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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

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ハンジ・ゾエの日常

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  1. 1 : : 2014/04/10(木) 08:55:32
    題名通り、ハンジ・ゾエの日常を追ってみます

    ネタバレは基本単行本+特典dvd

    エルヴィン・スミスの日常もぜひご賞味あれ
    http://www.ssnote.net/archives/12763
  2. 2 : : 2014/04/10(木) 08:55:56
    私はハンジ・ゾエ

    調査兵団に所属している、ぴっちぴちの女性分隊長
    私を一言で表すと・・・そうだなぁ・・・

    ≪クールビューティー≫

    これっきゃないでしょ?!

    ・・・ってどこがやねんて突っ込みしたそこの君、ちょっと実験してあげるから来なさい


    まあそんなわけで、女だてらにゲテモノ揃いの化け物揃い、変人揃いの調査兵団において、幹部として君臨してる私

    ・・・私が先陣を切ってゲテモノ化け物変人だって?

    「ほう、そんなに華麗に削がれたいんだな・・・
    ならばじっとしてろ・・・うまく削げねえだろうが?」

    なんつって!
    リヴァイ物まね似てるだろ?ふふふ

    私の立場、役職名でいうと、調査兵団第四分隊長・・・っていうんだ
    調査兵団の中で一番上が、団長ね
    その下が分隊長4人
    その下に班長8名

    そんな階級制度なんだ、調査兵団は

    ま、絶対的な人数が少ないから、立場の上下は多少あれど、普段は無礼講の様な事が多いね

    ほら、それを身を持って証明してくれる奴が来たよ?
  3. 3 : : 2014/04/10(木) 08:56:50
    「分隊長!!!」
    私の扉をノックもなくバーンと開く音
    それと共に聞こえてきた悲鳴の様な私を呼ぶ声

    これがかわいい黄色い声ならうれしくなっちゃうんだけど、低い声なんだよなぁ・・・

    「やあ、モブリット君。おはよう」

    ふわぁ・・・寝間着で布団にごろごろしながらあくびをした私

    そう、まだ着替えてないんだ、テヘ

    今何時かって?
    あー7時半だねぇ

    朝食は7時からだねぇ

    ・・・いっけね、また怒られる

    「おはよう・・・じゃないですよ!もうなんでいちいち毎朝起こしにこなくちゃいけないんですか?!ご自分で起きて着替えて下さいよ?!」

    寝間着姿でベッドで寝ている女性に、わぁわぁと捲し立てるこの男

    あ、紹介してなかったね、彼はモブリット・バーナー
    私の副官・・・てとこかな
    役職名としては、第四分隊副長、になる

    もうコンビとして5年以上一緒にいるわけだけど、ほぼ毎朝こうして怒られていたりするんだな、これが

    しかし、上官の部屋にノックもなく、朝っぱらからギャァスギャァスと喚き散らして・・・ね、無礼講だろ?

    ・・・それは私がきちんと起きないのが悪いって?
    まぁそうなんだけどさ

    なんとなく・・・なんだろ
    こうして毎朝呼びに来てもらってる方が、落ち着くんだよね

    ・・・ちょっと、じと目でこっちを見ないでよねw?
  4. 7 : : 2014/04/10(木) 09:16:38
    「モブリット・・・君さぁ、女性の部屋にノックもなく入ってくるかなぁ?もしお着替え中だったらどうするの?ねぇ?」

    ベッドから体を起こし、上目使いで不機嫌そうな副官の顔を見上げる

    さぁ、どんな反応が返ってくるかな?!

    「・・・別にあなたがお着替え中でも裸でも、何も気にしませんから私は」

    ってそう来たかw

    モブリットはますます不機嫌そうな顔になった
    ・・・怒らせるとかわいいのでもっとやってやるwうふふ

    「そうなんだね?じゃあぬ・が・せ・て」

    さぁさぁ、どうするモブリット?!

    「・・・」

    あらっ、何も言わないし、顔がすごーく怖い顔になったよ

    「って、こらこら!」

    モブリットはいきなり私の寝間着のボタンに手をかけて、ボタンをはずしていく

    「命令ですから、仕方がないですね」

    「じょ、冗談だってこらまて止めて?!うわぁ!」

    あわててベッドから飛び降りて難を逃れた私に放つ一言

    「じっとしていて下さいよ。うまくボタンがはずせないでしょうが・・・」

    「じっとしてろよ、うまくボタンが外せないだろうが・・だよ?モブリット」

    「さすがは分隊長、兵長物まねで右に出る者はいませんね」

    こっそり二人で練習していたリヴァイ物まね
    モブリットは、私にとって必要不可欠な存在なんだ
  5. 8 : : 2014/04/10(木) 10:08:39
    「まったくもう、きみはセクハラが好きだなぁ・・・仕方がない奴だよ」
    ぶちぶちと文句をいいながら、シャツのボタンを留める私

    「セクハラが好きなのはあなたでしょうが。ぬ が せ てなんて私に対するセクハラ発言ですよ?」
    モブリットは肩をすくめた

    「どうして?ラッキーじゃないか?朝から女の子に迫られて」
    いたずらっぽい笑みを浮かべてそういう私に、氷の様なつめたーい視線を送りつけるモブリット

    「そうですね、かわいい女性にそう言われたなら、ラッキーでしょうけれどね・・・はぁ~」
    そう言って、深いため息をついた

    私はついつい口をすぼめて言葉を発する
    「ちょっとぉ、聞き捨てならないな?まるで私が可愛くないみたいじゃないか?こんなに可愛いのに」

    そんな私の顔を見て首を傾げるモブリット
    「・・・あー、はいはい。可愛いです、とっても可愛い」

    「全然気持ちがこもってない気がするんだけど?」

    「そりゃそうですよ。こめてませんし」

    ・・・おい!

    ああ言えばこう言う男だなぁ・・・
    昔はもっと従順で素直だったのに・・・
    いったい何が彼をこんなに卑屈に変えたのか・・・

    えっ?私のせいだって?
    ・・・うーん、反論できないのが悔しい!
  6. 9 : : 2014/04/10(木) 10:23:16

    「とりあえず、そのぼっさぼさ頭をもう少し可愛くしましょうかね、ハンジさん」
    いつもの様に、髪を結わえてくれる副官殿

    それくらい自分でやればいいんだけど、まぁやってくれるので任せていたりする

    「可愛くなるの?」
    私の問い掛けに、遠くを見るような目をするモブリット

    「・・・まぁ、それなりには・・・」

    「なんだよそれ!可愛くしてよね!」

    「・・・善処します」

    モブリットはそう言うと、髪をいつもと違った結い方にしてくれた

    「おおっ、可愛い!」

    「ご自分で言いますか?それ」

    鏡に映る私の髪型、いつものハーフアップだけど、両サイドに一束ずつ、三つ編みが加わっていた


    「ありがとうモブリット!」
    後ろを振り返り、笑顔でお礼を言う私に、モブリットは

    「いいえ、どういたしまして」
    と、言ってほほ笑んでくれた
  7. 10 : : 2014/04/10(木) 10:47:16
    「今日の朝ご飯は何かなぁ♪」
    兵舎の廊下をスキップしながら、朝ご飯に想いを馳せる

    「ハンジ分隊長おはようございます!」

    「分隊長今日もご機嫌ですね!」

    通りすがりの全ての兵士達が、私に笑顔で挨拶をしてくれる

    私も自然と笑顔になる

    「おっはよー!ご機嫌だよ!」

    私ってもしかして、調査兵団のアイドルじゃないかな!?
    絶対そうだと思うんだ・・・むふふ

    えっ?勘違いも甚だしいって・・・?
    そんなことないもんね!

    「ねえモブリット、私って調査兵団のアイドル的存在だよね?」

    「はぁ?何世迷言おっしゃってるんですか?調査兵団の奇行種という二つ名ならお持ちですが」

    思い切り眉をひそめてそう言うモブリットに、私は憤慨する

    「調査兵団の奇行種ってなんだよ?!誰が言ってるんだよ!」

    「そんなの、調査兵団内だけではなくて、駐屯兵団内はおろか、一般市民にまで知れ渡っていますよ。あなたの奇行の数々は・・・」
    モブリットはそう言って、こめかみを指で押さえた

    「私がいつ奇行なんてしたんだよ?!」

    「ほぼ毎日やられてるじゃないですか?!ご自分で自覚が無いのがなお悪いですよ!」

    そしてまた私は副官殿に怒られたのだった・・・
  8. 44 : : 2014/04/11(金) 09:37:45
    兵舎の食堂に入ると、すでにたくさんの兵士たちが朝食に舌鼓を打っていた
    そこでも勿論私の人気はすごい
    もれなく全員が元気におはようございますと挨拶をしてくれる!

    ほらね、アイドルだろ?

    えっ?上官だから気を使って挨拶してるだけだって?
    ・・・真理を無駄についてるから腹が立つよ!


    座る席を探してうろうろしていると、突然足元に何かが引っ掛かった

    「・・・わわっ」
    思わずつんのめりそうになって、寸前で耐えた
    私の身体能力の凄さが、こんな所でも垣間見れただろ?

    えっ?ただ注意散漫なだけ?
    ・・・うるさいなあ、今日の外野は・・・

    「よう、クソメガネ。相変わらずおっせえな、お前」

    この口調で誰だか、もうお分かりだろうけど、一応名前を呼んでおこう

    「リヴァーイ!おっはよう!」
    食事中のリヴァイに、後ろから抱きついてみる・・・が、寸前で身をかわされた
    ・・・ちっすばしっこい奴めっ

    「おはようございます、リヴァイ兵長」
    モブリットはいつも通り、丁寧にお辞儀をしていた

    「ようモブリット。いつも奇行種の世話大変だな」
    モブリットの方を向いて、ぽんぽんと肩を叩くリヴァイ

    「本当に大変なんですよ、冗談じゃないんですよ、兵長助けて下さい」

    「嫌だ」

    悲痛なモブリットの頼みを、一言で突っぱねるリヴァイ
    鬼だな鬼、鬼畜の所業だ!

    えっ?大変な世話をさせてる私が一番悪いって?
    ・・・ねぇ、みんな今日私に風当り強くないかな・・・?すねちゃうよ、グスン
  9. 45 : : 2014/04/11(金) 09:56:43
    結局リヴァイの隣がごっそり席が空いていたので、座らせてもらう事にした

    「リヴァイは怖くて人気がないから、朝ご飯一緒に食べてくれるかわいい兵士がいないんだねぇ」
    さも気の毒そうに言葉をかける私

    リヴァイは鋭い視線を私に向ける
    「誰が怖くて人気が無い・・・だ。お前の方こそ誰もよってこねえじゃねえか」

    「いや、私はさっきから皆の視線を浴びまくっていたんだよ?挨拶だってみんなしてくれるしさぁ」

    そんな私をリヴァイが、ふんと鼻で笑った

    「お前は上官だから挨拶くらいはするだろうよ。俺だってされたさ。勘違いのバカメガネ」

    「勘違いじゃないさ!人気あるもん!ちび兵長!」

    「てめぇ・・・ちびって言いやがったな・・・?」

    「本当のことを言われからって怒るなよ小さいなぁリヴァイは。ま、背丈は小さいけどさぁ!あはは」

    私はそこまで言って気が付いた

    リヴァイの異様な雰囲気とともに、絡み付くような殺気が私を取り囲んでいる事に

    「てめぇ・・・もう許さねぇ・・・覚悟しやがれ」

    椅子を蹴り、立ち上がるリヴァイ
    拳をぼきぼきと鳴らしながら、じりじりと私に近づく

    「ちょ、ちょっと冗談だってばリヴァイ、まじで怖いんですけど!」
    身の危険を感じた私も、椅子を蹴り立ち上がった

    周りも異様な雰囲気を察したのか、自分のトレイを持って、遠巻きに様子をうかがい始めた

    そんな中、一人勇敢な男が・・・

    「ちょっと、兵長、分隊長!公衆の面前で喧嘩などおやめください!」

    モブリットは私たちの間にすっと入り込んできて、喧嘩を止めようとする

    「モブリット、退け・・・一発くらい殴らせろ」

    「ふん、殴れるもんなら殴ってみろ!ちび兵長!」

    「ハ、ハンジさん!?煽ってどうするんですかっ」

    売り言葉に買い言葉、ついつい煽ってしまう罪なわ・た・し

    そんな二人の上官の間に挟まれ、まるで生きた心地がしない、そんな顔のモブリット

    「ほんっとにおやめください!って・・・うわぁぁ!」

    モブリットの肩にポンと手を置いて、ひらりとジャンプするリヴァイと、同じことを考えていた私・・

    結果的に二人で同時に、モブリットに体当たりをかます結果となってしまった・・・
  10. 47 : : 2014/04/11(金) 10:14:12
    無残にも倒れる勇敢なる副官殿

    呆然と立ち尽くす私

    遠巻きに見る兵士たちから悲鳴が届く

    「モ、モブリット・・・」
    私は倒れたモブリットを、跪いて抱き起す

    完全に気を失っている、力の抜けたモブリットの体

    「大丈夫かよ?」
    リヴァイも跪いて顔色をうかがう

    「ただ落ちただけだと思うけど・・・」
    私は唐突に不安になって、モブリットの体をぎゅっと抱きしめた

    その体は温かくて、少しほっとした

    「とりあえず、医務室に連れて行ってやろう」

    「う、うん・・・」

    私とリヴァイは、二人でモブリットを医務室に連れて行くことにした

    あーあ、やっちまったなぁ・・・
  11. 50 : : 2014/04/11(金) 10:40:20
    モブリットをそのまま医務室で休ませておいて、私は仕事に向かう

    今日は待ちに待った巨人の観察DAYだ

    モブリットがいない代わりに、今日の制止役はケイジになった

    「分隊長、くれぐれも無茶なさいませんように・・・俺はモブリットさんみたいに命がけであなたをお止めしませんから、死んでもしりませんからね?!」

    「えーっ?私死ぬのぉ?」

    「だから、死なないようにご自分で配慮なさってくださいね!」

    ケイジのその言葉に、口をとがらせながらもうなずくしかなかった

    ・・・モブリット、早く元気になるといいなぁ・・・


    「おっはよおぉぉ!ソニィィィィビィィィィィン!」
    可愛いわが子にやっと会えた、そんな喜びで胸がいっぱいになる私

    ついつい我を忘れて、ソニーとビーン・・・生け捕りにした巨人・・・に駆け寄る

    「ちっ、近寄りすぎですって!分隊長!」

    ケイジの悲鳴が、はるか背後から聞こえる

    ・・・そんな遠くで制止ができるかよw

    と思いながらも止められないから非常にやりやすい
    私はあらゆる実験にチャレンジすることにした

    こういう時には口うるさいモブリットがいないことが、とっても楽だ

    モブリットは何をやるにも、それはだめ、それもだめ、あれもだめ、そんなのありえません・・・だもん

    えっ?さっき不安そうにぎゅっと抱きしめていたくせに、ほんとはさびしいんだろって?

    ・・・まぁ、さびしくないといえば、うそになるよ
    だって四六時中一緒にいたんだもん・・・

    でも、実験はやりやすいのだ!
  12. 51 : : 2014/04/11(金) 10:52:34
    「さぁ、ソニー、ビーン。今日はね、一緒にご飯を食べようとおもうんだ!君たちも何か食べるといい!私は食堂からパンを拝借してきたんだよ!一緒に食べよう!」

    私は自らパンをぱくっと加え、まずはソニーに歩み寄る

    「さぁ、ソニー・・・たーんとおあがり」
    そういって、パンをソニーの口へと運ぶ

    「ぶっ分隊長!近すぎます!」
    はるか遠くから聞こえてくるケイジの声は無視して、実験を進める

    「ソニー、こうやって食べるんだよ?むしゃ、むしゃ、こうね」
    私はパンを歯でかむしぐさを見せてやる

    ソニーは口を大きく広げた

    「おっ、食べるんだね!よしよしほら、どう・・・ぞっ!!!わわ!」

    ソニーはパンを食べようとした
    確かに食べようとした

    ・・・ただし、私の腕ごと

    「ハンジ分隊長!危険です!もっと離れてください!俺のところまで!」

    ケイジの叫び声に振り向く私

    「そんなところまで下がったら、ソニーの顔色すらうかがえないじゃないか?」

    そう言って、次はビーンに朝食を与えることにする


    「さ、お待たせビーン。君もおあがり」

    ビーンにもパンを差し出す

    ビーンは最初はきょとんとした、あどけないかわいらしい表情を見せていたが、やがて

    「うぅっぅ」
    とうめき声をあげはじめた

    「あら、美味しそうって言ってるんだね、かわいいなぁビーンは」
    私は口元を綻ばす

    ビーンは大きく口を開いた

    「さぁ、どうぞ召し上がれ・・・って!うわ!」
    私がビーンの口元まで寄ったとき、突然ビーンが暴れだした

    その大きく開いた口が、まさにガチンと私の頭を食いちぎる瞬間

    「もっと下がりなさい!分隊長!」
    マントをぐいっと後ろにひっぱられ、私はしりもちをついた

  13. 52 : : 2014/04/11(金) 11:07:25
    「まったくもう!貴女はなにをやってらっしゃるんですか?!死にますよ、ほんとに、いいんですね?!」
    現れてそうそう、私に暴言を捲し立てる・・・モブリット

    私の、忠実なる副官
    私の、パートナー

    「いや、死にたくはないよ、でもさぁ・・・」
    ぶちぶちと文句を言う私

    「でもさぁ・・・ではないんです。貴女には部下がたくさんいるんですよ?あなたがいなくなったら、みんなとっても困るんです。もう少し自重していただけませんか?」

    モブリットの真摯なまなざしと、諭すような口調に、ぐうの音もでない

    「うーん、朝食をね、上げようとしただけなんだ」

    項垂れるように、手に持ったパンをモブリットに指し示す私

    「はい、それはわかります。なぜ直接お手で上げようとなさいますか?棒か何かの先端につけて、口に入れればよろしいのでは」

    「・・・あ、そうか」

    ぽん、と手のひらでこぶしを叩くしぐさをする私

    「それくらいの事は考え付いていただきたいものですね」
    モブリットは肩をすくめた

    「あ、それと、もう大丈夫なの?その、さっきの」

    私はおずおずとモブリットの表情をうかがいながら言葉を発する

    「・・・ああ、大丈夫ですよ。医務室に運んでくださったそうで。ありがとうございます」
    自分は悪くないのに、頭を下げるモブリット

    「そっか、なら良かった」
    はにかんだような笑みを浮かべた私に、副官殿は眉をひそめる

    「危うく、殺されかけましたよ・・・まったく」

    「ご、ごめんねモブリット」

    私は副官殿の機嫌を直すべく、彼の頭をよしよしと撫でてやるのだった
  14. 81 : : 2014/04/14(月) 10:03:49
    それからの実験は、モブリットが真後ろで目を光らせていたから、無茶は全然出来なくなったんだけど、やっぱり私には無理やりにでも行動を諌めてくれる彼が必要なのかな、と思った

    ・・・あっ、本人には絶対に言わないから、内緒にしていてね?頼むよ?
    えっ?包み隠さずばらすって?・・・ほんとにやめてくれよ・・・

    だって、恥ずかしいじゃないか


    「さ、朝食は食べないことが判明しましたし、そろそろ次の任務に向かいましょう」

    モブリットの言葉に、ぶんぶんと首を振る私

    「やだ、まだソニーとビーンと一緒にいたい・・・」

    「団長に呼ばれているんでしょう?分隊長」

    「うん、だから行きたくない・・・」

    私は頬を膨らませた・・・だってどうせろくなこと言われないんだもん・・・

    モブリットははぁ、とため息をついた

    「今日は小言を言われるとは限らないじゃないですか?」

    「絶対今日も小言だよ・・・」
    私もため息をついた

    エルヴィンに呼び出される時は、たいていが苦情なんだ・・・
    たまに作戦についての相談をされたりもするんだけどね

    「小言を言われないように、生活態度を改めるという気持ちにはなりませんかね」

    飽きれた表情で私を見てくる副官殿に、恨めし気な目を向ける

    「だってさ、生活態度がきっちりした人なんて、私じゃなくなるじゃないか」

    「・・・もう少しくらい改める方がいいと思いますがねぇ・・・このままだと行けず後家確定ですよ、ハンジさん」

    「行けず後家?結婚できないってことかな?」
    私はきょとんとした

    「そうですよ、まああなたが家庭に入るなんて想像がまったくつきませんがね」

    モブリットは肩をすくめた

    「ひ、ひどいな!こんなのがいいっていう人だっているかもしれないじゃないか?!」

    「・・・それはどんな希少生物なのでしょうね・・・?」

    モブリットは眉をひそめてつぶやいた

    「ちょっと!希少生物ってなんだよ!ひでぇ!」

    「そう言われない様に、もう少し生活態度を考えてくださいよ、ハンジさん」

    副官殿の懇願するような言葉に、私はきっぱり・・・

    「それは、無理!」
    と言い放ち、ごちんとげんこつで頭を叩かれるのであった・・・

    私は一応上官だぞっ・・・!
  15. 82 : : 2014/04/14(月) 10:23:09
    ―団長室にて―

    「やぁ、ハンジ、モブリット」

    団長室に入ると、意外にも団長・・・エルヴィン・スミスは笑顔で機嫌が良さそうだった

    いや、エルヴィンは笑顔な時ほど、何かを企んでいる事が多いんだっ

    だから一瞬たりとも気が抜けない・・・


    「団長、こんにちは」

    モブリットはいつも通りの丁寧な敬礼をする

    「エルヴィン、何か用?」
    私は恐る恐るエルヴィンに尋ねた

    エルヴィンは、アラフォーな年齢だけど端整なルックスと、長身、色気のある声を持っている
    一見冷たそうに見えるブルーの瞳はいつも何かを追い求めていて遠くを見据えている

    そんなエルヴィンだから、女性にはとっても人気がある

    私も入った当初は憧れていないわけではなかったが、その人となりを知れば知るほどそら恐ろしくて・・・
    敵じゃなくてよかったと思うような、えげつない作戦をぽこぽこ考え出すわ、それを躊躇なく部下にやらせるわ・・・

    だが、この知略こそが今の調査兵団の要と言えた

    有事の長としては最適任の男だと思う

    私は何があろうと、エルヴィンについていこうと決めた

    たとえ理解できないことが多々あろうとも・・・

    私に見えない何かを見ていると思うからだ


    「ああ、ハンジ。実はな、新しい捕獲用機械の件なんだが・・・」
    エルヴィンが私に歩み寄り、小冊子を私に手渡した

    私はそれをぱらぱらとめくる

    後ろからモブリットがのぞいている

    「・・・おっ、いい感じにまとまってるね」

    「ああ、君が書いてくれた製図のおかげで、なんとか形になりそうだよ、ありがとう、ハンジ」

    エルヴィンはそういって、私の肩をぽんと叩いた

    エルヴィンに褒められた・・・きっと明日は槍が降る・・・

    私は素直にそう思った・・・





  16. 83 : : 2014/04/14(月) 10:31:18
    「そっか、よかったよ、製図が役に立って」
    私はそういって、笑顔になった

    褒められるのは素直にうれしいと受け止めておこう、うん

    「よかったですね、ハンジさん。製図は三日三晩不眠不休でがんばりましたもんね」

    モブリットが後ろから嬉しそうに声をあげた

    「・・・お前はまた徹夜をしたのか・・・ちゃんと休まなければだめだぞ、ハンジ」

    エルヴィンが諌めるような口調で私に言った

    「だってさぁ・・・気になっちゃうと夜も眠れないんだもん・・・」

    私は口を尖らせた

    「いいか、ハンジ。君が無茶をすると、それに付き合う部下にも無茶をさせているんだということを理解しなさい。どうせモブリットもずっとその徹夜に付き合っていたんだろう?」

    エルヴィンの言葉に、モブリットがうなずき、言いにくそうに口を開く

    「・・・はい。それはもちろん、ハンジさんだけに押し付けるわけにはいきませんから」

    「私は何度も休めって言ったのに、やすまないモブリットが悪いと思う!」

    私のその言葉に、エルヴィンが眉をひそめた

    「こらハンジ、部下というのは上司をほったらかしで寝るようにできてないんだ。特にモブリットの様な忠犬・・・いや忠実な副官はな。だからお前がもう少し気を使ってやりなさい」

    ・・・ほら、結局小言になっちゃった・・・ションボリ

    「ちゅ、忠犬・・・?」
    モブリットが複雑そうな表情でつぶやいた

    「・・・すまんモブリット、言葉のあやだ」

    エルヴィンはそう言ったが、実は兵団内ではモブリットは、ハンジ分隊長の忠犬として名高かったりするんだ・・・

    なんだかごめんね、モブリット

  17. 98 : : 2014/04/15(火) 09:25:25
    「いやぁ、よかったよかった!今日はあまり怒られずにすんだよ!モブリット!」

    私はとてもご機嫌で、隣を歩く副官殿に声をかけた

    「・・・忠犬・・・忠犬?」

    モブリットは先ほどからずっと、その言葉を繰り返していた
    そんなに気に入っちゃったのかな?

    ・・・なわけないか

    「もう、いい加減すねるのやめなよ、モブリット」
    私はよしよしと、落ち込む副官殿の頭を撫でてやった

    「はっ!それですよ!だめです私をかわいがらないでください!」

    モブリットは私の手を振り払って後ずさりした

    「な、何言ってるの?モブリット」

    「人前で頭なんて撫でられてるから、忠犬などと言われてしまうんですよ!きっと!」

    大声でそう言うモブリットに、私は苦笑する

    「ん、まあそうかもしれないけどさ、別にいいじゃない、忠犬て言われたって」

    「・・・嫌ですよ、影でそんなことを言われているのは」
    憮然とした表情のモブリット

    「でもさ・・・私は犬が好きだよ?」
    そんな彼の顔をのぞきながら、笑みを浮かべて言った

    「・・・いや、だから何なんですか?!」
    モブリットは急に顔を赤く染めた

    「私はお嫁に行くなら、かわいい犬のところがいいなぁ」
    そういう私に、副官殿は・・・

    「犬が迷惑がりますよ、きっと」

    顔をそむけて、そう言った

    「いいや、絶対喜ぶね!私のしってる忠犬なら、尻尾を振って喜ぶね!」

    私は頬を膨らませて抗議した

    「そんな希少価値の高い犬なんてどこにもいませんよ!」

    「・・・ここに、いるじゃないか」
    私はそう言って、顔を真っ赤に染めたかわいい忠犬モブ公?の頭をよしよしと撫でてやった

    「・・・私は尻尾なんて、振りませんからね・・・?」

    「はいはい、わかったわかった、かわいい忠犬君」

    「忠犬じゃないのに・・・」

    そう言いながらもおとなしく頭を撫でられているあたり、やはりかわいい忠犬であることは間違いはなさそうだ
  18. 99 : : 2014/04/15(火) 09:57:01

    「では、私は買い出しに行ってきますから、ハンジさんはこの書類をきちんと処理していて下さいね?」

    執務室に戻ると、問答無用で机に向かわされた

    私は一番この事務処理が嫌い・・・
    ただじっと座っているのが退屈なんだ

    でも、ちゃんとやらなきゃ後ですごーく怒られるから、我慢しなきゃ・・・

    「ねぇモブリット君・・・」

    私は上目使いで、甘えたような声を出してみた

    「なんですか?分隊長」
    私のそんな表情に、顔色一つ変えずに対応するモブリット

    「買い出し行ってあげるからさ・・・事務処理やってほしいな・・・?だめ?」

    「ダメです」

    「えーっ」

    私は頬を膨らませた

    「それはあなたが裁断せねばならない書類ばかりなんです。その他の書類に関しては、私が全て処理済みなので・・・お願いしますね」

    そっか、モブリットはすでにすべての書類に目を通していたって事か・・・
    どうしてこう、抜け目がないんだろうね、この副官殿は

    「わかったよ、頑張っておくね」

    私のその言葉に、モブリットは頷いた

    「頑張っていて下さいね。何か・・・美味しいものでも買ってきて差し上げますから」

    「ほんと!やったね!チョコレートがいいなぁチョコレート!」

    喜ぶ私にちらりと目をやりながら、副官殿は口を開く

    「・・・わかりました。そのかわり、しっかり終わらせていなければお預けですからね」

    「はーい!了解!忠犬殿!」

    「・・・まだそれいいますか?!・・・まあいいです、行ってきますね、分隊長」

    憮然とした表情のモブリットは、そのまま部屋を出て行った


  19. 107 : : 2014/04/16(水) 10:28:36
    忠犬モブ公が部屋を出た後、私は一人部屋でぽつんと取り残された

    うーん、なんだか寂しいなぁ

    あそぼっかな

    何しよっかな!?


    え?仕事しろって?チョコもらえないぞって?

    ・・・ああ、今日の外野に私の味方はいないのか・・・


    まあ、チョコのためだし今日は真面目に仕事してやろうか

    モブリットが驚くほどのスピードで仕事を片付けて、チョコレート以上の何かをねだってみようかな?!


    何をねだるかって?

    ・・・うーん、内緒w

    そうと決まれば話は早い!

    さっさと仕事を片付けちゃうぞ!!


    私は真面目に机の書類に目を通す

    読んでいると結構面白い事象が多々ある

    こんな要望書があったよ


    『エルヴィン団長が地毛なのかヅラなのか、確認するための作戦部隊を作ってください』


    おいおいw
    思わず吹いてしまったw

    というか、私の裁断なんていらないじゃないか、モブリット・・・
    後でつっこんでやろっとw

    私はその書類に了承!というサインと供に、私のハンコをぺたっと押す

    そんなの了承するのかって?

    ・・・当たり前じゃないか!真面目に仕事ばかりしてたら、辟易しちゃうだろ?兵士たちも

    たまにはお遊びも必要なのさ!

    エルヴィンには内緒だよ・・・w
  20. 108 : : 2014/04/16(水) 10:38:28
    そのままさらさらっと書類に目を通し、いつの間にか一時間みっちり書類の処理に明け暮れていた

    ・・・やればできるじゃないか、私えらい

    殆どの書類の処理を終えた

    あと残り数枚・・・といったところで、こんこんと扉がノックされた


    モブリットかな・・・と思ったら、違う声が外から聞こえた

    「ナナバだけど、入っていいかな?」

    「あ、どうぞー」
    私は元気よく声を出して、ナナバを招き入れた

    入ってきたナナバは相変わらずの美男っぷり

    なんでこんなにきれいな顔してるんだろうね

    しかも強い・・・

    私も初めてナナバを見たときには、危うく惚れそうになったほどだ


    天はニ物を与えすぎだろ?


    あっ、そうそう、ナナバは美男じゃなかった、美女ね美女

    彼女は女だけど、実際同性にも異性にももてちゃう困った人なんだ
  21. 109 : : 2014/04/16(水) 10:38:56
    「あっ、仕事中だった?ごめんねハンジ。今大丈夫?」

    「ああ、大丈夫だよ、ナナバ。どうしたの?」

    「相談があってさ・・・ほら、見てよ・・・」


    ナナバが私に見せたのは、数枚の手紙

    目を通した私は、じと目でナナバを見る

    「・・・全部ラブレターじゃないか。相談てなんだよ?自慢なんだね?そうだろ?」

    「違うよ、困ってるんだよ。男二人に女の子8人・・・どうやって処理すればいいのか・・・」

    ナナバはため息を漏らした

    「し、知らないよ・・・全員手紙で断ればいいじゃないか・・・」

    ナナバはこうやって、たまに私のところに相談に訪れる

    ・・・自慢にしか見えないんだけど

    でもね、自慢なんてする性格じゃないんだな、ナナバは

    真面目でまっすぐで・・・だから本当に悩んでいるんだとは思う

  22. 110 : : 2014/04/16(水) 10:49:16

    「手紙で返事はだめなの?」
    私は真剣に相談に乗ってやることにした

    「・・・ほぼ全部、時間と場所が指定されてるんだ・・・しかもさ、行けない時間だってある」

    「行ける時間は行ってあげて、行けない時間の子には、手紙で返事をしたらどう?」

    「手紙かぁ・・・苦手なんだよね・・・」

    ナナバははぁ、とため息をついた

    確かに直接言わなければ伝わらないことってある

    特にこういう恋愛関係ってのは、ちょっとしたニュアンスの取り違えが、トラブルの元になったりするしね


    「ナナバは真面目に考えすぎなんじゃないの?さらっと振ってやったらいいのに」

    「…駄目だよハンジ、だってさ、ほとんどが調査兵団の子たちだよ・・・?さらっと振ってさらっと死なれたら困るよ・・・」

    なるほどね、確かに・・・ナナバを追いかけるのを生きる希望にしている子だって、いるかもしれないしね

    「手っ取り早いのはさ・・・誰かと付き合っちゃうことだよ、ナナバ」

    「・・・そ、そっか!!それか!その手があったか!」

    「うんうん、そうしなよ。で、誰と付き合うの?!気になるなぁ!」


    私は目をきらっきら輝かせて、立ち上がり、ナナバの手を握った
  23. 111 : : 2014/04/16(水) 10:50:02
    「ハンジ!付き合ってください!」

    ナナバが私の手を握り返してそう言った

    「・・・は?!」

    「ハンジ、付き合って!」

    「・・・え?私女・・・」

    私は眉をひそめた

    「大丈夫だよ、見た目ではわからない、ハンジは男かもしれないって言われてるし、うん」

    「私は女!一緒に風呂だって入ったことあるよね?ついてるし、ついてない!」

    私は必死に説得した

    だが、ナナバは私の手を離そうとはしない


    「ハンジは私のことが、嫌いなの・・・?」

    悲しげな表情で、私を見てくる・・・くっ思わず見入ってしまう美しさだ・・・

    「いや、嫌いじゃないけどさ・・・むしろ好きだけどさ・・・」

    「だよね?じゃあ付き合っちゃおう」

    「性別に問題が・・・」

    私はぼそっとつぶやいた

  24. 112 : : 2014/04/16(水) 10:58:45

    「性別なんて私は気にしない!」

    ナナバはそういうと、私をぎゅっと抱きしめた

    ・・・ちょっと、ちょっと・・・

    柔らかいナナバの髪が、私の頬をなでて、くすぐったい

    「ハンジ大好き!」

    「・・・うん、私もナナバが大好きだよ」


    その時、私の部屋の扉がノックされ、かちゃりと開いた


    「ただいまもどりまし・・・たっ?」

    扉を開いたまま硬直する・・・忠犬殿

    みるみるうちに、顔が真っ赤になる、忠犬殿


    「あっ、モブリット、こんにちは!」
    ナナバは私を抱く腕をほどき、モブリットに駆け寄った


    そして、今度はモブリットにその腕をからませる

    「やっぱりこっちにしようかなー?」

    「な、なんの話ですか?」

    ますます顔を赤くする忠犬殿に、なんとなく腹が立つ私


    「・・・そっちにしたらいいんじゃないかな?!」

    ふん、と鼻を鳴らして執務椅子にどっかり腰を下ろした


    「あれえ、ハンジが怒ってる。やきもちかなー、どっちにやきもちやいてるのかなー」

    ナナバがにやにやと、顔に笑みを浮かべる

    そのにやにやすらもなんだか艶っぽくて・・・どうしようもない

    「どっちにも妬いてないよ!」

    「だ、だからいったい何の話なんですか?!」

    真っ赤になりながらも状況を把握しようと、必死のモブリットは叫び声の様な声を上げた




  25. 113 : : 2014/04/16(水) 11:12:48
    な、なるほど、そういう事でしたか・・・」

    モブリットは顔を真っ赤にしながらも、納得したように頷いた

    「ハンジが誰かと付き合えばいいっていうから、最初はハンジと付き合おうと思ってさ・・・そしたら、ハンジが性別に問題があるなんてけちくさいこというから・・・」

    ナナバは口を尖らせた


    「だから、次に君が部屋に入ってきたからさ・・・君にしようとおもったわけ。いいよね?モブリット」

    ナナバはモブリットに腕をからませたままそう言った


    「いいよねって、何がですか?!」

    「付き合う話だけど?」

    ナナバはいたずらっぽい笑みをモブリットに向けて、鈴の鳴るような声でそう言った


    「誰と、誰が付き合うんですか?」

    「私と、君だよ、モブリット。何?私に不服でもある?」


    「いや、不服とかそういう問題ではなくてですね・・・なんで私なんですか?!」

    モブリットはまた悲鳴の様な声を上げた
  26. 114 : : 2014/04/16(水) 11:14:17
    「なんでって、たまたま部屋に入ってきたから…タイミング的に・・・それに、君は真面目だし、仕事熱心だし」

    「たまたまって・・・!!というかですね、無理ですよ、ナナバさんとなんて!全男を敵に回すようなものです!」

    きっぱりそう言い切るモブリットに、食ってかかるナナバ

    「全男を敵に回してよ・・・?!って、もしかして他に好きな人でもいるの・・・?」


    ナナバのその言葉を遮るように、私はついつい声を上げる

    「付き合えばいいんじゃないかな?結構お似合いだと思うよ。うん!モブリット、全男を敵に回して頑張れ!じゃぁね」


    私はそう言って、部屋を飛び出した

  27. 115 : : 2014/04/16(水) 11:23:47
    廊下をあてもなく歩く、
    いつの間にか兵舎の門のところまで来てた


    確かに、正直お似合いだと思う

    ナナバは美人だし、誰でもナナバに付き合ってなんて言われたら、悪い気はしないだろう
    私だって性別が男だったら、即OKしたもんね

    モブリットだって、悪くないよ
    機転がすごくきくし、私以外の女性にはとっても優しいし、きっと良いパートナーになるはず

    そう、私以外には優しいんだ

    もし二人が本当に付き合って、結婚するとなったら、私は仲人になるのかな?

    私が最初に誰かと付き合っちゃえばいい・・・って言ったことが始まりだもんね


    えっ?仲人は結婚してなきゃできないって?

    ・・・そっか、行けず後家な私には無縁だよね・・・はは


    はぁ、なんだかため息が出た

    なんでこんなに沈まなきゃいけないのか

    自分で自分がわからない


    仕事頑張ったのに・・・チョコレートもらうの忘れてたな・・・

    でも正直、今はあの部屋に帰りたくない

    何でだろうね


  28. 116 : : 2014/04/16(水) 11:34:11
    の時、誰かが私の肩をポンとたたいた

    振り向くと、背の高い男が立っていた

    「ミケ・・・」

    私と同じ階級の、ミケ・ザカリアス

    ナナバの直属の上司だ

    「なんだ珍しく元気がないな・・・ハンジ」

    「うーん、そうかな?そうでもないよ」

    にかっと笑みを作ってみたら、ミケはスンと鼻をならした

    「可愛くない笑い方だな・・・」

    「どうせ可愛くないですよーだ。年増のおばさんだしね」

    私はミケの言葉に、口を尖らせた


    「俺はそんな事は言ってない。無理して笑っているから可愛くないといったんだ」

    「・・・そっか」

    私はため息をついた
  29. 117 : : 2014/04/16(水) 11:35:54
    「ナナバが行かなかったか?お前の部屋に」

    「…来たよ。で、うちの忠犬殿と付き合うことにしたみたい」

    ふん、と私は鼻を鳴らした


    「・・・ハンジお前、本気でそう言ってるのか?」

    ミケが何故かじと目で私を見てそう言った

    「本気だよ?だって見たもん。ナナバがそう言ったのを」

    「・・・いや、そうかもしれんが・・・」

    ミケは言葉を濁した


    「なんだよ?言いたいことがあるならはっきり言ってよね?」

    ミケに食ってかかる私


    「・・・ナナバはな、お前を何とかくっつけさせてやる!って出て行ったんだが・・・」

    「・・・え?」

    私はハトがマメを食らったような顔をした


    「ラブレターをたくさんもらったという話をしにきたんだけど?ナナバは」

    「まあ、それは本当なんだが、それは口実だ」

    「ど、どういう事?」

    私は頭の中が?だらけになった

    「ま、それは俺が説明するべきじゃないだろうな・・・説明すべき人物が来たようだ。じゃ、またな」

    ミケはそう言い残して、去って行った

    入れ替わるように現れたのは・・・私の副官殿だった




  30. 118 : : 2014/04/16(水) 11:46:04
    「ハ、ハンジさん、どうして急に部屋を出て行かれるんですか?!」

    はぁはぁと肩で息をしながら、捲し立てる様に言葉を発するモブリット


    私はついつい、目をそらす

    「・・・見たくなかったから」

    「何を・・・ですか?」

    モブリットの問いに、恐る恐る視線を彼に向ける


    ・・・驚くほどに真摯なまなざしが、私の顔に向けられていた

    「・・・ナナバと仲良しの、君を見ていたくなかったから」

    私はいたたまれなくなって、視線を地面に落とした


    「・・・ハンジさん。部屋に戻りましょう」

    モブリットはそういうと私の手を握りしめ、半分引きずるように、私を部屋に連れて行った
  31. 127 : : 2014/04/17(木) 10:15:29
    部屋に戻ると、そこにはナナバはもういなかった

    モブリットは私をソファに座らせて、炊事場に消えた


    しばらくすると、いい匂いのする紅茶を淹れて持ってきた

    「ハンジさん、どうぞ」

    私の前に紅茶をすっと差し出す


    「ありがとう」

    私は一口それをすすった

    とってもリラックスする、いい香が体に染み渡った気がした

    「それ、兵長がくれたんですよ、おすすめだそうで」

    そういってふんわりと笑顔を浮かべるモブリット

    そうか、私はこの笑顔が好きなんだ・・・

    それを、再確認した


    「ハンジさん、書類の処理、ほぼすべて終わらせていましたね、ご苦労様です。あと数枚は、一緒にやりましょうね」

    そう言って差し出す手のひら大の巾着袋

    中を開けると、個包装されたチョコレートがたくさん入っていた

    「チョコレートだ」

    私は目を輝かせた


    モブリットは、私の向かい側のソファに腰を下ろす

    「・・・あなたは私を忠犬だとおっしゃいましたが・・・」

    「・・・うん」

    「・・・食べ物をもらって機嫌を直すあなたの方が、よっぽど犬のようですよ?ハンジさん」

    そういって、またふんわりと笑うモブリット



    憎まれ口の一つでも叩きたいのに、私の口が言うことを聞かない

    私は、何も言い返せなかった
  32. 128 : : 2014/04/17(木) 10:28:24
    「食べないんですか?分隊長」

    チョコレートの袋を握りしめたまま動かなかった私を心配したのか、少し眉をひそめて私を見るモブリット


    その視線は温かく優しい、いつもの副官殿

    そう、モブリットは私にだって、優しいんだった

    それが当たり前になりすぎていて、つい、忘れてしまっていた


    私は無言で、チョコレートを一つつまんで包み紙を取り除く

    甘くて、苦い、なんだか今の私の心の中の様な、そんな匂いがした

    ぱくっと口の中に入れると、ほろ苦い甘さがとろける様に、広がった

    「美味しい・・・」

    そう言った私に、副官殿はまたふんわりと笑って

    「良かったです、喜んでいただけて」

    優しくそう言ったのだった


    「ナナバは、君と付き合うっていうのは冗談・・・だったみたいだね」

    私はぼそっと呟く様に言った

    「そうですよ、当たり前じゃないですか?」

    モブリットのあきれたような口調に、少し腹が立った

    「だって、わからないじゃないか?誰だってナナバにああいわれたらなびくだろうし・・・」

    私は口を尖らせた

    「・・・私がそういう男に見えますか?分隊長」

    「だって、顔が真っ赤だったじゃないか」

    「それは、誰だってどきっとしますよ?突然あんなことをされては・・・でもそこまでですよ?」

    モブリットは苦笑した


  33. 129 : : 2014/04/17(木) 10:45:15
    「でも・・・」


    まだ何かを言おうとする私の言葉を遮るように、モブリットはチョコを私の口に押し込む

    「もう、いいんですよ、ハンジさん。食べて機嫌を直してください」

    「・・・そんなことで機嫌なんか直らないよ、子どもじゃあるまいし」

    口の中に押し込まれたチョコを平らげて、私はまた口を尖らせた


    「あなたは子どもみたいですし・・・」

    そう言うモブリットの口に、今度は私がチョコを押し込む

    「子どもじゃないよ、大人だ」

    ふん、と鼻を鳴らす私

    「・・・はいはい、大人ですね、大人」



    「うん、大人、だから・・・大人のご褒美を、ちょうだい?」



    私がさっきいってた、チョコ以上の何か

    チョコより甘い、ご褒美

    今まで一度だってねだったことがなかった・・・けど、雰囲気まかせにねだってみる

    何の事を言っているのか、副官殿にはわかるかな?

    私のその言葉を聞いた副官殿は、一瞬大きく目を見開いた

    でも、そのあとの行動は迅速だった


    すぐに私の隣に座って、私の頬を撫でる

    くすぐったい感覚が、耳にまで届く


    その感覚に思わず目を閉じたとき、甘いご褒美が私の唇に落とされた




  34. 130 : : 2014/04/17(木) 11:05:05

    唇が離されると、間髪入れずに耳元でささやく副官殿

    「さて、子どものご褒美はここまでですが、大人のご褒美は、どうされますか?分隊長」

    耳にかかるかすかな吐息に、背筋がびくっと震える


    副官殿の手は私の頬を撫でている

    空いたもう一方の手は・・・

    すでに私の兵服の胸のベルトを外すべく行動を開始していた


    「・・・どうされますかって・・・もう、君の手が動いているんだけど・・・?気のせいかな」

    「手が私の言う事を聞かずに勝手に・・・ベルトって邪魔ですね・・・」

    「・・・手が言うことを聞かないって、うそつき」

    うそぶく副官殿に、抗議の声を出す私


    すると、また甘いご褒美が唇に落とされた


    「・・・あなたはチョコを食べて、黙っていて下さい」

    口移しで食べさせられたチョコは、ほんのり溶けていてより一層ほろ苦かった
  35. 139 : : 2014/04/18(金) 09:50:22
    私の胸のベルトを外した副官殿の手は、今度は自分の兵服の胸のベルトを外した

    「ね、ねえ・・・あの書類の中に面白いのが・・・んっ」

    私には、しゃべらせないつもりなのか・・・またしても口を塞がれた

    チョコの味がする、甘いくちづけ


    「書類の話は、後でゆっくり、聞きます」

    そう、耳元で吐息交じりにささやかれ、そのささやいた唇が首筋に落とされたその瞬間


    私の体は完全に、力が抜けてしまった


    副官殿の指が、唇が、私の体に触れる感覚・・・それがくすぐったさから、違う何かに変わってゆくのに、さして時間はかからなかった

  36. 140 : : 2014/04/18(金) 10:05:04
    「昼間から・・・しかも、勤務時間中に・・・やってしまいました。貴女のせいです」

    ぶちぶちと文句を言いながら、私の兵服のブラウスのボタンをはめている副官殿

    私は、先ほどの行為のせいで、まったく体に力が入らなかった

    「私のせいって・・・何で?私のせいじゃないよ」

    私は未だほてりが収まらない顔を、けだるげに副官殿に向けていた


    「貴女が、大人のご褒美、だなんて言うから・・・じゃないですか」

    「私は、キスをしてほしかった、だけなのに」

    「・・・・・・・・」

    今度は真っ赤になるのは、副官殿の番だった


    「モブリットの早とちり」

    「・・・さすがに、何も言い返せません」

    「・・・ははっ」

    私はそんな副官殿の様子に、思わず笑ってしまった


    「ま、いいじゃない、たまにはね」
    私はいたずらっぽい笑みを浮かべた

    「もう、しませんよ、しませんから!」

    副官殿は顔を真っ赤にして首を横に振った

    「わからないなぁ・・・モブリットは誘えばいつでもやりそうだしねえ・・・」

    「な、な、な、何を・・・!誘わないでくださいよ!」


    「ふふ・・・そんなの、わかんないよ」
    私はそう言って、服を着せてくれた忠実な副官殿に、抱きついて、頬を寄せたのだった


  37. 147 : : 2014/04/19(土) 08:07:00
    おはようございます(^_^)
    >>136、エルヴィン団長…
    わ~…うれしいなぁ…(棒)
    続き、期待してます♪
  38. 151 : : 2014/04/21(月) 09:48:48
    「モブリット、ほら見てよ、これさ・・・ふふ」
    着替えを済ませ、執務机に腰を据えた私は、横に立つ副官殿に一枚の紙を見せた

    「ちょ、ちょっとこれは・・・」
    モブリットは苦笑したつもりが、思わずぷぷっと噴出してしまう

    「エルヴィンが地毛なのかヅラなのか確認したいから、班作れってふふふ」

    「って、ハンジさん、了承印押してるし!!」

    「だって、面白そうじゃないか」

    私はふふっと不敵な笑みを浮かべた

    「面白そうって・・・団長の髪は地毛ですよっ」
    モブリットが悲鳴の様な声を上げた

    「え、何で知ってるの?」
    私はきょとんとした

    「何度も風呂で一緒になってますし、こう、がし、がしと洗ってらっしゃるのもお見かけしてますし!」
    モブリットは必至にエルヴィンの名誉を挽回しようとしていた

    「今のヅラはさ、ぴったりくっついて、あたかも地毛であるかのように見せられるそうだよ?だから、わかんないよ。風呂で頭洗ったくらいでは取れないかもしれないし・・・ぷぷぅ」
    私はは面白い事を見つけた子どもの様に笑った

    「そ、そんな事をおっしゃったら、みんなヅラかもしれないじゃないですか?!」

    「エルヴィンは生え際がおかしいと思う!」


    「・・・・ほう、誰の生え際がおかしいのかな・・・」

    その時微かに開いた扉の向こうから、すごぶる殺気と剣呑な声色が部屋全体を包み込むように流れてきた

    「え・え・え・え・えエルヴィン!!!いつの間に!?」

    私は、部屋の扉を開けて入ってきた人物からなるべく離れる様に、窓際に後ずさった


    「ハンジ・・・お前はお仕置きだ・・・きたまえ」

    「やだやだ、絶対やだ!!」

    相対する団長と分隊長

    じりじりと壁際にハンジを追い詰めるエルヴィン

    顔を真っ青にしながらも、逃げ場を模索しようと視線だけを動かす私

    そして、またもや間に入らされる、副官殿

    「ちょっと、お二人とも?!おやめください!団長と分隊長ともあろうお方が・・・わぁっ!!」

    エルヴィンがハンジにとびかかると同時に、s私はモブリットの体を盾に逃れようとする

    その結果・・・

    モブリットはまたしても、医務室行きになってしまったのであった

  39. 152 : : 2014/04/21(月) 10:03:04
    医務室にて・・・

    「うわあん、ごめんねモブリット・・・またやっちゃったよ・・・」
    医務室のベットに力なく横たわるモブリットの手を握りしめ、泣きそうになっている私

    「・・・ハンジ分隊長・・・いったい一日に何度副官を医務室に連れ込むおつもりですか」
    医務室の医師が、顔をしかめてそう言った

    「ん?連れ込むとは?これが初めてじゃないのか」

    「はい、朝いちばんに一度意識を失ったモブリットさんを連れてこられていますね・・・その時は兵士長とご一緒でしたが」

    「ハンジ…お前・・・」

    エルヴィンはじと目で私を見た

    「だって、君たちが悪いんじゃないか・・・私に乱暴ばかり働くから・・・私はか弱い女の子なのにさ・・・」

    「だれが、か弱い女の子だ。お前がいらないことばかりするから悪いんだろう。反省したまえ」
    エルヴィンはそう言い残して医務室を後にした



    「先生・・・モブリットは大丈夫かな、一日に二回も落としちゃった・・・」

    私の心配そうな様子をよそに、医師はふん、と鼻を鳴らした

    「そんなに大事な方なのなら、もう少し扱いを考えてさしあげてはいかがですかね」

    「・・・気を付けるよ、うん」
    私はモブリットの額をそっと撫でながらそう言った


    しばらくすると、モブリットはぱちりと目を覚ました

    「ぶ・・・分隊長」

    「モブリット!良かった目が覚めたんだね!」

    私は思わずモブリットに抱きついた

    「二回も、あなたに殺されかけました」
    モブリットは抱きつく私の背中をぽんぽんとたたきながら、苦笑気味につぶやいた


    「ご、ごめんね・・・お詫びに・・・」

    私はそう言って、唐突にモブリットの唇を奪う

    そして、力が抜けたときを見計らって、その口にチョコを投入する

    「ぶ、分隊長・・・」
    副官殿は真っ赤になった

    「美味しい?」

    「・・・・・・・そういう事は、部屋でやっていただけませんかね!お二人とも」

    背後に仁王立ちをする医師の冷たい視線を背に、部屋にもどる私たちであった


  40. 153 : : 2014/04/21(月) 10:40:27

    部屋に戻った私たちは、ほんの少し顔を赤くした状態で、全ての書類の処理を終えた

    「はぁ!よく頑張ったなぁ私!いつの間にかこんな時間・・・夕焼けがきれいだ」

    私は窓の外にちらりと目をやり、そうつぶやいた

    「分隊長、お疲れ様でした。今日は早く仕事が済みましたね。やる気になればできるんですよ、貴女は」
    そういって、モブリットはほほ笑みを浮かべた


    「ねえねえ、ご褒美してほしいな」

    「・・・またですか・・・まさか、味をしめたんじゃないでしょうね・・・」

    副官殿は眉をひそめた


    「仕事は終わったよ?だから勤務時間中じゃなくなったよね、だめかな・・・あっ、そうか、ごめんごめん、男の方には都合ってものがあるよね、そうだよね。モブリットは精力減退中だから無理だよね、一日に何回もなんて・・・あはは」

    私はついつい挑発するような発言をした

    「・・・ハンジさん?誰の精力が減退中なんですかね・・・?聞き捨てなりません」

    モブリットの声に、怒気がはらむ

    「こ、こわーー!!モブリットの顔怖っ冗談だってば」
    私は椅子から立ち上がり、壁際まで後ずさる

    「・・・」
    モブリットは無言でつかつかと歩み寄り、壁に私の体をどん、と押さえつけた

    その真剣な眼差しに、体が射抜かれたように動かなくなる

    「モ、モブリット・・・」

    「・・・そんなに怖い顔をしていますか?ハンジさん」

    モブリットはそう言うと、そのまま私の唇に自分のそれを重ねる

    「んっ・・・」

    モブリットの舌が、私の一瞬の隙をついて侵入してくる

    それを阻止することは、今の私にはできなかった
  41. 154 : : 2014/04/21(月) 10:51:37
    「ハンジさん・・・」
    唇を開放した副官殿は、耳元でささやいた
    ・・・そしてそのまま耳を甘噛みする

    ぞくっとするような感覚を背中にまで感じながら、立っていられなくなりそうな自分の体を、かろうじて支える

    「な、何・・・かな」

    私は何とかそれだけ、言葉を発する事が出来た

    すると、副官殿は私の耳をぺろっとなめた

    「あっ・・・」
    折角かろうじて支えていた体の軸が、ふにゃけてしまいそうなほどの感覚に襲われた
    力が抜けかけた私の体を、しっかりと抱き寄せる、副官殿

    その力強さと、男のにおいに私は・・・

    副官殿の背に手をまわし、その胸に顔をうずめ、必至にしがみついた
  42. 155 : : 2014/04/21(月) 10:52:12
    「ハンジさん・・・私の子どもを産んでください」

    唐突に耳元でささやかれるその言葉

    「・・・えっ?」

    私は思わず顔を上げた

    そこには真摯なまなざしで自分を見つめる、副官殿の顔があった

    「貴女に、私の子どもを産んでいただきたいです」

    「・・・えっ?」

    私は面食らった

    いきなり何を言っているんだモブリットは・・・

    「その、間の抜けた顔をやめてくださいよ、折角雰囲気を作ったというのに・・・」
    副官殿はため息をついた

    「いや、だって…意味がわからないんだもん・・・子どもって、要するにその・・・中で・・って事?」

    私は顔を真っ赤にした

    「ああ、違うんです・・・はっきり言わないとわからないんですね、貴女には・・・」

    モブリットはふう、と息をついた

    「な、なんだよ、もう・・・」
    私は口を尖らせた
  43. 156 : : 2014/04/21(月) 11:01:11
    モブリットは私を腕の中から解放して、今度は私の肩に手を置いた


    「ハンジさん、私と結婚してください」

    突然のプロポーズ


    私はどんな顔をしてよいかわからずに、ただ目を見開くことしかできなかった

    「あ、あの、えっと・・・」

    しどろもどろなことしか言えない自分が、腹立たしい

    こんな時には何て言えば、一番スマートなんだろ

    良い言葉が、まったく浮かんでこない

    「返事は急いでいないんです。考えておいてください、ハンジさん」


    そういって、私の肩から手を離し、踵を返そうとするモブリットの手をしっかりと握る


    「待って・・・返事は、YESだ。うん。だから、行かないで、そばにいて?」

    そう言った瞬間の副官殿の輝くような笑顔は、私は一生忘れることはないだろう

    私を抱き寄せる副官殿

    胸に顔をうずめていて、副官殿の表情は確認できない

    でも・・・

    「私は今、生きてきた中で一番幸せな時を、過ごしています・・・ハンジさん」

    そう言うモブリットの顔はきっと、真っ赤に違いない
    私と、おんなじでね

    「うん、私も幸せだよ、モブリット」


    「貴女を大切に、しますから」

    熱っぽく語る、副官殿に、私は優しく声をかける

    「いつも、大切にしてくれてるじゃないか」

    「そ、そうですが・・・もっと、大切にします」

    「期待してるよ・・・ふふ」

    私はそう言ってから、思い切って顔を上げた

    案の定、真っ赤に燃えたような顔をしている副官殿が、そこにいた

    「ハンジさん・・・」

    私の名前を呟いて、その顔が私に近づいてくる

    私は彼の唇が、自分の唇に落とされるのを、ゆっくり目を閉じて待った

    その優しい口づけは、彼の私への気持ちそのものの現れの様に

    温かく、柔らかいものだった

  44. 157 : : 2014/04/21(月) 11:11:10
    夜の闇の中、私はたった今婚約者となった副官殿と散歩をしていた

    立体機動装置を付けて、壁を登る

    そこには広大な大地と、その上に広がる、無限の宇宙があった

    「モブリット・・・いつかあっち側に自由に行きたいね」

    私は隣に立つ副官殿に声をかけた

    「そうですね。必ず、行きたいです」

    副官殿は力強く頷いた

    私はその手をぎゅっと握る

    「必ず、一緒に外の世界へ行こう。約束だよ」

    「・・・はい。おともします、ハンジさん」
    私の手をぎゅっと握り返すモブリット

    その手は何時もよりも温かい様に感じた
  45. 158 : : 2014/04/21(月) 11:11:33
    「あとさ、子どもがほしいっという話だけど…やっぱり今はその、中ではだめなんじゃないかなぁと・・・」

    私は突然思い出したようにそう言った

    「ちょ、ちょっとハンジさん・・・それは言葉のあやみたいなもので・・・わかってますよ!まったく、デリカシーが無い人ですね・・貴女は」

    「な、なんだよそれ・・・君がそんなこと言うからじゃないか!確かに君は子供が好きそうだし、私も好きだけどさ・・・戦わなきゃならないし・・・その」

    「わかってますって・・・それくらい心得ていますから。バカじゃないんですから私は」

    モブリットははぁ、とため息をついた

    私はそんなモブリットの頬をつんつんとつついた


    「でもさ、このごたごたが片付いたら・・・その時は子どもは欲しいな」

    笑顔でそう言う私に、モブリットは私を抱き寄せる

    「それは、お任せ下さい。分隊長」

    そう、耳元でささやいて、また私の体から力を奪うのであった

  46. 159 : : 2014/04/21(月) 13:54:42
    夜のとばりが下りる頃・・・

    私たちはまた一つになった


    この世界を救うための戦いは、まだまだ続く

    でも、私には守りたい約束ができた

    ・・・必ず、この世界に平和を取り戻して、副官殿・・・モブリットと未来を共にするという約束

    これを全うするまで、私は死なない

    前進し続けて、必ず約束を、守る

    私を優しく抱いてくれる彼と共に、この世界を救うんだ

    彼となら、なんだって乗り越えられる、そう信じて―
  47. 160 : : 2014/04/21(月) 13:55:37
    ―完―


    おまけが少しありますので、もう少々お付き合いいただけましたら幸いです

  48. 161 : : 2014/04/21(月) 14:08:18

    ヒャッハァァァァア///!!!!
    結婚おめでとう♪ハンジさん、モブリットおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお///!!!!

    このSS最高だ……(´;ω;`)
    そしてハンジさんシリアスクラッシャーwww nicewww

    オマケまでお供しますとも!!!!
    期待してます!!www
  49. 162 : : 2014/04/21(月) 14:57:15
    数か月後


    私は純白のドレスに身を包んでいた

    実は結婚式をすることになったんだ
    しかも、調査兵団本部で・・・いったいどういう事なのかというと、話せば長くなる

    エルヴィンの鶴の一声とだけ言っておくよ
    ま、要するに、たまには調査兵団にも祭りごとが欲しいって事かな

    私たちの結婚式を祭りにするとは…と思うけど、まあ仲間内でにぎやかだし、安上がりだし、いい思い出にはなりそうだよね
  50. 163 : : 2014/04/21(月) 14:58:06
    「ハンジさん、綺麗・・・」
    そう言ってくれているのは、着付けを手伝ってくれたペトラ

    「そ、そうかな・・・ありがとう」
    私は照れながら、頭をぽりぽりと掻いた

    「だ、だめですよ、髪を綺麗にセットしたのに・・もう!」

    頬を膨らますペトラはとってもかわいらしい

    「そ、そうだよね、ごめんごめん」
    私はペトラに頭を下げた

    鏡の前に立つと、いつもとは雰囲気が180度違った自分がいて、とても恥ずかしい

    「本当に綺麗ですよ・・・うらやましいなぁ」
    ペトラは感嘆の声をあげた

    「そ、そうかなぁ・・・背中が空きすぎな気がするんだけど・・・胸元もさぁ・・・」

    「それが、セクシーなんじゃないですか」

    私の着ているドレスは、体にぴったり沿うようなデザインで、デコルテラインが大きく開いていて、すーすーする
    いつも兵服でがっちり着込んでいる私にとっては、恥ずかしいとしか言い様のない恰好

    しかも、これで兵士たちの前に出るとは・・・

    我ながらよくぞエルヴィンの申し出を受けたものだと思う

    「ああ、恥ずかしいなぁ・・・」
    私はため息をついた

    すると、ペトラが私の頬をぶしっとつつく
    「こらっハンジさん!花嫁がため息なんてつくもんじゃありませんよ!もう!幸せなくせに!」

    「ご、ごめんごめん、ペトラ」
    私は頬を膨らますペトラの頭を、そっと撫でた

    「きっと、兵士たちがみんな驚くと思いますよ!芸術的なまでに美しいんですもん!」

    「うそだーそれは言い過ぎでしょ?ペトラ」

    私は肩をすくめた

    「美しいですってば・・・!あっ」

    こんこんと、扉がノックされた

    ペトラが扉を開けると、入ってきたのは・・・
  51. 164 : : 2014/04/21(月) 14:58:25
    「おっ、綺麗じゃないか、ハンジ。見違えたよ」
    そう言って目を細めるエルヴィンと

    「・・・ふん、まあまあだな」
    と少々頬を赤く染めているリヴァイだった


    「あ、エルヴィンにリヴァイ。すっごく恥ずかしいんだけどなぁ」
    私はそういって、照れ隠しにまた、頭をぽりぽりと掻こうとして、ペトラに止められた

    「いや、十二分に美しいから、堂々としていなさい。ペトラ、ハンジをここまでにしてくれて感謝しているよ」

    エルヴィンはペトラに笑顔を向けた

    「いえいえ、団長。ハンジさんは元の素材がいいですから!これくらいは当然です!」
    ペトラはばしっと見事な敬礼をした

    「ま、こうなりゃ物好きなあいつの顔が見ものだな」
    リヴァイが私のドレスの裾をぴんぴんと引っ張りながらつぶやいた

    「物好きなあいつって・・・失礼だね、君は。リヴァイも早く、ペトラにウエディングドレス着せてあげなよ?」

    「ちょちょちょちょちょちょちょっとハンジさん!何を何を何を!!」

    「・・・ペトラならお前より数百倍綺麗になる」
    リヴァイはそう言い残して、部屋を後にした
  52. 165 : : 2014/04/21(月) 14:58:56
    「じゃあ、私もそろそろ会場に行っておくよ。ペトラ、君もおいで」
    エルヴィンがそういって、ペトラに手を差し出した

    「は、はい、団長。ハンジさん、あとは手筈通りですからね?」

    「ああ、わかってるよ。また後でね」

    私はそう言って、二人を見送った


    私はしばらく鏡の前で、じっと佇んでいた
    まさか自分がこんな恰好をする事になろうとは、思いもよらなかった

    ずいぶん前から会っていない、両親の姿が、ふと頭の中に浮かんだ

    その時だった

    コンコンとノックされ、がちゃりと扉が開いた

    私が振り返ると、そこには
  53. 166 : : 2014/04/21(月) 14:59:18
    「・・・お父様、お母様」

    勘当同然で家を飛び出したっきり、一度も顔を合わせていなかった父が、扉の前に立っていた
    父の後ろには、小さな背丈の母の姿があった

    「ハンジ・・・あなたこんなに大きくなって・・・」
    母は私に駆け寄って、手をぎゅっと握りしめた

    その瞳からは涙があとからあとから零れ落ちていた

    「きて、くれてたんだね」
    私は必至に涙をこらえた

    泣けば、両親の顔がよく見えなくなるから

    「エルヴィン団長が、呼んで下さったんですよ・・・ハンジ」
    母は、私にすがりついて泣き始めた

    「・・・」
    父は無言で、一歩も前に踏み出すことがなかった

    私は母をなだめ、その体を自分の体から離すと、父に歩み寄った

    「・・・お父様、来てくださってありがとうございます」
    私は、私とそっくりな父の顔を見ながらそう言った

    頑固者の父
    私は何度も何度も叱られた
    優しいと思ったことは一度もなかった
    勉強も、運動も、なんでも一番でなければ叱られた

    そこまでして育てた娘が、いきなり調査兵になると言い出した時の父の表情は、今でも忘れられない
    厳しかった父の表情が、悲しさと精神的苦痛でゆがんだのだ

    でも、私の意志は固かった
    そして、調査兵としてここまでやってきた

    父に認めてもらうまでは、家には帰らないと決めていた

    こうして会いに来てくれているということは、少しは、認めてもらえたのかな

  54. 167 : : 2014/04/21(月) 14:59:35
    「ハンジ。そろそろ時間だ」

    父が私の手を取ると、自分の腕に添えた

    「お父様・・・」

    ヴァージンロードを、私は一人で歩くと思っていた
    父が、一緒に歩いてくれるというのか・・・

    頑固者の父が、私を、また娘として、迎え入れてくれた瞬間

    いや、もともと父にとって、私は娘以上でもなく、娘以下でもなかった

    私が、忘れていただけなのだ

    「お父様・・・ありがとう」
    ついに、私の目から涙がこぼれた

    化粧がくずれるから、絶対泣いてはダメだと、ペトラに言われたのに・・・

    案の定、母が

    「ハンジ、だめですよ、こんなに泣いては・・・顔がぐちゃぐちゃになりますよ」
    母自身涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、私の顔をハンカチでそっとぬぐってくれたのだった



  55. 168 : : 2014/04/21(月) 15:00:08
    私と父は、兵団内の比較的大きな多目的ホールの入り口にいた

    しばらくすると、その扉が開く

    「お父様・・・」
    私は少し緊張した

    「ハンジ、足をもつれさせるなよ・・・こけたらはずかしいぞ」
    父はぼそっと呟いた

    「はは・・・うん、わかってるよ」

    昔の私と父に、戻れた気がした


    ホールに入った瞬間、地鳴りのような歓声が、ホールを埋め尽くした

    「ハンジ分隊長ばんざーい!」

    「おめでとうございまーーす!」

    「すごくきれいだぁぁ!」

    など、いろいろな祝福の言葉がかけられるなか、私と父は、ホールの真ん中にしつらえてあるカーぺートの道を進む

    総勢300人を超す調査兵の間を歩き、やっと目的地に到達した

    が、モブリットはいない

    「・・・あれ?あれ?」

    私はきょろきょろあたりを見回した
  56. 169 : : 2014/04/21(月) 15:01:01
    一番前列に座っていたエルヴィンが立ち上がり、私の肩を叩いた

    「モブリットはどうやら逃げたらしい・・・喧嘩でもしたのか、しり込みをしたのか・・・」

    「えええええええ!」
    私は大声で叫んだ

    すると、エルヴィンの隣に座っていたミケが、私の肩をつつく

    「まあ、気持ちがわからんでもないな、こんな奇行種・・・いや失礼、お父上の前だったな・・・とりあえず、名前を呼んでみたらどうだ?」

    「・・・も、も、モブリット?!どこ行っちゃったんだろ・・・」

    私は生気を失ったような顔をして、あたりを見渡したが、モブリットは見つからなかった

    「・・・そんな小さな声では呼んでも聞こえねえだろうが。もう少し声を張れ、ハンジ」

    リヴァイはぼそっと呟く様に言った


    「モブリットぉぉぉ!!どこいっちゃったんだよー!」


    私は半ばやけくそ気味に、ホールに響き渡るほどの大声で叫んだ
  57. 170 : : 2014/04/21(月) 15:03:14
    すると、上の方で声がした



    「分隊長。私はここです」

    そういうと、耳なじみのある音がホールに響いた



    パシュパシュパシュッ

    スタッ

    私の前で着地をする、モブリット


    「お待たせしました、ハンジさん」

    白いタキシード姿に、立体機動装置をつけて・・・

    私の花婿は、ホールの天井から華麗に舞い降りてきたのだった


    「な、な、な、何をやっているの・・君は・・・?」

    私は状況を理解できずに呆然とした

    「調査兵らしく演出、したんだ、ハンジ」

    エルヴィンが不敵な笑みを浮かべた

    「エルヴィンがやらせたのか・・・!」
    私は半分涙目になりながら言った
  58. 171 : : 2014/04/21(月) 15:12:23
    「ハンジさん、改めて言いますね。結婚してください。必ず幸せにしますから」
    モブリットは立体機動装置をつけたまま、私の手を取りそう言った

    「・・・う、うん。よろしくね、モブリット」
    私はモブリットにふわりと抱きついた

    彼は優しく、私を抱きしめてくれた


    すると、静まり返っていたホールが、また大騒ぎになる

    「うぉぉぉモブリット副長かっこいいーー!!」

    「超、絶、素敵な演出、さすがエルヴィン団長!」

    「おめでとーーー!」


    式はざっくばらんに、突然のキスコールでキスをしたり、何故かエルヴィンに私がお姫様だっこをされたり、しっちゃかめっちゃかになったけれど、楽しかった

    父も、母も、喜んでくれていた

    特に父は、真面目で好青年なモブリットをいたく気に入った様で、彼の手を握りしめながら、すばらしい理想の息子ができたと喜んでいた


    そうして、にぎやかだった調査兵式人前結婚式は幕を下ろした
  59. 172 : : 2014/04/21(月) 16:27:00
    部屋に戻ると、どっと疲れが襲ってきた

    「はぁ・・・つっかれたねぇ・・・」

    「確かに、疲れましたね・・・」
    私はドレス姿のまま、モブリットは白いタキシード姿のまま、ソファに体を預けた

    「・・・でも、楽しかったね」

    私はモブリットの肩に頭をこつんと置いて、そう言った

    「そうですね、楽しかったです」
    モブリットは私の肩を抱いた

    「ちょっと、びっくりしたけどね・・・まさか立体機動してくるとは・・・」
    私は思い出して吹き出した

    「あれは、最初に聞いたときにどうしようかと思いましたよ・・・会場に人が入る前から天井に張り付いていたんですからね・・・いつ皆に見つかるか、はらはらしていたんです」

    「はは・・・知っていたのはエルヴィンとミケとリヴァイだけだったってわけか。まあびっくりしたけど、かっこよかったよ、うん」
    私はモブリットの空いた手を、ぎゅっと握りしめて言った


    「ああっ、そうだ、言い忘れていました・・・ハンジさん、すごくきれいです」
    モブリットが突然、私に向かってそう言った

    「言い忘れていたって・・・おまけみたいな言い方だなぁ・・・一生に一度の晴れ着だというのに・・・」

    「本当に、綺麗ですよ。会場に入ってこられた時に思わず目を奪われて、落っこちそうになりましたからね、危ない危ない」
    モブリットはいたずらっぽい笑みを浮かべてそう言った

    「はは、そ、そっか・・・ありがと。モブリットも、かっこいいよ、立体機動装置はどうかと思うけど・・・」

    「ありがとうございます、ハンジさん」
  60. 173 : : 2014/04/21(月) 16:28:14
    モブリットの手が、私の頬を優しく撫でる

    私は、こうして撫でられているのが好きだ

    くすぐったくて目を閉じると、いつでもそのタイミングでキスをしてくれる


    彼はまた、私に優しい口づけをくれた

    まるで彼の人となりを表すかのような、そんな温かく柔らかな感触



    唇が離されるとと、真摯なまなざしが私をじっととらえていた

    しばらくそのまま、お互いじっと動かなかった

    「モブリット・・・?」
    私は少し首をかしげて彼の名を呼んだ


    「・・・ハンジさん。私は貴女を・・・愛しています」


    モブリットの真剣なまなざし、静かなのになぜかどこか熱く感じるその口調


    「私も、愛しているよ。モブリット。うん、大好きだよ」


    私が笑顔でそう言うと、モブリットは何故か泣き笑いの様な表情になって・・・

    私を抱き寄せ、強く抱きしめるのだった
  61. 174 : : 2014/04/21(月) 16:43:02
    最近日本では熟年離婚が増えているらしい……
    最初はラブラブでもだんだん熱が冷めてきて離婚という流れ……
    フフフフ……お二人さんはこの流れにあらがえるのか……フフフフフフ
    見物ですね……
    未来とは非常に不安定な物です……
    どうなるかは分からない……

    ですが!リア充が嫌いな私でもハンジさんとモブリット君は別です。
    お二人共にお幸せに!!
  62. 175 : : 2014/04/21(月) 16:43:26
    ↑長文失礼致しました。
  63. 176 : : 2014/04/21(月) 16:44:11
    お互い白い鎧を脱ぎ捨て、この世に生を受けた瞬間と同じ格好になる

    それを見ているのは、窓のカーテン越しに光る、月だけ

    微かな月の明かりに照らされて

    私たちはまたお互いの身体の隅々を、探り合うべく行動を開始する―



    ふと目を覚ます
    全てが夢だったのではないかと不安に駆られたその瞬間

    隣ですーすーと規則正しい寝息を立てている副官殿が目に入る

    身体を彼の方に向け、男にしては柔らかいその頬をそっと撫でる

    「疲れたと言っていたくせに・・・」

    私は彼に頬を寄せた

    温かい彼の身体

    二人きりの時・・・特に夜の営みの時には、完全に上官と部下の関係が逆転する

    彼は全身で愛をぶつけてくる

    私も出来る限りの器で、それに応える

    その限りなく甘く野性的なやり取りは、飽くなき探究心のごとく繰り返されるのだろう

    「・・・ついていけるのかなぁ・・・はは」

    私は苦笑して、あどけない表情で眠る彼の頬に唇を落とした

  64. 177 : : 2014/04/21(月) 16:46:57
    こうして、私たちは人生を共に歩むことになった

    勿論戦いはまだまだ終わらない

    悔いの残らない様に、私たちは手を携え、未来に向かって歩みを止めない

    いつか、壁の外に羽ばたける日がくるまで・・・


    ―おまけ第一部おしまい―
  65. 178 : : 2014/04/21(月) 16:47:51
    面白かったです!
    お疲れ様でした!!
  66. 179 : : 2014/04/21(月) 16:49:02
    モブハンに目覚めちゃいましたよ!
    僕!!

    フフフフフ
  67. 180 : : 2014/04/21(月) 16:49:34
    ※みなさん読んでいただきありがとうございました

    もう一つおまけがございますので、また明日お付き合い頂けたら幸いです♪

  68. 181 : : 2014/04/21(月) 16:52:31
    >161
    リコさん大好きさん☆

    結婚式リクエストありがとうございます!
    そして、とっても嬉しいお言葉、感謝しております♪
    明日もう一つおまけがございますので、ぜひお付き合いくださいね^^

    >マスターMさん☆
    応援コメントありがとうございます!
    そうですね、熟年離婚なんてふつうにあります
    モブハンにはずっと幸せでいてもらいたいなぁ・・・w
    そんな思いをこめて、明日またおまけを書きたいと思いますw

    Mさんもモブハンに目覚めましたかw
    いらっしゃいませ!!
  69. 182 : : 2014/04/21(月) 16:56:47
    明日もお楽しみにしてます!!
    期待です!!!
  70. 183 : : 2014/04/21(月) 17:00:30
    >EreAni師匠☆
    明日でとりあえず完結ですっ(たぶんw)

    期待ありがとうございますっ!

    頑張るでありますっ!
  71. 184 : : 2014/04/21(月) 20:59:38
    あまあま~////
  72. 185 : : 2014/04/21(月) 21:23:10
    こんばんは。
    ハンジさん、絶対綺麗ですよね(^^)
    私も調査兵団でやる結婚式、参加してみたいなぁ。
    明日のおまけにも、期待してますね。
  73. 186 : : 2014/04/21(月) 21:53:42
    妹姫☆
    あまあまでしょ♪たまにはこう言うのも書いてみたかった♪

    >数珠繋ぎさん☆
    ハンさん、美しいはず!!
    調査兵団立体機動結婚式は、またやらせたいでしねw
  74. 187 : : 2014/04/21(月) 22:06:36

    うわぁぁあ(ღ✪v✪)

    私のリクエストがッ……!!採用されてるッ
  75. 188 : : 2014/04/21(月) 22:08:18

    明日で完結はちょっと寂しいけど
    楽しみにしてます(*´∀`*)!!

    何回もすみません(´;ω;`)
  76. 189 : : 2014/04/21(月) 22:08:49
    もーーーーーヤバい!萌えるーーーーー!
  77. 190 : : 2014/04/21(月) 23:53:01
    >リコさん大好きさん☆
    はいっ。リクエストありがとうございます♪
    明日もお楽しみに♪


    >ハンジもどきさん☆
    いつもコメントありがとうございます♪
    アンコールにお応えしましたよw
  78. 191 : : 2014/04/22(火) 11:18:31
    おまけ第二部

    ※ここからは、未来の話になります
    作者の妄想する未来ですので、原作の世界とは相違がある事をご了承ください

    もしそれらの事がとても我慢ならないわー!!な方は、第一部まででよろしくお願いいたします^-^

  79. 192 : : 2014/04/22(火) 11:18:47
    私は壁の上にいた

    温かい風が、私の体を包み込む

    地平線の向こうに、目を凝らす

    そうして、暇があればここに来て、外を眺めていた
  80. 193 : : 2014/04/22(火) 11:19:01
    「ハンジ、体に障る。下に降りよう」

    そう言って私の肩を抱くのは、エルヴィン
    調査兵団の団長職は退き、壁外の研究者としての日々を過ごしている

    壁の外へと人類が自由に羽ばたけるようになって5年

    調査兵団組織は解体はされず、そのまま壁外の調査の任をおう事になった

    まだ見ぬ未知の領域への足掛かりとして、定期的に壁外の調査を行っていた

    巨人の脅威は去ったとは言うものの、まだ未開の土地を当てもなく

    今回の壁外調査では、一月の旅程だったのだが、すでにその帰投予定日を一月過ぎていた

  81. 194 : : 2014/04/22(火) 11:19:25
    「エルヴィン・・・もう少しだけ」

    「お前は一人の体じゃないんだぞ」

    私は仕方なくエルヴィンに促される様に、壁の下に降りた


    壁の下に降りると、小さな影が私に駆け寄ってきた

    「お母様」

    「おりこうに、してた?」

    彼によく似た男の子
    私の、一人息子なんだ

    「お母様、うん、兵士さん達と待っていたよ」
    笑顔でそういう息子の頭を、私は優しく撫でた


    調査兵団は、団長アルミンと共に、未開の地へ旅立っていった
    私は残念ながら、今回の遠征には参加できなかった

    お腹に、命を宿していたから

    予定日を間近に控え、お腹の張り具合は最高潮に達していた

    いつ生まれてもおかしくなかった

    二月前に出立する時に

    『出産には間に合いそうだ』
    そう言って出て行ったモブリットは、未だに戻ってこなかった

    「お母様、お父様はまだ・・・」

    息子は心配そうに、私の服の裾を握った

    「大丈夫だよ、ちょっと遅れているだけだから、ね」
    私は笑顔で息子にそう言った


    巨人がいないとはいえ、どんな天敵がいるかわからない

    勿論立体機動装置を付けて、万全の態勢を整えて出立している

    リヴァイも一緒だ、大丈夫だ・・・そう思い続けて一月

    未だに戻ってこない彼らを、ずっと待ち続けていた
  82. 195 : : 2014/04/22(火) 11:19:38
    「さあ、そろそろ家に戻ろう。ハンジ」
    エルヴィンはそう言って、私の肩にマントを掛ける

    私はその背に、自由の翼を背負った

    私は門の外を食い入るように見つめた

    「お母様」
    息子がぎゅっと手を握りしめてきた

    私がしっかりしなければ・・・
    私は目を閉じて深く息をついた

    「ごめんね、帰ってご飯を食べようね」
    私はその小さな手を握って、家路についた
  83. 196 : : 2014/04/22(火) 11:19:55
    息子を寝かしつけて、ふうと一息つく

    「お腹、あまり動かなくなったなぁ・・・」
    一週間前までは頻繁に動いていたお腹が、昨日あたりからあまり動かなくなってきていた

    それでもたまに、ぼこっとお腹を蹴るような動作を感じるのだけれど

    「ハンジ、温かい飲み物だ」

    エルヴィンがそっと差し出すホットミルク

    「ありがとう」
    私はそれを一口すすった

    「出産が近そうだな」
    エルヴィンがお腹にそっと手をあてて呟くように言った

    「うん、そうなんだ」
    私は自然と笑顔になった

    「・・・何かあったら、すぐに呼んでくれよ?ハンジ」
    エルヴィンは私の頭をそっと撫でてそう言った

    エルヴィンは出産が近くなった私のそばに、ずっとついてくれていた

    「エルヴィン・・・私」

    唐突に不安になり、俯く

    そうでなくても体調が不安定なこの時期、精神的にもかなりつらい状態が続いていた

    「大丈夫だよ、滅多な事なんてない。少し遅れているだけだ」
    エルヴィンは私の肩をしっかりと抱いてくれた

    「うん、エルヴィンいつもありがとう」

    「いや構わないよ、さあ、そろそろ君も休みなさい」

    「ああ、そうするね、おやすみエルヴィン」

    私は立ち上がり、寝室に向かった
  84. 197 : : 2014/04/22(火) 11:20:18
    ベットに横になり、お腹に手を当てる

    「・・・明日くらいかな・・・」

    お腹の張り具合が、どんどん下の方にきているのを感じて、ふとそう思った
    赤ちゃんの動きも少なくなってきた

    出産の前兆ともいえる

    「モブリット・・・早く戻ってきてよ・・・間に合わないよ?」

    私は瞳から涙をこぼした

    最近どうも涙腺が緩い・・・

    妊婦というのは得てして精神的に不安定になりやすいものなのだけれど




    目を閉じて心を落ち着かせるように深呼吸をしていると、急にお腹が痛くなった

    「・・・っ」

    しばらくすると収まる・・・が、また痛みが襲ってくる

    腰を押し出すような、鈍い痛み

    それが定期的にやってきた

    「きた・・・か」

    私はお腹を押さえながら、部屋を出て、エルヴィンを呼んだ

  85. 198 : : 2014/04/22(火) 11:20:32
    エルヴィンの行動のおかげで、助産婦がすぐに駆けつけてきてくれた

    後は、頑張るだけだ

    モブリット、私は頑張るよ

    君が宿してくれた大切な命、必ず元気に産んでみせる

    だから、戻ってきて・・・お願い
  86. 199 : : 2014/04/22(火) 11:20:56
    数時間後、元気な産声と共に、小さな女の子が生まれた

    「モブリット・・・君が欲しがっていた、女の子だよ。私にそっくりだ・・・はは」

    愛しい小さな命を胸に抱いて、私はまた涙をこぼしそうになり、耐えた

    「お母様!!赤ちゃん!!」

    扉が開いて、息子が駆け寄ってきた

    「君の妹だよ・・・優しくしてやってね?」
    私は息子の頭を撫でた

    「うん・・・お母様、とってもかわいいよ!ありがとう!」

    妹を優しくなでる、モブリットとそっくりな息子
    私は自然と笑顔になった

    泣いてなどいられない、私がしっかりしなくちゃね


    そう思った矢先
  87. 200 : : 2014/04/22(火) 11:22:30
    バーンと、また扉が勢いよく開いた


    寝ている私に駆け寄ってくる人

    私はその姿を目にとらえたとき、こらえていた涙をあふれさせた


    「ハンジさん!」


    その声、その姿、まぎれもなく


    「モブリット・・・」
    私は一目をはばからず、声を出して泣いた

    「お父様!!」
    息子もモブリットにしがみついた

    「すみません、すみませんハンジさん、間に合いませんでした・・・ジュニア、母様を守ってくれてありがとう」
    モブリットは私の頭と、息子の頭を撫でながら、優しい声でそう言った

    「いいよ、戻ってきてくれてありがとう」
    私の泣き笑いの様な顔を撫でて、そっと頬にキスをしてくれたモブリット

    モブリットは赤ちゃんを見て一言

    「・・・貴女にそっくりな、女の子ですね。きっと、元気なお転婆娘になるでしょうね」
    そう言って、はにかんだような笑みを浮かべた


    「抱いてあげて?」
    私がそう言うと、モブリットはそっと赤ちゃんを抱きあげた

    「・・・可愛いです。ハンジさんありがとうございます」

    そう言って、瞳を潤ませたのだった

  88. 201 : : 2014/04/22(火) 11:22:58
    人数が一人増えた私たち家族は、大きなベットに皆で横になりながら、話に華をさかせていた

    息子も娘も、今はすやすやとおだやかな寝息を立てていた


    「壁外で、新たな発見がありましてね・・・南の果てに、海がありました。その水質調査などに手間取ってしまって、帰りが遅くなったんです」
    モブリットは、帰投が遅れた事についてを話してくれていた

    「へえ・・・ずいぶん遠くまで行ったんだね」

    「すごいですよ・・・海は。絶対に、一緒に行きましょう、ハンジさん」

    目を輝かせるモブリットに、私はほほ笑みかける

    「この子たちが大きくなったら、みんなで壁外へ家族旅行がしたいね」

    「近い将来、行ける日がきますよ」

    モブリットはそう言うと、私の頬に手を伸ばし、優しく撫でてくれた
    目を閉じると、温かくて優しい口づけをくれた

    「本当に、心配だった・・・」
    私は、モブリットにしがみつく様に抱きついた

    「・・・すみません、本当に・・・私も早く帰りたかったです」
    モブリットはそう言うと、ぎゅっと私を抱きしめてくれた

    モブリットの匂いをしっかり吸い込んで、私はやっと落ち着いた

    「お帰りなさい・・・モブリット」

    「ただいま、ハンジさん」

    そのまま、もう一度ゆっくり口づけをかわした


  89. 202 : : 2014/04/22(火) 11:23:09
    そしてそれから数年後、私たちは家族でそろって壁外調査とは名ばかりの、家族旅行に行くことになる

    私たちは、あの時壁の上で交わした約束を、果たすことが叶った

    これからもずっと、共に生きて行く

    優しいモブリットと、彼にそっくりな息子、そして、性格まで私に似てしまった娘と共に・・・


    ―完―

  90. 203 : : 2014/04/22(火) 11:24:17
    ここまで読んでいただきありがとうございます!
    まさかこんな所まで書くとは自分で予想していませんでした

    楽しんでいただけましたら幸いです♪

    お付き合いいただき、ありがとうございました!
  91. 204 : : 2014/04/22(火) 14:03:52

    ハンジさんのとモブリットの子供なら絶対に可愛いよね♡
    ハンジさんおめでと!!♡

    やっぱり、男の子→モブリット似 女の子→ハンジさん似 なんですねwww

    女の子(ハンジさん似の子)が危ない事しようとしたら、男の子(モブリット似)とモブリットが
    止めるみたいなwww で、ハンジさんは笑ってるみたいなwww←

    最高のSSでした!!ありがとうございます!!
    また次作期待してます!!♡
  92. 205 : : 2014/04/22(火) 15:39:04
    最高でした!ハンジさんも大変ですね~健気にまつハンジ可愛いです!ごち…すみませんありがとうございました!
  93. 206 : : 2014/04/22(火) 16:50:13
    >リコさん大好きさん☆
    いつも読んで下さってありがとうございます♪
    ああっ、まさにあなたのおっしゃる通りの想像をして、おまけを書いていました♪

    娘ちゃんはハンジさんみたいに滾ってる感じでw
    お兄ちゃんは落ち着いてて、モブリットは慌ててて…
    ハンジさんはほほえんでる感じ♪

    また次回作書きますね!!
    要望などまたありましたら教えて下さいね!!

  94. 207 : : 2014/04/22(火) 16:51:39
    >杞憂さん☆
    読んで下さってありがとうございます♪
    ハンジさんは大変でしたが、現役時代はモブリットくんが振り回されていたので、仕方がありませんよねw

    読んで下さってありがとう!!
  95. 208 : : 2014/04/22(火) 17:25:28
    おもしろかった~!( *・ω・)ノ流石ロメ姉だね♪
  96. 209 : : 2014/04/22(火) 17:54:55
    乙~
    面白かったです~(^-^)
  97. 210 : : 2014/04/22(火) 18:35:20
    れんきゅん☆ありがとう!!読んでくれて!!
    いつもコメント感謝です♪

    >syoさん☆読んで頂きありがとうございます♪
    嬉しいです♪
  98. 211 : : 2014/04/22(火) 21:13:55
    面白かったです!
    ほんと、良かったです♪

    あと、タメでいいですよ!
  99. 212 : : 2014/04/22(火) 21:33:05
    こんばんは。
    ハンジさんの子供かぁ見てみたいなぁ。
    娘さんは一体何の研究に没頭するのやら…(^_^;)
    考えただけで、楽しくなっちゃいます♪
    執筆お疲れ様でした。次回作も期待してます。
  100. 213 : : 2014/04/22(火) 21:37:28
    ハンジさんに似た女の子!!
    きっと凄い賑やかな家族ですね!(笑)
    モブリットさんと男の子が
    ハラハラしてる生活が浮かびますね!!
    88師匠!今回も素敵な作品をありがとうございます!!!
  101. 214 : : 2014/04/23(水) 00:29:33
    >かとさん☆
    コメントありがとうございます♪読んでくれて感謝です!

    敬語はどうしても使ってしまって…気になさらないでくださいね♪
  102. 215 : : 2014/04/23(水) 00:32:15
    >数珠繋ぎさん☆
    読んで頂き、ありがとうございます♪
    ハンジ似の娘さん、確かに暴走しそうですねw
    またいろんな話を書いていきますので、応援よろしくお願いいたします♪
  103. 216 : : 2014/04/23(水) 00:34:28
    >EreAni師匠☆
    読んで頂き、ありがとうございます♪
    楽しそうな家族ですよね♪
    羨ましいw
    男が苦労する家族w

    いつもコメントありがとう!!
  104. 217 : : 2014/04/23(水) 22:18:14
    モブハンジュニア!!
    ホシイナーーー
  105. 218 : : 2014/04/24(木) 11:23:55
    >ハンジもどきさん☆
    かわいいだろうねー♪
    読んでくださってありがとう!
  106. 219 : : 2014/05/05(月) 19:40:56
    ああ...
    モブリット似のジュニアが気の毒...
    母親と妹に苦労しそう...

    こんな未来が来ることを願うばかりですね♪
  107. 220 : : 2014/05/05(月) 21:17:20
    >>妹姫☆
    モブリットとジュニアは確実に振り回されるでしょうねw
    コメントありがとうございました♪
  108. 221 : : 2014/10/05(日) 12:11:32
    面白かったです!!
  109. 222 : : 2014/10/05(日) 13:21:22
    >>Ayakaさん☆
    ありがとうございます♪嬉しいです!!(´。✪ω✪。`)

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fransowa

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