この作品は執筆を終了しています。
episode4「授業」
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- 1 : 2015/02/26(木) 14:04:15 :
- こんにちは、monoです(´▽`)ノ
取り憑かれのエレンというシリーズの第四話になります!
うらる↓↓
http://www.ssnote.net/series/1966
コメントしてくれると投稿速度高まりますので、よろしくお願いします!
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- 2 : 2015/02/26(木) 18:55:37 :
- 期待大!!
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- 3 : 2015/02/26(木) 21:17:44 :
- 期待だぁぁあああああああ!!!!!
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- 4 : 2015/02/27(金) 01:38:50 :
- 〉角砂糖さん
今回も期待ありがとうございます!
このスレも前のと同じくらいの長さになりそうなので、お付き合いください(^^;;
〉名無しさん
期待ありがとうございます!
これを励みに頑張ります!
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- 5 : 2015/02/28(土) 14:57:18 :
学校で意味の分からない八つ当たりを校長にした後、俺はある学校の前に来た。
慶次『餓鬼んちょ、何やってんだ?』
この前田慶次と一緒に。
エレン「待ってんだよ」
慶次『誰をだ?』
エレン「……チビの幼なじみ」
慶次『へぇ、いっちょ前に女が居んのか』
エレン「違うわ!」
慶次『幼なじみってのは男か?』
エレン「……女だ」
慶次『やっぱ女じゃねぇか』ヘヘ‥
こんな調子で待つこと数10分……。
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- 6 : 2015/02/28(土) 15:02:17 :
キーンコーンカーンコーン‥
ガヤガヤ、ガヤガヤ‥‥
辺りに響くチャイムの音。
それを合図に解き放たれた生徒もろもろ。
タッタッタッタッタ‥
その中を走ってくる足音が一つ。
クリスタ「エーレン♪今日は待っててくれたんだね!」
エレン「まぁ、昨日は待たせちまったしな」
慶次『おい餓鬼んちょ、ずいぶんかわいい嬢ちゃんじゃねぇか』
エレン(うっせ、黙ってろ)
エレン「……じゃ、かえ」「あの、レンズさん?」
クリスタを挟んで向こう、学校側からの声。
エレン「……クリスタの友達か?」
クリスタ「えっと、同じクラスの子なんだけど……」
三人組の女子群。
だいたい何処にでも居そうなグループだな。
「あ、いや……良かったら遊びに行かないかなぁって思ったんだけど」チラッ
エレン「ん?」
「ごめんね、邪魔しちゃったみたいで」
俺の方を見てそそくさと去ろうとする。
エレン「ちょっと待て、俺はコイツの彼氏とかじゃないからな?」
「あ、そうなんですか?」
よく間違えられることである。
しょっちゅう一緒にいるから仕方ないんだけど。
エレン「おう。な、クリスタ」
クリスタ「私知らな~い」プイッ
エレン「お前、知らないってなんだよ」
そして何故不機嫌モードなんだよ。
お前の喜怒哀楽についての解説書を俺にくれ。
「「「……」」」ハァ
おいこらそこの女子ども。
ため息を付くな。
幸せ逃げるぞ。
慶次『……』ハァ
エレン(お前もかよ!!)
「……レンズさん、頑張ってね」
「line交換しよ?色々愚痴とか聞いてあげるから」
「あ、私もお願い!いいかな?」
クリスタ「うん、こっちからもお願い」ハァ
クリスタも混じって何か話してるし、lineのID交換始まったし。
エレン「……じゃあ、俺もう帰るからな?」
クリスタ「ダメ!私も帰るから待ってて!」
エレン「はぁ?お前らで遊びに行くんだろ?」
クリスタ「帰るから!待ってて!!」
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- 7 : 2015/02/28(土) 16:09:47 :
結局その後20分くらいクリスタはお喋りして、その間俺はすぐ横で待ちぼうけ。
なんだろう、この理不尽は。
誰か理解してはくれないだろうか。
慶次《無理だな》
エレン(お前はだまってろ!!)
クリスタ「」ムスッ
エレン「……いい加減機嫌直せよ」
クリスタ「なんで私が不機嫌なのかちゃんと考えてくれたら直してあげる」
エレン「それが出来ねぇから言ってんだけど」
クリスタ「じゃあ知らない」プイッ
エレン「知らないって……あのなぁ、さっきも知らんとか言ってたが、あのままなら俺とクリスタは恋人同士って誤解が生まれたんだぞ?」
クリスタ「……エレン、そこまでわかっててまだわからないの?」
エレン「おう」
クリスタ「……呆れた」ハァ
慶次《餓鬼んちょ、流石に俺も引くぜ?》
エレン「だから何だってんだよ!」
クリスタ「はいはい、もうわかったから。エレンまで怒っちゃダメだからね」
なんだこれ。
いつの間にか俺が怒っててクリスタがなだめる側になってないか?
エレン「……クソッ」スタスタスタ
クリスタ「あ、エレン!そっちは家の方向と反対だよ!」
エレン「ゲーセン。帰りたきゃ先帰ってろ」
クリスタ「私も行く!待って!」タッタッタッタ
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- 8 : 2015/03/01(日) 07:44:12 :
- エレン鈍感すぎでめっさオモロイ期待!
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- 9 : 2015/03/01(日) 10:52:12 :
- 〉私さん
期待ありがとうございます!!
エレンといえばやっぱり鈍感なのでww
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- 10 : 2015/03/01(日) 17:14:35 :
-
俺はムシャクシャするとカラオケやゲームセンターに行って気を紛らわす。
まぁ、珍しいことじゃないよな。
で、こういうのは無論1人で発散させるのが一番いいと思うんだ。
カシュッ!ピロロローン♪
クリスタ「やった!私の勝ち♪」
こんな風にイライラの根元と一緒に来るなんてもってのほかなんだ。
発散させにきたのにまたタメ込んじまうからな。
クリスタ「んー、なにとってもらおっかな~?」ルンルン♪
俺にエアホッケーで5連勝したクリスタは上機嫌なご様子。
一方、俺はイライラ通り越してなんかもう無気力。
エレン(……俺ってこんなにエアホッケー弱かったっけ?)
そんなことを思いつつ、賭けに負けたのでクリスタについていく。
向かったのはクレーンゲームのコーナー。
平日の放課後なのでいつもよりも人は少ない。
そこでこれがいいとかあれがいいとか。
エレン「クリスタ、賭けたのは1つだけだかんな」
クリスタ「わかってるも~ん」
エレン「じゃ早く決めてくれ。俺はもう帰りたい」
クリスタ「エレンが来たいって言うから来たんだよ?」
エレン「とにかく、さっさと終わらせて帰ろうぜ」
クリスタ「はーい。もうちょっと待ってね?」
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- 11 : 2015/03/01(日) 22:22:31 :
- 執筆、頑張って下さい。
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- 12 : 2015/03/01(日) 23:42:57 :
- 何故立て直したんですか?
ほとんど変わってないけど
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- 13 : 2015/03/02(月) 00:03:09 :
- 期待です!エレンのセリフクリスタ言ってない?
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- 14 : 2015/03/02(月) 03:27:48 :
- 〉角砂糖さん
はい、頑張ります!
〉名無しさん
あの時はセリフの前に名前とかつけてなかったんですけど、それじゃ読みにくいなと思いまして(^^;;
〉私さん
ご指摘ありがとうございます!
修正しました(^^;;
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- 15 : 2015/03/03(火) 14:03:32 :
エレン「……あー、もう真っ暗じゃねぇか」
クリスタ「エレンが何回も取るの失敗するからだよ」ムギュー
エレン「うっせ」
……まぁ、自分から行こうって言ってこうなったんだから仕方ないか。
実際1000円位使ったしな。
何処にでもあるようなこの白うさぎのぬいぐるみに。
クリスタ「♪~」ムギュー
エレン「そんなに気に入ったのか?同じようなもんいくらでも持ってるだろ」
クリスタ「持ってるけど、これは特別」
エレン「……ふーん」
クリスタ「だって、エレンが取ってくれたんだもんね」モゴモゴ
エレン「ぬいぐるみに口押しつけて喋ってたら何も聞こえないんだが?」
クリスタ「独り言だから良いんですよ~だ」
エレン「あっそ」
エレン(……にしても)チラッ
クリスタ「♪~」
こんなに大げさに喜ぶクリスタを見て少し機嫌が治る俺は一体……。
エレン「……」ハァ
クリスタ「エレン?」
エレン「……またゲーセン行ったら今度は負けねぇからな」
クリスタ「ええ~、勝てるの~?」ニヤニヤ
エレン「今日は運がなかっただけだ」
なんでかわからないが、コイツと居るのは楽しい。
なんでかわからないが……クリスタが笑うと、俺は嬉しい。
これはつまり……どういうことなんだろうな。
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- 16 : 2015/03/03(火) 19:38:01 :
- 期待です
そういえば、俺、恋したことない。気になるぐらいで好きにはなってない。
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- 17 : 2015/03/04(水) 14:16:26 :
- 〉名無しさん
期待ありがとうございます!
自分もそんな感じです(^^;;
自分のペースで、ゆっくりと恋というものをしていこうと自分は思ってます!
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- 18 : 2015/03/04(水) 15:13:39 :
クリスタを家まで送って、俺も帰路についた。
自分の部屋に入って、学校の資料を漁って今後の予定表を引っ張り出した。
なんか凄かった。
最初の方は割と普通に平日は学校があるんだが、後半の方は土日に加えて平日も2日に1回は休みがある。
これ見てるだけでもなんか普通じゃない感が滲み出てるな。
まぁ、とりあえず明日は学校があるっぽいので早めに寝よう。
今日も色々ありすぎて疲れた。
多分ぐっすりと熟睡出来るだろう……。
プルルルルル、プルルルルル‥‥
エレン(……)
プルルルルル、プルルルルル‥‥
慶次《餓鬼んちょ、なんか鳴ってるぞ?》
エレン「無私だ無視。今から俺は寝るんだよ」ゴロン
プルルルルル、プルルルルル、プルルルルル‥‥
慶次《……なぁ、うるせぇんだけど》
エレン「我慢しろ」
プルルルルル、プルルルルル、プルルルルル‥‥プツッ
エレン「……ふぅ」
さ、寝よ寝よ。
プルルピッ!
エレン「なんだよ今から寝ようって時に!!」
クリスタ『あ、やっぱり無視しようとしてたでしょ?』
エレン「わかってんならかけてくんな!」
クリスタ『だってそろそろエレンが寝る時間かなぁって思って』
エレン「だ!か!ら!!、そう思ってんならなんでかけてくるんだ!!」
クリスタ『メールだとまくっちゃうでしょ?』
エレン「もういい!で、用件は!」
クリスタ『エレン、おやすみなさい♪』
エレン「おやすみ!!」ピッ!
あーくそ!!
そんなことで一々電話かけてくんなよな!
若干目が覚めちまったじゃねぇか!
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- 19 : 2015/03/04(水) 16:07:32 :
慶次《夕方の嬢ちゃんかい?》
エレン「……そうだ」
慶次《全く、仲のいいこった》
エレン「……ふん」
慶次《お、否定しねえのかい?》
エレン「したって信じねぇだろ」
慶次《クックックッ、まぁな》
エレン「ったく、明日は学校があるってのに」ゴロン
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- 20 : 2015/03/05(木) 14:24:36 :
『ぅ、ヒック……嫌だよぉ、死んじゃ……やだぁ』ポロポロ
──────どうしたの?
『み、みぃちゃんが……うわあぁぁあん!!』ポロポロ
──────死んじゃったの?
『うわあぁぁあん!やだ、やだよぉ!!』ポロポロ
──────泣かないで。
『だって、だってぇ……』ポロポロ
──────じゃないと、みぃちゃんも悲しそうだよ?
『み、みぃちゃん……も?』ヒック、ヒック
──────うん。お空に行けなくて困ってるよ。
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- 21 : 2015/03/05(木) 14:43:20 :
エレン「……」パチッ
……夢、か。
寝る前にあいつが電話なんてしてくるから見ちまったんだな。
エレン「ったく、何がおやすみだ。夢の中にまで出てきやがって」
ブツブツ文句を言いながらダラダラと身支度をする。
今日こそちゃんと学校があるので、時間割を確認すると……体育。
1~4限目までずぅっと体育。
その後下校。
……やっぱ普通じゃねぇ。
慶次《ふわぁぁあ……よぉ、餓鬼んちょ》
エレン「……」
慶次《おーい、無視すんなって》
エレン(うっせ、俺の勝手だ)
慶次《ひっでぇなぁ》
エレン(ってかお前も寝るんだな)
慶次《そりゃそうだろ。俺だって人間なんだぜ?》
エレン(死んでるだろ)
慶次《細けぇこと気にすんな》
エレン(いやぜんっぜん細かくないから)
頭の中で会話。
いやぁ、普通じゃないなぁ。
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- 22 : 2015/03/05(木) 16:18:49 :
クリスタ「ふーん、それじゃ今日初めてクラスの人と会うってこと?」
前日と同じく玄関前にいたクリスタさん。
早起きご苦労様です。
エレン「まぁな」
クリスタ「でもエレン、初日から遅刻するのはどうかと思うよ~?」
エレン「誰のせいだ誰の」
クリスタ「きっとクラスの皆に不良少年って思われちゃってるね!」
謝る気ねぇなこいつ。
クリスタ「友達出来なかったら私の学校に転校してきても良いけど?」
エレン「冗談はやめろ。友達ならもう出来たわ」
クリスタ「そうなの?でも昨日も休みだったんでしょ?」
エレン「偶然会ったんだよ。俺が制服のまんまでいたから同級生ってわかったらしくてな」
クリスタ「そっか。どんな人?」
どんな人……?
エレン「妙に敬語使ってきて、意外と大食いで、芯の強い……奴な気がする」
クリスタ「敬語で大食いで、芯が強い……よくわかんない」
だろうな。
エレン「悪かったな、説明下手で」
クリスタ「うん、説明下手」
コイツには俺をフォローする気はないんだろうか……。
エレン「……そっちはどうなんだ?昨日連絡先の交換してたじゃねぇか」
クリスタ「いい感じかな~。昨日もいっっぱい話聞いてもらったし♪」
エレン「そりゃ良かったな」
まぁ、当然か。
中学の時も友達とかかなり多い方だったからな。
クリスタ「えっとね、その中のミーナって子がね~~」
エレン(……楽しそうでなによりだな)
友達のことを楽しそうに話す顔を見てると、そう思う。
笑顔が凄く……ほんっとうに、よく似合うんだ。
……だから、今の俺とは別の道を歩んだ方がいいんだろう。
今の俺の状況は、危険すぎる。
別々の学校を選んで正解だったんだ……。
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- 23 : 2015/03/06(金) 15:19:26 :
エレン「俺は……何組だったっけ?」
矢白高校靴箱前、そこで記憶をまさぐる。
既にクラス発表の紙は無く、昨日ペトラ先生に聞いていた自分のクラス。
それが曖昧で、何処に靴をしまえばいいかも慎重になってしまう。
だっておれがミスってたら他の奴の迷惑になるし。
エレン(……仕方ない)
下駄箱の上、そこに一端置くことにした。
ここならば生徒も外来のお客さんの可能性があるから下手に手だしが出来ないだろう。
教室まで行けば座席表で名前を探してなんとかすればいいしな。
そう思って、靴を置こうとしたとき……、
「ぁ、あの…‥おはよう、ございます」
後ろから聞き覚えのある声。
エレン「……おう、おはよ」
女の子が一人、少し恥ずかしそうに立っていた。
サシャ「えっと……ぇ、エレンの靴箱はこっち、です」
エレン「お、サンキュ。昨日ペトラ先生に教えてもらってたんだけど、忘れちまって困ってたんだ」
サシャ「そう、ですか」
このサシャ・ブラウスという子は昨日と同じく、喋りにくそうに標準語を使っている。
昨日聞いた訛のある言葉には確かに驚いたが、別にそっちでもいいと思うんだけどな。
サシャ「……あの、エレン?」
エレン「ん?」
サシャ「昨日、あの後どこにい、行ったんですか?」
エレン「あ、ああ……えっと、ここに忘れ物をな」アハハ‥
我ながらなんともわかりやすい嘘をつくものだ。
俺はアホか。
サシャ「そ、そう……ですか」
エレン「お、おう」
靴をしまって、教室に案内される。
どうやらB組が正解だったようだ。
そしてサシャも同じクラス。
どうして俺の靴箱の場所がわかったのか少し疑問だったが、そういうことか。
でも靴箱の位置まで分かるあたり、ホントに記憶力が凄いんだな。
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- 24 : 2015/03/06(金) 16:38:18 :
ガラガラ‥‥
教室のドアを開けると、ホームルーム前の学生たちはワイワイガヤガヤとした感じで自由にしていた。
この雰囲気は俺の中学の時とあまり変わらない。
サシャ「エレンの席は……あっち、だったと思います」
エレン「わかった。ありがとうな、サシャ」
サシャ「い、いえ……別に」モジモジ
何故か目を逸らし気味なクラスメイトはほっといて、さっさと席に着こう。
クラスの窓側から2列目一番後ろ、そこに向かう。
その途中何人かの目線を感じたが、まぁ初顔なんだし仕方ない。
気にせずドサッと荷物を机に置く。
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- 25 : 2015/03/06(金) 16:42:44 :
……にしてもいい位置だ。
内職してようが携帯いじってようがバレない気がする。
そのせいで何となくテンションがほんの少しあがった俺は……
エレン「おはよ。入学式のときは居なかったんだけど、よろしくな」
窓側から1列目一番後ろ……俺の左隣の金髪ポニーテールの女の子に柄にもなく声をかけた。
「……」
頬杖をついたそいつは窓の方を見ていて、見事に無反応。
エレン(……は、恥ずかしい)
これは無視……というよりも、俺の存在に気づいていないっぽい。
クスクスとした笑い声がかすかに聞こえてきたような気もしてきた。
エレン(あーもう、くそ!)バッ
耐えられなくなってきたので机に突っ伏して現実逃避。
そのまま時間が過ぎていくのを待つ。
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- 26 : 2015/03/06(金) 16:48:38 :
キーンコーンカーンコーン
チャイムの音を初めて教室の中で聞き、ペトラ先生によるホームルームが始まる。
もちろん、初登校の俺をクラスに紹介するという件があったが、まぁ普通のことを喋って終わった。
気になったことと言えば、隣の奴はホームルームだというのに窓の方を向いたままで一度も目が合わなかったこと。
また認識してもらえなかった感じだ。
あと、サシャは俺の席とはだいぶ離れたところにあったくらいだな。
その後の連絡とかを聞いて、早速授業というか体育だ。
女子どもはぞろぞろと更衣室に向かい、俺たち男子は教室でジャージに着替える。
ガヤガヤ‥
エレン「……」ヌギヌギ‥‥
割とグループができてる中、喋ることなく黙々と。
エレン(……そういや俺、まだ男の知り合いがいない)
これは結構、問題じゃないか?
サシャとも友達っていうほどでもないし、なんか周りはもうグループ出来ちゃってるし。
クリスタがいればまた別なんだろうが……。
まぁ、なるようになるか。
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- 27 : 2015/03/06(金) 18:52:25 :
クラスの男子の流れに任せて、体育館に到着。
そこで出席番号に並んで点呼をペトラ先生がとる。
ペトラ「……うん、皆いるわね。それじゃあ準備運動から行きましょうか」
館内を大きく5週。
結構長い。
女子たちは男子の一回り内側を3週らしい。
当然と言えば当然だが、ちょっとうらやましい。
ピィィィィ!!!
ペトラ「そこの男子!列を崩さない!!」
笛の音と、ペトラ先生の声。
どうやらこのペースについて来れず遅れてる奴がいたらしい。
運動苦手な奴なら仕方ないとも思うんだが、俺がどうこうできることじゃないな。
「ッハァ、ッハァ」タッタッタッタッ‥
お、列に戻ってきたな。
でもだいぶ辛そうにしてる。
エレン「……」タッタッタッタッ‥
先生の目を盗んで、ゆっくりとその男子生徒の横につく。
エレン「後一周だ。頑張れよ」
「う、うん。ありが、と」ハァ、ハァ
ピィィィィ!!!
ペトラ「そこ!喋ってないで元の場所に戻りなさい!!」
エレン(やべ、バレた!)
急加速で元の位置に戻る。
そしてなんとか周回を終えてストレッチを始めるのであった。
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- 28 : 2015/03/06(金) 19:43:22 :
-
ペトラ「……はい、それじゃあ入学式の時に私が言ったことを覚えてる人いる?」
無論、俺はわかるはずがない。
「……霊獣のことですか?」
ガタイのいい生徒が答える。
ペトラ「ブラウン君良く覚えてるわね。他に何か思い出せることはない?」
「……霊刀、ですか?」
お、さっきの遅れてた奴だな。
「そう、アルレルト君も良く覚えてたわね」
あいつ、アルレルトって言うのか。
見た感じ他の奴より一回り小さくて、言っちゃ悪いが女の子にも見えないこともない。
ペトラ「それじゃ、霊刀を出してみるわね」スッ
さっきのブラウンって奴と比べたら対照的だ。
筋肉隆々としていて、いかにもケンカが強そうだったからな。
エレン「……」ボーッ
ペトラ「……イェーガー君?」ピタッ
エレン「ぇ、うお!??」ビクゥ!!??
頬にふれた冷たいもの……日本刀だ。
ペトラ「何よそ見してるのかな?」ニコニコ
エレン「す、すみません」
こ、怖えぇぇ。
笑顔が笑顔に見えなかったぞ。
ペトラ「全く、君は入学式に来てなくてまだ説明不足のことだってあるんだからちゃんと聞きなさいよ?」
エレン「は、はい」
……チリリン。
ん……鈴の音?
あの刀の柄の先に付いてるのか。
昨日のサシャのには無かったんだが……。
しかもペトラ先生の場合……2個もある。
何か意味があるんだろうか?
ペトラ「これが霊刀。私たちが霊獣に対抗するために自分の魂を具現化したものよ」
そう言って一振り、横凪に払ってみせた。
ペトラ「感覚としては前も言った通り、日本刀の形をイメージしてそれを掴むようにするの。もうできる人はいる?」
……霊刀って、慶次が俺の体で使ってたアレだよな。
俺が出した訳じゃないからできるとは言えないけど、でもサシャはもうできたはず……。
サシャ「……」
なのに言う気配は全くなし、か。
まぁサシャらしいかな。
ペトラ「……それじゃあ皆立って」
にしても他の奴も意外と出来てないんだな。
何となく安心したぜ。
ペトラ「ある程度周りの人と間隔をとって。……左手を前に出して」
スゥ‥‥
周りにあわせて俺も同じように動く。
ペトラ「じゃあ皆目を閉じて、刀をイメージしてみて」
視界を無くす。
言われた通りイメージもした。
ペトラ「……握って!」
グッ……
しかし俺の手にはなんの感触もない。
うーん、やっぱ難しいのか?
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- 29 : 2015/03/06(金) 22:04:43 :
ペトラ「……うん、割と皆出来てるわね」
エレン(……へ?)
目を開け周りをみると……に、日本刀だらけじゃねぇか!
ペトラ「まぁ、家で練習してきた子も今日初めて出来た子もいるでしょうけど、できるならできるで早く言いなさいよね」
「先生!俺の日本刀がありません!」
ペトラ「スプリンガー君、心配しないでもすぐできるようになるから。あと日本刀じゃなくて霊刀だからね」
「はい、わかりました!」
あの元気な奴は霊刀を出せてないみたいだな。
仲間がいて良かった。
ペトラ「それじゃあ、霊刀を出せた人は私の所に来て。まだ出せない人はそれぞれ練習をしてなさい」
その言葉を聞いて俺を含む数人を置いてかなりの奴らがペトラ先生の元へ行った。
エレン(……霊刀か)
なんで他の奴は出せて俺は出せねぇんだろうな。
というか慶次が出せてたんだから俺が出せなくても良いんじゃないか?
-
- 30 : 2015/03/06(金) 22:06:04 :
「なぁ、どうやったらあの日本刀出せるんだ?」
エレン「……ん?」
コイツは確か、さっきペトラ先生に質問してたスプリンガーとかいう奴だったか?
「というか、お前俺らのクラスにいたっけ?」
エレン「エレンだ。入学式の時は休んでた」
「へぇ。あ、俺はコニーな!」
エレン「どうも」
コニー「で、どうやんだ?」
エレン「アレの出し方か?確か目を瞑ってイメージして、それを掴むようにするとかじゃなかったか?」
「いや、多分目は瞑らなくてもいいと思うよ」
別の声。
「初めまして、えっと……エレン・イェーガー君だったっけ?」
エレン「おう、エレンで良いぜ。そっちはアルレルトって言ったか?」
「うん、アルミン・アルレルト。僕もアルミンでいいよ、エレン」
コニー「なぁアルミン!目は瞑らなくてもいいのか?」
アルミン「うん。確かに目を瞑ってた方が霊刀をイメージしやすいだろうけど、それだと握るタイミングがわからなくなると思うんだ。さっきはペトラ先生が口で合図してくれたから出来たけどね」
コニー「詳しいんだな。アルミンはもう出せるのか?」
アルミン「一応ね。ほら」スッ
アルミンが手をあげると、そこに白い光が集まってきた。
アルミン「この光が僕の魂の一部なんだ。それが一番集まったところで……」グッ
それを掴む。
アルミン「霊刀が現れるっていう感じかな」
コニー「おおお!アルミン凄いな!」
アルミン「はは、でもコニーもすぐにできるようになるよ」
エレン「……もしタイミングが遅かったらどうなるんだ?」
アルミン「集まった魂が少しずつ散っていって、握っても霊刀は出てこなくなるんだよ」
エレン「なるほどな……。そういえば、ペトラ先生の所に行かなくてもいいのか?」
アルミン「僕はもう終わったよ。出席番号でやってるから、すぐだったね」
エレン「"ア"ルミンだもんな」
コニー「ん?なんでアルミンだったら主席番号が早いんだ??」
……何となくだが、コニーはバカな気がする。
アルミン「まぁそこはいいから、コニーがまずはやってみてよ」
コニー「おう!任せとけ!!」サッ
何故か頭上に左手を掲げる。
コニー「んんんん~~!!」
だが、アルミンの時とは違い白い光……魂は一向に集まってこない。
コニー「やっぱりだめか~」ガクッ
アルミン「……コニー、日本刀のイメージはしてるかい?」
コニー「おう!バッチリしてたぜ?」
アルミン「う~ん、ならどうしてできないんだろ?魂が集まってこないってことはタイミングの問題とは全く関係ないだろうし……」
エレン「……一度ペトラ先生に相談したらどうだ?」
アルミン「うん、その方がいいのかもしれないね」
コニー「そうか、わかった!じゃあ行ってくる!」ダッ!
何故か全力疾走で走っていくコニー。
なんかおもしろい奴だな。
アルミン「コニーは元気だね」フフッ
エレン「……だな」
アルミン「……よし、それじゃあ今度はエレンがやってみせてよ」
エレン「おう」スッ
まずは、左手を前に突き出す。
エレン(それから、日本刀のイメージだっけ?)
頭の中で慶次が振り回していたあの刀を思い浮かべる。
すると、手のひらのあたりに白い光が集まりだした……。
アルミン「……掴んで!!」
エレン「お、おう!」グッ
どうやらアルミンはタイミングを計ってくれてたらしい。
集まった魂を手のひらで握りつぶすようにすると、光は弾け、柄に鈴を1つ付けた日本刀が現れた。
アルミン「やったね、エレン!」
エレン「ああ、アルミンのおかげだ。サンキュ」
アルミン「いいよ気にしなくて……あれ?エレンの霊刀って鈴がついてるの?」
エレン「これか?実は俺もよくわからないんだよな……」
アルミン「……でも、多分ペトラ先生が教えてくれるだろうし、行ってきなよ!」
エレン「わかった。ホント助かったよ」
-
- 31 : 2015/03/06(金) 22:59:25 :
ペトラ「……うん、イェーガー君もちゃんと霊刀が出せたみたいね」
エレン「はい、なんとか出来るようにはなりました」
ペトラ「よし、イェーガー君も合格っと」カキカキ
エレン「あと、ちょっと聞きたいことがあるんですけど……」
ペトラ「ん?どうかした?」
エレン「この鈴って、なんなんですか?」
ペトラ「!……やっぱり、もう絆を結んでるのね」
エレン「き、絆……?」
この鈴を見て、少し取り乱すペトラ先生。
その後ろから、男が1人。
「ペトラ、何かおもしろいものでも見つけたか?」
ペトラ「り、リヴァイ先生!?ど、どうしてここに?」
リヴァイ「いいじゃねぇか、別に」
ペトラ「い、今は私の授業中なので、すみませんが出て行ってもらえますか?」サッ
リヴァイ先生……俺たち1年の学年主任。
さっきの戸惑いとは違って、今度は警戒の色をみせるペトラ先生は、俺を隠すように目の前に立つ。
リヴァイ「……チッ」クルッ
ペトラ「……」
エレン「……ペトラせん」「エレン!!お前霊刀出せたんだな!!」ドン!
エレン「うおっ!??」グラッ
……チリン
リヴァイ「」ピタッ
コニー、お前今のタイミングは多分最悪だぜ?
リヴァイ「……ペトラ、鈴持ちがいるらしいな」
ペトラ「……い、います。それが何か?」
リヴァイ「どいつだ?」
ペトラ「リヴァイ先生には関係ありま」「イェーガーか?」
ペトラ「!!」
リヴァイ先生の口から出てきた俺の名前。
その声は決して大きいものではなかったが、体育館内に良く通るもので、生徒全員の意識をこちらにひきつけた。
ペトラ「……」
リヴァイ「お前はすぐ顔にでるな。動揺しすぎだ」
……にしても、何でペトラ先生はリヴァイ先生を警戒してるんだ?
確かに怖い先生だとは思うが、なんというか警戒の度合いが普通じゃない。
ペトラ「……」
リヴァイ「……邪魔したな」
スタスタスタ‥‥
館内に緊張を残して、リヴァイ先生は出て行った。
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- 32 : 2015/03/06(金) 23:08:24 :
エレン「……ぺ、ペトラ先生?」
ペトラ「ぇ……あ、うん、何?」
エレン「リヴァイ先生は何をしにここへ?」
ペトラ「さぁ、わからないわ」
わからないはずはない。
何をしにきたかわからないのにあんなに警戒するなんてことはまずないはずだ。
エレン「そうですか」
でも俺がそれを聞いたところで話してくれるわけもないよな。
現に今誤魔化したし、立場上俺この人の生徒だし。
ペトラ「イェーガー君、スプリンガー君もクラスのみんなを集めてきて。次のことを始めたいから」
エレン「わかりました」
生徒は教師にこんな風に従うしかないんだよな~。
ってか俺、リヴァイ先生に目を付けられたって感じだったし……全く、溜め息しかでねぇよ。
元気いっぱいなコニーが皆に声を掛けて集めてくれた。
なんとも便利な奴だ。
ペトラ「霊獣というのは、様々に種類がいます」
で、ペトラ先生を囲むように座って授業らしく話を聞いてます。
ペトラ「例えばスタンダードな人型、中には鳥型や犬型、爬虫類に似たものもいるわね」
ってことは俺が倒してきたのは……人型だろうな。
ペトラ「そして、大きさも1m以下から5m以上までそれぞれ存在しています。これらに対抗するためには、私たちの霊刀を使いこなす技も磨かなくてはいけません」
エレン(技、か)
今までは慶次が全部ぶっ倒してきたわけだが、俺自身は日本刀の扱いなんてからっきしだもんな。
まぁ、慶次がやってくれるんだから必要かどうかも疑わしい所だけど。
ペトラ「そこで、早速皆さんに霊獣を倒してもらおうと思います」
エレン「……は?」
ペトラ「このクラスを10のグループに分けて、それぞれ霊獣を狩ってきて下さい。どんな小さいものでも、大きいものでも構いません。見つからなかった場合はまた後日行って貰うことになります」
アルミン「先生、それは先生方の引率があるんですか?」
ペトラ「いいえ、ありません」
アルミン「それは余りにも危険過ぎじゃないですか?」
もっともな意見だ。
俺だって一度は死にかけてるんだし、でかい奴に当たれば最悪全滅ってことも……。
ペトラ「心配しなくても、私たち教員が半径5kmの感覚で配置してるから」
アルミン「ご、5km……そんな距離じゃ緊急時に間に合う訳ないじゃないですか!」
ペトラ「ふふ……アルレルト君、私たち矢白高校教員を甘くみないでね?」
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- 33 : 2015/03/06(金) 23:53:29 :
俺たちのクラスには40人の生徒がいる。
それらを10のグループに分けるので、単純計算で4人1組。
ペトラ先生曰わく、生徒同士の仲を深めるためできるだけ関わったことのない生徒と組めとのことだったが、話の聞いてないコニーが……
コニー「エレン!アルミンも組もうぜ!!」
……とか言い出した。
変に断るのも悪い気がしたので承諾してしまったわけだが。
コニー「にしても、霊獣なんて何処にもいねぇな~」
アルミン「簡単に見つかるくらい大量にいたんじゃ困るけどね」
エレン「だな」
で、男3人とグループづくりの時に最後まで残ってた女子1人の4人で地元を散策中。
因みにこの女子ってのは俺の席の隣……ホームルームの前に軽くシカトされた子だ。
「……」
ここまで一言も喋ってない。
というか、話しかけても返事が返ってこないのだ。
エレン「……なぁアルミン、あいつって入学式の時からあんな感じだったのか?」ヒソヒソ
アルミン「うん。自己紹介の時もペトラ先生に呼ばれても完全な無反応で、ちょっと変な空気になってた」ヒソヒソ
コニー「ん?何喋ってんだ??」
エレン「何でもねぇよ」
コニー「ふーん」
エレン「あ、そういえば俺まだあいつの名前知らねーわ」ヒソヒソ
コニー「名前か?確かアニ・レオンハートだったと思うぞ!」
エレン「なっ!!」
アルミン「ちょ、声が大きいよコニー!」
ヤバい、今のコニーの声は絶対聞こえてる。
エレン「……」チラッ
アニ「……」
しかしこれにもノーリアクションなのがさらにきつい。
なんかこう、何かしらの反応をしてくれたら謝ったりも出来るんだが、無反応だとそれすら難しい。
エレン(……ったく、俺は席が隣同士なんだぞ?気まず過ぎるじゃねぇか)
今度からはコニーの前じゃあんまり内緒話とか下手に出来ないな。
-
- 34 : 2015/03/07(土) 14:26:35 :
そうして歩くこと……2時間。
収穫なし、か。
エレン(……昨日一昨日と続けて見てきたが、やっぱ居ないもんだな)
まぁダメだったらまた後日にやるらしいし別に良いけど。
『あ、お兄ちゃん!』
エレン「……ん?」
あれ、いつの間にか一昨日の公園に来てたのか。
気づかなかった。
『お兄ちゃん、何してるの?』
エレン「ん~?えっとな、今は皆で勉強中なんだよ」
『お勉強?良いなぁ、私もしたい!』
エレン「したいって言ってもなぁ……この前みたいな黒いお化けに会うかもしれないんだぞ?」
『いいもん!お兄ちゃんがやっつけてくれるもん!』
エレン(やっつけたのって9割5分俺じゃないんだけどな~)
アルミン「え、エレン……その子って、霊体……?」
エレン「ああ、そうだ。昔からよく懐いててな」
アルミン「そ、そっか」
コニー「へぇ!幽霊ってこんな人間みたいな姿してんだな!」ヨシヨシ
『ぅ~』
エレン「人間みたいって……あのなぁ、こいつらは元は人間だぜ?当たり前のこと言ってんなよ」
コニー「あ、そうだったな!」アハハ
アルミン「……エレン、ちょっといい?」
エレン「ん、別にいいけど」
俺はアルミンに促され、コニー、アニ、あと幽霊の子を置いてその場を離れる。
つまり、あいつらには聞かれちゃまずい話ってことなのか?
-
- 35 : 2015/03/08(日) 16:00:33 :
- 期待です!
-
- 36 : 2015/03/08(日) 16:52:42 :
- 〉名無しさん
コメント&期待感謝です!!
なんとか今日中にはこのスレを終了に持っていきたいと思いますので、よろしくお願いします!
-
- 37 : 2015/03/08(日) 23:01:03 :
-
アルミン「エレンってさ、さっき昔からよく懐いてるって言ってたけど、元々人の姿で見えてたの?」
エレン「ああ、そうだ」
アルミン「……そうなんだ。なら、僕たちとは違うね」
エレン「違うって、何がどう違うんだよ」
アルミン「僕と多分コニーもだけど、あんな人間の姿をした霊体を見るのは初めてなんだよ」
エレン「そうなのか?」
アルミン「うん。入学式を終えてなんだか霊感ってものが強くなったせいなのかな?」
!……そういえば昨日、サシャもなんか似たようなこと言ってたな。
よく見えるようになったとかなんとか……。
アルミン「僕は……正直なところ、あの子と余り関わりたくない」
エレン「はぁ?なんでだよ」
アルミン「小さい頃よく見ていた幽霊の姿は皆違うんだ。それこそ、お化けっていう認識だった」
アルミンの目は、何か嫌なものでも思い出しているような……そんな拒絶するような目だった。
アルミン「怖い思いもしたことがある。それで夜寝れなかったことなんてしょっちゅうあった……トラウマって言うほどでもないけどね」
エレン「……」
アルミン「きっとコニーは受け入れてくれると思う。でも皆コニーみたいに楽観的な人間ばかりじゃないんだよ」
エレン「……つまり、なにが言いたいんだ?」
アルミン「幽霊の子と親しくしてると、君自信も避けられかねない」
俺を見るアルミンの目は、なにかを諭すようだった。
アルミン「人間っていうのはね、“自分の嫌いなものを好きな人間を嫌悪する”っていう習性があるんだよ。“敵の敵は味方”って言うのと同じように“敵の味方は敵”なんだ」
エレン「……そうか。そりゃ残念だな」
嫌なこと言うんだな、アルミンは。
でもこれは、俺のために言ってくれてんだよな。
エレン「……卒業する頃には俺の周りは敵ばっかしだろうな」
アルミン「……僕の話、聞いてた?」
エレン「おう、聞いてたぜ。でも俺はあいつらの敵にはならない」
アルミン「どうして?」
エレン「アルミン達から見たあいつらはただの怖いお化けだったかもしれない。だが実際はどうだ?」
アルミン「……」
エレン「俺たちと変わらない、人間だ。俺の……友達なんだ」
アルミン「……エレンはそういう人なんだね」
エレン「アルミン達にあいつらと仲良くしろとは言わない。トラウマなんてそう簡単に克服できるもんじゃないからな。でも俺はあいつらを傷つけるようなことは絶対にしない」
アルミン「うん、わかった」
エレン「悪いな、せっかく忠告して貰ったのに」
アルミン「いいよ別に。どっちかっていうとそう言ってくれた方が良かったし」
そう言ってくれた方が……?
エレン「自分の忠告を無視してくれた方が良かったってのか?」
アルミン「そういうこと。だってその方がスパッと切り捨てられるからね」
エレン「……へぇ」
つまり、俺をのけ者にする前提での話だったってことか。
エレン(……まぁ、いい。なるようになるだろ)
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- 38 : 2015/03/08(日) 23:03:26 :
アルミン「……なんて言うと思った?」
エレン「……は?」
アルミン「心配しなくても、エレンは1人ぼっちにはならないよ。あ、でも何人かは君を避ける人もいると思うけどね」
エレン「ちょっと待った。さっきと言ってることが違うんだが?」
アルミン「簡単に言うと、僕はエレンの味方ってこと」
エレン「なんでだ?」
アルミン「僕はエレンみたいな人が好きなんだよ。あ、ホモじゃないからね?そこは勘違いしないでよ」
……ああ、そういうことか。
アルミン「じゃ、コニー達の所に戻ろうか」
アルミンは、俺がどういう人間か知りたかったのか。
周りを気にして親しい奴を切り捨てる人間か、周りを気にせず親しい奴を大切にする人間か……。
エレン「……敵の味方は敵じゃねぇのかよ」ボソッ
アルミン・アルレルト。
お前もコニーと同じくらいやっかいで、面白いだな。
方向性はぜんっぜん違うけど。
-
- 39 : 2015/03/08(日) 23:38:16 :
-
コニー達と合流して、ついて行くと聞かないこいつを背中にくっつけて捜索を再開する。
……が、一向に霊獣が出てこねぇ。
『お兄ちゃんまだ探すの~?』
エレン「そうだ。見つからねぇと先に進まないんだよ」
『むぅ~』
エレン「嫌だったら帰ってもいいぞ」
『やだ!やだやだやだ!!』
アルミン「ゴメンね、付き合わせちゃって。変わりに今度お兄ちゃん達と一緒に遊ぼっか?」
『ホント!?』
アルミン「うん」ニコッ
『やったー!ありがとー♪』
アルミンの奴、あんなこと言っておいて妙に面倒見がいいな。
コニー「それいいな!流石アルミン!」
コニーは安定してバカっぽいだな。
アニ「……」
相変わらず喋んないし。
ってかアルミンの言ってたお兄ちゃん達ってアニのこと入ってねぇんだろうな。
まぁコミュニケーションとれない限りは仕方ない、か。
エレン(……ずいぶん歩いたな)
俺たちは矢白高校を出発してもう2時間は歩いている。
距離にして5~10kmは歩いてるよな。
一体いつまで続ければいいのか。
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- 40 : 2015/03/08(日) 23:40:52 :
-
慶次《餓鬼んちょ、何してんだ?》
エレン(学校の課題で霊獣探してんだよ。お前こそ今までおとなしかったな)
慶次《昼寝だ昼寝》フワァァ‥
エレン(呑気なやつめ)
慶次《さぁて、呑気なのはどっちだろうな?》ヘヘッ
エレン(はぁ?どういうことだよ)
慶次《来るぜ……。上だ》
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- 41 : 2015/03/08(日) 23:44:24 :
エレン(!!)バッ
アルミン「エレン?」
コニー「おいおい、どうした?」
見上げると黒い何かが4つ、降ってきていた……!
エレン「構えろ!!何か来るぞ!!!」スッ
アルミン「!!」スッ
コニー「へっ?なんのことだ?」
俺とアルミンはすぐに霊刀を出現させるべく手をかざす。
コニーは何もわかっちゃいないって感じだ。
くそっ、フォローする暇もねぇのか……!!
アニは……上には気づいてるが構える気配がない。
エレン(ちくしょう!!どうすればいい!どうすれば、誰も傷つかない……!!)
俺は1人で誰も傷つかない道を探した。
でも見つからなかった。
俺1人じゃ2人とも無傷ですむ方法がわからない。
アルミン「エレン!!!」
でも、1人じゃなかった。
アルミン「アレは僕たちの前に降ってくる!君はコニーの、僕はアニの前に立つ!!なんとか先生達が来るまで持ちこたえるんだ!!!!」バッ
アルミンが、いた。
エレン「お、おう!!!」バッ
俺はもう、1人じゃなかった……。
-
- 42 : 2015/03/08(日) 23:56:34 :
エレン「おい!コニーに引っ付いてろ!!」
『う、うん!』バッ!
俺とアルミンは2人の前に出て、具現化された霊刀を構え……スタッ!!
目の前に降りたった4つの黒に切っ先を向ける。
サイズは1.7m前後ってところか。
コニー「うわ!な、なんだアイツら!」アセアセ
エレン「コニー!そいつ連れて離れてろ!!」
慶次《……へぇ、面白れぇ》
……4体同時に来られたらアウトだ。
頼むから攻めて2体ずつに分かれてくれ……!
慶次《餓鬼んちょ、もういい》
そして……俺の願いは予想以上に届き、2体は着地した位置のまま動かず、俺とアルミンに向かってきたのは1体ずつだった。
慶次《替われ》
それを最後に、俺の体から俺の意志は切り離されていった……。
-
- 43 : 2015/03/09(月) 00:00:01 :
俺に向かってくる1つの黒。
それはマントが棚引くようにも見える。
ガキイィィィインン!!!
俺の霊刀と切り結ぶのは、霊刀……?
慶次「……てめぇ、俺様にケンカ売ろうってのか?」ギチギチ‥
「フッ‥‥」グッ
慶次「んな!!?」ギィィン!!
コニー「え、エレン!!」
『お兄ちゃん!!』
な、なんだアイツ……!
ザザザザ‥‥
慶次「……ケッ、めんどくせぇ」
3メートル以上の霊獣を押し返す力のある慶次を、力で飛ばしやがった……!!
「……どうした?ケンカにもなってねぇぞ?」
エレン(?、この声どっかで……)
慶次「餓鬼んちょ、知り合いか?」
エレン(……いや、わかんねぇ)
慶次「……悪いが、勝てねぇぞ」
エレン(……は?)
慶次「だから、勝てねぇっていっ」「何ごちゃごちゃ言ってやがる」フ‥
慶次「!!!?」ギィィン!!
エレン(んな、いつの間に後ろに!??)
慶次「チッ、調子に乗ってんじゃねぇ!!」ブォン!
「仕方ねぇだろ」スッ
ガギイイィィィ‥‥
渾身の、慶次の一振りを簡単に止めやがった……。
‥‥ガッ!!
慶次「ウグッ!??」
俺の霊刀を片手で抑え、もう一方の手は俺の首もとへ……!
「お前はそれだけ、弱い」
一体……何なんだ、コイツは!
-
- 44 : 2015/03/09(月) 00:01:42 :
- ここで、このスレは終了しました!
では、またepisode5のスレを読んでくれるとありがたいです(*^^*)
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取り憑かれのエレン シリーズ
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