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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

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巨人の錬金術師 第四話「第五十七回壁外調査」

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  1. 1 : : 2014/02/14(金) 23:11:50
    前回はこちらです↓
    http://www.ssnote.net/archives/9752
    今回は鋼の錬金術師のストーリーと進撃の巨人とのストーリーを絡める大きな起点となる回です。
  2. 2 : : 2014/02/14(金) 23:13:21
    ~前回のあらすじ~
    ドクター・マルコーの研究資料を解読したエレン達は賢者の石の材料が生きた人間であることを知る。エレン達はその事実にショックを受けるものの、賢者の石の実験が行われていた可能性のある第四研究所に潜入することになった。
    第四研究所に潜入したエレン達の前に現れたのは巨人化能力を持つ人間だった。辛くも撃退に成功したエレン達だったがエレンは得たいの知れない者達と接触する。賢者の石の研究に潜む大いなる謎に近づき始めたエレン達であったが、エレン達は、ハンジから今は来るべき壁外調査の成功が最優先であると諭され、壁外調査へと意気を高めた...
  3. 3 : : 2014/02/14(金) 23:15:02
    本編投下は明日からです。
  4. 4 : : 2014/02/14(金) 23:50:10
    きたーーい
  5. 5 : : 2014/02/15(土) 02:27:28
    今更だけど、ハンジの声優さんとエドの声優さん同じだ
  6. 6 : : 2014/02/15(土) 10:55:53
    >>4さん、ありがとうございます。
    >>5さん、そうなんですよね。エドのセリフをハンジが言う場面があったんですけど自分の中ですごいマッチしてました。
  7. 7 : : 2014/02/15(土) 11:10:45
    ~壁外調査当日、カラネス区~

    調査兵団員A「団長!まもなくです!」

    調査兵団員B「付近の巨人はあらかた遠ざけた!開門30秒前!」

    エルヴィン「いよいよだ!これより人類はまた一歩前進する!お前達の訓練の成果を見せてくれ!」

    エルヴィン「開門始め!」

    ゴゴゴゴゴゴ

    エルヴィン「第五十七回壁外調査を開始する!前進せよ!」

    ドドドドドドドドド





    ~陣形内、次列四・伝達~

    ドォォォォン

    アルミン「あれは、黒い煙弾!?」

    アルミン「(近くの人間を無視して中央に迫っているのか!?間違いない!ヤツは)奇行種だ!」

    ドシンドシンドシンドシン

    ネス「チクショー、やるしかねぇか。シス!お前はうなじだ!俺が動きを止める!」

    シス「了解!」

    ダッ
    パシュッ

    ネスは奇行種の足にアンカーを刺した。

    ギュイーン
    ズザザザザザザザザ

    ネス「ふんっ!」

    ザクッ

    ネスは奇行種の足の腱を削いだ。

    グラッ
    バタン

    ネス「今だ!シス!」

    シス「はい!」

    ザクッ
    ズシィィン

    アルミン「やった!ネス班長!...え?」
  8. 8 : : 2014/02/15(土) 11:12:27
    巨大樹の森に入るまではほとんど本編と一緒になってしまうかもしれないです...
  9. 9 : : 2014/02/15(土) 12:37:53
    ズシンズシンズシン

    ネス「またか?右翼側の索敵は何やってんだ?」

    シス「無視してこっちに来たとなると...あれも奇行種のようですね。」

    ネス「しょうがねぇな、シス、もう一度やるぞ。」

    シス「はい!」

    ネス「(しかし、2回も連続するとはついてねぇ、しかも14メートル級はありそうだ。こいつはしんどいぞ)...!?)」

    ズシンズシンズシンズシンズシンズシン

    アルミン「何だあれ!?速すぎる!」

    ズシンズシンズシンズシンズシンズシン

    ネス「(アルミンの方に)行かせるな!シス!」

    シス「はい!」

    パシュッパシュッ

    ネスとはシスはアンカーを女型の巨人のうなじに刺した。

    ギュイーン
    グシャッ

    シスは女型の巨人の手に握り潰された。

    さらに女型の巨人はネスのワイヤーを掴んだ。

    ネス「は?」

    ブンッ
    ボンッ!

    ワイヤーを掴まれたネスは地面に叩きつけられた。

    パカラッパカラッ

    アルミン「違う、奇行種じゃない!ネス班長教えてください。どうすればいいんですかヤツは!?通常種でも、奇行種でもありません。ヤツは!知性がある、超大型巨人や、鎧の巨人、第四研究所の巨人とか...エレンと同じです!」

    アルミン「巨人の体を纏った人間です!誰が!?何で!?まずいよ!どうしよう!?僕も死ぬ!僕も殺される!!」

    スッ

    女型の巨人はアルミンを頭上から踏みつける。

    アルミン「(こいつは、いやこいつらは...何が目的なんだ?」

    ドスンッ!
  10. 10 : : 2014/02/15(土) 13:50:09
    ズドォォォォン!

    女型の巨人の足はアルミンのすぐ横を踏みつけた。アルミンはその衝撃で落馬した。

    ゴロン

    アルミン「うっ...ハァハァ」

    ズシンッ!
    ピラッ

    ズシンズシンズシン

    アルミン「殺さない...のか?何だ今の?フードをつまんで、顔?顔を確認した?まさか、奴の目的は...エレン?」





    調査兵団員C「右翼側が壊滅状態だと!?それでも撤退しないのか?」

    調査兵団員D「さっきから進路が東のままだな。」

    調査兵団員E「目的地の旧市街地は南のはずなのに。」

    調査兵団員F「このままじゃ陣形はあそこにぶつかるな。」

    調査兵団員G「あぁ、見えてきたぜ。巨人樹の森が...」

    パカラッパカラッ

    エルヴィン「巨人の往来があったようだ。路地に草木が生えてない、荷馬車も進めそうだ。後方に伝達してくれ、これより中列荷馬車護衛班のみ森に侵入せよと。」

    パカラッパカラッ

    サシャ「あの、班長、中列は森の路地に入って行くみたいですが、私達このままじゃ、森にぶつかっちゃいますよ?」

    班長「回り込むぞ。」

    サシャ「はい!」

    パカラッパカラッ

    コニー「なぁ、中列だけ森の中に入っていったみたいだけど、陣形ってどうなってるんだ?」

    ミカサ「陣形はもう無い、私達左右の陣形は森に阻まれてその周りを回るしかない。索敵能力は失われた。」

    コニー「何で進路を変えてこの森を避けなかったんだ?エルヴィン団長は地図を読み間違えちゃったのか?」

    ミカサ「...わからない。右翼側の脅威を避けようとするあまりここまで追い込まれてしまったのかもしれない。」
  11. 11 : : 2014/02/15(土) 15:06:10
    パカラッパカラッ

    エレン「兵長!リヴァイ兵長!」

    リヴァイ「なんだ?」

    エレン「なんだって、ここ森ですよ。右から何か来てるみたいですし。どうやって巨人を回避したり荷馬車班を守ったりするんですか?」

    リヴァイ「わかりきったことをピーピー喚くな。もうそんなことできるわけねぇだろ。」

    エレン「え!?なぜ、そんな...」

    リヴァイ「周りをよく見ろ。この無駄にクソデカい木を、立体機動装置の機能を生かすには絶好の環境だ。そして考えろ。お前の大したこと無い頭でな。死にたくなきゃ必死に頭を回せ。」

    エレン「(そうか、俺が新兵だから今の状況を呑み込めてないだけで、先輩達は...)」

    オルオ「なんだよこれ、ふざけんなよ、ほんと...」ボソッ

    エレン「(まさか!?まさか誰もこの状況を理解できていないのか?もしかしたらリヴァイ兵長でさえも...)」

    ズシンズシンズシンズシンズシンズシン

    ペトラ「何の音!?」

    グンタ「すぐ後ろからだ!」

    エルド「右から来ていたという何かのせいか?」

    リヴァイ「お前ら、剣を抜け。それが姿を現すとしたら、一瞬だ。」

    ズシンズシンズシンズシンズシンズシン
    ズシンズシンズシンズシンズシンズシン

    ついに女型の巨人がエレンの前に姿を現した。

    エレン「あぁ!?」

    エルド「ヤツは!?」

    グンタ「クッ、この森の中じゃ事前に回避しようが無い!」

    エルド「速い!追いつかれるぞ!」

    ペトラ「兵長!立体機動に移りましょう!」

    ギュイギュイーン

    エレン「!?」

    ペトラ「背後より増援!」

    パシュッパシュッ

    二人の増援に来た調査兵団員は女型の巨人のうなじにアンカーを突き刺した。
  12. 12 : : 2014/02/15(土) 16:12:41
    ドッ
    バキッ

    女型の巨人は増援の一人を背中で木に押し潰した。

    ガシッ
    バキッ

    さらにもう一人の増援も女型の巨人に殺された。

    エレン「...!」

    オルオ「兵長!指示を!やりましょう!あいつは危険です!俺達がやるべきです!」

    グンタ「ズタボロにしてやる。」

    エレン「(馬鹿め!自分から地獄に来やがった。お前が追っかけてんのは巨人殺しの達人集団だ!)...!?」

    ペトラ「リヴァイ兵長!?」

    エルド「指示をください!」

    リヴァイ「全員、耳を塞げ。」

    キィィィィィィン!

    エレン「音響弾!?」

    リヴァイ「お前らの仕事は何だ?その時々の感情に身を任せるだけか?そうじゃなかったはずだ、この班の使命は、そこのクソガキに傷ひとつ付けないように尽くすことだ。命の限り。俺達はこのまま馬で駆ける。いいな?」

    ペトラ「了解です!」

    エレン「え!?駆けるって、一体どこまで?」

    オルオ「良いからエレン!前を向いて走れ!」

    エルド「いや!兵長!奴を止めましょう!このまま走ったって確実に追い付かれます!そのくらいわかってるでしょう?」

    グンタ「エルド!?」

    オルオ「おいエルド!お前までか。」

    エルド「エレンと俺達が組めば奴を食い止めれます!いや、あわよくば倒せるかも。」

    ペトラ「いい加減にしないエルド!兵長の命令にそむくの?」

    エレン「エルドさん...俺は」

    バッ

    エレンは左手を胸に近付けた。

    ペトラ「エレン!?何をしてるの!!それが許されるのはあなたの命が危うくなった時だけ!」

    リヴァイ「エレン、お前は間違ってない、やりたきゃやれ。」

    ペトラ「兵長!?」
  13. 13 : : 2014/02/15(土) 17:16:50
    リヴァイ「俺にはわかる。こいつは本物の化け物だ。巨人の錬金術とは無関係にな。どんなに力で押さえようとも、どんな檻にとじ込めようとも、こいつの意識を服従させることは、誰にもできない。」

    リヴァイ「お前の俺達との判断の相違は、経験則に基づくものだ。だがな、エルドの言う通り、このままじゃ追い付かれるのも事実だ。だからそんなもんはあてにしなくていい、選べ。自分を信じるか、俺やコイツら、調査兵団組織を信じるかだ。俺にはわからない、ずっとそうだ、自分の力を信じても、信頼に足る仲間の選択を信じても、結果は誰にもわからなかった。だから、まぁせいぜい、悔いが残らない方を自分で選べ。」

    エレン「俺は...」

    リヴァイ「エレン!さっさと決めろ!」

    エレン「俺は...俺の巨人の錬金術は、みんなを守るために使いたい...だから...やります!あいつをここで倒します!」

    ペトラ「エレン!?」

    エルド「良く言った!」

    リヴァイ「良いんだな?まだお前の全身巨人化の訓練はしてない。自我を失い、仲間を襲うかもしれねぇ。」

    エレン「制御してみせます!!!」

    リヴァイ「そうか...お前ら、エレンとともにあのクソ女型を倒す。異論はねぇな?」

    オルオ「はい!」

    ペトラ「兵長の指示に従います!」

    リヴァイ「俺が奴の動きを少し止める。そのあとはペトラ達で奴を削れ、締めはエレンだ、奴のうなじを吹き飛ばせ。」

    エレン「はい!」

    リヴァイ「...やるぞ!」

    パチンッ

    リヴァイは指を鳴らした。

    バチバチ
    ドカアァァァン!

    リヴァイの焔の錬金術により、女型の巨人の足元で爆発が起こった。

    グラッ

    リヴァイ「今だ!」

    ギュイイイイーン

    リヴァイ班のメンバーが一斉に女型へと向かった。
  14. 14 : : 2014/02/15(土) 18:31:15
    オルオ「うぉぉぉ!」

    オルオは女型の巨人に正面から向かっていった。女型の巨人は、オルオを掴まえようとする。

    パシュッ
    ギュイーン

    オルオは後ろに下がりよけた。そしてそれにより出来た隙をつき、ペトラとグンタが女型の巨人の目に斬りかかった。

    ギュイイーン
    ズシャッズシャッ

    エルド「次は肩回りの筋肉だ!」

    グンタ「了解!!!」

    ギュイーン
    ザシュッ

    グンタが女型の脇の肉を削いだ。他の三人もそれに続く。

    ザシュッザシュッ
    ザシュッ
    ザシュッザシュッザシュッ

    ズズ
    グラン

    エルド「腕が落ちた!」

    リヴァイ「今だエレン!」

    エレン「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

    バチバチバチバチバチバチ
    カッ!

    ズドォォォォン!

    エレンは全身に巨人の体を纏った。

    エレン「ウオオオオオオオオ!」
  15. 15 : : 2014/02/15(土) 20:37:01
    ズシンズシンズシンズシン

    エレン「ウオオオオオオオオ!」

    巨人化したエレンは女型の巨人の首へと殴りかかった。

    ブンッ!

    ペトラ「避けられた!?目は見えてないはずなのに。」

    リヴァイ「恐らく足音からエレンの位置を予測したな。まぁ勘も大きいだろうが。」

    ドォォォォォ!

    リヴァイは煙弾をあげた。

    オルオ「黄色の煙弾?そんなのありましたっけ?」

    リヴァイ「今回俺に託された特別な煙弾だ。それよりあいつらの戦いから目をそらすな。隙が有れば援護するぞ。」

    ズシンズシン

    エレン「オオオ!」

    ドンッ!

    女型の巨人の腹にエレンの拳が入った。

    ドンッ!ドンッ!ドンッ!

    エレン「(リヴァイ班のみんなのおかげでノーガードだ!このまま一気に決める!)」

    バキィッ

    エレンは女型の巨人の顔を思い切り殴り飛ばした。

    エレン「ウオオオオオオオオ!」

    ブンッ
    バキッ!!!

    エレンの左フックが女型の腹を捉えた。女型はその攻撃を受けて後ろに飛ばされた。

    エレン「(次でとどめだ!)」

    エレンは再び女型の首へと拳を振るった。

    ブンッ!

    エレン「(また避けられた!?予測でここまで分かるものなのか...これは!?)」

    オルオ「片目だけ治ってる!?」

    ペトラ「片目だけ優先して早く治したってこと!?そんなことが...」

    スッ

    女型の巨人は体勢を立て直した。その次の瞬間

    ズパッ!

    エレンの顔の上半分が吹き飛んだ。
  16. 16 : : 2014/02/15(土) 21:46:50
    グンタ「ああ...」

    エルド「まずい!エレンが!」

    ギュイーン

    ペトラ「...兵長!?」

    ズシンズシン

    女型の巨人はエレンへと近付いていく。

    バチッ
    ドカアァァァン!

    女型「!?」

    女型の巨人の前で突然爆発が起こった。

    リヴァイ「おいクソ女型、そう簡単にエレンはやらんぞ。」

    グルッ
    ゴォォォ

    女型の巨人はリヴァイへと殴りかかった。

    スッ
    グルンッグルンッ
    ザシュザシュザシュザシュ

    リヴァイはその腕の回りを大車輪のように回転しつつ肉を切り刻んでいく。

    ダッ
    ザクッ

    リヴァイは両手に持ったブレードを女型の両目に突き刺した。

    リヴァイ「全身ズタボロにしてやるよ。」

    ギュイン
    ザシュザシュッザシュザシュッ

    オルオ「すげぇ、何て速さだ。」

    リヴァイ「ふんッ!」

    ズバズバズバ

    グランッ

    ペトラ「腕が落ちた!」

    エルド「俺達が四人がかりでやった事を一人で...」

    リヴァイ「次はうなじだ。」

    パシュッ
    ギュイーン

    グンタ「これで女型を...!?リヴァイ兵長避けてください!」

    スッ

    女型の巨人の手の甲がリヴァイに迫る。

    リヴァイ「なめるなよ。」

    パチンッ
    ドカアァン!

    女型の手が爆発により吹き飛んだ。

    リヴァイ「はぁ!」

    ガキィィィン!

    リヴァイ「...刃が通らねぇだと。」
  17. 17 : : 2014/02/15(土) 22:40:34
    リヴァイ「(結晶のようなものでうなじを守りやがった。刃が通らねぇとなると、やはりエレンの力がいるか。)ペトラ!オルオ!グンタ!エルド!こいつの相手を頼む!」

    ペトラ「分かりました!」

    エルド「兵長は!?」

    リヴァイ「エレンと話すことがある。もっとも、話が通じるかは分からんが。」

    オルオ「みんな、行くぞ!」

    ギュイイイイーン

    リヴァイ「おい!エレン!言葉は分かるか!?分かるなら反応しろ!」

    コクンッ

    リヴァイ「ほう、どうやら言葉は分かるみたいだな。傷を治しながらよく聞け。奴を倒すのはやめだ、捕まえる。」

    エレン「!?」

    リヴァイ「元々てめぇを餌に知性巨人を捕獲するのが目的だった。それがてめぇの判断のせいでこうなったわけだが...まあ、結果的に奴を捕まえられれば文句はねぇ。ところで作戦だ。良いか...まずはお前は傷が治りしだい女型を攻め込め。そしたら...」

    ギュイーン
    ブンッ!

    オルオ「うお!あぶねぇ!」

    ペトラ「オルオ!気を抜かないで!」

    グンタ「(リヴァイ兵長はこんな奴を一人で相手してたってのかよ。さっきは先手をとれたから良かったが、今度はまずいぞ。食い止めるので精一杯だ。)」

    ズシンズシンズシンズシン

    リヴァイ「お前ら!下がれ!」

    エレン「ウオオオオオオオオ!」

    ドンッ!

    エレンは右ストレートを女型に叩き込んだ。
  18. 18 : : 2014/02/15(土) 23:26:52
    エレン「ウオオオオオオオオ!」

    ドンドンドンドンドン

    さらにラッシュを女型に叩き込む。

    ペトラ「押してる!」

    エルド「いやだめだ!」

    ペトラ「え!?」

    エルド「奴は腕を硬化してエレンのラッシュを防御している。あのままではいずれカウンターの餌食なるぞ!」

    スッ

    女型は片方の足を少し引いた。

    グンタ「まずい!来るぞ!」

    リヴァイ「やらせねぇよ。」

    パチンッ
    ドカン!

    女型の膝裏に爆発が起こった。

    リヴァイ「この程度じゃ倒れねぇか。なら...」

    クグッ

    リヴァイ「連鎖爆発(ケッタ エクスプロージョン)」

    パチンッ
    ドカドカドカドカドカーン!!

    オルオ「一回で複数の爆発を!?」

    エルド「あれが焔の錬金術師の力...」

    グラッ

    リヴァイ「奴の体勢が崩れた!エレン!捕まえろ!」

    エレン「ウオオオオオオオオ!」

    ガシッ

    エレンは女型を抱き抱え、そのまま押し倒した。

    リヴァイ「今だお前ら!こいつの全身の筋肉を削ぎ落とせ!」

    リヴァイ班「はい!」

    ザシュザシュッ

    パカラッパカラッ

    リヴァイ「...エルヴィン来たか。」

    エルヴィン「リヴァイ、これはどういうことだ?」

    リヴァイ「説明は後だ。全員でエレンが拘束してる女型の筋肉を削ぎ落とすぞ。」
  19. 19 : : 2014/02/15(土) 23:27:15
    今日はここまでです。
  20. 20 : : 2014/02/16(日) 11:57:17
    ザシュザシュザシュザシュ

    ペトラ「兵長!女型の筋肉の大部分を削ぎ落としました!これでもう動けません!」

    リヴァイ「...よし。」

    エルヴィン「総員うなじから中身を取り出せ!」

    ザクザク
    ビリリリリ

    調査兵団員H「こいつが中身か。ん?」

    バチバチバチバチ

    オルオ「何だ!?」

    リヴァイ「赤い光!?この感じは...変成反応!」

    シュゥゥゥゥゥゥゥ





    ペトラ「エレン!エレン!」

    エレン「ペトラさん...女型は、中身の人間は、捕まえれましたか?」

    ペトラ「それが...」チラッ

    ペトラが見た方向をエレンも見ると、そこには大きな結晶があった。

    キン!

    オルオ「クソッ、傷一つ...つかねぇ。」

    エレン「...中身が誰なのか、見てきても良いですか?」

    ペトラ「ええ。」

    テクテクテク

    エレン「...!?...ア...アニ!?」

    オルオ「知り合いか?」

    エレン「憲兵団に入った俺の同期です...アニ!どういうことだよ!出てこいよ!説明しろ!おい!」

    ガンガンガンガン

    エレンは拳から血を出しながらもアニの入っている結晶を叩き続ける。

    エレン「なぁ!?出てこいよ!頼むから...」

    エレンは結晶を叩く手を止める。エレンの拳からは弱い赤い光が発せられていたが、そのことに気付くものはいなかった。

    エレン「なぁアニ、教えてくれよ。お前、何のために戦ってたんだ。どんな大義があって...人を殺せた...」
  21. 21 : : 2014/02/16(日) 13:06:35
    ハンジ「エレン、今はそんなことしてる場合じゃない。ワイヤーでネットを作ってこれを縛る。いつ目を醒ますか分からないこの子を壁内の地下に運ぶ。それが最優先だ。」

    エレン「...はい。」

    リヴァイ「女型を捕まえた事は104期の連中に伝えるのか?」

    エルヴィン「いずれバレる事だ、伝えておいた方がいいだろう。」

    エレン「どういうことですか?」

    リヴァイ「...この話も後だ。速やかに撤退するぞ。」





    カンカンカン

    鐘が鳴る音ともに壁の扉が開いた。

    住人A「調査兵団が帰ってきたぞ!」

    住人B「今朝より数がかなり少なくなってないか?」

    住人C「早朝から叫び回って出てったと思ったら、昼飯時にはもう帰ってきやがった。」

    住人D「でもよぉこいつら、壁外調査に失敗したにしては顔が生き生きしてねぇか?もしかしたら何か掴んだのかも。」

    住人C「おいおい、あいつを見ろよ。死んだような顔してるぜ。やっぱり失敗したんじゃねぇのか。」

    その住人が指しているのはエレンだった。

    エレン「(...アニ。)」

    リヴァイ「おい、いつまでしけた面してやがる。今回の壁外調査は成功したんだ。もっと胸を張ってろ。」

    エレン「...はい。」

    ???「ちょっとどいてください!」

    民衆の間を縫うように一人の男が近づいてきた。

    エルド「おかえりなさい、リヴァイ兵長!そして申し訳ありません!」

    リヴァイ「!?」

    そこには普段着のエルドがいた。

    エルド「何者かに捕まって、壁外調査に参加することができませんでした。リヴァイ班としてエレンを守るという重要な任務に就かせていただいたのにも関わらず、このような失態を犯してしまい、申し訳ありません!」

    リヴァイ「どういうことだ?」

    エルド「え?」

    ペトラ「エルドなら...ちゃんと壁外調査に参加してて...今ここに...」
  22. 22 : : 2014/02/16(日) 14:02:47
    エルド「あーあ。もうちょっと遊んでたかったんだけどなー。」

    パキンッ
    バチバチバチバチ

    エレン「お前は!第四研究所の!」

    エンヴィー「久しぶり、巨人のガキんちょ君。」

    ペトラ「何今の...姿が変わった?」

    エルド「貴様何者だ!」

    エレン「今度こそぶっ殺してやる!」

    リヴァイ「待てエレン。」

    リヴァイ「お前のことはハンジから聞いている。本当は今すぐてめぇを捕縛して、お前らの事を洗いざらい吐いてもらいたいところだが、生憎この人混みだ。見逃してやるからとっとと消えろ。」

    エンヴィー「見逃してやる?随分上から目線だねぇ、人類最強のおチビさん。」

    リヴァイは顔色を全く変えない。

    エンヴィー「...つまんねぇの。でも目的は達成できたしとんずらさせてもらうよ。バイバイ」

    タッタッタッタッ

    リヴァイ「目的...なんのことか分かるか?」

    エレン「いえ...」

    リヴァイ「エルド、さっきの奴がお前のふりして乗ってた馬に乗って、俺達と来い。これから今回の壁外調査を受けての会議がある。お前もそれに参加してもらう。」

    エルド「分かりました。」
  23. 23 : : 2014/02/16(日) 15:41:58
    ~現調査兵団本部~

    エルヴィン「ではこれから、今回の壁外調査の収穫と、今後の課題について会議する。」

    ジャン「あの...一つ良いですか?」

    エルヴィン「構わんよ。」

    ジャン「何で俺達104期の新兵まで呼んだんですか?」

    アルミン「もしかして、女型の中身...僕らの同期だったんですか?」

    ライベル「!?」

    ジャン「女型...お前が出くわした奴か。中身が同期って...そんなはずが」

    エルヴィン「さすがはアルミン。その通りだ。」

    ジャン「え!?」

    コニー「何だその...めがたって。」

    ハンジ「今回私達が捕獲した、女の姿をして知性を持った巨人のことだよ。」

    クリスタ「それで、中身は誰だったんですか?」

    エルヴィン「...アニ・レオンハートだった。」

    104期「!?」

    クリスタ「アニが...嘘だ...」

    ジャン「ふざけんな!そんなこと信じれるわけ」

    リヴァイ「信じられないなら後で結晶の中に引きこもったそのアニって奴を見てみるんだな。」

    エルヴィン「君達に来てもらったのは他でもない、アニ・レオンハートのことについて聞くためだ。ささいなことでも良い、話してくれ。」

    アルミン「...分かりました。」
  24. 24 : : 2014/02/16(日) 16:55:43




    ジャン「アニについては...こんな所です。」

    ハンジ「なるほど、彼女は諜報員としては優秀だったってわけか。」

    エルド「彼女が女型であるヒントになるのは、類いまれなる格闘術と、トロスト区防衛戦において巨人化したエレンを助けようとした点のみとは...」

    アルミン「あの、もう一つ良いですか?」

    エルヴィン「何だ?」

    アルミン「...被験体の2体の巨人を殺害した犯人、それはアニであると思います。」

    ペトラ「その事は私達も予想済みだけど...」

    グンタ「この場で言い出したってことは、証拠のようなものがあるのか?」

    アルミン「はい。立体機動装置の検査のとき、アニはマルコ・ボットの装置を提示していました。」

    ジャン「マルコのだと!」

    アルミン「もちろん、絶対とは言い切れませんが、装置のキズやヘコもからそう判断しました。」

    エルヴィン「分かった。貴重な情報ありがとう。」

    ジャン「おいアルミン!なら、マルコは、アニに殺されたかもしれないってことか!?」

    アルミン「...その線は薄いと思うよ。」

    ジャン「そうか...」

    エルヴィン「新兵諸君、お陰でアニ・レオンハートという人物について知ることができた。ありがとう。そしてすまないが、ここからは席を外してくれ。」

    ジャン「分かりました。」

    ハンジ「エレンとミカサとアルミンは残って。」

    サシャ「何でですか?」

    ユミル「エレンは分かりますがミカサとアルミンを残すのは変だと思いますが?」

    ハンジ「ちょっとね。」

    クリスタ「何かあったんですか?」

    リヴァイ「良いからとっとと出ろ。」

    ジャン「みんな、出るぞ。失礼しました。」

    ガチャ
    テクテクテクテクテク
  25. 25 : : 2014/02/16(日) 18:13:30
    オルオ「女型が捕まったって事、本当に言ってよかったんですか?もし女型の仲間がやけをおこして攻めてきたら、防ぎきれませんよ。」

    エルヴィン「その事は心配ない。彼女が結晶の中にいることも伝えた。彼女が安全な状態である以上、下手な真似はしないだろう。」

    エレン「それで...これから、俺達はどうすれば?」

    アルミン「賢者の石のことはどうするんですか?」

    ハンジ「んー。また手がかりが無くなっちゃったからね。それに材料が生きた人間ではこれ以上調べるのはちょっと無理かな...」

    エレン「そう...ですか。」

    リヴァイ「だがエレンが第四研究所で会ったという黒服の連中のことは調査した方が良いだろう。」

    エルド「俺に化けていたあいつですか。」

    ハンジ「エルドに化けていた?」

    リヴァイ「あの野郎、エルドに化けてリヴァイ班として壁外調査に同行しやがった。」

    ミカサ「あなたの目は節穴なの?」

    オルオ「おい!兵長に向かって何てこと言いやがる!生意気だぞ!」

    ミカサ「うるさい老け顔。」

    オルオ「」ガクッ

    ペトラ「その黒服の少年はエルドと全く同じ姿になっていたの。どうやら錬金術で姿を変えられるみたい。」

    ハンジ「それって、人体錬成じゃないか。」

    エレン「人体錬成がどうかしたんですか?」

    リヴァイ「錬金術には禁忌があってな、金を作ることと人体の錬成をすることだ。金を作ることは経済の混乱を防ぐためだが...人体錬成は成功例がなく、リバウンドによる死者が相次いだことによって禁忌とされている。」

    ハンジ「ますますその黒服の集団が怪しくなってきたね。」

    エルヴィン「ではこれから次の壁外調査までは、その黒服の集団の調査を進めるとしよう。それと同時進行で、女型の仲間も見つけ出すぞ。」

    全員「ハッ!」
  26. 26 : : 2014/02/16(日) 19:27:02
    エルヴィン「それで一つお願いだが、エレン達には新兵が生活している寮に入ってもらい、彼らの動向を探ってもらいたい。」

    エレン「そう言えばあいつらと最近生活してなかったな。」

    アルミン「僕らとしても彼らと一緒にいられるのは嬉しいです。」

    エルヴィン「それは良かった。探ると言っても普段通り生活していて、不自然なことがあったら報告するという程度で構わない。君たちはここまで働きっぱなしだったからね。少し休むといい。」

    エレン「はい。」

    ハンジ「私達も、黒服の連中の手がかりが見つかるまでは、しばらく休養かな。」

    エレン「じゃあ僕達も、これで失礼します。」

    アルミン「あの、一つ良いですか?」

    ハンジ「何?」

    アルミン「エレンの巨人の錬金術って、人体錬成じゃないんですか?」

    エルヴィン「!?」

    ハンジ「...違う違う、人体錬成は人間の体の組成を変えたり新しい生命体を作ったりすることであって巨人化は違うよ。もし人体錬成なら成功するはずないしね。」

    アルミン「そうですか...では」

    ガチャ
    テクテクテク

    エレン「巨人の錬金術、確かに人体錬成っぽいよなー。」

    ミカサ「でもハンジ分隊長は違うと言っていた。ので、気にすることはない。」

    アルミン「そうだよ。」

    エレン「だな。それより明日から、あいつらと生活すんのか。楽しみだ!」

    ミカサ「ええ。」

    アルミン「(やっぱりエレンの巨人の錬金術は、人体錬成だと考える方が自然だと思うけどな。でも反動が起こってないのも事実だし...錬金術の事を知らない僕が考えたって、わかるはずないか。)」
  27. 27 : : 2014/02/16(日) 20:42:13
    ペトラ「エレン、アニ・レオンハートのこと、ショックだったみたいだけど大丈夫かな。」

    リヴァイ「あいつは弱いが、いつまでも引きずるようなやつでもない。」

    ハンジ「それより私が気になるのは、彼の巨人の錬金術だよ。」

    オルオ「人体錬成ではないんですよね?」

    ハンジ「いや、さっきは彼の手前そう言ったけど...巨人の錬金術はどう考えても人体錬成だ。」

    リヴァイ「だがリバウンドが起こってない。そのことはどう説明する。」

    ハンジ「そこなんだよねぇ。それこそ賢者の石でもあれば可能なんだろうけどさ。」

    エルヴィン「我々がいくら考えても分かることではない。今は黒服の連中と女型の仲間を見つけることに集中しよう。そうすれば彼の錬金術についても分かるだろう。」

    ハンジ「それもそうだね。」

    ~調査兵団寮周辺~

    アルミン「見えてきた!調査兵団の寮だ。」

    ミカサ「私達新兵は南側の建物らしい。」

    エレン「となると...あそこか。」

    アルミン「みんな、元気にしてるかな...て、さっきあったばっかりか。」

    ミカサ「どうしたのアルミン。考え事のし過ぎで頭がおかしくなったの?」

    アルミン「ひどいな!」

    エレン「(ミカサ、いつもの感じにもどってきたな。最近はスカーの話を聞かないし、このまま平和なままでいてくれれば良いけど...)」

    ガサガサ

    ???「あれは...東洋人。良い商品になりそうだ。グリードさんに報告だな。」ボソッ

    ミカサ「?」

    エレン「どうした?」

    ミカサ「(気のせいか。)いえ、何でもない。」
  28. 28 : : 2014/02/16(日) 22:10:29
    ~調査兵団寮~

    ガチャ

    エレン「誰かいるか~?」

    クリスタ「あ、エレン!ミカサ!アルミン!」

    ユミル「何のようだ?」

    アルミン「僕達もこれからこの寮で生活することになったんだ。」

    ユミル「へー。」

    クリスタ「また三人と生活できて嬉しいよ。」ニコッ

    エレン「こっちこそ。」

    アルミン「(天使だ。)」

    ライナー「お、エレン達じゃねぇか。団長達との話は済んだのか?」

    エレン「まあな。今日からよろしくな。」

    ベルトルト「よろしく。」

    ジャン「おいおい死に急ぎ野郎。またてめぇと一緒に暮らさなきゃなんねぇのかよ。」

    エレン「そりゃこっちのセリフだ。」

    ミカサ「ジャン、後でしかるべき報いを。」

    ジャン「え...」

    アルミン「まあまあ、でもみんな集まってきてくれて嬉しいよ。」

    ユミル「サシャとコニーが居ねぇが、あいつらは飯食ってんだろ。」

    アルミン「ははは。変わらないね。」

    ライナー「それで、部屋はどうするんだ?」

    エレン「ここって何人部屋なんだ?」

    ベルトルト「4人部屋。僕達はライナー、ジャン、コニー、僕で満員だね。」

    ジャン「他の部屋も四人ずつ居る。」

    ミカサ「女性陣の方は?」

    クリスタ「私とサシャとユミルの三人しか居ないから、ミカサ、私達の部屋においで。」

    ミカサ「分かった。」

    ジャン「エレンとアルミンはとりあえず空き部屋を二人で使え。」

    エレン「そうだな。」

    ライナー「部屋、案内してやるよ。」

    サシャ「ご飯は夜6時ですから忘れないでくださいよ!」

    全員「(サシャいつの間に!)」

    エレン「じゃあまず部屋に行くか。」

    テクテクテク
  29. 29 : : 2014/02/16(日) 22:50:44
    ~食堂~

    テクテクテク

    ユミル「お、来たか。」

    エレン「おう。」

    アルミン「みんな、もう来てたんだ。」

    コニー「さっきは悪いな二人とも、つまみ食いしてたら止まらなくて。」

    クリスタ「つまみ食いはダメだよ!サシャも!」

    サシャ「すいませんでした。」

    エレン「それにしても、結構部屋、広いんだな。」

    ライナー「エルヴィン団長が過酷な壁外調査の疲れをしっかりとれるようにと、新兵の寮も広くなるようにしたらしい。お前らは二人だから特に広く感じるだろうな。」

    エレン「エルヴィン団長、細かい所にも気が利くんだな。」

    ジャン「お前と違ってな。」

    エレン「は!?」

    クリスタ「もぉ、けんかはダメだよ。」

    サシャ「みんな集まったんですし、早く食べましょう!私、お腹減ってきました。」

    ベルトルト「つまみ食いしたのに!?」

    ミカサ「でも、私もお腹が減っている。」

    ジャン「それなら食べるとするか。積もる話は食べながらだ。」

    エレン「だな。じゃあ。」

    全員「いただきます!」
  30. 30 : : 2014/02/16(日) 22:51:20
    今日はここまでです。
  31. 31 : : 2014/02/17(月) 19:10:06
    モグモグ

    ライナー「それで、お前達がエルヴィン団長と話したことは何だったんだ?」

    エレン「それは...(賢者の石の事も女型の仲間を探してるとも言えないしな...)」

    アルミン「エレンの巨人化能力についての諸注意だよ。」

    ベルトルト「なるほどね。」

    ユミル「巨人化能力と言えば、お前、国家錬金術師になったんだってな。」

    エレン「ああ、そうだ。」

    サシャ「エレンの巨人化、錬金術って言うんですよね。それって一体何なんですか?」

    エレン「それが、俺も錬金術の事はよく知らないんだ。」

    ジャン「知らないで使ってんのかよ。」

    エレン「まあな。」

    クリスタ「それでお願いなんだけど、国家錬金術師資格を証明する銀時計を見せて欲しいんだけど...良い?」

    エレン「良いぜ。」

    ゴトッ

    エレンは銀時計を机の上に置いた。

    エレン「これだ。」

    コニー「何かすげえな。」

    ミカサ「コニーでもすごさが分かるほどすごい。」

    コニー「どういう意味だミカサ。」

    ミカサ「こうやってみんなが集まって食べるのは久しぶりだ。」

    コニー「おい、話逸らすなよ。」

    クリスタ「でも...本当だね。」

    ユミル「マルコとアニは居ないけどな。」

    ジャン「それを言ったら今までの戦いで、同期の半数が死んだ。エレン、さっきお前に他も満員だって言ったよな。」

    エレン「ああ。」

    ジャン「実は、今回の壁外調査で死んだ奴の分、空きが出てるところも結構あるんだ。でもよ、そんなところに入らせる気には...ならなかったよ。」

    エレン「俺も死んだ奴の代わりに入るのは気が引けるよ...」

    ジャン「俺達はそう言う環境に身をおいてるんだから、一々気にしてたってしょうがないんだけどな。」
  32. 32 : : 2014/02/17(月) 21:05:32
    エレン「確かにそうかもしれねぇな。でも俺は、これ以上誰も死なせたくない。前に俺の夢、言ったよな。」

    ライナー「巨人を駆逐して、外の世界を探検することか。」

    エレン「そうだ。でも、今は違う。」

    アルミン「え?」

    エレン「今の俺の夢は、今生きているみんなで外の世界を見ることだ。」

    ジャン「少しは現実を理解するようになったかと思えば、絵空事言ってんじゃねぇよ!巨人を全て駆逐するだけでも夢物語だってのに、全員が生き延びるだぁ?無理に決まってんだろ!」

    コニー「おいジャン!その言い方はないんじゃねぇのか!」

    エレン「...絵空事なのは分かってる。でも俺は、みんなを死なせたくない!仲間を失うのは嫌なんだよ!」

    アルミン「(もしかして、アニの事がショックだったのか...)」

    ジャン「そんなこと、みんな思ってるに決まってんだろ!俺はマルコの死を今でも忘れられない...いや、俺が死ぬその時まで忘れることはないだろう。出来ることなら、生き返らせたいって思っちまうこともあるぐらいだ。」

    エレン「ジャン...」

    ジャン「とにかく、てめぇの絵空事には付き合ってらんねぇな。」

    エレン「俺は...諦めねぇ...」

    ジャン「...そんなことより自分の心配しな、死に急ぎ野郎。」

    エレン「何だと!?」

    ジャン「この生き残ってる104期生の中で一番最初に死ぬのは間違いなくお前だ。」

    コニー「エレンは巨人化できるしそう簡単に死なないんじゃ。」

    ジャン「いや、こいつが一番早死にするね!」

    ミカサ「ジャン!いい加減にして!」

    ジャン「だからよ、もしお前が巨人を全滅させるまで生き延びることが出来たなら、そんなことが有ったとしたら、誰も死なないだろうよ...」

    ユミル「...素直じゃねぇな。」

    エレン「ああ、そうだな。同期一の死に急ぎの俺が死ななければ、他のみんなが死ぬわけねぇ。生き残ってやろうじゃねぇか!おいジャン!こんだけ言いたい放題言いやがったんだ。先に死ぬようなことがあったら、ぶっ殺してやるよ。」

    ジャン「バカか?死んだら殺される訳ねぇだろ。まぁ、俺がお前より早死にすることの方があり得ないがな。」

    エレン「へっ、言うじゃねぇか。」ニッ

    スッ

    ジャンが手を出した。

    ジャン「これで手打ちにしようぜ。」

    エレン「ああ。」

    パンッ

    エレン「もう辛気臭い話はやめだ!訓練生時代の昔話でもしようぜ!」

    クリスタ「賛成!」

    ジャン「ならエレンの立体機動の適正診断の話からだな。」

    エレン「な!やめろよ!」

    それから、エレン達は訓練生時代の思い出を、語り明かした。
  33. 33 : : 2014/02/17(月) 22:10:13
    ~???~

    スカー「!!!」

    少年「あ、起きた。」

    スカー「...生きてる。」

    少年「うん、生き返るとは思わなかった。」

    スカー「ここはどこだ?」

    少年「ウォールローゼの山奥の貧民街だよ。」

    スカー「俺は、助けられたのか。」

    少年「おお、感謝してくれよ。びっくりしたぞー。下水道を人間が流れてくんだもんな。」

    スカー「...」

    スカーは辺りを見回した。スカーの居る家はつぎはぎだらけの家だった。

    少年「こんなビンボーなのに人を助けてる余裕あるのかよってか?そーだな、おっちゃんが普通の奴だったら身ぐるみはいでそのまま下水道にポイだな。」

    少年「おっちゃん、東洋人だろ。オレも母ちゃんが東洋人なんだ。じっちゃ!生き返ったぞ!」

    老人「おお、命ひとつもうけたな若いの。おめぇさんあれだろ。指名手配になってた奴じゃろ?」

    スカー「...通報するか?」

    老人「構えることはない。このスラムは東洋人とゆかりのあるものばかりじゃ。身内を売るあほうはおらんよ。」

    スラムの人A「おい、生き返ったってか!」

    スラムの人B「兄ちゃん何か欲しいものあるか?」

    スラムの人C「つってもろくなモンありゃしねぇけどよ!」

    スカー「東洋人の生き残りがこんなにいるのか。」

    老人「お前さん、もしかして他の生き残りに会ったことないのか?」

    スカー「いや...一人だけ会った。」
  34. 34 : : 2014/02/17(月) 22:31:20
    老人「そうか。東洋人の生き残りは意外に多くいてな。ここだけじゃなく各地に小さな集落を作ってひっそりとだが元気に生き残っておるよ。」

    スカー「町には出ないのか。今では差別もなくなっている。とは言っても、生き残りがいるとは誰も思ってないからだろうが。」

    老人「東洋人が町に出たとしても、人身売買を行っているものに捕まって、奴隷として過ごすのがオチじゃよ。最も、お前さんの用に力があれば大丈夫じゃろうが。」

    スカー「人身売買...」

    老人「どうした、何か心配でも?もしかして、お前さんが会ったって言う東洋人のことか。そいつは何して生きてるんじゃ?」

    スカー「兵団に入り、兵士として働いている。」

    老人「ほう、驚いたのぉ。東洋人に対する差別がもうないというのは本当らしいな。しかし、その男は、憎しみを捨て去ることができているのじゃな。」

    スカー「憎しみを捨て去ったのではない、我らに起きた悲劇を知らないのだ!」

    老人「...あの悲劇を知らない。それは問題じゃな。憎しみを抱くことは決して良いことではないが、あれは東洋人皆が知らなくてはならないことだ。」

    スカー「おっしゃる通りだ。ところでご老人、その東洋人は男ではなく女だ。」

    老人「女じゃと!?」

    スカー「どうかしたのか。」

    老人「東洋人の女は人身売買を行う者のなかで一番高値がつけられていると言う...その娘、無事で居ると良いが...」

    ~カラネス区のとある酒場~

    ????「でかしたビドー!お前は偉い!」

    ビドー「うえっへっへっへ」

    ????「まさかまだ東洋人の女に生き残りがいるとはな。売れば大儲け間違いなしだ。なぁ、ロア。」

    ロア「いかがいたしましょう。グリードさん。」

    グリード「用事があるっつって来てもらえ。抵抗するならふんじばってでも連れてこい。ただし!ビッグゲストだ。間違っても殺すんじゃねーぞ。」
  35. 35 : : 2014/02/17(月) 22:32:33
    第五話へ続く...
  36. 36 : : 2014/02/17(月) 22:37:11
    次回はこちらです↓
    http://www.ssnote.net/archives/10461

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