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アルミン「エピソードⅢ」 エレン「シスの復讐」 ③ 進撃×スター・ウォーズ
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- 1 : 2015/10/30(金) 18:20:51 :
- 進撃×スター・ウォーズ、エピソードⅢ、シスの復讐の第3話になります。
よろしくお願いいたします<m(__)m>
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- 2 : 2015/10/30(金) 18:29:21 :
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ヨーダがキャッシークへと出撃してから数日後。
真昼のパルパティーン最高議長のオフィスに、ヒストリアとハンジ、ナイル以下数名の議員たちが、嘆願書を携えて議長の元へと訪問してきた。
最高議長は奥にある椅子の上に座って、静かにヒストリアたちを待っているようだった。
ふと、ヒストリアは最高議長の後ろに控えている人物に気が付いた。
(どうして・・・・・・どうして、エレンがここに!?)
最高議長の後ろには、エレンが控えていた。
やっとのことで何とか動揺を隠したヒストリアは議長と挨拶を交わし、議長と机を挟んで向かい側の、ゲスト用の椅子にナイルやハンジ、ガームやザー、イクウェイと共に腰かけた。
(一体何しに来たんだ? ヒストリア・・・・・・。)
動揺していたのは、エレンも同じだった。
最高議長から重要な会合があるから出席してくれと依頼され、出席してみればそこにヒストリアが来たのだ。
「さて、それでは本題に入ろうか、議員の皆さん。」
内心困惑する二人をよそに、最高議長は穏やかな声で話を振ってきた。
「パルパティーン最高議長。」
初めに話を切り出したのは、ハンジ議員であった。
「あなたが作り出した宙域総督システムは、いささか混乱を生み出しています。」
「混乱とは・・・・・・これは不穏な言い回しだね。どういった混乱かな?」
無表情で議長を問いただすハンジに対して、最高議長はあくまで柔和な態度を崩さなかった。
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- 3 : 2015/10/30(金) 19:48:16 :
「今まで銀河共和国は、元老院の指導の元、銀河の秩序を賢明にまとめ上げてきました。ですが、あなたは総督を各セクターにおいて銀河を直接統治しようとしている。」
「私もその点に関しては懸念を表明します。今こそ話し合いで独立星系連合と戦争の解決を図る時です。」
ハンジに続いて、ヒストリアも懸念を示した。
_____________話し合いで賢明に人々をまとめ上げていた、かつての共和国を、議長は切り崩している。
温和な態度を貫く議長の中に、ヒストリアは、暗い欲望の影を見たような気がした。
「君たちの懸念は、私もよく承知しているよ。しかしね、宙域総督システムは合理的に戦争を遂行し、現地にいる兵士との協力を速やかに得るためのシステムだよ。」
「詭弁だな、最高議長。元老院を通さずに軍を直接動かすのが目的だろう?」
ガーム・ベル・イブリスは歯に衣着せぬ物言いで有名だった。
ここでも直接、ガームはパルパティーンに斬り込んだ。
「私は元老院の支持があって最高議長の職を務めさせていただいている身だ、ガーム議員。」
少し不機嫌になったのか、いささか暗い声で最高議長はしゃべり始めた。
後ろで聞いていたエレンはぎょっとした。
これ程不機嫌になった最高議長を、エレンは今まで見たことがなかった・・・・・・。
「私はあくまで元老院に使えている立場にある。元老院が戦争を支持している以上、私も戦争を継続せねばならないのだよ。それ故、私は今、軍にグリーヴァスの捜索に全力を傾けるよう指示を出しているのだ。戦争を速やかに、終わらせるためにね。」
「少なくとも、私たち“2000名の”元老院議員はこれを容認しません。」
ハンジ議員は見計らったかのように嘆願書を取り出した。
分厚い嘆願書には、現職の元老院議員、2000名のサインが書かれていた。
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- 4 : 2015/10/30(金) 21:24:27 :
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「ふむ、受け取ってくれんかね、エレン?」
最高議長はエレンにこれを受け取ってくれるよう頼みこんだ。
最高議長の後ろから、エレンは前へと進みだした。
ヒストリアと目を合わすことなく、エレンは黙って彼女の前を通り過ぎ、ハンジ議員から嘆願書を受け取った。
そのままエレンから嘆願書を受け取ると、パルパティーンはその一ページ目を読み始めた。
「ふむふむ・・・・・・成程、戦争終結後、速やかに“非常大権”を返還し、“宙域総督システム”を撤廃すること・・・・・・か。」
「非常大権は危機消滅の際には速やかに手放すこと・・・・・・これは公約だったことを覚えていらっしゃるでしょう。」
「勿論だよ、ハンジ議員。分離主義者の脅威が消滅すれば、私は速やかに非常大権を手放すことにしよう。」
すると、パルパティーンは不意に立ち上がった。
「さて、私はこれで失礼するよ? 私も何かと忙しい身でね。」
その声が彼の言わんことを物語っていた。
___________これ以上何か言うのなら、ここからつまみ出すぞ?
「我々2000名の元老院議員は、最高議長に誠意ある対応を求めます。」
ハンジもまた立ちあがり、最高議長にこう言い切って踵を返した。
他の議員たちも続々と立ちあがって最高議長の部屋を後にしていく。
最高議長もオフィスの脇にある通路から、プライベートオフィスへと入っていった。
ヒストリアは、一瞬チラッと最高議長の後をついて行くエレンを見て、それから最高議長のオフィスを退出した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 5 : 2015/10/30(金) 22:04:20 :
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エレンがヒストリアのアパートに戻る頃には、とっぷりと日が暮れてしまっていた。
エレンが夕日の差し込むバルコニーへ行くと、既にそこにはヒストリアがソファーに一人座っていた。
当然のようにヒストリアの隣に座り込むエレン。
だが、そこから会話に繋がらない。
おしの如く黙っていると、ようやくエレンがヒストリアに話を切り出した。
「なぁ、ヒストリア・・・・・・あれは一体、どういうつもりだったんだよ?」
「エレン・・・・・・私たちが間違っていると思うときは無い?」
「はっ!?」
___________エレンの声は、明らかに不機嫌だ。
それに・・・・・・どこか疲れているように感じられた。
顔色が悪く、目の隈が酷い・・・・・・。
言葉を選びながら、ヒストリアはエレンに考えていることを話しだした。
「もし、民主主義がすでに崩壊していて、共和国が邪悪な存在になっていたとしたら・・・・・・。」
「はぁ!? お前・・・・・・まるで分離主義者みたいな言いぐさだぞ!?」
「お願い、エレン! あなたは最高議長に親しいわ。あなたからも戦争を止めて外交努力を再開するようにt―――――――「止めろッ!!」
エレンは突然に立ちあがり、怒鳴りだした。
「俺にばっかり求めんじゃねぇよッ!! くそが・・・・・・どいつもこいつも、好き勝手言いやがって・・・・・・。」
そのままエレンは、ヒストリアに背を向けた。
___________アルミンやヒストリア、パルパティーンの間にあって、それぞれの立場の板挟みとなったエレンの精神はことさらに不安定になっていた。
さらに、例の悪夢がエレンの不安定さに拍車をかけていた。
「・・・・・・一体どうしたの、エレン?」
異常な状態にあるエレンを気遣い、ヒストリアはエレンの背中に体を寄せた。
「・・・・・・何でもねぇよ。」
「突き放さないで、エレン・・・・・・私は、あなたの助けになりたいの。」
___________いや、違う。
俺がお前を助けたいんだ・・・・・・。
その言葉を飲み込み、エレンは黙って正面を向くと、そのままヒストリアを抱きしめた。
「エレン?」
「何も言うな、ヒストリア・・・・・・ただ俺を、抱きしめてくれよ・・・・・・。」
まだ俺たちに何の秘密もなかったあの頃に、
湖水地方で過ごした甘美な時間に浸りたくて、
エレンはただただ、ヒストリアを抱きしめた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 6 : 2015/10/30(金) 23:49:06 :
コルサント。
アスクルー・エンターテイメント地区。
三年前にエレンとアルミンのコンビが、賞金稼ぎ、アニ・レオンハートとデットヒートを繰り広げた下層と違い、アスクルー・エンターテイメント地区の上層は、限られた富裕層のための社交場となっていた。
その中でも、ギャラクシーズ・オペラ・ハウスは、銀河系最高の歌劇場としてその名をほしいままにしていた。
※ギャラクシーズ・オペラ・ハウス
http://www.starwars.jp/wiki/images/e/e6/Galaxies_Opera_House.jpg
このギャラクシーズ・オペラ・ハウスは最高議長であるパルパティーンも偏愛しており、来場した際はいつも専用のVIP席からオペラやバレエを鑑賞していた。
今日も最高議長は側近数名と共に、モン・カラマリ・バレエ団による「スクイッド・レイク」を鑑賞していた。
http://www.starwars.jp/wiki/images/a/a2/Squid_Lake.jpg
「遅れてしまって申し訳ありません、最高議長。」
某日夜、エレンは突然、最高議長に呼び出された。
出来る限り急いで駆けつけたのであるが、公演は既に始まってしまっていた。
目の前の水球の中で、カラマリアンたちが華麗でアクロバティックな踊りを披露する。
その最中に、エレンは最高議長が座っている席に近づいた。
「やあ、エレン! 待っていたんだよ!」
議長は嬉しそうにエレンに声をかけた。
近くに寄るように言われ、エレンは議長の隣にしゃがみ込んだ。
すると、エレンに耳打ちをするように、最高議長はしゃべりだした。
「共和国の情報部が惑星ウータパウに潜むグリーヴァスの居所を掴んだんだ。」
「あのクソ野郎のですか!?」
エレンも思わず笑顔になった。
「よし、あいつを捕まえればこの戦争も終わりだ!」
「ふふ、私としてはぜひ君にこの任務をこなしてほしいね。」
「!! しっ、失礼しました! つい・・・・・・。」
「気にしなくていい、エレン。この任務は君にこそ適任だ。心の底から、私はそう思うのだよ。さ、座りなさい。」
“下がれ”―――――――議長がそう命じると、側近たちは立ち上がってVIP席を去っていった。
促されるままにエレンは、最高議長の隣に座った。
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- 7 : 2015/10/31(土) 00:45:46 :
「さて、エレン・・・・・・私は君について心配していることがある。」
「!? 何でしょうか?」
「この任務から君が外されてしまうような気がしてならないのだよ、エレン。」
「えっ!?」
そう言うパルパティーンの表情は曇っていた。
ややあって、議長は意を決したように話し始めた。
「知っての通り、私はジェダイ評議会に不信感を持っているんだよ。今はそうでないにしても、いずれ君はのけ者にされてしまうだろう。」
「あの・・・・・・おっしゃっていることの意味がよく分からないのですが・・・・・・。」
「私はジェダイ評議会を疑っている。私を最高議長の座から駆逐し、自分たちが元老院を支配しようと画策しているんだよ。」
「!! そ、そんなことは・・・・・・――――――「エレン・・・・・・君は感じているはずだ。」
___________俺は・・・・・・一体どうすればいい?
エレンは戸惑いを隠せなかった。
以前の彼なら、冷静な判断を下せたかもしれない。
だが、今の疲れ切ったエレンに、そのような判断は出来なかった。
或は、マスターであるアルミンの助言を思い出せたかもしれない。
だがそれも、アルミンから課せられた任務によって、彼に対する不信感が生じていた。
心の中に萌した不信感の芽は、ここにきて急速にエレンの心を蝕んでいった。
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- 8 : 2015/10/31(土) 00:56:43 :
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「・・・・・・評議会はあなたを信用していません。」
「うむ、彼らは元老院も、共和国も、民主主義でさえも信じてはいない。」
「・・・・・・俺も、ここ最近、ジェダイ評議会に対する信頼が揺らいでいます。」
すると、この言葉を聞いた最高議長は俺のほうを向いた。
「何故かね? 何か・・・・・・後ろめたいことでも命ぜられたのかな?」
「!!」
___________心臓が早鐘を打つ。
最高議長は真剣な目で俺を見据えていた。
何もかも見透かしたような目に、俺は密かに恐れを抱いた。
「・・・・・・私をスパイするように命ぜられたのかね?」
「・・・・・・何と言っていいか分かりません。」
___________最高議長に、見透かされてしまった。
もう俺は、最高議長から敵視されているに違いない・・・・・・。
恐る恐る議長のほうを向くと、議長は、しかし、別段変わった様子はなかった。
「かつて教えたはずだよ、エレン――――――――“力を手に入れたものは、それを失うことを恐れる”と。ジェダイとてそれは同じだ。」
そう語る最高議長に、微塵も敵意は感じられなかった。
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- 9 : 2015/10/31(土) 01:16:32 :
「ジェダイは・・・・・・その力を正しいことに使います。」
「正しいかどうかは見方に寄るのだよ、エレン。」
恐る恐る議長の反応を、エレンは窺った。
・・・・・・やっぱり普段と変わらない。
すると、議長がふいにこんなことを話し始めた。
「ジェダイもシスも、あらゆる点でほとんど変わらない。貪欲に力を求める点でもね。」
「シスは・・・・・・力だけを求めます。自分のことしか考えていないです。」
「ジェダイは違うとでも?」
「ジェダイは・・・・・・無欲です。他人のことのみを考えます。」
それきり、しばらく沈黙が続いた。
その沈黙を破ったのは、やはり、最高議長のほうからだった。
「君は・・・・・・“賢者ダース・プレイガスの伝説”を知っているかね?」
___________聞いたことの無い話だ。
思い当たる節のないエレンは首を横に振った。
「いえ、全く・・・・・・。」
「だろうね。ジェダイが好んで話すような話ではないからね。これは、シスの伝説だ。」
この時俺は、聞いたことの無い伝説に興味を持ち始めていた。
パルパティーンは一息おいて、ゆっくりと語り始めた。
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- 10 : 2015/10/31(土) 01:24:13 :
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「ダース・プレイガスは、シスの暗黒卿だった。偉大な力と聡明な智慧を持つ彼は、フォースを使ってミディ=クロリアンに影響を与え、生命を・・・・・・創造した。」
「!!」
「彼は大切な人を、死から遠ざけることすらできたのだ。」
暫時は呼吸すら忘れ、エレンは議長の話を食い入るように聞いていた。
___________この力だ! この力さえあれば、俺は・・・・・・ヒストリアを救い出すことが出来る!
エレンは内心歓喜していた。
「ダース・プレイガスは・・・・・・本当に人を死から救い出すことが出来たのですか!?」
「ダークサイドはあらゆる能力に通じている。あり得ないと思うようなことも可能になるのだよ。」
___________こんなところに、俺が求めていた力があったなんてな・・・・・・。
「それで、彼はどうなったんです?」
「偉大な力を手にした彼ではあったが、それを失うことを恐れ、結局は失う羽目になった。」
「!? 失う羽目になった!?」
「うむ、不幸なことに、彼は全ての知識を弟子に教えており、その弟子が眠っている彼を殺害してしまったのだよ・・・・・・。」
「・・・・・・そうだったんですか。」
そういうとエレンは肩を落とした。
最高議長は下唇を軽く噛みながら、一言付け加えた。
「皮肉だな・・・・・・他者を死から救えても、自分を救うことは出来なかった・・・・・・。」
「・・・・・・あの、議長。」
「ん? 何かな・・・・・・エレン?」
「・・・・・・その不死の力は、学ぶことは出来るのでしょうか?」
最高議長は少し微笑み、それから一言エレンに告げた。
「・・・・・・ジェダイからでは無理だろうね。」
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- 11 : 2015/10/31(土) 13:36:56 :
翌日。
キャッシークにある海岸都市、カチャ―ホは、自然豊かな海岸に寄り添うように建てられた、大木の上にある都市である。
※カチャーホ
http://www.starwars.jp/wiki/images/0/03/Kachirho.jpg
大木の上に作られた都市の周りには、ウーキーたちお手製の偵察機であるフラッタークラフトが飛び交い、地上では共和国のクローン軍とウーキーの戦士たちが戦いに備えてあわただしく準備を進めていた。
その中には、ジェダイ・マスターであるルミナーラ・アンドゥリィやクインラン・ヴォスの姿も見える。
※ルミナーラ・アンドゥリィ
http://www.starwars.jp/wiki/images/e/e6/Luminara_Unduli.jpg
※クインラン・ヴォス
http://www.starwars.jp/wiki/images/5/54/Quinlan_Vos.jpg
そして、大木の上にあるツリーハウスの中では、小さな緑色のエイリアンが、テーブルの上に映る11人の小さな青い幻影と会議を行っていた。
『最高議長は、グリーヴァスがウータパウに潜んでいるといったのか? エレン?』
『はい、マスター・ミケ。ウータパウからの外交小包に、そのようなメッセージが。』
「ふむ、迅速かつ断固たる行動をとらねばな・・・・・・今度こそグリーヴァス将軍を逃すわけにはいかんぞ。」
グリーヴァスを捕まえ、戦争を終わらせる。
いよいよその時が迫っているのを、評議会のメンバーたちは感じ取っていた。
すると、エレンがこんなことを口にした。
『最高議長は自分にこの任務を与えることを望んでいます。』
エレンのこの発言に対し、怪訝な表情で応じたのは、長老であるリヴァイだった。
『エレン、誰を行かせるかは最高議長ではなく、俺たちが決める。』
「より多くの経験を積んだマスターが行くのが相応しかろう。」
ヨーダもリヴァイに同調した。
さらに、ミケも二人に同調し、加えてこんな提案をした。
『そうだな・・・・・・この作戦の指揮は、マスター・アルレルトが取るべきだろう。』
評議員の視線が、一気にアルミンへと集中した。
アルミンは一息つくと、ゆっくりとしゃべり始めた。
『・・・・・・分かりました、私が行きましょう。一個連隊を手配し、速やかにグリーヴァスを捕えます。』
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- 12 : 2015/10/31(土) 13:37:41 :
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___________こうして、グリーヴァス討伐作戦の指揮は、エレンではなく、アルミンに委ねられることとなった。
『よし、ではこれで閉会する。』
リヴァイの一言の後、11人の幻影が消えた。
ヨーダは椅子から降り、ツリーハウスから外を覗いているクローン・トルーパーの司令官、グリーの側へと並んだ。
※コマンダー・グリー
http://www.starwars.jp/wiki/images/e/e3/Gree.jpg
「マスター・ヨーダ、敵ドロイドがメイン・パワージェネレーターを起動しました!」
「うむ、ではこちらも・・・・・・攻撃開始じゃ。」
ヨーダが湾の遠く、沿岸を望むと、そこに雲霞の如きドロイドの大軍が海を渡ってくるのが見えた。
ミサイル・プラットフォームが空から、
タンク・ドロイドが海の上を渡って、
それぞれこちらに向かって進撃してくる。
※ミサイル・プラットフォーム
http://www.starwars.jp/wiki/images/2/29/Heavy_Missile_Platform.jpg
※タンク・ドロイド
http://www.starwars.jp/wiki/images/b/b5/tank_droid_in_Kashyyyk.jpg
ウオオォオォォオォォォッ!!
沿岸で待機していたウーキーたちが雄叫びを上げ、士気を鼓舞する。
http://www.starwars.jp/databank/alien/image/wookiee_2.jpg
「突撃ッ!!」
一方、タンク・ドロイドの上に乗っていたドロイドも大声で叫んだ。
たちまちのうちに、両軍激突し、レーザーの嵐が飛び交う。
ウーキーに続いて、クローン・トルーパーたちも砂浜から、或は山の上からレーザーを浴びせていく。
ドゴォンッ!
「むうッ!」
流れ弾が一発、ヨーダの足元で炸裂し、一瞬ヨーダはよろけた。
___________キャッシークにおいて、共和国軍による防衛戦の火ぶたが遂に切って落とされた。
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- 13 : 2015/10/31(土) 15:59:29 :
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「・・・・・・俺も、一緒に行くべきでした、マスター。」
「そうだね、エレン・・・・・・でも、また逃がしてしまうかもしれないよ?」
キャッシークの戦いが始まってから暫くして、コルサントのスター・デストロイヤーの発着プラットフォームでは、クローン・トルーパーたちが慌ただしく進撃の準備をしていた。
アルミンの旗艦であるスター・デストロイヤー<ヴィジランス>の上部に架けられたタラップの上では、アルミンと彼を見送るために来たエレンが話を交わしていた。
「あの・・・・・・マスター・・・・・・。」
旗艦に乗り込もうとするアルミンに、エレンはおずおずと話しかけた。
「ん?」
「・・・・・・俺はあなたを失望させてばかりでした。評議会への不満から、つい・・・・・・あんな傲慢なことを・・・・・・。」
___________あの件以来、俺とマスターの中はこじれたままだった。
話をしていても、どこかぎくしゃくした会話になってしまっていた。
だから、アルミンが遠くへ行ってしまう前に、俺は何とか、アルミンに本心を伝えたかった。
すると、アルミンはかすかに微笑んだ。
___________アルミンが優しく微笑んだのを、俺は久しぶりに見た気がした。
ジェダイ評議会のメンバーという重責を担ってから、アルミンは変わった。
自他ともに非常に厳格になり、本心をあまり周りに見せなくなっていた。
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- 14 : 2015/10/31(土) 16:01:30 :
___________せめて今だけは、エレンに私の本心を伝えたい。
そう考えるのは、アルミンもまた同じであった。
「エレン・・・・・・君は私の、大切な家族だ。」
「マスター?」
「ふふふ、アルミンでいいよ、エレン。ずっと昔はそう呼んでたでしょ?」
「あれは、俺がまだ9歳の時じゃないですか!」
エレンが困惑していると、アルミンが声を上げて笑った。
なんだかおかしくなって、エレンもつられて笑い声を上げた。
___________久しぶりだった。
心の底から、私がこんなに笑ったのは・・・・・・。
「あはは・・・・・・ふう、エレン。君は私の自慢の弟子なんだ。持てるすべてを君に教えたし、君はもう私の力をとうに超えている。あともう少しの辛抱だ、エレン。そうすれば、君もジェダイ・マスターになれる。」
「マスター・・・・・・。」
「・・・・・・さて、そろそろ私は出発するよ。」
そう言ってアルミンはタラップを下りはじめた。
「・・・・・・・・・・・・アルミンッ!!」
「ん?」
タラップを下っていく途中、後ろから呼び止められてアルミンはエレンのほうへ振り返った。
「フォースとともにあらんことを。」
「ふふ、さようなら、エレン。フォースとともにあらんことを。」
二人の親友は挨拶を交わし、アルミンはスター・デストロイヤーへと乗り込んでいった。
ゆっくりと、ヴィジランスをはじめとしたヴェネター級スター・デストロイヤーが青空の彼方へと上昇していく。
上昇する戦艦を、エレンはどこか、心細い気持ちで見送った。
第3話
永訣
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- 15 : 2015/10/31(土) 16:56:21 :
ヴィジランスの船内では、アルミンが部下のクローン・トルーパーたちを集めて、作戦会議を開いていた。
全員が全員、賞金稼ぎのケニーのクローンというわけで、初めは違和感しかなかったのだが、今ではそれも感じなくなった。
それに・・・・・・コマンダーのコーディとは、まさしく戦友と呼べる間柄となっていた。
青いジェダイ・インターセプターに乗ったR4-G9が、惑星ウータパウのホログラムを映し出した。
「アルレルト将軍。幸いなことに、ほとんどの都市はこの小大陸に集中しています。」
「よし、君たちが到着するまでに、私が単独で潜入して彼らの気を逸らしておこう。時間に遅れないようにね?」
「将軍? 私があなたの期待を裏切ったことが?」
「ふふ、君たちの獲物を残す程度には手加減しておくよ。」
そう言ってアルミンはジェダイ・インターセプターに乗り込んだ。
コルサントの軌道上に浮かぶスター・デストロイヤーの甲板のハッチが開き、中からインターセプターが宇宙空間へと飛び出した。
___________戦争がいよいよ終結する。
この時が近づけば、シスの暗黒卿もおのずと動き出すだろう。
私の読みが正しければ、暗黒卿はエレンに接触を仕掛けるはずだ。
そして・・・・・・エレンが暗黒卿を倒して、漸くフォースにバランスがもたらされることになる。
そう、暗黒卿の正体は・・・・・・
アルミンは、暗黒卿の正体を確信していた。
その為、確たる証拠と共に、エレンが暗黒卿を滅ぼす戦いを仕掛けられるよう準備をしてきたのである。
間もなくその時はやってくる。
その為にも、私は何としてもグリーヴァスを駆逐しなければならない。
アルミンのインターセプターは、コルサントの軌道上に浮いているハイパードライブ・リングへと向かっていった。
インターセプターにリングが取り付けられ、ワープ航法が可能になった。
「よし、R4。ウータパウまでジャンプだ。ハイパードライブ、起動。」
目の前の星が伸びていく。
アルミンの機体が光速まで加速し、ウータパウ目指してワープしていった・・・・・・。
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- 16 : 2015/10/31(土) 17:57:07 :
___________しっかりするんだ! ヒストリア!
___________ごめん・・・・・・なさい・・・・・・私・・・・・・もう・・・・・・・・・・・・
それは、ヒストリアの出産に立ち会う、アルミンの姿だった・・・・・・。
何で・・・・・・アルミンがここにいる?
どうして俺は、そこにいないんだ?
どうして・・・・・・・・・・・・死に行くヒストリアを・・・・・・アルミンが看取ってるんだよ!?
どうして・・・・・・・・・・・・
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- 17 : 2015/10/31(土) 18:17:33 :
「・・・・・・。」
___________今朝見た夢を、俺はどう考えればいいのだろう・・・・・・。
ヒストリアのアパートにあるソファーに座り、俺は一人夢のことばかりを考えていた。
あの悪夢は俺に付きまとい、ヒストリアをまるで呪うかのように、死の影ばかりを見せてきた。
「エレン・・・・・・帰ってたのね。」
「!!」
ふと見ると、ヒストリアが既に部屋に入っていた。
時刻は既に正午前・・・・・・ずっと俺は考え事をしていて、入ってきたことにさえ気が付かなかった。
「あぁ、まぁ、な・・・・・・。」
返事をするエレンは、妙に焦点が定まらない目つきをしていた。
「なぁ、ヒストリア・・・・・・ここ最近、アルミンはここに来たのか?」
「ええ、昨日の朝ここに来たわ。」
「!! 一体何しに来たんだ?」
「あなたを・・・・・・心配していたのよ。」
___________嘘は言っていない。
でも、本当のことも言っていない。
『ヒストリア・・・・・・どうか、君がエレンの支えになってあげてくれ。』
『アルミン?』
『私は・・・・・・もうエレンから信用されていないだろう。だから、君が寄り添ってあげてほしいんだ。』
『!? どういうことなの!?』
『・・・・・・済まない、私は・・・・・・知っていたんだ。』
『!!』
『正確に言えば・・・・・・気付いていた。でも、言いだせなかった・・・・・・。こんな私を・・・・・・許してほしい。』
アルミンは、エレンをどうすればいいのか、苦悩しているようだった。
何より、私とエレンの関係に、やはり気が付いていた。
自他を犠牲にしてまで、何かを成し遂げようとする・・・・・・アルミンの強さと弱さを、私は初めて知ったのだった。
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- 18 : 2015/10/31(土) 19:33:11 :
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エレンは怪訝な顔をした。
「俺を・・・・・・心配していた?」
「そうよ。エレン・・・・・・あなた、最近疲れているわ?」
すると、エレンは俯きがちにこんなことを言い始めた。
「ああ、俺は・・・・・・信用されていないんだよ。ジェダイ評議会にも、アルミンにさえも・・・・・・。」
「!? どういうこと?」
「ヒストリア・・・・・・俺は、力が欲しい。」
「えっ?」
「せめて・・・・・・お前を守れるだけの、力が欲しいんだ。」
エレンはゆっくりと立ちあがり、私に近づいてきた。
「やっと・・・・・・やっとお前を救う方法を見つけたんだ。」
「私を、救う?」
「ああ・・・・・・・・・・・・俺は、お前をあの悪夢から救って見せるよ。」
「!! そのことで悩んでいたの?」
___________漸く私は、エレンの目の隈が日に日に酷くなっていくわけに気が付いた。
ずっとエレンは、悩まされていたのだ。
母を失ったときのように、私を失ってしまうことを・・・・・・
「エレン・・・・・・ここはコルサントよ? 出産で死んだりなんかしない――――――――「いや、俺が! お前を・・・・・・死なせない! 必ずだ。」
そう言ってエレンは私を強く抱きしめた。
___________いつまでも、エレンは私を抱きしめていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 19 : 2015/10/31(土) 22:32:58 :
ドゴオォオンッ!!
アルミンのインターセプターはハイパースペースを抜け、惑星ウータパウへと到着した。
「よし、コーディの話では、この小大陸の巨大な縦穴の中に都市があるということだったね?」
アルミンのインターセプターは、ウータパウ特有の、巨大な縦穴の中に入っていく。
やがて機体は、パウ・シティにあるプラットフォームへと着陸した。
※パウ・シティ
http://vignette1.wikia.nocookie.net/jedipedia/images/5/5c/PauCity.jpg/revision/latest?cb=20080709222610&path-prefix=de
___________誰かに、見られている。
遥か上からの視線を感じつつ、インターセプターから降りると、奥のほうから、すらっと背の高いパウアンが現れた。
その中でも、杖を突いて優雅な所作を見せる中央の男性――――――――ティオン・メイドンが丁寧にお辞儀をしてきた。
※ティオン・メイドン
http://www.starwars.jp/wiki/images/4/43/Tion_Medon.jpg
「ようこそジェダイ・マスター殿。この聖地に何か用ですかな?」
「申し訳ありませんが、少し・・・・・・戦争をしに。」
「ここに戦争はありませんぞ。持ち込まなければね。」
「では、よろしければ燃料の補給と・・・・・・虫退治をしたいのですが。」
虫退治とは無論、グリーヴァスを駆逐することだ。
メイドンが背の低いウータイたちに合図を出すと、ウータイたちはインターセプターにチューブをつないで燃料を補給し始めた。
※パウアン
http://www.starwars.jp/wiki/images/0/0e/Utai_Trio.jpg
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- 20 : 2015/10/31(土) 22:33:50 :
すると、メイドンは私にこっそり耳打ちをしてきた。
「奴はここにいる。我々は人質なのだ。」
「・・・・・・成程。」
「レベル10に、何千ものバトル・ドロイドと一緒に立てこもっている。」
アルミンは顎に手を当て、それから決然としてメイドンにこう伝えた。
「分かりました。市民にはシェルターに避難するように言ってください。それと・・・・・・もしその気がおありだったらの話ですが、戦士たちに今こそ立ちあがる時だとお伝えください。」
アルミンとメイドンは互いに深くお辞儀をし、アルミンはそのままインターセプターのコクピットに乗り込んだ。
___________監視の目が、外れた。
どうやら、敵は私がここから立ち去ろうとしていると勘違いしたようだ。
「R4・・・・・・スター・デストロイヤーに戻って、コーディに奴を見つけたと伝えてくれ。」
アストロメク・ドロイドのR4にそう言って私は再びインターセプターを降り、フードを深くかぶった。
・・・・・・・・・・・・いよいよ作戦開始だ。
無人で飛んでいくインターセプターを見つめながら、私は覚悟を固めた。
任務を達成する。
それ以外の感情を、私は捨て去った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
-
- 21 : 2015/10/31(土) 23:07:38 :
暫くして、一人の男が、ウータパウ固有のオオトカゲであるヴァラクティルに乗って縦穴の中を疾走し始めた。
※ヴァラクティル
http://www.starwars.jp/wiki/images/7/72/Varactyl.jpg
茶色い大きなフードのついたローブを纏ったその男は、上層にあるレベル10目指して、パウアンたちから借り受けたヴァラクティル――――――――ボーガを乗りこなして停泊している通商連合の戦艦へと潜入していった。
吸い付くようにヴァラクティルは絶壁を登っていき、戦艦の中に静かに入り込む。
※レベル10に停泊する通商連合の戦艦
http://vignette2.wikia.nocookie.net/starwars/images/a/ad/Utapau_nederzetting.png/revision/latest?cb=20100918094200&path-prefix=nl
やがてアルミンを乗せたヴァラクティルは、通商連合の戦艦のプラットフォームへと到着した。
狭い足場の上にアルミンは降り立ち、下を見下ろすと、果たしてそこにはグリーヴァスと護衛のマグナガードが四体、そして長テーブルに並んで座る独立星系連合の幹部たちがいた。
「間もなく共和国軍がここを突き止め、軍を差し向けてくる。」
グリーヴァスは独立星系連合の幹部たちに、次なる命令を与えているところだった。
間もなく軍がやってくるという将軍の言葉に、幹部たちは一様に動揺していた。
「故にお前たちはムスタファーに移ってもらう。活火山の惑星だが、あそこは安全だろう。」
「安全だとッ!?」
独立星系連合の幹部の一人、ガンレイ総督は立ち上がって憤慨した。
「パルパティーンにまんまと逃げられおってよく言うわ! ザックレー伯爵も死んで、安全だと言われて信じられるものか!」
___________ごもっともな話だと思う。ガンレイ総督にしては珍しく。
すると、グリーヴァス将軍は自分の手を見つめ、うっとりするように言った。
「運が良かったな・・・・・・総督。わしの手がお前の頭を握りつぶしていないことを感謝するといい。」
グリーヴァスはそのままちらりと総督を見た。
その瞬間、総督はびくっとおびえた様子を見せた。
「船が待っている・・・・・・とっとと行くんだな。 ゲホッ! ゲホッ!」
再び咳払いする将軍に背を向け、独立星系連合の幹部たちは席を立ってすごすごと、ムスタファー行きの船へと移動し始めた。
-
- 22 : 2015/10/31(土) 23:19:57 :
-
___________さて、始めよう。
アルミンはローブを脱ぐと、足場から下のプラットフォームへ――――――――数千のバトル・ドロイドがひしめくプラットフォームへと飛び降りた。
「やあ、こんにちは。」
着地するとアルミンは、まるで普段と変わらない挨拶をグリーヴァスに送った。
「「「「!!」」」」
アルミンに気が付いたマグナガードたちが一斉にエレクトロスタッフを構える。
グリーヴァスはゆっくりと後ろを振り返り、上の足場から飛び降りてきた男を見つめた。
「アルレルト将軍! ふはははは、なんとも大胆不敵な男だ。」
一人で乗り込んできたアルミンを気に入ったのか、愉快この上ないといった様子で笑うグリーヴァス将軍。
マグナガードに続いて、バトル・ドロイドたちが遠巻きに銃を構え、アルミンを包囲した。
「殺せッ!」
グリーヴァスが命じると、四体のマグナガードが私を殺そうと襲い掛かってきた。
ビュウウンッ!
アルミンは青のライトセイバーを起動し、マグナガードと切り結び始めた。
___________敵は四体のジェダイ暗殺用ドロイド。
しかも、連携攻撃が得意と来た。
マグナガードは効果的にアルミンを攻め立て、挟み撃ちにするように攻撃してきた。
円陣を組んで、アルミンをその中に閉じ込めようというわけだ。
だが、その中にアルミンはいなかった。
四体のマグナガードの攻撃を容易く防ぐと、アルミンは素早いカウンターから攻撃に転じた。
アルミンのライトセイバー・フォームは防御形であるフォーム3、ソレスであったが、攻撃的なエレンの影響を受けたアルミンは、鋭いカウンターをも得意としていたのである。
「はあっ!!」
手早くマグナガードの一体の背後を取ると、アルミンは後ろから、マグナガードを袈裟斬りにした。
そしてそのまま、驚いて隊形を乱したマグナガードたちへアルミンは襲い掛かった。
スパッ!
あれよという間に二体目を斬り倒すアルミン。
残りの二体はすっかり思考を乱していた。
半ばヤケクソで残りのマグナガードはアルミンに斬りかかった。
「やれやれ。」
アルミンは軽くため息をつくと、残る二体の攻撃を受けきり、素早く反撃に転じ、あっという間に真っ二つに切り裂いて返り討ちにした。
-
- 23 : 2015/11/01(日) 15:08:16 :
「この程度なの? がっかりだね。」
アルレルト将軍は不敵に笑い、グリーヴァス将軍を挑発した。
「いいだろう・・・・・・このジェダイ野郎はわし自ら始末する!」
アルミンの不敵な挑発に、グリーヴァスは乗ってきた。
アルミンは不敵な態度を崩さず、さらにグリーヴァスを煽った。
「ふぅん、やってみせてよ。」
「愚か者め、ジェダイの武芸はザックレー伯爵から既に学んでおるのだぞ!」
そう言うと、グリーヴァスの二本の機械の腕が、四本に分かれた。
マントを脱いで、ライトセイバーを手に取ると、青と緑、四本の光刃が一斉に現れた。
※グリーヴァス
http://www.starwars.jp/wiki/images/0/01/The_General.jpg
「かかって来い! アルレルト!」
そう言うと、グリーヴァス将軍は、上腕二本のライトセイバーをまるでプロペラのように高速回転させてきた。
光刃がプラットフォームの床を削り、激しい火花を散らしながらアルミンに近づいてくる。
「残念だけど、そのザックレー伯爵を倒したのは、私の弟子だ!」
___________ここにいるのは、3年前の粗削りな僕でも、ましてや13年前の自信のない僕でもなかった。
-
- 24 : 2015/11/01(日) 15:29:05 :
数ヶ月前、ジェダイ聖堂。
『はぁッ! はぁッ! ま、参りましたよ・・・・・・マスター・リヴァイ・・・・・・。』
私はマスター・リヴァイに招かれて、マスター・エルドやマスター・グンタ、マスター・ペトラやマスター・オルオと、ライトセイバーのスパーリングを行っていた。
私はマスター・リヴァイとスパーリングを組み、長時間にわたる激しい剣戟となったものの、やはり敗北を喫した。
やはり最高のフォームを極めたマスター・リヴァイは異常なほど強く、私の防御は遂に弾かれてしまった。
『立てるか、アルミン?』
『ええ、勿論です。』
私はゆっくりと立ちあがった。
すると、ペトラさんが私に近づいてきた。
『アルミンくん、あなたってこんなに強かったのね?』
『えっ?』
『ああ、こいつは強い。それはこの俺が保証する。』
マスター・リヴァイもまた、マスター・ペトラに同調した。
『いえいえ、私はマスター・リヴァイ程には強くないですよ。』
私は少し驚いて、思わずこんな言葉を口にした。
すると、気のせいだろうか・・・・・・あのマスター・リヴァイが微笑んだ。
いや、間違いなく、微笑んだのだ。
『いや、俺は弱い人間だ。だからこそ、俺は強いフォームを身に付けなければならなかった。だが、お前は伝統あるフォームで戦ってきた。新たなフォームの開拓者と伝統の守護者と、どちらのほうが偉大だろうな?』
『買いかぶりですよ、マスター・リヴァイ。』
『そう卑下することはない。お前はただのジェダイ・マスターじゃない。“ザ・マスター ”だ。』
___________そう、私は・・・・・・ジェダイ・マスター、アルミン・アルレルトだ。
向かって来るグリーヴァスに対し、アルミンは自ずから、堅固な防御の態勢を取った。
-
- 25 : 2015/11/01(日) 16:11:59 :
- ブラ=サガリはよ…
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- 26 : 2015/11/01(日) 19:47:43 :
- >>25
コメントありがとうございますw
もう少しお待ちくださいwww
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- 27 : 2015/11/01(日) 19:48:35 :
-
バチィッ!!
グリーヴァスの光刃とアルミンの光刃が交差し、眩い光が放たれる。
次々と小さな爆発が起こり、閃光走り、刃同士が接触、火花を散らす。
___________グリーヴァスの攻撃は不規則だ。
守勢に回り、鋭いカウンターから攻めに転じることの得意なアルミンは、グリーヴァスの斬撃を受け、躱し、飛び跳ねて空中で一回転。
背後を取って鋭く攻め立てては、ギリギリのところで斬撃を躱して再び受け止める。
脳に埋め込まれたCPUが織りなす不規則な攻撃のあやをいなし続けるアルミン。
彼は・・・・・・隙を伺っていた。
そういえば、このドロイドもどきは何でも技を吸収してしまうらしい。
マスター・リヴァイが一度手合わせをしたときなど、リヴァイの超攻撃的なフォームを真似て攻撃してきたと聞く。
「やるな、アルレルト。ならばこれはどうだッ!!」
「!!」
一度に多くの刃を出現させるが如く、激しく素早い攻撃をグリーヴァスは浴びせてきた。
その激しさに、アルミンはたまらず後退する。
___________これは、マスター・リヴァイの形だ。
グリーヴァスは次から次へと踏み込んで、後退するアルミンを追い詰めていく・・・・・・と、グリーヴァスは思っているだろう。
・・・・・・甘い。
私の形は防御形――――――――そう簡単には崩せない、最強の盾。
-
- 28 : 2015/11/01(日) 20:03:43 :
-
__________もらったッ!!
グリーヴァスはもう一歩踏み込み、左下腕のライトセイバーをアルミンの脳天に振り下ろした。
シャキッ!
「なぁッ!?」
光刃がアルミンの頭を両断する。
その直前、グリーヴァスの左下腕をアルミンの光刃が切断、グリーヴァスの光刃が消えた。
鋭いカウンターアタックを契機に、今度はアルミンが踏み込んできた。
受ける刃を一本失ったグリーヴァスは、次第にアルミンに追い詰められて・・・・・・
シャキッ!
「!!」
受け止めた右下腕の光刃にアルミンは光刃を滑らせ、そのまま手首を切り落とした。
バチィッ!!
残る二本の刃と鍔迫り合いになった。
グリーヴァスは残る刃でアルミンの光刃をはじき、アルミンは後退した。
その時だった。
ドゴオォオォォンッ!!
「「!!」」
アルミンとグリーヴァスの後方で、爆発音が聞こえてきた。
「ナイスタイミングだよ! コーディ!」
アルミンは満面の笑みを浮かべた。
彼のもくろみ通り、グリーヴァスが自分に気を取られているうちに共和国の軍が攻撃を仕掛けてきたのだ。
-
- 29 : 2015/11/01(日) 22:14:25 :
-
プラットフォームの天井から、ワイヤーで降りてきたコーディ率いるクローン・トルーパーたちが、ドロイドへ銃撃を仕掛ける。
遥か上空からは、スター・デストロイヤーから出撃した輸送艇が縦穴の中に入り込み、レーザーやミサイルを放ってドロイドたちを駆逐していった。
タイミングを合わせて、この惑星の住人であるパウアンたちも一斉蜂起した。
___________ウータパウの戦いが勃発し、巨大な縦穴の中は砲撃と、絶叫と、レーザーの閃光でたちまちのうちに満たされた。
戦いの渦の中心で、グリーヴァスは不気味な笑い声を上げながら、アルミンを睨みつけた。
「たとえ援軍がこようとも、ここがお前の・・・・・・墓場だ、アルレルト。」
「それはどうかな? はあぁあぁッ!!」
「ぐおッ!?」
アルミンは不意に右手を突き出し、グリーヴァスをフォースで思い切り吹き飛ばした。
バギャッ!
グリーヴァスは天井から吊るされている照明に打ち付けられ、二本のライトセイバーがその勢いで手元から吹き飛んでしまった。
そのまま地面へと落ちるグリーヴァス。
すると、グリーヴァスは両手両足を使って着地した。
カチャカチャカチャカチャ・・・・・・
走り出したグリーヴァスは、まるで蜘蛛かゴキブリのようだった。
そして、グリーヴァスは止めてあったホイール・バイクに素早く乗り込むと、即座にスイッチを入れて逃走を図り始めた。
※ホイール・バイク
http://www.starwars.jp/wiki/images/d/df/Tsmeu-6_personal_wheel_bike.jpg
「!! うわっ!!」
危うくひかれそうになり、アルミンは咄嗟に横へと飛んだ。
「くっ、逃げ足だけは本当に早いんだから・・・・・・。」
アルミンは起き上がると、両手の人差指と中指を口の中に入れて口笛を吹いた。
-
- 30 : 2015/11/01(日) 22:15:06 :
すると、天井からすぐに忠実なヴァラクティルが降りてきた。
アルミンは即座にヴァラクティルに跨ると、“やあッ!!”と手綱を引いてグリーヴァスを追跡し始めた。
グリーヴァスはクローン・トルーパーたちの包囲を無理やり突破し、プラットフォームから断崖を下って逃走していく。
アルミンを乗せたヴァラクティルもまた、プラットフォームから下の断崖へと飛び降りた。
「うわあぁあぁッ!!」
断崖へと着地したその瞬間、アルミンを大きな衝撃が襲った。
ここでアルミンは痛恨のミスをやらかしてしまった。
___________しまった! ライトセイバーがッ!
手に持っていたライトセイバーを再び下に落っことしてしまったのだ。
エレンに口酸っぱくライトセイバーを落とさぬよう指導していたアルミンは、性懲りもなく再びライトセイバーを紛失してしまった。
___________エレンに見られていなくてよかった。
密かにアルミンは、エレンがいないことにほっとしていた。
彼に見られた日には、何ていわれるか分からない・・・・・・。
ともあれアルミンは、縦穴からだだっ広い洞窟の中へと逃走していくグリーヴァスを追跡し続けた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
-
- 31 : 2015/11/01(日) 23:20:45 :
-
同刻。
ジェダイ聖堂の五つの尖塔の内、最も重要な区画である中央の塔の中で、リヴァイとエレン、ヨーダとミケの幻影は、コーディからの報告を受け取っていた。
『マスター・リヴァイ、マスター・ヨーダ、マスター・ミケ、マスター・イェーガー・・・・・・アルレルト将軍がグリーヴァス将軍と交戦状態に入りました。』
『うむ、報告ご苦労じゃった、コーディ。』
ヨーダが報告を受け取ると、コーディの幻影が消えた。
するとリヴァイはエレンのほうを向き、こう話しかけた。
「エレン・・・・・・最高議長にアルミンがグリーヴァスと交戦状態に入ったと伝えて来い。あいつの反応をしっかりと見てこい。いいな?」
「はい、マスター。」
エレンは呟くように言うと、議長のオフィスへと行くために、中央棟の部屋を去っていった。
「・・・・・・ちっ、ダークサイドが匂うな。あの議長の周りを、闇が覆っている。」
『リヴァイ、もし議長が非常大権を手放さない気なら、俺たちは議長を排除しなければならないだろう。』
リヴァイとミケ、そしてヨーダは感じ取っていた。
強大な闇の力を。今まで目に見えなかった、底いなき深淵を・・・・・・。
「一時的に、俺たちが元老院を統治する必要に迫られるな。アルミンの推測が当たっていればの話だが・・・・・・。」
___________ウータパウへ出発する直前、アルミンはリヴァイやヨーダ、ミケに作戦を告げていた。
『私がグリーヴァスを駆逐する前後で、暗黒卿はきっと正体を明かすはずです。そうすれば、我々は公然と彼を討つ大義名分が得られます。』
つまり、何も知らないエレンを囮に、正体を現した暗黒卿を討つのがアルミンの策略だったのである。
そして、遂にアルミンの計略が動き出した。
『ふむ・・・・・・深い闇へと我々は運ばれることになるぞ、この計画によってな。細心の注意を払わなければのう・・・・・・。』
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
-
- 32 : 2015/11/02(月) 14:44:00 :
「最高議長・・・・・・。」
エレンはロイヤルレッドのオフィスを通り、通路を抜けてパルパティーンのプライベートオフィスに入った。
※プライベートオフィス
http://www.starwars.jp/wiki/images/5/54/Private_Office.jpg
日が傾きはじめ、少しづつ夕闇にそまるオフィスの中で、議長は窓のほうを向いて回転いすに座っていたが、エレンの声に気が付くと、椅子を回転させてエレンと向き合った。
「報告があります。アルミンが・・・・・・グリーヴァス将軍と交戦状態に入りました。」
「アルミンの健闘を祈ろう・・・・・・。」
議長は肩をすくめて言った。
どこか不満げな、そして、同情するような口調だった。
「俺も一緒に行くべきでした・・・・・・。」
「君の才能を評価しない評議会に腹が立つな・・・・・・なぜ君が今回の任務に選ばれなかったのか、分かるかね?」
「いえ・・・・・・まるで、俺を締め出そうとしているみたいに思えるんです。」
その言葉に、議長はゆっくりと頷いた。
「君は信用されていない・・・・・・君がこの先、彼らの及ばない力を持つことを恐れているのだ。」
議長は立ち上がり、俺の肩に優しく手を置いた。
そして、俺と議長は並んでプライベートオフィスと公的なオフィスを結ぶ通路を歩き始めた。
「彼らの張り巡らした虚無の霧から抜け出すのだ、エレン。フォースについては、私が教えよう。」
「!? フォースをご存じなんですか?」
「私の師が教えてくれたのだよ・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・ダークサイドがなんであるかを、ね。」
-
- 33 : 2015/11/02(月) 14:45:37 :
-
歩みを止めてそう言った議長に驚いて、エレンは思わず振り返って議長のほうを見た。
「ダークサイドが・・・・・・何だって!?」
「エレン・・・・・・大いなる神秘を理解するためには、あらゆる側面を学ばなければならない。ジェダイの教えは独断的で狭い。賢い指導者になりたければ、フォースのすべてを受け入れるんだ。」
___________まいったな。
もう頭が・・・・・・限界なんだが・・・・・・。
「ジェダイに気を許すな。」
___________ああ、こいつが・・・・・・。
「ジェダイを超える力は私を通じてのみに身につくのだ。」
___________こいつこそが!!
「フォースのダークサイドを学べば、死に行く運命にある、君の妻をも・・・・・・救うことが出来る。」
「!! 何処でそれをッ!?」
___________絶対の秘密のはずだった。なのに、何で知っている!?
その時、議長の顔に、邪悪な微笑みが浮かんだ。
「私の知識を役立てるんだ、エレン。」
「くっ、テメエがシスの暗黒卿かッ!!」
ビュウウンッ!
エレンは剣を抜き、青き光刃の切先を最高議長の喉元に突き付けた。
___________シスの暗黒卿、ダース・シディアスは、遂に自らの正体を、エレンに明かした。
-
- 34 : 2015/11/02(月) 14:47:19 :
「君の悩みは分かっている。よく聞くんだ、エレン。」
暗黒卿は突きつけられた剣を意にも介さずに話を続けた。
「ジェダイ評議会の使い走りは止めるんだ。君は並のジェダイを超える生き方を望んできた。自らの良心に導かれた、意義のある生き方をね。」
そう言うと今度は、後ろを向いた。
___________まるで、殺すなら殺すがいいと言われているような気がするほど、暗黒卿は刃に対して無防備だ。
「私を殺すつもりかね?」
暗黒卿から不意に問われ、エレンは怒りを爆発させた。
「そうしてやりてぇよッ! この裏切り者がッ!!」
「そうだろうな・・・・・・・・・・・・煮え滾るような怒りを感じる。その怒りが精神を研ぎ澄まし、貴様を強くするッ!!」
再びエレンのほうに振り向く暗黒卿。
エレンは光刃を消し、何とか怒りを抑えると、議長に向かって宣告した。
「お前の身柄をジェダイ評議会に引き渡す。いいな?」
「もちろんだ。そうすべきだとも。でも、ジェダイ評議会の意図は分かっておるまい?」
「すぐに真実は明らかになる・・・・・・覚悟するんだな?」
「大したものだよ、エレン。でも、これだけは忘れないでくれ。」
議長は微笑んで、エレンにこう付け加えた。
「ヒストリアを救うことが出来るのは、ダークサイドの力だけだ。」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
-
- 35 : 2015/11/02(月) 16:13:29 :
- ずっと気になってたんですけど
ナイルアッカーマンってナイルドークですか?
超期待してます!!
-
- 36 : 2015/11/02(月) 17:42:29 :
- はい、あのナイルさんです
物語の都合上、苗字を変えました
期待ありがとうございます!
-
- 37 : 2015/11/02(月) 21:27:46 :
「ぐっ・・・・・・頑張るんだッ! ボーガッ!!」
アルミンは必死にヴァラクティルに鞭打ち、広大な洞窟の中をホイール・バイクに乗って逃げるグリーヴァスを追っていた。
___________今回ばかりは、絶対に逃がさない。
最早執念と呼べるレベルまで、アルミンは執拗にグリーヴァスを追撃した。
「よし、並んだ!」
「この、しつこいジェダイ野郎めッ!!」
すると、グリーヴァスは、その手にエレクトロスタッフを取って、並走するアルミンに突き出してきた。
「うわッ!!」
間一髪かがんで躱すアルミン。
しつこい蠅を撃退しようと、グリーヴァスは立て続けにスタッフを繰り出した。
スタッフが体に当たり、その先から電流が流れてくる・・・・・・・・・・・・本当に苦痛だ。
パシッ!
「!! なにっ!?」
「貰うよッ!!」
一瞬の隙をついて、アルミンがスタッフを掴み、グリーヴァスからスタッフをひったくった。
今度はアルミンがグリーヴァスをスタッフでタコ殴りにする番だった。
「くそ、このッ!!」
「!! なっ!?」
今度はグリーヴァスがスタッフを掴み、自分のほうへと引き寄せた。
そして、アルミンはそのままヴァラクティルの上からバイクの方へと引っ張り込まれてしまった。
グリーヴァスの背後に乗り込むアルミン。
「痛いッ!!」
「離れろ! このッ!!」
狭いバイクの座席上でアルミンとグリーヴァスは取っ組み合いになり、グリーヴァスは咄嗟に銃を抜いた。
バシュウッ!
弾丸は上に逸れて、アルミンには当たらなかった。
そして二人はバランスを崩し、ホイール・バイクから投げ出された。
「ぐおッ!!」
「うわッ!!」
投げ出された場所は、別の巨大な縦穴にあるプラットフォームであった。
暴走したバイクはそのままプラットフォームを飛び出し、縦穴の底へと落ちていった。
そしてここには、将軍が逃げ出すための船―――――――ソウルレス・ワンが置いてあった。
※ソウルレス・ワン
http://www.starwars.jp/wiki/images/a/a6/Belbullab-22_starfighter.jpg
-
- 38 : 2015/11/02(月) 21:28:20 :
アルミンはすぐに起き上がり、咄嗟に転がったエレクトロスタッフを手に取った。
グリーヴァスが続いて起き上がり、銃を拾ってアルミンめがけてレーザーを放った。
バシュウッ!
バシッ!!
アルミンはレーザーを躱し、スタッフで銃をはじいた。
音を立てて銃は再び床に転がり、アルミンはそのままスタッフでグリーヴァスにタイマンを挑んだ。
「はあッ!!」
「ぐおッ!!」
スタッフでグリーヴァスを殴り倒し、グリーヴァスは仰向けに転倒。
そこにアルミンは容赦なくスタッフを胸に突き立てた。
スタッフの先から流れる電流でダメージを負うグリーヴァス。
ゴスッ!
「うごッ!!」
すると、グリーヴァスは仰向けの状態からアルミンの胸を思い切り蹴飛ばした。
アルミンは宙を浮いて、手からスタッフが吹き飛ばされた。
___________機械の蹴りは・・・・・・痛いよそりゃ!!
再びアルミンは立ち上がり、グリーヴァスに素手での勝負を挑んだ。
だが・・・・・・
バキッ!
「うわあぁあぁッ!!」
機械の体を持つグリーヴァスの鉄拳にアルミン吹き飛ばされ、彼の宇宙船に打ち付けられて再び倒れ込んだ。
倒れたアルミンの胸倉を容赦なくつかみ、グリーヴァスはアルミンの体を持ちあげた。
「あっけないものだ! アルレルト将軍!」
「まだ・・・・・・終わってない!!」
-
- 39 : 2015/11/02(月) 21:28:59 :
そう言うとアルミンは両手でグリーヴァスの胸にあるプレートを強引に開いた。
中にはグリーヴァスの生身の部分――――――――臓物袋が入っていた。
「!! この野郎ッ!!」
グリーヴァスは怒ると、右手でアルミンの頬を思いっきり殴った。
「ぐはぁッ!!」
再び吹き飛ばされ、仰向けに倒れるアルミン。
起き上がろうとするアルミンの顔面を、グリーヴァスは容赦なく蹴り飛ばした。
「ぐふっ!」
「さて、これで終わりだッ!!」
足を思い切りあげ、グリーヴァスはアルミンの顔面を踏み潰しにかかった。
ドゴォン!!
間一髪躱したアルミンは、右足で思いっきりグリーヴァスの右足に蹴りを入れた。
ゴスッ!!
「あぁ!!」
一瞬の油断。
「あああぁああぁぁぁッ!!」
無限に続くかのような地獄の苦しみ。
この悶絶の果てに何があるのか・・・・・・アルミンはグリーヴァスの機械の足に蹴りを入れ、盛大に自爆した。
「ふははははッ!!」
痛みに悶絶するアルミンの胸倉をグリーヴァスは再び掴み、今度は思いっきり投げ飛ばした。
「うわあぁあぁッ!!」
プラットフォームから投げ飛ばされ、アルミンは間一髪、プラットフォームの端にぶら下がった。
グリーヴァスはアルミンが落としたエレクトロスタッフを拾い、ぶら下がるアルミンに近づいてくる。
はるか下は・・・・・・底が見えないほど深い縦穴。
___________ホントに何度目だろうか?
アルミンは再びピンチに陥った。
-
- 40 : 2015/11/02(月) 21:29:33 :
-
何とか腕でよじ登り、上半身だけプラットフォームから身体を覗かせるアルミン。
すると、向かって来るグリーヴァスの背後に、彼が落とした銃が目に入った。
___________これに、賭けるしかない!
咄嗟にアルミンはフォースで銃を呼び寄せ、引き金を引いた。
バシュウッ!!
「!! あぁあ?」
アルミンの銃撃は、胸のプレートの中、グリーヴァスの臓物袋に直撃した。
続けざまにアルミンは引き金を引く。
立て続けにレーザーを浴び、胸の臓物袋が赤く焼け焦げていく。
そして・・・・・・遂に爆発した。
ガシャンッ!!
グリーヴァスの残骸はそのまま仰向けに倒れ、大きな音を立てた。
「ふぅ・・・・・・。」
戦いが終わり、アルミンはゆっくりとプラットフォームの端からよじ登った。
「全く・・・・・・こんな野蛮な武器に頼ることになるなんてなぁ。」
黒焦げになったグロイヴァスの残骸を見下ろし、アルミンはボソッと呟いて野蛮な銃を捨てた。
___________苦労はしたものの、アルレルト将軍は何とかグリーヴァス将軍を駆逐した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
-
- 41 : 2015/11/03(火) 02:27:41 :
その報告は、銀河を半分ほど隔てたコルサントへもすぐに伝わった。
報告を受けたリヴァイは、エルド、グンタ、オルオを引き連れ、ジェダイ聖堂内のプラットフォームから輸送艇に乗り込もうとしていた。
するとそこへ、一人の男が現れた。
「エレンくん! 無理しないで!!」
「何としても・・・・・・直接伝えなきゃ・・・・・・いけないんです!」
ペトラの制止を振り切り、エレンはリヴァイの元へと歩いてきた。
「!! 何があったんだ・・・・・・エレンの奴。」
「どうした!? いったい何があった!?」
オルオとグンタも、エレンの尋常ならざる様子に驚いていた。
それくらい、エレンの呼吸は乱れ、目は大きく見開かれていた。
___________今まで信じていたものが、一瞬にして崩れた。
それほどまでに、エレンに与えた精神上のショックは大きかった。
今まで何かと世話を焼いてくれたあの人が、
全ての諸悪の根源だった・・・・・・。
頭では分かっていても、心が、体が、受け止めきれなかった。
「マスター・リヴァイ・・・・・・聞いて、下さい。」
「どうした? エレン?」
「パルパティーン最高議長は・・・・・・パルパティーン最高議長はッ!」
「議長がどうかしたのか?」
「・・・・・・シスの暗黒卿だったんですッ!!」
エレンは何とか、リヴァイにこの恐るべき真実を伝えた。
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- 42 : 2015/11/03(火) 02:28:18 :
「な、何言ってんだ、エレン!?」
「エレン、あなたはもう休むべきよ!」
エレンのもたらした報告の影響も大きかった。
エルドとオルオが目を見開き、グンタとペトラがエレンの心身を気遣うほどに。
そんな中、リヴァイのみはこれを冷静に受け止めていた。
彼はリヴァイ・アッカーマン。この名前は、ジェダイ最強の戦士を意味していた。
___________アルミンの読み通りだったな・・・・・・。
既に共和国はシスの手に落ちている。
アルミンの推測は恐るべきものであったが、同時に強い説得力があった。
議長を討つためには、確固たる証拠がなければならない。
その証拠を得るためにアルミンはエレンを議長に近づけ、遂に議長は自分が暗黒卿だとその正体を明かした。
___________機は熟した。
「おい、エルド、グンタ、オルオ。」
「「「はいッ!」」」
「俺たち四人は、これより議長を逮捕しに向かう。」
「「「!!」」」
その場にいる誰もが驚いた。
この報告を受けてなお動じないリヴァイ・アッカーマンの姿に。
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- 43 : 2015/11/03(火) 02:30:23 :
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「いいか、お前ら・・・・・・俺たちは、ジェダイだ。いつ、いかなる状況に陥ろうとも、俺たちは俺たちの正義を貫く。」
そう言うリヴァイの両目は、既に議長を殺害することだけに向けられていた。
「俺もいきます! 強敵です!」
すると、エレンも最高議長と戦うべく助力を申し出た。
だが・・・・・・
「ダメだ・・・・・・お前はここに残れ。」
「!! どうして!?」
リヴァイはエレンに、ペトラと共にここに残るよう命じた。
「どうして・・・・・・だと!?」
リヴァイの声は、普段に増して厳しかった。
「お前は内面に弱さを抱えている。そんな奴が一緒にいたら足手まといだ。」
「ぐっ・・・・・・。」
そのままリヴァイと彼の弟子であった三人のマスターは輸送艇に乗り込んだ。
輸送艇はプラットフォームを離陸し、夜の帳が降りはじめ、夕闇に包まれる摩天楼の彼方へと消えていった。
「・・・・・・。」
残されたエレンは、同じく残ったペトラに何も言わず、その場を立ち去っていった。
「・・・・・・あなたも素直じゃないですね、マスター・リヴァイ。」
「何の話だ?」
輸送艇の中で、エルドはリヴァイに話しかけた。
「エレンが決断して後から来るのを望んでいるんでしょう? だからペトラを残してきた。違いますか?」
「余計な詮索をするな、エルド。最悪、議長は俺たちだけで殺す。覚悟はいいな?」
リヴァイの問いに、エルド、グンタ、オルオはゆっくりと頷いた。
___________運命の刻 は、迫っていた。
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- 44 : 2015/11/03(火) 02:35:01 :
- 以上で第3話は終了です。
空山さん、お気に入り登録ありがとうございます!
次回、第4話は物語が大きく動きます。
よろしくお願いいたします<m(__)m>
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- 45 : 2023/07/07(金) 14:46:07 :
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2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
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16 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 19:01:59 このユーザーのレスのみ表示する
ちょっと時間あったから3つだけ作った
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アカウントの譲渡について
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36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな
22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。
46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね
52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑
89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ
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進撃×スター・ウォーズ ~シスの復讐~ シリーズ
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