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サシャ「エピソードⅦ」 コニー「フォースの覚醒」 進撃×スター・ウォーズ

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  1. 1 : : 2016/01/24(日) 10:50:39
    はい、しばらく休むつもりだったのですが、見切り発車で書き始めました。最新作、フォースの覚醒と進撃の巨人のコラボです。


    登場人物なのですが、進撃の巨人の外伝でありますbefore the fallからも登場させることと致しました。


    是非是非、よろしくお願いします<m(__)m>








    <主な登場人物>




    サシャ・・・・・・不毛の惑星ジャクーで一人孤独に生きる少女。19歳。

    コニー・・・・・・ファースト・オーダーに属するストーム・トルーパーの一人。23歳。

    キュクロ・・・・・・レジスタンスで最も腕の立つパイロット。32歳。

    ジャン・キルシュタイン・・・・・・銀河を放浪する元密輸業者。63歳。

    ミカサ・アッカーマン・・・・・・レジスタンス将軍として、兄エレン・イェーガーの行方を追っている。53歳。

    チューバッカ・・・・・・ジャンの相棒であるウーキー。

    ギアル・アクバー・・・・・・レジスタンスにおいて提督を務める古参のカラマリアン。

    ニエン・ナン・・・・・・レジスタンスの古参のパイロット。

    マズ・カナタ・・・・・・惑星タコダナにある古城で居酒屋を営む女海賊。

    アンカー・プラット・・・・・・惑星ジャクーに住むジャンク商人。

    キャプテン・ファズマ・・・・・・ファースト・オーダーにおいて、ストーム・トルーパーを率いる女性指揮官。

    シャビィ・イノセンシオ・・・・・・ファースト・オーダーの将軍を務める若き指揮官。20代。

    カイロ・レン・・・・・・正体不明のダークサイドの使い手。ダース・ヴェイダーに心酔している。20代。

    スノーク・・・・・・ファースト・オーダーの最高指導者にして、強力なダークサイドの使い手。









  2. 2 : : 2016/01/24(日) 10:52:56














    遠い昔、遥か彼方の銀河系で・・・・・・



















    __________エレン・イェーガーが失踪した。


















    エンドアの戦いから30年余り。





    帝国の残党はファースト・オーダーを組織し、ダークサイドの影は日増しに濃くなっていく。
    そんな中、密かに共和国の支援を受けて、レジスタンスはファーストオーダーに対抗していた。



    そして、ファースト・オーダーは最後のジェダイを殺害するために、レジスタンスは彼を再び迎え入れるために、エレン・イェーガーの行方を追っていた。













    第1話


    新たなる始まり









  3. 3 : : 2016/01/24(日) 10:53:14
    期待です!!MGSさん‼
  4. 4 : : 2016/01/24(日) 10:59:01
    >>3
    早速のコメント、ありがとうございます!


    スクリプトが手元にないので心許ないのですが、頑張りますのでよろしくお願いいたします。
  5. 5 : : 2016/01/24(日) 11:07:23











    辺境の惑星、ジャクー。




    不毛の砂漠の惑星の、大気圏のはるか上空に、巨大な楔形の戦艦の影が差した。











    その巨大な機影―――――――ファースト・オーダーが所有するリサージェント級スター・デストロイヤー<ファイナライザー>から、輸送船が四隻、飛び出していく。


    http://www.outerplaces.com/images/user_upload/sw%20d23-15.jpg







    その中には、最新の装甲服に身を包んだストーム・トルーパーたちが武器を構え、直立不動で待機していた。


    http://cdn.collider.com/wp-content/uploads/star-wars-the-force-awakens-storm-troopers.jpg











    四機の輸送艇は、真っ直ぐに、惑星ジャクーのケルヴィン渓谷にある小さな村―――――――トゥアナルへと向かっていった。










  6. 6 : : 2016/01/24(日) 11:10:40














    トゥアナル村では、一人の青年が、村の小さな小屋の中に住む老人の元を尋ねていた。
    精悍な顔つきをしたこの青年は、右目に傷を負ってはいるが、レジスタンスの中でも腕利きのパイロットであった。








    「これが、銀河を正しい方向へと導く。」

    「コレガ、スカイウォーカーの居場所ヲ示しタ地図ナノカ?」

    「如何にも。」








    長く白い髪の毛、白い口髭を生やした老人―――――――ホルヘ・ピーケルは、レジスタンスで一番腕の立つパイロットであるキュクロに、小さな袋を渡した。









    「わしは長い間、銀河を放浪してきた。そしてその中で、多くの悲惨な戦いを目撃してきたのだよ。ジェダイなくしてフォースのバランスは保たれん。」

    「分かっタ。このデータはキット、将軍に届けヨウ。」










    すると、ホルヘは古い友人の姿を思い出し、苦笑いをした。









    「将軍というのは、あのお姫様のことかな?」

    「アア、あのお姫様ノことダ。」








    キュクロもまた、将軍のことを思いだしては苦笑する。
    どうも一筋縄ではいかない、はねっかえりの将軍は、若い頃からそうだったようだ。








  7. 7 : : 2016/01/24(日) 11:11:50










    すると、小屋のすだれをかき分けて、一体の小さなドロイドが転がるように入ってきた。



    「ン? どうシタ? BB-8?」











    キュクロの相棒であるアストロメク・ドロイド―――――――BB-8は、せかすような電子音を立てた。



    http://vignette2.wikia.nocookie.net/starwars/images/6/68/BB8-Fathead.png/revision/latest/scale-to-width-down/650?cb=20151013153115&path-prefix=ja











    「!! 客ガ来たようダ!」



    キュクロはそう言うと、小屋の外へと出て望遠鏡を手に取り、地平線の方を覗いた。









    __________間違いない。



    ファースト・オーダーの輸送船がこの村にやってくる。








    「隠れルンダ、ホルヘさん。」

    「お前は逃げろ、キュクロ。」







    キュクロはホルヘと言葉を交わすと、自分が乗ってきたスターファイターへ向かって走り出した。










  8. 8 : : 2016/01/24(日) 15:07:33









    村の人間たちの内、戦えるものは物陰に隠れながら銃を構え、そうでないものは恐怖に怯え、村の中は阿鼻叫喚に包まれる。
    そんな中、村の前に四隻の輸送船が着陸した。









    ドゴォンッ!!


    ハッチが開き、音を立てて地面へと落ちると、中からたくさんのストーム・トルーパーたちが一斉に飛び出す。
    途端に村はレーザーの赤い光と爆発とで埋め尽くされ、あちこちで悲鳴が上がり、土煙の舞う戦場と化す。








    __________勝負は、初めから見えていた。



    よく訓練されたストーム・トルーパーたちに村の住民たちは、人間、エイリアンと問わず、次々と殺され、或は捕えられていく。










    「いくゾ! BB-8!」



    弾が飛び交う戦場の中を、キュクロとBB-8は駆け抜けて、村の外れに着陸させたXウィングへと駆け込んだ。
    BB-8もコクピットの後ろにあるソケットに収まり、キュクロは発進の準備を整え始める。









    「!! いたぞ、あのXウィングだッ!!」



    すると、ストーム・トルーパーの一人が大声を上げた。
    途端に、他のストーム・トルーパーたちがキュクロのXウィングを砲撃。







    ドゴオォォンッ!!


    「ウワッ!!」






    撃たれた衝撃でコクピットに火花が散り、ピピピピと警告音が鳴り響く。
    そんな中、BB-8がせかすように電子音を立てる。






    「分かってイル!」



    キュクロがレバーを引くと、Xウィングの下腹部からレーザー銃が飛び出した。
    思いっ切りキュクロがレバーを引くと、赤いレーザーが連続して放たれ・・・・・・・・・・・・







    ドゴオォオンッ!!



    「ぐあッ!!」

    「うわあッ!!」






    背後にいたストーム・トルーパーたちを駆逐した。










  9. 9 : : 2016/01/24(日) 16:08:08










    それからキュクロはコクピットから飛び出し、撃たれて炎が上がるXウィングの後ろの部分を確認した。









    「クッ・・・・・・・・・・・・コレジャ、飛び立てナイ。」



    飛び立つための翼を失ったキュクロは、とある決断をした。
    先ほどホルヘから貰った小袋の中身を確認するキュクロ―――――――その中には、時代遅れの古いデータ保管装置が入っていた。








    「BB-8!!」



    キュクロはXウィングから降りたBB-8を呼び寄せると、しゃがみこんでまるで何か言い残すかのようにしゃべりかけた。








    「コノデータを持って逃げるンダ!! ソの方がデータが無事に残ル可能性ガ高イ!!」



    BB-8が抗議するように電子音を立てると、まくし立てるようにキュクロは言葉を継いだ。









    「必ずお前ヲ迎えニイク!! だから頼ム!!」



    遂に折れたBB-8が体内から引き出しを出し、キュクロはその小さな引き出しの中にデータ保管装置を入れた。
    それから、BB-8は一人、砂漠の中を走り始めた。















    「頼んだゾ、BB-8・・・・・・。」






    キュクロはそう言うと、戦場の中へと引き返し、盛り上がっている小さな丘の背後に臥せると、ゆっくりと狙いを定めた。
    そして・・・・・・・・・・・・








    バキュウッ!!


    威力の高い青色のレーザーを放つブラスターで、遠巻きにストーム・トルーパーを仕留めていった。









  10. 10 : : 2016/01/24(日) 16:09:40











    「!! おい、大丈夫かッ!?」



    戦いの最中、キュクロによって吹き飛ばされたストーム・トルーパーのうちの一人に、とあるストーム・トルーパーが近づいた。






    このストーム・トルーパー、実はこのトゥアナル村の出身者であった。
    胸を撃たれ、出血の酷いストーム・トルーパーを彼は必死に介抱した。









    「しっかりしろ! しっかりするんだッ!!」

    「あ、あぁ・・・・・・ぁ・・・・・・・・・・・・。」







    すると、瀕死のストーム・トルーパーは、何かに縋るようにトゥアナル村の出身者のヘルメットに手を触れ、それから息絶えた。
    手がヘルメットから滑り落ち、そのストーム・トルーパーの顔に、まるでひっかき傷のような血の跡が残った。








    火炎放射器を背負ったストーム・トルーパーの一人が村を焼き払っていく。








    __________村の方に展開していたストーム・トルーパーたちは、あらかた戦闘員を駆逐し終え、捕えた住民たちを一か所に集めていた。









  11. 11 : : 2016/01/24(日) 16:10:22









    「クソ、何て奴ラダ・・・・・・。」



    物陰に隠れながら毒づくキュクロ。
    すると、煙の上がる空をかき分けるように、一隻の巨大なシャトルがゆっくりと、村の近くに降りてくる。









    巨大なVの字のようなシルエットのシャトル――――――――ユプシロン級コマンド・シャトルが地面へと着陸すると、ゆっくりとハッチがが降りてきた。



    http://vignette1.wikia.nocookie.net/starwars/images/d/d7/KyloRenCommandShuttle-Fathead.png/revision/latest/scale-to-width-down/650?cb=20150908050616










    ハッチの奥から降りてきたのは、黒いマスクを被り、黒のフード付きのローブを纏った男―――――――カイロ・レン。



    http://images.huffingtonpost.com/2015-12-21-1450662393-4622950-11875118_1007880092596925_2204135516599208531_o.jpg











    レンが地上に降り立つと、一人の老人が二人のストーム・トルーパーによって引き出された。









    「!! ホルヘ・・・・・・さん?」



    遠くに身を隠しているキュクロにも、はっきりとその姿が見えた。
    カイロ・レンはホルヘ・ピーケルと対面すると、感情の籠っていない、低い声で話し始めた。









  12. 12 : : 2016/01/24(日) 16:11:18









    「随分と老けたな、ホルヘ・ピーケル。」

    「わしはカイロ・レンと名乗る以前のお前を知っている。」








    レンは、しかし、ホルヘの言葉など意にも介さないとでもいうように、「受け取ったイェーガーの地図を渡せ。」と要求した。
    だが、ホルヘはそれを拒むと、代わりに彼を責め立てるような返事をした。



    「奴らは闇から生まれたが、お前は違う。生まれ持った血筋を誤魔化すことは出来んぞ?」









    すると、レンは恐ろしく苛立ったのを押し殺したような声を出した。


    「ダークサイドを、見せてやろうか?」









    バシュウウウッ!!


    次の瞬間、レンは火花の散るような赤い光刃を持つライトセイバーを起動した。
    そのすぐ後に、柄にある二つの穴からも小さな光刃が飛び出し、まるで十字のようなクロスガード・ライトセイバーがその赤い光刃を現出。




    ザシュッ!!


    剣を振り上げたレンは、ホルヘを袈裟切りにした。
    まるで糸の切れた人形のように、ホルヘは仰向けに倒れた。










  13. 13 : : 2016/01/24(日) 21:26:42








    「ナッ!? ヤロウッ!!」



    遠くでこの様子を見ていたキュクロは弾かれたように立ち上がり、怒りのままにレン目がけてレーザーを放った。


    だが・・・・・・・・・・・・









    レンが右手をかざすと、青いレーザーが空中で静止し、キュクロは金縛りにあったかのように動けなくなってしまった。








    (ナンデ・・・・・・動けナイ!?)



    身動きが取れずにキュクロが冷や汗をかくなか、ストーム・トルーパー二体が近づいてきて、キュクロを拘束した。
    腕を背中にまわされ、手錠をかけられたキュクロはストーム・トルーパーに両腕を掴まれ、空中で静止するレーザーの脇を通ってカイロ・レンの前まで連行された。



    連行されたキュクロは、しかし、不敵な笑みでレンと対面した。









    「オレが、どこに地図がアルか、教えてヤロウか?」

    「地図を受け取ったな。どこにある?」

    「マスクで声ガモゴモゴして聞こえナイな。」







    ゲシッ!


    「うがッ!!」






    ストーム・トルーパーにひざ裏を蹴飛ばされ、跪かせられるキュクロ。
    するとレンは膝を降り、キュクロに目線を合わせた。









    「ココには、もう、ナイ。」

    「奴の体を調べろ。」







    再び立たされたキュクロは体の隅々までストーム・トルーパーに調べられた。
    調べ終えたストーム・トルーパーが、レンに報告する。









    「地図はどこにもありません。」

    「連れていけ。」






    レンが簡単に命じると、キュクロは再び二体のストーム・トルーパーに腕を掴まれ、輸送船へと連行されていった。










  14. 14 : : 2016/01/24(日) 21:33:05









    「この村の住民はどうします?」



    すると、銀色の装甲服に黒いマントを羽織った女性指揮官―――――――キャプテン・ファズマがレンに問いかけた。



    http://star-wars-episode7.com/wp/wp-content/uploads/2015/09/%E4%BA%88%E5%91%8A%E7%B7%A8%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E5%BC%BE%E3%81%AE%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%97%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%BA%E3%83%9E.jpg












    対してレンは、極寒の宇宙と同じくらい冷たい声で答えた。



    「皆殺しだ。」











    住民たちが悲鳴を上げる中、キャプテン・ファズマは上司と同じくらい冷たい声でストーム・トルーパーたちに命じる。



    「構え。」










    一斉にストーム・トルーパーたちが銃を構える――――――その中でただ一人、躊躇いがちに構えたのは、ヘルメットに血痕のついたストーム・トルーパーであった。









    「撃てッ!」



    次の命令に対して、同僚たちが躊躇いなく引き金を引いて住民たちを虐殺する中、結局そのストーム・トルーパーは、銃を降ろしてしまった。












    __________こうして、トゥアナル村の住民たちは一人残らず銃殺され、キュクロは捕えられて輸送船の中に乗せられた。










  15. 15 : : 2016/01/24(日) 21:33:50










    乗ってきたシャトルへと戻るカイロ・レン。
    その途中、ふと視線を感じて、レンは足を止めた。




    __________血痕のついたストーム・トルーパーが、呆然とこちらを見ている・・・・・・。












    しばらく目を合わせた後、レンはふいと目を逸らし、シャトルへと戻り始めた。













    ドゴオォオンッ!!


    その瞬間、宙に浮いていたレーザーが真っ直ぐ飛んでいき、建物に当たって爆発した。










    さて、レーザーにより損傷し、飛べなくなったキュクロのXウィングも、ぬかりなく徹底的に調べ上げられた。







    「地図はありません!」

    「よし、破壊しろッ!!」







    地図がないと判明するや、ストーム・トルーパーたちはXウィングを滅多打ちにした。
    そして・・・・・・・・・・・・











    ドゴオォオォォンッ!


    大きな音を立てて、Xウィングは爆発した。











    その爆発は、遠く離れたBB-8にも確認できた。
    BB-8は主人を案ずるような、悲しげな電子音を立てた後、夜の砂漠を彷徨い始めた。












    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇










  16. 16 : : 2016/01/24(日) 21:44:08
    期待ですよ〜‼︎いやBBー8本当に可愛いですよねww

    カイロ・レンもヤバいカッコいい‼︎
  17. 17 : : 2016/01/24(日) 21:57:21
    ご期待ありがとうございますm(_ _)m

    頑張りますよ!
  18. 18 : : 2016/01/25(月) 15:43:30











    リサージェント級スター・デストロイヤーのハンガーベイに、カイロ・レンのコマンド・シャトルと輸送船四隻が帰還した。









    「グッ、押すナ。」



    一隻の輸送船の中から引き出されたキュクロが連行されていく中、別の輸送船から、血痕のついたストーム・トルーパーがふらつく足取りで降りてきた。










    __________なんで?



    なんで、あんな・・・・・・・・・・・・躊躇いもなく、引き金を引いて、人を殺せるんだよ・・・・・・・・・・・・。










    やがて彼は、他の兵士たちが既に降りて空になった輸送船に乗り込み、ヘルメットを外した。
    血痕のついたヘルメットの中は、びっしょりと汗をかいた坊主頭の青年であった。




    ・・・・・・・・・・・・体が震えるのが止められない。











    「ここで何をしている?」

    「!!」







    すると、後ろから急に声をかけられた。
    冷たい女性指揮官―――――――キャプテン・ファズマのものだった。









    「お前の認識番号は?」

    「・・・・・・・・・・・・CNI-2187です。」

    「CNI-2187、なぜ勝手にヘルメットを外した?」

    「申し訳ありません、キャプテン。」








    ストーム・トルーパーの部隊にとって、上官は絶対的な存在である。
    背を向けながらもへりくだった態度を取るCNI-2187に、ファズマはさらに高圧的な態度で命令した。










    「CNI-2187、お前のブラスター・ライフルを提出しろ。」

    「はい、キャプテン。」

    「お前には再教育を施す。後で出頭せよ。」

    「!! ・・・・・・・・・・・・はい、キャプテン。」









    CNI-2187の躊躇いがちな返事を聞いた後、キャプテン・ファズマはスッと踵を返して輸送船を降りていった。












    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇











  19. 19 : : 2016/01/25(月) 23:50:39












    惑星ジャクー、古戦場―――――――通称、“巨人の墓場”











    今からおよそ29年前。



    エンドアの戦いに勝利した反乱同盟軍が母体となって設立された新共和国と、銀河帝国の間で戦争が行われた。











    ジャクーの戦い――――――――この凄惨な戦いの爪痕は、広大な砂漠のあちこちに残され、墜落したスター・デストロイヤーや、スターファイターの残骸が今もあちこちに散らばっている。



    http://vignette4.wikia.nocookie.net/starwars/images/d/d2/JakkuLitterbugs-TFAT2.png/revision/latest/scale-to-width-down/650?cb=20150914024630















    今ここに、ゴーグルと布で顔を覆った少女が一人、墜落して廃墟と化したスター・デストロイヤーの中に入り、古びた部品に手を突っ込んでいた。











    「これは・・・・・・・・・・・・使えそうにないですね。あ、これなら大丈夫かも。」



    その少女は少しずつスター・デストロイヤーの部品を回収していく。
    ある程度回収し終わると、少女は下に縄を投げ、だだっ広いハンガーベイをするすると降りていく。








    ハンガーベイから外に出ると、じりじりとした砂漠の太陽が少女を焦がすように照り付けてくる。
    すると少女はゴーグルと顔を覆っていた布を外し、水筒を開けて水を飲み始めた。










    「ふぅ・・・・・・。」



    残り少ない水を飲み切り、口を拭う少女――――――――サシャ。













    「今日の獲物は、こんなもんですか・・・・・・・・・・・・。」







    __________サシャは今日まで、廃品回収業者(スカベンジャー)として生き延びてきた。



    今日も回収した廃品をスピーダーの脇にある網へ入れると、さっとスピーダーへと跨り、エンジンをかけて砂漠の上を颯爽と駆け抜けていく。







    http://vignette4.wikia.nocookie.net/starwars/images/b/b5/Rey-SpeederBike.png/revision/latest/scale-to-width-down/650?cb=20160122060528










  20. 20 : : 2016/01/27(水) 18:33:09










    やがてサシャは、行きつけの場所であるニーマ・アウトポストへと到着した。



    http://vignette2.wikia.nocookie.net/starwars/images/8/8a/Niima_Outpost.jpg/revision/latest/scale-to-width-down/400?cb=20160107190907











    ニーマ・アウトポスト―――――――ニーマ・ザ・ハットによって築かれた廃品回収業者の入植地。



    この惑星に住む様々な人間やエイリアンの廃品回収業者たちは、廃品をここに持ってきては、ポーション呼ばれる袋詰めにされた食料と交換してもらっていた。











    様々なエイリアンや人間たちに交じり、今日もサシャは回収してきた廃品を磨き上げ始める。







    「痛・・・・・・。」



    毎日毎日のことで手は荒れ、あかぎれを起こして手から血が滲む。
    それでもサシャは、エイリアンにどつかれながらも、廃品を磨き上げていく。







    磨き終わると、サシャはアンカー・プラットが経営するジャンク店に並んだ。
    サシャの番が来ると、磨いた廃品をアンカーの目の前にあるカウンターに並べた。



    http://vignette2.wikia.nocookie.net/starwars/images/8/8e/Unkar_Plutt_CT.png/revision/latest/scale-to-width-down/270?cb=20160122214049








    「回収してきた廃品は以上です。」

    「ふむ・・・・・・・・・・・・。」





    太って醜い姿のアンカーは左手に廃品を持ち、右手にルーペを持ってじっくりと吟味する。
    やがて、嫌悪感を催すだみ声で、







    「今日の廃品の価値は・・・・・・・・・・・・半ポーションだ。」



    アンカーはそう言うと、カウンターの下からパック詰めされた青い食料―――――――ポーションを取り出した。









    「これだけ・・・・・・・・・・・・ですか。」

    「受け取ったら早くどけ。」







    ぎゅるるとお腹がなる中、サシャは渋々半ポーションを受け取り、アンカーの元から立ち去っていった。









  21. 21 : : 2016/01/28(木) 04:28:36











    ブロロロロロ・・・・・・・・・・・・




    日が傾き始める砂漠の上を、一隻のスピーダーバイクが駆け抜けていく。
    漸くサシャは、子供のころからずっと住処にしてきた場所へと辿り着いた。











    ゴアゾン荒地―――――――緩やかな砂丘が続くこの土地にも、あちこちに戦争の爪痕が遺されていた。












    転がっている巨大な残骸の一つにサシャは入り込む。




    中には、花瓶に挿した枯れた花や、古びた手作りの人形、
    そして、これまた手作りのハンモックなどが置かれている。











    「さて、今夜も夕食にしますか。」



    そう言いながらサシャは、壁を小さな鉄片で傷をつけていく―――――――規則正しく並ぶ夥しい数のそれは、いつの日からか、サシャが毎晩日記のようにつけるものであった。










    箱の上に小さな皿を浮かべ、中に水を張る。


    少し微笑みながらサシャはポーションのパックを開け、青い食べ物を取り出す。
    それから、中に残っている粉を水に入れて手で少し伸ばすと、ブクブクと膨れ上がり、すぐにパンのような主食が出来上がった。








    「ふふふ、さて、今日も食べましょう。」



    鼻歌を歌いながら、サシャは左手にポーションを乗せた皿、右手に廃品の中から調達したクォータースタッフを持って外に出た。








  22. 22 : : 2016/01/28(木) 04:29:00










    巨大な銀河帝国の四足歩行兵器――――――――AT-ATウォーカーの残骸、その前足の裏に背中を預け、サシャは一人、ポーションを食べ始めた。



    http://www.daily-backgrounds.com/wp-content/uploads/big_30e45198c151c8a579ecf177c2ea0366b645e356.jpg














    もうはっきりとは覚えていないが、5歳の時にこの星へ置き去りにされてから、サシャはずっと待っていた・・・・・・・・・・・・。











    「きっと、帰ってきます・・・・・・・・・・・・よね?」







    寂しさを紛らわそうと、子供の時のサシャは人形を作り、人形相手に遊んでいた。
    丁度Xウィングの残骸から拾ったパイロットのヘルメットに刻み込まれた名前を覚え、ラエ大尉に成りきった。



    今はもうそんな遊びをしなくなったが、ヘルメットと人形は、今でも大切にとってある。











    サシャは少し懐かしそうにヘルメットを被り、宇宙へと飛び出していく船を眺めながら、ポーションに齧り付く。











    __________こうやって、サシャはいつも、孤独のうちに生きてきた。









  23. 23 : : 2016/01/30(土) 17:20:42











    いつものように、暮れかかる空を見上げる。







    すると、砂漠の砂丘の向こうから、悲鳴のような電子音が聞こえてきた。



    一体何なんでしょう?
    サシャは立ち上がると、クォータースタッフを手に取って走り出した。










    砂丘の向こうには、ラガビーストに跨った廃品業者であるティードーがいた。
    彼らは小柄な爬虫類の廃品業者であり、自らを種族名でもあるティードーと名乗った。



    http://i.imgur.com/O5vBAh2.jpg






    そして、よく見ると、ティードーは小さな網で丸いボールのようなドロイドを捕獲していた。










    <何やってるんですかッ! その子を放してッ!!>



    サシャはクォータースタッフをティードーに突きつけ、彼らの言葉でドロイドを網から出すように迫った。









    <放さんかいッ!!>



    サシャの迫力にタジタジになるティードー。
    その隙にサシャは、網の中に入っていたドロイドを助け出した。


    ティードーは捨て台詞を言うと、ラガビーストの手綱を引いて、砂漠の中を悠然と去っていった。








  24. 24 : : 2016/01/30(土) 17:21:28









    さて、サシャは助け出したドロイド―――――――BB-8に話しかけた。







    「大変でしたね。彼らはティードーっていって、あなたの部品が欲しかったみたいですよ。あっ、アンテナが。」



    そう言うとサシャは、曲がってしまったBB-8のアンテナを外し、真っ直ぐに伸ばすと、再び頭の上につけてあげた。
    すると、BB-8は感謝するような電子音を立てた。








    「それにしてもあなたはどこから? ・・・・・・・・・・・・成程、秘密ですか。私もなんです。」



    サシャの問いかけに、BB-8は慎重になり、当たり障りのない範囲で答えた。








    「人を探しているんですね? 私も・・・・・・・・・・・・家族を待っているんです。」



    そう答えるサシャは、どこか寂しそうな表情をしていた。








    「あっちの方角に行くとニーマがあります。そこなら探している人の話が聞けるかもしれません。ケルヴィン・リッジには行っちゃダメです。
    北のシンキング・フィールドにも・・・・・・・・・・・・砂に飲み込まれますからね。」







    それからサシャはすっと立ち上がり、元いたAT-ATウォーカーの残骸へと歩き始めた。
    すると、BB-8は、そっとサシャの後ろをついて転がり始めた。









  25. 25 : : 2016/01/30(土) 17:23:13









    「!! ついてきちゃダメですよ! ニーマはあっちです!」



    振り返ったサシャは、しかし、ニーマを指さしてBB-8に言い放った。








    ずっとサシャは、孤独のうちに家族が帰ってくるのを待っていた。
    そしてこれからも・・・・・・・・・・・・私は待ち続ける・・・・・・・・・・・・一人で・・・・・・・・・・・・






    だから、BB-8にはついて来て欲しくなかった。
    だって・・・・・・・・・・・・一人で待ち続ける決心が、鈍ってしまいそうだったから・・・・・・・・・・・・









    「ダメ、ダメですって・・・・・・。」



    それでもBB-8は、後ろをついて来ては、電子音を立ててくる。







    これからも・・・・・・一人で・・・・・・・・・・・・







    ややあってサシャは、頭を斜め後ろに傾けて、ついてくるよう合図した。
    BB-8は大喜びで電子音を立てて、サシャの後ろをついて行く。









    「仕方ないですね・・・・・・明日の朝までですよ。」








    サシャとBB-8―――――――二人が夕日に沈む砂漠の上を歩いていく。
























    __________そして、いよいよ明日。




    サシャの運命は、永遠に変わることとなる。












  26. 26 : : 2016/01/30(土) 17:28:42
    以上で、第1話が終了になります。


    劇場で見たかすかな記憶を頼りに書いていますので、どうしても執筆が遅くなるのをお許し下さいまし<m(__)m>


    空山さん、直方さん、お気に入り登録ありがとうございます!





    次回もよろしくお願い致します!
  27. 27 : : 2016/01/30(土) 17:29:27


    次回も頑張ってね~
  28. 28 : : 2016/01/30(土) 17:35:33
    いつもコメント頂き、感謝です!

    頑張りますね!
  29. 29 : : 2016/01/31(日) 19:59:35
    まだ映画を観ていない、そして観れる見込みが
    ほぼ無いのでTV放送かDVDリリースまで読むのは
    お預けです…m(__)m
  30. 30 : : 2016/01/31(日) 21:49:11
    結構先になりそうですね。


    しかし、スター・ウォーズはやはりネタバレ無しが一番楽しめると私も思います。
    このSSをお読みになるのを気長にお待ちしていますね。

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hymki8il

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進撃×スター・ウォーズ ~フォースの覚醒~ シリーズ

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