他人なんて理解不能
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- 1 : 2016/05/10(火) 23:23:07 :
- この前、上履きが無くなってることに気が付いた。
自分が持ってかえって忘れてるかもしれなかったので、まあ放置。
「せんせー、上履き忘れちゃったかもです」
「お前の忘れ物の癖はなおらないな…ほら、洗って返せよ?」
「すみません…。ありがとうございます、勿論洗いますよー」
正直持って帰った記憶なかったけど、「誰かが盗った」とか言って、間違えてたら恥ずかしいから、ひとまずそういうことにした。
うん、まあそんなこともあるよね。
借りた大きい上履きをカポカポ言わせつつ、私は私の教室に向かう。
いつも通り、いつものように。
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- 2 : 2016/05/10(火) 23:52:28 :
- おはよう、と近くの席の子に挨拶をし、席に着いた。
本をカバンから取り出しつつ、窓の外をちらりとみる。
いい天気だ。雲ひとつ浮かんじゃいない。
日がまぶしく照っているが、やわらかで温かく心地よい。
窓を開けると、風がふわり…と入ってきて、私の頬を撫でていく。
ひんやりした空気は、肺から全身に澄み渡っていき、気持ちよさにほうっと息をついた。
窓の近く、教室の一番奥の後ろ。
ここは私の席で、私の居場所で、私の特等席だ。
私はここで、授業がはじまるまで身を潜めて本を読む。
迷惑をかけないように…とか、そういうことではない。
ただ、話し相手をみつけるのも会話をするのも、朝からやるのは重労働だから。
めんどうくさいし…
アイツラの輪の中に入りたくはないし…
ってことで、私は毎朝ぼっちなわけである。
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- 3 : 2016/05/11(水) 00:25:58 :
- 今日も大して楽しいこともなく、放課後になった。
今日も何もなかったなー
って思いつつ、部室を開ける。
「あ、やっほー!」
「やっほ、美羽。あれ、風邪ひいた?」
最初に声がきこえたのは、同じ部員の美羽だった。
今日もかわいい。見た目じゃないかわいさがにじみ出ていてホントにかわいい。私は彼女が大好きだ。
マスクをしていて、せき込んでたりしてたので、風邪かと思ったのだが、大当たりだったようだ。
お大事に、といって、次に行く。
「…佳奈。やっほー!」
「……」
話しかけたのは、佳奈。
(…今日もダメか)
私と佳奈は、前は仲良くしていたのだが、ある日突然無視をされるようになった。
前から彼女はいじっぱりで、わがままで負けず嫌い、というとっつきにくい性格だった。気にそぐわない発言をすると、ものすごい剣幕で怒られ、たまに殴られることもある。
私はそれでも、笑顔を作り、明るく話しかけ、周りから浮いてしまわないように配慮して接してたのに…。
(どこかで気を損ねること、言っちゃったのかな)
話しかけると無視、またはにらみ、業務的な話にすら耳を傾けてくれなくなった。
これが結構にきついのだ。
ギャグを飛ばしても冷ややかな目で見返してくるので、困ってしまう。
今日もだ。
部活は剣道部なのだが、白道着の購入についてはなしていて、私が彼女にふったところ、だいぶ長い沈黙が訪れた。
「…なんだけどさー。どう思う?」
「………」
睨まれる。
「…え、っとぉ……」
困惑する私。
なぜ私が困惑しないといけないのか、すこぶる疑問に思う。
ほんともう、何に対しておこっているの?
何をしてほしかったの?
こんな時に、私は思う。
『人付き合いって、意味わかんない』
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- 4 : 2016/05/20(金) 21:12:37 :
- 運動部の中でもトップクラスに緩いこの学校の剣道部は、軽く基本打ちと掛稽古をすると、あとは休憩で終わってしまった。
秋の大会に間に合わないんじゃない?
そう男子の部長にいうと、
「うっさい、お前もホントはやりたくないだろ」
と返されてしまった。
うん、やりたくはないんだけどね。
「まあいいや、おつかれー」
本当は疲れてないけど、社交辞令。
私は私の家へと向かう。
やっぱり今日も何もなかった。学校内にも、友達間にも、部活でさえ、平坦で面白くない代わりに疲れもしない。
でも、それでいい。
疲れなければ、何でもいい。
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- 5 : 2016/05/20(金) 21:13:34 :
- あ、言い忘れてましたがこれはフィクションです。
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- 6 : 2016/05/20(金) 21:40:46 :
- 私は大分、怠け者だと思う。
1000メートル走るときに、みんなが顔を真っ赤にして走ってる中、私はどんなペースで走れば楽に終われるかどうかを考えつつ走っている。
ゴールして、皆の顔を見ると胸の苦しさに顔を歪めていた。
私一人だけ涼しい顔。
それでもタイムは中間だ。
中間で満足だ。
むしろこの疲労感で中間いけるなら本当に素晴らしい。
楽で、特別褒められたり、遅いと笑われたりしなくて。
そんなことを考えていると、歩道橋の前にいつの間にかついていた。
意気揚々と上る。
息をきらして真ん中まで行くと、秋のきれいな夕暮れが目に飛び込んできた。
あまりの美しさに、ほおが緩む。
高いここから望む夕日は、何物にも変えがたい雄大さと美しさがある。
秋の、晴れた日限定でみられる絶景だ。
自分の小さな存在なんて、消えてなくなったような感覚がした。
いつまでもここにはいられない。後ろから足音が聞こえて、私は静かに家へ再度向かい始めた。
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- 7 : 2016/05/20(金) 22:24:24 :
- フィクションなら私小説じゃないと思いますよー
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- 8 : 2016/05/20(金) 22:25:53 :
- 未分類とか、青春とか
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