このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
巨人の錬金術師 第六話「壁」
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- 1 : 2014/02/28(金) 22:32:45 :
- 前回はこちらです↓
http://www.ssnote.net/archives/10461
今回は序盤から中盤までオリジナルストーリーを展開していきたいと思います。
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- 2 : 2014/02/28(金) 22:52:37 :
- ~前回のあらすじ~
壁外調査が終わり、エレン達には平和な日々が訪れたかに見えた。しかし、突如ミカサがグリード率いるデビルズネストに連れ去られてしまう。エレンとアルミンはミカサ救出に向かうも返り討ちにあう。それから6日後、エレン達はリベンジのために、ミカサ救出のために地下市場へと向かった。リヴァイら国家錬金術師がその実力を見せるなか、エレンとアルミンは錬金術の力でグリードを追い詰める。しかし、憲兵の介入により逃がしてしまう。そんなグリードを仕留めたのはダリス・ザックレーだった。地下に潜み壁内で暗躍するホムンクルス達。彼らの目的を以前掴めぬままなエレン達だったが、それでも謎の解明へと挑んでいく。
本編は明日~です。
-
- 3 : 2014/02/28(金) 23:00:28 :
- 期待!
-
- 4 : 2014/02/28(金) 23:07:57 :
- >>3さん、期待ありがとうございます。
-
- 5 : 2014/03/01(土) 20:05:59 :
- ~ストヘス区、???~
コツコツコツコツ
ラスト「ハクロ・ボイジャーね。」
ハクロ「何者だ?」
ラスト「聞いてるわよ。あなた、政府に反旗を翻そうとしているんでしょ。」
ハクロ「...」
ラスト「しかも、エレン・イェーガーを殺したがっている。」
ハクロ「私を兵団へ突き出したいのか?」
ラスト「逆よ。協力しに来たの。」
ラスト「エレン・イェーガー、今このストヘス区に居るわよ。」
ハクロ「...何!?」
ラスト「ここはあなた達がアジトにしている場所。こんなに好都合な時はそうそうないんじゃない?」
ハクロ「...」
コツコツコツコツ
・
・
・
ハクロ「集まったかお前ら。エレン・イェーガーがこのストヘス区に滞在しているという情報を手に入れた。」
ザワザワザワザワ
ハクロ「今こそ我々が立ち上がる時だ。壁内に潜む巨人を抹殺するのだ!」
オーーーーー!
-
- 6 : 2014/03/01(土) 22:19:20 :
- コツコツコツコツ
ハンジ「(情報を集めたいところだけど、一体何から手をつければ良いんだ。)」
アルミン「ハンジ分隊長!」
ハンジ「ん...何?」
アルミン「エレン達と町へ出掛けても良いでしょうか?」
ハンジ「ああ、構わないよ。ただ、注意を怠らないでね。」
アルミン「確かに、町に出る度に襲われてますからね。僕達、ついてないんですね。」
ハンジ「ついてないんじゃない。巨人化できるエレンと東洋人ミカサ、元々いつ襲われるか分からないもの達なんだ。だから、細心の注意を払って。」
アルミン「...分かりました。」
テクテクテク
ハンジ「(何も起こらなければ良いけど。)」
-
- 7 : 2014/03/01(土) 23:17:07 :
- ~町~
エレン「今日こそは平和に町を歩きたいもんだな。」
ミカサ「ええ。」
アルミン「本当だよ。」
男「すいません。」
エレン「はい?」
黒い服の男がエレンを呼び止めた。
男「エレン・イェーガー殿ですか?」
エレン「はい、そうですけど。」
バッ
男は腕を上げた。
バババッ!
建物の陰から20人近くの銃を持った男達が現れた。
男「殺せ!」
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
男「死んだか...?」
エレン達は地面から現れたドーム状の壁で身を守っていた。
エレン「ナイスアルミン。」
アルミン「やっぱり平和には終わらせてはくれないのか。」
ミカサ「アルミン、奴等は一体?」
アルミン「分からない。でも、今は逃げなきゃ。」
ダッ
エレン達はドーム状の壁から飛び出した。
男「出てきたぞ!撃てぇ!」
エレン「当たるかよ!」
ギュイーン!
銃撃兵A「立体機動か。」
男「逃がすな!追え!」
タッタッタッタッ
・
・
・
エレン「くそ、いつになったらゆっくり町を歩けるんだ。」
アルミン「今はとにかく逃げないと。」
ミカサ「調査兵団の宿舎へ早く...!?」
銃撃兵B「居たぞ!」
エレン「何!?」
アルミン「さっきとは別の奴等だ!」
タッタッタッタッ
ミカサ「何とか巻けた。」
銃撃兵C「エレン・イェーガーを探せ!」
遠くから声が聞こえた。
アルミン「...どうやら、四面楚歌の状況みたいだね。」
エレン「(俺を殺したがってるやつもいるってグリードの野郎が言ってたが、本当だったって訳か。チクショー。)」
-
- 8 : 2014/03/02(日) 00:05:45 :
- ~調査兵団宿舎~
リヴァイ「区内で銃撃だと!」
ペトラ「はい、しかも三人組の調査兵団員の目撃情報が。」
オルオ「まさか、エレンの奴なんじゃ。」
リヴァイ「...可能性は高いな。内地に居る調査兵団員なんざほとんどいない。三人組ならほぼあいつらで決まりだ。」
ガチャ
エルヴィン「リヴァイ、話は聞いたか。」
リヴァイ「ああ。」
エルヴィン「奴等の目的はエレンである可能性が高い。私達も出よう。」
ガチャ
エルド「リヴァイ兵長!」
リヴァイ「今度はなんだ?」
グンタ「このラジオを聞いてください!」
ーストヘス区に駐在中の全兵士に告ぐ!ストヘス区長は我々が手中に収めた!彼を助けたくば我々の要求を飲んでもらう!ー
リヴァイ「ちっ、豚野郎が、簡単に捕まりやがったな。」
ー我々の要求は、エレン・イェーガーの死だ!今日中にエレン・イェーガーを殺すか我々の元へ差し出せ!さもなくば、ストヘス区長を殺す!
ひぃぃぃぃぃ助けてくれぇ!
巨人は絶滅させる、これが我々の理念だ。それに例外は許さん!エレン・イェーガーは抹殺するべきだ!ー
カシャ
オルオ「あ、電源を。」
リヴァイ「調子に乗りやがって...エルヴィン、お前は憲兵に応援を頼んでおけ。俺達特別作戦班で、人質を救出する。」
ペトラ「分かりました!」
エルヴィン「気を付けろよ。分かってると思うが、敵は...」
リヴァイ「ああ。ペトラ、オルオ、エルド
グンタ、お前らも気を付けろよ。さっきラジオで話してたこいつらのリーダー。奴は元国家錬金術師にして、調査兵団の分隊長だった男だ。」
-
- 9 : 2014/03/02(日) 00:06:02 :
- 今晩はここまでです。
-
- 10 : 2014/03/02(日) 19:13:04 :
- ~エレンサイド~
銃撃兵D「エレン・イェーガーは居たか?」
銃撃兵E「いや、見つからない。」
銃撃兵D「そうか、ならば向こうを捜そう。」
タッタッタッタッ
アルミン「行ってくれたね。」
ミカサ「でも、このままではいずれ見つかる。」
エレン「...後は俺だけで逃げる。」
アルミン「え!」
ミカサ「ダメ。」
エレン「いや、俺だけで逃げた方がいい。大人数だと目立つし、俺は撃たれたって死なない。でもお前らは違うんだ。それに奴等の狙いは俺だ。お前達を巻き込む訳には
アルミン「ダメだ!死に急ぎ野郎の君が一人で逃げたら、何個命があっても足りないよ!」
エレン「アルミン、お前馬鹿にしてんのか!」
アルミン「そうじゃない、事実を言っているだけだ!でも、三人で協力すれば逃げきることだってできる。」
ミカサ「だから、もう一人で逃げようなんて言わないで。」
エレン「...分かったよ。でも危なくなったらいつでも見捨てて構わないからな。」
ミカサ「エレンを見捨てるなんてしない。」
エレン「どうやら何言っても聞かねぇみたいだな。ミカサもアルミンも。」
アルミン「うん。それで、ここからなんだけど、地下通路に逃げ込もうと思うんだ。そこなら中々見つからないし、囲まれる危険性も少ない。それにあの中はけっこう複雑になっているから巻くのもそう難しくない筈だ。」
エレン「お前の判断に任せるよ。」
ミカサ「私も。」
アルミン「ありがとう。なら、早速行こう。」
タッタッタッタッ
-
- 11 : 2014/03/02(日) 21:37:51 :
- コツコツコツコツ
エレン「誰にも見つからずに地下通路に入れたな。」
アルミン「とりあえず一安心ってところだね。」
ミカサ「でも、そもそもなぜこのタイミングでエレンを襲ったのだろうか。調査兵団員のエレンがストヘス区に居るなんて普通は考えない。」
アルミン「デビルズネストの件を知っている者が情報を洩らしたってこと?」
ミカサ「分からない。エレンらしき人の姿を見ただけなのかもしれない。」
エレン「でも、もしデビルズネストの件を洩らしたんだとしたら、兵団の誰かが奴等とグルってことになるぞ。」
アルミン「その事はきっと、ハンジ分隊長が掴んでくれるさ。」
コツンコツン
ミカサ「...誰か来た。」
エレン「逃げるか。」
アルミン「向こうの足音が聞こえるんだ。逃げたらこの場所が分かられてしまう。だから、作戦があるんだけど...」
・
・
・
コツンコツン
調査兵団員A「あ、いた!エレン・イェーガー!」
エレン「アルミン、調査兵団の人だったみたいだな。」
アルミン「...うん。」
調査兵団員A「君を保護しに来た。着いてきてくれ。」
エレン「分かりました。」
エレンは調査兵団員Aに近付いた。
調査兵団員A「...悪く思うな。」
エレン「え?」
ガバァ
調査兵団員Aは手に持った剣を振り上げた。
ミカサ「はぁぁぁぁぁ!」
ミカサが物陰から突然現れた。
調査兵団員A「!?」
キイィィィィン!
ミカサ「あなたは何者?」
調査兵団員A?「こうなったら仕方ねぇ、教えてやるよ。俺は反政府組織、コンドルの副リーダー、ガンツ・アレスだ。」
-
- 12 : 2014/03/02(日) 23:18:03 :
- ミカサ「副リーダー...ここは私に任せて。」
エレン「待て、俺もたたか
アルミン「行こうエレン。」
エレン「ミカサ一人じゃ危険だ!」
アルミン「敵に見つかった以上、この場所はいずれ見つかる。一刻も早く場所を移す必要があるんだ。」
エレン「でも。」
ミカサ「行ってエレン。私を信じて。」
エレン「...必ず俺達の所に戻っこいよ。」
ミカサ「ええ。」
エレン「行こうアルミン。」
タッタッタッタッ
ガンツ「無駄なことを、この町にはもう奴が隠れられる場所などないと言うのに。」
ミカサ「無駄ではない。時間を稼げばいずれ兵団が動く。」
ガンツ「無理だな。今奴等は動けない。」
ミカサ「何故?」
ガンツ「この区の区長を人質にとった。」
ミカサ「...卑怯。」
ガンツ「何とでも言えば良い。我らの目的のためには手段など選ばん。」
ミカサ「兵団が動けないなら私がエレンを殺そうとする奴等を全て殺す。」
ジャキィーン
ミカサ「まずはあなたから。」
ガンツ「中々良い面構えだ。良いだろう。相手してやるよ!」
~ストヘス区役所前~
リヴァイ「ほう、見事に占拠されてるな。情けない奴等だ。」
ペトラ「見張りが四人。どうします?」
リヴァイ「見張りの居る場所は中の奴等からは見えるのか?」
エルド「恐らく見えません。」
リヴァイ「なら、見張りを一瞬で黙らせれば侵入は可能だな。問題は入った後...ペトラお前にやってもらいたいことがある。」
ペトラ「はい?」
リヴァイ「あそこの時計台に行け。援護を頼む。」
ペトラ「なるほど...分かりました。」
リヴァイ「他は俺と突入だ。まずは見張りを迅速に倒すぞ。」
-
- 13 : 2014/03/02(日) 23:26:15 :
- オリジナル展開に期待。
-
- 14 : 2014/03/03(月) 00:00:40 :
- >>14
ありがとうございます。頑張ります。
-
- 15 : 2014/03/03(月) 00:00:55 :
- ハクロ「兵団の奴等、わざともたつかせてやがるな。」
区長「何故わしがこんな目に。」
ハクロ「恨むんなら、エレン・イェーガーを恨みな。奴がこのストヘス区にいなけりゃ、いや、奴が生まれてなければ、こんな目に遭わずに済んだんだからな。」
区長「...」
ハクロ「さて、ラジオで少し圧力をかけるとするか。」
護衛A「ん?どうした?」
護衛C「交代の時間だ。」
護衛A「交代?そんなものあったっけ。」
護衛B「まあいい。行こうぜ。ここは頼んだぞ。」
護衛C「ああ。」
護衛D「任せておけ。」
ハクロ「どんなことを言おうか...」
護衛E「ぐぁ!」
バタバタバタバタ
護衛の兵士が四人を除いて倒れた。
ハクロ「...侵入者か!」
リヴァイ「骨のねぇ奴等だ。」
オルオ「さぁ、もう逃げ場はないぜ。」
ハクロ「リヴァイが来るとは...だが忘れたのか、俺には人質が居る。」
ガチャッ
ハクロは手に持った拳銃を区長の頭に押し付けた。
ハクロ「少しでも変な真似をしてみろ。こいつの頭を撃ち抜くぞ!」
リヴァイ「くだらねぇ。」
テクテクテク
区長「な...」
ハクロ「おい、こいつが死んでも良いのか?」
リヴァイ「豚野郎が死んだところで何も悪いことはない。」
区長「貴様何を!」
ハクロ「そうか、ならお望み通りこいつを殺してやる。これで調査兵団は終わりだ!」
区長「ま、待ってくれー!!!」
ズガァァン!
-
- 16 : 2014/03/03(月) 00:02:14 :
- 今日はここまでです。
-
- 17 : 2014/03/03(月) 19:32:03 :
- 撃ち抜かれたのはハクロの持つ拳銃だった。
ハクロ「馬鹿な!」
リヴァイ「今だ!区長を救出しろ!」
ガチャ
エルドとグンタが部屋へと駆け込んだ。
エルド「区長、しっかり掴まっててください。」
区長「あ、ああ。」
パチン
バゴォォォン!
リヴァイが起こした爆発によって区役所の壁に大きな穴が開けられた。
パシュ
ギュイーン
立体機動によって区長を抱えたエルドとグンタ、オルオは区役所から脱出した。
ハクロ「まさかスナイパーを潜ませていたとはな。しかもあんなにも正解な射撃をする奴が調査兵団にいたとは。」
リヴァイ「お前が抜けた後入ってきた者だ。優秀だろう。」
ハクロ「そうだな...お前ら!ここからは総力戦だ!何としてでもエレン・イェーガーを殺せ!リヴァイの相手は、俺がする!」
リヴァイ「憲兵も動くんだ。そう簡単に事が運ぶと思っているのか?」
ハクロ「どうだろうな。」
リヴァイ「なら何故そんな嬉しそうな面してやがる。」
ハクロ「リヴァイ、お前と戦えるからだよ。」
リヴァイ「俺に勝てると思ってるのか?」
ハクロ「ああ、思っているさ。お前とて忘れたわけではあるまい。俺が鎧の錬金術師だったと言うことを、そして、俺はお前にとって相性最悪だってことをよ!」
パンッ
バチバチバチバチ
ハクロが錬金術を使うと区役所の壁の煉瓦がハクロの周りを覆っていった。
リヴァイ「周りの者を自らの鎧にする。それがお前の錬金術だったな。」
パチン
ボォォォ!
リヴァイはハクロを炎で包み込んだ。
ハクロ「相変わらず強力な焔だ。だが、俺の鎧は燃やせない!」
炎の中から出てきたハクロは全身を覆う煉瓦の鎧を装備していた。
-
- 18 : 2014/03/03(月) 21:06:50 :
- リヴァイ「思い出したぜ、お前が面倒くせぇ奴だってことをよ。」
ダッ
ガキィィィン!
ハクロ「ブレードの攻撃も無駄だ。お前の攻撃は一切通用しない!」
リヴァイ「これならどうだ。」
バンッ
リヴァイはハクロを蹴飛ばした。
ハクロ「ぐ...!」
リヴァイ「鎧で防御しても、蹴りの衝撃は伝わるだろう。」
ハクロ「だがその衝撃はお前にもダメージを与えている。」
リヴァイ「...」
ハクロ「これだけ硬い鎧を蹴って、足に負担が掛からない筈がない。このまま打撃で戦うのであれば、お前に勝ち目はないぞ。」
リヴァイ「なら、爆風で吹き飛ばす。」
パチン
ドカァァァン!
ハクロ「うおぉぉぉぉ!」
ハクロは爆風の中を強引に突き進んだ。
ハクロ「ふん!」
バキッ
リヴァイ「ち...」
ハクロ「強力な鎧は時として強力な武器となる。今のはそうとう効いたはずだ。そして、まだ俺の攻撃は終わらんぞ!」
シュッ
ハクロの右ストレートをリヴァイは避ける。そしてリヴァイはその右腕を掴んだ。
ガシッ
グルンッ
バタン!
リヴァイはハクロを投げ飛ばした。
ハクロ「ぐぁ!」
リヴァイ「いくら鎧に身を包もうとも、中身は生身の人間だ。いくらでも攻撃のしようはある。」
ハクロ「それでこそリヴァイだ。もっと俺を楽しませろ。」
-
- 19 : 2014/03/03(月) 22:47:16 :
- ~地下通路~
ミカサ「はぁぁぁぁ!」
キンキン キンキンキン
キィィィン!
ガンツ「はぁはぁ。(何てやつだ。防ぐのが精一杯だ...!)」
ミカサ「捉えた。」
ズバッ
ガンツ「う...」ガクッ
ガンツは地面に膝をついた。ガンツはもう動けない様子だった。
ガンツ「はぁはぁはぁはぁ。お前、本当に調査兵団員か?人とやり合うのに慣れてるだろ。」
ミカサ「...色々あって。」
ガンツ「ま、あのガキと一緒に居れば嫌でもそうなるか。命が惜しいんならあのガキから離れるんだな。」
ミカサ「私は、エレンのためなら命は惜しくない。」
ガンツ「そうか...複雑な気分だ。俺は奴を巨人として、人類の敵として殺そうとしていた。だが、お前は奴を守るために命をかけている。それを見ると奴も人間だって思っちまう。」
ミカサ「エレンは人間。ので、あなたのその感情は正しい。」
ガンツ「...」
ミカサ「私はエレンの所へ行く。」
テクテクテク
ガンツ「待てよ!俺を殺すんじゃなかったのか!?」
ミカサ「あなたはもう戦えない。ので、殺す必要はない。」
ガンツ「甘いこと言ってんじゃねぇよ!この残酷な世界でそんな戯言通用しねぇ!俺を殺せ!」
ミカサ「そう...この世界は残酷だ。だからこそあなたは、拾われた命を大切にすべき。ので、殺さない。」
ガンツ「くそが...ふざけやがって...」
テクテクテク
ミカサ「(以前の私なら彼を殺していた。なのに、何故私はこんな事をしたのだろう。東洋人の事を聞いてからだ...私は、どうしてしまったのだろう。)」
-
- 20 : 2014/03/03(月) 23:52:41 :
- ~ストヘス区役所~
バキッ
リヴァイ「う...」
ハクロ「さっきまでの威勢はどうした?」
リヴァイ「(長引けば長引くほどこっちが不利になるか。)」
リヴァイ「こいつでどうだ。」
ググッ
リヴァイ「連鎖爆発(ケッタ エクスプロージョン)」
パチン
ドカドカドカドカアァァァン!
ハクロ「...凄まじい爆発だ。だが俺には大したダメージにはならん。」
リヴァイ「これほどの力がありながら、何故お前は調査兵団を抜けた。お前の腕なら多くの巨人を倒せただろうに。」
ハクロ「我慢ならなかったからだ。腐敗し、訳のわからん連中に従っている政府にな。」
リヴァイ「訳のわからん奴等?」
ハクロ「お前は知らなくていい、いや、知らない方が良いことだ。無駄話はここまで。次でお前を倒す。」
ダッ
ハクロ「死ねぇ!」
リヴァイ「...足下注意だ。」
パチン
ドカァァァン!
ガラガラガラガラ
ハクロの足下の床が爆発により崩れ落ちた。
ハクロ「何!?」
リヴァイ「悪いが撤退させてもらう。」
ハクロ「何だと!」
リヴァイ「お前を倒すのは...お前が殺したがってるエレンだ。覚えておけ。」
パシュッ
ギュイーン!
ハクロ「逃げられたか...まあ良い。俺達の目的はあくまでエレン・イェーガーの殺害だ。他の奴等はどうでもいい。さて...俺も出るとしよう。」
-
- 21 : 2014/03/03(月) 23:53:01 :
- 今日はここまでです。
-
- 22 : 2014/03/04(火) 18:25:52 :
- ~エレンサイド~
エレン「後どれくらい逃げれば良いんだ。」
アルミン「人質の解放に成功すれば、兵団も動けるはずだから、それまでかな。」
銃撃兵G「あ!見つけたぞ!」
エレン「やっべぇ!」
タッタッタッタッ
銃撃兵G「待て!」
タッタッタッタッ
エレン「やっぱり迎え撃った方が良いんじゃねぇのか?」
アルミン「敵は銃を持っているんだ。一筋縄では行かないよ。次、右!」
タッタッタッタッ
エレン「あ...」
銃撃兵H「エレン・イェーガー、見つけたぞ。」
後ろからも銃撃兵G率いる銃撃隊が迫ってきた。
アルミン「囲まれた。」
銃撃兵G「撃てぇ!」
ガガガガガガガガガガガ
パンッ
バチバチバチバチ
アルミンは床から自分達を守る壁を錬成した。
銃撃兵G「これならどうだ!」
シュッ
コロンコロン
エレン「手榴弾!?ヤバい!」
ドカァン!!!
手榴弾の爆発により壁は吹き飛ばされた。
銃撃兵G「...やったな。」
銃撃兵Gが見たのはアルミンを庇い傷だらけになっているエレンだった。アルミンの傷は軽度の物だったがエレンは膝下を失っていた。
アルミン「エレン!エレン!」
銃撃兵G「仲間を庇って死ぬとは、お前に敬意を表そう。」
パチッ
銃撃兵H「何だ?」
パチパチパチパチ
エレンの全身、特に膝の部分から赤い火花が迸った。
エレン「う...」
パキパキパキパキ
エレンの全身の傷が治っていく。さらには失われた足も生えてきた。
銃撃兵G「な、何なんだこいつは...化け物!!!」
エレンの傷は完全に治癒された。
エレン「...アルミン、大丈夫か?」
アルミン「お陰さまで。でも、ごめん、エレンを一回死なせてしまった。」
エレン「気にすんなよ。さて...こいつらはどうする?」
アルミン「倒すしかないよ。後ろの方は任せて。」
アルミンは銃撃兵Hの率いる銃撃隊を、エレンは銃撃兵Gの率いる銃撃隊を睨み付ける。
銃撃兵G「ま、待ってくれ!」
エレン「巨人の鉄槌(ハンマー デア タイタン)!!!」
ドゴォォォォン!
銃撃隊「うわぁぁぁぁ!」
アルミン「いくよ!」
バチバチバチバチ
ズガガガガガガ
アルミンの手が置かれた地面から次々と大きな棘が飛び出てきた。
銃撃隊「ひぇぇぇぇ!」
アルミン「...ひとまず難を逃れられたね。とにかくこの場所から離れよう。」
エレン「ああ。」
パシュッ
ギュイーン
-
- 23 : 2014/03/04(火) 19:27:13 :
- ギュイーン
エレン「...」
アルミン「どうしたのエレン、何か気になることでも?」
エレン「いや...何でもねぇよ。」
アルミン「もしかして、化け物って言われたこと、気にしてる?」
エレン「何でもねぇって言ってんだろ!」
アルミン「...!」
エレン「あ、悪い。それで、こっからどこへ逃げる?」
アルミン「調査兵団宿舎に行こう。そこにはリヴァイ兵長やハンジ分隊長がいるんだ。何とかしてくれるはずだよ。」
~調査兵団宿舎前~
ハンジ「大変な事になってきたね。」
エルヴィン「リヴァイ達が人質を救出したお陰で憲兵が動いている。時期に収まるはずだ。」
ペトラ「リヴァイ兵長、ハクロに勝てるでしょうか。」
オルオ「兵長が負けるはずないだろ!」
ペトラ「...それもそうね。」
ハンジ「(そう信じたいけど、リヴァイにとってハクロは相性悪いからなぁ。まあ、それは私にも言えるか。)」
ギュイーン
エルド「誰だ?あ...リヴァイ兵長!」
ペトラ「え!?リヴァイ兵長!ご無事でなりよりです!」
リヴァイ「ああ。」
ハンジ「ハクロを倒したの?」
リヴァイ「いや、逃げてきた。あいつの硬さは異常だ。」
グンタ「そんな、兵長でも勝てないなんて。どうすれば...」
リヴァイ「エルヴィン、お前の錬金術ならどうだ?」
エルヴィン「鎧の材質が金属でない限りは難しいだろう。」
リヴァイ「なら頼みがある。ある許可を憲兵から貰いたい。」
エルヴィン「許可?」
リヴァイ「エレンの巨人化の許可だ。巨人化したエレンなら、奴の鎧を砕ける。」
エルヴィン「...分かった。掛け合ってみよう。」
リヴァイ「俺達特別作戦班は他の雑魚の掃討だ。クソメガネ、お前も手伝えよ。」
ハンジ「クソメガネ?」
リヴァイ「...ハンジ、頼む。」
ハンジ「了解!」
-
- 24 : 2014/03/04(火) 21:06:41 :
- アルミン「この大通りを渡ればすぐだ。」
ギュイーン
銃撃兵A「来たぞ!」
エレン「な!?待ち伏せ!?」
アルミン「まさか、僕達が調査兵団宿舎に向かうことを読まれてたのか!?」
銃撃兵A「撃てぇ!」
ミカサ「させない!」
ズバズバズバズバズバズバ
バタバタバタバタバタバタ
銃撃兵Aの率いる銃撃隊は一斉に倒れた。
エレン「ミカサ!」
銃撃兵B「まだだ!」
アルミン「反対側からも!」
リヴァイ「うっとしい雑魚共だ。」
パチン
ドカァァァン!
銃撃兵Bの率いる銃撃隊も爆発で吹き飛ばされた。
アルミン「リヴァイ兵長!ハンジ分隊長!リヴァイ班のみなさんも!」
ハンジ「ヤッホー、私達が来たからにはもう大丈夫だよ。」
オルオ「雑魚の相手は任せな。」
エレン「ありがとうございます。でも、雑魚の相手はと言うのはどういう意味ですか?」
リヴァイ「敵のリーダー、ハクロの相手を頼む。」
エレン「え!?俺がリーダーと!?」
ハンジ「ハクロは鎧の錬金術の使い手でね、こちらの攻撃が一切通じないんだ。でも、エレンの巨人の一撃なら、きっと奴の鎧を砕ける。」
エレン「でも、俺の攻撃はグリードには通じませんでしたよ。」
リヴァイ「奴程は硬くない。それに、できるのがお前しかいないから任せてるんだ。それともう一つ、今回のハクロの騒ぎのせいで、お前を危険視する奴も出てくるだろう。そんな奴等にお前の力を見せつけるチャンスだ。時期にエルヴィンがお前の全身巨人化の許可を貰って来る。頼んだぞ。」
エレン「...分かりました!それで、ハクロはどこに?」
リヴァイ「そうだな...ほぅ、ちょうど来たみてぇだな。」
テクテクテク
ハクロ「遂に見つけたぞ。エレン・イェーガー。お前は俺がぶっ殺してやる!!!」
バチバチバチバチ
地面の土が圧縮され、強硬度になりながらハクロの全身を覆った。
エレン「あれが鎧の錬金術...来いよ!お前の鎧、俺が打ち砕いてやる!」
-
- 25 : 2014/03/04(火) 22:54:27 :
- リヴァイ「さて、俺達は周りをやるか。ミカサ、アルミン、ハンジ、ペトラ、オルオ、エルド、グンタ、南からの敵を頼む。」
ミカサ「え?」
アルミン「北は?」
リヴァイ「俺一人で十分だ。」
ハンジ「(リヴァイが居れば周りの敵兵は問題ない。憲兵も来ればまず勝てる。問題なのは、エレンがハクロに勝てるかだ。頼んだよ、エレン。)」
ハクロ「いくぞぉぉぉぉ!」
ダッ
エレン「巨人の鉄槌(ハンマー デア タイタン)!」
バゴォォォォン
ハクロ「ぐああああ!」
エレンの巨人化した右腕はハクロの土の鎧を砕いた。
ハンジ「おお!」
エレン「(いける!これなら、こいつを倒せる。)」
ハクロ「ならば。」
バチバチバチバチ
ハクロは近くの家の壁の煉瓦で鎧を錬成した。
ハクロ「これならどうだ!」
エレン「巨人の鉄槌(ハンマー デア タイタン)!」
バキィ!
エレン「止められた!?」
ハクロ「ここまでのようだな。」
エレン「まだだぜ!」
パシュッ
ギュイーン
エレンは立体機動で遥か上空へと飛んだ。
バチバチバチバチ
エレン「巨人の斧(アックス フォン タイタン)!」
ドゴォォォォォ!
ハクロ「ぐぅ...!」
ハクロの煉瓦の鎧は砕け散った。
エレン「ぶっ飛べ!うおおおおおお!」
エレンは足を巨人化させたままハクロに蹴りかかった。
バキッ!
ハクロ「うあ!」
ヒューン
バンッ
ハクロは蹴り飛ばされ、ウォールシーナの壁に叩きつけられた。
-
- 26 : 2014/03/04(火) 23:57:17 :
- ハクロ「はぁはぁ。」
エレン「あんたじゃ俺には勝てねぇぜ。大人しく投降しろ。」
ハクロ「まだだ。俺にはまだこれがある。」
スッ
エレン「それは...賢者の石!?」
アルミン「え!?」
ハンジ「何だって!?」
エレン「だけどいくら鎧を錬成しようと無駄だぜ。」
ハクロ「今までのような錬成ならな。」
エレン「...?」
ハクロ「見るがいい。」
パンッ
ハクロは壁に手を置いた。
リヴァイ「まさか...」
ハクロ「そのまさかだ!はぁぁぁぁ!」
バチバチバチバチ
ハクロの手から広がる変成反応の光は壁一面に広がった。
エレン「な、なんだよこれ...」
壁の表面の物質がハクロの全身を覆った。それでも錬成は止まらず鎧はどんどん大きくなっている。
バチバチバチバチ
リヴァイ「やっと錬成が終わったか。」
ペトラ「そんな、これじゃまるで...巨人!」
ハクロを覆う鎧は15メートルもの大きさになっていた。もはや鎧と呼べる代物でもなかった。
ハンジ「これじゃあまるで、話に聞く鎧の巨人だ。」
ハクロ「終わりだ。エレン・イェーガー。」
エレン「誰が終わるかよ!」
ギュイーン
エレンは急上昇してハクロの上空まで飛んだ。
バチバチバチバチ
エレン「巨人の斧(アックス フォン タイタン)」
バキィ!
へし折られたのはエレンの巨人化した右足だった。
エレン「そんな!?」
ハクロ「死ね。」
バキッ
ハクロの巨大な鎧の右拳がエレンに命中した。
-
- 27 : 2014/03/05(水) 03:19:49 :
- オートメイルは出ないんですか?
-
- 28 : 2014/03/05(水) 18:55:22 :
- >>27さん、出ない予定です。
-
- 29 : 2014/03/05(水) 18:55:30 :
- バキバキバキ
ハクロの巨大な拳により放たれた打撃はエレンの全身の骨を砕いた。
ヒューン
ドォン!
エレンは地面に落下した。
エレン「うぅ...くそ...」
リヴァイ「意識はあるみたいだな。」
ハンジ「でもこのままじゃまずい。私達も加勢した方が。」
リヴァイ「だが、奴の鎧をどうやって?」
ハンジ「...うなじに渾身の一撃をぶつける。うまくいけば中のハクロごと鎧を砕けるかもしれない。」
オルオ「何でうなじにいるって分かるんですか?奴は巨人に似てますけど、巨人その物ではないですよ。」
ハンジ「あの姿がもし、巨人を模したものであるならうなじに本体が居る可能性は高い。錬金術はイメージなんだ。彼が錬成時に巨人をイメージしたのなら、本体はうなじにある。」
リヴァイ「...ダメ元でやるしかねぇか。」
エルヴィン「その必要はない。」
リヴァイ「...エルヴィン。」
一方エレンは体を再生し、立ち上がっていた。
ハクロ「その再生能力、やはり巨人だな。」
エレン「うっせーよ。」
ハクロ「ふ、この鎧には手も足も出んだろう。貴様が巨人のように再生すると言うなら次はうなじを潰してやる。」
エレン「(まずいな、うなじはかなり頭に近い。もし食らったら意識を失っちまう。)」
エルヴィン「エレン!」
エレン「エルヴィン団長!?」
エルヴィン「巨人化の許可はとった!今こそ君の巨人の力を内地の者に見せつける時だ!」
エレン「...はい!」
ハクロ「何!やらせん!」
ハクロはエレンへと拳を振るう。
エレン「いくぜ。」
ポンッ
エレンは左手を胸に当てた。
バチバチバチバチ
カッ!
スドォォォォォォォン
エレン「ウオオオオオオオオ!!!」
-
- 30 : 2014/03/05(水) 20:27:50 :
- ハクロ「これが...巨人化...」
エレン「ウオオオオオオオオ!」
ガバッ
エレンは右拳を大きく振りかぶった。
エレン「オオオオオ!」
ブンッ
ハクロはその拳を避けた。
ハクロ「はぁ!」
バキッ
ハクロの鎧の拳が巨人化したエレンの腹に入った。 だがエレンはそれを、ものともしなかった。
ハクロ「何!?」
エレン「ガアアアアア!」
バキッ
エレンは右ストレートを放った。
ミカサ「あれでもダメなの...」
砕け散ったのはエレンの右拳だった。
ハクロ「なるほど、さすがはウォールシーナだ。巨人の攻撃を防ぐとはな。」
ハンジ「まずい...」
ハクロ「今度はこっちだ!」
バキッ
エレンの顔面に強烈な拳が叩き込まれた。
ハクロ「まだまだ!」
ブンッ
バキャッ!
続けて蹴りが叩き込まれた。
エレン「ガアアアアア!」
エレン「(くそ!何か奴を倒せる方法はねぇのか!?そうだ、アニが使ってた硬化能力を使えば...でもやり方がわかんねぇ。とにかく右手に意識を集中させてみよう。)」
エレン「ウオオオオオオオオ!」
バキッ
またしてもエレンの右拳が砕ける。
ハクロ「無駄無駄!その拳じゃ傷ひとつつけられねぇよ!」
エレン「(グリードみたいな事言いやがって!待てよ...グリードだ。あいつの硬化能力なら原理は分かる。俺だってホムンクルスなんだ、使えないわけねぇ。少なくともアニの硬化能力を使うよりは可能性がある。ダメ元だけど、やるしかねぇ!)」
-
- 31 : 2014/03/05(水) 21:58:27 :
- エレン「(原理は体の中の炭素の結合を変化させるんだったよな。やり方とかやっぱり分からないけど...やってやる!)」
エレン「ウオオオオオオオオ!」
ブンッ
エレンはハクロに蹴りを入れた。
バキャッ
しかしエレンのダメージを受けたのはやはりエレンだった。
ハクロ「やけになったか?」
エレン「ガアアアアア!」
バキャッ
アルミン「やっぱり、通じてない...」
ハクロ「今度はこっちの番だ!」
ブンッ
ドカッ
ハクロの攻撃をエレンはガードした。しかしエレンの腕はかなりのダメージを受けてしまった。
ハクロ「そんな柔なガード、すぐに破ってやる!」
ドカドカドカドカドカ
ハクロのラッシュがエレンを襲う。
ハクロ「うなじごとぶっ飛ばしてやるよ!」
ガバッ
ハクロは拳を大きく振りかぶった。
ハクロ「はぁぁぁぁ!」
バキィッ!
ハクロ「...何だと...」
砕けたのはハクロの拳だった。ハクロの打撃を受け止めたエレンの腕は結晶に覆われていた。
-
- 32 : 2014/03/05(水) 23:22:42 :
- ハンジ「あれは...女型の硬化!?」
エレン「(出来た...しかもこれはアニの。いける。これなら...勝てる!)」
エレン「ウオオオオオオオオ!」
バキィッ
エレンの右拳が遂にハクロの鎧を砕いた。
ハクロ「馬鹿な!」
エレン「(ハクロ、これで終わりだ!)」
ググッ
エレンは腰を入れた。
エレン「ウオオオオオオオオオオオオオ!!!」
ブンッ
バキッ
エレンの渾身のアッパーがハクロの鎧の首に命中した。
バキバキバキバキ
エレン「グオオオオオオ!」
ブンッ
バゴォォォォォン!
エレンはそのままハクロをメートルの高さまで殴り飛ばした。ハクロは壁に叩きつけられ、その鎧は砕け散った。
リヴァイ「ミカサ、エレンをうなじから出してこい。俺はハクロを捕らえてくる。」
ミカサ「分かりました。」
ギュイーン
リヴァイ「...居たか。」
ハクロは鎧の破片の中で意識を失って倒れていた。
リヴァイ「...」
ペトラ「(元同僚だから、やっぱり辛いところもあるのかな。)」
ヒューン
コロコロ
ハンジ「...さっきから破片が危ないなぁ。ハクロの奴、壁を薄くしちゃったからね。駐屯兵団に壁の補強を頼まないと。ん...!!!!!」
オルオ「え...」
エルド「あ、あれは...」
ハンジ「壁の中に...巨人。」
-
- 33 : 2014/03/05(水) 23:23:11 :
- 今日の分は以上です。
-
- 34 : 2014/03/06(木) 19:33:48 :
- グンタ「何で壁の中に巨人が?」
ミカサ「動いてる...」
ハンジ「(え、何?ちょっと待って...あれは、たまたまあそこだけにいたの...?もしそうじゃなきゃ、壁の中すべてに巨人がぎっしり?壁の中すべてに巨人が...?)」
ガシッ
ハンジ「...あなたは確か、ニック司祭?」
ニック「...るな。」
ハンジ「え?」
ニック「あの巨人に日光を当てるな。何でもいい、光を遮るものを...被せろ...急げ!」
・
・
・
ハンジ「とりあえず、こんなところかな...」
ハンジ「本格的な補修作業は日没後に行います。とりあえず速乾性の高い目地材で薄く固めていって、周囲の脆くなった部分も同時に進めていきます。」
ニック「うむ、良いだろう。住民はこれを見ただろうか?」
ハンジ「この区の住民はハクロが暴動を起こしてから避難させていましたが、完全に隠し通せた確証はありません。」
ニック「...そうか。」
ハンジ「そろそろ、話してもらいましょうか。」
ニック「何をだ?」
ハンジ「この巨人はなんですか?何故壁の中に巨人がいるんですか?そして何故あなた方は、黙っていたんですか?答えていただきます。」
ニック「それはならん、私は忙しい。さぁ、私を下に降ろせ。」
ハンジ「良いですよ。」
グイッ
ハンジはニックの胸ぐらを掴み、壁際に追い詰めた。
ハンジ「ここからでいいですか?」
モブリット「分隊長!」
ハンジ「寄るな。」
ニック「ふざけるな、何の真似だ!?」
ハンジ「ふざけるな。」
-
- 35 : 2014/03/06(木) 21:00:35 :
- ハンジ「これは重罪だ。人類の生存権に関わる重大な罪だ。お前ら教団が壁の強化や地下道の建設を散々拒んだ理由はこれか?壁に口出しする権限をお前らに与えたのは王政だったな。つまり、この秘密を知っているのがお前だけなんてことはありえない!何人いるか知らないが。」
ハンジ「お前らは、我々調査兵団が何のために血を流しているかを知ってたか?巨人に奪われた自由を取り戻すためだ。そのためなら命だって惜しくなかった。それがたとえ僅かな前進だったとしても、人類がいつか、この恐怖から解放される日が来るのならと、命を捧げ続けてきた!しかし、こんな重大な情報は今まで得られなかった。それでもまだとぼけられるのか?どれだけの仲間が巨人に食い捨てられていたか、知りませんでしたと?」
ハンジ「事実お前らは黙っていた。お前らは、黙っていられた。いいか?お願いはしていない。命令だ。話せと。そしてお前が無理なら次だ。次のヤツに自分の命とどっちが大事か聞いてみる。なんにせよ、お前一人の命じゃ足りないと思っている。それともお布施の方がいいか?」
ニック「手を...放せ...」
ハンジ「今放していいか?」
ニック「今だ!今...この手を放せ!」
今のニックはハンジが手を離せば壁から落ちてしまうような状況だった。
ニック「お、お前達の怒りはもっともだ。だが、我々も悪意があって黙っていたわけではない!自分の命がかわいいわけでもない!それを証明してみせる!」
ハンジ「わかった。死んでもらおう。」
モブリット「ハンジさん!」
ニック「あぁ...か...み...さま」
グイッ
ドザッ
ハンジはニックを壁上に叩きつけた。
ハンジ「ハハッ、ウソウソ冗談。」
ハンジ「ねぇ、ニック司祭?壁って全部巨人でできてるの?」
ニック「ぅ...ぅぅ...」
ハンジは少し震えていた。
モブリット「分隊長?」
ハンジ「ああ、いつのまにか忘れてたよ。こんなの、初めて壁の外に出たとき以来の感覚だ。」
ハンジ「怖いなぁ...」
-
- 36 : 2014/03/06(木) 22:39:34 :
- ~夜、調査兵団宿舎~
ハンジ「...」
ハンジは一人何かを調べていた。
コンコン
エレン「エレンです。」
ハンジ「あ、どうぞ入って。」
エレン「失礼します。」
ハンジの部屋にエレン、ミカサ、アルミンの三人が入った。
アルミン「何の研究をしていらっしゃるんですか?」
ハンジ「壁の破片と、エレンの硬化したこの皮膚の破片を観察してたんだよ。」
アルミン「え!?消えてない!?」
ハンジ「そう!よく気付いたね。エレンが巨人化を解いて体から切り離されても、この通り!蒸発もしない!消えてないんだ!それでもしかしたらと思って、壁の破片と見比べてたんだ。」
ミカサ「それで、結果は?」
ハンジ「...ビンゴだった。壁に使われた物質とエレンやアニが硬化能力を使って造り出した物質は同じだったんだよ。」
エレン「つまり、あの壁は大型巨人が支柱になり、表層を硬化能力で覆ったものってことですか?」
ハンジ「そうなる。」
ミカサ「そんな...」
アルミン「でも、それなら」
ハンジ「待った!言わせてくれアルミン!このままウォールマリアを奪還するための作戦を練ったとして、すぐに壁の穴を塞ぐことは不可能だ。でも、もし巨人化したエレンが、硬化する巨人の能力で壁の穴を塞げるのだとしたら...」
エレン「俺で穴を塞ぐ!?」
ハンジ「元の材質は同じはずなんだ巨人化を解いたあとも蒸発せずに石化した巨像を残せるのならあるいは。そこでエレンに質問なんだけど、あの硬化って、どうやってやったの?」
エレン「それは...ダメ元で。」
アルミン「でも、何かしらの工夫はしたんでしょ?」
エレン「...グリードの硬化能力を真似しました。もちろん、知っているのは原理だけで、やり方なんて知りませんでしたが。」
ミカサ「あのグリードの?」
アルミン「炭素の結合を変えて硬化させる能力だね。と言うことは、あの結晶は炭素の塊、ダイヤモンドのようなものなんでしょうか?」
ハンジ「炭素...それなら原料には事欠かない。でも、陣もなしに錬金術は使えないはずじゃ...そうか、賢者の石だ。」
-
- 37 : 2014/03/06(木) 23:53:51 :
- アルミン「賢者の石を使えば陣無しで錬成出来るんですか?」
ハンジ「分からない。だけど、それしか考えられない。」
エレン「なら...アニもホムンクルスだったってことですか?」
ハンジ「そうなるね。」
ミカサ「ならば、鎧の巨人や超大型巨人もホムンクルスなのでは?」
ハンジ「確かに...いや、きっとそうだ。元々巨人化できる時点でホムンクルスとしか思えない。」
エレン「ならウロボロス組の誰かが奴等の正体!?」
ハンジ「...だとしたらなんでウォールマリアを壊したんだ?」
エレン「それは...」
ハンジ「でも、面白い仮説だ。頭に入れておくよ。じゃあ君達は休んでいいよ。特にエレンは巨人化の疲れがまだ残ってるだろうし。」
アルミン「ハンジ分隊長はどちらへ?」
ハンジ「ストヘス区役所、ちょっと調べものがあってね。」
アルミン「調べもの?」
ハンジ「気にしないで。」
・
・
・
~ストヘス区役所~
ハンジ「すいません。ここの区役所の資料室、見せてもらってもよろしいでしょうか?」
憲兵A「そのエンブレム、調査兵団か。貴様らに見せるものなど何もない。」
ハンジ「(やっぱり、内地じゃ偏見があるか。しかし困ったなぁ。どうやって資料室に入れてもらおうか。人質解放のことを持ち出すか?)」
???「あれ、ハンジちゃん!久しぶり!」
ハンジ「マリア!」
マリア「訓練兵卒業以来ね。どうしたの?」
ハンジ「ちょっと資料室を見せてもらいたんだけど、彼がダメだって。」
マリア「別に良いわよ。見せても減るもんじゃないし。」
憲兵A「ロス隊長、ダメですよ。」
マリア「そんなの決まりにないでしょ。」
憲兵A「それは...」
マリア「行こ、ハンジちゃん。」
ハンジ「うん。よろしくね。」
-
- 38 : 2014/03/06(木) 23:54:49 :
- 今日はここまでです。
ちなみにこのマリア・ロスはハガレンのロス少尉とは関係ありません。(名前を拝借しました。)
-
- 39 : 2014/03/07(金) 18:55:58 :
- テクテクテクテク
マリア「それにしても、さっきはうちの部下がごめんね。」
ハンジ「全然、気にしないで。」
マリア「憲兵団のほとんどは調査兵団のことを厄介者扱いしてるから...」
ハンジ「知ってるよ。」
マリア「私はすごいと思うけどな。私が憲兵団に入ったのだって巨人と戦うのが怖かったからだし、人類のために壁外に出て命を賭けて戦うなんて、なかなかできることじゃないよ。」
ハンジ「マリアに誉められると悪い気はしないな。でもマリアも隊長だなんてすごいよ。」
マリア「ハンジちゃんの方がすごいよ!分隊長でしょ!」
ハンジ「調査兵団なんて小さな組織だからね。分隊長なんて言っても大層なものじゃないよ。」
マリア「でもすごいって!調査兵団で長年生き残るなんてさ!他の同期のみんなは?」
ハンジ「...死んだよ。私以外はみんな。」
マリア「え...そっか。ごめんね、変なこと聞いちゃって。」
ハンジ「だから気にしないでって。」
マリア「あ...ここよ。」
ハンジ「ありがとうマリア。久しぶりに同期と話せて楽しかったよ。」
マリア「調べもの、私も手伝おうか?」
ハンジ「大したことじゃないから一人でできるよ。」
マリア「そう...じゃあ、また会おうね。」
ハンジ「うん。」
テクテクテクテク
ハンジ「さて...」
ガチャ
ギイ
資料室のドアを開けた。
ハンジ「(壁が巨人で出来ている。しかも、硬化能力によってその周りを覆っている。つまり、あの壁の中の巨人は知性巨人。これらのことから、あの壁は何者かが人為的に造ったものだと考えられる。そのことの証拠になりそうな物を探しに来たんだけど...)」
ハンジ「ま、手当たり次第見てみるか。」
-
- 40 : 2014/03/07(金) 20:49:45 :
- ~二時間後~
ハンジ「んー。やっぱりないなぁ。どの資料にも壁は最初からあったって書いてる。予想通りと言えば予想通りだけど。しかし...3重の円か。なんか錬成陣みたいだな。て、円を見るとすぐ錬成陣を連想するのは錬金術師の悪い癖だね。」
コンコン
ハンジ「...どうかしましたか?」
マリア「ハンジちゃん、もう区役所を閉じる時間だよ。」
ハンジ「あ、ごめんごめん。今出るね。」
ガチャ
マリア「二時間も調べものだなんて、一体何を調べてるの?」
ハンジ「さっきも言ったように大したことじゃないよ。」
マリア「でもやっぱり調査兵団も頑張ってるんだね。聞いたよ、レト教の教主をエレンって子が捕まえたんでしょ。」
ハンジ「へー、ちゃんと伝わってたんだ。」
マリア「そうだよ。でもみんな、考えを改める気無しって感じ。しかも、リオール区はそのあと暴動が起こっちゃってね。」
ハンジ「暴動...壁の先端部で。人類は仲間内で争ってる場合じゃないのに。」
マリア「本当だよ。しかも壁の先端部の町でね。東洋人の乱だって、カラネス区で起こったし、やっぱり巨人が近くにいると、気が滅入っちゃうのかな?」
ハンジ「いや、先端部の町は王政から経済的な恩恵を約束されているんだ。壁から破られた後の最前線の町ならまだしも何故先端部の町ばかり...あ!(まさか...)」
ハンジ「マリア!もう30分だけ資料室で調べものさせて!」
マリア「え...もう、しょうがないなぁ。こうなったらハンジちゃん、止まらないからね。」
ハンジ「さっすが、分かってるね。恩に着るよマリア。」
タッタッタッタッ
ガチャ
ハンジ「(カラネス区の東洋人殲滅戦、リオール区の暴動、もし私の考えが正しければ...)」
ハンジ「...あった。やっぱりそう言うことだったのか。でも、トロスト区とユトピア区では起きてない...いや、トロスト区防衛戦か。しかし、こんな事考えるのはどこのどいつなんだ。とにかく、リヴァイに伝えなきゃ。」
ギイイ
バタン!
-
- 41 : 2014/03/07(金) 22:17:08 :
- ハンジ「...」
ラスト「初めまして、それともさよならの方がいいかしら。」
ハンジ「(ウロボロスの入れ墨)イカす入れ墨してるねおねえさん。」
ジャキッ
ラスト「知りすぎたわねハンジ分隊長。」
ハンジ「氷雨(リーガン オス アイズ)!」
ヒュン
ザクッ
ハンジの右肩にラストの爪が刺さった。
ハンジ「っ...くそ!」
コツコツコツコツ
ラスト「くそはこっちのセリフだわ。」
ラストの頭には氷の棘が刺さっていた。
ラスト「さすがは調査兵団の分隊長ね。」
ハンジ「はぁはぁ。」
マリア「ハンジちゃん。調べもの終わった?え、ハンジちゃん!血が!」
ハンジ「何でもないよ。電話借りるね。調査兵団宿舎に」
ハンジ「...」
ハンジ「ごめん、ジャマしたね。」
マリア「え、待ってよハンジちゃん!」
~電話ボックス~
オルオ『はい、何でしょうか?』
ハンジ「オルオ?リヴァイじゃないの?」
オルオ『兵長の部屋の掃除を任せられてまして。』
ハンジ「リヴァイを呼んで!」
オルオ『え...分かりました。どうかしたんですか?』
ハンジ「早く!兵団が、政府がやばい!」
スッ
ハンジの頭に銃が突きつけられた。
???「受話器を置いていただこう。ハンジ分隊長。」
-
- 42 : 2014/03/07(金) 23:27:31 :
- ハンジ「...!!!!!」
ハンジ「(そのエンブレムは...)中央第一憲兵団...」
ジェル「いかにも、私は中央第一憲兵団、ジェル・サネスだ。」
ハンジ「何でこんな所に...中央第一憲兵団が?」
ジェル「君のようなものを始末するためだよ。」
ハンジ「誰が...始末されるって!?」
ダッ
ハンジは電話ボックスから抜け出した。
ズガン!
ハンジ「おっと危ない。」
ジェル「抵抗するだけ無駄だぞ。」
ハンジ「どうかな?今日は湿度が高いからね。氷雨(リーガン オス アイズ)」
ヒュンヒュンヒュン
ジェル「こんなもの。」
バチバチバチ
ボオオオオオ
ハンジが放った氷の棘が燃え上がった。
ハンジ「(氷が燃えただって?)あんた、錬金術師か。」
ジェル「いかにも。」
ハンジ「...このタイミングで来たってことは、君達はホムンクルスと仲間ってことだよね。」
ジェル「仲間というより、協力関係にあるといった方が正しいな。」
ハンジ「何故ホムンクルスに従う。」
ジェル「君は馬鹿かね?あくまで協力関係にあるだけで、従ってなどはいない。」
ハンジ「なるほど、やっぱりホムンクルスには親玉がいて、そいつに従ってるってことか。」
ジェル「ホムンクルスに親玉がいるという見立ては正しい。だが、私達が従っているのはそれではない。」
ハンジ「ならなんだって言うんだ!王政を裏切ってまでお前らが従おうとする者は!一体何者なんだ!」
ジェル「違う。」
ハンジ「え?」
ジェル「私達は裏切りなどという卑劣な行為はしていない。」
ハンジ「...ま、まさか...」
ジェル「我らが憲兵団を従えているのは壁が出来たときから変わらんのだよ。」
ハンジ「そんな...それじゃあ、真の親玉はお
ガシッ
ジェルは突然ハンジに近付き腕を掴んだ。
バチバチバチ
ドクン!
ハンジ「(え?これは...心臓発作?何で?)」
ジェル「さよならだ。ハンジ分隊長。」
ハンジ「くそったれ...」
ズガーン!
~調査兵団宿舎~
オルオ「早くしてくださいよ兵長。分隊長が怒りますよ。」
リヴァイ「うるせぇ。急用なら宿舎の電話にかければいいのにわざわざ俺の部屋にかけてきた方が悪い。」
ガチャ
リヴァイ「もしもし、何だクソメガネ。」
電話『...』
リヴァイ「クソメガネ?さっさと出ろクソメガネ!おいっ!ハンジ!ハンジ!!!」
-
- 43 : 2014/03/07(金) 23:27:59 :
- 今日はここまでです。
-
- 44 : 2014/03/08(土) 02:16:50 :
- ヒューズ…
-
- 45 : 2014/03/08(土) 18:21:57 :
- >>44さん、
ハガレンでのヒューズの死は衝撃的でした。
入れたかったシーンの一つです。
-
- 46 : 2014/03/08(土) 18:22:10 :
- その二日後、ハンジ・ゾエの葬式が行われた。全調査兵団員はウォールシーナに集まり、彼女の死を悲しんだ。
式にはザックレー総統も参列していたが、憲兵団側の出席者はマリア・ロスだけだったという。
~墓前~
リヴァイ「...まさかお前が銃に撃たれて死ぬとはな。お前は巨人に食われて死ぬとばかり思ってたんだが。」
ペトラ「兵長。」
リヴァイ「ペトラ、それにエレン達か。何だ?」
ペトラ「風が出て冷えてきましたよ。まだお戻りにならないのですか?」
リヴァイ「ああ。」
エレン「ハンジ分隊長...一体誰がこんなこと。」
ミカサ「見つけ次第、殺す。」
リヴァイ「それは憲兵の仕事だ。俺達調査兵団にとって仲間が死ぬことなんてざらにあることだ。いちいちわめくな。」
アルミン「しかし...」
リヴァイ「雨が降ってきたな。」
ペトラ「雨なんて...」
リヴァイの頬を水滴が流れていた。
リヴァイ「いや、雨だよ。」
ペトラ「...そうですね。戻りましょう。ここは冷えます。」
~ストヘス区役所~
マリア「資料室で調べたいことがあると言われて私が案内したんです。その後、役所を閉める時間になったのでハンジちゃんを呼んで、出てきてもらったんですけど、何かを思い出したのかもう30分だけ使いたいと頼まれて...ハンジちゃんがああなったら止まらないことを知ってたので使わせました。こちらです。」
アルミン「これは、何者かと争ったようですね。」
ペトラ「室内から廊下へと血痕が残ってます。」
マリア「はい。そして次に私がハンジちゃんに会ったのはこちらです。」
エレン「通信室ですか。」
マリア「ハンジちゃんは怪我をしたまま電話をしようとして、そこで何かを考えていたようです。結局どこれもかけずに出ていってしまって...私があそこで引き留めれいれば...」
-
- 47 : 2014/03/08(土) 20:08:27 :
- ~電話ボックス前~
リヴァイ「ハンジはいったい、何に気付いてわざわざ外に出て電話をかけたんだ。しかも、調査兵団宿舎ではなく俺の部屋に。」
ペトラ「オルオが聞いた政府がやばいという言葉も気にかかりますよね。」
リヴァイ「あいつは...何を伝えたかったんだ?」
アルミン「普通に考えれば、兵団が崩壊するような事態が進んでいるってことになりますね。」
エレン「となると、容疑者として疑わしいのは、やっぱりホムンクルスですかね?」
リヴァイ「まだ確定させるには早いがな。」
タッタッタッ
オルオ「リヴァイ兵長!」
リヴァイ「どうした?」
オルオ「ハンジ分隊長殺害に用いられた銃が分かりました。45口径です!」
リヴァイ「何だと!」
ミカサ「何か問題でも?」
リヴァイ「45口径は、兵団で支給されている銃だ。」
アルミン「え...でも、それなら兵団内の人間をしらみ潰しに当たれば犯人が分かるんじゃ。」
リヴァイ「無理だ。」
アルミン「何故ですか!?」
リヴァイ「俺達のもつ権限では無理だ。」
エレン「なら、エルヴィン団長に頼みましょう。いや、憲兵団のマリアさんでもいい。確かあの人は隊長だからある程度の権限は...」
リヴァイ「それでも無理だ。45口径、こいつは優れものの銃でな。兵団内でも持てる者は限られる。」
アルミン「それは...」
リヴァイ「45口径を持てる者は、駐屯兵団の各司令、憲兵団師団長、副師団長、エルヴィン、そして...中央第一憲兵団だけだ。」
ミカサ「それじゃあ...」
リヴァイ「ああ。エルヴィンもマリア・ロスも及ばない権力者ばかりだ。俺達にはもう、この事件に手の出しようがない。」
第七話へ続く...
-
- 48 : 2014/03/08(土) 20:09:55 :
- 一端「巨人の錬金術師」の執筆を休止します。
執筆再開まであまり長くはならないとは思いますがそれまでお待ちください。
- 著者情報
- この作品はシリーズ作品です
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巨人の錬金術師 シリーズ
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