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進撃の調査劇団~オズの魔法使い~
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- 1 : 2014/05/21(水) 14:10:54 :
- こんにちは。執筆を始めさせていただきます。
* ジャンミカ要素あり
* 主に、104期生中心
* その他、エレミカ、ベルアニなど出しますが、数珠繋ぎが不慣れなため、ぎこちなくなるかも(^_^;)
…以上の条件でも良い、という方は、どうぞ…
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- 2 : 2014/05/21(水) 14:20:00 :
- 【エルヴィン&ハンジから、開演前のあいさつ】
ハンジ 「観客のみなさ~ん、会場の居心地はどうかな?」
エルヴィン 「…さて、今回の公演だが…」
ハンジ (いつの間に出所したんだこの人…)※エルヴィンは前の公演で、憲兵団へ連行されてます
エルヴィン 「オズの魔法使いだ。」
ハンジ 「もうすでに、配役は決まってるんだよね。」
エルヴィン 「ああ。今回は、主に104期の皆に出演してもらうことにした。」
ハンジ 「台本無しの、オールアドリブ。」
エルヴィン 「俺がナレーションで補足はする。あとは、若いセンスが試される。」
ハンジ 「またエルヴィンが、ナレーターと演技指導なの?」
エルヴィン 「ああ。ファンからの要望が強くて…」
ハンジ 「う~そつ~け。」
エルヴィン 「…すまん。」
ハンジ 「…ま、いいか。そろそろ開演だよ。」
エルヴィン 「モブリット、幕を上げてくれ。」
モブリット 「了解です…」
ハンジ 「モブリット、すっかり黒子だねぇ…」
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- 3 : 2014/05/21(水) 14:29:47 :
- 【開演】
エルヴィン 「昔々、カンサスという村に、ドロシーという名の少女が、仔犬のトトと一緒に、幸せに暮らしていました。」
トト役の犬のぬいぐるみを抱え、立ち尽くす…エレン…。
エレン (主役って聞いてたけど…女の役だったのか!?)ドウスルヨ…
エルヴィン 「…ドロシー、何か一言頼む。」
エレン 「…えっと…オレ…いや…わたし…はドロシー…で…///」オドオド…
エルヴィン (仕方ないな…)「ドロシーは実は、男の子だったのです。」
エレン ヨッシ!「オレはドロシー、こっちは相棒のトト!」ヨロシクナ!
エルヴィン 「ところが、そんなドロシーの住む家に、突然大きな竜巻が襲いかかり、ドロシーの家は、空高く飛んでいってしまったのです。」
エレン 「うわぁぁぁっ、飛ばされる!!トトぉぉぉっ!!!」
エルヴィン 「相棒のトトを残し、ドロシーは遠くオズの国まで、家ごと飛んでいってしまいました。」
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- 5 : 2014/05/21(水) 14:48:02 :
- 【オズの国】
エレン 「こっ…ここはどこだ!?」
サシャ 「ここは、オズの国です。」
エレン 「お前はサ…誰だ!?」
サシャ 「私はサ…北の魔女です。」
エレン 「北の魔女!?」
サシャ 「あなたに、お礼を言わねばなりません。」
エレン 「お礼…とは?」
サシャ 「あなたの、家の下を覗いてごらんなさい。」
エレン 「あっ…コニー!?」
ドロシーの家の下敷きになるコニー。※家ははりぼてなので、コニーの体に影響はありません。
サシャ 「コニーではありません。悪い東の魔女です。」
エレン 「東の魔女は、何の罪を犯したのですか?」
サシャ 「食料庫に侵入し、上官のお肉を盗んだのです。」
コニー 「ちょっと待てサシャ!さりげに自分の罪をオレに擦り付けるなよ!!」
サシャ 「東の魔女はすでに、死んでますので、黙っててもらえます?」
コニー 「そうやって黙ってたら、どんな罪を擦り付けられるか、分かりゃしねぇ!!」
ドロシーの家から這い出るコニー。
エルヴィン 「東の魔女は、復活を果たしました。」
サシャ 「勝手に復活しないでください!」
コニー 「じゃあさっきの発言、撤回しろよ!」
サシャ 「何の話です?」フフン
コニー 「しらばっくれんなよ!」
エレン 「…あの、オレはどうすれば…」
「…エレン…」ツンツン。
エレン 「ミカサ!?」
ミカサ 「…一緒に来て…」
エルヴィン 「ドロシーは、謎の少女に連れられていきました。」
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- 7 : 2014/05/21(水) 15:04:59 :
- エレン 「」トコトコ…
ミカサ 「」トコトコ…
エレン 「…なあ、ミカサ…」
ミカサ 「なに?」
エレン 「お前、何の役なんだ?」
ミカサ 「私は…ドロシーが履く、東の魔女の…靴の役。」
エレン 「はあ!?」ナンダヨソレ!?
ミカサ 「オズの魔法使いの公演が決まってから、色々研究した…その結果、いちばんエレンの…ドロシーのそばに居られるのは…東の魔女の靴…」
エレン 「それ、配役の中に無いだろ!?」
ミカサ 「団長のカットがかかっていない…ので、この役は認められた…」
エルヴィン 「謎の少女の正体は、ドロシーが履く、東の魔女の靴だったのです。」
ミカサ 「…ほらね。」
エレン 「じゃあいい。一緒に来い。」
ミカサ 「…分かってる。」
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- 8 : 2014/05/21(水) 15:10:14 :
- エレン 「次に出会うのは…」
ミカサ 「…かかし…」
エレン 「そいつは、どんな奴なんだ?」
ミカサ 「かかしは、脳みそも藁で出来ていて…知恵が欲しくて、ドロシーと一緒に、オズの住むエメラルド城を目指す。」
エレン 「そうか…っつうか、オレが目指す先は、エメラルド城なのか。」ハジメテシッタナ
ミカサ 「大丈夫…私がついてる。」
エレン 「いいって別に!」クッツクナッテ!!
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- 9 : 2014/05/21(水) 15:18:13 :
- 「…やぁ…」
エレン 「ア、アルミン!?」
アルミン 「そうさ、僕がかかし役さ…」フ…
エレン 「なんか、一番似合わなそうな奴が…」
アルミン 「本当は、コニーがやったらどうかって話が出たんだけど…」
エレン 「ああ、コニーか…」
アルミン 「でも、コニーが断固拒否して…で、僕がじゃんけんに負けて…」
エレン 「コニーは、東の魔女だってな。」
アルミン 「うん。なんか、セリフが少なくて済むからって…」
エレン 「すぐ死ぬ役だからだろ?でも、なんか復活してたぞ、さっき。」
アルミン 「…そうなの?よく知らないけど…」
エレン 「とにかく、エメラルド城へ行こうぜ。」
アルミン 「ミカサは何の役なの?」
ミカサ 「…靴。」
アルミン 「はっ!?」クツ!?
エレン 「とにかく、早く行こうぜ。」
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- 10 : 2014/05/21(水) 15:29:02 :
- エレン 「次に出会うのは…」
ミカサ 「確か…ライオン…」
エレン ナニッ!?「そいつは、凶暴なのか?」
ミカサ 「いや。臆病で、勇気が欲しくて、オズに会いに…」
「おい、エレン…」
エレン 「!?ジャン!?」
ジャン 「…なんでミカサが一緒なんだ?」
エレン 「どうだっていいだろ、別に。」
ジャン 「良くねぇ!」
ミカサ 「ジャン…私はエレンの…靴の役。」
ジャン 「はあぁぁっ!?」クツダト!?
エルヴィン 「ライオンは、ドロシーの胸ぐらをつかみました。」
ジャン 「エレン…てめぇぇっ!!」
エレン 「オレじゃねぇよ!ミカサが勝手に…」
ジャン 「どこに、自分からそんな屈辱的な役をやる奴がいるってんだよ!」
ミカサ 「ジャン…ここに。」
ジャン 「へっ?」
ミカサ 「ここに…いる。私が自分でこの役を選んだ…」
ジャン ガーン…「なんっだそりゃ…」
アルミン 「…とにかく、皆でオズの国へ行こうよ。」
エレン 「おう、そうだな。」
ジャン 「…ミカサ…」
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- 20 : 2014/05/21(水) 20:30:49 :
- 【演目再開】
エレン 「次出会うのは…」
ミカサ 「…ブリキ…」
アルミン 「心までブリキで出来ている彼は、あたたかい心を求めて、オズのもとへ…」
「…それが僕の役か…」
エレン 「ベッ…ベルトルト!?」
ベルトルト 「僕が、ブリキ役なんだ。」ハハ…
エレン 「なんか、どうリアクションしていいか、分からねぇな…」ポリポリ…
ジャン 「ハマり役のような気もするが…」
ベルトルト 「ジャン…それってなにげに傷つくよ…」
アルミン 「…さ、さあ、皆そろったし、オズのところへ行こうよ!」
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- 21 : 2014/05/21(水) 20:53:12 :
- エルヴィン 「こうして、ドロシー、かかし、ライオン、ブリキ、そして靴の一行は、オズの住む、エメラルド城へとやって来ました。」
エレン 「なあ、オズの役は誰がやってるんだ?」
アルミン 「…さあ…」
ミカサ 「知らない…」
ジャン 「きいてねぇな…」
ベルトルト 「…僕も…」
エレン 「どうせまた、104期の誰かじゃねぇのか?」
アルミン 「誰だろう…ライナーかな…」
ジャン 「…クリスタか…?」
ベルトルト 「…アニ、とか?」
ミカサ 「…誰だって構わない。早く行こう。」
エルヴィン 「一行は、エメラルド城の中へと、足を踏み入れました。聞くところによると、オズは、身の毛もよだつ大男だという噂です…」
ジャン 「…うわ、マジかよ…大男ってまさか、巨人じゃねぇだろうな…」
アルミン 「まさか…」ハハ
ミカサ 「エレン、私から離れちゃだめ…」
エレン 「大丈夫だって言ってんだろ!?」クッツクナヨ!
エレンはミカサを軽く突き飛ばす。ミカサはよろけるが、すぐにエレンのあとを追う。
ジャン 「エレン…てめぇまた…」
アルミン 「まあまあ、皆落ち着いて…」
ベルトルト 「…おい、あれは…」
エルヴィン 「見ると、そこには、とてつもなく大きな椅子がありました。」
「…やっと来たか…」
エルヴィン 「とてつもなく大きな影がのび、恐ろしい声が響き渡りました。」
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- 22 : 2014/05/21(水) 21:26:53 :
- 「遅かったな…どうせまた、クソでも長引いたか…」
エレン (これは…)
ベルトルト (この人は…)
ジャン (よくOKしてくれたな…)
アルミン (…確か絵本では…オズの正体って…)
ミカサ (…またエレンに何か仕掛けるつもりなの…?)ユルサナイ…
リヴァイ 「…で、お前らの望みはなんだ?」※リヴァイは今のところ、声のみの出演です。
エレン 「オレは…カンサスへ帰りたいです!」
アルミン 「僕は…知恵を…!」
ベルトルト 「僕は…あたたかい心を!」
ジャン 「」
ミカサ 「」
リヴァイ 「…ミカサ、てめぇはなんだ?」
ミカサ 「私は…エレン…ドロシーの靴…だから、望みは言わない。」
リヴァイ 「は…よく分からんが…そっちのてめぇは?」
ジャン 「」
アルミン 「ジャン、早く勇気が欲しいって、言いなよ。」
エレン 「早くしろよ、話が進まねぇだろ!?」
ジャン 「…それってなにか?オレが腰抜けだって言いたいのか!?」
アルミン 「ちがうよ、これはお芝居なんだから…」
ジャン 「」ムゥ…
リヴァイ 「…話の内容なんざ関係ねぇ。ジャン、てめぇの望みを言え。」
ジャン 「…オレの…望み…」
ジャン 「…オレの…」チラ
ミカサ 「?」
リヴァイ 「なんだ、さっさとしろ。」
ジャン 「オレは…ミッ…ミカサと仲良くなりたい…です。」
エレン 「なんだ、ジャン、ミカサと仲悪いのか?」
ジャン 「てめぇは黙ってろ!!!」ニッブイナホントニ…
エレン 「はあ!?」
リヴァイ 「…とにかく、望みは分かった。今すぐに西の国へ行き、西の悪い魔女を退治してこい。」
エレン 「にぶいって、どういう意味だよこの馬面!!!」
ジャン 「そのまんまだよこの死に急ぎ野郎が!!!」
アルミン 「やめなよ、2人共!」
リヴァイ 「…聞いてんのか、てめぇら…」
エレン 「はい、オズ様、西の国へ行き、魔女どもを駆逐するんですね?」
リヴァイ 「…意味は似ているが、お前が言うと、なんか怖いぞ。」
エレン 「」
アルミン 「とにかく、早く行こうよ。」
エルヴィン 「一行は、西の国へと向かいました。」
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- 34 : 2014/05/24(土) 07:41:55 :
- <西の国>
エレン 「な、なぁ…西の魔女って…」
「やっと来たね…」
ジャン 「ア…アニ!?」
ベルトルト (アニだ…///)ホワ…
ライナー 「おう、来たな。」
アルミン 「ライナー!?どうして君まで…」
ライナー 「おい、考えてみろよ、お前ら。アニ1人に対して、そっちは何人いる?5対1なんて、割に合わねぇだろ。」
アニ 「ライナーには、私の手下ってことで出演してもらった。」
エレン (この2人を倒すのか…)
アルミン (アニは、対人格闘術では、かなりの好成績だったし、ライナーは次席で卒業している実力者だ…)
ミカサ (アニ…いつかは決着をつけたいと思っていた…)
ベルトルト (…アニ…ライナー…)ウウ…
アニ 「さて…ただの演劇ごっこだからって、手は抜きたくないね…あんたたち、私を退治しに来たんだろ…?」
エレン 「あ、ああ。そうだけど…」
アニ 「…いいよ。本気で相手してやるよ…」
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- 35 : 2014/05/24(土) 07:50:36 :
- 構えるアニ。
ライナー 「お、アニからいくか。」
ミカサ 「エレン、下がって…!」
エレン 「はあ!?ミカサ、いいかげんに…」
ミカサ 「…来るっ…!」
ドカッ…バキィッ…!
エルヴィン 「激しい格闘戦が、繰り広げられました。」
ジャン 「おい、ベルトルト、アルミン、オレたちもいくぞ!」
アルミン 「うっ…うん!」
ベルトルト 「えっと…僕は…」
ジャン 「うぉぉぉっ!」
アルミン 「たぁぁぁっ!」
バキッ…!
ジャン 「」イテェ…
アルミン 「」ウウ…
ミカサ 「ジャン、アルミン。私がやる。」
ジャン 「っ…てて…そんな…ミカサ…だけに…」
ミカサ 「頭数が多ければ…良いというものとは…ちがう。もし、私がやられたら…」
ジャン 「」
ミカサ 「エレンを…守ってほしい。」
エルヴィン 「西の魔女に、ドロシーの履いていた靴が、勝負を挑みました。」
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- 36 : 2014/05/24(土) 08:06:42 :
- ミカサ 「」
アニ 「…あんたさぁ、この前の任務の時、ケガしてただろ?もう、治ってるのかい?」
ジャン 「…!?」
アニ 「…ま、私が心配するのも…」
ミカサ 「」
アニ 「筋違い、か…」
ミカサ 「」
アニ 「…続けてもいいかい?」
ミカサ 「…かまわない。」
ジャン 「やっ…やめろミカ…」
ドカッ…バキィッ…!
ミカサ 「…くっ…」
右肩を押さえ、膝をつくミカサ。
エレン 「もうやめろ、アニ!」
ライナー 「そうだ、アニ。アルミン、ミカサは?」
アルミン 「ミカサ、大丈夫?」
ジャン 「ミカサ!?」
ミカサ 「…大丈夫。まだ、戦える。」
ミカサの前に、エレンが向き合う。
ミカサ 「…エレン…」
エレン 「ミカサ…お前、前の任務の時、ケガしてたってのは、本当か?」
ミカサ 「」
エレン 「…だったら、なんで無理に戦おうとするんだよ。まさか、オレのためだって言うんじゃねぇよな?」
ミカサ 「…アニが本気で戦うと言っていた。…訓練兵だったころ、エレンはアニに勝てなかった…もし、今エレンがアニと戦ったr…」
ミカサの言葉を遮り、ミカサの肩をつかむエレン。
エレン 「だから言ってんだろ!?オレはお前の子供でもなければ、弟でもねぇって!バカなまねはもう…」
ジャン 「エレン!!」
エレンの胸ぐらをつかむジャン。
ジャン 「エレン…てめぇ…ほんとに…」
エレン 「なっ…なんだよ!?」
ジャン 「…ちっ…」
エレンを放すジャン。
ジャン 「本当は…エレン、お前を殴り倒したいところだが…」
ジャン チラ
ミカサ 「?」
ジャン 「…出来ねぇんだよ!!」
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- 37 : 2014/05/24(土) 08:19:52 :
- エレン 「…なんなんだよ、お前、さっきから…」
アニ 「盛り上がってるとこ悪いけど…」
アニ 「…どうするの、もう降参かい?」
アルミン 「…えっと…」
ライナー 「おい、ベルトルト。」
ベルトルト 「…なっ…なんだい?」
ライナー 「お前…さっきからずっとアニを見ているようだが…」
ベルトルト 「…なっ…///」
ライナー 「どうせなら、こっち側に来たらどうだ?」
アニ 「そうだね。そうしたって、4対3で、そっち側の方が多いんだし…」
ベルトルト 「えっ…そん…な…」
エルヴィン 「ブリキは、西の魔女に寝返りました。」
ベルトルト 「ええっ!?」
エレン 「おい、ベルトルト!?」
アルミン 「君まで向こうに行っちゃったら、勝ち目が無いよ!」
エルヴィン 「仲間の声を無視し、ブリキは西の魔女のもとへと行ってしまいました。」
ベルトルト 「…みんな…ごめんっ…!」ダッ
ジャン 「…とにかく、ミカサも今は戦えない。いったん引くぞ。」
アルミン 「うん…そうだね。」
ミカサ 「アニ…次は必ず…」
エレン 「ミカサ、お前はもう動くなよ…」
エルヴィン 「一行は、再びエメラルド城へ戻ることにしました。」
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- 39 : 2014/05/24(土) 08:32:58 :
- <エメラルド城>
エルヴィン 「…おい、アルミン…」
アルミン 「だっ、団長!?」
エルヴィン 「いったん、休憩に入ろう。ミカサの具合をみて、再開しよう。」
アルミン 「…はい、分かりました。ミカサ、歩けるかい?」
ミカサ 「大丈夫。心配しなくていい。」
エレン 「とにかく、そのいつまでも押さえてる右肩、早く看せたほうが良いと思うぞ。」
ミカサ 「…分かった。」
医務室へと向かうエレン、ミカサ、アルミン。ジャンは1人、エメラルド城に残った…。
※公演も、いったん中断させていただきます。つぎは午後からの開演になります。よろしくお願いします。
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- 42 : 2014/05/24(土) 12:18:51 :
- <再び、エメラルド城>
ジャン 「ち…く…しょう…」
ドカッ…!
ジャン 「ちくしょう!!!」
床を殴りつけるジャン。
「…おい。」
ジャン 「…は!?」
リヴァイ 「床が壊れるだろうが。」
ジャン 「リヴァイ…兵長…どこに…」
リヴァイ 「俺はまだ姿を見せられねぇからな。だが、お前のツラはよく見える。…しけたツラしてやがる。」
ジャン 「…はは…」
リヴァイ 「ミカサとは仲良くなれそうか?」
ジャン 「…はっ…無理ですよ、そんなの…」
リヴァイ 「まあ、ただの仲良しこよしになるだけじゃなく、一丁前な関係になるつもりなのかどうかは知らんが…」
ジャン 「///」
リヴァイ 「ガキはガキなりに…か。よし、どうせヒマだからな…」
ジャン 「…え…リヴァイ…兵…長…?」
ジャンの目の前に姿を現すリヴァイ。
リヴァイ 「…時間が無い、立て。」
ジャン 「…はい?」
リヴァイ 「…立て。少しだが、格闘術の基本を叩き込んでやる。」
ジャン 「はっ…はい!」
立ち上がるジャン。
リヴァイ 「…来い。」
ジャン 「…はい!」
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- 43 : 2014/05/24(土) 12:25:26 :
- アルミン 「ミカサのケガ、大したことなくて良かったね。」
エレン 「まったく、心配かけさせやがって…」
ミカサ 「…ジャン!?」
エメラルド城に戻った3人の目の前に、ボロボロになって肩で息をするジャンと、平然と立つリヴァイが…。
リヴァイ 「…まあ、一通りのことは教えたつもりだ。あとはてめぇでなんとかしろ。」
立ち去ってゆくリヴァイ。
ジャン 「…ミカサ…」
ミカサ 「ジャン、なに…なにがあったの?」
ジャン 「ケガは大丈夫か?」
アルミン 「ジャン、君の方こそケガを…」
ジャン 「大したことねぇよ。それより、行こうぜ。」
アルミン 「…行くって?」
ジャン 「西の国だよ。」
エルヴィン 「一行は、再び西の国へと向かいました。」
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- 44 : 2014/05/24(土) 12:36:40 :
- <西の国>
アニ 「…さて、誰がいく?」
前に出ようとするミカサを制し、前に進み出るジャン。
ジャン 「ミカサ、お前はあいつのそばにいろ。死に急ぎ野郎が、本当に死に急がねぇようにな。」
ミカサ 「…ジャン…」
アニ 「誰でもいいよ…あんたが相手かい?」
ジャン 「おお、いくぜ!」
ジャン (こんなことして、何になる?何の利益がオレにある?)
ジャン (そんなこと考えてるヒマあったら…)
ジャン (目の前にある敵に…向かっていけ!)
エルヴィン 「オズから、戦いの特訓を受けたライオンは、西の魔女と、互角の戦いを繰り広げました。」
アルミン 「リヴァイ兵長から特訓を!?あの短時間で、ここまで腕を上げるなんて…」
ベルトルト 「ライナー、僕たちもアニに加勢しないと…このままじゃ…」
ライナー 「ベルトルト…」
ベルトルト 「え?」
ライナー 「これはジャンの戦いだ。ジャンは今、何かしら殻を破ろうとしている…オレには、そうみえる。」
ベルトルト 「…ジャン…」
ジャン 「…くっ…」
エルヴィン 「ライオンは、あと1歩のところで、西の魔女に倒されてしまいました。」
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- 45 : 2014/05/24(土) 12:52:50 :
- アニ 「…ま、あんたにしちゃ、良くやったってとこだね…」
立ち去ろうとするアニ。
アニ 「…えっ!?」
エルヴィン 「ライオンは、西の魔女の足に、すがりつきました。」
ジャン 「…まだだ。」
アニ 「…あんたもしつこいね…」
ジャンの手を振り払おうとするアニ。しかし、ジャンは放さない。
ジャン 「…オレを…倒したら…次は…ミカサか…」
アニ 「…私は容赦しないよ。誰に対してもね。」
ジャン 「させねぇっ!!」
アニの足を、勢い良く引くジャン。
アニ 「えっ…ちょっと…」
床に倒れるアニ。
ジャン 「ミカサはっ…まだケガが治りきって…ねぇんだっ…なのにっあいつはっ…バカみてぇにっ…バカ野郎なあいつのためにっ…」
エルヴィン 「ライオンは、西の魔女を押し倒し…なぜかライオンにとって、おいしい展開へと発展しました。」
ジャン 「…はっ?おいしい展開?」
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- 47 : 2014/05/24(土) 13:06:39 :
- ジャン (…なんだ?右手に柔らかい感触が…)
ジャン 「」
アニ 「」
ジャン、思いっきりアニの胸をつかんでます…。
ジャン 「///あっ…いや…///」
アニ ピキ…
バシィッ!!!
エルヴィン 「西の魔女の強烈なビンタにより、ライオンは完全にノックアウトされました。
ベルトルト 「よしよし、次は僕がジャンを…」アイツメ…
ライナー 「待て、ベルトルト。…ジャンの勝ちだ。」
ベルトルト 「…ライナー…」
ライナー 「まさか、あそこまで根性のある男だとは思わなかったぜ。あいつも、あいつなりに成長してるんだろう。」
ベルトルト 「」
ライナー 「さ、アニも帰るぞ。」
アニ 「…そうだね。私もさすがに疲れたよ。」
アルミン 「ジャン、大丈夫か!?」
ジャン 「っ…てて…」
アルミン 「最後のビンタが、一番効いたみたいだね。」
ジャン 「ったく、最悪だ。」
ジャン (…でもねぇけど…)ムム
ミカサ 「…あの…ジャン…」
エルヴィン 「西の魔女に勝った一行は、エメラルド城へと戻りました。」
エレン 「ほら、急ぐぞ。」
アルミン 「うん…ジャン、歩けるかい?」
ミカサ 「」
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- 49 : 2014/05/24(土) 13:40:21 :
- <エメラルド城>
リヴァイ 「ほぉ、西の魔女を退治したのか。」
アルミン 「はい、リヴァ…オズ様。」
リヴァイ 「よし。じゃあさっさとドロシーをカンサスへ戻すか。」
エレン 「はい…。」
リヴァイ 「ま、話通りにいかなかったみてぇだが、それなりに収穫のあったやつも、いるみてぇだしな。」
ジャン 「」
「エレン。」
エレン 「クリスタ!?」
クリスタ 「私、南の国の魔女なの。エレン…いえ、ドロシー、東の魔女が履いていた靴のかかとを、打ち鳴らしてごらんなさい。」
エレン 「靴のかかと…」コウカ?
クリスタ 「ちがうわよ、エレン。」
エレン 「は?」
クリスタ 「ドロシーの靴の役は、ミカサでしょ。ミカサの力を借りて、ミカサと一緒に帰るのよ。」
エレン 「…ミカサと…」
ミカサ 「」
エレン 「…おい、ミカサ…」
ミカサ 「なに?」
エレン 「…その…何つうか…」
ミカサ 「…うん…」
エレン 「要はだな…オレにばっかりかまってねぇで、自分を自分でしっかり守れよな。オレはな、同期のやつらや、先輩方や、アルミンだって、傷ついたりする姿は見たくねぇけど…」
ミカサ 「」
エレン 「お前が傷つくところも…見てて…その…つらいと言うか…」
ミカサ 「…うん…」
エレン 「でもな…」
ミカサを抱き寄せるエレン。
エレン 「今はくっついてろよ。お前が居ねぇと、オレはカンサスへ戻れねぇんだからな。」
ミカサ 「…分かった…///」
ジャン 「…ちっ…」
アルミン 「ふふ…」ニコニコ。
エルヴィン 「ドロシーは、靴と一緒に、カンサスへと戻っていきました。」
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- 50 : 2014/05/24(土) 13:57:03 :
- <再び、エメラルド城>
リヴァイ 「…これで、俺の出番も終わったな…」
アルミン 「あの…リヴァイ兵長…お言葉ですが…」
リヴァイ 「なんだ。」
アルミン 「オズは…最後には全員の前に姿を現すんですが…」
リヴァイ 「いいだろ別に。俺が出ようが出まいが、結果は大して変わらん。」
アルミン 「…まぁ、そうですが…」
ジャン 「あの…リヴァイ兵長…」
リヴァイ 「なんだ。」
ジャン 「先程は…その…ありがとうございました…しかし…結局アニには勝てなくて…」
リヴァイ 「てめぇの望みは、そのアニって奴に勝つことじゃねぇだろ。」
ジャン 「…それは…」
リヴァイ 「ガキの恋愛事情に興味はねぇが、お前は筋がいい。せいぜい今日の特訓を、今後に活かすんだな。」
アルミン 「…ねぇ、ジャン。」
ジャン 「ん?」
アルミン 「僕たちも、カンサスに行ってみようよ。」
ジャン 「はぁ?そんなことできるわけ…」
エルヴィン 「オズが、自腹で交通費を払ってくれたので、かかしとライオンも、カンサスへと行くことができるようになりました。」
リヴァイ 「…ここは素直に、魔法を使うべきだと思うが…」
アルミン 「さ、行こう、ジャン。」
ジャン 「ああ。」
-
- 51 : 2014/05/24(土) 14:34:00 :
- <カンサス>
エレン 「はぁ…なんか、色々あったな…」
ミカサ 「…うん…」
エレン 「…いい加減、離れろよな…」
ミカサ 「…ごめん…」
エルヴィン 「ドロシーは、仔犬のトトと、感動の再会を果たしました。」
エレン 「トト、会いたかったぞ!」
エルヴィン 「カット!」
エレン 「えっ!?」
ミカサ 「!?」
エルヴィン ハァ…「エレン…俺を失望させないでくれ…」
エレン 「はい?」
エルヴィン 「トトとは、久方ぶりに再会したんだぞ。唯一無二の相棒と…もっと、もふもふ抱き抱きするべきじゃないのか、ドロシーよ。」
エレン (もふもふ…)
トト 「」
エレン (抱き抱き…)
エレン 「…トトぉぉぉっ!!!」モフモフモフ…
エレン (…おおっ…///)コレハ…
アルミン 「ミカサ!」
ミカサ 「アルミン、ジャン!」
アルミン 「僕たちも、来ちゃったよ。」
ジャン 「…何やってんだ、エレンは…」
エレン 「///」モヒュモヒュ…
ミカサ 「…あの…ジャン、さっきは…」
ジャン 「…あ?」
アルミン 「…ミカサ…」
ミカサ 「?」
アルミン 「あのね…」
ミカサに何やら耳打ちするアルミン。
ミカサ 「…やってみる。」
アルミン 「頑張って。」
ジャン 「?」
ミカサ 「…ジャン…」
ジャン 「なっ、なんだよ?」
ミカサ 「アルミンが…やれと言った…迷惑だったら、謝る。」
ジャン 「だから、なんだよ?」
ミカサ 「ジャン…ありが…とう…」
チュ。
ジャンの頬に、キスするミカサ。
ジャン 「へっ?」
ジャン (…えっと…これは…つまり…///)
ジャン、失神。
ミカサ 「ジャン!?」
アルミン 「ジャン、しっかりするんだ!」
ミカサ 「やっぱり、やめた方が…」
アルミン 「…いや、そうでもないみたいだよ…」
倒れるジャンの、幸せそうな表情をみて、微笑むアルミン。
エルヴィン 「こうして、ドロシーは仲間たちと共に、幸せに暮らしたのでした。」
-
- 52 : 2014/05/24(土) 14:43:19 :
- エルヴィン 「さあモブリット、幕を下ろすか…」
モブリット 「そうですね…」
ハンジ 「っかー、青春だねぇ!」
リヴァイ 「お前にとっては、太古の昔だな、クソメガネ。」
ハンジ 「それはお互い様ってやつだよ。」ヒヒ
モブリット 「…なんか…」
エルヴィン 「どうした?」
モブリット 「いつまでも見ていたい…そんな光景のような気がしますね。」
エルヴィン 「ああ。あの子たちは、今、人生で一番輝かしい時を生きているのだろう。」
ハンジ 「私たちにも、あったのかな、そんな時が。」
モブリット 「あったんでしょうね…」
リヴァイ 「どうでもいいが、今のあいつらにとっては、関係のないことだろうな。」
エルヴィン 「…さあ、幕を下ろそう…」
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- 53 : 2014/05/24(土) 14:52:51 :
- <閉幕後…>
エレン 「…あの…団長…」
エルヴィン 「なんだ。」
エレン 「今回使用した、小道具なんかは、どうするんですか?」
エルヴィン 「…そうだな、当分使うことは無いだろうから、倉庫にでもしまっておくつもりだが…」
エレン 「そうですか…」
エルヴィン 「まあ、倉庫のスペースにも限度があるしな。頃合いをみて、処分していくと思うが…」
エレン 「えっ…」
モブリット 「団長、ちょっといいですか?」
エルヴィン 「ああ、すぐに行く。エレン、もういいか?」
エレン 「あ、はい…」
エレンの前から立ち去るエルヴィン。エレンは1人、立ち尽くす。
トト役のぬいぐるみを、ふと、抱き上げる。
エレン 「」
トト「」
エレン 「」
トト 『…えりぇん…』
エレン 「…えっ?」
トト 「」
エレン (今…こいつ…しゃべった…?)
トト 「」
エレン (いや…そんなこと、あるはずない、か…)
エレン 「」
トト 「」
エレンは、そっとトトをマントの中に隠すと、旧本部へと戻っていった…。
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- 54 : 2014/05/24(土) 14:59:51 :
- …以上で、終了とさせていただきます。
次回の公演ですが、考えていた内容が、すでに他の方が書いているSSと重複する内容になっているので、
改めて、練り直したいと思います。
もしかしたら、今回のお話の、番外編を書くかもしれません。
ご来場いただいた皆様、コメントをくださった皆様、S席をご購入いただいた皆様、本当にありがとうございます。
では…。
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- 71 : 2015/12/20(日) 03:36:27 :
- 少しホラーだったな(´・ω・`)
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- 72 : 2015/12/20(日) 21:10:05 :
- >>71 名無しさん
最後までご鑑賞いただき、ありがとうございます。
ホラー…最後の、トトが喋るシーンの事でしょうか。
確かに、“えっ、喋っ…た…?”で終わるあたり、ちょっと怖いですね。
実はこのトト、別作品では、エレンの相棒として登場しています。
もしよろしければ、そちらもお願いします。
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- 73 : 2016/10/06(木) 22:25:20 :
- 俺もモフモフしてみたい・・・
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- 74 : 2016/10/13(木) 21:18:32 :
- >>73 名無しさん
最後までご鑑賞いただき、ありがとうございます。
あの…この名無しさんは、同じ日に他にもコメントをくださった方でよろしかったでしょうか…。
コメントの返事をここに統一させてもらいますね。
はい、トトの頭を…どうぞ
トト『うりゃっ、頭だぞぉっ!』
もっひゅもっひゅもっひゅもっひゅ…♪
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- 75 : 2018/11/05(月) 21:54:50 :
- 著者情報
- この作品はシリーズ作品です
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