ssnote

x

新規登録する

作品にスターを付けるにはユーザー登録が必要です! 今ならすぐに登録可能!

このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

アルミン「エピソードⅢ」 エレン「シスの復讐」 進撃×スター・ウォーズ

    • Good
    • 2

loupe をクリックすると、その人の書き込みとそれに関連した書き込みだけが表示されます。

▼一番下へ

表示を元に戻す

  1. 1 : : 2015/10/22(木) 22:49:29
    進撃×スター・ウォーズ、エピソードⅢ、シスの復讐です。


    前作、クローンの攻撃から三年後のお話になります。
    いよいよ、前半三部作のクライマックスまで来ました。よろしくお願いいたします。






    <主な登場人物>




    エレン・イェーガー・・・・・・ジェダイ・ナイト。「恐れなき英雄」として銀河中から称賛されるクローン戦争の英雄。22歳。

    アルミン・アルレルト・・・・・・ジェダイ・マスター。「交渉人(ネゴシエーター)」と称されるクローン戦争の英雄。ジェダイ評議会主要メンバー。38歳。

    ヒストリア・レイス・・・・・・銀河共和国元老院議員。エレンとは公に出来ない秘密の夫婦関係を持っている。27歳。

    リヴァイ・アッカーマン・・・・・・ジェダイ・マスター。ジェダイ評議会の長老。53歳。

    ヨーダ・・・・・・ジェダイ・グランド・マスター。ジェダイ評議会主要メンバー。

    シーヴ・パルパティーン・・・・・・銀河共和国元老院最高議長。

    ナイル・アッカーマン・・・・・・惑星オルデラン出身の銀河共和国元老院議員。48歳。

    ハンジ・ゾエ・・・・・・惑星チャンドリラ出身の銀河共和国元老院議員。29歳。

    ダリス・ザックレー・・・・・・独立星系連合リーダーにして、シスの暗黒卿。83歳。

    グリーヴァス・・・・・・独立星系連合ドロイド軍の将軍。

    ダース・シディアス・・・・・・正体不明のシスの暗黒卿。







  2. 2 : : 2015/10/23(金) 00:22:32












    遠い昔、遥か彼方の銀河系で・・・・・・
















    銀河共和国首都惑星コルサント。



    普段はせわしなくスピーダーが飛び交う摩天楼の中で、共和国軍と独立星系連合の軍が激しい火花を散らしていた。





    クローン戦争が始まってから既に三年。
    ドロイド軍のリーダーであるグリーヴァス将軍が、突如として銀河共和国の首都に奇襲をしかけてきたのだ。










    リヴァイとヨーダがバディを組み、紫と緑のライトセイバーを振り回して奮戦する中、衝撃的な一報が共和国軍にもたらされた。








    「マスター・リヴァイ! マスター・ヨーダ! 大変です! 最高議長が・・・・・・」

    「どうした?」

    「最高議長が・・・・・・グリーヴァス将軍にさらわれましたッ!!」

    「「!!」」









    銀河共和国元老院最高議長、拉致。









    それは余りにも衝撃的な一報であった。
    共和国の最高指導者が、白昼堂々拉致された。


    「敵は既に最高議長をシャトルに乗せて逃亡しました!!」









    ____________最高議長を人質に取られては、どんな要求をされるのか分かったものではない。


    この一報を受け、リヴァイとヨーダは最悪の事態を想定した。








    だが、この後にもう一つ、衝撃的な一報がもたらされた。







    「報告です!! アルミン・アルレルト将軍とエレン・イェーガー将軍が戦場に到着しました!!」

    「「!!」」








    ____________コルサントでの戦いは、この二人の英雄に託された。









    第1話


    コルサントの戦い








  3. 3 : : 2015/10/23(金) 01:21:39












    摩天楼のはるか上空、惑星コルサント大気圏内。



    ここでも、共和国の大艦隊と独立星系連合の大艦隊が激しい火花を散らしていた。












    そんな中、二機のジェダイ・インターセプターが戦場の中へと飛び込んでいった。



    ※ジェダイ・インターセプター
    http://www.starwars.jp/wiki/images/6/68/Eta-2_Actis.jpg







    まるで海の中を素早く泳ぐトビウオの如く、二機のインターセプタは息を合わせて共和国や独立星系連合の戦艦の間を潜り抜けていく。


    共和国のスター・デストロイヤーのターボレーザーが火を噴き、独立星系連合のスター・フリゲートを破壊。
    その残骸が飛んでくるのを上手く躱して進んでいくのは、優れたエース・パイロットである証であった。





    ※スター・デストロイヤー
    http://www.starwars.jp/wiki/images/b/b3/Republic_Venator-class_Star_Destroyer.jpg

    ※スター・フリゲート
    http://www.starwars.jp/wiki/images/1/1b/Munificent-class_star_frigate.jpg










    最新鋭の機体をひっさげ、ジェダイ・マスター、アルミン・アルレルトとジェダイ・ナイト、エレン・イェーガーは遂に、コルサントの戦場へと潜り込んだ。










    「ロックオンだ、R2。」


    黄色いインターセプターに乗るエレンは、相棒のR2に呼びかけた。
    このR2は元々、ヒストリアに使えていたドロイドであったが、戦場を駆けるエレンの為に贈られたものであった。








    「マスター、前方にグリーヴァスの船が見えます! 敵に囲まれているみたいです。」

    「うん、見えてるよ。まぁ楽勝だね。」







    沢山のドロイド・スターファイターに護衛されたグリーヴァス将軍の旗艦、インヴィシブル・ハンドが二人の目に飛び込んできた。



    ※インヴィシブル・ハンド
    http://www.starwars.jp/wiki/images/c/ce/InvisibleHand.jpg







  4. 4 : : 2015/10/23(金) 01:22:57








    すると、向こうのスターファイターもこちらに気付いたのか、編隊を組んできた。
    アルミンは極めて冷静に、後続するARC-170スターファイターに指令を出した。



    ※ARC-170スターファイター
    http://www.starwars.jp/wiki/images/e/ea/ARC-170_starfighter.jpg








    「オットボール、応答せよ。」

    『はい、アルレルト将軍。』

    「編隊を組んで突入する。私の後に続くんだ。」

    『了解しました、アルレルト将軍。Sフォイル戦闘ポジション。』








    ARC-170スターファイターの翼が開き、アルミンの指示通りにパイロットであるクローン・トルーパーたちが編隊を組む。

    戦闘態勢が整った。








    「はは、ワクワクしてくるな、マスター。」

    「敵をやり過ごすんだ、エレン。無理はしないでね。」








    編隊を組んだお互いのスターファイターが相手の編隊に向かって突撃した。
    緑と赤のレーザーが交互に飛び交い、たちまち敵味方双方の機体が多数、炎にくるまれて墜落していく。







    『う、後ろにつかれた、救援をッ!!』


    後続するARC-170スターファイターから救援の無線が入った。
    早速エレンが反応して無線を返す。







    「俺に任せてくれ。」

    「ダメだよエレン・・・・・・君は君の任務に集中するんだ。いいね?」








    すぐさまアルミンが冷静に釘を刺す。



    アルミンは自分の役割について理解していた。
    もしここで助けに入って進撃が遅れれば、最高議長の命のリスクは高まってしまう・・・・・・。




    三年前であれば反発していたであろう。
    だが、エレンも渋々、アルミンの言うことに従った。





    この三年で、二人の関係には変化が訪れていた。





    エレンの勇猛さは、銀河中に様々な伝説を残し、アルミンの卓越した交渉術や戦術は、何度も共和国に奇跡的な勝利をもたらしていた。





    その結果として、二人はお互いを深く尊敬しあうようになっていた。
    意見の食い違いはあったものの、エレンはアルミンの英断に、アルミンはエレンの勇敢さにそれぞれ深い信頼を寄せていた。








    『ぐああぁあぁ・・・・・・』


    通信機越しに、救援を求めてきた兵士の断末魔の悲鳴が聞こえた。
    それでもエレンは、アルミンの言葉通りに自分の役割を果たすことに決めた。








  5. 5 : : 2015/10/23(金) 09:35:31







    バシュウッ!!

    すると、ドロイド・スターファイターの一体が、エレンとアルミンめがけ、ミサイルを放ってきた。








    「!! ミサイルだッ! 正面から来ます!!」


    エレンがアルミンに警告を出し、二人は機体を左右に揺らすことで、正面から飛んでくるミサイル四発を躱した。








    「躱したよ、エレン!」

    「戻ってきますよ?」

    「!! ホントに!?」










    そう言っている間にミサイルは反転して、それぞれ二発づつエレンとアルミンを追尾し始めた。









    ____________うん、だから私は飛ぶのが嫌いなんだ。









    「よし、R4・・・・・・いやいやいやッ! やっぱりトリッキーな動きは止めてくれッ!」


    アルミンの補佐をする赤いアストロメク・ドロイド、R4-P17はミサイルを振り切ろうとトリッキーな動きを要求したが、アルミンはそれを却下した。
    エース・パイロットとして最前線で活躍しているにもかかわらず、アルミンは未だに飛ぶことは嫌いだった。












    「よし、R2、パワー・ユニット全開! リバース・スラスタースタンバイッ!!」


    対照的に、エレンは飛ぶことの大好きなエース・パイロットであった。








    次の瞬間にはコルサントの地平線や戦艦がくるくる回転し始めた。
    エレンの機体はくるくると横に回転しながら進み、ミサイル二つもそれに合わせてくるくると回転し始めた。








    ドゴォンッ!!

    やがて、二つのミサイルが接触して爆発、エレンは巧みにミサイル追尾から逃れた。







    「よし、こんなもんだな、R2。」


    エレンが微笑むと、R2も嬉しそうに電子音を上げた。







  6. 6 : : 2015/10/23(金) 09:55:00









    ____________く、振り切れないッ!






    アルミンは機体を左右に揺らし、何とか振り切ろうとしていたが、ミサイルはしつこくアルミンを追尾した。







    「やっぱり飛ぶのは嫌いだ・・・・・・。」


    そう愚痴を漏らしていると、ミサイルはアルミンの機体を追い越した。







    一瞬安心したアルミンだったが、次の瞬間にはそれが間違いだと理解した。







    ドゴォンッ!
    ドゴォンッ!


    ミサイルの爆発と共に沢山の黄色いドロイドが飛び出してきたのだ。
    そのドロイドはアルミンのインターセプターに張り付いてきた。








    「ねぇ、ドロイド博士、これは一体何なんだい?」

    「バズ・ドロイドです。」






    バズ・ドロイドは気に障る電子音を立て、アルミンの機体をドリルを使って分解し始めた。



    ※バズ・ドロイド
    http://www.starwars.jp/wiki/images/e/e3/Buzz_droid.jpg







    ____________そういう事か。



    少しずつ、しかし確実にインターセプターにダメージを与え、破壊するのではなく、動作を停止させる。
    敵もよく考えたものだ。







    「R4ッ! 気を付けるんだ! 君は――――――・・・・・・



    ターゲットにされている。
    そう言いかけたのも束の間、R4はバズ・ドロイドに襲撃されて破壊されてしまった。






    ワオワーオーーー・・・・・・


    破壊されたR4の頭部が電子音を立てながら、アルミンの機体の後方へと飛んでいってしまった。






  7. 7 : : 2015/10/23(金) 09:58:12








    「あぁ、やれやれ、どうしたものだろう?」


    バズ・ドロイドはアルミンの機体を的確に分解していた。
    ドリルをアルミンの機体に突っ込み、指揮系統を司る回路に損傷を与えた。









    「ダメだ・・・・・・機体の制御が効かない。」


    ボソッと呟くように言うアルミン。








    ____________もう私はダメかもしれない・・・・・・。



    アルミンは密かに、覚悟を固めた。











    すると、エレンから通信が入った。






    「大丈夫です、マスター! 俺が全部撃ち落としますからッ!」

    「任務が優先だ! 私のことは捨て置けってうわあっ!!」








    ドゴオォオンッ!!

    返答したのも束の間、次の瞬間には重い衝撃がアルミンを襲った。



    文字通りエレンはレーザーを撃ってきたのだ。
    しかも、バズ・ドロイドを何体か駆逐した勢いでアルミンの機体の左翼の一部が半壊するというおまけつきだった。








    「君は私を殺す気かッ!」

    「すみません、マスター・・・・・・いい考えだと思ったんですが。」








  8. 8 : : 2015/10/23(金) 15:14:58








    バシュッ!!

    「!! しまった・・・・・・冷却装置をやられた。前が見えない。」





    冷却装置から冷気が漏れ、アルミンのインターセプターの窓を曇らせ始めた。


    ____________残ったバズ・ドロイドは、アルミンの機体を確実に動作不能に追い込んでいく。









    すると、エレンがアルミンの機体の左側に並んだ。





    ドゴンッ!

    「うわッ!!」




    アルミンを再び襲う衝撃。
    今度はエレンの機体が体当たりをしかけてきたのだ。


    何体かのバズ・ドロイドが押しつぶされ、駆逐された。









    「もっと右によって!」

    「まったく・・・・・・君は何て無茶を。私のことはいいから早く行くんだ!」

    「あなたを置いて? 俺にはそんなとこ出来ませんよ!」










    ____________そう、俺には失敗はもう許されない。



    もう誰も失わないために、俺は強くなったのだ。
    今度こそこの力で、皆を守って見せる!












    エレンはもう一度体当たりを仕掛けた。




    ドゴンッ!!

    三体のバズ・ドロイドを押しつぶしたものの、最後のバズ・ドロイドが今度はエレンの機体の上に乗っかってきた。
    そして、そのバズ・ドロイドは、R2-D2の前に立ちはだかった。





    「やれ! R2!!」


    すると、R2は頭から電気ショックを放てるアームを取り出した。





    バチィッ!!
    ウワアァオッ!!


    近づこうとするバズ・ドロイドを電気ショック迎撃するR2。
    すると、アルミンが横から、こんなアドバイスをしてきた。







    「R2、バズ・ドロイドの真ん中の目を狙うんだ。」


    R2はアームを、バズ・ドロイドの赤い真ん中の目に向けた。








    バチィッ!!


    R2の一撃がきれいに決まり、バズ・ドロイドはショートしてエレンの機体から離れていった。







    「よし、やったな!!」

    「お見事、R2。」








    相棒の活躍にエレンは喜び、アルミンも思わずうなった。
    バズ・ドロイド相手に思わぬ苦戦であったが、二人は何とか協力してピンチを切り抜けた。







  9. 9 : : 2015/10/23(金) 15:48:20










    「マスター! グリーヴァス将軍の船は目の前です!!」










    ウワアァアァオッ!!


    将軍の戦艦から赤いレーザーがまるで雨のように降り注ぎ、R2が悲鳴を上げた。










    「!! エレン、まだシールドが作動してるよ!? これじゃハンガーに入れないよ!!」

    「失礼、マスター!!」









    そう言うとエレンはレーザーを連射し始めた。




    ドゴォン!!

    ハンガーベイの入り口の脇を集中砲火、大きな爆発と共にハンガーベイの入り口を守るシールドが消失した。
    緊急用の巨大な鉄の扉が勢いよく閉まりはじめる。








    「何だか嫌な予感がする・・・・・・。」


    アルミンはそう呟くと、二機のインターセプターは閉まっていくハンガーベイの入り口に滑り込んだ。










    勢いよく飛び込んだ二機のインターセプターはそのまま胴体着陸を敢行。








    「はぁッ!!」


    大きな音を立てて滑っていく機体の中から、アルミンは勢いよくコクピットを飛び出すと、そのまま空中を一回転しながらライトセイバーを起動。
    着地と同時にハンガーベイを警護するドロイドへと斬りかかった。











    「まったく・・・・・・アルミンはいつも冷静に無茶をするんだよな・・・・・・。」


    エレンは機体が停まってからゆっくりとシートベルトを外し、射出ボタンを押した。









    バシュッ!

    コクピットの脇にあるソケットから、R2が勢いよく射出された。



    それからエレンはゆっくりとコクピットを開けてインターセプターを降り、ライトセイバーを起動させた。









    「いたぞ、捕まえろッ!!」


    ハンガーベイを守るバトル・ドロイドたちがエレンとアルミンに駆け寄ってきた。





    ドロイドたちは二人のジェダイに対してレーザーによる集中砲火を浴びせた。
    だが、二人は難なくレーザーの嵐を打ちかえし、近づいてくるドロイドは斬り捨てた。







  10. 10 : : 2015/10/23(金) 15:49:50








    戦いの最中、アルミンはR2に命じた。


    「R2、最高議長を探してくれッ!!」









    やがて二人は、沢山いたはずのバトル・ドロイドを悉く駆逐した。
    二人にとって、バトル・ドロイドは最早敵ですらなかった。







    エレンとアルミン―――――――――二人が揃えば、どんな不可能をも可能に出来る。







    二人の力と堅い絆は、これまでの戦いで十全に発揮され、幾度となくお互いを助け合ってきた。
    そしてこれからも、この関係が続くことを、お互いに信じて疑わなかったのだ。








    さて、R2はソケットを端子へ接続し、インヴィシブル・ハンドの設計図のホログラムを映し出した。
    アルミンはホログラムを指さしながらエレンに話しかけた。






    「議長のシグナルはここから発信されている。この船の尖塔の頂上にある観測プラットフォームだ。」

    「・・・・・・ザックレー伯爵の気配を感じます。」

    「恐らく罠だろうね。」

    「ではどうします?」

    「うん、罠ごと踏みつぶそう。」







    アルミンは笑いながら観測プラットフォームへと続くエレベーターへと移動し始めた。
    これにはエレンも苦笑いで応じた。








    「大胆ですね、マスター?」

    「すべきことをするだけだよ、エレン。」








    二人が歩き出すと、R2が電子音を立てて二人を呼び止めた。
    すると、エレンが振り返ってR2に命じた。







    「R2、お前はここに残ってくれ。」

    「ほら、通信機を渡すから命令を待つんだ。」








    アルミンから投げ渡された通信機を、R2はアームでキャッチした。











    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇







  11. 11 : : 2015/10/23(金) 20:01:28








    インヴィシブル・ハンド、艦橋。









    ゲホッ! ゲホッ!







    一体の巨大なドロイドが、苦しそうに咳をしながら艦橋に入ってきた。
    いや、正確に言うと、体の7割ほどをドロイドに置き換えた、カリーシュと呼ばれる昆虫型のエイリアンが入ってきた。


    2メートルを超える大きな体型に、マントを纏って不気味な白い仮面をつけた男―――――――――グリーヴァス将軍は、戦艦を操縦するニモイディアンの艦長に話しかけた。



    ※グリーヴァス将軍
    http://ks.c.yimg.jp/res/chie-que-1372/1/372/115/928/i320









    「状況はどうなっている、艦長?」

    「二人のジェダイが侵入し、現在はエレベーターへと通じる通路を移動中です。」

    「伯爵の読み通りだな、ふっふっふっふっふっ・・・・・・。」











    不気味な笑い声を立ててグリーヴァスは、二人のジェダイが廊下を走っているモニターを見つめた。














    「!! マスター! デストロイヤーです!」


    エレンとアルミンがエレベーターを待っていると、通路の奥から三体のドロイデカが転がってきた。
    ボール状のドロイドは、二人の前で止まり、武器を構えて立ちあがった。







    次の瞬間、ドロイデカはシールドを張り、ツイン・ブラスターから猛烈なレーザーを浴びせた。
    エレンとアルミンは即座にライトセイバーを起動させ、猛射を防ぎながら、丁度到着したエレベーターへと乗り込んだ。








    「ふう、ここまでは順調だったね。」

    「はい、怖いくらいに・・・・・・。」









    すると、後ろから銃を突きつけられる音がした。


    「動くな、武器を捨てろ!」








    二人が振り返ると、十体ほどのバトル・ドロイドが銃を構えていた。



    ____________これは、絶体絶命・・・・・・














    「・・・・・・なわけないね!」





    ビュウウンッ!
    ビュウウンッ!


    二人は同時にライトセイバーを起動した。
    刹那、青い光刃煌めき、十体のドロイドはあっという間に無数のスクラップと化した。








    「まぁ順調だね。」

    「ホントに怖くなってきましたよ、マスター。」











  12. 12 : : 2015/10/23(金) 20:20:36
    新作乙!
    読んでますよ
  13. 13 : : 2015/10/23(金) 20:51:38
    コメントありがとうございます!
  14. 14 : : 2015/10/23(金) 20:52:04









    さて、ハンガーに残ったR2は、一人ピンチを迎えていた。










    「あれがジェダイのスターファイターだ。」


    エレンとアルミンの乗ってきたスターファイターを調べようと、スーパー・バトル・ドロイドが二体、こっちにやってきたのである。








    ____________まったく面倒なタイミングで来やがって・・・・・・。



    心の中で思いっきり毒づきながら、R2は物陰に身を隠した。












    一方、エレンとアルミンはこれまで順調に来ていたが、さすがに雲行きが怪しくなってきた。







    ガタンッ!


    「あれ? エレベーター止まっちゃった?」

    「マスター、何かボタン押しました?」

    「いや、押してないよ・・・・・・さて、どうしようか?」








    エレベーターが音を立てて止まってしまったのだ。
    差しあたって困ったエレンとアルミンは、どうしようか話し始めた。








    「とにかくここを出ましょう、マスター。」


    そう言うとエレンはライトセイバーを天井に突き立てた。









    「いやいやいや、それよりもエレベーターを動かすことを考えようよ。R2? 応答して?」


    アルミンは通信機を使ってR2に連絡を取り始めた。












    (『聞こえる!? R2!? 31174番のエレベーターを動かしてくれ!』)






    「ん? 何の音だ?」


    アルミンからの通信の音に、R2は焦りまくっていた。
    下手をしたら、あいつらに気付かれてスクラップにされてしまうかもしれない。



    ____________まったくもう、何でこんな時に限って!!









    R2は慌てて通信機を体内へしまい込んだ。
    アルミンが応答を呼び掛けてくるのを取り敢えずは必死に無視し、ひたすらに息を殺した。








    「何でもないか・・・・・・仕事に戻ろう。」






    ____________あのドロイドたちは何とか気を逸らしてくれた。



    相手がヴァカで助かった・・・・・・。









  15. 15 : : 2015/10/23(金) 22:42:43










    「おかしいなぁ・・・・・・R2から応答がないってうわぁッ!!」






    ドゴンッ!

    アルミンがR2に呼びかけている間に、エレンは天井をライトセイバーで円形にくり抜いた。
    鉄板が床に落ち、大きな音を立てる。


    エレンは早速飛び上がって、エレベーターの上に立った。









    「やれやれ、いつもこれなんだよなぁ・・・・・・。」







    ____________考える前に、体が動く。



    ただ、私が考えた末に行動したときよりも正しい答えを見つけることもあり、一概に窘めることが出来ないのはもどかしかった。
    しかも、命を救われたこともあるのだから、なおさらだ。












    さて、アルミンの指令を受けていたR2は、ドロイドたちが気を逸らしている隙に、エレベーターを動かすことにした。





    ソケットを端末に接続し、R2は再びインヴィシブル・ハンドのシステムにアクセスした。
    と、次の瞬間。








    ガコンッ!

    うわあぁあぁぁ・・・・・・・・・・・・!!






    突然にエレベーターが下に動き出し、アルミンが悲鳴を上げて下へと落ちていった。
    エレンは咄嗟に飛び上り、壁に手をかけた。









    プシュウゥゥゥ・・・・・・


    すると、エレンの真上の扉が開いた。
    そこから二体のバトル・ドロイドが、エレンに向かって銃を向けた。







    「動くな! ジェダイ!」

    「動けねぇよ。」







    ____________ヤバイな、これは・・・・・・絶体絶命ってやつだ。







  16. 16 : : 2015/10/23(金) 22:43:35








    「いてててて・・・・・・。」


    ゆっくりとアルミンは起き上がった。
    いきなり下に下がったせいで、アルミンはスクラップの中に埋もれていた。






    アルミンは再び通信機を手に取ると、R2に話しかけた。


    「R2・・・・・・私は下に行きたいんじゃない。上に行きたいんだ。」







    ガコンッ!

    「うわあぁあぁぁッ!」



    エレベーターが再び止まり、その勢いでアルミンは再び転んだ。












    「!! おい、お前ッ!!」


    ____________!! ヤバイッ!!




    スーパー・バトル・ドロイドの声が聞こえてきて、R2も絶体絶命だった。
    さすがに見つかってしまい、慌ててエレベーターを上に動かすようシステムに働きかけた。







    ガコンッ!

    漸くエレベーターが再び上昇しはじめ、アルミンは立ちあがってR2に通信を入れた。



    「よし、これでいい。」











    ____________何がいいものか!!


    R2はスーパー・バトル・ドロイドに持ち上げられて、文字通り絶体絶命だった。







    「このマヌケでチビなアストロメク・ドロイドめ。」


    そう言って持ち上げるスーパー・バトル・ドロイドに、R2は奥の手を使うことにした。








    ____________これでも喰らえッ!!






    ブシュウゥゥッ!!

    R2はいきなりオイルをドロイドめがけて発射した。







    「うわぁッ!! 目が! 目がぁ!!」


    黒いオイルがドロイドの視界を奪った。
    そのままオイルは床に広がり、二体のバトル・ドロイドは足を取られて転倒。


    その隙に、R2は両足の脇から滑空用のブースターを点火した。








    ボウッ!!

    ブースターの炎がオイルが引火し、バトル・ドロイドたちは炎に包まれた。





    ボンッ!

    そのままドロイドたちは大きな音を立てて爆発し、R2は何事もなかったかのようにその場を立ち去っていった。








  17. 17 : : 2015/10/23(金) 22:46:09








    「やっべ、エレベーターが上がってくるな・・・・・・。」


    壁に掴まって絶体絶命のエレンは、下からエレベーターが昇ってくるのを感じ取っていた。






    「ふんっ!」


    エレンは思いっきり壁を蹴り、飛び跳ねてもう一方の壁を蹴り、エレベーターに着地した。






    「あ、ヤバイッ!」


    それとどちらが速かったか、エレンに銃を突き付けていたドロイドはエレベーターと接触してスクラップになった。











    「!!」


    ビュウウンッ!

    アルミンは自分の後ろに飛び降りてきた侵入者に驚いて、咄嗟にライトセイバーを起動した。






    「俺です!」

    「ああ、エレンか・・・・・・。」




    入ってきたのがエレンだと分かり、アルミンはほっと胸を撫で下ろしてライトセイバーを消した。









    「それで、これは一体どういうことなんですか?」

    「えっとね・・・・・・R2が・・・・・・」

    「責任転嫁ですか? マスター?」

    「まだ何も言ってないじゃないか?」

    「R2の責任にしちゃいけませんよ?」

    「まだなんにも言ってないじゃないか!?」









    言い訳をするアルミンにエレンは鋭く切り込んだ。









    「ふう、わかった! 私が悪かったよ!」


    遂にアルミンが根を上げてエレンに謝罪した。







    「分かればいいんですよ、マスター。」


    マスターを言い負かすことが出来て、エレンはご機嫌そうだった。










    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇









  18. 18 : : 2015/10/24(土) 00:04:47











    やがてエレベーターは、尖塔の一番上、観測プラットフォームへと到着した。







    プシュウゥゥゥ・・・・・・

    エレベーターがゆっくりと開き、まっすぐ歩いて階段を降りると、奥の回転式の椅子がくるりとこちらを向いた。


    パルパティーン最高議長は、手錠を嵌められ、椅子から動けないよう固定されていた。






    「最高議長。」


    アルミンがさらりと頭を下げるなか、エレンは心配そうな声でパルパティーンに話しかけた。






    「大丈夫ですか?」

    「ああ、エレン・・・・・・ご覧の通りだよ。」







    エレンの姿を見たせいか、最高議長は安心したかのよな声を上げた。









    ____________本当に、良かった・・・・・・。








    エレン・イェーガーは、心の中で、密かに恐れていた。




    最愛の母親を失った彼は、もう誰も失わせまいと心の中で固く誓っていた。
    それは、大切な誰かを失うのでは無いかという恐れと繋がっていた。
    そしてそれは、エレンの強みでもあり、弱点でもあった。






    すると、最高議長の顔が一気にこわばった。


    「・・・・・・・・・・・・ザックレー伯爵だ。」







  19. 19 : : 2015/10/24(土) 00:07:01








    ふと後ろを見ると、階段の上にザックレー伯爵が立っていた。
    ザックレー伯爵は勢いよく階段を飛び降りると、腰にぶら下げていたライトセイバーを手に取った。







    「エレン、今度こそ二人で戦おう。」

    「望むところです。」







    以前の戦いと違い、エレンとアルミンは冷静に、ローブを脱いでライトセイバーを手に取った。








    「助けを呼ぶんだ。」


    最高議長は、パニックの滲む、かすれた声で二人に訴えた。








    「伯爵はシスの暗黒卿だ。君たち二人では敵うまい。」

    「ご安心を、最高議長。シスは我々の専門ですので。」








    アルミンはあっさりと返答すると、エレンと共に伯爵と対峙した。








    「さて、話は済んだかな? それでは剣を渡してもらおう。それとも、最高議長の前で恥をさらしたいかね?」


    ザックレーは余裕を持って、エレンとアルミンに詰め寄った。








    「今度こそ逃がしませんよ、伯爵。」







    ビュウウンッ!
    ビュウウンッ!

    アルミンがそう言うのを合図に、二人は青い光刃を現出させた。





    ビュウウンッ!

    伯爵も彼らに続いて、赤い光刃を現出させる。







  20. 20 : : 2015/10/24(土) 00:47:19











    三人は同時に動いた。



    エレンとアルミンは、まるで事前に示し合わせたかのように、伯爵を挟み撃ちにした。








    対して伯爵は、二人をじっくりと観察しながら戦っていた。




    ダークサイドの力をものにした伯爵は、フォースを自らの周りに引き寄せた。
    そして、この力を通して、伯爵は二人の本質を見抜いた。









    ____________アルミンはまるで、光が注がれる青空のような、澄んだフォースを持っている。



    どこまでも聡明で、調和がとれている。
    これといった強みは無いが弱点もない・・・・・・バランス型といえばいいだろうか。






    ____________対してエレンは雷雲のようだった。



    危険な雷鳴が轟き、実に不安定。
    攻撃に特化したその力は、エレン自身の不安定さから起因しているのだろう。
















    ____________そして、ここにはもう一つ、強大なフォースが存在する。



    周りには何もない。故に何も感じない。
    究極の闇。フォースの・・・・・・・・・・・・ブラックホールだ。














    さて、伯爵は二人の攻撃をやすやすと受け止めていた。





    彼らの攻撃は、基礎的なフォーム1、シャイ=チョーよろしく、実に単調な攻撃しかできていなかった。




    アルミンが向かって来れば彼に突きを繰り出して防御を崩し、
    エレンが攻撃して来れば、余裕をもってこれを受け止めることが出来た。


    エレンとアルミンは、伯爵を挟み撃ちにしようとして、ことごとく失敗していた。









    ____________要は、前回の戦いから何も学んでいないのだ。








    伯爵は呆れ、ため息をついた。


    「やれやれ、君たちはもっとまともな戦いは出来んのかね?」







  21. 21 : : 2015/10/24(土) 00:49:07









    すると、アルミンがふいに笑顔を見せた。
    一瞬であったが、ザックレーはアルミンの笑顔に凍り付いた。


    「お望みとあらば、お見せしましょう。」











    すると、二人は先ほどとは見違えるような動きを見せ始めた。








    アルミンが後退し、エレンが力強い斬撃を浴びせてきた。
    その斬撃は余りに力強く、伯爵の防御力では十分に防ぐことが叶わなかった。






    「ぐっ!!」


    伯爵は防御を弾き飛ばされ、次第に後退させられていく。




    ここで漸く、伯爵はさっきまでの戦いが油断を誘うためのフェイクだったことを悟った。









    ____________エレンはこの三年でシエンの形を発展させ、より攻撃的なドジェム=ソへと進化させていた。



    防御崩しのフォーム2、マカーシを使う伯爵にとって、守勢にまわされるほど苦手なものはなかった。








    チッ!

    エレンの光刃が肩を掠め、マントに焦げ目がついた。



    たまらず伯爵は跳躍し、テーブルの上に逃れた。が、その先には・・・・・・・・・・・・アルミンが待っていた。








    「はぁッ!!」


    アルミンはテーブルを切断し、伯爵は不様にもテーブルから転げ落ちて尻餅をついた。









    ____________これは、計画になかったぞ?









    エレンに威圧された伯爵は、アルミンを早々に殺すことに決めた。






    伯爵はアルミンの足をめがけ、鋭い突きを繰り出した。
    防御崩しの形である伯爵のマカーシは、防御の形であるソレスを使うアルミンと相性がいい。






    伯爵はアルミンを飛び上らせ、飛び上ったアルミンの心臓を貫いた―――――――・・・・・・・・・・・・












  22. 22 : : 2015/10/24(土) 00:54:52











    この想像があまりに鮮明に浮かんだため、伯爵は全ての突きがアルミンに捌かれたことに気が付くのが遅れてしまった。







    「!!」


    そして、アルミンもまた、エレンと同じように自分を欺いていたことを知った。









    ____________アルミンはこの三年でソレスに練達し、並ぶものがないほど防御力を高めていた。


    それは、本気のリヴァイの斬撃をしばらく捌けるほどで、まさしく、アルミンはジェダイ最強の盾となっていた。













    伯爵は、思いがけず二人に圧倒されることに焦りを感じ始めていた。







    (二人の技量は私と・・・・・・最早互角か・・・・・・。)








    エレンとアルミンは、再び息の合った攻撃と防御を繰り出した。
    エレンが攻めて、アルミンが守る―――――――――二人の師弟の攻防は、伯爵を圧倒するには十分過ぎた。








    このまま二人を相手にし続ければ、負けることは確実だ。
    なら、連携を崩さなければ・・・・・・・・・・・・。








    伯爵は後方に逃れ、階段を昇り始めた。
    エレンが追撃し、階段を昇っていく伯爵に攻撃を仕掛けていく。



    アルミンもまた階段を昇り、伯爵の攻撃を受けようと前に出てきた。












    ____________今だッ!!






    「!! がはぁッ!!」


    伯爵は不意に右手を突き出し、光刃による斬撃を予想していたアルミンの喉をフォースで締め上げ、持ち上げた。








    そのまま伯爵はアルミンを遠くへ投げ捨てた。


    「うわあぁあぁぁッ!!」








    ガシャアァンッ!!

    手すりに打ち付けられ、アルミンはそのまま気を失ってしまった。







  23. 23 : : 2015/10/24(土) 10:01:18











    さて、これで残るはエレンのn――――――・・・・・・・・・・・・




    突然、伯爵の視界に火花が散った。












    伯爵はエレンに思い切り蹴り飛ばされ、階段を転げ落ちた。
    エレンはすぐに飛び降り、猶も攻撃を仕掛けようとしてくる。






    伯爵は再びフォースを自らの周りに呼び寄せ、エレンの猛攻を防いだ。
    後退しながら、伯爵はエレンを観察した。










    ____________アルミンを倒され、エレンは間違いなく怒っていた。



    白く燃えるような手で、直接フォースを掴んで自らに注ぎ込む。
    既に半分、シスになっているのだ。



    しかも、自らはそれに気が付いていない。










    バチィッ!

    鍔迫り合いになり、伯爵はエレンに語り掛け始めた。







    「お前は・・・・・・恐れているな? 怒りや、憎しみも持っている・・・・・・。」

    「!!」








    動揺させるのは簡単だった。
    自分でも気が付かないうちに、そう言った感情に呑まれていたのだろう。













    「エレンッ! 惑わされては駄目だ!」


    すると、最高議長が横槍を入れてきた。












    「ここで伯爵を倒すんだ! やれ、エレン! 伯爵を殺せ!」

    「!?」












    伯爵は耳を疑った。


    ____________殺せだと?












    伯爵はもう一度エレンを見た。
    エレンの目の中には、最早怒りや憎しみの感情しか見えなかった。








    次の瞬間に、エレンは猛然と攻め込んできた。
    伯爵の防御は弾き飛ばされ、後退していくごとにエレンの斬撃は鋭さを増していく。








    防御崩しの伯爵は、守勢にまわされ、次々と攻め込まれていった。








    そして・・・・・・















    ザシュッ!

    「うぐっ!!」



    エレンの青い光刃が、伯爵の右手を切り落とした。







    ビュウウンッ!

    エレンは左手で伯爵の赤い光刃を掴むと、もう片方の手も奪った。






  24. 24 : : 2015/10/24(土) 10:02:05











    両手を失い、膝をついた伯爵の喉元に、エレンは二本の光刃をハサミのように交差させた。



    ____________これは何かの間違いだ! きっとあのお方は私を助けてくれる!










    だが、“よくやった、エレン。さぁ、伯爵を殺せ!”という最高議長の言葉が、彼の希望を打ち砕いた。









    「議長、どうか―――・・・・・・」



    ザックレー伯爵は、命乞いをしていた。
    彼がこれまで無残にも命を奪ってきた者たちと同じように・・・・・・。



    だが、この命乞いは、彼がもたらしたものと同じ程度の慈悲しかもたらさなかった。









    「私を解放したら・・・・・・という約束だった。」


    パルパティーンは極寒の宇宙と同じ冷たさで答えた。










    この時、伯爵は漸く気が付いた。








    ____________これがあのお方・・・・・・シディアス卿の計画なのだ。





    私のこれまでのすべての活動も、
    フォースの研究の成果も、
    長年にわたって注意を向けてきた誇らしい長所も、


    全ては、この為・・・・・・・・・・・・








    エレン・イェーガーの残忍な殺しのため。



    恐らく、これが・・・・・・最後ではない・・・・・・














    ピシッ!



    そして、彼のすべてが無となった・・・・・・・・・・・・










  25. 25 : : 2015/10/24(土) 10:03:14













    「お前なんかこうだ。
    こうなって当然だ。
    もう二度と、立ち上がるな・・・・・・。」




    エレンは、首を無くした伯爵の体を見下ろしながら、こうつぶやいた。






    ____________そうだ、俺は、害虫を一匹、駆除しただけだ。


    こいつは、人の形をした、けだものなんだ。










    「・・・・・・よくやったよ、エレン。」


    最高議長はエレンをいたわるように声をかけた。
    エレンは最高議長に手をかざし、彼を拘束している手錠を外した。








    「気にすることはないよ、エレン。彼は生かしていては危険だったからね。」

    「・・・・・・。」

    「君も右腕を伯爵に斬られた。復讐は人として当然の感情だよ。それに、これが初めてではないだろう? 母親を殺したサンド・ピープルにも復讐をした。」

    「・・・・・・それは、言わない約束ですよ?」

    「済まない、気を悪くしたね? さあ逃げよう、警備ドロイドが来る前に!」









    パルパティーンはエレベーターに向かって歩き始めた。
    すると、エレンは気を失って倒れているアルミンのほうへと歩き始めた。







    パルパティーンはエレンのほうへ振り返って言った。







    「エレン、時間がないぞ? 手遅れになる前に船から脱出しよう。」

    「俺は、アルミンを置いていけません。」

    「放っておくんだ。逃げられなくなってしまうぞ?」








    一瞬の逡巡のあと、エレンははっきりと答えた。










    「なら、俺はアルミンと運命を共にします。」











    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  26. 26 : : 2015/10/24(土) 13:20:14











    エレンたちを乗せたインヴィシブル・ハンドは、スター・デストロイヤーを迎撃する体制に入った。






    「攻撃準備ッ!」


    艦橋からグリーヴァスが命じ、インヴィシブル・ハンドとスター・デストロイヤーがそれぞれターボレーザーを発射した。








    戦艦と戦艦が隣り合い、激しい砲撃を交わし合う。




    ドゴオォオンッ!!

    「ぐああぁあぁッ!!」




    インヴィシブル・ハンドからの砲撃がスター・デストロイヤーの砲台に命中し、砲台が大破。
    激しい爆発に巻き込まれて、クローン・トルーパーたちが吹き飛ばされていく。






    ドゴオォオンッ!!

    「うわあぁあぁぁッ!!」



    インヴィシブル・ハンドの砲台も、スター・デストロイヤーの砲撃によって大破していく。
    開けられた風穴から空気が吸い出され、ドロイドやニモイディアンたちが大気圏へと吸い出されていく。











    「くそ・・・・・・エレベーターが止まってる・・・・・・。」


    気絶しているアルミンを担いだエレンは、思わず舌打ちをした。
    かご室はまだ来ておらず、扉が閉まったままエレベーターは停止していた。







    「R2! 3224番ののエレベーターを動かしてくれ!」


    エレンはすぐさま、R2に通信を入れた。
    と、その時だった。







    ドゴオォオォォンッ!!

    「うわッ!!」






    砲撃を受けたインヴィシブル・ハンドが制御を失い、黒煙を上げ、コルサントの地表へ向けて墜落し始めた。
    水平だった床が斜めに傾いていく。








  27. 27 : : 2015/10/24(土) 13:21:07








    「捕まって、最高議長ッ!!」


    エレンはフォースを使ってエレベーターの扉を開け、最高議長と二人で乗り場に手をかけてぶら下がった。
    エレンが先にエレベーターの機械室に昇り、続いて最高議長を右手で引っ張り上げた。










    艦橋では墜落していく機体を何とか水平に戻そうと、艦長が懸命に舵を取っていた。


    「スタビライザー反転ッ!! 磁力アップだッ!!」







    それでも船は水平に戻らなかった。
    横になっている機械室の中を、エレンたちは駆け抜けていく。








    「緊急ブースター作動ッ!!」


    グリーヴァス将軍の指示で、緊急ブースターが点火した。
    徐々に機体が安定しはじめ、機体が水平に戻り始めた。








    「これで水平です。」


    艦長の補佐を務めるバトル・ドロイドがそう呟いた。











    「!! ヤバイ、水平に戻り始めたッ!!」


    横になっていた機械室が、縦に戻りはじめた。
    なかを走っていたエレンたちはそのまま下へと落下し始めた。








    「うわッ!!」


    エレンが何とか右手でケーブルを掴み、議長はエレンの右足に必死にしがみついた。














    「・・・・・・・・・・・・う~ん、ってうわあぁあぁぁッ!!」


    丁度エレンの背中に負ぶわれていたアルミンが意識を取り戻した。
    突然の状況に、アルミンは声を上げてエレンにしがみついた。









    「あ、気が付きましたか、マスター!」

    「ねえこれどうなってるの!?」

    「ご覧の通りです!! ちょっと、ヤバイ状況です!!」









    ____________うん、見ればわかるよ、エレン!






    「それで、あれは何?」


    見上げれば、エレベーターのかご室が上から落ちてきた。







    「やっべえッ!! R2!! エレベーターを止めてくれッ!!」

    「もう遅いよ! 飛べッ!!」







    アルミンの叫び声に、最高議長が泣き言を漏らした。


    「飛ぶっ!? 落ちろの間違いではないのかねッ!?」










    うわあああぁぁあぁぁッ!!








    エレンは手を放し、三人仲良く悲鳴を上げながら、機械室の中を飛んだ。
    エレンとアルミンは落下しながら、ワイヤーを発射した。




    ワイヤーは機械室の柱に絡まり、その勢いで三人は間一髪、エレベーターの扉から廊下へと飛び出した。









    「ふう・・・・・・君たちの救出は、毎回こんなにも、スリリングなのかね?」


    パルパティーンはよろけながら何とか立ちあがった。









    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇










  28. 28 : : 2015/10/24(土) 14:29:25








    ゲホッ! ゲホッ!



    グリーヴァスは咳ばらいをしながら、通路を走っていくジェダイたちをモニターで追っていた。







    「将軍、ジェダイは328番通路です。」

    「よし、レイ・シールドを作動させろッ!!」











    ブウゥンッ!!

    「「「!!」」」



    三人が逃げている通路に、突如としてシールドが発生し、エレンたちはその中に囚われてしまった。



    ※レイ・シールド
    http://www.starwars.jp/wiki/images/7/74/Rayshields.jpg







    「クソ、レイシールドか・・・・・・。」

    「ねぇエレン・・・・・・私たちはこれで捕まったのは何度目だい?」

    「一々数えていませんよ、マスター。落ち着いてください。忍耐が肝心ですよ。」

    「忍耐ねぇ・・・・・・。」








    ____________うん、エレンから忍耐を説かれるとは、私もまだまだだな・・・・・・。








    「そうですよ、マスター・・・・・・それに、ここにR2をすでに呼んであります。助けに来てくれますよ。」

    「ふぅん、手際がいいね。」








    アルミンが皮肉を込めて言葉を返した直後。








    ウワアァアァオッ!!

    R2が勢いよくエレンたちの囚われている通路へと入ってきた。



    「ほら、問題ない。」










    すると、R2を追ってドロイデカやスーパー・バトル・ドロイドがやってきた。




    「動くなッ! あ痛ッ!!」


    銃を突きつけたスーパー・バトル・ドロイドに対してR2は電気ショックを喰らわした。




    ドゴンッ!

    仕返しとばかりにスーパー・バトル・ドロイドはR2を蹴り飛ばし、R2は横転してしまった。











    「なぁマスター、次はどう動けば正解でしょうか?」

    「うん、万事休す・・・・・・だね。」











    エレンの問いに、アルミンは苦笑いで応じた。










    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  29. 29 : : 2015/10/24(土) 18:08:59










    「ゲホッ! ゲホッ! ふふふ、久しぶりだな、交渉人(ネゴシエーター)。アルレルト将軍、お越しを待っていたぞ。」






    エレンとアルミン、パルパティーンは手錠をかけられ、インヴィシブル・ハンドの艦橋へと連行された。
    二人のジェダイはライトセイバーをバトル・ドロイドに没収されてしまっていた。







    「お前の救出作戦は実にお粗末だったなッ!」


    グリーヴァスはそう言いながら、バトル・ドロイドから二人のライトセイバーをひったくるように受け取った。
    アルレルト将軍とグリーヴァス将軍はこれが初対面ではなく、二人はクローン戦争を通じて、幾度となく争ってきた敵同士であった。







    「それと・・・・・・ゲホッ! エレン・イェーガー将軍!」


    一方で、イェーガー将軍とグリーヴァス将軍は初対面であり、グリーヴァスはまじまじとエレンを見つめて呟いた。







    「噂から想像したお前はもっと、年上だと思っていたぞ?」

    「ふん、お前は思っていたよりもチビだったな。」







    一瞬沈黙が場を支配し、将軍が咳ばらいをすると、“このジェダイ野郎が・・・・・・。”と将軍は毒づいた。






    「エレン? あんまり将軍を怒らせないでね?」


    かくいうアルミンもこれには苦笑いであった。








  30. 30 : : 2015/10/24(土) 18:09:49








    さて、将軍の後ろには、二体のローブを纏ったドロイドが控えていた。
    ライトセイバーでも斬れないエレクトロスタッフを持った、マグナガードだ。



    ※マグナガード
    http://www.starwars.jp/wiki/images/5/5d/MagnaGuard.jpg








    ジェダイを殺すために作られた戦闘用ドロイド。
    しかも、そのうちの一体は目にライトセイバーによる傷を作っていた。


    どうやらこのドロイド、ジェダイと戦って生き延びたと見える。
    ジェダイのほうは、恐らくもう・・・・・・







    次にアルミンは、グリーヴァスのマントの中を見た。
    その腰にはライトセイバーが何本もしまわれていた。


    ____________グリーヴァスには殺したジェダイのライトセイバーをコレクションする悪癖がある。






    常々ライトセイバーを文化的で繊細な芸術品とさえ感じているアルミンにとって、これは耐えられないことであった。







    「はっはっはっ、わしのコレクションにまた新しいライトセイバーを加えるとしよう。」


    すると、グリーヴァスはこちらの思惑を見透かしたように、二本のライトセイバーをマントの中にしまい込んだ。








    「やれやれ、野蛮なことだね、グリーヴァス。でも、もう逃げられると思うなよ?」

    「やれ! R2!!」






  31. 31 : : 2015/10/24(土) 18:10:41






    エレンの合図に、R2が煙を吐き、レーザーや電流を放った。
    一瞬のうちに艦橋が混乱に陥り、アルミンがその隙に後ろを向いた。







    スポッ!

    「!!」



    グリーヴァスのマントの中から、ひとりでにライトセイバーが一本ぬけ、アルミンの手元へと吸い寄せられた。





    ビュウウンッ!

    アルミンの手のうちから、青い光刃が飛び出す。
    アルミンは手早く自分の手錠を焼き切ると、即座にエレンの手錠を焼き切った。






    「奴らを殺せッ!!」


    グリーヴァスがマグナガードに命じ、ライトセイバーを持ったアルミンに襲い掛かった。






    スポッ!

    「ぐうっ!」




    ビュウウンッ!

    エレンもまたフォースで自らのライトセイバーを呼び寄せると、マグナガードに斬りかかる。
    エレンとアルミンは、それぞれマグナガードと刃を交え始めた。




    「こっちに来るんだッ!!」


    その隙を見て、バトル・ドロイド二体が、最高議長を連れ出そうと体を引きずっていく。









    「おっとッ!」



    バチィッ!

    アルミンはマグナガードの一撃を防ぎ、エレクトロスタッフを受け流して壁へと打ち付けると、素早く頭部を切断した。





    「やれやれ・・・・・・てうわぁっ!」


    頭部を斬られて、マグナガードはなおアルミンに襲い掛かってきた。










    「く、しぶとい奴だ。」






    エレンもまた、マグナガードのしつこい攻撃に苦戦していた。


    だが、所詮は機械だ。
    段々とエレンは、このマグナガードのパターンを掴み始めた。







    「はぁっ!!」

    「オウッ!!」



    エレンの一撃は、マグナガードを両断した。
    そのままエレンは流れるような動きで、最高議長を連れ去ろうとしたドロイド二体をあっという間に切断した。






    「大丈夫ですか!?」

    「ああ、ケガはない・・・・・・助かったよ。」






    エレンに手錠を切断してもらい、パルパティーンはほっとしたかのような声を上げた。






  32. 32 : : 2015/10/24(土) 18:13:49









    さて、アルミンのほうもパターンをとっくに掴んでいた。
    マグナガードの攻撃は空を切り、アルミンはその隙をついて、左下からマグナガードを逆袈裟斬りにした。


    マグナガードは真っ二つになって地面へと倒れた。








    「奴らに構うな! 持ち場に戻れッ!!」


    さて、グリーヴァス将軍はドロイドたちにそう命じると、エレンとアルミンから逃れ始めた。






    「そうはさせないよ! エレン!」

    「分かってます!!」






    エレンとアルミンは息の合った連携を見せ、グリーヴァスを挟んだ。
    二人がライトセイバーを構えると、突然、グリーヴァスは笑い始めた。






    「貴様の負けだッ! アルレルト将軍!!」


    そう言うなりグリーヴァスは、エレクトロスタッフを拾って窓へと突き立てた。







    ガシャアァァンッ!!



    「うわっ!!」
    「ぐっ!!」


    窓ガラスが割れ、中の空気が外の大気圏へ向けて吸い出され始めた。
    エレンとアルミン、パルパティーンは吸い出されまいと必死に椅子にしがみついた。









    グリーヴァスは船の外へとのがれ、右腕からワイヤーを発射。
    船の上へと張り付いて艦橋の後方、脱出ポッドのある区画へと移動し始めた。




    船の中へと通じるハッチを開け、再び船内へと入り込むグリーヴァス。
    そして、彼はそのまま、脱出ポッドへと乗り込んだ。









    「ふっふっふっ・・・・・・この船を捨てる時が来た。」


    そう言うとグリーヴァスはスイッチを押し、脱出ポッドを全て射出させた。









    ____________エレンとアルミン、パルパティーンの三人は、墜落していく棺桶の中に取り残されてしまった。








  33. 33 : : 2015/10/24(土) 18:49:29









    「くっ、グリーヴァスめ・・・・・・脱出ポッドを全部撃ち出したみたいだ・・・・・・。」


    漸く割れた窓が鉄の扉に覆われ、モニターを確認したアルミンが毒づいた。








    ____________まったく・・・・・・逃げ足だけは本当に早い。









    「エレン? 君ならこの船を操縦できる?」

    「こんなボロ船じゃ操縦の腕なんて関係ないですよ!」







    エレンとアルミンは覚悟を決め、操縦席に座った。








    「全ハッチ解放! フラップを全部伸ばして安定版を収納するんだ!」


    墜落しつつあるインヴィシブル・ハンドの操縦席において、エレンは繊細に機体を操縦し始めた。








    ドゴオォオォォンッ!!

    と、次の瞬間、船内に大きな衝撃が走った。








    「!! なんか落ちたぞ!?」

    「安心して、エレン。機体が半分になっただけだから。」









    スター・デストロイヤーによる蓄積ダメージに耐え兼ね、インヴィシブル・ハンドは機体の半分が折れてしまった。
    何度目だろうか、遂にエレンとアルミンは絶体絶命の状況に陥った。







  34. 34 : : 2015/10/24(土) 18:50:14










    「くそ、機体の加速が止まらねぇッ!!」


    エレンの額に、冷や汗が流れていく。








    「8プラス60。」

    「大気圏に突入するよ! エレン!!」










    炎にくるまれる戦艦が、少しづつ空中で分解されながら加速していく。
    大気圏に入り、雲の中に突入・・・・・・・・・・・・そこを抜けると、広大な都市景観をはるか下に望めるまで高度が落ちてきた。








    「水平を保つよう、注意してください!」

    「うん、分かった!」








    R2が不安そうな声を上げるのを必死になだめながら、エレンは手のひらに汗を握り、必死にバランスを保った。









    「高度5000!! エレン、左右に消防船だッ!!」


    何機かの消防船が、炎に包まれるグリーヴァスの戦艦の火を消そうと近づいてきた。



    ※消防船
    http://www.starwars.jp/wiki/images/4/41/Another_Happy_Landing.jpg







    『こちら消防船! 滑走路まで誘導しますッ!!』

    「了解です!」







    エレンが通信に応答し、誘導に従って機体を滑走路へと向けた。







    「エレン! もうすぐ着陸だッ!!」

    「クソッ!! スピードが落ちないッ!! 衝撃に備えろッ!!」


















    ドゴオオォオオォォォオオンッ!!





    これまでで最大の衝撃が、三人を襲った。
    衝撃の大きさにR2が大きな悲鳴を上げる。


    機体は滑走路を横滑りしていき、管制塔に突っ込んで全壊させた。









    その後も機体はしばらく滑走路を滑っていき、ゆっくりと大きな音を立てて漸く停止した。













    エレンは大きくため息をつき、アルミンはほっとしたのか、一言もらした。



    「やれやれ・・・・・・快適な旅だったね。」













    ____________最高議長救出作戦、成功。







    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  35. 35 : : 2015/10/25(日) 16:18:32




















    英雄たちを乗せたエア・バスは、コルサントの行政区、行政府ビルへと入っていった。



    ※共和国行政府ビル(中央のドーム型の建物)
    http://www.starwars.jp/wiki/images/c/c5/RepublicExecutiveBuilding2.jpg











    エア・バスの扉が開き、先に最高議長が降りていくと、議長に近しい元老院議員たちと数名のジェダイがパルパティーンを出迎えた。


    この様子をバスの入り口から、エレンとアルミンは遠巻きに眺めていた。
    エレンはバスを降りたが、アルミンはバスを降りようとしなかった。







    「マスター? 一緒に来ないんですか?」

    「いやぁ、政治家は苦手だからね。評議会に報告もしなくちゃならないし、私は一足先にジェダイ聖堂に戻るとするよ。」

    「でも、今回の作戦はマスターの立案ですよ?」

    「ふふ、エレン。君は私をバズ・ドロイドから救ってくれたよね? それに、ザックレー伯爵を倒して議長を救い、気絶した私を負ぶってくれたのも君だ。」

    「マスターが今まで指導してくれたからですよ。」

    「エレン、今日のヒーローは君だ。政治家たちから祝福を受けてくるんだ。」

    「じゃあ、一つ貸しですね。10個目ですけど。」

    「9個目だよ! ケイト・ニモーディアの件はカウントに入れないでくれ。」







    エレンとアルミンは談笑した後、アルミンはバスに乗り込んで、一足先にジェダイ聖堂へと戻っていった。
    エレンは議長と共に政治家の環の中に入っていくと、政治家たちは一様にエレンを称賛した。









  36. 36 : : 2015/10/25(日) 16:59:05








    「無事だったんだな、最高議長。」


    政治家たちに混じり、ジェダイ・マスター、リヴァイ・アッカーマンが最高議長に挨拶した。








    「ああ、エレンとアルミンにはとても感謝しているよ。ザックレー伯爵は死んだが、グリーヴァス将軍がまだ残っている。」

    「あいつは臆病なクソ野郎だからな。」

    「うむ、私も同感だが、今では将軍が独立星系連合のリーダーだ。彼が生きている限り、元老院は戦争を支持するだろう。」

    「いいだろう、俺たちジェダイはグリーヴァスを見つけることが最重要事項だ。」









    リヴァイとパルパティーンはいくつか会話を交わすと、行政府ビルの大きな柱が何本も立つ回廊を並んで歩き始めた。









    「エレンくん、今回は本当によくやってくれたね。共和国は君に感謝してもしきれないよ。」

    「いやぁ、君の力は大したものだ! フォースの力っていうのはやっぱりとても興味深いよ!」

    「ははは、ありがとうございます、ナイル議員、ハンジ議員。」








    エレンは個人的に親しくなっていたナイル・アッカーマン元老院議員やハンジ・ゾエ元老院議員と言葉を交わした。
    この二人は腐敗した議員たちの中にあって、珍しく清廉潔白で有能な議員たちだった。








    「この調子でエレンくんにはぜひグリーヴァスも捕まえてほしいね!」

    「勿論そのつもりですよ、ハンジ議員。彼を捕まえれば、戦争も終わります。」

    「元老院としても、協力は惜しまないつもりだ、エレンくん。」








    ナイルもエレンへの協力を申し出、エレンもこれを受諾した。
    戦争が続いたこの三年間、エレンもまた政治へ無関心ではいられず、こうした政治家との接点を持つようになっていた。






    ___________既に何億もの生命体が犠牲になっているこの戦争を終わらせる。


    これは、エレンに限らず、すべてのジェダイに課せられていた使命であった。
    加えてエレンには、もう一人、かけがえのない存在があった。








  37. 37 : : 2015/10/25(日) 17:31:57









    「それでは、また後で、ナイル議員、ハンジ議員。」


    エレンは丁寧に挨拶をすると、政治家たちの群れから離れて柱の影へと走り出した。













    「・・・・・・エレン。」


    柱の陰で佇んでいたヒストリアに、エレンは飛びつくかのように抱き付いた。





    「ずっと会いたかったぞ、ヒストリア。」


    ギュウっと抱き寄せ、顔にキスの雨を降らせるエレン。








    「良かった・・・・・・エレン、あなたが死んだって噂が立っていてもたってもいられなくて。」

    「はは、心配性だな。最高議長がさらわれたって情報が飛んできて銀河の端から呼び戻された。」

    「待って、エレン! ここじゃダメ・・・・・・「いや、もう隠すのは嫌なんだよ。」









    そう言ってより深いキスを求めるエレンに対し、ヒストリアは小刻みに震えていた。





    「ん? 一体どうしたんだヒストリア、どこか具合でも悪いのか?」


    震えているヒストリアに気付き、エレンは彼女の体をいたわるように尋ねた。
    少しピント外れの質問に苦笑しつつ、ヒストリアは大きな喜びと恐れの混じった表情でエレンを見つめた。






    「エレン、聞いて・・・・・・これはとっても素晴らしいことなの。」



























    「エレン、私、あなたの子供を身籠ったわ。」







  38. 38 : : 2015/10/25(日) 17:32:51








    しばらくの間、エレンはまるで石になってしまったかのように動かなかった。






    「エレン?」

    「それは・・・・・・それは、本当なのか、ヒストリア?」






    徐々に、エレンの表情が暖かいものに変わっていく。
    熱がじんわりと伝わるように、エレンの喜びがじんわりと私にも伝播してきた。



    「最高だよ、ヒストリア。そうか、俺・・・・・・父親になるのか。」






    弾けるような笑顔を見せるエレンに、私は胸が締め付けられるような思いがした。


    「エレン、私・・・・・・どうしよう。」








    ___________妊娠したことが分かれば、もう秘密を守ることは出来なくなる。


    エレンが夫だと分かった日には、私は元老院議員を辞めることになり、エレンは・・・・・・・・・・・・

















    ジェダイ・オーダーを追放されることになるだろう。











    「なあ、今は余計なことは考えるなよ。」


    思わず涙が出そうになるのを察してか、エレンは私を優しく抱きしめてくれた。





    「・・・・・・うん。」


    私はエレンの胸に顔をうずめた。
    エレンの体温を感じ取って、エレンの歓喜が伝わって来て、私もまた幸福だった。












    ヒストリアが俺に身を委ねてきた。
    そのまま俺はずっとヒストリアを抱きしめ続けた。




    「ありがとう、ヒストリア・・・・・・俺、今最高に幸せだ・・・・・・。」












    元老院行政ビルの一角で、二人はいつまでも、幸福な贈り物の中に身を寄せ合っていた・・・・・・。










    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇









  39. 39 : : 2015/10/25(日) 18:00:15














    アウター・リムにある非共和国の惑星、ウータパウ。



    巨大な縦穴の中に独特の都市を持つこの惑星に、グリーヴァス将軍を乗せたシャトルが近づいていた。










    巨大な縦穴の壁に築かれた都市―――――――――パウ・シティのレベル10に、通商連合の球体のバトルシップが停泊しており、シャトルはその中へと入っていった。



    ※ウータパウ、パウ・シティ、レベル10
    http://www.starwars.jp/wiki/images/b/b3/PauCity_10thLevel.jpg








    やがて、シャトルがバトルシップの中に着陸すると、タラップが降りるのを待ちきれずに中からグリーヴァス将軍が降りてきた。
    そのまま彼は咳をしながら自室へと入ると、ホログラム通信機のスイッチを入れた。


    すると、大きなフードのついたローブを纏った男の幻影が、そこに映し出された。







    「お待たせしました、シディアス卿。」


    グリーヴァスが暗黒卿に恭しく頭を下げると、シディアス卿は静かな声で命じた。








    『グリーヴァス将軍、独立星系連合の幹部たちをムスタファーへと移すのだ。』

    「はい、マスター。」









    『この戦争にも終わりが見えてきた、将軍。』

    「しかし、我々はザックレー伯爵を・・・・・・。」

    『・・・・・・彼の死は、必要な犠牲であった。』















    暗黒卿は大きなフードの中で微笑んだ。


    『すぐに新しい弟子がやってくる・・・・・・より若く、より強い弟子だ・・・・・・。』














  40. 40 : : 2015/10/25(日) 18:01:32
    以上で第1話が終了になります。


    次回もよろしくお願いいたします<m(__)m>
  41. 41 : : 2015/11/12(木) 22:09:57
    人物像がぴったりなんですがww
    よくわかってますね。俺も進撃、スターウォーズともに大好きです
  42. 42 : : 2015/11/13(金) 00:27:28
    >>41
    コメントありがとうございます。
    人物像がピッタリだなんて・・・・・・とても嬉しいです!


    そうですか、スターウォーズも大好きですか(歓喜)
    私も新作が出るとあってマイブームが再燃してますwww

▲一番上へ

名前
#

名前は最大20文字までで、記号は([]_+-)が使えます。また、トリップを使用することができます。詳しくはガイドをご確認ください。
トリップを付けておくと、あなたの書き込みのみ表示などのオプションが有効になります。
執筆者の方は、偽防止のためにトリップを付けておくことを強くおすすめします。

本文

2000文字以内で投稿できます。

0

投稿時に確認ウィンドウを表示する

著者情報
hymki8il

進撃のMGS

@hymki8il

この作品はシリーズ作品です

進撃×スター・ウォーズ ~シスの復讐~ シリーズ

「進撃の巨人」カテゴリの人気記事
「進撃の巨人」カテゴリの最新記事
「進撃の巨人」SSの交流広場
進撃の巨人 交流広場