この作品は執筆を終了しています。
勝手に動き出す世界
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- 1 : 2015/04/29(水) 18:11:14 :
- プリズムリバーさんのスレでは無いです。はい。
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気が付けば、私はただ一人。
(絶望感、脱力感。)
本当の私は居ないのに……
(毎日同じ事の繰り返し。)
勝手に世界は動き出す_____
(もうどうでも良いかな。)
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- 2 : 2015/04/29(水) 20:06:21 :
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私が7歳の時の8月。八意診療所のベッドでお母さんはこう言った。
「ねぇ、霊夢…………」
「なぁに、お母さん。」
「お母さんが死んだら、どう思う?」
お母さんはその時……もう…………
余命は僅かで……今夜がヤマと言われてたそうだ。
人は死ぬ前、やけに元気になる。
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- 3 : 2015/04/29(水) 20:11:02 :
- お母さんは、その時ベッドの上で喋れるくらい元気だった。
「死んだら……?でも、お母さん、今元気じゃない!」
「………そうね………そうね。」
「博麗さん、点滴の時間です。」
「あ、はい。霊夢、もう家に帰りなさい。」
「うん!お母さん!また明日くるね!」
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- 4 : 2015/04/29(水) 20:12:34 :
- 明日……近くて遠い世界だ……
午前3時、お母さんは天国へ行った。
そこから、私の時間は止まってしまった。
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- 5 : 2015/05/01(金) 18:03:27 :
- 毎日、神社を掃除して。お茶を飲んで、掃除して……
毎日、同じ事の繰り返し。
逃げ出せない無限ループ。
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- 6 : 2015/05/01(金) 18:04:00 :
こんな毎日、壊れてしまえば良いのに。
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- 7 : 2015/05/01(金) 18:04:57 :
- お賽銭がある訳でもなく、萃香がどっかへ行ってしまう訳でもなく_____
朝起きて、夜寝て、朝起きて……
ずーっと、同じ世界。
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- 8 : 2015/05/01(金) 18:10:50 :
- 「例え〝博麗の巫女〟でも、春は渡さないわよ。」
「紅霧は誰にも止められないわ!それが〝博麗の巫女〟だとしてもね。」
「!……誰かと思えば〝博麗の巫女〟じゃない!」
…………
だれも、だれも私を「博麗霊夢」とは見てくれない。
〝博麗の巫女〟
本当の私は誰?
あなたは私で私はあなた。
結局誰でも良いのよ。
誰でも……
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- 9 : 2015/05/01(金) 18:13:38 :
- 異変だってつまらない。
結局、幻想郷を護るのは私の力が6割ぐらいあるし、私が勝つように〝物語〟として出来てる。
なんでも良い理由で、異変を起こして、倒されて、平和が戻る。
これだって無限ループだ。
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- 10 : 2015/05/02(土) 15:59:17 :
- 「おっす霊夢!私だぜ!今日は土産があるんだぜ!」
「…………何よ。」
「珍しくテンション低いな?土産って言うのはな_____」ガサゴソ
「この〝地霊殿温泉饅頭〟だぜ!一緒に食おう!」
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- 11 : 2015/05/02(土) 16:00:45 :
なんとなく、そんな気じゃないな。
なんとなく、イライラして……
なんとなく、食べたくない……
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- 12 : 2015/05/02(土) 16:03:17 :
- 「ごめん、いらない。」
「はっ?なんでだよ。」
「そんな気分じゃない。」
「え?……いやいや、客の土産を……」
「ごめん、帰って……」
今日は、誰にも会いたくない_____
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- 13 : 2015/05/02(土) 16:07:09 :
- 「なんだよ霊夢、調子悪いのか?」
「違う。」
「なら饅頭食おうぜ?」
「ごめん……今日は無理……」
「なんでだよ……?いつもなら「 ヤッタ~!」って物凄い騒ぎなのに……」
「理由は……分かんない……。分かんないけど…………誰にも会いたくないの。」
「なんだよそれ!?……私が嫌いなら嫌いって言えば良いじゃないか!」
「ち、違う!」
「なにが……違うんだよ。」
「…………。」
「…………。」
「もう、帰るぜ。」
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- 14 : 2015/05/02(土) 16:09:33 :
- 「ふっ…………あはは……」
自分で無限ループの人生に嫌気起こして、自分で魔理沙のお饅頭を断って、自分のせいで魔理沙と喧嘩……。
笑えてくるよ。
泣けてくるよ。
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- 15 : 2015/05/02(土) 16:10:44 :
- もう守るものも、なくなっちゃった。
全部、どうでも良いや_____
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- 16 : 2015/05/02(土) 16:49:41 :
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お金もなければ、友達も無い。
親も無いし、自分の存在も分からない。
永遠に続く、孤独は何があろうとも消えないだろう。
遅かれ早かれ、本当の私の存在は無くなる。
私が居なくなったところで何も変わらない。新しい月が昇り、世界は勝手に動き出す。
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- 17 : 2015/05/02(土) 16:52:59 :
- 私の子供が7歳になった時、私は崖で子供にこう話しかけた。
「ねぇ、来夢?」
「お母さんがいなくなったらどう思う?」
人は死ぬ前、やけに元気になる。
普段は恐ろしい崖でさえ、昔からの旧友に見える。
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- 18 : 2015/05/02(土) 16:54:02 :
- 「あなたは立派に生きなさい……」
そう言い残して、私は_____
新たな一歩を踏み出した。
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- 19 : 2015/05/02(土) 16:54:10 :
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- 20 : 2015/05/02(土) 17:02:04 :
- 「…………あんたはいくら持っている?」
小舟に乗っていた私は、それを動かす女の人に話しかけられた。
「?」
「この川の向こうまで行くには運賃が要るんだ。ただ、それはお金じゃない。ここに来る前の世界での徳を支払って貰うんだ。」
「はぁ、そうですか……。」
この人は何を言ってるかさっぱりだ。
「ただ……徳の無い人間は、川の途中で振り落とされっちまう。」
「そうなんですか。」
適当に相槌を打つ。
「随分と〝他人事〟のようだねぇ。」
「?」
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- 21 : 2015/05/02(土) 17:04:53 :
- 「子供を捨ててきたんだろ?」
「!」
「あんたは元々徳の多い人間なのになぁ。最後で台無しだ。」
「…………。」
「あと……3メートルと言ったところだけど……。ここまでだ。私が運べるのは。」
「あ…………」
「残念だよ、博麗霊夢。」
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- 22 : 2015/05/02(土) 17:06:19 :
- 女の人は空に浮かび、船のヘリを持った。
そして、私を船から落とした。
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- 23 : 2015/05/02(土) 17:12:39 :
- __________
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「このへんかしらね。」
「このへんです。映姫様」
天国の本当に端っこに、彼岸花が咲いている。
「あと、3メートルだったんです。」
「……徳があると思ったんだけどね。」
「ええ…………。」
「でも、花だけでも天国に咲いて良かったんじゃないかしら?」
「そうですね……。」
「さぁ、仕事よ仕事!」
「…………はい!」
その2人を最後に、わざわざ一輪の彼岸花を見に来る人は居なくなった。
〝私が居なくても、世界は勝手に動き出す〟
その通りだよ。さようなら、彼岸花。さようなら、霊夢。
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- 24 : 2015/05/02(土) 17:17:22 :
- ふぇーい、終わりですよー。
フランに比べて短いですね。
魔理沙と喧嘩して仲直りしてほのぼの幻想郷っ!
……のはずが。
あれ?
三途の川に居ますけど……!?状態。
バッドエンド好きな作者です。
何一つ下書きもして無いので、かなりの乱文でしたね。
どんどんバッドエ……物語を作っていきたいと思います。
全国の霊夢ファンの皆さん、申し訳ございません……。
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