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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

不二咲「舞園さんとエスパー騒動」 舞園「クリスマスです」

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  1. 1 : : 2018/10/27(土) 16:56:05
    前回
    http://www.ssnote.net/archives/66309#top

    前回とがっつり繋がってるのでどうぞ

  2. 2 : : 2018/10/27(土) 17:08:56
    期待ですー
  3. 3 : : 2018/10/27(土) 17:15:16
    きらびやかなイルミネーションが部屋をクリスマス色に染める

    この江ノ島さんが用意した部屋は希望ヶ峰学園でもわりと大きな分類に入るらしくて、ここまで飾り付けをするのはきっと大変だったろうな

    僕、苗木誠は馬車馬のように働かされたであろう葉隠君や、江ノ島さんに従うことを至上の喜びとする戦刃さんの姿を思い浮かべながら、心の中でお礼を言う

    そんな中でもやはり一際目立ってるのは全長2メートルはあるクリスマスツリーだ

    僕なんかには説明できないほど沢山の小物や名前は知らないけどフサフサしてキラキラしてる長いボンボンみたいなのが巻かれており、それが一層ツリーの魅力を引き立たせている

    テーブルに並べてある料理も今までのクリスマスではお目にかかったことがないものが所狭しとおいてある

    「まだ食べちゃ駄目ですよ苗木君」

    隣にいる舞園さんが悪戯っぽく笑いながら語りかけてくる、その笑顔は可憐で何よりとても綺麗だった

    「分かってるよ、僕、そんなに見つめていたかな?」

    「そりゃもう、涎をださんばかりでしたよ」

    今でも時々信じられない、僕が舞園さんや他の超高校級の皆と一緒にたっているなんて

    「なんか恥ずかしいな」

    「とっても可愛かったですよ」

    舞園さんにいわれて随分早く来ちゃったからまだ他の人はいない、なぜ舞園さんがそんなことを言ったのかと言えば

    「さて、じゃあ苗木君」

    舞園さんが上着を近くにあった椅子にかけて、僕に言ってくる

    「うん」

    僕達が早く着たのは、この会場を調べるためだ、主催者があの江ノ島さんだから念を入れるに超したことはない、本当は霧切さんにもお願いしたかったんだけど舞園さん曰く、今彼女は忙しいらしい

    「さあ、始めましょうか」

    そう語りかけた舞園さんの顔は、とてつもなく晴れやかで、それでいてなぜが僕の中の何かを震わせる笑顔だった
  4. 4 : : 2018/10/28(日) 10:27:21
    うふふ、とりあえず先手は打てました

    思わずにやけそうになる自分の顔を必死に抑えて、いつもの笑顔を作ります

    これで後は事故を装って苗木君をドキドキさせればクリスマス効果(正確にはイブですが)も相まって今日一日苗木君は私に釘付けです

    ですが一つ気がかりがあります

    あの江ノ島さんのこと、苗木君を誘う口実にも使いましたが、わりと本気で何か仕掛けがあるのかも知れません

    例えばカメラ、私が苗木君に抱きついたりパンツを見せた瞬間を移されそれが自動でネットにアップされたりしたら完全に終わります

    他にもブーブークッション、リアルな虫に似せた玩具、入間さんや左右田君謹製のメカ、いくらでも考えられます

    とにかくまずは私達の安全を確認しなければいけません

    あの人相手に石橋を叩きすぎるなんてことは無いんですから

    「んと、この当たりには何にもなさそうだね」

    苗木君がそのそこらの天使も堕とすほどの可愛い顔とカッコいい声で私に語りかけてきます

    「そうですか、でも油断はいけません、せっかくのクリスマスパーティー兼誕生日パーティーなんです、一切の憂いを無くして楽しむために頑張りましょう」

    「うん」

    苗木君がそういった、まさにその瞬間

    ガチャリ、スッとゆっくりとドアが開く音が聞こえました

    まさか!!私のテレパシーをかいくぐれるクラスメイトは2人だけ

    嫌な予感を胸にそちらの方へ目を向けます

    「あら、二人ももう来ていたのね」

    やっぱり

    「あっ霧切さん!!」

    そこにはいつもどおりのクールを気取った顔の銀髪女狐が立っていました
  5. 5 : : 2018/10/29(月) 00:04:22
    待ってました‼️
  6. 6 : : 2018/10/29(月) 21:19:06
    >>5 舞園「ありがとうございます!!」



    舞園さんのわずかに唖然とした顔と、どことなく嬉しそうな苗木君の顔が私を出迎えてくれた

    「でも霧切さん、今は忙しいんじゃ」

    へえ、苗木君にはそんな風に説明したのね、なんというか、お粗末ね

    舞園さんの方へ顔を向ける、今彼女の嘘をつつくのはさほど難しいことではないけれど、今からクリスマスパーティー、苗木君の興をそいでしまうのは私の趣味じゃないわ、ここは去年起きた事件の話でもしてお茶を濁しましょう

    「ちょっとね、とある民家で殺人事件があったらしいんだけど、その件について相談があったのよ、さほど難しくなかったから、もう犯人は逮捕されたけどね」

    「流石霧切さんだね!!そんなすぐに分かっちゃうんだ!」

    その無垢な笑顔が眩しいわ

    「なに、その事件の犯人の動機はいわゆる痴情のもつれだったのよ、だからかしら、すぐに思考がトレースできてね」

    舞園さんを見つめながら言葉をつなげる

    「三角関係だったらしいわ、親友と同じ人をすきになったですって」

    彼女もこちらを見つめる

    「へえ、そんなドラマみたいなことあるんですね、因みに犯人は男と女どっちですか?」

    「女よ、女が親友の女性を殺したの」

    「そうなんですか」

    ニコリと彼女が笑って私にテレパシーを送ってくる

    そして、私達の僅かな間を見計らったのか苗木君が

    「まあ、その事件のことは後でまた聞きたいけど、霧切さんはどうしてこんな早くにここに来たの?」

    「恐らくだけど貴方達と同じ目的よ、江ノ島さん相手だから」

    「そっか、じゃあ皆でさっさと終わらせよう」

    「ええ」

    舞園さんが送ってきた言葉

    「私はそんなことをしませんよ、だって苗木君が悲しみますから」

    そんなこと分かってるわよ、それに私は貴方の友人だと心から思っているのよ、あくまで苗木君が関係しなかったらだけど

    だから、どちらが勝っても決して恨みっこ無し、正々堂々策を弄し合って、自分の魅力を使って、相手より早く苗木君をものにする

    私はそれを改めて目で舞園さんに伝えた


    まあ勝つのは私だけどね
  7. 7 : : 2018/10/30(火) 14:34:03
    霧切さん目線か
    わりと舞園と霧切は苗木絡みでなければ仲が良いのか
  8. 8 : : 2018/10/30(火) 21:19:22
    >>7 霧切「ええ、基本的には舞園さんはフレンドリーだし、私達には共通点もあるから、休日はよく苗木君鑑賞会や彼の過去を探ったりしてるわ」


    「ヘイヘーイ!!レディースエーンドジェントルメーン!!!プラスウニブタアポその他省略、来てくれてありがとうねーーー!!!!」

    にこやかな顔で江ノ島さんが宣言をする

    (で、結局見つからなかったんだよね)

    隣にいる舞園さんにそっと耳打ち、というか悔しいことに身長がまるで足りないから腕をつついてテレパシーを使ってもらう

    (ええ、三人で隅々まで探しましたが、所々に葉隠君や桑田君の秘密が書かれたカードがセットしてあるくらいで)

    (そっか)

    少しだけほっとする、とりあえずだけど皆の安全が確認できて良かった

    (それにしても不二咲君、あの二人の秘密はほとんど欲に関する自業自得だったんですが、人間として大丈夫なんですかね)

    返答に困った僕はニコリと笑みを浮かべ江ノ島さんの挨拶を聞く

    「ぶっちゃけ難っ苦しい挨拶は辛子たっぷりの饅頭より嫌いなんで早速始めたいと思いまーす」

    キャルンとでも擬音がつきそうな身振り手振りで江ノ島さんが続ける

    「まずは葉隠の絶対に笑える一発ギャグから!!」

    「ちょっ!!聞いてないべ!!」

    「いってないもん」

    「酷いベ!!」

    「ほらほら早くしないとあんたの通帳からゼロがまた一つ消えるよ、最悪桑田も使っていいからさ」

    「なんで俺まで!!」

    「なんとなく」

    相変わらず滅茶苦茶だなぁ江ノ島さん

    (全くですね、彼女も思考が読めない人間なのでなおさらそう思います)

    (舞園さんでも読めないんだ)

    (ええ、霧切さん同様彼女も思考を隠せるんです)

    僕達がそんな話をしている間に

    「それで暑が夏いんだべ」

    「逆だ!!」

    正直笑えない、ベタが過ぎるコントをしていた桑田君と葉隠君が

    「はい!!もう1回!!次も笑えなかったら、千本ノックね!!」

    半死刑宣告をされていた

  9. 9 : : 2018/10/31(水) 22:56:34
    なぜだべ、なぜ俺がこんな目に

    ~~

    「それでな、十神っちのメガネが喋ったんだべ!!」

    「おいおいマジかよ!!!一体なんて言ったんだ?」

    「かませの名は伊達じゃない!!!だべって」

    「貴様!!!俺を馬鹿にするとは許さんぞ!!!」

    「あっ、十神てめえ、今コント中なんだから入ってくんなよ!!!」

    ちょっと詐欺という名の搾取をして金を設けただけなのに理不尽だべ!!

    「五月蠅い!!!そんなこと知るか!!葉隠そこを動くな!!十神スープレックスを食らわしてやる!!!」

    十神スープレックスってなんだべ

    「十神君!!暴力はいけないぞ!!」

    「いやいや、兄弟これがあいつらのコントなんだよ、黙って見ておこうぜ」

    「む、そうなのか?」

    「なぜ俺がそんな低俗なことをしなければならない!!」

    「うぷぷ、そっかかませメガネはそんなことも出来ないんだ、葉隠以下じゃん」

    邪悪な笑みだべ

    「なんだと!!嘗めるなよ!!そんなもの簡単すぎてする気にならんだけだ!!」

    「皆!!今から爆笑必至のかませメガネショーが始まるよ!!」

    「誰がかませメガネだ!!」

    十神っちだべ

    「まあ良い、せっかくの機会だ、世界の王たる俺は低俗な遊びから高尚なものまですべてにおいて完璧だと言うことを見せてやる、苗木!!お前も来い!」

    「苗木君は私達とのお話で忙しいので無理です」

    「他の皆でやりなさい」

    背後に不気味なオーラを滾らせた二人がにこやかな笑みで応えるべ

    「うっ、まあ良い、見せてやる十神の力を!!」

    こうして始まった俺達の即興コント

    まあそれは、もちろん大失敗に終わり、今は十神っちと桑田っちと一緒に千本ノックを受けてるべ

    もう一度いうべ、なぜ俺がこんな目に
  10. 10 : : 2018/11/01(木) 02:06:12
    ここまでくるとかませが哀れに思えるw
    まあウニとアポは全くそう思わないが。
  11. 11 : : 2018/11/01(木) 20:51:28
    >>10 舞園「あの十神君に同情なんて失礼なので一ミリも同情なんてしません、決して苗木君と仲良く図書館に行ったのを妬んでるわけではありませんよ」


    「あっ三人ともお帰りなさい」

    不二咲君がワッフル片手にチワワような可愛らしい笑みでボロボロの三人を迎える

    「ったく、あんたらがモタモタしてるから予定が狂ったじゃないの!何やってたのよ!!」

    「お前が千本ノックさせたんだろうが!!!江ノ島!!!」

    あはは、やっぱり十神君怒ってる

    「え?何のことかしら??つまんないことは忘れちゃった」

    「貴様!!!!」

    そんないつものやりとりをコーラを飲みながら見ていると後ろからツンツンとされ、顔をそっちに向けると

    プニッ

    舞園さんの柔らかな指が僕のほっぺたを押した

    「うふふ、プニプニで気持ちいいですね」

    舞園さんの指は滑らかだね

    「舞園さんどうしたの?」

    「イタズラですよ」

    指を唇に添えてウインクしながら微笑む舞園さん、素直に胸がドキッとした

    綺麗

    「ありがとうございます」

    もう一度ウインクしながら舞園さんが応える

    「あっ、読まれちゃった?」

    「うふふ、苗木君のことなら何でも分かりますよ」

    「あはは、光栄というかなんというか」

    「ちょっと、苗木君顔が緩んでるわよ、しゃきっとしなさい」

    少しむっとした表情の霧切がほっぺたをぺちぺちする、手袋の独特な肌触りがなんだかちょっと良い

    「全くもう、仕方ないんだから」

    そんな風にしていると

    パンッ!

    と一際大きな手拍子をした江ノ島さんが

    「とりあえず馬鹿三匹も帰ってきたし、お待ちかね、ドキドキ!!気になる彼のプレゼント、当たるか外れるかはモノクマのみぞ知る!!始めるわよーー」

    無駄に長いね、その名前

    何やら文句を言う十神君をぼんやり眺めながらそんなことが頭をよぎった
  12. 12 : : 2018/11/02(金) 23:22:41
    「それじゃあルール説明するよん!!」

    高らかな声で江ノ島さんが宣言する

    隣から舞園さんが

    「楽しみですね、私は苗木君のプレゼントが楽しみです」

    そんなに期待されたら少し腰が引けちゃう、結局何を買ったかまでは今日までお楽しみに隠してたから楽しみなのはよく分かるよ

    「やっぱあれよね、クリスマスプレゼントはランダムが良いわよね!!特に桑田や石丸あたりから貰ったら絶望のリビドーがどんなにでるか楽しみだわ!!」

    「おいおい照れるな」

    「そうか、江ノ島君僕のプレゼントがそんなに嬉しいのか、感激だ!!」

    あはは、二人とも絶望の部分が聞こえなかったみたいだね

    「ほんじゃま、皆さんご覧あれ!!」

    江ノ島さんの掛け声と同時に目の前に大きなモニターが現れる

    「やっぱ時代はデジタルよね!!くじ引きとかあみだくじとか時代遅れも甚だしいわよね!!out of fashionよね!!」

    やたら良い発音で江ノ島さんが続ける

    「もし万が一千里眼とか透視とかサイコキネシスとか使えても不正はできないようにしなきゃね」

    舞園さんが一瞬だけ顔をしかめたような気がした、が

    「全くもう、そんなこと誰ができるんですか」

    そうだよね、分身は出来るらしいけどそんなことまで出来るわけないよね

    この学園で僕は常識なんて当てにならないとは学んだけど、さすがに千里眼とか……うん、ない!

    「うぷぷ」

    江ノ島さんの独特な笑い声が響く

    「まあいっか、続けるよ!!今から皆のスマホにアプリを強制ダウンロードさせるよ!!そのアプリを開いて1から16好きな番号をクリッククリック!!早い者勝ちで埋まってくよ」

    なんか無駄に手が込んでる、そして勝手だ

    「その後はランダムで番号が画面に表示されるからその番号をクリックした奴のプレゼントをゲット出来るよ!!」

    「長いわね、もっとコンパクトにできるわよ」

    霧切さんが異議を唱える

    「例えば今一番近い人同士で交換するとか」

    霧切さんが今にも腕を組みそうなほど近づいてる気がするけど、多分何かの間違いだろう

    「ダーメ!!!もう決めちゃったの!!今日は私様の誕生日なんだから従いなさい!!」

    でた、誕生日最強の言葉、誕生日なんだから、こまるがこの一言でどれほどわがままの限りを尽くしてきたことか

    「と、言うわけでスタート!!!!」

    そう言った瞬間、スマホにピコンと音を鳴らす
    画面を見つめるとたしかに入ってる、やらなきゃならないねこりゃ

    どうか良いプレゼントが手元に来ますように

    そんなことを思いながらとりあえず誕生日にちなんで5をクリックした




  13. 13 : : 2018/11/03(土) 08:39:53
    江ノ島は舞園がいろんなエスパー使えるの知ってるのかな?
  14. 14 : : 2018/11/04(日) 17:27:59
    >>13 舞園「基本、苗木君以外には特に隠してないから皆知ってますよ、もちろん皆さんに箝口令はしいてますけどね」




    来て下さい

    「さてさてモニターにご注目!!!順繰りに発表していくからこうご期待!!」

    頼むから私の元に苗木君のプレゼントが

    「まずは1番の奴のプレゼントをゲット出来るのは!!」

    そして私のプレゼントは苗木君の元に…どうか!!

    「記念すべき初めの組それは」

    苗木君が5番を選んだことはわかってます、だから今は呼ばれないで下さい!!

    「石丸君で~す!!!大神からプロテイン一式!!」

    セーフ!!!

    心臓に悪いですねこれ、いつものコンサートの百倍は緊張します

    そうこうしている内にプロテイン一式は石丸君の手に渡され

    「次!!!2番の奴のプレゼントをゲットできんのは!!」

    来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな

    「アポ君で~す、良かったね、自分で自分のプレゼントゲット!!そのエロ本は君のものだ!」

    うわっ最低

    「違えよ!!これはファッション雑誌だっての!!」

    「どーせあれでしょ、小物らしく下着のページとかある奴でしょ、それを見ながら夜な夜な性夜を過ごしてたんでしょ、使いまくって飽きたからプレゼントに再利用したんでしょ、あー気持ち悪い」

    「嘘並べんな!!エロ本ならもっと大胆な奴使うわ」

    その瞬間部屋の空気が固まりました、そして誰が言い出したかは定かではありませんが

    「最低」

    その一言から徐々に空気が動き出し、ようやく私も正常で清浄な思考に戻り、桑田君に向かって微笑みかけながら

    「このエロアポ」

    さて、さっさと次に進みましょう

    その思いが江ノ島さんに伝わったのか涙が溢れるほど大笑いしていた江ノ島さんが息を整え

    「このアポへのギルティは後に回して次にいきましょ!!」

    すると、どこかから聞きたくないテレパシーが私に伝わってきました

    (あっ、次)

    待って下さい!!私が選んだ番号はまだ先です!!

    「見事に3番の奴のプレゼントをゲットした憎い奴は~~」

    (僕だね)

    「うぷぷ、苗木でーす!!見事にちーたんからのプレゼントゲット!!!いや~羨ましいなこのラッキーボーイ!!!」

    悔しい……
  15. 15 : : 2018/11/07(水) 22:20:46
    不二咲君か、良かった

    明らかな地雷の江ノ島さんとか参考書を出してきそうな石丸君じゃなかっただけでなく、凄いものをくれそうな不二咲君、こりゃラッキーだね

    欲を言えば舞園さんや霧切さんのほうが良かったりとか思ったりして

    「さあさあ、ちーたんは何かなぁ?」

    煽るね江ノ島さん

    すると不二咲君がちょっともじもじしながら前に立った、どこかしら申し訳なさそうな表情を浮かべているように見えるけど何でだろ?

    そんな僕の心の内を知ってか知らずか、いつもの笑顔を浮かべ直して

    「はいっ!!頑張って作ったんだ、大切にしてね」

    なんだろう?DSみたい

    「これは?」

    「モバイルアルターエゴだよ、スマホにインストールするよりハイスペックで成長率も高いんだ」

    へえ、あの山田君が毎日スマホに向かってブヒブヒ言ってる奴の最新版か

    「ブヒ-!!羨ましいですぞ!!苗木誠殿!」

    「色々している内に成長していくけど、初期からゲームや書類作成、プログラミング、お喋り機能、あと地方銀行位のパソコンならハッキングできるから」

    「何それ凄い」

    えへへ、漫画なら間違いなくそんなオノマトペがでる笑顔で不二咲君が笑みを浮かべる

    「苗木君なら悪用しないから安心だよ、正直江ノ島さん辺りに当たったらどうしようか心配だったんだ」

    なんでだろう、そのどこかしら大胆な行動に僕とは違うものを感じた

    やっぱり不二咲君も超高校級なんだね

    「ありがとう、大切にするよ」

    「言ってくれたらパソコンに移すことも出来るけどどうする?」

    「今は持ってないから、買ったら是非お願いするよ」

    こんなやりとりをして僕達の授受式は終わった

    その間、霧切さんや舞園さんがずっと俯いていたけど、どうしてだろう

    「うぷぷ、んじゃ次!!ラッキーナンバー4!!!発表するわよ!!」

    なぜ4が?

    「なんと!!葉隠のプレゼントを霧切がゲット!!!」

    「なっ!!??嘘でしょ!!!よりにもよって!!」

    霧切さんの哀に満ちた声が会場に響く

    視界の端で、舞園さんの目に良くない何かが垣間見えたような気がした
  16. 16 : : 2018/11/08(木) 08:15:12
    葉隠のプレゼントはおおかた水晶か?
  17. 17 : : 2018/11/08(木) 12:24:32
    誰目線の発言や思考なのかちょっと分かりにくいなあ
    じっくり読めばわかるけど
  18. 18 : : 2018/11/09(金) 23:38:05
    >>16 葉隠「そう思うべ?残念違うんだべよ」

    >>17 モノクマ「ごめんね、出切るだけ個性出すようより頑張るから、シャケでも食べて僕を愛でて!!」


    なんてこと

    江ノ島さんの次に貰いたくない相手からなんて

    私は苗木君からプレゼントを貰い、そして結ばれるはずだったのに……

    まあ百万以上のプレゼントらしいし普通に考えれば悪いはずはないんだけど……

    「霧切っちだベか、どうか受け取ってくれべ!!後でお礼とかくれても全然OKだべよ」

    そういって差し出した手には一般的な筆箱ほどの大きさの箱があった

    「あら、随分小さいのね」

    「だベ、本当に良いものは大きさとは無関係なんだべ」

    何を分かったような口を

    とにかく高価なものではありそうなので、優しく箱を掴み、そっと開ける

    これは…

    「ミサンガ?」

    「そうだべ!!!なんとこのミサンガは」

    手を上げて制止をかける

    「願いを込めて着けると自然に切れたときに願いが叶う代物、とか言わないわよね」

    あからさまにびっくりした顔になる

    「なぜそれを!?」

    まさしく、驚天動地、ウニの無知、も一つおまけに、クズのウニ、とにかく愚か者ってこういう人……もといウニのことを言うのよね

    「それは、一般的に広まっている話よ、まさか高い買い物した癖にそんなことも知らなかったの?これはファッションに使うだけのものじゃないのよ」

    「えっと…知らなかったべ、それにネット通販での説明に、貴方の願いが叶うミサンガです!!本物の分かるそこの貴方にならふさわしい一品になってます、信じるか信じないかは貴方次第、って書いてあったから」

    バカ

    「いくらしたの?」

    「100万とんで800円だベ!!」

    その時、空を切るように飛んできた声が

    「ちょっと!!私様が指示した額と違うじゃないの!?」

    「江ノ島っち?そんなわけないべ!!手紙には確かに百万以上って」

    「普通に考えろや!!私様が百万以上って言ったら百万ドル以上に決まってんだろうが!!」

    「酷いべ!!!」

    「ということで、ペナルティー!!会場に仕掛けておいた葉隠の秘密をモノチューブに流しまーす!!」

    砂漠の一粒の砂以下の大きさだけど、同情してあげるわ

    「誰か!!助けてくれ~~」

    でも、まあこのミサンガ……葉隠君にしては悪くないセンスだし、ちょうど願いもあることだし、着けてみましょうか

    轟く慟哭を背に靴を脱いで

    どうか、苗木君とラブラブ出来ますように

    そんな私らしくない言葉で願い込めて足首にそっと着けた
  19. 19 : : 2018/11/10(土) 08:04:56
    葉隠のことだしラブラブしたいという願いは叶いそう
  20. 20 : : 2018/11/11(日) 15:09:29
    >>19 葉隠「あんたはよく分かってるベ!!そんな違いの分かるあんたに是非とも紹介したいセミナーがあるんだけど、どうだベ?」




    うーん、さっき舞園さんから聞いた葉隠君の秘密が世界中に漏れたらさすがに可哀想だよね、葉隠君の最期は日本海か南極かはたまたゴミの山になっちゃうよ

    僕はこっそり指を動かしてアルターエゴにモノチューブへアクセスを指示した

    「さてさて、次はなんと可愛いで有名な苗木君のプレゼントだよ!!!」

    ついにこの時が来ちゃったんだね

    にわかに皆の気がぴんと張るのを肌に感じる、皆分かってるんだ、もしこのプレゼントを舞園さんなら、霧切さんが一体何をするのか想像も出来ないって

    ただ、何をするかは分からないけど、多分大神さんでも止められない何かが起こる、それだけは分かる

    お願い、舞園さんだけには

    「うぷぷ、あれだね皆、急に険しくなってない?気のせい?」

    こんな江ノ島さんの煽りの時間ももどかしいほど緊張する、今僕達がこんな精神になってるのを知らないのは多分苗木君ぐらいだよ

    「あーあー、ほんじゃなんか皆が目で早くしろって訴えてくるんで行くよ」

    そう、早くこの緊張から解放させて

    「苗木のプレゼントを手に入れた今日一ラッキーな奴の名前、それは!!!!」

    それは?

    「舞園さやか!!!」

    そんなっ!!

    瞬間僕の全身、いや、会場に恐怖が走る!!

    ただ舞園さんが小さくガッツポーズしたのを僕は見逃さなかった

    これから一体何が起こるんだ!!!

    僕が後を憂いたその時!!!

    「の後ろで眼鏡を吹いてる」

    えっ?

    反射的に舞園さんの後ろに視線を向ける

    君は

    「山田一二三だ!!!!!」

    「へ?拙者?」

    瞬間、全身から力が抜け思わず膝が地面についた

    良かった
  21. 21 : : 2018/11/11(日) 15:19:36
    舞園さんに渡ったら霧切さんはどうするつもりだったのか気になるところ
    力ずくでうばいとるのか
  22. 22 : : 2018/11/13(火) 21:32:13
    >>21 霧切「そんなバカなことはしないわ、確かに苗木君のプレゼントは欲しいけど、一番嫌なのは舞園さんに渡ること、簡単に言えばそれを阻止するために早急にこのパーティーをぶっ壊したわ、もちろん苗木君を気絶させてから」



    なんですかあのブルドッグマイナス百頭分の無駄乳女、謎のワントラップかましてくれましたね

    「はいっ、もう寒いからマフラーにしたんだ山田君どうぞ」

    そのマフラーは私が着けるはずだったのに

    「ぶひひ、ありがたく頂戴しますぞ」

    ああ、あの豚に汚される!!!そうだ!!屠殺体験してみるのも良いかもしれませんね

    「うぷぷ、いやぁ楽しい本当に楽しいね」

    駄目です、今はまだ自分を抑えるんです、苗木君が見てますよ

    舞園さやか、あの可愛くて格好いい姿を見るんです!!

    「あれ?なんだか風が吹いてきたような?暖房強すぎなんじゃ」

    「苗木誠殿!!!気にしてはいけません!!この世には触れてはならないものがあるのです!!」

    風?あっしまった、ついサイコキネシスが少し

    「ほんじゃま次次!!!」

    自分を抑えなさい、こんな所で暴走したら苗木君が巻き込まれてしまいます

    私は眼前に映る、十神君の眼鏡が腐川さんに渡るシーンを瞬き一つ、体のどこか一カ所たりとも一ミリも動かさず、乱れた精神を押さえ込んでいました

    「さて!!!かませのメガネも無事渡った所で次!!」

    「まさか腐川にあたるとは…」

    「アアンッ!!最高だわ!!!」

    「いつの間にかジェノになってるねぇ」

    「次はなんとアイドル舞園さやかのプレゼントだよ!!」

    そういやそうでしたね

    「おれ!俺にこい!」

    「お前はねえよアポ髭!!!!」

    いいから早く教えて下さい

    「もらえるのはなんと!!残姉だよ!!」

    戦刃さんですか……まあ良しとしましょう



  23. 23 : : 2018/11/14(水) 07:27:35
    なんで眼鏡にしたし十神
  24. 24 : : 2018/11/15(木) 21:36:38
    >>23 十神「愚民共が俺のメガネをかけることを許されるんだぞ、これ以上の名誉はないだろ」クイッ



    「はい、これ手袋なので寒いときにでも着けて下さい」

    「ありがとね」

    恐ろしいほど味気のないプレゼント授与ね

    そのまま特に際立ったことも無くお通夜のように終わり、その足で苗木君のそばによりまるでガールフレンドのごとくすり寄る

    なんて恥知らず何でしょう、人によってころころと顔を変えて

    苗木君に腕を絡ませながら私は思案する

    「ねえ、何で二人とも僕と腕を組んでるの?」

    「クリスマスだからです」

    「そういう気分だからよ、それとも苗木君はいやかしら?」

    「嫌じゃないけどさ」

    「なら、もっとしてもいいですね」

    「ちょっ…」

    そんなこんなしてる間にも会は進んでいき、十神君が腐川さんの純愛小説を受け取ったその次に

    「うぷぷ、そろそろ終わりに近づいてるね」

    そういえばそうね、気づけば番号も13まで進んでるわ

    「続いては、なんと私様が霧切のプレゼントを貰うよ」

    あら、私の出番のようね
  25. 25 : : 2018/11/16(金) 07:20:37
    苗木は両手に花状態か
    うらやましい
    十神と腐川は相互で交換とは運命なのか
  26. 26 : : 2018/11/16(金) 22:45:48
    >>25 十神「あんな奴と運命なぞあるわけがない!!!」




    霧切さんが僕の腕を少し名残惜しそうに離して

    「少しだけ行ってくるわ」

    くるりと踵を返しながら歩いて行く様は思わず見惚れてしまうほど凛としていた

    「さぁーて霧切は何をくれるのかなぁ?」

    江ノ島さんが揉み手をしながら霧切さんへ詰め寄る

    「残念ながらあなたの趣味に合うようなものでは無いわね」

    懐からさっと何かを取り出す

    「どうぞ」

    「これは」

    あれは…ニット帽だね

    「へえ、これかぁ私様はてっきり盗聴器とか苗木のパンツとかかと思ったけど」

    「ふざけてるのかしら?」

    「私様はいつだってまじめにふまじめよ」

    なんか昔そんな感じのアニメを見たことあるような

    「貴方はいつも絶望でしょ」

    「うぷぷ、まあいいや、サンクスねあとで亀にでもあげとくわ!!」

    霧切さんはくるりと後ろをむいて

    「お好きにどうぞ」

    やっぱりなんだか格好いいな

    カツンカツンと音を鳴らしながら霧切さんがこちらに帰ってくる

    「待たせたわね」

    僕の腕にするりと彼女の腕を絡ませる、あまりの洗練された動きに僕は黙って見ていることしか出来ない

    「お帰り霧切さん」

    僕がそう言うと舞園さんが強く腕をギュッとしてくる

    「苗木君、私の腕はどうですか?」

    腕っていうか…そんなに強くされたら……胸が

    「えっと…柔らか…」

    「ありがとうございます!!!柔らかくて気持ちいいなんて嬉しいです!!」

    あはは、うん、もう僕は驚かないよ

    すると対抗したように霧切さんも強く腕を抱いてくる

    「霧切さん?」

    つん、とした感じとは裏腹により一層強くなる

    「私は不満かしら?」

    「そんなことないよ」

    しかし、二人ってばいつもと違う気が……

    「クリスマスですから」

    うん、分かったよ、イッツアクリスマスマジックだね

    「そうです」

    僕がクリスマスの持つ不思議な力に思いを馳せている間も時間は過ぎ、戦刃さんが大和田君にレーションを与えたその後に

    「いよいよラストだよ!!!!とりはなんと私様がちーたんにプレゼントだよ!!」

    遂にきたね、これが最後か

    僕は両手に感じる柔らかく良い匂いかし、そして安心できる温もりを感じながら、江ノ島さんのプレゼントへの警戒を忘れなかった

    それにしても、とにかく今は幸運だ
  27. 27 : : 2018/11/17(土) 21:24:42
    うーん、江ノ島さんが僕に何をくれるかはわからないけど

    ちらりと上を見上げる

    綺麗な顔に浮かぶとても自然な笑顔、彼女をよく知らない道行く人なら全員が全員この顔を見つめてしまうだろうね、それほどの可愛らしさがある

    でも、そんな江ノ島さんは十中八九、いや、百パーセントと言って良い割合で、ろくでもないことを考えている

    「ほれほれ、もっとこっちに来て来て」

    手のひらを自分の方へくいくいとする、相変わらずの楽しそうな顔

    「うん、すぐに行くから」

    スカートをちょっとだけ摘まんですぐ近くまで歩いて行く

    「楽しみにしててね~~私様のプレゼントで喜ばない人類なんて三千世界どこにも存在しないから」

    腕をガバァと大きく広げる………なぜだろう天海君が急に頭に浮かんできた

    「で、江ノ島さんは何をくれるの?」

    てくてくと歩きながら僕は尋ねる

    江ノ島さんのすぐ目の前に立ったその時

    「うぷぷ、それはねぇ」

    あっ、やっぱり嫌な予感当たったかな

    急に視界が暗くなる、と、いうより肌色になる

    続いて、僕を包む吸い込まれるような感触と甘い匂い

    「うぷぷ、現役JKのパフパフだよ、思いっきり堪能してね」

    僕の顔はいつもさらけ出している江ノ島さんの胸に押し込まれたみたい、ほっぺたには柔らかい感触だけで無く、いつもちらりと見えているブラジャーのものであろう、僅かに堅い感触がする

    「これが私様のプレゼントよ」

    身体が完全に浮かされてる、手もバッチリホールドされている、まさしく手も足も出ない

    誰か助けて



  28. 28 : : 2018/11/18(日) 00:36:46
    ったくあの痴女、苗木君が見たら悪影響出たらどうしてくれるんですか!!!

    「どうしたの?」

    私は霧切さんと共に苗木君の小さな身体を覆い、ふしだらな光景を見せないようにします

    「江ノ島君!!!風紀が乱れる今すぐにやめたまえ!!」

    「これはただのハグ、友情の証よん」

    「ちょっ、悪いけど舞園さん、霧切さん、そこを退いてくれる?」

    駄目です、あんなシーンを見せるわけにはいきません、もし万が一私以外の女の子で想像でもされたら……嫌です!!!

    「苗木君、実は貴方に教えなければいけないことがあるの、ね、舞園さん」

    霧切さん、今だけは協力しましょう

    「そうなんですよ、いきなりで悪いですけど、そうですね屋上にでも行きましょう」

    苗木君が不思議そうな顔をします、けど

    「良いよ、何か知らないけど大切なこと何でしょ、行こっ」

    ああっ、その眩い笑顔、私を信じ切ってくれている心何をとっても最高です!!今すぐチュッチュしたい!!!

    「大切というか、とにかく必要なことよ、さあ行きましょう」

    そうして、後ろでガヤガヤしているのを苗木君に聞かせないように、聴覚を遮断して早々に苗木君を見送り、見えなくなった辺りで江ノ島さんに

    「何を見せてくれてるんですか!!!!」

    収めていた怒りを爆発させ、

    「お仕置きです!!!」

    「ちょっ、待て舞園!!!俺達まで巻き込むな!!」

    黙ってなさいかませメガネ!!!!

    「サイコキネシス!!!!!」

    不二咲君を巻き込まないように、かませメガネを弾にして江ノ島さんに

    「喰らいなさい!!」

    「きゃん!!!」

    思いっきりぶつけ

    「朝日奈さん、大神さん、申し訳ありませんが少し出かけてきます」

    ぺこりと頭を下げて苗木君を追います

    ああ、苗木君を一番に考え、何も言わずとも邪魔者を排除、そしてすぐさまその背を追う、やはり私こそが苗木君の妻にふさわしいです!!

    そんな妻としての役目を遂行した私の耳には朝日奈さんの

    「分かっちゃいたけど本当滅茶苦茶だね、江ノ島ちゃんも舞園ちゃんも」

    こんな声も聞こえていませんでした

  29. 29 : : 2018/11/18(日) 07:20:15
    十神とばっちりw
    サイコキネシス持ちがクラスメイトにいても普通なあたり希望ヶ峰は普通ではないな
  30. 30 : : 2018/11/18(日) 21:31:37
    >>29 舞園「大丈夫です、十神君は実はあれで結構楽しんでますから」



    「お待たせしました!!」

    私は苗木君の後を追い、屋上前の階段の踊り場まで来たのは良かったのですが

    「おっ?舞園まできたのか」

    「百田うっさい」

    「まだ声張り上げてねえよ!!」

    「張り上げてんじゃん」

    「お主ら夫婦漫才は時と場所を考えい」

    「殺されたいの?」

    「夢野さんにはたとえ春川さんでも手を出させません!!」

    なぜここに才囚の皆さんが?

    王馬君という江ノ島さんに比べたら遙かに劣る悪意と小賢しさの持ち主がなぜかそのように彼らのクラスを呼称したことから私達はそのように呼んでいます

    「それはネ美しいものを見にだヨ」

    何でしょうか、私と苗木君の純愛のことですかね

    すると私のダーリンが

    「舞園さん、僕達も今偶然知ったんだけど、あれだよ」

    首をクイッと傾けて屋上に続くガラスがはめ込まれている方を向きます

    「あら?」

    自分でも間の抜けた声だったと思います、正直想像だにしていませんでした

    「皆さん出歯亀に来たんですか?」

    「にしし~~とんでもないよ、皆で雪合戦でもしようと思ったら偶然たまたま奇跡的にこの場面に遭遇したんだって」

    ゴン太君の肩に夢野さんとともに乗りながら王馬君が葉隠君を騙すのでやっとのレベルの嘘を吐きます

    屋上にはしんしんと降る雪とともに何やら初々しい薄ピンクな雰囲気を背景に最原君と赤松さんが何やら楽しそうな話をしているようです
  31. 31 : : 2018/11/19(月) 07:36:30
    この世界の日向と七海はどういう関係なの?
  32. 32 : : 2018/11/20(火) 22:15:29
    >>31 真宮寺「友達以上恋人未満、一般的に周りが見ていてニヤニヤできる一番楽しい時だネ、ちなみにカップルは僕と姉さんだけだヨ」



    いや~~何やってんだろ僕、つい勢いで赤松さんをこんな所まで誘っちゃって

    小降りに注ぐ雪をバックに白い息を吐く赤松さんを見ながら僕は後悔をする

    なぜ王馬君の戯れ言に耳を傾けてしまったんだ、何がクリスマスマジックだ、そんなの無理に決まってるじゃんか、だって……だってさ

    面と向かって告白って出来るわけ無いじゃんか!!!

    どうするの?どうすれば良いの僕?誰か教えて

    「で、最原君私に何のよう?こんな所で二人きりになってまで」

    赤松さんの頬が赤いのはきっと寒いからだろう

    「えっとね……それはね」

    イヤー!!!落ち着け最原終一、そうだまずはシミュレーションだ、こんな時こそ落ち着いて

    「最原君」

    僕がとりあえず十二通りの状況を仮定している時、赤松さんがこっちに歩いてきた、僅かに積もった雪がザッザッと声を出すのが耳に響く

    「私ね、今とっても身体が暑いんだ、どうしてだと思う?」

    「さ、寒いから身体が発熱してるんじゃ」

    な訳あるか!!!我ながら本当に情けない、ここまで来てまだへたれるなんて

    「最原君、本当にそう思ってる?」

    言わなきゃ、言わなきゃ、言わなきゃいけないんだ

    言え、最原終一、これまでの関係のままで良いのか?お前はそれで満足なのか?

    そんなわけないだろう!!!

    寒さ震えるのか違う何かが原因があるのかはっきりしない腕を気力で動かし赤松さんの肩をグワッと掴む、その時感じた彼女の体温は暖かくほおの紅潮はさらに深みを増してるように見えた

    「赤松さん、僕は!!!」

    彼女の顔をじっと見つめる、その顔は本当に綺麗だった、いや顔だけじゃない、赤松さんは容姿端麗、スタイル抜群、才気煥発、そんな神から一物どころか良いもののバーゲンセールでもしたんじゃ無いかってくらいたくさんの物を与えられた赤松さんを考えた時、一筋の影のように僕の頭に

    僕に彼女の恋人になる資格なんてあるのか?もっと言えば告白する権利なんてあるのか?

    そんな疑問がふつふつと湧き上がる

    今ならまだ間に合う、今の関係を続けられる、そうだ、僕なんてそんな大した人間じゃないしそれが正解なんだ……

    僕がそんな結論を出そうとしたまさにその時

    (貴方には十分過ぎる資格があります)

    え?何?

    (告白する資格なんて、その人を好き、それだけで良いんです、だから一歩踏み出しなさい)

    僕は

    (彼女が待ってますよ、自分を信じられないならせめて彼女が貴男を思う心を信じなさい)

    赤松さんが?

    (断言します、今逃げれば一生後悔します、格好いい所期待してますよ)

    ……………分かった

    僕がそう決断すると、謎の声はふっと消えてしまった、この声の謎は後で考えるとして

    「最原君、どうしたの?」

    すうっと息を吸い込む

    ………………心臓が張り裂けそう……でも

    「赤松さん好きです!!!!僕と付き合ってください!!」
  33. 33 : : 2018/11/21(水) 04:05:38
    ごめんね、舞園さん。誤解していたよ。
    妄想癖のある危ない人だと思っていたんだ。
    貴女最高に素敵な人ですね。
  34. 34 : : 2018/11/21(水) 08:30:54
    舞園さんがキューピットになったか
    エスパーは便利だな
  35. 35 : : 2018/11/21(水) 19:07:57
    よかった、エスパーになるきっかけがロクなものじゃなかったかr((殴
  36. 36 : : 2018/11/21(水) 23:13:16
    >>33 舞園「一体何故妄想癖があったり危ない人に間違われたのかは皆目見当つきませんが、ありがとうございます!!!!」

    >>34 舞園「キューピッドって何のことでしょう?私は何にもしてませんよ、ただちょっとテレパシーが漏れたかもしれませんがね」

    >>35 舞園「大変です!!今忌村さん特性のなんか変な色の薬を持ってきますから待っていてくださいね」




    最原君、こんな所に呼び出すなんて、期待しても良いんだよね

    私は高まる鼓動を抑えながら最原君の方へと目線を向ける

    「で、最原君何のよう?こんな所で二人きりになってまで」

    平静を装い最原君に上目遣いで尋ねる

    大丈夫かな?ほっぺた赤くなってないかな、ちゃんと可愛い私になってるかな?

    「えっとね……それはね」

    最原君、どこか歯切れが悪い

    なら私からアプローチしてみよう、うん!頑張れ私!!!

    「最原君」

    えっ、とした顔で最原君がこちらに視線を向ける

    私にはこんな時に男の子をその気にさせる魔法の一言なんて思いつかないけど、思ったままを

    「私ね、今とっても身体が暑いんだ、どうしてだと思う?」

    事実心臓バクバク、血液ギュンギュンでコンクールよりも火照っていたけど、私!!もうちょっとなんかあるでしょう

    「さ、寒いから身体が発熱してるんじゃ」

    な訳ないでしょ!!!もう、こんな雪降るロマンチックな時なのに

    やっぱり最原君にはもっと攻めなきゃ

    「最原君、本当にそう思ってる?」

    私ね、こんな幻想的な夜に大好きな人から告白されるのが夢だったんだ、良いよね女の子だもん

    だから、お願い最原君、もし私と同じ気持ちなら、私が夢見た言葉を私に頂戴

    すると、なにかを決意したような目に最原君が変わり、私の肩を強く掴んできた

    大丈夫かな、私の身体震えてない?私の心臓の鼓動バレてないよね

    なんだかさっきよりずっとずっとドキドキする

    だけど、最原君の瞳から何故か急に自身がなくなっているのが見て取れた

    その瞳には最原君が培った劣等感やある種の偏った考え、そんな時マイナスな感情が徐々に薄くなっていく瞳の光とともにありありと感じ取れた

    でも、私は信じてる、確かに最原君はいじいじもするし、自分を必要以上に卑下することもままあるけど、最後には格好いい所を見せてくれるから

    優しくて、頭良くって、お人好しで、以外とズケズケと人の心に入ってきて、それに少しムッツリで私のおっぱい見てくるけど、私はそんな最原君の全部が大好きだから

    私がそんな思いを募らせていると、私の思いに呼応したのか、それとも全然違う何かの影響なのかその瞳に、これまで見たことがないほどの光が見えた

    思わず口から言葉がこぼれる

    「最原君、どうしたの?」

    そんな強い目になるなんて、そう続けるはずだった、けど、そんな考えが数瞬後どこかに飛ぶ

    「赤松さん好きです!!!!僕と付き合ってください!!」

    刹那、その言葉の意味を飲み込むのために頭が空っぽになる、そしてその頭全部が最原君の言葉に埋め尽くされる

    そして、しっかりと意味を理解したその瞬間、私の口からこれまでずっと言ってみたかった愛おしい言葉を最愛の君に告げる

    「私も大好きです!!!これからもよろしくね」

    ニコッと笑ってイタズラっぽく少しだけその言葉に付け加える

    「改めまして今から貴方の彼女の赤松楓です」

  37. 37 : : 2018/11/22(木) 05:01:50
    舞園さんはこの調子で七海と霧切のキューピットになるのか?
  38. 38 : : 2018/11/22(木) 22:35:56
    >>37 舞園「私がキューピッドかどうかはともかく、七海さんならまだしも霧切さんの恋路を助けるのはあり得ませんね」


    「改めまして今から貴方の彼女の赤松楓です」

    天海君が仕掛けていたスピーカーから声が聞こえてくる

    とても明るくて透き通っていて何より嬉しそうな声

    「苗木君どうかしましたか?」

    横から舞園とが少し興奮した様子で尋ねてくる

    「いや…それはなんとなく恥ずかしいねやっぱり」

    「はい、遠くから眺めてるだけなのに、凄くドキドキしちゃいました」

    それにしても、と霧切さんが話を始める

    「わざわざこんな所に集まって、盗聴器を仕掛けてまで覗き見するなんてとてもクラスメイト思いね、一世一代の大舞台を鑑賞するなんて」

    そう霧切さんは呟くけど、才囚の皆は

    「ヨッシャー!!!良くやったぞ終一!!!なっハルマキ」

    「そうだね、いつものあいつ見てる限り縮こまるとばかり思ってたよ」

    「ククク、美しいネ」

    「全く、ようやくくっつきおったか、うちは安心したぞ」

    「はいっ!!転子は赤松さんが男死と付き合うのは複雑ですが、最原さんならまあギリギリのギリギリ良いでしょう!」

    「うっ、良かったね二人とも」

    「ちょっ、ゴン太腕を動かすな落ちちゃう」

    「けけけ、これも俺様のおかげだな」

    「美兎は何にもしてないよ~~」

    「ふっ、まあこれからクールじゃなくホットな日々になりそうだな」

    「ふふふ、より一層滅私奉公に尽力するわ」

    「ふっ、どうやら私は邪魔らしいね、白銀つむぎはクールにさるよ」

    「え?白銀さん帰るんですか?」

    「違うっすよ、これは白銀さんのいつもの発作っす、あんまり気にしないで良いっすよ、ほら戻ってきた」

    皆色々反応は違うけど祝ってくれるムードが凄いね

    「仲良きことは美しきかなですね」

    「うん」

    「そうね」

    再び今誕生したカップルの方へ視線を向ける

    雪降る中での告白、二人の頭にうっすら雪が積もってる、それは全然溶ける様子を見せない

    「あっ!!見てください!!」

    二人の顔がどんどん近づく、近づく近づく、もっと近づく…………なんで?

    刹那の現実逃避、だけどそんなものに勿論意味は無く、僕は目をそらす間もなく見てしまった

    「まあ」

    「うふふ、早くもラブラブですね」

    恋人同士のキス

    生まれて初めてみた僕はなんだか体温がぐわっと上がるのを感じた

    碌に機能していない脳内に一言だけ確かに浮かんできた言葉は

    羨ましいな

    今まで恋なんて考えたことも無かったけど、やっぱり羨ましいなぁ



  39. 39 : : 2018/11/23(金) 08:15:36
    身近に自分に好意を向ける美少女が二人もいて羨ましいとか
  40. 40 : : 2018/11/23(金) 22:17:33
    >>39 真宮寺「クックック、まあ彼は気づいてないからネ、だからこそ観察のしがいもあるんだヨ」


    ふう、苗木君を一時的に避難させるだけのつもりだったけど、思いもよらないものが見えたわね

    「さて、そろそろお暇しましょうか」

    「そうですね、私達もクラスメイトの元に帰りましょう」

    まだ才囚の人たちは近畿燕雀のお祭り騒ぎを続けている

    「それはいいけど二人とも僕に何か用があったんじゃないの?」

    そんな口実で呼び出したのよね

    勿論理由はなかったけれど私は冷静に

    「一区切りついたらまたここにきて頂戴その時に話すわ」

    すると苗木君が

    「うん、わかったよ!」

    ぐはっ!!!今のキュンキュン状態の私にそのはち切れんばかりの笑顔は凶器だわ

    かろうじてポーカーフェイスを保つけれど、本当にそれで精一杯、隣の舞園さんを見る余裕すら無かったわ

    「それじゃあね、皆」

    「おう!!後のことは俺たちに任せとけ」

    何をする気なのよ

    「百田、なにする気なの?」

    春川さんも同じ気持ちだったみたいね

    「んなもん決まってるだろ、宴だ!!!」

    「おお!!どこぞの海賊団のごとく壮大な宴だね!!」

    「白銀さん、落ち着くっすよ」

    そんな彼らを背に、私達は歩みを進める

    ~~

    パーティー会場に一歩足を踏み入れた瞬間思わず、声がでた

    自分でも間抜けだと思うけど本当に驚きから

    「へっ?」

    全くキャラじゃないわよ

    私の眼前には葉隠君と桑田君の手の甲を舐める朝日奈さんと、石丸君に膝枕されている大神さんの姿が映っていた
  41. 41 : : 2018/11/23(金) 22:35:24
    何がどうなっとるんや…
  42. 42 : : 2018/11/24(土) 07:16:03
    江ノ島がなんかやらかしたか
    一体何したんだ
  43. 43 : : 2018/11/24(土) 19:36:39
    >>41 >>42  霧切「それはこれから分かるわ」


    えっと…可笑しいですね異次元に迷い込んじゃいましたか?そんなエスパー訓練したことないんですが

    私はとりあえず一足先に入り込んだ霧切さんを引き下がらせて

    バタン

    一旦扉を閉めました

    苗木君が唖然としています、無理もありません霧切さん、そして私ですらそうなんですから

    「安心して下さい、きっとなんらかの超常現象が起きて異次元へ繋がっただけです、今度はもっとゆっくり開けましょう」

    「う、うん」

    そして私はゆっくりと次元に干渉しないように扉を開けました

    するとなんと、私の眼前には葉隠君と桑田君の手の甲を舐める朝日奈さん、石丸君に膝枕されている大神さん、奥の方には山田君に土下座しているセレスさんと大和田君、おかしなポーズをしながら、フュージョン!!と叫んでいる腐川さんと戦刃さんがいました

    そして

    「あっ!!!三人とも!!」

    不二咲君!!良かったいつも通りの不二咲君です!!

    「なにがあったんですか?」

    「それが…僕が江ノ島さんのパフパフの恥ずかしさと酸欠で気絶して、起きたら皆こんな風に」

    もじもじと申し訳なさそうな不二咲君がそういいます

    「気にしないでよ、不二咲君」

    内心パフパフって何のこと?と疑問に思ってる苗木君

    あれ?霧切さんは?

    いないと思って首を不二咲君から上に上げるとパーティーテーブルやら色々調べている霧切さんが見えました

    「やられたわね」

    「どういうことですか?」

    霧切さんはジュースを入れていたカップをカランカランという音とともに振りながら答えます、

    「私達はパーティーが始まる前にこの会場の隅々に至るまで調べたけど、その時には無かった新しい物が追加されてるわ」

    そう言われて辺りを見ますが、前と変わったものは見えません

    「霧切さん、そんな物は見えないんだけど」

    「これよ、殺人トリックにおいて糸と並んで基本中の基本」

    またグラスを振ります

    苗木君がはっと弾かれたように答えます

    「氷!!」

    「ものがなくなれば追加する、皆の食の好みは違うけど、コーラでもウーロン茶でも氷は使うわ、暖房をガンガン使ってるとはいえ冬なのに何故あるのか不思議だったけど……迂闊だったわ」

    ああ、テレパシーがなくても分かります、苗木君との時間が楽しすぎて、油断してたんですね

    「それで、僕達がいないうちに新しく追加したものに皆がこうなる薬かなんかを仕込んで…」

    「それは違うよ!!!」

    苗木君の推理を断ち切って、やたら耳に残る声が、誰ですか!?

    そこには

    「うぷぷ、仕込んだのはただの睡眠薬、皆をおかしくしたのは別のものだよ」

    この学園のマスコットという噂のモノクマが愉快そうな笑みを携えてそこに立っていました

  44. 44 : : 2018/11/25(日) 08:00:33
    この世界のモノクマてどういう扱いなの?
  45. 45 : : 2018/11/25(日) 19:27:01
    >>44 舞園「たまに生徒の目の前に現れる、訳の分からない存在ですかね」



    うぷぷ、というどこかで聞いた笑い声を携えてあの男を仮の学園長と呼ぶ、自称学園長のクマが現れた


    「やっふー!!皆のアイドルモノクマだよ!」

    「そんなの知らないわよ、で?この惨状はやはり貴方のせいなのかしら江ノ島さん」

    「だからモノクマだって、江ノ島さんなんて知らない知らない」

    まあ良いわ

    「それで?貴方はどうやって皆をこんな可笑しな状態にしたのかしら?」

    まってましたと言わんばかりにクマが両手を挙げながら話す

    「江ノ島さんへの誕生日プレゼントにカオスとディストピアをあげようと思ってね」

    舞園さんがかえす

    「質問にちゃんと答えてください、どんな手段を使ったんですか?」

    「いやね、ちょいと不二咲君のところから新世界プログラムってやつを拝借したんすよ」

    えっ!!という不二咲君の驚きが響く

    「本来は更正用とかなんか良いことのために使われたっぽいんだけどさ、それを今回悪用してみました」

    「そんな、でも簡単に使えるわけが…」

    うぷぷ、と一間おき

    「ちょいと左右田君やら入間さんやらその手のプロに力を借りてね」

    ったく、ろくなものじゃないわね

    「今彼らの意識はプログラムの中で楽しい共同生活してるよ、今そこで色々してんのは抜け殻になった体に僕が適当な人格を入れといたの」

    「そんなこと出来ないはず」

    くるくると回りながら白黒クマは続ける

    「オリジナルより悪用できるように頑張りました!!!」

    うう…と不二咲君が呻く

    悔しいんでしょうね、良かれと思ったものを悪用されて

    「ここからが本題!!!皆を元に戻したい?」

    苗木君が大声で答える

    「当たり前だろう!!」

    「うぷぷ、そうだよね、そこで君たちにミッションだよ、明日、つまりクリスマス本番までに江ノ島さんを捕まえたら皆を元に戻してあげる」

    とっさに時計を確認する

    現在22時ジャスト

    「それだけで良いんですか?」

    「うぷぷ、それだけで良いよ」

    苗木君が割って入る

    「約束だぞ」

    「安心してよ、僕は約束を破ったことは一度も無いんだ、まあ約束をしたことも無いんだけどね」

    ふざけたクマね

    そこで私は先ほどから疑問に思ったことを口にする

    「ところで、あのかま……十神君はどこかしら?」
  46. 46 : : 2018/11/26(月) 22:32:34
    うっ……俺は一体……確かルアックコーヒーを飲んで…何故か頼んでもないのにアイスになっていたな、それから…駄目だ思い出せん

    身体を動かすが、ガチャガチャと音がするだけだ、どうやら椅子に縛られてるらしい

    辺りを見回す、窓から月明かりが微かに入っておりぼんやりと黒板が見える…

    何か書いてある、やたら下手な文字だ

    やっふー!!かませ……もとい十神噛ませ君!!ちょっと拉致ったけど怒らないでね
    実は突然だけど君にお知らせがあります!!それはね

    巫山戯た文章、しかしその次に叙述されていた言葉はそれ以上に巫山戯ていた

    君、死ぬかもしれないけど、よろ

    ~~

    「今、なんて言った?」

    僕はモノクマの言葉に思わず聞き返す、隣の不二咲君や舞園さんからもごくりと唾を飲む音がする

    「だから~~ちょいと拉致って時限式の罠を仕掛けただけだってば、死ぬ感じのやつを」

    「詳しく話しなさい」

    霧切さんがいつも以上に真剣な声で聞く

    彼女も思っているんだ、普通に考えれば江ノ島さんでも殺しまではしない、でも彼女に普通は通用しない、否が応でもマジにならざるを得ない

    「この学園のどっかに十神君を監禁してます、罠が作動すると宇宙旅行にレッツゴー、帰ってきたら骨ですよ、はい終了!!!」

    「それ、どうやったら止められるんですか?」

    モノクマがバック転をしながら答える

    「見つけてからのお楽しみ~~」

    そこから間髪入れず、ボンッとスモークを上げてそのまま消えてしまった

    「ど、どうする?」

    不二咲君がおどおどした口調で尋ねる

    「安心して下さい」

    「舞園さん、何か手があるの?」

    舞園さんは真っ直ぐに僕を見つめて

    「十神君の場所はすでに分かっています」

  47. 47 : : 2018/11/26(月) 23:00:13
    エスパーはほんとに便利だなー、しかしかませはなぜこうも命の危機に晒されるのか
  48. 48 : : 2018/11/27(火) 09:27:53
    というかこっちでも十神はかませ呼ばわりなのか
  49. 49 : : 2018/11/28(水) 22:56:41
    >>47 舞園「便利でしょう、苗木君の為に得た力ですからね、あと十神君は助けられるポジションですから」

    >>48 舞園「十神白夜、華麗なる戦績(一部抜粋)
    クラス対抗個人障害物走、2位(1位天海君、3位日向君)
    クラス対抗クイズ大会個人の部3位(1位狛枝、2位真宮寺君)
    希望ヶ峰ミスコン男子の部、第3位(1位不二咲君、2位豚神君、苗木君はエントリーしてません)
    彼が1番になったのはクラス内メガネ男子選手権だけです(腐川さん開催)」



    「こっちです」

    私は三人を先導して十神君のテレパシーを感じた方へエスパー無しの全速で走ります

    「舞園さん、どうして場所が?」

    苗木君、走りながらの会話は息がつらいですよ

    「良いから、急ぎますよ!!!」

    (舞園さん、ありがとね)

    不二咲君が私のテレパシーを介してで語りかけてきます

    (気にしないでください、不二咲君一人をサイコキネシスで運ぶなんて簡単ですから)

    (舞園さん、少し良いかしら?)

    今度は霧切さん、いくら息切れしないとはいえホイホイやられたらちょっときついんですがね

    (テレパシーで江ノ島さんの場所は分からないの?)

    (無理です、貴方同様江ノ島さんはその気になれば私のテレパシーを潜り抜けられます)

    (なら千里眼で)

    (それも無理ですよ、私の千里眼はあくまで苗木君を見るためのものでそれ以外はマーキングをつけた人か物しか見れません)

    (そう、ちなみにマーキングはどれくらい可能?)

    あんまり情報与えたくないんですが、ことこうなっては仕方ありません

    (最大3つです、三日しか使えませんし、あんまり使いすぎるとエスパー力が無くなってしまいます)

    そう、今最大の問題はエスパー力の消費です、分身を出している以上過度な消費は絶対厳禁ですから

    (分かったわ、なら出来るだけ温存しておいて、たいていの場合は私の探偵道具でなんとかするわ)

    (お願いしますよ)

    そう話している内に、十神君の反応がほぼ最大になり

    「ここです!!」

    私は扉を乱暴に開き、中を見回しました

    「いました!!」

    「その声は舞園か?早く俺を助けろ!」

    この捕まってる癖に偉そうな態度、間違いありませんね

    すると

    『ヤッホー、ウェルカム舞園さんアンド苗木君、不二咲君、霧切さん、あとついでにミスターかませ』

    「お前が俺を拐かしたんだろうが!!!」

    『まあまあ、そんなんだから、かませって言われるんだよ、でも安心してそんな君に汚名返上のビッグチャンス!!』

    何を狙ってるんですか、この白黒クマ



  50. 50 : : 2018/11/29(木) 07:59:12
    あれ分身て何に使ってるんだっけ今
  51. 51 : : 2018/11/29(木) 18:50:00
    コンサートだっけ
  52. 52 : : 2018/11/29(木) 22:24:02
    >>50 >>51 舞園「はい、クリスマス特別コンサートを今してますよ」


    こいつ、どこまで俺を嘗める気だ

    チャンスだと?面白い俺の、いや、十神の力を見せてやる!!!

    モノクマが机に手をつきながら怠そうに

    「いやね、最近十神君がかませって思われてるじゃん、よい機会だしいっちょそのお手前を拝見しようって話」

    ふっ

    「無駄な口上はいい、早く具体的な話をしろ」

    はいはいと言わんばかりの態度で

    「ズバリ、これから十神君にクイズを3問出すから、君はそれに答えるだけ、もちろん」

    そこでくわっ、と睨みをきかせて

    「間違った時は…どうなるのかなぁ」

    うぷぷ、と下卑た笑いを浮かべる

    「ちなみに、後ろにいる霧切さん達にそれぞれ一度ずつアドバイスを貰えるよ、使い時をよーく考えてね」

    俺もここまで嘗められているとは

    「下らんお世話だな、この俺にとけない問題なぞない!!そんな物とれ!!」

    この十神白夜にそんな物必要ない

    俺がそんな確信に惚れ惚れしていると

    「今の無し!!無しだから」

    「苗木、五月蠅いぞ」

    「十神君は黙ってて!!」

    ったく、心配性め

    「OKOK、分かってるよ、苗木君心配しないで」

    「まあいい、早く始めろ!!」

    すると天井からスクリーンが降りて

    「早速第一問!!!」

    ふっ、どんな間抜けな問題か楽しみだな

    「我等がスパイクチュンソフトが発売した、超名作サウンドノベルミステリー、第一作はシュプールという場所が舞台のゲームの名前は、何の夜でしょう?」

    ………………………

    俺は洗練された完璧な動作で首を後ろに回し

    「この手の話題は……おい、不二咲教えろ」
  53. 53 : : 2018/11/29(木) 22:33:59
    これはひどい
  54. 54 : : 2018/11/29(木) 22:41:56
    わからんけどかまいたちのことか?
  55. 55 : : 2018/11/30(金) 06:03:10
    十神アホだな~。
    お前が簡単に解ける問題なんて出す訳無いじゃん・・・
  56. 56 : : 2018/11/30(金) 18:48:45
    苗木きゅんに感謝しろよ十神。
  57. 57 : : 2018/11/30(金) 22:48:34
    >>53 モノクマ「なんかゴメン、十神君があんまり十神君すぎて」

    >>54 舞園「大正解です!!」

    >>55 舞園「全くですよ、傲慢何ですよ彼は苗木君とは大違いです」

    >>56 舞園「そのとおりです!!彼はお礼として私と苗木君の結婚式とハネムーンの準備をするべきです!!!!」



    妙ですね

    「あっ、言っとくけどアドバイスだから、そのまま答えを教えちゃ駄目だよ」

    江ノ島さん、もといモノクマがこの事を予想できないはずがありません

    「えっとね…じゃあ十神君、一般的に3匹で悪さをする日本に伝わる妖怪の名前で別名は確か……飯綱、知らないうちに切り傷がつく現象の名前」

    「ふっ、モノクマ、答えはかまいたちだ!!」

    物凄いドヤ顔です、まるで一人で大魔王を倒したかのごとくドヤッています

    「大正解だよ!!これでもう不二咲君はアドバイス禁止ね」

    さて、このクイズ、私のエスパーを使えばいくらでもアドバイス、いや、答えをそのまま伝えることができます

    「じゃあ十神君第二問!!」

    私を介せば霧切さんと不二咲君の力を借りることもできますし

    「次こそは自分一人の力で解いてみようね」

    「誰にものを言っている、この間抜けが」

    この間抜けも一般的な知識は相当なものです、そりゃもちろん円周率の11037番目の数を答えろって言われたら誰も分かりませんが

    「十神君、その傲慢さが貴方の欠点よ、いつも言ってるでしょう」

    「はん!!まあ次の問題で俺の真価を教えてやる、霧切みていろよ」

    何か……何か裏がある

    私の直感がそう告げています

    エスパーを使うのは本当に最終手段にするべきですね

    「問題!!!超高校級の皆が集まる希望ヶ峰学園、そんな彼らもお年頃、色恋沙汰には暇がありません、そこで」

    さて、今のうちに少し周りを調べておきましょうか

    「先ほど晴れてカップルとなった最原君と赤松さんですが、そんな彼らのクラスには実はもう一組愛を誓い合ったカップルがいます、それは誰と誰でしょう?」

    え? 何それ?私知らないんですけど

    十神君がこちらを自信なさげに見ています

    ………十神君、今こそ貴方の真の力を見せるときです!!!私は貴方を信じてますよ!!

  58. 58 : : 2018/11/30(金) 23:07:28
    エスパーに無理ならかませに出来るわけない
    カップルは見当もつかねーな
  59. 59 : : 2018/12/01(土) 07:23:33
    塩とその姉か?
    姉清はクラスの一員と言っていいのかわからんが
  60. 60 : : 2018/12/01(土) 07:30:44
    この十神くん可愛い。若干学習能力足りないけど。(笑)
  61. 61 : : 2018/12/01(土) 17:17:49
    >>58 舞園「私は十神君をやれば出来る子だって信じますよ、うん、大丈夫です…きっと……きっと彼なら……」

    >>59 真宮寺「ククク、僕と姉さんは一心同体、彼女はただクラス名簿に乗ってないにすぎないのサ、なんて言ったって僕とともに授業をうけ、青春を謳歌しているからネ」

    >>60 舞園「学習能力は同感ですが、苗木君の可愛さの足下どころか地下百メートルにも及んでません」


    どういうことかしら?

    「さあさあさあ!!!十神君分かる~~?」

    「貴様!!本当にそんな奴らいるのか?お前の妄想或いは捏造じゃないだろうな!!」

    「うぷぷ、もちろんいるよ!!彼ら彼女ら16人の中にちゃんと」

    私にもまるで見当がつかない…傍の舞園さんや苗木君、不二咲君の戸惑いと驚きの入り混じった顔つきを見れば彼女達にも分からないなんて容易に想像がつくわ

    「まあ特に制限時間は設けてないからせいぜい頑張ってね」

    私の調査不足?いや、先ほどの皆の様子を見る限り、カップルなんているわけが

    「でも、お腹が減ったり喉が渇いたり、おトイレに行きたくなってもこの教室からは出られないよ、このゲームが終わるまではね」

    くっ、分かり易い挑発と時間稼ぎね

    時計をみる、

    現在10時30分

    明日までに江ノ島さんを捕まえることもしなくてはならない

    「うぷぷ、まあ十神君を見捨てるなら霧切さん達は帰ってもいいけどね」

    「おい、まさかそんなことしないよな、俺を置いていくわけないよな、なあ苗木」

    苗木君は少しはっとした感じで、でも瞬間的に

    「当たり前だよ、僕達は皆を助けてみせる!」

    苗木君、相変わらず凛々しいわ、早く二人で幸せな家庭を築きましょう

    そんな未来に一瞬思考を馳せていると

    「はい!!苗木君への質問終了!!!さて、十神君何か分かったかな?」

    「なっ!おい、モノクマ!何を言っている!?」

    へ?とわざとらしく首をひねりながら

    「だって今名指しで苗木君を呼んだじゃん、苗木君は君の質問に答えたんだよ、だから終了」

    苗木君がすぐに反論をする…でも

    「モノクマお前……」

    さっと彼の前に腕を伸ばして制止する

    「苗木君、あいつに理屈や感情で対抗しても無駄よ、私達は真っ向からモノクマの無理難題をクリアしなければならないの」

    「でも、霧切さん」

    そのうるうるとした瞳、可愛いわね

    「少しだけ時間を頂戴、私が必ず見つけ出してみせるわ」

    「霧切さん、大丈夫なんですか?」

    「まあ、見てなさい舞園さん、少し情報を整理して、必ず暴いてみせるわよ」

    「はん!!俺だけで十分だ!!」

    私は無理やり虚勢を張っている十神君をみる

    全く、少し涙が溜まってるわよ

    そんな彼を安心させるため、私は堂々と宣言をする

    「あと10分、いや5分私に考える時間をくれたら、貴方に正解をあげるわ、だからいつもどおりふてぶてしく待ってなさい」

    「霧切、お前」

    「うぷぷ、大丈夫?ちゃんと分かる?5分っていったら、あのポンコツが一体でトイレを掃除できるか出来ないかのぎりぎりの時間だよ」

    ふう、と息を吐く

    「私をどこぞのポンコツやかませと同等に扱わないで欲しいわね」

    私はゆっくりと思考の海の中に身体を沈めた
  62. 62 : : 2018/12/02(日) 02:36:55
    このむくろちゃんとは違った残念さが良いねwww
  63. 63 : : 2018/12/03(月) 21:46:55
    >>62 十神「ほう、誰が残念なのか詳しく教えて貰いたいものだな」


    私は自らの思考に自らを沈める

    今だけは苗木君の天使の可愛さも、舞園さんの堕天使の腹黒さも、全てを忘れる

    必要ない情報は軒並み端に追いやる

    そうすると目の前にほんの僅かで、それでいて大きなものが見えてくる

    赤松さんのクラスでもう一つカップルがいる

    この学園に来てから私も探偵としてクラスはもちろんできうる限り多くの人を調べた

    そんな私の調査の結果だけで言えば、この問いに関して答えはNO、一方的な恋愛感情は見受けられるけど、それはカップルとは言わないわ

    それを許したら問題が成立しなくなるし、舞園さんと苗木君もカップルになってしまう

    なら、誰にも言ってないだけで、私にも知られないほどこっそりと付き合っている?

    これもあり得ないわね、あのクラスのメンバーで付き合いを隠すような人はいない

    強いて言えば茶柱さんと夢野さんがもし万が一そういう関係なら………無いわね、誰が見ても一方通行甚だしいわ

    次点では入間さんとキーボ君あたり?
    これも無いわね、機械と人間、隠す理由は普通に考えればあるけど、あの隠し事が苦手な二人にはそんな器用なこと………

    ん?

    自分の思考に何か引っかかりを感じた、誰にでも訪れるこの瞬間、この感覚から次にステップを進める、それはたとえ違っていても、周り巡って真実にたどり着くことがままある

    だから私はさらに身を沈める

    これは……確かさっきモノクマは16人の中にカップルはいると言っていた、でもあのクマは普段は、そうついさっきも間違いなくこう言っていた

    ポンコツ一体…だと

    なら、もしかしたら一人まだいる?キーボ君は初めから入っていない?……でも普通に考えて

    皆の身辺調査の記憶とそこから導き出した自らの推理、それは常識とあまりにも乖離していた

    私の脳裏にとある言葉が浮かび上がる

    不可能なものを、絶対に考えられないものを除外していき最後に残ったものそれがどんなに信じられなくても………

    そうよね、確かに常識では考えられない、でもクラスにエスパーがいる学園にそんな物は初めから無かったわね

    私は海面へと上がり、ぱっと目を開く

    そこには未だに涙目の十神君、私の動向を心配していたであろう苗木君や不二咲君、なんとも言葉が見つからない顔の舞園さんがいた

    私は口を開く、とても信じられないでも、それしか考えられなかった真実を告げるために

    「待たせたわね十神君」

    私は時計をに視線を下ろす

    現在10時35分

    ジャスト5分ね

    十神君、そしてモノクマに向かいはっきりと凛とした態度と声で

    「さあ、私に質問をしてちょうだい、貴方に希望をあげるわ」



  64. 64 : : 2018/12/05(水) 22:41:50
    霧切、お前本当にたどり着いたのか?

    俺は未だに僅かな疑問を持っていた

    奴の探偵としての技量は知っている、腹立たしいが俺のそれより遙かに上の世界にあるだろう

    しかし!!こんな手がかりもなくその上時間もほとんど使っていない、その状況下で本当にこの理不尽な問題を解いたのか、俺は不安だった

    「十神君、大丈夫よそんな顔しないで、私を信じなさい」

    ……分かっている、俺には見当もつかない以上こいつに頼らざるを得ないのだということは、そして霧切は自身の言葉に責任をとる女だ、そして高い能力、そのあいつがこうまで自信たっぷりならそれはおそらく当たっているということも

    本当に腹立たしい、この十神白夜が他人の助けを借りなければならないことに、人に出来て俺にできないことに

    俺は重々しく口を開いた

    「霧切、教えろ」

    屈辱だ、これは先ほどのような低俗な知識を問うものではない、いわば日頃の観察力、調査力、想像力、あらゆる力を問うものだ

    上に立つものは群れることはしない、しかし下にいるものの人格、人間関係、趣味嗜好、全てを把握する必要がある、いちいち下の下の愚民共の矮小な情報までは把握する必要はないが、一つの学園という小さな自分が属する共同体の情報ぐらい掌握しなければならない

    帝王とは椅子にふんぞり返って傲慢に命を下すものではない、下のものを完璧に操り全てを循環に回し、支配するものだ

    霧切が髪に手をあてながら優雅に答える

    「いいかしら、その人物は、身長が高く、怪しい気配を纏っている、ニックネームは塩で」

    真宮寺だな、しかしあいつに恋人なぞ似合わん、どういうことだ

    霧切が続ける

    「そのつがいは似たような遺伝子をもち染色体はXXの私達より年上、なによりその彼がよく口にしている人物よ」

    XX染色体、つまり女、そして真宮寺がよく口にしている人物……

    まさかそんなことを認めろと言うのか?

    あり得ない!!!巫山戯ているのか!!

    俺は霧切を強く睨む、しかし、奴は涼しい顔で流しながら

    「私を信じなさい、十神君今こそ貴方は変わる必要があるのよ」

    そして苗木を横目に見ながら最後の一言を告げる

    「そうすれば彼にもっと近づけるわよ」

    霧切らしくない、僅かに緩んだ顔で

    俺が?苗木に?

    ……………………はっ!!!!そんなことを知ったことか!!!

    俺は俺の覇道を行く!!

    だからこれは俺が選んだ選択だ、苗木も霧切も関係ない

    「モノクマ、答えは真宮寺とその姉だろう」

    俺は、一切の迷いなく言い切った

    霧切の言葉を信じた、それが俺の答えだ


  65. 65 : : 2018/12/05(水) 23:13:03
    姉ってクラスメイトにカウントされるの?
  66. 66 : : 2018/12/07(金) 22:34:45
    >>65 モノクマ「ちゃーんとクラスの中にいる真宮寺君の中にいるじゃん」

    モノクマがピタッとその動作を止めます

    そしてつまらなそうな口調で

    「へいへい、おめっとさん、良かったねいや本当によかった」

    霧切さん、まさか本当にこんな無理難題を解くなんて……エスパーである私にさえ分からなかったのに………

    駄目です、苗木君の霧切さんへの好感度がウナギの滝登りです、もちろん十神君が首の皮一枚繋がったのは喜ばしいですが、私が苗木君に選ばれなきゃ私は納得できません!!

    私がエスパーになったのだって苗木君を守るため、なにより苗木君のことをもっと知って私と一緒になって欲しいからです

    私は愛のために人間の限界まで超えた、世界中の誰よりも苗木君にふさわしいのは私に決まっています

    負けない、絶対に負けない負けるわけにはいかない!!!

    次の問題、アドバイス権があるのは私だけです

    どうせ次も十神君には出来ない問題、必ず、必ず私が解いて見せます

    「はあ、まさか最終問題まで残るとはね、ちょっと予想外だよ」

    「いいから早くしてくれないかしら?」

    「そうだ、次こそ帝王である俺の力を見せてやる」

    「はいはい、せっかちは嫌われるよ」

    もう完全にやる気なくなってますねこのクマ

    「本当はまた学園生の秘密にしようかと思ったけど、霧切さんや舞園さんが知ってそうなやつしか残ってなかったからね、桑田君と葉隠君が一昨日むふふなホテルに女の子を誘ったけどにべもなく振られたとか知ってるもんね、だから別のにしました」

    確かに知ってますけど、そんなことは

    「どうでもいいです、早くして下さい、時間も無いんですから」

    すると敬礼をしながら

    「あいさっ!!それではモニターにご注目!!」

    モニターに映されていた画には

    11037→桑田

    男子更衣室→大和田

    ジャスティスハンマー→セレス

    グングニル→江ノ島

    絶望病→???

    ???に入るのは何でしょう?



  67. 67 : : 2018/12/07(金) 22:36:55
    メタやん…
    罪木か?
  68. 68 : : 2018/12/09(日) 19:39:06
    >>67 モノクマ「メタ?はて?僕は考えれば皆が分かる問題を提供しているだけだよ」


    これは一体どういうことでしょうか

    上四つは私達が以前文化祭で披露した私の夫苗木君が主人公をはり、女狐でお馴染みの霧切さんが最終決戦前に苗木君を裏切り自分の命を優先したあの劇

    脚本演出セット全て私達で準備したあの劇に関連するものばかりですが

    絶望病?これは確か………日向君達のクラスが秘かに準備をしている私達の劇のシーズン2にあたるものに出てくるやつですよね

    でも確か、私はエスパーなので知っていましたが、この続編の話は私達のクラスでは苗木君と霧切さんしか知らないはずです

    最後に出てきて欲しい、ということとそもそも続編を創ってもよいかという許可を取るために二人にだけ知らせたようでしたね

    今のところ黒幕役は七海さん、主人公は日向君で、散々ヒロインした七海さんが実は黒幕でした、で、前作より絶望色を強くしようという狛枝君の案がごり押しされたとかされてないとか

    苗木君から得た情報なので詳しいことはわかりませんが、そんな感じでしたね

    「さあさあさあ!!分かるかな~~とーがーみーくーん」

    「貴様!!巫山戯ているのか?こんなもの知るわけ……っつ、分からない訳がないなだろう」

    無論十神君には分かるわけありません、前作でとめどないかませっぷりを披露した十神君はせいぜい同じ言葉を繰り返すくらいしか出来ないという豚神君の判断です

    しかし、次の機会にサプライズで見せようと皆さんが秘密にしていたことがこんな所で裏目に出るなんて、まあ私は分かるので、全く全然大丈夫ですが

    「そうだよね、分からない分けないよね、霧切さんも、苗木君だって分かるもんね」

    うぷぷ、と鼻につくわざとらしい笑みで苗木君達を見下します

    「そんな君たちにはなぜ僕がこの問題を出したか分かるかな?」

    霧切さんが間髪を入れず答えます

    「もしかしたらハブられたことに対する嫉妬……いえ貴方がそんな分かりやすい理由でするわけ無いわね、だとしたら…まさか……出演催促?」

    ピンポーンという音がどこからか聞こえてきます

    「あのね、あの劇さ、以外と松田君の評価高かったんだよ、特に江ノ島さんには、お前の死ぬシーンは瞬きせずに見ていた、今でもたまに夢に見ているってお褒めの言葉を貰ったんだよ!!凄くない!?」

    ええ…松田君……

    「いやさ、だからって訳じゃないけど、あれじゃん江ノ島さんにもう1回出て欲しいじゃんか」

    「貴方、まさかそのためだけにこんな馬鹿げたことをしたわけじゃないでしょうね」

    イヤイヤと首を高速でふります

    「もちろん別に意図はあるよ、でもまあついでにちょっと…ね」

    相変わらず巫山戯た人ですね

    それはともかく

    「十神君、私に質問して下さい」

    さっさと終わらせましょう、この程度じゃ苗木君の好感度はあまり変わらないでしょうが、まあ仕方ありません
  69. 69 : : 2018/12/11(火) 02:29:24
    舞園さん!間違ってないけど言い方www
  70. 70 : : 2018/12/11(火) 21:56:24
    >>69 舞園「はて?一体どんな言い方なら良かったでしょうか、女狐が私がいないとこの事件は解決しないとかほざいたあげく、結局最後は苗木君におんぶだっこだったとか?
    あるいは初めの犠牲者となったメインヒロインのことを超絶主人公の苗木君が、ずっと胸に刻んでいくよ一生の伴侶だからね、と口にした超感動シーンのある劇といったほうがよかったですかね」

    モノクマ「一部舞園さんによる都合の良い記憶改ざんがあることをお詫びします」



    それにしても

    「ほら、早くして下さい、後がつかえてるんです」

    「うぐっ、なぜ舞園が……」

    僕にもさっぱり分からないけど、苗木君、舞園さん、霧切さんは知ってるんだ

    なんかちょっぴり疎外感……だけどきっと理由があるんだよね

    十神君が口をもごもごさせながら舞園さんに尋ねる

    「舞園、教えろ」

    舞園さんが用意してようにスムーズに

    「ふぎゅう、す、すいませーん!!、裸になるので許してくださーい」

    凄い、罪木さんだ、動作こそしてないけど表情から音のアクセントまで完全にコピーしてる
    流石は超高校級のアイドルだね

    十神君が少し口をあんぐりと、有り体に言えば間抜けな顔を見せる

    それに気づいたのか、すぐさま顔をきりっとさせて誤魔化すように言葉をだす

    「罪木だ、答えは罪木だ!!!」

    モノクマがしっぽを振りながら

    「ほいほい、あったりー!!!良かったね十神君!!!これで君は晴れて自由の身だ!!」

    するとプシューという音と共に十神君がポンッと弾かれるように、もっと言えば黒ひげ危機一発のように、飛ばされる

    ガンッ!!

    十神君が床に叩きつけられる衝撃音が耳に響く

    「貴様!!」

    そんな十神君の抗議の声も素知らぬ顔でモノクマが言う

    「さてさて、無事に十神君危機一髪も成功したことだし、ここでスペシャルターイム!!」

    苗木君が一歩前にでて

    「今度は何をする気?」

    「何をするって、決まってるじゃん」

    そこで1回言葉を区切って、次に続ける

    「江ノ島さんの場所を知るヒントを上げるよ」

    えっ?そんな親切な

    「本当?」

    思わず声が漏れる

    「うぷぷ、クマ嘘つかない」

    「なら早く教えて下さい」

    「そうよ、これ以上時間をロスしたくないし」

    「OK!!!」

    そうモノクマが言った瞬間

    「さぁ……」

    ひゅんっと苗木君の姿が視界から消える

    「苗木君!!!」

    多分、十神君以外が同時にそう叫んだ

    落とし穴…何でこんなものが

    「さて、代償も頂いたし、さっそくヒントをあげよっか」

    「モノクマ!!苗木君をどこにやったんですか!!」

    舞園さんからエスパーが迸る

    「うぷぷ、止めときなって下手に使うと苗木君まで、巻き込んじゃうよ」

    「くっ、」

    「江ノ島さんのところにいるから、心配する必要は全くないよ」

    忘れてた、江ノ島さんに希望をみたら、必ず裏に絶望があることを

    これは不味い

  71. 71 : : 2018/12/12(水) 22:38:03
    しまったしまったしまったしまったしまったしまったしまったしまったしまったしまったしまったしまった!!!!!!

    何やってるんですか私!!!何のために……

    「うぷぷ、そういきりなさんなって、漏れてるよ…何がってエスパーが」

    なるほど確かに私からは今とめどなくエスパーが流れてるかもしれません

    「モノクマ!!!苗木君に何をする気なの!?答えなさい!!!」

    「何って?おいおい霧切さん、今宵はクリスマスイヴだよ、君たちが苗木君にしたかったことをするに決まってるじゃん」

    何ですって!?絶望ギャルの分際で人の夫に何をするって?

    「舞園、それを止めろ!!俺達まで飛ばされる!!」

    よく見れば十神君が近くの黒板の上下させるために使う取っ手みたいな所にしがみつき、不二咲君がその十神君に抱きついてます

    そうだ

    「不二咲君、ちょっとどいてください」

    私は不二咲君を十神君から離し、十神君を宙に浮かせます

    「おい、何をする気だ舞園……」

    「落ちて下さい」

    私は苗木君が落とされた穴に十神君を思いっきり突っ込みます

    しかし

    ガンッ!!!

    聞こえてくるのは噛ませが床に叩きつけられる虚しい音だけです

    くっ!!もう塞いだんですか

    「落ち着いて!!舞園さん、貴方の力なら苗木君の位置はすぐに把握出来るはずでしょ!!」

    霧切さんにそう言われ、はっとします

    「うぷぷ、大正解!!!んじゃヒントもあげたことだし」

    下卑た声と表情、仕草、全てが癇に障ります

    「また、後で!!」

    ひゅんっとクマが消えます

    そんなことより!!

    「十神君!!しっかりして…首が……」

    「う…不二咲……か?」

    荒ぶる精神を抑え、心の目を耳を……

    かっ!!と目を開きます

    千里眼プラステレパシーオン!!!

    「見つけました、苗木君は……裁判場にいます」

    でも声は聞こえません…気絶させられているようです

    「裁判場ね、急ぐわよ!!」

    「ちょっと待って、十神君が」

    「不二咲君!!!今は苗木君です!!」

    「うう…先に行って僕達もすぐに追いつくから」

    「わかりました!!」

    私は飛びます、誰に見られようが構いません、自らの力を絞り出しサイコキネシスもテレパシーも何もかもをフルに使い苗木君を…愛する夫を助けに向かいます

    待っていて下さい、苗木君!!!!





  72. 72 : : 2018/12/12(水) 22:43:36
    十神哀れ
    まあ態度が悪いし
  73. 73 : : 2018/12/14(金) 21:54:49
    >>72 不二咲「確かに態度は悪いけど、やっぱり可哀想だよ、助けなきゃ」


    「しっかりして十神君!!!」

    僕はいまだに朦朧としている十神君をゆさゆさと揺さぶる

    「不二咲……俺は…俺は…負けんぞ」

    駄目だ!!訳のわからないことを呟くだけだ…何とか罪木さんに診せたいけど、保健室にいるとは限らないし、なにより僕の力じゃたとえ二人になっても十神君は持ち運べない…

    自分の非力が悔しいよ……

    一人でこの場を離れたらまた江ノ島さんに拐かされるかもしれないし…どうすれば

    「俺は……平気だ」

    ……そうだ

    我ながら馬鹿みたいな手を考えついたと思うよ

    僕は罪木さんからこの前貰った薬を取り出し

    「十神君!!これ飲める?これ忌村さんが調合した痛みが吹っ飛ぶ薬らしいんだ」

    「よ、よこせ」

    僕は十神君に半ば無理やり錠剤タイプの薬を食べさせる

    すると

    「よし!まだ多少痛みはあるがもう大丈夫だ、褒めてやる不二咲」

    やった!!十神君が復活した

    僕は内心とてもほっとした

    だってあれ、ただの風邪薬だもん

    「流石は忌村だ、将来十神財閥に加えてやってもいいかもしれんな」

    ふふふと笑う十神君

    ごめんなさい、嘘ついちゃった

    この前霧切さんから聞いたプラシーボ効果、要するに思い込み何だけど

    「さあ行くぞ不二咲!!江ノ島に報いを受けさせてやる!!」

    予想を遙かに越える効果、驚嘆の念すら感じるよ

    「う、うん…」

    返す言葉も思わず辿々しくなる

    すると十神君が

    「どうした?まさか臆しているわけでは無いだろうな」

    ある意味、臆してるよ

    「ふっ、まあプログラミング以外は凡人のお前が江ノ島相手に怯えるのは致し方ないことだ」

    いや、今さら江ノ島さんに怯えたりは正直してないんだけど

    「だが安心しろ、俺がいる限り勝利は約束されている、だから心配せずにお前はお前の出来ることをやればいい」

    十神君ノリノリだ、良いこと言ってるけどこの前豚神君が言ってたことにそっくりだし

    「俺のような完璧な人間なぞ、それこそまさに奇跡の中の奇跡だ、お前達は怯えることも使命、そうすることで人類という種は繁栄してきた側面すらある」

    こうなると長いんだよね

    「俺の指示に従い、共に江ノ島を倒すぞ!そのためには……」

    「ねえ、十神君とにかく早く行かない?」

    「むう、確かにそうだな…裁判場か、行くのはこの前以来だな」

    よしっ

    「さあ、走れ不二咲!!!」

    そう言うやいなや十神君は走り出した、彼なりの希望のために

    色々問題はあるけどあの芯の強さは見習わないとね

    僕の出来ることか……

    うん、大丈夫待っててね苗木君、それに皆

    僕、この前よりちょっぴりだけ強くなったから




  74. 74 : : 2018/12/14(金) 23:38:10
    ちーたん…がんば
  75. 75 : : 2018/12/17(月) 22:49:40
    >>74 不二咲「うん!!僕頑張るよ!!」



    速い

    「もうすぐそこです!!すぐに助けますよ苗木君!!」

    流石はエスパーといったところね、まさか身体能力を強化する探偵グッズを使っている私より速いなんて

    左右田君から貰った、どこぞの少年探偵のシューズのように犯人を追い詰めるために装備したこの様々な装備

    これすらもしかしたら江ノ島さん相手にはうまく機能しないかも知れないわね

    舞園さんは苗木君を助けることに全てを奪われていて他のことに一切頭が動いていない

    苗木君を思う気持ちは私も一緒、いえ、舞園さんのそれより大きい自負があるわ、でも私は恋する乙女と同時に死神の足音が聞ける探偵

    幸か不幸か熱くなることがそう簡単にはできない、舞園さんに苗木君が拉致された時も冷静沈着に世界を渡り歩いた過去がそれを証明しているわ

    どれほど強大な力を持っていてもそれを無力化、もしくは逆用することにかけて江ノ島さんに勝る人をこの長い探偵生活の中ですら私は知らない

    あの劇じゃないけど、やっぱり江ノ島さんを潰すには苗木君のような彼女の企みも絶望も消し飛ばすほどの希望が必要なことを私は知っている

    熱くなることは決して悪いことじゃない、でもそれだけじゃ出来ないこと、届かないことはある、だからこそ私はいつもどおり、いえ、それ以上に冷たく寒く、どこまでも思考を凍てつかせ理性と知性だけで行動する

    舞園さんと私の対極の思考の中に必ず希望を生み出してみせるわ

    そして必ず苗木君を助け

    この聖夜もとい私と苗木君のアニバーサリーに
    プレゼントはわ・た・し❤をしてみせる!!!

    私はポケットの中の淡い蒼色が入ったシルバー基調のリボンを握りしめ絶対零度の思考でそう決心した

    「つきました!!」

    舞園さんが扉を開ける

    ふう、と一呼吸をする

    いくわよ!!


  76. 76 : : 2018/12/18(火) 06:11:41
    どこが絶対零度やねんwww
  77. 77 : : 2018/12/18(火) 07:28:35
    苗木くんが舞園さんに拉致された時の霧切さんのどこが冷静だったんですかねえ
  78. 78 : : 2018/12/19(水) 22:32:40
    >>76 霧切「これ以上なく冷静そのものよ、アプローチ法から後片付けの手段まで抜かりはないわ」

    >>77 霧切「探偵の基本は足よ、舞園さんが苗木君を拉致した瞬間からすぐさま救出に赴いた、とてつもなく冷静な行動と自負してるわ」



    ハアハア、やっぱり苦しいな

    僕は裁判場の目の前の赤い扉をゆっくりと開く

    ここまで走りまくって体力無くなってるけどこれからが正念場、頑張らなきゃ!!

    扉から一足あるくと

    「不二咲か」

    十神君が手を組んで思案顔でエレベーター前に立っていた

    「どうしたの?」

    「お前こそ大分遅かったな」

    「まあ、ちょっとね」

    まあ良い、と十神君が少し足を動かして僕にエレベーターを見せる

    「あれ!?」

    そこには大っきな穴が空いたエレベーターの扉があった

    「中身も同じだ、おまけに床にも大穴が空いている」

    「どうして、そんなことに…」

    「考えられるのは舞園や霧切が一刻も早く苗木を救出しようとしてエレベーターの数秒を惜しんだか」

    あるいは、と急に得意顔になって

    「この俺を恐れた江ノ島が俺を裁判場まで入らせないようにしたか…だ」

    あっ、うんそだね

    「まあ後者の可能性が高いな」

    あっ、うんそだね

    「いずれにせよ、俺達は何らかの手段を用いて裁判場まで下りなくてはならない」

    「普通にロープかなんかを使えばいいんじゃ」

    すると、急に大きな声で

    「この俺がそんな間抜けな登場できるか!!」

    あっ、うんそだね

    っと、ダメダメ!!僕がしっかりしなきゃ

    「全く何故このエレベーターはやたら長いんだ、霧切や舞園ならまだしも俺では飛び降りればただじゃすまん」

    それはそうだよね、僕も何でこんな地下に裁判場なんて造ったのか未だに不思議だし

    「だが、安心しろ、俺が思案していたのもつい先刻までのこと」

    「何か手段があるの?」

    ククク、とまさに不敵な笑みで

    「ああ、素晴らしく、そして俺にふさわしいのがな」

    そしてくるりと踵を返し

    「来るなら俺から離れるなよ」

    十神君、一体何を?

    とにかく僕だって逃げるつもりはない

    「わかった!!」

    絶対皆を助けるって誓ったんだから
  79. 79 : : 2018/12/22(土) 22:13:45
    目の前に見える

    「お久し!!二時間ぶりくらいかな」

    江ノ島さんが見える、おかしな格好をしてちょうど中央に教卓をおいてその上に陣取っている

    「早く苗木君を返してくださいっ!!」

    舞園さんから溢れ出るエスパーが小さな竜巻を形作る

    それはさながら今の彼女の心を写しているかのように乱暴で荒々しく、何より余裕がなかった

    「うぷぷ、嫌よ、わざわざ攫ったのに簡単に返しちゃ面白くないじゃん!!」

    今、私の脳内には三つの疑問があった、一つ目は舞園さんが起こした竜巻の風が江ノ島さんに欠片も届いていないこと

    二つ目は今目の前に苗木君の姿が見えないこと、そして……

    「なら仕方ありません、粉微塵になってから後悔して下さい!!!」

    舞園さんが竜巻を江ノ島さんの方に放つ!!

    しかし、それは途中で何かに阻まれ力なく消えていった

    「うぷぷ」

    三つ目は彼女の笑い、そう、それは前からではなく周りから聞こえる……つまり

    「舞園さん落ち着きなさい、恐らく彼女と私達の間には厚い強化ガラスが張ってあるわ」

    恐らくスピーカーを通して私達と会話をしているはず、サイコキネシス対策ね

    「あったりー!!さっすが霧切、愛しの苗木君が私様の手中にあるってのに冷たいね~」

    言葉の節々から悪意が漂ってくる

    「余計なお世話よ」

    それにしても、舞園さん対策に強化ガラスを張った?自分の言葉を思い出して少し違和感がする、

    果たしてそれにどれほどの意味がある?私は何か見落としをしている?

    「強化ガラス?それくらい簡単に壊せますよ!!!意味の無い時間稼ぎでしたね!!」

    舞園さんが掌に小さな竜巻を作る、それは先程より小さいにもかかわらず威力は上らしく、吹き上がる風は舞園さんのスカートをめくり上げ透明度の高い水色下着が丸見えになるほど

    「ガラスごと粉々にします!!苗木君を解放するなら今のうちですよ!!」

    「うぷぷ、どうぞどうぞ」

    くいくいと手のひらを返しながら馬鹿にしたような笑みで応える

    何かある、ほとんど確信に近い直感が電流のように流れた

    「お望みどおりにしてあげますよ!!」

    舞園さんの腕が強化ガラスにぶつかる!!!

    ギュインギュインと螺旋状のサイコキネシスの塊が景気よくガラスを破壊する

    それと同時に私の中に1つの仮説が浮かび上がる、私は江ノ島さんの下を注意深く観察し

    そして

    私は叫ぶ

    「やめて!!!」

    するとあっけにとられたように舞園さんが手の平の竜巻を消し、スカートが元の位置に戻る

    「急にどうしたんですか霧切さん!!!」

    詰め寄るように私に近づく

    「あなたの方が先に気づくべきだったのよ!!もう一度苗木君の場所を精査しなさい!!」

    また、あっけにとられた顔になる……そして

    「……あ?あ、あ」

    舞園さんが声を張り上げる、普段の綺麗な声とまるで違う負の感情を大きくのせたその声で

    「ああああ!!!!!!!!!!」

    「うぷぷ、ばれた?」

    江ノ島さんが教卓を蹴飛ばす、そこには苗木君がいた、江ノ島さんの真下にいた、それはつまり

    「舞園、あんたがあのまま続けていたら私様もろとも苗木も巻き込まれてたね~愛しの苗木君を自分自身の手で傷つけ、いや」

    そこでこれまでになく大きく

    「殺してたね!!!!!!」

    「ああああああああああ!!!!!!」

    不味い、想像以上に舞園さんの精神が崩れてるわね、やはり彼女にとってはなにがあろうと苗木君に凶器を向けるなんてあり得ないこと

    彼女の心のほとんどは私同様苗木君で構成されているはず、普通の人じゃ想像出来ないレベルのショック

    「私は……私は!!!!」

    彼女を中心に竜巻が起こる、先程よりまた上の威力、天井を貫いて落ちてくる瓦礫も一瞬で粉微塵になる

    「うぷぷ、こりゃ凄い、私様でも分析できなかったわ、こんなに暴走するなんて」

    余裕綽々な態度

    いつもの私ならそんな彼女に反感を覚えるはずだった

    しかし今の私の思考はただ一つのことだけを

    私が何とかする、この絶対零度の思考とともに


  80. 80 : : 2018/12/25(火) 10:18:28
    やってしまったやってはならなかった!!!

    「ああああああああああああああああああ!!!!!」

    たとえどのような状況だろうと、どんな場面だろうと愛する夫を傷つけかねない行為をするなんて!!!!

    そんなの妻、いえ、女として失格です!!

    この力は苗木君のために得たもの、今でこそ多少は自衛のためだったりに使っていますが、それでも大半を苗木君と私の未来の為に使っています

    それを未来を奪いかねない使用をしたなんて!!

    駄目なんですよ!!私は常にどんな時もどんな場所でも完璧に苗木君の味方でないと!!

    傷一つつけてはならない、それに準する行為をしてはならない、私の全てを苗木君の為に

    それが私が自らに課せた絶対の掟なのに…私は私は!!!!

    「私は!!!!!!」

    混乱と嘆きの慟哭が部屋を満たす、その時に私は聞いたんです、心ではなくこの耳で

    「舞園さんは悪くないよ」

    苗木君の声

    「いくら舞園さんでも人間なんだ、完璧になんてできっこないよ、十神君じゃないんだし、そんなことで気に病むことは無いよ、舞園さんの出来ることをやってくれたら良いんだよ」

    私は顔に手を当てながら応えます

    「でも、私はそれじゃいけないんです」

    「いや、いい、僕の味方いてくれることはとっても嬉しいし、心強いよ、だからこそそのままの舞園さんでいて」

    私はおもむろに声のするほうへ顔を動かします

    そこには

    「だって貴女が穴のない人間になったら、つまらないし、何より」

    どや顔で

    「私の役目が減るじゃないの舞園さん」

    蝶ネクタイ型変声期を付けている霧切さんがいました

    「霧切さん?」

    「頭は冷えたかしら?」

    変声期を外し、私をまっすぐ見据えて彼女はいいました

    …………全く、相変わらずですね霧切さん

    「ありがとうございます」

    「なら良かったわ」

    スピーカーから声が響きます

    「うぷぷ!!なになに?舞園復活した?しちゃった?ならこっち見てみ見てみ」

    私は言われたとおり江ノ島さんの方を見ます

    「今から公開ストリップショー始めるよん!!!」

    彼女は苗木君を床に倒し、万歳させた状態でゆっくりとパーカーから剥がしていきます

    「さて、舞園さん、江ノ島さんに可愛い可愛い苗木君の生まれたままを見せるのは賛成?それとも」

    「もちろん反対ですよ」

    「現在23時35分、タイムリミットも迫っているみたいだし、何か手はあるかしら?」

    私のできること、ですね

    「任せてください!!!」

    今の私なら、私達なら何でも出来る気がしますよ
  81. 81 : : 2018/12/25(火) 11:42:22
    誰が作ったんだそんな変声機
  82. 82 : : 2018/12/26(水) 04:37:18
    十神くんが・・・完璧???
  83. 83 : : 2018/12/26(水) 04:47:33
    穴が無かったら苗木くんの子供産めないもんね☆
  84. 84 : : 2018/12/27(木) 21:48:48
    >>81 霧切「苗木君が私のためにモノモノマシーンで当ててくれたのよ」

    >>82 霧切「自称完璧(仮)で本人は完璧を追求してるから」

    >>83 霧切「安心して頂戴、そんな汚らわしい穴に天使のアンテナは絶対に入らないから」


    さてと、正直に言ってこの状況、私には為す術がないわね

    口惜しいことに舞園さんのようにエスパーは使えないし、小型爆弾や探偵グッズを使えば私達はともかく苗木君の柔らかい身体に傷がついてしまう

    「舞園さん、やはりサイコキネシスは使えないの?」

    「はい、あれは私を中心にして使う技、ガラスを透過して江ノ島さんを粉々にすることはできません」

    スピーカーから高笑いとともに私達を嘗めきった声が聞こえる

    「やっぱだよね!!!粉々とか無理だよね!!いや-!!なんとも使い勝手の悪いエスパー(笑)だこと!!」

    彼女は苗木君に頬を擦りつけ……このアマ!!!

    っといけないいけない、絶対零度絶対零度

    「そんだけじゃなくてさ、そろそろエスパー力も限界でしょ!!!」

    アンテナを食みながら……あのブルドッグ後でしめる!!!

    舞園さんも怒りを身体が暴走しそうになっているのを必死に抑えているのが見てとれる

    「エスパー力無くなったら今頃ディスピアステーションに出てる分身の方はポンッと消えちゃうんだよね、うぷぷ、明日の一面間違いなし!!あのアイドルはマジシャンだった(爆)とかね!!」

    ズボンのチャックに手をかけ

    スッと下ろしていく、それは中途半端なところで止まった、しかしそこに苗木君の可愛らしいモノがポツッと僅かに大きくなっているのをこの探偵スコープが確かに確認をする

    「さ・て・と❤」

    彼女は自らの無駄に実った脂肪を苗木君の苗木君に押し当てる

    「ワオッ❤」

    触れただけで僅かだったモノが隆起しさながら膨らんでいく

    「止めなさい!!!」

    「あっ、ごめんごめん、やっぱチャックは全おろしした方が良かったよね……いや」

    そして彼女はあの趣味の悪い服を脱ぎ捨て上半身下着姿になり

    そのままあろうことか苗木君のズボンを引っこ抜いて…そうパンツ丸出しにしてしまった!!

    「うぎゅっ!」

    「くっ」

    なんてこと、私も舞園さんも見ただけで口から声が漏れる、ズボンという障害がなくなり露わになる生足、以前風呂場で見たけれど、上半身は着衣なことが新たな感覚を私に与える!!

    「さて、そのままそこで見ときなさい愛しい愛しい苗木が私様のものになる瞬間をね!!」

    しまった!!あまりのことに見入ってしまっていた!!

    だがしかし

    「江ノ島さん、あなたは勘違いをいくつかしているようですね」

    「何?」

    舞園さんが鬼も裸足で逃げていく、テレビで見せたら卒倒者続出の顔で話す

    「一つ、私には確かにエスパー力の限界はあります、しかし」

    グッと拳を握り締め声を大にして叫ぶ

    「苗木君への愛や欲情でいくらでも溢れ出るんですよ!!!今の私はとっくに限界突破してます!!!!」

    「なっ?」

    「二つ、苗木君は絶対に貴女のものにはなりません、もうとっくに私とラブラブチュッチュです!!」

    「馬鹿言わないでちょうだい!!」

    「五月蝿いですよ霧切さん!!!もう裸も見せ合った、さらに生乳も揉んで貰ったんです、貴女とは格が違うんですよ!!」

    「私だってこの前の孤島での殺人事件の際に苗木君が私の股に突っ込んで来たわよ!!」

    「あれは事故です!!」

    「いいえ、苗木君が望んだのよ、貴女の矮小なエスパーじゃ捉えられ無かっただけ!!」

    その時にスピーカーから声が響く

    「お前らさ、その程度で満足?」

    見ると苗木君のパンツに手をかけ今にも息子さんが見えそうになっていた

    「私のバージン捧げちゃおっかなぁ」

    二人の声がユニゾンする

    「「止めなさい!!!!」」

    舞園さんが

    「あっそうそう、そういえばもう一つありました、貴女が勘違いしていること」

    その瞬間!

    ドガァッ!!!とあっちの側の天井が崩れ落ちた……かと思えば瓦礫は宙に浮いておりそこからある人物達が降りてくる

    「嘘…」

    江ノ島さんがもらしたであろう声が聞こえる

    「よくも散々俺を弄んでくれたな、江ノ島」

    「やり過ぎだよ、江ノ島さん」

    舞園さんがニヤリと笑いながら

    「貴女を粉々にすることももちろん出来ますよ」

    そこにはメガネをくいっとあげている十神君とその背中にくっついている不二咲君がいた
  85. 85 : : 2018/12/28(金) 22:02:42
    何故こうなった

    僕は十神君の背中にピッタリとくっつきながらこれ以上ないほどのどや顔をしているであろう十神君の熱を感じながら思い出す


    ~~

    「ふっふっふ、不二咲よ、俺がたった今手に入れた力をみて腰を抜かすんじゃないぞ」

    無駄な決め顔とともに十神君が叫ぶ

    「ふんあっ!!!!!!」

    なっ!?

    十神君から放たれているもののこの感触…これは

    (はい、私のサイコキネシスを十神君に一部貸与しました)

    (舞園さん!?貸与?一体どういうこと?)

    (今私は色々あって絶望ブルドッグに手が出せない状況にあります)

    絶望ブルドッグって……

    (そこで、不二咲君、十神君に助けてもらいたいんです!!)

    (舞園さんがそんなに追い込まれるなんて、流石は江ノ島さんだね)

    (絶望ブルドッグです)

    なんの拘りが?

    (とにかくお願いします、今脳内に地図を送りますから指定のポイントで床をぶち壊して下さい)

    (床を!?)

    (私を信じて下さい、必ずうまくいきますから)

    「おい、不二咲何を惚けている?行くぞ」

    「あっ、ちょっと待って十神君、こっちだよ」

    僕は歩きながら舞園さんとの会話を続ける

    (でも舞園さんエスパーの貸与なんてできたなら十神君や僕以外にももっと適役がいたんじゃ)

    (誰でも出来るわけじゃないんです)

    気のせいか思考の端々から怒りのオーラを感じる

    (高い身体能力、精神耐性、確固たる意志まあ要するに思い込みが激しい自信家の十神君ならピッタリだったわけです)

    それと、と続ける

    (何よりも私のエスパーを今日何度も喰らってますからうまく貸与ができたんですよ)

    とっても納得出来るね

    (でも先ほど十神君にもいいましたがくれぐれも使いすぎないように注意をしていて下さい、本来の持ち主でない十神君では私に比べれば蟻の涙ほどしか使えませんし、無理に使えば頭が葉隠君より馬鹿になったりする恐れがあります)

    (分かったよ、十神君の世話は任せて!!)

    (あ、あと不二咲君って分身マスターしましたよね)

    (うん、と言ってもまだ10分位しか使えないけど)

    (充分です、なら不二咲君にもちょっぴりだけ貸せますからから、瓦礫を宙に止めて下さい)

    (分かったよ)

    その時に丁度指定の位置についた

    「十神君ここだよ」

    「よし、それでは始めるとするか」

    グワァッ!!と十神君が力を開放する

    ~~

    「江ノ島、頭を垂れて謝るなら今のうちだぞ、今なら寛大な俺が許してやらんことも無い」

    「うぷぷ、かませが何言ってんのよ、無駄な謝罪はしないわよん」

    スピーカー越しに舞園さん達の声が聞こえる

    「今は江ノ島さんはほっときなさい!!」

    「それより苗木君を早く保護してください!!これ以上苗木君のアンテナが露わになれば私はどうなってしまうか分かりません!!」

    舞園さん……

    「うぷぷ、まだまだ終わってたまるもんですか」

    現在23時45分
  86. 86 : : 2018/12/31(月) 11:32:28
    ふっふっふ、やはり俺にもこの力が使えたか

    まあ、舞園が使えて俺に出来ないわけが無い、何故なら俺は人間の到達点、十神白夜だからな!!!

    そう、誰より才能があり、努力さえ忘れない俺に出来ない人間業なぞない!!

    さっき脳内で舞園がごちゃごちゃ言っていたが俺に限界があるわけがないだろうが

    「江ノ島よ、あくまで俺に抗う気か」

    「あんたに敵わないなんて思うほど自己評価低く無いんでね」

    「それは自らを過大評価しているのか?それとも俺を過小評価しているのか?」

    「私様もかませも適切に評価してんのよ」

    江ノ島はいつの間にやら苗木のズボンを自らと苗木に巻きつけていた

    「これで簡単には私と苗木は離れないわよ」

    スピーカーからきゃんきゃんと喧しい声がする

    「十神君!!あなたじゃ精密な技は使えません!!ちゃんと手であれを外してください!!苗木君に傷一つ付けようならあとで真っ二つにしますからね!!」

    「この俺がそんなヘマをするわけがないだろうが」

    俺は手を舞園達の方向に向け、先ほどのように力を込め、放つ

    「はっ!!!」

    何度しても奇妙な感覚だ、ためている間は自らの一部を無くしているかのように生々しく、しかし一度身体から離れればまるでなんの感触もしない

    俺が放った一撃はガラスにあたり僅かに削るだけに終わった

    「ほう、大体これで力加減は分かったぞ」

    「うぷぷ、また強がりばっか、どうせ借りもんの力なんでしょ」

    「貴様はやはり俺を過小評価しすぎているようだな」

    俺は愚かな江ノ島に告げる

    「太古の昔から人間は生き延びる為に相手との力関係を見極める力を養ってきた、マンモスに無策で襲いかかる人間は真っ先に死んでいくだろうからな」

    「無論それは現代においても変わらん、圧倒的力を持つ者に凡人愚民共は従うしかないのだ、さもなくば生き残ることはできん」

    「しかし、稀に強者に挑みかかってくるものがいる、自分を過信したもの、単に暴れたい馬鹿、色々種類があるが江ノ島、お前はそのような種類ではない何故なら相手が俺だからだ」

    「つまり圧倒的過ぎる俺は超高校級であるお前ですら適切な判断が下せないほど高く厚く大きい存在なのだ、故に自分でも何とかなるレベルの人間だとお前は錯覚してしまった」

    「今までは許していてやったがお前がその気なら仕方がない、仏の顔は三度、俺の顔は五度まで、お前はとうにオーバーしている」

    「潰すしかないな」

    俺は江ノ島に指を突きつけながら距離を詰める

    「十神君気をつけてね」

    後ろの不二咲が不安そうな声を漏らす

    はんっ!!無用な心配だな今の俺は最強だ!!

    すると気が触れたのか江ノ島が高笑いをしながら

    「アッハッハ!!!!!長話どうも、とっても感動的で何度も寝ちゃったよ!!!」

    そして指をパチンッとならす

    すると床から何かが迫り出してくる

    それは照明の光に照らされ漆黒に光ながら荒々しい音を上げまるで獣のような獰猛さを感じさせる

    キュルルル!!!!!

    突然モーター音を響かせ拳が動く

    俺を狙っている

    江ノ島の声が耳に入る

    「GO!!モノケモノ」
  87. 87 : : 2018/12/31(月) 14:24:34
    どうやってつくったんだモノケモノ
  88. 88 : : 2019/01/01(火) 05:55:58
    人間業じゃなくて人間辞めていると思うんだが?
    あと今日からお前のあだ名はかませじゃなくてブーメラン十神な!
  89. 89 : : 2019/01/02(水) 22:04:16
    >>87 江ノ島「そりゃまあ、工学とか機械系の才能の奴らにアメ(ソニアのレントゲン写真、お一人様用媚薬)とムチ(レントゲン写真を使ってのナニの動画、夜中に男子トイレでのナニ)を適切に使っただけよ」

    >>88 舞園「それは違います!!!エスパーとは愛が私に与えた奥義であり、愛ゆえに人間業なのです、あと十神君とかませは切っても切れない親友のようなもの、ブーメランかませ眼鏡なんですよ」


    ああ、もうあのかませ何をごちゃごちゃとご託言ってんですか!!苗木君を保護して絶望ブルドッグを木っ端微塵にして下さい!!

    (舞園さん!!あのかませに話させたら長いわよ!!!何とかしなさい!!)

    霧切さんが脳内でそういいます

    (急に口から頭にシフトしないで下さい!!対応するの面倒なんですよ!!)

    (仕方ないでしょ!!私は使えないんだから下手に喋って江ノ島さんに聞かれたくないし、そんなことより何とかしてよ!!)

    (出来るならあんなかませ眼鏡使いませんよ!!ガラス壊したら不二咲君に貸したくらいのエスパーじゃ支えきれませんし)

    だったら、と彼女は応える

    (触ったものを灰にする能力とかないの?エスパーあるでしょ?)

    (ないです!!もはや魔法ですよそれ!!)

    (同じようなもんでしょ!!私からしたらライターでつけようが杖でつけようが火は火なのよ!!)

    (どうでも良いでしょうが!!探偵なら案出してくださいよ!!)

    (ああもう、エスパーのくせに……)

    霧切さんが脳内をとんでもないスピードで回すのを感じます

    あっ、そうだ

    何か思いつきましたね

    (私達もかませ達同様天井壊して迂回してあっち側に行きましょう)

    私は聞いた瞬間

    インビジブルゾーンプラスサイコキネシス!!

    ブルドッグに気づかれないように音を消して行動をしました

    すぐに行きます!!ダーリン!!!

    ~~

    くる、俺にパンチが来る

    恵まれた反射神経を持つ俺は即座にサイコキネシスを使い対処をする

    しかし

    「うぐっ!!馬鹿な馬鹿な!!!抑えきれない!?」

    それの拳は今や回転まで加えながら更に力を加えている

    「さあ!!かませ眼鏡を削り取ってしまいなさい!!!」

    「十神君!!!」

    この俺が!?常人を遥かに超える存在である俺が?こんな訳の分からん機械に力負けしているだと!?

    「認めんぞ!!!俺は絶対に!!!」

    「現実って残酷よね、力のない奴がいくら吠えても何にも変わらない、無根拠な自信なんて寿命を縮めるだけ」

    くそっ!!俺が負けるわけがない!!

    どんどん拳が迫っている、僅かでも触れればその部分は無くなるだろう

    恐らく俺が抑えていなければ秒に百は回転している、それほどの力があるのをはっきり感じる

    「うわぁっ!!十神君!!!!」

    「いっけー!!メガネ刈り取れぇ!!」

    「五月蝿いっ…」

    しまっ…

    力が抜けた……

    こんな所で俺が……やられる?

    そう思った時に今までの輝かしい戦績の数々が
    浮かび上がる

    この学園に入ってからも俺は勝ち続けてきた

    成績も当然のようにトップ、運動面でも並み居る超高校級を押しのけ頂点に立っていた

    文化祭等で行われた人気投票でも二位にダブルスコアで断トツ

    誰もが羨望の目を俺に向けていた…

    そう、確かそんな感じだったな

    拳が目の前まで来る……

    そして

    カタンッ

    「何都合の良い走馬灯見てんですか!!」

    拳が俺のメガネを壊したところでピタリと止まる

    「ったく、焦れったいので来ちゃいましたよ」

    「舞園…」

    腹立たしいことに俺は今心底、安心している
  90. 90 : : 2019/01/04(金) 21:50:32
    「舞園さん!!来てくれたんだね」

    舞園さんと霧切さんが浮いている瓦礫の上に立っている

    良かったこれならもう大丈夫だね

    「全く…良くもまあ私をここまで無力化してくれましたね、そこだけは褒めてあげます」

    「そりゃどうもありがとうね」

    ことここに至ったのに未だ余裕のある江ノ島さん……大丈夫だよね、もう大丈夫なんだよね

    「とにかく私の夫は帰して貰いますよ」

    そういうやいなや、手をスッと振り下ろす、それに連動するように江ノ島さんと苗木君を繋げていたズボンが切れ苗木君だけが浮いていく

    「ふっ、まあ九割は俺の手柄だな」

    十神君が何やら頭にてを置きながら喋っている

    「苗木君-!!すいませんでした!!あんなブルドッグに悪いようにされませんでしたか?すぐに清め直しますからね!!」

    が!そんな十神君に見向きもしない!!

    「本当に良かったわ、苗木君!!」

    そして二人が同時に苗木君を左右に分かれ抱きしめる、気のせいかパンツ一丁になった苗木君から何かが立っているような……いや、多分気のせいだろう

    「今よ!!モノケモノ舞園にアイアンクロー!!」

    しまった!!モノケモノが!

    「危ない舞園さん!!」

    しかし舞園さんは苗木君の脇に顔を潜り込ませ少しもモノケモノを見ようともしない

    「くっ!!この愚民が!!俺が!!」

    十神君が前に飛び出し腕を伸ばす……けど

    「邪魔しないで下さいね」

    やはり顔はこちらは向いていないけど舞園さんが指を一本だけモノケモノの方に向け

    「デリート」

    その瞬間全てが吹き飛んだ、その指の先にいたモノケモノ、メガネ、強化ガラス、さらにそれの先にある空間全てが誇張でも比喩でも何でも無く塵になった

    「あ………あ?」

    バタンッ!!

    十神君!!また気絶!?

    まあ、あと一歩踏み込んでいたら十神君も塵になっていたもんね

    「あっ、そうそう忘れてましたよ」

    また指だけをくいっと上げる

    「うぷっ?」

    フワフワと江ノ島さんが舞園さん達の方に飛んでいく

    「も一つ」

    ?僕も?

    「舞園!!一体何するってのよ!?」

    そんな威嚇をものともせず、舞園さんは僕に言う

    「今からブルドッグの脳内から直接クラスの皆さんを元に戻す方法をとりだしますから、不二咲君、このデバイスを使って皆さんを助けて下さいね」

    そして、江ノ島さんの髪の毛を乱雑に扱いながら右手だけを出してガッと掴む

    すると

    目の前に僕が苗木君にプレゼントしたモバイルが差し出され、同時に脳内に膨大な言葉が流れ込んでくる

    「直接頭を掴めば、誰だろうと脳内を読めるんですよ」

    「止めて!ビッチ枕!!」

    でも、江ノ島さんはまるで抵抗が出来ない、完全に舞園さんの手中だ

    「じゃあ後は任せましたよ不二咲君」

    「うんっ!!」

    よしっ!!待っててね皆!!!

    僕は苗木君のパーカーの中に頭を突っ込んでる舞園さんと、無言で苗木君のほっぺたを嘗め続けている霧切さんを見ながら、気合いを入れた
  91. 91 : : 2019/01/06(日) 22:24:38
    もうチェックメイトね

    私は紅く染まっている可愛らしい頬の甘い味を舌に味わわせながら舞園さんと江ノ島さんのやり取りを見守る

    「さて、江ノ島さん貴女の下らない企みもこれでお終いです、覚悟はもちろん出来てますよね」

    「覚悟?なにそれおいしいの?」

    舞園さんがハァとため息をつき、指をスッと動かす

    スパっ

    江ノ島さんの髪留めが地に落ち、髪の毛がぶわっと広がる

    「どうなっても知りませんよ」

    「うぷっ、どうするっての?楽しみ楽しみ」

    江ノ島さんに何をしても無駄よ、絶望厨という究極のマゾヒスト、肉を焼こうが皮を剥ごうが彼女はきっと笑顔を崩さない、故にこの手の相手は無視するのが一番の対抗策よ

    これは舞園さんも重々承知のはず、しかし

    「まずは軽めです」

    指をくるくるとあらゆる方向へと動かし、そのたびに江ノ島さんの衣服の一部が裂けていく

    胸から下をスカートだけを残し、肌が露わになる

    そこに見えるのはつきたてのお餅のように白く、弾力性のありそうなお腹、それがひくひくと何かを我慢するように動いている

    「うぷぷのぷ、こんな小学生でもおっきしないぐらいの露出度で良いの?別にヌードでも全然良いのよ」

    「そんな馬鹿な男みたいな真似はしません、大体私が貴女みたいなブルドッグの裸みて何か得があるんですか?そんなことするくらいなら山田君とお話しする方がよほど有意義ですよ」

    同感ね、こんな無駄に脂肪を蓄えた身体見ても葉隠君を相手にする以上に無駄だわ……いえ流石に葉隠君ほどじゃないかしら、思いすぎたわね

    サイコキネシスで完全に拘束されている江ノ島さんが言う

    「ならどうしてこんなマニアックなプレイするの?…ハッ!まさかそっち系?いやん!!私の初めては松田君って決めてるのに!!」

    しかしそんな戯言に一切耳を貸さずまた指を動かす

    プツッ

    黒いパンティが宙を舞う

    「いやんっ!!さやかちゃんのH!!」

    さらにブラジャー、果ては最終防衛ラインである靴下までもはぎ取る

    「これは彼にプレゼントしますよ」

    スーッと下にいき、気絶してるかませに向かう

    そして、頭にパンティ、メガネ代わりにブラジャー、髪留めに靴下を使うという変態マスクマンが生まれた

    「あんた!!よりによってかませに私様のおけ毛のついたランジェリーを!!」

    露出している肌から汗が滴り落ちる、目に見えて興奮しているのが分かる

    「最っ高に絶望じゃないの!!!」

    口からだらしなく涎を垂らし、動けない身体なのに躍動感満載でスカート上がり綺麗に手入れされている毛丸見え、さらには無駄乳がたぷんたぷんと動き出す

    正直少し殺意がわいたわ

    そんな私の気持ちを知らない彼女は完全にいっちゃってる顔で高らかに吠える

    「エクスタシー!!!!!」

    「さて…そろそろ時間ですかね」

    んっ?舞園さん何をしようと?

    時間?

    私は手を苗木君のアンテナからこの目に写るところまで持ち上げ、腕時計を見る

    23時58分

    「さて、じゃあ準備も出来たことですし、江ノ島さん」

    舌をだらしなく出しながら江ノ島さんが

    「ん?なあに?」

    「ぎりぎりになっちゃいましたけどプレゼントがあるんですよ」

    そうして、舞園さんは不二咲君を含め、私達を上に浮かせていく

    「舞園さん、もしかして!!!」

    不二咲君?何か心当たりが?

    「駄目だよ!!」

    「大丈夫ですよ、寧ろ喜びが天辺を越えますって」

    一階部分まで上がった所で舞園さんがその動きを止める

    「それではいってらっしゃい!!」

    ぶんっと江ノ島さんが大砲の弾のように飛んでいく、そうして玄関の扉をぶち壊し、そこでピタッと止まる

    眼前に映る人物を見て、私も合点をする

    なるほど

    「何してんだブス、気持ち悪い格好の上に節度も季節感も無いぞ」

    そこには松田君が漫画を片手に立っていた

  92. 92 : : 2019/01/07(月) 07:38:58
    江ノ島やべーやつだなー
  93. 93 : : 2019/01/08(火) 00:01:47
    >>92 舞園「全くですよ、私のようにもう少しお淑やかになって貰いたいものです」


    ああ、会っちゃったよ…

    松田君、江ノ島さんの思い人、さっき十神君を追ってるときに遠目に見えたから分身を使って呼んだんだけど

    『誰があんなブスの為に動くか』

    っていわれて一蹴されちゃったんだよね、まあなんやかんやここまではついてきてくれたんだけど

    まだ、江ノ島さん、としかいってなかったのに

    「随分とまあ不様な格好だな、人以下の家畜みたいなお前には案外似合ってるかもだが」

    「松田君……それだけ?」

    「なんだ?もっとなじって欲しかったか?ブスの上に図々しい、その厚かましいメンタル売り払って真っ白な新品の思考回路に変えたらどうだ?」

    「いや、あれじゃん、誕生日って知ってる」

    「お前のに限って言えば知らん」

    駄目だ、やっぱり松田君江ノ島さんを滅茶苦茶に貶しているよ、いくら絶望厨の江ノ島さんでもやっぱり可哀想だよ!!

    「もう、松田君の為に私様とっても準備したのに、袖に振るから腹いせに皆の心を滅茶苦茶にしちゃったじゃん」

    「なるほど、そのイノシシ以下の格好はその報いってか、どうせなら首輪や蹄もつけた方がもっと似合うな」

    「えっ?本当?ちょっと待って、持ってくるから」

    ったく、松田君が息を吐く、そのままつかつかと傍により

    「止めとけ、馬子にも衣装とはいうがブスは何やってもブスにしかならないんだからよ」

    「そんな……」

    その時、僕は思わず目を覆った

    指の隙間から見える

    松田君が江ノ島さんにキスしてるのが見える

    「ん…ハァ、んっ!」

    じゅるじゅると艶めかしい音が気のせいかしてくる、あの江ノ島さんがどんどんメスの顔になっていく

    絶望顔とは違う、紅く染まった頬は血ではなく、紅葉のように、蕩ける目は、カマキリの共食いではなく、イルミネーションを見るように

    普段の彼女とはほど遠い彼女がそこにはいた

    「江ノ島さんっていう以外とロマンチストで乙女何ですよ」

    舞園さん!!

    「彼女が求めるのは絶望ってだけです、私にとっての苗木君が」

    「乙女ね……初めて見たよ」

    「まあ、今回彼女がやったことは腹立たしいことこの上ないですし、個人的には肉片一つ残さず消し去りたいって気持ちもあるんですけど」

    ぷはあっと松田君が唇を離して息をつく

    「駄目だな、やっぱりどんな顔でもブスは消えないみたいだな」

    「えへっ、でもそんな私が松田君は大好き何でしょ」

    「調子に乗るな、昔馴染みの縁でお前の手綱を握ってやってるだけだ」

    「またまたぁ!!ちゃっかりおっぱい触ったの知ってるんだから」

    「五月蝿いぞ」

    舞園さんが言う

    「悔しいことに恋する乙女の気持ちは分かりますよ」

    それに、

    「冷静に考えたら私もこれまで結構やらかしてますもん」

    そうだったね、夏の苗木君拉致事件を筆頭に、体育館半壊事件、葉隠君吊り下げ事件、部屋の壁を壊して苗木君と相部屋にしたこともあったっけ

    「今回は人的被害もほぼ無かったですし、苗木君は私が…」

    「私が、責任もってお世話するから心配無いわよ」

    「霧切さん!!!急に何寝言言ってるんですか!!?」

    「あら?幻聴かしら、枕が喋っているわね、いけないわ、きっと疲れているのね、すぐに苗木君をベッドに連れていかなくちゃいけないのに、そのまま一緒にねてしまいそうだわ」

    「そうなったら私が責任もって廊下に放り出しますからご安心して下さい」

    あはは、うんっこれでいつもの日常だね

    「じゃあ舞園さん、霧切さん」

    ふたりに向かってはっきりと

    「メリークリスマス、それとお休みなさい」

    なんか良い夢見れそう
  94. 94 : : 2019/01/08(火) 05:11:17
    正直言うと舞園さんの場合は恋と言うより依存症だよね
  95. 95 : : 2019/01/08(火) 07:28:32
    冷静に考えたら舞園さんと霧切さんも江ノ島と同レベルのやらかしやってたな
    というか体育館半壊て何やったらそうなるんだ
  96. 96 : : 2019/01/09(水) 21:44:35
    >>94 霧切「全くもってそのとおりね、私のように節度をもって苗木君に接しないと」

    >>95 舞園「体育館半壊したのはちょっとした事故何ですよ、苗木君の看病をかけて霧切さんとドッジボールしたら、勢い余って……幸い人的被害は桑田があばら骨数本おったぐらいですみましたよ、わざとこけて私のおっぱい触ろうとしたのが悪いんです」


    うーん……あれ?僕どうしたんだっけ?

    確か十神君を助けてから……記憶がないや

    僕はまだ目を開ける前からそんなことを考えていた、というか目を開けることすら億劫だ

    こんなことは生まれて初めてのことで、少し不思議に思う、起きれば自然に開くものだとばかり思っていたんだけどな

    怠い体を何とか奮起させて瞼を開ける、そこには見慣れた天井がある

    僕の部屋だ

    無意識に時計を探して手を動かす

    プニッ

    ん?何だろう、柔らかいな…

    反射的にそちらに首を回す

    「うわっ!!」

    え!?なんで!?どうして!!?

    一瞬で脳味噌が覚醒する

    「ん?苗木君おはよう、いい朝ね」

    霧切さん!!なんで僕の布団に!?

    僕の右手は霧切さんのプニプニほっぺたをつついていた、いやそれだけじゃない、左手にも暖かくて柔らかい感触がある

    おそるおそるそちらも見る

    ああ…やっぱり

    「むにゃ?苗木君ですか?おはようございます、私は元気です」

    舞園さんだ

    僕の腕がバッチリ胸にホールドされてるね、どうやら

    「あら?まだおねむなのかしら舞園さん、頭が回ってないみたいね」

    「すいません、とても良く寝れたもので」

    いやいや、今それどころじゃないって!!

    混乱する僕の頭は布団から這いずり出た霧切さん達の姿をみて一層酷くなる

    「ああ…もう!!」

    「どうかしたの?何か変なところがあったかしら?」

    霧切さんらしくない、というか絶対あり得ない

    霧切さんは全身を青いリボンに包まれており、さらしのようにして胸を覆っているだけだ、下半身には僕のジャージが姿を見せている

    「もしかして昨日のことを覚えてないんですか?」

    舞園さんは、際どいサンタのコスプレ、ちょっと動くだけでパンツが見えるほどのサンタ色超ミニスカートにビキニのようになっている上しかない

    「ねえ、あれから何があったの?何があったらこんなおかしな状況になるの?」

    「あら?おかしなじゃなくおいしい状況の間違いじゃないかしら」

    いや、確かにそうなんだけど、やっぱり違うって

    「まあ、良いわ、苗木君あれは貴男が江ノ島さんに拉致され、私が助け出した後の話よ」

    「助けたのは私です」

    「私よ!!」

    「私です!!」

    「その話は後にして、お願いだから」

    二人がぴたっと動きを止めた

    「苗木君が言うなら、分かりました、あれはとにかく江ノ島さんをコテンパンに倒した後の話です」
  97. 97 : : 2019/01/11(金) 19:21:28
    私はできうる限りの癒しボイスを駆使して苗木君に話し始めます

    「全てが終わったその後、私と霧切さんは仲良く、そう、それはそれは仲良く苗木君をベッドまで運んでいたんですが、いざ部屋に入った時に予想だにしない出来事があったんですよ」

    「一体何があったの?」

    「実は、この部屋に待機していたモノタロウが急に冷水をかけてきたんですよ!!」

    私は体に手を回してブルブルと震えます

    「その上、私達をこの部屋に閉じこめて出られなくしたんです!!」

    「ええっ!?」

    霧切さんが急にでしゃばって苗木君に一枚の紙を渡します

    「これをみてちょうだい」

    そこには

    「おいらからのクリスマスプレゼントだよ、そこは明日の昼まで開かないから、えっと…らーぶらーぶしてね」

    最後にサインまで入っている一品です

    「とにかく、そんなわけで濡れた服をそこにかけて、なぜか、そうなぜか、用意されていた服を着て、暖かさを求めて同衾していたと言うわけです」

    「そ、そうだったんだ」

    苗木君が腕を組みながら納得をしてくれます


    まあ、もちろん全部フィクションですけどね!

    実際は最後までしつこく邪魔してきた霧切さんと妥協案的にそれぞれ思い思いの服で添い寝しただけです

    モノタロウの手紙は私が念写で書いておきました、ちなみにドアもサイコキネシスで強制ロックしてます

    「ということで、私達や苗木君がそんな格好なのも全ていわば不可抗力な訳で」

    「え?僕の格好?」

    苗木君がキョロキョロとそのみずみずしさ抜群の肌とその可愛らしいアンテナを覆う小さな水着を見始めます

    簡単に言えば、今は水着しかはいてないのです、もちろん私が用意をした、私が使用済みのものです、霧切さんにバレないように調達するのに苦労しましたよ

    「ええっ!!!!」

    「あら、苗木君今気づいたのかしら?」

    「色々と、大変だったんですよ、男の人を脱がすのも……でも風邪引いてもらったらもっと困りますし」

    「ええ、せっかくの冬休みなのに、遊べないなんて嫌だものね」

    苗木君が顔をひくひくと恥ずかしそうにしています、可愛さマックスですね

    「いや、そうなんだけどさ…それ……見たよね」

    「別に良いじゃないの、とっくにお互い裸見せ合っているでしょ、私のこのリボンだってよく見れば透けてるし」

    すると女狐さんが

    「生が見たいなら見せるわよ、私と苗木君の中だもの」

    「いやいやいやいや!!駄目だよ霧切さん、自分をもっと大切にして!!」

    顔を真っ赤にして手をブンブンとふっています

    「ふふふ、冗談よ冗談、相変わらず可愛らしいわね」

    それは完全に同意です

    「もう、からかわないでよ霧切さん」

    「まあ、実際どうしてもと言うなら考えるわよ」

    「もう!!」

    そこで私が割って入ります

    「それはそうと苗木君、少しお話しが」

    「ん?何舞園さん?」

    「お昼まで何しますか?」

    私は胸を強調し、少し身体を揺らして、こびこびで苗木君に質問します

    さあ、今日がクリスマス本番です、さやかサンタが良い子の誠君にプレゼントあげちゃいますよ!!!

    私はめいいっぱいの妄想を膨らませ、そして思います

    今年は良いクリスマスになりそうです


  98. 98 : : 2019/01/11(金) 19:24:34
    ここで舞園さんのクリスマスはとりあえず終了です

    これから少しおまけもあるので引き続きもあるのでよろしくお願いします
  99. 99 : : 2019/01/14(月) 22:18:33
    おまけ1 霧切さんのお買い物

    目の前に広がる多種多様、煌びやかで色彩豊か去年までの私なら自ら進んで入ることはまずしなかったような、大げさに言うならば未知の空間

    徒歩僅か数十分という所なのに、と、我ながらおかしく思う、そして同時に自分が如何に緊張しているのかひしひしと実感する

    そう、ここはプレゼント売り場、近くのデパートのワンコーナーに過ぎない

    今日こそ決める、部屋でもんもんと理屈だけこねたって仕方ない、クリスマスまで時間が無いの、苗木君のため、そして私達の明るい未来のため必ずやってみせるわ

    自分で自分を鼓舞する、正直複雑に絡み合った殺人事件の推理を披露している時より遙かに心臓バクバクしてるわ

    私は本番に強いタイプだから多分1回気分が乗れば必ず苗木君に渡せるはず、そうこの緊張は例えるなら旅行を計画している時が一番楽しいのと同じようなものよ

    この期に及んで理屈をこねてしまう私、探偵のさがね

    これではいけないととりあえず適当に手にとってみる、もふもふ、カワイイ系、クール系、アンテナ系、どっかで見たことのある白黒熊系、青ダヌキ系、おかっぱ少女系、少年探偵系、逃げちゃ駄目だ系、バター系、推理小説

    分からない、一体何をあげたら苗木君は喜んでくれて、『霧切さん凄く嬉しいよ!!今すぐ結婚しよう!!舞園さんに祝辞の言葉を頼もうね!!』、と言わせることができるのかしら

    思案してもしても全く答えが分からない、やはり殺人事件のようにはいかないわね

    まずは前提をつくりましょうインパクトが弱ければそうね…恐らく舞園さんが裸で迫るくらいはするだろうから苗木君の気を引くことは出来ない

    それ以上のインパクトが必要、かといって裸で迫るなんて馬鹿みたいな短絡的な方法をしたなら苗木君に引かれて寧ろマイナスになることはほぼ間違いないわ

    強く印象を与える、つまり肌を見せながら清楚さを保つことが出来る、ある意味矛盾しているこの事柄をクリアするには一体どうすれば

    …………何故かしら、何かを決定的に間違えている気もするけれど気にしない方がよさそうね

    クリスマスにちなんで靴下をその場で脱いで渡す?

    却下ね、いくら何でもはしたないにも程があるわ、江ノ島さんのようなビッチとは違うのよ

    かといってブラジャーなどの下着を渡しても苗木君は間違いなく使わないでしょうし

    …………清楚…苗木君………インパクト……肌…………

    待って、確か以前読んだ雑誌に……そう…

    答えのない問い、この世界最大の謎に私はついに答えを見いだしたわ!!

    以前読んだ雑誌によれば、男性とは初めからではなく、徐々に段々少しずつ肌が露わになるのにそそるらしいわ、でもそれじゃあ味気ないのも確か、そこでもう一つの情報、つまり見えそうで見えない、これよ!!

    この二つを組み合わせることで必ず苗木君を手に入れることが出来るはず!!

    色は青、あの枕の髪の色と同じだから誤解を生みやすいけど、色の薄いモノならばまさに清楚と呼ぶに相応しいわ

    そしてプレゼントはまさしく一生ものになる伴侶、つまり私よ!!!

    青いリボンに身を包み苗木君にプレゼント!!

    これが私の答えよ!!

    我ながら会心の推理だと思うわ、大切なことを失念している気もするけどまあ気にしなくても大丈夫よね

    さあ待っていてね苗木君!!

    私は柄にもなく心の底からワクワクを感じていた
  100. 100 : : 2019/01/17(木) 21:28:34
    おまけ2 クリスマスイブ後の一幕

    「不二咲君、聞いて下さいよ」

    舞園さんが少し残念な口調で僕に話しかける

    あれから色々あった、十神君が変態マスクマンとしてさらしあげられたり、次の日に見た苗木君が恐ろしいまでに忍耐をすり減らしてたり

    「苗木君が……苗木君が!!」

    江ノ島さんが行方不明になったり何故か葉隠君と桑田君が舞園さんの忠実な下僕になっていたりと、よく分からないけどそんな感じなマイナスのことがあったりしたけど

    「この年末年始」

    いつの間にやら赤松さんと最原君が付き合ったりと良いこともあったんだ

    それで今は恐ろしいほど負のオーラ満載を纏っている舞園さんと二人きりで、話をしている

    「ご家族と過ごすらしいんですよ!!」

    「そうらしいね」

    この話もう10回はしてるよ

    「完全に計算が狂いました!!大晦日に一緒に食べるようのお蕎麦も用意していたのに!!私のグループがうたってるのを見ながら食べようとしていたんですよ!!」

    「まあ、そんなに悲観することも無いんじゃないの?舞園さんだってこの期に分身と入れ替わって紅白出れば良いんじゃ…」

    「紅白より苗木君ですよ!!」

    ファンの皆にとても聞かせられないね

    「でもさ、苗木君なら絶対に舞園さん達が歌っている所は見るんだし、いつもと違う自分を見せられる良い機会だと捉えたら」

    「なるほど!!それもそうですね……そうですよ!!」

    今の一瞬の間は何?

    「苗木君の妹、つまり私の義妹のこまるちゃんも有り難いことに私のファンらしいですし、クラスメイト舞園さやかでなく、アイドル舞園さやかを魅せる良い機会です!!」

    そうして舞園さんは僕に軽くお辞儀をして

    「アドバイスありがとうございます!!千里眼とテレパシーで苗木君との半同棲生活は続けますけど、少し寂しくってつい愚痴っぽくなっちゃったのに相談に乗ってくれてありがとうございました!!」

    「別にそんな大したことは」

    「いえいえ、大したことですよ」

    その時僕は確かに見た、屈託無く笑う舞園さんの顔の中に、苗木君のことに関して暴走するときに見せる兆候のようなものを

    苗木君、とにかく気をつけてね

    僕はそっと祈りを捧げた





  101. 101 : : 2019/01/20(日) 22:53:32
    おまけ3 イブのヒナナミ①

    「あっ、そこアイテムあるよ」

    「おっ、ほんとだ、サンキュー」

    俺と七海は二人でゲームをしている

    「よしよし、ボスまであとちょっと」

    クリスマスイブに二人きりだというのにいつもとなんら変わることなくゲームをしている

    「頑張ろうね日向君!!」

    「そんな気合入れないでも七海だけでも楽勝だろ」

    「いやいや、油断は禁物だよ」

    クリスマスイブに年頃の誰が見ても仲の良い男女が密室に二人きりでいるというのにいつも通りにゲームをしている

    「さあさあ、いくよ!!日向君!!」

    「分かったよ」

    ソニアは田中を引っ張って祖国に里帰りして、ついでに左右田も二人の乗った船に密航したり、九頭龍と辺小山も実家に帰ったり、豚神が何やら十神がどうしてもクラスのパーティーに参加したいとか言って代役をしていたり

    「右!!右から攻撃来てるよ!!」

    小泉が西園寺や澪田、罪木と一緒に温泉旅行にいったり、密かにそれに花村がついて行ったり、終里と弐大が富士の樹海にトレーニングに行ったり、狛枝がトラックに引かれたりして、皆いなくなってさ

    「今だよ!!!必殺技のコマンド!!!」

    そこで七海がイブに誘ってきたらそりゃ期待するじゃん、めくるめく青少年の性少年とかそうじゃなくても、こ、から始まって、く、で終わるひらがな4文字の言葉とか期待するじゃん

    「やったー!!!勝った勝った!!」

    でも七海いつも通りだし、てか全てがいつも通りだからロマンチックとかスペシャルな感じが何一つないよな

    そんな俺の思いを知らない七海は俺に肩をくっつけながら次第に目をとろんとなっていく

    「おい七海、もう眠りそうじゃんか、今日はもう止めとくか?」

    七海はうーん息を吐きながら伸びをする、俺が意識しすぎているのかそのたわわに実った豊満な果実の強調っぷりがやばい

    「止めない」

    「でもお前今にも寝そうじゃんか、結局いつも俺がお前をベッドに運ぶことになる俺のみにもなってみてくれよ」

    いや、まじで、無防備なエロかわボディの美少女相手に接触しながら一線を越えられない俺のみにもなってくれ、生殺しも良いとこだぞ

    「ならさ日向君ちょっと待ってて」

    「ん?」

    そう言うと七海は洗面所の方にトコトコと歩いていく

    顔でも洗うのか?

    俺がそんなことを考えているとジャー!!という音が響いてくる

    まさか、シャワー!?

    途端に胸がドキドキしてくる、これはあれか?しっぽりいく準備みたいな?いやいやまさか七海だぞ、そんなことするわけ無いだろ、いやいやでも……

    頭の中で同じことを何度も繰り返す

    するとドアが開く、そしてそこには

    「間違っちゃった」

    服を着たままで頭から水浸しになっている七海がいた

    「顔だけのつもりだったのにうっかりしたよ」

    服が身体にへばりついて恵まれたラインがくっきり分かりピンクのブラが見える、おまけに濡れた髪が俺の貧相なボキャブラリーではとても言い尽くせない程艶やかで、それでいて何故か官能的な感じがする

    要するにめっちゃエロい、というか男のロマンの先に存在するエロさだ

    「あっちゃ~、日向君ごめん私シャワーちゃんと浴びて着替えなきゃ」

    やばい、理性を保て俺!!!俺の人生全てをかけて理性を保つんだ!!!

    俺が人生をかけた葛藤をしているにもかかわらず七海は理性の敵の味方をする

    「日向君、悪いんだけどその辺に下着とジャージがしまってるから私がシャワー浴びてる間にすりガラスの前にでも置いてくれない?」

    ちくしょー!!!七海!!お前っとそんなに魔性の女だったっけ?

  102. 102 : : 2019/01/21(月) 03:56:40
    こ、から始まって、く、で終わるひらがな4文字・・・
    そうか!解ったぞ!
    日向はそんなにこいこくが食べたかったのか~
  103. 103 : : 2019/01/21(月) 07:17:15
    頑張れ日向くん
    七海さんのこれは天然なのかわざとなのか
  104. 104 : : 2019/01/22(火) 19:56:10
    おまけ4 イブのヒナナミ②


    >>102 モノクマ「いやいや、きっとこうそく(拘束)だよ!!自分の両手両足縛ってあんなアンテナやこんなアンテナを弄ばれたかったに違いない!!!」

    >>103 ウサミ「天然に決まってまちゅ!!先生は七海さんをふしだらな子に育てた覚えはありまちぇん!!!」



    でかい

    でかいよ七海

    なにがって?決まってんだろ

    今俺の手にあるもんだよ

    そう、このジャージについてるフードが矢鱈でかい!!例えるならそうだな、星や不二咲の顔なら覆っちまえるぐらいでかいな

    他に例えを出すとすれば俺の眼前にあるブラぐらいにはでけぇよ

    いや、でけぇんだってばよ!!!!!!!

    思わず言葉使いが変わるほどの衝撃だった…というか何なんだよこの状況は!!

    耳を澄ませば七海がシャワーを浴びてる音が聞こえてくる、それを聞く俺はブラとパンツを見ている、七海の下着を見ている、1枚や2枚じゃなく綺麗にたたまれてるたくさんのロマンを見ている……………

    何でだよ!!!!!??????

    いやさ、百歩譲ってジャージは分かるよ!!仲良しの男女ならそれくらい、でもさ何?一般的には下着まで任すか!?

    これはやっぱりあれか?俺と営みをしたいから『日向君の好きな下着でしたいなぁ』か!?

    いやいや、七海だぞどっちかと言えば『ブラ?パンツ?別に日向君に見られても特には』もしくは『眠い……考えるのもつらい』の可能性が高いだろ!!

    いやでも七海だって身体を持て余してる女子高生だ、万が一の可能性も……

    俺は悩む、目の前のE、いやそれ以上かもしれないほどのブラと可愛らしいパンツを見ながらこの1年で1番と言って良いほど悩む

    こうなったら……ロジカルダイブだ!!

    七海は何故シャワーを浴びてる?

    1 身体が濡れたから

    2 日向に覗かれたいから

    うん、2だ間違いないな………虚しいから止めよう、次だ!!

    七海は何故日向に着替えの用意を頼んだ?

    1 日向に下着を堪能して欲しかったから

    2 シャワールームに用意してないから

    うーん……1………馬鹿は止めるか、はいはい、2ですよねどうせ

    次だ!!!


    七海は日向に下着を選んで貰うことについてどう思ってる?

    1 日向君の好きな下着知りたいな

    2 日向君になら私の全部管理して貰っても良いよ

    3 日向君にならまあ、下着ぐらいはいっか

    4 眠い……

    5 興奮します

    6 日向君にアピールしたけど露骨すぎたかな?

    7 日向君…何してるの?

    ん?

    「ねえ日向君何してるの?着替えまだ?」

    俺が選択肢を選んでいるときに後ろから七海の声が聞こえてきた

    やべっ!!時間たちすぎてたか!!

    俺は反射的に後ろを振り返る

    「うわっ!!!!」

    「何?どうしたのそんなに驚いて?」

    タオル一丁じゃねえか!!!!!

    「いや、お前服は?」

    「日向君がなかなか持ってきてくれないから来たんだよ、全くもう何にそんなに時間がかかるの?」

    やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい

    風呂上りの七海……装備は胸から膝の辺りまでしかないタオル1枚

    その濡れた髪の毛は美しく艶めき、肩についている水滴の一滴一滴が輝き、火照った顔に柔らかそうなほっぺた…隠しきれない豊満なおっぱい、むちむちと肉のついた腕、滑らかな脚、全部が即死系の破壊力を持ってる

    駄目だ……俺は…俺は七海を………七海を抱きしめ……

    ドッカーン!!!!!

    俺が理性の最後の薄皮1枚を破ろうとした瞬間どこからか爆発音が起こり、かろうじて冷静さを取り戻す

    「何だろ今の?舞園さんがサイコキネシスでも使ったのかな?」

    でも駄目だ、抑えが効かない、これ以上我慢出来ない、今ここで声を出さなければ死んでしまうかもしれない、そんなあり得ない考えが俺に言葉を出させた

    「七海!!!!!」

    「ん?何?」

    「今のお前すっごいエロい!!!!だからさ……」

    すると七海が片手をタオルから離し俺の口に指を当てる

    「その先は言っちゃ駄目だよ日向君」



  105. 105 : : 2019/01/24(木) 20:19:34
    おまけ5 イブのヒナナミ③


    咄嗟だった

    私は思わず右手の人差し指を日向君の口に当てて

    「その先は言っちゃ駄目だよ日向君」

    右手が支えていたタオルがなくなった分、身体に空気が当たる

    ほんのちょっぴり恥ずかしいけど私は言葉を続ける

    「ごめんね、私日向君にそんな言葉言わせる気はなかったんだよ、私がこんな恰好できたからだよね」

    何だか体温があがってる気がする

    日向君は一歩下がって私の人差し指を外す

    「………悪いな」

    「日向君が謝ることはないよ、私の配慮が足りなかったんだよ」

    そう、初めはほんとのミスだったのにそれから少し調子に乗った私が悪いんだよ

    「でもさ、俺みたいな奴に……」

    私が…そう日向君じゃなく私が悪いんだよ

    「俺が悪かった、すまん七海……」

    「違うんだよ!!」

    私は思わず語気を荒げる

    「私はね日向君に裸見られてもそりゃ少しは恥ずかしいよ、でも全然へっちゃらだよ!!」

    理論も構成も知らない!!思ったまま感情のまま口を動かし続ける

    「私はただ今日、このクリスマスイブに日向君と二人きりでずっと一緒にいたかっただけだったんだ、今のこの関係のままでいたいと思ってるの!!!」

    日向君の顔がわかりやすく驚きと戸惑いに染まる

    「だってさ、だってさ大好きなんだよ今の私達が、とっても心地よくって楽しくって、間違いなく私の人生で1番ね」

    ああもう!!私らしくない、でも全部言わなきゃ

    「日向君になら私の全部を見せられる、全面的に信頼出来る」

    そう、だからこそ

    「だからこそ、今はまだ変わりたくないんだ、私の独りよがりかも知れない、日向君は迷惑かも知れない、日向君は変わりたいかも知れない、でも…でも…」

    「そっか、ありがとな七海」

    日向君がおもむろにでもしっかりと話し始める

    その顔は何だか嬉しそうで、それでいて何かを歯を食いしばって耐えてるようで

    「日向君?」

    思わず聞こうとするけど、かまわず日向君は

    「ま、お前がのんびり屋なことはとっくの昔に承知だからよ、俺も付き合うさ」

    そう言いながら私に近づいてくる

    そして

    「でも、今、この時だけは俺の時間に付き合って貰うぜ」

    日向君は私をひょいと持ち上げベッドに運ぶ

    「もう、日向君ったら」

    「安心しろよ、何にもする気は無いさ、ただその恰好のまま一緒に布団にくるまって続きをしようってだけ」

    全くもう…でもやっぱりこれが心地良い

    「ほぼ裸だけど大丈夫だよな、俺も我慢するし」

    「うん、平気だよ、でもさするゲームは変えよっか」

    「何にするんだ?」

    私は人差し指を口に当てながら、ほんのちょっぴりだけ考えたあと

    「ポッキーゲームとか?」





  106. 106 : : 2019/01/26(土) 23:38:23
    おまけ6 苗木家の年末①

    「ただいま」

    ふう、久しぶりに帰ってきた、何だか何年かぶりみたいな気がするよ

    どたどたと廊下を走る音が聞こえる

    「おっかえりー!!!」

    「ただいまこまる」

    ~~

    「それで、父さんと母さんは元気してる?」

    「うん、さっきもライン来て今はアロハってるみたい」

    父さんと母さんは何やらつい先日唐突にやってきた霧切学園長からハワイ旅行をプレゼントされたらしい、何でも『これからも娘と末永くよろしくお願いします』らしい、相変わらず親バカだよね学園長

    そんなわけで今は急なことでパスポートを用意出来なかったこまるだけが留守番をし、兄妹仲良く年越しとなった

    「お兄ちゃ~ん」

    こまるが矢鱈甘えた口調で僕に近づいてくる

    ったく

    「はいはい、これだろ」

    僕はこまるにCDと色紙を渡す

    「やったー!!!ありがとう!!お兄ちゃん大好き!!!」

    そう言ってこまるが抱きついてくる、全く…現金な奴

    「にしてもさっすがお兄ちゃん!!舞園さん迷惑してなかった?」

    「大丈夫、笑顔で書いてくれたよ、舞園さんに感謝しろよ」

    「うん!!もっちろん!!」

    それにしても舞園さん本当に喜んでサインしてくれたよな、僕が渡す前からサインペン持ってたし、やっぱり必需品なのかな?

    「本当嬉しいよ!!お兄ちゃんが幸運にも舞園さんとクラスメイトになって、これだから超高校級の幸運の妹は止められないよ!!」

    「おいこら、調子に乗るな」

    「へっへっへ、調子に乗るだなんてそんなまさか、あっ、お背中でもお流ししましょうかお兄様?」

    「乗りすぎだ!!」

    それでもこまるは手を擦りながら続ける

    「まあまあ、久しぶり出し良いじゃんお礼の意味も込めてさ」

    「はあ、まあ良いけど、後でな、僕は少し炬燵でごろ寝するから」

    「えー学園のこと話してよ~楽しみにしてたんだよ!!あと彼女出来た?」

    「後にしてくれ後に、それと彼女はいないから」

    「うそっ!!高校に入ったら彼女作るんだってあんなにいきこんでたじゃんか!」

    「そんな瞬間は無いだろ、適当こくな」

    「うぎゅう、兄妹のたわいない冗談なのにさ~」

    そして、こまるが僕の横にピタッとくっつき手を回してくる

    「とにかく、楽しみにしてるんだから話してくれるまで離しはしないよ!!」

    「しゃれを言うなよ」

    「ふと思ったから言っただけだよ~深い意味は無いけど、有言実行がモットーだから離しはしない!!」

    「初耳だぞそんなモットー」

    「そりゃまあ都合の良いときだけのモットーだからね」

    ……はあ、少し休みたかったんだけどな

    「分かった分かった、話すから離せ」

    「そう来なくちゃ!」

    さて、どこから話そうかな
  107. 107 : : 2019/01/27(日) 09:03:10
    学園長すげーな
  108. 108 : : 2019/01/28(月) 22:13:31
    おまけ7 苗木家の年末②

    >>107 仁「響子のためなら私は何でもする覚悟があるからね」

    霧切「なら死んで頂戴」

    仁「それ以外で頼む!!」



    「それで?どうなったのお兄ちゃん!?」

    「うん、幸いなことに霧切さんがスイッチを見つけてくれたおかげで左右田君は水責めの罠から抜け出せたんだけど、後少し遅かったらどうなっていたことか」

    てか、こまるどんだけ聞いてくるんだよ、もう二時間はたってるし

    「へえ、やっぱりその霧切さんって人凄いんだね!!しかも学園長の娘さん何でしょ、こりゃ義姉ちゃん有力候補かな、そうだ!写真ある?」

    「あるけど、今は見せないぞ」

    「えー良いじゃん」

    「駄目だ、風呂場に落としたらおじゃんだからな、あがってからな」

    「ちょっとぐらい大丈夫っすよお兄様、なんならあっしがとってきましょうか?」

    「駄目、お前身体拭かないで行動するだろ、冬は風邪引くから、それにお前に任せたら絶対落とすし」

    全く、普通風呂でこんな話するかな?僕としてはのんびり入りたいんだけど

    「ったくケチだなぁ、可愛い妹が背中流して上げたんだから我が儘聞いてくれても良いじゃん」

    うーん、と伸びをし、口を尖らせながらこまるが抗議をしてくる

    「背中の分は舞園さんのサインとCDの分でしょ」

    「兄何だからもうちょっと妹に甘くしても良いじゃんか」

    ハアとため息を一つつき

    「ならもう上がるか」

    「でも~まだ10分ぐらいしか使ってないじゃん、烏の行水だってこんくらいじゃ」

    その時急に頭に閃光が走る

    「そう言えば話に夢中で忘れてたけど、舞園さんがクイズ番組に生出演するんじゃなかったっけ?」

    すると素早く立ち上がりながら

    「お兄ちゃん!!ハリーアップ!!もう!!!ぐずぐずしないの!!!!」

    やっぱりこいつは現金な奴だよな

    ~~

    『あらら、さやかちゃん今日はなんか調子悪くない?』

    僕達が風呂から上がるとこまるが疾風の早さでリモコンをひねると何だか調子の悪そうな舞園さんが写った

    『いえいえ、テレビの前の皆さんが応援してくれれば百人力です!!』

    するとカメラに向かって完璧なウインクを決める…!やっぱり可愛いなぁ

    「頑張れーー!!!!」

    こまるがどこからか取り出した舞園さんのうちわを振り回しながらテレビに向かって応援をしている

    「ほらほらお兄ちゃんも!!!」

    うーん、ちょっと恥ずかしいけどまあこまるしか見てないし

    「頑張れ舞園さんっ!!」

    ~~

    それからの舞園さんの快進撃は凄まじかった
    並み居る有名大出身大学出身者やクイズ王をなぎ倒し、自身の所属するチームを勝利へと導いたまさに勝利の女神のごとき活躍見せた

    そして最後にカメラに向かってこう言った

    『応援して下さった皆さんありがとうございました、特に応援に我を忘れてお風呂から上がった恰好のままの方、本当に感謝いたします!!どうぞ明日の紅白もお楽しみに!!』

    何気なく見ると、僕達の恰好は下着をつけただけで上に何も着ていない、まあ有り体に言えば風呂上りの恰好だった

  109. 109 : : 2019/01/29(火) 07:28:47
    兄妹で一緒に風呂入るのか
  110. 110 : : 2019/01/29(火) 22:24:30
    おまけ8   苗木家の年末③


    >>109 こまる「うん、別に普通じゃないの?」

    苗木「昔からだしね」


    「もうすぐ~舞園さん達の~で~ば~ん~」

    こまるがとても気分よさそうに口ずさみながらテレビを見ている

    「ほらほら、昨日舞園さんに名指しで応援よろしくされたようなもんなんだからお兄ちゃんもこれもって!!」

    舞園さんの顔がプリントされてるうちわ…

    「うーん、なんというかやっぱり恥ずかしいんだけど」

    「私しか見てないんだし、ほらほら普段は本人の手前出来ない分思いっきりやったら良いじゃん!!」

    「そう言われても……」

    「ああもう焦れったい!!」

    そう言うとこまるは僕に飛びかかり

    「さあ持って!!持って!!」

    実力行使に出た

    「ちょっ、お前いくら何でもまだ僕の方が力あるぞ」

    「いや、私知ってるんだからお兄ちゃんは優しいから妹に手荒な真似は出来ないってさ!」

    「うっ、お前なんて姑息な」

    「頭脳プレイと言って欲しいなワトソン君」

    ふっふーんと偉そうに!!

    「誰がワトソン君だ」

    僕がとにかく多少の抵抗をするために力を入れようとした時に、強くこう聞こえた

    『では、喧嘩してる兄妹もすぐに仲直り出来るくらいの歌を歌いたいと想います!!』

    それは不思議なことに耳ではなく脳内に直接響いてきたように感じた

    するとこまるも力を抜き、取り憑かれたようにテレビに吸い寄せられる

    「ほら!!お兄ちゃんもお兄ちゃんも」

    ほんの僅か前のことを忘れたように夢中にテレビを見る

    でも、僕ももうどうでも良くなった

    そして僕もテレビの前に座り舞園さんの勇姿を見る

    その優しく、清らかな歌声は耳にそして脳内に響き僕達の気分を安らかにしてくれる

    何でだろう、生でも何度聞いてるはずなのに今日は一層心に響く

    そんな夢のような時間は一瞬にして終わった

    「ふえー、やっぱり凄かったねまるで耳だけじゃなく、身体に響く感じがしたよ!!」

    「お前もそう感じた?」

    「お兄ちゃんも?」

    しばらく顔を合わせた後、どちらからともなく笑い始めた

    「何やってんの?私達!?」

    「さあな?」

    それは特に理由のないもので、それでいてそんなものが心地良い

    ひとしきり笑いあった後、こまるが思い出したように切り出す

    「そう言えばお兄ちゃん、明日初詣いつ行く?日が変わってすぐにでちゃう?」

    「うーん、そうだなぁお前と一緒だと夜は危ないし、昼過ぎにでも行くか」

    「それどういう意味?」

    「そのままの意味に決まってるだろ、おっちょこちょい」

    「お兄ちゃーん!!!」

    そうしてまたこまるが襲いかかってきたり、舞園さんの組が勝ってテンションハイになったりして、いよいよ音が響く

    ゴーンゴーンと

    「さて、と」

    僕達はなんとなく正座をお互いにしながら時計を見る

    「それではお兄ちゃん」

    「それではこまる」

    二人ぴったりに

    「「あけましておめでとう!!」」

    今年も良い年になりますように

    ~~

    ふふふ、今年もよろしくお願いしますよ苗木君、献身的な嫁の私は当然お正月は夫のもとで過ごしますからね

    ~~

    さて、邪魔な父も調教したことだし、今年は本腰入れて苗木君を手に入れるわよ、待ってなさい!!

  111. 111 : : 2019/01/29(火) 22:28:09
    これにて終了です

    これの続きの正月編も近々書く予定なので、お暇な方はどうぞよろしくお願いします

    もう季節はずれだよ的なご意見は全てその寛大で奥深い胸の中に埋没させて下さいますようお願い申し上げ、締めの言葉とさせていただきます
  112. 112 : : 2019/01/29(火) 22:37:44
    次作に期待
  113. 113 : : 2019/02/02(土) 21:52:09
    乙です!
    正月編今から楽しみです!
  114. 114 : : 2020/10/25(日) 22:10:38
    http://www.ssnote.net/users/homo
    ↑害悪登録ユーザー・提督のアカウント⚠️

    http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
    ↑⚠️神威団・恋中騒動⚠️
    ⚠️提督とみかぱん謝罪⚠️

    ⚠️害悪登録ユーザー提督・にゃる・墓場⚠️
    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
    10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
    みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
    今回は誠にすみませんでした。


    13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
    >>12
    みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
    現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました

    私自身の謝罪を忘れていました。すいません

    改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
    今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
    あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
    SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
    本当に今回はすみませんでした。




    ⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️

    http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi

    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️

    56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ごめんなさい。


    58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ずっとここ見てました。
    怖くて怖くてたまらないんです。


    61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
    お願いです、やめてください。


    65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    元はといえば私の責任なんです。
    お願いです、許してください


    67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    アカウントは消します。サブ垢もです。
    もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
    どうかお許しください…


    68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    これは嘘じゃないです。
    本当にお願いします…



    79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ホントにやめてください…お願いします…


    85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    それに関しては本当に申し訳ありません。
    若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
    お願いですから今回だけはお慈悲をください


    89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    もう二度としませんから…
    お願いです、許してください…

    5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
    ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
    本当に申し訳ございませんでした。
    元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
    私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
    今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。

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