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進撃の巨人Another 第14話 『クチは…』 ――憲兵団配属編 No.6――
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- 1 : 2013/11/02(土) 16:37:59 :
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進撃の巨人Another 第14話 『クチは…』
――憲兵団配属編 No.6――
――――店の外――――
ユーク「いい味出してたな、あの店」スタスタ
ミーナ「ねー。サシャの情報、変わらず正確だ!!」ニコニコ
ジャン「それじゃあ、いよいよ検査の時間だな」
アニ「アンタ達も装置持って来たの?」
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- 2 : 2013/11/02(土) 16:38:19 :
ミーナ「うん、今背負《しょ》ってる鞄に入ってるよ」ズシズシ
ジャン「場所は、訓練所の整備室でやるらしい。お前達も入るのは久しぶりだろ?」
ユーク「あぁ、後輩の様子を見てみたいものだな」
ジャン「残念ながら、今日は無理みたいだ」
ユーク「ん、どうしてだ?」
ジャン「俺達が検査してる間、追い払われるらしい」
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- 3 : 2013/11/02(土) 16:38:53 :
ユーク「なんだそりゃ、とんだとばっちりだな。訓練も中断させられて」ハハ
ミーナ「まぁ、皆が皆、訓練馬鹿じゃないからね、どっかの誰かさんのように」
アニ「まぁ、毎年1人くらいは、ああいう馬鹿も居るんじゃない?」クスッ
ユーク「……あいつ、今どこだ?」
ジャン「……調査兵団に厄介になってるそうだ。詳しい事は、分からない」
ミーナ「なんでも、極秘事項らしいからね」
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- 4 : 2013/11/02(土) 16:39:16 :
アニ「まぁ、不思議な事じゃないでしょ」
ユーク「そうだな。知らずして、あんな能力を秘めてたんだからな」
ジャン「本人が一番、動揺してたな。だが、その功績は大きかった」
ユーク「エレンのおかげで、トロスト区は救われ、壁の穴も封鎖された」
アニ「(その所為で、私たちの作戦は、失敗に終わった)」
ユーク「(だがエレン。それと同時に君の存在は、俺達にとって新たな可能性と成り得た)」
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- 5 : 2013/11/02(土) 16:39:37 :
アニ「(必ずエレンを連れて、故郷に帰るからね…お父さん)」
ミーナ「…2人とも黙っちゃって、どうかしたの?」ヒョコッ
ユーク「いいや、何でもないよ。良かったな。ローゼは守られ、人類は巨人に初勝利した」
アニ「……うん、そうだね」
ジャン「だな、俺達2人の故郷でもあるし、嬉しいに決まってる」
ミーナ「うん、私もお母さんが無事に避難できてて、よかったぉ」ジーン
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- 6 : 2013/11/02(土) 16:42:01 :
ユーク「あれ?ミーナの故郷って…」
ミーナ「うん、ここ、トロスト区だよ?」
ユーク「そっか。よかったな」ニッ
ミーナ「うんっ!!」ニコ
ユーク「(……続けざまに『え!?豚小屋出身じゃなかったっけ?』って
冗談入れようと思ったけど、流石にこの空気では心が苛まれた)」
ユーク「(…でも結果として、言わなくて正解だったじゃないか…俺ってつくづく酷い奴だな)」ハァ
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- 7 : 2013/11/02(土) 16:42:22 :
ジャン「マルコは退院しても、憲兵団へ行くこと諦めてないってよ」
ユーク「!!…そうか、わかったよ」
アニ「……」
ユーク「実はさ、上官に話は通っていて、マルコの席はちゃんと確保されてるんだ」
ジャン「そうなのか。じゃあ、安泰じゃねぇか!」ハッハッハ
ユーク「親しい同期が増えるのは、歓迎だ!」
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- 8 : 2013/11/02(土) 16:42:39 :
ユーク「マルコにまた会ったら、宜しく伝えといてくれ!」
ジャン「なんだ、お前は見舞いに行かないのか?」
ユーク「実は、5日間ほど滞在期間があるから、行けるんなら、行きたい」
ジャン「じゃあ、行こうじゃねぇか!」
ユーク「…わかった。行くよ!」
ジャン「おう!マルコも喜ぶぜ?」
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- 9 : 2013/11/02(土) 16:43:01 :
ユーク「また、さっきの2人みたいに感謝ばかりされるのは、ちょっとね…」アハハ
ジャン「それが、助けた者の責任ってもんだ。贅沢じゃねぇか」バンッ
ユーク「ははっ、そうだな。(…ジャン、君も眩しいな。この感覚、久しぶりに感じたよ)」
アニ「のんびり話してるけど、時間は大丈夫なの?」
ミーナ「ちょっと、急ぎましょう?」タタッ
ユーク「了解」タタッ
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- 10 : 2013/11/02(土) 16:45:19 :
ジャン「話し込んじまったな」タッタッタ
アニ「はぁ…全く…ふふっ」クス
ミーナ「あっ!アニが笑ってる!!」ニコニコ
アニ「…別にそんな事ないよ」シレッ
ミーナ「ちゃんと、微笑んでるの見たよ?」
ユーク「あぁ、アニは最近よく笑うようになったからな」ニッ
アニ「(それも、アンタの所為だって――――)」
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- 11 : 2013/11/02(土) 16:45:41 :
――――訓練所 整備室――――
ガヤガヤ ザワザワ
ユーク「…もう皆大方、集まってるな」
アニ「開いてる机は…あそこだね、丁度2つある」
ユーク「じゃあ、あそこで待機だな、アニ」
アニ「うん」
ジャン「俺達は、向こうの机に行くぜ?じゃあな、ユーク!」
ミーナ「またね、アニ!」フリフリ
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- 12 : 2013/11/02(土) 16:46:09 :
ユーク「お見舞いに行くとき、誘ってくれよな?」
ジャン「おう、わかった!」スタスタ
アニ「またね」
ミーナ「うんっ!!」ニコッ
スタスタ スタスタ
ユーク「…装置の準備は、できてる?」
アニ「…抜かりなし」
ユーク「…OK。それじゃあ、勝負の時だ」ジッ
アニ「うん、失敗はしない」ジッ
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- 13 : 2013/11/02(土) 16:46:46 :
――――検査時――――
検査官「シャフトの交換時期は?」
アニ「――日前、――頃でした」
ユーク「(今のところ、受け答えに表情の変化なし…順調)」チラ
検査官「最後にガスを入れたのはいつ?」
アニ「――日前、――頃です」
検査官「…うん、記録通りだ。中身のガスの残量も記録通り」
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- 14 : 2013/11/02(土) 16:47:02 :
検査官「使われた形跡はないな。よし、次!」
アニ「……(よかった)」ホッ
ユーク「(アニ、いい演技だったよ?)」チラ
アニ「(うん、上手くできたと思う)」チラ
検査官「では、次の者。氏名と所属する班名を述べ、質問に答えよ!!」
ユーク「ハッ!34班、『ユーク・トラス』です!!」バッ
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- 15 : 2013/11/02(土) 16:47:56 :
検査官「まずは、アンカーの点検から行う」
ユーク「(アニは欺き遂《おお》せたんだ。俺が失敗するわけにはいかないよな)」グッ
検査官「アンカーを最後に射出した時期は?」
ユーク「ハッ、先日のトロスト区奪還戦にて、――――」
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- 16 : 2013/11/02(土) 16:48:30 :
――――検査終了後――――
ユーク「アニ、良い受け答えだったよ?」ヒソヒソ
アニ「ありがと、私も自分で言うのもなんだけど、上手くできたと思ってる」コソコソ
ユーク「あぁ。本当なら、撫でてあげたいんだけど、ここでは我慢するよ」ニコ
アニ「っ///べ、別にいいからっ」カァァ ボソボソ
ユーク「照れちゃって…2人の時にね?」ヒソヒソ
アニ「…うん///」コクリ
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- 17 : 2013/11/02(土) 16:48:45 :
ユーク「じゃあ、久しぶりに皆と話しに行こうぜ?」グイ
アニ「あっ、引っ張らないでったら」トテテテ
――――――――
ミカサ「アルミン、この検査には、どんな意味があるのだろうか?」
アルミン「うーん、現状では、断定できる判断材料が少ないから、何とも…」
ミカサ「こんな時に、ユークの知恵があれば…」
アルミン「そうだね、彼の知恵を借りたい」ウヌヌ
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- 18 : 2013/11/02(土) 16:49:02 :
ユーク「ん?俺がどうかしたか?」ヒョコッ
ミカサ「!!ユーク、久しぶり」
アルミン「久しぶりだね、ユーク。アニも一緒に」
ユーク「あぁ、2週間ぶりだね、2人とも」ニッ
アニ「…久しぶり」チョコン
ミカサ「ええ、アニも久しぶり。また会えて嬉しい」ニコ
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- 19 : 2013/11/02(土) 16:49:17 :
アニ「そうだね」
アルミン「突然、現れてどうしたの?」
ユーク「久しぶりに皆と話がしたくてさ、早速、2人を見つけたんだよ」
ミカサ「そうだったの」
アニ「それで、何の話をしてたの?」
アルミン「それがね、この検査の意義についてなんだ」
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- 20 : 2013/11/02(土) 16:49:47 :
ユーク「なるほどね。俺達104期が最初の疑惑の対象となって困惑している」
ユーク「…といったところかな?」
ミカサ「ええ、まさにその通り。ユーク、貴方はこれをどう考える?」
ユーク「(どう言おうか、最善策は…)」
アニ「(私は、墓穴を掘らないためにも、ユークに任せて、黙ってるべきかも)」ムッ
ユーク「(アニのこの目は、『ユークに任せた』って顔だな。分かったよ)」
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- 21 : 2013/11/02(土) 16:50:09 :
アニ「(うん、きっとその方が安全だから)」ジッ
ユーク「(まぁその通りかもね。分かったよ、任せといて。アニはフォローをお願い)」チラ
アニ「(うん、わかった)」チラ
ユーク「俺達を対象に決めたのは、調査兵団らしい」
アルミン「やっぱり、そうだったんだね」
ユーク「あぁ、上司が言っていた事だが、俺達の潔白を優先して証明したいという話らしい」
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- 22 : 2013/11/02(土) 16:52:37 :
ミカサ「でも、そうだとしても、その立案には穴がある」
ユーク「その通り、俺達104期から順に疑いを掛けていくという事には欠点がある」
ユーク「その欠点とは、真犯人が別に居た場合に、検査項目に対策を講じられる
リスクを負い、検査を掻い潜られる可能性が高まるということだ」
アルミン「それは、一番、避けたいはずだよね」
ユーク「本来、2週間前まで訓練兵だった俺達に、疑いを掛ける事すらナンセンスなんだ」
アルミン「うん。可能性は低い、と言っていいはずだもんね」
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- 23 : 2013/11/02(土) 16:52:59 :
ユーク「でも、調査兵団にとっては、犯人を見つけるよりも、俺達104期
“全員”の無実を証明する事の方が、優先事項だったという事だよ」
ミカサ「!?つまり、どういう事?」
アルミン「犯人を見つける以上に、僕達に無実を期待する意義って何だい?」
アニ「(…ユークの語りが高度過ぎて、話についていけない…ぐぬぬ)」ジーーッ
アニ「(ユークの事は信じてるけど、あのアルミンとミカサ相手に騙し通せるの?)」ソワソワ
ユーク「それは…3週間後の壁外調査に関係があるんじゃないか?」
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- 24 : 2013/11/02(土) 16:53:17 :
アルミン「…そうかっ!」ピーン
ユーク「…流石、アルミンは察しがいいな」
ミカサ「私は、まだ少し詰まっている。答えを教えて」
アニ「(私なんて、全然わからないよ…)」ジッ
ユーク「壁外という、巨人のテリトリーで生き抜くために、一番大事なものとは何だ?」
ミカサ「それは、戦う強さでは?」
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- 25 : 2013/11/02(土) 16:53:33 :
ユーク「うーん、多分それは、2番目か3番目となる」
ミカサ「では、1番とは一体何?」
アニ「……」ジッ
ユーク「…信頼と信用なんだ」
アルミン「…うん」
ミカサ「信頼と…信用…」
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- 26 : 2013/11/02(土) 16:54:23 :
アニ「(…まさか、アンタがそれを語るとはね)」
ユーク「答えを言ってしまえば、もう説明する意味はないと思うけど…」
アニ「いや、大事な事だよ。最後まで説明しといた方が、2人とも再確認できるんじゃない?」
アニ「(その方が、騙す根拠として、都合がいいから…)」
アニ「(そして何より、私がまだ、ちゃんとわかってないからっ!!)」ジッ
ユーク「(アニの表情が妙に真剣だなぁ?まぁ、いいか。説明したほうが、確実だし)」ウン
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- 27 : 2013/11/02(土) 16:54:41 :
ユーク「壁外、すなわち巨人の領域では、自分と信頼できる仲間以外はすべて敵」
ミカサ「……」
ユーク「しかし、仲間だと思っていた者すら、信用できなかったら?」
アルミン「……」
ユーク「…人間は忽《たちま》ち、Dead End(即ち死)だろうな」
アニ「……(ほうほう)」
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- 28 : 2013/11/02(土) 17:02:38 :
ユーク「壁外調査では、命を捧げる事よりも生き残る事の方が、優先される場合がある」
ユーク「…いや、やはり人として、最期まで生き残るべきなんだろうな」
アニ「……(そうだよね…お父さん…)」
ユーク「まぁ、生き残る意義としては、『勝ち獲った情報を持ち帰る事』等が挙げられる」
アルミン「そうだよね。未知の状況で得られた情報は、きっと次に繋がる」
ミカサ「その通り、エレンもよく言っていた…昔、その光景を見たから」
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- 29 : 2013/11/02(土) 17:02:50 :
ユーク「あぁその通りだ。俺は、この立案をした人物が調査兵団の誰だか知らないが」
ユーク「その人物は、きっと『信頼と信用を重きに置く』人格者なのだろう」
ミカサ「……」
アルミン「うん」
ユーク「もしそうならば、その人物は以後、生き残る可能性が高い精鋭だと言えよう」
ユーク「纏めると、調査兵団の優先事項は、犯人を見つける事よりも次の壁外調査を成功させる事であって」
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- 30 : 2013/11/02(土) 17:03:12 :
ユーク「新兵の104期生が信用と信頼に足り得る人物であるかどうかを、この機会を利用して見極めたいに違いない」
ユーク「…と俺は考えていた」
アニ「(凄い…流石、ユークだ)」ジーーッ
ユーク「(…さっきから、アニの視線が強いんだけど、何か拙《まず》いこと言ったかな?)」ウーム
ミカサ「いやはや、貴方の洞察力には感服した」
アルミン「うん、僕もそこまで言葉として表すのは、難しかったと思う。すごいよ!!」
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- 31 : 2013/11/02(土) 17:03:41 :
ユーク「ははっ、ありがとう。俺も沢山喋れて満足だ」ホッコリ
アニ「それじゃあ、話も済んだ?次に行きましょ」グイ
アニ「(あまり、この2人と長時間、話をさせても、きっとこちらに不利なだけだね)」グイ
ユーク「うん?あぁ、そうだな!5日間は、この街に居るから、また今度話そう!!」フリフリ
ミカサ「ええ、また今度」フリフリ
アルミン「ばいばーい!!」フリフリ
――――――――
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- 32 : 2013/11/02(土) 17:04:16 :
ユーク「最後、無理やり引っ張って行ったな」スタスタ
アニ「うん、ごめん。楽しそうにしていた所悪いけど、あれ以上話をしていても、
こちらにとって不利になるような、別の話へ傾きそうだったから、つい」
ユーク「ありがとう。気を利かせてくれて。でも正直、助かったよ」
ユーク「俺はおしゃべりだから、良い具合までは、上手く誤魔化せても、その後に
知らずして、ぼろを出してしまうことも、これまでの経験で少なくなかった」
ユーク「あれくらいで切り上げるのが、丁度良かったのさ」
アニ「それは、ナイスタイミングだったんだね」
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- 33 : 2013/11/02(土) 17:04:53 :
ユーク「その通り。でも、上手く言えてただろ?」ニッ
アニ「うん。迫真の演技だったね。話術も良かった」
ユーク「壁外調査で、本当に注意すべき核心はちゃんと避けたから、大丈夫だと信じたい」
アニ「アルミン…だね?」
ユーク「…そうだ。アルミンとマルコ。この2人だけが104期の頭脳で要注意人物だ」
アニ「マルコの事、助けて本当に良かったの?後から後悔しない?」
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- 34 : 2013/11/02(土) 17:05:38 :
ユーク「いいや、きっとしないね。助ける事が出来て良かったと、本当に思ってるよ」
アニ「……」ジーーッ
ユーク「そんな顔するなって。情が移った訳じゃないんだ」
アニ「それなら、いいんだけどさ」ホッ
ユーク「マルコは1ヶ月間、動けない。次の壁外調査に参加できなければ、意味がないさ」
アニ「まぁ、敵の数は少ないに越したことはないからね」
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- 35 : 2013/11/02(土) 17:05:50 :
ユーク「じゃあ、次は誰と話に行こうか?」ギュ
アニ「ちょっと、力強いってぇ」トテテテ
ユーク「“時間は有限”なんだ。だから俺が今できることをする。それだけだ!!」タッタッタ
アニ「…うん、そうだったね――――」
――――――――
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- 36 : 2013/11/02(土) 17:06:09 :
ミカサ「ユーク達はいつも通りのようで、安心した」
アルミン「憲兵団はどんなところだろうね?」
ミカサ「まぁ、私達には縁のないところ」
アルミン「そうだね、僕達はエレンについていくって決めたんだから!!」
ミカサ「ええ、それに、今年の調査兵団は104期の精鋭が多く集まっている」
ミカサ「ので、とても心強い」
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- 37 : 2013/11/02(土) 17:06:27 :
アルミン「エレンを筆頭に、ライナーにベルトルト、ジャン、コニー、サシャも」
アルミン「10傑には届かなかったけど、クリスタやユミルも居るし、怖いものなしだね」
ミカサ「ええ、本当の頼もしい限りだ」
アルミン「でも、中でも実力があり、頼りになるのは、やっぱりミカサだよ?」ニコ
ミカサ「…ありがとう。期待に応えられるよう、頑張る!!」グッ
アルミン「うん、次の壁外調査でも……ってあれ?」
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- 38 : 2013/11/02(土) 17:06:41 :
ミカサ「どうかしたの、アルミン?」
アルミン「……うん、何か引っかかったんだ……あれ?なんだろう?」ウーム
ミカサ「今思い出せなくても、いずれ“大事な時に”思い出すだろう。記憶とはそういう物」
アルミン「…そうだね。悩んでいても仕方ないし、前を向いて行こうか!!」
ミカサ「ええ、そうね…あ!私も1つ思い出した」
アルミン「何を?」
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- 39 : 2013/11/02(土) 17:07:11 :
ミカサ「壁外調査で大切な3つの事」
ミカサ「1つは、『信頼と信用』、2つ目は、『戦う強さ』…3つ目が何かを聞き忘れた」シュン
アルミン「2番目か3番目ってやつだね?」
ミカサ「ええ、その通り」ウヌヌ
アルミン「その事かぁ、折角だから僕も聞きたかったなぁ」アーア
ミカサ「では、次に話をする時に、聞くことにしようと思う」
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- 40 : 2013/11/02(土) 17:07:26 :
アルミン「うん、それがいいね!」
アルミン「ユークは、また嬉々として語り出すよ、きっと」ニコ
ミカサ「私もそう思う」クス
アルミン「それじゃあ、僕達もそろそろ行こうか?」
ミカサ「ええ、それじゃあ、皆のところへ行きましょう――――」
――――――――
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- 41 : 2013/11/02(土) 17:08:00 :
俺が、唯一あの時に言わなかった事
いや、決して言えなかった事
それは…
この検査を掻い潜った裏切り者が、次の壁外調査へ『参加する』という、“事実”
その可能性だけは、何としても悟られたくなかった
アニの機転には感謝しなくちゃな……後で、沢山撫でてやろう!!
そして、俺の思惑通り、無事に4人は検査を突破した。
まぁ当然の結果だ。この立案は、隙が“少なかったから”――――
To be continued...
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- 42 : 2013/11/02(土) 17:08:29 :
【あとがき】
ピンチの際に、汝は自らの『口』の存在を悦ぶか、それとも忌むか
その鋭い刃は、果たして誰の身を切り裂くか
結果は、最期の時が訪れるまで、解らないものだ
しかし、“その時”が訪れた時こそ、一体誰が、その事実に気付かんや――――
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- 43 : 2013/11/02(土) 17:08:53 :
【投稿完了 / シリーズ名 / 話数 / タイトル / URL】
――本編――
【13/11/01 進撃の巨人Another 第13話 『ドウキ』】
http://www.ssnote.net/archives/1886
【13/10/31 進撃の巨人Another 第12話 『人柄』】
http://www.ssnote.net/archives/1841
【13/10/30 進撃の巨人Another 第11話 『危機と嬉々』】
http://www.ssnote.net/archives/1815
【13/10/29 進撃の巨人Another 第10話 『見上げる先』】
http://www.ssnote.net/archives/1748
【13/10/28 進撃の巨人Another 第9話 『辛辣』】
http://www.ssnote.net/archives/1702
【13/10/10 進撃の巨人Another 第8話 『本物』】
http://www.ssnote.net/archives/805
【13/10/10 進撃の巨人Another 第7話 『捨てる』】
http://www.ssnote.net/archives/800
【13/10/10 進撃の巨人Another 第6話 『側』】
http://www.ssnote.net/archives/796
【13/10/10 進撃の巨人Another 第5話 『指令』】
http://www.ssnote.net/archives/795
【13/10/10 進撃の巨人Another 第4話 『再び』】
http://www.ssnote.net/archives/793
【13/10/10 進撃の巨人Another 第3話 『解散式の夜』】
http://www.ssnote.net/archives/792
【13/10/10 進撃の巨人Another 第2話 『見たもの、見るもの』】
http://www.ssnote.net/archives/791
【13/10/10 進撃の巨人Another 第1話 『4人目』】
http://www.ssnote.net/archives/790
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- 44 : 2013/11/02(土) 17:09:06 :
――番外編――
【13/10/27 進撃の巨人Another ――番外編―― 第8話】
http://www.ssnote.net/archives/1550
【13/10/24 進撃の巨人Another ――番外編―― 第7話】
http://www.ssnote.net/archives/1374
【13/10/15 進撃の巨人Another ――番外編―― 第6話】
http://www.ssnote.net/archives/1078
【13/10/14 進撃の巨人Another ――番外編―― 第5話】
http://www.ssnote.net/archives/1040
【13/10/13 進撃の巨人Another ――番外編―― 第4話】
http://www.ssnote.net/archives/941
【13/10/12 進撃の巨人Another ――番外編―― 第3話】
http://www.ssnote.net/archives/923
【13/10/12 進撃の巨人Another ――番外編―― 第2話】
http://www.ssnote.net/archives/878
【13/10/11 進撃の巨人Another ――番外編―― 第1話】
http://www.ssnote.net/archives/845
――雑談――
【13/10/12 進撃の巨人Another シリーズ ――雑談所――】
http://www.ssnote.net/archives/924
【13/10/14 進撃の巨人Another シリーズ ――思い出(過去コメント)保管所――】
http://www.ssnote.net/archives/1038
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- 45 : 2013/11/02(土) 17:10:22 :
14話でした。
ユークがアニにべたべたしてるけど、これも作戦の内(?)なので、温かく見てあげてください
それでは、また次回!!
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- 46 : 2013/11/02(土) 17:11:18 :
- 次回!
-
- 47 : 2013/11/02(土) 17:11:49 :
- そう、次回!!
-
- 48 : 2013/11/03(日) 18:27:39 :
- アニは可愛い
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- 49 : 2020/10/06(火) 15:08:37 :
- 高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
http://www.ssnote.net/archives/80410
恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
http://www.ssnote.net/archives/86931
害悪ユーザーカグラ
http://www.ssnote.net/archives/78041
害悪ユーザースルメ わたあめ
http://www.ssnote.net/archives/78042
害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
http://www.ssnote.net/archives/80906
害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
http://www.ssnote.net/archives/81672
害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
http://www.ssnote.net/archives/81774
害悪ユーザー筋力
http://www.ssnote.net/archives/84057
害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
http://www.ssnote.net/archives/85091
害悪ユーザー空山
http://www.ssnote.net/archives/81038
【キャロル様教団】
http://www.ssnote.net/archives/86972
何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
http://www.ssnote.net/archives/86986
http://www.ssnote.net/categories/%E9%80%B2%E6%92%83%E3%81%AE%E5%B7%A8%E4%BA%BA/populars?p=51
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