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  1. 1 : : 2016/09/23(金) 17:24:25

    「あ、流れ星。」

    この天高く聳え立つ山からだと良く見える。
    一面に広がる宝石箱の中で激しく自己主張をする石。
    私はそれがどうしようもなく好きだった。
    そして、同時にどうしようもなく苦手でもある。
    それは昔を思い出すから。
    もうこの場所に来てから何年か経ち、ここでの生活も板についてきたけれど。
    それで想い出が色褪せるかと言うとそうでは無いわけで。
    今でも時々後悔することがある。
    残ればよかったのだと。そのまま普通の人間として天寿を全うすればよかったのだと。
    そんな自分がどうしようもなく嫌で。
    非常識の殻に篭っているだけで、中の私は未だに常識に縛られているのだと、そう思う。

    それほどまでに忘れられないのだ、あの人を。
    それほどまでに忘れたくないのだ、あの日々を。


    ――――私は遠くに行ってしまうけど、心はどこに行っても一緒。

    別れ際の言葉が根を張り芽を出し、どこまでも私の心に常識を植え付けている。

    ――――だから、さようなら。愛しい人。

    かつて私は人並みに生きていた。
    人並みに食べ、人並みに学び、人並みに恋をした。
    それはどこまでも平凡な日常。
    それはどこまでも常識的な世界。
    それがいつまでも続くのだと、そう思っていた。
    幻想の地の存在を教えられるまでは。
    結果として私は非常識を選び、常識を捨てた。ただそれだけのこと。
    それだけのことが、こんなにも苦しい。
    もう戻れない。
    その事実が私の心を酷く締め付ける。

    愛した人と共に流れ星をよく見た。
    私が好きだったから。
    思えば、あの人はいつも私を優先してくれていた。
    そのことを訊ねたら、それで私が幸せならいいと返された。
    そしてまたその日々が愛おしくなってしまう。

    どうしようもなく、私は好きだった。

    どうしようもなく、私は切り捨てた。

    私には私以上に大切なものがあったから。
    だから、これはどうしようもなかったのだと、そう言い聞かせるしかない。
    前に進むしかないのだ。

    どうか、貴方はまた新しい幸せを掴んで―――。

    瞼を閉じ、そう強く想った。


    流れ星が一際強く輝いた。
  2. 2 : : 2016/09/23(金) 17:33:31

    何故彼女を作らないのか、とよく言われる。
    その気になれば作れるのに、と。

    それは僕の気分が乗らないからに他ならない。

    裏切りたくはないのだ。

    ―――誰を?

    分からない。でもそれでいい。

    どうしようもなくそうしていたいから。

    「あ、流れ星。」

    ひどく懐かしい気持ちに襲われる。
    流れ星なんて、大したものじゃないのに。
    それは抜け落ちている"誰か"と関係しているのだろう。

    何故かはわからない、けれど。

    どうしようもなく誰かが愛おしい。

    だからどこまでも追いかけてしまう。

    その誰かは分からない。
    だけど、僕の心はどうしようもなく満たされていて。
    その誰かと心が繋がっているかのように。

    ―――どうか、君は新しい幸せを掴んで。

    瞼を閉じ、そう願った。

    どこの誰とも分からない"君"。
    僕はどうしようもなく忘れられない。
    だから、せめて―――。

    流れ星が一際強く輝いた。
  3. 3 : : 2016/09/23(金) 17:35:06





    幻想郷は全てを受け入れる。

    それはそれは、残酷(素敵)な話ですわ―――――。




  4. 4 : : 2016/09/23(金) 17:38:40
    何が書きたかったのかよくわかりません。
    とりあえずカピバラは可愛い。それは揺るぎない事実。
          n__r 、
         /)・ ェ・)/)
       _ /   ̄ ̄ \
    /         ヽ
    /    ●     ●ヽ
    !          ▼  l
    ヽ_          人  ノ
      ゛゛ーJ――――"

    流れ星見たことないんですよ。
    誰かよく見える場所に連れて行ってくれませんか?

    駄文を読んでいただきありがとうございました。

    蓮メリちゅっちゅ
  5. 5 : : 2017/03/28(火) 02:45:26
    東方知らない人でも読めそうなssですね。素晴らしい。乙でした。

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