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エレン「旅の仲間」 ④ 進撃×ロード・オブ・ザ・リング
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- 1 : 2015/05/13(水) 07:59:18 :
- 進撃×ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間の第4話です。
http://www.ssnote.net/series/2230
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- 2 : 2015/05/13(水) 12:10:53 :
暖かい・・・・・・・・・・・・
陽だまりの中にあって、俺は自分の体に生気を感じていた。
氷のような、絶望のような痛みが癒されて、俺はゆっくりと目を開けた・・・・・・・・・・・・
気が付くと、俺はベットで寝ていた。
ふと横を見ると、アルミンが俺のベットに頭を突っ伏して眠っている。
エレン「そうか・・・・・・俺は・・・・・・刺されたんだったな・・・・・・・・・・・・。」
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- 3 : 2015/05/13(水) 12:11:26 :
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エレンが寝ているアルミンの頭を撫でると、幼馴染みは目を覚ました。
アルミン「え・・・・・・エレンが・・・・・・目を、目を覚ましたッ!」
そう叫ぶなり、アルミンの目から涙が溢れた。
アルミン「うわあぁああぁあぁぁんッ!!! エ”レ”ェェェン”ッ!!!」
エレン「痛たたたッ!!! 痛いッ! 痛いってッ!!!」
力いっぱい抱きしめられて、身動きが取れない。
アルミン「良かったよ・・・・・・良かったよ・・・・・・・・・・・・。」
俺にしがみついて泣きじゃくる幼馴染みを、俺は抱きしめた。
エレン「・・・・・・・・・・・・悪かったな、心配かけちまってよ・・・・・・。」
エレンの瞳からも、涙がひと筋、流れ落ちた。
第4話
裂け谷 ~旅の仲間~
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- 4 : 2015/05/13(水) 14:12:17 :
エレン「なぁ、アルミン。」
アルミン「なぁに? エレン?」
エレン「折角元気になったからよ、いつものように・・・・・・物語を聞かせてくれねぇか?」
満面の笑みで、アルミンは答えた。
アルミン「うん、勿論だよ、エレン。じゃあ今日はシルマリルの物語から、人間の英雄エレンとエルフの乙女ミカサのお話を聞かせてあげるね。」
エレン「おう! 俺の名前の由来になった物語だな!?」
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- 5 : 2015/05/13(水) 14:12:55 :
部屋のドアの外で、ジャンとマルコは中の様子を聞いていた。
ジャン「あの死に急ぎ野郎、やっと目を覚ましたのか。」
マルコ「良かった・・・・・・本当に・・・・・・・・・・・・。」
「ホビットというのは、実に驚くべき種族だ。」
きっちり分けられた金髪を持つエルフは感心していた―――――彼は若くもなく、年老いてもおらず、その偉大な知性と力が顔に現れていた。
エルフの隠れ家である裂け谷の領主、エルヴィンは言葉を続ける。
エルヴィン「モルグルの刃の呪いにここまで抵抗した例を私は知らない。本来この短剣で刺されれば、一瞬で影の世界に引き込まれるはずだ。」
エルヴィンの言葉に、アイゼンガルドからの脱出を果たしたガンダルフが相槌を打つ。
ガンダルフ「そうじゃな・・・・・・小さい体に、ここまで大きな耐久力があるとはだれも思わんかったじゃろう。」
マルコ「エルヴィンさん・・・・・・あなたがエレンを治療してくれなかったら、俺たちは大切な仲間を失うところでした。ありがとうございます。」
ジャン「ありがとうございます。」
二人のホビットはエルヴィンに頭を下げた。
エルヴィン「いや、礼を言うのは私だ。よくここまでエレンと一緒に来てくれた。感謝する。」
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- 6 : 2015/05/13(水) 14:31:44 :
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寝室の扉が開いた。
エレン「おい、お前ら、いたのかよ・・・・・・ん? ガンダルフ!? 無事だったのか!?」
ガンダルフ「いたって健康じゃよ。すまんかった、エレン。踊る子馬亭でわしは合流できなんだ。」
エレン「まぁ無事でよかったよ・・・・・・この金髪の人は?」
アルミン「エルヴィンさんだよ、君の傷を癒してくれたんだ。」
エレン「えっ? あ、ありがとうございます。」
エルヴィン「ふふ、ようこそ、裂け谷へ。」
―――――裂け谷。
谷を流れる川の上に築かれた石と木を組み合わせた建築。自然と調和した流線型の優雅な建物はエルフたちの憩う場所。
エルヴィンの持つ風の指輪、ヴィルヤによって守られた、エルフたちの隠れ里。
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- 7 : 2015/05/13(水) 15:16:29 :
エレンたちホビット一行は、裂け谷を散策することにした。
アルミン「ここが・・・・・・シルマリルの物語にも出てくる裂け谷なんだね。」
エレン「お前の語ってた物語で出てくる場所が、ホントに実在するなんて、不思議な気がするよな。」
次から次へと伝説が実在することを知り、四人のホビットは驚いていた。
マルコ「何だか、物語の中に迷い込んだみたいだよね?」
ジャン「ホントだよな。ったく、何でこんなめんどくせえことになっちまったんだかな。」
アルミン「いいじゃない、この世界は僕らの想像の上をいってる・・・・・・夢のある話じゃないか!?」
エレン「全く、お前らしいよ、アルミン・・・・・・・・・・・・ん?」
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- 8 : 2015/05/13(水) 15:17:42 :
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広場のベンチの上で、座って本を読んでいる一人の老ホビットに、エレンは釘づけになった。
エレン「じ、じいちゃん!!!」
ダリス「!!! おぉ、エレンや、目を覚ましたのか!?」
ダッシュして駆け寄り、エレンはダリスに思いっ切り抱き付いた。
エレン「会いたかったよ! じいちゃん!!!」
ダリス「おお、わしのエレン! わしもじゃ! 目を覚ましてくれてよかった!」
アルミン「嬉しそうだね、エレン。」
マルコ「今はそっとしてあげよっか?」
ジャン「ちっ、しかたねえなぁ。」
エレン「おい、お前ら、何ぼーっとしてんだ? こっち来いよ!」
アルジャンマル「「「えっ!?」」」
エレン「じいちゃんが冒険の話聞かせてくれるって! お前らも一緒に聞こうぜ!」
アルミン「い、いいの?」
エレン「? 何言ってんだ、お前らは俺の家族だろ?」
ジャン「誰が死に急ぎ野郎の家族だって?」
マルコ「もう、素直じゃないなぁ・・・・・・。一緒に聞くよ、エレン。」
ジャン「しかたねえ、聞いてやるよ。」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 9 : 2015/05/13(水) 15:41:54 :
エルヴィン「・・・・・・・・・・・・エレンの傷は治療したが、魔王の呪いを完全に消すことは出来なかった。」
ガンダルフ「・・・・・・・・・・・・アルミンは気が付いておったぞ。エレンの左腕が、僅かじゃが透けて しまっていることに。」
エルヴィン「そもそも持ちこたえたことが奇跡。あの傷は恐らく死ぬまでエレンを苦しめるだろう。」
ガンダルフは物憂げな表情で話題を変えた。
ガンダルフ「一つの指輪は、エレンの犠牲があって無事にここまで運ばれた。」
エルヴィン「だが、いつまでもここには隠せない。サルマンまで裏切り、我々の味方はますます減った。」
エルヴィンには分かっていた―――――エルフの力は弱まりつつあり、既に闇の勢力を抑えきれないということに。
ガンダルフも承知の上。このまま動かなければ、待っているのは破滅のみ。
ガンダルフ「・・・・・・・・・・・・人間に、託すしかないじゃろう。」
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- 10 : 2015/05/13(水) 16:04:02 :
ガンダルフの言葉に、エルヴィンは渋い顔をした。
エルヴィン「人間は弱い・・・・・・・・・・・・とても我らの希望を託せるとは思えない。」
―――――三千年前のあの日。
イシルドゥアはサウロンの指を切り取り、サウロンを敗北せしめた。
一つの指輪も手に入れ、悪を永遠に滅ぼす千載一遇のチャンスを得た。
だが、イシルドゥアは指輪の魔力に魅せられ、指輪を滅ぼさなかった―――・・・・・・・・・・・・
エルヴィン「あの日、終わるはずだった悪は、こうして命を長らえたのだ・・・・・・。」
ガンダルフ「・・・・・・・・・・・・一人、希望を託せる男がおるじゃろう。イシルドゥアの末裔じゃ。」
エルヴィン「・・・・・・あの男は王になることを拒否している。自分の運命を受け入れていない男に希望は託せない。」
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- 11 : 2015/05/13(水) 19:03:38 :
翌日、裂け谷に運ばれた一つの指輪の行く末を決めるための会議が開かれることとなった。
中つ国中の種族を代表する人物が集められた――――
人間からは、ゴンドールの執政、ロッド・レイスの息子であるベルトルト。
エルフからは、闇の森にあるエルフの国の王女、アニ。
ドワーフからは、はなれ山の王国に住むライナーが、それぞれ裂け谷へと到着した。
会議が開かれる前、ベルトルトは裂け谷を散策していた。
とある一室にある壁画の前で、彼は足を止めた――――イシルドゥアが父エレンディルの剣を取り、サウロンの指を切り取る場面がそこには描かれていた。
ふとベルトルトが視線を感じ、振り返ると、一人の人物が椅子に座っていた。
ベルトルト「君は・・・・・・野伏かい?」
リヴァイ「ああ・・・・・・俺は、リヴァイだ。」
――――ちょっと不愛想だけど、悪い人間ではなさそうだ。
ベルトルト「ベルトルトっていうんだ。よろしくね・・・・・・。」
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- 12 : 2015/05/13(水) 21:41:30 :
- 王女がアニとは!いい選択ですね!さすがです!リヴァイいつまでも人気のキャラだなぁ…アラゴルムですよね?
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- 13 : 2015/05/13(水) 23:38:37 :
- >>12
コメントありがとうございます。
はい、リヴァイはアラゴルン役です。頑張ってもらいますw
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- 14 : 2015/05/14(木) 00:06:40 :
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ベルトルトが目線をそらすと、また別のものが目に入った。
ヴァラールの神々の一員であるヤヴァンナの像が抱きかかえるように彫られた彫刻の台の上に、二つに折れた剣が置かれていた―――――――その剣は三千年の時を超えても、なお鋭い輝きを放ち続けている。これぞ、エレンディルが使い、イシルドゥアがサウロンの手を斬ったナルシルの剣だった。
ベルトルト「これは・・・・・・・・・・・・ナルシルの剣かい!?」
音に聞く伝説の剣・・・・・・こんなところにあったなんて。
思わず手に取って、ベルトルトは剣を丹念に調べ始めた。
ベルトルト「この剣で、サウロンの指を切ったのか・・・・・・・・・。」
刃の部分をなぞるベルトルトの指に、ナルシルの刃は傷を与えた。
ベルトルト「!!! まだ鋭い・・・・・・・・・・・・三千年も昔の剣なのに・・・・・・ん?」
リヴァイがその目でじっとナルシルの剣を見つめていることに、ベルトルトは気が付いた。急に恥ずかしくなって、ベルトルトは剣を元に戻して立ち去った。
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- 15 : 2015/05/14(木) 00:07:36 :
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リヴァイは立ち上がると、少し位置のずれたナルシルの剣を、元においてあったように戻した。
<・・・・・・・・・・・・何を恐れているの、リヴァイ?>
――――エルフ語で話しかけられたその声は、出会ったころと変わらず、耳に心地よく響いてくる。
リヴァイ<ペトラか。>
――――出会ったころは、もっと若々しかった・・・・・・。少なくとも、今のような苦悩の影は、背負っていなかったように思う。これが・・・・・・・・・・・・死すべきものの定めなのかもしれない。
リヴァイ<俺には・・・・・・イシルドゥアの血が流れている。>
ペトラ<リヴァイ・・・・・・・・・・・・あなたは確かにイシルドゥアの末裔。でも、イシルドゥアその人ではない。運命だって違うはず・・・・・・・・・・・・選択の時は来るわ。そしてあなたは・・・・・・・・・・・・勝つ。>
リヴァイ<・・・・・・だといいがな。>
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- 16 : 2015/05/14(木) 11:09:32 :
差し出されたリヴァイの手を、ペトラはすっと握った。
そのまま二人は外に出た―――――裂け谷の中庭は、二人が初めて出会った場所だった。
流れる水の音が、二人を隔てている宿命を一時的に忘れさせ、二人だけの世界を作りだす。
ペトラ<覚えてる? ・・・・・・私たちが初めて会った時のこと。>
リヴァイ<知らない場所に迷い込んだかと思った・・・・・・・・・・・・ここが裂け谷だということを忘れるくらい、心が動いた。>
ペトラ<ふふ・・・・・・私があなたと出会ったとき、あなたはまだ子供だった。>
そのまま唇を重ねる二人―――――できればずっとこうしていたかった。
だが、リヴァイは人間で、ペトラはエルフ・・・・・・・・・・・・種族の壁、そして、宿命の壁。
―――――かつての人間の英雄エレンとエルフの乙女ミカサのように、結ばれるには多くの宿命を背負いすぎ、その達成は困難。
ここに留まることは・・・・・・・・・・・・許されなかった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 17 : 2015/05/14(木) 12:52:30 :
その日の午後になり、エルヴィンは指輪の行く末を決める会議を開いた。
中つ国のそれぞれの種族を代表する者たちが台を囲んで円形に座った。
議長を務めるエルヴィンが、まずは厳かに挨拶を始めた。
エルヴィン「中つ国の各種族を代表する代表する方々、今日は遠くからの御足労、誠に感謝する。早速だが、モルドールの脅威について話し合いたいと思う。」
エルヴィンは立ち上がり、エレンに近づいた。
エルヴィン「エレン・・・・・・・・・・・・指輪を台の上へ。」
エレン「は、はい。」
エレンが椅子から立ち上がり、中央の台にゆっくりと・・・・・・・・・・・・指輪を置いた。
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- 18 : 2015/05/14(木) 12:53:10 :
これが・・・・・・・・・・・・一つの、指輪・・・・・・。
アニは少し怖れた目線で見つめ、ライナーが訝しげな目を向けるなか、一人、意味深な目線を向けるものがあった。
その男―――――――ベルトルトは立ち上がって台に近づき始めた。
ベルトルト「滅びの山は再び噴火し、モルドールにて闇の勢力が息を吹き返した。そして、このタイミングで一つの指輪が見いだされたんだね。」
手を伸ばし、指輪に触れようとした瞬間。ガンダルフが立ち上がった。
破滅的な呪いの言葉が放たれ、地鳴りの音の凄まじい。
ベルトルトが気圧され、エルヴィンが頭を押さえて座り込んだ。
指輪に刻まれた言葉―――――モルドールの呪いの文字を読み上げたのだ。
ガンダルフが文字を読み終えると、エルヴィンが弱弱しく言葉を発した。
エルヴィン「ここでかの国の言葉を使うとは・・・・・・・・・・・・」
ガンダルフ「あんたの許しは請わぬ。指輪は邪悪そのものじゃ。」
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- 19 : 2015/05/14(木) 15:09:25 :
ベルトルト「いや、これは贈り物だ!」
ベルトルトは議場の中央に進み出て、熱弁をふるった。
ベルトルト「サウロンと戦う僕らの為の贈り物だよ! 君たちの平和は、僕らゴンドールの民の犠牲によって守られてきたんだ! 僕らの民の血が流されたことによって!」
―――――何が何でも、僕らの故郷を守る。これが、ベルトルトの信念だった。
リヴァイ「例えその為に指輪を使ったとしても、その指輪はいうことなんか聞きやしねえ。」
冷静なリヴァイの反論に、ベルトルトは食ってかかった。
ベルトルト「野伏ごときに何が分かるのさ。」
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- 20 : 2015/05/14(木) 15:10:21 :
アニ「・・・・・・・・・・・・ものを知らないっていいね。のんきに反論出来て。」
アニが少し呆れたように、横から口を挟んだ。
ベルトルト「どういうことかな?」
アニ「あんたが話しているのは、あんたが忠誠を誓うべき相手。」
アニ「リヴァイは・・・・・・・・・・・・ゴンドールの王位継承者だよ。」
エレン「えっ!?」
―――――何言ってんだ? リヴァイが・・・・・・・・・・・・ゴンドールの王?
リヴァイ<黙れ、アニ。>
リヴァイがエルフ語で警告する。
ベルトルト「つまり、君はイシルドゥアの末裔なんだね・・・・・・・・・・・・ゴンドールに王は居ない。ゴンドールに王は必要ない。」
そういうと、ベルトルトはゆっくりと自分の椅子に座った。
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- 21 : 2015/05/14(木) 15:42:26 :
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エルヴィン「残る選択肢は一つ・・・・・・・・・・・・指輪を破壊することだ。」
ライナー「よしッ! なら俺がやってやるッ!!!」
ドワーフのライナーが立ち上がり、斧を思いっきり振り上げた。
ライナー「おらあッ!!!」
ドゴォンッ!!!
爆音とともに斧が粉々になり、ライナーが吹き飛ばされた。
ライナー「うおッ!!!」
仰向けに転倒するライナー。
ガンダルフ「無駄じゃよ・・・・・・武器では傷一つつかん。冥王サウロンの力が宿った指輪じゃ。竈の火では熱くすらならん。力の指輪を燃やせるほどの炎を宿すドラゴンはもうこの世界にはおらん―――――いや、かの黒龍アンカラゴンでさえ、無理なのじゃ。」
エレン「じゃあ・・・・・・・・・・・・どうすればいいんだよ?」
エルヴィン「方法は一つ・・・・・・・・・・・・この指輪が鍛えられた、モルドールの滅びの山。その炎の中にこの指輪を投げ入れることだ。」
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- 22 : 2015/05/14(木) 18:31:25 :
眉ひとつ動かさず、冷然と言い放つエルヴィンの言葉に、全員が彼の眉と同じように動かなくなった。
ややあって、ベルトルトが頭を抱えながら話し始めた。
ベルトルト「モルドールに行くだって・・・・・・・・・・・・冥王サウロンの指輪を、わざわざ冥王の元へお届けに行くつもりなのかい?」
―――――一つの指輪は、滅びの山でしか壊せない。
でもそれは、あまりにも危険な賭け。
モルドールの恐怖を身をもって知り、常にモルドールの軍勢と戦火を交えてきたベルトルトにとってみれば、これほど愚劣に見える行為はなかった。
ベルトルト「常に火山灰と闇におおわれたモルドールで、聳え立つ暗黒の塔の上には、常にあの瞼のない炎の目―――――サウロンがすべてを見通している。」
苛立ったアニが立ち上がってベルトルトに質問をぶつけた。
アニ「じゃあお聞きしたいね・・・・・・・・・・・・他にどんな手段があるんだい?」
ベルトルト「もし敵の手に指輪が落ちたら、サウロンは完全復活するんだぞ!?」
ライナーも立ち上がる。
ライナー「そんなのはエルフの勝手な言い分だろうが。エルフの手に指輪が落ちるくらいなら、まだサウロンのほうがましだッ!」
アニ「もう一回言ってみな、ライナーッ!」
―――――エルフとドワーフは常にいがみ合う、犬猿の仲。
たとえ言いがかりでも、ドワーフはエルフに噛みついてしまう。
ガンダルフ「ふぅ、やめんか! 言い争っておる場合ではないぞッ!」
ため息をつき、ガンダルフが仲裁に入ろうとする。
会議は紛糾し、お互いの偏見まで飛び出して、言い争いになってしまった・・・・・・・・・・・・。
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- 23 : 2015/05/14(木) 18:49:13 :
「・・・・・・・・・・・・俺が行くよッ!」
彼の一言に、今まで言い争っていた他の者たちが静まり返った。
ガンダルフは悲痛な表情をしてその声の主―――――エレンを見つめた。
エレン「俺が行くよ・・・・・・・・・・・・モルドールへ。行き方は・・・・・・・・・・・・分からねえけど。」
―――――これ以上エレンに、重荷を背負わせたくはなかった・・・・・・。
既にエレンは魔王の呪いを受けてしまい、体の一部が影の世界へと引き込まれてしまっている。
ガンダルフ「・・・・・・・・・・・・エレン・・・・・・。」
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- 24 : 2015/05/14(木) 18:50:43 :
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エレンの堅い決意を見たリヴァイが、エレンの前に進み出る。
リヴァイ「お前の決意、この俺が見届けてやる。剣に誓ってな。」
言い争っていたアニとライナーも、エレンに面と向かった。
アニ「小さいくせに、根性あるんだね。いいよ、乗った。私は弓に誓おう。」
ライナー「俺は斧に誓って、お前を守る。」
―――――エレンの周りに仲間が集い始めた。
最後に残ったベルトルトも、エレンの前に進み出た。
ベルトルト「これが会議の決定なら・・・・・・・・・・・・ゴンドールは従うよ。」
ガンダルフ「・・・・・・・・・・・・これで、指輪を棄てに行く仲間が集ったな。」
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- 25 : 2015/05/14(木) 18:51:37 :
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「ちょっと待って!!!」
奥の花壇の裏から声が聞こえた。
エレン「!!! アルミン!? お前、また盗み聞きしてやがったのか!?」
アルミン「僕は君とどこまでも一緒に行くよ? 約束したじゃないか!?」
エルヴィンが呆れていった。
エルヴィン「この重要な会議を盗み聞きするくらいだからな。いいだろう、エレンについていくといい。」
「よしッ!」 「やった~!」
エルヴィン「!?」
別の花壇の裏から、ジャンとマルコが飛び出した。
ジャン「ま、旅の友には知恵者が必要だろ?」
マルコ「それはアルミンのことだよね?」
アルミン「君はどちらかというとイタズラものでしょ?」
苦笑いをするエルヴィンに、ガンダルフは笑って答えた。
ガンダルフ「ほっほっほっ、これで、全員そろったな。」
エルヴィン「・・・・・・・・・・・・ああ、指輪に導かれし、旅の仲間だ。」
――――――――指輪を棄てるための旅。旅の仲間は、かくして集った。
ジャン「で、これからどこ行くんだ?」
一同「「「ファッ!?」」」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 26 : 2015/05/14(木) 21:30:37 :
- ジャンww
サシャやクリスタって登場させるよていですか?
期待です!
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- 27 : 2015/05/14(木) 22:49:56 :
- >>26
期待ありがとうございます!
クリスタはチョイ役で出てますw
サシャは王の帰還で出す予定です。
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- 28 : 2015/05/14(木) 23:10:34 :
ダリス「よし、エレン。この剣を持っていけ。」
改めて旅の仲間となったエレンに、ダリスは自分の冒険で使った武器や防具をエレンにプレゼントすることにした。
エレン「この剣は?」
ダリス「つらぬき丸じゃ。オークが来ると青く光るから、光った時は用心するのじゃぞ。」
エレン「敵が来たら光んのか!? すっげえな。」
ダリス「うむ、それと、この胴着も持っていけ。」
エレン「これは・・・・・・めっちゃ軽いけど、何なんだよ?」
ダリス「ドワーフが作ったミスリルの胴着じゃ。鋼より遥かに軽いが、鋼の鎧よりはるかに堅い。ほれ、着てみろ、エレン。」
-
- 29 : 2015/05/14(木) 23:11:34 :
ダリスに促され、着替え始めるエレン。
服のボタンをはずし始めたその時、鎖をつけて首にぶら下げた一つの指輪がダリスの目に入った。
ダリス「え、エレン、その指輪・・・・・・・・・・・・もう一度触ってもよいかの?」
エレン「え!? だ、ダメだよ、じいちゃん。これは俺が背負った重荷なんだ。」
ダリス「触らせんかッ!!!」
いきなり飛びつくダリスを、エレンは突き飛ばした。
エレン「あ、じいちゃん・・・・・・ごめん・・・・・・こんなつもりじゃ・・・・・・・・・・・・。」
ダリス「あ・・・・・・あああ・・・・・・・・・・・・。」
すると、ダリスは床に座ったまま大粒の涙を流し始めた。
ダリス「すまない・・・・・・すまない・・・・・・・・・・・・わしのせいで、エレンやアルミンをこんな目に・・・・・・可愛いお前を・・・・・・モルドールなんかに・・・・・・ううぅ・・・・・・。」
エレン「じいちゃん・・・・・・。」
俺は涙を流しているじいちゃんを抱きしめて、約束を交わした。
エレン「大丈夫だって、俺、絶対帰ってくるからさ。」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 30 : 2015/05/14(木) 23:28:29 :
アルミン「エレン、いよいよ出発の時間だね。」
アルミンは期待と不安の入り混じった顔をしている―――――旅は長年の夢だったが、これからの旅も観光ではなく、常に死の危険を伴った過酷な旅になる。
エレン「ああ、頼んだぜ、アルミン、ジャン、マルコ。」
アニ「あんたらホビットは仲がいいね。せいぜい死なないように、私も力を尽くすよ。」
ライナー「そうだな、お前ら、力は弱いからな。俺たちがお前らを強くしてやる。」
ベルトルト「まずは剣の扱い方からだね。僕に任せてよ。」
エレアルジャンマル「「「よろしくお願いします!」」」
ベルトルト「うん、よろしくね!」
ライナーやアニ、ベルトルト。ホビットたちにとっては、出発前の時点ですでに、頼もしい兄貴分や姉貴分になっていた。
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- 31 : 2015/05/14(木) 23:29:14 :
-
リヴァイ<行ってくるぞ、ペトラ。>
ペトラ<あなたに・・・・・・ヴァラールの恩寵があるように。このネックレスを・・・・・・・・・・・・受け取って。>
ペトラはリヴァイに、夕星 の光を湛えたネックレスを手渡した。
―――――それぞれが、思い思いに別れを告げ、いよいよ裂け谷を出発することになった。
ガンダルフ「さあ、エレン・・・・・・・・・・・・出発じゃな。」
ガンダルフが先頭に立ち、エレンを旅へと誘う。
エレン「ああ、モルドールへ向けて・・・・・・・・・・・・指輪を棄てに、出発だ! お前ら、ついてこいよ!」
アルジャンマル「「「おうッ!!!」」」
続いてホビット四人組が、意気揚々と魔法使いの後を追った。
リヴァイ「さて。」
アニ「私たちも行くとしようか。」
ライナー「そうだな。」
ベルトルト「うん。」
先に進みだしたホビット四人組を追うように、人間二人とエルフ、ドワーフも進みだした。
―――――九人の旅の仲間。裂け谷を出発す。
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- 32 : 2015/05/14(木) 23:31:46 :
- ようやく全員が裂け谷を出発し、いよいよ本格的な旅がスタートしました。
次回はモリア坑道編です。よろしくお願いします。
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- 33 : 2016/04/16(土) 16:12:48 :
- アニがレゴラスならスランドゥイルはナイル
タウリエルやヒッチキーリがマルロといったところか…
中の人的にはグリシャ=キーリだけどw
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- 34 : 2016/04/16(土) 16:14:56 :
- (訂正)タウリエルはヒッチ、キーリがマルロ
ビヨルンは獣の巨じn…何でもないです
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- 35 : 2023/07/22(土) 13:47:42 :
- http://www.ssnote.net/archives/90995
●トロのフリーアカウント(^ω^)●
http://www.ssnote.net/archives/90991
http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3655
http://www.ssnote.net/users/mikasaanti
2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
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16 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 19:01:59 このユーザーのレスのみ表示する
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36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな
22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。
46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね
52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑
89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ
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