この作品は執筆を終了しています。
由比ヶ浜「ヒッキーがゆきのんにジャンケンで負けた」
- やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
- 23904
- 12
-
- 1 : 2013/11/16(土) 17:01:53 :
- 今日もたいくつーな授業終わって、姫菜とか戸部くんとかと話した後に部室に行ったらヒッキーとゆきのんがジャンケンしてた。なんでジャンケンだし…
ていうかいつもは挨拶返してくれるのに…仕方ないから席に着くとヒッキーはマジで悔しがってるっぽい!こーいうとこ見るとヒッキーもやっぱり高校生なんだなーって思うな。
八幡「っち…たかがジャンケンと侮っていたが負けると悔しいもんだな」
雪ノ下「♪」ふふん
うわー、ゆきのんすっごい嬉しそうなんだけど!……やっぱりゆきのんは可愛いなぁ……男の子ならやっぱりゆきのんみたいな清楚系が好きなんだろうなぁ…
由比ヶ浜「わかる!あたしもゆきのんとジュース買うジャンケンで負けるとすっごい悔しいもん!」
雪ノ下「♪」ふふん
八幡「まあ、雪ノ下の負けず嫌いは凄まじいから案外負けて良かったのかもな」
雪ノ下「」
ゆきのんを半分間に挟むような感じでヒッキーがあたしに話しかけてくる。
ゆきのんには悪いなーって思うけどあたしはこういう所で優越感?みたいなのを覚えちゃう。単純だなぁ…
由比ヶ浜「そうかもだねー!ゆきのん負けると凄いんだよ!皆のまえだとさすがに無いけど、2人の時とかジタンダ踏んでほっぺたふくらませて拗ねちゃうの!」
雪ノ下「ゆ、由比ヶ浜さん!」カアァ
八幡「……見てみてーな…」
はぁ…たまーにあるんだよね。ヒッキーの独り言。でもゆきのんに対して言うのは初めてかも……うわぁ、ゆきのんすっごい赤くなってる!本人ぜったい否定するだろーけど、嬉しがってるって、あたしは思う……ていうかヒッキームカつく!
雪ノ下「ひ、比企谷くん?」
八幡「んあ?なんだ雪ノ下」
雪ノ下「いえ、あの…いま…」あたふた
八幡「?」
由比ヶ浜「ヒッキー自覚ないかもだけど、声に出てたよ!マジキモい…」
八幡「ま、まじかよ…」オワタ
ちょっといじわるだけど、これ位言ったってバチあたんないよね………でも、いいなぁゆきのん。見てみたいとか、あたしだって言われたいよ。
-
- 2 : 2013/11/16(土) 17:42:46 :
- 期待
-
- 3 : 2013/11/16(土) 23:09:52 :
- 八幡「あー、その…すまん雪ノ下。軽率な発言だったよ」
ええ⁈なんでヒッキーそんな事で謝っちゃってるの⁈ゆきのんの顔色みたら喜んでるの位わかるでしょ!
ああ…2人共沈黙しちゃったし………あれ?というかヒッキーの事追い込んだのってもしかしなくてもあたしのせい⁈ど、どうしよう…どうしたら…考えろあたし、考える足になれ!…でも考える足ってなんだろ?カーナビ付いてる車とかって考える足だよね…
由比ヶ浜「…」あたふた
八幡「…」チラッ
雪ノ下「…」ペラッ
八幡「…」はぁ
カーナビになるにはどうしたら良いか…カーナビになるならどーすればいい⁈…あれ、あたし何考えてたんだっけ……ていうかヒッキーため息とか吐いてるし、そんな事したら余計ゆきのんがやり辛くなっちゃうのに…
由比ヶ浜「…」あたふたあたふた
雪ノ下「由比ヶ浜さん。この男と話したい事があるから暫く席を空けてもらえるかしら?」
由比ヶ浜「え…でも」
ゆきのんの真剣な目をみればいかにあたしがバカでもわかる…ううん、バカだからこそわかる。そうやってあれこれ考えるあたしに体ごと向き直ってゆきのんは言う
雪ノ下「お願い由比ヶ浜さん。醜い現場を見せたくないのよ」
ヒッキーはいまだに俯いたままの姿勢で耳をそばだててて?いるし、ここで無理やり残ろうとするのはあたしには出来そうにないや…
由比ヶ浜「うん…わかった。じゃ、じゃあ終わったら連絡して!あとあと、2人ともケンカしちゃヤだかんねっ!!」
せめてものあたしの抵抗…
ケンカなんて起こる訳もないのに、関係を壊したくないから何にも気付いてないよ。って、大丈夫だよって…
きっとヒッキーもそう…
そんな事を考えながら部室を後にした。
スタタター
-
- 4 : 2013/11/17(日) 00:24:16 :
- 部室を出て、静まり返った廊下にでると、すぐに中の声は聞こえなくなった。
あたしは振り返らないまま廊下の端を目指して歩く。
角を曲がって目的の場所が見えると、ちょっと気持ちが落ち着いた気がして気付いたら早足になってた。今頃2人は何話してるんだろ…
でもそれもすぐにわかるんだ…
あたしはゆきのんに黙ってる事がある。ううん、ゆきのんだけじゃなくてヒッキーも知らない事。
人の気配がない特別棟の女子トイレ、その個室に入るとポケットから最近手に入れたばかりのスマートフォンを取り出す。自分の口元に複雑な笑いが出てるのがわかって…ちょっと嫌になるな。でも、これくらいしないとゆきのんにはきっと届かない。
荷物もガラケーも部室に置いて来たから、怪しまれるかのうせいは無いはずだよね。
そうやって自分に言い聞かせて、一つのアプリを立ち上げる。……はやく起動して…
ーー盗聴専用アプリ音鳴りクンーー
パパの会社の後輩をある人に紹介する事で手に入れたこのアプリと2つの盗聴器…
自分がいけない事してるってわかってる。…でも、好きな人の事を知りたいって思うのは普通だよね?ママもそう言ってたし!
由比ヶ浜「ヒッキーの部屋じゃなくて、部室にチューニングっと……へへ」
これであたしもみんなと一緒…………へへへ……これがあればヒッキーと、いつでも一緒……
ーーーーーーザザッ……
八幡「おい」
あ…ヒッキーの声だぁ…///
-
- 5 : 2013/11/17(日) 01:04:51 :
- 八幡「き、聞いてくれ雪ノ下。さっきの発言だがあれはなんつーか何となく考えてた事が無意識に出ただけだから気にしないでくれ。それにお前が望むならもう由比ヶ
雪ノ下「…比企谷君」
ゆきのん…声がマジだ……てかヒッキーいまあたしの名前出したよね?…なんだろ…
八幡「は、はい」
雪ノ下「あなたは無意識とは言え自分が放った言葉の責任すら取れない様な脆弱な男なのかしら?それに、私の望みというのならばさっきも言った筈よ?」
え…?責任……?それに、ゆきのんの望み…?
一瞬にして嫌な想像が頭の中を駆け巡って、胸が張り裂けそうになるのを必死に耐えながら続きを聞く…胸が苦しいのに、なのに手は強くイヤフォンを耳に押し付けてる…
八幡「…わかった!もう言い訳はしねえよ、みっともないとこ見せて悪かったな」
雪ノ下「…ようやくまともな目に戻ったわね。…ごめんなさい、間違えたわ。ようやくまともな腐った目に戻ったわね。」
ゆきのんの少し安心した様な声音が聞こえて、同時にあの子猫みたいに肌触りの良さそうな笑顔が頭に浮かぶ………やっぱり、ゆきのんはキレイだなあ…声だけでここまでキレイって思えるこって、ゆきのんしかいない…ゆきのんにはやっぱり勝てない…
八幡「わざわざ言い直してまで人を貶したいのかよ…んで、やんだろ?ジャンケン」
のかな……って、んん?!
雪ノ下「ええ。やるからには本気で来なさい、比企谷君」
八幡「当たり前だ。いくぞ、最初はグー、ジャンケン」
ジャ、ジャンケン⁈
部室を出る前のゆきのんの何かを決心した様な目を見て、告白するんだって思ってた……でも、それがなんで……なんでジャンケンだし!!?!?
2人「ぽんっ!」
耳の奥に…2つのぽんが聞こえてあたしは轟いた。………とどろいたっておどろいたの進化系ってヒッキーに教えられたんだけど、あれってやっぱり嘘だよね?
自分の心に出来た小さな安心感をごまかすために、あたしはそんな事を考えていた。
-
- 6 : 2013/11/17(日) 01:49:48 :
- 一拍の間を置いてどちらかの息を飲む音が聞こえる…相変わらず高音質だなぁ…ひら………あの人こんなのどうやって手に入れたんだろ……
八幡「あいこで…」
八幡「しょっ!」
???「……………」ギリッ
由比ヶ浜「ぎり??」
あ、つい声に出しちゃった…なんか今凄い嫌な音が聞こえたんだけどなんだろう……人間に出せる様な音じゃなかったっぽいし、盗聴器の不調かな?なんて事を考えてると、どっちかが息を深く吸い込む音が聞こえる……結果はどうなったのかな?
雪ノ下「…比企谷君」
八幡「な、なんすかね」
雪ノ下「ジャンケンよ。」
……ゆきのん勝っちゃったんだね。ここまでくれば、さすがにあたしでもゆきのんがどうしたいのかはわかるよ……多分ヒッキーはそれにちっとも気付いてやいないんだろうけど……
そのあともゆきのんは何度もジャンケンを繰り返して、とうとう自分が何を出すかまで言い始めちゃった!…ゆきのん、多分それヒッキーには効果ないと思うんだけどなあ…
八幡「いやー、負けた!ここまで本気でジャンケンなんてした事無かったぜ!完敗だ。さすが雪ノ下ってとこだな」
あ、ヒッキーそれ今のゆきのんにはヤバイ……
あたしの予想をうらうちするかの様にゆきのんは反応した
雪ノ下「…て」
八幡「へ?」
雪ノ下「出てって!!!」ばんっ
由比ヶ浜「痛ッ!」
ゆきのんがこんなに大っきな声だすなんて…ていうかマジ耳痛いし…
雪ノ下「…」ぐすっ
あーあ、ゆきのん泣いちゃった……なんか、可愛いなぁ……そろそろ戻った方が良さそうかな
八幡「ゆ、由比ヶ浜呼んでくるわ…」
雪ノ下「…」グスッ
ガラガラ、ピシャリ
ヒッキーの教室を出る音を聞きながら、慌ててイヤフォンを外しスマートフォンごとポケットにしまう。…うん、ちゃんと隠せた!
由比ヶ浜「さーて……どうしようかなー…」
いくつかの選択肢を頭に思い浮かべ、あたしを捜しながら猫背で歩いてくるであろうヒッキーのいる廊下に、あたしは足を踏み出した。
-
- 7 : 2013/11/17(日) 16:07:59 :
- ーーー特別棟、廊下ーーー
曲がり角であたしと鉢合わせたヒッキーは、みるからに焦っていて。普段よりもかなり早口で事情を説明して来た。
その腐った目を覗き込むとあたしが映ってて…でもいまのヒッキーは、あたしじゃなくてゆきのんを見てた……
八幡「ーーって訳で追い出されたんだよ」
うん、知ってるよ…ちゃんとあたしも居たんだよ……知ってる内容をあたしは初めて聞くみたいにリアクションした。……ほんと、あたしってバカだなぁ……でも、言いたい事はちゃんと言おう。
ーそれがあたしとゆきのんの約束
由比ヶ浜「ヒッキー2ついい?」
…だからあたしは言う。
ヒッキーも、ゆきのんも好き。
でもヒッキーを取られちゃうのは怖い。けど、ゆきのんならって思ってる自分もいて……
八幡「おう、なんだ?」
ああ、真っ直ぐあたしを見られると、やっぱりヒッキーは渡したくないって思っちゃう………でもでも、あたしはズルしてるから、今回だけはゆきのんに……
そう、今回だけ…
由比ヶ浜「うん。それって別にゆきのん怒ってないよ?…やり方がちょっとアレなだけで…」
八幡「まあ、怒ってないのなら安心した。で、2つ目ってなんだ?」
ちょっと間を空けてからそう返って来た。たぶんヒッキーは色々飲み込んで、あたしの言う事を信じてくれた………うん、だったら今は……それで我慢しよっと。
由比ヶ浜「ヒッキーのバーーーーカ!!だよっ!」二パー
八幡「はあ?」
由比ヶ浜「あーあ、どうなっちゃうんだろって心配して損したっ!」
名一杯いつものあたしを作って、そう声を出す。
八幡「まあ、お前の心配してたケンカにもなんなかったからな」
ちょっと得意げに言うヒッキー。でも全然ハズレ。あたしが心配してたのはそんな事じゃないし!
由比ヶ浜「うん、それもなんだけど。別のも、良かった!もしかしたら…って考えてたから」
八幡「?」
あんまりヒッキーが鈍いから、つい思わせぶりな事を言っちゃった。今回はゆきのんに力を貸すって決めたけど……
由比ヶ浜「そうだヒッキー!次ゆきのんとジャンケンしたら勝ってあげてね!」
八幡「は?なんで
けど………ゆきのんが失敗した時の予約くらい、してもいいよね?
警戒なんてまるでしていないヒッキーに勢い任せであたしは言う。
由比ヶ浜「いいからっ!約束だよ?破ったらハニトー奢ってもらうから!」
八幡「おい勝手に約束すんなよ」
そう言ってこっちを見るヒッキー。その目はやっぱり腐ってて、でも……
今はあたしを見てくれていた。
由比ヶ浜「じゃああたし先に部室入ってゆきのんと話してくるから、2.3分経ったらヒッキーは来てね!」
……好きな人があたしを見てくれている。
八幡「ん、おう。頼む」
……それだけであたしは、、
由比ヶ浜「あと、今の約束。忘れないでよ?」ジー
八幡「…わーったよ」
…ゆきのん、あたしはいっぱいチャージしたよ!
…だから、ここからはあたしが頑張る。
…人一倍不器用で、どこまでも優しい……
ーーあたしの大好きな親友の為に。
ガラガラッ
由比ヶ浜「ゆきのんただいまー!」
終わりです*\(^o^)/*
-
- 8 : 2013/11/17(日) 23:36:38 :
- よかった
めっちゃ続き気になる書いてほしい
-
- 9 : 2013/11/18(月) 21:09:41 :
- 乙
-
- 10 : 2014/02/14(金) 04:26:24 :
- ひきたにくんさすがだねw
ひきたにくんって誰だよ
- 著者情報
- この作品はシリーズ作品です
-
奉仕部ジャンケン録 シリーズ
- 「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」カテゴリの最新記事
- 「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」SSの交流広場
- やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 交流広場