んあ!よかったのぅ!…してなにか見つけたか?」

    王馬「あ、これ、凶器にもなる万能アイテムだよ!」

    と、先程入手した『 バールのようなもの 』を見せた時だった…

    夢野「んあぁぁっ!」

    それは唐突に。夢野ちゃんの間抜けな声から始まる。

    王馬「なに?オレはむやみやたらに夢野ちゃんを殴るわけーー」

    夢野「お、おう…ま。後ろ…じゃ!!」

    怯えた表情を浮かべた夢野ちゃん。何が?後ろだって?
    夢野ちゃんは口をパクパクさせていると、おもむろにオレの身体を引っ張った。

    がくり、と体勢を崩した拍子に後ろが見えたーー

    そこには、先程の幽霊が、すくりと立ち上がり、こちらに向かって歩き出そうとしていたのであった!

    夢野「王馬!捕まったらヤバイのじゃ!逃げるぞ!」

    夢野ちゃんの声でオレ達は弾かれたように教室を飛び出していく。
    背後に嫌な気配が纏りつく…背後を振り返ってはいけない、そんなきがするよーー




    accident!!、
    >>50番さん。幽霊からの逃走イベントその①
    (秒数安価です)


    ゾロ目、大失敗

    偶数・1の位が3,1、成功

    それ以外、失敗
  50. 50 : : 2017/10/22(日) 01:35:05
    ほい
  51. 51 : : 2017/10/24(火) 03:52:21
    (>>50番さん、ありゃりゃ…逃げるの失敗、それが語るのはーー)



    夢野「アヤツはヤバイのじゃ!!」

    行きも絶え絶えな癖に語るのはとても饒舌だ。一体どこに逃げる…つもりなのか?
    オレは夢野ちゃんに手を引かれるがまま廊下を走るーーけれど、一向に背後の嫌な気配は無くならない。
    むしろーーー

    王馬「!!そうだっ!夢野ちゃん、真っ直ぐ突き当たりに行くんだ!」

    オレがそう、叫んだ時だった…ピタリ、と先頭を走る夢野ちゃんが止まる。オレは夢野の急な行動に足がもつれ、バランス崩し、夢野ちゃんに体当たりをした。
    …不思議な事に夢野ちゃんはびくともしないで立ち尽くしていた。

    王馬「あたっ…ゆ、夢野ちゃん…?」

    急にどうしたってんだよ!?オレの声にも反応をしない。こ、このままだとーーと背後を振り向くと青白い物体が1歩ずつ遅い足取りだが、こちらに近づいてくるのが分かる。

    王馬「夢野ちゃん!!…オレを殺すつもり?冗談でもよしっ!?」

    急に振り返った夢野ちゃんがオレの首を唐突に締める。…突然の行動でオレは逃げるという選択肢が出来なかった。

    ギリギリとオレの首を締める夢野ちゃんの瞳は虚ろ。何も移しておらずオレをただその小さい手で万力のような力で締めるもんだから、息が次第に出来なくなる…

    王馬「ゆ、ゆめ、の…ち…ぁや、ん…や、」

    夢野『…』

    オレが息の出来ない苦痛に耐えつつも、夢野ちゃんの体に向けて手を伸ばす…けれど、肩に触れても彼女はオレを解放するつもりなんてないのが、首にかかる力で嫌でも分かってしまう。

    背後には嫌な気配。近づいてくる。このままじゃっ、不味いっーー

    夢野『ねえ?おにぃちゃん?…苦しいでしょぉ?』

    王馬「っ!!」

    夢野ちゃんの口が表情が歪む。こいつは悪霊かっ?…なんてもんを引き寄せてんだよっ!!…夢野ちゃんっ

    苦しくて、声がうまく出せない中、夢野ちゃん?は歪んだ口を大きく広げる。

    夢野『どうかなぁ?好きな子に殺される…気持ちは?』

    王馬「…っ、はぁっ、お、れが…ゆ、め…のちゃ、」

    夢野『…つまんない。おにぃちゃんはおねぇちゃんより嫌だ嫌いだから、』

    首にかかる力が増して、声が出すことが出来ないし、もちろん、息も出来ない。う、万事休す…ってやつ、だ…

    夢野『ばいばいー♥️』

    瞬間、ポキリとなにかが折れる音がして…お、れは、意識を失った…

    失う前、背後から来た幽霊がなにかを話している。…なんだろ…聞き取れないや…
  52. 52 : : 2017/10/24(火) 04:20:08

    『 夢野秘密子 』side


    ウチは気が付くと廊下に立っておったんじゃ。
    嫌な血の匂い、それに混ざるのは腐ったような臭い。
    思わず顔をしかめてしもうた。…いつまでたってもこの臭いにはなれないのぅ…慣れても嫌な話じゃが。

    それよりも、何が起きたのか?
    確か、廊下を走っておったのはわかったのじゃが…?

    疑問を抱いたまま、ふと王馬が居ないことに気がついたのじゃ。

    夢野「…?おうまー?」

    ただでさえ薄暗いのにどうしてヤツはぷりちーなウチを見捨てたのか?…ふと歩き出すと、コツン、と足元が何かにぶっかったのじゃよ。

    夢野「…ん?なんじゃろうか…」

    足元だけじゃ良く分からんて、ウチはしゃがむ…とそこには、

    良く見知った物が転がっておったのじゃ…

    夢野「…んあ!!…お、お、お、」

    それは。


    バラバラにされた胴体に腕、足。それからーーウチの足元にウチが蹴ったのが、




    『 王馬 』の生首だったのじゃから…



    夢野「んああああっ!!」

    悲鳴。ウチはこんなにも大きな声を出せるのかと思うぐらい。この血の臭いはーーおお、王馬のものじゃったのか?!

    突き付けられた現実に目を背けておると背後から舌足らずな声がしたのじゃ。

    『 アーア。つまらひゃいの…? 』

    夢野「んぁっ!!」

    振り向くとそこにはーーー

    先程ウチと王馬を追いかけていた幽霊が手を伸ばしておったのじゃ…目を合わせてしもうたせいでウチは金縛りのように動かない体。されるがままじゃったのじゃ…

    夢野「んあぁぁぁああっっ!!」

    瞬間、ウチの意識は途切れてしまうこととなるのじゃ…



    【 WRONG END(★1) 】:その後はワカラナイ



    情報:【 WRONG END 】についての追記します。

    (入間の蝋燭地点に戻ろうかと思いましたが、なんとなく直近から再スタートとなります。
    …何かとこのchapterからは死亡率が高くなりますからねぇ…)


    情報:【 アメジスト 】について、追記します。

    (この先の死亡フラグ地点で『 魔よけアイテム 』を所持の場合のみ任意で使用して死亡フラグを回避することが出来るようになりました。が、個数に上限が有りますので計画的に使いましょう…)



    accident!!、
    >>53番さん。幽霊からの逃走イベントその①
    (秒数安価です)

    *同じendを迎えない為に秒数の内容を変えました*


    ゾロ目 大成功( 【 extra story】を一つ解放します )

    それ以外 成功(話が進行します)




    *それとも…【 アメジスト 】を使いますか?
    使う場合は、『 アメジストを使う 』とコメントにお書きください。
  53. 53 : : 2017/10/24(火) 06:09:29
    はい
  54. 54 : : 2017/10/25(水) 01:27:52

    (>>49から続行します、再スタート。少し?進行します…)



    夢野「んぁっ…はぁっ、はぁっ…」

    王馬「逃げ足は速いんだねーにししっ」

    夢野「ん、あっ、…お主はっ…息一つ、上がって…はぁっ、おらぬ…ぜぇぜえっのっ!!」

    背後に居座る幽霊が教室を飛び出しても追いかけてくるようで、その足取りはかなり遅いよ。
    この状況で、歩いて逃げる…なんて間抜けな行為を選択するのは流石にしたくないよね。

    夢野ちゃんに手を引っ張られる形で今まで通った死体の転がっている廊下をバタバタと駆ける。
    床が足音と同じく激しく軋み、ヒビが入る…もし、次ここに戻るならこの床は踏みたくないね!

    …昇降口の扉周辺にたどり着いた時、ゾクッとふと嫌な予感が頭にイメージとして流れる。
    それはーー自分がバラバラになる場面。なんでここで…?

    そんな既視感を振り払うように口にした。

    王馬「アレに捕まれば、オレらは確実に死ぬんだね…」

    自分でいっておいてゾっとする。
    そりゃ、いきなり『 変なトコ 』に来たかと思えば、幽霊だのなんだのがうようよしてんだ、誰だって怖いって感情くらい持ってるからね?…ホントだってば!!!

    いくら「 ポーカーフェイス 」が上手いと言えどこれだけは冗談じゃないよ!!
    と、この状況にツッコんでしまうのさ…

    夢野「…お主も見えたのか?」

    オレを引っ張るその力はか弱い。それは彼女ーー夢野ちゃんが女子であることを示している訳なんだけど。

    その手は震えて今にも壊れてしまいそうだけど、体温が高めの夢野ちゃんの温もりに冷静さを取り戻す。

    王馬「一旦、引き返すべきだよね」

    先を行く夢野ちゃんがコクりと頷いた。

    夢野「…それが一番のようじゃな…とにかく上の階にゆくとすーーっ?!」

    プツリ、唐突だった。
    夢野ちゃんが言葉を止めた。

    何事かと思いつつ背後を振り向くとまだ男の子の幽霊がうっすらと視界に入ってくる。『 あの時 』の夢野ちゃんがオレに必死に話してくれたことを思い出してすぐに目を背けたから大丈夫だと思いたいよー。

    夢野『…ぁぁぁぁああああ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛っ!!』

    王馬「…んっ!!」

    それは奇声と言って間違いないだろうな。夢野ちゃんはオレを引っ張る手を振り払って叫びだした。
  55. 55 : : 2017/10/25(水) 01:50:30

    また夢野ちゃんが『 乗っ取られた 』事を示している。
    …くそっ、寄りによってこんな場面でラリっちゃうのかよ…

    ドン引きのオレとは反対で彼女がこちらをくるりと身を向けた。その瞳は普段の薄い茶色い瞳。…と言うことはまだ、意識があると言う事か。

    夢野「…おーまぁー…たす、けっ…んぁっっ」

    王馬「夢野ちゃん!?ちょっ」

    潤んだ瞳で苦しそうに助けを乞う。それは、彼女が幽霊と対抗しているということ。
    無意識にオレは腕を伸ばして、あと少しで夢野ちゃんの頬を触らんとした時、表情が歪んだと思えば「 バシッ 」とオレの手を叩き落とすと、目を大きく拡げ口角を歪ませた。
    …その瞳は濁った虚ろな茶色だったーーー

    王馬「ーーっいたっ」

    予想外の夢野ちゃんの力に手が痺れる。普段の夢野ちゃんからは想像できない力で叩かれた…
    歪んだ口が言葉を吐き捨てる。

    夢野『…アッハァ!!…ばぁぁあかっ!!』

    ケラケラと誰かが嗤っている声が何時からか、耳張り付いて気分が悪くなる。くそっ、なんでオレがこんな目にっ!!
    耳を塞ぎたくなる衝動に駆られるけれど、今はそれよりも、目の前の彼女を何とかしないといけない。
    そのためにはっ…考えを必死で巡らせる傍らで夢野ちゃんが奇声をずっと上げていく。

    夢野『ンあぁ?!』

    そして、考えが追い付く前にーー夢野ちゃんはオレを軽くポンと押すとくるりとスカートを翻して半回転したかと思えば、先程どうやっても開かなかった玄関の扉を動かして、昇降口の中に走り去ってしまったのだ…

    王馬「ゆ、ゆめ…っ!!」

    アイツがやってくる。このまま、夢野ちゃんのあとを追うか、それとも、階段を上って進むか。

    追ってくる幽霊はひとり?…ひとつ、だ。
    ならオレが陽動になれば夢野ちゃんの事を守れるかも知れない…
    でも、あの状態で放置に近い状態で勝手に違う所に逃げて良いものか…?


    柄にも無い事を思考すると、オレはある選択肢を選んだ…




    question >>56番さん、王馬の行動先。
    (2択です、どちらを選んでも一応は進ます)



    1、夢野ちゃんの後を追いかける
    (昇降口内に向かいます)


    2、オレが陽動になればなんとかなる…か?
    (夢野を放置して、2階に戻ります)



    情報:(【 夢野秘密子 】が離脱しました…)

  56. 56 : : 2017/10/25(水) 02:16:16
    1で
  57. 57 : : 2017/10/25(水) 02:49:31
    (>>56番さん、夜更かしは行けませんぞ…)
    (正規ルートです。進みます)



    王馬「(…ホントに開くかどうかはやってみるしかないよね)」

    ごくり、背後に迫る幽霊の気配に目をつぶって、夢野ちゃんの後を追うべく、扉を力一杯押した…

    ガタンっ!!

    王馬「…おわっと!」

    扉は先程とは違い、力を入れなくともすんなりと開いた。それによって勢い有り余って、盛大にコケる…マジかよ…

    倒れた身体を急いで起き上がらせると扉を締める。鍵がない癖に閉めた途端、「 カチャリ 」と施錠の音がするもんだから不思議に思うけど、考えるのは後回しにすべきだ。
    オレの身長とどっこいどっこいの下駄箱の棚を一瞥すると夢野ちゃんを探し始めた…

    王馬「夢野ちゃん…?」

    名前を呼ぶ。…あの状態のままなら返事を返せるワケも無いけど、どうしても名前が呼びたくなってしまう…オレも気が狂ったのかも知れないけど。

    しーん…とした空間。簀の上を歩くオレの足音しか響いていない空間に、本当に夢野ちゃんがいるのか、と疑問にさえ思ってしまう。

    王馬「…」

    寒いな。ひんやりとした空気はここが外に繋がっている証拠だろうか?
    オレたちが『 サチ子さんのおまじない 』とやらをやった時期は確か…10月の頭だから、夏場の格好をしてるオレからすれば、肌寒いのだ。…ま、ストールが無いのが一番だろうけど、さ。

    夢野ちゃんから奪った帽子を深く被り直して下駄箱の間を縫うようにして探す…とポスターの前で倒れているーー夢野ちゃんの姿を見つけた。

    王馬「…夢野ちゃん?」

    声をかけても反応がない、ま、まさかーー
    嫌な予感が脳裏を渦巻く。思わず駆け足で側に寄って、その華奢な肩を揺さぶった。

    王馬「…ねぇっ、しっかりしてーーー『 ひみちゃん 』!」
  58. 58 : : 2017/10/25(水) 03:07:50

    …はっ、自分の発言に身体が硬直する。
    やばっ、気が動転していたせいだろう、普段なら決して呼ばないーー彼女の下の名前をつい口走ってしまった。

    …ドクドクと先程の感情とは全く別の想いが溢れ、顔が熱い。

    そもそも、この場に来てからと言うもの、夢野ちゃんの名前を普段より多く呼んでいる気がしていたんだ。
    …目が覚めてからずっと行動を共にしていたのも在るんじゃないかな?…なんて、戸惑う気持ちを押さえつけ、偽りの笑みを浮かべる。

    と、すると「 ぴくり 」と微かに反応したかと思えばーーゆっくりとそれは胴体を起こし始めたんだ。

    無言でその行為をする訳がだから警戒しない訳がないよね?
    身構える。この夢野ちゃんは、夢野ちゃんなのか…?

    オレの中の疑念が警鐘をならしている最中、夢野ちゃんはオレの方に顔を向けた…

    夢野「…おー、まぁ…?」

    その甘ったるい言い方いい加減やめてくんない?…と減らず口を言いたいのをこらえて様子を伺う。

    夢野「…あ、甘ったるい…じゃとぉっ!!」

    ぱちくり。…おや?…堪えたつもりが呟いてしまったようだ。しくったな…と思いつつも、顔色、表情からして、いつもの夢野ちゃんだと認識する。

    王馬「え?立ってそうじゃんかー!…そんな言い方したら、茶柱ちゃんと天海ちゃんが居たらヤバイよっ?…夢野ちゃんの貞操が純潔が、処女がーー」

    夢野「んあぁぁああっ!!…この場に及んで何を言うておる!…全くお主は油断も好きもないのじゃな!」

    へへっ、そりゃどーも。と呟いて、手を伸ばす。
    すると自分の状態を察したのか目を丸くした夢野ちゃんが呟いた。

    夢野「ここは…?ウチは何故倒れて…おるのじゃ?」

    とすっとんきゃんな事を言われても、オレだって知らねーよ!

    王馬「え?夢野ちゃん、覚えてないのっ?…つまらないなぁ!」

    夢野「んあー!なんじゃとぉっ!!」

    勝手にプンスカ怒ってる夢野ちゃんを軽くあしらいつつ、周囲を監察する。
    …何にも無さそうか。…ならどうしてさっきは開かなかったんだ?

    ふつり、ふつりと疑問が沸くけれど、先程の幽霊がここに入るかも知れない。と思い、夢野ちゃんをたたせる。
  59. 59 : : 2017/10/25(水) 03:25:24

    夢野「お主は…いつの間に怪我をしたのじゃ?」

    王馬「…は?」

    ぱちくり。立たせた夢野ちゃんが唐突に首をかしげこちらに視線を向ける。
    間抜けな声を出したオレをムスッとした表情でみるとブレザーのポケットをごそごそと探し始めた。

    夢野「…あった」

    じゃじゃーん!と取り出し見せたのは、パステル調のキャラクターが印字された絆創膏だ。
    それの両手で持つとにじり寄ってきた。

    なにそれ?…とにらむオレをよそに夢野ちゃんが近づく。
    思わず後退してしまいそうになるけど背後の下駄箱によってそれが叶わない。

    王馬「な、オレそんなのシュミじゃないんだけどーー」

    夢野「良いから黙っておれぃ」

    子供体温の夢野ちゃんの手がオレの頬に擦る。…咄嗟に目を閉じてしまったが、それは頬に何かがーーあ、これは絆創膏だね!ぴとり…と貼られるとすっと頬に当たっていた手が退いた。

    夢野「…切り傷じゃよ、さっきまで無かったからの…してどうしたのじゃ?」

    身長はオレが勝ってるし、今は簀にのってるお陰でオレの方が見下ろす形になっている。…から、

    その上目遣い辞めろよっ!!…と言いたくなるのを今度こそ堪える。
    心配そうに見ている夢野ちゃんをよそに、そっぽを向いて帽子を深く被り、呟く。できるだけ、夢野ちゃんには聞かれないように細心の注意を払って…だけど。

    王馬「(…あの様子だとさっきの事は丸々記憶からぬけてんのか…まあ、あんな醜態見せるのはオレは嫌だけどね!)」

    夢野「…?」

    キョトンとする夢野ちゃんをよそに訪ねる。

    王馬「ここは、みての通り…昇降口だから。どうすんの?」

    夢野ちゃんは少しだけ考えて、

    夢野「ここになにもないのならば、ここから出るべきじゃな」

    と、堂々といいのけた…
    え?マジでさっきみたく夢野ちゃんがなったらオレどーすんだよ!?

    …ってか、さっきの幽霊だって解決してないのにさ…

    王馬「たはーホントに考えなしで言っちゃうよねー」

    夢野「んあっ!悪いか!?」

    …まぁ、そういうところが憎めないんだけどさ。


    情報:(【 夢野秘密子 】と無事合流しました)

  60. 60 : : 2017/10/28(土) 02:57:40

    王馬「…さて、どーすっかなぁ…」

    扉から見えるのは青い淡い光。…言い換えるならば『 幽霊 』そのものだ。
    …いや、アレ間違いなくユーレイだけど。

    こちらには入ってこない。
    幽霊ならば通り抜けできるんじゃねーの?という疑問を抱えているけれど、逆に入ってこられたらーー逃げるのが巧いオレでも追っ手を振り払うのは無理だからなー…

    夢野「…王馬、ど、どうするのじゃ?」

    こちらが聞きたい。…この状況を打破する方法はーー八方塞がりの中、タイミングよく誰かの声がしたんだよ!

    ??「およよー?……ここにもいるのだー」

    微かに聞こえる。扉が以外にも近距離にあることに気がついたオレは音を立てること無く扉に向かい耳をすませる。

    聞き慣れた特徴のあるその話し方。該当するのはオレの知る中でひとりだけだ。ソイツは扉を隔てた向こうーーつまり幽霊のいる場所に居るんだけど、幽霊に対してなにも反応をしてない様子だ。…彼女らしいけど、危機感くらいはーー

    ??「…邪魔だよ。大ジャンプをして…折角こっちまで来れたのに足留めする幽霊なんて嫌い」

    トーンの一段落とした声。近くで息を飲む音がする。いつの間にか夢野ちゃんもオレと同じ体制で扉の先の声を盗み聞きしちゃってさー肩にかかる夢野ちゃんの手がすごく痛い。…と言うのは嘘だけど。

    すると、幽霊がなにかをもごもごしているみたいだね。
    …しばらくすると、先程までの反吐が出るぐらいの重い空気が和らいだ気がする。

    と、ようやく口を開いた。ぼそぼそっと独り言を言っているみたいだけど、オレの耳には聞き取れた。

    ??「……是清の言ってた事は本当だったけど、誰も会えないのは……アンジー悲しいなぁ……」

    彼女、夜長ちゃんがここにいる。そう夢野ちゃんに口パクで伝えるけど、「 んあ? 」とアホ面をこっちに向けたので無視して扉を開く。今ならーー

    ガチャガチャ…

    王馬「…は?」

    さっき、確かに鍵が締まる音はした。したよ?
    でも、ホントに開かないなんてーーー

    夢野「んあぁっ!?……ど、どう言うことなのじゃ!!」

    オレの異変に気が付いた夢野ちゃんは半ば半狂乱に叫ぶ。

    ガチャガチャ、とわざと音を立てているけど、扉の向こうにいる銀髪褐色の少女ーーー夜長アンジーは全く気がついて無い様子。…ちぃ…どーすりゃぁ、いいんだっ…
  61. 61 : : 2017/10/28(土) 03:19:11

    ( 時は遡り… )


    『 夜長アンジー 』side


    ー ココハ ドコナノデショウカ? ー


    ー スグモドルカラ ー

    …耳から情報が流れてくるのだ!
    …最初はー転子かな?次は魔姫だね。
    みんなドコに飛ばされたのかなぁ…とかアンジーはどうでも良いことを思いつつここに来たよー!

    夜長「…ぅ…ぅううん…?」

    柔軟体操をした後みたいな体の虚脱感がするのだー。
    ぱちくりと目を開けると、ここはベットの上にたおれているみたいだねー!

    …是清の話だともっとキレイなイメージだったのになぁ…とブスッとした表情を作って、体を起こすんだけど。

    夜長「…ここは保健室のようだねー」

    キョキョロと周囲を見回してベットから降りる。その時、床がギィッシッと軋んでる音を聞きながら周囲を調べるよ!

    ここは何か嫌な予感がするのだ。

    夜長「よし!みてみようかなー?」

    キョキョロと見回して、アンジーは『 調査の第一歩 』を歩みだしたんだー


    情報:(【 夜長アンジー 】に操作キャラが変更しました)



    question、>>62番さん、夜長の調べ先
    (すべて調べないと進みません)


    1、およー?薬品棚だねー

    2、机の上に何かのってるねー

    3、入り口周辺を見てみるねー

    4、床に何か落ちてるみたいなのだー

  62. 62 : : 2017/10/28(土) 03:22:23
    4でー
  63. 63 : : 2017/10/31(火) 01:21:22

    (>>62番さん。大変お待たせしました。スマホがーーという言い訳は無しにして進行します)


    夜長「にゃははー!何かを見つけたよ!」

    テクテクと何かのある方へと足を運ぶのだ!
    それは、隅っこにある…と主は言いました。
    小さいながらも存在感を示してるそれはアンジーにとってかなり気になるものとなったので、とりま拾うことにするよー!

    夜長「?人形の頭なのだー」

    手にすっぽりと収まる頭は正直不気味そのもの。だけど、アンジーにとっては別にどうともないのだ!

    …一昔の文化人形をかたどった頭は何かモゴモゴと呟いてるよ。しかし、その声にアンジーは耳を傾けないよ?

    だって、そんなのにイチイチ構ってたら。

    ー…タスケテヨォ…ー

    ーナンデ、キコエテルノニ ムシスルノォ…ー

    ー××シテヤル…ー

    夜長「…はぁ、ここのユーレイは自分中心だから嫌だよ」

    溜め息をわざとらしく吐くと見渡した。
    …まだ、ここは興味があるものがたくさんあるし、調査すべき。

    夜長「…と主は言いました…」

    目を閉じて呟くと、鼻歌混じりに調査を再開するのだー!


    ▼ 【 文化人形 頭】を入手しました… ▼

    情報:(なにかをしゃべっているようですが、夜長には興味がないせいかその言葉に耳を貸しません…とりあえず所持はしておくようです)



    question、>>64番さん、夜長の調べ先
    (すべて調べないと進みません)


    1、およー?薬品棚だねー

    2、机の上に何かのってるねー

    3、入り口周辺を見てみるねー

    4、(床に何か落ちてるみたいなのだー)★調査済



  64. 64 : : 2017/10/31(火) 12:40:05
    1で
  65. 65 : : 2017/11/01(水) 02:08:20

    薬と言ったら蜜柑だよねー!
    …ここにはいない人物を頭に浮かべると薬品が並べられている戸棚に向かうのだ。

    戸棚にはギュウギュウに詰め込んだ薬のビンが並んでるケドー…

    夜長「…どれも使用期限は昭和だねー古いのだー!
    …誰がこんなのを使うのだろうか…とアンジーは疑問に思思うのです…」

    戸棚は簡単に開く。アンジーは薬品を一つ手に取るよ。
    …ムムム?これは、なんだろうねー

    夜長「『 拷問致死薬 』…?」

    如何にも毒っぽい色をしてるけど中身を開けるのはやめよっと、なんだか嫌な予感が沸々としたのでそのまま置いとこう…と主がいいました…

    アンジーには関係無いよねーにゃっはっはー!

    …でも、小吉か魔姫に渡したくなるのは何でだろーねー?どうしてー?…別にアンジーの知ったことじゃないんだけどねー?
    アンジーとしては、みんなが死んじゃうのは嫌なんだなー

    夜長「後は…目ぼしいものがないのだー!…こんなんじゃ、ポイント半減なのだ…」

    あとの薬品は、消毒液やらなんやらと今のアンジーには必要ないのだ。

    …?

    ゴソゴソと奥まで見ると何の紙…?メモが見えるよ!
    それを取ると戸棚を閉じた。

    夜長「およー…神様を感じるのだー!…読んでみようかな?読まないで持っておこうかな?…どっちにしょっかなー?」

    一人で動くこけしみたいに体を左右に揺らす。普段なら誰かしらこの行動で反応するんだけど、今はアンジーひとりだから虚しくなるのだ…

    夜長「…誰かに会ったら一緒に読んで痛み分けしましょう…と主は言いました」

    目を閉じ、手を胸元で組むと、紙をスカートのポケットに突っ込んだよ!


    ▼ 【 メモ的なもの 】を入手しました… ▼

    説明:(どこかで見たような紙切れです。誰かと合流したら見るみたいです…さて、彼女が先に合流するのは王馬たちなのかそれともーーー)



    question、>>66番さん、夜長の調べ先
    (すべて調べないと進みません)


    1、(およー?薬品棚だねー)★調査済

    2、机の上に何かのってるねー

    3、入り口周辺を見てみるねー

    4、(床に何か落ちてるみたいなのだー)★調査済
  66. 66 : : 2017/11/01(水) 07:48:46
  67. 67 : : 2017/11/02(木) 05:27:08

    (>>66番さん、おめでとうございます。進行します)



    視線を横にずらすと…そこには何かがあったのか本を象ったかのような黒いシミがあるのだ。
    そこに触れる、と嫌な気配がひしひしと伝わってきてアンジーの気分が悪くなるよ。

    怨念とかそういったざんりゅー思念だとか。
    でも、アンジーには関係ナイけどねー

    夜長「…んー…アンジーの力だとここに何が置いてあったのかわからないよー」

    置いてあるものがどうであれ、恐らく良いものではないのはアンジーだって分かるしね。
    とりあえずここは放っておくのがイチバンだよー?

    その場所からてくてくと部屋の中央に向かってから周囲をみるのだ!

    夜長「あとは…調べてもポイントが付かなさそうなのばっかりでつまんないなー」

    少しだけ霊気のせいで冷えた空間に反射的に体が震えるよー。恐怖から来る訳じゃないから、ただ寒いだけなんだ!
    こんなゆーれいばっかりの空間に慣れてるのもあるんだけど、秘密子が来たらヤバヤバなのだー!

    秘密子は全く気がついてないけど、秘密子にはアンジーや是清なんかよりももっと引き寄せちゃう体質なんだから…

    おっと、ここに居ない人のことを言うのも癪だから違うところでも見てみよっと。
    …是清が居れば良いんだけど、この『 場所 』はそんな甘々なことするとは思えないんだよなー

    夜長「とりま、部屋からでるのだ!」

    アンジーは軽々としたステップで『 保健室 』から出ることにするよー?
  68. 68 : : 2017/11/03(金) 02:23:38

    部屋から出るために、扉に向かうよ!!
    扉には、鍵は掛って無いみたいだね。
    アンジーの力でも簡単にスライドしたら開いたんだ!!
    そのままの勢いで、アンジーは廊下に飛び出すよ。

    夜長「んと…ここは――何階なのかな―?」

    勿論、返事なんかない。誰かいるだろ――なんて楽観的に考えると、キョロキョロと左右に伸びる廊下を見た。

    夜長「にゃははー右も左も空気が淀んでるのだ―」

    どっちに行こうか悩んでいると、右から誰かが、こっちに歩いてきたんだ―――
    薄暗くてシルエットしか判らないけど―ようやく近くに来たところで、その正体が判るよ。

    それは―――

    夜長「…つむぎ?」

    そう、つむぎだったんだ!
    つむぎはアンジーを視界に入れると、手を振ったんだ!!

    白銀「ああ!…やっと誰かと再会できたよー…」

    夜長「つむぎもここの空間に来たんだね―逢えて良かったのだー」

    つむぎはアンジーの言葉にホッとしたんだねー、嬉しそうにほほ笑んだ。

    白銀「だよねだよね!最初に逢ったのがアンジーさんでよかったよ…あ、そうだ!…真宮寺くんに早く逢って事情を聞きたい所だよ―」

    アンジーはフッとつむぎのスカートに目が行くんだ。

    それはね…

    つむぎが、お腹を怪我していること。その液体はまだ乾いていないんだねー…うっすらとつむぎから臭うたまに嗅いだ『 アノ 』臭い。その疑問を抱えたまま会話は続くよー。

    白銀「アンジーさんはここがどこだか分かる?…地味にさっき目が覚めたばっかで―――」

    夜長「…」

    臭いよ。つむぎ。
    だんだんと目の前の知る人物の輪郭が剥がれ落ちていく感覚。嫌な…つむぎじゃない霊気がこの場を支配してるような―――気持が悪い。
    アンジーの顔に影が差す。

    白銀「わたしは、向こうの廊下で倒れてたんだけど―――ってアンジーさん?聞いてる?」

    夜長「…ねえつむぎ?」

    白銀「…?どうし」

    夜長「お腹どったのー?その『 血 』じゃあ動けないハズじゃないのかな――?」

    瞬間。

    つむぎの体が大きく歪んだ。
  69. 69 : : 2017/11/03(金) 04:59:45


    突然の事に驚かないわけナイよね!
    アンジーはつむぎの変化にどうしたらいいの分からずじまいだから、ただただ呆然と立ち尽くしていた訳なんだけど。

    しばらくしてつむぎ?はこちらに目線を向けたんだ。
    その瞳はーー濁った紫色をしていて、例えるならば『 魚の死んだような目をしてる 』とでも言うべきかなー?

    白銀?『あははっ、さすがにご学友となれば些細な変化に気がつきますか。』

    その瞳はもはやつむぎの空色でも海色じゃない。
    つむぎ、という存在はいったいどこにいってしまったのだろうか?

    ふと、沸きだつ問いかけに応じるようにつむぎ?は口を開いた。

    白銀?『はぁはあ、驚くのも当たり前ですよね。初めまして。私はしがない亡霊ですよ』

    夜長「…ユーレイがどってつむぎの体を借りてるのかな?早くつむぎに返してあげてよ」

    アンジーがそう言っても、つむぎの体を借りたユーレイは首を振るだけ。
    …アンジーだってそんなことをされたらーー怒るよ?

    白銀?『返せるなら返してあげたいですよ。ですが、この出血からして、「 つむぎ 」さんとやらは無事だと思っていますか?』

    ユーレイはつむぎのお腹からの出血を指差す。
    アンジーじゃなくても分かる。この傷はーーー致命傷に等しいよ。だったらーーー

    夜長「つむぎはどこ?」

    ユーレイのつむぎがいるハズ。アンジーの期待はまっすぐユーレイに向かう。
    つむぎの体をしたソイツは頷いて天井を見上げた。

    白銀?『わかりきったことですけど、彼女は「 死の痛み 」に耐えているのです。体なんて必要ないと思いませんか?』

    ユーレイがアンジーを見る瞳の色は濁っている。
    これ以上、アンジーの友達を汚さないで。アンジーにしては珍しく睨んでいたんだ。

    白銀?『…私は私で捜しものがあります。…暫くはこの体を利用するつもりです』

    夜長「やめてよ。なんで、アンジーの友達がっ!見ず知らずのユーレイに乗っ取られないといけないのっ!」

    アンジーの怒りがユーレイにぶつかる…でも、ユーレイには響かない。響くことなんてない。
    ケタケタとつむぎの顔で笑わないでよ。アンジーの友達を汚さないでよ。神様が呪っちゃうよ?

    白銀?『ちゃんと目的を果たしたら、もとの場所に返しますよ?』

    夜長「アンジーが言いたいことはそんなじゃないよ!」

    アンジーは居ても居らんなくなって、その場から逃げ出すように立ち去った。


    背後に遠退く、ユーレイがなにかを呟いていたのを無視して。


    情報:(【 白銀つむぎの異変 】を取得しました…。白銀は既に息絶えているようですが、彼女はいったいどうして死んでしまったのかは不明のままです)

  70. 70 : : 2017/11/03(金) 05:29:54


    がむしゃらに走って、いつの間にか階段を降りていてーー「 止まりなさい 」と神様の声がしたら目の前は床が大きく崩れていたんだよー!

    そのまま走ってたら、アンジーはこの暗闇に吸い込まれてしまっていたのか…と思うと身震いをするよ。

    夜長「神様に感謝しないとーー」

    冷静に普段のアンジーに戻らないと。
    胸元に手を合わせて一呼吸。目を閉じて瞑想をする……相変わらずここの空気は澱みきってるし、なにより耳障りな声がずっとしてるのが気になって仕方がないのだー。

    …大丈夫。目を開いて、辺りを見回した。

    床の崩れ具合からして、アンジーが大ジャンプをすれば向こう側に行けそうだ!にゃははー。なんとかなーるーってしそうで、助走をつけるべく、壁際まで向かい一気にその場所から走って床を飛び越えるんだ!

    風を切る音をサウンドに走る。

    そしてーー

    夜長「にゃははーやればできちゃうのだー!」

    何とか向こう側に辿り着いて背後を見ると先程までいた廊下が気味悪く延びていた。

    夜長「…!」

    と、安堵したのもつかの間ってやつだったのだ。
    …目の前に、気がつかなかったけれどユーレイがいる。
    外見は小学低学年のようにみえるのだー?
    ユーレイなくせして、ぼんやりと原型を保ってなくて。アンジーには目もくれず、上履きの散乱した扉に向かって何度も何度も体当たりをしているのだ。

    夜長「…通り抜けとかできないのかなー?」

    アンジーの疑問は口に出てしまった。すると、ユーレイがこちらに気がついてしまったのかアンジーの方を向いてにじり寄って来るのねー

    ?なんだろ。アンジーの知る人の声がした。
    気配、というべきかな?

    夜長「およよー?……ここにもいるのだー」

    出来るだけ呑気な声をあげる。…これでターゲットを完全にアンジーに向けることが出来たね!

    アンジーは、生まれながらいろんな声を聞き分ける力を持っていたからねー。多分扉の奥に誰かがいるのかな?
    誰かは分からないけどー、ね?

    その扉をチラリ、と見てからはぁ…と溜め息をはく。
    ユーレイならユーレイらしく、天国にいけばいいのになぁ…迫ってくるユーレイをじっと見る。

    夜長「…邪魔だよ。大ジャンプをして…折角こっちまで来れたのに足留めする幽霊なんて嫌い」

    すっと声のトーンを1段階下げる。
    生きてる人なら何かしら反応するけど、相手はユーレイだから、変化はナイみたいだね。どんどん距離を詰めていくなかでアンジーは首を呑気に左右に揺らしていたんだー

    さて、どうしょうかなーーー?



    accident!!
    >>71番さん。亡霊vsアンジー
    (秒数安価です)


    ゾロ目、 大成功 (【 extra story 】を一つ解放します)


    奇数、10の位が、4,1、 成功


    それ以外、 失敗
  71. 71 : : 2017/11/03(金) 08:50:58
    はい。
  72. 72 : : 2017/11/06(月) 03:48:08
    (>>71番さん。大変お待たせしました。しかし、残念ですね…)


    こちらに向かって来るユーレイをなんとかしないとねー

    夜長「除霊は、アンジーのするコトじゃ無いんだけどー」

    懐から勝手に貰った、是清愛用の『 塩 』を手に取ったよ。
    それを、ユーレイにぶつければ…多分おけーおけーなんだよ?

    夜長「…ぐっばいならー」

    にこやかに『 塩 』をユーレイに投げるのだー!!
    お別れの言葉を告げると、アンジーはそれをユーレイに投げるよ。

    …が、しかし。

    夜長「…あららー外しちゃたーよー」

    アンジーはノーコンなのをすっかり忘れてたよー。
    投げた『 塩 』は、あさっての方向に飛んで行くのだ。

    ユーレイはアンジーの行動に反応なんかしないでまっすぐに距離を詰めるんだ。

    『 塩 』を投げたいけど、もうアンジーの手にはには『 塩 』なんて残っていない。

    …万事窮すだよ…

    夜長「…あっ」

    不意にユーレイと目が合うよ。ユーレイは右目が丸々無くて―――
    それに見とれていたら、ユーレイの腕がアンジーの首を捕えていて。

    『 ふぇえ、ひょうふぁい? 』

    っていう、たどたどしい声を聞いたんだ―――
    そのままアンジーの意識は唐突に薄れていくよ……


    ……
  73. 73 : : 2017/11/06(月) 04:36:06

    ……

    ざくっ、





    ざっく、ざくり


    ……?何の音?


    アンジーは耳障りな音で目を覚ますのだ!


    でも。

    体は何かで縛られてるんだねー…
    身動きが出来ないし、目隠しもされているから、アンジーがどんな状況に置かれているのか―まったく分らないんだよー

    とりあえず、声でも出してみるケドー…

    夜長「あン―――んっ!!!」

    あれ?なんで?なんでかな?声がうまく出せないよ?
    代わりにひりひりとのどに違和感を感じるし、体が酷く痛い?

    アンジーの戸惑いの声に微かに聞こえるのは、誰かの声。

    『 …アーあ。目覚めちゃったんだ―可哀想に… 』

    ??聞いたことなんてない声だな―誰?
    段々と痛みのせいで、うまく考えることが出来ないよ。

    ざっく、ざくっ

    …また、だね。耳障りなおと。
    …何だろう…?
    アンジーに一体、何が―――

    『 楽に死ねなくなチャ、たねー。でも 』

    どさり。バサアアッ。

    急にアンジーの上に何かが落ちてきたんだ。
    …重いそれは――なあに?

    『 みんなで埋めるカラ 寂しくはナイカラね―――? 』

    途端。口に何かが入る。パサついたそれはアンジーのよく知るモノ―――土だ!!

    夜長「ン―――!!ン―――っ」

    どんどんと土がアンジーの口に入る。服に冷たいものが、どんどん入り込んでくる。
    生き埋めっにしてるの…!!

    先程とは違う、息苦しさに悶える。…このままじゃっ、アンジーはっ!!

    だけど、止めてはくれないみたいで―――
    アンジーは、何もできないまま…何も分らないまま――――

    くる、しっ…や、…

    はらり…と意識がなくなる前、目の前が明るくなったんだケド―――そこには、

    シャベルを持った子供のユーレイがケタケタと笑ってみてて、今にも泣きそうな顔をした大きな男の人が、血に染まった秘密子をアンジーの上に落そうとした……


    そんな光景だったんだよ―――



    【 WRONG END(★2) 】:これぞホントのバットエンド




    ( >>70番から再スタートです )

    accident!!
    >>74番さん。亡霊vsアンジー
    (秒数安価です)


    ゾロ目、 大成功 (【 extra story 】を一つ解放します)


    それ以外、 成功



  74. 74 : : 2017/11/06(月) 06:14:23
  75. 75 : : 2017/11/06(月) 18:46:01

    >>74番さん。おめでとうございます。暫く進行しますよ…)




    こちらに向かって来るユーレイをなんとかしないとね。
    …これじゃアンジーはジリ貧になっちゃうよ―

    夜長「除霊はアンジーのするコトじゃ無いんだけどナ―」

    ここに来る前にお守り代わりにと貰った、是清愛用の『 塩 』を手にするのだ。
    それを、ユーレイにぶつければ…多分おけーおけーなんだよ?…って神様が言ってるもん。

    夜長「にゃははーぐっばいならー」

    場に合わないような陽気な声を上げてそれをユーレイに掛ける。

    …上手くいったみたいだね。
    ユーレイに当たったそれは、ユーレイの体を少しジュッと溶かしたんだよ!!やったのだ―

    ユーレイは予測不可解なアンジーに驚いたのか、そのまますうぅっと姿を消したんだ!!

    先ほどの喧騒がウソのようにしんとなった空間にアンジーはひとり、残される。
    …でもまだ安心は出来ないよ?アンジーの神様がそう思うようにアンジーまた同じことを思うのです。
    やっぱり是清の言葉を信じて良かったよ…「 ここではいつ死んでもおかしくない 」とアンジーだけに教えてくれた真実。

    夜長「……是清の言ってた事は本当だったけど、誰も会えないのは……アンジー悲しいなぁ……」

    ポツリ、と呟いた言葉は誰も聞こえてはいないだろう…アンジーは真横にあった扉をちらり…と見たんだ――――


    夜長「…およ?」

    そこには、小吉と秘密子が扉の向こうに居たんだよ!
    アンジーが見ていることには全く気が付いてないねー。この立ち位置からだと、小吉と秘密子の背中しか見えないよー…

    二人に逢えてよかったと思う反面、さっきまでのつむぎを思い出してしまう。ここに居る二人がもしかして…なんて思うアンジーはきっと疑心暗鬼になってんだね―。ダメダメなのだ―

    そうだとしても、何かヒントを持ってるかもよ…?
    とにかく二人と話さないと始まらないのだから、扉に手を掛けるよ。

    夜長「…ごクリ」

    意を決してアンジーは扉を動かした…ケド。

    ガチャリと何か空間に固定されてるのかな?アンジーの力ではびくともしないんだ。
    …なんで?

    アンジーが何度も何度も押したりしているのに全く開かない扉。
    …まさか。

    アンジーが何度も動かしてたからかな?向こうにいる小吉がこっちを向いたんだ…
  76. 76 : : 2017/11/07(火) 02:48:19

    夜長「!!小吉!?」

    アンジーがガラス戸をバンバンと叩くと秘密子が音に驚いたんだね、肩をびくっとしてからアンジーと目が合うのだ!

    王馬「……ん!!!」

    夢野「――――っ!!ん…!!―――!!!」

    夜長「…?」

    小吉と秘密子が何かをアンジーに対して言ってるんだけど、口パクでしか伝わらないのかな?何も聞こえないよ―。
    首を傾げるしかアンジーは出来ないんだ。
    アンジーが何か言ったら聞こえるのかな?…と不意に思ったのだ。

    夜長「秘密子の言いたいことが分からないよ―?」

    アンジーが声を出す。…すると、ハッとしたのは小吉だった。小吉はアンジーの声に反応したのか、秘密子に何かを聞いてるみたい。暫くすると秘密子は懐からメモ用紙を小吉に渡したんだ。

    小吉は秘密子から受け取るとサインペンでさらさらと文字を書き込んでいく…書き終えたのか、それをアンジーに見せるよ。

    王馬『夜長ちゃん、オレらここに閉じ込められちゃったみたい。あと…夜長ちゃんの声は聞こえるから』

    …あらま!そーだんたんだね―
    アンジーは小吉と秘密子の置かれた状態をやっと理解するよ。

    夜長「あららー…そーだったんだねー…」

    アンジーが困った顔をするとまた小吉が何やら書き込み始めるよ。秘密子は覗き込むように小吉のそばに寄る…あれ?いつの間にこんなにも二人は近いのかな?
    …アンジーにはカンケー無いけど…神ちゃったのかな?

    王馬『どうやら、夜長ちゃん側からも開けられないんだね』

    夜長「そだよー」

    傍らに居る秘密子が小吉に何かをいってるけど、アンジーにはその言葉は分らないよ。…小吉の様子からして、カンケーないコトなのはわかるのだ!

    アンジーがコクリと頷くと小吉は軽く秘密子をあしらってから、

    王馬『夜長ちゃんに頼むの嫌なんだけど―、ここを開ける方法探してくんない?』

    と悔しそうにアンジーにメモを見せた。

    夜長「おけーおけー分ったよ、でもアンジーはここに来たばっかりだから、小吉はどこを調べれば良さそうかアンジーに指示してくんナイとー…分らないよ―」

    アンジーの困惑の声に今度は秘密子が何やらぶつぶつと小吉に伝えてる…ああ、ユーレイが秘密子の体を乗っ取ったんだねー
    小吉は秘密子の言葉を文字に落としていく。

    王馬『…「 3階の資料室 」に行くと良いコトがあるみたいだけど、行先は夜長ちゃんに任せるよー?…出来れば早くここから出たいな。あ、これはオレの本心ね』

    夜長「おけー」

    アンジーは軽く言葉を返すと小吉たちに背を向けて、歩きだしたよ…





    question、>>77番さん。夜長の行動先
    (選択制です)



    1、『 2のA 』に行こっかなー?


    2、『 3階 』に行くべき…と主は言いました…


    3、『 4のA 』に…何か気配を感じるのだ―


    4、『 保健室 』に、戻っちゃう?

  77. 77 : : 2017/11/07(火) 17:18:15
  78. 78 : : 2017/11/13(月) 03:17:26

    (>>77番さんお待たせしました。最近主のサボりグセのせいで進みがとっても遅いのですが巻きで進もうとおもいます。がんばります…)



    小吉たちと別れたアンジーは急ぎ足で階段に向かうのだ!
    アンジーは廊下の突き当たりまで進むと階段を見つけるよ。
    …んー。微かに秘密子が歩いた気配を感じる。…秘密子はアンジーと違ってだだ漏れなのだ!

    夜長「…ここから来たんだね、小吉と秘密子は」

    上りの階段をじっと見据えるとなんだかクラクラしてきたので、一気に上ることにしたよ?
    階段は誰の目で見てもボロボロ、歴史的価値は全くないのだ!…と冷静に判断したトコロで、踊り場に出たんだ。…薄暗い焔をちらつかせるのは蝋燭の灯火。

    夜長「ん?これは美兎の蝋燭だねー!」

    小吉が良く美兎の発明品を盗んでいるのを見てるからきっとこれは小吉が置いたんだね。
    …人の気配から察するにここには死んじゃったつむぎ、秘密子と小吉、それからアンジーの4人しか居ないみたいだしね。あ、言い方が不味いのだ。
    斬美も居たけどーー今は気配が感じられないのだ。

    理由はアンジー分からないけど、ねー?
    神様も答えてはくれないからきっと、神様にも分からないのだ!

    蝋燭の灯火から視線を外してさらに上にと階段を上るよ。
    ギシギシとアンジーが上るごとに軋む階段はいいサウンドに聴こえているのだ。
    …まあ、アンジー以外なら踏み外したりとかのリスクの方を考えるんだろうけどーそんなことばかり考えてたらここの空間に飲み込まれちゃうのがオチ…と主は言ったのです。

    夜長「2階は空気がさっきより重くないね…秘密子は下の階にいて平気なのかな…?」

    秘密子の様子も気になるから早くあそこから解放したい、そう思う気持ちと同時に罪悪感が芽生えるよー。

    夜長「アンジーは是清を止めることが出来たハズだよね。なのにどうしてここに巻き込んじゃったのかなー?」

    独り言が多くなっちゃうね…アンジーらしくないのだ。…後悔はしないと是清と約束したのに。

    夜長「んぅんっ…3階に…誰かの気配が感じるのだ…」

    びくんと体が『 霊気 』に反応する。…秘密子の言ってたコトはホントみたいだね。
    アンジーは考えるのをやめて真っ直ぐ進むよ?
  79. 79 : : 2017/11/13(月) 03:30:03

    廊下を突っ切る形で進むよ。…途中教室を横切るけどあそこには何もないことはアンジーには分かりきったこと。今の目的地じゃないから無視するよ。

    真っ直ぐ進むと階段がまた見えるよ。…勢いで上る…と踊り場で微かに斬美の気配を感じた…斬美はここでなにかを拾ったんだね。…そうかー

    夜長「…でも、この先には進んでないみたいだね」

    踊り場の先には階段が伸びてはいるけど、木片や木屑まみれだ。…まるでゴーインに破られたみたいにね…と主が呟いたのです。

    紙がバラバラになって散らばってるけどアンジーには関係ないのだ。通れるようになった階段をずけずけと進むよ。

    視界が開けて、3階に到着するのだ。…2階が一番嫌な空気がしなかったな…とか思っていると、3階はあまり広く無いみたいだね、キョロキョロと周囲を見渡して唯一ある扉に向かうよ。

    夜長「うーん…結界が張られてるのだ…このままじゃ進めないねーどっしょっかなー?」

    わざと体を左右に動かす。アンジーの力では破っても直ぐに元に戻る気がするのだ。…秘密子の力を借りれば完全に破れるとは思うけどなー…試しにやってみよっかなー?

    どうしようかな?…と考えていると誰かの声が脳内に響くのだ。…この声はーーー?

    ??『 アンジーさん、力を貸したら…ここの結界を壊せるの? 』

    ん?…つむぎ、かな?

    夜長「そだよー?…つむぎでいいのかな?アンジーの中に聞こえる声は?」

    扉越しに声を掛けると微かに『 うん!つむぎ、白銀つむぎ だよ! 』と声が響いたよ。
  80. 80 : : 2017/11/13(月) 03:43:28

    アンジーの声に反応するんだね!…秘密子がいっていたことはこの事なのかな?…まぁ、偽物のつむぎがいるなら本物のつむぎもいて当たり前なのだー!

    アンジーは分かってたよ?

    白銀『地味に閉じ込められちゃって…困ってたんだーーー』

    夜長「つむぎがいるなら、壊せるかも…扉の近くに行ける?」

    つむぎなら、秘密子より『 霊力 』が強いのは分かってる、だから今回の計画に利用したんだから。是清と相談して決めたんだ。

    …アンジーの事はどうでもいいよ。つむぎが居るなら、結界を破くのは容易いのだ。

    扉に触れる。バチっと弾ける痛みが走るけどアンジーは気にしないで力を込めるーーー

    すぅうと息を吸って声をあらげる、と…

    夜長「開いてっ!!」


    バチバチィ、と火花が目の前で弾けた。
    と同時にアンジーは扉の引き戸を思いっきりスライドする…と目の前に驚いた…つむぎが居たんだよ。

    白銀『あ、あいたーーーっ!』

    目を見開くつむぎの体は透けてる、つまりーーー

    夜長「…つむぎの本物のだね」

    はぁ、はぁと指先の痛みに耐えながら呟くアンジーの声につむぎは泣きそうになっていた。

    白銀『ああっ!!…会えたっ!やっとーーーっ』

    ポロポロと涙が浮かんでる…けど、喜んでるのもつかの間。アンジーはつむぎの腕を掴んで走る。

    夜長「つむぎ、行くのだ!」

    アンジーの声にそして、ユーレイの腕を平気で掴むアンジーの存在にビックリしてんだね。…驚きのまま来た道を引き返したのだー…


    情報:(【 白銀つむぎ 】を強引に連れ出しました。…なぜ夜長がこうした行動に出たのかは後程…ということで)

  81. 81 : : 2017/11/13(月) 03:57:31

    『 王馬小吉 』side


    …事情をちゃんと理解したのか分からないけど、とりあえずは夜長ちゃんが居てくれて良かったと本気で思うんだ。

    …夜長ちゃんのあの様子だと恐らく『 おまじない 』の事と『 天神小学校 』について知っているんじゃないかと思う。『 おまじない 』をする前の夜長ちゃんの様子がどこか不自然ってのもあったけどさ。…これは勘だけど、多分、当たってる。

    そう思ったんだ。

    とりま、詳しい話はオレらがここから無事に出れたら聞いてみるとしてーーー

    王馬「…夢野ちゃん」

    夢野「…」

    ちらりと、横を見ると夢野ちゃんは耳を塞いでうずくまってたんだよねー
    …夜長ちゃんと別れたあとからずっとこの状態でいるもんだから、流石に心配するけどさ。声を掛けても返事がなくて困ってんだよね…ホントついてねー。

    このままバタリと意識を失われても困るしどうにかしておかないとーーマズい気がしてならない。

    さて、夢野ちゃんに怒られるのは平気だけど、どーすっかな…と思い、ふと髪の毛に触れる。

    …普段なら反応するんだけどな。
    微動だにしないからなんだかイラッとする。

    もっと、触ってやろうかーーとムシャクシャしたので頭を撫でてみる。…これでも、無反応…なら…っ
  82. 82 : : 2017/11/13(月) 04:11:39

    『 夜長アンジー 』side


    白銀『え?え?ちょっとーーー』

    アンジーに、ゴーインに連れ出されたつむぎは驚いて言葉が上手く出せてないよー?…何て言ったら小吉と同じになるから言わないけど、死んじゃってるから息は上がらないハズだよね?…2階についてそのまま駆け足で下の1階に行くんだよ。

    夜長「…つむぎを連れ出すのが『 ニセモノ 』にバレると不味いのだ!だから、早く玄関まで行くのだ」

    白銀『そうだったんだ…アンジーさんが狂気に呑まれたのかと思っちゃって…疑ってたよ…』

    『 つむぎのニセモノ 』はつむぎの体を借りているから瞬間移動とかはできないハズだ。生身の体ではムリと是清に教えてもらったのがここで生かされたワケだねー!
    ちゃんと話を聞いておいて良かったのだーーーっ!


    と、思っていたのもつかの間。1階に行こうとした階段の踊り場で足止めを食らうのだ。

    白銀?『ーーーやはり貴方では破ってしまいましたか…はぁ、やれやれですか』

    夜長「あちゃー」

    白銀『…あっ!これは見事なフラグ回収だねー…』

    見つかっちゃった、のだ…
    つむぎの姿をした偽物が呟く。

    白銀?『…今、彼女を囚われている二人に逢わせたくないんです、だからーー』

    つむぎの声で発する不思議な呪文、その意味を理解する前につむぎの悲鳴が響く…っ!

    白銀『えっ、ちょっと、ッイタッ…やめっ…』

    つむぎはお腹を抱えてうずくまるんだ。…これってーーまさかっ!アンジーはつむぎのニセモノを睨む、けれど、それが意味の無いことだとわかっても、ねー…
  83. 83 : : 2017/11/13(月) 04:28:09

    つむぎの体が透けて行く…痛みに苦しむ姿をアンジーは、呆然と見るしかできなくてどうも歯がゆいのだ。

    白銀?『…私を使えば良かったのにどうしてこのような手に出るのですか?』

    夜長「…アンジーはつむぎの体を奪ったのが気にくわないだけだよ」

    トーンを落とす。その間にも隣のつむぎは目に涙を溜めて苦しんでるのになにもできないアンジーを許してくれるかな?

    白銀『っくっ…なな、なにをした…のっ』

    つむぎがかろうじでつむぎのニセモノに問い掛けるけどーーーつむぎのニセモノは小吉よりも醜い笑顔を浮かべたまま、

    白銀?『…なにも私はしていませんよ。せいぜい死の痛みを思い出して苦しむといいわっ!』

    白銀『…え?』

    白銀?『…貴女たちが知らないなら教えてあげるわっ!ここでは「 死 」の痛みが永遠に続くのよ!!…なんどもっ、何度もーーーネェッ!?』

    夜長「アンジーはそんな事、是清に聞いてないっ!」

    知らないっ、アンジーはただ、『 みんな死んだらお友だちでずっと一緒にいられるんだヨ 』って言われたからーーー『 サチ子さんのおまじない 』に協力したのにっ!

    アンジーの叫び声が響くと同時に、つむぎが完全に消えたんだ。

    消えた、訳じゃない、見えなくなってしまっただけ。…痛みに耐えられなくなって元の場所に引き戻されたんだ。

    真実を突きつけられたアンジーはただ呆然としていたんだ。

    それを見下した、つむぎのニセモノは微笑むんだー

    白銀?『…さぁ、囚われている二人を助けましょうか』

    …もう、アンジーには否定も肯定もできなかったんだよ…


    情報:(【 サチ子のおまじない 】を更新します。
    …どうやらここに来たのは「 故意 」である事が分かりましたね。更に夜長と真宮寺によって引き起こされた事と開示しときます)

  84. 84 : : 2017/11/13(月) 04:45:51

    行きの時とは違う重い足取り。そのまま付いていくことしか出来なくて。睨むけどアンジーの目付きは怖くないからびくともしないんだろうなー…

    階段を降りきってアンジーの方を見る、瞳の色は濁った紫色。ああ、見たくないなーと思うよー…。

    白銀?『…閉じ込められたのはイレギュラーなこと。貴女が予想外の行動をしたが故に起こったのですよ』

    夜長「…何をいいたいの?」

    普通なら、と目の前のニセモノは呟く。

    白銀?『…でも、こうなるのも分かります。ですから順序を守っていただきたかったのです』

    閉じ込めたのは私です、とも言うんだよ。
    流石にアンジーだって怒るよ?亡霊の死体を見つけたら、『 イケニエ 』として血を捧げてもらうよ?

    夜長「…」

    白銀?『すごく嫌な顔をしてますが、今の貴女では私にかなわないのが分かるのでは?』

    玄関が見えるけど、ここからだと小吉たちには姿は見えないだろうねー。
    と、立ち止まって指を軽くならした。

    白銀?『……はい、これで扉は開きますよ。』

    夜長「…随分簡単だね」

    はい、と微笑んだかと思えばフラりとアンジーの前から立ち去ろうとしたんだ。

    白銀?『私は用事があるので失礼しますね』

    その顔で微笑まないでよ。と言いたかったけど、闇が彼女を包み消してしまった。

    夜長「ーーっ!」

    …開いたのなら、小吉たちに逢えるね。いこう。

  85. 85 : : 2017/11/14(火) 03:25:38

    行きとは違う一歩一歩がひどく重い。普段陽気なアンジーだけど、つむぎのニセモノに言われた事実を受け止めきれなかったんだ。

    『 死んだら永遠に痛みが続く 』

    …だったら、アンジーが信じた是清の言葉が嘘だったんだね。だとしたらアンジーは悪い子だよ。

    …小吉たちに合わす顔なんて持ってない…と思ってたけど、足取りは確実に玄関に向かっていた。

    『 あんたは悪くない 』

    どこかで声がしたんだよ。…誰?
    アンジーの事を許してくれるの?…はっとその声だけに耳を澄ませるよ。…わずかに聞こえる声は弱いけどー

    『 夜長らしくない、アンタは可笑しいくらい暢気でしょ? 』

    夜長「…ま、き?」

    アンジーの事を『 夜長 』って呼ぶのはごく少数だもんね、きっと、魔姫なんでしょ?

    『 アンタは真実を告げるべきでしょ、王馬たちに。…悩むならそのあとにして 』

    悩むなっていわれてもなー…
    困惑するアンジーをよそに、ぽんと背中を叩かれる感覚がしたんだよ。背後を振り向いたけど誰もいないのだー。

    『 アンタにしか出来ないこと、在るんだからさ… 』

    声が遠くになって行く。
    なんだか、ぷぷって笑いたくなってしまう。…不器用な魔姫らしいなーとか思うけど、元気が出た気がするよ。

    くよくよするのはアンジーらしくない。そだよねっー!
    …アンジーはやるよ。生きてるみんなをここから出すんだ。それがアンジーに出来る償い。

    足取りが軽くなると残りの道を一気に駆け抜けた。



    …あんなんじゃ励ましたことにならないよ、魔姫。
    でも、魔姫のお陰でいつものアンジーになれそだよ、あんがと。
  86. 86 : : 2017/11/20(月) 03:37:08

    『 王馬小吉 』side


    王馬「…」

    …ここまでしても無反応とかマジで勘弁してほしいんだけど。
    これ以上どうすればいいんだよ、と悪態をつきたいけどどうも相手が急に動く事を想定すると…黙ざる得ない。

    あーもーこんなホラーもりもりな場所で何でオレは、夢野ちゃんを抱き締めてんだろう…

    いや、ね、最初は出来心だよ。これは、ホント。

    普段なら、我に返った夢野ちゃんが「 ななな、何をトチ狂ったことをしておるのかー 」って怒ったら、オレが「 え?家にある魚の抱き枕かと思ってつい…でも思いの外固かったから固まってた 」なんて言うのだけど。

    …正直。

    王馬「かなり、ハズいんだけど…」

    人としての温もりを感じるしーーなにより、女子特有の甘い香りが鼻腔をくすぐる。このままだとマジでおかしくなりそう…って、嘘だけどさ。

    早く目が覚めてくれよ、と抱き締める力が変に入る。…もしかして夢野ちゃんが痛いとかいって、オレを押し倒してくれたりしたりしない?

    …いやまて、オレ…かなり混乱してるし、落ち着け。王馬小吉。ーー違う方法を試すべきじゃね?

    もし、こんな姿をーー夜長ちゃんにでも見られたら…

    王馬「…って、無いよな」

    そんなフラグ回収乙…なんて白銀ちゃん辺りにツッコまれないか?

    そんなことはーーーー


    バァーンッ!!

    夜長「およ?…小吉ってば案外やる時はやるんだねー」

    あ、終わったね…たはー…。
  87. 87 : : 2017/11/20(月) 03:51:12

    王馬「…さて、無事に扉が開いたから調べるのを続けようかな!ね、夜長ちゃん?」

    ささっ、と夢野ちゃんから離れたオレはあからさまな嘘をつく。…いやフォローにもなってねぇよ…

    夜長「小吉…秘密子と神ってたいなら、アンジーどっか行こっか?」

    …絶対に勘違いしてる。だから夜長ちゃんは苦手なんだよぉっ!!
    同情とかそういった視線で見てない?この子。

    違うんだってっ…と抗議したい気持ちを抑え込んで、立ったまま俯いている夢野ちゃんの方を指差した。

    王馬「…夜長ちゃんなら分かるでしょ」

    夢野「…」

    夜長「…およ?どったのー秘密子、心がどっかに行ってるみたいだねー」

    あー良かった、夜長ちゃんは夢野ちゃんと同じで『 幽霊 』を感じることが出来るんだね。だったら分かるだろ?と視線を送った。夜長ちゃんは首を傾げたけど微動だにしない夢野ちゃんを見ると近くに寄ってきた。

    夜長「んー小吉は秘密子の為にぎゅって抱き締めてたんだねー」

    夢野「…」

    秘密子に対する、愛だねー。良かったねー。と動かない夢野ちゃんの腕を掴んで上下に激しく動かすけど、微動だにしない。

    いや、夢野ちゃんの為に抱き締めたワケじゃ…と言いたいけどさ、夜長ちゃんのマイペースさには負ける。…本当に負ける。ああくそっ、第3者に言われると余計にオレのした行為がいかにして恥ずかしいのかわかるだろっ。
  88. 88 : : 2017/11/20(月) 04:04:50

    王馬「…で、どう、夢野ちゃんは」

    そっぽを向いて夜長ちゃんに聞いてみる。
    夜長ちゃんは、「 秘密子に取り憑きすぎちゃったんだねー 」と呟く。憑きすぎってなんだよ、と聞く前にずうっと夜長ちゃんの顔がこちらに向かう。

    夜長「…小吉。こんな状態になるまで秘密子つれ回してたの?」

    唐突のガチなトーン。ビビりはしないけど、どうやらーーかなり夢野ちゃんはヤバいみたいだ。

    夜長「ここに秘密子を巻き込んだのはアンジーが悪いけど、小吉。もっと秘密子のこと気に掛けないと、秘密子は、ここと相性が悪すぎるの」

    王馬「…夜長ちゃんに言われなくとも想像は出来たよ。でも、ここまで来たのは夢野ちゃんの意志でもあるんだよねー…あ、これはホントだよ?」

    オレの言葉に夜長ちゃんは目を大きくした。
    そして、うん…と考え込むと、ある考えに到達したんだ。

    夜長「…アンジーは除霊して力が無いから、つむぎに会いに行こう…つむぎなら、多分平気だよ」

    つむぎ…って、白銀ちゃん?
    白銀ちゃんを夜長ちゃんは見たって事?
    混乱するオレをよそに決意した夜長ちゃんは白銀ちゃんに会いに行く、としか言わなくなっていた。

    王馬「…で、どこにいるの?白銀ちゃんは?」

    夜長「んと、多分3階だよー。秘密子がさっき教えてくれた所に居たんだー!」

    ということなので、まずは夢野ちゃんを何とかしてから、調べることにしたんだよ。


    情報:(【 夜長アンジー 】が王馬・夢野と合流しました。)

  89. 89 : : 2017/11/20(月) 04:22:41

    王馬「…で、オレがなんで夢野ちゃんを背負って行かないといけないワケ?」

    階段を上るのきついんですけど…と無言で先に行く夜長ちゃんに訴えるけど、

    夜長「アンジーより、小吉が背負った方がカッコがつくのだー」

    の一点張りだよねー…
    こんなところで汗を流すなんて思っても無かったんだけどさ、とにかく夢野ちゃんが助かるなら良いかな…って微塵も思ってねーしっ!!

    2階に向かう階段の踊り場に付くや否なであることを思い出した。あ、そうえばーー

    王馬「あのさ、夜長ちゃん」

    夜長「…およ?どったの小吉?」

    王馬「あそこ飛び越えたの?」

    あそことは、オレたちが進むのを断念した所だ。あそこ以外は調べきったとも言えたから夜長ちゃんが何処からか来たのかは大体想像が付くんだけどね。

    夜長「そだよーでもどうして?」

    王馬「オレら実はあそこの先に目的があったんだよねー。…だから正攻法でいこうかと思ってたけどさ、夜長ちゃんが飛び越えるならオレらもイケるのかもね」

    オレの言葉に夜長ちゃんは、もう飛び越えたくないよーとだけ呟いた。…夜長ちゃんはかなりの勢いで跳んだってワケか。

    …じゃあ、オレは再び提案をする。

    王馬「夢野ちゃんの状態も心配だけど、あそこに行けるように手筈を整えておいとかない?」

    夜長「…どういう事?秘密子が完全に乗っ取られちゃう前に秘密子に纏り憑いたモノを排除しないと…秘密子死んじゃうよ?」

    ぐさり、唐突に突きつけられた夜長ちゃんの言葉にオレをはーーー



    question、>>90番さん。王馬・夜長の行動指定。
    (どちらを選んでも進みます)



    1、夢野ちゃんの事を後回しにして『 1のA 』に行こうよ!


    2、秘密子が大事なのだ!先に『 3階 』にいって、つむぎの力を借りるべきだと…主はいいました…

  90. 90 : : 2017/11/20(月) 04:26:26
    2で
  91. 91 : : 2017/11/20(月) 04:40:56


    (>>90番さん…早いっ、早いよぉぉおおおっ!!…では、普通に進みます、1を選んでたら少しだけ夢野ちゃんの発狂が見れたのに…ね?残念!)


    王馬「…それはホントなの?」

    オレの声色に察知したんだろうね、夜長ちゃんは真面目な口調で返すんだ。

    夜長「そだよ、秘密子は間違いなく、この場の空気に飲まれちゃって…死んじゃうよ?」

    誰かが『 死ぬ 』何て事、オレが黙って見過ごすワケないじゃん。…しかも、死ぬのがーー夢野ちゃんなら尚更。

    …オレは夜長ちゃんの意見に珍しく素直に同意した。

    たまには素直になってもいいじゃん。
    オレの背に乗っている夢野ちゃんが少しだけ揺らいだーー気がした。

    階段を登って、夜長ちゃんに案内されるように更に先程の行かなかった3階にと足を運ぶ。…オレが灯した蝋燭の火がどれ程明るかったのか分かるぐらい薄暗くて、足を踏ん張って、どうにか階段を上り…切った所で、背後から声を掛けられた。…それはーーー

    王馬「…白銀、ちゃん?」

    普段と違う雰囲気を纏った白銀ちゃんだったんだ。
    …どういうこと?
    夜長ちゃんが白銀ちゃんを睨むようにして声のトーンを落とした。

    夜長「…また、アンジーの前に来たんだね。どうしてーーアンジーの邪魔をするの?」
  92. 92 : : 2017/11/20(月) 04:55:51

    は?…目の前のクラスメートに対してあの夜長ちゃんがこうした言葉を投げるなんてーー何か裏でもありそうだな。オレは身構え、夢野ちゃんを庇うように白銀ちゃんと対峙する。

    …薄暗くてよく見えなかった姿が階段を上りきる所で露になる。…お腹は真っ赤な血に染まっていて、顔はーー普段の彼女とは違う冷静さを全面的に出しているし、なによりーー目の色がオレと同じ、紫だ。

    どういう事だよ、と夜長ちゃんに聞く前に白銀ちゃんがオレをいや、オレの背にいる夢野ちゃんを見た。
    死んだ魚のような濁った紫色の瞳をずっと見ているとおかしくなりそうで、さっと視線をズラした。

    白銀?『…その子はーーああそうか、この場の空気に身を委ね過ぎたんですね…乗っ取られ過ぎた…という所でしょうか?』

    白銀ちゃんの声で紡がれているけど、抑揚のない声だから背筋がぞっとした。

    夜長「…つむぎに体を返して、秘密子まで手を出すなら6親族までアンジーが呪ってあげる…神様じゃなくてアンジーが」

    夜長ちゃんの声に対して一言だけ。

    白銀?『…それは困りますね…』

    首を傾げ、オレとの距離を一気に詰める。

    王馬「白銀ちゃんじゃないんだな…どこに、やったの?」

    オレを見下ろした白銀ちゃん?は静かに微笑んだ。

    白銀?『「 今は 」貴方の見方ですよ、今は、ねーー』

    王馬「は?…その言い方ってーー」

    夜長ちゃんがオレと白銀ちゃん?の間に入る寸前、バチっと火花が弾けるような音がしたかと思えばーーオレは意識を気がついたら手放していたーーー…
  93. 93 : : 2017/11/20(月) 05:08:37

    『 夜長アンジー 』side


    アンジーが手を伸ばしたけど、それは届かなかったんだ。
    アンジーの目の前で、小吉が秘密子を咄嗟にアンジーに向かって投げたんだ。…秘密子はされるがままにアンジーに身を委ねたんだけど…ずしりと秘密子の体はアンジーの中に収まる。

    小吉はそれとは反対でドサリとその場で倒れてしまうの。
    …な、何をしたのっ!ピクリとも動かない様子を見る限り、殺してはいないとは思うけどーーきっと、何かをしたんだよね!

    アンジーの戸惑う表情をよそにつむぎのニセモノは舌打ちをすると、今度はアンジーの方に詰め寄るよ。

    白銀?『邪魔なナイト君は去りました…さて、その子を助けてあげますよ』

    にじりよってくるけど、秘密子を抱き締めた状態ではアンジーが逃げる事が出来ないんだよ…

    夜長「ダメっ!!秘密子はアンジーが助けるんだよ!」

    アンジーの叫び声も虚しく、つむぎのニセモノはアンジーの額に手を当てるんだよ。

    白銀『…少しは状況を判断すべきですよ、誰が敵で誰が頼れるのかを…ね』

    まるで、その言葉はーー子守唄のように響くんだ…そうして、そのままーー

    夜長「だめ、ひ、秘密子だけは…殺さ、ないでっ…」

    目の前で奪われた秘密子に向けて手を伸ばす…けど、それが叶わくて。

    だれか、だれか、とうわごとを呟くだけのアンジーはそのまま、意識を………
  94. 94 : : 2017/11/20(月) 05:19:13
    『 夢野秘密子 』side


    夢野「ん…あ?ここはーー」

    ぱちくり、目を覚ますとここはーーどこじゃ?見覚えのない部屋にウチが来ておることに気がつくのじゃ。

    ひんやりとした空気にぶるりと体が震える。
    ここはーー?

    こつり、こつり、と誰かがウチの近くに来るのがわかるのじゃ、だだだ、誰じゃ?…王馬なのかの?じゃったらーーウチを脅かさないでくれぬかっ!!

    ??『…貴女がここに来るのを待っていたのです』

    しかし、それは違う人物じゃった。…暗がりのなかで見えるのはーー紫色の髪の毛をした赤い縁取りをした眼鏡をした女子生徒じゃったんじゃーー

    夢野「お主は、だ、誰なのじゃっ!!」

    ウチの声に対して死んだ魚のような瞳をゆっくりと歪ませる。

    ??『…わたしには貴女が邪魔なのです。せっかく、ここに有益な人材が舞い込んできたのに貴女がいるだけで、それが穢されてしまう』

    なんのことじゃ?ウチには到底…

    夢野「…王馬はどこにやったのじゃっ!!」

    アヤツがおらぬ事実がどうしても怖い、どうしてもじゃ…
    アヤツの元に行きたい、だから、ここから解放してくれぬか?…アンジーもいたのじゃ!アヤツにも逢いたいのじゃ!!

    しかし、ウチの言葉に首を振るのじゃ。

    ??『あそこには貴女と同じ力を持つものが多すぎるのです。だからーー貴女には違う次元に行って貰います。その為に貴方をここにつれてきました。』
  95. 95 : : 2017/11/20(月) 05:35:44

    唐突に言われてもウチには到底理解も出来んまま、そやつの方をじっと見ることしか出来んかった。

    ??『ここなら、移動が出来ると踏んだのですがーーどうやらわたし一人では難しそうですね』

    チラリと視線をずらした先にはーー

    夢野「し、白銀かっ!!」

    床に倒れておるその青い髪の毛は忘れもせぬ、白銀じゃ。
    …ピクリともしない白銀を見ていると、紫色の瞳がゆっくりと白銀の元に向かう…のじゃ。

    ??『…ここはつき先程、ご友人を救うべく、この方…つまりは白銀さん、ですか?彼女が力を使ったのです…』

    使った…じゃと?
    キョロキョロと辺りを見回せば、棚が倒れておる近くで穴に向かって走る血の跡がみえ、そして棚の傍らには…見覚えのある手袋…東条の手袋が見えたのじゃ。

    と、言うことは…ここは東条がおった、と言うワケじゃな。しかし、東条の手袋があるだけで東条本人はおらぬ。

    ウチの疑問に答えるように紫色の瞳の生徒が口を開く。

    ??『先程の地震はその影響です。ここにいたであろう貴女のご学友は、違う次元に飛ばされてしまったのです。ですから既に彼女はここには居ません』

    夢野「東条がおらんじゃと…?」

    そうです、とだけ呟くと「辺りをもっと見ればここがどこだかもわかりますよ」ともいいおった。
    じゃから一体東条はどこにーーと呟いた言葉が途切れた。
    いや、言葉がそこで切らされたというのが真実じゃ…

    軽い衝撃音、それから…
    ーーウチの体が宙に浮いとったのだから。

    夢野「ーーんあっ!!」

    浮いた体はそのままの引きずられていくように近場の穴に落ちて行く…ど、どうなるのかのっ!!

    ウチは必死に足をバタバタさせるなか、遠退く床から見下ろしておったのはーー先程の倒れておったハズの白銀じゃったーーーー

    夢野「ど、どういうことなのじゃぁぁぁあああっ!!」

    ウチの渾身の叫びは響いておったかの?…それがウチが見た景色の顛末じゃった。



    情報:(【 夢野秘密子 】が行方不明になりました…と同時に【 東条斬美 】もまた行方不明になりました…)
  96. 96 : : 2017/11/21(火) 03:32:45

    『 王馬小吉 』side


    ??『ど、どういうことなのじゃぁぁぁあああっ!!』


    誰かの煩い声。
    今寝てるんだけど起こさないでよー!

    何処から?…この声質だと…夢野ちゃんかな?
    全くこんなところまで来て何を今更いってんだよ…脅かすなよ…

    ん?

    夢野ちゃんがどうかしたって、オレ今言ったよな?
    夢野ちゃんはーーっ確か…

    王馬「ーーっうっ!?」

    目を覚ますとそこはーー床だった。…いや、待てオレ。なんでそんな貧弱な言葉、語彙力しかかねーんだよ!とバチんと起き上がるのも束の間に頬に衝撃を与える。

    どのくらい横になっていたんだ?と辺りを見回すとあのときの状況のままに倒れている夜長ちゃんを見つける。…ゆ、夢野ちゃんはーーと目で捜したけど、ここには居ない。…そもそも白銀ちゃん?の姿も見つからない。

    え?…夢野ちゃんは?

    と、その時だったんだよ!
    再び大きな揺れがオレたちを襲う。…東条ちゃんがいなくなってから起こった揺れと同じくらい激しい。
    一体どういう事なんだよっ!!

    混乱するオレをよそに揺れの激しさによって、夜長ちゃんも目を覚ました。

    夜長「ん…うんっ……ゆれ?」

    寝ぼけ眼を擦りつつ、揺れによって強引に目が覚めたようでキョロキョロと驚いてんだろうね、周囲を警戒していたみたい。
    オレの姿を見るや否やでさっと顔を青ざめて発せられた第一声。…ん?二言目ってヤツかな?まあ、いいけどさ。

    夜長「…え?…秘密子の『 霊気 』が…消えた…?」

    それがーーこの言葉だったんだよ。
  97. 97 : : 2017/11/21(火) 03:53:26
    王馬「…は?」

    いや、どんな漫画なんだよ。とツッコミたくなるが揺れのせいでオレは変な声を出すので精一杯。…喋るなら揺れが収まってからにしてよね!…と言いたいのをグッと堪えた。夢野ちゃんならすんなり口にしてたんだろうけどね。

    夜長「小吉っ!秘密子が、っく!」

    だーかーら、今揺れてるなかで喋るから舌を噛むんじゃん。…全く、夜長ちゃんもドジッコってこと?

    と、舌を噛んだことで黙っていた夜長ちゃんが悶絶してるなかで地震は早くも収まりつつあるようだ。…段々と揺れがゆっくりとなりそして止んだ。

    そのタイミングを見計らって、夜長ちゃんの元へと近寄った。…さっきの意味を問うためってば、正当性が出るよね!

    王馬「夜長ちゃん。夢野ちゃんがどうって言ってたけど、どういう事なのかな?」

    夜長「…秘密子はアンジー達の空間から居なくなったみたい…と主はいいました…」

    夜長ちゃんは悲しそうに頭を垂れてから、オレの方を向いたんだ。

    夜長「…ここにはもう、アンジーと小吉しか生きてる人居ないよ?」

    …は?
    オレたちと一緒に…東条ちゃんは?と聞こうとしたが答えを先に言われてしまう。

    夜長「斬美もここには居ないからアンジーには生きてるかどうかまではーー分からないよ」

    眉間にシワを寄せた彼女が必死に何かを探しているのか目を閉じたまま、呟く。頬からは寒いハズなのに一筋の汗が垂れていた。

    王馬「…ってことは、夢野ちゃんは白銀ちゃん?に連れ去られて、それから居なくなったってこと?」

    これは、確認だ。…今は気配を察知できる夜長ちゃんに頼る他ないのだ。…ああ、くそ。また、貸しをつくったワケになるけど多分夜長ちゃんはその事に気がついてないね。

    夜長「うん。そだよー。…秘密子の状態が心配かなー」

    当然、と言う風に頷いた。
    夢野ちゃんは大丈夫なのだろうかーーーはっ、なんで居ないヤツの事を心配してるんだよ、オレは。

    ここに来てからどうもアイツの事を優先しがちだ。…ちっ、オレらしくもないね。

    王馬「…ふぅん。じゃあ、どうするの?」

    それよりも、今は次の行動を起こさないと行けないよね。夜長ちゃんが今のパートナーだ。彼女に聞いてみるのも一興…だよね?


    情報:(【 王馬・夜長 】が行動を開始します)




    question、>>98番さん。王馬・夜長の行動指定。
    (ある選択肢で進みます)



    1、ここを調べるのだー(3階を調べます)

    2、下の階に確か行ける教室を見たのだ!
    (2階、『 2のA 』を調べます)

    3、下の階に確か行ける教室を見たのだ!
    (2階、『 1のA 』を調べます)
  98. 98 : : 2017/11/21(火) 07:03:50
    2で
  99. 99 : : 2017/12/01(金) 03:23:27

    (>>98番さん大変お待たせしました…なかなかオリジナルストーリーを展開すると方向が定まらないですね…へ?私だけ?)


    夜長「『 2のA 』に向かうべき…と主はいいました」

    また例の神頼みってヤツか?…ん、違うね。神頼みという名前の自己主張だよねー…まあ、いいか。見に覚えのない教室を提案されたのもあるからさ、夜長ちゃんに確めてみる事にするよ?

    王馬「そんな教室あるの?」

    夜長「およよー小吉分からないの?ここの丁度下の階にある教室のことなのだー」

    ふうん。スピリチュアルな夜長ちゃんが言うんだしその通りかもしれないな。…正直これから何処に行くか迷っていたとも言えるけどさ。

    王馬「なら、ここでぼさっとしていてもなにも始まらないし行こっか」

    夜長「あいあいさー」

    …相変わらず普段のマイペースを発揮する夜長ちゃんを引き連れて階段を降りることになったよ!

    王馬「…」

    夜長「…」

    階段を降りていくなかで無言になっちゃうよねーオレってば人見知りがあるからね!え?夜長ちゃんは知り合いだろって?

    どうも夜長ちゃんは苦手…もとい関わりたくないのがあるから話題も湧かないワケ。分かった?
    なんで夢野ちゃんが居なくなったんだろう…と考える間もなくオレたちは2階に到着する。

    夜長ちゃんの言う通り生きている人なんて居ないくらいに静かな空間はあまりにも不…楽しいよね!

    夜長「えっとーこっちだねー…」

    ママ…東条ちゃん最初に捜した時に通った廊下を進む。この先には床が崩れていて進めない気がしたんだけど。夜長ちゃんはそれを気にしない。いや、知らないかもしれないよね。

    当然、突き当たりまで到着する。って、夜長ちゃんの足取りは止まらなかったんだよ!?

    はぁ?!

    王馬「ちょちょ、夜長ちゃんまでも自分から死んでくスタイルを取ろうとしてんの?!」

    夜長「小吉も衝いてくれば分かるのだ!」

    …何て言い退けたけど、ホントーに大丈夫なの…?

    とにかく、夜長ちゃんのいう通りになるのはかなり癪だけど仕方がない。今は夜長ちゃんの作った泥舟に乗ったつもりで彼女に付いていくしかないか。

    溜め息混じりにオレはズンドコ崩れた床を通ろうとする夜長ちゃんについていくことにしたんだ。
  100. 100 : : 2017/12/01(金) 03:23:52

    と、思ったんだけど夜長ちゃん、崩れる床の端っこの部分で回れ右をして、そこの扉をぐいっと開いた。
    東条ちゃんを捜した時は夢野ちゃんがラリったのもあってここに扉があるだなんて…オレとした事が見過ごしちゃうやんてねー探偵になる夢はまだまだ縁遠いってワケだね!

    夜長「小吉ー早くー」

    王馬「はいはい」

    促されるままオレは教室に入る…構造は『 1のA 』と同じ、か…だけど、『 1のA 』よりも机の量や物が少ない気がする。
    薄暗いしなぁ…アイツなら「 暗い!怖いのじゃ 」って言ってオレに抱きついたりしそう。

    夜長「およよー思ったよりもなんにもないのだー」

    ここに行くって言ったわりには検討違いも甚だしいね!夜長ちゃんは本当にマイペースだよねー…
    やれやれと思ってたらポケットの中に無意識に手を突っ込んでいたのか蝋燭に指先が触れた。

    …照らせば違う発見あるかもね。にやりと口元が緩んだ気がする。燭台的なのがあれば良いんだけどね…あ!向こうにあるね!

    王馬「よっと」

    夜長「あれ?小吉急にそれをもって何をするのだ?」

    夜長ちゃんが寄ってきた所でオレが蝋燭を取り出し火をつけると淡い灯火になった。

    夜長「流石、小吉だねー…蝋燭、アンジーも持っとけばよかったよー」

    王馬「まあ、こうした状況下に陥る事なんて中々無いからねー。オレってば常に最悪の状況を想定して…」

    いつもの軽口、冗談。しかし、夜長ちゃんはその先を言わせてはくれなかったんだ。

    夜長「違う、アンジーは少なくともこうなる事、知ってたんだよ」
  101. 101 : : 2017/12/01(金) 03:53:53

    …やっぱりか。
    オレの隣にちょこんと佇む夜長ちゃんは縮こまっていた。
    普段の彼女からは考えられないような酷い顔もしてるし。
    軽口を叩いていた顔をすっと真顔に戻して夜長ちゃんをじっと見た。

    王馬「夜長ちゃんはここを知ってるんだね」

    オレの問い掛けに僅かに頷いた。肯定。…嘘はついていないな。

    夜長「アンジーがいけないの。
    …アンジーが皆が死んじゃう…予知夢みたいなのを見たから…是清に相談して、そしたら『 皆でずっと一緒に居られるおまじないがあるんだヨ 』って…それで、『 サチ子さんのおまじない 』をしたんだ」

    …色々ハショリ過ぎて分からないんだけど、いや、分からなくもない、か。
    すっかりショボくれている夜長ちゃんを見ていたら問い詰める気が失せ……る訳ないじゃん!!!

    王馬「つまり、ここがどんな所だったのかは夜長ちゃんは分かってたってことだよね。皆がバラバラになる事も含めて、さ」

    夜長「そだよー…でも、是清の話だと『 いつかは皆でずっと居られるヨ 』って言ってたからアンジーは力を貸したのに…この場が『 強力な霊磁場 』だっただなんて知らなかったんだよ!」

    …この様子だと、夜長ちゃんは全部が全部知っている訳出はないのか。…恐らくすべて知ってるのはーーー

    王馬「オレらをここに巻き込んだ大元の…クロは真宮寺ちゃんだよね?」

    こくん。と夜長ちゃんは頷く。

    夜長「アンジーは『 元の場所に戻る方法 』を是清から聞いておけば…もっと早くに皆を助けられたのかもしれない…どうして…こうなっちゃったんだろー」

    …?『 元の場所に戻る方法 』?
    …つまり、真宮寺ちゃんを探して問い詰めればーーあるいは。
    オレの考えを読み取るように夜長ちゃんが首を振った。

    夜長「…でも、来てわかったんだーここは簡単には学園には戻れない…んだよー」
  102. 102 : : 2017/12/01(金) 04:06:36

    夜長ちゃんは続ける。淡い蝋燭の灯火をぼぅ…と眺めながら。その瞳には生気が感じられない。それほど…気が滅入っているのかそれともーーー

    夜長「アンジー達が普段いる場所から次元が違うのもあるけどー…ここで死んでしまったら、神様の元に向かうわけでも無くてー。かといってユーレイになってこの場所からふよふよ浮くだけでもないんだよ」

    ここで死ねば、と口が重く開く。

    夜長「『 この場所に存在ごと固定されちゃって、死んだ時の痛みが永遠に続く 』…の。しかもーー二度と現世には帰れなくなっちゃうんだよー」

    王馬「は?…マジかよ」

    夜長「アンジーは小吉と違って嘘は言わないよー!ホントだよ?」

    …かなーりオカルトチックな話になってきたよね。
    冷静に情報を整理すると、夜長ちゃんが知る限り…『 元に帰る方法 』が確実にある事、それから『 死んだらアウト 』って事か。
    ま、そもそも死んだら何もかも無駄ってのは普段の日常と変わらないか。

    …かなりハードなゲームだよね。無理ゲーに近くないか?この情報は少なくとも皆が知っていれば対策が講じえたかもしれないけどーーー夜長ちゃんの様子を見るに全てを知った状態でここに来た訳じゃないみたいだし。手っ取り早くは…真宮寺ちゃん、か。

    考えても行動しないとなにも進まないよね。
    だからといってここで、時間を無駄には出来ないし。

    王馬「それなら、真宮寺ちゃんを問い詰める他ないけどさ、オレらの次元には居ないんだよね…」

    どうすればーーー

    ん?

    あの方法なら伝えられるかもしれないな。
    リスクはあるかもしれないけど、真宮寺ちゃんが見なければ良いだけの事。まあ、みて発狂したら同じ空間に居る他のクラスメイトたちにはあったら『 御愁傷様 』と言っておけば良いだろうしね!

    王馬「なら次はーーー」


    情報:(『 夜長アンジー 』と情報を共有しました。でも、まだまだこの場所の事は夜長でもわからない部分があるようです)



    question、>>103番さん。王馬・夜長の行動指定。
    (ある選択肢で進みます)



    1、白銀ちゃんの様子でも見ようかな?
    (3階を調べます)

    2、下の階に行ける教室を見たよ!
    (2階、『 2のA 』を調べます)★調査済

    3、オレらが最初にいた教室に戻ろっか
    (2階、『 1のA 』を調べます)
  103. 103 : : 2017/12/01(金) 06:37:31
  104. 104 : : 2017/12/06(水) 03:00:07

    (>>103番さんお待たせしました…正規の選択肢は3番でした。大分進みます)


    王馬「次は3階に行こうよ!夜長ちゃん!!」

    夜長「小吉、頭でも打ったのかな?…また階段を登らないといけないなんてアンジーつかれちゃうよー」

    ぶーと膨れっ面をしてるけどそれで「 よし、やめよう! 」と言うタイプじゃない事、わかってるでしょ?

    でも…確かに自分で言っていてもなんだか釈然としない。夜長ちゃんの言いたい事も一理ある。つまりはメンドーな訳だけど…気になるのは人間の摂理だし仕方がないよ。
    まあ、…スマートな方法じゃないんだけどね。

    オレの様子に疑惑の顔を浮かべてはいるけど、3階に本来居るであろう白銀ちゃんの様子だって見たい訳だから…白銀ちゃんがここの重大な『 鍵 』を握ってるーーそんな気がするし。あ、コレはオレのヤマカンって奴ね。
    とにかくーー

    王馬「白銀ちゃんが戻ってるかもしれないし、ね」

    にこにこと微笑んで夜長ちゃんの背中を押しつつオレたちは再び3階にへと足を運んだ…あーあ、やりずらいなぁ…
  105. 105 : : 2017/12/06(水) 03:01:02

    何が起こる事もなく3階に辿り着くよ。先ほどまでオレたちが倒れていた場所でもあり、夢野ちゃんと別れてしまった場所でもある。…白銀ちゃんも姿を消しちゃったから静まりかえって不気味感が否めないったらありゃしないっての!!
    辛気臭くて吐き気が…うっーーなーんてね、嘘だよ。

    オレよりも数歩先を行く夜長ちゃんは扉の前で立ち止まったんだよ。そこはーー『 資料室 』?
    開けるのが怖いのかそれもと別の理由があるのかは分からないけど、そこから微動だにしない。普通なら扉を「 バーン 」と豪快に開くであろう夜長ちゃん、が…だけど。

    夜長「つむぎはこの先にいると思うのです…と主はいいました…」

    王馬「なんでわかんのさ?」

    目を閉じて胸元で手を組んだ夜長ちゃんはゆっくりとトーンを落としてオレに訴えた。

    夜長「…小吉。つむぎはもうーー『 死んで 』いるの。この先の部屋はつむぎが死んだ場所。そして」

    死んだ?…どういうことだよ?!だってオレたちはーーー戸惑いを隠してはいるけれど多分夜長ちゃんにはバレバレなのかもしれない…ってか、ここに来てからというものどうもーーー調子が狂う。狂いに狂いまくっていつもよりも「 嘘 」が下手すぎて笑えない。…いや、マジで。

    王馬「は?どういうこと?白銀ちゃんが『 死んでる 』だなんて、笑えない冗談はやめてよー!だってオレたちは」

    夜長ちゃんの言葉の意味が理解できぬままにいたオレに続きを呟いていく。

    夜長「つむぎが『 何者かに乗っ取られた 』場所でもあるんだよー」

    『 乗っ取られた 』…ってなんだよ。じゃあ白銀ちゃんは…

    夜長「アンジーがここを通れるようにしたんだけどなぁ…」

    困った様に首を振り子の要領で左右に振ってる。夜長ちゃんの普段の癖だねー。ああ、ここに来てもそのノー天気と言うか天真爛漫?は変わらないのか。
    それはーー既に『 天神小学校 』とやらを知っていた…から来るのかそれとも、オレと同じで「 取り繕ってる 」だけなのか。

    きょとんとしているオレをニコニコと見ると「 小吉にも分かるように説明するのだー! 」と手を伸ばした。
    ーーすると何かに弾かれたように『 バチバチィ 』と電気の流れる音がしていた。へぇ…入れないんだ?

    王馬「鍵は掛かってないでしょ?…ま、まさかーー夜長ちゃんのパフォーマンス?!」

    …違うよー、と睨まれて言われちゃったから違うんだろう。声色、仕草からして疑いの余地は一切無いね。
    じゃあ、無駄足ってことだよね。

    夜長「つむぎの事が心配だけどー無理やりコレを破るのは出来ないんだよねーにゃはは…」

    王馬「破るって?」

    んーそれはねー、と指を頬に当てて天井を見た。

    夜長「アンジーの力が…弱いから難しいのです…ここは通れるようになったら進むべき…と神様はいってるよー?」

    …成る程。よく分からないけど、今はこれ以上の詮索はしない方が良いってこと?…今はそれよりも優先すべき事があるって訳ね。

    王馬「なら、仕方ないねー」

    オレと夜長ちゃんは踵を返して本来の目的でもある『 1のA 』に行く事にした。
  106. 106 : : 2017/12/06(水) 03:41:42

    王馬「ーーで、ここにオレたちが最初居たんだ」

    本当色々あったけどやっと進んだ様な気がする。『 1のA 』の教室の前に来るまでに簡単に説明した。…夜長ちゃん本人がそれを分かったのかは勿論不明だけど。オレとしては、かなーり親切に噛み砕いたんだし分かってくれないと困る…ん?別に困らないか。

    夜長「ここの教室は安全みたいだから秘密子が最初の地点がここで良かったのだ!」

    王馬「まあ、あのアジちゃんだから、運だけは良いのかもねー」

    がらがら…今まで開けたどの扉よりも軽い力でスライドする扉の敷居を跨ぐ訳だよね!


    教室内はアレから変わらずに佇んでいた。…ま、変わってたらある種のホラーだよね!
    さて、…まずは…と。
    軽い足取りで教壇を上り教卓に書かれた文字に差異が無いかを確認する。…まあ、東条ちゃんからのメッセージは期待出来ないのは重々承知だけどさ。
    ひとつ確かめたい事もあったからね。

    王馬「…あーやっぱり」

    …オレの書いた文字の隣に何が書いてある。…薄すぎてかろうじで断片しか読めないけど名前の部分はハッキリとしていたから『 誰が書いたのか 』は推察できる。

    …ってかこんな事を考えてんだなんてオレって『 超高校級の探偵 』を名乗れるかもね!

    王馬「(赤松よりってことは…書いたのは赤松ちゃんか)」

    夜長「およー?小吉どったのー?」

    まあ、考えなくともこういう所に『 印 』を残すのは大体決まってるからね。名前がハッキリしてなくても推測は可能なんだけどねー。
    と、ある程度考えていたら背後からにょきっと夜長ちゃんが顔を出した。

    王馬「さっきもいったけどさ、東条ちゃんに書いた書き置きさー返事があるかどうかを確認してただけなんだよねーだから意味は無いよ?」

    夜長「??…そっかー小吉が言うならアンジーは別に良いんだけどー」

    深くは追求しないらしい、それともーーー聞くのが面倒なのかは分からないけどね。ぼうっと突っ立ってんのが嫌なんだろうね、ぶらぶらと教室内を闊歩し始めた。
    …丁度良いや、この隙にでも書き足しておこうか…オレが書いた文字が違う次元?にも共有できるならーー

    王馬「(書いておくほかないしねー…オレって超親切だよねー♪)」


    情報:(【 次元は違えど共有する事は可能 】を取得しました。…つまり人と人は逢うことが現状難しいですが、『 仕掛け解く・置く・書く』等すると他の次元にも影響が出るみたいです)



    丁度書き終えたのと同時に窓を見ていた夜長ちゃんが首を傾げる。

    夜長「今は何時なんだろうねー?月が出てないから予測つかないよー
    ここじゃ電波なんて『 強力な霊磁場 』だから圏外になっちゃうしー時計もくるっちゃうからね」

    ホラーの定石だよね。時刻が分からないのってさ。
    わかっては居たけどーーこのままだと流石に、ね?『 餓死 』だって考えられるし、なによりーーのんびりと滞在する気は更々無いからね。こんなシケた所早くとんずらしたいよ!

    その為に動ける内に行動を起こさないといけないんだけどさ。

    王馬「じゃあ、とりあえずここに来た本当の目的を紹介しないとね!」
  107. 107 : : 2017/12/09(土) 00:53:06

    スタスタと本来の目的でもある戸棚の元へと進む。夜長ちゃんも気になったのか、お下げを揺らして付いてきた。

    夜長「小吉…そこにある戸棚に何かあるの?」

    王馬「…まあね、夜長ちゃん少し離れててーー危ないよ」

    夜長「??分かったのだー」

    オレの一言で疑問符をつけたままの夜長ちゃんは素直にオレからある程度の距離をおいた。

    …ホントは戸棚じゃなくてそこから奥の方なんだけどさ。目的でもある、戸棚に隠された形で佇む扉を、さっき見つけた『 バール的なもの 』で壊せばーーいいんじゃない?
    夢野ちゃんが言ってたけどこの先にはどうやら部屋があるみたいだからやる価値はあると思うしね。

    何をするのだ?、と言う言葉を呟いたのが聞こえたけどお構い無し。無視する形で戸棚の裏に向かってーー思いっきり『 バールみたいなやつ 』を振り下ろした。

    頑丈に通せんぼしていた木の板を『 バールの…以下略 』で破壊する。思ったよりも簡単にボロボロになっていくのは恐らく劣化によって木が腐っていたのかもしれない。…人の手だけではもちろんーー難しいけどさ。

    完全に塞いでいた板が破壊され、扉が現わになる。そこで『 バール的なもの 』を床に放り投げると落とした場所の床が脆かったのかもね。そのまま床に穴を開けてそのまま落ちていった…あららー


    ▼ 【 バールのようなもの 】を失いました… ▼


    夜長「にゃははー小吉はゴーインだねー」

    落ちていった『 バールの様なやつ 』を見送った夜長ちゃんが誉めてんのか誉めていないのかよく分かんない反応をしてる。…ホントに分かりにくい人だよね。

    王馬「…まあ、オレってコソコソするよりは大胆な行動が好きだからねーーと冗談はここまでにして、と」

    扉をゆっくりと動かして…と。ガタついているけど、鍵自体は掛かってないから恐らく劣化のせいだろうか?
    …暫く使われなかった扉が漸く開いたんだ。
    オレと夜長ちゃんはどちらが先に頷いたか分からないけど目を会わせ恐る恐る扉の先に足を踏み入れる…
  108. 108 : : 2017/12/09(土) 00:53:32

    王馬「うっわっ。…暗っ!」

    夜長「埃っぽいねー」

    ケホケホと咳き込む夜長ちゃんを横目にスマホのライト機能を再び使う。…ちょくちょく使用してるからいつかフッとバッテリーが切れてしまったらーーという事は深く考えないようにする。

    …あまり広いとは言えない、か。まあ、もしここが『 教室 』として機能してたなら準備教室ってことかな?使われてたらだけどーーん?

    スマホのある一点に目がとまる。…アレってーーー確か夢野ちゃんが居たときに何処かで見たことがある様な…って惚けるのも程々にして、真面目に白状すると紫色のレバーみたいな装置が埃を被っていた。

    夜長「小吉ーどったのー?」

    王馬「ああ、アレ何処かで見たことがある気がしただけ。夜長ちゃんはどう?」

    …コレは一応確認。夜長ちゃんが合流するまでに同じような装置があれば仕掛けが複数あることの証明になるしね。

    夜長「んー…アンジーは初めて見るけどー?…小吉は見たことあるの?」

    …ああ、この反応からしてコレは知らないな。だったら、答えは単純だ。装置はーー多分『 2か所 』しかーー無い。ま、夜長ちゃんがまだ調べてない所があるとすれば違う可能性もあるけどさ。…と言うことは。

    王馬「アッチとコッチのどっちかが向こう岸に行ける様になるレバーかな?」

    …さながら名探偵だ。最原ちゃんがいたら最原ちゃんが嫉妬どころじゃないかもね。さて、と…

    王馬「ちょっとこれ持ってて、動かしてくるからレバーの所照らしててよ」

    ぽいっとスマホを夜長ちゃんに向けて投げる。…年月が経過してるから簡単には動かないかもしれないよね。舌嘗めずりをして腕を捲ってレバーの近くへと足を運ぶ。

    レバーの取っ手を両手で持ってみると金属の冷たさを感じる。…剥き出しの金属か…手が切れないか心配だけど生憎ハンカチと言う女子必須アイテムを常備していないから怪我したら我慢しよう。…と決め込んでレバーを一気に下げた…
  109. 109 : : 2017/12/09(土) 00:53:53

    王馬「ーーくぅそっ!!」

    レバーを動かすのも一苦労。
    …もっと鍛えるべきだったかな?って思うけどオレみたいな体型の奴がマッチョ…なんて似合わないだろ?…でもまあ、ここから出たら検討しようかな…鍛えるのを。

    予想通りの重たさに足が中に浮いてやっとレバーは動いてくれた…はぁ、はぁ…これならーー動いたでしょっ!

    キリキリ…ガラガラ

    レバーが作動したことでどこからか動く音がしていた。それはーー仕掛けが作動したと言うことがハッキリと分かるぐらいに。

    夜長「…およよー何処か変わったのです…と主はいいました」

    王馬「言わなくても分かるよ。で、次はーー」

    何処が変わったかを調べないと。あわよくば夜長ちゃんが大ジャンプして来たという、夜長ちゃんが最初にいた地点ーーつまりは向こう側に行けると良いんだけどそれだと…オレたちが見た『 もうひとつの装置 』の意味がない。

    そう簡単に行くようなら、オレはやる気を失せるけどね。
    …うっすらと窓から差し込む雨は止まない。けれどお天気雨なのかうっすらと月明かりに照らされている。

    …夢野ちゃんは、東条ちゃんは無事なのかな…?
    と思ったとしてもその月明かりは答えを示してはくれないだろう。

    あーあ。詩人みたいなことを思っちゃったけどもういいや。先に行くしかないね。オレたちはそこから出ることにした。
  110. 110 : : 2017/12/09(土) 00:58:58

    もとの教室に戻った俺らは軽く深呼吸をする。…このくっさい空気を肺にいれるのは得策じゃあないんだけどーーそれぐらいさっきの教室が埃まみれだったんだよ!
    全く、普段からもっと掃除をしといてよ!!オレって喘息とか色々持ってるんだから!…嘘だけど。

    王馬「それにしても辛気くさい空気は抜けきれないよねー!」

    ふぁぁああっと大きく伸びをしたが為に自然と溢れる欠伸。夜長ちゃんはオレの欠伸が移ったのか同じく欠伸をして目の端が心なしか潤んでる気がするよね!!

    欠伸をしたことだし、次の行動先は…

    夜長「次はーーアンジーと再会した1階に行くんだね!」

    王馬「そうだね…夜長ちゃんが飛び越えたあそこの床の変化が無いかを見るのが一番の優先順位ってこと!」

    夜長「おけーおけー。なら早く行こうよ、小吉!」

    王馬「そうだね!」

    …夜長ちゃんはヤマカンで行動している節があると思ってたけどこうして一緒に行動すると視野が広いんだなぁ…と思う。これは夢野ちゃんに見習って欲しいね!

    オレたちは再び下へと降りる階段を目指して教室を飛び出したんだよ…だけどーー

    階段の踊り場…に差し掛かった所でオレたちは青白いそれを確認するんだ。それはーー

    王馬「オレたちを追いかけていた…幽霊?」

    そ。1階がかろうじで見える位置にはうろうろとさまよっている、『 男の子のユーレイ 』が徘徊していたんだ。夜長ちゃんが追っ払ってくれたのに、何事もないようにうろちょろとしているのが見えたので足を止めた。

    夜長「…しつこいなぁ。」

    夜長ちゃんはギリッと奥歯を噛み締めてたけど、なにがあったのかは分からない。そこまでは話してくれなかったしーーどうせ自慢の絵でも見せたんじゃない?

    王馬「…これじゃあ、降りられないじゃんかー!!」

    盛大に吐き出される言葉、ため息。しかし夜長ちゃんがこう切り出した。

    夜長「…目を合わせないで進めば行けるかもしれないよ?」

    王馬「あ、そうかーー」

    夢野ちゃんがいた頃に『 何者かに乗っ取られた 』彼女が言ってたじゃないかーー「 目を合わせるな 」ってね。

    王馬「じゃあ…見つからないように行くんだね…」

    なかなかスリリングじゃない?!

    にやりと口角を上げてオレたちは残りの階段を下りていった……



    accident!! >>111番さん、
    幽霊からの逃走イベントその②
    (秒数安価です)

    ゾロ目、 成功+【 extra story 】追加

    奇数・ または十の位が1,2、 成功

    それ以外、 失敗

  111. 111 : : 2017/12/09(土) 09:57:10
    ふぇぇ
  112. 112 : : 2017/12/11(月) 03:33:02

    (>>111番さん、おめでとうございます。大分進行します
    よ…?)


    階段を慎重に下りていく。夜長ちゃんも流石にこの状況下、オレと同じでふざけたりはしない。階段を下りきって角に隠れるように身を隠す。この時程、身長が低い事に感謝だよねー!

    王馬「(…よっと。…幽霊は、っと…丁度向こうに行ったね)」

    夜長「(タイミングを見計らって一気に進むのだー!)」

    おーと小声で腕を天に突き上げる。つられてつい、冗談を吐き出したくなるけど、ここで大声を出したりして気が付いたら元も子もないよね!…ってことで―――

    王馬「(…まずは幽霊が北側の廊下に行ったタイミングで真っ直ぐ行くよ)」

    夜長「(らいじゃぁー!)」

    足音を出来るだけ立てないで歩みだすよ。床が軋む事もちゃんと配慮しつつ…となるとかなり遅い歩き方になるんだけど、まあ、たまにはいいでしょ?

    っと、余計なことを言っちゃうとバレちゃうから―――あ、やっぱりオレの思った通りだね。
    オレの思った通り、向こう側に続く廊下の穴は塞がってはなかった。…だとしたら、オレと夢野ちゃんが最初にあの徘徊してるユーレイにであった部屋の方…かな?
    あそこも確か床が空いていたからオレの考えが当たってたらあっちの床が塞がっているのかもね。

    夜長「(およー?…ここ穴が開いたままだよー?)」

    王馬「(…簡単に通れちゃったらゲームとしてつまんないでしょ?)」

    訝しげにオレを見た夜長ちゃんに半笑いで答える。
    ま、簡単に進めてくれるなら俺としては大歓迎なんだけどさ。そうなると逆にトントン拍子すぎるから、性格上疑っちゃうんだよなー。

    王馬「(こうなったら、幽霊にバレないように進むしかないよねー北側に、さ)」

    夜長「なんだーまだ行く所があるの?…小吉は勿体ぶっていわないでよ…と主はいいました…」

    王馬「(しっ、…聞こえたら逃げないと行けなくなるからら静かに進むんだから!!)」

    夜長「(わかったよー小吉も飛び越えればイイのにー)」

    …なんてブーブー言っているのを無視して再び北側の牢かを進むことになったのさ。
  113. 113 : : 2017/12/11(月) 03:33:33

    王馬「(…夜長ちゃん、どう?幽霊の気配は?)」

    ギシリ、ギシリとどうしても歩く度に軋む床だったからどうにも出来ない。しまいには夢野ちゃんと通ったときのまま真っ暗だからスマホのライトを最小限つけているので更に進みにくいったらありゃしないんだけど。

    夜長「んーここはユーレイの気配が無いのだー…何処かに消えちゃったのかも?」

    夜長ちゃんが首を傾げながら言うからあまり信用はしたくないけど…これは上手く撒いたってことでいいのかな?
    なら、小声で話す必要性も無いしね。警戒はしつつ、一気に廊下を突き進む事にしたんだよねー…

    夜長「でもでもー秘密子がここを通ったのは辛かったんじゃないかな?」

    ふと、足を止めた夜長ちゃんが呟く。は?どうして―――例え霊的なものを感受しやすいとはいったけどさ。ま、確かにそうかもと思わなくもないけど。

    王馬「どうして?」

    夜長「…ここで死んだひとがずっと叫んでるからねー。死んだ時の断片も頭のなかを飛び交ってるから、耐性の無い秘密子は辛かったと思うよ」

    王馬「…ふうん」

    適当な相槌をしていたら、夜長ちゃんに小突かれた。いたっ。なにするんだよ!

    夜長「だから、秘密子の負担を考えてあげないといけないんだよ?少なくとも小吉はちんちんついてんでしょー」

    …いや、夜長ちゃん。さらっと今行ったけど、普通そこは「 男の子 」って言うべきなんじゃないの?…下ネタをさらりといいのけるこの子のテンションが掴めないんだけど。

    夜長「小吉はもっと、レディに優しくすべき…と神様は思ってるのだー!その為には神様を信じるべきなんだよー」

    王馬「神頼みしたってここから出られるなら神頼みするけどさ、それじゃ何も解決はしないでしょ、冗談はそれまでにして行くよ」

    夜長「小吉がいつになく真面目でアンジーはいやなのだー」

    はいはい、どう思おうが勝手だけど足を止めないでくんない?夜長ちゃんのゆったりした歩数に悪の総統が合わせてんだからさ。
    …とか思ってると何事もなく廊下を抜ける事に成功したんだよねー

    王馬「さて、目的は…こっち」

    夜長「『 4のA 』?ここに何があるの?」

    王馬「ま、行ってみれば分かるよ」

    と、オレたちは『 4のA 』に突入する訳だよねー!
  114. 114 : : 2017/12/11(月) 03:34:04

    夜長「うひょー長細いねー」

    王馬「でしょ?」

    テンプレ味のある感想しか言えなくなっちゃうよね!
    相変わらずながーほそーい利用価値が無いこの教室をひたすらに歩いていく。なにか発見とか特段なかったから割愛するよ?別にいいだろ?

    王馬「―――で、ここの奥にもう一個仕掛けがあってさ、それで」

    夜長「今度はアンジーが行ってくるよ」

    オレの言葉を遮ってズカズカと歩き出した。全く薄暗いからって…それを気にしている様子なんて更々無いのは少しだけ羨ましく思うよ。

    教室の突き当たりまで進んだのか夜長ちゃんが手を振った…どうやらオレのカンは間違いなかったみたいだね。

    夜長「こきちー!あったよー!このレバーを動かせば良いのー?」

    王馬「そ、結構レバー自体が年季があるからお…」

    夜長「…んーよいしょー」

    ガコン、ガラガラガラ…

    あれ?簡単に作動した音がしたけど?どうなってんの?
    まさか、夜長ちゃんはオレの知らない所で力持ちだったの?力持ち洗脳ゴリラだったの?

    疑問が色々あるけど、口に出すより前に夜長ちゃんがこっちに戻ってきたんだ。キョトンとオレの顔を見ているけど、さっきのマジで重かったんだからね!?

    夜長「小吉、意外とすんなり動かせたよ?」

    王馬「そ、そう…?なら良いけど、今度こそ通れるようになってると思うけどね」

    と、とにかくもうこの教室には用は無いし、そそくさとおいとまするよ。…オレって細長い所恐怖症だから早く飛び出したかったんだよねー…

    ん?それも嘘だろって?まあ、そーなるね。
  115. 115 : : 2017/12/11(月) 03:34:32

    王馬「結局、あの幽霊ってなんなのさ?」

    夜長ちゃんならなにか分かるんじゃないかなーと思ってきた道を引き返しながら、片手間に聞いてみる。
    夜長ちゃんはんーと考え込んでから、

    夜長「アンジーにもよく分からないんだよねーあの身長とかからして、小学生だとおもうんだけどー。『  連続児童失踪事件 』の被害者かもしれないのだー」

    王馬「『 連続児童失踪事件 』?」

    聞きなれない言葉に思わず聞き返してしまう。夜長ちゃんはオレは聞き返すとは思ってなかったのか目を丸くしていた。

    夜長「詳しくは是清が話してくれなかったんだけど、ここの場所が出来るキッカケの事件なんだって。ここを創ってるユーレイが被害者って話だった気がするけどー…アンジーには興味が無い話だったから深くは聞いてないの」

    王馬「…ふうん」

    ごめんねー聞いとけばヒントになったかもしれないのに…と残念そうに呟いてたけど、元々夜長ちゃんにはあまり期待はしてないから気にしないんだけどね。

    …まあ、でもここが出来た原因を紐解けば早い段階で出られるかもしれないね。…ならば、やっぱり…

    王馬「真宮寺ちゃんに聞きたいけど、ね」

    ここには居ないのなら難しいね。自力で調べるしかない…か。別に調べるのは嫌いじゃないから良いけど…夜長ちゃんと一緒ってのがねー…

    夜長「…是清に逢う方法はアンジー知らないのだ…違う次元にいるから…」

    だろうね。真宮寺ちゃんから聞く方法は却下っと…とにかく、今は東条ちゃん探ししてたけど、居ないみたいなら行動範囲を広げておくべきだろうね。

    王馬「まあ、調べていくうちに分かると思うし別にいいや」

    ライト持つ係を夜長ちゃんに任せて、オレは腕を後ろで組んで廊下を渡りきった。
  116. 116 : : 2017/12/11(月) 03:35:21

    王馬「やっぱり、今度こそ渡れるようになったね」

    夜長「ほんとだ!アンジーがジャンプしなくてもフツーに渡れるのだ」

    戻ってみると床の穴が塞がっていた。これなら向こう側に渡れちゃうね、あ、そうだ―――向こうに渡る前に何があるのかを聞いておく必要があるよね、確認ってこと。

    王馬「この先にあるのは確か『 保健室 』だっけ?あとは分からないんだよね」

    夜長「そだよーそこでこれを拾ったのー」

    とオレに見せるのは紙切れ…ん?これってオレガさっき見つけたものと同じもので書かれてんな。

    王馬「貸してもらっていい?」

    夜長「いいよーアンジーには興味が無いものなんだよねー」

    ひょいと渡された紙を見てみるとこれまた一言書かれていた。

    王馬「『 私をいじ…めるの? 』ってさっきの続きっぽいね」

    これがどんな意味を持つのか分からないけど一応持っておいた方がいいか。夜長ちゃんに「 これちょうだい 」と聞いてみたら、二つ返事で「 いいよー 」と言ったから持っておくことにするよ。


    ▼ 【 謎のメモ2 】を入手しました… ▼
    説明:(謎のメモ1と同様に短文が書かれています。一体これを書いた人物は何を思って、書いたのでしょうか…?)


    王馬「じゃあ、いこっか」

    夜長「おけー」

    夜長ちゃんから貰ったメモをポケットにしまいこんだら、オレたちは再び歩み出した…

    階段は比較的上りやすい。向こうと違って軋む不愉快な音がしてないからかもね。…手すりもちゃんとあるからこっち側の方が劣化はしてないかも…と思っているうちに2階に到達した。

    到達するや否やオレはポツンと置かれた机に蝋燭の灯火を灯す。…至る所に置いておけばなにか影響があるかもしれないからね。

    夜長「やっぱりーひとのものを盗んじゃダメだよー」

    膨れっ面の夜長ちゃんがこちらを凝視してた。…これは入間ちゃんに頼んだんだからオレのものだってばーと言いたいけど飲み込んで、はぐらかした。

    王馬「それはおいといて、あった方が便利でしょ?…置いておけば他の空間にいるオレの大事なクラスメイトの手助けに、なるかなっ…うぐっ、で思って…さ…」

    わざと、しゃくりあげていってはみたけど、相手が夜長ちゃんだから、無反応におわっちゃったよ。

    あーあ、つまんねー反応だよ、全くさぁ…
  117. 117 : : 2017/12/11(月) 03:35:46

    夜長「…邪魔するの?オマエ」

    白銀?『あら、再び会いましたね。元気そうですね』

    反応が薄かった理由がすぐ分かった。…夜長ちゃんが誰かを睨んでたから。勿論―――相手は分かりきった事。白銀つむぎの身体を借りた何者か、だったからね。

    夜長ちゃんの表情が何処と無く強ばっていたけど反対に白銀ちゃん擬きの人はにこにこと笑みを崩さない、よゆーって表情してるし。

    王馬「―――さっきはよくもやってくれたよね、夢野ちゃんにどうしてあそこまでしたの?」

    オレは出来るだけ普通に装って相手の動向を見ていた。ってか観察だよねーオレのホントの得意分野なんだよねー!
    オレの疑問に顔色崩さずに答えるよ。

    白銀?『あれは致し方ないことです。…それにしても、アンジーさんでしたか?貴女が持っているものに個人的な興味があるんですよ、その『 人形 』のことですよ』

    話を上手く逸らしたか。…白銀ちゃん擬きはオレの方を一切見ないでずっと、夜長ちゃんを見ていた。いや、夜長ちゃんのポケットを見ていたというのが正解かな?

    夜長ちゃんが首を傾げては居たけど少しして思い出したのか、ポケットからあるものを取り出した、それは――――人形の頭?

    夜長「これがどうかしたの?さっきからぶつぶつ…と五月蝿いんだけど、欲しいならあげるよ」

    アンジーの趣味じゃないしねー、と続けるけど、白銀ちゃん擬きは「 いりませんよ 」と首を振った。

    白銀?『 これを使えばなんとかなるかもしれませんよ…たとえば「 連続児童失踪事件 」の犯人の懺悔をその「 その人形 」が代弁しているとしたら 』

    夜長「?」

    また、だ。オレの知らない情報が飛び交ってる。面白くないね、全くさー。…だいたい、その『 人形 』なにも話してないし。

    白銀?『被害者である児童の幽霊を除霊出来るかもしれませんよ?…ここを形成しているのは「連続児童失踪事件」の「 被害者 」なのですから』

    はぁ?!どーいうことだよ?
  118. 118 : : 2017/12/11(月) 03:36:15

    王馬「それって、どういうこと?ここから出たいだけなんだけど、それがどうして『 除霊 』につながるのさ」

    オレの問いかけに「 それもごもっともですね 」と前置きしてから断言した。

    白銀?『 今の状況ではこの場所を縛る力が強すぎて、もし「 脱出 」出来たとしてもまた、この場にもどってしまいます。ちゃんと「 脱出 」すべく、必要なことがいくつかあって、その一つが…「 ここを縛る霊魂 」の「 除霊 」なのですよ 』

    つまり、と続ける。

    白銀?『貴方達も出会ったあの「 男の子の幽霊 」、あの子をこの場所から開放することが必要なんです。それが必要とするのがそのアンジーさんが持っている「 人形 」というわけです』

    夜長「そーなんだ?…でも、どうしてオマエが知ってるの?知ってるならオマエが試せばよかったんじゃないの?」

    ごもっともだ。方法を知ってるならなぜこの人は試さなかったのか、疑問だったんだ。

    白銀?『そうですね…方法の手段を得たのは私が死んでからでしたから…それでは無理でしょう?』

    王馬「なるほど、ね。じゃあさ、この『 人形 』を幽霊に聞かせればいいの?」

    オレの問いかけにまた首を横に振った。…違うのかよ。

    白銀?『それでは不完全でしょう。…「 胴体 」が何処かにあるはずです。それを組み合わせれば威力を発揮するのでは無いのでしょうか?』

    王馬「確かに、頭だけだとなにかいってんのかオレには分からないからねー夜長ちゃんは分かるの?」
  119. 119 : : 2017/12/11(月) 03:37:00

    今度は夜長ちゃんに話を振るよ。すると…夜長ちゃんはうーんと『 人形の頭 』を耳元に寄せる…かなり小さい声なんだね。

    しばらくそのまましてたけど、飽きたのか『 人形の頭 』を耳元から離した。結果はどうだったんだろうか?

    夜長「うーん。ぶつぶつ…しか聞こえないよ…」

    困り顔で言った夜長ちゃんに白銀ちゃん擬きが助言をする。

    白銀?『もしかすると…「 胴体 」の近くに来ると反応があるかもしれませんね、探してみては?』

    夜長「…あまり信用したくないけど、調べてみよっかなー」

    夜長ちゃんは白銀ちゃん擬きを何処か警戒してるみたいだ。オレもあまり信用したくないし、丁度いいか。夢野ちゃんだったら信じちゃうんだろうなとか思ってると夜長が「 じゃあー仕方ないから『 胴体 』探そうよ 」と提案してきた。

    王馬「夜長ちゃんがそこまでしたいならいいけど―――捜すとしたらどこがいいんだろうね?」


    情報:(【 連続児童失踪事件の被害者 】について更新しました…。どうやら王馬達が出くわした幽霊は『 被害者 』のようです。『 被害者 』達を解放しないと、ここからの脱出は不可能ということも追記しておきます)



    question、>>120番さん。王馬・夜長の行動先
    (ある選択肢で進行します)


    1、やっぱりここは3階『 資料室 』じゃない?…遠いけどさ。
    ( 3階、西側の『 資料室 』の周辺を調べます )

    2、手短に『 保健室 』とかにありそうだよねー頭もそこにあったならねー
    ( 2階、東側『 保健室 』を調べます )

    3、今まで行ったことの無い所…があやしいよね。
    ( 2階、東側の保健室より北を新たに調べます )

    4、実は…『 1階 』の何処かにありそうじゃない?
    ( 1階、今まで調べられていない廊下を中心に調べます )

    5、あるとしたら…よく調べなかった『 2のA 』だったりしてね!
    ( 2階、西側『 2のA 』を再度調べます )

  120. 120 : : 2017/12/11(月) 20:57:24
  121. 121 : : 2017/12/11(月) 23:58:18

    (>>120番さん、お待たせしました。…本来のコープス本編なら1階にありましたが…ふふふどうでしょうかね?)


    夜長「ならここまでで調べられなかった所はどうでしょうか?…と主は言いました…」

    まあ…妥当な線じゃないの?
    調べてない…って言うなら、1階をくまなく調べた訳じゃないからそこからが―――いいかな?

    王馬「じゃあ、手っ取り早く調べてさくっと終わらせるべきだよねー…ってことで1階を手始めに調べておくべきだよね?」

    オレの意見に同意してるんだろう。夜長ちゃんはこくこくとその銀髪を揺らしながら頷いた。

    王馬「じゃ、オレたちは行くからね。情報はありがたく受け取っとくよ!」

    来た道を引き返すなんて…全く疲れるったらありゃしないよ。でも、こうしてなにかヒントが得られるとしたら、行くっきゃ無いし。

    あれから黙ったままの白銀ちゃん擬きに別れを告げようとしたときだった。彼女があるものをオレに手渡した。それは黒いA6サイズの手帳だった。

    王馬「?これは…なんかの手帳?」

    白銀?『ええ。ここにはとある記事を纏めたものが、書かれているんです。全てではないようですが、これを読めばこの空間について多少は知ることが出来るのでは――と思いまして』

    にこりと微笑むけど白銀ちゃんの手の温もりは無いから、きっと、白銀ちゃんは…ホントーに…

    王馬「とりあえず、もらっておくよ!」

    夜長ちゃんがオレの裾を珍しく引っ張っているからここまで、のようだね。じゃ、行きますか…

    白銀ちゃん擬きから貰った『 黒い革の手帳 』をぶらぶらとさせながらオレたちは再び1階に戻るよ…


    ▼ 【 黒い革の手帳 】を入手しました… ▼

    情報:(白銀の身体を借りた幽霊から貰った手帳です。A6サイズでどこにでもあるような装丁をしていますが…所々破かれているようです)
  122. 122 : : 2017/12/11(月) 23:58:39

    王馬「『 天神小学校内で起こりし事件の詳細・児童4名 連続誘拐事件 その後
    放課後に行方不明になった、児童4名についての詳細。
    行方不明だって児童達の無惨な姿で発見された。4名の生徒は現場で逮捕された教員の手に握られていた、大きな裁ち切り鋏によって殺されたようだ。4名とも舌を切り取られていたようで職員が一部を所持していた所で現行犯逮捕されたようだ。
    その凄惨さは…一人は下唇から上の部分を粉々に切り取られ……』ってこのページはここまでみたいだねー」

    夜長「断片的にしか情報が無いんだねー」

    階段を下りつつ、白銀ちゃん擬きから貰った『 手帳 』に目を通す…ふうん。これが夜長ちゃんがさっき言ってたこと、ね…ペラペラと他のページをめくってみるけどどれもパットしない情報がつらつらと書かれていた。

    夜長「これが実際に起こったとしたら、大きなニュースになっただろうに…どうしてアンジーたちは知らなかったんだろーね…?」

    王馬「まあ、手帳の紙質と風化具合からしてかなり昔のことっぽいからね。オレたちが生まれる以前の出来事なんだしさ、知らないのも当然かもよ?」

    でも―――こういった話に詳しいひとならオレは一人知ってるけどね。ホントだよ!
    …その人物、真宮寺ちゃんがいたら問い詰めてたかも。なんて思いながら手帳をポケットにしまった。
    それと時を同じくして最後の一段を踏みしめた。1階に戻ってきたのだ。
    先ほどまでの胡散臭さはすっかりなくなっていた。…少しの時でこんなにも変化すんのかよ…と思いつつも警戒を怠らないでおくべきだよね。

    王馬「さて…と1階に来たけどさっきの幽霊がまだ居るかもしれないし、慎重に調べに行くけど…心の準備は平気?…って、信者の夜長ちゃんに言っても無駄だよね!」

    夜長「さぁ、どんど…すすむのです…って神様は思ってるのだ!いこー小吉!」

    オレの忠告をさておき、ずんずんと1階の北側の廊下の方へと勝手に進んじゃったよ…
  123. 123 : : 2017/12/11(月) 23:59:25

    夜長「こっちはさっき来たから別にいいよねー?」

    王馬「そうだね。こっち側に関しては一応調査はしたあとだしあるとすれば―――あの扉の方かな?…なんだか妙に怪しい色してるから近寄りがたいよねー」

    そ。赤い扉がある北東部分についてはあまり調べてはいないし、そこ自体に行くのも初めてだからもしかしてなにかあるかも。
    勝手にずかずかと進んでいく夜長ちゃんの逞しさを夢野ちゃんは見習った方がいい……

    夜長「?小吉なんか拾ったよー?メモ…かな?」

    いつの間にか周辺を調べたのか夜長ちゃんがあるものを拾ってこっちに向かってきたんだ。…忙しない奴だよねー!

    王馬「え?!もう『 胴体 』でも拾ったの?」

    夜長「違うのだーアンジーが持ってたものの続きっぽいねー」

    ぺらりとこっちに見せたのはまたメモ用紙だ。…手帳に使われている紙と全然違うのは明白だ。さっとメモを夜長ちゃんから受け取り…反射的に文面を口にしてしまう。

    王馬「『 酷い事をして…も、 』…段々書いてるひとの精神状態がやばそーだね…こんな元気なことを書くだなんて、さ」

    夜長「この紙にはただならぬ気配を感じるのだー…多分、書いてる人の怨念?的な。…んーアンジーよくわかんないや」

    夜長ちゃんがアヒル顔で困惑してるけど、顔されてるオレのことだって考えて欲しいね!…さてと、冗談もそこそこにしてオレも調べる事にしたよ。


    ▼ 【 謎のメモ3 】を入手しました… ▼

    情報:(ただ一言書かれただけの短い文で構成されています。なにやら『 怨念みたいなもの 』が渦巻いているようですね )



    王馬「あとは?なにか発見はあったの?」

    夜長「こんなに探しても無いなんてここには無いのかもねー」

    王馬「…たはーやっぱりそう思っちゃうよねーオレもどーかんって所だよ、ホントだからね!」

    あれから色々と調べたけど、『 謎のメモ3 』しか見つからなかった。…骨折り損って奴で無駄に体力を消耗しただけになってしまった。
    あーつかれた。こんだけ探しても無いと言うのとは、別のところにあるのかもね。

    王馬「夜長ちゃん、違うとこを調べない?」

    オレからの提案にすんなりと頷いた所をみると、夜長ちゃんも探し物に飽き飽きしてたかもしれないね。



    question、>>124番さん。王馬・夜長の行動先
    (ある選択肢で進行します)


    1、やっぱりここは3階『 資料室 』じゃない?…遠いけどさ。 
    ( 3階、西側の『 資料室 』の周辺を調べます )

    2、手短に『 保健室 』とかにありそうだよねー頭もそこにあったならねー
    ( 2階、東側『 保健室 』を調べます )

    3、今まで行ったことの無い所…があやしいよね。
    ( 2階、東側の保健室より北を新たに調べます )

    4、★調査済み

    5、あるとしたら…よく調べなかった『 2のA 』だったりしてね!
    ( 2階、西側『 2のA 』を再度調べます )
  124. 124 : : 2017/12/13(水) 06:24:58
  125. 125 : : 2017/12/14(木) 19:31:12

    夜長「んーなら、アンジーが最初にいた『 保健室 』はどうかなー?…アンジーが見つけられなかったものが小吉ならわかるかもしれないのだー」

    王馬「夜長ちゃんって意外と抜けてるし、あるかもね。じゃ、『 保健室 』とやらに行こうか!」

    夜長ちゃんの言いたいことは分からなくもないしね。オレたちは1階の調査を終えて再び白銀ちゃん?と出くわした場所の近くに行動することにしたよ。

    階段を上りきるとさっき着けたばっかの入間ちゃんの蝋燭が妖しく淡い灯火を放っていた。普通蝋の溶け具合とかでどれくらい時間が経過したとか分かるものだけど、特製の長持ちする蝋燭からは分からないね。
    あーあ。入間ちゃんもまだまだだよね…、と今は先をルンルンで歩く夜長ちゃんが、目の前の扉の中の入っていったよね。あそこが…『 保健室 』、ね…

    オレもあとを追いかけ『 保健室 』に侵入する…


    保健室はかなりボロボロだった。…いや正直に暴露するとこんな場所の保健室は小綺麗だったら別の恐怖を感じちゃうからいいんだけどね。

    王馬「う、わー。埃がすごい…オレ、喘息が出ちゃう…げほっ」

    夜長「…その割にはげんきそーだね…」

    ちっ、バレたか…まーオレぐらいになると埃を積まんでフードの中にチマチマ入れる遊びが得意なんだよねー。

    と、嘘はこれくらいにして…と。何処にでもありそうな古き良き昭和を代表するくらいの保健室をみてみるか…
  126. 126 : : 2017/12/14(木) 19:31:42

    先ずは…ベッドの下とかよくものがある定石だよね!…パーテーションを隔てたベッドに近づくよ。
    並んだ2台のベッド。そこのシーツはそこまでボロボロじゃないけど、布っ切れのように端が切れてるから時代の経過をまんまと知らしめる。

    王馬「…ベッドの下は…ない、か…」

    四つん這いにしゃがんでベッドと床の隙間をかるーくみてみる。…こんなところには塵に積もった埃ぐらいしかなくてつまんないなぁ…じっと見続けるのも楽しいけど、調べないと背後に立ってる夜長ちゃんに睨まれちゃうから止めておかないと…
    あとで「 6親等まで呪っちゃうよ 」とかガチなトーンで言われちゃうとドン引きだから。

    夜長「んーやっぱりアンジーがいた頃と何も変わってないよ?」

    夜長ちゃんはちょこちょこと周囲をみて何か変化がないのかを確認してるみたいだね。…あとは…目立つとしたら、戸棚?…いかにも怪しい瓶が所狭しと並んでたら誰だでって調べるとは思うけど、調べてみる、か…

    ふらり…と立ち上がるとオレの視線の先が分かったのかつまらなさそうに口を尖らせて立ちはだかった。

    夜長「戸棚はアンジーがしっかりみたよ?…それでも小吉は調べるの?」

    王馬「さっきもいったけど、夜長ちゃんの目は節穴だからねーみないとオレも確証が得ないでしょ?」

    夜長「ぶー…少しはアンジーのことを認めてもいいんだよー?小吉」

    たはー…少しだけトゲのある口調で訴えられても別に気にしないけど、どうも夜長ちゃんは『 戸棚 』をオレが調べる事を避けたいように見えるな…強引に調べることも出来るけど…今は避けておこっかな。

    もしかして、夜長ちゃんが万が一『 異変 』を察知してるのかも知れないしね。
  127. 127 : : 2017/12/14(木) 19:32:13

    戸棚は調べるのを泣く泣く断念してやるよ…と、つぎみるとしたら『 掲示物 』とかかな?
    まあ、こんなところには『 胴体 』があるなんて最初から期待なんて全くしてないから暇潰しに、ね…

    王馬「…保健室っぽい張り紙ばっかと思ってたけど―――」

    夜長「んー?あららー『 したのきりとりかた 』っだってねー舌を切ったら死んじゃうよね」

    なんだよ、コレ?!と叫びたい気持ちをこらえてると呑気な夜長ちゃんがオレの背後からにょきにょきと姿を見せた。

    掲示物のポスターは、不気味な文言で埋め尽くされてたんだよ…はぁ…全くなにしでかしてんのさ。ここは…ヒトゴロシをよしとしてんのかよ…と呆れちゃうよ。

    王馬「くどくどと読まないけど、気味が悪いったらありゃしないよ」

    胡散臭さましましだしな…はぁ、とにかく。他には特段目立つ様なものはあるけど、興味が湧かないし…多分夜長ちゃんがあらかた調べたのも有るんだろうね。机もだるまストーブも変化はないのだーってオレの脇からひょこっと現れては茶々を入れるもんだから調査のしがいがないのが一番かもね。

    王馬「夜長ちゃんがあーだこーだ言ってるから、調べる気が失せちゃったな…ねぇ、もう切り上げない?」

    夜長「…そだねー…神様もここには特段目立つものはなかった、って言ってるよ」

    振り返って、だるまストーブをまじまじと見ていた夜長ちゃんに声を掛けて、保健室からなにも情報を得ないまま、出ていった。


    question、>>128番さん。王馬・夜長の行動先
    (ある選択肢で進行します)


    1、やっぱりここは3階『 資料室 』じゃない?…遠いけどさ。 
    ( 3階、西側の『 資料室 』の周辺を調べます )

    2、★調査済み

    3、今まで行ったことの無い所…があやしいよね。
    ( 2階、東側の保健室より北を新たに調べます )

    4、★調査済み

    5、あるとしたら…よく調べなかった『 2のA 』だったりしてね!
    ( 2階、西側『 2のA 』を再度調べます )
  128. 128 : : 2017/12/15(金) 06:10:01
  129. 129 : : 2017/12/25(月) 00:06:38

    (>>128番さん。遅れてごめんなさい汗
    そして、おめでとうございます。かなり進行します。)

    (あと【 WRONG END  】の一つが消滅しました、残念!)


    どこに行くべきか悩んでる最中、唐突に夜長ちゃんが呟いた。…これは呟くってよりは、思い出したかのようにって言った方が正しい…と思うけどね。

    夜長「そうえばーアンジー、向こう側調べてないよ?」

    王馬「向こう側って?」

    夜長「アッチだよー」

    夜長ちゃんが指を指したのは北側、薄暗い不気味な廊下が真っ直ぐ見えて、奥まで見えない。…けど、延びているから距離は結構あるのかもしれないよ。

    確か…2階はコの字の形に本来はなってんだよな。道中、進めなくて断念したけど…夢野ちゃんが「 この先に東条ちゃんがいる 」って断言してたからね。それを信じる訳でもなくて、まぁ疑っていたけどね。
    そうじゃなくてもいつかは東条ちゃんに再会出来っかな?とか思ってはいた。

    だけどさ、こう状況が変わるとなると…ねぇ…正直、夜長ちゃんにはもっと探索して欲しかった。

    王馬「(…可能性を地道に潰すしかないし、ここは仕方ないか…)」

    夜長「こーきーちー?…どったのー?」

    どうやら調べたくてウズウズしてるひとがいるから、ここは仕方ないね、調べようかな。

    王馬「…OK。夜長ちゃんが調べたいなら何かあるかもね。北側いこっか」

    オレの言葉に夜長ちゃんはやったーと何故か喜んでた。…だったら最初の時点で調べておけばいいのにね…
  130. 130 : : 2017/12/25(月) 00:07:03

    王馬「さて」

    よっこいしょっ、と第一歩目を踏み出した。トコトコと後を夜長ちゃんが珍しく黙ってついてくるのをちらちらと横目で眺めつつ、慎重に先へと進む。

    進むと分かるんだけど、思ったよりも廊下は暗くはない。
    …窓から差し込む、淡い光の粒…多分人魂とか?がちらついてるせいもあるのかもしれないね。雨に紛れてキラキラとしているそれは…不覚にも綺麗だなと思ってしまうのはこの場に慣れた…いや、毒されたせいかもね。

    王馬「(それだけ、オレも夢野ちゃんみたく影響を受けたって…ことか?)」

    さっきまで視えなかった物体が段々と時間経過と共に視えるようになってるのは、嘘として見て見ぬ振りをしてたけど…こんなにも気味悪くなってくるってもんだ。

    夜長「…ここは酷いねー…床が抜けててこれ以上はアッチ側にいけないよ」

    何故かほっそい道をくねくねと進んだのち、開けた先には―――廊下が伸びていたけど…床が殆ど抜けてるから進むことは出来ない。ここの奥が恐らくオレたちが最初に居たであろう『 1のA 』やらの教室がある方向なのかもね。

    王馬「こうなったらさ…夜長ちゃんのスピリチュアルパワーでひとっとび出来ないの?●ーラみたくさぁ!」

    夜長「…アンジーは便利な道具じゃないのだ!」

    ワンテンポ遅れて、オレの冗談を冗談として受け取ったらしい。んもー!と頬を膨らませてこっちを睨んでる。

    王馬「…廊下は進めないみたいだね…あと、あるのは…上にいく階段だね」

    周囲を見回して、特段目立つものが階段しか無いから…そうなったら行くっきゃないよ…ね?
  131. 131 : : 2017/12/25(月) 00:07:48

    ぎしり、ぎしり…

    夢野ちゃんならビビる事間違いなしな軋む音に構うこと無しにずかずかと階段を上がる。夜長ちゃんもあまり怖がらない性格なんだろう。逆に「 にゃははー 」とニコニコして進むもんだから楽しいのかもしれないよね。
    …繊細な神経がなく、楽観的に物事を捉えてるのかも。そうじゃないとマジ夜長ちゃんの存在が恐ろしく感じちゃうし。

    王馬「この先は何があんだろうね…期待はしてないけど良いことがあるといいんだけど…っと、広くはないみたいだねー」

    …確か『 資料室 』とやらだっけ?あそことは違う所に着いたみたいだ。ここ3階は教室が並ぶってよりはこの臭いからして、『 トイレ 』しか無いのかも知れない。…階段を上がりきったこの地点からは壁と一方向に伸びる廊下があるだけ。…調べがいがあるのかないのか?…さてね。

    と、思ってると唐突に夜長ちゃんが呟いた。

    夜長「…聞こえる。誰かが…この先で…呼んでる、誰なの?…呼び出されてるのはアンジーの事?それとも…小吉?」

    王馬「夜長ちゃん?どうかしたの?」

    首を傾げ、どこか遠くを見ている夜長ちゃんはフラフラとオレの言葉を無視すると廊下の方へと姿を消した。消したは誤解を招くから言っておくけど、一方向に伸びる廊下の向こう側に進んだだけだからね。

    王馬「…ってか、夜長ちゃんのあの感じ、夢野ちゃんと同じような感じがしたけど―――大丈夫じゃ無さそうだよね…はぁ、追いかけるか…」

    どこへ向かったのかさっぱりだけど、鼻につくアンモニアを含んだ異臭のする方へと夜長ちゃんを追いかけるように廊下を進んでくよ!
  132. 132 : : 2017/12/25(月) 00:08:18

    夜長ちゃんはすぐ見つかった。…やっぱり廊下がそんなに長くはないみたいで『 トイレ 』しかないんだね。床にシミが転々としていることから、臭いのもとはこの床からだろうね。あーあ。掃除くらいしてよね、あと電気を含んだライフラインをもっと充実させてくれてもいいじゃん。…?それだとホラーの意味がなくなるか、ああ、つまんねーの。

    っと…夜長ちゃんはと…『 男子トイレ 』と書かれたプレートの側、つまりは『 男子トイレ 』扉前に佇んでいた。
    夜長ちゃんの近くに進んで肩を軽くつつこうとしたら、夜長ちゃんはさっきよりフラフラとした足取りでなんも躊躇いもなく『 男子トイレ 』の中に消えていった。

    …普段から躊躇なく男子トイレに入ってくる夜長ちゃんにしてはどうも焦点の合わない瞳をしてたし、一応心配はしておく。オレも扉の先に進むことにしたんだ!


    ぎぃぎぎぎ…

    木製特有の軋む音を響かせ扉を開くと、個室と男子用の便器がそれぞれ3個ずつ設置されてる。その個室の真ん中の前に突っ立ってた。

    夜長「…小吉、急に行動したからビックリしたでしょ?…めんごー」

    王馬「ほんと、そー。ビックリして泣いちゃうよ…うわぁぁぁあぁあ」

    オレのわざととしか言えぬ嘘泣きをしてるけど、夜長ちゃんはあまりにも反応が薄くてある可能性が、ぱっ…と浮かんでしまった。それが当たってくれないことを密かに願うけど…

    夜長「秘密子じゃなくて、本当によかったのだ…」

    王馬「…は?」

    ぽつり、ぽつりと要領を得ない物言いになんだかイライラしてくるよね。…どういうことかなの?とツッこみたいな。

    夜長「ここで、アンジーの大切な誰かが…死んじゃった」
  133. 133 : : 2017/12/25(月) 00:08:44

    夜長ちゃんの言葉は抑揚が全くなくて、次いでに継ぎ足すと普段の独特なイントネーションもとれていて、なんだか気持ち悪!…って顔をしかめつつ、夜長ちゃんの方へと更に近づく。そこである色で視界が多い尽くされた。その色は…黒。どす黒い赤みを帯びた色をしていた。

    王馬「…う、わっ」

    そして、その色はとある形もしていた。
    『 人形の形 』いや、人形ってか誰かが寄りかかっている形をそのままインクをつけて判子みたいに、くっきりとその形が…分かりすぎていて気味が悪い。

    王馬「はぁ…?死体かと思ったのに―――こんなの死体じゃないじゃん、ナニこれ?…個室の中、真っ黒じゃん。焼死したの?…こんな火のない所で―――」

    夜長「…焼死とはちがうみたいだよー?あとは、この『 次元 』でじゃないみたいだよ?だから―――こんな形でしか現れないんだね」

    王馬「…で?夜長ちゃんなら分かるでしょ?誰が…死んだのさ」

    誰なのか?なんて、聞かなくてもなんとなーく分かっちゃうけど、どうしてもそれを誰かに確かめたかった。…答え合わせも兼ねて。暫く黙りを貫いてるから痺れを切らしちゃう。オレって短気も短気だからね!

    夜長「…」

    王馬「…教えて、夜長ちゃん。いいから、大体想像がつくし、誰が死んだのかってさ」

    夜長「…いいの?」

    王馬「そこまでもったいぶるとどうしても聞きたくなっちゃうしねー!」

    すこしの沈黙を経て、軽く頭を横に振ったのちその唇がゆっくりと答えを口にした。


    夜長「……『 魔姫 』だよ…小吉は薄々わかってたんだでしょー…」


    やっぱり…ね。
    春川ちゃんの声がしたときから薄々違和感しか無かったものが一気に晴れたと同時に…『 みんなと帰る 』という選択肢が完全にいや、もうとっくに消えたんだね。
  134. 134 : : 2017/12/25(月) 00:09:08

    夜長「…辛かったねー苦しかったねー…魔姫…ごめんぬ、アンジーが…いれば…」

    王馬「…夜長ちゃん…」

    夜長ちゃんから吐き出される言葉はとても切なかった。
    オレには春川ちゃんがどんな風に死んだのかなんてわからないけど、お祈りをして呟く夜長ちゃんには視えてるのかもしれない。それでも…それでも直視は出来なかった。

    オレは目を伏せたまま黙って踵を返した…

    こんな場面はもう見たくないよ。見ないためには…どうするのか、決まってる。

    王馬「(ここから脱出する方法を探すんだ…っ!!)」

    決意を抱いて、その場を離れる…
    その行き先は―――もうひとつのトイレ…『 女子トイレ 』に向かう。

    きっと、そこにあるはずだよな…

    王馬「なかったら、オレは――――」

    歩む力に自然と勢いがつく…オレってそんなキャラじゃないのにね。はぁ…性格が悪い方に動いてるし。

    くそっ、右親指の爪を噛んでしまう。


    そうこうしてると『 女子トイレ 』の前に到着する。…んーこんな時にしか入れないよね、どこかの誰かが言ってたけど、「 夢の女子便所~♪ 」ってやつかな?

    王馬「…オレは最原ちゃんみたくむっつりじゃないし、性欲は同年代の男子と比べるとあんまりない方だしね~…っと、さて…入りますよー」

    こんな非常事態だし、茶柱ちゃんがいないから誰も怒らないよね、さて。前置きはここまで、でと…

    王馬「蛇が出るかどうかは…オレの運次第かなー…」
  135. 135 : : 2017/12/25(月) 00:09:34

    ぎぎぎ…ぎぎぎ…

    男子トイレより酷い音を立てて開いた扉の先には…男子トイレより少しだけ広い空間だった…

    王馬「…洗面台は…汚いし、水も勿論出るわけないよねー」

    割れたガラスに映るオレの顔は白い。普段から「 色白! 」って言われてるのもすごーく分かるよね…っと見とれてる場合じゃないね。捜すもんを探さないと…

    洗面台の根本をくまなく見る。ここにあるかもしれないしね。なんて考えてると個室の方から…音が微かに…聴こえる?なんだ?

    『 …ゴ……サ… 』

    王馬「…?」

    甲高い女のような声。釣られていくようにふらふらと声の元にと歩み寄る…まるでオレが誘われてるかのように誘われたそれは…手前から4つ目の個室の中から聴こえる…気がする。

    王馬「誰かいるの?」

    『 ゴ……サイ …ワル…イ……ハ…ボク………』

    返事の変わりに聴こえるのは……さっきの言葉の繰り返し。一体どうなってんだ?!

    この先にいるのか?何がいるんだよ……
    自問自答をしながら恐る恐る扉に手を掛け……ゆっくりと開くと……そこには――――
  136. 136 : : 2017/12/25(月) 00:10:10

    王馬「……は?誰も…居ない?」

    きいぃぃ…と簡単に開いた扉の先にはただの個室があるだけだった。和式の便器にトイレットペーパーが転がってるだけのそれだけの空間。不気味に聞こえた声はなんだったのか、と拍子抜けしちゃうよねー

    王馬「なんだよ……なんもいねーじゃん」

    大きな溜め息をついたときだった。

    『 ガシャン 』

    となにかが背後に落ちる音がしたんだ。
    その音にワンテンポ遅れて振り向く……とそこにあったのは……

    王馬「うっ、わー……人形の胴体かよー……脅かさないでよ……ん?…まてよ、これって?」

    『 文化人形の胴体 』が転がってたんだ。これは…オレたちが探してたものじゃないかよ…

    『 ゴ…サイ………ハワルイ……ダ…… 』

    不気味な声とセットでね。


    ▼ 【 文化人形の胴体 】を入手しました… ▼

    情報:(夜長が手にいれたものの胴体部分です。なにやら不気味な声を発してますがこれが―――『 加害者の懺悔 』の一部なのでしょうか?)


    王馬「…最初からここを調べとけばあったんだねー…さてと、夜長ちゃんに報告するかー…」

    と、振り向くと開いたまま立ったはずの個室の扉が閉まっていたのに気がついた。あれー?閉めたっけオレ?

    何故かもう一度調べたい欲に駆られて、つい手を伸ばしそうに――――…



    question、>>137番さん、王馬の好奇心。
    ( 2択です )


    1、扉を開けちゃおっかなー??

    2、やっぱりやーめた!!



  137. 137 : : 2017/12/25(月) 02:03:27
  138. 138 : : 2017/12/25(月) 03:39:42

    (>>137番さん、おめでとうございます!…開けちゃうんですね…うぷぷぷ…)


    がちゃり、糸も容易く開いた扉。オレが無意識に閉じたのかも……とホット胸を撫で下ろしていると、ある違和感に気がついた。

    王馬「…!!な、なんだよっ!?これっ!」

    そ、個室が真っ赤に塗られていたんだ。赤色のペンキをぶちまけたような鮮やかな赤。ぴちゃ……と乾ききってないみたいで、足元を赤く濡らしていくんだ。

    いっぽ、いっぽ、と後退る。反射的に距離を置いたけど…

    王馬「…乾いてないんじゃないっ!!……便器から溢れてんだっ!」

    そ。ペンキの真っ赤な液体の臭いに顔をしかめる…この匂いは…ペンキとは全然違う。鉄の独特な…血の臭いだ。

    便器から溢れだしたのは…血液だったんだよ!…驚くよねー…!いや、マジで驚いてんだけどさ…
    驚いているなかでも「 ゴボッ、ゴボッ 」と不愉快極まりない音を立ててどんどんと溢れ、気が付くと足首まで浸っていた。びちゃびちゃと、オレが動く度に纏わりつくようにねっとりとした液体と血液独特のくっさい臭いが立ち込める。

    王馬「扉は―――閉まんないかっ、だったらここから出るしか回避する方法がないよねー!」

    オレは急いで女子トイレから逃げ出すように扉に向かったけどねっとりとした液体の波が思ったよりも水圧があるのか、扉が開かない、押しても引いてもびくともしないなかで、ようやく動いた頃には、膝まで液体が浸ってた。

    王馬「―――っ!はあっ!」

    とっても情けない声と共に扉をあげると液体が廊下に流れ込んで真っ赤に床が染まると同時に、流れの勢いが増していて危うく滑りそうになるのを踏ん張って堪えたんだよ。

    王馬「っく!なんなんだよぉっ!」

    オレはどくどくと流れる赤黒い液体を眺めてることしか出来なかった…

    『つぎ』

    王馬「あ、夜長ちゃんはへーきなのかな…流れるってことは傾斜が少なくともあるってことだろ?」

    気持ちを落ち着かせて、冷静に状況判断をする。今は…男子トイレに居るであろう夜長ちゃんのことが…どうも気にかかる。別にオレ個人は夜長ちゃんはどーでもいいけど、夢野ちゃんに再開したときに何かあったら突っ込まれんのは間違いなくオレだし。
    また、それによってラリっちゃうのも面倒だしね。

    びちゃ、びちゃ…と膝まで浸かる液体の気持ち悪さを抱えながらオレはその足取りで、男子トイレに向かった。

    王馬「ねっとりしてなかなか進めな…!」

    男子トイレの前にたったとき、異変に気がつく。それは―――男子トイレが入れなくなってたから。閂のようなもので頑丈に釘が打ってあってどうも…出来なかったのだからね!

    王馬「よ、夜長ちゃん!」

    …当然、扉は木製であるからして、隙間からじわぁぁあっと液体が向こう側に染みているのが分かる。このままだと…どうにかしてこの状況を打破しないと…と辺りを見回していた時、ふっとあることを思い出した。

    王馬「(バールを探せば…助けられるかもっ!)」

    どこかに落とした、バールを使えばきっと助けられる、そう思って階段を下りようと階段のある方向に戻る。

    …これがいけなかったんだ。
  139. 139 : : 2017/12/25(月) 03:40:43

    バカでも分かるはず。液体が下にどんどん流れてるってことはつまり、下の階に行けば行くほど液体が流れているってこと、それと液体がねっとりしてることに。

    でも、何故かオレはその時判断が鈍ってたんだ。自分自身を騙しきれなかった。…それが敗因だった。

    階段に到着したオレは下ろうと一歩目を踏み出した瞬間、不幸なことに階段が抜けたのだから。

    王馬「う、わっ!」

    水ならそこの様子がわかったはずなのに、ど、どうして愚かな行為をしてしまったのか…片足が抜けた穴から外れなくて、そのまま、転げ落ちてしまう…

    ガタンっ!、どんっ!

    王馬「いたっ!…ごほっ、うっ……」

    踊り場で止まったオレだったが、転んでしゃがんだ体制なのが悪かった。ねっとりした液体が口のなかに容赦なく入る。ごほっ、けぼっ、と咳き込むけどそれが仇となって変なところに入ってしまう。さらに、息もできなくなるほどどばどばと目の前の階段から流れ込むから苦しくてもがく。

    気持ち悪い。それと、とても苦しくて……息も吐けない。生理的に出る涙もさあっと液体の濁流に飲み込まれ、オレの体が液体に沈む……う、これじゃあ……

    段々と苦しさと共に意識が薄れ……そして……


    ……
    …………

    ……

    た、すけ………




    【 WRONG END(★5) 】:同じ扉を開くことなかれ



    (>>136から再スタートです。更新は後程…)


  140. 140 : : 2017/12/26(火) 01:21:50

    無意識だった。伸ばした手を寸の所で思い止まった。
    …直感的に嫌な予感がしたからだね。

    王馬「…やめておこっと!
    素直に夜長ちゃんのもとに行こうかなー」

    伸ばした手を引っ込めてから人形を握り絞め、軽い足取りでその場から離れたそよ瞬間、背後に何かの気配を感じたんだよ!

    王馬「……?誰も…いない?」

    振り向いたけどなにも居ないのでそのまま、扉から廊下にへと飛び出した。

    …扉をつかんだ瞬間、『 …チッ 』と誰かが舌打ちをした気がしたけど、気にしないよ。どっかの誰かさんとは大違いでいちいち気にしてたら―――ヤバイ展開が待ってそうだしね。

    王馬「夜長ちゃんのお祈り終わったかなー?オレ、大発見したし、しばらくはさぼろーかな?」

    『 人形の胴体 』は、相変わらず持ってるのも躊躇うほど、不気味な声を発したまま。片言にも聞こえる言葉はオレには理解する気もないけど、さ。

    女子トイレから出ると、夜長ちゃんが頬を膨らまして壁に寄りかかってオレを待ってた。…たはー怒ってんの?

    王馬「お祈りは終わったんだね!…あのまま、夢野ちゃんみたいにラリったらどうしようかなー?と思って、もて余した時間を潰すために『 女子トイレ 』に行ってたんだよ!」

    ベラベラと弾丸の様に言葉を吐いていく。夜長ちゃんが、それに過剰に反応はしないのは分かってるし、オレの行動が万が一にも「 そっとしておいた 」ってのがバレなきゃいいんだもん!

    夜長ちゃんはオレの意図をどう読み取るのか―――興味は無きにしもあらず。オレの飄々とした仕草に「 …女の子を一人にするなんて…呪われるよ?小吉 」とドスの聞いた声で返答してたから、なんかあったのかな?

    別にかんけーはないけどね!
  141. 141 : : 2017/12/26(火) 01:22:21

    王馬「あ、そうそう!夜長ちゃん!
    オレさ、世紀の大発見をしたんだよねー!これ、見つけたよ!」

    すさっと夜長ちゃんに見せたのは先程手にいれた『 文化人形の胴体 』だ。先程の剣幕とは打って変わって、普段の表情に戻った夜長ちゃんがおよよー?と興味津々でオレの方へと近寄ってきた。遠目でもわかったんだろうね、ぱあっと表情を明るくしたんだから、さ。

    夜長「小吉さっすがなのだー!…一人で柔軟体操をこんな場面でしちゃってんのかと思って、アンジー怒ってたけど違うみたいだねー」

    はぁ?!……こんな所でやるわけねーしっ!
    勘違いも甚だしいからね!ってかそれどこの肉便器ちゃんのことだよっ!!

    夜長ちゃんはひょいとオレが持っていた胴体をかっさらうと自身が持ってた頭とくっつける。普通なら縫わないと繋がらないはずのそれは『 カチリ 』と小さな音を立てると、完全にくっつき取れなくなっていた。

    夜長「くっついて楽チンなのだー!にゃははー」

    王馬「うっ、わー!怪奇現象始めてみたんだけど、すっげー!!」

    オレたちはそれぞれの反応を示すと完全体となった人形をまじまじと見ていた。

    人形は…昭和臭だだもれの服装をしていた。白いよだれ掛けに真っ赤の半袖ワンピース。赤色の頭巾を被ってて、ちらりと人形の毛がはみ出てるし、所々年期があるみたいでじっくり触るとボロボロと糸屑やら綿が出るんじゃないのかと思える造形。
    ピカソがあまり驚かなさそうなパットしない文化人形。

    大きさは手のひらサイズの鞄とかに着けても問題ないようなどこにでもあるような―――奴だった。

    今更何をじっくり説明してんだか…人並みな感想しか言えぬオレをガツンとしかっておかないとね!

    さて、と…

    王馬「こーして、形にしたけど…これで―――」

    どうなんの?…とはいう前に、オレの耳でもハッキリとそれは話を始めたんだ…
  142. 142 : : 2017/12/26(火) 01:23:08

    『 コ・ド・モ アンナニ… コロス、ナンテ 』

    『 ワ・タ・シ・ハ シ・ョ・ウ・キ デハ・ナカッタ』

    王馬・夜長「「!?」」

    人形の声がハッキリと聞こえる。甲高い女の声かと思えば子供のような幼さが残った声。音量が上下はしてるけど、淡々と紡がれる言葉の羅列にオレと夜長ちゃんは思わず顔を見合わせた。

    『 シ・ナセ…タク・ナ カッタ…』

    『 ワタ・シ・モ コワカッタ… 』

    …独白の様にも聞こえるそれはまだ続く。

    『 ゴ・メン・ナ・サイ 』

    『 ゴ・メン・ナ・サイ… 』

    『 ゴメ・ナ …サイ… 』

    『 ワタ・シ…ハ…ホ・ン ト ウハ・イイ・ヒ ト 』

    『 ゴ・メン・ナ サイ… 』

    『 ゴ メ ン ナサ イ… 』

    『 ゴ・メ・ン ナ・ サ イ 』



    ……

    それ以降ひたすら謝ってばっりの人形に痺れを切らして、口火を切った。

    王馬「…本当のいい人は自分のこと『 いい人 』って言わないよねー!」

    夜長「小吉、しっ!!…んー…あとはコイツ、謝ってばっかなのだー…」

    夜長ちゃんがしっ!と騒ぐオレを黙らせるけどさ、これ以上情報が得られない。ひたすらに謝るだけのつまらない物体と化してたからね!

    …こんなんで、オレたちがたすかんのかよ!!
    と夜長ちゃんから奪った人形を投げようとした手が止まる。

    止めたのは―――当事者のオレやましてや夜長ちゃんでもない。…第三者だ。
    ひんやりと血の気の失せた白い手の先の人物―――それは。

    白銀?『 それであなた方は解放されると思いますよ 』

    またしても、白銀ちゃんの姿をした…何者かだったから。

  143. 143 : : 2017/12/26(火) 01:23:46

    王馬「…っ!?いつの間にいたの…オマエ」

    ぎろりと睨む。白銀ちゃん擬きはオレの表情を見ても動じない。ただ、黙って首を横に振った。

    夜長「アンジーたちは…帰れるんだね。ねぇ、何とか言って!!」

    夜長ちゃんがすがるようにじっと白銀ちゃん擬きを見てる。それを見てかようやくオレから手を離したんだ。

    白銀?『…それは「 保健室 」に行けばわかりますよ…今なら丁度「 彼ら 」が「 保健室 」に入っていくのを見ましたから』

    それだけいうと、くるりと身を翻した。
    …言うだけ言って、何様のつもり?と問い正したいのをこらえて違う事を聞いてみた。

    王馬「…『 人形 』が勝手にほざいてる『 言葉 』で本当にどうにかなんの?」

    そう、聞きたいのはここだ。…今までの彼女?の言い方だとこれはあくまで『 脱出するまでの工程のひとつ 』だろう。ならば…これだけではオレたちが変えれる保証がないのは分かりきった事。

    …確かに『 手段のひとつ 』ならやらない手は無いけど、もしそれが『 間違った手順 』なら――――考えただけでリスクが高過ぎんだよ。割に合わないじゃん!
    こんなん試すのは、ギャンブラーぐらいしかいねぇって!!

    白銀?『随分…見た目と裏腹に、貴方は用心深いのですね。…でも、それがどうなるのかは…分かりません。ダメ元で行うのが、貴方―――王馬くんじゃないのかな?』

    完全におちょくってる目をしてる。それで挑戦的な言葉の毛色に舌打ちをする。

    王馬「―――っ!!お、オマエッ!」

    オレの声も虚しく、クスクスと口元を歪めたまま、白銀ちゃん擬きはそのまま去ってしまった…ちっ。


    夜長「…今は信じてみよ…と主はいいました…アンジーは試すべきだと思うよ、小吉。たとえどうなっても、アンジーは恨まないよー」

    しばらく黙り混んでいた夜長ちゃんが重い口を開いた。
    オレの袖を掴んで呟くのは神様からの信託とやらなのか、それとも―――本心からなのか。…どうかはさっぱりだけど。
    くよくよするのはオレらしくねーし、ここは進むしかないみたいだね。

    王馬「…とんだギャンブラーだね。…でも、それも悪くは…ないか……じゃ、『 保健室 』に行く?」

    夜長「いくのだー!」

    こうしてオレたちは、3階を後にした…
  144. 144 : : 2017/12/26(火) 01:26:52



    …わかってた。

    うすうす、第六感が危険だと警鐘をさっきからならしてたから。

    嫌な予感はすごくしていたんだよ。


    でも、

    このときのオレと夜長ちゃんはこうするしか…前に進む方法が無かったんだ。



    …この先に、絶望が待ってたとしても。




    ▼【 文化人形の懺悔 】を入手しました…▼

    情報:(文化人形の胴体と頭を合わせるとひとりでに語りだしたのは、誰かの謝る声。これを『 幽霊 』たちに聞かせればいいみたいですが…それは『 脱出 』に本当に必要なのでしょうか?)
  145. 145 : : 2017/12/29(金) 01:50:42

    何度目なのか最早数えるのも放棄するくらい上り下りをしている階段を経て、辿り着いたのは…アイツが言ってた、『 保健室 』だ。

    保健室前に到達すると一気に肌寒く感じるのは…オレが風邪を引いてるからかな?…嘘だけど。

    夜長「…この先に、すごく強い力を持った何かがいるんだよー多分、ここの『 主 』だろうねー」

    夜長ちゃんが何かを感じ取ってるみたいだね。ぶつぶつと何かを呟くのはあまり見映えよくないけど、言いたくなっちゃうよ?

    夜長「小吉にはアンジーみたいな体質じゃないからわからないのだー!」

    王馬「はぁ!?夜長ちゃんて、まままさかのエスパーなの!?」

    オレのコメントに夜長ちゃんは口を尖らして、アンジーの事を悪くいってたでしょー!わかるんだもん!とふんっと鼻を鳴らしてた。……どこかのアジみたいな反応に少しだけ引き締めていた気が緩んでしまった。

    王馬「……はぁ。夜長ちゃん、この先に進むの?」

    夜長「アンジーとしては嫌だけどー進むしかないのだー。小吉こそ第六感が働いてるのかなー?」

    王馬「そうかもね。…ずっとたちっぱだと疲れるから行くよ」

    オレの掛け声に無言で頷く。それが合図だった。

    オレは勢いよく地獄への扉を開く…
  146. 146 : : 2017/12/29(金) 01:51:12

    王馬・夜長「「!!??」」

    入るや否や。
    オレたちは想像も絶する様子に目を丸くする。

    そこには、三体の幽霊。オレたちが遭遇した『 男の子の幽霊 』に夜長ちゃんと同じ髪型の片目が無くなった女の子の幽霊。それと、青白い輪郭が一番ぼやけている頭が丸々無くなった幼い女の子の幽霊だ。

    名も知れぬその三体の幽霊が床に転がってた死体をほじくりまわしているからだ。

    残虐極まりない光景に、まだ血飛沫がびちゃびちゃと周囲にある白いパーテーションを初めとした器具に飛び散っている、現実離れした姿だ。

    当然、オレたちがこうしてやって来た事に気がついているはずもなく、背の高い三体の中でも年上なのだろう、片目のない幽霊を中心に裁ち切り鋏を片手にニコニコと不気味な笑みを浮かべて死体の腹の中を切り刻んでいた。


    王馬「…嘘だろ…」

    夜長「…なんで」

    口にするとしたら絶句。言葉さえ上手く発しているのかわからなくなっちゃう。そんな、状態。

    そうとしか言えない状況のなかオレたちは行動を起こそうとしているのだから、正気の沙汰じゃないよね!
    良かったとしたら、死体蹴りをしてる死体が、顔見知りじゃなくて赤の他人だった事。それだけ。

    食い見る様に見ていたらふっと持っていた人形が、ぽつりぽつりとあの独特な声を発し始めたんだ…
  147. 147 : : 2017/12/29(金) 01:51:43

    『 ゴ・メンナサイ…カン…ノ…サ… 』

    『 ワル、カッタ…ゴメ…ンナサイ 』

    王馬「!?」

    夜長「こ、小吉っ!?」

    狂った様に話すのはオレじゃない、この手にしてる―――文化人形だ。人形はぶつぶつと謝罪の言葉を投げ掛けていた。

    『 …だ、れ…? 』

    文化人形に気がついたのか、死体を嬲る、片目の無い女の子がふと手を止めこちらをチラッと見つめた。
    眼窩のない片目がすうっとこちらを睨んでいた。

    今だ、と言わんばかりに、夜長ちゃんがオレの前に立ち塞がり、オレの手にしていた文化人形を奪い取ってそれを幽霊に見せつけた。

    夜長「アンジーは、ユーレイ達の事はわからないよ!
    でも…かんけーの無い人を巻き込むのはもうやめよ…?」

    『 …そ、れは…? 』

    か細い声と共にゆっくりと片目の無い幽霊が夜長ちゃんのもとへと歩みだす。夜長ちゃんはそれに動じないで続ける。

    夜長「…いつまでも現世にとどまるのは…辛いよね?だから、アンジーが助けてあげる。だからっ!…こっちに―――」

    幽霊が人形をまじまじと見ていた。それは近寄る幽霊とは違う他の2体もいつの間にか手を止めて、食い入る様に見ていた。オレは息を飲む。

    夜長ちゃんがどうするのか分からないでも…これならいけるんじゃないか、と思った時だった…

    『 スキ…デ…コロ、シ・タワケ…ジャ、ナイ・ンダ… 』

    タイミング悪く人形が叫ぶようにこういったんだから。

    夜長「!!…何をいってっ!!」

    人形の吐いた言葉に一番驚いてんのはオレじゃなくて、夜長ちゃんだった。驚いて人形を思わず投げ捨ててしまうほど。人形はまるで夜長ちゃんのやった行為に対して嘲笑うかの様にケタケタと不気味な笑みをあげてたんたんだから。

    アイツ…まさか、これを予測してたんじゃっ―――っ!!
    床に死体の側に転がった人形はこちらを愉しそうに見ている気さえしちゃうほどに。


    ▼ 『文化人形』を投げ捨てました… ▼


  148. 148 : : 2017/12/29(金) 01:52:09

    王馬「!?」

    幽霊が三体ともこちらをじっと見ていた。
    先程とは違う…無の表情でさ。

    夜長「ちがう!!…アンジーたちはっ!!」

    …何かを読み取ったのか夜長ちゃんが慌てて幽霊に語りかける。一体、何がどうなってんだよ!!叫びたいのだけど、何故か声も体も動かない。…オレとはちがって夜長ちゃんは動けるみたいで一歩、一歩と幽霊に近寄って叫ぶ。

    夜長「やめて!!…小吉に何をっ!!」

    …は?夜長ちゃんは一体どうかしたんじゃないの?オレはここに―――っ!

    フワッと体が謎の浮遊感に襲われる。
    それは…オレが宙を浮いているって事だ。
    驚いているけど、指はおろか口も瞬きひとつ出来ないほど体が痺れているから反応が出来ないまま、されるがままだ。

    『 …だ、れ?…あ、な……ち 』

    片目の幽霊が呟く。夜長ちゃんはたらりと冷や汗を頬から流していて。オレはそれを見届けることしかできなくて。

    ったく、なかなかつまらない展開だよねぇ!!



    accident!!、>>149番さん。秒数安価です。
    (並びにchapter02最後の安価でございます)


    ゾロ目、結果は内緒だよー?

    偶数、地味に内緒だよ。

    奇数、内緒だよ!


    (…さて、この安価は後々に響くからどうなるのでしょうかねぇ…(笑))
  149. 149 : : 2017/12/29(金) 10:27:19
    はい
  150. 150 : : 2017/12/30(土) 13:11:55

    片目の幽霊と目線が合う。その無い眼窩に引き寄せられるように見てたら、ふっと視界が暗転する。

    王馬「(…ここ、まで…なのかよ…)」

    これまでの人生が走馬灯の様に脳裏をチラつくもんだから、釈然としないまま本能が語ってたんだ。 …ああ、ヤバイな…これ…

    そんな事を思っちゃったりしなかったりしてた。その時、砂嵐の視界がパッと元の景色を取り戻したんだから。
    つまりそれは、オレの視界が完全に真っ暗になる前―――何かが起きたんだという事実を明白にした訳なんだけど…

    王馬「――あたっ!!」

    オレの体の不自由さが解放されて、重力に乗っ取って床に叩きつけられる。

    どさり、と大きな音と共に感覚が、手足の自由が効いていき、上体を起こしたときだった…オレが解放された訳が分かってしまったんだから。

    王馬「…は?…なんで?」

    そこには……


    夜長「…」

    何処からか飛んできたのかわからないけど、右腕からだらだらと血を流して、無言で幽霊を睨んでる…夜長ちゃんが居たんだから。
  151. 151 : : 2017/12/30(土) 13:13:33

    夜長ちゃんはだらだらと腕を伝う血液を止血などせずに、幽霊に向かってなお、語りかけていくようだね。鋭利な何かで深く切り傷がこっちが痛々しくて目を覆いたくなるんだけど。 夜長ちゃんの格好が薄着過ぎるせいもあって、見てくれが悪い。ってか、止血なりなんなりしちゃってよ!Mなのかよ!?

    夜長「…どうして?アンジーたちはここに危害を加えないでただ帰りたいだけなのに…」

    王馬「よ、夜長ちゃん!…っぅ…!」

    床に叩きつけられた衝撃もあって手首を捻挫したのかもしれない。ズキズキと上体を支える右手首が鈍く痛む。…でも、その痛みは夜長ちゃんとはくらべもんにならない事はオレでも分かるよ。

    オレの存在を忘れたかの様に…幽霊たちは夜長ちゃんに注目してた。張り詰めている空気を醸し出しているくせに静かな間が流れている…


    『 …い、やぁ…な…んで… 』

    『 …!! 』

    『 ゴボッ…ゴボッ… 』

    幽霊たちの三者三様の反応にものともせずに両腕を大きく広げた夜長ちゃんは再び声色を柔らかく、諭すように語りかけた。戸惑う幽霊たちを宥めるつもりだね。…なかなかつまらなくないんじゃない?

    夜長「…大丈夫。アンジーが、お祓いしてあげるからねー安心して?…アンジーには神様がついているから、天国にちゃーんとつれていってあげるからねー」

    ニコニコと微笑んでいるんだろうな…と安易に想像できる夜長ちゃんの表情はオレの立ち位置からは見えない。

    あ、これなら、何とかなるかもね。

    王馬「…このまま、神ちゃってよ…夜長ちゃん」

    場面を良くも悪くも見守る事しか出来ないもどかしさを口調に乗せる。手首がズキズキと痛い。体を起こそうとしたけど、何故か動けない。
    …それがとても、もどかしくてイライラする。

    夜長ちゃんがオレの方を頭だけ動かして見る横顔は晴れやかだった。

    夜長「あとは、アンジーにまか」

    王馬「!?」

    …今思えば、それは悟りきった―――表情とも言えただろうね。

    夜長ちゃんの表情が一瞬で歪む。

    それは…

    王馬「夜長ちゃん!?」

    ザグッ、グサリ、という聞きたくもない音と、飛び散る血飛沫で全てが物語ってたんだからね。
  152. 152 : : 2017/12/30(土) 13:14:45

    幽霊たちが先程とは違って、三者ともケタケタと不気味な笑いをしている最中、オレの悲鳴にも似た声が目立つぐらい響いていた。

    王馬「夜長ちゃん!?」

    首元から真っ赤に染まって、髪の毛をも朱に染めつつある…夜長ちゃんは倒れそうになるのを寸でとどまっていた。それが、精一杯であることは誰にでも分かるだろ?

    夜長「…かっ…はっ…」

    夜長ちゃんのつむじからチラリと顔を覗かせているのは…さっきまで幽霊たちが使用していた裁ち切り鋏の銀色の刃先。それが、ずぽりと抜き取られてしまうと丁度夜長ちゃんの首にひとつの空洞を作り上げる。
    つまりは首を貫通しちゃった、訳だけど…

    うっわっ。文字にするとえげつねー

    夜長「…がっ、…ご、ごぼっ」

    ヒューヒューと荒い呼吸をしているせいか激しく肩が上下をしていたんだ。…オレの頬に夜長ちゃんの飛び散った血液が生暖かく残ってた。呼吸をする度に血液が飛び散って、夜長ちゃんの周囲の床を真っ赤に染め上げる。

    凄惨な光景な癖に夜長ちゃんは微笑んでいた。痛いという痛覚がアドレナリンで吹き飛んじゃってンのか、それとも元々のネジが何本か抜けてるのかもね。

    宙を舞う血濡れの鋏が夜長ちゃんを捉えている中で幽霊たちは声をあげている…それでも、夜長ちゃんは逃げることなくたっていた。

    夜長「……あ……」

    ロクに声が出てないのが分かったのか少しだけオレの方を見て、ぽんと肩に触れた。肩に夜長ちゃんの血がつくけどそれよりも、何処からか声が脳内に響く。

    夜長「『…小吉…聞こえるよね?』」
  153. 153 : : 2017/12/30(土) 13:15:37

    王馬「なに?、何がした…」

    オレが引きぎみで呟いた言葉に覆い被さるように語りかける。

    夜長「『…秘密子を…お願いな、のだー…秘、密子は怖がりさんだから、…誰かが、側に、いない…と駄目なんだ…よー』」

    王馬「は?夢野ちゃんはいま居ないんでしょ?…それをどうやって―――」

    夜長「『大丈夫、また小吉は、…秘密子と、逢える。そんな気が、するのだー。アン、ジーには…難し…そうだから…メンゴなのだー…』」

    にこりと微笑む口元からはゴフッと血が吐かれる。真っ赤に染まりながらも何かを必死に訴えかけてて。
    それが、背にも鋏が刺さった事によってだとは気がつくのが一歩遅れた。

    夜長「『…ねえ、アンジーは…まも…れたかな?…』」

    その途切れ途切れの言葉に最悪な事を考えてしまう。いや、それが一番わかっていたのは夜長ちゃん本人なのかもね。段々瞳の色が無くなっていくのがわかる。

    王馬「…夜長ちゃん」

    夜長「『…アンジーには、このくらいしか出来ないや。…本当に…ごめんなさい…』」

    目を閉じてホロリと一粒の涙を流す。…普段泣かないような人が涙をこぼしたんだ。と、同時にオレのポケットに何かが入れられたようで、がちゃりと音が聞こえた。

    それを確認する前に…夜長ちゃんの体がふわりと宙を浮いた。犯人は幽霊たちだ。先程とは違って目付きが怖い…本能的に感じちゃうね!

    最早抗うことが無いまま、夜長ちゃんは――――


    幽霊と共に保健室の扉をぶち破って出ていってしまった。
  154. 154 : : 2017/12/30(土) 14:24:49

    バリン、がしゃん、とド派手な音を響かせて保健室を出ていってしまう。

    そして、ドタドタ…と何かが走る音がしたかと思えば、ぐちょ、バン!と何かが激しくぶつかる音で我に返る。

    王馬「…なにが、何が起きたんだよ!!」

    何が起こったのかだなんて、何にも分からない。ただ、肩に残る僅かな温もりと、夜長ちゃんの血の後が現実だと嫌でも頭が理解してた…頬っぺたをつねるけど、無意味だということだろうな。

    いつの間にか掛けられてた金縛りが解かれたようでオレは弾かれたように保健室を飛び出した…


    廊下は先程より薄暗い。…まるで何かが起こった後のような不気味な静けさ。

    ってか、そうそう!…起こった後だったね!

    床を見ると転々と夜長ちゃんの血が道を示してる。ついてこい、といわんばかりの分かり易い罠。
    だけど、吸い寄せられる様に血を追いかける。…足取りは重いし空気も何だかどんよりと澱んじゃってんの。

    王馬「…ってかとっても暗いんだけど―――」

    進むごとに暗さが増していく。と、同時にくっさい臭いも立ち込める。…おえっと嘔吐くのを我慢しちゃったせいだねー涙がだらだらと流れる。あ、我慢せずとも涙が出ちゃうよね!

    王馬「…ん?」

    ぴちゃり、足元が何かを踏んだみたいだね。気色悪い感触が上履き履いてても分かるんだけど。
    なんだろう…とスマホを取り出して、ライトを床に向かって当てる。ようやくついた明かりが照らすのは…

    王馬「うっ、わっ!…なんだよ、これ…」

    オレが踏んだものは真っ赤な細長い何か。…それはドクドクと生きがいいのかピクピク痙攣していた。と、同時にスマホを色んな所に当てる。スマホのLEDのライトが生々しい赤黒いものを捉えていた。

    と、スマホがある一点、突き当たりの壁を捉えた。

    …床ばっかを見ていたから分からなかった。

    そこには。
  155. 155 : : 2017/12/30(土) 14:25:17

    壁にぶち当たった『 何か 』の死体があった。
    それは最早、原型が留めてないほどバラバラに散らばったのは臓物。

    …オレが踏んだのが、その人物の小腸だったと今分かった。


    誰かが分からないのは…違うね。
    頭部がこちらを向いてるから。

    推測もとい断定出ちゃうよ。


    虚ろな瞳を向けた褐色の肌。
    銀色のお下げを散らしてる。


    さっきまで生きていて、オレたちと同行してた―――


    『 夜長アンジー 』の首が転がってたんだからね。



  156. 156 : : 2017/12/30(土) 14:25:54

    王馬「…おい、嘘だろ…」

    気が付いたら声と手が震えていた。…さっきまでニコニコとしていたんだ夜長ちゃんはもう、原型を留めていない無惨な死体になっちゃったんだから。

    ズキリ、と疼くように右手首と足首も痛みがぶり返してきてるけど―――そんなのどうだっていい。

    王馬「なんで、なんでだよぉ!!」

    最早叫ぶ事しか出来ない。…オレが選択肢を間違えたのか?目の前で起きた事が嘘だろ…とか色々な事が浮かんでは脳内を支配している…

    『 …グォォオオアアオォオ…! 』


    …それが、いけなかった。

    ダッダッダッダッ…!!

    咄嗟に行動が出来なかった。

    誰かが、こっちにやって来る音がしていたのに。

    王馬「…っぅ!?」

    気が付いたとき。

    異変に振り向いたときは―――遅かった。


    よく知った顔がオレに向かって、ハンマーみたいたものを振りかざしたんだかね。

    ガツン、と頭に衝撃音。

    吹き出す血に、視界が悪くなって。…上手く立てない。四つん這いになってしまう。じゃり、と床の砂を握りつぶす。と、同時にスマホを手離しちゃう。

    酷く痛む頭を咄嗟に押さえようとした手が震えて、上手く触れることさえ出来ない。痛みに、顔をしかめ、ソイツを睨む。が、その力さえ生み出せずに漏れる声は…か細い。

    王馬「――――っ、お、…おま…えは…!!」


    王馬「…く……」


    視界が悪くなって、何も見えなくなる。と同時に、意識もズブズブとくらやみに引きずり落とされていく。
    ああ、くそっ、血のせいだ。

    …オレもこのまま――――死んじゃうのかよ?



    ……





    なんで、だよ…

    理、由を、教えて、…くれ…よ……


    なんで、ご……ゴン、太が……オレを……


    殺そうとしてんだよ!!!!




    【 chapter:02 】end


    死亡確定者:02→03 名
    『白銀つむぎ』、『春川魔姫』、『夜長アンジー』




  157. 157 : : 2017/12/30(土) 14:26:53

    (……いかがでしたか?…王馬はどうなったのでしょうかねぇ…)

    (続く【 chapter:03 】に関しましては年明けの01月01日から更新します)

    (支部でも違う視点で進行しておりますのでよかったらそちらもどうぞ…)


    (では、次のストーリーでお会いしましょう……良いお年を!!)


  158. 158 : : 2017/12/30(土) 14:47:36
    お疲れ様でした!
  159. 159 : : 2018/01/01(月) 20:34:06
    お疲れ様です!

    うぅ...続きが気になって仕方ないでござる......
  160. 160 : : 2018/01/02(火) 02:56:20

    (>>158番さん、>>159番さん、ありがとうでござる…)

    (【chapter:3】に関しては、もうすぐ投稿するです…なんてプロットが地に足ついてない状態を整理するのに時間が…すんません、言い訳ですね汗)

    (【chapter:3】を投稿する前にこちらのバットエンドの紹介をしてからスレを立ち上げますよ!)


    【 WRONG END 】リスト


    (★1):『 その後はワカラナイ 』

    内容:夢野同行時に「 男の子の幽霊 」に捕まる事で発生。
    王馬が夢野の手によって殺されたのち、夢野が死んだ王馬と共に埋められるエンド。


    (★2):『これぞホントのバットエンド』

    内容:夜長単独行動時に「 男の子の幽霊 」を除霊出来ずに失敗する事で発生。
    意識を取り戻した夜長が、既に死んだ状態の王馬、夢野と共に埋められるエンド。


    (★3):『 犠牲者の手紙 part02 』

    内容:【 謎のメモ 】を1~5全て読む事で発生。
    前のナンバーの文字を読むと次のメモが現れる。
    夜長が王馬を食べちゃうエンド。
    【 謎のメモ 】のある場所
    1「1階、御札の貼られた扉前」
    2「 2階、保健室 」
    3「 1階、赤い扉の前 」
    4「2階、1のA」
    5「3階、男子トイレ」


    (★4):『 二兎追うものはなにも得ず 』

    内容:夢野離脱時に王馬一人で2階、1のAに向かうと発生。
    正気に戻った夢野が玄関から戻るタイミングでレバーの仕掛けが作動してピアノ線で体を裂かれて死亡。王馬が夢野の遺体発見後、王馬もまた何者かによって惨殺される。


    (★5):『 同じ扉開くことなかれ 』

    内容:【 人形の胴体 】発見イベント後に扉を開くと発生。
    扉から大量の液体(血液もろもろ)が流れ出し逃げるなかで溺死する。


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著者情報
bashikosama

飛んで火にいるばし子さん

@bashikosama

この作品はシリーズ作品です

【V3×コープス】真宮寺「これは…」 夜長「天神小学校…?」 シリーズ

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