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サシャ「エピソードⅦ」 コニー「フォースの覚醒」 ② 進撃×スター・ウォーズ
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- 1 : 2016/01/30(土) 17:51:46 :
- 進撃×スター・ウォーズ、エピソードⅦ、フォースの覚醒の第2話になります。
よろしくお願い致します<m(__)m>
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- 2 : 2016/01/30(土) 22:36:24 :
- とってもおもしろいです。
僕もスターウォーズ大好きなんで。
期待。
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- 3 : 2016/01/31(日) 15:28:51 :
- 期待ありがとうございます!
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- 4 : 2016/01/31(日) 17:00:40 :
リサージェント級スター・デストロイヤー。
カイロ・レンの旗艦であるファイナライザー。
その中にある黒塗りの独房の中で、ファースト・オーダーに捕えられたキュクロは椅子に両手両足を縛られ、頭からは血を流してぐったりとしていた。
彼の正面には、黒いマスクを被った男―――――――カイロ・レンが向かい合うようにして座っていた。
「大したものだな、あれほどの拷問に耐えるとは。」
「やり方ヲ変えるンダナ。」
薄目を開けたキュクロは、目の前にいるレンに対し、少し嘲るような口調を貫き通そうとする。
すると、レンは立ち上がり、キュクロの目の前に迫ってきた。
それからレンは、すっと、キュクロの目の前に右手をかざした。
ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・・・・・
「う、ウグ・・・・・・・・・・・・。」
途端に、キュクロの顔から、冷や汗が噴き出した。
「イェーガーへの地図をどこへやった?」
「ハァッ! ハァッ! お前、ナンカに、レジスタンスは・・・・・・・・・・・・屈しナイッ!!」
レンの強力なダークサイドのフォースが、キュクロの中に入り込んでくる。
奥底へとしまい込んだ、記憶のふたが、剥がされていく。
「ハァッ! ハァッ! グ・・・・・・・・・・・・ウオオオォオオォォオオォォァアアァアァアアァアアアッ!!」
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- 5 : 2016/01/31(日) 17:01:40 :
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ややあって、レンは気を失ったキュクロを残して、独房から出てきた。
「収穫はあったのか、レン?」
独房の外には、もう一人の司令官であるシャビィ・イノセンシオ将軍が、腕を組んで不敵な微笑みを浮かべていた。
対してレンは、感情のない声で答える。
「BBユニットだ。白とオレンジのBBユニットの中にイェーガーへの地図がある。」
「ふん、そうか。」
「直ちに惑星ジャクーに回収部隊を派遣するのだ。」
「いいだろう・・・・・・・・・・・・。」
__________こうして、惑星ジャクーへ向けて、ストーム・トルーパーの回収部隊が、再び放たれた。
第2話
邂逅
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- 6 : 2016/01/31(日) 21:51:11 :
「・・・・・・・・・・・・ウ・・・・・・ウグゥ・・・・・・・・・・・・。」
暫くして、キュクロは漸く目を覚ました。
キュクロにとって、今日は最悪の目覚めだった。
見えない力に強制され、結局俺は、隠したかった情報を読み取られてしまった。
無事にBB-8は逃げおおせることが出来るだろうか?
「・・・・・・・・・・・・済まナイ。迎えに行クト、約束シタのに・・・・・・。」
BB-8の行く末を考えると、いてもたってもいられず、キュクロは俯きがちに呟いた。
プシュウウウウ・・・・・・・・・・・・
すると、目の前の扉が突如開いた。
中に入ってきたのは、一人のストーム・トルーパーであった。
「カイロ・レンの命令だ。」
ストーム・トルーパーは手短にそう言うと、手足を縛る拘束具を外し、手錠をかけた。
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- 7 : 2016/01/31(日) 21:51:58 :
「俺ヲ・・・・・・ドコに連れてイクつもりダ?」
「いいから歩け!」
キュクロの背中に銃を突きつけるストーム・トルーパー。
そのまま部屋を出てキュクロとストーム・トルーパーは移動し始めた。
と思うと、不意にストーム・トルーパーは別の独房の部屋の中にキュクロを引っ張った。
「ナ、ナンダ!? 何が目的ダ!?」
独房に引き込まれたキュクロは、訝し気にストーム・トルーパーに尋ねる。
すると、キュクロにとっては意外なことに、ストーム・トルーパーがヘルメットを脱いだ。
ヘルメットの下からは、坊主頭の青年の顔が現れた――――――彼、トゥアナル村での虐殺に加われず、キャプテン・ファズマに出頭を命じられていたあのストーム・トルーパーである。
坊主頭のストーム・トルーパーは、少し落ち着かない様子で話し始めた。
「おい・・・・・・お前を、ここから逃がしてやる!」
「!? 何ヲ言ってルンダ!?」
「もう一度言うぞ? お前をここから逃がしてやる! だから協力しろ!」
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- 8 : 2016/01/31(日) 21:52:41 :
敵兵士の唐突な申し出に、キュクロはまるで狐につままれたようにポカンとした。
「俺ヲ・・・・・・逃がス!? 何のツモリダ!? 何ガ目的ナンダ!?」
「何が目的って!? だって正しいことだろ?」
「お前・・・・・・・・・・・・ココカラ逃げタイのカ?」
「「・・・・・・・・・・・・。」」
しばらくの沈黙・・・・・・・・・・・・。
ややあって、二人はプッと吹き出し、敵同士であったのにもかかわらず、意気投合した。
「ヨシ! 逃げヨウ! デ、ドウスる?」
「ふ、船だ。船を奪って逃げよう!」
「船か・・・・・・ヨシ、移送さレルフリをシテ、船ヲのっとロウ!」
「よっしゃッ! 行くぞ!」
「オウ!」
もう何年も前から相棒だったかのように、坊主頭の青年とキュクロは独房を飛び出した。
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- 9 : 2016/02/01(月) 20:26:16 :
そのまま二人はスター・デストロイヤーのハンガーベイへと出てきた。
沢山の士官やストーム・トルーパーがいる中を、冷や汗をかきながら二人は通り過ぎていく。
「大丈夫だ、落ち着け。」
「俺ハ落ち着イテいるゾ?」
「俺自身に言ったんだよ!」
坊主頭の青年はやはり落ち着かない様子で、自分に言い聞かせるように呟く。
すると、青年は沢山停めてあるスターファイターのうちの一機を指さした。
「おい、あのTIEファイター、操縦できるか?」
「TIEファイターか・・・・・・・・・・・・一度操縦シテみたカッタ!」
レジスタンスのパイロットにとって、敵軍であるファースト・オーダーの戦闘機を操縦するチャンスなど滅多にないことだ。
キュクロは目を輝かせ、周りに怪しまれないよう、小走りで近づいて行った。
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- 10 : 2016/02/01(月) 20:27:02 :
「オ? コレは二人乗りタイプダナ?」
「知ってんのか!?」
「アア! 普通TIEファイターにはハイパードライブ装置が付イテいナイが、二人乗り用ニハ、ハイパードライブ装置モシールド発生装置モ付いテル!」
機体に乗り込みながら、キュクロは機体のスペックについて説明する。
すると、坊主頭の青年は、少し首を傾げながらうんうん唸って、そして・・・・・・・・・・・・
「まあ要するにすげえ機体だってことだな?」
「マ、そう言ウコトダ!」
二人は背を向けるように座り、キュクロが操縦席、坊主頭の青年が砲台の操縦桿を握った。
「なあ、俺これに乗るの初めてなんだけどよ? これどうやるんだ?」
「ブラスターと同ジダ! 照準をヨク見テ引き金ヲ引けバ撃てル! ヨシ、行くゾッ!!」
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- 11 : 2016/02/01(月) 20:29:18 :
キュクロがレバーを思い切り引き、TIEファイターが急発進・・・・・・・・・・・・
ガクンッ!
したかと思いきや、繋がっていた電源ケーブルがビンと伸び、TIEファイターは空中で静止した。
「!! や、やばいッ!!」
坊主頭の青年が思わず叫ぶ。
その様は、ハンガーベイを見下ろせる位置にある監視室からも見て取れた。
「!! 緊急事態! TIEファイターが無断発進!」
監視室にいたオペレーターが通信機に向かって叫ぶ。
たちどころに、ハンガーベイにいたストーム・トルーパーたちがレーザーを放ち、TIEファイターを集中砲火。
「ど、どうすりゃいいんだ!?」
「落ち着クンダ! レーザーで応戦シロ!」
慌てる青年に対して、キュクロは冷静だった。
機体を後退させ、勢いをつけて前進、ケーブルを引きちぎろうとする。
その最中に、青年はヘビーレーザーのトリガーを引いた。
ビュビュビュウッ!
ドゴオォオォォンッ!!
緑色のレーザーがハンガーベイにいるストーム・トルーパーや士官たちを駆逐していく。
そして・・・・・・・・・・・・
「あ、危ないッ!!」
「うああぁあぁあぁぁッ!!」
ドゴオォオォォンッ!!
コニーの放ったレーザーは監視室を破壊し、そこから火の手が上がった。
「イイゾ! ソノ調子ダッ!!」
もう一度後退し、勢いをつけるキュクロ。
そして・・・・・・・・・・・・
バキッ!
遂に繋がっていた電源ケーブルが外れ、TIEファイターは猛スピードで宇宙空間へと飛び出した。
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- 12 : 2016/02/02(火) 17:03:54 :
__________さて、脱出したはいいが、ターボレーザーで狙われてしまえば一巻の終わり。
「コレカラ俺はターボレーザーに接近スル! 標準を合ワセテ撃テ!」
キュクロはそう言うと、猛スピードでファイナライザーの下腹部にあるターボレーザーの砲台へとTIEファイターを近づけていく。
「良く狙ウンダ!」
「お、おうッ!!」
__________くっそ、複雑だなッ!
坊主頭の青年は心の中でそう叫びながら近づいてくるターボレーザーへと標準を合わせ始める。
機体がターボレーザーの側を通り過ぎ、標準装置がピピピピと音を立てた。
「今ダッ!!」
「おおぉおぉおおッ!!」
青年は叫びながらレーザーのトリガーを引いた。
ビュビュビュウッ!!
ビュビュビュウッ!!
ドゴオォオォォンッ!!
緑の閃光が走り、直後、眩しい光を放ってターボレーザーの砲台が爆発。
「っしゃあぁあッ!!」
「ヨシッ!!」
息の合った連携を見せた二人は思わず叫び声を上げた。
◇◇◇◇◇
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- 13 : 2016/02/02(火) 17:04:53 :
ファイナライザーの艦橋は、俄かに慌ただしくなっていた。
「レジスタンスの兵士がスターファイターを奪って脱走しました!」
「ちっ、随分なやられようだな。」
将軍であるシャビィが舌打ちをしながら部下の報告を聞いていると、そこにカイロ・レンの影が差した。
「何が起こった?」
「ふん、レジスタンスの男が脱走したのだ。スターファイターを奪ってな。」
「一人で逃げたというのか?」
「いや、ストーム・トルーパーの一人が手を貸したらしい。今、どのストーム・トルーパーなのかを特定中だ。」
その瞬間、レンの脳裏に、一人のストーム・トルーパーが浮かんできた。
あの村で、呆然として俺を見つめていたあいつは確か・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・CNI-2187だ。」
レンは呟くように、裏切り者のストーム・トルーパーの認識番号を口にした。
「!! ターボレーザーの砲台を破壊されましたッ!!」
すると今度は脱走していくTIEファイターがターボレーザーの砲台を破壊したとの報告が入ってきた。
この報告を聞いたシャビィは、自らの誇りを傷つけられたかのように、怒りを押し殺した表情で命じた。
「・・・・・・・・・・・・よし、ミサイルで撃墜しろ!」
◇◇◇◇◇
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- 14 : 2016/02/03(水) 00:00:10 :
さて、猛スピードでTIEファイターがスター・デストロイヤーから遠ざかる中、青年はふと思ったことを大声で口にした。
「なぁッ!? お前、名前なんて言うんだ?」
「俺か!? キュクロダ! お前ハ!?」
「俺は・・・・・・CNI-2187だッ!!」
「CNI-・・・・・・何だっテッ!?」
青年の名前を聞いたキュクロは仰天して思わず聞き返した。
__________ストーム・トルーパーには名前が与えられず、認識番号があるのみだという話は、どうやら本当だったらしい。
「CNI-2187ッ! それが俺に与えられた名前だッ!」
「呼び辛イナッ! CNI-・・・・・・・・・・・・コニーでいいか!?」
「コニー・・・・・・・・・・・・何だか気に入ったぞッ!!」
「良かっタ! ヨロシクナ、コニーッ!」
「おう、キュクロッ!」
こうして青年は、新たにコニーという名前を相棒から与えられ、二人は強い絆で結ばれた。
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- 15 : 2016/02/03(水) 00:00:53 :
バシュウッ!!
と、喜びに浸るのも束の間、ファイナライザーの下腹部にある砲台から、追尾型ミサイルが四発、TIEファイター目がけて発射された。
「!! ミサイルダッ! コニー、迎撃してクレッ!!」
「やってやるよッ!!」
キュクロがTIEファイターを左右に揺らし、物凄い速さで追尾してくる四つのミサイルをギリギリで躱す中、コニーは夢中になって引き金を引いた。
ビュビュビュウッ!!
ビュビュビュウッ!!
緑色のレーザーが閃光を放っては飛んでいく。
そして・・・・・・・・・・・・
ドゴオォオォォンッ!!
光弾が一発のミサイルに直撃。
まばゆい光を放って爆発した。
「ナイスショットダッ!!」
「俺・・・・・・これ得意かもッ!」
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- 16 : 2016/02/03(水) 00:01:28 :
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残る三つのミサイルを躱し続けるキュクロ。
すると、コニーが唐突にこんなことを尋ねてきた。
「で、これからどうすんだよッ!」
「惑星ジャクーに戻ルッ!」
キュクロの迷いのない返事を聞いたコニーは仰天した。
「はぁッ!? せっかく逃げ出したんだぜ!? ファースト・オーダーに殺されちまうッ! 他の星系に行くのはッ!?」
「ダメだッ! ドロイドを回収シナケレバならナイッ!」
「ドロイドなんか知るかよッ!」
「白トオレンジノBBユニットの中にハ、エレン・イェーガーへの地図ガアルッ!!」
「マジかよ・・・・・・・・・・・・。」
ため息をつくコニー。
と、次の瞬間・・・・・・・・・・・・
ドゴオォオォンッ!!
「「うわあぁあぁぁあぁぁッ!!」」
ミサイルがTIEファイターの右翼に直撃。
__________TIEファイターはきりもみしながら、惑星ジャクーへと落下していった。
◇◇◇◇◇
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- 17 : 2016/02/03(水) 16:02:30 :
ファイナライザー、艦橋。
「キャプテン・ファズマ、CNI-2187はどのような奴だったんだ?」
シャビィは配下のファズマを呼び寄せ、ストーム・トルーパー時代のコニーの情報を聞き出していた。
「CNI-2187は、先の作戦において命令違反がありましたので、再教育をするべく、出頭を命じていました。」
「ふむ、他に前科は?」
「ありません。」
コンソールに映る少年時代のコニーの顔写真を、顎に手を当てながら眺めるシャビィ。
すると、コンソールを制御する女性のオペレーターが感情のない声で報告してきた。
「ミサイル、TIEファイターに命中しました。」
「ほう、機体は?」
「ジャクーへ墜落していきました。」
すると今度は、カイロ・レンが口を挟んだ。
「どこに墜落していったか分かるか?」
「はい、ゴアゾン荒地です。」
「そうか・・・・・・・・・・・・ゴアゾン荒地か。」
レンがまるで独り言のように呟く。
すると、シャビィ・イノセンシオ将軍が、横からカイロ・レンに忠告するように話しかけた。
「最高指導者はドロイドを手に入れられなければ破壊しろと仰せだ。」
「ふん、最高指導者はクローン兵を使うべきなのだ。」
対してレンは、兵士の訓練プログラムの責任者でもあるシャビィを当てこするように言葉を返す。
「私の訓練プログラムは絶対だ。」
「ならば、ドロイドを無傷で回収できるな?」
「勘違いするな・・・・・・・・・・・・公私を混同するなよ、レン?」
「ドロイドを手に入れるのは俺のためだけでは無い。お前のためにも手に入れろ・・・・・・・・・・・・将軍。」
ダークサイドの使い手は将軍にそう言うと、ファイナライザーの中にある自室へと戻っていった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 18 : 2016/02/03(水) 16:28:34 :
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん・・・・・・・・・・・・うぐっ・・・・・・・・・・・・
「はッ!?」
機体からパラシュートで飛び出したコニーは漸く気が付いた。
シートベルトを外し、パラシュートのついたシートから起き上がる。
周りを見渡すと、地平線の彼方までも砂だらけ・・・・・・・・・・・・
と、向こうの方角から煙が上がっているのが見える。
ここで漸く、コニーは墜落していくTIEファイターから脱出したのを思い出した。
「おいッ! キュクロッ!!」
慌てたコニーが煙の上がっている方へと走り出す。
しばらく走っていくと、黒煙を上げて炎上するTIEファイターの残骸が見えてきた。
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- 19 : 2016/02/03(水) 16:29:00 :
「大丈夫か!? キュクロッ! 返事しろッ!!」
コニーはそう叫びながら炎上するTIEファイターへと近づいて行く。
すると、割れた正面の窓に服が引っ掛かっているのが見えた。
「これは・・・・・・・・・・・・キュクロが着てたジャケットじゃねぇか!?」
だが、肝心のキュクロの姿が見当たらない。
と、次の瞬間。
ズズズズズズ・・・・・・・・・・・・
「なッ!? 何だ!?」
突然の流砂が、TIEファイターを飲み込み始めた。
「そんな・・・・・・・・・・・・キュクロッ! キュクロオオォオオォォオッ!!」
コニーが叫ぶ、その短い間に、TIEファイターは流砂の中に飲み込まれてしまった。
飲み込まれた後を見て呆然とするコニー。
ドゴオォオォォンッ!!
「うおッ!?」
すると、ダメ押しと言わんばかりに、砂の中でTIEファイターは爆発し、大量の砂を空中へ巻き上げた。
__________さっき出来たばかりの相棒を失い、コニーは意気消沈して一人、砂漠の中を漂い始めた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 20 : 2016/02/05(金) 10:35:17 :
ニーマ・アウトポスト。
今日もサシャは、巨人の墓場から廃品を回収し、いつものようにこのニーマ・アウトポストでポーションと交換しにやってきた。
ただし・・・・・・・・・・・・
「諦めちゃダメですよ、BB-8。ここだったら探している人について、何か分かるかもしれません。」
昨日までと違うのは、BB-8というアストロメク・ドロイドが後ろからついてくるということ。
まぁ、それも・・・・・・・・・・・・今日でお別れなのだけれど。
いつものようにサシャは、アンカー・プラットのジャンク店のカウンターに並んだ。
やがて、サシャの番が来て、いつものように手に入れた廃品をアンカーに差し出す。
「ふむ・・・・・・今日の廃品の価値は、クォーターポーションだ。」
__________たった、四分の一ですか・・・・・・・・・・・・。
いつになく低い数字に落胆するサシャ。
すると、アンカーは、まるで獲物に狙いを定めたように、サシャに話しかけてきた。
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- 21 : 2016/02/05(金) 10:36:08 :
「そのドロイドはどうだ?」
「えっ!?」
「奮発するぞ?」
アンカーはそう言うと、カウンターの上にどっさりと、山のようにポーションを置き始めた。
「60ポーションだ。」
「!! こ、こんなに・・・・・・・・・・・・。」
サシャは思わず、飛びつくようにカウンターに積まれたポーションを抱きかかえた。
すると、BB-8が首を傾げるような仕草で電子音を立てる。
サシャはゆっくりと後ろを振り返り、BB-8を見つめる。
食料か、ドロイドか・・・・・・・・・・・・サシャにとっては究極とも呼べる選択。
ややあって、サシャは、呟くように話し始めた。
「・・・・・・・・・・・・ごめんなさい。」
そう言うとサシャは、その手でポーションを掴んだ。
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- 22 : 2016/02/05(金) 10:36:36 :
「これは、売り物じゃないんです。」
廃品分のクォーターポーションをサシャは手に取ると、アンカーに背を向け、BB-8を手招きして歩き始めた。
去っていくサシャを見つめるアンカー。
と、次の瞬間、アンカーはカウンターの上にあるポーションの山を、右腕で思い切り払いのけた。
__________アンカーはこの無法地帯で円滑な商売を行うため、重武装をした武装グループを雇っていた。
あのBBユニットの部品がどうしても欲しい・・・・・・・・・・・・。
アンカーは通信機を手に取ると、低い声で指令を出した。
「あのガキについているドロイドを奪え。」
通信を切ると、アンカーはカウンターのシャッターをぴしゃりとしめた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 23 : 2016/02/05(金) 18:53:20 :
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・・・・・・・み、水!!」
ストーム・トルーパーの装備を脱ぎ捨て、キュクロの着ていたジャケットを身に纏ったコニーは、ゴアゾン荒地の砂漠を彷徨っていた。
じりじりと焼けつくような暑さに喉をやられ、渇きに苛まれる・・・・・・・・・・・・
やっとの思いで歩いていくと、砂丘のはるか下に、ニーマ・アウトポストの集落がようやく見えてきた。
「み、水! 水をくれ!!」
集落に駆け込むように入ってきたコニーは、まるでエサに群がる動物のように、手当たり次第に水を求めた。
「水はねえよ! だははははッ!!」
「よそをあたりなっ!」
コニーは、しかし、よそ者として集落の人間やエイリアンたちから冷たくあしらわれ、中々水にありつけなかった。
ビチャッ・・・・・・
ビチャッ・・・・・・
音に気が付いたコニーが振り返ると、そこにはハッパボアと呼ばれる荷物運搬用の巨大な家畜。
そのハッパボアが水かい場で水を飲んでいるのが目に飛び込んできた。
http://vignette2.wikia.nocookie.net/starwars/images/a/ac/Happabore.png/revision/latest/scale-to-width-down/270?cb=20151227165624
一も二もなくコニーは猛ダッシュで近づくと、膝を折ってハッパボアの隣に座り込み、茶色く汚れた水を両手で掬った。
「うっ、おええぇえぇぇ・・・・・・・・・・・・。」
ハッパボア自身の強烈な体臭と、泥臭い水に吐き気を催したが、そんなこと言ってる場合じゃない。
一心不乱にコニーは泥水を救い、周囲に笑われながら水を飲み続けた。
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- 24 : 2016/02/05(金) 18:54:15 :
「うぷ・・・・・・・・・・・・。」
さて、汚い泥水を飲んで気分が悪くなったものの、取り敢えず渇きをいやしたコニー。
すると、コニーの視線の先に、一体のドロイドが雑踏の中に紛れて現れた。
「オレンジと・・・・・・白のBBユニット・・・・・・まさか!?」
コニーがそう思ったとき、突然、そのBBユニットに布が被せられ、近くにいた少女が武装したエイリアンの男性に後ろから羽交い締めにされた。
「な、何するんですか!? 放してッ!!」
二人組のエイリアンはサシャからBBユニットを奪うべく、突然襲撃をかけてきた。
サシャが抵抗すると、エイリアンの一人がサシャの頬を殴った。
「あ、あいつら・・・・・・女の子をリンチしやがってッ!!」
直感的に、コニーは走り出した。
女に手を上げるなんて・・・・・・・・・・・・最低な野郎だ!
そんなことを言おうと考えながら近づいて行くコニー。
「はああッ!! やッ!!」
「がふッ!!」
「ほげぇッ!!」
サシャは、しかし、力づくで羽交い締めから逃れると、手に持ったクォータースタッフで逆にエイリアンたちを撃退し始めた。
予想外の反撃を喰らい、ボコボコにされたエイリアンたちは、すごすごと引き下がっていった。
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- 25 : 2016/02/05(金) 18:55:36 :
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「あ、あれ?」
カッコよく助け出すはずだったコニーもしばし唖然として、
サシャがエイリアンたちを撃退し、布を被せられたBB-8を助け出すさまを眺めていた。
すると、助け出されたBB-8がコニーを見た途端、まるで大声を上げるかのように電子音を立てた。
「えっ、何ですか? あの人が!?」
すると今度は、サシャがコニーの方を見てきた。
あ、あいつ、俺の方を見てきたな?
コニーがそう思ったのも束の間、サシャは鬼も素足で逃げだすレベルの凄い形相で走ってきた。
え、待て待て待て待て待てッ!!
何かすっげえ嫌な予感しかしない!!
一目散に逃げ出すコニー。
雑踏の中に紛れ、人波をかき分けて・・・・・・・・・・・・
ガコッ!!
「ふごっ!?」
先回りしたサシャは持っていたスタッフでコニーの顔面を叩いた。
コニーは仰向けに転倒し、お尻を思い切り地面にぶつけた。
しかも、後からBB-8が転がって来て、体内から電気ショックの装置を取り出して・・・・・・・・・・・・
バチィッ!!
「イッテぇッ!!」
女に殴られるわドロイドから電気ショックを喰らうわで散々な目に遭うコニー。
すると、サシャは怒った様子でコニーを問いただし始めた。
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- 26 : 2016/02/05(金) 18:57:25 :
「そのジャケットを返してください! 泥棒!!」
「はぁっ!? 今日は運がなさ過ぎて泥棒どころじゃねえよ! イテぇッ!!」
再び電気ショックを喰らって呻き声を上げるコニー。
「とぼけたって無駄ですよ!?」
「ご、誤解だ!」
「何が誤解なんですか!? そのジャケットはこの子の持ち主が着ていたものです! 今すぐに―――――「は、話を聞けってッ!!」
何とか誤解を解こうと、コニーは必死になって話を続けた。
「このジャケットは、キュクロのものだ。俺はキュクロとスター・デストロイヤーから逃げてきたんだよ!!」
「えっ!? そうだったんですか!?」
サシャが驚きの声を上げ、BB-8も驚いたように電子音を立てた。
少し気まずそうな顔で、サシャはコニーに謝り始めた。
「すすすすいませんでした。それで、その・・・・・・キュクロさんはどこに?」
今度は、コニーの顔が曇った。
「TIEファイターを奪って逃げたんだが・・・・・・・・・・・・撃墜されて、砂の中に飲み込まれちまって・・・・・・・・・・・・。」
クゥ~~ン・・・・・・・・・・・・
肩を落とすように、BB-8は寂し気な電子音を立てた。
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- 27 : 2016/02/05(金) 18:58:23 :
「そう、だったんですね・・・・・・・・・・・・ん? ということは、あなた、レジスタンスですか?」
急に顔を輝かせ始めるサシャ。
すると何を思ったか、コニーは弾かれたように立ち上がって、
「そうだ、俺はレジスタンスの一員だ!」
咄嗟に嘘を付いた。
「凄い・・・・・・私、初めて見ました!」
目をキラキラと輝かせてそう呟くサシャ。
対してBB-8は、胡散臭そうな、少し警戒したような反応を見せる。
さて、当のコニーはキュクロの任務を、まるで自分のことのように話し始めた。
「俺はな、このBB-8の中にあるエレン・イェーガーへの地図を、秘密基地に持ち帰る任務があるんだ。」
これを聞いたサシャは、目を丸くした。
「エレン・・・・・・イェーガー? 私、神話の人かと思っていました。」
__________自由の翼を背負い、ミカサやジャンと共に銀河帝国の横暴に対して立ち上がった、伝説のジェダイ―――――――エレン・イェーガー。
誰もが一度は聞くおとぎ話ではあるけれど、まさか、本当に実在していたなんて。
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- 28 : 2016/02/05(金) 23:37:37 :
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感動と驚きで胸を詰まらせるサシャ。
と、その時、不意にBB-8が電子音を立てた。
ふと見ると、集落の人間にものを尋ねるファースト・オーダーのストーム・トルーパー。
「いたぞッ!!」
ストーム・トルーパーは声を上げると、二人目がけてレーザーを撃ってきた。
ニーマ・アウトポストは途端に騒然となり、爆発音と悲鳴で満たされた。
「!! ヤバイ、逃げるぞッ!!」
「!! ちょ、勝手に手を掴まないでくださいよ!」
「んなこと言ってる場合かよッ!!」
コニーが強引にサシャの手を引っ張って逃げる。
ストーム・トルーパーたちがレーザーを放ちながら追う。
BB-8もサシャの後を追って必死に転がっていく。
「もう! 引っ張らないで! 私一人でも走れますからッ!!」
「わ、わりい・・・・・・・・・・・・。」
逃げる途中、サシャは強引にコニーの手を振りほどく。
それでも二人は人混みに紛れて一緒に走り、テントの中へと身を隠すように飛び込んだ。
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- 29 : 2016/02/05(金) 23:38:16 :
「スターファイターに応援を要請しろッ!!」
ストーム・トルーパーの一人が叫び、上空を飛んでいたTIEファイターに連絡がいく。
たちまちのうちにTIEファイターが二機、ニーマ・アウトポストへと向かい始めた。
「くそ、追ってきやがったか。どこかにブラスターはねぇのか?」
隠れたテントの中にあるものを物色するコニー。
対してサシャは少し不満げだった。
「私関係なかったですよね!?」
「仕方ねえだろ!? 一緒にいたから勘違いされたんだよ!!」
「とんだ迷惑ですよッ!!」
テントの中でやいのやいのといい合う二人。
すると・・・・・・・・・・・・
「まて、何か聞こえてくるぞ・・・・・・・・・・・・。」
甲高いエンジンの起動音。
この起動音は、まさか・・・・・・・・・・・・
「逃げるぞッ!!」
「だから! 手を掴まないでって――――――「TIEファイターが来やがったんだ!!」
「!! 来て! BB-8ッ!!」
事態に気が付いた二人はテントを出て全力で走り出した。
-
- 30 : 2016/02/05(金) 23:38:46 :
ドゴオォオォォンッ!!
「ぐあッ!!」
「きゃッ!!」
が、TIEファイターのヘビーレーザーが近くに着弾し、二人と一体のドロイドは思いっきり投げ出された。
「いてててて・・・・・・・・・・・・。」
ややあって、耳がまだキーンとする中、起き上がるサシャ。
BB-8もまるで起き上がるかのように頭を持ち上げる。
すると、サシャの視界に、仰向けに倒れたコニーの姿が飛び込んできた。
「!! 大丈夫ですかッ!?」
倒れたコニーの体を思わず揺するサシャ。
「いって・・・・・・・・・・・・。」
すると、コニーはゆっくりと上半身を起こした。
二人とも大したけがはなく、お互いの無事を確かめてはほっとしていた。
「しっかりしてくださいッ!」
サシャはそう言うと、すっと右手を差し出した。
「あ、ああ・・・・・・・・・・・・わりいなッ!!」
コニーは差し出されたサシャの手をガシッと掴むと、再び走り出した。
-
- 31 : 2016/02/05(金) 23:40:15 :
ビュビュビュウッ!!
ビュビュビュウッ!!
ドゴオォオォォン!!
ドオォオォォン!!
撃ちおろされるTIEファイターのヘビーレーザーをかいくぐるように走って逃げるサシャとコニーとBB-8。
「あのクワッド・ジャンパーに乗って逃げましょうッ!!」
「あの船はどうだ!?」
「やですよッ!! あんな鉄くずッ!!」
サシャは一目散に、ニーマ・アウトポストに停めてあるクワッド・ジャンパーへ向かって走っていく。
http://toyrev.up.n.seesaa.net/toyrev/image/d0067.jpg?d=a2
が・・・・・・・・・・・・
ドゴオォオォォンッ!!
TIEファイターのレーザーがクワッド・ジャンパーに直撃、機体は木っ端みじんに吹き飛んでしまった。
「あの鉄くずに乗りましょう!」
サシャはあっさりとそう言うと、二人と一体のドロイドは、その鉄くずに向かって走り出した。
http://cdn.shopify.com/s/files/1/1003/4948/products/71U2oyb4uYL._SL1500.jpg?v=1448790783
-
- 32 : 2016/02/08(月) 16:50:59 :
「なぁ、この鉄くず、飛べるのか!?」
「分かりません!」
「おいッ!」
「この梯子を下りていけば砲台があります! 撃ち落としてください!」
「わ、分かったッ!!」
船の中に入り、コニーは梯子を下って、船の下腹部についている砲台へと、サシャは船の右端にあるコクピットへと座った。
「ええと・・・・・・・・・・・・これですかね!?」
サシャは思いっきり、コクピットのレバーを引いた。
ガクンッ!
「きゃッ!!」
「うおッ!!」
その瞬間、鉄くずは大きく青い炎を吐き、少し宙を浮いたかと思うと、大きく右に傾いて、地面を引きずるように動き始めた。
「上がれえぇえぇぇッ!!」
サシャが叫びながらレバーを引く。
すると、ようやく機体が持ち上がり、ニーマ・アウトポストのゲートに衝突。
ドゴオォンッ!!
派手にゲートを破壊して、機体は漸く大空へと舞った。
-
- 33 : 2016/02/08(月) 17:07:10 :
「待てえぇえぇッ!! その船はわしのだぞおぉおぉぉッ!!」
鉄くずが飛んでいくのを見て叫ぶアンカーを取り残し、二人を乗せた船は空中を宙返り。
一緒に中に乗り込んだBB-8が宙に舞い、体内からワイヤーを三本撃ち出して体を空中に固定する。
すると、砲台からコクピットへ通信が入ってきた。
「おい! 高く飛びすぎるな! 狙われるぞッ!!」
「分かってますよッ!!」
宙返りした鉄くずは、円を描いて砂丘ギリギリまで急降下、
すると正面から、二機のTIEが突っ込んできてレーザーを浴びせてきた。
「シールドを起動しろッ!!」
「一人だけじゃ大変なんですってッ!!」
そもそもこの船は二人乗り。
それを一人で操縦するとなると、飛ぶだけでも大変なしろもの。
それでもサシャは、機体を上手く操って、迫ってくるTIEファイターのレーザーを躱した。
-
- 34 : 2016/02/08(月) 17:08:05 :
攻撃を躱されたTIEファイターは、すぐに反転し、今度は連携して鉄くずを追撃し始めた。
「私にはできる! 私にはできる!」
「俺にはできる! 俺にはできる!」
祈るように呟きながら、サシャは機体を操縦し、コニーは砲座からレーザーを放つ。
砲台のトリガーの真ん中に映されるディスプレイを見ながら、コニーはTIEファイター目がけて赤い光弾を放つ。
「くそ、砲撃が当たらねえッ!!」
相手も百戦錬磨のエリート兵。
コニーの砲撃を躱しながら、確実に鉄くずを追い込んでいく。
追撃から逃れるサシャの頭の中には、しかし、ある名案が浮かんでいた。
「レジスタンスの兵士さん!」
「な、何だよッ!!」
「私、今から巨人の墓場に突っ込みますッ!!」
「なッ!! 正気かよッ!!」
多くの戦艦の残骸が墜落している古戦場――――――巨人の墓場。
敵の追撃から逃れるため、サシャは低空を維持しながら、トップスピードで巨人の墓場へと突っ込んだ。
-
- 35 : 2016/02/09(火) 15:12:21 :
「はッ!!」
残骸の目の前で舵を切り、船が急速で左へ旋回。
「く、やっぱり、撒けませんか。」
それでも、二機のTIEファイターは残骸に激突することなく追撃してくる。
ぴったりと鉄くずの後ろに張り付き、緑色のレーザーを浴びせてくる。
と、その時、コニーの標準装置がピピピピと音を立てた。
「!! 今だッ!!」
ビュビュビュビュビュビュッ!!
ドゴオォオォォンッ!!
「しゃあぁあッ!!」
「やるじゃないですかッ!!」
コニーのレーザーがTIEファイターの左翼に命中。
翼をもがれたTIEファイターは、戦いを眺めていた廃品回収業者たちが待ち構える砂地へと墜落した。
-
- 36 : 2016/02/09(火) 15:13:12 :
「まっ、俺は天才だからな!」
「流石ですッ! 後一機ですよッ!!」
「分かってるってッ!」
得意げになってコニーはもう一機を墜落させようと狙いを定め始める。
が・・・・・・・・・・・・
ビュビュビュウッ!!
ドゴォンッ!!
「うあッ!! し、しまった!」
「えっ!?」
「砲台が撃たれちまってレーザー砲が動かなくなっちまったッ!!」
「ど、どうするんですか!?」
「やべえぇぞッ!!」
砲台が動かなければ、TIEファイターを攻撃できない・・・・・・。
二人は一転して大ピンチに陥った。
ビュビュビュウッ!!
ビュビュビュウッ!!
猶も攻撃の手を緩めないTIEファイター。
スター・デストロイヤーの残骸の真上を、掠めように飛んでいく鉄くずを執拗に追撃してくる
と、ここで、サシャにある名案が閃いた。
-
- 37 : 2016/02/09(火) 15:14:18 :
「しっかり掴まっていてくださいねッ!!」
「はッ!? どういう――――・・・・・・・・・・・・
コニーが言い終わらないうちに、機体は弧を描いて反転、
次の瞬間には青い炎を吐き出して、スター・デストロイヤーの残骸の中へ突入していった。
「うおおぉおッ!! ま、マジかよッ!?」
コニーが叫ぶ中、サシャは狭い残骸の中を駆け抜けていく。
ビュビュビュウッ!!
ビュビュビュウッ!!
その狭い通路の中を、TIEファイターがレーザーを浴びせながら追撃してくる。
TIEファイターのパイロットは冷静に、標準装置を鉄くずに合わせようとしていた。
そして・・・・・・・・・・・・
ピピピピピピッ!!
標準装置が音を立てた瞬間、サシャは右に舵を切った。
ゴオオっと音を立て、鉄くずはスター・デストロイヤーの残骸の右脇から外へと飛び出した。
「今だッ!!」
ここぞとばかりに、サシャは思いっ切りレバーを引いた。
ボウゥ・・・・・・・・・・・・
その瞬間、エンジンが停止し、鉄くずはゆっくりと砂地へ墜落し始めた。
-
- 38 : 2016/02/09(火) 15:15:23 :
-
「お、おいッ!! どうなって・・・・・・・・・・・・―――――
一瞬叫んだコニーは、次に、この船の下腹部がスター・デストロイヤーの残骸のほうを向いていることに気が付いた。
更に、故障して動かせない砲台が、残骸の穴から飛び出してくるTIEファイターに向けられていることにも・・・・・・・・・・・・
「う、うおおぉおぉぉッ!!」
再び叫び声をあげ、コニーは砲台のトリガーを引いた。
ビュビュビュビュビュビュッ!!
ドゴオォオォォンッ!!
炎にくるまれてTIEファイターが墜落していく中、
サシャは再びレバーを思いっきり引いた。
ゴオオッと鉄くずは再び青い炎を吹き出し、砂地すれすれを掠めて再び上昇。
__________サシャとコニーは遂に、ファースト・オーダーの追撃から逃れ、惑星ジャクーから飛び出した。
-
- 39 : 2016/02/09(火) 15:16:05 :
BB-8は一安心したかのような電子音を立て、打ち込んでいた三本のワイヤーを収納、空中から船の床へと降りた。
すると、サシャはコクピットから、コニーは砲座から飛び出してお互いのところへと駆け寄り始めた。
「おい、さっきの操縦凄かったなッ!?」
「あなたこそッ! 凄いですよ、TIEファイターを撃ち落とすなんてッ!!」
「何言ってんだ、お前のおかげだッ! 途中で砲台が壊れちまったんだからなッ!!」
「いえいえ、あなたの腕がなかったらそもそもダメでしたよッ!!」
お互い興奮して言いたいことをとりあえず言いまくるコニーとサシャ。
さて、一通り言いたいことを言い終わった二人は、とあることに気が付いた。
「あれ、そう言えば、私たち、まだ自己紹介していませんでしたね?」
「あ、そういやそうだな・・・・・・・・・・・・俺は、コニーってんだ。お前は?」
「私は、サシャって言います。」
「そ、そうか・・・・・・・・・・・・ま、よろしくな。」
__________サシャとコニー。
ひょんなことからであった二人は、力を合わせて、遂に宇宙空間へと飛び出した。
バシュウゥウゥゥゥッ!!
「!? な、何の音だ!?」
「ら、ラウンジのほうからです!」
__________彼らの受難は、まだまだ続く。
-
- 40 : 2016/02/09(火) 15:23:43 :
- 以上で第2話が終了になります。
スクリプトがないと、やはり書くのは遅くなりますし、映画で見たのを思い出しながらですので、どうしてもディテールがちがってしまうのですが、どうか寛大な目で見ていただきたいですw
話が長くなりましたので、ジャンの出番は次回までお預けになりました。よろしくお願い致します<m(__)m>
-
- 41 : 2023/07/15(土) 23:13:20 :
- http://www.ssnote.net/archives/90995
●トロのフリーアカウント(^ω^)●
http://www.ssnote.net/archives/90991
http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3655
http://www.ssnote.net/users/mikasaanti
2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
sex_shitai
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16 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 19:01:59 このユーザーのレスのみ表示する
ちょっと時間あったから3つだけ作った
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http://www.ssnote.net/archives/90992
アカウントの譲渡について
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36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな
22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。
46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね
52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑
89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ
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