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『俺とあの子と一枚の紙』

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  1. 1 : : 2015/03/24(火) 19:37:43
    どうも、東方Projectの方々始めまして
    このお話はある人間の男と幻想郷に住む方々のお話です

    注意:作者の東方Projectに対する知識はとても乏しいので一人称語尾などが間違っている場合があります
    それでもよろしいという方々は読んでくださるとありがたいです

    では始めさせていただきます
  2. 2 : : 2015/03/24(火) 19:38:03
    1話:ある夏の出来事(1)

    「ふぁ・・・・・」

    講堂の中教授が講義について話している中

    俺は興味なさげにあくびをぶちかましていた

    外を見る

    太陽がギラギラとアスファルトを照らしつけ蝉の音が激しく鳴り響く

    そう、世間一般では夏休み

    学生である俺も本来なら休めるはず

    でも中には夏休みを返上して講義を受ける者も少なくない

    それは余程意識が高い者か

    俺のような普段の講義をないがしろにしたような者

    「はぁ・・・」

    深いため息を一つ

    もう一度、外を見る

    そういえばあの時もあんな夏の日の事だったな
  3. 3 : : 2015/03/24(火) 19:38:21
    ========================================

    俺は大学進学に合わせて上京した

    それまでは凄く田舎の山のふもとに住んでいた

    元々、人付き合いの苦手な子だった

    夏休みの友人とすれば

    「おっ!カブトムシ」

    実家の裏の山の自然

    その日は山の奥まで行こうと思っていた

    本来なら両親に行くことは許されなかった山の奥に

    「ほえぇーこんなになってたんだこの山」

    巨大な木がたくさん生い茂り

    子供ながら幻想的な空間だと思った

    「穴?」

    巨大樹にはところどころ自然に発生したとは思えないような穴が複数あいていた

    まるで、そこに何かしかの大砲が撃ち込まれたような

    そんな大きい穴
  4. 4 : : 2015/03/24(火) 19:38:39
    その穴を覗き込んでいると

    一瞬何かが光った

    「?」

    周りを見渡すがそこには何もいない

    いや、何もいなくは無かった

    それはふもとでもあまり見ることが無くなっていた夏の風物詩

    淡い光が人々の心を癒す

    そんな虫、その光だった

    「蛍だ!」

    その光に駆け出す俺

    何故気が付かなかったのだろう

    蛍が青色に光ることなんてあり得ない

    近づけば近づくほどその光は大きくなる

    そしてその光に手をのばそうとしたその時

    咄嗟にその手を引いた

    その光を突き破るように赤い鋭利な光がこちらに飛んでくる

    「アブねっ」

    身体を捻り斜め前方に飛び込む

    振り返ると地面に突き刺さる光
  5. 5 : : 2015/03/24(火) 19:39:02
    「なんだっつうんだよこれ」

    囲まれている

    あの光によって

    どうすればいい?

    でもあれに当たればどうなるかくらいは中学1年の俺にでもわかる


    それを意識したとたん

    身体から汗が噴き出す

    死ぬのか?

    俺は

    こんな山奥で、誰もいない場所で

    1人で寂しく死ぬのか

    そんな恐怖が身体中を駆け巡る

    光が近づいてくる


    あれが地面に突き刺さったということは物理的な何かなんだ

    考えろ

    考えろよ

    死んじまうだろうが

    ダメだ浮かばねえ

    「どうせ死ぬなら、もっとおじいちゃんになってからが良かった」
  6. 6 : : 2015/03/24(火) 19:39:17
    『森の奥にはいかないほうがいい』

    『そうね、入ってしまったら大変だわ』

    『母さん』

    『ごめんなさい、でも奥には行かないようにね』

    両親の言葉を思い出す

    「そうだったな・・・言うとおりにすればよかった」

    なんでこんなことを思い出すのだろう

    記憶

    何か他に記憶

    ここを脱却する鍵が記憶にある

    少しでも抵抗して時間を稼ごうと身体を動かそうとするが

    「動かねェ」

    くそ、光が近づいてくるというのに

    光が・・・動かない

    周りの時が止まっている

    どうしてとか考えてる暇なんてない

    何とかしないと

    何とか
  7. 7 : : 2015/03/24(火) 19:39:44
    『お父さん怪我しているの?』

    それは俺が3歳の頃父さんと一緒に風呂に入っていた時

    俺は父さんの腕に何針も縫った跡を見た

    『いや、これは違うんだ これは昔の怪我だ』

    今思うと別に違うことなんてねぇだろ怪我じゃねぇか

    『もし、お前が光に出くわすようなことがあったら』


    時が動き出す

    光も動き出す

    そして俺の身体も

    「もし、光に出くわすようなことがあれば」

    地面の石を拾う

    「決して触れてはならない、軌道を変えるんだ なんならそこら辺の小石でも構わない」

    小石を投げつける


    軌道が変わり

    光どうしがぶつかり合い爆発する

    「あっちぃー!」


    早く帰らないと

    帰り道は・・・

    「あれ・・・帰り道」

    必死でいたから自分が来た道を忘れてしまった

    急に孤独感が自分を包み込む

    先ほどの孤独とは違う

    恐怖による孤独では無く

    不安による孤独

    さらに先ほどの光もまた襲ってくるかもしれない

    俺は全速力で駆け出した

    葉が顔に当たり赤い線を引くのもお構いなしに

    俺は走った

    走り続けた


    1話:ある夏の出来事(1) end

    続く
  8. 8 : : 2015/03/24(火) 19:43:21
    取り敢えず導入部分だけの投稿とさせていただきました。

    続きのシナリオは大体決まっているのですが

    登場キャラが少し決めかねているという状況です

    一応、神社の子は出ることが決まっているのですが

    何せ東方をほぼ全く知らないものですから

    どの子がどんな性格で本作のどのような立ち位置であるかがいまいち理解できてないので

    勉強しつつ書いていこうと思います
  9. 9 : : 2015/03/24(火) 20:00:23
    2話:出会い

    どれくらい走っただろうか

    俺は目の前の石の階段に立ち止まる

    立ち止まったとき俺は自分が限界まで走っていたことに気が付く

    呼吸ができない

    まるで誰かに肺を鷲掴みされているような感覚

    俺は、生まれたての赤ん坊のように酸素を求めた

    汗だらけの顔。体も構うことなく

    ただ身体に酸素を取り入れる
  10. 10 : : 2015/03/24(火) 20:00:39
    「何をしているの?」

    背後から声をかけられる

    背中に鉄の棒が入ってしまったかのように

    背筋が伸びる

    先ほどまで気にならなかった汗が背中を伝うのを感じた

    俺は恐る恐る振り返る

    右手はポケットに入っている小石に手を伸ばす

    「はぁ・・・はぁ・・・」

    尚も身体は酸素を求め続け

    相手の姿を目視した

    「はぁ・・・はぁ・・・あ?」

    俺が見たものは

    俺と同じくらいの年の巫女服姿の女の子だった

    「もう一度聞きます?何をしているの?」

    俺は何をしてるんだ?

    階段の下、光、小石、穴、巫女

    答えることができない

    ただただ、相手を見つめる事しかできなかった
  11. 11 : : 2015/03/24(火) 20:00:56
    俺の呼吸音だけが鳴り響く空間のなか彼女は何も言わず

    ただ俺の返答を待った

    しばらくして呼吸も整った後

    俺の中にあふれる感情が一つ

    安堵だった

    孤独から解放され人と出会えたことによる安堵

    「・・・けてください。」

    頬に熱いものが伝い落ち

    声が震えるのも構わずに俺はその女の子に言った

    「助けてください」


    その子は少し驚いた表情を浮かべた後

    軽く微笑み

    「それでは境内へどうぞ」

    そういい石段を登り始めた

    俺はガクついている膝に鞭を打ち

    石段を上った

    それが俺の博麗 霊夢との出会いだった


    2話:出会い end 続く

  12. 12 : : 2015/03/24(火) 20:23:37
    外伝:ある夏の出来事~とある記者の場合~

    「~♪~♪」

    私の名前は射命丸文っす

    好きなものは事件っす!

    え?なんかこう暗いって?

    違う違うそんなんじゃなくて

    私にはしっかりとした理由ってものがあるのですよ!

    そっ!私は新聞を作る写真家 つまり記者ってことなのです!

    最近は平和すぎてなにも無い幻想郷なので

    記事のネタが無くて困ってるっす

    「どうしようかなぁ~この森に火でもつければ記事になるかなぁー」

    1人そんなことを呟いて

    ふらふらと森を彷徨う

    いや、別に火をつける場所とか探してたわけじゃないっすよ全然

    私がマッチを片手にしゃがみ込んだその時だった

    「ほえぇーこんなになってたんだこの山」

    身体がビクッと跳ね上がりマッチをズボンにしまう

    幻想郷では聞きなれないその声の主を探す

    そこには1人の”人間”の少年が立っていた

    「穴?」

    その少年は巨大樹にあいた穴を興味深そうに眺めていた


    「これはスクープっす」

    私は小声でそう呟き カメラを構える

    そして少年の姿をカメラに収めた

    そのフラッシュで少年が周りを見渡す

    「不味い、気づかれたっすか?」

    少年が近づいてくる

    私は気づかれないようにその場を離れた

    スクープっす!幻想郷に人間の男の子が紛れ込んでいたッす!

    そうだ、最初にあの人に知らせよう

    「超特急っすー!」

    外伝:ある夏の出来事~とある記者の場合~

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