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【エレアニ】それぞれの道へ【現パロ】

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  1. 1 : : 2015/03/28(土) 00:07:59
    23作目です。

    季節外れな大晦日のお話。

    現パロでエレアニな短編になります(多分)

    誤字や脱字などあればご指摘お願いします。
  2. 4 : : 2015/03/28(土) 01:10:59
    『今から全員でお前んち行って呑むぞ』

    突然、ジャンからの電話で告げられた宅飲み宣言。

    暇人、と言いながらエレンも暇だったので了承した。

    大晦日に何も予定がないのもどうかと思う、などと文句を言い合いながら。

    この世界で大学生として過ごしているエレンだが、皆と過ごした時を考えると結構な歳である。

    皆、とはかつて美しくも残酷な世界で戦った仲間たちのことだ。
  3. 5 : : 2015/03/28(土) 01:40:15
    「あーなんもねえな」

    急に家に来る、と言われても
    一人暮らしの男の冷蔵庫にはロクなものが入っていない。

    「買ってくるか」

    お酒を飲むのには欠かせないおつまみを買いに、雪の中近くのコンビニへ向かった。
  4. 6 : : 2015/03/28(土) 12:05:41
    ピーナッツやさきいかなど、無難なおつまみが入った袋をぶら下げてお店から出る。

    雪はもうほとんど降っていない。

    けれど冬の夜道はとても暗く、視界が狭い。

    そのうえ足場も悪いとなると人とぶつかることだってある。

    そして寒いから早くと足を急かしていると、ぶつかったときの衝撃は大きい。
  5. 9 : : 2015/03/28(土) 14:06:21
    「わ!」

    「うっ!」

    不運にも、エレンはぶつかってしまった。

    が、その相手を抱きとめることに成功した。

    「大丈夫ですか!?」

    体勢を持ち直して相手に怪我がないか確認をする。

    抱きとめたときの軽さと細さ。

    これは確実に女性だろう。
  6. 10 : : 2015/03/28(土) 18:50:00
    「あ、大丈夫です……ごめんなさい、ありがとうございます」

    近くで確認してようやくわかった懐かしい顔。

    あの頃と変わらないその声。

    エレンは言葉を失った。
  7. 11 : : 2015/03/28(土) 22:11:52


    その昔、仲間として戦い、敵としても戦った想い人。

    裏切られても嫌いになれなかった永遠の女性。


    アニ・レオンハート


  8. 12 : : 2015/03/29(日) 01:39:04
    しかしこの反応から察するに、彼女に記憶はなさそうだ。

    記憶がない仲間なんて珍しくない。

    それに、彼女には覚えていて欲しくなかった。

    だったら、思い出す可能性もないように。

    「すみません!」

    そう言い捨てて走り去った。

    また別の人にぶつかるかもしれない、転ぶかもしれないなんて頭にない。
  9. 13 : : 2015/03/29(日) 06:03:06


    ずっと会いたかった彼女に会えた喜びと

    覚えていなかった悲しみと

    忘れていてくれた安心と

    様々な感情が入り交じって涙が溢れ出た。


  10. 16 : : 2015/03/29(日) 15:20:22


    「いいんだ、あいつが幸せならっ……!」

    そう自分に言い聞かせ、仲間が待つ場所へ向かった。


     
  11. 19 : : 2015/03/29(日) 17:02:04
    「あ、お蕎麦のつゆ買い忘れちゃった」

    少し抜けている幼馴染みの買い忘れのため、アニはコンビニへ向かっていた。

    何の縁か生まれ変わってからも彼らと幼馴染みだった。

    彼ら、とはかつて使命を共にした仲間のことだ。
  12. 22 : : 2015/03/29(日) 18:10:56
    故郷に帰るためになんだってやった仲間。

    今はもう戦わなくていい。

    平和なこの世界で、平和に年を越そうとしていた。
  13. 23 : : 2015/03/29(日) 18:58:27
    『急がないとお前の好きな番組始まっちまうぞ』

    簡潔に送られたきたメールは、アニを急かすのに十分な内容だ。

    しかし雪の日に急いでもいいことなんてない。

    転んだり、ぶつかったりする可能性がある。
  14. 24 : : 2015/03/29(日) 19:31:04
    「わ!」

    「うっ!」

    案の定、ぶつかって雪に足を取られたアニはバランスを崩す。

    だが倒れることはなかった。

    「大丈夫ですか!?」

    この声と顔に、とても既視感があった。
  15. 25 : : 2015/03/29(日) 19:50:36


    その昔、仲間として戦い、敵としても戦った想い人。

    裏切ってもなお嫌いになれなかった永遠の人。



    エレン・イェーガー



  16. 26 : : 2015/03/29(日) 20:25:19
    けれどもこの反応から察するに、彼に記憶はないようだ。

    当たり前か、と心の中で思う。

    事実、幼馴染みの一人は過去のことなんて何も覚えていない。

    でも、それでいいのだ。

    あんな世界のことなんて忘れてしまった方がいい。
  17. 27 : : 2015/03/29(日) 21:10:22
    「あ、大丈夫です……ごめんなさい、ありがとうございます」

    何事もなかったかのように自分の力で立ち上がる。

    「すみません!」

    叫ぶように謝る彼をなるべく見ないように、お店の中へ入っていった。

    何も考えないようにして。
  18. 28 : : 2015/03/29(日) 21:41:14


    ずっと会いたかった彼に会えた喜びも

    覚えていなかった悲しみも

    忘れてくれた安心も

    全て考えないようにして。


  19. 29 : : 2015/03/29(日) 22:17:34


    「エレンには、もう……!」

    彼に今、幸せがあるならそれでいい。

    アニは自分を待ってくれている幼馴染みがいる場所へ向かった。



    それぞれの道へ

    -END-
  20. 30 : : 2015/03/29(日) 23:34:40
    もう少し続けても良かったのでは・・・?(´・_・`)
    とは思いましたが執筆お疲れ様でした♪
    ( ´ ▽ ` )ノ

    結構切なくなるもんですね…(~_~;)
  21. 31 : : 2015/03/29(日) 23:50:30
    >>30
    喰種さん

    今回の2人の人生で
    誰にもこのことを喋らず、もう2度と会わないという設定だったのでここで終わらせていただきました!

    ですが意見は大歓迎なのでこれからもどんどん言ってください!
    できる限り改善していきたいと思いますっ。

    切なさを目指したのでそう思っていただけたようでかなりうれしいです(゚´ω`゚)゚
    ありがとうございます!
  22. 32 : : 2015/03/30(月) 13:05:05
    切ない…お互いに覚えているのにどっちも覚えてないと思ったばかりに……
  23. 33 : : 2015/03/30(月) 14:42:33
    >>32
    りお

    来世で結ばれる・・・と信じて
    今世ではもうお互い幸せに暮らしてたということで

    切ないって思ってもらえたのなら嬉しいな!
  24. 34 : : 2015/05/10(日) 13:57:16
  25. 35 : : 2015/05/10(日) 22:26:28
    >>34
    とあさん

    乙ありでございます!

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Liebeschon1104

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