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朝読書中に…
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- 1 : 2017/01/22(日) 20:46:19 :
- これは私が中学生の時の話です。
━━━やばい。完璧にやばい。
私は現在進行中で走っている。理由は単純で、【遅刻しそう】だからだ。
私(あぁぁ、なんで朝読書なんてものがあるんだ……)
ふと、私は腕時計に目をやる。
━━━8:15
ギリ間に合うだろうか……。
私の中学校には、【朝読書習慣】と言うものがある。それは、活字離れが問題視される現代社会で子供たちにもっと活字に触れさせようとするものだった。
だか、私は小説なんて読まないものだからそんなものは邪魔以外の何でもないのだ……。さらには登校時間は8:30なのに、それは8:20からあると言うではないか。
私(遅刻魔である私にとっては要らなすぎる……ッッ!)
私はなんとか走りきり、自分の席に客席する。
━━━8:20朝読書習慣開始のチャイムが校内に鳴り響いた。
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- 5 : 2017/01/22(日) 21:35:31 :
- ……小説は苦手だか、私にも読める本があった……。それは、宇宙の本だ!
私はそわそわしながら机の中に手を入れた。
宇宙の本(…………。)
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- 7 : 2017/01/22(日) 21:48:38 :
- 宇宙の本(……また今日もこいつと面合わせしねぇと行けねぇのかよ……)
私は机の中に手を入れて、それを取り出す。
私(あぁぁ、なんて素敵な表紙なんだ……ッッ。)
宇宙の本(あぁぁ、なんて不細工な顔なんだ……ッッ。)
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- 10 : 2017/02/26(日) 10:58:19 :
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私(あぁぁ……なんて魅力的過ぎるだ……)
宇宙の本(うわぁ……悲惨過ぎる……ってかまずお前鏡見とけよ……)ゲンナリ
私(太陽系の果て…オールトの雲……外から見てみたいなぁ……)ウットリ
宇宙の本(やめて、近づかないで、キモいわ。……ってかにやつくなァァァァッッ!!!)
私(あ、ドップラー効果って結構身近なんだ……やっぱ面白いわぁ……)フフ
周囲の生徒(((エロ本でも読んでるのかこいつッッ!!)))ゾワッ
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- 14 : 2017/02/26(日) 18:46:21 :
- 私(ウフフフ」フフフッ
周囲の生徒((()))
周囲の生徒(((笑い声がこの世のものではない……ッッ!!)))
宇宙の本(こいつ、もう終わってるわ。)
私(宇宙は~素晴らしい~♪)ウフフフ
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- 15 : 2017/02/28(火) 21:20:41 :
- 私(?!ビッグバンが宇宙の始まりじゃないだと……ッッ?!)〈●〉〈●〉カッ
宇宙の本(……なんか、目見開いて怖いんスけど。)
私(ガモフさん、教えてくれぇぇぇええッッ!!!)〈●〉〈●〉カッ
宇宙の本(だから、怖いって。)
ガモフさん:ビッグバン理論を唱えた人。
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- 17 : 2017/03/20(月) 22:10:52 :
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私(……なるほど……そういうことか……)フムフム
宇宙の本(……お、目がしぼんだか?)
私(インフレーション膨張の【膨張エネルギー】が【熱エネルギー】に変わってそれが『ビッグバン』なんだ…!)(●)(●)クワッ
宇宙の本(…なんだ、気のせいか。)
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- 18 : 2017/03/20(月) 22:40:27 :
- 私(……ッック、ここに来て、粒子とか小難しいのが来やがったな……)┓( ̄∇ ̄;)┏ヤレヤレ
(おまけに朝走って登校したダメージが今になって睡魔と化し、私を襲って来ているだと……ッッ!?)ΘΘ
宇宙の本(なんか、表情だけコイツ忙しいよな。)┓( ̄∇ ̄;)┏ヤレヤレ
私(……ってか、インフラトンってなんだよッッ?!)p(`Д´)q
インフラトン:インフレーション膨張を起こす素粒子
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- 19 : 2017/05/17(水) 22:45:25 :
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私(駄目だ……小難しいことを考えようとしただけで文字が霞んで…み……る…………。)
宇宙の本(やめろ、白目をむくなぁぁぁぁッッ!!怖いわ、恐怖だわ、ってか、死ぬなぁぁぁぁッッ!!!しんでんじゃねぇぇぇええッッッ!!!!!)
━━━もはや、宇宙の本は保護者になった。
私(Zzz……)
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- 20 : 2017/05/19(金) 17:24:14 :
- 宇宙の本(……死んだ?)(゜ω゜)
私「いや、生きてるよ。」
周囲の生徒&宇宙の本(((((?!?!?!)))))
━━━何があったんだ。
━━━何故、心の声が聞こえたんだ。
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- 21 : 2017/07/16(日) 10:19:28 :
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周囲の生徒(((…………あいつ、何なの?!)))
(((独り言だよな…………?)))
宇宙の本(……あっ、また寝やがって……)
私(ぐぉぉおお~……」
周囲の生徒(((また寝たの?!ってかイビキスゲェなッッ!!)))
━━━チャイムがなったのはその時だった。
担任の先生が教室のドアを気怠そうに開けて
「おはようさん、これから朝学活を始めるぞ。」
と言った。その時、挨拶として周囲の生徒は起立をしたのだが、白目をむいてイビキをかいて寝ている私は、当然、起立をしなかった。(全く……起こしてくれたって良いじゃないか。)
担任の先生は、クラスでただ一人起立しない私を見逃さなかった。
━━━その日の宿題の量を倍に増やされることに気付くのは、10秒後のことだった。
完
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