この作品は執筆を終了しています。
―名も無き者へ― その後の彼と彼女の話
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- 1 : 2015/12/14(月) 23:10:03 :
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―前書き的な何か―
※この御話は、以前勝手に書かせて頂いた、
―暴走の証明― 分隊長と兵士長の一日
http://www.ssnote.net/archives/39845
の、後日談的な…つまり続編的な何かになります。・・・なりますが、メインとなる
キャラの配置は前回のお二人と異なりまして・・・一応。一応ですが
ミカ×エレとなります。あの御二人があんなことになってしまった
その一方で・・・みたいな感じですね。・・・ただ、やはり毎度のことながら
時間不足で進行がつかえている筈の先発を何故かおしのけての
書き殴りですので・・・まあ短くなると思います、。
例によって時系列は別マガ最新号の流れを汲みながらにして・・・
それよりも“ずっとあと”の創作描写となります。
簡単に言ってしまいますと、最初に奪われた壁の奪還も
無事何事も無く終わり、さあ、これから皆でシガンシナ
行っちゃおうぜ?..みたいな感じです。
・・以下、簡易注意点です。
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- 2 : 2015/12/14(月) 23:10:32 :
※注意点※
1.著しいネタバレ要素を含みます・・が、創作要素も同様に
混同される為その辺りの認識がとてもややこしくなります。
ネタバレ範囲は・・・原作最新巻・・から、珍しく
“最新巻に載ってない分”まで喰いこみます。之より以下、
ネタバレ要素満載でお送り致しますので、
お目を通されていない方には申し訳ありません。
2.色々と設定に無理があったり、原作と食い違いがあったり。。
堂々としたキャラ崩壊があったりします。
3.まず心配ないと思いますが、ご感想などのレスに関して。
最近全体的に登録ユーザーさんとの邂逅が少ない今、
恐らく杞憂に終わると思いますが・・・いつも通りレスなど
頂けるのは私自身大歓迎です。が、お話を書き終えるまでに
いただけたレス等は読みやすさ重視で、レスを返させて頂いた
一定時間後に非表示にさせて頂く事になると思います。
若しくは↓のグループまで。
http://www.ssnote.net/groups/541/archives/3
4.改行形態、描写の変化。
ご覧の通りで、またまた携帯画面幅ではない改行と・・・
台詞前に発言者の名が入らない仕様です。
まあ、殆どの発言者の喋り方に特徴があるので
今回は必要ないと判断しました。
5.性描写、性的表現の有無。
毎度の事ですが。・・・・今回は別に良いかと思い、
つけて居ません。つまりその程度だと思います。
・・でも、そういった発言は少し飛び出すと思います。
“描写”と言う程でも無いのでスルーとしました。
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- 3 : 2015/12/14(月) 23:11:10 :
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・
・
「おい、聞いたか例の話。」
「・・・・例の話ってだけじゃ解らないなぁ。せめて
もう少し掘り下げた所まで言って貰わないと。」
エレン、アルミンが荷運びをこなしながら以上のような
やりとりを行っているこの場所は・・・現在調査兵団の・・・・
とりわけヒストリアの強い意向によって支援物資の確保が
確立されつつある、農場を兼ねた孤児院の一つ。
立ち話に夢中になるあまり作業の手が遅れれば、
もれなく女神の檄が飛んでくるので極力二人共
足を止めずに話を続けるが・・・・・話を持ちかけた
エレンの方は自身より情報の真偽に関して
信における物を持っていそうなアルミンの見解を
聞く為か・・・浮き足立った雰囲気を隠しきれずにいる。
「例の話っていやアレしかねえだろ!ハンジさんだろ!!
本当にアレなんだな・・・・、、ぉ、おめでただったんだな!!?
噂だとばっかり思ってたんだが・・・!」
「大分前から休暇を取る機会が増えてたじゃないか;
それにまだそこまでではないとはいえお腹だって・・・」
「あれは・・だってハンジさん本人が食べ過ぎで
太っただけだって言ってたんだぞ・・・、最初のうちは!」
「本気で信じてたの・・・悪いけどそれはエレンだけだと思うよ(汗)
.......;少し考えてみてよ・・・・。
幾ら前王政のやり方からザックレー総統や兵団主体で
食料の流通に大幅な改善が加えられたからといっても・・・
足りない領地も逼迫する領土も食糧問題も依然
そのままなんだよ・・・?どこにそんな半年そこらで
太れる程の余裕があるっていうの・・・・」ゲンナリ...
「それは・・・・そうだけどよ・・・・。」
「(大体当のハンジさんもその誤魔化し方であっさり
エレンが納得してしまったのには若干ショックでも
あったみたいだし・・その割に同時にカサが増している
筈の胸の方に全く気が向けられて無かったのに
更に大きなショックを受けているみたいだったけど)」
「やっぱりあれか・・?!相手は・・・まだ聞いてないが・・・!」
ソワソワ・・・・
「 ・・・リヴァイ兵長くらいしか居ないでしょ。それも常識的に考えて。」
アッサリ
「!?聞いたのかオイアルミン!?!?」
「聞かなくたって解るよ・・・(溜息)
ある時期を境にして急に平気で飛びついたりする
頻度が増えてたし・・・それに飛びつかれる兵長の方も
面倒臭がりながらも全然突き放したりしなくなったし」
「お前・・・・・よく見てるな・・・・」
「エレンがよく見てないだけだと思うよ・・
っていうか別にそんなの見てなくたってあの人と
一緒になりそうな人なんて兵団での付き合いの
長さから言っても当然な気がする」
「そうかよ・・・;俺には全く予想が付かなかったけどな・・!」
ウウム・・・・・
「・・・・・・・・・・」
そもそも、エレンはともかくアルミンに関しては、
それが幾ら沈痛剤の副作用によってもたらされた発奮作用とはいえ、
自我を抑えきれなくなるほど攻撃的な性衝動を剥き出しにした彼女に
襲いかかられた経緯も有るため、
こうした結果に陥る事くらいは殆ど予想の範疇として捉えていた。
その可能性があまりにも分り易く的中してしまった為、
最早今この場にて、半目開きのやるせない顔で馴染みの顔を
見つめるアルミンにとっては、驚きも何も無かった。
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- 4 : 2015/12/14(月) 23:14:00 :
「そういや・・・時期から考えたらお前が押し倒された
あの日辺りからだったよな・・・・ハンジさんが別棟に
移されたのって・・・・」
「・・・そうだね。」
そこまで考えれば大体の人ならそれ位の察しは付くよ・・・
アルミンの中にはこのような言葉が浮かび上がっていたが
「・・・・お前に聞いた今だから言うけどよ・・・
オレは・・・あんな事があったもんだからひょっとして、・・・
もしかしたらハンジさんの相手ってのは」チラッ・・
見事に凄まじい思い違いでクロスカウンターを放つエレン。
「うん、それはないから絶対。・・・前から鈍い鈍いとは
思ってたけどやっぱりエレンってどこか頭の中の大事な
部品が抜け落ちてるんじゃないかな・・・って思う。
多分・・・訓練兵団に来たときに立体機動装置の適正判断に
躓いたあたりでさんざん頭を打ってたから・・・きっとあの時だよ。」
ツラツラ・・・
「お前って言うこと言うときは結構容赦ないよな・・・・」
ハンジ副団長の片腕完治から大凡経過した
月日は約半年。"取りあえず"は
マリアに空けられた大穴の修復も驚くほど順調に
完遂された前回の壁外遠征から・・それだけの期間が
経とうとしていた。
壁を塞ぐこと、それ自体はエレンの生成した
巨人による硬化物質で拍子抜けするほどすんなりと
行うことが出来たものの、同時にほぼ確実に
襲い来ると危惧されていた・・・
エレン奪回に失敗した"二人"の襲撃すら
起こる気配も見せないまま・・・・人類は
“2度の勝利”を驚くほど簡単に達成した。
・・・・往路での犠牲者すら一人も出さないで済むという・・
ある種の不気味さすら感じさせるその結果に。
素直に歓喜していいのか、それすらわからないまま・・
そこから先の、本格的なマリアより内部の
残存巨人掃滅に向けた準備期間。それにあたるのが・・・・
要するに今この時、という訳であった。
そしてこれは同時にシガンシナに存在するという事に
なっている、エレン宅の地下室に向かうための準備期間でもある。
「・・しかし最近こればっかりだな・・・
折角念願のマリア閉塞も何とか達成できて・・・
やりたい事は山ほどある筈なんだ。幾ら準備期間は
十分に必要と言っても程があるだろ・・・」
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- 5 : 2015/12/14(月) 23:16:19 :
「・・・仕方ないよ・・・。エレンの性格を考えれば、
今すぐにでも例の処刑台をフル生産して
じゃんじゃん巨人を潰しに行きたいって
気分なんだろうけど・・・・・」
「解ってんじゃねえか。・・・・まるでその通りだ。
あんだけ実用性の高いものが作れるって
実証できたんだ。試作機と初号機の二基だけで既に
ローゼ側だけでも設置から経過日数分の10倍以上の巨人を
犠牲者無しで駆逐してんだぞ。
これをマリアでもやるべきだってのは
別に俺一人の勇み足じゃないと思うんだが」
「簡単な成果だけを見たらね。・・・しかし第一に
それを実行に移せない理由として、君の体に掛かる
負担が尋常じゃない。
・・いいかい?君はどうとも思ってないかも
しれないけれど・・脳って言うのは大分繊細にできてる
器官なんだ。・・・普通はね・・・そこへのダメージのみで
鼻血が出てしまうだけで相応に危険な状態なんだ。
・・・最近その頻度も減ってきたとはいえ・・・
巨人化だけで相応な負荷をその身に受けてた君が
更に硬化能力発動の際には明らかに程度の異なる
吐血や鼻血が認められている。
そもそも・・・“巨人の体”は。君の自傷行為が引き金と
なって生成される。それが分かっているだけで・・・
その身体の素 が何なのか、そしてそれが一体何処 から来ているのか。
・・・・そんな事すら分かっていないんだ。正直僕にはそれが
恐ろしくて仕方ないよ」
「無理や無茶は承知の上だろ・・・・!
それも以前のように圧倒的多数に少数で突っ込んで
いかなきゃいけねえ遠征とかとは違う!
それにこの力にしたって・・・俺らより"コレ"に
詳しそうだった奴らが軒並みいなくなっちまったんだ。
いくら探りながら行くべきとは言え限度がある。
今やれる事はやれる内にやっとくべきだ・・・
・・・・間違って無いだろ?オレが言ってる事はよ」
「それはそうだけど・・・。でもね、エレン。
成果が第一とはいえ、その処刑台増設計画を根幹から
支えているのと・・・それを実現可能としているのは
すべて君という存在だ。・・・つまり君が今何らかの理由で
寝たきりの重篤人にでもなってしまったら・・・
“ほぼ”全ての希望と打算が水泡に帰す事になる。
・・・それ位はいくら君だって理解できるだろ??
何よりエレンの言う通り、それについて
圧倒的に大きな情報を有して居た筈の二人すらも・・・
あれから結局一度も僕らの前に姿を現してはいない。
巨人化のリスクが何なのか分からない事の怖さを・・
君にでも分かるように教えてあげようか?
もし・・・もしもだ」
「・・・・・・・」
「君が手を噛む度に姿を現す、あの15メートル級の君の
分身が・・・君の体のどこかしらの骨を一回につき
一本ずつ削って顕現しているのだとしたら・・・・?
幾ら君でも少しは及び腰にならない?」
「・・・・・・・そんなの結局ただの例えだろ」
「そう、結局はものの例えだけれど・・・しかし
僕らはもう何度も君という希望の鍵を失いかけた。
マリア閉塞作戦の間中"彼ら"の奇襲が無かった時点で
今のこの状況は仮初めの平穏に過ぎないんだ。
これから先・・・いつ君にどこかで生き永らえてる
"かもしれない"二人の魔手が伸びるか、
その見当も付かない現状で・・・迂闊に準備が整って
無い状態で動きを見せる訳にもいかないんだ。」
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- 6 : 2015/12/14(月) 23:19:06 :
-
「・・・お前やミカサはよく落ち着いてられるよな・・・
オレには無理だな・・・折角念願のマリア閉塞も達した。
兵長には入団以来初めて肩まで叩かれてまともな
賞賛を貰ったんだ。
今この時にも家の地下室に行きたい気持ちを
抑えられないオレはやっぱり焦り過ぎなのか?
こんな状況だからこそ奴らが動く前に先に動くべき
なんだろうが・・・・!!!!!
お前みたいに頭よくないオレでも簡単に分かるぞ・・!
オレ達がこうして長々と待機させられてる時間が
・・・奴らにとっても十分な準備期間になってる筈なんだ。
もしこうしている間に例の"獣の巨人"でもこの状況に
関わって来ちまった日には・・・・・・!!!!」
「・・・・安心してよ。それを危惧してるのは僕も同じだし・・
もっと言えば団長達、上層部の人間全員が憂慮してる
事だから。
エレンやおばさんすら入ったことが無いって言う
その地下室に・・・どこまでの情報があるのかは解らない。
・・・ひょっとしたら・・・巨人や壁の外とは全く関係の無い
全く別の禁書で埋もれた書斎とか・・・そういう類の
部屋である可能性もまったく無い訳じゃないけど・・・」
「・・・・・・・・」
「それでも・・・あの時教官から聞いた話が本当なら・・・・
おじさんが・・・エレンの父さんが壁の外からの
来訪者であることはほぼ間違いないんだ。
なら・・・誰にも見せなかったその地下室には・・・
少なからず壁の内側の人が知り得ない情報が
眠っている可能性は大きい。・・・君が意識喪失の際に
聞いたというおじさんの言葉通りなら・・・尚更にね。」
・・・エレン の脳裏に思い出されるのは・・・今は亡き父の・・・否 、
半ば強制的に実の父を喰い殺させる という、、、、
まさに苦行としか言い表しようのない激動の人生を強いてきた・・・・
その実の父 が残した言葉。
【‐―地下室に行けば真実が分かる。】
【・‐―お前はウォールマリアを奪還して地下室に辿り着かなければならない。】
【・―この「力」はその時役に立つはずだ。】
【・・――ミカサやアルミン、皆を救いたいならば・・・
お前はこの「力」を・・・支配しなければならない。】
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- 7 : 2015/12/14(月) 23:21:19 :
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「・・・・ああ。あの状況で・・・これから自分が喰われるって
理解していながら父さんが残した最期の言葉だ。確実に・・・
この状況に何らかの後押しが出来る様な情報が・・・
地下室にはある・・・・!それだけは間違いがねえんだ・・・・・!!!だったら・・・」
「・・・・エレン。」
「・・・・・・・・・・・。」
アルミンはエレンの名だけを呼ぶと無言で彼の
両肩を押さえ・・・そして静かに首を振った。
言葉を用いずとも・・・それだけで彼の言いたいことは
充分伝わったようだった。エレンもそれ以上捲したてる様な
事もせず、静かに引き下がる。
「今すぐは無理でも・・・その時は必ずやってくる。
僕たちが今するべき事は・・・その時に備える事だ。
例えそれが存在の規模さえ把握できない敵対勢力に
与える時間的猶予になってしまうとしても。」
「・・・・・・そう・・・だな。。。(深呼吸)
・・・悪ぃ、頭では解ってるんだが・・
どうにも今まで焦らされる事ばかりだったから・・・
こんなんじゃ・・・そりゃ死に急ぎとか言われるのも
納得だな・・・・・・」
・・・と、ひとまず落ち着きを取り戻したエレンの真後ろに・・・
「・・・・・・・・・・」
ジィィ・・・・・
「やあ、お帰りミカサ。思ってたより早く戻ってきた
けれど・・・何だったんだい?一体・・・エルヴィン団長と
一対一でされた話って・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「ぁ・・・?お、おい・・・ミカサ?」
しかし・・・問いかけられたミカサ本人は、アルミンの
質問には答えず、静かにエレンの顔を凝視するのみ。
そのまま沈黙を守り、更に数秒してから
「・・・・・・大した話ではなかった。」
ヒョイッ
「ぁあっ!?お、おいミカサ....!」
そのように一言だけ返すと、エレンが抱えていた荷物を
事も無げに掻っさらい、自身の肩に担ぎ直して彼の仕事を強奪する。
「何度も言ってるだろ!!オレを腫れ物みたいに扱うのは
マジでやめろって!!!そんなに甘やかされてたら身体がなまって
寝たきり老人みてぇになっちゃうだろうが!!」
「大丈夫・・・・それはまずあり得ないから」
ノッシノッシ・・・・
「あっはは・・・・;でも何だかんだ言ってミカサがきっと
一番エレンの身を心配してくれてるんだよ」
-
- 8 : 2015/12/14(月) 23:24:35 :
「んな事、言われなくたって分かる!!!こんだけ
過保護にされてたら兵団で折角付けた力がただただ
衰える一方じゃねえか!!!こいつのは心配通り越して
最早余計なお節介なんだよ!!」
ミカサの気遣いなど邪魔なお節介にしかならないと
憤慨するエレンを横目に捉えたミカサが・・・・
平時通りならその程度の反発は歯牙にもかけずに
エレンの仕事だけを奪っていくはずのミカサが。
――ふと、その足を止めてエレンの方へと向き直る。
「・・・・・・エレン。」
「あ!?何だよ!!!!」
「余計な事をして・・・・すまない。
それでも私は・・・・・・・・・
私は。。度重なる実験で疲弊している
貴方に少しでも楽をして貰いたい一心でこうしている。
きっと貴方にどれほど反発されようともこの先
この考えを改める事はないだろう・・・。
エレン・・・貴方は無茶をするから。
疲れていても疲れていないと虚勢を張る。だから・・・・
先にもう一度謝っておく。・・・申し訳ない....」
「ッ・・・・・・・・・・;」
「(ミ・・・・、ミカサ・・・。今日は一体・・・)」
いつにも増して覇気のない、心の底から申し訳の
なさそうな顔をして頭を下げるミカサを前に、
ただたじろぐしかないエレン、アルミンの二人。
流石に甘やかされた事に対する憤慨程度は、
幼馴染みが見せた異変を前にして芽生えた不信感で
全て消し飛んでしまったエレン。
「おい・・・・・ミカサ・・・・お前、今日・・・具合でも悪いのか」
「・・・・・。特にそういう事ではない・・・
・・・・心配してくれるの?エレン・・・・?」
「いっ・・・・いや!!そうじゃねえなら別に気にしねぇよ!!!
それより・・普段ならお前、そんなこと一々口に出さねえだろ・・・!」
「(エレンの言う通りだ・・・これはやっぱり普通に考えて
・・・・エルヴィン団長とした話っていうのが何か
関係してるのかな・・・・だとすれば一体・・・)」
「・・・・・気のせいだ。
・・・・・今日の荷物はこれで全て・・?まだあるなら・・」
「ちょっと待て!!!もういいって言ってんだろ!!
本当にそこまで疲労が溜まってる訳じゃねえんだよ!
寧ろ前回の硬化実験から日が空きすぎていいかげん
動きたい位なんだっつうの!!お前だって
肋折れてんのに薪割り平気でしてたじゃねーか!!!」
「私はいい・・・・・。だがエレン、貴方はだめ。」
ノシノシ・・・・・
「ほっ・・・ほらほら・・・エレン、落ち着いて・・・・;」
-
- 9 : 2015/12/14(月) 23:27:03 :
・
・
「・・・・・・・・」
荷運びを行いつつ一悶着起こす三人を・・・・
少し離れた建物の上階から見つめている者が居た。
その者は自らの視線を、ミカサ、そしてエレンへと
交互に向けた後・・・大きな溜息を声もなく垂れ流した。
トントンッ・・・・・
直後、まるで彼が窓から視線を机へと戻すタイミングを
見計らったかの様に扉を威勢良くノックする音が。
「・・・・・・、入れ」
ガチャッ....!!!
「やぁーやぁエルヴィン団長殿!お久しぶり!!
休暇のぐーたらが祟ってすっかり見るも無惨な
ビールっ腹になっちゃったハンジさんが入るよ~~・・・・」
「・・・・・・・、随分と浮かねぇ顔をしてるな。」
「・・・少しな。それはそうと・・・見ない内にすっかり
大きくなったな。もう何ヶ月位だ」
「・・・・さぁな。 お前の目論見が上手く行ってこうして
俺等がつがいになってから・・もう半年そこらか。」
「・・・するとあれからすぐだったのか。・・・とりあえずは
安心した・・こちらは 順調みたいでな・・・・」
「・・・・何だ、その、こちらは ってのは」
「・・・・エルヴィン、ひょっとしてさっき私達が
すれ違ったミカサ・・・・あんたと話した帰りだったの?」
「・・・・そうだ。」
「・・・・おい、お前まさか」
「随分と察しがいいな。・・・まだ何も言ってないが」
「同じ血筋のせいだろうかな・・・最近奴の無表情でも
だいたいどんな気分であるかが少しずつ判るように
なってきた。
・・・さっきのミカサ の顔は・・・
まるでこれからエレンの奴の硬化実験が始まる時と
同じ様な顔をしてやがった」
「・・・そうか」
「確認までに聞く。・・・・まさかとは思うが・・・
作戦も大詰めに向けて残すところも後は
シガンシナの地下室と巨人の掃滅だけとなった今・・・
十分な準備期間として充てられた内の一日に・・・
お前は何をミカサの奴と揉めたんだ」
「別に揉めたわけではないが」
「そうかぁ・・・・?;私たちの挨拶に無反応だった所を見るに
あれは相当ムシの居所が悪かったか・・・もしくは
よっぽど上の空になっておかしくないような
考えごとの真っ最中だったかだ。
女の私が言うんだ。間違いない。」
「・・・・・、、、、分かった。一々言う程の事でもないと
思っていたが・・・そこから話そう」
ハンジの言葉に対して深い溜息をついた後・・・
そう言って先程この部屋で自身とミカサが
話し合っていた会話の内容について説明を始めるエルヴィン――・・
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- 10 : 2015/12/14(月) 23:29:54 :
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~それより十数分前のこと~
「 おことわりします 」
現、調査兵団団長である、エルヴィン・スミスより
言い渡された提言に対し・・・彼女の口から簡潔に
述べられた返答は実に簡素にして、あっさりとしたものであった。
「・・・・・・・・・」
この返しに・・・実を言うならばエルヴィンは相当驚いていた。
皮算用でしか無いとは言え・・・彼女の人間性と、普段の
挙動から考えても・・・自身の提言に対してここまで一瞬の迷いも無く
拒絶の意見が返ってくるとは思っても見なかったからだ。
・・・しかし、こうして一人の兵士を態々個室に呼び出してから
話す様な類の重要なものである以上・・・相手が首を横に振ったからと言って「ソレ」は、
“ではこの話はここまでに”・・・となる類の話でもない。
「・・・・これは・・・素直に言わせてもらうが・・・・・
正直驚いたな・・・・。いや、突然このような話を
もちかけてしまった非礼には重ねて頭を下げるつもりだが・・・
そのような憤り以外に君がこの提案を拒絶する理由があると思う。
それを是非聞かせてもらっても構わないか」
「・・・・構いませんが。・・・それと別にその様な提案に
対して私が気分を害している事実はありません。
・・・加えて・・・言うなら。“私とエレンを”
・・・・そのような目で見て頂ける事に関してだけは・・・・
・・・・・・個人的に悪い気分では・・・ない・・・ので...///」
鉄面皮で語りだしたその顔が・・・終盤に近づき、
特に"エレン”の名を口にした途端、急激に人間味を
匂わせる表情へと変わる様子を見て、目の前に居るのが
いつも通りの彼女であると安堵するエルヴィン。
・・・つまり、今彼が投げかけた提言に対して彼女が
返した"NO"の言葉は・・・それ程までに意外性際立つ返答であったのだ。
「団長の言葉は・・・尤もだと考えています。
私の『血』は・・ここで止めてはならないものである事。
そして・・・ここで私が後に遺す意志があるなら・・・
それが必ず人類の・・・壁の内側の平穏の支えになる事も。
理解してはいます。もしも・・・。もしも“私とエレン”が
貴方の言う通り・・・その・・・・(こ...子を遺す事になるなら(小声))
・・・・そうして産まれてきた子供は・・・恐らく
エレン同様に、人類に希望をもたらす存在になることは
間違いない・・・・・。 ですが」
一瞬俯きながら彼女が見つめた先は・・・自身の右手。
訓練時、入浴時問わず彼女がそれを外したところを
誰も見たことがない、その包帯の下に受け継ぐ"印"。
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- 11 : 2015/12/14(月) 23:32:24 :
「ミカサ・・・君がエレン をどう思っているかは兵団の中でも
知らない者が一人としていない程だ。訓練兵卒でありながら君は・・・・
その"エレン"を護り抜く、その為だけに先のトロスト区
奪還作戦の際にも同伴の駐屯兵団精鋭兵には太鼓判を押される
獅子奮迅の働きを見せ・・・、
我らが調査兵団へとその身を移してからでさえも・・・
“あの頃”のリヴァイを思い出させる程の成果を上げてきた・・・。
それ故半ば決めつけたような気持ちで
私も先程の様な話を君にしてしまった訳だが・・・・
・・・・しかしそれができない理由が何か・・・・?」
「私は・・・団長、貴方が思っている程強い人間でもなければ
働き著しい人間でもありません。
・・・私自身の命と引き替えにしてでも護り抜くと誓ったエレンでさえも・・・」
「・・・・・・・・・・」
「もう何度もこの手から取りこぼしかけてしまった。
初めての実戦・・・アルミンからエレンの戦死報告を受けたあの日。
・・・壁にあけられた穴を塞ぐまでにエレンが自我を失いかけて
暴走に陥ってしまったあの日。
・・・巨大樹の森でエレンが奪われかけてしまったあの日。
・・・本性を現した“あの二人”を私が仕留め損なったばかりに・・・
やはりエレンが攫われてしまったあの日。
・・・中央憲兵との取引でやむを得ずエレンを...
「もういい。それ以上は君が気負いをするべき事ではない。
・・・君の性格ではそれらを自身の不甲斐なさ故の失敗であると
思い込むだろうが・・・何れの危機にしてもそれは
彼のすぐ傍に君が居られない状況に際して起こっているものだ。
・・・それも概ね兵団側の都合でな。これからはその様な事の
無い様こちらも極力尽力しよう・・・それでどうだろうか」
「・・・お気持ちは有り難い限りです。・・・しかしそれだけで
先の団長の提言に肯定できるほど・・・私は楽観的になれません。
私には・・・"エレンを護る"それだけで手一杯・・・。
正直なところ、それすら今は満足に果たせているとは思い難い。」
「・・・・・・・・」
「どれだけ私が“エレン”の身を案じていようとも・・・
・・・―そして襲い来る驚異を一つ残らず駆逐しようとも。
エレンだけが持ち得る巨人の力とあの硬化の力。
あれらが間違いなくエレンの限りある命を削るもので有る事は明らかです。」
徐々に語気の鋭さが増していくミカサの口調。
ことエレンの身を案じる話題に関して彼女の口から
冗句と受け取れる言葉は一切吐き出されない。
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- 12 : 2015/12/14(月) 23:35:22 :
「・・・・ならば尚更・・・、尚のこと君は彼の意志をこの限られた期
「私にとって・・・“エレン”の替わりは在りません」
その黒い瞳に宿った強い光は・・・語りかけの言葉を
断ち切られたエルヴィンの内心を揺さぶるのに
充分過ぎる気迫を内包していた。凛として美しい貌でありながら・・・
その面構えには獅子の威嚇にも等しい覇気が滲み出ていた。
「・・・・もう一度言いますが。私にとって最も大事な事は・・・
最も優先するべき事は。『エレンの安寧』でありーー・・
それ 以外のものでそれ を蔑ろにしていい程
重要な事は・・・・一つも存在しません」
「・・・それが人類の安息・・・いや・・・・・
“人類の勝利の為”であっても・・・・・・・・か?」
「・・・・・・・・・・」
この言葉に暫く無言を貫いたミカサは・・・しかし一歩も気後れを見せる事なく
「・・・・その通りです。失礼にあたるかも知れませんが」
「・・・・・・?」
「『それ』より大事な物を通そうとする・・・エルヴィン団長 と同様に。」
「―――・・・・・・」
半年以上前に自身が今と殆ど変わらない様な状況で
殆ど変わらない答えを、戦友兼・部下に返した記憶を思い起こし、
なぜその場のやり取りを把握している筈の無い彼女の口から
その言葉が出てきたのか、少々の驚きと・・・そして諦観の念を、
溜息にして表すエルヴィン。
「分かった・・・・。つまり君は・・・・
“エレン一人でも満足に護りきれない現状で更に
護るべき我が子を授かる余裕などは無い”と・・・
そう主張している・・・・間違ってはいないか?」
「極めて仰る通りです。
・・・・加えて言うならそうした事を行うに際し・・・
私は半年から一年・・・ともかくそれだけの長期間、
"降ろすことの出来ない"大荷物を抱えなければいけない
状態に陥ってしまう事も意味します。
・・・それではその間エレンの身に何かあった場合取り返しがつきません」
「・・・つまり君自身が彼とそうした関係に至る事自体に
否定的であるというわけでは
「決してない・・・・です..../////」
唐突な即答と頬を赤らめる彼女の表情変化に多少の戸惑いをおぼえつつも・・・・
「・・・・理解した。・・・このような話で態々呼び出してしまって悪かった。
・・・・しかし一つ訊かせてくれ。」
「・・・何か。」
「・・・・それではこの先・・・君にエレンと“本当の意味で家族”となる日が
来る事を勝手に期待してしまっても・・・それはそれで構わないのだろうか」
「・・・・・本当の意味も何も、私とエレンは既に家族である認識ですが。
・・・・・ですが、エレンがもしそのように 望むなら。
・・・・その時は....その道も考えます....」
カッ・・・・
ガチャ・・・・・
バタン
平時に行う敬礼と見比べると随分弱々しい
敬礼を残し・・・静かに退室していくミカサ。
「・・・・・・・・・・」
部屋に一人残されたエルヴィンは・・・
「・・・・つまり希望は"残されていない"訳でもないのか」
そう、真面目に独りごちた。
・・・・
・・・
・・
・
-
- 13 : 2015/12/14(月) 23:38:05 :
・
・
・
「・・・・・手前ぇ・・・・・・(呆)俺とメガネだけに止まらず
この際だから“あの2人”までくっつけようってか・・・・?
流石に節操なさ過ぎだろうが・・・・・・・!」
「この際節操など気にしている場合ではないだろう。
行動を起こしてもらうのは早いほど良い。
・・・・子供の育児にまで手が回らないと言うなら
兵団側で面倒を見る準備も当然あるのだが・・・」
「・・・突っ込み所満載な悩みに本気で頭を抱えてみせるのは止せ。
どこの誰が孤児院直行と分かってて喜んでガキをこさえると思う」
「そういう問題でも無いと思うんだけどな・・・;私は」ウウン,,,
「しかしこれは本当に参った。
まさかミカサがこの提案に乗ってくれない場合の事など
全く予期していなかったからな・・・てっきりお前達より
ずっと簡単にいくと思っていたのに」
「・・・・・悪ぃ、その頭に載ってる奴・・・・・全部
ひっ剥がしちまっていいか・・・・?」
「止せ。・・限りある資源を大切にしてくれ」
サッ....
「資源だと・・?良く言う。ハリボテの造花だろそいつは。
大体前から気になってたがお前今年で幾つになるんだ」
「リヴァイとこういった間柄になれたことに関しては・・
色々してくれたエルヴィンに感謝しないでもないけど・・・
なんか一緒のカゴにに入れとけばポコポコ増える
ジュウシマツっぽい扱いみたいで少し癪だな・・」
イラッ・・・☆
「・・・・・ともかくだ。お前達の事がこうして
上手く運んだ様に・・・・勢いに乗ってこのままミカサや
ヒストリア等にも是非なんとかなって貰えればと
思っても居た訳だが・・・・そう上手くは行かないものだ」
「とんでも無く下世話な悩みだが・・・そいつを本気で悩んでみせるから
殊更に性質が悪ぃ...(チッ・・)
しかもヒストリアの奴まで標的に納めてやがんのか・・?
仮にも王族の子息になるんだぞ・・・、お前が増やそうと
画策してるそいつらは。そんなモルモットみてーな感覚で増やすんじゃねえ」
「この際エレンの方から巻き込んでみてはどう?
ミカサ自身はあくまで保守的で堅実な考えを持っていても・・・
エレンが押しにくればミカサならその要求を押し退けたりも
しないんじゃないかな。」
「おい滅多な事を言うな。野郎 の身にもなって考えてみろ。」
-
- 14 : 2015/12/14(月) 23:40:48 :
「・・・珍しいじゃん。あんたがこんな風に他人の肩を持つなんてさ。
・・・でもなんでさ?エレンだって年頃の男の子だよ?
そんな欲求の一つや二つあって当然じゃないか。
そこに兵団上層部からのお達しっていう大義名分が
加わればこれで心おきなく・・・・」
「・・・もういい。お前は少しの間黙ってろ。・・・・おい、エルヴィン」
「・・ぁあ、当然それは私も考えた。しかしだ・・・」
「しかしもカカシもあるか。お前も所詮メガネと同じ
発想力か・・・・。(呆)俺やメガネの場合はまだいい。
これだって結局はお前の謀略だとかそんなのは関係なく
俺ら互いの総意でこうなるべくしてなっただけの話だからな」
「ぉっ・・・おま・・・///結構はっきり人前で言える性格なんだな・・・///
うれしいけどちょっと恥ずかしいよ...?」
「・・・・(無視)・・しかし奴らの場合は違う。
・・・あの二人は・・・互いの認識ではほぼ家族も同然だろうが。
どちらが上下だのって認識はないだろうがな・・・
それまで肉親同然に考えてた奴とある日いきなり肉体関係の
構築を命じられたりしてみろ・・・俺ならまず素直には従わない。」
「分かっている。・・・それにだ、もしエレンを彼女に向けて
けしかけたと仮定しても・・・確実にフィジカル面で
向こうが抵抗すればその関係すら成立するまい」
「・・・・お前の憂慮してる心配事と俺の言ってる事には
大分隔たりがあるみてぇだな・・・一言言ってやるがお前・・・
下世話にしても度が過ぎてるぞ。
奴らも巨人を狩る機械じゃねえんだ。増えたきゃ
手前 らで頃合いを見て勝手に増える。
それが分かっててなぜ放っておかない・・?」
-
- 15 : 2015/12/14(月) 23:41:58 :
「問題はその頃合いなのだ。・・・率直に言って、、
エレンはそういった事にあまりに鈍感かつ無頓着過ぎる。
加えてミカサ自身、私が打診するまでもなく普段からあの様子だ。
あの調子で果たして・・・二人が結ばれるまでに何年の月日を
要すると思う?」
「知ったことか。・・・少なくとも巨人との追っかけっこで
完全に婚期を逃したお節介野郎が気にする事じゃねえ」
「・・・・参ったな・・・。真面目な話なんだ。ミカサも
勿論の事、エレンが本当に壁の外の血を引いていると
いうなら・・・せめてエレンにだけはそういった方面で
尽力して欲しいものなのだが・・・・・」
「・・・少し前にお前が冗談で云いかけたのと同様に・・・
娼館への出向命令でも出せば良いじゃねぇか。
社会勉強の一環だっつってな。」
「少しは真面目に考えてくれ」
「 お 前 が 云 う な 」
「ぁ~、、あの~?もし私でよかったらリヴァイの子 が産まれた後にでもエレ.....
(ドグッッ!!!)
ゲハッッッ!!!!??」
何かとんでもない提案を口にしかけたハンジの鎖骨あたりに
リヴァイの体重が乗った地獄突きが食い込む。
「手前ぇが今何を言いかけたのか・・・全て聞く前に決めつけるのは
少しだけ気が引けるが・・・お前一体どういう貞操観念してやがる」
ピキッ・・・ピキキ
「ぐふぅ・・・・・ゲホッ・・・オフッ・・;;・・・
腹を殴らなかったのは評価しようかと思ったけど・・
リヴァイあんた、容赦無さ過ぎ・・・・;;」
「知るか。今のはどう考えてもお前の発言の方にこそ問題がある。」
「だからなんでさ!!?私とエレンでも子供作っちゃえば
晴れて君に弟と甥が同時に出来(ry...
「・・・もういい。・・・邪魔したな。・・エルヴィン。
俺は今からこいつを説教部屋に引きずり込んでから・・・
浮気って言葉の意味と、それに対して向けられる
世間の目についてしこたま教え込んでやらなきゃ
ならなくなった。
・・・・ここまで常識に欠けた女だとは思わなかった」
グイッ・・・・
「お・・・・??!?なんだいリヴァイ!!!?今夜も一仕事
イっちゃうつもりかな!!?
よ~し、ママ、寝ずに頑張っちゃうぞ」
ギリィッ!!!
「あぎゃげげっ!!!いふぁいいふぁい !!!
ひょっ 、ひふぁいっへふぁ!! 」
ジタバタジタバタ・・・
人類最強の握力に口の端を摘まれて退室を余儀なくされるハンジ。
バダン......
「・・・・・・・・・・・・・・・――、、」
再び静寂の戻った部屋に・・一人残されたエルヴィンの哀愁漂う溜息が放たれる。
「・・・マリーを追わなかった事をこんな形で未練がましく想うとは・・・・。。。
・・・流石に歳がどうにかなったとしてもこの様ではな」
今はなき片腕の行き止まりをさすりながら呟いた
その後の一言は明らかな独り言であり・・・
誰に向けてでもなく・・・ただこの現状を選択した・・・
他でもない自分自身に向けたものの様に聞こえた・・・。
「・・・・・・・・結婚・・・・か・・・・。
それが叶うものなら他人の心配等しているつもりも無いが。」
-
- 16 : 2015/12/15(火) 20:04:37 :
―調査兵団仮設拠点・炊事場―
カチャカチャ・・・・
バシャ・・・
カタン・・・・
ミカサ「・・・・・・・」
ヒストリア「・・・・・・」
サシャ「・・・・っ・・・・」
今晩の夕飯に向けて、その調理を行う3人。
ヒストリアは自分のすぐ隣、いつにも増して空虚な瞳で
遙か彼方を見つめながら、使い終わった調理器具の洗浄を
行うミカサを横目で凝視するのに必死であり、
視界の外でこれ幸いと自らのポケットに小振りな芋を
詰め込むサシャの蛮行に気がついていない。
いつもならこのような行いにすぐさま待ったをかけに来るミカサも
今この時に限っては何か物思いに耽っているのか・・・
まるでゼンマイ仕掛けの人形のように、粛々と目前の食器を
洗うことだけに脳を動かしている様だ。
「あ・・・あの・・・ミ、ミカサ・・・・・?」
「 ー ー ー ー ー ー ー 」
カチャラ・・・・ カチャン・・・ チャパチャパ・・・
「(かッ・・・神が与えし千載一遇の好機ですッ・・・・!
あ、ありったけの芋を・・今の内に・・・!)」
グィッ・・ グィグィ・・・・・
「・・・・・・・・・!?;」
完全に全自動皿洗い器となり果てて明後日の方向を望むミカサに
流石のヒストリアもただならぬモノを感じ、後方でネコババを続行する
サシャには気を向けることも無く、再びミカサに返答を迫る。
「ちょっと・・・・ミカサ!?!・・・大丈夫!!?」
ブンブン..
「・・・・・っ・・・・なに?・・・・ヒストリア。」
「"なに"じゃないよ!? 私呼んでるの全然聞こえて無かったみたいだし・・・
今日なんかあなた、呼び出しあってから様子おかしくない・・・・?
何か・・・あなたがそんなに考え込む様な事があったの?
私でよかったら・・・相談に乗るよ??;」
-
- 17 : 2015/12/15(火) 20:11:30 :
「・・・・・なんでも・・・・・..
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・無いわけ無いじゃない!!
ミカサ、あなた本当嘘付くの下手すぎだから!!何・・・?
確か団長の所に呼び出されてたんだよね・・・・?!
何かヒドいこと言われた・・?!それともエレンの巨人が必要な
作戦要項が一気に増えたとか・・・・、
貴女がエレンの傍を離れないといけないような・・・
っ..;とにかく何かあったんでしょ?何でも言ってよ!!
形だけって言ったって、今の私なら前の立場よりずっとずっと
発言権有るんだから!!私の友達にイヤな思いをさせる様な
命令を平気で下すような上官なんて・・・・!」
「クリスタ 。」
ポン・・・・・
「!?」
不意に自らの手に乗せられた掌と同時に呼びかけられた
仮初めの名に・・・背筋を跳ねさせるヒストリア。
「あなたは・・・訓練兵の時からすごく変わったように見えて・・・
やっぱり殆ど何も変わっていない。」
「???!は、話を逸らさないでよ!!
それに私が変わってないって、、どの辺が変わってないの?!
私はもう誰かの為だけに頑張るいい子じゃない!
今だって・・・自分のワガママの為だけにあなたから
悩みの種を聞き出して、ただ受け継いだだけの権力を
振りかざそうとしてるんだから!」
フンッ・・・・
未だに頭に乗せられたミカサの手を払いのけようともせず、
鼻息を荒くして声高に言い放つクリスタ。
「―――――私はもう絶対に・・・何があっても自分のために
生きるって決めたんだ・・!だからミカサ・・・??
“私の為”に・・・あなたの悩みを聞かせて・・・?
私・・・辛いよ。“エレンの為”、それだけしかいつも
言わないあなただけど・・・結局私達はあなたの
ここまでの活躍に数え切れない程命を救われてる。
私の主観で言っちゃうけど・・・私にとってミカサの
存在は・・・兵長と同じかそれ以上大きなものなんだよ?」
「・・・・そういうところが・・・本当に変わっていない。
あなたが今自分で言った通り、私はどこまでもエレンの事しか
考えていない。"あの時"だってそうだったはず」
「あの・・・・っ時って・・・・」
「もう・・・忘れてしまったの・・・・?
私は・・・エレンの奪還を行おうとする上で、もしどうしても壁になるなら・・・・
覚悟を決めて、感情を殺し、、、・・いや、そんな言い訳は
この際すべて捨て置いて・・・。。 とにかく私は 」
「私は"ユミル"だけでなく・・・、"あなた"を斬ろうとさえした」
「っ・・・・・」
「だから・・・・私は・・・そんな・・・あなたに思いやりや
気遣いを向けられるような筋合いなんて」
「そんなの!!!そんなの私だって同じだよ!!!!
一時なんかあの人の言う事をすべて真に受けて・・・
ッっ・・・・言わなくてもわかるでしょ?!
私だってあのエレンを本気でっ・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
そこまで言いかけたところで彼女の頬を滑り落ちる
滴を認めたミカサは・・・・軽く息を吐き、眼前の即席王女を
なだめるように優しく言った。
「・・・・なるほど。それなら・・・・お互い様だ。
"わたし"も"あなた"も・・・何も変わらない。
自分の為に・・・自分の大事なものを守るためだけに必死になれる・・・
ただの人間だ。」
-
- 18 : 2015/12/15(火) 20:18:51 :
「~~~~、~~~~~」
ソロ~~リ・・・ソロ~リ・・・・
「 時に、 サシャ 」
ガタンッ!!!!
(ビクッッッッ!!!!!!)
「・・・何でありましょうか、、?ミカサ???」
声掛けの瞬間、盛大に飛び跳ねてしまうものの、
返す返事は至って平静に保ってみせるサシャ。
しかしその後ろ手にはパンパンに膨れ上がった手提げ袋が、
ミカサとヒストリアからは完全に死角となる位置どりで保持されていた。
「作業終了まではまだ仕事が残っているが・・・あなたは何処へ?」
「ええ!、それはもう、お花を摘みに・・・・」
「・・・そう。では用を足すのに後ろの手提げは荷物になると思う・・・ので、
私が預かろう。・・・・」
ハイ。。
「(ば、バレていたのですかぁぁあああ!!!!↓↓;;)」
ショボショボ・・・・・
「・・・・で、あの・・・、ミカサ・・・?」
グズっ・・・ ゴシゴシ
「何」
「話しては・・・くれないの・・?」
「・・・・・話すのは構わないけれど・・・別に私は
団長から無理のある命令を強要された訳でもなく・・・・
ただ今後の身の振り方を打診されただけ。」
「身の・・・振り方・・・・?」
「・・・・そう。」
「それって・・・ミカサ・・・あなたの・・?」
「そう。。」
「・・・話し辛い事?」
「そう言う訳ではないが・・・・・ヒストリア。
もしもの話をしよう。あなたは・・・もし」
「・・・・うん」
「今の貴女の立場を理由にして、跡継ぎの産出を
説き勧められたら・・・どのように応える?」
「跡つぎ・・・?ってあの・・・・それって、まさか・・・・//」
「そう。遠回しに言わないなら・・・子作りでもいい。」
「そんな・・・まあ、いきなりそう言われても困るっていうか・・・・、、;
第一相手は・・?誰かに決められちゃうっていうなら
それは流石に少し考えちゃう・・・かな・・・」
「相手が既に決まっているとしたら?
・・・・それも否定の理由が見当たらない位の相手なら、、」
「・・・・・あの・・・・・ミカサ、ひょっとして・・・・・
ううん。ひょっとしなくても・・・?!!!!;」
「――――― 一番外側の壁も無事何事もなく奪還出来て・・・
次の作戦実行まで今暫くの準備期間を設けることになるこの機会に是非・・・
"エレンと子供を作ってみてはどうか"と。
直接的に訳せば今日私が団長に呼び出された際に受けた提言は
そういった内容の話だった。」
「――――――・・・・・/////////!!!」
(そうか・・それであんな上の空に・・・・!?)
「・・・・・・ッ!!!??ミミ、、、ミカサ!?今あなた何と・・・・!?」
マジカヤ!!!!!
「いや・・・・だからエレンと子供を作・・・・
「やっ・・・やったじゃないミカサ・・・・・!!!こんな、
団長お墨付きのチャンスなんて滅多にもらえないよ!!?
それも貴女の戦力的価値を考えたら・・・!
普通考えられない事だよ・・・??!!」
ガバッ・・・!!
「いや、だから落ち着いて聞いてほしい・・・。ヒストリア。まだ・・話の途中。」オチツイテ✋
ガクン・・ガクン・・・
-
- 19 : 2015/12/15(火) 20:27:23 :
「・・・・で!!?し・・・・式は!!!?式はいつ挙げるの!!!?
いくら何でもミカサくらい大きな働きがある兵士なら
恩赦でそれくらい何とかなると思うけど・・・・、
挙げないならせめて私達同期だけででも・・・・!」キャッキャッ・・!
「――――ヒストリア。」
グッ・・・
「ぁ・・・・・ゴ、ゴメン・・・・、、私ったらつい興奮しちゃって・・・・////
でも羨ましいなぁ・・・・ひょっとして私達の中でミカサとエレンが一番乗りじゃ...
「残念だが・・・式も挙げる予定は“まだ当分”無い.....
この度の団長からの進言は・・・私がその場で拒否した。
・・・つまりお断りさせてもらったから。」
「 」
「!!??、、!?!!?何々・・・何ですか?!一体お二人の間で
今どのような話が・・・」
「 な ん で !!!? 」
ガバッ・・・・・!!!
「ひっ!??」
ビクッ
「・・・・・・・・・・・・・」
「断ったって・・・・?!何でそんな・・・??!だってミカサ、
あなたはあんなエレンの事・・・・・!」
「・・・・そう。私は常にエレンの事を第一に考えている。
・・・・だからこそ・・・エレン自身の安全を取る形でその申し出を
謹んでお断りさせてもらった・・・・・。」
「エレン第一って・・・・ぅうん・・・・、つまりえっと・・・
エレンの事が大好きと言うだけで、エレンとその・・・
結ばれても子供が欲しい訳じゃない・・・って事??」
「・・・・・///正確に言えばそうではない・・・・
・・・・いや。その考え方では大分語弊がある。
もしもエレンと同意の上で・・・気兼ね無く子を残せるというなら・・・
それはきっと私にとってもこの上なく幸せな事だと思えるだろう。」
「同意の上でって・・・・やっぱり・・・エレンが拒否すると思って・・・・
話を断ったとか・・?・・・・それにしたってまず
エレンに話を聞いてみるとか・・・それ位してみたってよかったんじゃない・・?;」
「・・・当然まだエレンに確認は取っていない。
いくら壁の奪取が済んだからといっても・・・・未だ私が
仕止め損ねてしまったことで何処にいるか分からない
"あの二人"の所在が掴めない以上・・・・
きっとエレンも同じように、"そんな事してる場合じゃない"と言うだろうけど・・
・・・・それよりも」
「・・・・それよりも?」
「団長の口から・・・兵団の総意などと言った意味合いも含めて
エレンに使命感を持たせるような言い方をされた場合は・・・私が困る。
きっとエレンの性格ではそれを断る事は出来ないと思うから。
・・・だからあえてエレンにはこの話を通さない様にした。
私は黙っている積もりだが・・・団長が直接話を
通そうとしてしまえば結局それも無意味なことになるだろう。
できるだけ、サシャも、ヒストリアも・・・・この事は誰にも
言わないで自分の胸にしまって置いて欲しい」
「そこまでして団長が貴女たちに一緒になってほしい
理由って・・・・やっぱり・・・・?」
「きっと・・・私とエレン、どちらも血筋がこの壁の中のものではないから・・・・。
・・・・仕方がないことだ。その仕組みが分からない以上は・・・・
とりあえず"増えてもらうしかない"・・・そう考えるのは
当然の事・・・。」
「なんか・・・・繁殖牝馬と種牡馬みたいですね・・・・」ハァ・・
タイヘンデスネ・・・・
「サシャっ・・・・////そういう生々しいのやめて!!?
動物じゃないんだから!!!!!!」
「でも・・・・・・・」
-
- 20 : 2015/12/15(火) 20:30:36 :
「いい。サシャの言う通りだ。所詮私達も
言葉を話せて社会性を持っていると言うだけで・・・
動物であることに変わりはない。
彼らの都合で私たち二人の仲が引き合わされる事になるなら・・・・
それは結局兵団専用馬を交配させるのと・・都合としては何も変わらない。
・・・けれど私がその話を断ったのは・・・
そういったことが面白くないから・・とかではない」
「・・・・・・え・・・・・・・」
「言ったはず・・・・・。私は・・・まず何よりもエレン自身の安全を第一に考えている。
今ここでエレンと私がそういった事に及んでしまえば・・
半年経つ頃には、私に兵士としての・・・・
とりわけエレンを護り抜く程度の運動性すら失われてしまう。
それから数ヶ月は文字通り完全にエレンの傍にいても
お荷物にしかならない」
「でッ・・・でもミカサ・・・・??!!幾ら何でも・・・・それは貴女深く考えすぎだって・・・・!!!
今までこんなにエレンの為に頑張ってきた貴女じゃない!!?!?
別にエレンとの関係が深まる事自体を・・・
"貴女の心"が拒んでいるって訳じゃないんでしょ・・・・・?!
なら・・・・!!!少しくらい貴女が報われる事があったって
いいと思わない?!」
「・・・・・それは・・・・・・」
それは
「、、それは・・・ヒストリア。
あなたの言う“報われる”という感覚が人それぞれ
違う以上・・・"私の感覚"で言われてもあなたは理解に苦しむだろうけど・・・・
私は今の状態でも充分『報われる』」
そう・・・私には・・・エレンが"生きていてくれる"ただそれだけで充分。
「・・・・・いや・・・・っあのさ、そう・・じゃなくて」
「そこが・・・きっと皆と私の考え方で、決定的に違うところでもある。
周囲の皆は・・・何かしら他人に自らの理想を求めたがる。
当然・・・私にだってエレンには出来るだけ健やかに、
そして幸せに生きていて欲しいという欲はある。」
「ミカサ・・・・、そういうのは欲って言わないと思う・・」
「・・・・そう思うかどうかも・・・やはりあなた次第だ。
つまりそう言うこと・・・・。」
-
- 21 : 2015/12/15(火) 21:42:12 :
「もう・・・・なんて言えば・・・・この気持ちが貴女に伝わるの・・・?」
「有り難う・・・。そこまで気に掛けてくれるあなたの気持ちが・・・
私もとても嬉しい。だからそんなに・・・・」
「違う・・・・!そうじゃ・・・・そうじゃ無いの!!」
「?」
「(それは勿論・・・・エレンにはミカサしか居ないと思うし・・・、、、
同様にミカサにもエレンしか居ないと・・・私だって思ってるよ・・・・!
けど....!それでも.....!!!)」
ーー私だって。
そうだ・・・・当然そんな事をこの場で言えるはずもない。
エレンには貴女しか居ないと思うから・・・私なんかが入り込む隙間も無いと
良く分かっているから・・・こうして潔く退き下がる覚悟も固まりかけていたのに・・・
それなのに貴女がそんな....
「っ・・・・・・・・・・・!」
グググ・・・・
「―――――――ヒストリア?」
「・・・・ご、ごめん・・・・ちょっと私、今。。眠気が酷いみたいだから・・・
顔・・・洗ってくるね・・・・?
ホントごめん....」
ダダッ・・・
「待って。」
ガシッ
「っつ、、、な、何?ミカサ?!」
「申し訳ないが・・・今のあなたからは・・・どうしても
そこまで抑えきれない眠気と言う物を感じられない。
どう考えてもその口上は・・・その、私が何かあなたに」
「い、いいの!本当に眠いだけだから!!!ね?!
こんな状態で火や刃物を扱うなんて危ないし・・・!」
スッ・・・・
「・・・・・・ヒストリア。私の大きな思い違いなら謝る。
しかし・・・一つ聞かせて欲しい。」
「???;うん、」
「あなたは・・・・最近とてもエレンと仲睦まじく話をしている時がある。」
「そ・・それは・・・・まあ・・・、ミカサにはたまに悪いと
思っちゃうけど・・・ほら、あんなこともあった手前・・・・;
普通なら仲直りして話してくれる筈も無いから・・・
ついエレンがああいう風に接してくれるのが嬉しくなっちゃって....」
「・・・・何も私がヒストリアに謝られる事はない。」
「・・・・?; でも、私とエレンが話に夢中になってる時なんか、
たまにミカサ、もの凄い顔してたり・・・・..、、」
「あれは・・・単に疲れているエレンに荷運びをさせる事が
適任でないという意識の現れ。
別にあなたとエレンの仲を嫉妬深く見つめていた訳ではない。」
「そう・・・なの・・・・・?」
「・・・・・・・・そう。」
「(絶対邪魔者を威圧する表情だと思ってた...;)」
「・・・・質問の途中だった。・・・・続けていいだろうか?」
「う、うん・・・・(その話が一体どこにどう繋がるんだろう・・・)」
-
- 22 : 2015/12/15(火) 21:47:14 :
「あなたの返答から考えるなら・・・あなたとエレンは
そこそこ仲が良くて・・・・、少なくともヒストリア、
あなた自身は・・・・エレンに対して好意を抱いている・・・・
・・・・・そういうことで間違いないだろうか」
「・・・??!!!;」ビクッ
「そう萎縮しないで欲しい。私はあなた個人の気持ちをこうして
訊いている。エレンの性格は・・・私が誰よりも一番良く
理解しているから。・・・エレン自身が特にあなたに
特別な感情を抱いている可能性は限りなく薄いし・・・・
他人が自分に抱く好意に気がつくほど察しが良くない。
・・・・とても・・・鈍感。」
「う・・・・うん・・・・;そう・・・かもしれないけど」
「だからまず"あなたの気持ち"を訊かせてほしい。
あなたは・・・・エレンの事が・・・・好きなの??
・・・・それとも実際それほど想っていないの?」
「・・・・・・・//////(ど、どうしよう・・・どう答えるべきなのこれ・・・・
好きだって答えた直後から本格的にミカサにマークされたりなんて事は・・・;)」
「・・・・その恥じらいを交えた無言は・・・
まず否定ではないと判断できる・・・、ので。肯定と捉えても・・・・?」ンン・・・?
「好きとか・・・・そういうのかどうかは分からない・・・よ。
ただ・・・一緒に話してて・・・心が晴れていくような不思議な感じはする・・。
エレンの目ってさ・・・すごく澄んでるの。
何を見ている時も真っ直ぐで・・・怒ってても、悲しんでる時も、
怯えている時も、喜んでる時も。
どんな時でも透き通ってて・・・・一緒にいると私まで
素直になれるっていうか・・・・」
「・・・・充分だ。あなたのその感覚から考察するに・・・
あなたがエレンを好いていると考えるには充分すぎる。」ナルホド..
「・・・・////別に否定はしないけど・・・・でも、、
何・・・?ミカサにとって・・・エレンの事が好きな人が
増えたってそんな事は・・・・」
「回りくどい説明は得意ではない。ヒストリア・・・。
あなたに私から一つ提案がある。・・・無論あなたの立場は例え建前上だけとは言え
この壁の中に於いて既に神格化されてしまっていると
いっても過言ではないから・・・・
これらの提案はまず団長やその他の人達の考えを全て
聞いてからになるけれど・・・・まずは気持ちだけでも」
「え・・・・・・?;何・・・・?提案っ・・・・て・・・」
「私の代わりに・・・いや。
私より先に。 ・・・・あなたがエレンの子を身篭ってみては・・・どうだろうか」
-
- 23 : 2015/12/15(火) 21:53:33 :
「 」
ガッッシャャァァンン!!!!!!
「ヒャッ!!!??」
「ヒストリア。・・・・すまない、、そんなにあなたが
取り乱すとは思っていなかった。
イヤな思いをさせてしまって済まなかった。
今私が言ったことは・・・・全て忘れて欲しい」
カチャカチャ・・ パリッ
「いっ・・・・・いいい、イ、イヤとかそういうアレじゃなくって・・・・、
って、それよりもミカ・・・ミカサ・・・??!!///
今あなたが言ったのって・・・・」カラ・・・ジャリッ
「・・・・?難しいことを言ってしまっただろうか。
できるだけ簡潔に言ったつもりだったが・・・・
ではヒストリア、もう一度云うが。。私より先にエレンと子づく..
「意味ならちゃんと通じてるからね////??!!!!」
「・・・驚く気持ちも分かるが・・・それほど取り乱すことだろうか」
「それほど取り乱す事だと思う・・・・!割と・・・・!」
ブルブルブル・・・・・・
「クリスタ、エレンと子作りされるのですか!!?」
ェ!!?エ!!!??
「・・・サシャ、クリスタではなく・・・・、、
「ううん、いいの!!;別に慣れてる方で....ってサシャ!
今ミカサが言ったのはそうしたらどう?っていう、
提案の話だからね!!?誰にも言い触らしちゃダメだよ!!」
「・・・・~、内緒なんですね??分かりました!
しかしそうですか・・・クリスタが・・・そんな。いえ、私てっきり
エレンならミカサの方かと・・・・」
「・・・・・・ありがとう、サシャ。」
ヨシヨシ
「ちょ、ちょっとまって、あのっミカサ」
「・・・なんだろうか?」
「いや・・・・あのね・・・?ミカサが言いたいことは分かったんだけど・・・・」
「 ? 」
「・・・・それは・・・なんで?;何でいきなり・・・ミカサの方に
来てた話が私の方に・・・・ミカサの中で変わったの?」
「それは・・・・前以て確認した通り・・・。
あなたには・・・エレンに対して並ではない好意があるし
それに・・・。」
「・・・・・それに?」
「血縁等の事も考えるなら・・・私とエレンの組み合わせに
着目されるのと同じ位、重要なものになるはず。
あなたの血筋は正真正銘王家のものだ。
いずれ子を遺さなければならない時はやってくるだろうし、
その時はきっとそれほど先の事でもない。」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・それからもう一つ」
「・・・・?うん」
「先ほどヒストリア、あなたは・・・エレンの眼差しに
惹かれると言っていたが・・・・あなたがエレンの目を見つめている時のそれ からは・・・
"惹かれる"という言葉だけでは片付けられない程
強い意志を・・・最近よく感じる。
・・・・それは私の気のせいだろうか」
「(ミカサって・・・・エレンの事しか見てないと思ってたのに・・・・なんでこんな・・・)」
「・・・・・・・・・・・」
そうだ・・・・ミカサの言う通り。
私は・・・・エレン自身に対しても好意を持ってはいるけれど・・・
それ以上にエレンの中に・・・あの人 の存在を大きく感じている。
エレンの記憶とこれまで調べて分かった事が事実なら・・・
私にとって何より支えになってくれたあの人 は・・・・
今も間違いなくエレンの中に生きているんだ。
そう言う意味で・・・・私がエレンに惹かれていたのも事実ではある。
「(・・・・けれど・・・・)」
「・・・・ミカサの言う通り・・・だよ。確かに私・・・・エレンには・・・・ただ単純に
好きだって思うのとは別の・・・」
「・・・・・・・・」
「もっと複雑な気持ちがある・・・・のかもしれない。でも・・・・」
-
- 24 : 2015/12/15(火) 21:58:41 :
「・・・・・でも?」
「それで私とエレンがその・・・・何かっていうのは少し違うんじゃないかな・・・。
誰が聞いたってそう言うと思うよ・・・・
ミカサがエレンと・・・・そうなるなら誰もおかしくは思わない筈だけど」
「(なんか・・・とても場の空気が重いんですけど・・・・
私これ・・・一体どうしてればいいんでしょうか・・)」
「分かった・・・ヒストリア。あなたの大体の気持ちは・・・私も理解できた。
そもそもこの場でそんな話をあなたにふったのもそこまで混み入った話を
この場でする為ではなく・・・・あくまであなたの中に、どの程度・・・・
エレンに対する好意があるのか・・・それを私は知りたかっただけだ。」
「う・・・・・うん・・・・・・//////」
「それを踏まえた上で・・・この質問にも出来るだけ難しい事を考えずに
応えて欲しいのだけれど。
・・・・ヒストリア・・・・、、、いや"クリスタ"としてのあなたも・・・・
エレンの事は・・・好きだったの・・・・?」
「それは・・・・どうだろう・・・・・正直・・・・・分からないかな。。
私は・・・兵団でその名前を名乗っている間・・・
とにかく"いい子”で居る事しか考えて無かったから・・・・」
「・・・・・・・・では今は。」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・―――――好き。、、だけど....」
オド・・・オド・・・・
「・・・・・そう。
・・・・よかった。。。」
「(なんでしょう・・・・二人がもの凄い話をしてるというのは
何となく理解できるのですが・・・やっぱり下手に
踏み込める自信が無いです私・・・・・)」ダラダラダラ・・・
バタンッ・・・・
「・・・・オイてめえら・・・・飯の準備に一体どれだけ時間をかける気だ・・・・・。。。。
最近腹が出てきたのを良い事に、一人ばかり飯の時間に
すこぶる五月蠅いバカが居るんだ。とっとと運び出すぞ・・・・!」
「アッ・・・!!!!!は、はい兵長!!!!!!!スミマセン!!!」ババッ!!!
アセアセ;
「ね~~え~~ゴハンまだぁ~~!!!??(ドタドタドタ)
デブは一食抜くと餓死しちゃうんだよ!!!!?
早くしてよもうぉ~~~~~~~~!!!」イライライラ
「ッッ・・・・ 、、言わんこっちゃねえ・・・・・
おいデブメガネ....!腹が重いなら食堂でじっとしてろと俺は重ね重ね言ったよな・・・・?
...テメェ1人の問題じゃねえんだ・・・・頼むから
云う事聞いてじっとしててくれ...!(※若干小声)」
「~~~~////www」
ニヤニヤニヤニヤ
「・・・・・(フザけた面しやがって....!)おい・・・おまえ達も
さっさと飯を運ぶのを手伝え・・・!バカに構うな」
「なぁなぁ、ミカサ~~~////」クルリ
「・・・・何でしょうか。ハンジさん」
ガチャガチャ......
「可愛いだろ、リヴァイのこの照れ隠し見え見えの気遣い方ww////」
「・・・・・・動揺を隠しきれないところが見ていてとても愉快です」
シレッ・・・・
「(アワワワワワ・・・・・・;)」
ガタガタガタガタ・・・・
「・・・・・・・」....ピキッ
「・・・・あと、口では色々言っていても、結局ハンジさんに
欲情してしまうところ等、リヴァイ兵士長にも人間らしいところがあって
とても安心しています。・・・平気で一兵卒の奥歯を蹴り飛ばすような人間なので
一時は本当にこの人の元に居て良いのかどうか本気で
考えたことも有りましたが」ツラツラツラ
「・・・・・・・」ゴゴゴゴゴ・・・・
-
- 25 : 2015/12/15(火) 22:04:43 :
「あっはははははッっっっww(バンバン!!)
オイオイオイオイオイ!!!!なぁなぁ!!メッチャ言われてるぞリヴァイお前!!!
言われっぱなしで反撃しないの!??!」バシバシ
ヒャハハハァッw
「・・・・・おとなしくしてろっつっただろうが・・・・・!
テメェがバカみたいに笑い転げればそれだけで
腹に響くんだぞ・・・・・・・!!!」ギリギリ・・・・
「ッ・・・・・/////やだ・・・・なんかちょっと優しすぎない。。...?;
なあ、どう思う?ヒストリアもさ・・・?こんな人…私知らないんだけど・・・」ドチラサマ??//
ドキドキ
「っえ、わ、私ですか・・・・・・??!??」
(こっちに振られてもどうしようもないよ!!!)
「・・・子供や孫ができると父方の人間は大分角が取れて丸くなると
母親から聞いたことがあります。・・丁度今の兵長が
そのような状態なのではないかと」シレッ・・・
「・・・・・てめぇ・・・・・今日はずいぶんと良く喋るな... !」
ギラギラ・・・・・
「えっ!!!?!?何々何!!そういうアレなのリヴァイ!!!
やだなぁ♥もう~♪いっそ名前とかじゃ無くてもう夫婦らしく
“あんた”とか“お前”で呼び合っちゃう!???」イッヒヒヒ⋆
ツンツン☞
「・・・・・・・・・・ꐦ」
「(マジで殺がれる一歩手前の顔ですよアレ・・・!!!!)」
ガタガタガタガタ・・・・・・!!!
「・・・・私は元々良く喋ります・・・・ので」
「・・・・・お前もエルヴィンの奴に打診されたんだってな・・・?
・・・・エレンとはどうするつもりだ。」
「(ま"っ・・・・・・?!??!??)」ビクッ・・
「(えっ・・・・??!??!?こ、これって)」
「・・・・・・・・・・!」
「(リ・・・・リヴァイが・・・・・あのリヴァイが、たかがあの程度の
挑発に乗った上に意趣返しでこんな事を聞くなんて・・・・・・!
こんな大人げないコイツを見られる機会、滅多にないぞ・・・・??!!)」
「・・・・・・今は・・・まだ成し遂げなければいけない事も、
取り返さなければならないものにも手が届いていません。
・・・・なので一時の返答として謹んでお断りさせて頂きました。」
-
- 26 : 2015/12/15(火) 22:14:00 :
-
「・・・まあ普通はそう答える筈だろうな。
しかしお前の都合だけで考えられるような問題なら
あのお節介野郎も一々お前にそれを訊いたりしない。
・・・もし今すぐにでも"エレン"の雛形を遺しときたいと
強く迫られたら・・・・それでも拒むのかお前は」
「・・・・・質問の意味が私の理解の範疇を超えています」
「、なら分かりやすく言っておいてやる。
お前等二人はな・・・・戦力の都合上、そして生い立ちや
身の上の関係からしても・・・・
これから幾多もの作戦行動の内、いつどこでくたばってもまるでおかしくはない。
・・・・そういう立場にいる人間だ。・・・・この俺と同様以上にな」
「ちょっ、、、とリヴァっ・・・・いくら何でもおふざけで
言っていい線を超えてるだろそれ・・・!流石にそこまで
いっちゃうと可愛気の欠片もないぞ!!!」ババッ
「・・・・これで何度目かも忘れたが・・・テメェは本当に少し黙ってろ。
俺は・・・今コイツと真面目な話をしてるんだ。」
「・・・・・・・・・・」
「いいか・・・・、ここからは俺の憶測も大きい都合上
確かな事は言えないが・・・・。"エレンの巨人”をお前位近くで見ている人間なら・・・
奴のソレ が通常の巨人と明らかに異なると言う事に・・・
お前も薄々感付いているはずだ」
「・・・・・・・・!」
「(エレンの・・・・巨人が・・・・・?)」
「当然、意志をもって操る事が出来る、なんて言う
当たり前の事を取り上げてこんな事を言ってる訳じゃねぇ。
言うなれば・・・・明らかに巨人共 には・・・型式 の違いがある。
エレンのソレは俺達が壁外でさんざ見てきた奴らとも違うなら・・・・
女型や鎧とも違う・・・・・・。あくまで俺がそう感じているだけの事かも知れないがな」
「・・・・・・・それは・・・・私も気が付いて居なかった訳では・・・・」
「・・・・ならこれ以上説明を付け加える必要は無い筈だ。
ついこないだ北の壁際で汚ぇ花火として散っていった
誰かの親父位しか"巨人化”に関する詳細は恐らく掴めて
居なかった訳だが・・・・そいつが居なくなった今、
奴の鞄からケニーがくすねたとかいう"例のアレ"が・・・
使用の段になってから果たしてどのような
作用をそいつにをもたらすのか、それすら定かじゃねえ。」
「・・・・・・」
「・・・・となれば、出来うる限りエレンと同じ状況を
再現する必要が出てきた場合言うまでもなく・・・・」
「・・・・・・・・!!!!!!!」
ギリギリッ・・・・・
「(ッ・・・・・怖ッ・・・!!!!!)」ビクンッ
「エレン自身、そして制御の効く巨人化が可能であるという
点に於いて・・・それが人類全てにとって重要なものである事に否定の意見は無い・・・・ですが・・・・!
まだ産まれてもいない 、、どころかその予定すら
定まっていない"その子”にまで・・・・
あなた達が逃れられないような過酷な運命を背負わせようと言うなら・・・・・・・!!!!!」ギロッ・・・
「・・・・そう気を立てるな。例え話だ。」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・そう、あくまで例えに過ぎないが・・・・
しかしお前等二人共、その身に何か起こる前に保険を
掛けておかなきゃならねえのは最早どうあっても避けようが無い事だ。
・・・・話が長くなったが・・・・そうなりゃお前はどうするつもりだと・・
そう訊いている」
「私は・・・・・」
「(ミ・・・・ミカサ・・・・)」
「(どうでもいいですけど・・・もうこれ、ゴハンすっかり
冷めきっちゃってますよ....)」ショボーン...
-
- 27 : 2015/12/15(火) 22:17:55 :
-
「私は・・・いつでも・・・どんな時でもエレンと共に
往くと心に決めています。
エレン自身にそう迫られたなら今すぐに・・・・。。
兵長とハンジさんがそうしたように数日の間にでも
するべき事を成し遂げます」
「ちょっ・・・・直球だなァ・・・・ミカサは・・・・・////
リヴァイ・・こりゃあんたの負けだよ・・・・。。
この子は本当にエレンの為なら何だってするし、
どんな言葉にも己を曲げようとしないぞ・・たぶん。」
「勝ちだの、負けだの・・お前の主観はどうでもいい。」
「・・・・ただ・・・・、それはあくまでエレンがそう望めば、
と言う話に過ぎません。そうでない場合私は・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「エレンの命が尽きるその時まで共に揃えた歩みを自ら乱すつもりも有りません。
あの日エレンが教えてくれた通りに・・・
自身が死ぬまで戦い続けます。・・・・つまり」
「エレンを置いて死ぬつもりは決してありません」
「・・・・結局俺の質問とは関係ない話で一方的に締められただけな気がするが」
「・・・・それまでにどうしてもエレンの子供が
必要であるというなら・・・・彼女が喜んでその一人目を
買って出ると・・・・そう聞きましたので・・・・(スッ)
私は"その後"でも一向に構いませんが」
「ッッ!!!!????????」ビクッ
ガゴンッ!!!!! タプタプ・・・
「ぁあっ!!!!クリスタ、危ない!!!!」ヒィィッ
「ぅおあっ・・・・!!??だ、大丈夫?!??!こぼすなよ!!!!!??」オロオロ
「いっ、、いぇ、っ・・・はい・・・・それは・・・
ソノ・・・・・なんとか大丈夫だったのですが・・・・?!
ちょっ・・・ちょっとミカサ////!!??」ッカァァァァ・・・!!
「・・・・なに?」
「“なに”じゃないって!!!!!今貴女とんでもないことを
さらっとでっち上げなかった!!?!?」
「とんでもない事・・・・?なにを言っているの・・?ヒストリア(困)
あなたは・・・エレンの事が好きだと言った。
そしていつかは王家の跡継ぎとして絶対に子を遺さなければいけない都合もある。
・・・ならあなた以上にその適任はいないはず・・・・」
「私の気持ちは完全に無視してるよね!?!??? ソレ!!!!」
「少し落ち着いてヒストリア・・・・。。あなたはエレンが好きなのだから・・・
全くあなたの気持ちを無視したりだなんて事は・・・・・」ナニヲイッテルノ・・・
-
- 28 : 2015/12/15(火) 22:22:36 :
-
ガチャッ・・・・
「「「「!! ???? !!!」」」」」
「すまない・・・、盗み聞きするつもりは無かったのだが
・・・・何か今・・・この部屋からエレンと子作りしても
いいという者の声明が聞こえた様な気が...」ヌッッ
キノセイデハナイカ
部屋の空気に溶け込む様にして突如その場に現れたのは、
いつから部屋の中の会話に耳を傾けて居たのか、
それすら判然としないものの・・・・
しかし、間違いなくその場の空気をある程度把握したエルヴィンの姿だった。
「おわっ・・・・え、エルヴィンあんたいつから
聞き耳を立てて・・・・・!!!!(ビクッ)」
「どう見ても盗み聞き真っ最中にいてもたっても
居られなくなって突入してきたってツラしてやがるが。
・・・・一個の人間としては心底最低だな・・・・・(汚物を見る目)」
「何とでも言えばいい・・・(真顔)
そっ・・・そんなことより・・・さっきのは本当なのかヒストリア・・・・?!
君は本当にその・・・エレンと・・・・・・?!」
オロオロオロ・・
「いやッ・・・ええと、あのっ!!!!!!////」
カァァァァ.....!
「おいエルヴィン!!!あんた別にあの子の父親でも何でも無いだろ!!!
いい加減ちょっとそのノリうざったらしいぞ!!」
「おまえ達の様に簡単に行く保証がないからこそ、私が
ここまで神経を使わなければいけないと言うのも・・・少しは
汲んでくれまいか(深い溜息)」
「また人の事を番の犬猫みたいに言ったな!!!!」
ムカァッ!!!
「下らねえ事を言ってる暇があったらお前も食器と鍋を運ぶのを手伝え・・・・・!
このハゲが...!!!!」
ガチャガチャ・・・
「断じてハゲではない・・・、どの辺りが禿げているというのだお前は・・・・」
「"あの頃"から全く髪型が変わってないその姿に・・・
誰も疑問を抱かないと本気で思って居やがるのか・・?
流石に壁ん中に巨人が居ることには気づかなくても
お前のソレには気がついてるぞ・・・・兵団の古参メンバー全員がな」
-
- 29 : 2015/12/15(火) 22:25:23 :
-
バタバタバタ・・・・
ガチャッ......
「あの・・・・もう、飯の時間とっくに過ぎてるんですが
皆さん揃ってこんなとこで一体何を・・・・・」オドオド・・・
「・・・・・エレン・・・・!」
フワァァァ・・・・
「エレンか・・・・!丁度良いところへ来てくれた!!!
この際だからもう君に直接訊いた方が早い・・・!
君は・・・、ミカサとヒストリア、今すぐ選ぶならどっちを(ry,,,
「・・・・・・・・?"??!は、はいッ・・・・??!いえ・・・あの!!
団長・・!!!?仰る意味がよく・・・・・・」ダラダラダラ・・・
「オイ・・・・・!!!!!誰でもいい、誰かこいつを黙らせろ・・・!」
「~~~~~~・・・・・」
「~~~~~」
「!!、、、!!?!? 」
「!!?!~~??」
「~~~!!!! 」
・
・
・
それまで実に数週間に渡って・・・・ここまで沸き上がる事が
あったで有ろうかと言う程に弾む場の空気を眺めながら。
先程までその場の話題の中心に居た彼女は、独り静かに考える
「(私の我儘だけを口にする事が・・・もしも
許されるなら。あなたを“名前で呼ばない”生活にも・・・
決して興味がないわけではない。)」
「(ーーーその時エレン は・・・ミカサ をどんな風に呼んでくれるのだろうか・・・?
そんな事を考えると・・・なぜだかとても心が躍る。)」
そしてその先に見据える想い人に聞こえない程度の声量で・・・・
独り静かに囁いた。
「いつか必ずあなたの口から直接訊かせて貰おう。」
‐end‐
-
- 30 : 2015/12/15(火) 22:55:13 :
-
~あとがきてきななにか~
はい、またまたお久しぶりです。夢馬です。(゜-゜)
ネタを温存させ過ぎたお話は中々書きあがらせる時間を
確保できない癖にこのような勢いで書く類の話に関しては割と
そこそこの速さで纏まってしまうのはどうしたものでしょうかね。
・・・・・ふむ、今更嘆くことではありませんね(;'∀')
と言う訳で、ミカ×エレと言えるのかどうかわからない、そんな
お話でした。進撃は、ミカサに始まり、ミカサに終わる・・・・
(終わるのか;)
そんな感覚を書いている間に何度も想起した私ですが、
進撃キャラで・・・もっとも強い好意を最初に抱いたのは勿論
ハンジさんなのですが、キャラの固有名称を初めて知ったのは、
ミカサ・アッカーマン、 彼女でした。
原作とアニメで風貌にもかなりの違いがある彼女ですが・・・
何方も優劣着け難い魅力あるキャラであることは疑い様がありません。
無口キャラは何時、どの時代、、どんな作品に於いても定番にして
定石とも言えますが・・・彼女はあまり無口キャラに属する括りとして
認識してなかったりします(@_@)
皆さんはどうなのでしょうかね。
・・・・それでは、こんな突発的かつ本当に何だかよく分からない
文章の羅列をお読みいただけた感謝に頭を下げつつ・・・・
また次のお話を書かせて頂く楽しみを
満喫させて頂こうかと思います。m(__)m
雪見だいふくのチーズ味は確かに美味しい,,,,,しかし、
雪見だいふくのプレーンタイプは・・・・その数倍美味しい....!
そんな事実に最近気が付いた夢馬がお送りしました(;´Д`)
-
- 31 : 2015/12/16(水) 22:14:50 :
- 執筆お疲れ様です!
あとピックアップトップおめでとうございます。飛んでまいりました。
なんというか……、団長がブリーダーの様に見えてきました(笑)
その敏腕?ブリーダーの打診をはね除けるミカサがらしくって良かったです。
そして内心照れてるミカサたん可愛い( ´∀`)
このお話、まだまだ続くのでしょうか?
是非とも続いていただけると嬉しいです。お時間とネタがありましたら是非。
-
- 32 : 2015/12/17(木) 00:19:44 :
- >>キミドリ さん
(;゚Д゚)マジかや....!
って、,,本当に上がってました・・・・バタバタと忙しすぎて
気がつく間もありませんで(;´Д`)
それはそうと・・!ご感想態々有難うございます( ;∀;)!!
更にはお星さまに加えそのような有難きお言葉まで...
我が命続く限り、忙しさなど気にも留めず書きたいです(*‘∀‘)
ブリーダー・・・・ww(爆)
この曲者共を御し切らなければ成らないとなると
相当腕のいい猛獣使いでないと無理ですね(;´Д`)
ミカサは感情の起伏とその状態によって
面白い程キャラとしての属性が変化しますので、
時にふつくしかったり、りりしかったり、たよりなかったり、
ちょっとイっちゃってたり、なんかずれてたり、、、、と、
その振る舞いの変化もやはり見て居て飽きませんね。
-
- 33 : 2015/12/22(火) 16:01:08 :
- お久しぶりです!&ピックアップトップおめでとうございます( ´ ▽ ` )ノ
ムーさんの描くエレミカってスゴく魅力的でニヤニヤしてしまいます
無口なヒロインが輝いてるssってやっぱりいいですね!
そろそろ学校のテスト期間に突入するので少し憂鬱になってましたが、これを読んで元気を頂きました(((o(*゚▽゚*)o)))
次回作も期待してます!!
-
- 34 : 2015/12/23(水) 02:29:42 :
- >>33
どうもお久しぶりですカンツォーネさん!
ええ、有難すぎて身に余る幸せでございます。
私などの書いたどうしようもないものを
他の人の目に触れる場所に置かせてもらえる、
ただそれだけでも堪えられない幸せで
一杯なのに、その上よもやこのような。
(゚o゚;;
そして例えどのような形であったとしても、、
そのようなご感想を頂けるくらい、
誰かしらの心に何らかの情景を投影できるお話を
書けたのであれば・・・
それに勝る喜びは今の所
私の精神世界に存在しません。(。-_-。)
改めまして、ご感想、有難うございます。
カンツォーネさんの豆知識の方も
地下まで堕ちた博徒並みに忍耐力の無い
兵長など、色々楽しませてもらってますww
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