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メガネ兵長!2 〜エピソード:リコ
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- 1 : 2014/01/19(日) 03:06:33 :
- いよいよ進撃を代表するメガネっ娘の登場ですにゃ!
メガネ兵長にメガネ班長とか楽しくならないわけがないよね、ね!!
(…あれ、なんで自分でハードルだだ上げてんだろ?)
通常通りのまたーり運行ですが、最後までお付き合いいただければ幸いでございます。
それでは、しゅっぱつしんこーう♪
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- 2 : 2014/01/19(日) 03:37:39 :
ートロスト区奪還作戦決行時ー
精鋭兵「班長…ここまでです!」
「もう私達しか残っていない!!」
リコ「〜〜〜…っ!」
「一旦、岩まで退く!!」
…シン ズシン ズシンッ!
リコ「!?」
精鋭兵「リ、リコ班長!」
「あれを、見てください!」
リコ「な…っ、エレン…!!?」
(あと、扉まであともう少し…)
(だが、ここから確認できるだけでも、数体の巨人がエレンに吸い寄せられている…!)
(まずいな…!)ギリッ
「ここはもういい!」
「向こうの応援に向かうぞっ!!」ダッ
精鋭兵「は、はいっ!」
パシュッ
ギュイイイィィーーーーー…
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- 3 : 2014/01/19(日) 03:38:11 :
- 期待っ!
-
- 4 : 2014/01/19(日) 03:39:59 :
- >>3 ありがとーん♪
…が、早速みすったので、修正:(扉まで、あともう少し…)
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- 5 : 2014/01/19(日) 07:20:47 :
- はじめましてこんにちは。メガネ兵長シリーズ待ってました〜〜!
しかもリコさんだなんて、非常に楽しみです(*°ω°*)
支援!
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- 6 : 2014/01/19(日) 13:38:45 :
- 期待してます!
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- 7 : 2014/01/19(日) 22:07:34 :
- submarineさま、7さま 支援&期待、感謝です!!
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- 8 : 2014/01/19(日) 22:30:33 :
精鋭兵「リコ班長!」
「右前方に10m級1体、左前方に3m級1体と8m級1体を確認!」
リコ「くっ」
(突破は、難しいか!?)ギリッ
精鋭兵「班長、指示を!」
リコ(こんなとこで立ち止まってる暇はない…)
(ならば…っ!)ギラッ
「10m級を仕留めて、右方向に迂回路をつくる!」
「左の2体は無視しろ!」
「時間との勝負だ、行くぞ!!」
精鋭兵「了解!」
リコ(…やはり、エレンの吸い寄せられているのか)
(10m級は、まだこちらに気づいてない)
(だとすれば、左の2体もおそらく…)
(いける…!)
バシュッ
ギュイイイィィーーーーーッ
…ザクッ ザクッ
リコ「よし!」
ズドオォォォ…ン……
精鋭兵「や、やった…!」
-
- 9 : 2014/01/19(日) 22:57:12 :
リコ「止まるな!進……」
「なっ!?」
「避けろ!!!」
精鋭兵「え…?」
ガシ…ッ
リコ「そんな、まさか…っ!」
「左の2体がこちらに気づいた…!?」
精鋭兵「う、あぁぁ〜〜〜〜〜っ!!」
「やだっ死にたくないっ」
「放せ、このバケモノッ!!」
「班長!助けて、リコ班長!!!」
リコ「くそっ!!」
(まずい、3m級を仕留めて助けられたとしても、その瞬間、ふたりとも8m級に捕まってしまう確率が高い…!)
(あるいは、彼女を見捨てて…私ひとり…?)
(でも、そんなことできるわけ…)
(せめて、増援さえいれば…)
(…って、なに余計なこと考えているんだ!)
(そうじゃないだろ!)
(しっかりしろ、現実を見るんだ、そして考えろ!!)
(…作戦の本質は、私の使命は、なんだ!?)
(食われそうになっている一兵士を助けることじゃ、ない…)
(エレンを巨人から守り抜くことだろ?)
(だから…)
(すまない…!!)ギュッ
ドシィィーーー…ン……
リコ「え…?」
「ど、うして…8m級が……?」
-
- 10 : 2014/01/19(日) 23:08:04 :
リコ「ハ…ッ!」
「今のうちなら、3m級を仕留められる!」タンッ
ザクッ ザクッ
精鋭兵「う…っ」
「かっは…!!」
「はぁ…はぁ…」
リコ「大丈夫か!?」
精鋭兵「は、はい…なんとか……」
リコ「よかった」ほっ
ヒュイィィーーー…ン…
タシッ
リコ「!?」
リヴァイ「…無事か?」
リコ「あ、あなたは…!?」
「でも、どうして、ここに…!」
リヴァイ「話は後だ」
「とりあえず一旦、建物の上に移動するぞ」
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- 11 : 2014/01/20(月) 00:35:21 :
リコ(な、なんでリヴァイ兵士長が、ここに…?)
(今日は、壁外調査に行ってるハズじゃ…)
リヴァイ「おまえたちは、駐屯兵団の精鋭班だな」
リコ「え、ええ」
リヴァイ「手短に状況を説明してくれ」
リコ「え…っと、」
「巨人化の能力をもつ少年が、今、その能力で以て、超大型巨人に破壊された扉の穴を大岩で塞ごうとしています」
「我々の任務は、あの巨人を他の巨人から護衛することです」
リヴァイ「巨人の、護衛だと…?」
リコ「はい」
「にわかには、信じがたいかもしれませんが…」
「それさえ達成できれば、今回は、我々の…人類の勝利です!」
リヴァイ「…そうか」
「わかった」
「今、やるべきことがそれなら、最善を尽くそう」
「…後方から、また巨人が接近してきている」
「無駄な戦闘は避けろよ、いいな」
「俺は、先に行く」タンッ
リコ「は、はいっ!」
ヒュィーーー…
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- 12 : 2014/01/20(月) 09:07:33 :
- きゃああああ超期待!!(^^)!!(^^)!
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- 13 : 2014/01/20(月) 19:17:26 :
- 期待ぃぃぃ!!!
今まで見たssの中でわりと真面目に一番期待してる(笑)頑張って下さい!!q(^-^q)
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- 14 : 2014/01/25(土) 09:59:53 :
- ベルトルト編とサシャ編待ってます!!!!
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- 15 : 2014/01/25(土) 17:26:13 :
- るーじゅんさま、じゃがミンさま、☆トマト☆さま
コメントありがとです!これから、またーり更新していきますね(・∀・;)←
…サシャ編、だと!?そんなんむしろ私が読みたいです。誰か書いてください。…冗談です、そのうち書きますねww
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- 16 : 2014/01/25(土) 18:40:56 :
リコ「立てるか?」
精鋭兵「は、はい…」ググ…ッ
ガク…ン……!
リコ(…無理もない、か)
精鋭兵「あ…ぁ……」
リコ「すまない」
精鋭兵「…え?」
リコ「さっきは、リヴァイ兵士長が後方の1体を仕留めてくれたから、なんとかなった」
「そうでなければ、私は…」
「この場を、ひとりで離脱するつもりだった」
精鋭兵「リコ、班長…」
リコ「こんな状況だ」
「まず間違いなく、また同じような状況に陥るだろう」
「それも、ほんの数分のうちに、だ」
「そのとき、もう一度助けてやるつもりはない」
「だから、すまないが…」
精鋭兵「ハ…ッ!」
リコ「…時間がない」
「戦えないのなら、ここに置いて行く」
精鋭兵「…ック……」ぶるぶる…
「…って、くだ、さ……」ポタ、ポタ…
リコ「わかった…」
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- 17 : 2014/01/25(土) 20:01:17 :
リコ(馬鹿者……)ギリ…ッ
ヒュィィーーー…
リコ「ハッ!?」
「ミ、ミタビ!…イアン!?」
「地上に降りるなんて、自殺行為……」
(…ちがう!!)
(もう、あれしか……!)ギュッ!
「クソッ!!」タンッ!
「ふっ!」スト…ン……
イアン「リ、リコ!?」
リコ「遅れてすまない、イアン!」
「指示をくれ!!」
イアン「あ、あぁ…!」
「おまえには、エレンを誘導しているミカサたちの援護を頼む!」
リコ「わかった…!」
「…イアン、あなたが指揮官でよかった」タッ
イアン「…!!」
「リコ…!」
(頼んだぞ、リコ…!)
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- 18 : 2014/01/25(土) 20:52:03 :
ダダダダダッ!!
リコ「ク…ッ!」
(扉の前に一匹、邪魔なヤツが…!)
(あいつをどけないと、全てが水の泡になりかねない)
(座り込んじゃいるが、図体はでかいな…13mはありそうだ…)
(…だが、こっちにはミカサもいる!)
(やるしかないッ!!)ギリッ
「視覚を奪って…」パシュッ
「動きを鈍らせてやるッ!」ギュイィィーーーッ
ブシュ…ッ!
ズバ…ッ!!
ミカサ「リ、リコさん…!?」
「ク…ッ!」
「アルミン、エレンをお願い!」
アルミン「ミカサ…!?」
「わ、わかった!!」
ミカサ「削ぐ……ッ!」ギラッ
ズザザザザッ!!
バシュ…ッ
ギュイイィィーーーッ!
リコ(…ミカサ!)
ミカサ「ふっ!」
ザク…ッ
グ、ググ……ズバッ!!
リコ「や…った…!」ハァ…ハァ……
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- 19 : 2014/01/25(土) 21:03:43 :
アルミン「い……」
「いけえぇぇエレン!!」
ドオオオォォォォオオォォォン!!!!
リコ「……」
「皆……」
「死んだ甲斐があったな…」
「人類が、今日…」
パシュゥゥーーー…
「初めて…」
「巨人に、勝ったよ……」
ズシ…ン……
リコ「ハ…ッ!?」
ズシン、ズシン、ズシン…
リコ「ミカサ!」
「残った巨人が来る、壁を登るぞ!!」
ミカサ「エレンを回収した後、離脱します!」
リコ「そうか、あいつ…!
「クッソ…!!」
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- 20 : 2014/01/25(土) 21:15:06 :
アルミン「熱ッ!!」
ミカサ「アルミン!エレンは!?」
アルミン「信じられないくらい高熱だ!」
「急いで壁を登らないと…!」
リコ(何、やってんだよ、あいつら…!)パシュッ
(こんなときに…!!)ギュイイィッ!
アルミン「クッ!体の一部が一体化しかけてる!」
「引っ張っても取れない!」
リコ「切るしかない!」
ミカサ「ま、待って下さい!」
リコ「ふっ!」チャキッ
ブチッ
ミカサ「!!」
アルミン「うわ!!」ドサッ
「う……」バッ
「あ……」
リコ「巨人が…!!」
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- 21 : 2014/01/25(土) 21:17:24 :
ざわざわ… ざわざわ…
(※注:↑スレ主の心の声です。)
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- 22 : 2014/01/25(土) 21:30:13 :
ミカサ「エレン!!」
アルミン「ク…ッ!」
(エレンだけでも、守らないと…!!!)ギュゥ…ッ
ヒュッ……
リコ「え…?」
ドォ ドッ!
ズシン、ズシィン
アルミン「!!」
「ミカサ!?」
「…じゃ、ない……?」
ミカサ「あれは…」
リヴァイ「オイ…ガキ共…」
「これは…どういう状況だ?」
スタ…ンッ
リコ「リヴァイ兵士長!」
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- 23 : 2014/01/25(土) 21:58:40 :
リヴァイ「…おまえは、さっきの?」
リコ「この少年を、早く医療班に…!」
リヴァイ「…ふん」
「ペトラ、リーネ!」
ペトラ・リーネ『はい!!』ストン…
リヴァイ「そこのガキを保護、医療班まで連れてけ」
ペトラ・リーネ『了解です!』タタタ…
リヴァイ「おそらく、今ごろ増援がこちらへ向かっているだろうが…」
「俺たちも、今はこれ以上、人員を割けられねえ」
「おまえらは、自力で本部と合流できるな?」
リコ「は、はい」
リヴァイ「俺らは、この辺の巨人を片付け次第、撤退する」
「上には、そう伝えておいてくれ」
リコ「了解です」
オルオ『兵長、囲まれます!!』
『一旦、退いてください!』
リヴァイ「…集まってきたな」
リコ「あ、あの…!」
「ありがとうございます…ッ!」トンッ
リヴァイ「…敬礼なんかしてる場合じゃねえだろ」
「行け」
リコ「はい!」タ…ッ
タタタッ
パシュッ………
-
- 24 : 2014/01/25(土) 23:39:23 :
ーーー
ーー
ー
ー2日後ー
ー審議所・控え室ー
ギシ…
リヴァイ「ふん……」
(おおよその事の流れは、ピクシス司令の説明で把握したが…)
(エレン・イェーガーとかいうあのガキに接触できなけりゃ、どーにもなんねえ)
(憲兵団め…余計なことしやがって……)
ガチャ…
エルヴィン「ここにいたのか、リヴァイ」
リヴァイ「なんだ」
「接触の許可でも降りたのか、エルヴィン?」
エルヴィン「いや、それはまだなんだが…」
「少し、目に通しておいて欲しいものがあってな」
「これだ」パサ…
リヴァイ「あ?」
「…報告書?」
エルヴィン「ああ、つい先ほど、ピクシス司令の使者がやって来てな」
「ザックレー総統の元にも、もちろん憲兵団の方にも、同じものが届けられるそうだ」
リヴァイ「そうか…」
-
- 25 : 2014/01/26(日) 00:03:16 :
パラ…
リヴァイ(…ちっ)
(メガネがないと読めん…)スチャッ
(…どれどれ)
(文責者名は、リコ・プレツェンスカ、か…)
エルヴィン(…リヴァイのやつめ)
(胸ポケットに直接メガネを入れて持ち歩いているのか)
(レンズにキズがついてしまうだろうに)
(今度、メガネチェーンでもプレゼントしてやるかな…)
「リヴァイ」
「私は、これからピクシス司令を尋ねる」
「小一時間ほどで戻るだろうが…」
「その間に何か動きがあれば、対応を頼む」
リヴァイ「…あっちの本部に行くのか?」
エルヴィン「ん?まあ、近くまでは行くが…」
「それがどうした?」
リヴァイ「なら、ついでに、これを書いたヤツを連れてきてくれ」
「少し、話を聞いてみたい」
エルヴィン「…!」
「わかった」
「ではな」
…バタン
-
- 26 : 2014/01/26(日) 00:49:08 :
ーーー
ーー
ー
パサ…ッ
リヴァイ「なるほど…」
(…よくまとまってるな)
(これを書いたヤツは、物事を客観的に捉えることができるんだろう)
(それも、あの逼迫した状況下で…)
(…そういえば、あの小柄なメガネの兵士は、そんなかんじのやつだったな)
コンコンッ
リヴァイ「…入れ」
リコ『はっ』
ガチャ
リコ「失礼いたします」
リヴァイ「…やはり」
リコ「は?」
リヴァイ「いや、気にするな、こっちの話だ」
リコ「はぁ…」
リヴァイ「突然呼び出して悪かった」
「俺は今、ここを離れるわけにいかねえからな」
リコ「いえ、とんでもありません!」
「むしろ、私の方こそ、あの時のお礼を改めてさせてもらえたらと思っていたところでしたので…」
リヴァイ「そうか、とにかくかけてくれ」
-
- 27 : 2014/01/26(日) 15:27:56 :
- うっ
リヴァイがイケメン過ぎてつらい
-
- 28 : 2014/01/26(日) 21:26:07 :
- るーじゅんさま
いつもコメントありがとう!そこは耐えてwwww
-
- 29 : 2014/01/26(日) 22:10:29 :
リヴァイ「早速なんだが、少し聞きたいことがある」
リコ「はい、なんでしょうか」
リヴァイ「この報告書なんだがな…」ペラ…
(あれ、何ページ目だっけか…?)
(メガネ、メガネっと…)ごそごそ… スチャ…
リコ(へぇ… リヴァイ兵長って、資料読むときはメガネなのか…)
(意外だなぁ……)
リヴァイ「ああ、ここんとこだが…」
「"エレン・イェーガーは、巨人化の直後…"」
「"ミカサ・アッカーマンめがけて3度、拳を振り抜いた"」
「…これは、確かなのか」
リコ「はい」
リヴァイ「この、ミカサ・アッカーマンってのは?」
リコ「今期の訓練兵団主席で、特別に精鋭部隊に配属されました」
「なんでもエレンの幼なじみだとかで…」
リヴァイ「ほう…」
「てぇことは、この時点において、エレンは巨人化の能力を自分で制御しきれてなかった…ってことか?」
リコ「そう言い換えることも可能かと」
リヴァイ「なるほどな…」
-
- 30 : 2014/01/26(日) 23:01:32 :
リヴァイ「なじみの姿形や顔も認識できねえってのか…」
「…!」
リコ「なにか?」
リヴァイ「いや、他にも今回の件に関わる報告書はいくつか目を通したが」
「そういえば、俺の記憶にある限りでは、それに言及したものは1つもなかったはずだ」
リコ「そう…でしょうね」
「私には、全ての報告書にアクセスできる権限はありませんので、よくわかりませんが…」
「おそらく、ミカサはエレンに対して不利になる供述は、しないでしょう」
「…私が、エレンの暴走によって作戦は失敗した、エレンを放棄して撤退すべきだと主張したときの、」
「ミカサの殺気は、尋常ではなかった…」
「あの場の指揮役がイアンでなければ、どうなっていたことが…」
リヴァイ「…そうか」
(イアン… 報告書によれば、あの場で戦死したんだったな)
リコ「…私は、イアンの作戦を続行するという判断には、正直反対でした」
「成功の見込みのほとんどない作戦に、少なくはない命を投入することの意義が、理解できなかった」
「…それでも、」
「結果から言えば、あいつの判断は正しかった」
「あいつの判断こそが、正解だったんですよね」
リヴァイ「…さあ、そいつはどうかな」
-
- 31 : 2014/01/27(月) 04:11:58 :
リコ「え…?」
リヴァイ「そのイアンってやつの判断が、現状を導いたことにかわりはないだろうが」
「だからといって、この現状があるべき正しい姿なのかと訊かれても、俺にはよくわからねえ」
「実際、エレンの処置をめぐって、壁の中がこれだけ対立してるんだからな」
「…つっても、俺も現状を正確に把握してるわけじゃねえが」
リコ「え…っと」
リヴァイ「ふん…」
「そう困った顔をすんじゃねえよ」
「…おまえが主張したとおり、エレンを放棄して撤退したとして、それで守れたものもあっただろう」
「だが、おまえは上の決定に従った」
「良くも悪くも、おまえは優秀な兵士だと俺は思う」
リコ「そ、そんな…」
「ありがとう、ございます…」
(あぁ…)
(リヴァイ兵長って、話してみると、すいぶんとお優しい方なのだな…)
(これも、意外だ……)
リヴァイ「ふん…」
(どっかのクソメガネとは大違いだ)
(あいつもこれくらい殊勝だといいんだがな…)
リコ(自分の言葉でお話しになるというか、歯に衣を着せぬ物言いも嫌じゃない…)
(メガネをかけると一層知的だし、みなの羨望を集めるのも、なんとなくわかる気がするな…)
リヴァイ「この報告書もよく書けている」ペラ…
(…あ、そうだ)
(報告書といえば……)
「もうひとつ、聞いておきたいことがあるんだが…」
リコ「?」
-
- 32 : 2014/01/27(月) 04:42:17 :
リヴァイ「おまえ自身は、エレンの処置をめぐってどう考えている?」
リコ「私の考え…ですか?」
リヴァイ「ああ」
「報告書は、客観的な視点からまとめられているが、この展についての記述が省略されている」
「もちろん、そんなもんがここに記載されてちゃマズいわけだが」
「だから、それを聞くために、わざわざこんなとこまで来てもらったんだ」
「…どう思う?」
リコ「私は…」
「正直、未だにエレンが人類に対する脅威である可能性を払拭しきれない限り、生かしておくべきではないと思います」
「彼なくして、トロスト区奪還がありえなかったことは理解しています」
「それでも、今回、彼が我々に提示した"人間が巨人化する"という事実は、なんというか、あまりに常識を凌駕している…」
「得体のしれないモノへの恐怖を排除したがるのは、人間の性、とでもいいますか」
リヴァイ「そうか…」
(こいつも、なのか…)
(そう思う気持ちはわからねえわけじゃねえんだが…)
リコ「そう、頭では考えているのに…」
リヴァイ「ん…?」
リコ「なのに、もうひとりの自分が、叫ぶんです」
「彼に託せ、と…」
-
- 33 : 2014/01/27(月) 04:56:37 :
- はい。修正です。
×「この展に」→◯「この点に」
-
- 34 : 2014/01/27(月) 05:35:36 :
リコ「…わかりません」
「私はただ、あいつの、イアンの遺志にすがっているだけなのかもしれない」
ーーーイアン『彼は人類にとって貴重な可能性だ』
『簡単に放棄できるものではない』
『悲惨だろ……?』
『報われる保証の無い物のために…』
『虫ケラのように死んでいくだろう』
『これが俺たちにできる戦いだ…』
『俺たちに許された足搔きだ』
リコ「あいつは本当に虫ケラのように死んでしまったけど…」
「だからって、あいつが報われなかったことにだけはしたくない」
「正直、エレンには未だに腹が立つけど…」
「あの子には、やってもらわないと困るんです」
「だから、こんなところで死なれちゃ、あいつらが、報われない…っ」 ギリ…ッ
リヴァイ「…そうだな」
(イアンの遺志、か…) ふっ……
ーーー調査兵『兵…長……』
『オ…オレは……人類の役に…立てた…でしょうか……』
『このまま…何の役にも…立てずに…』
『死ぬのでしょうか…』
…ギュッ!
リヴァイ『おまえは十分に活躍した』
『そして……これからもだ』
『おまえの残した意志が俺に"力"を与える』
『約束しよう、俺は必ず!!巨人を絶滅させる!!』
-
- 35 : 2014/01/27(月) 05:49:34 :
リヴァイ「…リコ」
「おまえの思いは、よくわかった」
「エレンの今後については、調査兵団に任せてくれ」
リコ「…!」
「はい」
リヴァイ「…とは言うものの、現状、どっちに転がってもおかしくはねえ」
「エレンへの面会許可すら、まだ降りてねえくらいだからな」
リコ「そう…なんですか」
リヴァイ「そこで、ひとつ頼まれ事をしてくれないか」
リコ「頼まれ事、ですか?」
「一体、何を…?」
リヴァイ「いや、大したことじゃないんだが…」
「事によると、それがエレンの生死を決めることになるかもな」
リコ「え…?」
ーーー
ーー
ー
-
- 36 : 2014/01/27(月) 06:50:42 :
ー審議所・本法廷ー
ざわざわ… がやがや……
リコ(いよいよ始まる…)
(エレンは、比較的落ち着いているようだな…)
ザックレー「さぁ… 始めようか」
ーーー
ーー
ー
リコ(ここまでは、一進一退の攻防ってところだな…)
(どの派閥も、自分たちの利益ばかり主張して、話になりやしない…)
ザックレー「エレン… 君に質問がある」
エレン「はい」
ザックレー「君はこれまで通り兵士として人類に貢献し」
「"巨人の力"を行使できるのか?」
リコ「…!」
エレン「は…はい できます!」
ザックレー「ほう…!」
「今回の奪還作戦の報告書にはこう書いてある」バサッ
「"巨人化の直後…ミカサ・アッカーマンめがけて3度拳を振り抜いた"と…」
ミカサ「…チッ」
リコ(この態度… 予想通り、ってところだな…)はぁ…
「報告書にウソを書けっていうのか?」
「この事実を隠すことは人類の為にならないんだよ」
-
- 37 : 2014/01/27(月) 07:08:03 :
ザックレー「エレンが襲いかかったのは事実か?」
ミカサ「……」
リコ(…っ、このバカ!!)
(まさか、しらばっくれようってんじゃないだろうな!?)
「ごまかさずに答えないと、エレンの為にならないぞ」
ミカサ「…はい 事実です…」
リコ(……ッ、はぁ… とりあえずは、ってところか?)
ーーー
ーー
ー
エルヴィン「総統… ご提案があります」
「エレンが我々の管理下に置かれた暁には」
「その対策としてリヴァイ兵士長に行動を共にしてもらいます」
「彼ほど腕が立つ者ならいざという時にも対応できます」
ザックレー「ほう… できるのかリヴァイ?」
リヴァイ「殺すことに関して言えば間違いなく」
「問題はむしろその中間が無いことにある…」
「…!」
(…あれが、ミカサとかいうエレンのなじみか?)
(なるほど、まるで追い込まれた猛獣のような殺気だな…)
(あれを抑え込むのは、一苦労だったろう…)チラッ…
(助かったぞ、リコ)
リコ「…!」
(リヴァイ兵長……) ほっ…
-
- 38 : 2014/01/27(月) 07:26:45 :
ーリコの回想ー
リコ「あの…」
「私は、何をすればいいんでしょうか?」
リヴァイ「…そうだな」
「おそらくだが、今後数日内に、エレンの処分如何を決める審議が開かれるだろう」
「そのときになって、そのミカサとやらが、事実に即さない発言をしないよう、見張っていて欲しい」
リコ「ミカサを、見張る…?」
「私が…ですか?」
リヴァイ「ああ、おまえくらいにしか頼めないだろう」
「さっき、エルヴィンがピクシス司令に呼ばれて出てったが…」
「それですら、ギリギリの駆け引きに近い行為だ」
「リコ、おまえが俺たちに協力してくれるなら、少しは事が運びやすくなるかもしれん」
リコ「それは、もちろん構いませんが…」
リヴァイ「難しく考えるな」
「首席だかなんだかしらねえが、そいつは兵士にしちゃあどうも少しひねくれてるようだからな」
「話をこじらされちゃ俺たちが困る」
リコ「…わかりました」
リヴァイ「ああ、頼んだーーー…」
-
- 39 : 2014/01/27(月) 07:49:01 :
ー審議所ー
ザックレー「……決まりだな」
「エレン・イェーガーは調査兵団に託す」
「しかし…次の成果次第では再びここに戻ることになる」
がやがやがやーーー…
リコ(なんとか、なったみたいだな…)ふぅ……
(一時にはどうなることかと肝を冷やしたけれど)
(さすがは、調査兵団というか、リヴァイ兵長というか…)
(演出とはいえ、この衆人環視のなかあんな蹴りを繰り出せるなんて…)
(いや、それ以上に、あの商工会のお偉方に対する物言いも…)
(凄かったな…)
ーー…ツ カツ カツ
リヴァイ「リコ」
リコ「あ、はい!?」ビクッ
リヴァイ「恩に着る」
リコ「い、いえ…」
リヴァイ「じゃあな」 カツ カツ…
リコ「あ、待ってください!」
リヴァイ「…あ?」 くる…
-
- 40 : 2014/01/27(月) 08:07:43 :
リコ(あ、あれ…?)
(私、リヴァイ兵長を引き止めて、何を言うつもりなんだ…?)
リヴァイ「…?」
リコ「ありがとう…ございました……!」
リヴァイ「別に、礼を言われるようなことじゃ…」
リコ「いえ、そうではなく…」
「イアンや他の死んでいったやつらも…」
「少しは報われたのかと思うと、嬉しくて…」
「いや、嬉しいっていうのもおかしいかもしれないですけど、」
「でも、どう言葉にすればいいのかまだよくわからなくて…」
「それで…」
リヴァイ「…ありがとう、か?」
リコ「…」 …コク
リヴァイ「…リコ」 ふっ…
「おまえみたいなやつが壁の中で戦ってるのかと思うと、」
「俺たちにとってもいい刺激になる」
「…また、会おう」
リコ「は、はいっ!!」
カツ カツ カツーーー…
-
- 41 : 2014/01/27(月) 08:30:24 :
リヴァイ(リコ・プレツェンスカ…)
(あいつと話すと、なんとなく気が楽になる)
(死んでった者の意志を背負って戦ってるのは、)
(何も俺だけじゃねえってか…)
エルヴィン「リヴァイ、急げ」
「今後の予定ついて、エレンを交えて早速ー…」
「…って、どうしたんだ?」
「何かいいことでもあったのか?」
リヴァイ「いや、別に…」
カツ カツ カツ……
ーーー
ーー
ー
リコ(…ありがとうございます、なんて)
(咄嗟に口から出て来て、自分でもびっくりしたけど…)
(ああ、私、あんな風に思ってたのか)
(今さら、知ったよ…)
(…足掻いてやろうじゃないの)ギラ…ッ!
(私たちの戦い方でもってさ!)
(犬死はごめんだけど…)
(あんたに恥かかせるような生き方は、もっとごめんだからね!)
ーおしまいー
-
- 42 : 2014/01/27(月) 08:52:40 :
ーおまけー
リコ「ところで、リヴァイ兵長」
リヴァイ「ん?」
リコ「ポケットにメガネを入れておくなんて邪道ですよ、邪道」
「そんなんじゃ、メガネキャラの風上にもおけません」
リヴァイ「え、じゃ、邪道って言われた…」しょぼぼん…
「ていうか、元々、メガネキャラじゃねえし…」
リコ「安いものでもないんですから、きちんと丁寧に扱ってやってください」
リヴァイ「なんだか妙な説得力があるな…」あせあせ
「まあわかっちゃいるんだが、ケースに入れるとジャケットの胸ポケットには納まらねえんだから、しかたねえだろ?」
リコ「なら、メガネチェーンをお使いになってはいかがですか?」
リヴァイ「メガネチェーンかぁ…」
「出来れば、使いたくねえんだよなー」
リコ「これまた、どうして?」
リヴァイ「だって、想像してみろよ」
「スカーフしてて、さらにメガネチェーンってなんかバランス悪くねえか?」
リコ「えぇ…っと……?(想像中。)」
「…!!」
「バランス悪いどころか、む、むしろッ!」
「絶妙なハーモニーを奏でるのではないでしょうか////」
リヴァイ「そ、そうか…?」
ーほんとに、おしまい。ー
-
- 43 : 2014/01/27(月) 09:02:16 :
- なんででしょう…?すごく久しぶりに真面目に書いたような気がします(笑)
はい、だらだらとやって参りましたが、リコ編はこれでおしまいです。
今回は、原作からの引用が異様に多いので、読み飽きてしまわれるんじゃないかなーなんて反省しながら書いてました。
いかがでしたでしょうか?感想をお寄せいただければ幸いです。ペコリ。。
最後までお付き合いくださったあなた様へ。本当にありがとうございました!!
またどこかでお会いしましょー!ばいばーい(・∀・)ノシ めたん
-
- 44 : 2014/01/27(月) 09:31:45 :
- お疲れ様でしたー!
原作とフィクションがうまく織り交ぜられていて、さすがめたんさんだなー上手いなーと感じました☻
スカーフとメガネチェーン…絶妙なハーモニー…わたしもリコさんに一票です。じゅるり。笑
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- 45 : 2014/02/01(土) 12:42:31 :
- 感動した…
イアン大好き人間なので…このSS読んでリコさんが大好きになりやした> <
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- 46 : 2014/02/02(日) 05:03:08 :
- submarineちゃま
最高のお褒めのお言葉だ…!ありがとう、ありがとう!!
ちなみに、私はリコさんに100票です。笑
かなた
自分の書いたssを読んで、そのキャラを好きになったと言ってもらえたときが、ss書いてて一番よかったなーと思う瞬間です。
読んでくれてありがとう。
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