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エレン「エピソードⅣ」 ミカサ「新たなる希望」 ④ 進撃×スター・ウォーズ
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- 1 : 2015/11/20(金) 01:02:14 :
- 進撃×スター・ウォーズ、エピソードⅣ、新たなる希望、第4話です。
よろしくお願いします<m(__)m>
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- 2 : 2015/11/20(金) 01:05:26 :
豊かな緑の美しい、平和の惑星、オルデラン。
その近くに、超巨大な宇宙要塞が近づいていた。
ミカサ・アッカーマンは手錠を嵌められ、ヴェイダー卿に連れられてデス・スターの司令室へと入った。
そこには、彼女にとって最悪の政敵の一人が待っていた。
「ジェル・サネス、あなたが黒幕だったの? だから、ここに来たとき、匂った。」
___________私は、この男が、嫌いだった。
思わせぶりなその態度も、
慇懃無礼そのもので決して人を対等に見ようとしないところも、
そして、その本性が非常に冷酷なところも・・・・・・。
グランド・モフ・ジェル・サネスはかつて、ゴーマンにおいて抗議活動をしていた人々の上にわざと戦艦を着陸させ、多数の人々を虐殺したことがある。
ある意味ヴェイダー卿や皇帝より銀河帝国の恐怖を体現する男――――――――それが、サネスという男だ。
サネスは悪意を含んだ微笑みを浮かべ、ミカサの顎を掴みながらこう言った。
「最後まで魅力的ですな、ミカサ姫。最後まで処刑命令にサインすることを悩みましたよ。」
「あなたにそんな勇気があるとは、驚きだ。」
ミカサが首を振ってサネスの手を振り払うと、ミカサの当てつけを全く気にすることなく話を続けた。
「さて、ミカサ姫。処刑の前にこの要塞の完成セレモニーへ招待いたしましょう。これで誰も皇帝に逆らえなくなる。」
「あなたは、馬鹿だ。力で押さえつけても、自由の翼は、決して折れない。」
「それもこの宇宙要塞の真の力を知るまではだよ。」
超大型宇宙要塞、デス・スター。
その表面には無数のターボ・レーザーが搭載され、
何千ものスターファイターや地上用兵器を搭載でき、
強力なシールドを備えるなど、それだけでも恐るべき兵器でもあったが、その真に恐るべきは、クレーターのような巨大なくぼみにあった。
その兵器、スーパー・レーザー。
銀河帝国の持てる力と技術を結集して作り上げたこの超兵器は、惑星を丸ごと吹き飛ばす、まさに恐るべき兵器であった。
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- 3 : 2015/11/20(金) 01:06:55 :
サネスは冷たい声で話を続けた。
「あなたが中々秘密基地の場所をお話にならないのでね、あなたの故郷のオルデランを実験台にすることにしたのですよ。」
その言葉を聞いた瞬間、ミカサは思わず懇願するように言葉を漏らした。
「いけない! オルデランは武器もなく、平和な――――――――「それなら反乱軍の基地がどこにあるのか今すぐに教えなさい!」
サネスは凄みをきかせ、一方で冷酷に、ミカサに詰め寄った。
「尋ねるのはこれが最後だ。どこに反乱軍の基地はある!?」
___________私は、反乱軍を、裏切れない。
でも、言わなければ、私の故郷は・・・・・・・・・・・・滅ぼされる。
暫く逡巡した後、ミカサはゆっくりと口を開いた。
「ダントゥイーン・・・・・・そこに、基地がある。」
その言葉を聞いて、サネスはにやけた表情で、ミカサの後ろに控えていたヴェイダー卿を見た。
「素直な人間だな、ミカサ姫は。さて、準備が出来次第、オルデランを砲撃しろ。」
「!! そんなっ!?」
「お人好しにもほどがありますな。ダントゥイーンは遠すぎる。ですがご心配なさらずに。あなたの友人たちも十把一絡げに駆逐して見せましょう。」
サネスは極寒の宇宙と同じ冷酷さで部下に命じた。
ミカサが殴りかかろうとすると、後ろからヴェイダーに肩を掴まれ、身動きが取れなかった。
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- 4 : 2015/11/20(金) 01:07:21 :
その時ミカサは、窓の外に浮かぶオルデランの姿を垣間見た。
___________やめて、あそこには・・・・・・・・・・・・父さんと母さんが。
「第一次点火、開始。」
制御室の中では、超兵器を作動させる準備が始まっていた。主反応炉 から莫大なエネルギーを供給し、
それを一気に収束させ、そして・・・・・・・・・・・・
士官がレバーを下に下げた瞬間、要塞全体がまるで巨大な獣のような雄叫びに包まれた。
士官たちの背後を、巨大なレーザーが通過する。
http://www.starwars.jp/wiki/images/d/db/DeathStar_BeamTube.jpg
巨大なクレーター上の窪みの淵から八本のレーザーが飛び出し、
円錐状に収束して、巨大なスーパー・レーザーが放たれた。
http://www.starwars.jp/wiki/images/5/50/Superlaser2.jpg
スーパー・レーザーはオルデランに直撃、
巨大な衝撃波を発生させながら爆発し、平和の惑星は跡形もなく消滅した。
http://www.starwars.jp/wiki/images/5/5c/Destruction_of_Alderaan.jpg
故郷が無残にも消え去る様を見たミカサは、放心状態になって呟いた。
「それでも・・・・・・人間なの?」
反乱同盟軍の指導者の一人、ナイル・アッカーマンと、彼の愛する妻であるマリー女王は、惑星オルデランに住む何億もの人々と運命を共にした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 5 : 2015/11/20(金) 13:14:36 :
ミレニアム・ファルコン船内、ラウンジ・エリア。
「・・・・・・・・・・・・うっ。」
アルミンはふらつき、椅子にもたれかかった。
「!! どうしたんだよ? アルミン?」
アルミンからフォースの手ほどきを受けていたエレンは、アルミンがふらつく様子を見て青い光刃を納めた。
アルミンは少し蒼ざめた様子で話し始めた。
「何かとても・・・・・・・・・・・・恐ろしいことが起こったんだ。」
「恐ろしい?」
「突然数億もの悲鳴と苦痛が聞こえて・・・・・・・・・・・・それから、フッと消えたんだ。」
それからアルミンは頭を押さえ、修行を続けるよう促した。
エレンは再び青い光刃を起動し、目の前を飛んでいるシーカー・ドロイドからのレーザーを防ぐ修行を再開した。
「ったく、帝国とのごたごたはもう大丈夫だ。振り切ってやったぞ。」
ややあってコクピットからジャンがやってきた。
「ありがとうのあの字もねえのかよ。まあいい、オルデランには0200時に到着する。」
そう言ってジャンはチューバッカとR2のデジャリックを観戦し始めた。
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- 6 : 2015/11/20(金) 13:15:41 :
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デジャリック――――――――それは高度な技術と戦略が求められるホロゲームの一種であり、我々の世界で言えばチェスのようなものである。
※デジャリック
http://www.starwars.jp/wiki/images/7/7f/Dejarik.jpg
R2はこのデジャリックの名手であった。
普通ドロイドは定期的にメモリーを消去される。
そうでなければドロイドは次第に賢くなり、主人に対して嘘を付くようになるからである。
実際、R2も嘘を付く能力に長けていた。
それでもR2がメモリーを消されなかったのは、ひとえにその並外れた勇敢さと忠誠心故だった。
彼は何事も深く物事を考え、常に正しいと思われる行動をとる。
そしてそれは往々にして何度も主人たちを救ってきたのだ。
ウウウウウッ!!
R2に攻め込まれ、チューバッカは唸り声を上げた。
「唸ったって駄目ですからね! こっちは正々堂々と――――――「あんまりウーキーを怒らせないほうがいいぜ。」
R2の隣でデジャリックを観戦していたC-3POが抗議するのを、ジャンは遮った。
「ドロイドだって怒らせてはいけないですよ?」
「はっ、ドロイドは負けたからって人の腕を引っこ抜いたりはしねえだろうが、ウーキーはやるぜ?」
ジャンがにやけながらそう言うと、チューバッカは鼻を鳴らした。
「よく分かりました、船長。R2、作戦変更だ・・・・・・・・・・・・負けてやれ。」
C-3POはR2にボソッと呟いた。
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- 7 : 2015/11/20(金) 20:07:34 :
さて、エレンは浮遊している球体のシーカー・ドロイドをずっと目で追っていた。
いつレーザーが放たれても、防げるように。
そんなエレンに、アルミンがアドバイスをした。
「いいかい、エレン。ジェダイは内なるフォースを感じ取ることが出来るんだ。」
「フォースに支配されろってこと?」
「支配されながら、支配するんだ。」
「や、やってみる。」
バシッ!
「痛ってッ!!」
放たれるレーザーの一撃を防げず、エレンは尻をレーザーで撃たれ、痛みに悶絶した。
「くく、くくくく・・・・・・。」
「笑うな、馬面!」
「でかい口を叩くんなら、そのフォースとやらでレーザーを防げたらにして欲しいね。」
「お前はフォースを信じないのか?」
「いいか死に急ぎ野郎。俺は銀河のあらゆるところで不思議と言われる現象を目にしてきたが、納得させられた経験は一度もねえ。俺の運命は俺が決める。フォースなんぞただのトリックにすぎねえよ。」
すると、アルミンが立ちあがった。
「さあ、もう一度やってみようか、エレン。今度は・・・・・・このヘルメットを被るんだ。意識を捨てて、直感に従うんだ。」
そう言うとアルミンはエレンに、耐火シールドのついた、前の見えないヘルメットを被せた。
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- 8 : 2015/11/20(金) 20:08:34 :
「め、目が見えねえのに出来るわけねえよ!」
「視覚に惑わされてはいけないよ。」
アルミンにそう言われ、エレンは目が見えないままライトセイバーを再び握った。
ビュウウンッ!
エレンの手から再び青い光刃が現出する。
バシッ!
「痛つ・・・・・・。」
エレンは歯を食いしばり、レーザーの痛みを堪えた。
「感覚に身を任せるんだ。」
アルミンの言葉を信じ、エレンは頭の中を空っぽにした。
___________何だこれ?
エレンの周りにある、目に見えない力。
それが、彼の両手に流れ込んでくるのを感じた。
(・・・・・・・・・・・・来るッ!!)
そう思った瞬間に、エレンの両手はおのずと動き、シーカー・ドロイドから放たれた3発のレーザーを光刃で防いだ。
「ね? 出来たでしょ?」
アルミンは、50年ほど前の自分を思い出しながら、満面の笑みを浮かべた。
「けっ、運が良かっただけだろ?」
「まぐれなどではないよ、ジャン。」
「ドロイド相手と実戦じゃ訳が違うぜ。」
ピーッ! ピーッ!
すると、オルデランに間もなく到着することをお知らせするブザー音が聞こえてきた。
「おっと、もうすぐ着くみてぇだな。」
ジャンはそう呟くと、コクピットへと戻っていった。
「アルミン。俺、何かを感じたよ。意識を捨てた瞬間、全部が見えた気がするんだ。」
「ふふ、より大きな世界に最初の一歩を踏み出したね。」
初めて感じ取ったフォースに、エレンは興奮していた。
アルミンは微笑ましい気持ちで、コクピットに向かうエレンを見ていた。
__________自分もかつてはそうだった。
そして、私の親友も、そうだった・・・・・・・・・・・・。
『出来たぞ! アルミン!! レーザーを防げたぞ!!』
『うん! これで君はジェダイへの第一歩を踏み出せたんだ!』
かつての親友の後姿が、今のエレンの後姿とふと重なった。
アルミンは懐かしい気持ちになって、少し微笑んだままコクピットへと向かっていった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 9 : 2015/11/20(金) 23:08:13 :
デス・スター、会議室。
ヴェイダー卿とミーティングを行っていたサネスの元に、通信が入った。
「なんだ?」
『偵察船がダントゥイーンに到着しました。反乱軍基地の残骸を発見したとのことですが、かなり以前に破棄された基地と思われます。現在、周辺の星系を捜索中です。』
通信を切ったサネスの表情には、かすかに、怒りの感情が滲んでいた。
「あの小娘め・・・・・・私は一杯食わされたようだ。」
「言ったはずです。あの女から情報を引き出すにはまだ時間がかかると。」
ヴェイダー卿は静かにサネスを当てこすった。
サネスはヴェイダー卿の嫌味に対し、しかるべき行動をとった。
「よろしい、ヴェイダー卿。あの小娘を直ちに処刑せよ。」
サネスはヴェイダー卿に、ミカサ・アッカーマンの処刑を命じた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「よし、チューイ。ハイパースペースから抜けるぞ。」
ジャンの操縦するミレニアム・ファルコンは、ハイパースペースを抜けて、オルデランの近くへと飛び出した。
そのはずだった。
だが・・・・・・・・・・・・
ドゴォンッ!!
「!! な、なんだ!?」
突然、ミレニアム・ファルコンに何かがぶつかり、機体が大きく揺れた。
「くそ、流星群のど真ん中に出ちまったか!? 小惑星がぶつかってきやがった! こんなの星図にはねえぞ!?」
「はぁ!? どういうことだよ!?」
「ちょっと待てよ・・・・・・おかしいぞ!? 場所は正しいのにオルデランがない!」
__________到着した場所に、惑星オルデランは存在しなかった。
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- 10 : 2015/11/20(金) 23:08:56 :
「一体何がどうなってんだよ?」
エレンが思わずつぶやくと、アルミンが冷静に状況を分析し始めた。
「恐らく、帝国によって破壊されたんだ。」
「おいおいじいさん、そりゃ帝国艦隊全部かき集めたって不可能だぜ!?」
アルミンのとんでもない推論に、ジャンは思わず噛みついた。
すると・・・・・・・・・・・・
「!! 船が来るぞ!」
ジャンがそう叫んだ丁度その時、
帝国のスターファイターであるTIEファイターが一機、ミレニアム・ファルコンを追い抜いて行った。
※TIEファイター
http://www.starwars.jp/wiki/images/0/0f/TIEln_fighter.jpg
「・・・・・・・・・・・・おかしい。」
「今度は何だよ! じいさん!」
相変わらず冷静なアルミンに対し、ジャンはだんだんイライラし始めた。
「あのスターファイターはハイパードライブ装置を積んでいないんだ。」
「だからなんだよ!? もったいぶってねえで言いたいことを話せよ!」
「つまり、あの船を積んでいたスター・デストロイヤーが近くにあってもおかしくないのに、それが見当たらないんだ。」
「考え過ぎじゃねえのか!?」
TIEファイターはそのまま真っ直ぐ、遠くのほうに見える天体へと飛んでいく。
「まあ、後で報告されたら面倒だしな、撃ち落としてやるか。」
そう言うとジャンは操縦桿を握り、TIEファイターを追跡し始めた。
すると、エレンが指をさして声を上げた。
「あれ見ろよ! あのスターファイターは月に向かって飛んでるみたいだぜ!?」
「へっ、辿り着く前に撃ち落としてやるよ。」
ジャンはミレニアム・ファルコンを加速させた。
もうすぐ射程圏へと入る。
その時、アルミンが一言、呟いた。
「あれは月じゃないよ・・・・・・・・・・・・宇宙ステーションだ。」
「!! 冗談だろ!? でかすぎるだろ!?」
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- 11 : 2015/11/20(金) 23:09:34 :
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近づいて行くたびに、その宇宙ステーションは大きくなっていく。
「なあ馬面、俺、凄く嫌な予感がすんだけどよ?」
「奇遇だな、死に急ぎ野郎、俺もだ。」
「ジャン、急いで反転するんだ。」
「それにも同感だ、じいさん。」
ジャンは慌てて舵を切った。
が、機体は揺れるばかりで、一向に反転できなかった。
「クソッ! チューイ! 補助パワー全開だ!」
チューバッカがレバーを引き、補助パワーを上げる。
だが、それでも機体は反転できず、ただいたずらに機体を揺らすばかり。
「何で反転できないんだよ!?」
「トラクタービームに掴まっちまったみてぇだな、ついてねぇ・・・・・・。」
ジャンは観念したかのような声を上げた。
船を牽引するために使われるトラクタービームは、不審な船を拿捕するためにも使われる兵器である。
デス・スターのそれは、7000基もの動力が使われ、すべて稼働させれば、スター・デストロイヤーさえ牽引できるほどの力を持っていた。
小さな貨物船であるミレニアム・ファルコンでは、到底逃れられない代物だった。
「なんとかならねぇのか?」
「諦めるんだな、死に急ぎ。こうなりゃもう逃れられねぇ。中で戦って勝つ以外はな。」
「それこそ無理だよ、ジャン。でも、戦う以外にもまだやり方はある。」
そうこう言っているうちに、デス・スターは彼らの目の前まで迫っていた。
あまりの大きさに、彼らの視界に入りきらないほど、近くに。
デス・スターの赤道にある溝の中は、無数のハンガー・ベイが備えられていた。
そこは常にシールドで守られ、しかも四六時中監視が付いていた。
「ベイ327を開け。電磁シールドを解除せよ。」
監視室から伝達がいき、ハンガー・ベイのシールドが解除された。
その中へ、ミレニアム・ファルコンはトラクタービームに引っ張られ、ゆっくりと入っていく。
遂にジャンのミレニアム・ファルコンは、ハンガー・ベイ327に着陸させられた。
http://www.starwars.jp/wiki/images/a/a0/Hangarbay327.jpg
第4話
脱出、デス・スター
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- 12 : 2015/11/21(土) 10:43:04 :
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「持ち場につけ、ついて来い。」
機体の周りにストーム・トルーパーたちが整然と整列し始める。
そして、この連絡は間もなくサネスのいる会議室へともたらされた。
「なんだ?」
『オルデランの残骸に侵入していた貨物船を捕えました。モス・アイズリーから逃走した船と特徴が一致しています。』
この報告を隣で聞いていたヴェイダー卿は、鋼鉄のように冷たい声で呟いた。
「盗まれた設計図を届けようとしたのでしょうな。あの女にはまだ利用価値があります。」
「君のその企みをぜひともお聞きしたいものだ、ヴェイダー卿。」
さて、拿捕されたミレニアム・ファルコンは、その船内をストーム・トルーパーたちにくまなく捜索されていた。
そこに、サネスとのミーティングを終えたヴェイダー卿がやってきた。
ヴェイダーは捜索を取り仕切っている士官に話しかけた。
「状況は?」
「この船には誰も乗っていませんでした。記録によると、乗員は離陸直後に船を破棄したようです。脱出ポッドもありませんでした。」
「ドロイドはあったのか?」
「いえ。」
「・・・・・・・・・・・・走査クルーを船内へ入れろ。全ての場所を徹底的に捜索するのだ。」
「はい、閣下。」
士官に話しながら、ヴェイダー卿はどこか・・・・・・・・・・・・懐かしい気持ちに囚われていた。
__________何かを感じる。
いつの日か感じた
あの、包み込まれるような感覚・・・・・・
長らく感じていなかった感覚だ。
ヴェイダー卿がいったん立ち去ると、士官は部下に命じた。
「走査クルーをここに呼べ。全ての場所を徹底的に調べ上げるぞ!」
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- 13 : 2015/11/21(土) 17:10:44 :
ところ変わって、ミレニアム・ファルコンの船内では、相変わらずストーム・トルーパーたちによる捜索が続いていた。
「こっちには誰もいない。」
「了解、こっちもだ。」
トルーパーたちは結局誰も見つけることが出来ず、船から出ていった。
ガコンッ!
「すげえ船だな。こんな所に隠しスペースがあるなんてな。」
エレンはそう呟きながら、床のパネルを外し、その下にある隠しスペースから出てきた。
「全く、密輸品を隠すためのスペースに入ることになるなんてよ。」
「ふう、腰が痛いなぁ・・・・・・。」
その後に、ジャンやチューバッカは狭さゆえか、少し不満そうに、
アルミンは加齢のためか、腰をさすりながら床下から出てくる。
狭い場所からようやく解放されて、ジャンは一息ついた。
「しかし参ったな。あのトラクタービームがある限り、俺たちは逃げられねえぞ。」
毒づくジャンに対して、アルミンはまたあの冷静な調子で答えた。
「私が何とかしよう。」
「はぁ!? 戦っても勝てねぇって自分で言ったんだろうが!? 馬鹿じゃねえのか!?」
「馬鹿に従うものはもっと馬鹿だ。」
皮肉を皮肉で返され、ジャンは思わず舌打ちをした。
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- 14 : 2015/11/21(土) 17:11:47 :
さて、ミレニアム・ファルコンの外では、走査クルーたちが二人がかりで、生体反応スキャナーを持ち込んできた。
これで、例えどこに潜もうとも、隠れおおせることは不可能な訳である。
「よし、反応があったらすぐに報告だ。」
「はいッ!」
二人は箱を両手でもち、ミレニアム・ファルコンの船内へと入っていった。
暫くして、
「おいっ! 下の二人! ちょっとこいつを手伝ってくれッ!!」
中から声が聞こえたので、下で待機していたストーム・トルーパーが二人、中へと入っていった。
「TK-421、なぜ持ち場を離れた!? TK-421、応答せよ!」
ハンガー・ベイの上方にある監視所は、この狭いハンガーを見下ろせるようになっていた。
そこにいた士官の一人が、トルーパー二人が船内へと入っていったのを不審がって通信を取った。
すると、しばらくしてからストーム・トルーパーの一人が、ミレニアム・ファルコンから降りてきた。
そのトルーパーは右手でヘルメットの右わきを三回小突いたので、士官は額に手を当てて、了解の合図を取った。
「通信機が故障したらしいな、今から調べに行ってくる。」
そう言って士官は背後にある扉を開けた。
すると・・・・・・
ガアウゥウッ!!
目の前にウーキーとストーム・トルーパー、そして、一人の老人が現れた。
ウーキーとストーム・トルーパーは銃を撃ちまくり、瞬く間に士官たちを全員倒して監視室を制圧した。
「君の作戦は素晴らしかったよ、ジャン。」
「お前に褒められても嬉しくないね。」
ジャンはストーム・トルーパーのヘルメットを取り、ふんと鼻を鳴らした。
やがて後ろから、エレンと二体のドロイドが監視室に入ってきたので、アルミンは扉を閉めた。
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- 15 : 2015/11/21(土) 17:12:57 :
「おい、お前ら、派手にやらかしすぎだぞ!?」
「へ、コソコソすんのは性に合わねえんだよ!」
相変わらず張り合う二人をよそに、アルミンはコンピューター端子を発見した。
「繋いでくれ、R2。」
R2は言われるままにコンピューター端子にアクセスすると、モニターにデス・スターの地図を映し出した。
R2は電子音を立て、C-3POがそれを通訳した。
「どうやらこの船を引き寄せたトラクタービームの制御装置を見つけたそうです。トラクタービームは主反応炉 と七ヶ所で接続していて、一つ電源を落とせば、トラクタービームは機能を停止します。」
R2はC-3POが説明している間、ここから一番近い制御装置の道筋を映し出した。
道筋を確認したアルミンは、モニターを見ながらつぶやいた。
「ありがとう、R2。さて、ここからは私一人で行くとするよ。」
「そうしてもらえるとありがてぇな。この旅はもう取引内容以上に高くついてるからな。」
椅子に座って悪態をつくジャンに対して、エレンはアルミンに抗議した。
「危険すぎるよ、アルミン! 俺も一緒に行く!」
「いや、君たちにはドロイドを守ってもらいたいんだ。もしこのドロイドが奪われれば、オルデランと同じ運命を多くの惑星がたどることになる。君は私とは別の運命をたどるんだよ、エレン。」
そう言うとアルミンは扉を開けた。
去り際に、アルミンはエレンを見つめて、こう諭した。
「忘れないでくれ・・・・・・・・・・・・フォースはいつも、君とともにある。」
アルミンは扉を閉じ、トラクタービームの制御装置へと向かい始めた。
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- 16 : 2015/11/21(土) 18:17:36 :
アルミンが出ていくと、チューバッカは不満げに唸り始めた。
「全くだぜ、チューイ。おい死に急ぎ、あんな化石みたいなじいさんどこで掘り当ててきやがった?」
ジャンも同調して、思いっきり悪態をついた。
対してエレンは、神秘に満ちた力を意のままに操るアルミンに対して、尊敬の念を持ち始めていた。
「アルミンじいさんは偉大な人だ。」
「はっ、人をトラブルに巻き込む名人だな。俺をこんな目に遭わせてくれやがって。」
エレンがなおも言い返そうとすると、R2は電子音を立てて体を揺らし始めた。
「何だよ、R2?」
「確かな情報ではないのですが、“彼女を見つけた!”と言っております。」
「彼女?」
「ミカサ・アッカーマン姫です!」
「!! あの映像に映っていた!?」
「レベル5、監房区画AA-23です。もうすぐ処刑されてしまうそうです。」
「!! やべぇぞ! 助けなくちゃ!」
エレンが興奮気味に話していると、ジャンが横から口を挟んだ。
「何の話だ、死に急ぎ?」
「このドロイドたちはあの女の人の持ち物だ。助けてやらなくちゃ。」
「おいおい、俺はもうこれ以上死に急ぐような真似はごめんだぜ!? 行くなら一人で監房エリアに進撃しろよ!」
「何言ってんだよ! 処刑されてもいいってのか!?」
「そいつよりわが身のほうが大切なんだよ! 俺は正直者なんでね!」
ジャンがそっぽを向くと、エレンはそっとジャンに耳打ちをした。
「その女は金持ちだぜ?」
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- 17 : 2015/11/21(土) 18:18:23 :
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ジャンの耳がピクッと反応した。
「・・・・・・・・・・・・おい死に急ぎ、金持ちだと?」
「金持で権力者だ。もし俺たちがお姫様を救出した日には、お礼はたんまり貰えるだろうぜ?」
「どれくらいだ?」
「想像できないほどな。」
「本当だろうな? 俺の想像は馬鹿でかいぞ?」
「勿論それが手に入るんだぜ?」
「よし、乗った!」
にやけながらジャンは立ち上がり、同じくにやけるエレンと手をうった。
「そうこなくっちゃな。」
「いいか、必ずだからな。」
二人はにやけながら、ミカサ姫を救出する作戦を立て始めた。
「よし、じゃあまずチューバッカにこの手錠をはめるんだ。」
監視室にあった手錠をチューバッカに嵌めようとするエレン。
すると、
ガアアウウッ!!
「うおッ!?」
いきなりチューバッカに吼えられ、エレンは思わず後ずさった。
「貸しな、俺が嵌めてやるよ。」
ジャンはエレンから手錠をひったくると、チューイに手錠をはめた。
ウーキーは心から信頼を寄せる人間にしか、近づくことを許さないのだ。
「心配すんなよ、あいつの考えてることは分かってる。」
不安そうに唸るチューバッカをジャンは宥めた。
さて、エレンとジャンはストーム・トルーパーのヘルメットを被ると、チューバッカを後ろに従えて、監視室を出た。
「あの、エレン様。お尋ねさせていただきたいのですが、私とR2はどうすれば?」
「このドアをロックするんだ。何かあったら通信機で連絡する。」
「それと、連中がブラスターを持っていないことを祈るんだな。」
ジャンはそう言うと、監視室のドアを閉めた。
「・・・・・・・・・・・・とても安心できません。」
C-3POは、ぼそりと泣き言を漏らした。
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- 18 : 2015/11/21(土) 22:17:00 :
エレンとジャンはストーム・トルーパーに再び変装し、囚人役のチューバッカを引き連れて堂々とデス・スターの通路を闊歩した。
「面白いくらい気が付かねえな?」
「余計な口を叩くんじゃねえよ、死に急ぎ。」
すれ違う士官たちやストーム・トルーパーが全く気が付かないので、エレンはだんだん調子に乗り始めていた。
「しっかし、このヘルメット、視認性最悪だな。」
「ったく、遠足の引率じゃねえんだぞ。」
視認性を確かめるためにキョロキョロし始めたエレン。
何でこんなクソガキのお守りなんざやらなきゃならねぇんだと思いつつ、お金のために我慢するジャンであった。
一方、エレンたちと別れたアルミンは一人、慎重に行動していた。
そっと物陰に隠れながら、
足音を立てないようにさりげなく、
誰にも見られないように死角へと回り込んで移動していく。
かつてジオノージスやウータパウなど、あらゆる場所において潜入任務をこなしてきた経験が久しぶりに活かされていた。
__________あの懐かしい感じは、一体、何だったのだろうか?
ヴェイダー卿は会議室に向かいながら、ずっとそのことばかり考えていた。
この感じを自分は知っている。
かつては身近にあったもの。
そして、今の自分には・・・・・・・・・・・・最も縁遠いもの。
「・・・・・・・・・・・・まさか。」
ふと、ヴェイダー卿の脳裏に、一人の男の影がよぎった。
その瞬間に、手足が痛んだ。
かつてムスタファーで戦って、両手と左腕を切り落とした男。
そして、溶岩の熱にやられ、全身が燃え上がった俺を・・・・・・・・・・・・見捨てた男。
俺のかつての親友。
そして今は・・・・・・・・・・・・不倶戴天の敵。
ヴェイダー卿は足早に、会議室へと向かっていった。
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- 19 : 2015/11/21(土) 23:12:33 :
「よし、このエレベーターだな。」
エレンとジャン、チューバッカは漸くレベル5、監房区画AA-23へと続くエレベーターの前へと到着した。
難なくエレベーターへと乗り込む三人組。
「ここまでは順調だったな。」
「まぁここから先も上手くいけばいいんだけどよ。」
「や、止めろよ馬面! 全力でフラグ立てんじゃねえよ!」
「テメエだってメタいこと言いやがって、世界観に合わねえんだよ、この死に急ぎが!」
チーンッ!
そうこう言っているうちに、エレベーターは、監房区画AA-23の監視ブロックに到着した。
扉が開き、三人は看守を務める士官たちや兵士たちと対面した。
何の報告も受けていなかった看守は、エレンたちを怪しんだ。
「お前たち、どこへ連れていくつもりだ。その・・・・・・・・・・・物を?」
看守は如何にも横柄な態度でチューバッカを物呼ばわりし、尋ねてきた。
「監房区画1138からの移送です。」
「・・・・・・聞いていないぞ。お前たちを調べさせてもらうぞ。」
士官が指示を出すと、兵士の一人が近づき始めた。
ガウウッ!!
するとチューバッカ、手錠を外して暴れ始めた。
たちまち近づいた兵士が殴り飛ばされ、気を失った。
「こいつ、暴れ出したぞ!!」
すかさずジャンが銃を構え、どさくさに紛れて士官や兵士を撃ち始めた。
事態に気が付いた士官が外部と連絡を取ろうとする。
「危ないッ!!」
エレンも便乗して連絡を取ろうとした士官を駆逐。
混乱に乗じてエレンとジャンは兵士たちを駆逐し、監視カメラを破壊した。
-
- 20 : 2015/11/21(土) 23:14:14 :
「よし、これで全員駆逐したな。」
「早くそのお姫様とやらを探しやがれ、死に急ぎ! おっと、218だ!」
「!! 218だな!?」
「とっとと行け! 俺はここを守る!!」
エレンが独房の扉が立ち並ぶブロックへと入っていくと、監視ブロックに連絡が入ってきた。
ジャンがスイッチを押し、丁寧に応答し始めた。
『監視カメラの映像が途絶えたぞ? 何があった?』
「武器の暴発です。少し問題はありましたが、現在は完璧な状態です。そちらはお元気ですか?」
『部隊を派遣する。』
「あ~~ダメですッ! 放射能漏れがあって危険です! 止めるまで数分お待ちください! 今は非常に危険です!」
『お前は誰だ!? 認識番号を言え!!』
バキュウッ!
ドゴォンッ!!
最後はめんどくさくなったのか、ジャンは通信装置を銃で撃って破壊した。
「めんどくせ。おいエレン! お客さんが来ちまうぞ! とっととしろ!!」
「あったぞ! この独房だ!」
エレンは独房を見つけると、スイッチを押して独房を開けた。
そこには、一人の女性がベットに横たわっていた。
エレンは思わずドキリとした。
(き、綺麗な人だ・・・・・・。)
エレンが鼻の下を伸ばしていると、その女性は少し冷めた目で話し始めた。
「ストーム・トルーパーにしてはチビだ。」
「えっ!? ああ、これか。」
エレンはヘルメットを取ると、自己紹介をした。
「俺はエレン・イェーガー・・・・・・あなたを助けに来たんだ。」
「私を?」
「R2-D2とアルミン・アルレルトも一緒です!」
「!! 本当に!? どこ!?」
「こっちです!」
エレンは右手を差し出し、ミカサはその手を取った。
__________エレン・イェーガーとミカサ・アッカーマン。
後に強い絆で結ばれることになる二人の、これが初めての出会いだった。
-
- 21 : 2015/11/22(日) 17:06:22 :
-
会議室。
「それは、本当か?」
ヴェイダー卿の話を聞いたサネスは訝しがった。
「アルミン・アルレルトはとうに死んだはずだ。何の根拠があってそう思うのかね?」
「奴のフォースを感じました。俺が間違えるはずがありません。」
「根拠はそれだけか?」
「充分な根拠です。フォースを軽視されないことですな。」
サネスが俄かに信じられないのも無理はなかった。
「ジェダイは19年前に滅びた。彼らの最後の生き残りは君だけだと思っていたのだが。」
サネスはかつて、共和国の軍人だった時代に将軍を務めていたアルミンのことを見知っていた。
それ故、彼が本当に生きていた場合、それがどれだけの脅威になるのか、充分に理解していたのである。
その時、会議室に連絡が入った。
「なんだ?」
『監房区画AA-23に非常警報を発令しました。』
「ふむ、では全区画に警報を出すのだ。」
『かしこまりました。』
予定通りに警報を出すと、ヴェイダー卿が念を押してきた。
「間違いなくアルミンがここにいます。フォースが奴とともにあるのです。」
「いいだろう。彼だけは決して逃がすな。」
するとヴェイダー卿は、静かに怒りをにじませた口調でこう言った。
「奴は逃げません。俺が相手をします。」
ヴェイダー卿は踵を返し、会議室を出ていった。
-
- 22 : 2015/11/22(日) 18:54:14 :
警報が発令された監房区画AA-23。
「とっとと出て来い、死に急ぎ!」
「だから死に急ぎって言うんじゃねえよ!」
ジャンに呼ばれて、エレンとミカサが独房から出てきた。
すると、エレベーターの扉が開き、そこからストーム・トルーパーが殺到した。
「!! 来やがったぞ、馬面!」
「んなこた分かってんだよ!!」
レーザーを浴びせられ、咄嗟にエレンとジャン、チューバッカは銃を構え、通路の影に隠れた。
銃で何とか応戦するも、敵の数に押されて一向に前に進めそうになかった。
「クソ、逃げ道はねえのか!?」
「その逃げ道は、あなたが今塞いでる。」
ジャンが毒づくと、その後ろにいるミカサがジャンを皮肉った。
「けっ、なんなら独房に戻るか!? クソ姫様よ!?」
ジャンも皮肉を言いかえし、ひたすらに銃を撃ちまくった。
__________そうだ!
「C-3PO、応答しろ!」
通信機の存在を思い出したエレンがC-3POに連絡を取った。
『はい、エレン様。』
「監房区画に他の出口はねえのか!? 閉じ込められちまったんだ!」
ハンガー・ベイ327、監視室。
主人の必死の訴えが通信機から聞こえてきたが、C-3POはこう答えるしかなかった。
「エレン様、全システムに警報が出ています。現在はメイン・エントランスが唯一の出入り口です。そのほかの区画は情報が規制されておりまして。」
『マジかよ・・・・・・やべえぞ!?』
通信機からエレンの焦る様子が聞こえてきたが、C-3POもそれどころではなくなっていた。
「おい、ここを開けろ! 開けるんだ!」
監視室のドアを叩くストーム・トルーパーたちの声が聞こえてきたのだ。
「ああ、まずいよ、どうしよう、R2?」
こっちはこっちで大ピンチであり、C-3POは思いっきり狼狽えていた。
-
- 23 : 2015/11/22(日) 18:55:00 :
さて、場所は戻って監房区画AA-23。
「やべえぞ馬面! 出口はあのエレベーターだけみてえだ!」
「はぁ!? どうすんだよ死に急ぎが!! ずっとは食い止めらんねえぞ!」
「はぁ、おそまつな救出だ。」
ミカサはため息をつくと、ジャンから銃をひったくった。
「!! おい、どうするつもりだ!」
「こうするしか、道はない!」
バキュウッ!
ドゴォンッ!!
ミカサはダスト・シュートへと続く鉄柵のカバーを撃ち壊した。
「ここに飛び込んで!」
「おいふざけんじゃねえぞ! ゴミ集積場に飛び込めってのか!?」
「飛び込まなくては、逃げられない!」
そう言ってミカサは、嫌がるジャンに銃を投げ返すと、ダスト・シュートへと飛び込んだ。
「くそ、こうなりゃやけくそだ!! チューイ、飛び込めッ!!」
ジャンは思いっきり叫んで、チューバッカに飛び込むよう言った。
対してチューバッカは、心底嫌そうな唸り声を上げた。
「匂いのことなんか知るか! とっとと行け! この毛玉野郎!!」
ジャンはチューバッカを蹴っ飛ばし、チューバッカはダスト・シュートへと落ちていった。
「チクショウ、あのクソ姫め! 殺してやりてえほどいい女だなッ!!」
ジャンは毒づきながら、銃を撃ちまくり、隙が出来たところでダスト・シュートへと飛び込んだ。
「クッソ、くせえなっ!!」
最後にエレンがダスト・シュートへと飛び込み、取り敢えず四人は監房区画AA-23からは脱出した。
-
- 24 : 2015/11/22(日) 21:54:17 :
「おわああッ!!」
エレンはパイプの中を凄いスピードで滑っていき、それからゴミ処理区画へと投げ出された。
「痛てててて、ったく、ひでえ匂いだよ。」
ゴミ処理区画は、様々な鉄くずや生ごみが半分汚い水に浸かって、鼻がもげそうなほど強烈な悪臭がした。
※ゴミ集積場
http://vignette1.wikia.nocookie.net/starwars/images/6/6e/Trash.png/revision/latest?cb=20130318062239
「とっととずらかるぞ。」
先に到着していたジャンが銃を構え、非常用のドアに向かって発砲した。
バチッ!
すると、レーザーが跳ね返り、壁を跳ね返り、部屋中を赤い弾が跳ね回った。
危うくエレンに、ミカサにレーザーが当たるところだった。
「何すんだよ馬面!」
「私たちを殺す気!?」
「知るか!! 電磁シールド貼ってあるなんて知らなかったんだよ!」
やいのやいのと喧嘩していると、エレンの足に、何かが触れた。
「うわぁッ!」
「!! な、なんだよ!?」
「い、今何かが俺の足を・・・・・・・・・・・・うわあっ!!」
突然、エレンの右足に触手が巻き付き、エレンは汚水の中に引きずり込まれてしまった。
このゴミ収集所には、雑食性のダイアノーガの巣と化していた。
それで、帝国軍の士官たちも滅多なことではこの収集所の中に入ろうとはしなかったのだ。
※ダイアノーガ
http://www.starwars.jp/wiki/images/9/91/Dianoga2.jpg
「お、おい! エレンッ!!」
「今助ける!」
三人は必死になって汚水の中に手を突っ込んだ。
すると・・・・・・・・・・・・
バシャアッ!
「ゲホッ! ゲホッ!」
掴まって引きずり込まれたはずのエレンが水面から頭を出した。
「おい、大丈夫か!?」
「けがはない?」
「おえっとする・・・・・・最悪の気分だよ。」
「何があったの? 教えて?」
「分からねえ! いきなり俺を離して消えたんだ!」
「おいおい、どういうことだ!?」
-
- 25 : 2015/11/22(日) 21:55:20 :
ゴウン・・・・・・・・・・・・
すると、部屋全体に、低く唸るような音が響いた。
「嫌な予感がする。」
ジャンが一言、呟いた。
ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・
次の瞬間、左右の壁が大きな唸り声を上げて動き始めた。
「どういうこと!?」
「壁が動いてんだよ馬面!」
「何とかして止めなくちゃ、私たちは死ぬ!」
「分かってんだよ! クソ姫この野郎!!」
四人は必死になって長い鉄の棒を拾い上げ、ゴミを押しつぶすために狭まってくる壁を止めようとした。
だが・・・・・・・・・・・・
「クソ、止まんねえぞ!」
「そうだ! C-3PO!!」
エレンは通信機を手に取ると、必死に呼びかけた。
ところ変わって、こちらハンガー・ベイ327、監視室。
エレンたちがゴミ集積場で大絶叫している丁度その時、ストーム・トルーパーたちがドアをこじ開け、監視室の中に入ってきた。
「よし、部屋を占拠するぞ。」
ストーム・トルーパーたちは部屋を占拠し、そこかしこを調べ始めた。
「よし、この扉を開けろ。」
ストーム・トルーパーの一人が合図を出し、部屋の中にあった扉を開けた。
「!! あの連中はいかれています! 囚人レベルへ向かいました! 急げばまだ追いつきます!」
扉を開けられ、C-3POは口から出まかせに言った。
すると・・・・・・
「よし、囚人レベルに行くぞ。お前たちはここに残れ。」
「よ、喜んで。」
ストーム・トルーパーたちは数名を残して囚人レベルへと行ってしまった。
すかさずC-3POは残ったストーム・トルーパーに話しかけた。
「あの・・・・・・・・・・・・この騒動で友人の回路がオーバーランしてしまったので、整備に連れていきたいのですが。」
「よし、行け。」
C-3POはR2-D2を引き連れ、無事に監視室を抜け出した。
-
- 26 : 2015/11/22(日) 21:57:11 :
-
「ふう、助かった・・・・・・それにしても、エレン様は無事だろうか?」
不安がるC-3POに対し、R2はツッコむような電子音を立てた。
「“通信機を使え”だって? ああ、忘れてたよ。スイッチを切ってたんだ。」
ストーム・トルーパーにばれないように切っていた通信機のスイッチを、C-3POは再び入れた。
「エレン様、ご無事ですか?」
『!! やっと出やがった! 3PO、早く監房レベルのゴミ圧縮装置を切ってくれッ!!』
いよいよ壁に押しつぶされそうになって、エレンは絶叫した。
『早くしろッ!! 急げッ!!』
C-3POは慌ててR2に頼み込んだ。
「は、早くスイッチを全部切るんだ! 大変だッ!!」
R2も慌てて近くの端子に接続し、ゴミ圧縮装置にアクセスし始めた。
次の瞬間、通信機から大きな絶叫が響き渡った・・・・・・・・・・・・
「聞いたか、R2、断末魔の叫びだ・・・・・・・・・・・・自分を呪うよ。私のせいだ、ああ、エレン様。」
悲鳴のような絶叫を聞き、C-3POはうなだれた。
すると・・・・・・
『よくやったぞッ!!』
『死ぬかと思ったぞッ!!』
『助かったッ!!』
エレンたちが歓喜に沸く声が聞こえてきて、C-3POも思わず声を上げた。
「エ、エレン様、よくぞご無事で!」
『3PO、頼む、非常用のドアを開けてくれ! 番号は・・・・・・。』
『3263827だ!』
通信を聞いていたR2は、端子を通じてドアのロックを解除した。
-
- 27 : 2015/11/22(日) 21:59:35 :
「ったく、酷い目にあったなぁ・・・・・・。」
ゴミ集積場から出てきたエレンがストーム・トルーパーの装甲服を脱ぎ捨てながら愚痴をこぼす。
「ちっ、こんなめんどくせぇことになるなら、助けるんじゃなかったぜ・・・・・・おい、行くぞ臆病者!」
ジャンもイライラしながら装甲服を脱ぎ捨て、チューバッカに八つ当たりした。
するとミカサが、ジャンに向かってこんなことを言いだした。
「あなたがどこの誰だか知らないけど、これからは、私の指示に、従ってもらう。」
「あ? 勘違いすんなよ、クソ姫様。俺は俺以外の人間には従わねえんだよ!」
「今までよく生きてこれた。この歩く絨毯をどけて欲しい。」
歩く絨毯呼ばわりされて、チューバッカはシュンと落ち込んだ。
そのままミカサはドッキング・ベイに向かい、つかつかと通路を歩き始めた。
「ちっ、はした報酬じゃ割に合わねえぞ・・・・・・。」
ジャンは悪態をつきながら、しぶしぶミカサの後を追っていった。
-
- 28 : 2015/11/24(火) 00:54:46 :
さて、一人隠密行動をとっていたアルミンは、漸くトラクタービームの発生装置へと辿り着いた。
うん、取り敢えず下は見ないことにした。
はるか下は望めないほど深く、暗くてよく見えない。
そこに、柱が一本下から伸びてきていて、その柱の先の青い光が、トラクタービームの発生装置になっていた。
※トラクタービーム発生装置
https://bplusmovieblog.files.wordpress.com/2013/03/star-wars-889.png
アルミンは狭い足場を渡り、そこからしがみつくようにトラクタービーム発生装置へと回り込んだ。
__________あった。このレバーだ。
アルミンは慎重に、レバーをゆっくりと下げた。
ブウウウウン・・・・・・
低く唸るような音を立てて、発生装置は停止した。
__________よし、これで後はあの鉄くずのところに戻るだけ。
アルミンがそう思った時だった。
発生装置へとかかる足場へ、ストーム・トルーパーが二人やってきた。
__________タイミングが悪いな。
アルミンは冷静に、発生装置の影に身を隠した。
すると、彼らは純粋に通りかかっただけのようで、その場で立ち話を始めた。
「何だか今日は騒がしいな、何が起こってるんだ?」
「どうせ訓練だろ。」
「そういやお前、新型のVT-16を見たか?」
「ああ。他の連中が話してくれたよ。中々見所があるらしいな。」
こやつら、どうもやる気のない兵士たちのようだ。
大真面目にこちらを調べられたら応戦せざるおえなかったが、剣を抜くまでもなく解決できそうだ。
物陰からこっそり出たアルミンは、右手を突き出した。
ゴオオ・・・・・・
「ん?」
「何の音だ?」
物音に気が付いた兵士たちは、その音がした方向へと消えていった。
「・・・・・・・・・・・・これでよし。」
フォースを操り、物音を立てたアルミンは、彼らと反対側の出口からミレニアム・ファルコンを目指し始めた。
-
- 29 : 2015/11/24(火) 02:16:55 :
「C-3PO、聞こえるか?」
「ええ、エレン様。」
「お前らは今どこにいるんだよ?」
「ハンガー・ベイ327の物陰に隠れています。」
「そうか、俺たちは丁度ハンガー・ベイ327の真上まで来たんだ。準備しろよ?」
四人は何とか、ハンガー・ベイ327を見下ろせる通路までやってきた。
ここを下っていけば、ようやく到着というわけである。
「あれに乗ってきたの? あなたたちは、思ったより勇敢だ。」
ミカサは動く鉄くずを見下ろし、絶句した。
「やれやれ、あと一息だな、死に急ぎ。」
「クソ、ずっと死に急ぎ死に急ぎって、覚えてろよ?」
「はっ、ここから生きて出られたら覚えといてやるよ。」
ジャンは鼻で笑い、通路を進みだした。
すると・・・・・・
「!! いたぞ! 侵入者だッ!!」
ついてないことに、ストーム・トルーパーの一隊と鉢合わせしてしまった。
「くそッ!! テメエら、船まで走れ!!」
そう言うとジャンは銃を乱射し、叫びながら敵を追いかけ始めた。
相棒のチューバッカも仕方なく追いかけていく。
「驚いた、ジャンは本当に勇敢だ。」
「どっちが死に急いでんだかな、行くぞ!」
エレンとミカサはミレニアム・ファルコン目指して走り始めた。
「うおおおおぉおおぉぉッ!!」
銃を乱射しながら逃げるストーム・トルーパーたちを追いかけるジャン。
「おおおお・・・・・・・・・・・・って、おわあぁあぁぁぁッ!!」
が、追いかけた先には別のハンガーベイに整列するストーム・トルーパーの大軍がいた。
ジャンは急いでブレーキをかけ、一目散に逃げ始めた。
「に、逃げるぞ! チューイ!!」
ジャンは追いかけてきたチューバッカへ大声で叫び、二人はストーム・トルーパーの大軍から逃げ始めた。
-
- 30 : 2015/11/24(火) 02:19:28 :
さて、ジャンやチューバッカと別れたエレンとミカサはミレニアム・ファルコンを目指して走っている・・・・・・・・・・・・はずだった。
「おわぁ!!」
エレンは危うく深い谷底のような空間に落ちそうになって何とか踏みとどまった。
深い谷を挟んで反対側に通路が見えるが、とてもジャンプして届く距離ではなかった。
http://i35.photobucket.com/albums/d172/darthmac/UDS/DS_Chasm.jpg
「しまった! 道間違えた!」
「!! どうするの!!」
すると後ろから、ストーム・トルーパーたちが追ってきた。
咄嗟に扉を閉めるミカサ。
「離れろ!」
エレンが急いで銃を、扉を開閉するコンソールに向けた。
バキュウッ!
ドゴンッ!!
「よし、これでロック出来たぞ。」
「エレン? 足場を出すスイッチは?」
「・・・・・・・・・・・・壊した。」
「あなた、馬鹿なの?」
ドゴォンッ!
「うおッ!?」
「!!」
突然、赤いレーザーが飛んできた。
斜め上を見ると、そこにある出入り口から、ストーム・トルーパーたちが銃を撃ってきていた。
-
- 31 : 2015/11/24(火) 02:20:20 :
「ミカサ! 応戦してくれ!」
「分かった!」
出入り口の物陰に隠れ、ミカサが銃を使って応戦し始めた。
その陰で、エレンは腰についたポーチから、ワイヤーを引っ張りだし始めた。
「まだ!?」
「もう少しだ!!」
一生懸命にワイヤーを引き出すエレン。
銃を撃ちまくって上から攻撃してくるストーム・トルーパーたちを駆逐するミカサ。
すると、閉じた後ろの扉が、少しずつ開き始めた。
「!! まずい、ドアが!」
ミカサが声を上げると、エレンはワイヤーを上方の突起物へ向かって投げた。
ワイヤーの先のアンカーが、突起物にしっかりと食い込んだ。
「よし! これでいいぞ! 掴まれ!!」
エレンが叫び、ミカサがしっかりとエレンにしがみつく。
その時、ミカサは思わず、エレンの頬に口づけをした。
「幸運を。」
「あ、ああッ!!」
ワイヤーに掴まり、エレンは足場を思いっきり蹴った。
斜め上や背後からのレーザーを躱し、二人は見事、反対側の足場へと飛び移った。
「よし、逃げるぞ!!」
エレンはミカサを降ろし、二人は走り出した。
一方、ストーム・トルーパーの大軍に追われていたジャンとチューバッカはどうなったかというと・・・・・・・・・・・・
「クソ! 振り切れねえ!」
相変わらず振り切れないまま、二人は追撃を受けていた。
「前の防火扉を閉めろ!!」
すると、二人が逃げている先にある防火扉が音を立てて閉まり始めた。
__________ヤバイッ!!
ここで追い詰められたら、確実に殺られる!!
「クソッ!! 飛び込め! チューイッ!!」
バタンッ!
間一髪、ジャンとチューバッカは閉じるドアの隙間に飛び込んだ。
「!! しまった! 防火扉を開けろッ!!」
__________トルーパーたちの失策から、ジャンとチューバッカも何とかストーム・トルーパーたちから逃げおおせた。
-
- 32 : 2015/11/24(火) 02:52:33 :
(あちこちで衝突が起こっているのを感じる。エレン、ミカサ、ジャン、チューバッカ・・・・・・・・・・・・皆、無事だろうか。)
フォースを通じて、兵士たちがあわただしく移動するのを盗み聞きして、
アルミンは何が起こっているのかを感じ取っていた。
どうやらエレンたちはここに囚われていたらしいミカサを無事救出したようだ。
既にトラクタービームは切ったし、後は脱出するだけ。
それだけだった。
だが、アルミンが密かに進んでいた通路、その先に・・・・・・・・・・・・
シスの暗黒卿、ダース・ヴェイダーは、既に赤い光刃を起動した状態で、アルミンを待ち構えていた。
-
- 33 : 2015/11/24(火) 02:53:12 :
ヴェイダー卿がゆっくりとこちらに向かって歩いてくると、アルミンも青い光刃を起動した。
ヴェイダー卿は低い声で、アルミンに話しかけた。
「遂に会ったな、アルミン。俺はずっとお前を待っていた。」
__________ムスタファー以来、19年ぶりの再会。
あの時とは正反対の、清閑としたデス・スターの通路で。
アルミンが防御の構えを取ると、ヴェイダー卿も攻撃の形を取った。
「これで、運命の環が閉じる。見ろ、あの時お前が見捨てた俺は、ついに道を究めたぞ。」
「それは悪の道をだろう、ダース?」
次の瞬間、アルミンが仕掛けた。
青い光刃を突き出し、ヴェイダー卿がこれを防ぐと、ヴェイダー卿は攻めに転じた。
それを狙っていたかのように、アルミンは防御に回る。
バチィッ!
光刃が接触し、激しい光と共に火花を散らす。
アルミンは攻撃を受けると、素早いカウンター攻撃に転じた。
が、ヴェイダーはこれを受け切ると、力任せにアルミンを鍔迫り合いから押しのけ始めた。
「くっ!」
力に押され、後退するアルミン。
遂に壁際まで追い詰められ、アルミンの背中が壁についた。
「ふんっ!!」
仕留めに来たヴェイダーの一撃を、何とかアルミンは躱した。
バァンッ!!
後ろのコンソールがヴェイダー卿の光刃に破壊され、火花を散らす。
その隙にアルミンは壁際から逃れ、再びライトセイバーを構えた。
-
- 34 : 2015/11/24(火) 02:55:05 :
「力が衰えたな、老人。」
アルミンの力の衰えを感じ取ったヴェイダー卿は、嘲るように言った。
__________アルミンは既に、老いていた。
齢は既に57・・・・・・・・・・・・彼はもう若くなく、しかも19年にわたる長い隠遁生活が、彼を実年齢よりも早く老いさせていた。
「君は私には勝てない。」
それでもアルミンはライトセイバーを握りしめ、戦う意思を示した。
「たとえ打ちのめされても、私は強大な力を持って蘇る!」
再びアルミンはヴェイダー卿に仕掛ける。
だが、その手を読まれ、今度はアルミンが防御からのカウンターを喰らった。
「ぐっ!」
不意打ちにバランスを崩すアルミン。
ヴェイダー卿はこの隙を逃さず、猛然と攻め立ててきた。
__________かつての親友同士であるだけに、お互いの手の内は十二分に知っていた。
だが、ヴェイダー卿は全盛期ほどではないにしろ、ダークサイドの強大な力を身に付けていたのに対して、
アルミンの力の衰えはもうどうしようもなかった。
「馬鹿な男になったな、アルミン。わざわざ殺されに戻ったか。」
斬り合いの最中、ヴェイダー卿はアルミンをこう罵った。
かつての親友は容赦なくアルミンを追い詰め、激しい攻撃を浴びせた。
__________ヴェイダー卿の、いや・・・・・・・・・・・・エレンの怒りを感じる。
19年前の、あの時のように・・・・・・。
アルミンは19年前のように歯を食いしばり、怒り狂うエレンの攻撃を必死に防いだ。
-
- 35 : 2015/11/24(火) 23:42:12 :
「ちっ、見張りがいやがるな。」
ストーム・トルーパーから逃げ回っていたジャンとチューバッカは、一足先にハンガー・ベイ327に到着した。
だが、ミレニアム・ファルコンの周辺は、ストーム・トルーパーたちによって見張られていた。
するとそこへ、エレンとミカサも遅れてやってきた。
「遅いぞ、何やってやがった?」
「友人とばったり出くわした。」
「あの鉄くずは飛べそうか?」
「外見は何んともねえがな、問題はあのじいさんがトラクタービームを切っているかどうかだ。」
「はぁ、はぁ・・・・・・。」
アルミンは息を切らし、鋭く撓るヴェイダー卿の斬撃を辛うじて受け止めていた。
ヴェイダーの鋼鉄の肺の呼吸音も早まっている。
本気でアルミンを殺しにかかってくる。
バチィッ!!
赤と青の光が交差し、ぶつかり、火花を散らす中、ヴェイダーはアルミンを圧倒し始めていた。
「もうこれで、おしまいだ。」
「私は・・・・・・負けない!」
手に力を籠め、堅牢な防御の形 を維持するアルミン。超攻撃形 で攻めるヴェイダー。
「ふん!!」
力のある斬撃がアルミンに襲い掛かり、受けるたびにアルミンの関節が悲鳴を上げる。
それでもアルミンは諦めなかった。
__________私が・・・・・・・・・・・・親友であるエレンをこんな姿にした。
だからせめて、私が君に・・・・・・・・・・・・引導を渡す。
攻め立てるヴェイダー卿の一撃を受けて、二人は再び鍔迫り合いとなる。
丁度、その時だった。
-
- 36 : 2015/11/24(火) 23:43:12 :
「!! 見ろ! ハンガー・ベイから兵士たちが!」
ジャンは目を疑った。
今までミレニアム・ファルコンを監視していたストーム・トルーパーたちが突如として走り出したのだ。
この様子を見ていたのはエレンたちだけではなかった。
「行こう、R2。」
C-3POがR2を促して、ミレニアム・ファルコンへと向かい始めた。
「今だ!!」
ジャンの合図で、エレンとミカサ、チューバッカもミレニアム・ファルコンへと走り出す。
だが、ふとエレンはストーム・トルーパーたちが走り去ったほうを見て足を止めた。
「アルミン?」
エレンの目に飛び込んできたのは、ヴェイダー卿と剣を交えるアルミンが、ストーム・トルーパーたちに取り囲まれ、銃を向けられる姿だった。
アルミンの視界には、エレンやミカサ、ジャンやチューバッカの姿が映った。
__________そうか、私はもう、ここまでか・・・・・・。
アルミンは成長したエレンとミカサを今一度見た。
そのなかに宿す二筋の希望を見た。
__________今の私に出来ることは、エレンとミカサ・・・・・・二人を無事に、逃がすこと。
アルミンはヴェイダー卿を見て、ふっと微笑んだ。
それから、アルミンは自ら防御の構えを解き、祈るように目を瞑った。
__________ねぇ、気付いてる?
僕は今でも、こんな姿になった君のことが愛おしいんだよ?
さようなら、エレン・・・・・・・・・・・・
ザシュッ!
ヴェイダー卿は構えを解いたアルミンを、赤い光刃で水平に薙ぎ払った。
-
- 37 : 2015/11/24(火) 23:44:00 :
-
エレン・イェーガーは、見てしまった。
今まで自分を見守ってくれたベンじいさんが、
尊敬し始めていたアルミン・アルレルトが、
ダース・ヴェイダーによって殺害される、その瞬間を・・・・・・。
「こ、この野郎がああぁあぁぁッ!!」
エレンは精一杯叫び、ストーム・トルーパーたちに銃を向けた。
叫び声に気が付いたストーム・トルーパーたちも銃を撃って応戦した。
「エレン、駄目ッ!!」
「こっちにこいッ! 死に急ぎッ!!」
怒りと悲しみに駆られたエレンには、二人の声は届かなかった。
__________一体、どうなっている?
ヴェイダー卿は、目の前で起きたことが信じられなかった。
今確かに斬り殺したはずのアルミンが、ライトセイバーとローブを遺して跡形もなく消えてしまったのだ。
ローブを踏みつけて、たった今起こったことを確かめるヴェイダー卿。
すると、ヴェイダー卿の耳に、叫ぶような声が聞こえてきた。
ふと見ると、そこには、かつての自分とよく似た青年が、ストーム・トルーパーたちと銃を撃ち合っている。
「クソッたれがッ!」
馬面の男が叫び、レーザーを撃って通路からハンガー・ベイへと出る扉のコンソールを破壊した。
バタンッ!
扉が閉まり、ヴェイダー卿はハンガー・ベイから締め出された。
扉が閉まって、ヴェイダー卿の姿が見えなくなっても、まだエレンは銃を撃ち続けた。
すると、頭の中に声が響いていた。
<エレン! 走れ! 逃げるんだ!!>
アルミンの声だった。
ようやくエレンは我に返り、ミレニアム・ファルコンの船内へと駆け込んだ。
ジャンとチューバッカは急いでコクピットに入り、ミレニアム・ファルコンのスイッチを入れた。
「トラクタービームめ、切れていてくれよ!? よし行けッ!!」
ジャンがレバーを引き、ミレニアム・ファルコンが浮いた。
そのまま反転し、ブースターから炎を吹きだして、動く鉄くずはハンガー・ベイから勢いよく飛び出した。
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- 38 : 2015/11/25(水) 01:15:57 :
- ところで、ケニーは首から下がマンダロリアン仕様で上は帽子なんでしょうか?
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- 39 : 2015/11/25(水) 10:13:41 :
- >>38
基本的には進撃の巨人での立体機動スタイルです。
ただ、腕の火炎放射器やワイヤー発射装置、背中のジェットパックはマンダロリアン仕様というイメージです。
説明不足で申し訳ないです<m(__)m>
-
- 40 : 2015/11/25(水) 11:03:24 :
ミレニアム・ファルコン船内、ラウンジエリアは、沈鬱な空気に包まれていた。
あの光景が・・・・・・忘れられなかった。
目の前で、アルミンが殺される、あの光景が。
エレンはデジャリック・ゲームのボードに突っ伏し、涙を流していた。
ミカサが気を使い、上着をエレンの肩にかけると、エレンはゆっくりと顔を上げ、静かに語り始めた。
「アルミンは・・・・・・俺にいろんなことを教えてくれたんだ。」
「エレン・・・・・・。」
「何でも知ってたし、宇宙のことを俺はよく聞いていた。おじさんに内緒で密かにアルミンの家に行ってな。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「でも、今となってはもう・・・・・・おじさんもアルミンもいないんだ・・・・・・。」
エレンはそれきり沈黙した。
すると、コクピットからジャンが走ってきた。
「帝国のTIEファイターが追撃してきやがった! エレン! ミカサ! やれるか!?」
「・・・・・・ああ!」
「今行くわ。」
エレンは立ち上がり、船の上部と下部にあるターボ・レーザーへと向かい始めた。
ジャンが梯子を上り、エレンは梯子を下って、その先にある砲座へと座った。
https://encrypted-tbn1.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcTVqYmBFipty1RVqJ4gLKvjPZpUAoycQqvcAO5D1yPQbdfuwjbhrg
ミカサはコクピットへと入り、チューバッカと一緒にミレニアム・ファルコンの操縦桿を握った。
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- 41 : 2015/11/25(水) 11:04:14 :
「!! 来たわ!!」
ミカサが通信機に向かって叫ぶと間もなく、4機のTIEファイターが音を立てて接近してきた。
エレンとジャンがターボレーザーを握り、赤いレーザーを発射する。
「クソ、早すぎて当たんねえよ!」
「良く狙えよ、死に急ぎ!」
4機は連携し、緑色のレーザーをミレニアム・ファルコンに浴びせてきた。
ドゴォン!
船内がぐらつき、一瞬電源が落ちて暗くなる。
「ジャン、側面の制御装置がやられた。」
「だいじょぶだ! この程度じゃ落ちねえよ! 落ちねえよな?」
TIEファイターは2機ずつに別れ、それぞれ攻撃を仕掛けてくる。
近づいては攻撃し、距離を取ってからまた接近し、攻撃してくる。
__________敵はいったん離れた。
また近づいてくる。
そうだ・・・・・・・・・・・・そこだ!!
「うおおおッ!!」
エレンは力いっぱい引き金を引き、放たれたレーザーがTIEファイターに直撃、機体が爆散した。
「よし! 討伐数1!」
「やるじゃねえか、気を抜くんじゃねえぞ!」
エレンに先を越されたが、ジャンもまたTIEファイターを一機撃墜した。
「へ、俺の手にかかりゃこんなもんだ。」
「気を抜かない、まだ2機残ってる。」
ミカサから通信が入り、二人は気を引き締めた。
何とかレーザーをかいくぐるように操縦するミカサと、残る2機を撃墜しようとするエレンとジャン。
ドゴオォオンッ!
続いてエレンが1機撃墜し、残るは1機のみ。
ジャンは神経を研ぎ澄まし、ミレニアム・ファルコンの周りを飛び回るTIEファイターに狙いを定めた。
__________今だッ!!
ジャンがターボレーザーのトリガーを引き、放たれたレーザーがTIEファイターに当たって爆発した。
「ふぅ。」
ジャンの腹の底から、ため息が出てきた。
「よし! やったぞ!」
エレンも快哉を叫び、コクピットにいたミカサは隣に座っていたチューバッカと思わずハグをした。
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- 42 : 2015/11/25(水) 11:05:07 :
-
「このままハイパースペースに逃げるぞ!!」
ジャンはコクピットへと戻ると、すぐに座標を設定し始めた。
「それで、行先はどうする? ミカサ?」
「・・・・・・ヤヴィンⅣに行く。そこに・・・・・・反乱軍の秘密基地がある。」
「そうかい・・・・・・じゃあ俺はそこに乗客を届けりゃ取引は終わりって訳だな。」
「そうね。」
ジャンとミカサはそれ以上何も言わず、黙って座標を打ち込んだ。
ヴウウン・・・・・・・・・・・・ドゴオォオンッ!!
ミレニアム・ファルコンはハイパースペースへとジャンプし、漸くデス・スターから逃れることが出来た。
デス・スター、司令室。
「アルミンとの戦い、ご苦労だったね、ヴェイダー卿。」
「ミレニアム・ファルコンはたった今ハイパースペースへとジャンプしたようですな。」
「ふむ、君の言う通り、追尾装置をつけておいた。だが、これは危険な賭けだ。失敗は許されん。」
ヴェイダー卿の策に乗ったサネスは表情を引き締めた。
ヴェイダー卿はミレニアム・ファルコンがそのまま反乱軍の秘密基地へ向かうと踏んでいた。
その為、アルミンを除いて、エレンたちをわざと逃がしたのである。
19年前とは違い、ヴェイダー卿は海千山千の策士となっていた。
政治的な陰謀も権力闘争も、力をつけるためならヴェイダー卿は何でも利用したのである。
__________デス・スターとの決戦は、刻一刻と迫っていた。
-
- 43 : 2015/11/25(水) 11:06:27 :
- 以上で第4話は終了になります。
次回はヤヴィンの戦いです。新たなる希望の最終話になりますので、よろしくお願いします<m(__)m>
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- 44 : 2015/11/25(水) 18:50:57 :
- ジャンが好きなのでこれからの活躍に期待!
もうすぐ公開のエピソード7も書かれるんですかね?笑
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- 45 : 2015/11/25(水) 20:09:27 :
- >>44
期待ありがとうございます!
エピソードⅦ、見てから考えたいと思いますw
-
- 46 : 2023/07/09(日) 08:07:52 :
- http://www.ssnote.net/archives/90995
●トロのフリーアカウント(^ω^)●
http://www.ssnote.net/archives/90991
http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3655
http://www.ssnote.net/users/mikasaanti
2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
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16 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 19:01:59 このユーザーのレスのみ表示する
ちょっと時間あったから3つだけ作った
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アカウントの譲渡について
http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3654
36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな
22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。
46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね
52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑
89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ
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