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コロ ~Foever story~
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- 1 : 2015/04/16(木) 00:31:26 :
- ある時、私は部屋の押入れを片付けていた。
私:「なんだろ、これ。」
私が見つけたのは古い花柄のアルバム。
中を見てみると白黒の写真が沢山あった。
おばあちゃんとおじいちゃん。
お母さんの小さい時の写真…とページを
めくる度にどんどん楽しくなってきた。
その時、一枚ページの間から
カラーがしっかりしている写真が出てきた。
おばあちゃんと…見覚えのある顔。
私だ。
あれ、私の隣にいる小さいワンコは誰の…?
おばあちゃん、犬飼ってたっけ?
私:「お母さ〜ん!押入れで見つけたんだけど」
お母さんにアルバムと飛び出てきた写真を
見せて見た。
すると
お母さん:「懐かしいわねぇ〜」
と楽しそうに眺め出した。
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- 2 : 2015/04/16(木) 00:38:51 :
- 私:「ねぇ、これ挟まってたんだけど」
そう言って私が挟まっていた写真を
渡すとお母さんは
お母さん:「まぁ、コロじゃない」
と大きな声で言った。
私:「コロ?」
お母さん:「あぁ、おばあちゃんが
飼ってた犬よ。」
私:「そうだったんだ。今はどこに?」
私がそう聞くとお母さんは淋しそうな
顔をして
お母さん:「おばあちゃんと天国に
行ったのよ。」
と小さな声で呟いた。
私:「え。。。コロはもういないの?」
お母さん:「えぇ、確かあなたが
3歳の時だったかしらね。」
お母さんは語り出した。
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- 3 : 2015/04/16(木) 00:44:56 :
- コロはシバ犬のオスで
私が生まれる3年前から
おばあちゃんが飼ってた犬だった。
毎朝コロはおばあちゃんの
顔を舐めて寝坊助のおばあちゃんを
起こしたり、おばあちゃんが
歩く度に後ろに付いて歩いたり
おばあちゃんが出かける時は
リードを咥えて連れて行けと
おばあちゃんにアピールしたり…
とにかく、おばあちゃんに
ずっとくっついていたそうだ。
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- 4 : 2015/04/16(木) 00:48:14 :
- 何をするにもおばあちゃんと一緒で
おじいちゃんに先立たれた
おばあちゃんは毎日コロに
話しかけていたらしい。
コロはおばあちゃん以外に
懐く事が無くて、おばあちゃんが
お座りと言えば座るのに
他人が言っても一切
言うとこを聞かなかった。
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- 5 : 2015/04/16(木) 00:57:28 :
- 私が生まれて直ぐ、おばあちゃんが
家で料理を作っている時、倒れた。
その時誰も家にいなくて
唯一いたのがコロだった。
コロは吠えない犬なのに
おばあちゃんが倒れた時は
助けを求めるように吠え続けた。
その声に近所の人が気づいて
おばあちゃんは病院に送られた。
疲労と軽いストレスで倒れたとの
事で命には別状はなかった。
お母さんは私をお父さんに預けて
おばあちゃんの元へ駆けつけた。
看護婦さんに案内されて
病室へ入るとペット禁止のはずの
病室の病室のベットの
横にコロがおばあちゃんを
じっと見つめて座っていた。
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- 6 : 2015/04/16(木) 01:01:20 :
- お母さん:「コロ!?」
お母さんもびっくりして
コロを抱きかかえて
病室を出ようとした。
すると、コロが「うぅううう」
とお母さんを睨んだそうだ。
抱きかかえようとしても
牙を向けるし
病室から出そうにも
踏ん張って出ようとしない。
その時、おばあちゃんが起きた。
おばあちゃん:「あれ、コロ」
何故自分が病院にいるかも
分からないおばあちゃんは
ただ自分の腕につけられた 点滴と
自分を見つめているコロを見て
唖然としていた。
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- 7 : 2015/04/16(木) 01:21:28 :
- コロ:「クゥン…」
コロはおばあちゃんを見て
安心したのかベットに
顔を乗せておばあちゃんの
手を舐めた。
おばあちゃんが後々聞いた話だと
おばあちゃんが目覚めるまで
一度も寝ずに何も食べず
ベットの横に
ずっと座っていたらしい。
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- 8 : 2015/04/16(木) 01:33:46 :
- そんな事があり
その日から2年後の4月…。
私が2歳の時だった。
おばあちゃんか又倒れた。
今回は前回のように軽いものでは
なく、おばあちゃんの
脳にガンが発見された。
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- 9 : 2015/04/16(木) 01:59:36 :
- 発見するのが遅くて
他の所にも転移してる可能性が
高いとまで言われ
おばあちゃんは日に日に元気を
無くして行った。
そして、更に不幸が重なった。
コロの右半分が麻痺し出したのだ。
歳のせいもあってか
コロも日に日に弱って
最終的には
寝たきりになってしまったのだ。
ところが、コロが寝たきりに
なった場所は病院の
おばあちゃんのベットの横だった。
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- 10 : 2015/04/16(木) 02:03:51 :
- ある時におばあちゃんが
コロにこう言った。
「コロ…?
おじいさんがねぇ、1人じゃ寂しい
って私を呼んでるの。
私もそんなに長くないから
お前より先におじいさんの所へ
行ってしまうかもしれない。
それでも、怒らないでね?」…と。
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- 11 : 2015/04/16(木) 02:20:03 :
- コロはその言葉を理解したのか
おばあちゃんを見て
淋しげに泣くとその後も
動かない体を引きずって
おばあちゃんの手を舐め続けた。
「コロ…お前は優しいねぇ」
おばあちゃんはシワシワになった
手でコロの頭を撫でた。
「クゥン」コロはそう泣くと
疲れたのか首をベットから
落としてまた寝たきりになった。
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- 12 : 2015/04/16(木) 02:30:30 :
- 次の日、お母さんが
コロを病院の検査に連れて行くと
医師:「大変言いづらいのですが…」
医師が辛そうな顔をして
コロの余命はあと3日です、、、
と言ったのだ。
右半身の麻痺はガンによるもので
歳のせいもある為
手術しても体力が持たない
ということだった。
コロは医師の言葉後わかったのか
愕然としているお母さんに
今まで一度も従ったことがないのに
麻痺した体を頑張って動かし
自分のお腹を見せた。
犬にとってお腹を見せることは
心を開いた証拠…。
お母さんが辛いのもそうだが
もっと辛いのはコロなのに
必死でもがいて体を動かしたのだ。
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- 13 : 2015/04/16(木) 02:36:38 :
- 「クゥン…?」コロは泣いている
お母さんを見て元気づけようとして
いるのか、舌を出して尻尾を振った
お母さんは、「ありがとう」
とコロを抱きしめた。
するとコロは嬉しそうに
「クゥン」と泣いた。
まるで、「大丈夫だよ」と
言っているかのように…。
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- 14 : 2015/04/16(木) 02:43:55 :
- お母さんはコロを抱きかかえて
おばあちゃんのいる病院へ向かった
病室に着くとお母さんはコロの事を
おばあちゃんに全て話した。
話し終わった時に
お母さんの腕の中にいたコロが
右半分を引きずって
おばあちゃんの元へと向かった。
おばあちゃんはそれを見て
点滴の付いた手をコロに伸ばした。
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- 15 : 2015/04/16(木) 02:47:22 :
- おばあちゃんはお母さんに
「少し、コロと2人きりになりたい」
と頼んだ。
お母さんは、まだ私が
小さい事もあり、ついでに
帰るよと言い残して帰って行った。
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- 16 : 2015/04/16(木) 02:54:22 :
- 「ねぇ、コロ。
お前と出会ったのは
今日のような
春風があったかい日でしたねぇ。
あの時お前はまだ本当に小さくて
人見知りで…
それでも、私に懐いてくれましたね
いつも私の後についてきて
トイレまで着いてきた時には
本当に驚きましたよ。
お前はいつも、私の側に
いてくれて本当にいつも
感謝していますよ。
…そろそろなんだか
眠くなってきましたねぇ。
コロ、一緒にお昼寝しましょうか。
ほら、こっちへいらっしゃい?
いい子ねぇ。
今日は本当に
気持ち良い日でしたねぇ。
また、明日もこんな日が
来てくれますかねぇ。
じゃぁ、コロ…おやすみなさい」
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- 17 : 2015/04/16(木) 02:57:50 :
- 次の日、おばあちゃんと
コロがもう一度昨日のような
日を目にする事はなかった。
お母さんが病院からの連絡で
病院に着いた時、、、
気持ち良さそうにベットに
寝ているおばあちゃんと
おばあちゃんの膝の上で
丸くなっているコロがいた。
2人とも息をしていないのに
本当に幸せそうな顔をして
永遠の眠りについていた。
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- 18 : 2015/04/16(木) 03:02:49 :
- 私:「っ…ひっく…」
お母さん:「これが、コロのお話し」
お母さんは全て話し終わった後
目にいっぱい涙をためていた。
私は、もう勝手に涙が出て来て
知らないうちに泣いていた。
お母さん:「コロとおばあちゃんは
最後まで一緒だったわ」
お母さんがそう言った時…
お父さん:「ただいま〜」
お父さんが帰って来た。
すると、お父さんの手には
小さな小さなシバ犬の
赤ちゃんがいた。
私:「お父さん、そのわんこ!?」
お父さん:「いやぁ、知り合いの
うちの犬が
沢山産んだみたいで。」
もらってきたんだとおとうさんは言った
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- 19 : 2015/04/16(木) 03:09:34 :
- その子犬を見ると
くりくりした瞳をうるうるにして
小さな体を震えさせていた。
お父さん:「オスだって言ってたぞ〜」
お父さんがそう言って
私の元へその子犬を放した。
すると…
「クゥン…」と体を震えさせつつも
私の元へとやってきて右手を舐めた
私はその時に、この子はコロの
生まれ変わりだと心から思った。
私:「ねぇ、お母さん!
名前、コロにしてもいいかな?」
私は提案した。すると
お母さん:「ふふっ、生まれ変わり
見たいね。」
とお母さんは微笑んで言った。
おばあちゃんと一緒に
天国へ旅立ったコロ…。
天国のおばあちゃん、、、
コロは生まれ変わったよ!
コロは私の元に来てくれたよ!
この声が、天国のおばあちゃんに
聞こえているのか…
それは、誰にも分からない。
ただ、今日も暖かい風が
庭の木の枝を優しく包み込んで
返事をするかのように揺らした。
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- 20 : 2015/04/16(木) 03:09:50 :
- …END…
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- 21 : 2015/04/16(木) 16:59:30 :
- うわぁぁぁぁあぁぁぁ(T ^ T)
お疲れさまーー!
感動したぁぁぁあぁぁぁ
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- 22 : 2015/04/16(木) 18:59:15 :
- やばい
泣いたw
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- 23 : 2015/04/16(木) 22:47:23 :
- 21コメ様→乙ありです~////////////
感動してもらえて何より><
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- 24 : 2015/04/16(木) 22:47:49 :
- 22コメ様→なける作品が書けましたぁあ))黙
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- 25 : 2015/05/02(土) 11:49:51 :
- ψ(`∇´)ψウェ〜イ
ちょいアドバイス。
私:「○○○○」の:←は付けない方がスッキリすると思うよ。
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- 26 : 2015/05/02(土) 11:53:30 :
- 面白かった。やばい、泣きそう
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