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進撃の調査劇団~かさじぞう~【11,3企画】

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  1. 1 : : 2014/10/21(火) 22:56:04
    こんばんは。執筆を始めさせていただきます。

    アルミン誕生日企画に、参加させていただきました。

    よって今回の公演の主役はアルミンです。

    その他の条件はこちら↓↓↓

    * 不定期または、亀更新になる可能性あり。

    * 今回は、ナナバ&104期生のみの出演です。

    * アルミン×色々なカップリングあり。アルミンハーレムかなぁ(^_^;)未定です。

    * アルミンはご存知の通り、とても頭の良いキャラですが、その特性を充分に引き出せません。それは数珠繋ぎの頭が……だから(T_T)

    …以上の条件でもかまわない方は、どうぞご来場いただき、アルミンの誕生日を盛り上げましょう(^O^)
  2. 3 : : 2014/10/21(火) 23:21:44
    <開演数時間前…>

    ※時系列は、104期生がそれぞれの兵団に入団した、少しあとです。

    <憲兵団にて>

    ヒッチ 「…あ~あ。今日もつまんない雑用とかやらされんのかな…つまんない…」

    アニ 「」

    ヒッチ 「なんかこう…ビビッと刺激的な出来事とか、ないかな~。私まだ、せーしゅん真っ盛りだしぃ?」

    アニ 「」

    ヒッチ ハァ。「…相変わらず、つれないねぇ、あんた…」

    ナイル 「…アニ・レオンハートはいるか!?」

    アニ 「…?」

    ヒッチ 「うっわ、師団長じゃん。あんた、何やらかしたの?」

    ナイル 「…お前は特例として、本部外での活動を認める…せいぜい、頑張って来い。」

    アニ 「…?」

    ヒッチ 「えっ、なになに?」

    ナナバ 「…やあ、アニ!」ヒョコ。

    アニ 「」

    ナナバ 「…さ、劇場へ行くよ!」

    ヒッチ 「へっ!?劇場ってなに!?」

    アニ 「…ああ…」

    ヒッチ 「???」

    アニ 「…また、か…」

    ヒッチ 「えっ、またってなに!?え、どこ行くのアニ!ねーってば~!!!」

    アニ 「たぶん…これで最後だね…」

    アニはそう言い残し、劇場へと向かった…。



  3. 4 : : 2014/10/22(水) 12:50:30
    <調査兵団本部にて>

    ジャン 「…いよいよ、入っちまったな、調査兵団…」

    ライナー 「自分の意思で決めた事だ…余計な事は考えず、最後まで兵士を貫くんだ…いいな?」

    ベルトルト 「ライナー…君は…」

    サシャ 「…にしても、皆さんそのマント、なかなかお似合いですよ。自由の翼が、カッコイイです!」

    コニー 「…おい、サシャ!お前のマント、自由の翼が描いてないぞ!」

    サシャ 「え、どういうことです!?不良品ですか!?」

    クリスタ 「ちがうよサシャ。マント、表裏逆に羽織ってるよ…」

    サシャ 「…あ、そうでしたか!どうりで背中がごわごわすると思ったら…」ハハハ。

    ユミル 「おいおい。そんなんで大丈夫か?…今期最初の犠牲者は、お前だったりしてな。」キシシ。

    クリスタ 「こらっ、ユミル!!!やめなよ!!!」

    そこへ、ミカサがやってくる。

    ミカサ 「…何してるの…?」

    ライナー 「別に。ただ何となくおしゃべりしてただけさ。」

    ミカサ 「…そう…それより、みんなに…お願いがあるんだけど…」

    ジャン 「お願い!?なんだ、ミカサ…あの死に急ぎなやつには、頼めない願いなのか?」

    ミカサ 「…エレンには、もう頼んで…先に行ってもらっている…」

    サシャ 「行くって、どこへですか?」

    ミカサ 「……劇場…」

    一同 「「劇場!?」」

    コニー 「また何か、劇をやらされんのか!?」

    ミカサ 「……そう。」

    ライナー 「おいおい、俺たちは兵士だぞ?俳優じゃあるまいし、俺たちに必要なのは、演技ではなく、鍛練のはずだ。」

    ミカサ 「調査劇団からの召集を拒むと…減給6ヵ月…」

    ジャン 「なっ!?」

    ミカサ 「…あと…エルヴィン団長のお説教日帰り温泉ツアー…」

    ユミル 「なんじゃそらw」

    ミカサ 「プラス……あのチb…いや、リヴァイ兵士長監督のもと、兵団の大掃除…」

    ベルトルト 「それって…ほぼ強制参加ってことだよね…」

    ミカサ 「…そう。エルヴィン団長は、調査劇団座長も兼任している…ので、絶対に逆らえない…」

    ユミル 「…で?その団長だか座長だか知らないが、そいつはどこにいるんだ?」

    ミカサ 「それが…おおきなかぶの公演直後から…行方不明…」

    コニー 「なんだって!?」

    ミカサ 「モブリットさんも…あと、リヴァイ兵士長も…赤ずきんの公演のあと、どこかへ行ってしまって…」

    ジャン 「おいおい。そりゃ大事件じゃねぇか!のんきに演劇する前に、3人を捜すべきじゃないのか!?」

    ミカサ 「ジャン…公演は…やる。」

    ジャン 「なんでだよ!?」

    ミカサ 「ナナバさん宛に…エルヴィン団長から封書が届いた…自分の事は心配要らないから…公演を続けてほしい、と。」

    クリスタ 「ナナバさんに!?」

    ミカサ 「…そう。エルヴィン団長が戻るまで…ナナバさんが座長代理…公演は可能…私たちは…劇場に向かう必要がある…」

    クリスタ 「…そう…あ、そういえば、アルミンは!?」

    ミカサ 「アルミンは今回主役だから、ナナバさんが先に劇場へ…」

    コニー 「どうしてアルミンが主役なんだ?」

    ミカサ 「…それは…もうすぐアルミンの…」

    ライナー 「…ああ、そういうことか。」

    ユミル 「なるほどな。」

    クリスタ 「だからなのね。」

    サシャ 「納得しました!」

    ベルトルト 「そういえば…そうだったね。」

    ジャン 「…ま、仕方ないな。」

    コニー 「???」

    ミカサ 「アニも…憲兵団から来てくれる…みんなも、来てほしい…」

    ライナー 「よし、じゃあ行くか!」

    「「「お~!!!」」」

  4. 5 : : 2014/10/22(水) 21:47:41
    <劇場にて>

    ナナバ 「…やぁ、104期生諸君。よく来てくれたね。」

    エレン 「おう、お前ら!久しぶりだな!」

    コニー 「エレン!元気そうだな!」

    サシャ 「旧本部での生活はどうですか?」

    エレン 「…ああ。部屋は地下室だけど、先輩方からも、兵長からも、よくしてもらってるよ。」

    ミカサ 「本当なのエレン…正直に話して…本当に何もされてないの!?」

    エレン 「だから言ってるだろミカサ!いちいち干渉すんなよ!」

    ジャン 「…ふん。本当にお前は相変わらずだな…」

    エレン 「そういうお前こそ、まだその馬面が直らねぇみたいだな…」

    ジャン 「んだとこの死に急ぎ野郎が!!!」

    エレン 「胸ぐら掴むなよ!服が破けるだろ!!!」

    ライナー 「おいお前ら、じゃれ合うのもその位にしておけよ。」

    ジャン 「あぁ!?」

    エレン 「おいライナー!どこをどう見ればそう見え…」

    ナナバ 「はいはい、そこまで!…じゃあそろそろ舞台始めようか。」

    ユミル 「…おい、もう始まるのか!?練習も配役決めさえもしてないぞ!」

    クリスタ 「そういえばユミルは、調査劇団の舞台は初めてだったね。大丈夫。この舞台に、台本は存在しないの。」

    ベルトルト 「全部アドリブで…物語の筋書き通りに進もうが進むまいが、関係ないんだ…」

    コニー 「…ま、オレ天才だから…いんすぴれーしょん?それだけで進行できるがな。」

    ユミル 「…はっ。あっきれた。そんなんで良く今まで客が集まったもんだな…」

    エレン 「…それは…」

    ナナバ 「観客の皆さまの、温かいお心遣いの賜物だよ。」

    数珠繋ぎ 「本当に…ありがとうございます。」

    コニー 「…んっ?今なんか聞こえたか?」

    ナナバ 「…ま、気にせず…開演準備に入るよ。」

    ベルトルト 「…あ、アニ…久しぶりだね…」

    アニ 「ああ…わりとすんなり皆集まったんだね…」

    ライナー 「まあな。拒むと色々厄介らしくてな。」

    アニ 「ふぅん…そういえば、そっちの団長が行方不明らしいね…」

    ライナー 「ああ。他にも、2人の人間が行方知れずのままだ。ただ、エルヴィン団長からは、心配するな、といった内容の封書が届いたらしい。」

    アニ 「…封書、ね…」

    ベルトルト 「アニ…どうかしたの?」

    アニ 「いや、その件とは関係ないかもしれないけど、今朝、うちの師団長の様子が、少しおかしかったからさ…」

    ライナー 「ナイル…師団長のことか?」

    アニ 「そう…本人は必死に平静を装ってたけど…なんだかかなり動揺しているように見えたね…ま、私の気のせいってのもあるかもしれないけど…」

    ベルトルト 「でも…気になるね…」

    ライナー 「ああ。憲兵団でも、何か起こったのかもしれんな…」

    アニ 「さあ?…仮に何かあったにせよ、私には関係ないだろうさ…」

    ライナー 「…ってお前…憲兵のくせに、えらい言いぐさだな。」

    アニ 「…私はただ…余計な物事には、関わりたくないだけさ…といいつつ、またここに来てしまったのは、自分でもおかしいと思ってるけどね…」

    ベルトルト 「…アニ…でも、来てくれて僕はその…嬉しいよ…」

    アニ 「……ま、ほどほどにやるだけさ…」

    エレン 「お前ら…何さっきからこそこそ話してるんだ?」

    ライナー 「いや、何でもない。ちょっとした雑談さ。」

    アニ 「…ま、そういうことだね…」

    ナナバ 「時間がない、急ごう。」
  5. 6 : : 2014/10/22(水) 22:07:33
    【開演】

    ナナバ [全世界4億5千万人(推定)の進撃ファンのみなさま、こんばんは。今回も実況は私、ナナバ。そして解説は、こちらのお2人にお越しいただきました!]

    ミカサ […ミカサ・アッカーマン…です…]

    エレン [こんばんは!エレン・イェーガーです!よろしくお願いしますっ!]ビシッ!

    ナナバ [さて、今回お2人には、アルミン・アルレルトの幼馴染みとしてお越しいただいたわけですが、今回の公演は、どのあたりに注目していきたいですか…まずは、ミカサから…]

    ミカサ […アルミンは…舞台の主役というか…あまり目立つ機会がない…だから、今回どんな風に…主役をつとめるのか…それが見もの…]

    ナナバ [なるほど。エレンは、どう?]

    エレン [そうですね。幼馴染みとして、アルミンがこの大舞台で大いに輝くことを、期待したいと思います!]

    ナナバ [分かりました…ちなみに、前回の公演をご覧になった方は、お分かりかと思いますが、今回は特別に、アルミン・アルレルトの、オトナな一面についても、掘り下げていきたいと思っております。]

    エレン [なんと!それは見逃せませんね…]

    ミカサ [アルミン…いつの間にオトナに…]

    ナナバ [まもなくスタートです!]
  6. 7 : : 2014/10/22(水) 22:21:54
    ナナバ […昔むかし、貧しい老夫婦が、正月を前に、餅も買えずに、慎ましく暮らしておりました…さあ早くも、主役の登場です!]

    アルミン 「……………はぁ……」

    クリスタ 「アルミン…元気出して…」

    アルミン 「ありがとう、クリスタ…つい、プレッシャーに耐えられなくなってね…」

    エレン [アルミン…本当にここぞという時には、本領を発揮するのにな…まあ、根は気弱だから仕方ないのか…]

    アルミン (うっ…僕のせいで…劇を台無しにするわけにはいかない…お荷物はごめんだ…頑張らなきゃ…)

    アルミン 「…こっ…今年も…餅が買えそうにないね…おばあさん?」

    クリスタ 「…そ、そうね、おじいさん…あっ、私、傘を作ったの…これを町に売りに行ったらどうかしら?」

    アルミン 「それは良い考えだね…さっそく売りに、町へ行くとしよう…」

    ナナバ [おじいさんは、傘を持って、雪の降るなか、町へと向かうもようです。]

    エレン [なんか…筋書き通りに話が進んでるな…]

    ミカサ [何を言っているのエレン…それが普通…]

    エレン [まぁ…そうなんだけど…なんか、しっくりこなくて…]

    ナナバ [エレンはもう、調査劇団の常連だからね。きっと、職業病なんだよ。]

    ミカサ [そんな…エレンが病気…私はどうしたらいい…]

    エレン [そんなに落ち込むなよ、ミカサ。大した事ねぇんだから…]
  7. 11 : : 2014/10/23(木) 21:43:33
    ナナバ […さて、おじいさんは、町に到着したもようです。]

    アルミン 「…どうしよう…傘を売ろうにも…」

    エレン [アルミン…どうしたんだ?]

    アルミン 「誰も…いないんだけど…」

    エレン [おいおい、どういう事だ!?まさかみんな、巨人に襲われちまったのか!?]クチクシナイト!

    ミカサ [エレン落ち着いて…町に人がいないのは…当然…]

    ナナバ [そうそう。町民をキャスティングするのを、すっかり忘れてたからね。]テヘペロ☆

    ミカサ [アルミンとクリスタ以外…みんな地蔵役にまわった…だから、町民は存在しない…]

    アルミン 「そんな…最初から売れない前提なんて…」

    ナナバ [まぁとにかく、結果的に傘は1つも売れないわけだし、とりあえず、売り込みだけは、やっておいてよ。]

    アルミン 「えっ…なんか、恥ずかしいな…」

    エレン [何言ってんだアルミン。今、舞台に立っているのは、お前だけなんだぞ。輝けるチャンスじゃないか!]

    アルミン 「もっと…別のシチュエーションで輝きたかったよ…」

    アルミン (…でも…仕方ないよな…ここで僕がごねても、舞台の進行を妨げるだけだし…ここは腹をくくって…)

    アルミン スゥ…「…傘はいらんかねー、傘はいらんかねー!」

    エレン [いいぞ!アルミン、輝いてるぞ!]

    ミカサ [アルミンは…やる時はやる子…]

    ナナバ [さぁ、必死に売り込みをしたにもかかわらず、傘を1つも売る事ができなかったおじいさんは、途方にくれ、帰路へとついたのであります…]
  8. 14 : : 2014/10/24(金) 22:06:01
    アルミン 「…あれ、みんな…こんなところで座って…何してるの…?」

    ジャン 「見りゃ分かんだろ!?地蔵の役やってんだよ!」

    サシャ 「私たちが今首に巻いてるのは…赤い…よだれかけですかね…こんなの付けるの、初めてです…」

    ベルトルト 「加えて…全身グレーの服…」

    ライナー 「しかも、あんまり動いちゃならんとなると…ある意味、訓練よりも辛いな、これは…」

    アニ …ハァ…「…最悪だね…」

    コニー 「おいお前ら!今はもう、舞台の上なんだぞ!もっと真面目に取り組めよな!」クルッ。

    アルミン 「……っ…www」

    サシャ 「ぷっ……www…」

    ベルトルト 「…ぶふっ…www」

    ライナー 「…くっ……www」

    ジャン 「…あ?何、どうしたお前…ら……っ…くくっ…www」

    アニ 「…………フッw」

    コニー 「はっ?どうしたお前ら…何がそんなにおかしいんだよ!?」

    ナナバ [皆さま、ご覧いただけますでしょうか。我々は今、偶然の産物ともいえる奇跡に遭遇しておりますwww]

    ミカサ [コニー……まさか、こんな才能があるなんて…]

    エレン [しかも…こんなに…この才能を生かせる場は他に無いよな…っははは…www]

    コニー 「…はっ?才能???何の話だよ…」

    ライナー 「…要するに、だコニー、オレたちはやっと今になって、お前が天才だって事に気づいたんだよ…」

    コニー 「なんだよ、そういうことか…気づくのが遅いんだよ、お前ら…」フフン。

    ジャン 「…wwwっとに…すまねぇな、コニー…今まで気づかなくてよ…www」

    コニー以外 (コニーに…地蔵の才能が…あるなんて…!)
  9. 15 : : 2014/10/24(金) 22:27:16
    アルミン 「…っ…とりあえず…ははっ…wみんなに…傘を…ふふっ…w」

    ライナー 「アルミン落ち着け。演技になってないぞ。」

    アルミン 「そうだね…ごめん…」ハァ。

    コニー 「そうだぞアルミン。主役だからって緊張せずに、落ち着いていけよ!」クルッ。

    アルミン 「……っっw…コニー…頼むからこっち向かないで…」

    コニー 「???」

    ナナバ [とにかく、おじいさんは、雪をかぶったお地蔵様をかわいそうに思い、売れ残った傘を、お地蔵様にかぶせてやることにしました。]

    アルミン 「…はい、ジャン…」

    ジャン 「おう。」

    アルミン 「…はい、サシャ…」

    サシャ 「ありがとうございます!」

    アルミン 「…はい、ベルトルト…」

    ベルトルト 「ありがとう…」

    アルミン 「はい、ライナー…」

    ライナー 「サンキュー、アルミン…」

    アルミン 「…て…もう、傘が無いや…」

    コニー 「マジかよ!?」

    アルミン 「…じゃ、じゃあコニーには僕がかぶってた手ぬぐいを…」

    コニー 「あ、ああ…何で目をそらすんだ、アルミン?」

    アルミン 「…い、いや…だってほら…」

    コニー 「…よし、かぶり終わったぞ…」

    テケテン♪

    コニー以外 wwwwwwwwwww

    サシャ 「…は…ダメです私…腹筋削がれて死にそうです…」

    コニー 「は!?何言ってんだサシャ!」クルッ。

    ジャン 「…こっち向くな…笑い死ぬ…www」

    アルミン 「…ははは…あ、そうだ…」

    アニ 「」

    アルミン 「まだ…アニがいたんだったね…」

    アニ 「…でも…もうあんた、何もあげる物が無いだろ…」

    アルミン 「…あ…いや…でも…」

    アニ 「無理することないよ。もう、家に帰ればいいさ。所詮、お芝居だろ…」

    アルミン 「いや…あるよ…僕が使ってたので悪いけど…」

    自分が着用していた衣装の簑を脱ぎ、アニの肩にそっとかけるアルミン。

    アルミン 「こんなので…悪いけど…」

    アニ 「…いや…」

    アニ …フッ…

    アニ 「あったかいよ…」

  10. 16 : : 2014/10/25(土) 22:10:44
    アルミン 「…あれっ?そういえば、ユミルは?」

    ジャン 「ユミルのやつ、いつの間にかいなくなっちまって…」

    アルミン 「えっ…もしかして、出演を放棄してどこかへ行っちゃったとか…」

    ナナバ […ああ、それは無いよ。場面、おじいさんの家に移るね…]


    <おじいさんの家にて>

    ユミル 「…ったく、何で私のクリスタが、あんなタマ付いてるか分からねぇやつと、夫婦役なんだよ…」ケッ。

    クリスタ 「///…こ、こら、ユミル!失礼な事言わないの!」

    ユミル 「ふん。」

    クリスタ 「ていうか、ユミル、お地蔵さんの役はどうしたのよ!」

    ユミル 「考えてみりゃ、あんなにうじゃうじゃ地蔵が並んでる道自体、気味悪ぃし、おかしいじゃないか。だから私はあえて、別の役をやることにしたのさ。」

    クリスタ 「別の…役って?」

    ユミル 「う~ん、そうだなぁ…この家の柱の役でもやるか。柱は喋らねぇし、楽でいいや。」

    クリスタ 「柱!?そんな役、通用するわけないでしょ!」

    アルミン 「ただいまぁ…」

    ユミル 「おっ。おじいさんのお帰りだ。」

    クリスタ 「あ、ちょっと、アルミンからも言ってやってよ。ユミルったらこの家の柱の役をやるなんて言い出すのよ。そんな変な役、あるわけないわよね!?」

    ミカサ スッ。[…ちょっと、いい?]

    ナナバ [おっと、解説者から、物言いです。]

    ミカサ [クリスタ…私は前回の赤ずきんの公演で、おばあさんの家の柱の役をつとめた…さらに、オズの魔法使いでは…魔女の靴の役もこなした…ので、今回も…柱の役も…ありだと思う…]

    エレン [こなしたって言えるほどのもんでも無いだろ。ただオレのそばをちょろちょろしてただけじゃんかよ。]

    ミカサ […それは心外…私はちゃんと演技していた…]

    エレン [ウソつけ!]

    ナナバ […はいはい。内輪もめはあとにして、とにかく、柱の役はアリってことで、続けてもらってかまわないよ。]

    ユミル 「っしゃあ♪さ、寝るとするか…」ハ~。

    アルミン 「柱が横になってたら…まずいと思うけどなぁ…」
  11. 17 : : 2014/10/25(土) 22:21:10
    クリスタ (…あ、そうだ…劇を続けないと…)「…お、おじいさん、傘は売れましたか…?」

    アルミン 「あ、ああ…ごめん、1つも売れなかったよ…」

    クリスタ 「…でも…1つも傘を持ってない…」

    アルミン 「道の途中で、お地蔵様が雪に埋もれて、かわいそうだったから、お地蔵様に傘を差し上げてきたんだよ…」

    クリスタ 「そういえば、みのも、手ぬぐいも無いわね…」

    アルミン 「傘だけじゃ…足りなかったから…」

    クリスタ 「…そう…良いことをしたのね…おじいさん…」

    アルミン 「…うん…そうだね…」
  12. 18 : : 2014/10/25(土) 22:43:18
    クリスタ 「…ねぇアルミン、覚えてる?訓練兵団の入団式のあと、サシャが教官に言われて走らされていた時のこと…」

    アルミン 「…うん。けっこう何時間も走ってたよね…もし、僕が同じことさせられたらって思うと、今でもゾッとするよ…」

    クリスタ 「…そう、あれからサシャが走り終わって倒れてて…私、予め夕飯のパンをこっそり残しておいて、サシャに分けてあげようとしたの…」

    アルミン 「へぇ…そんな事があったんだ…」

    クリスタ 「そしたら、ユミルがやって来て…ねぇ、ユミル…あれ?」

    ユミル スゥー…スゥー…Zzz…

    クリスタ 「やだ、ユミルったら、こんなとこで寝て…」

    アルミン 「舞台の上で熟睡するなんて…なかなか出来ることじゃないね…」

    クリスタ 「…もう、しょうがないなぁ…」

    手近にあった小道具の布団をユミルにかけてあげるクリスタ。

    アルミン 「…それで?話の続き、聞かせてくれる?」
  13. 19 : : 2014/10/25(土) 23:11:46
    クリスタ 「…あ、うん…それでユミルが、私にきいてきたの。“お前、何やってんだ?”って。私…すぐに答えられなくて…そしたらユミル、私に、“いいことを、しようとしているだろ?”って問いかけてきて…その時私、自分がこうしたかったのは…役に立つ人間だと、思われたいから…なのかな…って、そう答えたの…」

    アルミン 「役に立つ…人間?」

    クリスタ 「うん…サシャを助けてあげて…倒れて困っている人間を、進んで介抱してあげて…ああ、この子は優しくて、気の回る良い子だって…ここに…いても良い人間なんだな…って…」

    アルミン 「…うん…クリスタのその経験と、今回、お地蔵様に傘をあげたおじいさんの行動が、クリスタの中で重なったのかな?」

    クリスタ 「そうなのかなぁ…うん、ごめん…なんか、考えちゃって…おじいさんの行動は、見返りなんか期待できないものだし…お地蔵様は生き物じゃないから、感謝なんてされないし…結果的に宝物を持ってきてくれるけど、そんなこと、傘をあげる時点では分からない事だし…私がもしおじいさんの立場だったら、おんなじ行動がとれたのかなって思うと…なんか、自信無くて…そう思うと、自分がなんだかどんどん、卑屈に思えてきて…」

    アルミン 「…うん…」

    クリスタ 「…変だなぁ…アルミンの前だと、なんか、正直になれちゃうな…なんでだろ…」

    アルミン 「…正直に…話してくれたあとで、上手く言えなくて申し訳ないけど…クリスタ、さっきユミルに布団をかけてあげてたけど…どうして?」

    クリスタ 「…えっ…どうしてって…ユミル、寒いかなって思ったから…かな?」

    アルミン 「…ほら、クリスタだって、何の考えも…役に立つ人間に思われたいとか、そういう考えをもたなくたって、自然に“良いこと”をしてるじゃないか。クリスタが、勘違いしているだけで、君は、自然に思いやりのある行動がとれる人間なんだと、僕は思うよ。確かに、ちょっと良い子にみせようと、背伸びしてる部分もあるかもしれないけど…このご時世、そういう行動がとれる人間は、貴重な存在だと、僕は思う。周りに怯える必要なんて、どこにも無いよ。そのままの姿のクリスタが、僕は好きだよ。」

    クリスタ 「…えっ…」



  14. 22 : : 2014/10/26(日) 21:47:27
    ナナバ […えっとそれは…つまりその…]

    エレン [こんな大観衆の前で愛の告白か!!!やるじゃないかアルミン!!!]

    ミカサ [私はそんな子に育てた覚えは無い…こともない…]

    アルミン 「えっ…えっ、ちょっと待ってよみんな…///…す、好きって…そういう意味じゃなくて…///」ワタワタ。

    クリスタ 「やだな、分かってるよアルミン。私を…励ましてくれたんだよね…ありがとう…嬉しい…」

    アルミン 「…クリスタ…」

    ユミル パチッ「…ふあぁ…あん?どうした…?」

    アルミン 「あああいや…なんでもないよ…ね、おばあさん?」

    ナナバ [おじいさん、半ば強引に軌道修正を謀ります!]

    クリスタ 「そう…ただ、おじいさんが、お地蔵様に良いことをしたねって話をしてただけだよ。」

    ユミル 「はーん…なんだか、腹減ったな…」グウゥ…。

    ナナバ […おっとここで、お地蔵様たちが、お礼の品を持って、おじいさんの家に到着したもようです。]

  15. 24 : : 2014/10/26(日) 21:58:25
    ジャン 「はぁ…よっこいしょっと…家の前に置いて、お地蔵様たちは、とっとと退散するってか。」

    サシャ 「にしてもジャン…よっこいしょって…ずいぶんと、じじむさいですね…」

    ジャン 「あ?いいだろ別に…かけ声をかけたほうが、ぎっくり腰の予防になるんだぜ。」

    ライナー 「ぎっくり腰か…確かベルトルトが1度、苦しんだ経験があるよな?」

    ベルトルト 「…うん…宿舎の掃除をしてる時にグキッと…治るまで、かなり辛かったよ…」

    アニ 「あんた、でかいからね…誰も運んじゃくれないだろうし…」

    ベルトルト 「えっ…いや、ライナーがなんとか運んでくれたんだけど…」

    アニ 「そうなの?さぞ迷惑だったろうね…」

    ライナー 「いや…どうしたアニ、さっきから機嫌悪いぞ…」

    アニ 「別に…」

    コニー 「なにぼやっとしてんだよ!早くしないと、おじいさんたちに見つかっちまうぞ!」クルッ。

    サシャ 「wwwだから…こっち向かないでくださいって…www」

    ジャン 「頼むから…早く手ぬぐい取ってくれ…www」
  16. 26 : : 2014/10/26(日) 22:23:28
    アルミン 「なんだか、外が騒がしいね、おばあさん…」

    クリスタ 「そうですねぇ…」

    ナナバ [おじいさんが戸を開け、外を見てみると…そこにはなんと…!]

    アルミン 「たくさんの…宝物…(ハリボテだけど)…それに…」

    テケテンテンテン♪

    コニー 「うわっ、しまった見つかった…!」

    アルミン 「ふっ…ふふっ…w…どうしてコニーまでここに…?」

    コニー 「いや、この宝物の中に、オレ自分のペンを落としちまってよ…どこかに紛れ込んだみたいなんだ…」

    アルミン 「それは…大変だね…早く探さないと…」

    コニー 「あ、ああ。というか、なんで目ぇそらすんだよ!?」

    ユミル 「なんだぁ…ぷっ…ふははははははwwwコニー、なんだそのカッコ…はははは…ひ~、腹痛ぇ…www」

    コニー 「なにって…地蔵の役だよ!お前、途中でどこかへ行っておいて、何言ってやがんだ!」

    ユミル 「私は立派にこの家の柱の役を演じてたんだ。」ヘヘン。

    アルミン (…寝てたけどね…)

    コニー 「柱の役!?訳分かんねぇこと言うな!」

    ユミル 「お前こそ、途中の劇の展開、観てなかったのか!?」

    コニー 「オレはな…舞台袖で、精神統一を…」

    ユミル 「とか言いつつ、居眠りでもしてたんだろ!?」

    コニー 「してねぇよ!」

    ギャアギャア…。

    アルミン 「あーあ…ケンカになっちゃった…」

    クリスタ 「しょうがないなぁ、2人とも…」

    ナナバ […あ、そうだ。忘れてたけど…]
  17. 27 : : 2014/10/26(日) 22:44:19
    エレン […何かありましたっけ、ナナバさん…]

    ナナバ [やだな~エレンまで…アレだよアレ。例の掘り下げの件…]

    エレン パチン☆[…そうでした!]

    アルミン 「エレンまで!爽やかに指まで鳴らさないでよ!ていうか、もう忘れてください!」

    ミカサ [アルミン…私たちの記憶力を…侮ってもらっては困る…]

    ナナバ [ということで、まずは最初のお題から…]

    アルミン 「…お題?」

    ナナバ [アルミンは、ずいぶんと女の子口説くの慣れてる感じだけど、実際どうなの?]

    アルミン 「この15年間、1度たりとも、女の子を口説いたことなんて、ありません!」

    ナナバ […と言っておりますが、実際どうですか?]

    ミカサ [私は…1度だけ記憶にある…まだ、開拓地にいた頃の話だけど…]

    ナナバ&舞台袖にいるジャン 「「なにぃ!?」」

    ミカサ [私が…エレンの分の仕事を手伝おうとして…そしたらアルミンが…自分の方に来てと…私はいやだと言った…けど…強引に…]

    アルミン 「ちがうちがうちがうんだ、それは、エレンの方より、僕がいる畑の方が、人手が圧倒的に足りなかったから、それで来てほしいと頼んだだけであって…」

    ミカサ [そう?…そこまで記憶に無い…]フイ。

    ナナバ [これは私の推測だけど、ミカサ、その時エレンの手伝いが出来なかったこと、いまだに根にもってるんじゃない?]

    ミカサ […そんなことは…ない…とも言えない…]

    エレン [ミカサ…さすがにオレ、なんて返しゃいいか、分からない…]

    ナナバ […さ、気をとりなおして、次のお題…]
  18. 28 : : 2014/10/27(月) 21:54:43
    ナナバ [ずばり、ちゅうしたことある?ほっぺじゃないよ、口に。]

    エレン [これはかなり大胆な質問だな!]

    アルミン 「ないないないないないっ、ありませんっ!」キッパリ。

    ナナバ […と供述しておりますが、いかがですか?]

    エレン [う~ん…オレもあんまよく分からねぇけど…アルミン、あまり女子とかかわってなかったからな…]

    ミカサ […エレン…]

    エレン […ん?]

    ミカサ ジッ…。

    エレン […な、なんだよ…?]

    ミカサ [私…女子…]

    エレン […あ、ああ…確かにアルミンも、ミカサとはよく一緒にいたけど…だからって何かあるわけじゃ…]

    ミカサ [………エレン、今まで黙ってたけど…]

    エレン [はっ!?なんだよ…]

    ミカサ [1度…アルミンとキスまがいの事をした…]

    エレン&舞台袖にいるジャン 「「はっ!?」」

    アルミン 「ちょっと待ってよミカサ!あれは、僕が転んだ拍子にミカサの口に…」

    ナナバ [しちゃったの!?]

    アルミン 「いえ!急所は外れていました!!!」

    ナナバ [いわゆる…ラッキースケベ…ともいえる出来事ですね~。]

    <舞台袖にて>

    ジャン 「は!?ふざけんなよアルミン!おとなしい顔して、その…ラ、ラッキースケベとか経験しやがって…」シカモ、ミカサト…。

    アニ 「…ジャン…」ポン。

    ジャン 「…な、なんだよ?」

    アニ 「あんたさ、この前のオズの魔法使いの公演の時、私の胸、触ったでしょ…ていうか、思いっきり、つかんだね…」

    ジャン 「///なっ…あ、ああ…そういえば…はは…」(…いまだに残る、あの柔らかな感触…///)

    アニ 「あれをラッキースケベと言わずして、なんと言うんだろうね…まさか、わざと押し倒してつかんだとでも言うのかい…?」

    ベルトルト 「なっ…どうなんだ、ジャン!?」

    ジャン 「なんでお前まで出てくるんだよ!?…そ、そうだよ…あれは偶然で…わざとなわけねぇだろ!!」

    アニ 「…そう…なら、いいんだけどさ…」

    ベルトルト 「なら、いいんだ…」

    ジャン 「…なんなんだよ、お前ら…」マッタク…。
  19. 29 : : 2014/10/29(水) 08:40:15
    ナナバ [さーて、次はどんな質問がいいかな?]

    エレン [そうだな~…アルミンとこんな話をしたことがないから、迷っちまうな!]

    ミカサ [エレンに話してないこと…まだ…ある…]

    ジャン 「は!?おいこらアルミン!こっち来て詳しく説明しろ……いや、内容によっては、ふわっとオブラートに包め!!!」クソォ!

    アルミン 「何も無いってば!ミカサも、あまり思わせ振りなこと言わないでよ!」

    ミカサ […ごめんなさい…私は冷静じゃなかった…別に私がエレンと一緒に居られなかったあいだ…アルミンがエレンと一緒に居たことを妬んでるとか根にもってるとか…そういうことじゃ…ないから…]

    アルミン 「…ごめん…って、これ僕が謝る事なのかな…」

    ナナバ [さ、何をきこう?]

    エレン [なぁ、アルミン、お前正直クリスタの事、どう思ってるんだ?]

    アルミン 「…えっ…だから、同期として仲間として…親しみを感じてるというか…」

    エレン [そうか…いや、アルミンよく、クリスタ見てぼーっとしてる事あったから、気になってな…]

    クリスタ 「えっ…」

    アルミン 「…あの、僕、よく1人で思案にふけることがあるんだけど…その時たまたま視線の先に、クリスタがいたってだけだよ…」

    エレン [そうなのか?いや、オレはてっきり…]

    ミカサ [エレンは…1度思い込むと突っ走る性分…]

    エレン [は!?お前だってそうだろ!]

    ミカサ […アルミンは…よく、1人で思案している…アルミンの発想は…何度も私たちを救ってくれた…ただ、私が見たときは…思案しているアルミンの視線の先は…アニだったと記憶している…]

    ベルトルト 「なんだって!?」

    アニ 「」
  20. 30 : : 2014/10/29(水) 21:45:47
    アルミン 「だから、その時もたまたま視線の先にアニがいたってだけで…」

    ユミル 「たまたま?ほんとかねぇ…たまたまアルミンが考え事してて、それをたまたまエレンが見ていて、それでたまたまクリスタを見てた?こりゃ、日常的に女神に見とれてたって考えるのが、自然じゃないか?」

    クリスタ 「めっ…女神って…話を飛躍しすぎだよユミル!アルミンはほんとに、たまたま私が目に入ってただけなんだよ…アニも…そう…なのかな?」

    アニ 「…だろうね…アルミンが私なんかに魅力を感じるとも思えないし…」

    アルミン 「なんかって…アニ、君にそんなに魅力がないわけじゃ…」

    アニ 「そんな思わせ振りな事を言ってると…また誰かに煽られるよ…気を遣わなくてもいい。私は、誰かに好かれようとか、そんな事は気にしてないから…」

    コニー 「よっしゃ~!ペン見つかった!」

    ナナバ [コニー氏はこの騒ぎのなか、ずっとペンを探していたもようです。]

    アニ 「…もう、幕を降ろしてもいいんじゃないのかい?かさじぞうは、おじいさんたちに宝物を贈ったら、おしまいだろ?」

    ナナバ [そうでした!…もはや、この演目が何であったのか、忘れてしまうほど、ぐだぐだと続いてしまいましたことを、観客の皆様に、この場を借りてお詫びしつつ…アルミン、今回主役だったけど、どうだった?]

    アルミン 「…う~ん…よく、分かりません…でも、久しぶりに同期のみんなと1つの事で盛り上がる事ができて、とても楽しかったと思います…」

    アニ 「あんた…相変わらず、優しいんだね…」

    アルミン 「…はは…ありがと、アニ…」

    アニ 「誉めちゃいないさ…ただ、忠告しときたいだけさ…人の良心や優しさにすがってばかりじゃ…長生きできないよ…」

    アルミン 「…うん…自分でも…それは理解してるつもりだよ…」

    アニ 「あんた、頭は良いからね…あんたが理解してるって言うんなら、本当だろうね…」

    アルミン 「…そんな…僕も、いつかは捨てなくちゃならない…俗にいう、“良い人”でなくなる日が、いつか来るんだと思ってる…覚悟なんて、できてるわけじゃないけどさ…」

    アニ 「…あんたが…」

    アルミン 「…えっ?」

    アニ 「あんたが私に…この、みのをくれた優しさが本当だと言うのなら…私は、あんたがまた次の誕生日を迎えられることを…少しは、願ってるつもりだよ…」

    アルミン 「…次の…か…また、このメンバーで迎えられたら…そう願うのは、贅沢なのかな…」

    アニ 「…別に、そう願うのは勝手だけど…」

    アニ 「…。」

    アニ 「保証は…できないね…」
  21. 31 : : 2014/10/29(水) 22:11:10
    1人、回想にふけるクリスタ。

    『そのままのクリスタが、僕は好きだよ…』

    『…好きだよ…』

    クリスタ 「…アルミン…」ジッ。

    少し先に立つ、アルミンを見つめるクリスタ。

    コニー 「…そろそろオレと目ぇ合わせろよな!」

    アルミン 「…そ、それは…ちょっと…」

    ジャン 「おいコニー、そりゃ拷問だぜ…」

    コニー 「は?何言ってんだ?」

    サシャ 「3日分の朝食のパンをくれるんなら、合わせてあげてもいいです。」

    コニー 「なんでオレがそこまでしなきゃなんないんだよ!?」

    ライナー 「…おい、そろそろ目を合わせてやったらどうだ?」

    ベルトルト 「…と言いつつ、ライナー、君もそらしてるね…」

    アニ …ジッ…。←コニーと目を合わせてます。

    ライナー 「…おっ、アニ、チャレンジャーだな!」

    アニ 「………………………っっw」

    ベルトルト 「アニが…吹いてる…///」レア。

    ユミル 「…壁外でコニーの顔思い出したりしたら、もうアウトだな…おい、責任とれよ!!」

    コニー 「オレは無実だあっ!」

    ワイワイガヤガヤ…。


    クリスタ 「…アルミン…」

    アルミン …アハハ…。



    クリスタ 「……ゴメンネ…」



    ナナバ パンパン。「…さ、公演終了!みんな、お疲れさま!」

    エレン 「これで終了か…苦情が来ないといいが…」

    ミカサ 「大丈夫…制裁を受けるのは…数珠繋ぎ…」

    ナナバ 「そうだろうけど、残念なことに数珠繋ぎに石を投げても生卵投げても、当たらないからね…調査劇団、次も公演できるのかな…」

    ミカサ 「団長も…戻ってこない…」

    ナナバ 「そうなんだよ!さすがにそろそろ、本格的に捜索しないと、まずいかな…」

    エレン 「…団長…兵長…それにモブリットさん…いったい、どこに…」

    ナナバ 「…ま、とりあえず、控え室に戻ろうよ!」

    ライナー (切り替え早いな…)「…そうだな…休息も、必要だ…」

    コニー 「…おっと、それよりオレ、トイレ行きたくなっちまった…おいアルミン、一緒に行こうぜ!」

    アルミン 「えっ…僕は別に行きたく…」

    コニー 「いいから、来てくれよ!控え室にはまだ、お前は行けないんだからよ!」

    サシャ 「コニー!それは内緒にしておくことですよ!」

    コニー 「…おっと、しまった…」

    アルミン …クス。「…うん、僕もトイレに行くよ…」

    コニー 「よし。」

    ライナー 「…じゃあオレたちは、控え室に行くとするか…」

    ユミル 「コニー…もっとマシな方法なかったのかよ…おーいクリスタ、行くぞ。」

    クリスタ 「あっ…うん…」
  22. 36 : : 2014/11/03(月) 21:29:45
    アルミン 「…ずいぶん長い用足しだったね、コニー。」

    コニー 「…ま、まぁな…最近宿便だったからよ…」

    アルミン 「そうなんだ、はは…」

    控え室の前に立つ2人。

    コニー 「…そろそろ、いいかな…」ボソ…。

    アルミン 「んっ?何か言った?」

    コニー 「いや、何でもない…さ、入ろうぜ。アルミン、ドアを開けてくれよ。」

    アルミン フフッ。「えっ、コニーが先に立ってるんだし、コニーが開ければいいだろ。」

    コニー 「ああ…オレ、静電気が苦手でよ…パチッとくるのが、どうもダメなんだ…なぁ、頼むよ…」

    アルミン 「そっか…静電気はね、あらかじめドアノブなんかに触れる前に、壁や地面なんかを、手のひらでタッチしてから触れると、パチッときにくくなるんだよ。」

    コニー 「なるほど…」フムフム。

    アルミン 「やってみるね…まずは壁にタッチしてから…ドアノブに…」

    ドアノブに触れるアルミン。

    アルミン 「…ほらね。大丈夫でしょ。じゃあ、開けるね…」

    ガチャ…。
  23. 37 : : 2014/11/03(月) 21:47:10
    パパパン…!

    「「「アルミン、お誕生日、おめでとう!!!」」」

    アルミン 「えっ…みんな…」

    コニー 「へへっ。作戦成功だな。」

    ライナー 「ご苦労だったな、コニー。」

    サシャ 「長いトイレでしたね~。」

    ジャン 「お前らずっと、トイレで何してたんだよ。」

    コニー 「何って…別に何も…」

    アルミン 「コニーがずっと個室にこもってたから、出てくるのをずっと待ってたんだよ。」

    エレン 「アルミン…お前、辛抱強いんだな…」

    ミカサ 「私はそんな子に育てた覚えが…無いとも言えない…」

    サシャ 「そんなことより、見てください!みんなで作ったんですよ!」

    アルミン 「…わぁ…すごい…」

    テーブルの上には、特大のケーキが…。

    アルミン 「ちょっと…ここ、少し欠けてない?」

    アニ ハァ。「サシャ…あんた…」

    サシャ ギク。「へっ?そうですか???全然欠けてませんよ?」

    クリスタ 「アルミン…これ、私から…」

    ユミル 「私からも…ほらよ。」

    アルミン 「ありがとう…わぁ、素敵なしおりだね…」

    エレン 「みんなでそれぞれ、手作りのしおりをプレゼントしようってことにしたんだ。なんせ、金も無いし…それにアルミン、たくさん本を読んでるから、使ってもらえると思って…」

    ライナー 「これ、ベルトルトのアイデアなんだ…な、ベルトルト?」

    ベルトルト 「えっ…う、うん…そうだけど…いざ作ってみたら、そんなに綺麗にできなくて…」

    アルミン 「ううん。そんなことないよ。ベルトルトが作ったのも、大切にするね。」

    ベルトルト 「…ありがとう…」

    サシャ 「…さ、大いに食べて、飲みましょう!…といっても、ジュースですけど…さ、アルミン…」

    アルミン 「ありがとう。」

    「なかなか素敵な宴じゃないか。良い仲間をもったな、アルミン。」

    アルミン 「…はい。本当に…」ジーン。

    サシャ 「団長も、ジュースいかがです?」

    「…ああ。もらおうか…」

    サシャ 「どうぞ…」

    アルミン 「……んっ?」

    サシャ 「あれっ?」

    「「「団長!?」」」

    エルヴィン 「…どうしたみんな…俺がどうかしたのか…?」


  24. 38 : : 2014/11/03(月) 22:01:12
    アルミン 「いや、どうって…」

    エレン 「団長…いつの間に戻って…」

    「チッ…いちいちうるせぇな…」

    エレン 「兵長!?」

    「どうもみなさん…ご心配をおかけしまして…」

    アルミン 「モブリットさん!?…みなさん、今までどこで何されてたんですか…?」

    リヴァイ 「いちいち騒ぐな…何があったかなんて…一言じゃ表現しようもねぇな…なあ、エルヴィン…」

    エルヴィン 「そうだな…まあ、平たく言えば、人助けかな。」

    モブリット 「本当に平たく言ってしまえばそうですが…ここに至るまで、おそろしく紆余曲折を経てますね…」ハァ。

    リヴァイ 「細かいことは気にするな…全て解決したんだ。今さら掘り返す真似するな。」

    モブリット 「はぁ…だと良いのですが…」

    エルヴィン 「…そうだ、アルミン。ささやかだが、これを…」

    ⊃高級そうな包み

    アルミン 「いえっ…そんな団長…こんな高価そうな物…」

    エルヴィン 「いや、受け取ってほしい。俺だけからではなく、ハンジやミケ、リヴァイ、その他、先輩兵士からの連盟というかたちで、贈らせてもらうよ。」

    アルミン 「ありがとうございます…あの、開けてみても、いいですか?」

    エルヴィン 「ああ。もちろんだ。」

    ガサガサ…

    アルミン 「…わぁ…」

    中身は、高級素材のブックカバー。

    エルヴィン 「気に入ってもらえたかな?」

    アルミン 「はいっ。もちろんです。」

    エレン 「おいアルミン、オレたちが作ったしおりも、使ってくれよな。」

    アルミン 「うん。もちろんだよ。僕、一生の宝物にするよ…」

    コニー 「よしっ、じゃあ、あらためて…」

    エレン 「せ~のっ…」

    「「「お誕生日おめでとう、アルミン!!!」」」
  25. 39 : : 2014/11/03(月) 22:06:24
    ※以上で、終了とさせていただきます。

    今回、アルミン誕生日企画に参加させてくださった、とあ@ふぇぇ…楽ちゃん天使だよぉぉぉ……//さん、あらためて、感謝いたします。

    ありがとうございました。

    そしてここまでご鑑賞いただいたみなさま、S席をご購入いただいたみなさま、ありがとうございました。

    …さてさて、エルヴィンにリヴァイ、そしてモブリットに、いったい何があったのか。

    それを、明日立ち上げるスレにて、語らせていただきます。

    ぜひぜひ、読んでいただけたらと思います。

    では、またお会いしましょう(^O^)/

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kaku

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