このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
エレアル「White day's tale」 *転生パロ
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- 1 : 2015/03/30(月) 14:54:33 :
- 「女の子に生まれちゃったアルミン *転生パロ」シリーズの作品の一つです。
http://www.ssnote.net/series/1954
今回は半月遅れのホワイトデーのお話です。
何とホワイトデーの話を書こうと思っていて構想まで考えていたのに、つい書くのを忘れていました。
今回は「アルミン「夏休みだよ!」 エレミカ「旅行だよ!!!」 *転生パロ」の話を下敷きにしています。ついでに目を通していただけると嬉しいです。
http://www.ssnote.net/archives/31356
前回がギャグでしたので、今回はシリアスかつエロ注意でお願いします。
*注意
アルミンが女の子に転生してしまっています。
エレンとアルミンは付き合っています。
エレン、アルミン、ミカサには前世の記憶があります。
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- 2 : 2015/03/30(月) 14:56:47 :
――――――雪に閉ざされた監獄の夢を、私は未だに見る。
前世で私が自殺した場所。
あの凍てつく寒さが肌にまとわりつく。
あの時の恐怖が、私の心の中に戻ってくる。
・・・・・・あの時私は死にたくなかった。
でも、死ななければならなかった。
調査兵団を・・・・・・守るために。
毒を飲み、血を吐く感覚。
命の灯が消え、体が芯から冷え切っていく・・・・・・。
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- 3 : 2015/03/30(月) 15:00:33 :
――――――はっ!!!
あまりの寒さに・・・・・・目が覚める。
布団の中から外を覗くと、凍てつく雪が降っている。
・・・・・・だめだ。今日は布団から出られない。
デートにも行けない。
あまりにも・・・・・・体が、心が、寒すぎる。
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- 4 : 2015/03/30(月) 15:03:33 :
~3月14日、ホワイトデー~
エレン「・・・・・・ずっと、待ってんだけどな・・・・・・。」
なごり雪の降り始めた公園のベンチの上で、俺はかれこれ一時間ほどアルミンを待っていた。
既に30分の遅刻。それにアルミンからの連絡も一切ない。
―――――あいつ、またあの時のことを思いだしたのだろうか?
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- 5 : 2015/03/30(月) 15:05:23 :
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実を言うと、俺も前世は・・・・・・自殺だった。
存在するだけで罪深く、多くの人間を犠牲にしたことに絶望し、ヒストリアに自らを食わせて命を絶った。
・・・・・・思い出さないと言ったら嘘になる。俺はここにいていいのだろうかという問いは、頭の中で、まるでこびりつくカビのようにしつこく芽を出す。
でも、だからこそ、俺にとってアルミンはかけがえのない存在になった。
――――――人は、誰かに求められて生きてるのだと思う。
アルミンを初めて抱いた時、俺は心からアルミンになりたいと願った。
一つになって苦悩を少しでも和らげたかった。
でも、それは出来ないことも悟っていた。
人の悩みは、その深さ浅さに関わらず、当人にしかその苦しみは理解できない。
俺は・・・・・・完全にはアルミンになってやれない。
体はこれ以上ないくらい密着し合っているのに、心の中にあるわずかな溝がもどかしかった。
それでも俺は、少しでもアルミンの苦悩を分かち合いたいし、俺の苦悩を支えてほしいとも思う。
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- 6 : 2015/03/30(月) 15:07:49 :
空を見つめ、振ってくる雪に手をかざす。
舞い降りる結晶はいよいよ降り積もり、俺を凍えさせる。
ホワイトデーの為に作ったクッキーを持つ手がかじかんできた。
エレン「・・・・・・帰ろうかな。」
ポケットに手を突っ込み、ゆっくりと歩きはじめる。
――――――今日はクッキーを渡せない。
今年のホワイトデーは、雪が生んだすれ違いの中に過ぎ去っていく。
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- 7 : 2015/03/30(月) 15:08:53 :
――――――今日はクッキーを貰えない。
今頃エレンはかじかんでいるのだろう。
机の上の携帯が幾度か鳴っている。なのに私はベットから離れられない。
・・・・・・寒い。
・・・・・・・・・・・・堪らなく、寒い!
前世の自分はどれ程罪深かったのか?
そして、その業が結局自分に跳ね返り、死を選ばざるを得ない状況を作った。
全ては人類の為に、その為に私は命すら捨てた。
その時の恐怖が、まるで麻薬のようにフラッシュバックする。
アルミン「う・・・・・・うぐっ・・・・・・ひっぐ・・・・・・。」
気が付くと私は泣いていた。
あの時の恐怖に囚われて、ベットの中でうずくまり、嗚咽を上げる姿を誰にも見られたくはない。
たった・・・・・・一人を除いては。
コンコンッ
アルミン「!!!」
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- 8 : 2015/03/30(月) 15:11:18 :
――――――俺の足は、ひとりでに家とは反対の方向に向かっていた。
今の俺には、やるべきことがある。
気が付くと俺はアルミンの家の前に立っていた。
俺にはどうすることのできない苦悩。
でも、どうにかこうにか支えになってあげたい。
おせっかいかもしれねえけど、今の俺に出来るのは、それくらいだから。
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- 9 : 2015/03/30(月) 15:12:58 :
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二階の窓から、私は顔を出した。
エレン「・・・・・・よう、アルミン。」
アルミン「・・・・・・来て、くれたんだね。エレン。」
エレン「・・・・・・上がってもいいか?」
アルミン「・・・・・・うん。」
久しぶりに入るアルミンの部屋は、なぜだか寂しげに見えた。
私服があんなに女の子しているアルミンの部屋は、部屋というよりはむしろ、ベットのある事務所だ。(ただし、巨大な本棚があるあたり、そこはとてもアルミンらしい。)
意外なほど年頃の女の子らしくない部屋に、俺はアルミンのトラウマの深さを想った。
普段はとても我儘なアルミンも、その心を覗くと繊細で傷つきやすい。
アルミン「ごめんね・・・・・・私、また思い出しちゃったの・・・・・・。」
―――――声が震えてる。
エレン「・・・・・・いいんだ、アルミン。」
ベットの横に座り、そっとアルミンを抱き寄せる。
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- 10 : 2015/03/30(月) 15:14:54 :
ふっと、アルミンの顔が俺の目の前に現れた。
唇が触れ合い、お互いの舌を絡めあう。
俺の耳元で、アルミンが囁いた。
アルミン「エレン・・・・・・今日は、私を抱いて・・・・・・。」ハァ ハァ
エレン「・・・・・・アルミン」ハァ ハァ
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- 11 : 2015/03/30(月) 21:58:50 :
俺はアルミンのパジャマを脱がし、下着を取った。
エレン「アルミン・・・・・・もう、ぐしょぐしょなんだな・・・・・・。」
アルミン「や、やめて・・・・・・恥ずかしいから///////」
既に濡れたアルミンの陰部に触れる。指をゆっくりと陰部の中に挿入れていく
アルミン「あ・・・・・・ん・・・・・・ひん・・・・・・」
快楽に身を委ねるアルミン。その瞳からはひと筋の涙が流れる。
エレン「・・・・・・泣いてるのか?」
アルミン「・・・・・・うん、だって、エレン・・・・・・優しい・・・・・・から・・・・・・あうう・・・・・・ふああぁぁあぁあぁあッ!!!」
俺の腕の中で果てたアルミンに、優しくキスをした。
エレン「・・・・・・バカ野郎。」
――――――こいつはなんでも一人で抱え込んじまう。気を付けないと、今日みたいに抱えきれなくなる。
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- 12 : 2015/03/30(月) 21:59:48 :
ベットの上で、俺も服を脱ぎ、二人で肩を寄せ合った。
エレン「俺だってさ・・・・・・時々辛くなるんだ。」
アルミン「えっ?」
エレン「・・・・・・前世で犯した罪は、とても償いきれるもんじゃない。俺がいたせいで、大勢の人間が死んでいったんだ・・・・・・。」
アルミン「それは違うよ、エレン。」
アルミンが背後から俺の肩にしがみついてくる。アルミンのぬくもりを感じる。
アルミン「あなたがいてくれたおかげで、私は生きていられたの。いいや、今でも私は生きていられるの。」
アルミンの手が俺のソレに手を伸ばす。細い指が、俺のソレを優しく扱く。
エレン「く・・・・・・あ・・・・・・アルミン!?」
アルミンの吐息が・・・・・・耳に・・・・・・あたる・・・・・・
アルミン「ふふ・・・・・・感じちゃって・・・・・・可愛い。」
エレン「うああ・・・・・・あ・・・・・・」ゾクゾクッ
アルミン「」ハムッ
その瞬間、俺は強烈な快感に呑まれた。
エレン「バカ!!! 耳はやめ・・・くう、うあッ!!!」
俺のソレから、勢いよく白濁した液体が飛び出した。
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- 13 : 2015/03/30(月) 22:00:35 :
エレン「」ハァ ハァ
アルミン「・・・・・・エレンも、辛かったんだね?」
エレン「・・・・・・ああ。」
アルミンが身を乗り出し、俺にキスを求めてきた。
――――――お前の記憶が戻らなかったとき、俺は二度目の自殺を考えてしまった。
憧れ続けた海の藻くずになろうとした。
あの時お前が俺を止めてくれなかったら・・・・・・お前が俺を必要としてくれなかったら・・・・・・。
また俺は・・・・・・同じ過ちを繰り返すところだった。
アルミン「ねぇ・・・・・・私・・・・・・エレンのが、欲しいの。」
欲情する幼なじみに、俺は必死にしがみついた。
アルミン「わわ、どうしたの? エレン?」
エレン「俺・・・・・・怖いんだよ・・・・・・誰かに必要とされなくなるのが・・・・・・。」
アルミン「・・・・・・珍しいね。エレンが・・・・・・素直に怖いっていうなんて。」
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- 14 : 2015/03/30(月) 22:01:06 :
エレン「・・・・・・挿入れるぞ、アルミン。」
アルミン「私を・・・・・・受け入れてよ、エレン。」
エレンのソレが、アルミンの陰部に押し込まれる。
アルミン「はああ・・・・・・あうう・・・・・・」
快楽の波に、理性が霞んでいく・・・・・・。
俺たちを隔てるものは何もなく、繋がって一つになっているという感覚が私たちを支配する。
はぁ・・・・・・くぅ・・・・・・うぁ・・・・・・
はあ・・・・・・いいん・・・・・・ああぅ・・・・・・
お互いの呼吸が激しく乱れ、喘ぎ声を上げる
身体を重ねるたびに、心も重なっていく
あ・・・・・・アルミン! 俺・・・・・・もう・・・・・・くぁ!!!
エレ・・・・・・ああ・・・・・・ふあああぁああぁぁああ!!!
アルミンの中に、俺はその想いを吐き出した。
外の雪は、いつの間にか止んでいた。
―――――
―――
――
―
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- 15 : 2015/03/31(火) 23:14:13 :
しばらくの間、私たちは裸のまま横になって、お互いの気持ちを囁きあっていた。
隠すものも隠すことも何もなく、こうやって好きなだけ愛を囁く・・・・・・。
――――――ねぇエレン、私ね、この時間が一番好きなんだよ?
前世を思い出したことは不幸であり、そして、とても幸福なことなんだ。
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- 16 : 2015/03/31(火) 23:14:42 :
エレン「なぁ、寒くないか・・・・・・アルミン?」
傾き始めた日差しが部屋の中に注ぎ込む。
私たちはそう、昼からずっと体を重ねていたことになる。
アルミン「ありがとうエレン・・・・・・私、もう寒くないよ。」
その言葉にほっとしたのか、エレンは立ち上がって服を身に着け始めた。
エレン「なぁアルミン・・・・・・すっかり日も暮れちまったけどよ・・・・・・これから出かけねえか?」
アルミン「・・・・・・うん。」
エレン「・・・・・・とりあえず服着ろよ。」
アルミン「///////」
・・・・・・何だか急に恥ずかしくなってきた。智慧の実を食べたアダムとイヴは丁度こんな気持ちだったのかも。
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- 17 : 2015/03/31(火) 23:15:56 :
寒さの残る三月の夜空の元、私たちは腕を組んで街の中を散策することにした。
私たちの住んでいるシガンシナ区は閑静な住宅街となっており、夜になると昔と変わらない満点の星空を望むことが出来る。
遠出することの大好きな私は、地元であるシガンシナを顧みることはあまりなかったけれど、今の気力では街の散策が精一杯だったから、久しぶりに街の風景をゆっくりと眺めた。
うっすら降り積もったなごり雪が、咲き始めた梅の花に綺麗な雪化粧を纏わせている。
雪が雑音を吸い取って音の消えた街並に、月の光が優しく降り注いでいる。
エレン「たまにはこうやってシガンシナを見て回んのもいいもんだな・・・・・・。」
独り言のようにつぶやくエレン。普段は待ち合わせの場所にしているシガンシナの公園への道が、今日はこんなにもキラキラして見える。
アルミン「私たちは見落としてたね。」
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- 18 : 2015/03/31(火) 23:19:12 :
公園につき、いつも待ち合わせの場所にしているベンチに座った。
エレン「やっぱ冷えるな・・・・・・。」
肩を抱き寄せ、俺はアルミンの肩に手を回した。
アルミン「うん・・・・・・でも、寒くない・・・・・・。」
しばらく俺たちは、言葉も交わすことなく、ずっと肩を寄せ合っていた。
至福の時間だった・・・・・・こうやって一緒の時を過ごすことが。
こうしていると何だか・・・・・・俺の悩みが急にどうでもいいことのように思えた。
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- 19 : 2015/03/31(火) 23:19:41 :
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エレン「・・・・・・アルミン。」
アルミン「なぁに?」
エレン「時々お前がトラウマを思い出すとき、実は俺も不安だったんだ・・・・・・。」
アルミン「不安?」
エレン「・・・・・・俺はお前の支えになってやれてるのかって・・・・・・不安でしょうがなかったんだよ。」
アルミン「・・・・・・そう、だったんだ。」
エレン「でも・・・・・・さっきみたいに体を重ねて、今みたいに肩を寄せ合って・・・・・・そしたら、何でそんなことに悩んでんだろうなって思っちまった。」
アルミン「えっ?」
エレン「上手く言えねえんだけどよ・・・・・・俺はお前にはなれねえから、完全にはお前の悩みを受け止めきれねえけど、そもそも俺とお前は違う人間なんだよな。」
アルミン「うん。」
エレン「だから・・・・・・結局・・・・・・お前が好きだってことだ!」
アルミン「ふふふ、何それwww」
エレン「わ、笑うなよ!? 俺だってお前の悩みを受け入れようと必死だったんだからなッ!?」
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- 20 : 2015/03/31(火) 23:21:29 :
―――――優しいなぁ、エレンは。
そうやって人の痛みに共感しようとする優しさ・・・・・・私は大好きだよ。
でも、時々エレンは自分を顧みないことがある。
他人の痛みに共感しすぎて、自分まで深く傷ついてしまう。
見ていてとても危なっかしいけど、いや、だからこそ私はエレンに惹かれるんだろうなぁ。
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- 21 : 2015/03/31(火) 23:22:19 :
エレン「なぁアルミン。」
アルミン「なぁに、エレン?」
エレン「そろそろお前にこれを渡したいんだけど、いいか?」
そういうと、エレンはバックの中から、小さな小包を取り出した。
アルミン「ふふ、今日はホワイトデーだもんね。」
エレン「・・・・・・今日渡せて、良かった//////」
はにかむエレンに、口づけをした。
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- 22 : 2015/03/31(火) 23:23:22 :
今回のラッピングは、春らしくニッポンのサクラをかたどった模様の包み紙で包まれていた。
自宅に戻った私は、バレンタインデーの時にもらった逆チョコの、雪の結晶の模様をあしらった包み紙の横にそれをしまった。
ふふふ、大切な思い出がまた増えたね・・・・・・。
さてと、今度はエレンの誕生日・・・・・・盛大なドッキリの準備にかからなきゃね。
ふふふふふwww
はにかんだ笑顔から、黒い笑顔をアルミンは浮かべた。
おしまい
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- 23 : 2015/03/31(火) 23:26:07 :
- 以上で終了になります。
今回は思った以上に短い短編になりましたw
次回は番外編として、もしエレンが女の子として転生した場合、どうなるのかを書いてみたいと思います。
リクエストのあった女エレンに挑戦しますので、よろしくお願いします。
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