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進撃の巨人Another 第17話 『志と命』 ――憲兵団配属編 No.9――
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- 1 : 2013/11/05(火) 12:05:26 :
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進撃の巨人Another 第17話 『志と命』
――憲兵団配属編 No.9――
――――兵舎廊下――――
アニ「――――それで、その論文の理論は、ユークは正しいと思ったの?」スタスタ
ユーク「いや、あの理論は、あくまで数学的な思考に基づいた極論だ」
アニ「まぁ早い話、『ある』か『ない』かっていう二次元理論だったしね」
アニ「説明を受けた今なら、何となく分かるよ」
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- 2 : 2013/11/05(火) 12:05:56 :
ユーク「あの論文は、アルミンでさえ一晩考えて、なんとか納得に持ち込めたらしいし」
ユーク「解らなくても、気にすることじゃないよ。何が本質なのかが解れば、それでいい…」
ユーク「…でも、さっきも言ったけど、世界はそんな単純じゃない」
アニ「普通の人は、アンタみたいに理解が早い訳じゃないんだよ」ハァ
ユーク「解ってる」
アニ「アンタもきっと、解ってないよ…」
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- 3 : 2013/11/05(火) 12:06:10 :
ユーク「……」
アニ「……」
ユーク「…見つからないな、あいつら」キョロキョロ
アニ「ここには、居ないのかもね。他を当たる?」
ユーク「そうだな。もう昼前だし、教官へ挨拶して一旦、お昼にしようか?」
アニ「うん、それがいいね――――」
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- 4 : 2013/11/05(火) 12:07:00 :
――――教官・職員室――――
コンコンコン
キース「入れ」
ガチャ
ユーク「失礼します」
アニ「…失礼します」
キース「思い出には存分に浸ったか?」
ユーク「はい、気持ちを入れ直しました」
アニ「…はい」
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- 5 : 2013/11/05(火) 12:07:14 :
キース「そうか。それはよかった。これからも人類の為に仕事に励んでくれ」
ユーク「はい。(人類の為…か)」
アニ「……はい」
キース「もう、帰るのか?」
ユーク「はい。その為にまた、ご挨拶に参りました。ありがとうございました」ペコリ
アニ「…ありがとうございました」ペコリ
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- 6 : 2013/11/05(火) 12:07:26 :
キース「うむ、またいつでも来るといい」
キース「良き先輩の来訪で、後輩達の士気も上がることだろう」
ユーク「はい、機会があれば、是非また伺います。それでは、失礼します」
アニ「...失礼します」
ガチャ バタン
スタスタ スタスタ
キース「また会える時を、待ってるからな――――」
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- 7 : 2013/11/05(火) 12:07:42 :
――――街中――――
ユーク「今日は、どこにしようか?」キョロキョロ
アニ「屋台は、復興してるみたいだよ。簡易だしね」
ユーク「じゃあ、何か立ち食いするか」
アニ「たまには、そういうのもいいかもね」
ユーク「何か希望は?」
アニ「うーんと…あっ!」
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- 8 : 2013/11/05(火) 12:08:00 :
ユーク「…今度は誰を見つけた?」クス
アニ「コニー」
ユーク「コニーならお薦めを教えてくれそうだな。ついでに話でも…」
アニ「いいよ、付き合うからさ」
ユーク「じゃあ、決まりだ。おーい!コニー!!」タッタッタ
アニ「…まだまだ子供なんだから」クスッ
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- 9 : 2013/11/05(火) 12:08:18 :
コニー「おお!ユーク、それにアニも!久しぶりだな!!」パァァ
ユーク「(うわっ、相変わらず眩しいな…特に頭が)」
アニ「(いや反射するほど、っていうか、剥げてすらないから)」
ユーク「(ナイスツッコミだ、アニ!)」ニッ
コニー「(なんだ、こいつら?)」ポカン
アニ「ほら、折角声を掛けたのに、コニーが置いてけぼりだよ?」クスス
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- 10 : 2013/11/05(火) 12:09:40 :
ユーク「すまんすまん、それでさ、コニー!なんか屋台でお薦めの店はないか?」
ユーク「紹介ついでに、一緒に飯と行こう!!」
コニー「おお!いいぜ、俺も丁度、飯時だったんだ!!」
ユーク「どこがお薦めだ?」キョロキョロ
コニー「俺の今一番のお薦めは、あっちの屋台の長パンだ!」
コニー「それにそこの屋台のサラダを挟めば、激ウマサラダサンドの出来上がりだ!!」
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- 11 : 2013/11/05(火) 12:10:35 :
ユーク「おお!その発想はなかったな。やるな、コニー!!」キラキラ
コニー「何たって俺は、天才だからな!!」ワッハッハ
ユーク「あぁ、野生の勘が働いた時のコニーは、本当に天才と呼べる才能を発揮するからな」
ユーク「こういう時は、頼りになるぜ!!」ハハハ
アニ「(それって、単純にコニーが何も考えずに、感じたままに行動してるって言ってるのと、同義じゃないの?)」
コニー「ありがとよっ!!じゃあ早速、買いに行こうぜ?」スタスタ
ユーク「よっしゃ!行こうぜ!!」スタスタ
アニ「(いつの間にか、私が置いてけぼりにされてた…寂しい)」ポツーン
アニ「ちょっと待ってよ、2人とも。慌てないで――――」タッタッタ
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- 12 : 2013/11/05(火) 12:10:49 :
――――食事中――――
ユーク「おお!これはいけるな!!」パクパク
コニー「だろぉ?もうすぐ帰っちまうユークにも食べて貰いたいと思っててさぁ」ガツガツ
アニ「…美味しい」モグモグ
ユーク「アニにも好評だぞ?良かったな、コニー」ニッ
コニー「おう!アニもそんな顔するんだな!!」
アニ「え、どんな顔?」キョトン
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- 13 : 2013/11/05(火) 12:11:02 :
ユーク「美味しそうに食べてる表情だよ。可愛いぞ?」ニッ
アニ「っ!!げほっげほっ///」
コニー「アニ、大丈夫か?」
ユーク「あっ!コニー、俺のセリフとらないでくれよ」プンプン
コニー「お、おお。なんだかよくわからねぇが、済まねぇな」アセアセ
ユーク「うん!…大丈夫、アニ?」
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- 14 : 2013/11/05(火) 12:11:14 :
アニ「げほっ…アンタの所為でしょうが…白々しい」ジロッ
ユーク「アニの上目遣い、いいねぇ」ニヤリ
アニ「…ふんっ///」
コニー「おーい、お前らぁ。俺はもう食い終わっちまったぞ?」
ユーク「あれ、いつの間に。俺まだ半分あるのに…」
アニ「アンタが、私で遊んでるからでしょ…私もまだ残ってる」
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- 15 : 2013/11/05(火) 12:11:40 :
ユーク「もうちょっとだけ待ってくれ、コニー。すぐに食べ終わるからさ」
コニー「いいや、別に俺は待つぞ?」キョトン
ユーク「そうか、ありがとな」パクパク
アニ「こんなこいつで済まないね」モグモグ
コニー「よくわかんねぇけど。仲がいいんだったら、それでいいんじゃねぇか?」キョトン
ユーク「…コニーはいい事を言うな」ジーン
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- 16 : 2013/11/05(火) 12:11:54 :
アニ「アンタも少しは見習ったら?」モグモグ
ユーク「うぅーん、いやだ」キッパリ
アニ「はぁ、もういいよ。私が我慢すれば、いいだけの話だからさ――――」
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- 17 : 2013/11/05(火) 12:12:12 :
――――食事後――――
ユーク「それじゃあ、コニー、またな!」ヒラヒラ
アニ「またね」
コニー「おう!!次に会うのを楽しみにしてるぜっ!!」ブンブン
コニー「じゃあなぁーー!!」タッタッタ
ユーク「行ってしまったな」
アニ「そうだね」
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- 18 : 2013/11/05(火) 12:12:51 :
ユーク「“次”は果たして、訪れるんだろうか…」
アニ「さぁ?それは、私達次第じゃない?」
ユーク「じゃあ、目標に向かう為に、捜索を再開しますか!」
アニ「次は、調査兵団の所へ行ってみるの?」
ユーク「あぁ、そこで会えれば、この手紙を渡して、夜にでも会えるよう取り計ろうと思う」
アニ「用意周到だね」
ユーク「1つもミスは許されないからな」
アニ「そうだね、選択肢を狭めない為にも」
ユーク「あぁ、その通りだ。行こうか――――」
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- 19 : 2013/11/05(火) 12:13:23 :
- お昼休みの為に一旦、終了!
また夜にでも来ます
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- 20 : 2013/11/05(火) 17:37:54 :
――――街中――――
ユーク「それでさ、その時にエレンが言っていた事が――――」
アニ「アンタは、本当に外の世界の話が好きだよね」
ユーク「まぁね、聞いてて飽きないよ…あっ!あのとりわけデカい2人組は」スッ
アニ「こんなところで根を生やしてたんだね」
ユーク「『根を生やしてた』とは、とんだ言い草だな。植物だけに」
アニ「ふふっ、別に上手くないよ?だって、あいつらデカすぎて鬱陶しいんだもん」
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- 21 : 2013/11/05(火) 17:38:14 :
ユーク「アニ、ちゃんと笑ってくれたじゃないか。じゃあ、俺は?」
アニ「アンタも割とでかいほうだけど、細身で邪魔にはならないし、丁度いいんじゃない?」
ユーク「なら、よかった。邪魔者扱いされなさそうで」ホッ
アニ「あいつら、あそこで何やってるんだろ?」
ユーク「さぁ?木材運んでる様子から察するに、大方、復興の手伝いだろうな」
アニ「…声掛ける?」
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- 22 : 2013/11/05(火) 17:38:29 :
ユーク「優先事項だし、掛けておこう。もしかしたら、手伝う羽目になるかもな」
アニ「えぇ、嫌だなぁ」
ユーク「じゃあ、アニはそこら辺に隠れているかい?」スッ
アニ「それもまた、卑怯だし、良いよ。最悪、手伝うからさ」
ユーク「じゃあ、行こうか」スタスタ
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- 23 : 2013/11/05(火) 17:38:40 :
ライナー「ここの手伝いは、これで終わりか?」
ベルトルト「いや、あの機材の片付けまで担当らしい」スッ
ライナー「あの機材重たいんだよなぁ、はぁ」
ベルトルト「仕事なんだから、しっかりやろうよ」
ベルトルト「僕達は、他の人よりもでかくて力持ちだから、どうしても頼られる」
ライナー「それは、わかってるけどさ」
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- 24 : 2013/11/05(火) 17:38:57 :
ベルトルト「ライナーがいつも兄貴風吹かせてたのも原因にあるんだからね?」
ライナー「ははは、まぁ、これも『兵士』の仕事だろ?」
ベルトルト「一応、確認するけど、僕たちは『兵士』?『戦士』?」
ライナー「は?何を言ってるんだ?俺達は『兵士』だろ?」
ベルトルト「!!ライナー、君はまたっ!!」バッ
ライナー「おいおい、何だってんだ、ベルトルト?放せよ」グラグラ
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- 25 : 2013/11/05(火) 17:39:14 :
ユーク「よう、2人とも、久しぶりだな!」ヒョコッ
アニ「久しぶりだね」チョコン
ベルトルト「あっ!アニ、ユーク!!丁度いい所に」
ユーク「何かあったか?ライナーの胸倉を掴んで」ジッ
アニ「まさか、また?」ジッ
ベルトルト「そうなんだよ…ユーク、またお願い」パッ
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- 26 : 2013/11/05(火) 17:39:52 :
ユーク「はぁ、分かった」スッ
ライナー「ん?なんだ?お前ら?」キョトン
ユーク「ライナー、俺の眼を見ろ」ジッ
ライナー「なんだよ、急に…」キョロキョロ
ユーク「従え。眼を見ろ」ジーーッ
ライナー「お、おう…」タジタジ
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- 27 : 2013/11/05(火) 17:41:35 :
ユーク【…お前は、『戦士』だ。決して『兵士』ではない】ジーーッ
ライナー「…お、俺は、へいし…だ」ユラユラ
ユーク【いいや、違う。俺の意志に従え。お前は歴《れっき》とした『戦士だ』!!】ジッ
ライナー「そ、そうだっ!俺は…『戦士』だ!!」
ユーク「…それでいい」スッ
アニ「大丈夫なの?アンタも」
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- 28 : 2013/11/05(火) 17:43:45 :
ユーク「暗示は、眼が疲れる」フゥ
ベルトルト「ライナーの意識は、戦士に戻れたの?」
ユーク「しばらくは、大丈夫だろう…」
ベルトルト「そう、ありがとう」ホッ
ユーク「けど、また何らかのきっかけで切り替わる事も少なくないだろう…」
ユーク「視覚や触覚…要因は様々だ」
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- 29 : 2013/11/05(火) 17:43:55 :
アニ「壁外調査の後もちゃんと持つの?」
ベルトルト「僕も心配なんだ。ユーク、君が居ないと…」
ユーク「帰る時にまた一度、暗示を施しに来るから」
ベルトルト「よろしく頼むよ」
アニ「……」
ユーク「それより、今急用なんだ。あそこの影で話をしよう」
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- 30 : 2013/11/05(火) 17:44:06 :
――――物陰――――
ライナー「それで、お前達は何の用なんだ?」
アニ「はぁ、全く、人の気も知れないで」ハァ
ベルトルト「ほんとだよ、苦労するのは僕なんだからさ」ハァ
ライナー「何の事だ?」キョトン
ユーク「ライナーが気にする事じゃない。それより本題だ」
ユーク「報告及び、今度の予定の打ち合わせに来た」
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- 31 : 2013/11/05(火) 18:44:27 :
アニ「まぁ、そう言う訳で、アンタらを探してたのさ」
ベルトルト「そうだったの、こっちも丁度良かったよ」
ユーク「それで、主に用件は、この紙に書いてある」
ユーク「今日中に暗記して、燃やせ。ベルトルト、お前に任せる」スッ
ベルトルト「了解したよ」パシッ
ユーク「それと、憲兵団での出来事と、ここへ来てからのことだが――――」
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- 32 : 2013/11/05(火) 18:44:40 :
ライナー「――――そうか、憲兵団のシステムは、既に腐敗していたか」
ベルトルト「まぁ、それは予想通りだったね、2手に分散してよかったと思うよ」
ユーク「あぁ、俺もつくづくそう思ってる。あそこなら2人で十分だ」
ライナー「…ミカサとアルミンは、今回の装置の検査の事に疑問を抱いていた、と」
ユーク「その通り、でも、ちゃんと核心から話を逸らしたから、心配無用だ」
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- 33 : 2013/11/05(火) 18:45:03 :
ベルトルト「そしてエレンの所在は、未だ掴めていない、と」
ユーク「どうも、別の場所で隔離されてるらしいが、詳細は不明だ」
アニ「ミカサも知らないんじゃあ、どうしようもないよ」
ユーク「地道な情報収集が必要だな…だが、時間も限られている」
ベルトルト「後、何日居られるんだい?」
ユーク「今日を含めて、後4日だ」
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- 34 : 2013/11/05(火) 18:45:49 :
ライナー「これは、しんどそうだな」
ユーク「あぁ、帰りの体力も残す必要があるから、無理な詮索はできない」
アニ「捕まったら、元も子もないからね」
ベルトルト「それで、ユークは僕たちに、何を求めているの?」
ユーク「察しが良くて助かる。調査兵団の内部を見たい」
ライナー「え?」
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- 35 : 2013/11/05(火) 18:46:05 :
ベルトルト「敵の本拠地に足を運ぶなんて、危険じゃない?」
ユーク「じゃあ、俺が聞きたい事を代わりにお前たちが聞いて来てくれるか?」
ライナー「いや、それは…その…」
ベルトルト「…僕たちには、技量が足りない」
ユーク「残念だが、それが事実だ」
ユーク「だから、俺が直接出向く」
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- 36 : 2013/11/05(火) 18:49:15 :
アニ「なら、私も…」
ユーク「いいや、アニだけは隠し玉にとっておく。大切な『玉《ぎょく》』だ」
ベルトルト「『玉』か。そういえば、君は“あれ”が得意だったよね」
ユーク「あぁ!あんなに面白いものを14年間知らなかったなんてな」
ユーク「なんと人生を一部を損していた事か」ハァ
ライナー「なら、俺達が先導しよう。上司に話ができるよう、交渉してみる」
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- 37 : 2013/11/05(火) 18:49:56 :
ユーク「あぁ、そこら辺の手筈はお前達に任せよう。ただし!」
ライナー「何だ?」
ユーク「なるべくぎりぎりまで俺の名前はおろか、身元は明かさないよう努力してくれ」
ベルトルト「それに一体どんな意味があるんだい?」
ユーク「身元や名前すら分からないまま、交渉に応じるような節穴だったら」
ユーク「わざわざこちらから危険を冒してまで、話の機会を設ける価値もない」
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- 38 : 2013/11/05(火) 18:50:24 :
アニ「どういう事?」
ユーク「その様な可能性は、寧ろ敵が罠を張ってにやけてると、想定すべきだろう」
ユーク「ある程度、疑りを持たれた方が、解くのが容易な事もある。今回はその例だ」
ライナー「なるほどな、疑いを逆説的に捉えたのか」
ベルトルト「凄いね」
アニ「(また、ついていけなくなった…)」ショボン
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- 39 : 2013/11/05(火) 18:52:20 :
ユーク「時に、2人とも」
ライナー「ん?なんだ?」
ベルトルト「どうしたんだい?」
ユーク「これは調査兵団へ乗り込む目的の1つに値するのだが」
ユーク「もしお前達が既に知っているのならば、答えてほしい」
ライナー「おう」
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- 40 : 2013/11/05(火) 18:52:59 :
ベルトルト「僕達が分かる事かな?」
ユーク「今回の装置の検査で俺達104期を最初に疑う様に立案したのは、誰か分かるか?」
ライナー「いや、分からん」
ベルトルト「うん、僕も分からない」
ユーク「そっか」
ライナー「だが、その目的の人物になら、心当たりをある」
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- 41 : 2013/11/05(火) 18:53:17 :
ユーク「!!…それは?」
ライナー「ハンジ分隊長だ」
ユーク「それは、誰だ?」
ベルトルト「…まぁ、一言で言えば、変人だよ。調査兵団の奇行種って呼ばれてる」ハハ
ユーク「(『調査兵団の奇行種』だって?まさか、俺があの時感じた予感は…)」
ユーク「その人物の話、詳しく話してくれ」ズイッ
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- 42 : 2013/11/05(火) 18:54:54 :
ライナー「いいぞ。だが、まだ少し仕事が残っていてな。その後でいいか?」
ベルトルト「ハンジ分隊長のことなら、歩きながらでもできるからさ」
ユーク「わかった。俺も手伝うよ」
アニ「私も」
ライナー「いや、いいって。俺達の仕事だ」
ベルトルト「君達は長旅で疲れもあるんだろうし、休んでなよ?」
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- 43 : 2013/11/05(火) 18:55:12 :
ユーク「俺達の体力も嘗めるなよ?」ニヤ
アニ「そうそう」ニヤ
ライナー「わかったよ、好きにしろ。こちらも助かる」
ベルトルト「じゃあ、後はこの機材を片づけてお終いなんだ…とても重いけどね」
ユーク「はっはっは、俺に任せろ。いくぞ、アニ!!」グッ
アニ「はいはい、ライナーとベルトルトは、そっち側持ちな」グッ
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- 44 : 2013/11/05(火) 18:55:55 :
ライナー「いやぁ、頼もしい限りだ」ハハハ
ベルトルト「ほんとにね、いつから兄弟分が入れ替わってしまったことやら…」トホホ
ユーク「何言ってんだ。お前らは、俺にとって、この先もずっと兄貴分だよ!」ヨット
アニ「私は、『おねぇちゃん』だから」ボソッ
ユーク「ん?なんか言ったか、アニ?」ニヤニヤ
アニ「ふんっ、何でもないさ」ヨイショ
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- 45 : 2013/11/05(火) 18:56:24 :
ライナー「(…あれ?俺ら邪魔じゃね?)」
ベルトルト「(僕達が初めに居たのに、なぜか追いやられてる…)」
ユーク「よいしょっ!よいしょっ!」グイグイ
アニ「…ふっ…ふっ」グイグイ
ライナー「……」
ベルトルト「......」
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- 46 : 2013/11/05(火) 18:56:44 :
――――街中――――
ライナー「いやぁ、助かった」ゴキゴキ
ベルトルト「僕達ばかり重いもの運ばれて、理不尽なんだよね…」グッタリ
ユーク「…お悔やみ」ナムナム
アニ「……」ナムナム
ライナー「2人揃って、手を合わせてるんじゃねぇよ!」
ベルトルト「僕達、まだ死んでないからね?」
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- 47 : 2013/11/05(火) 18:57:48 :
ユーク「それじゃあ、かの人の話を頼む」キリッ
ライナー「…あぁその人っていうのが、巨人好きの変態と言われててな――――」
――――――――
俺達は、ライナー達が根城としている調査兵団本部に向かう事となった
この先、俺が出会うであろう『ハンジ分隊長』が如何程《いかほど》の人物であるか
そして俺の求める、期待に相応するだけの『答え』を持っているのだろうか
もし、持っているならば…その『答え』、何としてでも俺が譲り受けよう――――
To be continued...
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- 48 : 2013/11/05(火) 18:58:30 :
【あとがき】
タイトル『志と命』
その読み方は『シとメイ』
志《こころざし》とは、自らの意志で決定するコトであり、植えつけられるモノではない
命じられた志《し》が、果たして機能するか否か、それは最期まで解らない――――
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- 49 : 2013/11/05(火) 18:58:48 :
【投稿完了 / シリーズ名 / 話数 / タイトル / URL】
――本編――
【13/11/04 進撃の巨人Another 第16話 『選ぶ』】
http://www.ssnote.net/archives/2041
【13/11/03 進撃の巨人Another 第15話 『悪癖』】
http://www.ssnote.net/archives/1992
【13/11/02 進撃の巨人Another 第14話 『クチは...』】
http://www.ssnote.net/archives/1943
【13/11/01 進撃の巨人Another 第13話 『ドウキ』】
http://www.ssnote.net/archives/1886
【13/10/31 進撃の巨人Another 第12話 『人柄』】
http://www.ssnote.net/archives/1841
【13/10/30 進撃の巨人Another 第11話 『危機と嬉々』】
http://www.ssnote.net/archives/1815
【13/10/29 進撃の巨人Another 第10話 『見上げる先』】
http://www.ssnote.net/archives/1748
【13/10/28 進撃の巨人Another 第9話 『辛辣』】
http://www.ssnote.net/archives/1702
【13/10/10 進撃の巨人Another 第8話 『本物』】
http://www.ssnote.net/archives/805
【13/10/10 進撃の巨人Another 第7話 『捨てる』】
http://www.ssnote.net/archives/800
【13/10/10 進撃の巨人Another 第6話 『側』】
http://www.ssnote.net/archives/796
【13/10/10 進撃の巨人Another 第5話 『指令』】
http://www.ssnote.net/archives/795
【13/10/10 進撃の巨人Another 第4話 『再び』】
http://www.ssnote.net/archives/793
【13/10/10 進撃の巨人Another 第3話 『解散式の夜』】
http://www.ssnote.net/archives/792
【13/10/10 進撃の巨人Another 第2話 『見たもの、見るもの』】
http://www.ssnote.net/archives/791
【13/10/10 進撃の巨人Another 第1話 『4人目』】
http://www.ssnote.net/archives/790
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- 50 : 2013/11/05(火) 18:58:56 :
――番外編――
【13/10/27 進撃の巨人Another ――番外編―― 第8話】
http://www.ssnote.net/archives/1550
【13/10/24 進撃の巨人Another ――番外編―― 第7話】
http://www.ssnote.net/archives/1374
【13/10/15 進撃の巨人Another ――番外編―― 第6話】
http://www.ssnote.net/archives/1078
【13/10/14 進撃の巨人Another ――番外編―― 第5話】
http://www.ssnote.net/archives/1040
【13/10/13 進撃の巨人Another ――番外編―― 第4話】
http://www.ssnote.net/archives/941
【13/10/12 進撃の巨人Another ――番外編―― 第3話】
http://www.ssnote.net/archives/923
【13/10/12 進撃の巨人Another ――番外編―― 第2話】
http://www.ssnote.net/archives/878
【13/10/11 進撃の巨人Another ――番外編―― 第1話】
http://www.ssnote.net/archives/845
――雑談――
【13/10/12 進撃の巨人Another シリーズ ――雑談所――】
http://www.ssnote.net/archives/924
【13/10/14 進撃の巨人Another シリーズ ――思い出(過去コメント)保管所――】
http://www.ssnote.net/archives/1038
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- 51 : 2013/11/05(火) 19:00:59 :
- 続き気になる!
乙です!
壁外調査はいつぐらいからはじまりますか?
-
- 52 : 2013/11/05(火) 19:01:08 :
今日はこれで終わり!
明日は第18話
奇行種と策士の腹の探り合いだ!!
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- 53 : 2013/11/05(火) 19:02:34 :
- >>51
もう少しだけ『前置き』に付き合ってね
-
- 54 : 2013/11/05(火) 19:27:12 :
- すいません。気が早すぎました!
次から気を付けます!
-
- 55 : 2013/11/05(火) 19:49:57 :
- >>54
謝る必要は、ありませんよ?
それだけ、皆様に楽しみにしてくださっている事が
コメントを通じて伝わって来ているので、私も嬉しい限りです!
応援コメントはいただけるだけで感謝なので、
これからもお付き合いのほど、宜しくお願いしますね?
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- 56 : 2013/11/05(火) 19:53:55 :
- もうこれを読むのが日課になってるww
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- 57 : 2020/10/06(火) 14:03:20 :
- 高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
http://www.ssnote.net/archives/80410
恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
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害悪ユーザースルメ わたあめ
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何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
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