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エレン「エピソードⅥ」 ヴェイダー「ジェダイの帰還」 ③ 進撃×スター・ウォーズ
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- 1 : 2016/01/15(金) 01:39:30 :
- 進撃×スター・ウォーズ、エピソードⅥ、ジェダイの帰還の第3話になります。
よろしくお願い致します<m(__)m>
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- 2 : 2016/01/15(金) 07:45:10 :
いつも楽しみに拝見しています!
期待です!!
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- 3 : 2016/01/15(金) 12:59:25 :
- 期待ありがとうございます!
頑張ります!
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- 4 : 2016/01/15(金) 13:00:41 :
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第二デス・スターの周辺を、帝国軍のスターファイターが幾重にも取り囲んでいる。
広大なハンガー・ベイには、莫大な人員が左右に分かれて整列し、中央奥に着陸したシャトルから降りてくる人物を待っている。
http://www.starwars.jp/wiki/images/8/84/GalacticEmpire.jpg
シャトルのうちから、まずは6人のロイヤル・ガードが降りてくる。
赤いマスクとマントを身に纏ったロイヤル・ガードが3人ずつ左右に整列すると、シャトルの前で待機していたヴェイダー卿とモフ・フレーゲルは片膝を折って跪いた。
__________シャトルのタラップを、大きなフードのついた黒いローブを纏った老人が、杖を突いて降りてくる。
http://vignette2.wikia.nocookie.net/starwars/images/3/38/EmperorsArrival-SWE.jpg/revision/latest?cb=20110916184500
顔は青白く、醜い皺が寄っていて、口の中からは腐臭が漏れ、まるで生きる屍のような男。
シスの暗黒卿ダース・シディアス、銀河帝国皇帝シーヴ・パルパティーンがデス・スターに到着した。
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- 5 : 2016/01/15(金) 13:01:55 :
「立つのだ、わが友よ。」
パルパティーンが起立を命じると、ヴェイダー卿は立ち上がり、皇帝と並んで歩き始めた。
皇帝は、ヴェイダーの苛立ちを感じ取っていた。
「デス・スターは予定通り完成いたします。」
「よくやってくれた、ヴェイダー卿・・・・・・感じるぞ、若きイェーガーを探しに行きたいか?」
苛立ちを悟られたヴェイダーは、しかし、表面上は冷静に答えた。
「はい、マスター。」
「耐えるのだ、わが友よ。やがて向こうからお前を探しに現れる。イェーガーが来たならば、私の元へと連れてくるのだ。
あやつは強くなった。二人で力を合わせねば、フォースのダークサイドに導くことは出来ぬ。」
「仰せのままに。」
・・・・・・・・・・・・どうやら皇帝は、皇帝のやり方でエレンをダークサイドへと導くつもりらしい。
ヴェイダーはそこに、自分をも巻き込むかもしれない皇帝の策略を感じ取った。
「全ては私の予見した通りに物事が進んでおる。」
__________皇帝の不気味な高笑いが、ハンガー・ベイに響き渡った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 6 : 2016/01/15(金) 14:03:35 :
惑星ダゴバ。
夜明け前の、闇が最も深い時刻に、僕はヨーダの小屋へと到着した。
眠っているかもしれないと思っていたけれど、小屋の窓からは、竈の炎の明かりが漏れ出している。
もしかしたら、破門されてしまうかもしれないな。
不肖の弟子だった僕は、内心苦笑しながら、マスター・ヨーダの元を尋ねた。
「ふぅ・・・・・・ふぅ・・・・・・・・・・・・。」
一年ぶりに再会したヨーダは、なぜだろう、以前よりも小さく見えた。
前のヨーダなら、小さくともその存在感は大きかったのに、今のヨーダは、何というか、しぼんでしまったかのようだった。
「その顔は何じゃ?」
「!!」
竈の火を見つめながら呟くヨーダの口調は弱々しい。
「わしは衰えたか?」
「も、勿論、そんなことはありません。」
慌てて否定するものの、内心、否定しきれなかった。
するとヨーダは「そうじゃよ。」と相槌を打ちながら、こっちを向いた。
「その通りじゃよ。病も患っておる・・・・・・・・・・・・老いぼれた。」
弱々しくなってしまったヨーダは、僕にとっては思いがけないことに、微笑んだ。
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- 7 : 2016/01/15(金) 14:04:35 :
「900歳にもなればしょぼくれだってする、ふふっ、ふふふふふふ・・・・・・・・・・・・ゲホッ! ゴホッ!」
「!! マスター!?」
咳き込むヨーダの背中を擦り、僕は自分のベットへと歩いていくヨーダを介抱した。
病に侵されながら、ヨーダは僕のことをずっと待っていてくれたのだ。
そのことを思うと、今更ながら、本当に申し訳ない。
そんな気持ちを察したのか、ヨーダは横になりながら、僕に語り掛けた。
「気にせずとも良い、エレンや。もうすぐわしは眠りにつく。そう、永遠の眠りじゃ。」
「マスター・ヨーダ・・・・・・。」
「フォースが強くとも、死は免れん。黄昏が来ればすぐに夜の帳が降りる。それが人生じゃ。フォースの定めじゃ。」
どこまでも、僕は不肖の弟子だった。
胸のうちにある不安を、僕は訴え始めた。
「でも、僕には助けが必要なんです。修業を終わらせにここに来たんです。」
「もう修業は必要ない。必要なものは、お前が自身で既に身に付けた。」
今まで見たことがないような、安らかな顔をして、ヨーダは僕に語り掛けてきた。
「では、僕はジェダイに?」
「ゲホッ! ゲホッ・・・・・・・・・・・・まだじゃ、まだ一つ、残っておる。ヴェイダーじゃ。ダース・ヴェイダーと再び対決するのじゃ。その時、その時こそ、お前はジェダイになれる。」
「対決の時は近い。」と、ヨーダは予言して、静かに目を瞑った。
「マスター・ヨーダ・・・・・・」
僕は、自分の心の中に巣食う闇を、ヨーダに打ち明ける決心をした。
「・・・・・・・・・・・・ダース・ヴェイダーは、僕の父さんなんですか?」
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- 8 : 2016/01/15(金) 14:06:38 :
「わしは休む。邪魔をせんでくれ。」
寝返りを打ち、ヨーダは僕から顔を背ける。
安らかだった口調が、どこか影を帯びた口調へと変わる。
「知る必要があるんです。」
重ねて問いかける僕に、ヨーダは暫く沈黙した。
ややあって、小さく囁くような声で、ヨーダは答えた。
「・・・・・・・・・・・・お前の父親じゃ。」
いつか向かい合わなければならない。
仕方のないことだ。この世界は・・・・・・・・・・・・残酷なのだから。
分かっていても、今だに受け止めきれない僕がいた。
「・・・・・・・・・・・・あやつから聞いたのか?」
「・・・・・・・・・・・・はい。」
「予期せぬことじゃった。不幸なことじゃ。」
「僕の父さんがダース・ヴェイダーだということがですか!?」
「そうではない!」
再び寝返りを打って、ヨーダは僕の顔を見た。
「あの男に、早く会いすぎたことじゃ・・・・・・お前は、修業の途中じゃった! お前には、あまりにも重すぎる真実じゃ!」
「・・・・・・・・・・・・すみません。」
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- 9 : 2016/01/15(金) 14:07:35 :
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次第に、言葉を紡ぐヨーダの声が、苦しげになっていく。
必死に言葉を押し出して、ヨーダは僕に語り掛けてくる。
「よいか、ジェダイの力は・・・・・・フォースから湧き出る。じゃが気を付けろ。怒り、恐れ、攻撃、これらの感情が・・・・・・お前を、ダークサイドへと誘う。
一度ダークサイドへと落ちてしまえば、永遠に運命を支配されてしまう。お前の・・・・・・父親のようにな。」
僕の脳裏に、僕をダークサイドへと誘おうとしたあの日のヴェイダーが映る。
「決して・・・・・・決して皇帝の力を見くびってはならん。父親と同じ苦しみを味わうことになるぞ。」
今思えば、父さんはどこか、苦しんでいるように見えた。
古傷を必死に隠そうとして、冷静な顔を装うような、そんな風にも見える。
「わしが死ねば、お前は最後のジェダイとなる・・・・・・・・・・・・お前の家系は皆、フォースが強い。お前の学んだことを、伝えるのじゃ・・・・・・・・・・・・
もう、一人の・・・・・・・・・・・・イェー・・・・・・・・・・・・ガーに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
最後の言葉を呟いた後、ヨーダはくずおれるように目を瞑った。
__________銀河最強のジェダイ・グランド・マスター、800年にもわたってジェダイを育ててきたヨーダは、この小さな小屋の中で、ひっそりとその一生を終えた。
ややあって、ヨーダの遺体は、アルミンと同じように音もなく消滅し、フォースと一体となった。
http://www.starwars.jp/wiki/images/4/47/Yoda_death.jpg
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- 10 : 2016/01/15(金) 15:03:33 :
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小屋を出て、僕は白み始めた空を見上げた。
__________遂に僕は、最後の一人になった。
銀河で最後のジェダイに・・・・・・・・・・・・。
ふと後ろを振り返ると、小屋の中に点っていた竈の灯がふっと消えた。
こんな僕に、一体何が出来るのだろう・・・・・・・・・・・・。
すると、Xウィングの整備をしていたR2が僕を気遣って、電子音を立てた。
R2の頭に手をそっと置き、僕はR2に話しかけた。
「僕には出来ないよ、R2・・・・・・・・・・・・一人じゃ、無理だ・・・・・・・・・・・・。」
すると、何処からか、懐かしい声が聞こえてきた。
<ヨーダが、いつも君の側についている。>
「!! アルミン!?」
ダゴバの夜明け、ジャングルの中に、朝の陽ざしが差し込んでくる。
その木漏れ日の中から、年老いたアルミンの霊体は姿を現した。
僕がダゴバを去ってから、一年ぶりの再会―――――――ずっと心に思っていたことを、僕はアルミンに尋ねた。
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- 11 : 2016/01/15(金) 15:04:27 :
「どうして・・・・・・どうしてあなたは僕に嘘を? あなたは、ヴェイダーが僕の父を殺したと?」
<君の父さんは、フォースのダークサイドに誘惑されて、ダース・ヴェイダーとなった。その時、善人だった君の父さんは死んだんだ。私の言ったことは、見方によれば真実だ。>
「見方によれば?」
<エレン。真実は多面的で、見る人によって変わってくるものだよ。>
そう言うとアルミンの霊体は倒木に腰かけた。
エレンも同じように、アルミンの隣に腰かける。
すると、アルミンは今までずっと心の奥底に秘めてきた思いを打ち明け始めた。
<ダース・ヴェイダーは・・・・・・いや、かつてのエレン・イェーガーは、私の親友だった。>
「エレン?」
<そう、君の母さんが父さんと同じ名前を付けたんだ。>
「僕の母さんを知ってるの?」
<とても聡明な女性だった。私はエレンを上手く教えているつもりだったのだけれど、エレンはその女性――――――ヒストリアに恋をしていた。
そしてそのことが、やがてエレンに破滅をもたらしたんだ。>
__________アルミンの脳裏には、23年前の決闘が蘇っていた。
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- 12 : 2016/01/15(金) 15:06:12 :
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<エレンは夢の中で、ヒストリアが死ぬという運命を見るようになった。そしてエレンは、そんな彼女を救おうとしてダークサイドに堕ち、ダース・ヴェイダーへと変貌した。>
「母さんを、救うため?」
<皇帝に唆され、永遠の命を得ようとして、エレンは禁忌へと足を踏み入れたんだ。それからヴェイダーは、同胞のジェダイを次々と殺めて、この銀河に暗黒時代をもたらした。>
「それで、母さんは?」
<エレンの裏切りを知ったヒストリアは、エレンを止めようとした。でも、私は彼女の後をつけて、エレンの前に立ちふさがったんだ。ヒストリアが裏切ったと勘違いしたエレンは、激昂して彼女の首を締め上げた。>
「!!」
<衰弱したヒストリアは、君を産んでから、息を引き取った・・・・・・。僕はエレンと決闘し、エレンを・・・・・・・・・・・・かけがえのない親友を、斬った。>
「・・・・・・・・・・・・そんなことが。」
僕とエレンは、煮え滾る溶岩惑星、ムスタファーで決闘をした。
涙を呑んで、心を殺して、僕は・・・・・・・・・・・・エレンを斬った。
でも・・・・・・・・・・・・
<左腕と両足を斬られ、溶岩の炎にくるまれたエレンを、僕は殺すことが出来なかった・・・・・・・・・・・・。今のヴェイダーは人間というより機械だ。それも、悪に歪んでしまったね。>
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- 13 : 2016/01/15(金) 15:07:55 :
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暫くの間、沈黙があたりを包んだ。
ややあって、エレンが話し始めた。
「・・・・・・・・・・・・父さんにはまだ、良い心が残っている。」
<運命からは逃れられない。もう一度、ダース・ヴェイダーと戦うんだ。>
「実の父を、僕は・・・・・・・・・・・・殺せません。」
すると、アルミンは肩を落として呟いた。
<では、既に皇帝の勝ちだ。君が、最後の希望だった。>
「ヨーダは、もう一人いると?」
<君の双子の妹のことだ。>
「!? 僕には妹なんかいませんよ?」
<皇帝から守るため、君たちは生まれた時に父親の元から隠されたんだ。エレンの血を引くものがいれば、皇帝の脅威になる。君の妹は素性を隠され、今も生きている。>
その時エレンは、アルミンの心の底を見通した。
アルミンの心の奥底が、まるで目の前にあるかのように見通せたのだ。
「・・・・・・・・・・・・ミカサが、ミカサが僕の妹なんだね?」
<君の洞察力も大したものだね、エレン。いいかい、妹への想いは、決して表に出してはいけないよ。>
アルミンは真剣な目で、エレンを見つめた。
君に、すべてを託す―――――――アルミンは思いの丈を、言葉に込めた。
<君のその深い愛情に、皇帝は付け込んでくる。ダークサイドの誘惑に、打ち勝つんだよ、エレン。>
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- 14 : 2016/01/15(金) 18:18:50 :
サラスト星系付近、反乱軍集合地点。
反乱同盟軍最高指導者の命により、この宙域周辺には、反乱同盟軍の艦隊が集結していた。
小型のコレリアン・コルヴェット、中型の輸送船、
大型のフリゲート艦である病院船に加え、
今や反乱同盟軍の艦隊には、高度な造船技術を持つエイリアン、モン・カラマリの巨大戦艦が加わって、大艦隊を成していた。
だが、これだけの艦隊をそろえても、銀河帝国艦隊の足元にも及ばないことは、彼ら自身がよく知っていた。
※反乱同盟軍艦隊
http://www.theforce.net/swtc/Pix/given/rb/mc03.jpg
第3話
最終戦略会議
戦艦の中でも一際巨大なモン・カラマリ・スタークルーザー<ホーム・ワン>。
その中にある半円状の会議室には、反乱同盟軍の主要な幹部たちが顔をそろえていた。
ヤヴィンⅣにあった秘密基地の指揮を執り、ヤヴィンの戦いにおいて奇跡的な勝利をもたらしたドット・ピクシス将軍。
ホスにあったエコー基地の指揮を執り、ホスの戦いにおいて無謀ともいえる殿を務めあげたキース・シャーディス将軍。
そして、モン・カラマリの大艦隊を反乱軍にもたらしたギアル・アクバー提督。
※ギアル・アクバー
http://www.starwars.jp/wiki/images/b/be/Ackbar.jpg
そんな彼らに交じり、ベルトルトやジャン、ミカサ、マルコ、チューバッカもホーム・ワンの会議室に到着した。
「それにしても、お前が将軍にご出世とは驚きだな、マルコ?」
「誰かさんがタナブでの戦いをばらしたせいだよ、ジャン。」
「俺はただ優秀なパイロットだって言っただけだ。まさかお前が特攻隊長になるなんて思わなかった。」
「じゃあ君がやるかい?」
「俺はお前ほどイカれちゃいねえよ。こんな仕事はお前が適任だ。」
ジャンとマルコは、それぞれ皮肉を言い合いながら席に座った。
やがて、ピーッ ピーッと静かにアナウンスがなり、会議室は静まりかえった。
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- 15 : 2016/01/15(金) 18:37:32 :
反乱同盟軍最高指導者―――――――ハンジ・ゾエは会議室の中央に立ち、話し始めた。
「皇帝は致命的なミスを犯した。ボザンのスパイがもたらしてくれたデータから、皇帝の新型バトル・ステーションの正確な座標が判明。いよいよ・・・・・・攻撃の時だ。」
ハンジはそう言うと、部屋の中央にあるホログラム装置を起動した。
部屋の照明が落とされ、大きな緑色の球体と小さな赤色の球体が映し出される。
http://www.fiendish-thingy.com/images/endor.jpg
「このデス・スターの攻撃システムはまだ未完成。それに、帝国軍艦隊も私たちを捜索するために銀河中に散らばっていて、防御も比較的手薄。
けれど、最も重要なことは・・・・・・・・・・・・皇帝自らが視察に訪れ、最終建造の指揮を執っているということだ。」
ハンジのこの言葉に、会議室がざわついた。
恐らく、この戦いが、反乱同盟軍として最後の、そして、銀河の明日を決める戦いとなる。
ハンジは掛けていた眼鏡をはずし、兵士たちに向かって檄を飛ばした。
「この情報を手に入れるために、多くのボザンが命を落とした。彼らの御霊、私は決して無駄にはしない・・・・・・・・・・・・これが最後の決戦となる! 皆、心臓を捧げよッ!!」
ハンジの激烈な喝に、反乱同盟軍の兵士たちは一斉に心臓を捧げた。
どの兵士たちも覚悟を固め、身に付けた自由の翼の紋章に、誇りを持って戦う戦士の顔になった。
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- 16 : 2016/01/15(金) 18:38:47 :
ハンジが話を終えると、今度はアクバー提督がしゃべり始めた。
彼は今回の作戦を、ハンジと一緒に立案した戦略家である。
「見て分かるように、第二デス・スターはエンドアの軌道上にある。攻撃システムこそ未完成だが、強力な防衛システムを備えておる。
エネルギー・シールドだ。エンドアの地上から照射されておる。」
アクバーが手に持ったスイッチを押すと、衛星エンドアのホログラムから黄色いシールドが照射され、デス・スターがシールドに覆われた。
http://media.comicbook.com/2015/12/death-star-endor-hologram-map-shield-generator-163994.jpg
「このシールドを破壊しない限り、デス・スターへの攻撃は不可能だ。シールド突破後、デス・スターの周りを巡航艦で固め、その隙に戦闘機がデス・スター内へ突入。
中にある主反応炉 を破壊する。マルコ将軍が戦闘機の指揮を執る。」
「まぁ、頑張れよ。」
相も変わらず少し皮肉な口調で、ジャンはマルコに話しかけた。
くすっとマルコは笑うと、ジャンに対して「うん。」と頷いた。
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- 17 : 2016/01/15(金) 19:00:23 :
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アクバー提督の話が終わり、ピクシス将軍が今度は話し始めた。
今回の作戦を遂行するにあたり、ピクシスは裏で準備を進めてきたのだ。
「さて、小型の帝国軍シャトルをわしらは奪取した。輸送船を装って秘密の帝国軍コードを使用し、突撃チームがエンドアへと潜入、シールド発生装置を破壊する。」
「危険な任務です!」
C-3POが思わず声を上げ、他の反乱軍の兵士たちも一様にざわついた。
恐らく厳重な警備が敷かれているだろうシールド発生装置に潜入するのは、どう考えても容易ではないのが分かったからである。
「いったい誰がこの作戦の指揮を?」
ミカサが首を傾げてジャンに話しかけると、ジャンは何とも言えない表情をした。
すると・・・・・・・・・・・・
「ふふ、キルシュタイン将軍? 部隊は集結済みかの?」
薄笑いを浮かべたピクシス将軍がキルシュタイン将軍に問いかけてきた。
「部隊は集結させたんですが、シャトルの乗組員がまだ決まっていないな。」
苦笑いを浮かべながら答えるキルシュタイン将軍。
すると、彼の相棒であるチューバッカが手を上げ、唸り声を発した。
「おいおい、今回ばかりは危険だぞ?」
勿論、こんなことで引き下がるチューバッカではない。
ジャンは嬉しそうに「一人決まった!」と叫んだ。
すると・・・・・・・・・・・・
「将軍、私もシャトルに乗る。」
ミカサもまたチューバッカと同じように名乗り出た。
更に・・・・・・・・・・・・
「僕も行くよ!」
会議室の入り口から声が聞こえ、全員が振り返ると、エレンが丁度会議室へと入ってきた。
「エレン!」
ミカサは立ち上がり、エレンと抱擁を交わした。
エレンを離したミカサは、その時、エレンの表情に一瞬現れた深い悲しみの感情に気が付いた。
「!? エレン、何かあった?」
「後で話すよ。」
エレンはミカサから顔を背け、ジャンやチューバッカに笑顔を見せた。
__________エレンとミカサ、ジャンとチューバッカ、そして、R2-D2とC-3PO。
彼らは再び集結し、エンドアの森へと潜入することになった。
「やれやれ、ご主人様の命知らずには参るよ。」
C-3POは、エレンと一緒に戻ってきたR2-D2にそう呟いた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 18 : 2016/01/15(金) 21:40:27 :
ホーム・ワンのハンガー・ベイには、反乱軍のスターファイターが所狭しと並べられている。
その中に混じり、ジャンのミレニアム・ファルコンと、これからエレンたちが乗る帝国のラムダ級シャトルも停泊していた。
http://www.starwars.jp/wiki/images/b/bf/HomeOne_hangar.jpg
「エレン!」
「ベルトルト! 元気にしてたか?」
さて、エレンは幼馴染みのベルトルトと久方ぶりに再開した。
今回の作戦において、エレンが地上の工作部隊に加わることになったため、ベルトルトはエレンが率いていたレッド中隊の隊長を務めることになっていた。
「うん、僕は相変わらずだったよ。それにしても、エレン。君は・・・・・・随分と変わった。」
「僕はもう、あの時のわんぱく坊主じゃなくなったんだよ。」
「ふふ、ライナーが見たらさぞかしびっくりするだろうね。」
エレンとベルトルトはお互い笑いあった後、しんみりとした空気になった。
もう一人の幼馴染みであったライナーは、4年前のヤヴィンの戦いでヴェイダーに撃墜され、命を落としている。
あの時、エレンは最後まで戦い抜き、デス・スターを爆破させたのであるが、ベルトルトは機体が損傷し、途中で戦線を離脱していた。
「今度こそ、僕は最後まで戦い抜いて見せるよ、エレン。」
「その意気だ。頼んだよ、ベルトルト。」
「うん。」
エレンはベルトルトと固く握手すると、ラムダ級シャトルへ向かって歩き始めた。
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- 19 : 2016/01/15(金) 21:53:23 :
エレンとベルトルトが握手を交わし、しばしの別れを告げる中、ジャンもマルコに話しかけていた。
「おい、マルコ・・・・・・・・・・・・いいか、俺の船を使えッ!」
素直に言うのが恥ずかしいのか、ジャンは命令口調でマルコに話しかけた。
「こいつはオンボロな鉄くずだが、艦隊で一番早い船だ!」
「分かった分かった! ありがたく使わせてもらうよ! 傷一つつけずに帰すからさ! いい!?」
「あ、ああ・・・・・・・・・・・・。」
一応納得したのか、ジャンは後ろを向いた。
かと思うとすぐに振り返ってマルコに念を押した。
「いいか、傷一つつけずに返すんだぞ!?」
「いいから行きなよ!」
マルコが呆れながら笑い、それから右手の人差し指と中指を額に当て、ジャンに敬礼を送った。
「幸運を。」
「お前もな。」
ジャンも敬礼を返した後、二人はお互いに背を向けて、それぞれの船―――――ジャンはラムダ級シャトルへ、マルコはミレニアム・ファルコンへと歩き始めた。
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- 20 : 2016/01/15(金) 22:15:10 :
ピクシス将軍の指揮で奪取した帝国軍のシャトル<タイディリアム>の中では、エレンとミカサ、チューバッカ、R2-D2とC-3POが既に準備を終えていた。
「エレン、船はもう温まったのか?」
「うん、いつでも飛べるよ。」
ジャンの問いにエレンが答えると、チューバッカが不満げな唸り声を漏らした。
「狭いのは我慢するんだな。これは帝国の船だ。」
ジャンはチューイを宥めながら、目の前に停めてあるミレニアム・ファルコンをボーっと見つめていた。
「ジャン? 起きてる?」
心配したミカサが話しかけると、我に返ったようにジャンが話し始めた。
「あ、ああ・・・・・・・・・・・・あの船を見る機会が、これで最後な気がしてな。」
「しっかりして、将軍。行こう。」
「よし、チューイ。このガラクタを飛ばしてみろ。」
__________ラムダ級シャトル<タイディリアム>はゆっくりとホーム・ワンのハンガー・ベイを離陸し、宇宙空間へと飛び出していく。
「エレン、準備はいいか?」
「ああ、座標をセットした。いつでもいいよ。」
「やれやれ、また宇宙旅行だよ・・・・・・・・・・・・。」
C-3POがそう嘆くなか、ジャンはハイパードライブ装置を起動した。
ブウウウウン・・・・・・・・・・・・ドゴオォオォンッ!!
__________タイディリアムは、聖なる森の月、エンドアを目指し、ハイパースペースへとジャンプした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 21 : 2016/01/15(金) 23:36:58 :
第二デス・スターの北極点には、地上100階建ての指令タワーが存在する。
http://www.starwarsringtheory.com/wp-content/uploads/2014/08/vlcsnap-2014-06-13-23h50m59s82.jpg
最も厳重なシールドによって守られたこの尖塔の最上階には、皇帝の玉座の間が置かれていた。
皇帝に呼び出されたヴェイダー卿は、窓から宇宙空間を覗く皇帝に対して跪き、恭しく頭を下げた。
「お呼びでしょうか、マスター?」
ヴェイダー卿が立ちあがると、皇帝も彼のほうを向いて話し始めた。
「帝国軍の艦隊をエンドアの反対側へと配置せよ。命令を下すまで、そこで待機するのだ。」
「サラスト付近に反乱軍の艦隊が集結しつつありますが。」
「気にすることはない。」
皇帝は邪悪な笑みをこぼしながら、話を続けた。
「反乱軍はすぐに壊滅し、若きイェーガーは我らのものとなる。ここでの仕事は終わったのだ、わが友よ。司令艦にて私の命令を待て。」
__________皇帝は相も変わらず、複雑な計略の中心に鎮座している。
まるで銀河に闇をもたらすブラックホールのように、それと気づかぬうちに強力な引力で周りを巻き込んでいくのだ。
そして、気が付いた時には、もう、すべてが終わっている・・・・・・・・・・・・。
「仰せのままに、マスター。」
ヴェイダーは再び頭を下げると、踵を返して皇帝の前から退出した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 22 : 2016/01/16(土) 00:54:06 :
- ハンジにモン・モスマの服を着せてみたが…似合わねぇww
年取って少しは変人っぷりも鳴りを潜めたか?
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- 23 : 2016/01/16(土) 00:56:19 :
- 霊体の外見が可変かどうかは不明だけど
真相を打ち明けるアルミンの姿は若い頃に
戻ってる気がする
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- 24 : 2016/01/16(土) 01:07:52 :
- ハンジにあの服装はホント似合わないですねwww
はい、年をとって丸くなったということでお願い致しますm(_ _)m
アルミンのセリフは意図的にそうしました。一人称も私から僕に変えましたし。
普段は理性的なアルミンが、感情を出した時に一人称を僕にしています。実はエピソードⅢからそうしていますので、気になりましたら見てみてくださいねwww
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- 25 : 2016/01/16(土) 07:47:33 :
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「よし、ハイパースペースを離脱するぞ、エレン。」
「ああ。」
ギュイイイン・・・・・・ドゴオォオォンッ!!
タイディリアムが青いまだら模様のトンネルから離脱すると、目の前に超巨大な宇宙要塞と、巨大な戦艦が飛び込んでくる。
https://c2.staticflickr.com/4/3711/13299738615_287fc72f18.jpg
「着いたな。」
「そうだね、ジャン・・・・・・・・・・・・あれが、第二デス・スターだ。」
__________エレンたちの乗ったタイディリアムは、聖なる森の月、エンドアの軌道上に浮かぶ第二デス・スターの前に到着した。
いずれは入ってくるだろう通信に備え、慌ただしく許可コードの準備を始めるジャン。
「連中にこのコードが通用しなかった場合、全力で逃げるぞ?」
ジャンのこの言葉に、操縦室にいた全員が息をのむ。
ややあって、超巨大な宇宙要塞の前を通る、矢尻型の巨大戦艦<エグゼキューター>から通信が入った。
『スクリーン上にそちらの存在を確認した。そちらの船の名前は?』
元々帝国の軍人であったジャンが、士官から入った通信に答える。
「シャトル<タイディリアム>だ。偏向シールドの解除を求める。」
『シャトル<タイディリアム>、認証コードを送信せよ。』
「送信する。」
そう言うと、ジャンはコントロールパネルのスイッチを打ち込み、認証コードを送信し始めた。
「大枚をはたいた甲斐があったか、今ここで問われることになる。」
「気にするなよ、ミカサ。きっとうまくいくさ。」
ジャンがミカサを宥める中、エレンは目の前に迫ってくる巨大な戦艦にくぎ付けにな
っていた。
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- 26 : 2016/01/16(土) 07:48:18 :
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__________フォースが、告げている。
「・・・・・・・・・・・・ヴェイダーだ。ヴェイダーがあの船の中にいる。」
フォースを通じて、エレンは父親の存在を感じ取っていた。
いきなりしゃべりだしたエレンに驚きつつ、ジャンはエレンに口を挟んだ。
「死に急ぎらしくない神経質さだな、エレン。司令船なんかたくさんあるだろ?」
そうは言いつつも、ジャンもやはり心配になってきたようで、チューバッカに話しかけた。
「距離を取っておけよ、チューイ。それとなくな。」
チューバッカが理解できないというような唸り声を上げると、ジャンは口を尖らせた。
「知るか! 自然に飛べってことだよ!」
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- 27 : 2016/01/16(土) 07:49:16 :
__________フォースが、告げている。
エグゼキューターの艦橋の中では、タイディリアムからの通信に対応していたトーマス提督が、シールド解除の許可を出そうとしていた。
するとそこに、今まで艦橋から宇宙空間を覗いていたヴェイダーの影が差した。
「あのシャトルはどこへ向かっている?」
ヴェイダー卿が尋ねてきたので、トーマスはタイディリアムに積荷と行先を聞きだした。
『パーツと技術要員を森林衛星へ。』
尤もらしい返答がタイディリアムから返ってくる。
士官たちには何ら不自然な点は感じられなかった―――――ヴェイダー卿を除いては。
「認証コードは正しいのか?」
「古いコードですが、間違いありません。」
さて、ヴェイダーは艦橋の外にあるシャトルを見つめた。
エレンが父親を感じ取ったように、ヴェイダーも息子の存在を船の中で感じ取っていた。
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- 28 : 2016/01/16(土) 07:50:17 :
「来るべきじゃなかった・・・・・・ヴェイダーは僕に気が付いてる。」
「おいおい、妄想もそこまで行くと大概だな。」
ジャンの皮肉も、最早エレンの耳には入っていなかった。
父さんに見られている・・・・・・・・・・・・。
フォースの中でヴェイダーの視線を感じ、額から冷や汗を流すエレン。
「止めますか?」
じっとシャトルを見つめているヴェイダーに、トーマスが問いかける。
すると、ヴェイダーはトーマスのほうを向いて彼の問いに答えた。
「いや、通せ。あの船は俺に任せろ。」
「かしこまりました、閣下。通せ。」
ヴェイダーは、しかし、エレンの乗った船を通過させるよう部下に命じた。
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- 29 : 2016/01/16(土) 07:51:18 :
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さて、ジャンは認証コードの確認に時間がかかりすぎているのを不安視し始めた。
「これはまずいかもな、チューイ。」
すると、エグゼキューターの艦橋から、士官の声が再び聞こえてきた。
『シャトル<タイディリアム>、シールドを解除する。現コースを維持せよ。』
「!! 了解した。」
ジャンはそう言うと、通信を切った。
「ほらみろ、上手くいっただろ? どうやらお前の考え過ぎだったようだな、死に急ぎ。」
得意そうなジャンに対して、エレンは猜疑心に満たされていた。
間違えるはずはなかった。あの船には間違いなくヴェイダーが乗っている。
なのに、僕らを通す意図は・・・・・・・・・・・・何だ?
ジャンとは対照的に、エレンの不安はますます募っていくばかりだった。
__________一隻のシャトルが、ゆっくりと聖なる森の月へと降下していく・・・・・・・・・・・・。
ヴェイダーはそれを見届けると、踵を返して艦橋を後にした。
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- 30 : 2016/01/16(土) 07:56:07 :
- 以上で、第3話が終了になります。
次回は聖なる森の月、エンドアのお話になります。
どうぞよろしくお願い致します。
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