この作品は執筆を終了しています。
エレン「エピソードⅥ」 ヴェイダー「ジェダイの帰還」 ② 進撃×スター・ウォーズ
-
- 1 : 2016/01/13(水) 21:36:02 :
- 進撃×スター・ウォーズ、エピソードⅥ、ジェダイの帰還の第2話になります。
よろしくお願い致します<m(__)m>
-
- 2 : 2016/01/13(水) 21:37:18 :
ミカサとチューバッカがジャバによって囚われた翌日。
昼下がりのジャバの宮殿。
その巨大な鉄製の扉が、誰も触れていないにもかかわらず、ひとりでに開き始めた。
開いた扉の奥から、黒いフードのついたマントを羽織った男が一人、静かに入ってくる。
異変に気が付いたガモーリアン・ガード二人が、斧を交差させて男の行方を阻もうとする。
すると、男はその二人に向けて手をかざした。
「「!!」」
突然、ガモーリアンの首が絞まり、二人はもがき苦しみ始めた。
各々斧を取り落とし、必死に喉に手を持っていくものの、どうすることもできないまま二人は気絶させられた。
ジャバは昼寝の途中であり、彼の前には囚われたミカサが横たわっている。
ミカサは鉄で出来たセクシーな水着を着させられており、鎖のついた首を嵌められていた。
さて、傍らには執事であるフォーチュナと通訳であるC-3POが控えていたのであるが、入り口のほうから歩いてくる男に気が付き、フォーチュナがその男の側へと駆け寄り始めた。
-
- 3 : 2016/01/13(水) 21:38:24 :
すると、その男はフォーチュナに向かって手をかざした。
「ジャバに話があるんだ。」
<取引には応じんぞ!?>
男に対して強気に出るフォーチュナ。
しかし、男が手をくるりとまわしたとたん、彼の態度が豹変した。
「お前をすぐにジャバのところへ取り次いでやろう。」
<お前をすぐにジャバのところへ取り次いでやろう。>
まるで、何かの暗示にかかったかのように、フォーチュナは男に対して従順になった。
「主人によく仕えているな。」
<主人によく仕えているな。>
「褒美がもらえるぞ。」
<褒美がもらえるぞ。>
男はフォーチュナを操りながら、謁見室の中にまで入ってきた。
「!! エレン様だ! エレン様が助けに来てくれたんだ!」
男の姿を見たC-3POが嬉しそうに声を上げ、周りの取り巻きたちに動揺が広がる中、フォーチュナはジャバに耳打ちをした。
-
- 4 : 2016/01/13(水) 21:39:08 :
-
<ご主人様。>
<ぅおう!?>
執事に起こされ、少し不機嫌なジャバは、目の前に黒いフードを被った男がいるのに驚いた。
驚いているのを察したフォーチュナは、気を利かせたつもりで話し始めた。
<彼はジェダイ・ナイト、エレン・イェーガーです。>
フォーチュナに紹介され、黒いジェダイ装束に身を包んだエレンはジャバに会釈した。
<誰が通していいといった!?>
対して、ジャバは怒り心頭だった。
するとエレンは、フォーチュナに再び暗示をかけた。
「話さなければならないことがあるんだ。」
<話さなけらばならないことがあります。>
さて、起きたばかりのジャバは漸く事態を飲み込んだ。
<この気の弱いバカたれが。>
取り巻きがあっけにとられる中、ジャバはフォーチュナの胸倉をつかんだ。
<ジェダイの術で心を操られおって。>
そう言うとフォーチュナを突き飛ばし、ジャバはエレンを見下ろした。
__________エレン・イェーガーは伝説的なマインド・トリックの達人であるアルミン・アルレルトに、短期間ながら師事していた。
アルミンがエレンの前で一度披露したことのあるマインド・トリックを、エレンは見よう見まねから習得するに至ったのである。
-
- 5 : 2016/01/13(水) 21:40:13 :
「ジャン船長とチューバッカ、ミカサを僕に渡してもらおう。」
フードを取ったエレンはジャバに対して、フォーチュナにかけたのとは比較にならないほど強力な暗示をかけた。
<ふっふっふっふっふ・・・・・・貴様の術はわしには通用せんぞ。>
暗示をかけられたジャバは、しかし、エレンをあざ笑った。
__________この銀河には、マインド・トリックの効かない種族もいる。
ジャバの属するハット族も、その種族の一つだった。
さて、マインド・トリックが効かないと知ったエレンは、それでも冷静を保っていた。
かつての血気盛んなエレンは、この一年で急激な成長を遂げ、機知に富んだジェダイ・ナイトへと変貌を遂げた。
「それでも、僕は三人を連れてここを出ていく。取引をするか、破滅するか、だ。僕の力を甘く見ない方がいい。」
落ち着き払った態度でジャバに対して脅しをかけるエレン。
それでも、ジャバはエレンをあざ笑う態度を崩さなかった。
<貴様とは取引はしない、ジェダイの若造。お前の死にざまをしかと見届けてやろう。>
-
- 6 : 2016/01/13(水) 21:42:37 :
- え、やべぇ面白ぇんだけど!?
期待!!
-
- 7 : 2016/01/13(水) 21:50:06 :
- 期待ありがとうございます!
-
- 8 : 2016/01/13(水) 21:51:33 :
- 期待!!
-
- 9 : 2016/01/13(水) 21:52:14 :
- いつも期待を寄せていただいて、ありがとうございます!
-
- 10 : 2016/01/13(水) 22:24:11 :
- 期待です!頑張ってください!
-
- 11 : 2016/01/13(水) 23:23:43 :
- 前作に引き続き、ありがとうございます!
-
- 12 : 2016/01/14(木) 12:16:37 :
次の瞬間、エレンは右手を横に伸ばし、取り巻きのうちの一人から、ブラスターを呼び寄せた。
驚いた取り巻きが押さえにかかるなか、エレンが発砲しようとする。
だが、刹那の差でジャバのほうが早かった。
ガコンッ!
ジャバが肘掛けのスイッチをエレンが発砲するよりも早く押すと、エレンが立っていた床が抜けた。
「なっ!?」
エレンは彼を取り押さえようとしたガモーリアン・ガードと一緒に地下の空間へと落ちていく。
トンネルを通ってガモーリアン・ガードと一緒に地下へと投げ出されると、エレンは受け身を取ってすぐに立ち上がり、羽織っていたフード付きのマントを脱ぎ捨てた。
天井を見上げると、鉄格子の向こうでジャバやその取り巻きが興奮気味にこちらを見下ろしている。
全く予定外の事態だ。嫌な予感がする。
ギイイ・・・・・・
すると、目の前の大きな鉄の扉が音を立てて上へと上がり始めた。
「ランコアだ!」
「エレン! 気を付けて!」
C-3POやミカサが不安そうな声を上げるなか、丸腰 のエレンの目の前に、巨大な二足歩行の怪物が現れた。
人間が生息可能な環境における最大の肉食獣―――――――10m級のランコアは、ズシン、ズシンとその巨人のような歩みで二人に近づいてくる。
※ランコア
http://www.starwars.jp/wiki/images/6/6c/Rancor.jpg
ピギイィイィィッ!!
エレンと一緒に落ちてきたガモーリアン・ガードは悲鳴を上げて、落ちてきた穴を這い上ろうと懸命になっていた。
その穴は既に鉄格子で閉ざされてしまったにも拘らず。
そんなガモーリアン・ガードを、同僚の取り巻きたちは上から見下ろしては笑いものにしていた。
さて、ゆっくりと歩みを進めてくるランコアは、まずそのガモーリアン・ガードに狙いを定めた。
大きな右手を伸ばし、ガモーリアン・ガードを掴んだ時、上から大きな歓声が上がった。
哀れ、捕まったガモーリアン・ガードは、その鋭い牙を持つ大きな口で、まず頭から丸かじりにされた。
バキボキバキと、大きな音を立ててガモーリアン・ガードを食すと、その無機質な目でエレンを見下ろした。
-
- 13 : 2016/01/14(木) 20:09:28 :
__________くそ、何か使えるものはないか!?
ランコアが咆哮を上げるなか、エレンはあたりを見渡した。
近くに落ちていた太い骨を拾い上げると、ランコアはエレンに向かって右手を伸ばしてきた。
「ぐっ!」
ガモーリアンを食べた時と同じように、ランコアがエレンを掴む。
大きな口を開けて、エレンを捕食しようとする。
「エレン! 逃げてッ!」
思わずミカサが叫ぶ中、ランコアの口に近づいて行くエレンは、その口の中に骨を突っ込んだ。
グオオォオオォォォッ!!
縦に突っ込まれた骨が口の中でつっかえ、ランコアは天を仰いで咆哮した。
その隙にエレンは、緩んだランコアの右手から抜け出し、壁となっている岩の下の隙間へと身を隠した。
バキャッ!
突っ込まれた骨を、顎の力で強引にかみ砕くランコア。
怒りに燃えながら、ランコアは岩の下へと手を伸ばした。
__________巨大な手が、目の前に迫ってくる。
エレンは身を捩り、さらに奥へと逃れようとする。
すると、ランコアの背後、上がり切った重い鉄の扉の向こうに、出口となる鉄のドアが見えた。
さらに奥へと手を突っ込んでくるランコア。
その巨大な手の、爪が生えているところを狙い、エレンは両手で持った岩で思い切り殴った。
-
- 14 : 2016/01/14(木) 20:10:05 :
グオオォオオォォォッ!!
痛みに悲鳴を上げ、ランコアが思わず手を引っ込めた隙にエレンは隙間から這い出てすぐに立ち上がると、鉄のドアへ向かって走り出した。
扉のスイッチを押し、鉄のドアが上がると・・・・・・・・・・・・
ガシャアンッ!
その先には鉄格子があった。
思わず鉄格子を両手の拳で叩き、振り返ると、怒りに燃えるランコアの無慈悲な瞳がこちらを見つめていた。
さて、まずいことになってしまった。
このままだと、あの獣にめでたく捕食されてジャンの救出どころじゃない。
そう思っていると、エレンの視界の中に、重い鉄の扉を操作するスイッチが飛び込んできた。
スイッチは重い鉄の扉の右脇、手では届かない距離にある。
ランコアは丁度、扉の下をくぐろうとしている。
その時、エレンの足の先に、何かが当たった。
-
- 15 : 2016/01/14(木) 20:12:23 :
「こ、これは・・・・・・。」
転がっていたのは、人間の頭の骨であった。
恐らく、このランコアの餌食になった人間だろう。
「君の無念、少し借りるよ。」
エレンはそう言うと、頭蓋骨を拾い上げ、スイッチ目がけて投げつけた。
ドゴォンッ!!
ギャアアウウッ!!
重い扉が一気に落ち、下をくぐっていたランコアのうなじに扉の下についた棘が突き刺さった。
ジャバが驚愕と怒りの入り混じった声を上げるなか、ランコアはうなじを貫かれて息絶えた。
予定外の事態を切り抜け、エレンがほっとしていると、奥の鉄格子が開き、ランコアの飼育係が駆け足で入ってきた。
飼育係は息絶えた相棒を見て涙を流し、仲間に慰められつつ、地下室から出ていった。
さて、大切なペットを殺されて、ジャバは猛烈な勢いで怒り出した。
<あの馬面と猿を連れて来い! 奴らにこのツケを支払わせてやるッ!!>
こうして、エレンは手錠をかけられ、牢獄から引き出されたジャンとチューバッカも同じように手錠をかけられた。
-
- 16 : 2016/01/14(木) 20:13:17 :
「ジャン!」
「その声は、エレンか!?」
ジャバの謁見室へと連行されるさなか、エレンとジャンは一年ぶりの再会と相成った。
全く僕ららしい再会の仕方だと自ら呆れながら、エレンはジャンに話しかけた。
「やあ、元気だったかい?」
「ちっ、死に急ぎが随分丸くなりやがったな?」
「そうだね、期待しててくれ。」
「それで、俺たちはどうなるんだ?」
「いつも通りだよ。」
「最悪だな。」
相変わらず悪態を見せるジャンに苦笑しつつ、エレンはジャンとチューバッカ共々、再びジャバの前へと引き出された。
「ミカサ、お前はいるのか?」
「ここにいる。」
まだ目の見えないジャンは、ジャバの目の前にいるミカサの声を聴くとホッとしたような表情を見せた。
-
- 17 : 2016/01/14(木) 20:14:50 :
-
さて、怒り狂ったジャバは通訳のC-3POに対して、まくし立てるように判決を言い渡した。
「そ、そんな・・・・・・。」
C-3POはそう一言呟いた後、ジャバの判決をエレンたちに言い渡した。
「ご高名なジャバ様は、速やかな処刑を宣告されました。」
「良いね、とっととやってくれよ。」
ジャンが皮肉を飛ばす中、C-3POは申し訳なさそうに話を続けた。
「あなた方は大砂丘海 へと運ばれ、カ―クーンの穴へと落とされます。そこにはサーラックが巣を張っています。」
「悪くない。」
「その体内であなた方は1000年以上かけて消化されるため、永遠に苦痛と苦悩を味わいます。」
「やっぱりパスだ。」
ジャンのこのやり取りに取り巻きたちから残酷な笑い声が上がった。
「君は必ず後悔するよ、ジャバ。これが君の、最後の過ちになる。」
__________エレンがジャバに向かってそう警告する中、エレンとジャン、チューバッカは謁見室の外へと連行されていった。
-
- 18 : 2016/01/14(木) 20:16:22 :
-
- 19 : 2016/01/14(木) 20:36:17 :
-
北大砂丘海 ―――――――どこまでも砂丘が続くこの砂漠の上を、ジャバの遊覧船であるセイル・バージが優雅に飛んでいく。
※セイル・バージ
http://www.starwars.jp/wiki/images/7/7b/Sailbarge2.jpg
船の中ではジャバとその取り巻きたちが、R2が給仕する飲み物を片手にマックス・レボ・バンドが奏でる音楽に酔いしれていた。
彼らに交じり、ケニーが上機嫌で鼻歌を歌う中、鎖で繋がれている首輪を嵌められたミカサが、窓の外に移る二隻のスキッフを見つめていた。
※スキッフ
http://www.starwars.jp/wiki/images/7/71/Skiff.jpg
セイル・バージをエスコートする二隻のスキッフのうちの一隻には、手錠をかけられたエレンとジャン、チューバッカが乗っていた。
更に、彼らと一緒にジャバの取り巻きが数名。そのうちの一人は、ヘルメットで顔を覆っていた。
「段々目が見えるようになってきたぞ。真っ暗だったのが、ぼんやり明るくな。」
「見ても何もないよ。僕の故郷だからね。」
「故郷で死ねてラッキーだな。」
皮肉めいた口調で話しかけるジャンに対し、エレンは以前とは違った様子で答えた。
「ジャン。君はチューイとマルコの側にいてくれ。僕が全て終わらせるから。」
「ふん、大したもんだな。」
妙に落ち着き払ったエレンに対し、ジャンは少し呆れて首を振った。
-
- 20 : 2016/01/14(木) 23:28:51 :
カ―クーンの大穴へと運ばれていく三人を不安そうにミカサが見つめていると、突如として、首輪に繋がった鎖を引っ張られた。
ジャバはビキニ姿のミカサを抱き寄せ、執事のフォーチュナが逃げられない様後ろから押さえつける。
ジャバは自信満々にミカサへ語った。
<お前もすぐわしの虜となる。>
正直、魅かれる要素などどこにもない。
屈辱的なこの状況で、ミカサはこの言葉を飲み込んだ。
__________今はまだ、その時じゃない。
さて、通訳としてこの船に乗り込んでいたC-3POは、給仕をしていたR2とめでたく衝突した。
頭部につけていた給仕用の台がガシャンと音を立てて落ち、R2が不満げな電子音を立てた。
「す、すみま・・・・・・・・・・・・R2!? こんなところで何をしてるんだい!?」
C-3POの問いに、R2はいつもの調子で電子音を立てる。
「給仕をしてるのは見ればわかるよ。私が言いたいのはそんなことじゃない。あいつらはエレン様を処刑するつもりなんだ。次はきっと私たちが・・・・・・。」
不安がるC-3POをよそに、R2は楽観的だった。
呆れたように、C-3POは呟いた。
「やれやれ、私にも君のような自信が欲しいよ。」
-
- 21 : 2016/01/14(木) 23:29:23 :
ジャバのセイル・バージと二隻のスキッフはやがて、カ―クーンの大穴に到着した。
http://www.starwars.jp/wiki/images/6/65/GreatPitOfCarkoon.jpg
スキッフの脇から足場が飛び出し、まずはエレンが足場へと突き出される。
手錠を外され、エレンは足場の上へと追いやられる。
エレンが真下を覗くと、沢山の触手と巨大なくちばしが、獲物が落ちてくるのを今か今かと待ち構えていた。
この不気味な生物―――――――サーラックへ犠牲者を投げ落とすことこそ、ジャバが最も気に入っている処刑法であった。
http://www.starwars.jp/wiki/images/7/70/Carkoon_Pit.jpg
-
- 22 : 2016/01/14(木) 23:30:04 :
「サーラックの犠牲者たちよッ!」
すると、セイル・バージの窓から、C-3POがコードのついた拡声器を持ってジャバの通訳をしているのが見えた。
「閣下は立派に死ねと仰せだッ! でも、慈悲を求めるものがあれば、ジャバ様はお聞き届けになるそうだッ!」
「おい3POッ!!」
ジャンが拡声器にも負けない声で怒鳴り返す。
「そのぬるぬるした汚らしいナメクジ野郎に言ってやれッ!! 誰がテメエなんかに慈悲を乞うかってなッ!!」
続いて、足場に乗っているエレンが、大きな声で最後通牒を突きつけた。
「ジャバ、これが最後のチャンスだ・・・・・・・・・・・・僕らを解放するんだ! さもなくば、死ぬぞ!?」
その瞬間、セイル・バージの中から大きな笑い声が起こった。
ジャバも笑いながら、拡声器を持ってスキッフの取り巻きに命じた。
<処刑を始めろ。>
-
- 23 : 2016/01/14(木) 23:30:36 :
-
セイル・バージやもう一隻のスキッフから歓声が上がる。
ミカサが固唾を呑んで見守る。
サーラックが呻くような声を上げる。
ジャンやチューバッカが、緊張した表情になる。
そんな中、エレンは斜め後ろにいるヘルメットを被った護衛をチラッと見る。
護衛は、顎でセイル・バージの屋上を指し、エレンがそこを見ると、R2がエレンを見つめていた。
右手の人差し指と中指を額に当て、エレンは合図を出した。
<落とせッ!>
ジャバが拡声器を使って命じ、取り巻きの一人が柄の長い斧を持ってエレンの後ろへと近づいて行く。
__________すると突然、エレンが消えた。
かと思うと、両手でエレンは足場に掴まり、それをばねにして空中へと飛びあがった。
それと同時に、R2が体内からエレンめがけて、銀色の筒のようなものを射出。
飛びあがったエレンは後ろにいる護衛の頭の上を一回転して超え、彼の背後に着地すると、R2から予定通り、銀色の筒を受け取った。
ビュウウンッ!
エレンの手の内から緑色の光刃が飛び出し、エレンはスキッフにいる護衛たちに斬りかかった。
第2話
カ―クーンの戦い
-
- 24 : 2016/01/15(金) 00:27:05 :
-
「うわあぁあぁぁッ!!」
エレンの後ろにいた護衛はたちまち斬り捨てられ、悲鳴を上げながらカ―クーンの大穴へと落ちていく。
これを機にヘルメットを被っていた護衛―――――――マルコはヘルメットを脱ぎ捨て、他の護衛へと掴みかかった。
「落ち着いて、チューイ。」
エレンはチューバッカを宥めると、流れるような動きで二人の手錠を光刃で切断した。
「え、エレン、お前?」
「話は後だ、今は生き残ろう。」
「ちっ、最初からそのつもりだったのか。」
ジャンの一言にエレンはにやりと笑うと、再びライトセイバーを振るい始めた。
エレンがライトセイバーを振るいだしたのを見たセイル・バージの取り巻きたちが屋上に出て、台座からレーザーを撃ち始める。
そのうちの一発が、護衛と取っ組み合っているマルコの側に着弾した。
「うわぁッ!!」
マルコと護衛は吹き飛ばされ、スキッフから落下、護衛はサーラックめがけて真っ逆さまに落ちていく中、マルコは何とか垂れ下がっているロープに掴まった。
「ま、まずいよ! 助けてくれ!」
必死にロープに掴まり、マルコは助けを求めた。
-
- 25 : 2016/01/15(金) 00:28:26 :
-
「おいおいおい、冗談じゃねえぞ、あのジェダイ野郎。」
屋上へと出てきたケニーは背中につけたジェット・パックを作動させ、セイル・バージからエレンのいるスキッフへと飛んできて銃を構えた。
だが・・・・・・・・・・・・
シャキッ!
構えた途端、エレンはケニーの銃を斬って捨て、驚いたケニーは思わず後退した。
その時、銃弾がジャンとチューバッカの近くに着弾し、彼らが横転したので、エレンに一瞬隙が出来た。
「何だこいつ! クソ、これでも喰らえ!」
一瞬の隙を突いて、腕についた仕込みからワイヤーを射出するケニー。
ワイヤーはエレンの体に絡まり、エレンの動きを暫く封じた。
(よし、後はレーザーを撃ちこむだけ。)
そう思った矢先、エレンは素早く体を縛るワイヤーをライトセイバーで切断した。
すると今度は、運悪くケニーの側にレーザーが着弾。
ドゴォンッ!!
「ぐおっ!?」
耳をつんざくような爆音と、目を焼くような閃光に包まれ、ケニーは横転した。
すると、横転したケニーの下から、マルコの声が聞こえてきた。
「ジャン! チューイ! 助けてくれッ!!」
「おい、マルコか? 何処にいる!?」
マルコの声に横転したジャンが反応する中、別のスキッフからジャバの取り巻きたちがレーザーを浴びせてくる。
乗っていたスキッフの取り巻きを片付けたエレンは、助走をつけて別のスキッフへと飛び乗った。
-
- 26 : 2016/01/15(金) 00:30:42 :
-
「な、何なんだよこいつ!!」
「うぎゃあッ!!」
レーザーを放てばライトセイバーで打ち返され、近づけば斬り捨てられ、取り巻きたちが容赦なく駆逐されていく。
「あの・・・・・・野郎・・・・・・。」
爆発による影響でまだ耳鳴りがする中、漸くケニーが立ち上がり、右腕に仕込んだレーザー銃をエレンへと向けた。
「なに? ケニーがここにいるだと!? 何処だッ!?」
すると、ぼんやりとしか目の見えないジャンが、チューバッカの唸り声を聞き、あてずっぽうに護衛の落とした斧を振り回した。
ドゴォンッ!
ジャンの斧は何と、ケニーのジェット・パックに直撃。
誤作動を起こしたジェット・パックによって、ケニーは勝手に飛んでいった。
「おい嘘だろ!? おわああぁああぁぁッ!!」
悲鳴を上げながらケニーは飛んでいき、セイル・バージの船体の脇に直撃。
そのまま下へと落下していき、待ち構えていたサーラックに丸のみにされてしまった。
-
- 27 : 2016/01/15(金) 00:31:24 :
縦横無尽に大暴れするエレンに、セイル・バージの中は大混乱に陥っていた。
バチィッ!!
すると、混乱に乗じたミカサが拡声器を使ってジャバの側にあった船のコントロールパネルを破壊。
開いていた窓がすべて閉じ、船内が薄暗闇に包まれた。
突然のことに混乱するジャバ。
そんな彼の首に、鎖が巻き付けられた。
「あなたは私の友人を傷つけた。ので、殺す。」
<!! うぐッ! あぐッ! ぐおぉッ!!>
自らの首輪につけられていた鎖を巻き付け、ミカサはジャバの首を締め上げた。
両手を必死に喉に持ってきて、ジャバは鎖から逃れようと必死になった。
目を飛び出させ、
口から下を飛び出させて、
尻尾の先まで体を震わせて、
ジャバは必死になってもがいた。だが・・・・・・・・・・・・
<ぐおおぉおぉッ!! アアアァア・・・・・・・・・・・・グォ・・・・・・・・・・・・>
最後の呻き声を上げた後、ジャバはピクリとも動かなくなった。
__________銀河中にその悪名を轟かす、犯罪王ジャバ・ザ・ハットは、かくして無残な最期を遂げたのだった。
-
- 28 : 2016/01/15(金) 01:10:40 :
-
「マルコ! 今助けるからな!」
「!! ジャン!!」
ロープにぶら下がるマルコに漸く気が付いたジャンが身を乗り出し、手に持っていた斧の柄を伸ばす。
ドゴォンッ!!
すると突然、爆発音と共にスキッフが大きく穴のほうへと傾いた。
セイル・バージの屋上から放たれる砲撃によって、機体が損傷したためだった。
マルコが大穴の側の砂地へと落ち、ジャンも穴へと落ちかけたところを、チューバッカが何とか両足を掴んで逆さ吊り状態…………絶体絶命のピンチだった。
「掴まれ、マルコ!!」
ジャンが何とか斧の柄にマルコを掴ませようと悪戦苦闘する中、スキッフは容赦なくセイル・バージの屋上から放たれるレーザーに撃たれていく。
別のスキッフの敵を駆逐したエレンはこの状況を見て、次にセイル・バージに目標を定めた。
フォースの力を借りて勢いよくジャンプすると、エレンはセイル・バージの船体の脇へとしがみついた。
丁度その時、エレンがしがみついた脇の窓が開き、ジャバの取り巻きがエレンを殺そうと身を乗り出した。
が、エレンはそいつの右手をやすやすと掴むと、引きずり出して下へと投げ捨てた。
「うああぁあぁぁッ!!」
悲鳴を上げながらその取り巻きはサーラックの触手にからめとられ、くちばしの中へと放り込まれてしまった。
さて、エレンはセイル・バージの側面を登りきり、屋上に姿を現すと再びライトセイバーを起動した。
ジャンがぶら下がっているスキッフを砲撃していた取り巻きは、驚く暇もないほど素早くエレンに斬り捨てられる。
乗ってきたエレンを駆逐しようと近づいた取り巻は、武器といっしょに斬り捨てられる。
レーザーを撃った取り巻きは、光刃で跳ね返された光弾が胸に当たって絶命する。
__________ジェダイ・ナイトとして力を付けたエレンを止められるものはいなかった。
-
- 29 : 2016/01/15(金) 01:11:52 :
-
「よし、掴まったな、引っ張り上げるぞ!」
マルコは漸くジャンの斧の柄に掴まり、後は引っ張り上げるだけの状況になった。
だが・・・・・・・・・・・・
「うわあッ!!」
突如として、マルコが悲鳴を上げた。
サーラックの触手がマルコの左足に絡みつき、マルコをくちばしの中へ引きずり込み始めたのだ。
「チューイ、銃をよこせッ!!」
するとジャンは左手で銃を受け取り、逆さ吊りの状態で狙いを定め始めた。
「動くなよ、マルコ?」
「!! 目が見えるのかい!?」
「さっきよりはな!」
マルコが「もっと上だッ! 上だってッ!!」と叫ぶ中、ジャンは狙いを定めて光弾を放った。
光弾はマルコの頭の上すれすれを飛び、サーラックの触手に直撃した。
ギャウウッ!!
呻き声を上げて、サーラックは漸くマルコから触手を離した。
「よし、引っ張り上げろ!」
__________ジャンの合図でチューバッカは二人を引き上げた。
-
- 30 : 2016/01/15(金) 01:13:15 :
セイル・バージの船内から、R2に鎖を引きちぎってもらったミカサが姿を現すと、エレンが丁度ジャバの取り巻きたちを駆逐しているところだった。
「!! ミカサ! 砲台を使え! デッキを狙うんだ!」
ミカサに指示を出しながら戦うエレン。
すると、船内から取り巻きの一人が飛び出し、エレンめがけて銃を放った。
バチッ!
「ぐあッ!!」
レーザーは、エレンの右手の甲に直撃した。
撃たれたエレンはすぐさま反応し、銃を構える取り巻きを斬って捨てた。
撃たれた右手の甲は、機械の部品が剥き出しになっていた。
義手で助かったと、エレンは心の中でほっとしていた。
ミカサが砲台に飛び乗り、デッキに狙いを定めている丁度その時、R2-D2とC-3POが船内から出てきた。
「いったいどこに行けっていうんだい、R2・・・・・・ってうわあぁあぁぁッ!!」
R2は屋上からC-3POを砂漠へと突き飛ばし、自らもここから脱出するように砂漠へと飛び込んでいった。
-
- 31 : 2016/01/15(金) 01:13:49 :
「よし、ミカサ、来るんだ!!」
全ての敵を駆逐し終えたエレンは、セイル・バージの帆から垂れ下がるロープに掴まると、ミカサを呼び寄せた。
ミカサがエレンにしがみつくと、足で台座のスイッチを押し、レーザーがセイル・バージの機関部へと直撃した。
炎に包まれるセイル・バージからエレンとミカサは飛び出し、ジャンとマルコ、チューバッカの待つスキッフへと着地した。
「よし、行こう、マルコ! ドロイドたちを回収してくれ!」
「うん、出発だッ!」
マルコの操縦するスキッフは、砂漠に突っ込んだ2体のドロイドを回収すると、素早くセイル・バージから離れていった。
__________ジャバのセイル・バージは、彼の築き上げた犯罪帝国もろとも、大爆発した。
「随分力をつけたんだな、エレン。」
爆発するセイル・バージを見ながら、ジャンは一言呟いた。
エレンは何も言わずにただ微笑むと、ジャンへ手を差し出した。
少し反抗的な態度を取りながらも、ジャンはエレンと握手を交わした。
__________ジャン・キルシュタイン救出作戦、成功。
-
- 32 : 2016/01/15(金) 01:15:20 :
-
- 33 : 2016/01/15(金) 01:34:00 :
-
数日後。
タトゥイーンから二隻の船――――――Xウィングとミレニアム・ファルコンが飛び出した。
二機は別々に進路を取り、それぞれの目的地へと向かい始める。
Xウィングを操縦するエレンは、ジャンとミカサ、マルコとチューバッカに通信機で別れを告げた。
「また後で合流しよう。」
『急いで、エレン。反乱同盟軍の皆が集まりだしてる。』
『助かったぜ、エレン。今度ばかりはお前に、貸しが出来たな。』
少し皮肉っぽい口調ではあったものの、感謝の弁を述べてきたジャンにエレンはくすっと笑った。
すると、R2が例の電子音でエレンに話しかけてきた。
「ああ、そうだよ、R2。僕はこれからダゴバへと行くんだ。」
__________一年前に交わした、ヨーダとの約束。
『分かりました。俺、きっと戻ってきます! 約束します!』
ヨーダとの修業を投げ出し、ジャンやミカサ、チューバッカを救出しに向かった一年前。
結局僕はジャンを助けられなかったばかりか、右手を切り落とされ、挙句に皆に助けられた。
そして、僕はこの時、出生にまつわる秘密を知ってしまった・・・・・・・・・・・・。
『違う、俺がお前の父親だ。』
あの時のヴェイダーの言葉が、僕の頭の中に悪夢のように憑りついている。
もう、かつての自分には戻れないだろう。
一年かかって漸くジャンを救出した今、僕はやっとあの約束を果たすことが出来る。
いや、果たさなくてはならないのだ。
「・・・・・・・・・・・・約束したんだ。僕の、古い友人に。」
__________エレンはR2にそう呟くと、機体をダゴバへと向けた。
-
- 34 : 2016/01/15(金) 01:36:56 :
- 以上で、第2話が終了になります。
次回もよろしくお願い致します。
-
- 35 : 2016/01/15(金) 12:26:46 :
- ボバはスーツを着てたから胃袋から脱出できたけど
原作のままの格好ならケニーは……(汗
-
- 36 : 2016/01/15(金) 12:58:50 :
- 助からない可能性は高いっすね(;´Д`)
いつもコメントありがとうございます!
- 著者情報
- この作品はシリーズ作品です
- 「進撃の巨人」カテゴリの最新記事
- 「進撃の巨人」SSの交流広場
- 進撃の巨人 交流広場