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1日の始まり
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- 1 : 2016/10/08(土) 21:14:17 :
- 朝、目が覚めてゆっくりと起き上がる。
半分程しか空かない目を擦りながら窓からみえる外の景色を確認する。
まだ陽は顔をみせておらず、薄暗い。
壁にかかった時計に目をやると針は5時を示していた。
僕の朝は早い。
自宅から離れたところの高校に通っているため、朝はこれくらいの時間に起きないとゆとりを持って支度が出来ない。
まだ完全に覚めていない目をなんとか開けながら寝間着からゆっくりと制服に着替え、今日必要な荷物をまとめる。
それが済むと荷物を持って部屋を出て階段を下り、顔を洗う。
僕はどんなに寒い真冬でも冷たい水道水で洗うようにしている。
単に、その方が僕は目が覚めやすいからだ。
そして朝食の支度を始める。
僕は基本的に食事はお米派なのだか、忙しい朝はトーストと牛乳1杯で済ませる。
こんがりきつね色に焼きあがったトーストに冷蔵庫から取り出しておいたマーガリンを、焼き面が柔らかくなるまでたっぷり塗るのが僕のお気に入りのスタイル。それを家族は理解してくれない。
まあそれはいいとしてさっと食事を済ませ食器を流しに置き、歯を磨いて靴下を選ぶ。
ふと選ぶ手が止まる。
あれ、今日は体育あったかな?
確認のためスマホで撮っておいた予定表を確認しに、自分の部屋へ戻る。
なぜ体育があるか確認する必要があるのか。
それは僕が運動用の靴下と普段用の靴下を分けているからだけど、なぜなのか。
理由は普段用の靴下で体育をすると汗や熱で靴下の中が蒸れ、不快感を覚えるという単純な理由だからである。
お、今日は体育1時間目か。
分かり次第また下に向かい、運動用靴下を適当に選びそれを履く。
よし、これで大丈夫だ。
これでやっと家を出る支度が済んだ。
カバンを背負い、まだ誰も起きておらず人のいないリビングに
「いってきます」
とだけ言い残して家の鍵と自転車の鍵を握りドアを開け、鍵をしめてカバンにしまう。
自転車は乗り始めて6年目になるボロいが頼りになる相棒である。
鍵を外しスタンドを後ろに蹴り上げまたがり、思いっきりべダルを漕ぐ。
さあ、今日も1日が始まる。
今日はどんなことがあるかな。
ささやかな期待を胸に朝日に照らされた街中を僕は自転車で走る。
おしまい。
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