ssnote

x

新規登録する

作品にスターを付けるにはユーザー登録が必要です! 今ならすぐに登録可能!

このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

アルミン「エピソードⅢ」 エレン「シスの復讐」 ④ 進撃×スター・ウォーズ

    • Good
    • 3

loupe をクリックすると、その人の書き込みとそれに関連した書き込みだけが表示されます。

▼一番下へ

表示を元に戻す

  1. 1 : : 2015/11/03(火) 07:04:49













    夕闇に呑まれていくジェダイ聖堂。

















    その中の一室、ジェダイ評議会が開かれる部屋の片隅で、エレンは部屋の窓からコルサントの摩天楼を眺めていた。



    乱立するビルの数々・・・・・・その奥のほうにある、ヒストリアのアパートを、見つめていた。














    (分かっているだろうな? 私が死ねば、ヒストリアを救う道は閉ざされる・・・・・・。)












    頭の中に、最高議長の声が響いてきた。












    俺は・・・・・・前に一度、失敗している。



    予知夢を見ていたのに、その意味を理解できず、俺は・・・・・・母さんを見殺しにしてしまった。
    愛していた母さんの死を、この目で見てしまった。












    ・・・・・・そうだ。














    俺はもう、失敗は出来ないんだ。













    守るんだ・・・・・・ヒストリアを。




























    「エレンくん・・・・・・あなたに話があるの・・・・・・・・・・・・エレン?」



    ペトラが評議会の部屋に入った時、エレンは既に姿を消していた。









    エレンは走り出した。
    ヒストリアを・・・・・・死の運命から、救うために。










  2. 2 : : 2015/11/03(火) 07:05:57




































  3. 3 : : 2015/11/03(火) 07:06:27











    日がすっかり暮れたプライベートオフィスの椅子に座っている暗黒卿は、感じ取っていた。


    ____________四人のジェダイが自分のところにやってくることを。











    パルパティーンのプライベートオフィスには、シストロスの像が飾られている。
    この像は非常に重いニューラニウム金属で出来ているが、もしここに精密な測定器を持ち込むものがあれば、その像の中に空洞があるのを発見できただろう。



    ※シストロス
    http://www.starwars.jp/wiki/images/7/74/Sisros_Statue.jpg








    暗黒卿はフォースを使い、その空洞の中に隠されている銀色の筒に触れた。
    まるで確かめるようにその筒に触れると、スイッチを押してそれを起動させた。







    ビュウウンッ!

    像の中から、赤い光刃が飛び出す。




    暗黒卿は自らのライトセイバーをそこからフォースで手元に呼び寄せると、袖の中へとしまい込んだ。













    ゴオオオオ・・・・・・

    扉が開き、リヴァイたちがプライベートオフィスに乗り込んできた。








  4. 4 : : 2015/11/03(火) 07:07:09











    パルパティーンはいつもの柔らかい物腰で対応した。


    「やあ、マスター・リヴァイ。グリーヴァス将軍を駆逐したようだね・・・・・・・・・・・・思ったよりも早いご到着だ。」










    それに対し、リヴァイは決然とした目で最高議長をねめつけると、ライトセイバーを取り出して断罪した。


    「銀河共和国元老院の名において、テメエを逮捕する。最高議長。」






    ビュウウンッ!

    リヴァイが紫、エルドとオルオが緑、グンタが青の光刃を起動して、最高議長に詰め寄る。









    すると、最高議長は低く唸るような声で尋ねた。







    「私を脅迫しているのかね、ジェダイ・マスター?」

    「元老院が裁きを下す。」

    「元老院はこの私だ!」

    「もう違う!」








    リヴァイとの短いやり取りの後、ゆっくりと立ちあがる議長。


    「では、これは反逆だ。」









  5. 5 : : 2015/11/03(火) 07:08:11










    突然、赤い光が向こうから跳んできた。












    赤の光刃が床をうった時、グンタの首は転がっていた。





    「!! グンタ!!」


    エルドが驚いて、思わず声をあげる。





    次の瞬間には青い光刃が揺らめいて消えた。
    仰向けに倒れたオルオの額には小さな穴が開けられていた。











    「茶番はこれくらいでよかろう。」


    暗黒卿はこれまで隠してきた憎しみをぶつけるかのごとく、赤い光刃を縦横無尽に振り回した。




    ※パルパティーン最高議長
    http://ukeuristarwars.main.jp/wp-content/uploads/2014/10/very_nasty.png









    「どれほど・・・・・・この時を待っていたことか!」


    圧倒的な機動力で暗黒卿はエルドとリヴァイに襲い掛かった。








    「ちっ!」


    リヴァイとエルドが連携し、議長を挟み撃ちにする。







    「なっ?!」


    だが、議長は攻撃を赤い光刃で防いだ後、飛び跳ねて彼らの攻撃を躱し、エルドの背後を取った。








    ザシュッ!

    「がはぁッ!!」



    議長の鋭い一撃がエルドの腹部を一文字に斬り裂き、彼は即座に絶命した。
    そのまま議長は残るリヴァイに襲い掛かった。








  6. 6 : : 2015/11/03(火) 07:09:41









    __________パルパティーンはフォーム4、アタロの卓越した使い手であった。


    フォースによって自らの身体能力を極限にまで高め、とても人間とは思えぬほどアクロバティックな一撃を立て続けにリヴァイに浴びせた。








    対してリヴァイはフォーム7、ヴァーパッドで迎え撃った。


    ヴァーパッドはサラピンの月にいる獰猛な生物から名前を取ったフォームであり、複数の角で同時に攻撃するがごとく、攻撃に特化していた。
    即ち、防御を棄てて攻撃のみに身を捧げた究極のフォームであり、ダークサイドに危険なほど近づくフォームである。そして、これを制御しえたのはリヴァイただ一人であった。










    激しい斬り合いのまにまに、息つまるような鍔迫り合い。





    「あっはっはっはっはっ!」


    嘲るような議長の笑い声。
    殺気の籠ったリヴァイ鋭い視線。




    ___________リヴァイはこの戦いにおいて怒りを解放し、パルパティーンはその狂気を解き放った。









  7. 7 : : 2015/11/03(火) 07:24:19















    エレンが議長のオフィスに駆け込むと、既にジェダイの遺体が転がっていた。
    マスター・グンタの首が転がり、マスター・オルオは額を貫かれ、マスター・エルドは腹を切り裂かれて息絶えている・・・・・・。














    部屋の奥、トランスパリスチール製の巨大な窓の近くで、リヴァイとパルパティーンは刃を交えていた。








    「はあぁあぁッ!!」


    畳みかけるように攻勢に出るリヴァイに、議長は次第に押され始めていた。
    同時に何本もの紫の刃が出現したかのように、あらゆる角度から鋭い突きや斬撃を喰らわせていく。



    それを受け止めているのが・・・・・・
    あの速すぎてよく見えない影のようなものが・・・・・・パルパティーンなのか?









    ガシャアァアァンッ!!


    リヴァイの光刃が窓を突き破り、巨大な窓は粉々になった。
    強烈なビル風が吹き付けるなか、二人は殺気漲らせ、窓の淵で激しい剣戟となった。


    戦っているうちに、リヴァイはパルパティーンの感情に気が付き始めた。






    (こいつは・・・・・・何かを恐れている?)






    議長は何かを・・・・・・明らかに恐れていた。







    ___________決着をつけるなら、今だ。










    リヴァイは爆発するような激しい感情をライトセイバーに注ぎ込み、それを怒涛の攻撃へと昇華した。


    紫のライトセイバーを逆手に持ち替え、一瞬のうちに幾度となく赤の光刃に衝突、底いなき闇を照らし出すかのように激しい火花を散らし、そして・・・・・・・・・・・・







    シャキッ!!

    「なっ!?」


    リヴァイの正確な一撃は、パルパティーンのライトセイバーを両断した。







    驚いて体勢を崩した最高議長の顔面を、リヴァイは蹴り飛ばした。





    「ぐふっ!」


    後ろに倒れたパルパティーンに剣の切先を突きつけ、リヴァイは遂に暗黒卿を巨大な窓際まで追い詰めた。











  8. 8 : : 2015/11/03(火) 14:43:08








    「大したもんだが、テメエはシスだ。テメエを逮捕する・・・・・・シス閣下。」


    暗黒卿を睨みつけながら、リヴァイは剣の切先を喉元に突き付けて詰め寄った。








    「エ、エレン・・・・・・来てくれたのか!?」


    すると、暗黒卿はすがるような目でエレンを見つめた。







    ___________二人の戦いを、呆然と立ち尽くしてみていたエレンを。








    「見るんだ、エレン。私の思った通りだ! ジェダイの反逆だッ!」

    「ちっ、これ以上喚くな、クソ野郎。戦いに恐れを抱いていた時点でテメエの負けだ。」







    「くくっ、くっくっくっくっく・・・・・・。」


    突然、暗黒卿は笑い始めた。
    とても不気味な声で、笑い始めた。







    「何がおかしい?」

    「愚か者め・・・・・・この恐れが、私のものだと思うのかッ!!」








    そう言うと、議長は両手を突き出した。






    バチィッ!!


    次の瞬間、猛烈な勢いの電流が議長の両手から放たれた。








    「ぐっ!!」


    あまりにも不意に、あまりにも破壊的な勢いで放たれた電流。
    リヴァイは何とかライトセイバーで防いだ。







    「エレンッ! こいつは・・・・・・反逆者だッ!!」

    「こいつ、こそが、反逆者だッ!!」







    パルパティーンとリヴァイが交互にののしり合い、破壊的な電流が二人の間に流れ続ける。
    リヴァイは渾身の力で電流を逸らし、それを、議長へと向けた。


    自信の電流によって、議長の顔がみるみる崩れ、醜悪になっていく。







    「私は・・・・・・お前の・・・・・・愛しい妻を、救えるのだぞッ!?」

    「耳を貸すな! エレンッ!!」

    「決断するんだ・・・・・・エレンッ!!」








    電流はますます議長自身の体を蝕んでいく。
    すると、電流の勢いが弱まり始めた。









    「ダメだ・・・・・・力が・・・・・・抜けていく・・・・・・。」


    身体にダメージを負い、顔が青白く、そして醜く崩れ、弱々しい声を上げる議長。








    「エレン・・・・・・助けて・・・・・・助けてくれッ!!」


    そしてついに、議長の手から電流が止まった。
    まるでしなびた老人のように、議長は力なくつぶやいた。








  9. 9 : : 2015/11/03(火) 14:44:17









    「だ、ダメだ・・・・・・もう・・・・・・耐えられん・・・・・・私は・・・・・・弱すぎたのか・・・・・・。」

    「大したクソ野郎だな、シス閣下。もう動くんじゃねえぞ、じゃないと、テメエを上手く削げないからな。」















    ___________ダメだッ!!










    どこからか、叫ぶ声が聞こえた。
    リヴァイは横目で、その声の主を見た。








    「おい、今なんつった? エレン?」

    「裁判所にかけるべきです! マスター・リヴァイ!」

    「エレン! こいつは殺さなければ危険だ!」

    「議長の力が必要なんです!」

    「私情を挟むのもいい加減にしろッ!!」









    そう言うと、リヴァイは刃を振り上げた。
    邪悪なシス・マスターに止めを刺すために。







    「!! や、止めてくれッ!!」


    議長は哀願するように叫んだ。
    構わずリヴァイは刃を振り下ろした。











    「やめろおぉおぉぉッ!!」




    ビュウウンッ!
    ザシュッ!


    「!! ぐああぁあぁぁッ!!」








    刹那。
    起動した青の光刃が煌めき、紫の光刃を持つリヴァイの右腕を切断した。








    「パワアアァァだああぁあぁぁッ!!」


    暗黒卿は叫び、それを防ぐ術を失ったリヴァイに本気の電流を浴びせた。









    「ぐあああぁああぁああぁぁぁああぁぁッ!!」


    邪悪な電流が体を駆け巡り、リヴァイはあまりの激痛に悲鳴を上げた。









    「無限の・・・・・・パワアアァァだああぁあぁぁッ!!」


    暗黒卿から本気の電流を浴びせられ、リヴァイの体は窓の外へと吹き飛ばされた。












    広大な摩天楼の彼方へと、リヴァイの体は、落ちていった・・・・・・。
















  10. 10 : : 2015/11/03(火) 14:59:50



















    ___________俺は、一体、何をした!?











    呆然と呟き、エレンは手からライトセイバーを取り落した。










    やってしまった。
    俺は・・・・・・マスター・リヴァイを、殺してしまった。












    すると、暗黒卿はゆっくりと立ちあがった。
    その容貌は最早先ほどまでの優しい老人といったものではない。


    まるで・・・・・・生きた屍のように青白く、顔は醜い皺に覆われている。
    そして、黄色く変色した目が、俺をゆっくりと見下ろした。



    https://i.ytimg.com/vi/F96ghXk8FXg/maxresdefault.jpg










    「これが・・・・・・お前の運命なのだ、エレン。」


    喉も焼かれたのか、しゃがれた様な声になって、議長はエレンに話しかけた。












    「私の弟子となり、フォースのダークサイドを学ぶのだ。」









    ___________そうだ、俺は・・・・・・。








    エレンは膝を折り、頭を下げた。








    ___________ヒストリアを・・・・・・救うために・・・・・・。









    「あなたに・・・・・・教えを乞うことを・・・・・・誓います。」

    「よろしいっ!!」









    暗黒卿は満足そうな声を上げた。



    議長の頭の中に、13年前――――――――ナブー騒乱の時の記憶が蘇る。


    『今回の事件では大活躍だったね、アルミン・アルレルト。それと、君もだ、エレン・イェーガー。君の将来を楽しみにしているよ。』








    ___________13年も前から待ち望んだ瞬間が、遂に訪れたのだ。


    歓喜に打ち震えながら、議長は言葉を続けた。








    「死を欺く術は、私の師匠のみが身に付けた技だが、力を合わせれば、我々とてその秘密を解き明かせるだろう・・・・・・。」

    「教えにしたがうことを・・・・・・誓います。」

    「良いぞ! 実に良い! お前には強いフォースが付いている! 必ずや無敵のシスとなろう! 今日からは、こう名乗るが良い・・・・・・・・・・・・」
























    「・・・・・・・・・・・・ダース・ヴェイダーとな。」

    「感謝します・・・・・・マスター。」









    ___________この日、俺は、エレン・イェーガーという名前を、捨てた。









    エレンは悪魔に魂を売り、シスの暗黒卿、ダース・ヴェイダーへと転落した。
    もう何年も前から、パルパティーンがそう望んできたように。









  11. 11 : : 2015/11/03(火) 15:23:04








    「立て。」


    シス・マスターは起立を命じ、ヴェイダー卿はゆっくりと立ちあがった。









    ___________実力において優るリヴァイ・アッカーマンを計画通りに(・・・・)葬ったシディアス卿は、次なる策へと移り始めた。









    議長が右手を振ると、隠された天井の仕切りが開き、そこから黒のフードがついたローブが降りてきた。
    ローブを身に纏いながら、パルパティーンはエレンに語り掛けた。








    「ジェダイどもはお前を信用していなかった・・・・・・ゆえに、ジェダイの陰謀を知らないのはお前だけだ。ここでのことが露見すれば我々は殺される。他の元老院議員と共に。」

    「あいつらの狙いは元老院議員です。マスター。」










    「・・・・・・すべてのジェダイは、お前の友人のアルミン・アルレルトも含め、共和国の敵と心得よ。」

    「勿論ですよ、マスター。」

    「・・・・・・急がねばならない。ジェダイは容赦しない。ここで根絶やしにしなければ、終わりなき内戦に突入するだろう。」










    そして、パルパティーンはヴェイダー卿に命じた。







    「まずお前は、ジェダイ聖堂に行け。奴らの不意を突くのだ。すべきことを成せ、ヴェイダー卿。慈悲は無用だ。皆殺しにせよ。そうすればダークサイドの力を得て、ヒストリアを救うことが出来る。」

    「それで、銀河中のジェダイは?」

    「私が対処しておく。お前はジェダイ聖堂のジェダイ抹殺後、ムスタファーへ行け。ガンレイ総督やその他の分離主義者どもを皆殺しにせよ。」











    そう言うと、パルパティーンはフードの中で微笑んだ。


    「再びシスが銀河を支配するときがやってくる! そして・・・・・・真の平和が・・・・・・訪れる。」












    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇










  12. 12 : : 2015/11/03(火) 15:37:52






















    真夜中のジェダイ聖堂。









    その入り口に向かい、シスの暗黒卿に率いられたクローン・トルーパーの大隊が静かに進撃していく。


    http://vignette4.wikia.nocookie.net/starwars/images/e/e7/Knightfall1.png/revision/latest?cb=20130405060614&path-prefix=ja












    アルミンの策略は、完全に裏目に出てしまった。
    いや、最初から、パルパティーンの計算通りだった。



    エレンを弟子にするためには、彼をスパイにするアルミンの策は都合が良かった。
    そして、パルパティーンによって深く不信感を植え付けられたエレンは・・・・・・・・・・・・堕ちた。










    勿論、パルパティーンが網の目のように張り巡らせた策はこれだけではなかった。



    黒のローブを纏い、ダース・ヴェイダーは、聖堂の入り口へと進撃していく。



    ・・・・・・・・・・・・これから起こる、惨劇へ向けて。


















  13. 13 : : 2015/11/03(火) 15:45:58


















    アウター・リムの惑星、ウータパウでは、グリーヴァス将軍が駆逐された後も、ドロイドたちによる抵抗が続いていた。







    コーディ率いるクローン軍は、戦いを優勢に進めていた。
    と、丁度そこへ、ヴァラクティルに乗ったアルミンが戻ってきた。








    「コーディ! 部隊を上層へと上げるんだ! 敵を追い詰めるよ!」

    「はい! アルレルト将軍! あ、それと・・・・・・。」







    コーディは先ほどアルミンが落としてしまったライトセイバーを手渡した。







    「もう落とさないでくださいよ? 今度イェーガー将軍に拗ねられても、私は仲裁に入りませんからね?」

    「はは・・・・・・いつも悪いね。よし、決着をつけようッ!!」

    「はッ!!」








    アルミンはさっそうとヴァラクティルに鞭打ち、縦穴の壁を登りはじめた。




















    ピー ピー ピー


    その時だった。
    コーディに通信が入った。







    通信に出ると、コーディの手のひらに、フードつきのローブを纏った男の幻影が現れた。


    『コマンダー・コーディ・・・・・・時は来た。』















    第4話


    “オーダー66”を実行せよ。










  14. 14 : : 2015/11/03(火) 19:50:32










    「かしこまりました、閣下。」



    通信を切った後、コーディは心の中で毒づいた。







    ___________全く、もっと早くこの通信が来れば、ライトセイバーを渡すことなんてなかったのに。






    ヴァラクティルに乗って壁をよじ登っていくアルレルト将軍。
    彼に、AT-TEウォーカーの砲台が向けられた。







    「撃てッ!!」


    コーディが叫び、ヘビーレーザーが放たれた。








    ドゴオォオォォンッ!!


    「なッ!?」






    砲弾はヴァラクティルの目の前に着弾、激しい閃光に目がくらみ、耳が聾する。


    そして・・・・・・







    「うわあぁあぁあぁぁぁッ!!」



    ヴァラクティルはそのままバランスを崩し、乗っていたアルミンはウータパウの巨大な縦穴の奥底へと落下していった・・・・・・。








    ◇◇◇◇◇








    インター・ギャラクティック銀行グループの財布惑星、マイギートーでは、戦場の灰が舞う中を、ミケがクローンを率いて進撃していた。



    ※マイギートー
    http://vignette2.wikia.nocookie.net/starwars/images/f/fe/Mygeeto_bridge_battle.png/revision/latest?cb=20130215035135







    「よし、俺に続けッ!!」



    ブリッジの上に展開するドロイドの軍に向かって、ミケは走り出した。
    後ろからクローンたちも銃を携え、勇敢に戦っていた。



    しかし・・・・・・









    「・・・・・・ん?」



    クローンたちが突然進撃を止め、驚いたミケが振り返ると、クローンたちがミケに向かって発砲してきた。
    咄嗟にミケは光刃を振るい、レーザーの攻撃を弾こうとした。








    「ぐあぁっ!!」



    だが、抵抗も虚しく、胸を何発も、続いて背中を撃たれてミケ・ザカリアスは銃殺された。









    ◇◇◇◇◇









    菌類の繁栄する惑星フェルーシアでは、ジェダイ・ナイト、ナナバがコマース・ギルドの施設を調査するためにクローンの軍を率いて進軍していた。



    ※フェルーシア
    http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-8e-33/s_arakinskywalker/folder/1000423/14/32659614/img_0







    突然、背後のクローン・トルーパーたちが銃を構えたのを感じ取り、ナナバは前方を警戒した。
    まさかそれが・・・・・・自分に向けられているとも思わずに・・・・・・。









    バシュウッ!


    不意を突かれたナナバは、そのままクローン・トルーパーたちに滅多撃ちにされた。
    原型が分からなくなるほどに・・・・・・。








    ◇◇◇◇◇








    ゴトンッ・・・・・・


    頭痛に襲われ、キャッシークにいたヨーダが杖を取り落した。
    ヨーダはそのまま頭に手を当て、フラッと膝をついた・・・・・・。







    ___________何かが起こっている・・・・・・。


    銀河中のあちこちで・・・・・・悲鳴が聞こえる・・・・・・。







    耳を塞いでも流れ込んでくる悲鳴に、耐えきれないようにヨーダは頭を抱えた。








    ◇◇◇◇◇









  15. 15 : : 2015/11/04(水) 12:17:56











    通商連合の支配下にあったケイト・ニモーディアでは、プロ・クーンがジェダイ・スターファイターに乗って、戦火の静まった空中都市をパトロールしていた。



    ※ケイト・ニモーディア
    http://beagle-voyage.com/wp-content/uploads/2014/01/enhanced-buzz-20362-1390572435-22.jpg








    すると、後続する二機のARC-170スターファイターのパイロットに通信が入った。







    『“オーダー66”を実行せよ。』

    「はい、閣下。」








    ケニー・アッカーマンのクローンたちは操縦桿の引き金を容赦なく引いた。









    ドゴォン!


    クローンたちの放った光弾が、クーンのスターファイターに直撃した。
    スターファイターは制御を失い、そのままくるくると回転しながら墜落。






    空中都市に突っ込んで爆発、炎上した。









    ◇◇◇◇◇








    クローン大戦屈指の激戦地であり、アルレルト将軍の指揮で陥落させたサルーカマイでは、ジェダイ・ナイト、ゲルガーがスピーダーバイクに乗り、後ろに二人のクローン・トルーパーを引き連れて巡回を行っていた。



    ※サルーカマイ
    http://www.starwars.jp/databank/event/image/saleucami_2.jpg










    『“オーダー66”を実行せよ。』







    クローン・トルーパーのヘルメットに備え付けられたコムリンクに通信が入り、ケニーのクローンは先行するゲルガーに火を噴いた。








    ドゴオォオンッ!


    レーザーに撃たれたスピーダーバイクは爆発し、勢いよく投げ出されたゲルガーは即死した。










    ◇◇◇◇◇













    ___________クローン・トルーパーたちには、その初期段階に、遺伝子レベルで刻まれた秘密の命令が存在した。






    パルパティーンはティラナスことザックレー伯爵に命じ、密かにケニーのクローンからなるクローン・トルーパーを作らせた。
    そして、共和国の法を改正することで、パルパティーンはその軍を直接指揮下に置いた。






    こうして完成したクローン・トルーパーたちは忠実に命令をこなす、まさに理想的な駒であった。
    疑問を抱かずに命令を実行するために悪意はなく、その為にジェダイでさえその殺気に気が付きにくかった。













    遂に命令が下った時、銀河中に散ったケニーのクローンたちは疑いもせずに命令に従った。



    銃の標準を合わせられた。
    大砲を向けさせられた。
    そして、引き金を引かされた・・・・・・。













    銀河中でレーザーが火を噴き、大砲が咆哮し、怒号や悲鳴が上がって、散っていった・・・・・・。














    『“オーダー66”を実行せよ。』








    その命令は、キャッシーク、コマンダー・グリーの手元にも届いた。






    「了解しました、閣下。」



    グリーは手元のホログラムを消すと、もう一人のクローン・トルーパーと示し合わせ、銃を構え・・・・・・・・・・・・








    ビュウウンッ!

    「はあッ!!」



    ヨーダは光刃を抜いて跳躍し、即座に二人の首を刎ねた。









    異変を感じ取っていたヨーダは、何とか殺されることは免れた。
    ターフルともう一人のウーキーはヨーダを逃がすため、ヨーダを肩車して密かに移動し始めた。










    ◇◇◇◇◇











  16. 16 : : 2015/11/04(水) 12:34:21













    コルサント、ジェダイ聖堂










    聖堂の内部では、ヴェイダー卿が直々に、“ナイトフォール作戦”の指揮を執った。










    「エレンくん・・・・・・どう・・・・・・して・・・・・・・・・・・・?」



    青い光刃に胸を貫かれ、ペトラ・ラルはライトセイバーを取り落とし、ゆっくりと床にくずおれて、そのまま動かなくなった。









    聖堂にいたジェダイたちは勇敢に戦った。
    一人一人のジェダイが最善を尽くして、多くの敵を倒した。


    しかし、その努力もむなしく、或は撃たれて殺され、或は柱の下敷きになり、或はヴェイダー卿の光刃にかかって殺された。









    それからヴェイダー卿は、ジェダイ評議会が開かれる間へと入っていった。













    椅子の後ろから、幼い子供たちが出てくる。
    ヨーダが初期のガイダンスを与えている、ベア・クランの子供たち・・・・・・。






    「マスター・イェーガー・・・・・・敵は大勢です。僕たちはどうすれば・・・・・・。」







    ヴェイダー卿は質問には答えず、青く光る刃を起動させた。



















    ・・・・・・・・・・・・幼い子供たちの悲鳴が上がり、やがて、静かになった。


















    ___________ジェダイ聖堂、炎上。













    聖堂からは赤々とした火柱が上がり、闇に沈んだ周囲を照らし出した。
    二万五千年もの間、共和国を守護してきたジェダイ・オーダーは、たった一晩で・・・・・・ほとんど壊滅した。











  17. 17 : : 2015/11/04(水) 13:22:08















    炎上する様子は、遠く離れたヒストリアのアパートからも見ることが出来た。











    ヒストリアを案じたC-3POが彼女を励まそうと、こんな言葉をかけた。



    「エレン様は無事に聖堂に戻られたとのことです。大丈夫ですよ、きっと。」














    エレンの子供を身籠ったヒストリアは、右手を顔に当てて静かに、泣き崩れた。











    ◇◇◇◇◇










    炎上するジェダイ聖堂を見て、ナイル議員はスピーダーを走らせ、ジェダイ聖堂のプラットフォームに着陸した。



    ※ナイル議員のスピーダー
    http://www.starwars.jp/wiki/images/3/31/XJ-2_airspeeder.jpg









    議員がスピーダーを降りると、数人のクローン・トルーパーたちが出てきた。







    「一体何が起こったんだッ!?」

    「反乱です! でもご安心を! すでに鎮圧しました!」







    猶もナイルはプラットフォームから聖堂の中に入ろうとすると、トルーパーたちに銃を突き付けられた。



    「申し訳ありませんが、お引き取り下さい。」










    銃を向けられたナイルは、しぶしぶ“分かった。”といって引き下がろうとした。
    その時だった。













    ビュウウンッ!


    「!! 撃てッ!!」






    ライトセイバーの起動音が聞こえ、クローン・トルーパーたちが叫んだ。








    10歳をようやく過ぎたばかりの少年が、脱出を果たそうとプラットフォームに飛び出したのだ。
    少年はレーザーを跳ね返し、何人かのクローン・トルーパーを斬って捨てた。



    対して、クローン・トルーパーが集まりだし、少年に集中砲火を浴びせていく。
    そして・・・・・・






    「あぁッ!!」


    胸に数発の銃弾を浴びて、少年は絶命した。








    「止めろぉおおぉぉぉッ!!」



    ナイルは咄嗟に叫んだが、少年は既に息絶えていた。
    すると今度は目撃者であるナイルを殺そうと、クローン・トルーパーたちが銃を撃ってきた。








    「ぐっ!!」



    ナイルは必死になってスピーダーに飛び込み、震える体を叱咤して何とか操縦桿を掴むと、スピーダーを急発進させた。










    「構うな、放って置け。」



    彼はジェダイではなかったため、粛清の対象からは外された・・・・・・。













    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇












  18. 18 : : 2015/11/04(水) 14:50:34


















    ブクブク・・・・・・









    バシャアッ!!


    「ゲホッ!! ゲホッ!!」








    ウータパウの巨大な縦穴の底は、黒々とした水を湛えていた。
    アルミンは水の中に墜落し、奇跡的に一命をとりとめていた。







    そうでなければ・・・・・・私は助からなかった・・・・・・。










    ___________信頼していたコーディに裏切られ、私は襲撃された・・・・・・。







    一体何が起こっているんだ?
    何かとても・・・・・・嫌な予感がする。








    ・・・・・・・・・・・・とにかく、この惑星からは逃れなければ。



    アルミンは密かに水の中を泳いでいき、巨大な縦穴の絶壁に辿り着くと、崖にしがみついてゆっくりと登りはじめた。









    ◇◇◇◇◇










    日が沈み、双子の三日月がかかるキャッシークでは、共和国の偵察部隊がAT-RTウォーカーに乗って偵察をしていた。



    ※AT-RTウォーカー
    http://www.starwars.jp/wiki/images/8/8c/AT-RT_at_Kashyyyk.jpg








    偵察機は墜落したフラッタークラフトを照らし出した。
    そこには、息絶えたウーキーたちの遺体が転がっている――――――――オーダー66が発令されて以降、クローン・トルーパーの部隊は侵略軍と相成った。そして、ウーキーたちを虐殺するという暴挙に出たのである。






    「皆死んでる。東を探すぞ。」

    「了解。」






    偵察機は音を立てて、東へと移動し始めた。





















    粛清から逃れた二人のウーキーと一人のグランド・マスターは、茂みの中に隠されたポッドを起動させていた。
    ウーキーたちは最悪の事態を想定して、こういった脱出ポッドを用意していた。



    ※ウーキーの脱出ポッド
    http://www.starwars.jp/wiki/images/8/87/Wookpod.jpg









    ポッドに乗る直前、ヨーダは振り返ってウーキーたちと最後の挨拶を交わした。








    「さらばじゃ、ターフル。それに・・・・・・・・・・・・チューバッカ。」









    チューバッカは寂しそうに唸り声を上げた。
    後に数奇な運命をたどって、とある密輸業者の相棒となるこのウーキーは、ヨーダと最後の別れを告げた。










    ボシュウウゥウゥッ・・・・・・


    小さな脱出ポッドが点火し、満天の星空へと消えていく・・・・・・。










    ターフルとチューバッカは寂しそうに唸り声をあげ、小さくなっていくポッドをいつまでも見つめていた。











    ◇◇◇◇◇











  19. 19 : : 2015/11/04(水) 15:29:01










    コルサントの元老院プラットフォームから、一艘の船。
    ナイル議員の旗艦であるコレリアン・コルヴェット<サンダード・ハート>が発進した。



    ※サンダード・ハート
    http://www.starwars.jp/wiki/images/6/6a/SunderedHeart.jpg







    「いいか、マルロ! ヒッチ! 一人でも多くのジェダイを救出する! 通信があれば私に知らせるんだ!」

    「「はッ!!」」








    ___________私が甘かった。







    もう共和国は死にきってしまった。
    話し合いなどと悠長なことを言っている場合ではなかったのだ。






    ナイルは拳を握りしめ、操舵室に入ると、まずは行先をキャッシークへと定めた。
    生き残っている可能性が最も高いジェダイの元へ、ナイルは船を走らせた。









    ◇◇◇◇◇







    「アルミン・アルレルトは死んだのか!?」

    「いや、死体はまだ確認できていない!」

    「探し出せッ!」







    アルミンの率いていたクローン・トルーパーの一個連隊は、例に漏れず侵略軍となってウータパウを制圧した。
    そして、まだ遺体の確認できないアルミンを探すことに躍起になっていた。







    潜入の得意なアルミンは、気配を殺して物陰に潜んでいた。








    見つからないように移動すること数時間。
    アルミンは漸く目的地に辿り着いた。



    そこにはグロイヴァスの残骸と、彼の船であるソウルレス・ワンが放置されたままだった。









    アルミンは将軍の残骸には目もくれずに、ソウルレス・ワンに乗り込むと、急いでエンジンを起動して宇宙空間へと飛び出した。









  20. 20 : : 2015/11/04(水) 15:29:45











    さて、ウータパウからの脱出を果たしたアルミンは緊急コードを使って通信を試みた。



    「緊急コード9-13。こちらアルミン・アルレルト。応答せよ!」













    何度も何度も通信を試みた。
    でも、反応がなかった・・・・・・。












    ・・・・・・・・・・・・私だけが襲撃されたとは考えにくい。


    もしかすると、私は銀河で最後のジェダイになってしまったのかもしれない・・・・・・。









    私は、パルパティーンを逮捕する策略が失敗に終わったことを感じていた。
    それは私の中で、エレンが死んでしまったことを意味していた。










    ・・・・・・・・・・・・かけがえのない家族であるエレンが、死んだ・・・・・・。










    重く圧し掛かる悲しみに押しつぶされそうになっていると、私の目の前にホログラムが映し出された。








    「・・・・・・・・・・・・ルト将軍。」

    「!! もう一度!」

    「アルレルト将軍!」








    ナイル・アッカーマン元老院議員だった。
    一縷の希望にすがる思いで、アルミンは通信を続けた。







    「ナイル議員・・・・・・クローン・トルーパーたちが反乱を起こしました。」

    「分かっています! マスター・ヨーダは救出しました! こちらの座標を送りますから、合流しましょう!」










    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇










  21. 21 : : 2015/11/05(木) 06:37:38









    「・・・・・・・・・・・・エレンッ!?」



    バルコニーに横付けされた緑色のジェダイ・インターセプターから出てきたエレンを見て、ヒストリアは思わずエレンに抱き付いた。










    「無事だったのねッ!」

    「ああ、俺はこの通りだ!」








    私を抱きしめてくれるエレンの腕は、暖かくて、
    私はほっとして、いつの間にか涙を流していた。








    「はは・・・・・・泣き虫なんだな、お前。」

    「私・・・・・・ジェダイ聖堂が燃えているのを、見て・・・・・・不安で・・・・・・。」

    「大丈夫だ・・・・・・ヒストリア・・・・・・ジェダイ聖堂での反乱はもう収まったからよ。」






















    ___________えっ?









    「どういうことなの? エレン?」

    「ジェダイが共和国を転覆させようと企んだ。」

    「そんな・・・・・・。」

    「俺だって信じたくなかった・・・・・・でも、見ちまったんだよ。マスター・リヴァイは議長を殺そうとした。」

    「!! あなたはどうなるの?」









    すると、エレンは後ろを向いた。



    ___________ねぇ、気付いてる?










    あなたは嘘を付くとき、耳が赤くなるのよ?











    「・・・・・・・・・・・・俺は共和国を裏切れない。俺は議長に、元老院に、そしてお前に・・・・・・忠誠を誓う。」

    「アルミンはどうなの? 親友でしょ?」

    「・・・・・・分からない。多くのジェダイが死んだからな。」










    ___________エレン。




    本当は一体・・・・・・・・・・・・何があったの?









    「エレン・・・・・・私、怖いわ。」

    「心配すんな、ヒストリア。もうすぐことは終わるからな。俺はこれから重要な任務がある。分離主義者がムスタファーに集結してる。戦争を・・・・・・俺が終わらせる。」










    「R2・・・・・・エレン様のことを頼んだぞ。ストレスが溜まっているみたいだからね。」



    C-3POはエレンのインターセプターに乗るR2-D2に声をかけた。









    「あと、君も気を付けるんだ。」









    C-3POがR2に別れを告げた後、エレンはインターセプターに乗り込んだ。









    任務を帯びたエレンがインターセプターに乗って去っていくのを、ヒストリアは静かに見つめていた。
    彼女の異変を察したのか、C-3POが声をかけてきた。







    「ヒストリア様、私に何かできることは?」

    「何もないわ、3PO。」










    ヒストリアはそう言うと、静かに寝室へと入っていった。












    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇










  22. 22 : : 2015/11/05(木) 07:03:50










    アルミンの乗ったソウルレス・ワンは、宇宙空間に浮かぶサンダード・ハートにようやく辿り着いた。
    サンダード・ハートの下のハッチが開き、ソウルレス・ワンはその中にゆっくりと入っていった。







    「ご無事でしたか、マスター・ヨーダ。」

    「うむ、そなたものう、マスター・アルレルト。」








    アルミンが船を降りると、ヨーダとナイルが出迎えてくれた。



    ___________正直に言うと、生き残ったのが私だけじゃないと実感できて、心の底からホッとするのを禁じえなかった。










    「私たちのほかに生き残ったジェダイは?」

    「連絡は・・・・・・ないのう。」

    「ジェダイ聖堂に数千のクローン・トルーパーたちが襲撃をかけたのです。だから私は、ヨーダの元へと向かったのです。」

    「!!」







    ナイルの言葉に、私は思わず動揺した。
    となれば当然、パルパティーン最高議長逮捕の策略は失敗したことになる。


    ・・・・・・漠然と感じていたことではあったが、こうして事実となると、再び胸の上に重く圧し掛かってきた。







    「・・・・・・ジェダイ聖堂から連絡は?」

    「うむ・・・・・・“戦争は終結した。全員帰還せよ”というメッセージを受け取ったわ。」

    「!! これは・・・・・・罠だ! マスター・ヨーダ・・・・・・我々はジェダイ聖堂に潜入しましょう。」

    「・・・・・・コード・シグナルを止めるということじゃな?」

    「はい・・・・・・それに・・・・・・・・・・・・」











    ___________聖堂にはエレンのほかに、最強の戦士であるリヴァイ、エルド、グンタ、オルオがいた。




    彼らが止められないほど、暗黒卿は強大だったのだろうか。
    それとも・・・・・・









    「私は知りたいんです。何があったのかを・・・・・・。」











  23. 23 : : 2015/11/05(木) 07:04:08





































  24. 24 : : 2015/11/05(木) 07:04:36














    ムスタファー。










    まだ生まれたばかりの、活火山の噴火激しい炎の惑星。
    二つの巨星<ジェストファッド>と<レフラーニ>によって引き裂かれようとしている惑星。



    そして・・・・・・










    “英雄”と“英雄”が雌雄を決する戦いの舞台となる、運命の惑星。










    ※ムスタファー
    http://vignette2.wikia.nocookie.net/ru.starwars/images/7/77/Jestefad.png/revision/latest?cb=20150521015802
    http://vignette2.wikia.nocookie.net/starwars/images/4/4a/Lava_Rivers.png/revision/latest?cb=20140321174433











    激しく流れる炎の水、空気は灰に覆われ、すさまじい熱気に包まれたこの惑星を流れる溶岩の大河。
    その絶壁の上に、クレガー社の採掘施設は存在した。



    ※クレガー社採鉱施設
    http://www.starwars.jp/wiki/images/f/f4/Complex_Approach.jpg









    この施設は分離主義者たちにとって、最後の砦とも呼べる場所であった。



    激しい火山活動から守るために、施設は常に青い防護シールドによって覆われ、
    施設を守るための、キノコ状の砲台が至る所に設置されている。






    ここはまさに、最強の堅固さを誇る砦だった。











    施設の内部、作戦司令室では、テーブル上のホログラム装置を前に、ガンレイ総督を初めとする独立星系連合の幹部たちが勢ぞろいしていた。



    ※作戦司令室
    http://www.starwars.jp/wiki/images/e/eb/SeparatistCouncilWarRoom.jpg







    すると、ホログラム装置にフードを被った青い幻影が映し出された。
    ガンレイ総督は幻影に対し、恭しく頭を下げた。








    「シディアス卿。ご命令どうりに計画は完了しました。」

    『よくやってくれた、総督。私の新しい弟子であるダース・ヴェイダーが間もなく到着し、君たちに礼を言ってくれるだろう。』








    そう言うと、暗黒卿のホログラムは消えた。













    ___________強欲な幹部たちは、約束された褒美がもたらされるのを心待ちにしていた。



    これから彼らに待ち受ける、残酷な運命も知らずに・・・・・・。











    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇










  25. 25 : : 2015/11/05(木) 07:47:22












    アルミンとヨーダを救助したサンダード・ハートは、再びコルサントへと戻ってきた。
    コルサントの軌道上で、サンダード・ハートは通信を受けた。







    「!! 議長のオフィスからです。」


    ヒッチがそう言うと、周りの空気が一気に張り詰めた。









    「ヒッチ、メッセージを受け取ってくれ。」

    「了解しました。」









    すると、目の前のディスプレイに、副議長であるマス・アメダの姿が映された。







    「ナイル議員、最高議長が緊急集会への貴殿の出席を求めています。」

    「伺いましょう。」

    「お待ちしております。」








    簡単な挨拶だけで、通信は切れた。







    「これは・・・・・・・・・・・・罠でしょうか?」

    「いえ、いくら最高議長でも元老院がなければ何千という星系は支配できません。その可能性は低いと思います。」







    ___________では、一体何のための集会なのだろうか?



    アルミンは一瞬そう思ったが、言葉にするのは止めた。
    それはこちらにとっても都合が良かったからだ。










    「ふむ、元老院で緊急集会が開かれるのであれば、わしらがジェダイ聖堂に潜入するのも容易かろう。」



    私とヨーダはこのチャンスを生かし、聖堂へ潜入する準備を始めた。










    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇










  26. 26 : : 2015/11/05(木) 07:50:00












    溶岩煮え滾るムスタファーに、一隻のスターファイターが近づいてきた。












    そのスターファイターは強固に築かれた採鉱施設の防衛網を通過する暗号を持っていたために、無傷でその施設のプラットフォームに着陸した。
    そのスターファイターのコクピットが開き、中から黒いフードを被った男が現れた。



    スイッチを押して機体からR2を射出し、R2は主人の後をついて行こうとした。










    「お前はここに残れ。」



    その男はそう命ずると、足早に施設の中に入っていった。









    ___________お前は俺の相棒じゃないのかよ?









    苛立ったような電子音を立てるR2を置き去りにして・・・・・・。
































    作戦司令室に、静かにフードを被った男が入ってきた。










    到着を待ちわびたように、ガンレイ総督はその男に声をかけた。



    「ようこそヴェイダー卿。お待ちしておりました。」
















    プシュウウウウ・・・・・・


    突然、ドアというドアがひとりでに閉まり始めた。
    ヴェイダー卿がフォースを使って、すべての出入り口を封鎖したのだ。








    「ヴェイダー卿!? これは一体!?」



    気の動転したガンレイがヴェイダー卿に問いただした。











    ビュウウンッ!


    ヴェイダー卿は何も言わず、青い光刃を起動した。








    ◇◇◇◇◇









    煙を上げるジェダイ聖堂。









    その入り口では見張りのクローン・トルーパーたちを斬り倒していく青と緑の光があった。








    ヨーダは圧倒的な機動力で敵を斬り裂き、
    アルミンは堅牢な防御力でレーザーを跳ね返し、


    聖堂にいたクローン・トルーパーたちを全員駆逐しおおせた。










    二人は堂々と、聖堂の中へと潜入していった。










    ◇◇◇◇◇









  27. 27 : : 2015/11/05(木) 07:51:36










    同刻。
    元老院ロタンダ、大会議場。










    「ジェダイの反乱は、抑えることが出来た。」


    しゃがれた議長の声が、元老院ロタンダに響き渡る。









    元老院ではいよいよ、議長による緊急集会が始まっていた。
    ナイルはナブー代表団のリパルサー・ポッドに乗り込み、ヒストリアやユミル、ハンジ、ジャー・ジャーと合流した。









    「一体何が起こっているんだ?」

    「ジェダイが共和国の転覆を謀ったと、最高議長が演説をしているところよ。」









    ヒストリアが力なくそういうのを聞いたナイルは、最高議長の演壇を見た。
    そこには、変わり果てた姿の最高議長が、真紅のローブを纏い、しゃがれた声でジェダイを糾弾していた。



    http://vignette3.wikia.nocookie.net/starwars/images/f/ff/Declaration.png/revision/latest?cb=20130413052301&path-prefix=ja












    「生き残ったジェダイは一人として生かしておけぬ!」


    最高議長が力強い言葉を発するたび、議場は拍手に満ちた。












    ____________ここでもパルパティーンは、アルミンの策を利用した。








    エレンを使ってシス卿を誘き出し、倒すというアルミンの策は、完全に裏目に出た。


    ジェダイが最高議長の暗殺を謀った。
    そのことは、ジェダイが反乱を企てたとして断罪する十分な根拠を与えることとなった。








    つまり、ジェダイの抹殺に正当性を与える結果になってしまったのだ。









    ◇◇◇◇◇










    ジェダイ聖堂へと潜入したアルミンとヨーダの眼前には、信じがたい光景が広がっていた。








    「・・・・・・子供たちまで、殺されている。」







    床に横たわっているのは、まだ年端もいかない子供たちの、無残な遺体であった。
    子供たちの側には、ペトラさんやマダムの遺体もある。









    ____________きっと、子供たちを守ろうとして、殺されたんだ・・・・・・。










    昨日までたくさんのジェダイがいた聖堂。





    沢山笑って、
    沢山泣いて、
    幼いころからの思い出が詰まった聖堂。



    そのすべてが、無残にも破壊され、目の前にあるのは、日頃親しんでいたジェダイたちの死体の山であった。









    「見るのじゃ、マスター、アルレルト。」


    ヨーダもまた、悲しみを滲ませた声でアルミンに話しかけた。








    「この子供たちは・・・・・・ライトセイバーによって殺されておる。」

    「!?」









    よく見ると、ペトラやマダム、子供たちの体には、焼き斬られたような刀傷が見られた。


    こんな傷は、ライトセイバーでなければつかない。
    ・・・・・・つくはずがない!














    「誰が・・・・・・・・・・・・いったい誰がこんなことを!?」









    ◇◇◇◇◇









  28. 28 : : 2015/11/05(木) 07:52:40









    「ぐああぁあぁぁッ!!」
    「いやあぁあぁぁッ!!」



    ヴェイダー卿はムスタファーにて、シディアス卿から与えられた命令を忠実にこなしていた。








    アージェンテを串刺しにし、
    サン・ヒルの腹部を切り裂き、
    ティッキーズの首を刎ね、





    恐怖にあえぎ、
    のたうち回り、
    そして死んでいく独立星系連合の幹部たち。


    エレンの凶刃は、次第に狂気の色を帯び始めていた。









    モットダ・・・・・・
    モット・・・・・・












    ・・・・・・・・・・・・モットコロシタイ!









    ◇◇◇◇◇









    パルパティーンはさらにジェダイを弾劾した。


    「私はジェダイに襲われ、顔に傷を負い・・・・・・醜い姿となった。だがこれだけは言っておく・・・・・・私の決意は、以前にも増して固くなったとな!」








    腐敗した議員連中はのんきに拍手なんか送っている。
    ヒストリアは固唾をのんで議長の発言を注視していた。















    ___________すべてがパルパティーンの思惑通りだった。



    ナブー騒乱で最高議長の座を手に入れ、クローン戦争において非常大権を手に入れた。
    一方でティラナス卿ことザックレー伯爵を操ってクローン軍を準備させ、ジェダイに対する報復手段を整えた。









    ◇◇◇◇◇









  29. 29 : : 2015/11/05(木) 07:54:00








    またパルパティーンは、将来立ちふさがる可能性のある企業、その弱体化をも狙っていた。
    ザックレー伯爵を使い、独立星系連合を作らせて、参加した企業を弱体化させていった。



    ムスタファーにおける分離主義者粛清は、その総仕上げであった。










    「褒美を約束されていたのよ! お願い! だから助けて!!」


    コマース・ギルドの会長、シュ=マーイは膝をつき、両手を合わせて命乞いをしていた。








    「お願い! おね―――――――・・・・・・





    ザシュッ・・・・・・

    ヴェイダー卿は彼女の顔面を縦に斬った。
    手をひねって首輪を外すと、そのまま彼女の頭は半分に割れて、仰向けに倒れた。








    そのままヴェイダー卿はポグル大公を両断し、通商連合の副官、ルーン・ハーコの前に立ちふさがった。


    「いやだ・・・・・・いやだぁ!!」









    恐怖に怯え、後ずさりするハーコを、ヴェイダー卿は容赦なく斬り捨てた。


    「いやあぁあぁぁッ!!」










    虚しい絶叫が採掘施設に響き渡り、残った幹部たちが会議室へと逃げていく。










    ____________無駄なことだ。あの会議室には逃げ道がない。



    文字通り行き止まり(デッド・エンド)だ。











    待っていろ。











    ・・・・・・・・・・・・イッピキノコラズ、コロシテヤル。













    エレンの目は翡翠色から、シスの狂気を映した黄色へと変色していた。








    ◇◇◇◇◇









  30. 30 : : 2015/11/05(木) 07:56:03









    そしてパルパティーンは、遂に究極の野望に向かって進みだした。



    「銀河系の安全のため、恒久的な平和のため、銀河共和国は解体、再編され・・・・・・」
























    「―――――――――――ここに史上初の“銀河帝国”となる!」









    元老院全体がどよめいた。









    「もう我々を苦しめたあの腐敗には戻らない! 正義と秩序とための帝国だ!
    そしてこの帝国は、それに永遠に仕える一人の統治者によって導かれる!
    次の世代のため、そしてその次の、次の次の世代のために!」










    「より安全で、安定した社会の・・・・・・・・・・・・確立だ!!」



    パルパティーンが力強く宣言した後、元老院全体から割れんばかりの拍手が巻き起こった。
    まるで、洗礼の祝福を与えるかのように・・・・・・












    祝福に応えて、パルパティーンは両手をゆくりと天に向かって挙げた。


    最早、パルパティーンを止めるものは・・・・・・いや、
    止められるものはどこにもいなかった。















    「何ということだ・・・・・・。」

    「私たちの、負けだね・・・・・・いや、完敗だよ・・・・・・。」




    目の前で起こったことが信じられない様子で、ナイルとハンジはうなだれた。
    ヒストリアもまた打ちのめされ、力なく呟いた。












    「これで、自由は死んだわ・・・・・・・・・・・・万雷の拍手の中でね。」










    _________二万五千年余り続いた銀河共和国は、こうして崩壊した。









    先人たちが営々と築き上げてきた議会政治は破壊され、人々は喜んで自由を手放した。
    パルパティーンは銀河帝国の“皇帝”となり、独裁者となった。








    ◇◇◇◇◇









    「ぐああぁあぁぁッ!!」


    ワット・ダンパーを刺殺し、大勢の幹部を惨殺したヴェイダー卿は、最後に残ったガンレイ総督と向かい合った。








    「戦いは終わった! シディアス卿は我々に、平和(ピース)を約束された!」

    「甘いな、総督。」









    ヴェイダー卿は光刃を振り上げながら、呟いた。


    「シディアス卿はバラバラ(ピース)にすると約束したんだよ。」










    ザシュッ!

    「ああぁあぁぁッ!!」





    胸を切り裂かれ、ガンレイ総督はまるで糸の切れた操り人形のように床へとくずおれた。















    _____________かくして、シスの復讐は、ここに完遂された。















    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇










  31. 31 : : 2015/11/05(木) 07:57:35











    「ジェダイ聖堂からのシグナルを、“身を隠せ”に変更しました。」

    「うむ、クローンどもがこれに気が付くには時間がかかるはずじゃ。」







    通信室に侵入したアルミンとヨーダはシグナルを改竄し、生き残ったジェダイたちに警告を発した。







    ____________メッセージに気が付いて、何とか逃げて欲しい。


    そう祈りを込めて、アルミンは通信装置のホログラムを閉じた。







    通信を改竄した以上、もうこの部屋に用はなかった。
    アルミンは、しかし、ヨーダが立ち去ろうとすると、“お待ちください。”と呼び止めた。


    アルミンはそのまま、警備用ホログラム装置へと歩き始めた。








    「警備用ホログラムを見るのか? 辛い思いをするだけじゃぞ?」

    「真実を知る必要があるんです。」









    ____________私はこの時、焦燥に駆られていた。








    ジェダイ最強の男であるリヴァイが倒され、ジェダイ聖堂がこうなってしまった以上、エレンが生きている可能性は万に一つもなかった。


    でも、もしかしたら・・・・・・
    もしかしたら・・・・・・








    エレンの遺体は、私が探した範囲では見つからなかった。
    だから、僅かな希望にすがる思いで、私はホログラムのスイッチを入れた。




    その時、私は・・・・・・
    私は・・・・・・








































    自分の目を、抉り取ってしまいたいと思った。
    それでも、この映像は永遠に脳に焼き付いて、生涯私を苦しめるに違いない。







  32. 32 : : 2015/11/05(木) 07:59:10










    そこには・・・・・・





    私の愛弟子、
    親友、いや、
    家族とさえ思っていた男が、次々とジェダイたちを虐殺していく姿が映った。



    マダムが、
    ペトラさんが、
    そして、子供たちが・・・・・・次々と、エレンの刃にかかって、命を奪われていった。












    えっ?
    なんで?
    どうしてッ!?









    今度こそ私は絶望し、押しつぶされて呆然とその場に立ちつくした。









    すると、映像の中に黒いローブを纏った男が現れた。
    エレンは彼に跪き、首を垂れた。


    邪悪なシス・マスターは、新たなシス・アプレンティスに、しゃがれた声で言葉をかけた。











    『よくやった、ヴェイダー卿よ。さあ行け、我らの帝国に平和をもたらすのだ。』













    ・・・・・・震える手で、私はホログラム装置のスイッチを切った。













    ようやく私は理解した。








    この男、パルパティーン最高議長に私たちは・・・・・・嵌められた。


    いや、私たちジェダイだけじゃない。
    銀河中のすべての生命体が、この男一人のために、支配されることとなったのだ。









    そして、私はこれからなすべきことを・・・・・・理解した。
    理解した瞬間、涙が止まらなかった。









    _________どこで間違ってしまったのだろう?








    私は・・・・・・失敗した。



    結果としてジェダイの粛清を許し、銀河共和国は銀河帝国となってしまった。
    挙句にエレンは・・・・・・ダークサイドに堕ちてしまった。











    そんな私の様子を見たヨーダは、しかし、決然として言った。


    「シス卿は、何としても倒さねばならん!」










    私は拳に力を込めた。









    「皇帝を殺します。でも・・・・・・エレンは・・・・・・エレンだけは・・・・・・。」

    「皇帝は恐ろしいほど強い。お主の力では無理じゃ。」

    「家族同然のエレンを私は・・・・・・殺せません・・・・・・。」









    ヨーダは諭すような目で僕を見つめた。
    その瞳は優しげであったが、強い決意を感じさせるものであった。








    「若きイェーガーは歪められたのじゃ。お前が鍛えたエレン・イェーガーは消滅し、ダース・ヴェイダーと化した。」

    「・・・・・・でも私には、エレンがどこに行ったのかは分かりません。」











    ヨーダは歩き出し、一瞬立ち止まって私のほうへ振り返った。



    「お主はもう分かっておるはずじゃ、何をすべきかを・・・・・・のう。」











    多くを語らず、マスター・ヨーダは一言言い残して去っていった。











    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇










  33. 33 : : 2015/11/05(木) 13:03:37











    エレンに関する手掛かりを求めて、私は昼間の摩天楼をスピーダーで通り抜け、密かにヒストリアのアパートを訪ねた。
    ヒストリアは一人、バルコニーで休養を取っていた。







    「ヒストリア・・・・・・エレンが最後に来たのはいつかな?」

    「昨日よ・・・・・・。」

    「どこに行ったのか分かるかい?」

    「いえ・・・・・・。」








    そこに、何かほの暗い感情が萌しているのを私は感じ取った。









    「ヒストリア・・・・・・私は、エレンを救いたいんだ。」

    「シスの暗黒卿から!?」

    「いや・・・・・・エレン自身からだ。」










    私は・・・・・・覚悟を決めて、真実をヒストリアに伝えることにした。









    「ヒストリア・・・・・・エレンは、ダークサイドに堕ちた。」

    「見損なったわ! アルミン! エレンはあなたの親友でしょ!?」










    やはりヒストリアは激怒した。



    そうだ・・・・・・エレンは私の、かけがえのない親友だ。
    でも・・・・・・







    「警備用のホログラムを見てしまったんだ・・・・・・エレンが・・・・・・子供たちまで殺す様子をッ!」



    私は思わず右手で顔を押さえていた。
    声は涙ぐみ、目頭が再び熱くなった。








    「そんな・・・・・・エレンが・・・・・・。」

    「私たちは皆騙されたんだ! すべて議長の陰謀だったんだ、この戦争でさえも! あいつこそ私の探していたシスの暗黒卿だった。」

    「!!」

    「ザックレー伯爵が死んだあと、エレンがあいつの新しい弟子になった。ずっと狙っていたのに、私は気が付かなかったんだ!!」








    最後は感情的になり、耐え切れずに一筋の涙を流した。








    「そんな・・・・・・信じられないわ。」



    ヒストリアはソファーに座り込んだ。
    私もヒストリアの隣に座って、もう一度、ヒストリアに尋ねた。










    「ヒストリア・・・・・・私は、エレンが今どこにいるのかを知りたいんだ。」

























    「・・・・・・・・・・・・そしてエレンを殺すのね?」




    アルミンは私から目を逸らすこともせず、ゆっくりと答えた。









    「エレンは、危険な存在になったんだ。」

    「無理よ・・・・・・・・・・・・私は、言えないわ・・・・・・。」












    今度はヒストリアの瞳から涙が流れた。
    アルミンは何も言わずに立ちあがり、バルコニーに横付けしたスピーダーに乗り込もうとした。


    途中、アルミンは足を止めて振り返った。












    随分前から気が付いていたことを、私は口にした。



    「お腹の子供の父親はエレンだね? 残念だよ・・・・・・本当に・・・・・・。」














    アルミンはそう言うと、スピーダーに乗り込んで摩天楼の中へと消えていった。











    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇











  34. 34 : : 2015/11/05(木) 15:47:09











    ことが終わり、採鉱施設の作戦司令室や会議室は、惨殺された独立星系連合の幹部たちの死体で満ちていた。










    エレンは採鉱施設の中からバルコニーへと出た。



    灰が舞い、常に夜のように暗い空に、太陽が輝いている。
    下を見下ろすと、赤々とすべてを焦がし尽くすように溶岩の大河が轟轟と流れている。














    ___________ようやく俺は、力を手に入れた。












    これで漸く、ヒストリアを死の運命から・・・・・・救える・・・・・・。




    これでよかったんだ・・・・・・。
    これで・・・・・・。


















    エレンの頬から、一筋、涙が零れ落ちた。



























  35. 35 : : 2015/11/05(木) 15:47:45




































  36. 36 : : 2015/11/05(木) 15:58:13














    「ヒストリアッ! 私は反対だッ! 一人で行くなんて危険すぎる!」

    「大丈夫よ、ユミル! 戦争はもう終わったわ。これは個人的な用事なの。それに・・・・・・C-3POもついているのよ!?」









    ヒストリアはユミルの制止を振り切り、コルサントの摩天楼の中に浮かぶプラットフォームから、ナブー・スター・スキッフに搭乗していった。
    その後ろを、C-3POがおずおずとついて行く。



    ※ナブー・スター・スキッフ
    http://www.starwars.jp/wiki/images/d/df/Naboo_star_skiff_on_Cruscant.jpg








    「・・・・・・はぁ、いくつになってもうちの女王様は強情なこった。」



    ユミルはしぶしぶ引き下がり、プラットフォームを去っていった。











    「ヒストリア様、最近になって宇宙旅行の楽しさが分かってきました。」



    C-3POは操縦桿を握ると、スター・スキッフをムスタファーへ向けて発進させた。














    ___________直接会って、確かめなくては・・・・・・。



    エレンに対する想いに突き動かされ、ヒストリアはコルサントを飛び立った。






















    この船の中に、男がもう一人、こっそりと紛れ込んだとも知らずに・・・・・・。















    ___________残酷な運命は、すぐそこにまで迫っていた。










  37. 37 : : 2015/11/05(木) 16:00:43
    以上で第4話は終了です。


    次回もよろしくお願いしたします。
  38. 38 : : 2015/11/05(木) 17:11:53
    ちょっと質問

    ハンジはモン・モスマ役で合ってますか?
  39. 39 : : 2015/11/05(木) 17:52:07
    正解です!
  40. 40 : : 2015/11/12(木) 23:52:26
    グロイヴァスで爆笑したww
  41. 41 : : 2015/11/13(金) 00:28:53
    >>40
    掃除が大変だっていう誤訳からヒントを得ましたw
    そう言うからにはグロいだろうなとw

▲一番上へ

名前
#

名前は最大20文字までで、記号は([]_+-)が使えます。また、トリップを使用することができます。詳しくはガイドをご確認ください。
トリップを付けておくと、あなたの書き込みのみ表示などのオプションが有効になります。
執筆者の方は、偽防止のためにトリップを付けておくことを強くおすすめします。

本文

2000文字以内で投稿できます。

0

投稿時に確認ウィンドウを表示する

著者情報
hymki8il

進撃のMGS

@hymki8il

この作品はシリーズ作品です

進撃×スター・ウォーズ ~シスの復讐~ シリーズ

「進撃の巨人」カテゴリの人気記事
「進撃の巨人」カテゴリの最新記事
「進撃の巨人」SSの交流広場
進撃の巨人 交流広場