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エレン「エピソードⅣ」 ミカサ「新たなる希望」 ③ 進撃×スター・ウォーズ

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  1. 1 : : 2015/11/18(水) 11:00:34
    進撃×スター・ウォーズ、エピソードⅣ、新たなる希望、第4話です。


    よろしくお願いします<m(__)m>
  2. 2 : : 2015/11/18(水) 11:01:57










    「さて、見るんだエレン。あれがモス・アイズリー宇宙港だ。」











    アルミンが指さした方角、崖の上に昇ったエレンたちの視界のはるか遠くに、その宇宙港は見えた。



    ※モス・アイズリー宇宙港
    http://www.starwars.jp/wiki/images/1/13/Mos_Eisley_distant.jpg












    エレン・イェーガーの冒険は、ここから始まる。

















    第3話


    モス・アイズリー宇宙港












    「これ以上ないくらい最低で下衆な悪党どもが集まる都市さ・・・・・・・・・・・・用心するんだよ、エレン?」



    アルミンはニッコリとそう言うと、再びスピーダーに乗り込んだ。










  3. 3 : : 2015/11/18(水) 11:03:29









    街の中に入っていくと、そこは多くのエイリアンやクリーチャー、ドロイドたちでごった返す、雑然とした宇宙港だった。






    ※モス・アイズリー市内
    http://www.starwars.jp/wiki/images/3/36/Mos_Eisley.jpg












    さて、エレンたちを乗せたスピーダーが街の中へと入っていくと、目の前に帝国軍のサンド・トルーパーが数名現れた。







    ___________こいつらが・・・・・・。







    今にも飛び掛かりそうな殺気を放とうとするエレンを、助手席に座るアルミンは制した。








    「エレン、ここは私に任せてくれ。」

    「!!」








    アルミンは小声で耳打ちをすると、スピーダーは何もないかのように、トルーパーたちの前へと進んだ。









    「止まれ!」



    すると、トルーパーたちに進むのを止められ、エレンはやむなくスピーダーを停止させた。
    トルーパーたちは、後ろに座っているR2とC-3POを見つけると、こう尋ねてきた。








    「このドロイドたちは何だ?」

    「長年使ってるドロイドだ。良ければ売るよ?」







    咄嗟にエレンは嘘を付いた。
    耳が赤くなったのをアルミンは見て、少し微笑んだ。







    トルーパーたちは怪しんだのか、さらにこんなことを言ってきた。



    「身分証明書を見せろ!」









    すると、アルミンはトルーパーたちに向かって手をかざした。







    「いいや、彼らの身分証明書を見る必要はない。」

    「彼らの身分証明書を見る必要はない。」








    ___________えっ!?





    エレンは驚愕していた。
    アルミンが手をかざしただけで、身分証明証を見せなくても良くなったからだ。


    勿論、そんなものは、はなから持ってなかったが。






    「このドロイドは違う。」

    「このドロイドは違う。」







    まるで暗示にかかってしまったかのように、トルーパーたちはアルミンの言葉を復唱した。







    「通っていいぞ。」

    「通っていいぞ。」








    トルーパーたちは2、3歩下がり、腕を横に振った。
    そのままエレンはアクセルを踏み、トルーパーたちの前を堂々と素通りした。












    「一体何をしたんだよ、アルミン?」

    「ん?」







    スピーダーを降り、寄ってくるジャワたちを払いのけながら、エレンはアルミンに尋ねた。








    「俺、あいつらと戦うことになると思ってたのに、どうして俺たちを通したんだ?」

    「ふふ、フォースはね、弱い意志を操ることが出来るんだ。一種のマインド・トリックさ。」









    ___________アルミン・アルレルトは、マインド・トリックの伝説的な達人だった。








    「すげぇんだな・・・・・・フォースって。」

    「まだまだ、こんなものじゃないよ?」








    アルミンはそう言って微笑むと、街の中を歩き出した。








    「ついてくるんだ、エレン。」

    「お、おう!」









    あっけにとられていたエレンは、慌ててアルミンの後を追いかけ始めた。









  4. 4 : : 2015/11/18(水) 14:48:08











    「さて、それじゃあまずはこの惑星から出る足を拾わないとね。」

    「あ、アルミン? ここって・・・・・・・・・・・・。」









    エレンが絶句したのも無理はない。
    アルミンが入ろうとしているのは、酒場だったからだ。







    ___________ジェダイ・マスター、アルミン・アルレルトはやはり一風変わったジェダイである。











    「ただの酒場じゃねえかよ! ホントにこんなところにパイロットがいるのかよ!?」



    思わずツッコむエレンに対して、アルミンはどこ吹く風、平然とこう答えた。









    「腕利きが揃っているよ。ただし、用心は必要だ。」

    「はぁっ!?」

    「ここは少しばかり物騒だからね。」









    またしてもにやりと笑うと、慣れた感じでアルミンは酒場へと入っていった。
    勿論、まだ19歳のエレンはこんな場所、入ったこともないのである。








    「マジかよ・・・・・・R2、C-3PO、いくぞ。」



    おっかなびっくり、エレンはアルミンの後をついて行った。














    店内には行ってみると、カンティーナ酒場は得体の知れないエイリアン大集合といった様相を呈していた。


    何だか変なミュージシャンが店の奥で今どきはやらない音楽を演奏し、
    様々なエイリアンたちが色とりどりのお酒を片手に飲んだくれ、
    鼻を突くような異臭が漂っていた。






    ※カンティーナ酒場
    http://www.starwars.jp/wiki/images/8/84/ModalNodes_play_Chalmuns.jpg
    http://www.starwars.jp/wiki/images/c/cc/ChalmunCantina.jpg








    アルミンが先に入っていき、エレンが入ろうとすると、みすぼらしいバーテンダーに呼び止められた。








    「おい! ここはドロイドお断りだ!」



    後ろからついて来ていたR2とC-3POは、この店に出入りできないらしかった。








    「わりいな、R2、C-3PO。スピーダーのところで待っててくれ。」

    「そうしたいと思います、エレン様。」







    臆病なC-3POはR2を連れて、そそくさと店の外へと出ていった。










  5. 5 : : 2015/11/18(水) 14:49:18









    さて、アルミンはお酒を片手にテーブルに座り、ガタイが大きく、毛むくじゃらなウーキーと既に何か話をしていた。
    今までとは違う、ジェダイとしてのアルミンの一面を垣間見、エレンは驚くばかりだった。



    エレンはカウンターの椅子に腰を下ろし、アルミンの話が済むのを待っていた。










    ___________今日はもう、驚くことばかりだ。



    いきなりR2が脱走したかと思えば、
    アルミンと父さんがジェダイで、
    父さんはヴェイダーとかいうやつに殺されてて、
    おじさんとおばさんは・・・・・・・・・・・・








    エレンはため息をつき、バーテンダーに声をかけた。








    「ブルー・ミルクを一杯もらえる?」



    あまり愛想の良くないバーテンダーは、不審そうな目でエレンにブルー・ミルクを手渡した。
    良くおばさんが入れてくれた、ブルー・ミルク・・・・・・・・・・・・











    一人になると、流石に堪えた。









    すると、隣に座っていたアクアリッシュがエレンに突っかかってきた。
    何か呻くような声を上げるアクアリッシュを理解できず、エレンは再び前を向いた。





    「なぁ。」



    今度はその隣にいた、顔の崩れた醜い男が声をかけてきた。
    この男たち、賞金稼ぎのバーバと悪名高いマッド・ドクター、エヴァザンである。



    ※バーバ
    http://www.starwars.jp/wiki/images/8/87/Ponda_Baba.jpg

    ※エヴァザン
    http://www.starwars.jp/wiki/images/c/cb/Doctor_Evazan.jpg






    エヴァザンは凄みをきかせ、エレンに詰め寄った。






    「お前が気に入らねぇとよ。」

    「はぁっ!?」






    エレンは思わず彼らに反発してしまった。
    そして、絡んできた彼らの怒りを買ってしまった。



    エヴァザンはエレンの胸倉をつかみ、大声で怒鳴った。







    「口の利き方に気を付けろよ、クソガキ!? いいか、俺たちはお尋ね者だ。俺は12の星系で死刑判決を受けてんだよ!」

    「だから何だよッ!?」

    「テメエ、死にてえのかッ!?」







    店の中がざわつきはじめ、視線が二人に注がれた。
    するとその中に、一人の老人が入ってきた。







    「ごめんなさい、彼はまだ子供なもので。一杯おごりますよ?」



    アルミン・アルレルトがにこやかに仲裁に入ってきた。








    「テメエもなめんじゃねえッ!!」



    エヴァザンはエレンを投げ飛ばし、バーバと共にブラスターを握った。

















    刹那、青い光が宙を舞った。






    速過ぎて、一瞬エレンには、何が起こったか分からなかった。
    次の瞬間には、ブラスターを握ったエヴァザンとバーバの右腕が床に転がっていた。







    「うぎゃあぁあぁぁッ!!」



    エヴァザンとバーバーは悲鳴を上げ、床に転がった。









    アルミンはライトセイバーを抜き、一瞬にして二人の右腕を切り落としたのである。











    光刃を消すと、アルミンはエレンの元へと歩み寄った。










    「けがはないかい?」

    「あ、ああ・・・・・・。」







    差し出された手を取り、エレンは立ち上がった。
    店は元の活気を取り戻し、騒ぎで中断された演奏が再び始まった。



    アルミンの後ろには、さっき話をつけていたウーキーが立っていた。









    「紹介するよ、彼はチューバッカ。私たちを乗せてくれる船の一等航法士だ。」









    一等航法士、チューバッカ――――――――身長2メートルを超す大型のウーキーとの、忘れ得ぬ出会いであった。



    ※チューバッカ
    http://www.starwars.jp/wiki/images/b/b8/Chewbacca3.jpg









  6. 6 : : 2015/11/18(水) 15:38:33












    暫くしてチューバッカは、彼の相棒を店内に呼んできた。








    (なんだ、人間か。)



    密かにエレンは相棒も得体の知れないエイリアンだと思っていたのだが、現れたのは自分より少し背の高い人間であった。









    「チューイからお前の話を聞いたぜ、死に急ぎ野郎?」

    「はぁっ!?」








    すると、その男はにやけ面でいきなりエレンを死に急ぎ野郎呼ばわりしてきた。
    思わずエレンが反発すると、その男は益々面白がった。








    「おいおい、こりゃチューイの言った通りだな。」

    「ふざけやがって、テメエだって馬面のくせに!」

    「誰が馬面だ!? この死に急ぎが!」

    「あのさぁ・・・・・・・・・・・・初対面から勘弁してくれるかな?」








    アルミンがため息をつきながら仲裁に入った。
    ようやく二人が落ち着いたところで、改めて自己紹介を始めた。








    「俺の名はジャン・キルシュタインだ。ミレニアム・ファルコンの船長をしてる。お前ら、オルデランへ行く高速船を探してんだってな?」

    「如何にもその通りだよ。高速船ならね。」

    「おいおい、俺のミレニアム・ファルコンを知らねぇのか?」

    「知らないな。」

    「ケッセル・ランを12パーセクで飛んだ高速船だぜ? スピードなら任せな、じいさん。それで、積荷は何だ?」

    「乗客だけだよ。私と、この少年と、ドロイドが二体。あと・・・・・・質問はしないことだ。」







    真剣な表情で言うアルミンに、ジャンはニヒルな表情を浮かべた。







    「ここでごたごたでも起こしたか?」

    「帝国と少しごたごたをね・・・・・・。」

    「ヤバそうな依頼だな・・・・・・料金は割増にさせてもらうぜ、そうだな、前金できっかり10000クレジットでどうだ?」









    その数字を聞いたエレンは驚愕した。



    「10000クレジット!? 新しい船が買えるじゃねえか! 行こうぜアルミン! こんな馬づ――――――・・・・・・」








    憤慨して立ち上がろうとするエレンの膝を掴み、アルミンは彼を制した。








    「取りあえず前金は2000クレジット払おう。」

    「お、おい!」

    「それで無事オルデランにつけば追加で15000クレジット支払おう。」

    「17000クレジットを支払うって訳か。」








    アルミンはエレンを無視して話を進めた。








    「よし、引き受けてやろう。あんたらの準備が出来次第すぐにでも飛べるぜ。ドッキングベイ94だ。間違えんなよ?」



    ジャンは上機嫌でアルミンの依頼を引き受けた。













    「!! 見ろよ、お客さんが来ちまったみたいだぜ?」



    そう言うジャンの視線を追っていくと、店内にサンド・トルーパーが入って来ていた。
    彼らはバーテンダーに、何やら聞き込みをしているらしかった。










    「あそこだな? 調べるぞ?」



    様々なエイリアンでごった返す店内をかき分け、サンド・トルーパーが二人、ジャンとチューバッカの元へと近づいてくる。
    エレンとアルミンは人ごみに紛れ、こっそりと店を出ていった。









    やがて、サンド・トルーパーがジャンとチューバッカの前を素通りすると、ジャンは手を叩いて喜んだ。



    「あの死に急ぎ野郎どももとんだお人好しだな。17000クレジット。よし、首の皮一枚繋がったぜ。チューイ、先に行って船の準備をしておけ!」











    チューイが先に立ちあがり、ドッキング・ベイ94へと向かい始めた。









    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇










  7. 7 : : 2015/11/18(水) 17:00:39









    「いったいどういうつもりなんだよ! アルミン!」

    「ん?」








    二人が外に出ると、エレンがアルミンに食ってかかった。









    「俺たち17000クレジットどころか、一銭だって持ってねえじゃねえかよ!」

    「大丈夫だよ、エレン。君のスピーダーを売れば2000クレジットくらいにはなる。それで前金は充分さ。」

    「なっ! じゃあ、後の15000クレジットはどうするつもりなんだよ。」

    「後は出たとこ勝負かな。大丈夫、無事オルデランに着けば、ナイルが支払ってくれるはずさ。」









    エレンは絶句した。


    この人の自信は一体どこから出てくるのだろうか!?









    「いや、あり得ないだろ!? 第一あんな馬面にこんなこと頼むなんて――――――――「エレン?」









    すると今度は、アルミンの顔つきが俄かに険しくなった。










    「君は何か大切なことを忘れていないか?」

    「はぁッ!? 何がだよ!?」

    「私たちは何が何でもオルデランに行く必要があるんだ、エレン。それなのに君ときたら、少しケンカを売られただけですぐに乗っかって。私がいなかったら君は死んでいたところだ。」

    「!!」

    「エレン・・・・・・・・・・・・君は我慢がなさすぎる。この先ジェダイになりたいと思うのなら、まず我慢することを覚えるんだ。いいね?」










    エレンは少し俯いて、それからゆっくりと頷いた。
    それから二人はスピーダーを売りに、市場へと歩き始めた。

















    そんな彼らの後ろを、黒いローブを纏ったエイリアンが付けているとも知らずに・・・・・・・・・・・・。











    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇










  8. 8 : : 2015/11/18(水) 19:25:07










    「さて、俺もそろそろ行くとするか。」



    満足のいく依頼を受けて、一人上機嫌になっていたジャンはようやく立ち上がった。
    すると・・・・・・






    <お出かけかい? ジャン?>

    「ああ、丁度お前のボスのところへ行くところだ。借金を返しにな。」







    ローディア語を話す小悪党、ローディアンのグリードはジャンの胸にブラスターを突きつけた。
    再び椅子に座り直すジャンに銃を向けながら、ジャンの向かいに座ったグリードはせせら笑った。



    ※グリード
    http://www.starwars.jp/wiki/images/c/c6/Greedo.jpg








    <もう遅い。ジャバはお前の首にたんまり賞金を懸けた。俺がその賞金を頂いていく。>

    「そうかい。だがな、今度はホントに金が出来た。」

    <今ここで俺にその金を渡せば見逃してやるぜ?>

    「生憎だが、ここにはないんだ。ジャバにそう言ってくれよ。」







    ジャンは足を組んで、グリードの話をはぐらかしていた。
    段々苛立ってきたグリードはジャンに詰め寄った。








    <ジャバはお前に失望してるんだ。帝国軍が近づいてきただけで密輸品を捨てるような奴にはもう用がないんだとさ。>

    「検問はかわせねえ。」









    ___________ジャン・キルシュタインは現在、密輸業者として生計を立てていた。










    かつてジャンは帝国のアカデミーを首席で卒業しており、将来を約束されたはずのエリート将校だった。
    そんな彼の人生を狂わせたのは、一人のウーキーだった。



    ガタイのいいウーキーは帝国によって迫害され、奴隷として使役されていた。
    ジャンはたまたま、ウーキーの一人が捕えられる現場に遭遇し、思わず上官に反抗して彼を助けたのである。











    それから彼は帝国軍を追われ、密輸業者まで転落した。
    挙句に密輸品を捨てたことで、莫大な借金をジャバに負わされることになってしまった。












    さて、グリードは全く気が付いていなかった。
    ジャンがテーブルの下で、こっそりと・・・・・・・・・・・・ブラスターを抜いたことに。








    <ジャバに検問はかわせないというんだな。船を取るだけで許してくれるかもしれないぜ?>



    せせら笑うグリードを、ジャンは挑発した。







    「俺を殺してからにしてくれよ。」

    <名案だな、ずっと俺はそうしたいと思っていたんだ。>

    「遠慮なくやるんだな。」











    バキュウッ!!


    次の瞬間にはジャンのブラスターが火を噴き、グリードはテーブルに突っ伏すように絶命した。
    ジャンはゆっくりと立ちあがると、しんと静まり返った店内をゆっくりと歩き始めた。







    「騒がせたな。」



    ジャンはバーテンダーにチップを投げ渡すと、そのまま店を出ていった。









    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇









  9. 9 : : 2015/11/18(水) 20:46:37









    デス・スター、司令室。







    ヴェイダー卿の尋問は行き詰まりを見せていた。
    IT-Oを使った尋問も、ミカサは頑強に抵抗し、一切の秘密をしゃべろとしなかったからだ。








    「心理探査にも頑強に抵抗しています。情報を引き出せるようになるにはまだまだ時間がかかるでしょう。」



    勿論、この程度で尋問を諦めるヴェイダー卿ではない。
    グランド・モフ・サネスに報告しながら、ヴェイダーは次はどのような尋問をしてくれようかと考えていた。









    すると、サネスとヴェイダーの元にやってきたリーブス提督から報告が上がった。



    「最終チェックが完了しました。全システム利用可能です。どこに向かいますか?」











    ___________それは、銀河最強の宇宙要塞、デス・スターの完成報告であった。











    その時、邪悪の天才、ジェル・サネスにある妙案が閃いた。









    「王女様の口を割らせるいい方法を思いついたぞ。」

    「と言いますと?」

    「この宇宙要塞の力を見せつける時が来たのだよ。進路をオルデランに取るのだ。」

    「かしこまりました。」









    超巨大な宇宙要塞は、ゆっくりとオルデランへ向けて移動し始めた。











    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇













    さて、酒場の外で待たされていたR2とC-3POだったが、帝国の捜索を躱すために人のいない民家へと入り込んでいた。







    「!! ドアをロックするんだ、R2。」



    扉が閉まり、R2がドアをロックした。







    するとそこに、帝国軍のサンド・トルーパーの一隊が捜索をしに現れた。







    「よし、通りのこちら側を調べろ!」



    その内の一人が、二体のドロイドが隠れた扉に近づいてくる。







    「ドアがロックされている。次のドアを調べろ!」



    意外にもトルーパーたちは素通りしていき、R2とC-3POはほっと胸を撫で下ろした。
    少し扉を開け、外の様子を窺いながら、C-3POは愚痴をこぼし始めた。









    「君といるよりエレン様と一緒にいた方がはるかにましだったよ。何でこんな目に遭うのかわからないけど、全部君のせいだ!」



    C-3POが文句を言うと、負けじとR2もピーピーと電子音を立てた。










    「言葉に気を付けるんだ。」



    C-3POは再び文句を言い、民家の扉を閉めた。









    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇











  10. 10 : : 2015/11/19(木) 08:30:12













    さて、ジャンがドッキング・ベイ94に入ると、そこには既に先客たちが待ち構えていた。








    <ジャン! 出て来い! ジャン!>







    ミレニアム・ファルコンに向かって大声を上げているのは、まるで巨大なナメクジのような、巨大で醜いハット族。
    しかも大勢の手下たちを連れてきている。



    __________お出ましのようだ。








    「俺はここだぜ? ジャバ。」



    ジャンは皮肉な口調で彼の名前を呼んだ。











    ジャバ・ザ・ハット――――――――――タトゥイーンに本拠地を構える暗黒街のボス。



    ※ジャバ・ザ・ハット
    http://www.starwars.jp/wiki/images/b/be/Jabba.jpg











    ジャバはゆっくりとジャンに近づくと、べちゃべちゃとした音を立て、ハット語で話を続けた。







    <やっとお前を見つけたぞ。>

    「俺が逃げ出すような男じゃねえくらいわかってるだろ?」

    <ジャン、お前には失望した。借金も返さず、おまけにグリードを撃ち殺した。>

    「ジャバ、次に話がある時は自分で来い。あんなカスをよこすな。」

    <例外を認めるわけにはいかん。密輸をやってる連中が、帝国の船を見ただけで密輸品を捨てたら、商売あがったりだ。>









    ___________ジャバ・ザ・ハットはジャンに違法なグリッタースティム・スパイスを密輸させていた。



    これは危険なほどの中毒症状を引き起こす麻薬であった。









    ジャバはそのスパイスが取れる惑星ケッセルの帝国の役人を手なずけていたが、時にその役人はご機嫌取りのために検問を行うときがあり、ジャンはその犠牲になったのだった。
    そのあたりの事情を知っているジャンは、ジャバが自分を殺す口実をそこに求めていることも感じていた。








    「検問を避けることは出来ねえからな。だが美味しい仕事が入った。」








    そう言いながら、ジャンはジャバの尻尾を故意に踏みつけた。
    ジャバは小さな悲鳴を上げた。



    ジャンはそんなこと気にも留めずに話を続けた。









    「多少の色を付けて借金を返してやるから、少し時間をくれよ?」

    <ジャン、腕利きのお前だから許してやる・・・・・・利子は20%――――――――「15%だ! 無茶言いやがって。」

    <いいだろう、15%だ。>








    ジャバは両手を上げ、ジャンの話を承諾した。









    <だが、今度わしを失望させれば、お前の首に莫大な賞金を懸ける。まともな星には二度と近づけなくなるだろう。>

    「ジャバ、お前は素晴らしい“人間”だ。」









    ジャンは最後に皮肉を言ってミレニアム・ファルコンに乗り込んだ。










    <行くぞ。>



    ジャバは手下を引き連れ、ドッキング・ベイ94を去っていった。













    「おうおうおう、随分と上手く丸め込みやがったな、ジャン・キルシュタイン。」



    手下の一人となっていたケニー・アッカーマンは、去り際に一言、呟いた。










    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇










  11. 11 : : 2015/11/19(木) 20:38:51











    「確かドッキング・ベイ94だったよな、アルミン?」

    「そうだね、ご自慢のスピードさえ出れば問題ないんだけど。」

    「言えてるな。」









    エレンたちはスピーダーを売却し、2000クレジットを手にした後、R2とC-3POと合流した。









    「逃げるのはもうこりごりです、エレン様。」

    「行こうぜ、R2、C-3PO。」









    泣き言を呟くC-3POを引き連れ、ドッキング・ベイへと入っていくエレンたち。
    その後ろをつけていたエイリアンは、片手に通信機を持って何者かと通信を取った。












    「な、何だよこれ!? ただの鉄くずじゃねえか!」



    ドッキング・ベイの中に入ったエレンは再び絶句した。
    ミレニアム・ファルコンとは、ジャンがたんまり違法改造もとい魔改造を施した貨物船だったからである。










    ※ミレニアム・ファルコン
    http://www.starwars.jp/wiki/images/9/96/Han_in_bay_94.jpg










    「言ってくれるじゃねえか、死に急ぎ野郎。」



    動く鉄くずこと、ミレニアム・ファルコンの船内から、ジャンが降りてきた。












    「だがな、こいつはクラス0.5の速さで光速に突入できる船なんだよ。」

    「!!」







    クラス0.5――――――――――それは、ワープ航法を可能にするハイパードライブ装置の中でも、最高ランクに位置付けられる代物であった。










    ジャンはこれをどこかから仕入れ、この貨物船に搭載したのである。
    その結果、他の貨物船はもとより、正規の戦闘機さえ凌ぐスピードで飛ぶ鉄くずとなったのだ。



    ジャンはこの船に途方もない愛着を持っていた。
    見た目通りのポンコツで、常に修理が必要ではあったが、それでもいざというときは頼れる鉄くず。









    まるでもう一人の相棒のように、ジャンはこの船を扱っていた。











    「とっととこの星を出たいんだろ? 早く乗れよ。」



    ジャンにせかされるように二体のドロイドは早速船へと乗り込んだ。











    「さて、私たちも乗り込むとしようか。準備はいいかい、エレン?」

    「ああ!」












    ___________いよいよ俺は・・・・・・生まれて初めて宇宙へと飛び出す。



    エレンは静かに、覚悟を決めた。










  12. 12 : : 2015/11/19(木) 20:41:13










    その時だった。









    「いたぞッ!! 撃てッ!!」



    突如として、何人ものサンド・トルーパーがドッキング・ベイへと駆け込み、レーザーを撃ってきた。










    「!! 皆、早く乗るんだッ!!」



    アルミンは叫び、ライトセイバーを起動した。
    レーザーの集中砲火を洗練された動きで防ぎ、青い光刃で赤い弾を打ち返した。









    「おいマジかよッ! 行くぞ死に急ぎ!」

    「さりげなく死に急ぎって言うんじゃねえ!」








    ジャンは毒づき、エレンとブラスターで応戦しながらタラップへと走っていった。










    ジャンが船内に入ると、先にコクピットに乗っていたチューバッカに向かって叫んだ。



    「船を出すぞッ! とっとと支度しろ! じいさんもとっとと乗れ!」










    ジャンが叫ぶ声を外で聞いたアルミンも、後退しながら船へと乗り込んだ。
    アルミンが乗り込んで、光刃をしまったところで急いでタラップを上げ、ハッチを閉める。










    「やれやれ、宇宙旅行は好きじゃないのに。」



    C-3POの嘆きをよそに、ミレニアム・ファルコンは唸り声を上げ、モス・アイズリー宇宙港のドッキング・ベイを飛び出した。











  13. 13 : : 2015/11/19(木) 20:42:12










    「!! おいおい、帝国の巡航艇が二隻もお出ましか!? お前ら相当ごたごたをやらかしやがったな!?」

    「それは聞かない約束だよ?」

    「けっ、嫌味なじいさんだぜ。チューイッ! 光速に移る計算が終わるまで偏向シールドを張れッ!」









    ミレニアム・ファルコンが宇宙空間へ飛び出すと、惑星タトゥイーンの背後から、二隻のスター・デストロイヤーがミレニアム・ファルコンを追跡してきた。
    追跡してくる二隻のスター・デストロイヤーは、緑色のターボレーザーを交互に撃ってきた。









    ドゴォン!


    レーザーが偏向シールドを直撃し、赤い火花を散らす。
    その衝撃で船内が大きく揺れ、一瞬船内の照明が落ちた。









    「お前ら、しっかり掴まれよ!?」

    「おい、振り切れねぇのか!? 高速船のはずだろ!?」

    「黙ってろ、死に急ぎ! 宇宙空間に放り出すぞ!」










    ジャンは航法コンピューターをいじりながら、全速力でスター・デストロイヤーの追跡から逃げ始めた。











    「ちっ、楽しくなってきやがったな。」

    「あとどれくらいかかりそうかい?」

    「座標を算出するまでもう少しだ、じいさん。」

    「追いつかれるぞ! 馬面!」

    「ハイパースペースへジャンプするのは農薬をまくのとはわけが違うんだよ、死に急ぎ! 計算を間違えりゃ星や超新星に突っ込んで本物の鉄くずになっちまうぜ!?」










    すると、船内に警報音が鳴った。
    コクピットの目の前にあるランプが赤く点滅する。










    「おい、あの点滅は何だよ!?」

    「勝手に触んな、クソガキが! ハイパースペースへジャンプするぞ!!」











    ジャンは叫びながら、コクピットのレバーを引いた。













    ブウウウウン・・・・・・・・・・・・ドゴオォオォンッ!!



    目の前の星が伸びて、それから、青いまだら模様のトンネルへと突っ込んでいく。
















    ミレニアム・ファルコンはオルデランを目指し、ハイパースペースへと突入した。











  14. 14 : : 2015/11/19(木) 20:44:05
    以上で、第3話は終了になります。


    次回はいよいよデス・スター編です。
    よろしくお願いします<m(__)m>
  15. 15 : : 2023/07/09(日) 07:57:42
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    ●トロのフリーアカウント(^ω^)●
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    2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
    sex_shitai
    toyama3190

    oppai_jirou
    catlinlove

    sukebe_erotarou
    errenlove

    cherryboy
    momoyamanaoki
    16 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 19:01:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ちょっと時間あったから3つだけ作った

    unko_chinchin
    shoheikingdom

    mikasatosex
    unko

    pantie_ero_sex
    unko

    http://www.ssnote.net/archives/90992
    アカウントの譲渡について
    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3654

    36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
    理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな

    22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
    以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。

    46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね

    52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
    一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑

    89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
    noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ

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hymki8il

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進撃×スター・ウォーズ ~新たなる希望~ シリーズ

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