このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
巨人の錬金術師 第五話「デビルズネストの獣達」
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- 1 : 2014/02/17(月) 22:36:05 :
- 前回はこちらです↓
http://www.ssnote.net/archives/10183
今回はあの強欲の男との戦いです。
エレンの驚きの秘密も明らかになります。
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- 2 : 2014/02/17(月) 22:45:12 :
- ~前回のあらすじ~
エレンの巨人化能力の試運転も兼ねて行われた第五十七回壁外調査。そこで調査兵団は、知性を持つ女型の巨人と戦うことになる。巨大樹の森においてみんなを守るために、女型と戦うことを選んだエレンは、リヴァイ班と共に女型に挑み、見事女型を捕らえることに成功する。しかし、その女型の中身はアニだった。その事を知り、エレンはショックを受ける。その後エレン達も同期のみんなが泊まる寮に入ることが決まり、久しぶりの共同生活に喜びを見せる。平和な日に戻るかに見えたが、東洋人であるミカサを狙って、何者かが動き出そうとしていた...
本編投下は明日からです。
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- 3 : 2014/02/18(火) 18:20:30 :
- エレン「買い物?」
ミカサ「ええ。前に買い物に行ったときはスカーに邪魔されて買いたいものが買えなかった。ので、行きたい。」
エレン「そうだな。俺も服とか買いたいし。アルミンは来るか?」
アルミン「エレン達が良いんなら行きたいな。」
ミカサ「もちろん良い。」
ジャン「俺も行きたいなー。(ミカサと...)」
ミカサ「ジャンはダメ。昨日の報い。」
ジャン「」ガクッ
ミカサ「では、朝食を食べ次第行こう。」
エレン「おう!」
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- 4 : 2014/02/18(火) 19:56:36 :
- ~カラネス区~
エレン「まず何から買おうか...お、あそこの服屋、良い感じだな。」
アルミン「エレンでも服の好みとかあるんだ。」
エレン「でもって何だよ。」
ミカサ「エレンはいつも巨人の事と外の世界の話しかしない。ので、そう思うのは当たり前。」
エレン「悪かったな。まずはあの店入るか。」
アルミン「でも、男物しか置いてないからミカサが暇するんじゃ。」
ミカサ「エレンが行きたいのなら行っても構わない。私はあのベンチで待ってる。」
エレン「良いのか?」
ミカサ「ええ。」
エレン「わかった。早めに終わらしてくるよ。」
ミカサ「急がなくても良い。」
エレン「そう言ってくれてありがとよ。」
テクテクテク
ミカサ「(それにしても、平和だ。壁外調査前までの日々が嘘のよう。ずっとこんな風に生活出来れば良いのに...)」
ドルチェット「そこのお嬢さん。」
ミカサ「(でも、この世界は残酷だ。)」
ドルチェット「お嬢さん!」
ミカサ「(そして美しい。)」
ドルチェット「あんただよ!黒髪の東洋人!」
ミカサ「...何か?」
そこには3人の男女がいた。
マーテル「ちょっとあなたに用があるんだけど、ついてきてくれない?」
ロア「悪い話ではない。」
ミカサ「ならば...ついていこう。」
ドルチェット「(え、ちょろすぎだろ。)」
テクテクテク
エレン「これも良いな~。て、ミカサを待たせてるし、そろそろ買わねぇと。」
アルミン「あれ、ミカサがベンチから居なくなってる。」
エレン「どっかの店に行ったんだろ。子供じゃないんだし、大丈夫だ。さて、そう言うことならもう少し選ぶとすっか。」
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- 5 : 2014/02/18(火) 20:10:53 :
- ハガレンキャラの画像
グリード http://www.sonymusic.co.jp/Animation/hagaren/1st/chara/gre01.html
ドルチェット http://www.sonymusic.co.jp/Animation/hagaren/1st/chara/dol01.html
マーテル http://www.sonymusic.co.jp/Animation/hagaren/1st/chara/mart01.html
ロア http://www.sonymusic.co.jp/Animation/hagaren/1st/chara/roa01.html
説明の所は違う部分もあるのでスルーでお願いします。
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- 6 : 2014/02/18(火) 21:20:37 :
- テクテクテク
ミカサ「どこまで行くの?」
ドルチェット「オレらのアジトまでだ。」
ミカサ「目的は?」
ドルチェット「さっきも言ったがお前の用事があってな。」
ミカサ「用事って?」
ロア「後で話す。今は黙っていろ。」
ミカサ「今話して。でないと」
シャキィン
スッ
ミカサはブレードを抜き、ドルチェットの首もとに突きつけた。
ミカサ「あなたから首を飛ばす。」
ドルチェット「おいおい、なんでブレード持ってんだよ。」
ミカサ「兵士だから。」
マーテル「兵士でも非番の時は帯刀しないわよ。」
ミカサ「とある連続殺人犯対策。それより、質問しているのは私。答えて。」
ドルチェット「...結局は力ずくか。悪く思うな。」
ミカサ「!?」
ドルチェットは首もとに突きつけられた剣をかわし、ミカサに向けて蹴りを放った。
バキッ
ドルチェット「良い反応じゃねぇか。」
ミカサはその蹴りを防御していた。
ミカサ「あなたに誉められても嬉しくはない。」
ブンッ
ドルチェット「あぶねぇな!マジで斬りかかってくる奴があるかよ!」
マーテル「後ろ、がら空きだよ。」
ダッ
マーテルがミカサに詰め寄る。
ミカサ「遅い。」
ミカサがマーテル目掛けてブレードを振るう。しかしマーテルはまるで関節がないかのように体を曲げブレードを避けた。
ミカサ「そんな!」
マーテル「私達、ちょっと変わり者でね。」
ギュゥ
マーテルはミカサに抱きつくと全身を縄のように絡み付かせた。
-
- 7 : 2014/02/18(火) 22:07:33 :
- ミカサ「こんな拘束、力ずくで。」
マーテル「おっと!あんたと力比べする気は無いのよ!ただ少し動きを鈍らせれば...」
ロア「カタがつく。」
バッ
マーテルがミカサから離れる。その瞬間、ロアがミカサの胸ぐらを掴んだ。
グイッ グルンッ
ドサッ
ミカサ「うっ...」
ロア「さあ、東洋人の娘よ、来てもらおう。」
・
・
・
エレン「良い買い物したぜ。」
アルミン「僕も。あれ、ミカサはまだかな。」
エレン「...さすがに遅いな。何か...嫌な予感がする。そのベンチの近くの店の人に聞いてみるか」
エレン「すいません。そこのベンチに座ってた黒髪の女の子を知りませんか?」
店員「ああ、そう言えば見たなぁ。」
エレン「どこへいったか分かります?」
店員「確か向こうの方へ。三人組に連れられてね。」
エレアル「三人組!?」
アルミン「分かりました。ありがとうございます。エレン、ミカサを捜そう。」
タッタッタッタッ
・
・
・
エレン「はぁはぁはぁ。ミカサの奴どこいったんだ。」
アルミン「何とか聞き込みをしてここまで来たけど...ん?あそこに人がいる。」
エレン「すいません。黒髪の女の子を知りませんか?」
住民「知ってる...すまなかった!見て見ぬふりしちまって!」
エレン「え?」
住民「人が誘拐されるところなんて初めて見たんだ!だから何も出来なかったんだ!本当に申し訳ない!」
エレン「誘拐だって!?」
アルミン「エレン。」
エレン「ああ、急ぐぞ!」
エレン「(待ってろよミカサ。何としてでもお前を助けてやる!)」
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- 8 : 2014/02/18(火) 23:24:46 :
- ~デビルズネストのアジト~
ミカサ「...私をどうするつもり?」
ミカサは両手には手錠をかけられ、片方の足には鎖を繋がれていた。
マーテル「東洋人の女の子なら、大体分かるでしょ。」
ミカサ「...人身売買。」
マーテル「その通りよ。東洋人は激レア中の激レアだからね。」
ミカサ「あなた達の体も変わってると思うけど。」
マーテル「...合成獣(キメラ)って知ってる?あたしの身体はね、ヘビと合成されてるの。」
ミカサ「そんなこと、あり得ない。」
マーテル「失礼ね!ここにこうして成功例がいるのに!あたし、元はあんたと同じ兵士だったのよ。駐屯兵だった。ウォールマリアが破られたとき、巨人と戦って大ケガしてね。半分死にかけてたところを兵団の軍の研究機関に運ばれて実験体にされた。で、この身体を手に入れた。」
ミカサ「ひどい...兵団がそんな実験をしていたなんて。」
マーテル「確かに非人道的な実験よね。巨人に右手と右足を食われて気がついたらヘビの身体だもん。」
ドルチェット「ああ、俺達の意思なんざお構いなしだ。だけどな、放っときゃ死んでたこの身だ。キメラだろーがなんだろーが生き残った者の勝ち。上出来の人生だろ。」
ミカサ「あなたは何と合成されたの?」
ドルチェット「当ててみな。」
マーテル「見てなさいよ、あいつ片足上げて小便するわよ。」
ドルチェット「しねぇよバカ!」
ミカサ「犬、なの?」
ドルチェット「ああ、けっこう便利だぜ。この身体。」
ミカサ「思ってるより前向き。」
ドルチェット「前向きすぎてよ、クソつまんねー実験所を飛び出して来ちまった。」
ガチャ
室内に一つあるドアが開かれ数人の男達が入ってきた。
ドルチェット「ここはそんなちょいと訳ありの表の世界じゃ生きていけない奴らばかりさ。」
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- 9 : 2014/02/18(火) 23:25:21 :
- 今日はここまでです。
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- 10 : 2014/02/19(水) 00:39:58 :
- ハガレンのままの所が多い。もう少し独自の展開があればもっと面白いと思う。
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- 11 : 2014/02/19(水) 18:57:15 :
- >>10さん、確かにそうでした。グリード戦はハガレンのままにしない予定です。
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- 12 : 2014/02/19(水) 19:43:13 :
- グリード「こいつが...確かにこの髪は東洋人だ。しかも美人。」
グリードはミカサに近付く。
グリード「よろしくな嬢ちゃん。俺はグリードってんだ。お前の買い手が見つかるまで、仲良くやろうや。」
ミカサ「...!」
ミカサはグリードの左手にエレンが第四研究所で見たという黒服の男女に彫られていたものと同じ入れ墨が彫られているのを見た。
ミカサ「ウロボロスの入れ墨!」
グリード「ん?これ知ってるのか?」
ミカサ「セントラル区で仲間がその印を持つあやしい人に会った。」
グリード「あいつらと接触してんのか。錬金術師か?」
ミカサ「私は違う。その仲間がそう。」
グリード「ふーん。ま、それはどうでもいいや。」
ミカサ「あなた達の目的は何?」
グリード「そりゃお前をなるべく高く売ることだ。」
ミカサ「違う。ウロボロス組の目的。」
グリード「俺はそんなもん知らねぇよ。いや、全く知らないと言う訳じゃねぇが、お前の仲間と接触した目的は知らん。」
ミカサ「...なら質問を変えよう。なぜあなた達は金のために人の幸せを奪おうとするの?」
グリード「なぜ、か。俺は強欲なんだよ。金も欲しい!女も欲しい!地位も!名誉も!この世の全てが欲しい!」
ミカサ「欲に溺れるなんてくだらない。ので、制裁をくだそう。」
スッ
バキッ
ミカサは一瞬で立ち上がりグリードの腹に蹴りを入れた。
ミカサ「あなた達ごとき、鎖に繋がれていようと勝てる。」
ムクッ
グリードは何事も無かったように立ち上がった。
ミカサ「そんな...」
グリード「鎖に繋がれてるのにここまで動けるとは中々やるじゃねぇか。けどよぉ。」
ガッ
グリードはミカサの顔を掴み自分に近付けた。
グリード「まぁ、落ち着け、な?」
ミカサはグリードを睨み付ける。
グリード「がっはっはっ!思い切りが良い奴は好きだ!お前、見所があるぞ!だがこれじゃあ全然ダメだ。俺を倒したきゃ、こんくらいやらねぇと。」
バキャ!
突然、グリードの仲間であるロアが手に持った木槌でグリードの顔の上半分を吹き飛ばした。
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- 13 : 2014/02/19(水) 21:11:14 :
- ミカサ「え...何て事を!仲間じゃない...の」
ムクッ
顔の上半分がないままグリードは立ち上がった。
パキパキパキパキ
吹き飛ばされた部分が赤い光を放ちながら復元された。
グリード「あ、あー。これで一回死亡だ。おい、もっちっときれいにやれねぇのか?」
ロア「はっ、申し訳ありません。」
グリード「と、こんな具合なんでな。半端じゃダメだぜ。」
ミカサ「不死身!?」
グリード「いや、俺は不死身って訳じゃねぇ。人造人間(ホムンクルス)って知ってるか?」
ミカサ「いえ。」
グリード「錬金術によって人工的に造り出された人間、人ならざる人のことだ。そして、今お前の目の前にいるのがそれだ。ちょいと丈夫に造られちまったんでな、こんななりでももう200年近く生きてる。この壁ができる前からだ。」
ミカサ「そんなこと、あり得るはずがない!」
グリード「がっはっはっ!世の中には陽の当たらない裏の世界がある。こいつらキメラ人間も表の世界に知られてねぇだけでここにこうして確かに存在する。」
グリード「ありえない、何てことはありえない。俺の秘密は教えてやったんだ。買い手待ちでここにいる間はちゃんと食糧はやるし睡眠もとらせる。だから大人しくしてな。」
ミカサ「...(エレンがきっと私を助けに来てくれる。でも...エレンを危険な目に遭わせたくない。どうにかしてここから逃げなければ...)」
ドカッドカッドカッ
グリード「ん、何の音だ?」
ガチャ
ミカサ「...エレン!アルミン!」
エレン「ミカサ!」
グリード「何だ、お前らが例の仲間か?悪いことは言わねぇから帰
エレン「巨人の鉄槌(ハンマー デア タイタン)!!!」
バゴォォォォォン!
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- 14 : 2014/02/19(水) 22:17:26 :
- エレン「ミカサ、大丈夫か!?」
アルミン「こいつらは何者?」
ミカサ「人身売買をしている奴ら。それより、多分あいつは、まだ倒れてない。」
エレン「え?」
グリード「おいおい、いきなり殴るのはひどくねぇか?」
パキパキパキパキ
エレン「何だあいつ...傷がどんどん治ってる。」
ミカサ「あいつは錬金術で造られた人で、ホムンクルスというらしい。」
アルミン「そんな!人体錬成は不可能なんじゃ!」
グリード「俺はウソをつかねぇのを信条にしてる。なんなら証拠を...いややっぱやめとこう。それと、俺達は人身売買業者じゃねぇ、デビルズネストって言ってな、ゴロツキの集まりで世間から見れば悪いことを色々やってる。」
エレン「ふざけんな!人間のクズどもが!」
グリード「だから俺は人間じゃねぇっての。」
ドルチェット「俺達は一応人間です。」
グリード「あ、そうだった。それにしても俺も驚いたぜ、まさかこの嬢ちゃんの仲間が、巨人の錬金術師、エレン・イェーガーだとはな。」
エレン「俺のことを知ってるか?」
グリード「有名だぜ。人類の英雄として崇めてる奴もいれば、殺したがってるやつもいる。俺は特に興味ねぇがな。」
エレン「とにかく、ミカサを返せ!」
グリード「それは無理な相談だ。逆にこっちから提案何だが、大人しく帰ってくれねぇか?」
エレン「は!?」
グリード「だから、アジトをめちゃくちゃにしたのは許してやるから帰れって言ってんだよ。」
アルミン「いい加減にしろ!そんな要求、飲めるわけないだろ!」
グリード「は~。おいお前ら、その嬢ちゃん連れて裏口から出ろ。このアジトからとんずらする。ロア、嬢ちゃん運ぶの任せたぜ。」
ロア「はっ。」
グッ
ロアはミカサを抱き上げた。
グリード「おいおいロア、そんな美人抱き抱えるなんてうらやましいぞ。やっぱその仕事、俺がやろうかな。」
エレン「待て!」
ダッ
グリード「行け、ロア。」
ロア「はっ。」
エレン「待て!」
エレンはロアへとブレードを振るう。
ガキィン!
そのブレードをグリードは素手で受け止めた。グリードの手は何か黒いもので覆われていた。
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- 15 : 2014/02/19(水) 23:42:51 :
- グリード「聞き分けのねぇガキには仕置きが必要だよな?おらよ!」
キィィィン!
エレンはブレードで受け止める。
キンキンキンキン
アルミン「(何だあの手は...まるで鋼鉄みたいだ。)」
エレン「アルミン!下がってろ!」
エレン「ふんっ!」
ガンッ
エレンはグリードの腹に蹴りを入れる。
グリード「足、大丈夫か?」
エレン「(何だ、鉄板を蹴飛ばしたみたいだ。こいつの体は一体...アルミン!?)」
ダッ
アルミンがグリードの背後を取り、斬りかかった。
アルミン「(足手まといはもうごめんだ!)やぁぁぁ!」
キィィィン!
グリードはまたしても黒くなってる手でこれを防御した。
グリード「なんだぁ今のあまっちょろい斬撃は?笑わせんな!」
バキッ
アルミン「ぐあっ!」
エレン「アルミン!くそぉ!」
エレンは渾身の力でグリードに斬りかかる。
ガキィィィン!
グリード「無駄無駄ぁ!その鋼の剣じゃ、傷ひとつつけられねぇよ!」
エレン「なら!」
パシュッ
ギュイーン
エレンは立体機動で天井まで上昇した。
エレン「巨人の斧(アックス フォン タイタン)!」
ドゴォォォン!
バキバキバキ
エレン「どうだ!全身の骨を砕いてやったぜ!」
エレンはグリードの近くに着地する。その瞬間。
ボッ
エレン「おわ!」
突然、うつ伏せの状態から放たれたグリードの攻撃をエレンは何とか避けた。
グリード「おーいてぇ、普通の人間だったら死んでたぞ。」
グリードは身体を修復させながら起き上がった。
-
- 16 : 2014/02/19(水) 23:44:41 :
- 今日の分は以上です。
明日には独自の展開の所までいけると思います。
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- 17 : 2014/02/20(木) 03:03:33 :
- エレンはもう少し人体錬成(必殺技)以外に錬金術を使った方がいいのでは?
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- 18 : 2014/02/20(木) 18:41:06 :
- >>17さん、アドバイスありがとうございます。
エレンは真理を見てるわけではないので錬成には錬成陣が必要なので錬金術を戦闘に組み込むのは難しいですが、使わせたいなと思います。
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- 19 : 2014/02/20(木) 18:56:00 :
- エレン「全然普通じゃないんだな。」
グリード「いやぁ、体の構造や構成物質は普通なんだけどな、ちょいと再生能力が過ぎるのと、最強の盾があるだけだ。」
エレン「まさか、不死身なんてことはないよな?」
グリード「おお!なれたらいいねぇ、不死身!分かったろ、お前は俺に勝てねぇ。この盾に傷ひとつ付けることもできねぇ。大人しく引き下がった方が利口だぜ。」
エレンは全く応じる素振りを見せない。
グリード「...お前、あれだな。自分が傷だらけになるのは平気だが、身内がちょっとでも傷付くのには耐えられなくて冷静さを失う!愚かだな。そうやって激情に任せて仲間も自分の命も失うか?」
エレン「お前を倒せばミカサを助けに行ける。無限の再生能力じゃないんだろ?生身の部分を攻撃し続ければ...」
グリード「がっはっはっはっはっ!!悪かったなぁ手抜きしちまって。」
ゾゾゾゾゾゾゾ
グリードの手を覆う黒い皮のようなものが身体中に広がり始めた。
グリード「ちょっとブ男になるんであんま見せたくねぇんだよ、これ。」
グリードは全身をその最強の盾で覆った。
グリード「言っただろ?お前は俺に傷ひとつつける事ができねぇ。」
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- 20 : 2014/02/20(木) 20:48:48 :
- エレン「...ねぇよ。」
グリード「あ?」
エレン「やってみなけりゃわかんねぇよ!」
バチバチバチ
エレン「巨人の鉄槌(ハンマー デア タイタン)!」
バゴォォォン!
グリードは壁まで吹き飛ばされた。だが
グリード「痛くも痒くもねぇぜ。」
エレン「なら今度は...」
パシュッ
ギュイーン
グリード「またそれか。」
エレン「巨人の斧(アックス フォン タイタン)!」
ズドォォォォン!
エレン「ハァハァハァハァ...!?くそが...」
グリードは何事もなかったかのように立っていた。
グリード「だから無理だって言ってんだろ。いい加減諦めろ。」
エレンはブレードを構え続ける。
グリード「仕方ねぇ、お前には死んでもらうとするよ!」
ダッ
グリードがエレンに詰め寄る。
グリード「はぁ!」
ブンッ
エレンはグリードの攻撃を避け懐に入る。
エレン「うぉぉぉ!」
ガキィィィン!
グリード「巨人化しようとブレードを使おうと無駄だ!」
ガシ ブンッ
グリードはエレンの頭を掴み、放り投げた。
エレン「...まだ...だ。うっ」
グググ
グリードがエレンを胸ぐらを掴んで持ち上げる。
グリード「最後のチャンスだ。大人しく帰りな。」
エレン「...いやだね」
グリード「そうか、なら...ここで死ぬんだな。」
グサッ
-
- 21 : 2014/02/20(木) 23:21:46 :
- アルミン「うう...(僕はなんで倒れてるんだっけ...そうだ、あいつに蹴り飛ばされて。エレンは?)」
アルミン「...エ、エレン...」
アルミンが見たもの。それはグリードの手刀に胸を貫かれたエレンだった。
アルミン「...エレン、うああああああ!」
グリード「起きたみてぇだな。さ、そいつの死体連れてって帰んな。」
アルミン「(僕はまた、何も出来なかった...!?)」
グリード「どうした...!?」
グリード「嘘だろ...」
何とエレンが起き上がった。
エレン「まだ...だ...」
グリード「お前...胸の傷が...」
エレン「え...あぁ!?」
エレンの胸の傷からは赤い火花が走っていた。それとともに、傷がみるみる塞がっていく。
エレン「どうなって...」
グリード「おいおい、冗談じゃねぇぞ。お前も...俺と同じ...」
グリード「ホムンクルスだなんてよぉ。」
アルミン「(エレンが...ホムンクルス!?)」
エレン「ふ、ふざけるな!俺には人間の親がいる!それに、今まで怪我した時だってこんな風に治ったことは...」
グリード「その理由は知らねぇが、さしずめ、人間ベースのホムンクルスってことか。」
エレン「人間ベース!?」
グリード「ああ、俺達賢者の石から生まれたホムンクルスとは違い、普通の人間に賢者の石を注入することで出来上がるホムンクルスだ。」
エレン「注入!?(まさか...親父のあの注射か!?)」
グリード「心当たりがあったみたいだな。」
エレン「...」
グリード「混乱してるみたいだな、無理もねぇ。いきなりホムンクルスだって言われて受け入れられる方がおかしい。」
エレン「はははは。」
グリード「狂ったか?」
エレン「はははははは。都合が良いぜ。」
グリード「はぁ?」
エレン「お前を倒すのには、こっちの方が都合が良いって言ってんだよ!」
グリード「...まだやる気か?」
エレン「当たり前だ!これで中々死なない点は同じになった。後はお前のその最強の盾を破るだけだ!」
グリード「はぁ...わかんねぇやつだな、俺の最強の盾は、お前じゃ破れねぇよ!」
-
- 22 : 2014/02/20(木) 23:44:32 :
- エレン「うおぉぉぉぉ!」
タッタッタッタッ
グリード「何回やっても俺には勝てねぇよ!」
ガッ
グリードの左フックがエレンの顔面を捉えた。
エレン「ぐ...ぅああああ!」
ガキィィィン
グリード「ふんっ!」
グリードはエレンを蹴り飛ばした。
エレン「うう...」
グリード「ホムンクルスの体を活かしてダメージ覚悟で猪突猛進か。ただ一つ言っておくと再生能力はどちらも同じだ。消耗戦に持ち込むのは得策じゃねぇぜ。ま、最強の盾がある以上は俺が消耗することはないけどな。」
エレン「今度は...」
エレンが錬成陣を右手に当てようとする。
グリード「うっとぉしい!」
バキィ
エレン「ぐあ!」
グリード「そんなにお望みなら何回でも殺してやるよ!」
ガンガンガンガン
バキィ
ガンガンガンガン
エレンはグリードの強烈なラッシュを食らった。
エレン「ま...まだ。」
エレンの身体の至るところから赤い火花が迸る。
グリード「このままじゃらちが明かねぇ。終いにするか。」
ガシッ
グリードはエレンの頭を掴んだ。
グリード「はぁぁぁ!」
ゴンッ!
エレンの頭はレンガの壁に叩きつけられた。エレンの頭の傷はみるみる塞がっていく。だが、エレンは起き上がらなかった。
アルミン「エレン!?」
グリード「そいつはもう起きねぇよ。脳へのダメージ、これが人間ベースのホムンクルスの弱点だ。」
-
- 23 : 2014/02/21(金) 00:24:07 :
- 今日はここまでです。
-
- 24 : 2014/02/21(金) 19:27:02 :
- アルミン「え、だって、エレンはお前と同じ...」
グリード「あいつは人間ベースだって言ったろ。」
アルミン「それで何が違うんだ。」
グリード「俺達、賢者の石から生まれたホムンクルスは賢者の石が核となっていて、賢者の石に含まれる魂が人間の脳の働きをしている。だが人間ベースのホムンクルスの身体に指令を送っているのは脳だ。その脳が停止すれば何も出来なくなる。」
アルミン「そんな...じゃあエレンはもう起きない...」
グリード「いや、賢者の石の力で脳の損傷は治るし、人間の生命維持機能によっていつかは目を覚ます。だが、今日目を覚ますことはねぇよ。」
グリード「お前はこいつより頭が良さそうだから聞き入れてくれそうだ。そいつを連れて大人しく帰りな。」
アルミン「...分かった。」
グリード「賢明な判断だ。それとこいつに一つ言っておけ、俺には、グリードにはもう関わるなと。」
アルミンは無言で頷き、エレンの元へ向かう。
アルミン「エレン、ミカサ、何もできなくて...ごめん...」
ググッ
アルミンはエレンを背負い、デビルズネストを後にした。
-
- 25 : 2014/02/21(金) 20:48:40 :
- エレン「う...うう...!」
ガバッ
アルミン「エレン!」
エレン「アルミン...ここは...ミカサは!?」
アルミン「ここは寮だよ。ミカサは助けられなかった。僕が弱いばっかりに...」
エレン「お前のせいじゃねぇよ。悪いのは俺だ。」
アルミン「エレンは良く戦ったよ!あいつが強すぎるんだ。」
エレン「俺は、あいつと同じホムンクルスだった。それなのに負けたのは、俺が非力だからだ。」
コンコン
クリスタ「入っても良い?」
エレン「ああ、良いぜ。」
ガチャ
クリスタ「エレン、大丈夫?」
ユミル「こっ酷くやられたみたいだな。」
サシャ「しかし、無傷で意識を奪われたってことは、首トンでもされたんですか?」
エレン「...まあ、そんなところだ。」
アルミン「(エレンがホムンクルスだってことはまだみんなには言うわけにはいかない。でも、ハンジ分隊長達には報告しなきゃな...)」
ジャン「おいエレン!ミカサはどうしたんだよ!?」
エレン「...連れてかれちまった。」
グイッ
ジャンがエレンの胸ぐらを掴む。
ジャン「ふざけんな!お前は幼なじみ一人人間から守れねぇくせに誰も死なせたくないなんて抜かしやがったのか!?」
コニー「やめろよ!エレンは怪我人だぞ!」
エレン「俺が無力だった。それと俺の怪我はもう治ったよ。」
ジャン「もう治るような軽い怪我で意識を失ったってのか!?」
エレン「...ああ。」
ジャン「ふざけやがって...」
バッ
ジャンはエレンの胸ぐらを放した。
ジャン「もう二度と誰も死なせないなんて戯れ言ほざくんじゃねぇぞ!この死に急ぎ野郎!」
コツコツコツコツ
ジャンはエレンの部屋を後にした。
-
- 26 : 2014/02/21(金) 21:50:54 :
- サシャ「あの、ジャンの事、悪く思わないでください。それだけミカサの事が心配だったってことですから。」
エレン「それくらい、俺だって分かってるさ。」
ユミル「てか、何でお前がジャンを庇うんだよ。」
サシャ「わ、わかりません。」
エレン「?」
ユミル「(もしやこいつ、ジャンのこと...)」ニヤッ
エレン「ライナーとベルトルトは?」
クリスタ「さっきまで居たんだけど用事だって。ライナー達もエレンのことを心配してたよ。」
エレン「俺のことは良い。ミカサが...」
コツコツコツコツ
リヴァイ「情けねぇ姿だな、エレン。」
ハンジ「お見舞いに来たよー。」
エレン「リヴァイ兵長、ハンジ分隊長。」
アルミン「ハンジ分隊長、今回のことで報告したいことがあるのですが...」
ハンジ「何々?」
アルミン「そのー。」チラッ
ハンジ「...あぁ、104期の君達は席を外してくれない?」
ユミル「また何か秘密のお話を?」
ハンジ「そんなところかな。悪いんだけど、お願い。」
クリスタ「分かりました。」
テクテクテク
リヴァイ「それで、報告したい事は何だ?」
アルミン「今回の事件のことです。ミカサが連れ去られてしまったことは既知の事だと思いますが、僕が報告したいことは我々が戦った敵の事です。」
ハンジ「分かった。話してくれ。」
-
- 27 : 2014/02/21(金) 23:44:08 :
- ・
・
・
ハンジ「キメラの集団、ホムンクルスグリード、またしてもウロボロスの入れ墨、そして、エレンがホムンクルス...また謎が多くなっちゃったね。」
リヴァイ「しかし、ホムンクルスってのが本当にいるとはな。」
ハンジ「エレン、君がホムンクルスであるという証を、私達にも見せてくれない?」
エレン「分かりました。」
ガブッ
エレンは自分の手を噛みきった。
パキパキパキパキ
ハンジ「この赤い火花は...変成反応。」
リヴァイ「普通じゃないのは確かなようだな。」
エレン「あの、俺のことは良いのでミカサを助けないと。」
ハンジ「ミカサの事ならちゃんと手は打ってある。調査兵団を総動員してそのグリード一派の捜索中だ。今回は憲兵団も協力してくれるみたいだし、奴等の居場所はすぐわかるはずだ。」
アルミン「憲兵団が協力だなんて、珍しいですね。」
リヴァイ「本来こういうのはあいつらの仕事だからな。」
ハンジ「だから、エレンが焦ることはないよ。」
エレン「はい...」
アルミン「ハンジ分隊長、一つお聞きしたいのですが、エレンが巨人の錬金術を使えることとホムンクルスであることに、関係性はあるのでしょうか?」
ハンジ「そうだね。それは間違いなく、関係大有りだと思うよ。」
エレン「どういうことですか!?」
ハンジ「結論から言うと、君の巨人の錬金術、あれは人体錬成だったってことだよ。」
-
- 28 : 2014/02/21(金) 23:44:24 :
- 今日はここまでです。
-
- 29 : 2014/02/22(土) 16:11:42 :
- エレン「ちょっと待ってください!前に俺の巨人の錬金術は人体錬成じゃないって言ってたじゃないですか!」
ハンジ「あの時は嘘を付いたんだ。いや、嘘とも言えない、願望を言ったってところかな。」
アルミン「願望?」
ハンジ「私達錬金術師に言わせれば、人体錬成は絶対成功しないもの、してはいけないものなんだ。でも、君がホムンクルスで、体内に賢者の石があると言うなら、人体錬成を成功させることも出来る。だから、巨人の錬金術が人体錬成であると受け入れることができたんだよ。」
リヴァイ「話を変えよう。エレン、お前に聞いておきたいことが一つある。」
エレン「何ですか?」
リヴァイ「お前の幼なじみ、ミカサ・アッカーマンは順調に捜査が進めば助けることができるだろう。お前がいなくてもな。だがお前の意志はどうなんだ?」
エレン「意志?」
リヴァイ「ホムンクルスのグリードにやられっぱなしで良いのか?己の非力さから失った仲間を己の力で取り戻したくはないのか?」
エレン「そんなの、決まってるじゃないですか...あいつをぶっ飛ばして、ミカサを俺の手で助け出したいです!」
リヴァイ「...そうと決まれば鍛えねぇとな。」
エレン「はい!」
リヴァイ「その手始めとして、お前に錬金術を教えよう。」
エレン「リヴァイ兵長の焔の錬金術をですか!?」
リヴァイ「そんなはずねぇだろ。お前に教えるのは錬金術の基礎だ。」
エレン「そんなことしてる場合じゃないですよ。」
リヴァイ「お前に拒否権はない。大体な、錬金術のことを何にも知らないくせに人体錬成なんぞやりやがって。調子に乗ってんじゃねぇぞ!」
エレン「(何で怒ってるんだ?)」
リヴァイ「国家錬金術師であるための最低限の錬金術を叩き込む。そうすることでお前の巨人の錬金術の力も上がるはずだ。」
エレン「...分かりました。よろしくお願いします!」
リヴァイ「そうと決まればついて来い。」
エレン「はい!」
テクテクテク
-
- 30 : 2014/02/22(土) 17:34:00 :
- ハンジ「さて、私は捜査に戻るとするかな。」
アルミン「待ってください。あの...」
ハンジ「どうしたの?」
アルミン「僕にも、錬金術を教えてくれませんか!」
ハンジ「どうして急にそんなこと。」
アルミン「グリードとの戦いで、僕は何にもできなかったんです。それで、エレンを一度死なせてしまった。僕の目の前でエレンが死ぬのは二回目なんです。」
ハンジ「エレンが巨人化能力を初めて発現させたときのことだね。」
アルミン「はい。僕はもう、あんな風に足手まといになるのは嫌なんです。エレンやミカサと共に戦いたい。」
ハンジ「でも君には頭が」
アルミン「今の僕は二人に助けられなければ生きていけない。せめて、自分の命くらいは自分で守れるようになりたいんです!お願いします!僕に錬金術を教えてください!」
ハンジ「錬金術を兵団で決められた者以外に教えてはいけないことは知っているよね?」
アルミン「もちろん、無理を承知で頼んでいます。」
ハンジ「...分かった。君に錬金術を教えよう。」
アルミン「え?」
ハンジ「君の目を見ればそう簡単には引いてくれないのは明白だったからね。それに、これからホムンクルス達と戦うために戦力は多いに越したことはない。」
アルミン「引き受けてくださってありがとうございます!」
ハンジ「錬金術の習得は生半可な者じゃない。大半の者は何も錬成できずに挫折する。戦いで使えるレベルまでに使いこなすのは稀だ。それでもやるかい?」
アルミン「もちろんです!」
ハンジ「よし!じゃあ私達も場所を移すとしようか。」
アルミン「はい!」
-
- 31 : 2014/02/22(土) 18:49:37 :
- リヴァイ「 錬金術の発動の仕方はお前も知っての通り、錬成陣にエネルギーを流すことだ。この術は、素人目に見ると魔法に近く、万能に見えるが、いくつか制限がある。その基本は等価交換で、無から物質を作り出したり、性質の違う物を作り出すことは不可能だ。だから、必ず原材料となる物が必要となり、その物質の構成元素や特性を理解し、物質を分解、そして再構築するという3つの段階を経て完了する。これが錬金術だ。」
エレン「何か難しいんですね。」
リヴァイ「このくらい理解しろ。特に等価交換の法則は忘れちゃならねぇ。お前には賢者の石があるから等価交換を無視出来るかもしれないが、これは錬金術の一番の基本だからな。」
エレン「はい!」
・
・
・
ハンジ「次は錬成陣についての説明。錬成陣の基本は円の力。円は力の循環を示し、そこに構築式を描く事で力の発動が可能になる。」
アルミン「円の中の図形が構築式ですか?」
ハンジ「うん。そして力の流れと法則を知ることで、あらゆる事に対応できる。流れを受け入れて理解した上で創造するもの、それが錬金術師だ。理解できた?」
アルミン「はい。」
ハンジ「(この反応、本当に理解してる。やっぱりこの子の頭脳は本物だ...)」
~旧調査兵団本部~
オルオ「はぁ~、疲れた。」
エルド「捜査お疲れ。収穫は?」
オルオ「なしだ。」
ガチャ
ペトラ「あらオルオ、戻ってたんだ。」
オルオ「ペトラか。お前は収穫は?」
ペトラ「なしよ。」
グンタ「やはりそう簡単には見つからないか。」
ペトラ「ミカサちゃんが誰かに買われる前に見つけないと...」
エルド「買い手が中々見つからないことを祈るしかないな。」
-
- 32 : 2014/02/22(土) 20:30:35 :
- ~三日後~
グリード「あの女の調子はどうだ、大人しくなったか?」
ビドー「それが...」
グリード「まだ抵抗すんのか?」
ビドー「いえ、大人しくはなったんですが、今度は食事に手をつけなくなって...」
・
・
・
ドルチェット「なあ、飯はしっかり食べてくれよ。」
ミカサ「断る。」
ドルチェット「そんなことしたって腹が減って弱ってくだけだぞ。」
ミカサ「それで良い、私は誰かの奴隷になるぐらいなら死ぬ。私はエレン以外の者の奴隷になるつもりはない。」
ドルチェット「エレンって、あのガキか。あんなガキのどこが良いんだか。」
ミカサ「何か言った?」ギロッ
ドルチェット「お、落ち着け。とにかくちゃんと飯食え。」
ミカサ「...」
ドルチェット「シカトかよ。」
ガチャ
グリード「おいおい嬢ちゃん。随分弱っちまって、きれいな顔が台無しになっちまうぞ。」
ミカサ「私は何と言われようと死ぬ。」
グリード「奴隷にはなりたくないから死ぬか。愚かな選択だな。奴隷になった先で逃げれば良いだけだろうが。」
ミカサ「そんなことは不可能でしょう?」
グリード「簡単じゃねぇが自ら希望を断ち切る程愚かな事はねぇぜ。それによう、あいつらが来たときにそんなに弱ってたら足手まといになるぜ。」
ミカサ「あいつら?」
グリード「お前の大好きなエレン達だよ。あのガキ共は必ずお前を助けに来るぜ。あいつらの闘志は本物だ。」
ミカサ「エレンが...」
グリード「最も、それがお前が売られる前か後かは分からねぇがな。そのときお前が死んでたらあいつはどう思う?」
ミカサ「それは...」
グリード「分かったら食え。」
ミカサは頷いた。
モグモグモグモグ
グリード「よし、良い子だ。」
ロア「ドルチェット、見張りの交代の時間だ。」
ドルチェット「了解。」
テクテクテク
ドルチェット「あの女を説得するとは、さすがっすねグリードさん。」
グリード「まあな。だが俺が言ったことは嘘じゃねぇ。なにぶん嘘をつかないことを信条にしてるんでな。あのガキ共は必ずくる。もしこいつを売る前に来たら...俺が返り討ちにしてやるまでだがな。」
-
- 33 : 2014/02/22(土) 21:44:46 :
- マーテル「グリードさん、買い手が二人見つかりました。」
グリード「買い取り額は?条件は?」
マーテル「こちらです。」
マーテルはグリードに書類を見せる。
グリード「...ダメだな。こいつらには売るな。」
マーテル「分かりました。」
ドルチェット「買い取り額が低かったんですか?」
グリード「一人はな。もう一人は買い取った後雑に扱いそうなやつだった。」
ドルチェット「扱いそうって、勘ですか?」
グリード「勘は大事だぞ。」
ドルチェット「しかし、早く売らないと奴らが来るんじゃ。」
グリード「それはそれで面白い。だからあせることはねぇよ。」
-
- 34 : 2014/02/22(土) 22:27:50 :
- ~旧調査兵団本部~
リヴァイ「よし、やってみろ。」
エレン「はい!」
カキカキ
エレンは錬成陣を書き上げた。
パンッ
バチバチ
エレン「...できた!」
エレンは床から小さな四角い塊を錬成した。
リヴァイ「ほう、悪くない。後はイメージだな。」
エレン「イメージですか?」
リヴァイ「錬金術の3つの段階の内、再構築は自分のイメージによって形を創るものだ。例えば同じ錬成陣でもイメージによっては...」
パンッ
バチバチ
リヴァイは床から馬の形をした像を創り出した。
リヴァイ「こうなる。もちろん、イメージ通りの形にするには鍛練が必要になる。これが出来るように特訓しろ。」
エレン「はい!それで、他の錬成陣も教えてくれませんか?」
リヴァイ「...」ギロッ
エレン「い、いえ、まだ早いですよね。調子に乗ってすいません。」
リヴァイ「早いとか遅いとかの問題じゃねぇ。錬成陣とは自分で編み出すものだ。錬成の練習のためにこの錬成陣を教えたが、他の物を錬成したきゃ自分で構築式を考えろ。それが、錬金術師だ。」
エレン「俺に、出来ますかね...」
リヴァイ「出来るかどうかじゃねぇだろ、やれ、やるしかねぇだろ。」
エレン「...頑張ります!」
-
- 35 : 2014/02/22(土) 23:29:51 :
- ガチャ
ハンジ「アルミン、錬成の練習は進んでる?」
アルミン「はい。」
ハンジ「オリジナルの錬成陣の考案は?」
アルミン「順調です。3つ程考えつきました。」
ハンジ「3つ!?」
アルミン「はい、どれも形状変化だけで組成の変換は行わないものですが...」
ハンジ「それでもすごいよ!この調子で頑張って!」
アルミン「ありがとうございます。」
ハンジ「(やっぱりこの子は天才だ。もしかしたら、大化けするかも...)」
ハンジ「それで、どんな錬成をするんだい?」
アルミン「はい、コンクリート、土、レンガの形状を変えるものです。これらの錬成陣をリヴァイ兵長のように手袋に書いて、場所に応じて使い分けられるるようにしたいと思っています。」
ハンジ「なるほどね。(そこまで考えてるなんて。)」
アルミン「ただ...最強の盾、あれを破れないことにはグリードには勝てません。恐らく何らかのタネがあると思うんですが...」
ハンジ「体表を覆う何か黒い物だっけ。私も考えてみるよ。」
アルミン「お願いします。」
アルミン「(次こそは、二人の役に立ってみせる!)」
-
- 36 : 2014/02/22(土) 23:30:19 :
- 今日はここまでです。
-
- 37 : 2014/02/23(日) 12:14:48 :
- ~さらに三日後~
リヴァイ「練習の成果を見せてみろ。」
エレン「はい!」
カキカキ
パンッ
バチバチバチバチ
リヴァイ「ほう、悪くない。」
エレンはリヴァイが錬成したのと同じような馬の形をした像を創り出した。
リヴァイ「他の物は錬成出来るようになったか?」
エレン「いえ、まだです。」
リヴァイ「さっさと出来るようになれ。」
エレン「頑張ります。」
コンコン
リヴァイ「誰だ?」
ペトラ「ペトラです。グリード一味の件で報告が。」
エレン「グリード!?」
リヴァイ「入って良いぞ。」
ペトラ「はい。」
ガチャ
ペトラ「報告します。グリード一味について大きな情報が入りました。至急、会議室に来てください。」
リヴァイ「分かった。」
エレン「俺も行っても良いですか!?」
リヴァイ「好きにしろ。」
-
- 38 : 2014/02/23(日) 13:28:16 :
- ~会議室~
ガチャ
エルヴィン「これで全員揃ったな。ではペトラ、報告を。」
ペトラ「はい、デビルズネスト、グリード一味の事ですが、奴らがミカサ・アッカーマンを売る場所が特定できました。」
エレン「本当ですか!?」
ペトラ「ええ。場所は、ウォールシーナのストヘス区、地下市場です。」
アルミン「地下市場?」
リヴァイ「厄介なことになってきたな。」
エレン「どういうことですか?」
ハンジ「地下市場は簡単に言うと、闇取引が行われる所だ。それだけに、多くのゴロツキやヤクザがいる。私達兵士がそこに行ったら、グリード達以外の連中も相手にしなければいけなくなる。」
エルヴィン「それに、闇取引が日夜行われているため警備の目も厳しい。」
エレン「でも、そこでミカサを助けるしかないんですよね?」
エルヴィン「その通りだ。ミカサは私達調査兵団にとって大きな戦力、失う訳にはいかない。そこで、少数精鋭での強行突破で彼女を助け出したいと思う。そのメンバーに君達も加わってもらう。良いね?」
エレアル「「もちろん、望むところです!」」
エルヴィン「他のメンバーだが、リヴァイ、ハンジ、ミケにお願いしよう。」
リヴァイ「分かった。」
ハンジ「了解!」
ミケ「承知した。」
エルヴィン「ミカサを助け出すことを最優先にし、可能ならばホムンクルスグリードを捕縛せよ。」
ハンジ「他の奴らは?」
エルヴィン「...薙ぎ払え!」
-
- 39 : 2014/02/23(日) 14:51:04 :
- ~次の日、地下市場入り口~
ハンジ「ここから地下市場に入る。けど...」
アルミン「門番がいますね。どうします?」
リヴァイ「強行突破っていったろ。」
ハンジ「え、なにする気?」
テクテクテク
門番A「お前、許可証は?」
テクテクテク
門番B「許可証を見せないならここは通さんぞ。」
リヴァイ「邪魔だグズ野郎。」
パチンッ
ドカッ!
リヴァイは焔の錬金術で爆発を起こした。
門番「「ぐあ!」」
ミケ「さすがは焔の錬金術師。」
ハンジ「感心してる場合じゃないよ、爆発なんて起こしたら...」
衛兵A「侵入者だ!迎撃せよ!」
エレン「全部ぶっ飛ばしてミカサを助けましょう!」
タッタッタッタッ
エレン「行き止まり、いや、左に大広間だ。ん?」
大広間には衛兵が横一列に並んで銃を構えていた。
ガガガガガガガガガガガガ
エレン「うわ!」
リヴァイ「廊下に戻れ!」
ダッ
エレン「ふぅ、何とか助かった。」
アルミン「まさか、待ち伏せとは。」
ハンジ「あの、大広間を通り抜けるにはあの銃撃隊を倒さなきゃならないね。」
ミケ「数は20人程。皆マシンガンを持っている。敵に近づく前に撃たれてしまうぞ。」
エレン「俺が行きます。俺なら少し撃たれても平気ですし。」
リヴァイ「いや俺が行こう。」
エレン「兵長がですか!?危険ですよ!」
ハンジ「じゃあ頼むね、リヴァイ。」
エレン「えぇ!?」
ミケ「心配ない、人類最強の名は伊達じゃない。あいつは錬金術も化け物レベルだ。」
ハンジ「まぁ見てなって。」
エレン「はぁ。」
ググッ
リヴァイは指に力を込める。
ダッ
銃撃隊A「出てきたぞ!撃てぇ!」
リヴァイ「うぜぇ、連鎖爆発(ケッタ エクスプロージョン)」
パチンッ
ドカドカドカドカドカドカーン!!
複数の爆発が横一列に並ぶ銃撃隊の全員を吹き飛ばした。
銃撃隊B「まだ...」
パチンッ
ボオッ
まだ意識があった一人を炎が包み込んだ。
銃撃隊B「がぁ!」
バタンッ
リヴァイ「お前ら、進むぞ。」
エレン「(半端ねぇ、さすがリヴァイ兵長だ。)」
-
- 40 : 2014/02/23(日) 16:12:19 :
- ~地下市場とある場所~
買い手「今の爆発音は?」
グリード「さぁね。とりあえず金を出せ。」
買い手「分かった。」
ドサッ
グリード「確かに。これで交渉成立
タッタッタッタッ
グリード「どうした?」
衛兵B「兵団の侵入者です!大広間の銃撃隊を突破しました。早く避難を。」
グリード「あいつらだな。交渉は後にしようぜ。」
買い手「あいつら?知り合いかね?」
グリード「知り合いってもんじゃねぇよ。それで、交渉は後でいいな?」
買い手「もちろんだ。今はとにかく逃げよう。こんなところで捕まる訳にはいかない。」
タッタッタッタッ
グリード「さて俺達も...」
バタンッ
衛兵C「ぐうっ...」
グリード「...どうやら来たようだな。」
ミカサ「エレン!」
エレン「ミカサ!」
リヴァイ「お前がグリードか。」
グリード「おいおい、人類最強の兵士長さんまでいんのかよ。まぁそう言うことなら...逃げるとするぜ。」
リヴァイ「逃げられると思うか?」
グリード「思うね。」
バババッ
エレン「!?」
突然エレン達の頭上から三人の男が現れエレン達に襲い掛かった。
エレン「うわっ、あぶねぇ。」
グリード「ウルファス、ゴレムス、リー、そいつらの相手を頼んだぜ。」
テクテクテク
エレン「待ちやがれ!」
ゴレムス「行かせんぞ!」
ブンッ
エレン「当たるかよ!おら!」
バキッ
エレンはゴレムスのみぞおちに蹴りを入れた。
ゴレムス「それがどうした?」
エレン「(びくともしないだと!?)」
リヴァイ「なら」
リヴァイが焔の錬金術の構えをする。
リー「させん!」
ダッ
リヴァイ「(速い!)」
ブンッ
リーの蹴りをリヴァイは避けた。だが錬金術を使う暇は与えられなかった。
ウルファス「あんたは氷の錬金術師だな。俺が相手してやるよ。」
ハンジ「そりゃどうも、氷雨(リーガン オス アイズ)」
ヒュンヒュン
無数の氷の棘がウルファスを襲う。しかしウルファスはそれを全て避けた。
ウルファス「ガオオオ!」
ハンジ「え?」
ウルファスの頭は姿は狼に近づいていた。
ハンジ「これはこれは、君達、キメラ人間だね。」
-
- 41 : 2014/02/23(日) 16:13:21 :
- 最後から二行目、「ウルファスの姿は狼に近づいていた。」です。
-
- 42 : 2014/02/23(日) 16:32:23 :
- ウルファスとゴレムスとリーはオリジナルなので姿はご自由に想像してください。
-
- 43 : 2014/02/23(日) 17:33:45 :
- ウルファス「その通りだ。」
ハンジ「その状態でもちゃんと話せるのか。」
ウルファス「まあな。俺は狼とのキメラ、ゴレムスはゴリラとのキメラ、リーはウサギとのキメラだ。」
ハンジ「その素早い動きは狼の物か。」
ウルファス「そう言うことだ。行くぞ」
ダダッ
ハンジ「氷雨(リーガン オス アイズ)」
ヒュンヒュンヒュンヒュン
シュッシュッシュッシュッ
ハンジ「(全部避けるなんて。)」
ウルファス「噛み殺してやるよ!」
ミケ「ふん!」
ズバッ!
ウルファス「ぐあっ!」
ミケ「隙だらけだったぞ。」
ハンジ「ナイス、ミケ!」
ミケ「悪いが数の利はこちらにある。」
ウルファス「数の利なぞ、ひっくり返してやるよ。」
ハンジ「無理だね。こっちにはリヴァイがいるんだ。君達には勝ち目が...」
バキッ
リヴァイ「がっ!」
ハンジ「リヴァイ!?そんな。」
リヴァイ「くそが...なんて速さだ。」
リー「焔の錬金術、それは確かに強力だ。だが、発動させなければ意味はない。錬成のときに出来る隙をつけば、錬成を止めることなど簡単なことだ。」
ハンジ「(空気の調整の隙か。)」
バキッ
エレン「うあぁぁ!」
ハンジ「今度はエレンか。」
エレン「(くそ、何て重い一撃だ。)」
ハンジ「(このままじゃ...まずい。)」
ゴレムス「エレン・イェーガー、貴様の意識を奪わせてもらう。」
ゴレムスは拳を振り上げる。
エレン「(まずい...)」
バチバチバチバチ
ゴレムス「!?」
ズガァ!
ゴレムス「ごふっ!」
ゴレムスの立つ床から突然飛び出してきた棘が、ゴレムスの体を貫いた。
エレン「誰が...」
アルミン「僕だよエレン!」
エレン「アルミン!?お前がこれを!?」
アルミン「ああそうさ。」
ハンジ「よくやったよアルミン!後は敵は二人だ。一気に片付けるよ!」
-
- 44 : 2014/02/23(日) 22:17:30 :
- ウルファス「一気に片付けるだと!?嘗められたものだな!」
リヴァイ「...」
ググッ
リー「やらせん!」
ダッ
リー「もらった!」
リヴァイ「どうだかな。」
ブンッ
リーの蹴りは空を切った。
リー「何!?」
リヴァイ「動きは速いが単純すぎだ。来ると分かってればお前の蹴りを避けることなんざ容易にできる。そして、カウンターもな。」
バキッ
リヴァイはリーを蹴り飛ばした。
リヴァイ「終わりだ。」
パチンッ
ボオッ!
リー「うあぁぁぁ!」
ウルファス「くそ!よくも二人を...」
エレン「巨人の鉄槌(ハンマー デア タイタン)」
ウルファス「そんなトロい攻撃、避けるまで...!?」
ウルファスの足は凍っていた。
ハンジ「これで動けないよ。」
ウルファス「くそが...おのれぇぇぇぇ!」
バゴォォォォン!
エレン「ふう。」
ミケ「何とか倒せたな。」
ハンジ「ミカサの下に急ごう!」
-
- 45 : 2014/02/23(日) 23:35:31 :
- タッタッタッタッ
エレン「これは!?」
アルミン「4本に道が分かれてる...」
リヴァイ「間違えた道を行く暇はない、ここから4手に分かれるぞ。」
ミケ「4手とは?」
ハンジ「私達は一人ずつで、エレンとアルミンはペアだ。」
エレン「分かりました。」
リヴァイ「行くぞ!正解の道の奴はミカサを必ず連れて戻ってこい!」
タッタッタッタッ
ハンジ「私の道は当たりかな...」
ダッ
ハンジ「!?」
天井から突然男が襲い掛かってきた。
キィン!
ハンジ「危ない危ない。」
ドルチェット「今のを防ぐか。面倒な相手だ。」
ハンジ「...君はキメラ人間かい?」
ドルチェット「そうだ。犬とのキメラだ。」
ハンジ「そうか、私は氷の錬金術師、ハンジ・ゾエだ。君の名前は?」
ドルチェット「ドルチェットだ。」
ハンジ「ドルチェット、悪いけど君にはここでおねんねしてもらうよ。」
ドルチェット「おねんねするのはお前だ。」
ハンジ「...行くぞ!」
ダッ
-
- 46 : 2014/02/23(日) 23:36:43 :
- 今日の分は以上です。
戦闘シーン、特に複数対複数の戦いは難しいです。伝わってるか心配です(^-^;
-
- 47 : 2014/02/24(月) 01:40:40 :
- がんばれ
-
- 48 : 2014/02/24(月) 19:07:52 :
- >>47さん、ありがとうございます
-
- 49 : 2014/02/24(月) 19:08:10 :
- ミケ「...」
ロア「俺の相手はお前か、鉄(くろがね)の錬金術師、ミケ・ザカリアス。」
ミケ「俺の事を知っているのか?」
ロア「俺達は元兵士だからな。調査兵団の分隊長クラスの者のことは知っている。」
ミケ「もう一つ、待ち伏せということはここが正解の道か?」
ロア「違う。グリードさんの通った道以外の全てに俺達の中の誰かが待ち伏せている。」
ミケ「なるほど。つまり全ての道が最終的には同じ場所に辿り着くということか。」
ロア「察しが良いな。」
ミケ「通してもらおうか。」
ロア「それはならん。ここは通さん。」
ミケ「ならば...力ずくで通るまでだ!」
・
・
・
テクテクテクテク
リヴァイ「...?」
ウルチ「よぉ、待ってたぜ。俺の相手は兵士長さんか。」
リヴァイ「ちっ、雑魚か。」
ウルチ「何だと!?」
リヴァイ「さっさと片付けてグリードとかいうやつとミカサを探すか。」
ウルチ「嘗めてんじゃねぇぞ!おめぇなんぞワニとのキメラのこの俺様が噛み殺してやるよ!」
リヴァイ「...(よだれが汚ぇな。)」
・
・
・
タッタッタッタッ
エレン「(ミカサ...どこだ...)あ、別れ道...」
アルミン「いや違う、ここはさっき分かれた他の道との合流地点みたいだ。」
エレン「てことは、どこから行っても正解の道ってことか?」
アルミン「そうだね。でも、恐らく他の道には敵が待ち伏せている。奴等の狙いは敵戦力の分散だったんだ。」
エレン「なるほどな。なら俺様は急いで先へ進まねぇとな。」
タッタッタッタッ
-
- 50 : 2014/02/24(月) 20:42:27 :
- タッタッタッタッ
エレン「(あれは!)」
エレン「見つけたぜグリード!」
グリード「...来やがったか、ガキ。」
ミカサ「エレン!」
エレン「ミカサ!今助けてやる!」
グリード「...マーテル、嬢ちゃんを連れて水路まで行け。その水路で待ってろ。」
マーテル「分かりました。」
タッタッタッタッ
アルミン「待て!」
グリード「落ち着けよお前ら。マーテルには待ってろと指示した。俺が行くまで出るなと言ったんだ。つまり俺を倒せば嬢ちゃんを助けることができるってことだ。」
エレン「上等じゃねぇか!今度こそぶっ飛ばす!」
アルミン「僕もあれから力をつけたんだ。前のようにはいかないよ!」
グリード「いくら気合いを入れようが力をつけようが無駄だぜ。」
ゾゾゾゾゾゾゾゾ
グリードは全身を硬化させた。
グリード「この最強の盾があるかぎり、お前らには万に一つも勝ち目はねぇよ!」
-
- 51 : 2014/02/24(月) 22:06:24 :
- ブンブンッ ブンッ
リヴァイはウルチの攻撃をひたすら避け続けていた。
ウルチ「どうした?反撃してこねぇのか?」
リヴァイ「ちっ...(こいつも焔の錬金術封じをしてくるか。しかもこいつはさっきの奴より速さは劣るが格闘術は優れてる。蹴り飛ばすのも厳しいか。)」
ウルチ「おらよ!」
チッ
ウルチの右ストレートがリヴァイの左頬をかすめた。
ウルチ「やはりお前は、錬金術さえ封じれば怖くねぇな。」
ウルチ「もらった!」
リヴァイ「!」
バキッ
リヴァイはウルチの右ストレートをもろに食らい、後ろへ飛ばされた。
ダッ
ウルチ「とどめだ、噛み殺す!」
リヴァイ「お前は選択を間違えた。」
シャキィン!
ダッ
リヴァイは剣を抜き、ウルチへと向かう。
ウルチ「死ねぇ!」
リヴァイ「ふん!」
カッ!
リヴァイとウルチは互いにすれ違った。
ウルチ「う、うそだろ...速すぎ...る...」
ザシュザシュザシュザシュザシュッ
バタンッ
リヴァイはすれ違い様にウルチに凄まじい斬撃を浴びせていた。
リヴァイ「焔で死ねたらもっと楽に死ねただろうにな。お前の過ちは、俺に剣を使わせたことだ。まあせいぜい、地獄で後悔しな...」
-
- 52 : 2014/02/24(月) 23:14:32 :
- ハンジ「氷雨(リーガン オス アイズ)」
ヒュンヒュン
シュッシュッ
ドルチェット「あたんねぇよ!今度はこっちだ!」
ダッ
キィィィン!
ハンジ「くっ...また速い奴が相手とか、面倒くさいなぁ。」
ドルチェット「なら大人しく帰ってくれよ。あんたの攻撃を全部避けるのだって面倒なんだぜ。」
ハンジ「そう言うわけにはいかないよ。仲間を助けに来たんだからね。」
ドルチェット「仲間思いだな。だけど犬ってのは忠誠心が強くてな、グリードさんの命令は果たさせてもらう。」
ダッ ダッ ダッ ダッ
ドルチェットが高速でハンジの周囲を動く。
ドルチェット「はぁ!」
ドルチェットがハンジに斬りかかった。
ハンジ「氷壁(ワンド オス アイズ)」
キィィィン!
パキパキパキパキ
ハンジの創り出した氷壁はドルチェットの攻撃を防いだものの、すぐに割れてしまった。
ハンジ「(この場所では水の存在量が少ないか...なら...)」
ドルチェット「どうした氷の錬金術師さん。あんたの錬金術はその程度か?」
ハンジ「どうしても水が少ない所じゃ力が出せなくてね。」
パンッ
バチバチバチ
ハンジは左手の錬成陣の錬金術を使うが氷は現れなかった。
ドルチェット「どうやらもう氷は使えねぇようだな。これで俺の勝ちだ!」
ダッ
ドルチェットはハンジに向かって駆けた。
ドルチェット「はぁ!」
ズシャ
ハンジ「ぐっ...」
ドルチェット「浅いか。だが次で」
ハンジ「...ようこそ、氷の世界へ。」
ドルチェット「は?」
バチバチバチ
ハンジは今度は右手で錬金術を使った。
パキパキパキパキパキパキ
ザクッ
地面から現れた大きな氷の棘がドルチェットの体を貫いた。
ハンジ「氷山針地獄(アイスバッグ ナーデル ホーロ)」
ドルチェット「馬鹿な...氷はもう出せないんじゃ...」
ハンジ「左手の錬成陣は氷を創り出すものじゃなく、大気中の水分を集めるものだ。君は私が創り出した高湿度の空間に突っ込んできたって訳さ。」
ドルチェット「く...そ...」
バタンッ
ハンジ「さて、ミカサを助けにいくとしよう。」
タッタッタッタッ
ドルチェット「ぐ...まだ...死ねねぇよ...」
-
- 53 : 2014/02/24(月) 23:15:14 :
- 今日の分は以上です。
明日はミケ対ロア、エレン、アルミン対グリードの予定です。
-
- 54 : 2014/02/25(火) 19:54:59 :
- ロア「うぉぉぉぉ!」
ロアがハンマーを振るう。
ブンッ!
それをミケは避けた。
ミケ「はぁ!」
ズシャ
ロア「ぐ...さすがは分隊長、一筋縄ではいかんようだ...本気でやらせなもらう。」
メキッ
メキメキメキメキメキメキ
全身の筋肉が膨れ上がり、ロアの頭から角が生えた。
ゴトッ
ロアは手に持っていたハンマーを置いた。
ロア「ゴオオオオオ!」
ブンッ
バキッ
ロア「避けたか。」
ミケ「(素手でコンクリートの壁を砕いただと...)」
ロア「ふん!」
ブンッ
ミケ「当たらなければ意味はない!はぁ!」
ミケはロアへと剣を振るった。
ガシッ
ミケ「(手を掴まれた...何てパワーだ。)」
さらにロアはもう片方の手でミケのベルトを掴む。
ガバァ
ドゴン!
ミケはロアに投げられてしまった。
ミケ「はぁはぁはぁ。お前、強いな。」
ロア「お前もだ分隊長。だが俺の方が一枚上手なようだ。」
ミケ「どうだかな。」
バチバチバチ
ミケ「俺は国家錬金術師だぞ。」
ミケは自分の持っていたブレードを槍へと変えた。
ミケ「お前の弱点はそのリーチの短さだ。例えハンマーを持っていたとしてもこの槍のリーチには敵わん。」
ロア「リーチなど関係ない、お前の槍を弾き返すだけだ。」
-
- 55 : 2014/02/25(火) 21:03:32 :
- ミケ「行くぞ!」
シュッシュッ
ミケは槍でロアを突き刺しにいくが、避けられてしまった。
ダッ
ミケ「お前は近付かせんぞ。」
ミケはロアを槍で薙ぎ払おうとした。
バキッ
ロア「ぐ...それがどうした!」
バンッ
ミケの槍はロアに弾き返された。そしてロアはミケの懐に入った。
ロア「うぉぉぉぉ!」
バキッ
砕けたのはロアの拳だった。
ロア「グォォォ!」
ミケの槍はいつの間にか盾へと変化していた。
ミケ「俺が得意とするのは高速での錬成だ。そして俺は、鉄のブレードを様々な武器に喚装して戦う。これこそが鉄の錬金術師と呼ばれる由縁だ。」
バチバチバチ
ミケの盾は二本の短刀に変化した。
ミケ「はぁぁぁぁ!」
ズシャズシャ!
ロア「うぅ...」
ミケ「まだ倒れぬか。」
ロア「はぁはぁはぁはぁはぁ。」
コツコツコツコツ
ミケ「誰だ?あ...」
???「ご苦労。ミケ分隊長。」
ミケ「ダ...ダリス・ザックレー総統!なぜここへ?」
ダリス「悪党を一掃するためだ。表の奴等は憲兵に相手をさせている。」
ロア「ダリス...ザックレー...」
ロア「ゴオオオオオ!」
ロアはダリスに襲いかかった。
ザシュザシュ!
ロア「がっ...」
バタン
ダリス「ミケ分隊長、君は憲兵の支援に向かえ。」
ミケ「しかし...」
ダリス「残りは全て、私に任せておけ。」
-
- 56 : 2014/02/25(火) 22:14:23 :
- エレン「うおぉぉぉ!」
ガキィィィン!
グリード「その鋼の剣じゃ俺を倒せねぇって何回言えば分かるんだ?」
アルミン「これならどうだ!」
バチバチバチ
アルミンが錬金術を使うと床から次々に棘が飛び出してきた。
バカッ
グリード「お前、錬金術を覚えたのか。だがそれでもこの最強の盾は破れねぇぜ!」
エレン「前とは違うんだよ!巨人の斧(アックス フォン タイタン)!」
ズドォォォン!
グリード「そこの金髪の方は変わったみたいだが、お前は何にも変わってねぇな。」
ダッ
アルミンがグリードの背後から迫った。
グリード「(今のは陽動か!)」
パンッ
バチバチバチ
アルミンはグリードの体に触れ、錬金術を使った。
グリード「...効かねぇなぁ。」
バキッ
アルミン「うっ!」
グリード「何をやっても無駄なんだよ。」
エレン「今度こそぶった斬る!」
エレンはグリードに斬りかかる。
グリード「だから無駄だっ
ズシャ!
グリード「!?」
エレン「ようやく通ったな。」
パキパキパキパキ
グリードの傷はたちまち回復する。そして
ゾゾゾゾゾ
斬られた部分を硬化させた。
グリード「俺硬ぇよな、おかしいな。」
-
- 57 : 2014/02/25(火) 23:28:59 :
- ダッ
エレン「どんどんいくぜ!」
キンキン キィィィン
グリード「効かねぇぜ。(さっきのはまぐれみてぇだな。)」
タッタッタッ
グリード「!?」
アルミン「はぁぁぁぁ!」
パンッ
バチバチバチ
グリード「これがどうした!」
バキッ
アルミン「うぐ...」
エレン「うおぉぉぉ!巨人の鉄槌(ハンマー デア タイタン)!」
グリード「こんなもん効か...
バキバキ
グリード「がふっ!」
グリード「...俺の盾に何をしやがった、金髪のガキ!」
アルミン「錬金術においての基本は等価交換、無から有は作り出せない。すなわちその盾もどこかに原料があるということだ。ホムンクルスと言っても身体の構成物質は変わらない。人体の構成物質で高硬度、態摩耗性質に変化しうる物質は、人体の3分の1を占める炭素だ!」
アルミン「炭素原子は結合の度合いによって硬度が変化する。それこそ鉛筆の芯からダイヤモンド並にだ。」
エレン「さらにもう一つ、お前、硬化と再生を同時にはできねぇな。次は一気に叩かせてもらう。」
グリード「...良いぞ。こうでなくっちゃ面白く
パチンッ
グリード「!?」
ボオッ!
グリード「ぐあああああ!」
リヴァイ「良く燃えるじゃねぇか、ホムンクルス。」
エレン「リヴァイ兵長!」
-
- 58 : 2014/02/25(火) 23:29:17 :
- 今日の分はここまでです。
-
- 59 : 2014/02/26(水) 16:02:39 :
- ダリスがブラットレイ!?
めちゃくちゃ強いやん
-
- 60 : 2014/02/26(水) 19:42:00 :
- >>59さん、ダリスは一話で右目(ブラッドレイとは逆)に眼帯してるなどブラッドレイぽいですが...今日の更新をお楽しみに!
-
- 61 : 2014/02/26(水) 19:56:12 :
- グリード「くそ...(炭素はもろに可燃物だ。焔の錬金術師の相手はまずいか...)」
グリード「兵士長さんが来ちまったか。戦うには相性が悪いな...逃げさせてもらう。」
エレン「は?」
バッ
エレン「!?」
憲兵A「エレン・イェーガーを始め、三名の調査兵団員を確認!彼らに当てないように黒い奴を撃て!」
ガガガガガガガガガガ
ギンギン
グリードの体は弾丸をものともしない。
グリード「ハッハァ!じゃあなガキ共!」
ダッ
エレン「あ...待て!」
ガシッ
憲兵B「エレン・イェーガーは保護した。奴を追え!」
エレン「離せ!」
憲兵B「君達を助けに来たんだ!」
リヴァイ「落ち着けエレン、この手の仕事は憲兵の仕事だ。」
エレン「しかし...」
リヴァイ「ただ一つ、せっかく俺達が追い詰めていたのにお前らが奴を逃がした。この事の責任はきっちりとってもらう。」
憲兵B「...もちろん分かっている。」
憲兵C「奴は排気口から逃げたぞ!」
・
・
・
マーテル「...随分と大人しいのね。」
ミカサ「エレンは必ず私を助けてくれる。ので、無理に抵抗する必要はない。」
コツコツコツコツ
マーテル「グリードさん!」
グリード「マーテルと嬢ちゃんか。」
ミカサ「エレンは!?」
グリード「心配すんな。あいつら強くなっててよ。俺が劣勢になって逃げてきたところだ。」
ミカサ「良かった。」
グリード「マーテル、逃げる算段しとけ。ちょいと面倒なことになった。」
ダリス「それは困る。」
-
- 62 : 2014/02/26(水) 21:40:43 :
- グリード「...誰だ?」
マーテル「ダリス・ザックレー...」
ミカサ「総統がなぜここに!?」
グリード「へぇ...この国で一番偉い方がこんな所に何のようで?」
ダリス「君、年はいくつだね。」
グリード「は?」
ダリス「私は今年60になる。年をとると体が思うように動かなくなる。こんな仕事、さっさと終わらせて帰りたいのだよ。」
グリード「引退しな、おっさん。」
ゾゾゾ
全身硬化を解いていたグリードは手を硬化させた。
ズバッ!
グリードの手が斬り飛ばされた。
グリード「...お...おいおいおい!!なんつーおっさんだ!」
ダッ
ズバッズバッズバッズバッ
ザクッ!
バキッ
グリードは凄まじい攻撃を受け、吹き飛ばされた。
グリード「(何て奴だ。再生も、硬化も間に合わん!)野郎オオオオオオ!」
チッ
グリードの攻撃はダリスの眼帯をかすめたものの、避けられた。そしてダリスの眼帯が外れた。
ダリス「ふん!」
ザクッ!
グリードの喉に二本の刃が突き刺さった。
ダリス「私はね、君のような最強の盾を持っている訳でも、全てを貫く最強の矛を持っている訳でもない。そんな私がどうやって訓練兵を主席で卒業し、その後憲兵として人間相手ではあるが、幾多の戦場を生き抜き、功績をたて今の地位にいるか、わかるかね?」
クワッ
ダリスの右目が開かれた。その目に刻まれていたのはウロボロスの入れ墨だった。
ダリス「君に最強の盾があるように私には最強の眼があるのだよ。さてグリード君、君は何回殺せば死ぬのかね?」
-
- 63 : 2014/02/26(水) 22:58:14 :
- ~地下市場入り口~
ビドー「(どうなってんだ、地下市場が憲兵によって立ち入り禁止になってる。まさか、俺らを狩りに来たのか?グリードさん...)」
~地下市場内~
ドルチェット「はぁ、はぁ、はぁ、!?」
ロア「ドルチェット!」
ドルチェット「ロアか。どうしたその傷。」
ロア「お前こそひどい怪我だ。」
ドルチェット「まあな。」
ロア「...行くぞ。」
ドルチェット「おう。」
~地下市場最深部~
ドン!
ミカサ「今の音は...」
マーテル「暗くて良く見えない...グリードさん。」
コツコツコツコツ
ミカサ「誰?」
コツコツ
マーテル「グリードさん。」
ガクッ
バタンッ
マーテル「グリードさん!おのれザックレー!」
グリード「待て...お前じゃ足手まといになるだけだ。」
ダリス「...これで15回は死んだか。あと何回かね?ん?」
グリード「て...め...」
-
- 64 : 2014/02/26(水) 23:44:28 :
- ドルチェット「ああくそ。さっきの所でくたばってりゃ、楽に死ねたなぁロア。全く、ついてねー。」
ロア「尻尾を巻いて逃げてもいいぞドルチェット。」
ドルチェット「そうしたいところだがご主人様があんなんじゃなぁ。いやになるぜ、犬ってのは忠誠心が強くてよぉ。」
ドルチェットはミカサに近付く。
バキン
ドルチェットはミカサの鎖を切った。
ドルチェット「勝手に誘拐しちまってすまなかったな。そいつ連れて逃げてくれ。」
ロア「頼んだぞ。」
ミカサ「...分かった。」
ガシッ
ミカサはマーテルの手を掴む。
マーテル「!?」
ドルチェット、ロア「「ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉらぁ!」」
タッタッタッタッ
ミカサ「逃げよう!」
マーテル「その手を離しなさい!」
ミカサ「ダメ!あなたが行っても無駄!」
マーテル「良いから!」
ドルチェット「うおぉぉぉぉぉぉぉ!」
スパッ
ドルチェットはダリスに体を真っ二つに切り裂かれた。
マーテル「...ドルチェット!離して!仲間がやられるのを黙って見てろっての!?」
ミカサ「離さない!二人に頼まれたから。」
マーテル「離せ!!!!!」
ミカサ「ダメ!!!!!」
ロア「ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
ズシャ
マーテル「ロア...離して...お願いだから...」
バタンッ
マーテルはその場に倒れこんだ。
グリード「おいおいザックレーさんよ。どうしてくれんだ。俺の部下をこんなにしちまってよ。」
ダリス「駒に情が移ったか。くだらん。」
グリード「情だぁ!?阿呆か、俺を誰だと思ってんだ!強欲のグリード様だぞ!?金も女も部下も何もかも俺の所有物なんだよ。みんな俺の物なんだよ。だから俺は俺の所有物を見捨てねぇ!なんせ欲が深いからなぁ!」
ダリス「強欲!ますますぐだらん!」
ダッ
ザクザクザクザク
ダリスは四本の剣をグリードの両肩と両脇腹に突き刺した。
ダリス「しばらく寝ているがよい。」
バタンッ
-
- 65 : 2014/02/26(水) 23:44:51 :
- 今日はここまでです。亀更新ですいません。
-
- 66 : 2014/02/27(木) 19:18:49 :
- ミカサ「マーテルさん、逃げよう。」
ダリス「待ちたまえ。今回の目的はデビルズネストの殲滅だ。例外は許さん。」
ミカサ「彼女にはもう抵抗の意志はありません。」
ダリス「彼女の意志など関係ない。」
ミカサ「...またそうやって人を必要以上に殺すんですか!?私達東洋人を殺した時のように!」
ダリス「...スカーの影響か。良かろう。彼女の命は取らん、ただ捕縛させてもらう。」
コツコツコツコツ
ダリスはミカサとマーテルのすぐ近くまで寄った。
マーテル「...ザックレー!!!!!」
ガシッ
マーテルはダリスの首を掴んだ。
ミカサ「だめ、マーテルさん!やめて!」
マーテル「良くも仲間を、グリードさんを!」
ミカサ「やめ
ダリス「どうやら抵抗の意志ありのようだ。」
スパッ
血渋きが飛びその血がミカサへとかかる。
ミカサ「(そうだった...この世界は残酷だった...)」
-
- 67 : 2014/02/27(木) 21:18:32 :
- コツコツコツコツ
エレン「ミカサ!無事で良かった!」
ミカサ「エレン!」
エレン「ミカサ、その血は大丈夫なのか?」
ミカサ「これは私のじゃない。」
エレン「...?まぁ良い。帰ろうぜ。」
ミカサ「ええ。」
ダリス「待ちたまえ。君達には訊かねばならん事がある。ここの黒幕、ウロボロスの印を持つ男と何か取り引きをしたかね?」
エレン「何も。」
ダリス「重要な情報を聞き出したりは?」
アルミン「兵団の利益になるようなことは何も。」
ダリス「勘違いするな。軍のためではない。もし奴らと取り引きをしていたら、場合によっては君達を始末せねばならんからだ。軍の中枢に害なす奴らと利害関係にあるならば...」
エレン「ちょっと待ってください!何で俺達があいつらと取り引きしなきゃいけないんですか!?」
アルミン「落ち着いてエレン。奴らとの利害関係はありません。他に質問は?」
ダリス「もうない。引き上げるぞ。」
コツコツコツコツ
ダリス「エレン・イェーガー君、自分の体は大切にしたまえよ。」
リヴァイ「どうにもくせぇな。」
ハンジ「でもミカサが無事で本当に良かったよ。」
ミケ「これからどうする?」
ハンジ「ミカサの療養も兼ねて3日くらいここに滞在して、それから帰るとしようよ。」
ミカサ「私のことは大丈夫です。」
ハンジ「無理しなくていいよ。それに、ウォールシーナにはまだ用があるんだ。」
アルミン「用ですか?」
ハンジ「うん。セントラル区の病院での事覚えてる?」
エレン「えっとー、ウロボロスの入れ墨を持つ奴らと賢者の石。」
アルミン「総統が言うにはそれらに関わって兵団内部で不穏な動きがあって、そいつらの尻尾をつかみたいって言ってました。」
ハンジ「だったらなぜ奴らを皆殺しにする必要があったのか。尻尾をつかみたいなら生け捕りにして吐かせればいい。」
リヴァイ「確かにな。そもそもこの程度の事件でダリスの野郎が出てくるのもおかしな話だ。」
ハンジ「どうにも腑に落ちない事ばかりだ。だから、少し内地に留まりたいんだよ。」
ミカサ「なるほど。そう言うことなら。」
リヴァイ「エルヴィンの野郎に掛け合うとするか。まぁやつの事ならきっと承諾するだろう。」
-
- 68 : 2014/02/27(木) 23:03:36 :
- ~東洋人のスラム~
ガシャ ガシャ
少年「あー!また筋トレしてる!まだ傷口もふさがってないのに無茶すんなよ!」
スカー「東洋人の武僧は常に修練を
少年「良いから顔ふけ!客だよ。」
スカー「...師父!ご無事で何より!」
師父「お前もよく生き延びた。」
スカー「今までどこに?」
師父「南の山間部に寺院の者数名とな。おまえの話は聞いた。国家錬金術師を殺して回ってるそうだな。」
師父「確かに我らの村を焼き滅ぼしたのは国家錬金術師だ。恨みたい気持ちはわかる。だがお前のしていることは八つ当たりに近い復讐でないか。さらには他の東洋人の生き残りにまで危害を加えようとしたそうだな。」
師父「復讐は新たな復讐の芽を育てる。そんな不毛な循環は早々に断ち斬らねばいかんのだ。堪えねばならんのだよ。」
スカー「...」
バサァ
賞金稼ぎA「ジャマするぜぇー。」
賞金稼ぎB「本当にいたぜ!バッテン傷の東洋人だ!大ケガして動けねぇ賞金首がいるってなぁ、親切な人が教えてくれてよぉ!」
賞金稼ぎA「これで俺達は大金持ちぃ!」
少年「なんだって!?」
東洋人A「このスラムに仲間を売るような奴はいない!一体誰が...」
??「ビクッ!」
賞金稼ぎA「ヨキさんよ、情報ありがとな。約束通り賞金は山分けだぜ。」
東洋人B「ヨキさんあんた!落ちぶれて行く宛のないあんたをここの皆は、家族のように受け入れてくれたじゃないか!」
ヨキ「うるさい!敗北者どもめ!私はお前達とは違う!賞金の分け前を元にまたのしあがってやるのだぁぁぁぁぁぁ!イヒァーーーー!お二方!やっちゃってください!」
スカー「俺がここにいては迷惑になるようだ。」
少年「おっちゃん!」
賞金稼ぎB「聞き分けがいいやつだ。そうとも、おめーが行くのは刑務所の
バチバチバチ
賞金稼ぎB「...!?」
賞金稼ぎBの右腕が消滅していた。
賞金稼ぎB「ぎぃ...あああああああああああああ!」
賞金稼ぎA「てめっ、何しやがった。」
ガシッ
スカーは賞金稼ぎAの顔を掴んだ。
スカー「神に祈る間をやろう。」
賞金稼ぎA「なにが神だ!そんなもん!」
バチバチバチ
ゴバッ
賞金稼ぎAの全身から血が吹き出した。
テクテクテク
師父「行くのか。兄が悲しむぞ。」
スカー「もう後戻りはできぬのです。」
師父「そうか、ならばもう止めん。いや、私に止めることはできん。だが二つだけ聞いてくれ。」
スカー「何でしょう。」
師父「一つ、この国のどこかに東洋人の国が残っているという噂がある。もしその国について知ったなら訪れてみてくれ。もう一つ、東洋人の生き残りの娘、もし彼女にまた会ったら東洋人の悲劇を教えるのだ。」
スカー「なぜ?」
師父「彼女がもし復讐の道へ進むというなら、お前はその醜さを知るだろう。もし復讐を捨てるというなら、お前を止めてくれるかもしれん。」
スカー「...復讐をやめるつもりはありません。しかし、言いつけは守ります。」
テクテクテク
-
- 69 : 2014/02/27(木) 23:59:25 :
- ~???~
ラスト「お帰りなさい総統。ちゃんと任務は果たしたようね。」
ダリス「ああ。」
ダリスの頭上には磔にされているグリードがいた。
ラスト「懐かしいわね。一世紀前にここを出てった顔だわ。起きなさいグリード。」
グリード「...おやま、皆さんおそろいで。」
ラスト「いい様ね、最強の盾。」
グリード「おめーは相変わらずいい女だな。最強の矛。色欲(ラスト)さんよ。」
グリード「暴食(グラトニー)おめぇはちっともやそねーな。嫉妬(エンヴィー)またそんなシュミのわりぃカッコしてんのか。怠惰(スロウス)はどうした?」
ラスト「昔からさぼってばかりでね。まだ仕事中よ。」
グリード「ほんとにどいつもこいつも百年前から変わっちゃいねぇ。」
グリード「で、こいつは誰だ?」
ダリス「...憤怒のラース。」
ラスト「あなたが私達を裏切って出ていった後、今から60年前にお父様に造られた新しい兄弟よ。」
グリード「...ダリス・ザックレーだろ?数々の戦場で武功をたてて40代で総統になった。」
ラスト「そう、ダリス・ザックレーという名の人間として最後の詰めに用意された私達の兄弟。」
グリード「年を取るホムンクルス...そんなのありか?」
エンヴィー「あっはっは!何言ってんだろうねこの人は!ありえないなんてことはありえない。あんたの口ぐせだったはずだよ。忘れたの?やだねぇ、年取ってもうろくしてんじゃないの?」
グリード「だまってろや不細工が。」
エンヴィー「...あ?」ギロッ
グリード「おーう、良いねその目、そうでなくっちゃ、久しぶりに本性見せろよゲテモノエンヴィー。」
エンヴィー「糞が、望み通り踏み潰してやるよ...」
バチッ
お父様「よさないかおまえたち。」
-
- 70 : 2014/02/27(木) 23:59:40 :
- 今日は以上です。
-
- 71 : 2014/02/28(金) 18:50:14 :
- お父様「兄弟で争うなど、そんな醜い事はこの父の前でしてくれるな。」
グリード「...よう親父殿。いたのかよ。しばらく見ないうちに随分老け込んだんじゃねぇの?」
お父様「...グリード、我が魂を分けた息子よ。ひとつ問いたい。何故この父を裏切った?」
グリード「何故だと?それは親父殿が一番わかってる事じゃないのか?」
グリード「強欲、あんたがそう産んで俺はその通り生きただけだ。あんたの元にいたんじゃこの俺の欲は満たされねぇ。理由なんざそれだけで十分だ。」
お父様「また私のために働いてはくれんか。」
グリード「ノー!だ!」
お父様「そうか、仕方がないな。」
ガラガラガラガラ
ゴオォォォ
グリードの足元の床が開き、溶融炉が現れた。
グリード「...っとにシュミわりぃ。」
ガコンッ
グリードは溶融炉の中へと落とされた。
グリード「うおおおおおおおおおああああああああああああああああ」
グリード「っはぁ!良い湯加減だなチクショー!地獄の業火はこれ程ぬるくはねぇだろうなぁ!どんなもんか先に行って見ててやるぜ兄弟!」
お父様「生まれた場所へ、我が魂へ還るがよいグリードよ。」
グリード「上等だぁ!腹ぁ壊しても知らねぇぞ親父殿!」
グリード「がっははははははははははは...」
ゴボッ
グリードの中の賢者の石が液状となりお父様の手元のグラスに注がれた。
お父様「来る日にむけて、お前たちの変わらぬ忠誠と安寧を祈る。」
ガパ
ゴクンッ
・
・
・
~総統邸~
コツコツコツコツ
セリム「お義父さん!お帰りなさいお義父さん!」
ダリス「ただいま、セリム。」
セリム「ストヘス区への遠征、どうでした?」
ダリス「うん。実に充実したものだったぞ。」
総統夫人「あなた、もう若くないのですから後進に席を譲ってゆっくりなさったらいいのに。」
ダリス「いやいや、まだ現役だぞ私は。」
セリム「またお土産話を聞かせてください!」
ダリス「ああいいとも、今夜ゆっくりな。そうだ、南でエレン・イェーガー君に会ったぞ!」
セリム「本当ですか!?」
総統夫人「セリムはエレン君の話が好きね。」
セリム「だって!15歳で人類の希望と呼ばれるなんてすごいじゃないですか!僕も早く兵士になりたいです!」
総統夫人「そんなものになってどうするの?」
セリム「僕は憲兵に入ってお義父さんの役に立ちたいです!」
ダリス「はっはっは!セリムには無理だ!」
-
- 72 : 2014/02/28(金) 20:59:52 :
- ~ストヘス区、調査兵団宿舎~
エルヴィン「ミカサの救出、ご苦労だった。そしてミカサ、無事で何よりだ。」
ミカサ「ありがとうございます。」
エルヴィン「では、調査兵団本部に戻ると
ハンジ「ちょっと待って。」
エルヴィン「...何だ?」
ハンジ「もう少しここに留まってたいんだよ。その...ミカサの療養のために。」
ミカサ「お願いします。」
エルヴィン「そうか。そう言うことなら構わないよ。」
ハンジ「じゃ、私達はこれで。」
テクテクテク
エレン「予想通り承諾してもらえましたね。」
ハンジ「ああ。」
リヴァイ「...おいクソメガネ。」
ハンジ「何?いきなり。」
リヴァイ「何故エルヴィンに本当の事を言わない。」
ハンジ「...」
アルミン「僕も気になってました。エルヴィン団長の協力も得た方が良いのでは?」
ミケ「理由があるなら、それは俺達に話せないことなのか?」
ハンジ「...エルヴィンも怪しい。」
アルミン「え...」
リヴァイ「どういう事だ。根拠は?」
ハンジ「エルヴィンはエレン達から賢者の石の話を聞いたとき、石の存在を知らなかったかのように振る舞っていた。でも、マルコーさんの話が本当なら、エルヴィンは賢者の石を使ったことがあるはずなんだ。」
ミカサ「...東洋人殲滅戦。」
ハンジ「そう。エルヴィンは国家錬金術師としてあの戦いに参加している。そしてマルコーさん曰く、国家錬金術師には賢者の石の試作品が渡されているんだ。」
リヴァイ「賢者の石の存在を、あえて知らんぷりしていたってことか。」
エレン「何でそんなこと!?」
ハンジ「分からないんだ。ただ賢者の石が悪魔の研究だって知ってたからかもしれないし、石を造らせていた奴らの味方だからかもしれない。とにかく、エルヴィンを全面的に信頼することは、今は出来ないんだ。」
リヴァイ「だがこのままでどうする。分隊長が団長を信用していないなんて大問題だぞ。」
ハンジ「分かってる。だから、残りの期間で必ず何か掴んでみせる...必ず。」
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- 73 : 2014/02/28(金) 22:25:53 :
- テクテクテク
????「ラスト。」
ラスト「...プライドね。何のよう?」
プライド「父上からの命令です。ストヘス区の血の紋を刻みなさい。」
ラスト「確かに、来るべき日は近いものね。分かったわ。」
ラスト「さて、今度はどんな手を使いましょうか。」
第六話へ続く...
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- 74 : 2014/02/28(金) 22:34:14 :
- 続きはこちらです↓
http://www.ssnote.net/archives/11132/edit
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- 75 : 2014/02/28(金) 22:36:08 :
- 間違えました。こちらです↓
http://www.ssnote.net/archives/11132
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