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アルミン「エピソードⅢ」 エレン「シスの復讐」 ② 進撃×スター・ウォーズ
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- 1 : 2015/10/27(火) 00:39:45 :
- 進撃×スター・ウォーズ、エピソードⅢ、シスの復讐、第2話になります。
よろしくお願いいたします。
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- 2 : 2015/10/27(火) 01:19:47 :
夜のコルサントは、昼とは違って蠱惑的で、眠ることを知らないこの都市は、地上に様々な星をちりばめたかのように、様々な光に彩られていた。
※コルサントの夜景
http://jawallpapers.com/wp-content/uploads/2014/09/%E5%B8%82%E3%80%81%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%88%E3%80%81%E5%A4%95%E6%96%B9%E3%80%81%E5%BB%BA%E7%AF%89%E3%80%81%E8%A1%97%E8%B7%AF.jpg
コルサントの超高層区画、500リパブリカ。
元老院議員が宿泊するための元老院アパート・ビルの最上階に、ヒストリアは自室を持っていた。
都市景観を一望できるベランダにて、ヒストリアはエレンと一緒に貴重な時間を過ごしていた。
「エレン、子供は・・・・・・ナブーで産みたいと考えてるの。」
「・・・・・・。」
「誰も知らないあの湖水地方で・・・・・・庭に面した素敵な場所があるのよ?」
「・・・・・・。」
「ねぇ、聞いてる? エレン?」
「!! あ、ああ、聞いてたぞ。」
「嘘、今ボーっとしてたでしょ?」
少し膨れた顔をするヒストリア。
すると、エレンが屈託のない笑顔で答えた。
「いや、やっぱお前、綺麗だなって・・・・・・。」
「もう、あなたっていつもそう。」
ヒストリアはため息をついた。
___________こんなことを無意識に言うあたり、エレンはとても狡いのだ。
「ん? 俺が何したってんだよ?」
「ふふ、何でもないわ。」
「ふぅん、やっぱお前は変わったやつだな。」
エレンは追及を諦め、再び笑顔になった。
それから、エレンはそっとヒストリアに寄り添い、優しくお腹に手を当てた。
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- 3 : 2015/10/27(火) 01:21:13 :
「なぁ、ヒストリア・・・・・・子供の名前なんだけどよ。」
「実はね、もう決めてるの、エレン。」
「!? そうなのか?」
今度はヒストリアが優しく微笑んだ。
自らのお腹を愛おしそうにさすりながら、エレンにそっと口づけをした。
「もし男の子だったら、あなたの名前をつけようと思っているの。」
「俺の名前を?」
「ええ、あなた以上の名前・・・・・・私は思いつなかったわ。」
「はは、何だか・・・・・・恥ずかしいな。」
鼻筋をポリポリとかいて、エレンは少し恥ずかさを滲ませた喜びの表情を見せた。
そんな様子のエレンに、ヒストリアもつられて恥ずかしげな様子を見せる。
話題を変えるように、エレンが話を切り出した。
「で、女の子だったらどうすんだよ?」
「ふふ、その時は・・・・・・楽しみにしてて。」
そう言うとヒストリアは、先に横になると言って、ベランダから寝室に戻っていった。
「・・・・・・楽しみに・・・・・・か。」
エレンは一人、ベランダの上で呟いた。
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- 4 : 2015/10/27(火) 01:21:52 :
___________ヒストリアが歓び半分、不安半分で俺に妊娠を告げた時、実は俺も不安を感じずにはいられなかった。
ヒストリアは議員辞職を迫られるだろうし、
俺はジェダイ・オーダーを追放されるだろう・・・・・・。
それでも俺は、子供がもたらしてくれる幸福に希望を持っていた。
「・・・・・・エレン・・・・・・イェーガー・・・・・・ジュニアか・・・・・・。」
言葉にすると、余計に嬉しくなって、思わずほおが緩んだ。
間もなく俺も寝室に戻って、先に横になっていたヒストリアの隣に寝転んだ。
ヒストリアの温もりが感じられる・・・・・・。
それだけで、俺は幸福感に浸ることが出来た。
そして俺はそのまま、意識を手放した。
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- 5 : 2015/10/27(火) 01:22:34 :
___________エレン! 助けて・・・・・・。
気が付くと俺は、ヒストリアの出産に立ち会っていた。
赤ちゃんの産声が聞こえてくる中、ヒストリアは苦悶の表情を浮かべていた。
(どうして・・・・・・そんなに苦しんでるんだよッ!?)
俺はヒストリアに触れようとした。
するとどうだろう。
ヒストリアが徐々に遠ざかり始めた。
「ヒストリアッ! ヒストリアッ!!」
必死になって叫んで走って、それでもヒストリアは遠ざかっていった・・・・・・。
悲鳴を上げるヒストリアの声が、徐々に・・・・・・弱弱しくなっていった・・・・・・。
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- 6 : 2015/10/27(火) 01:23:35 :
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「はッ!!」
気が付くと俺は、ヒストリアの側で横になっていた。
汗をびっしょりかいて、着ていたシャツが肌に張り付いて気持ちが悪い・・・・・・。
ふと俺は顔を横に向けて、隣で眠っているヒストリアの寝顔を確認した。
(良かった・・・・・・ヒストリアが、俺の側にいる!)
俺はほっと胸を撫で下ろしたが、次の瞬間には、大きな影が俺の心の中に転がり込んできた。
___________俺はまた、夢を見た。
足を床に降ろし、ベットの淵に座って、思わず両手で頭を抱えた。
胸が痛む。
息が苦しい。
・・・・・・・・・・・・少し風に当たってこよう。
そう考えた俺はベットをそっと抜けだし、バルコニーへと向かって歩き始めた。
第2話
予知夢
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- 7 : 2015/10/27(火) 01:42:32 :
- なんてこった!!面白い・・!!
これはマジで支援です!!頑張ってください!
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- 8 : 2015/10/27(火) 09:52:28 :
- 支援andお気に入り登録ありがとうございます!
頑張ります!
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- 9 : 2015/10/27(火) 14:29:43 :
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ヒストリアのアパートのバルコニーは、彼女の故郷であるナブーの柔らかな曲線を持つ様式を取り入れたものであった。
この空間は表向きにはプライベートな空間だったが、スピーダーや小型のスターファイターが横付けできるようにもなっていた。
※ヒストリアのアパート、バルコニー
http://www.starwars.jp/wiki/images/e/eb/E3Cvar07.jpg
ソファーに一人腰かけ、俺はさっき見た夢を頭の中で反芻していた。
「・・・・・・・・・・・・エレン?」
「!!」
ビックリして後ろを振り返ると、そこにはヒストリアがいた。
「・・・・・・起こしちまったか、悪かったな。」
「一体何があったの?」
エレンは何か深刻に悩んでいるらしかった。
あまりにも悩みが深いのか、まるで話題を逸らすかのようにエレンは、私が首にかけているお守りを手に取った。
「これ・・・・・・まだ持ってたんだな。」
俺が手に取ったアクセサリーは、13年前、9歳の奴隷だった俺がジャポーの木を削って作ったお守りだった。
母さんに作り方を教わって、年上のお姉さんに対する淡い恋慕からヒストリアにプレゼントしたお守り。
___________10年ほど会えなかった間、想ってくれていたのは俺だけじゃなかったという証左だ。
「・・・・・・時には素直になるのも大切よ?」
・・・・・・あくまでヒストリアは俺に寄り添ってくれる。
殊更に攻め立てたりはせず、そっと、俺の味方になってくれる。
悪夢を振り払うように頷くと、ゆっくりと、エレンは話し始めた。
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- 10 : 2015/10/27(火) 16:28:43 :
「・・・・・・夢を見たんだ。」
「夢?」
「ああ、夢だ。よく母さんが死ぬ前に・・・・・・こんな夢を見たんだ。」
話しているエレンの顔に、徐々に恐れが広がっていく。
「それで、今回はどんな夢だったの?」
「・・・・・・お前が、死ぬ夢だった。」
「私が?」
「出産で・・・・・・お前は死ぬんだ。」
「赤ちゃんは?」
「・・・・・・分からない。」
エレンは立ち上がり、私に背を向けた。
どうやら辛い表情になっているのを、これ以上見られたくはないらしかった。
私はそっと後ろから、エレンの背中に手を、続いて頬を寄せた。
「大丈夫よ、エレン。ただの夢よ・・・・・・。」
「あぁ・・・・・・これはただの夢だ。現実になるわけがない。」
エレンは私の方へ向き直り、私を正面から抱き寄せた。
___________かすかに、エレンが震えているのが感じられた。
「ねぇエレン・・・・・・アルミンに相談してみたらどうかしら?」
「アルミンに?」
___________この三年のうちに、私とアルミンの関係も変わった。
政治家が嫌いで、どの政治家とも一線を引いて話していたアルミンが、私にだけは妙に親身になって接するようになっていた。
それに、今気が付いたことだが、アルミンはよくエレンのことを私に聞いていた。
まるで、私とエレンの関係を知っているかのように・・・・・・。
でもそれは、夫であるエレンのあずかり知らぬところだった。
「いや・・・・・・必要ねぇよ。」
彼のマスターであり、親友でもあるアルミンにさえ、私たちのことは秘密だった。
この原則に従って、エレンはそう判断したらしい。
「子供が生まれれば、俺たちの生活は変わる。そうだろ?」
エレンはそう言うと、ニカッと笑ってみせた。
___________どこか、かげりのある笑顔だった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 11 : 2015/10/27(火) 22:59:36 :
翌日。
答えを求めて、俺はマスター・ヨーダの部屋を訪れた。
俺と親しいアルミンに相談しては、俺とヒストリアの関係が明るみに出てしまうかもしれない。
だから、悟られる心配がなくて、なおかつ賢いジェダイ・マスターに相談するのが良いと思ったからだった。
「ふむ、このわしに何か用かのう? マスター・エレン?」
___________俺は密かに驚いていた。
今まで俺はヨーダに対して、規則に厳格だというイメージしか持ってなかった。
こんなに気さくに部屋に入れてくれ、しかも丁寧に座るように促してくれるとは思っていなかったのだ。
促されるままに俺は椅子に座ると、ヨーダは椅子によじ登り、俺に飲み物を勧めてきた。
「お茶はいかがかのう?」
「あ、ありがとう・・・・・・ございます。」
出されたお茶は、なんとも言えない色をしていた。
試しに一口飲んでみると、凄く苦くて、思わずむせてしまった。
「根っこから抽出した茶じゃ。美味しいじゃろう?」
そう聞いてくるヨーダは、ひどく無邪気でにこにこ笑っていた。
___________ヨーダの種族は味覚が変わっている。
聖堂のドロイドたちはヨーダの食事を残飯として処理しようと躍起になっているとうわさで聞いたが、
うへぇ、どうやら・・・・・・本当のようだ。
「もう一杯どうかのう?」
「えっ!? いえ・・・・・・もう十分です。」
俺は丁重にお茶のおかわりを辞退して、本題を切り出した。
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- 12 : 2015/10/28(水) 00:41:14 :
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「――――――――・・・・・・ふむ、予兆とな。お主の見たものは何じゃったかのう?」
俺の話を聞きながら。ヨーダは先ほどとは打って変わって真剣な顔になった。
少し緊張を覚えつつ、俺は見たものを話した。
「苦悩に苦痛、そして・・・・・・死が見えました。」
「それは自分自身か? それとも、他の人かのう?」
「・・・・・・他の人です。」
「親しいものか?」
「・・・・・・・・・・・・はい。」
少しずつ言葉を選びながら、エレンは話を続けた。
ヒストリアとの関係を、悟られないように。
ヨーダは静かに目を閉じ、エレンを諭すように話し始めた。
「注意せねばならぬぞ、未来を感じるときはのう、エレンや。」
「俺は・・・・・・この予兆を現実にはさせません!」
思わず力を込めて言うと、ヨーダはゆっくりと目を開いた。
相変わらず穏やかに、しかし、核心を突くようにヨーダは話を続けた。
「死は人生の定めじゃ。フォースに姿を変えるものを喜んで送り出すのじゃ。嘆いてはいかん。寂しがってもいかん。執着は嫉妬へと通じ、そして、欲望の影がそこに差し込むじゃろう・・・・・・。」
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- 13 : 2015/10/28(水) 00:43:02 :
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心の中で、言葉を失った。
頭が真っ白になって、勝手に口が動いた。
「俺は、どうしたらいいんですか? マスター・ヨーダ?」
「己の心を鍛えるのじゃ・・・・・・失いたくないものすべてを、送り出すためにのう。」
このまま死に行くヒストリアを・・・・・・喜んで送り出せ?
・・・・・・・・・・・・ふざけるなよ。
ヨーダの答えは、俺には到底受れられないものだった。
いや、ヨーダの答えは、ジェダイ・オーダーの規範そのものといってよかった。
___________俺の求めている答えは、ここにはない。
俺はヨーダに深くお辞儀をし、そのままグランド・マスターの部屋を退出した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 14 : 2015/10/28(水) 15:23:55 :
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コルサントの戦いから数日後。
「遅刻だよ、エレン。それに、アウター・リム包囲作戦の報告書も出来上がっていないだろう?」
「申し訳ありません、マスター。」
戦争が始まってからというもの、ジェダイは頻繁に通信センターで会議を開くようになっていた。
※通信センター
http://www.starwars.jp/wiki/images/7/78/Jedi_Briefing_Room.jpg
今日俺は、アウター・リム包囲作戦の報告書を持って、マスター・リヴァイに報告することになっていたのだが、これをすっぽかしてしまったのだ。
それで急遽、アルミンがすべてを口頭で説明してくれたらしかった。
__________この数日間、俺はヒストリアを救う術は無いかと、ジェダイの公文書館でよく調べ物をしていた。
ジェダイ・マスターとなったペトラさんは、“まるで昔のマスター・アルレルトのようね”としきりに感心していたようだった。
・・・・・・実を言うと、俺にはそれほど余裕がなかった。
そして、夢中になって調べているうちに、報告書の存在を忘れてしまっていたのだった。
「まぁ、結論から言うと戦況は悪くないよ、エレン。サルーカマイは陥落し、マスター・ヴォスの部隊はボス・ピティへと移動した。」
既に会議の後片付けを始めたアルミンはホログラム装置のスイッチを切りながら、報告の要点を話し始めた。
エレンは、アルミンがどこか浮かない表情をしているのに気が付いた。
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- 15 : 2015/10/28(水) 15:25:09 :
「それと、上手くいっていない点もある。」
「上手くいっていない?」
アルミンの意図を掴みかね、エレンは慎重にアルミンに問いただした。
すると、アルミンからこんな言葉が返ってきた。
「・・・・・・元老院は今日にも、議長にさらなる行政権を与える法案を通過させる予定だ。」
「それのどこが問題なんです? 元老院は戦争遂行能力が低かった。迅速な決断を下すためには必要なことだと思います。」
「やれやれ・・・・・・君の“お友達”のパルパティーンには気を付けるんだ。」
妙に“お友達”という言葉を、アルミンは強調していった。
少し棘のある言い方に苛立ちを覚えながら、エレンはアルミンの意図を探った。
「・・・・・・意味が分かりません。何に気を付けろっていうんです?」
「君に来てほしいそうだよ。」
「何の用で?」
「それが・・・・・・最高議長は何も言わなかったんだ。」
___________それがおかしいことは、俺にも分かった。
「ジェダイ評議会に何も言わずに、ただ俺に会いたいと言ってきたんですか?」
エレンとは別の理由で、アルミンもまた不安を感じていた。
「その通りだよ、エレン。何もかもが異例だ・・・・・・。」
___________今まで起こってこなかったことが、この三年間で起こっている。
急速に共和国を覆いつつある闇の核心が迫っている・・・・・・。
その予感が、アルミンの心を曇らせていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 16 : 2015/10/28(水) 16:10:14 :
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最高議長のオフィスはロイヤルレッドの壁に、トランスパリスチール製の丈夫で巨大な窓が議長の机の背後に付いていた。
※最高議長のオフィス
http://www.starwars.jp/wiki/images/0/07/Sith_to_Be.jpg
「やあ、エレン・・・・・・よく来てくれたね。」
最高議長はニッコリと笑うと、椅子から立ち上がって向こうから俺に歩み寄ってきた。
「どうされたんですか、最高議長? いきなり呼び出されて驚きましたよ。」
「・・・・・・私を信用してほしい。君の助けが必要なんだ。」
どうやら、最高議長にも悩みがあるらしく、その目で俺に訴えかけてきた。
顔は相変わらず温和な笑顔であったが、まるですがるような目をしてきたのは、これまでになかったことで、俺は内心密かに驚いていた。
「俺は・・・・・・何をすればいいんでしょうか?」
「君には・・・・・・共和国の目、耳、声となって働いてほしいのだよ。」
「どういうことでしょうか?」
話を続ける最高議長の声は、穏やかだった。
「君に、ジェダイ評議会のメンバーになってもらいたいんだ。」
「!! この俺を・・・・・・ジェダイ・マスターにですか!?」
___________正直、俺は・・・・・・嬉しかった。
ジェダイ・マスターともなれば、今まで閲覧を許されていなかった記録用ホログラムであるホロクロン―――――――例えば、シスの教義を収めたホロクロンなど―――――――を閲覧できる。
もしかするとその中に・・・・・・ヒストリアを救う手立てが、そこに繋がる何かが・・・・・・見つかるかもしれない。
「身に余る光栄です、議長。ですが、誰をメンバーにするかは評議会が決めることです。俺は・・・・・・マスターになれるでしょうか?」
「勿論なれるとも・・・・・・彼らは君が必要だからね。」
最高議長はそう言うと、再びニッコリと微笑んだ。
「君が思っている以上にね。」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 17 : 2015/10/28(水) 19:26:46 :
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昼が過ぎて、日が傾き始めた頃、ジェダイ評議会が開かれることになった。
ジェダイ評議会――――――――――12人の選ばれたジェダイ・マスターから構成されるジェダイの最高意思決定機関。
もっとも、今は戦時中であり、戦地からホログラム映像で評議会に参加しているマスターもいた。
マイギートーから、ミケ・ザカリアスが、
ケイト・ニモーディアから、プロ・クーンが、
それぞれ現地から参加していた。
そして、三年にわたるこのクローン戦争によって、評議員のメンバーも何人か交替していた。
戦死したコールマン・トレバーに替ってキット・フィストーが、
グリーヴァスによって殺害されたアディ・ガリアに替ってペトラ・ラルが、
ジェダイ内部の裏切りによって死亡したオポー・ランセシスに替ってオルオ・ボザドが、
それぞれジェダイ評議会のメンバーとなった。
さらに、発狂したデパ・ピラバに替って、アルミン・アルレルトもジェダイ評議会のメンバーに昇格した。
最後に、戦死したイーヴン・ピールの後任が見つからず、彼の席は空席のままとなっていた。
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- 18 : 2015/10/28(水) 19:54:36 :
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「ふむ、議長の意図がはっきりせぬ・・・・・・。」
エレンをジェダイ評議会のメンバーに迎える。
最高議長の“異例な”提案に、グランド・マスターは懸念を示した。
「前例のないことじゃ・・・・・・これを軽々しく認めるわけにはいかん。」
「はい・・・・・・。」
ヨーダの指摘に、エレンも頷く。
すると、評議会の長老を務めるリヴァイが、裁定を下した。
「故に・・・・・・お前は評議会の一員だが、マスターの称号は与えない。」
「・・・・・・はっ!?」
エレンの顔に、怒りの影が差した。
___________エレンが、憤っている・・・・・・。
この様子は、席について成り行きを見守っていたアルミンを密かに動揺させた。
「評議員なのに、マスターじゃない? ふざけてるのか!?」
「・・・・・・座れ、エレン・イェーガー!」
声を荒げるエレンに対し、リヴァイは厳しい声で命じた。
憤懣やるかたない・・・・・・といった様子で、エレンは“申し訳ありませんでした”と謝罪すると、静かに席に座った。
___________君は、一体何を考えているんだい?
アルミンはエレンを見つめ、心配そうに小さく首を振った。
エレンはそんなアルミンと目線すら合わせることなく、ただただ正面を向いていた。
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- 19 : 2015/10/28(水) 21:12:41 :
さて、エレンが椅子へと座ったところで、ミケがグリーヴァス将軍についての報告を始めた。
『俺たちはくまなく共和国の星系を調査したが、グリーヴァスはどこにもいなかった。』
「うむ、アウター・リムに隠れておるのじゃ、グリーヴァスはのう。外縁の星系を徹底的に捜索する必要があるじゃろう。」
___________グリーヴァスを捕まえれば、この戦争は終結する。
ここに出席しているどのマスターも、そのことを感じていた。
「しかし、捜索するだけの船はありませんよ、マスター・ヨーダ?」
現状を分析したアルミンが口を挟んだ。
評議員になってからというもの、アルミンは立て続けに軍事作戦を展開し、その発言力はリヴァイやヨーダに次ぐものとなっていた。
「それに、船を捜索に割けばキャッシークへの防衛にも影響が出ます。共和国として、キャッシークを落とされるわけにはいきません。」
「うむ・・・・・・では、わしが行こう。わしはウーキーたちと仲が良いからのう。」
深刻な兵力不足を補うため、グリーヴァス捜索のため、
惑星キャッシークにすむ種族であるウーキーたちと結びつきの強いヨーダが、自ら軍を率いてキャッシークへと進撃することと決まった。
「いいだろう。ヨーダが大隊を率いてキャッシークを防衛する。さて、これにて評議会を閉会する。フォースとともにあらんことを。」
そう言ってリヴァイは、評議会を終了した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 20 : 2015/10/28(水) 23:14:30 :
- ミケはキ=アディ=ムンディだったのか…
いよいよあの究極奥義が炸裂ですね(期待)
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- 21 : 2015/10/29(木) 13:25:39 :
- >>20
ご期待ありがとうございます!
いよいよです!
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- 22 : 2015/10/29(木) 13:26:10 :
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「くそ・・・・・・こんなの、前例のない屈辱だ!」
「落ち着くんだ、エレン。その若さで評議員になれたんだ。それこそ前例がないだろう?」
夕闇に包まれるジェダイ聖堂の回廊の中を、エレンとアルミンは並んで歩いていた。
苛立つエレンをアルミンは呼び出したのだが、アルミンに対するエレンの言葉はとげとげしかった。
「問題は・・・・・・エレンが最高議長と親しすぎることなんだ。」
「マスター! この話は・・・・・・俺から頼んだ話ではありません!」
「だが君は望んでいた! 最高議長との友情が役に立ったわけだ。」
「くっ・・・・・・関係のない、話です!」
アルミンの声は、厳しかった。
するとアルミンは、深い憂慮を示す、うつむきがちな表情でエレンを見た。
「けれど・・・・・・君を評議員にした唯一の理由もそこなんだ。」
「!? どういうことですか?」
ややあって、アルミンは話し始めた。
「評議会は最高議長の動向を知りたがっているんだ。君を通じてね・・・・・・。」
「!! まさか・・・・・・・・・・・・議長をスパイ しろと?」
驚愕するエレンの問いに、アルミンはゆっくりと頷いた。
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- 23 : 2015/10/29(木) 13:27:40 :
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___________ようやく、俺が評議会のメンバーに加わることのできた本当の理由が分かった。
「マスター・・・・・・あなたが俺を評議員にしたんですね? 議長をスパイさせるために・・・・・・。」
「今は戦時中だ、エレン。」
アルミンの口調は相変わらず厳しいままで、自他ともに犠牲を厭わない、何振りかまわぬアルミンがそこにいた。
当然、エレンは反発した。
「分かっているんですか? これは・・・・・・反逆行為だ。」
「分かっている・・・・・・このことが露見すれば私も君もただでは済まないだろう。だから評議会の席では言えなかった。」
「議長は悪い人じゃないです! 議長は・・・・・・俺がここに来たときから何かと気にかけてくれたんです!」
「だからこそ君に頼むんだ。いいかい、エレン? 我々が忠誠を誓うのは元老院。任期後も居座る最高議長じゃない。」
「元老院が任期延長を求めたんだろ!?」
「でも何かが釈然としないんだ! 分かるだろ!?」
声を荒げ、怒りに顔を歪め、エレンはアルミンから背を向けた。
「あなたは・・・・・・裏切り者だ、マスター。」
しばらくして、エレンは静かに、呟くように言った。
「ジェダイの規範も、共和国も、さらには・・・・・・俺の信頼も、あなたは裏切った。」
「・・・・・・これは命令だよ、エレン。」
アルミンは一言言い残し、エレンの元から立ち去っていった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 24 : 2015/10/30(金) 12:41:29 :
同刻。
ヒストリアのアパート。
「やあ、ヒストリア議員・・・・・・今日はありがとね。」
「いえ、急なお願いでビックリしましたが、気にしないでくださいね、ハンジ議員。」
エレンとアルミンが、少しづつ諍いを起こし始めた頃。
ヒストリアの客室には、共和国の良心派と目される政治家たちが集まっていた。
惑星オルデラン出身のナイル・アッカーマン議員。
惑星チャンドリラ出身のハンジ・ゾエ議員。
惑星コレリア出身のガーム・ベル・イブリス議員。
惑星ルーナ出身のチー・イクウェイ議員。
惑星サーン・プライム出身のファング・ザー議員。
いずれも欲にまみれた元老院の中にあって、高い志を持つ有能な議員たちだった。
※ガーム・ベル・イブリス
http://www.starwars.jp/wiki/images/8/86/Garm_Bel_Iblis.jpg
※チー・イクウェイ
http://www.starwars.jp/wiki/images/0/03/Chi_Eekway.jpg
※ファング・ザー
http://www.starwars.jp/wiki/images/9/92/Fang_Zar.jpg
テーブルを囲んで座った議員たちに、C-3POがお茶を配り始めた。
___________C-3POは三年前とは違い、金ぴかの外装を手に入れていた。
外交任務の多い私のために、600万語を操るC-3POをエレンがプレゼントしてくれたのだ。
『受け取ってくれよ、ヒストリア!』
弾けるような笑顔で、私にC-3POを贈ってくれたエレンが忘れられない・・・・・・。
そう言えば私もその時、エレンにプレゼントを渡したんだった。
『はい、これがエレンへのプレゼントよ。』
そう言って私は、戦闘機を操縦するためのあらゆるサポートの専門家であるR2-D2を、エレンへとプレゼントしたのだった。
__________クローン戦争のために、滅多に会えない私を、少しでも身近に感じてほしかったから。
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- 25 : 2015/10/30(金) 12:42:41 :
「いやあ、ありがとね・・・・・・C-3PO。」
「ふん、さっさと話し合いを始めるぞ。」
「ガーム議員・・・・・・そうせかすな。まだ私は参加すると決めたわけではないぞ。」
ハンジに噛みつくガームを宥めるナイル。
こんな個性派議員がそろいもそろって、私に一体何の用なのだろう?
「まぁまぁ、落ち着いて・・・・・・さて、ヒストリア。突然ここに集まらせてもらって本当に恩にきるよ。」
「それで、この会合の目的は一体何かしら?」
「ふむ、お主はパルパティーン最高議長とは親しいかのう?」
ファング・ザーがもじゃもじゃの顎髭を撫でつけながら、ヒストリアに問いただした。
穏やかな声だったが、ヒストリアはその問いにぎょっとした。
「・・・・・・最高議長は、私が女王だったころから親しくしていました。かつて私が女王だった時、議長はまだ元老院議員として、私の元で働いていましたから。ナブーを侵略された際も、親身になって相談に乗ってくれましたし・・・・・・。」
「そうじゃったか・・・・・・。」
ザーはそのまま考え込むような態度を見せた。
すると、チー・イクウェイがどこか申し訳なさそうな表情で私を見てきた。
「では、こんなお願いをするのは心苦しいわね。」
「お願い?」
「・・・・・・最近の最高議長の行動は目に余るものがあるわ。特に、宙域総督の導入は民主主義を掲げる共和国にとって問題なのよ。」
「!!」
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- 26 : 2015/10/30(金) 12:43:58 :
イクウェイの発言に、ハンジとガーム、ザーが頷いた。
ナイルは幾分か渋い顔をして、イクウェイの話に耳を傾けていた。
___________恐らく、ハンジとガームが中心となって、裏でいろいろ動いているようだ。
ヒストリアの政治家としての直感が、そう、告げていた。
「パルパティーンは、銀河中のあらゆるセクターに直接総督を置いて、彼らに行政権を委ねたんだ。元老院から行政権を奪ってね。」
ここに来て、ハンジの口調は力強いものになっていた。
裁判官である父親の背中を見て育ち、最年少で政界に進出した記録を持つハンジは、今や保守派の筆頭として卓越した論客の一人になっていた。
そしてそれは、平和的な解決を望むナイルをも動かしていたのである。
「確かに行政権を奪ったのには問題がある。」
ナイルは、しかし、ハンジにくぎを刺した。
「だが私は、平和的な解決を諦めたわけではないぞ。」
「分かっているよ、ナイル議員。だからこそ、今回はこうして“署名”を集めているんだ。」
「署名?」
話の流れが不穏な方へと進んでいく中、ヒストリアが尋ねた。
ハンジは私の目を推し量るようにじっと見つめ、それからゆっくりと答えた。
「そうだよ、ヒストリア・・・・・・私たちは今、署名を集めているんだ。この戦争終結の暁には、“非常大権”を手放し、“宙域総督システムを撤廃すること”を求める署名をね・・・・・・。」
「ふん、生ぬるいことだな。」
「ガーム議員、私たちは決めたはずだ。分かるね?」
ハンジにたしなめられ、悪態をつくガーム。
ハンジは再びヒストリアに目線を戻し、話を続けた。
「済まないね、この話・・・・・・嫌だったら断ってもいいんだ。強制するわけじゃないしね。でも私は・・・・・・民主主義を死なせるわけにはいかないと思っている。協力してほしい、ヒストリア。」
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- 27 : 2015/10/30(金) 12:45:26 :
___________クローン大戦中、私は・・・・・・戦争難民に手を差し伸べてきた。
目撃してきたのだ。戦争がもたらす・・・・・・惨禍を・・・・・・。
その最中にあって、確かに私も思うところがあった。
・・・・・・・・・・・・この戦いは、本当に正しかったのだろうか?
何のために戦っているのか?
何のために人々が苦しんでいるのか?
分からないままに戦争に巻き込まれ、命を落としていった生命体が多くいるのだ。
かつての共和国の栄光は・・・・・・失われた。
「・・・・・・署名します、ハンジ議員。」
「!! 本当かい!?」
「私に何ができるか分からないけれど・・・・・・協力します。」
「心強いよ、ヒストリア!」
ハンジはヒストリアの両手をガシッと握った。
「ところで・・・・・・この話はジェダイには話さないのですか?」
ヒストリアは、ふと思った疑問を口にした。
すると、ザーが思慮深げに話した。
「いや、ジェダイは最高議長に対して立ち位置が不明じゃ。相談することは賢明ではないじゃろう。」
「それに、ジェダイは今や“戦争屋”だからな。何を考えてるか分かったものではない。」
ザーはあくまで穏やかに、ガームは直截にジェダイを非難した。
この戦争を契機に、ジェダイたちの権威は確かに失墜していた。
その不信感が、ジェダイに話すことを拒んでいるのだろう。
最後に、ハンジが全員に確認した。
「いいかい、ここでの話し合いの内容は極秘だ。決して誰にも・・・・・・家族にさえも漏らしてはいけない。いいね?」
ここに集まった議員の全員が、静かに頷いた。
___________私は、夫であるエレンにさえ言えない秘密を、抱えることとなった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 28 : 2015/10/30(金) 15:52:10 :
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夕闇が広がっていくコルサントの摩天楼。
その中を、共和国の輸送艇が一艘、三人のジェダイを乗せてスピーダーの中を飛んでいく。
「・・・・・・エレンは、例の任務に反発しています。」
ジェダイ・マスター、アルミン・アルレルトは暗い表情で、ヨーダとリヴァイにエレンの様子を告げた。
___________最高議長の意図を探るため、彼と親しいエレンを囮にする・・・・・・。
この作戦を立案したのは、他ならぬアルミンであった。
3年前から、アルミンはずっと、もう一人のシスの暗黒卿―――――――――ダース・シディアスを追っていた。
そして、ここ数ヶ月で、アルミンはシディアス卿について、その正体にかなり迫っていた。
数週間前にエレンと共に陥落させたケイト・ニモーディア。
そこでアルミンは、ガンレイ総督のメクノ=チェアを発見した。
そこには、ガンレイ総督とシディアス卿の通信記録が残されていた。
存在すら疑わしかったシディアス卿の影をようやく掴んだのだ。
果たしてアルミンの予想通りだった。
ザックレー伯爵の話から、アルミンはシディアス卿が共和国側の人間だと推察していた。
そして、その通信記録は500リパブリカ、すなわち、共和国の行政府の中枢から発信されていたのだ。
そのためアルミンは、共和国の中枢にエレンを送り込むことを決断した。
この決断は、親友であるエレンを傷つける。
そのことを・・・・・・十分に理解していながら・・・・・・。
(済まない・・・・・・エレン。
ジェダイと議長の間で板挟みの立場に追いやる私を・・・・・・許してくれ・・・・・・。)
祈るような気持ちで、アルミンはエレンに任務を告げた時、しかしてエレンは反発した。
その時アルミンは、自己を犠牲にし、エレンを犠牲にし、彼との友情さえ犠牲にする覚悟を固めたのだった。
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- 29 : 2015/10/30(金) 16:37:15 :
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「アルミン。分かってるんだろうな・・・・・・これは危険な任務だ。失敗は許されねぇ。」
「お言葉ですが、マスター・リヴァイ。エレンは選ばれし者です。」
リヴァイの指摘に、アルミンは決然として反論した。
「シス卿を倒し、フォースにバランスをもたらす・・・・・・予言ではそうなっています。」
「だといいがな。」
すると、ヨーダが静かに、言葉を発した。
「我々が・・・・・・予言を読み間違えるということもありうるぞ。」
聡明なマスター・ヨーダから聞く、不吉な予言であった。
暗い言葉に胸騒ぎを覚えつつも、アルミンはヨーダに反論した。
「エレンは・・・・・・私の期待を裏切りません。絶対に・・・・・・。」
「そうあって欲しいものじゃな。」
やがて輸送船は、スピーダーの車列から離れ、夕闇の影が落ちるスター・デストロイヤーの発着プラットフォームへと向かっていった。
発着場へと着陸すると、ヨーダは一人輸送艇を降り、迎えに来ていたウーキーの一人、ターフルと挨拶を交わした。
※ターフル
http://www.starwars.jp/wiki/images/1/1e/Tarfful.jpg
大隊を指揮し、スター・デストロイヤーへと乗り込んでいくヨーダを、アルミンとリヴァイは見送った。
ヨーダは静かに杖を突き、ターフルに案内されて、スター・デストロイヤーへと搭乗していった。
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- 30 : 2015/10/30(金) 16:41:32 :
- 以上で第2話は終了になります。
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進撃×スター・ウォーズ ~シスの復讐~ シリーズ
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