この作品は執筆を終了しています。
ただ盟友のため
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- 1 : 2017/07/19(水) 00:03:56 :
- こちらのサイトでは初の小説(SS?)です。
注意
・非ギャグ
・会話あるのかわからない
・思いつきで書く
これらが許せる方はどうぞ。
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- 2 : 2017/07/19(水) 00:11:49 :
- いつだったか、出会った。
そのとき君は、神様に会いにいこうとしていたんだったかな。
山の上の神様に。
光学迷彩スーツの実験に利用させてもらったことに関して、咎めるどころか「どんどん実験してくれ」なんて言ってたよね。
最初は、とんだ変わり者だな、としか思わなかったさ。
でも、山の上に行くのを阻止しようとして弾幕展開したら、驚いたよ。
今の人間は、こんなに強い者が居るのかと。
当然のように私は負けて、君は山を登っていった。
「君は強い変わり者だね」
呟いて、その日は終えた。
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- 3 : 2017/07/19(水) 00:20:00 :
- 君に出会った翌日、天狗から新聞を受け取った。
その新聞には、一面にデカデカと、君と博麗の巫女が異変解決をしたと載っていた。
「有名人だね、君は」
新聞を置き、川に足をつけていると、なぜか君が来た。
そんなに親しい間柄でもなかったが、河童の技術が発達しているということを耳にして来たと言っていたね。
確か……「最近朝の目覚めが悪いから、何か起こしてくれるものを作ってくれ」と頼まれたんだよな。
盟友である人間の頼みは断れず、時間をセットしておけばその時間に音が鳴って起こしてくれる時計を作って渡したな。
君は新しくおもちゃをもらった幼子のようにキラキラと目を輝かせていた。
あの顔は忘れてないぞ。
「あの純粋な笑顔は、盟友特有かもしれないな」
くすりと笑い、その日を終えた。
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- 4 : 2017/07/19(水) 00:31:52 :
- 翌日、君はまた来た。
今回は何の用かと耳を傾ければ、山を案内してくれと。
私ら河童は山に詳しいわけじゃない、と言えば、がっくりと肩を落としていた。
天狗に頼めばいい、と口走ったときの君の顔はすごかったな。
これでもかというくらいの嫌そうな顔。
言っちゃ失礼だが、可愛らしい顔が台無しになってたぞ。
仕方ないからと知っている限りの場所を案内して、君は満足げに帰っていったな。
しかし、山にはキノコが多いんだな。
キノコを大量に抱えて帰っていったが、飛び去っていっただけでいくつか地面に落ちていたのを見た。
袋か何かに入れておけ。
「君は憎めないバカなのかな」
一人苦笑し、その日を終えた。
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- 5 : 2017/07/19(水) 22:40:03 :
- 一週間ほど空けて、また来たね。
まぁ、一週間来なかった理由なんて知ってるさ。
私もその理由を手伝ってたからね。
こちらからは一方的に地底の様子が見えていたわけだが、やはり当事者の話は面白いものだね。
時折面白おかしく話したりするもんだから、思わず笑っちまったよ。
一緒に巫女も居たようだが、その巫女は確か……あの鴉天狗がサポートしてたのかな?
うっすらと声が聞こえたよ。
君は私なんかでよかったのか問えば君は、「高火力だから私にぴったりだったし、にとりだから」と答えたね。
その言葉は盟友として受け取っておいたよ。
「君は思わせぶりなやつだ」
空を見上げてその日は眠った。
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- 6 : 2017/07/19(水) 22:46:44 :
- 一年間も空けて、君はひょっこり現れた。
異変の解決、魔法の研究に追われて、ここへ来る時間が無かったと。
君は人一倍努力家なようだからね。
ゆっくりと眠れるように、君のためにオルゴールを作ったな。
思わず君を連想するような曲を聴いたことがあったから、その曲を遅くしてオルゴールにしたんだ。
試しに巻くと、聴き終わったときにとても喜んでくれたな。
オルゴールを両手で大切に持って、笑顔で帰っていったのを覚えているよ。
「君の笑顔はとても眩しいね」
その場で目を伏せ、久しぶりに過ごした君との一日を終えた。
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- 7 : 2017/07/21(金) 11:55:55 :
- あれから君は毎日来た。
その中の一日、特に張り切って些か速く箒で飛んできたな。
河童の技術を盗んで魔法に使えないか研究したんだとか言ってたねぇ。
まぁ、それなりの魔法が生まれて、自慢げにお披露目してたっけ。
河童達も目を輝かせてたな、科学と魔法の融合だ〜、なんて。
盛り上がったねぇ。
「君の探索意欲は素晴らしいね」
その場にかすかに残った君の魔力を感じながら静かに眠った。
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- 8 : 2017/07/27(木) 23:35:46 :
- 初めて会ってから、十年ほど経ったかな。
その間にも、君は毎日来た。
時に魔法と科学の融合を自慢して、時に造ったものに目を光らせて。
ぐるぐると巡るように、時間なんかあっという間に過ぎてくんだ。
君は大人になって、初めて出会ったときとは雰囲気も声も姿も着るものも、全部全部変わってしまった。
……嗚呼、唯一変わっていないところがあったね。
魔法への意欲と、科学への興味。
でも、知ってるよ、私。
君の、一番のライバルであり親友の巫女が。
亡くなったこと。
それでも、気丈に振る舞ってる。
それでも、陰った表情は一切見せない。
「……君は、人を騙すのが得意なんだね」
君の無理してることを感じさせない笑顔を思い出しながら眠りについた。
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- 9 : 2017/07/27(木) 23:47:45 :
- それからの異変解決役は、君が担っているんだっけ。
私じゃ何もできやしない、できっこないことを、君は堂々とやってのけてしまう。
私は、君のそんな純粋な強さに惹かれたんだろうなぁ。
……いや、違うか。
強大で誰もが恐れおののく妖にも、怯んだような仕草一つせず挑んでいく、勇敢な背中に憧れたんだ。
「なぁ、君のその勇敢な背中は、誰を見て育ったんだい……?」
すっかり更けた夜空を見上げ、星を端から数える。
こうしていないと、いつか君を忘れてしまいそうだから。
君を忘れる日が来るのが、とても怖い、恐ろしいから。
今日も私は星を数える。
強大な妖の手によって散った、一つの生命を忘れないように、自分への戒めとしても。
__ただ、盟友のために。
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- 10 : 2017/07/27(木) 23:49:38 :
__ 魔理沙、生まれ変わったときにはここへ来てくれよ。
河童総出で歓迎するからさ。 __
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