このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
ミカサ「よろしくお願いします」エレン「」~出会い~
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- 1 : 2015/10/10(土) 20:46:46 :
- (多分)シリーズ化する作品です。
エレミカです。他カプはリクエストで。コメントに書いてください。
しかし、必ず採用されるとは限りません。執筆にも限界があるので。そこはご了承ください。
読みやすく続きが見たくなるような作品を目指しますのでよろしくお願いします。
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- 2 : 2015/10/10(土) 20:58:46 :
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___五年前、事件が起きた。
シガンシナ町には、とても仲が良いと言われる家族がいた。
父、母、娘。
家族サービスを欠かさない父。
ご近所付き合いが上手く印象のいい母。
そして、成績優秀の娘。
誰もが答えただろう。
「一番幸せな家庭はどのような家庭?」
間違いなく、皆はその家族のことを答えた。
12/25
雪の降る美しいホワイトクリスマスの日。
事件は起こった。
ガラスが割れる音が絶えず続き、壁には赤い液体。
一晩中、絶えなかった。
一家心中をしたのだ。
父は目を、ガラスの破片で刺していた。
母は、全身に、ガラスを刺していた。
娘は、頭にガラスが刺さり、髪の毛をむしり取られていた。
無惨な姿に、警察も躊躇したほどだ。
事件は、一家心中で片付けられた。
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- 3 : 2015/10/10(土) 21:07:55 :
- ___五年後
エレン「……」
エレン・イェーガーは成人式を迎えた。
今までの人生、何も苦労なく生きてきたと思う。
しかし、不満が一つあった。
【一人暮らしがしたい】
彼の職場は、実家のすぐそばだった。
両親と未だに一緒に暮らしている。
彼は思っている。成人式という行事を済ませたのだから、そろそろ一人暮らしがしたい、と。
エレン「……なあ、母さん」
カルラ「何?エレン?」
彼は頼んだ。
エレン「せっかく成人式を迎えた。俺はもう、大人だ」
エレン「だから、一人暮らしがしたい」
カルラ「……」
グリシャ「いいんじゃないか。」
カルラ「……そうね。エレンも大人だしね。いいわよ」
エレン「ありがとう」
新しい世界が、スタートした。
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- 4 : 2015/10/10(土) 21:13:34 :
彼が選んだのは、職場からわざわざ離れたアパートだった。
家よりも狭いが、風呂とトイレ付き。
家賃は月4万円。
彼の仕事では充分支払っていける金額だった。
彼の仕事は、探偵だ。
古くからの友人、アルミン・アルレルトとライナー・ブラウンと活動している。
これまでの依頼は十八件。
どれも高金額で解決している。
特に問題も起きない生き様だった。
引っ越したこれからも、そのつもりだった。
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- 5 : 2015/10/10(土) 21:32:43 :
引っ越した後も、特に変わったところはなかった。
変わったといえば、仕事までが徒歩通だったのが、バイク通になったことぐらいだ。
彼はいつも通り、職場についた。
中に入ると二人とも、もうすでに来ていた。
エレン「おはよう」
挨拶を交わした。
仕事を始めるサインとして使っている。
依頼は、来ない時がほとんどだ。
来たとしても、中途半端に終わりそうな仕事は断る。
子供も依頼に来るときがある。
真剣な者の依頼は引き受けているが、イタズラをしたい、あいつに復讐をしたい。などとふざけた依頼は返り討ちにしている。
と、まあ普通の探偵の仕事だ。
ライナーは、電話をして何か盛り上がっていた。
それを見たアルミンが、少しばかり呆れ、静かに笑っていた。
エレンは部屋の中にあるソファーに腰掛けた。
今日も、暇な一日が過ぎていくだろう。
溜め息を洩らした。
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- 6 : 2015/10/10(土) 21:40:30 :
電話を終えたライナーは、何やらご機嫌だった。
アルミン「ずいぶんとご機嫌だね」
ライナー「まあな!お前らにも嬉しい知らせだぞ」
ライナーのことだから、どうせ下らないことだろう。
彼は興味も持たず、読みたくもない雑誌を手に取りパラパラとページを捲った。
ライナー「聞いて驚けよ、合コンだ」
アルミン「……」
エレン「……」
一瞬沈黙が流れ、後は騒がしくなった。
アルミン「えええ!?合コンだって!?」
ライナー「ああ!しかも俺らと同い年の超かわいい女の子!」
エレン「……」
騒がしい二人をよそに、静かに携帯に手を伸ばした。
何か新しい興味を引かせるニュースはないか探した。
ライナー「エレン、お前も絶対参加だかんな!」
エレン「……は?」
ライナー「来てくれよ。相手も三人だからお前も誘っちまったんだよ。興味なくても、来てくれるだけでいいから。な?」
誘ってしまったのならしょうがない。
彼はライナーに腹パンをし、アルミンに向かって頷いた。
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- 7 : 2015/10/10(土) 21:58:44 :
夜になり、合コンの待ち合わせ場所へ行った。
カラオケルームだった。
こちらの方が早かったようで、予約はされていたが、まだ誰も来ていなかった。
5分が経った。
ライナー「もうすぐ来るさ」
10分後
ライナー「女は、準備に手間どうものだ」
20分後
ライナー「電車が混んでいるんだ。きっと」
30分後
ライナー「」
アルミン「騙されたんじゃない?」
ライナー「マジかよ」
元々興味のなかった彼には痛くも痒くもないことだった。
むしろ、帰れることに嬉しさを感じていたほどだ。
アルミン「じゃあせっかくだし楽しんでから帰ろうか」
ライナー「あと三時間か……男だけで」
ライナーはかなりのショックを受けていたようだった。
ショックを受けていたライナーだったが、すぐに復活し、大熱唱していた。
アルミンはライナーの歌の下手さに、大爆笑をしていた。
彼は、イヤフォンをつけて音楽を聞いたり動画を見たりしていた。
待ち合わせ時間から、一時間が経ったとき……
「遅れてごめんなさい」
女性が部屋に入ってきた。
歌っていたライナーは気づかず、下手な歌を歌い続けていた。
「あれ……間違えた…?」
アルミン「もしかして、合コンの?」
「そうです」
アルミン「あれ?待ち合わせって5時じゃなかったっけ?それと、他の二人は?」
「え?あれ……待ち合わせは6時だったはずじゃ…」
アルミン「……まさか」
アルミンはライナーのカバンを勝手に開け、乱暴に携帯を手に取った。
そして、連絡のメールのやり取りの文章を読んだ。
時間は6時だった。
舞い上がり過ぎて、見間違えたのだろう。
アルミンは大きな溜め息を洩らし、女性に向かって優しく微笑んだ。
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- 8 : 2015/10/10(土) 22:06:16 :
「あ、あとの二人はもうすぐくるは…ず………」
携帯を見た彼女の顔は青ざめていた。
トイレに行こうとしていた彼は、その内容を見た。
件名【ごめーん!】
本文
ごめんミカりんうちらやっぱ用事できたー☆キャハ一人嫌だったら約束すっぽかしてねー☆
「」
エレン「……無責任だな」
彼の声に過剰に反応し、怯えていた。
彼は、女性が非情に嫌いだ。
男とは違い、自分の意見を突き通そうとするところが一番嫌いだった。
今回も、そうだ。
一人に任せてこちらに連絡も寄越さないで約束をすっぽかした。
鬱陶しい存在。彼にとって女性とはそんな存在だった。
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- 9 : 2015/10/10(土) 22:27:12 :
- アルアニお願いします!
期待です
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- 10 : 2015/10/10(土) 22:29:16 :
トイレから帰ると、二人が質問攻めをしていた。
アルミン「へー、ミカサって言うんだ。僕はアルミン。よろしく」
ライナー「俺はライナー・ブラウン。よろしくな」
ミカサ「よ、よろしくお願いします……」
女1男3緊張するのも当たり前だ。
その証拠に、右手が異常に震えているのが目立つ。
彼は溜め息を付き、ミカサという女性を部屋から引っ張り出した。
エレン「おい」
ミカサ「な、なんでしょうか……」
エレン「あんた、帰れば?男3人の中に一人って息苦しくないわけ?」
彼女は黙りこんだ。そして言った。
ミカサ「約束は、守るべきことです」
ミカサ「約束したのですから、最後までしなければ失礼です」
囚われた気がした。目が。
真っ直ぐと見つめる彼女の目は脳の中まで貫きそうだった。
それぐらい、真っ直ぐだった。
エレン「じゃあ、あいつらに言っとくから。だから帰っていい」
ミカサ「ダメです」
彼は少し考えた。
彼女の言う通り、合コン(?)にそのまま入っても我慢……つまり不快感をずっと味あわなければならない。
何も知らない二人は、どんどん話しかけるだろう。
その度に恐怖を感じるだろう。
馬鹿だ、と思った。
意地張って怖がりに来て。
こんな女もいるのだと、彼は嘲笑した。
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- 11 : 2015/10/10(土) 22:37:41 :
- >>9 了解
彼は一つ、提案した。
エレン「じゃあ俺とどっか消えたってことにしとけよ」
ミカサ「……へ?」
エレン「俺だって一応、合コンに参加している。三人のうち一人だからいいだろ」
ミカサ「でも……」
エレン「それにお前。他の女と違って面白そうだしな」
ミカサ「……?」
頭にハテナを浮かべているが、意味がわからなかった。
結局、彼の案を使って(使わされて)二人はカラオケルームを出た。
彼が女性に興味を持つなどとても珍しいことだった。
エレン「何も食ってねえだろ。飯食いに行くか」
ミカサ「え、は、はい……」
エレン「同い年らしいし、敬語はやめろよな」
ミカサ「……」
二人は近くの居酒屋へ立ち寄った。
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- 12 : 2015/10/11(日) 17:28:33 :
- エレン「これでいいや」
彼は店のオススメAコースを選んだ。決めるのは面倒だったので、多少高いがこれを選択した。
ミカサ「じゃあ、私もそれで……」
エレン「……お前、こっち頼んだら?」
彼が指差したのは、店のオススメのBコースだった。
Aコースは酒やビールがついており、Bコースは酎ハイだった。
エレン「見た目からして、酒飲めそうじゃねぇし。料理に問題があるなら俺の食えば?」
ミカサ「……!」
彼女は驚いていた。
言ってもいないのに、自分が酒が弱いと分かった彼に感心したのだ。
ミカサ「お言葉に甘えて……」
料理が来るまで、二人は色々と話をした。
名前、生年月日、趣味……そして、職業の話になった。
ミカサ「探偵……」
エレン「さっきいた、あいつらと。」
ミカサ「なるほど。だから私がお酒苦手だと」
エレン「それは勘だったけど」
ミカサ「」
エレン「……と、言うのは冗談で。つか、今更気づいたけど、二人とも酒飲んだら帰れなくね?」
ミカサ「その時はタクシーで」
エレン「んー………」
男女二人きりだというのに、不思議と緊張は全くしなかった。
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- 13 : 2015/10/11(日) 17:35:03 :
食事を済ませ、店を出た。
エレン「なあ」
彼は酔っている。
エレン「なんでお前みたいな奴が合コン行く気になったわけ?」
彼女は少し黙り、何か考え込み、言った。
ミカサ「信じられるような人に出会えるか、と。」
意味不明な理由だった。訳がわからない。
エレン「(俺は、その中の人に入っていないのかね…… )」
タクシーを呼び、帰ることにした。
彼はタクシーの中に入るなり、すぐに寝てしまった。
ミカサ「どこへ連れていけばいいのだろう……?」
今日会ったばかりの人間だ。住所なんて当然知らない。
仕方ないので、自宅へ連れていくことにした。
タクシーの運転手は、何故かニヤリと笑った。
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- 14 : 2015/10/11(日) 17:38:48 :
- 期待!
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- 15 : 2015/10/11(日) 21:25:56 :
◆◆◆
……おかしい。
このタクシーに乗ってから、もう30分は経った筈。
どうして、私の家に着かない?
車で10分のはずだったのに……。むしろ、なぜか山奥に向かっていってる気がする。
「お嬢さん、その男は彼氏?」
ミカサ「いいえ、違いますけど。」
急に車を停めた。
「じゃあよ……」
「こういうことしてもいいよなぁ!?」
ミカサ「……っ!?」
気持ち悪い。キモチワルイ。
この男……何をしている?私を抱き締めている?
キモチワルイ。キモチワルイ。キモチワルイ。
「いい匂いだね……。このまま、抵抗したらどうなるかわかってるよね…?」
何を理解しろと?とりあえず気持ち悪いので退いてください。
ミカサ「……」
エレン「zzzzz.......」
「なぁ、一発やろうよ……。痛くないからさぁ……!」
痛みなんて、特の昔に忘れている。
私にとって、痛みなんてないものに等しい。
ミカサ「悪いですけど。そう言うのは興味ないので」
「……言うこと聞けよ」
「犯すぞ」
低い声で私を脅そうとするけれど、全然怖くない。
私は車から出た。
相手も出てきた。
「野外プレイが好みか……いいねぇ」
その気持ち悪い笑みを私に見せるな。
怒りに身を任せ、気がつくと相手は気絶していた。
地面に放り出されている。
私がやったのか………。
すぐに携帯を取りだし、「110番」を押した。
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- 16 : 2015/10/11(日) 21:34:42 :
………彼は目を覚ました。
頭がズキズキと痛む。二日酔いか……。
体を起こすと、見慣れない壁があった。
しかも、自分にはない香りが漂っている。
……いい匂いだ。
エレン「う……」
見たことのない部屋にいた。
初めはびっくりしたが、あとになり落ち着き、こう思った。
エレン「(新しいアパートだったの……忘れてた…)」
しかし、新しいアパートはこんな壁の色をしていただろうか。
疑問に思ったが、とりあえず顔を洗うことにした。
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- 17 : 2015/10/11(日) 21:45:35 :
- 扉が開いた。
ミカサ「あ……おはようございます」
エレン「」
彼は思い出した。昨日の出来事全てを。
タクシーに乗ったあとは全く記憶になかった。
当然だ。寝ていたのだから。
エレン「は……?て、ことはここあんたの家…?」
ミカサ「そう。住所も分からなかったので私の家に泊めてしまい……」
エレン「いや、ありがとう。うん。びっくりしただけだから」
彼女は牛乳とトーストをもってきていた。どうやら朝ごはんのようだ。
エレン「あ…ごめん。俺、帰るから」
ミカサ「え……あと…ちょっと、待って」
そういい、何やら騒がしく部屋を出ていった。
戻ってきた。
ベーコンエッグの乗った皿が、手元にあった。
ミカサ「ひ、一人暮らしになると……料理とか大変だし…」
「おいしく出来ているかわからないけど……」小さい声でそう付け足した。
彼はフッ……と、笑いトーストにベーコンエッグを挟み、食べた。
旨い、と思った。
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- 18 : 2015/10/11(日) 22:11:50 :
- かなり超期待!
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- 19 : 2015/10/12(月) 02:13:48 :
- 期待ですYo☆
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- 20 : 2015/10/12(月) 02:19:42 :
- 期待です
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- 21 : 2015/10/13(火) 21:57:44 :
- エレン「すまん、迷惑したな」
携帯を見ながら言った。本当に謝っている気持ちなのだろうか。
しかし、彼女はそんなことは気にせず、言葉を返す。
ミカサ「いえ、自宅の人がくるなんて初めてだったから、楽しかった。」
エレン「・・・」
こいつは、友達がいないのか?
彼は思った。
聞こうにもとても失礼なこと。聞くに聞けない。
エレン「じゃあ、俺戻るわ。あいつらも気になってるだろうしな」
ミカサ「・・・」
ミカサ「あの」
エレン「ん?」
ミカサ「よかったら、私と交際してくれないだろうか」
・・・ ・・・ ・・・ ・・・
長い沈黙が流れた。
彼は固まった。返事の前に言葉が上手く理解できなかったからだ。
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- 22 : 2015/10/13(火) 22:07:42 :
- ミカサ「…よかったら私と……」
エレン「聞こえてる!二回も言わないでいい」
ミカサ「・・・」
エレン「・・・お前、分かってるわけ?自分が言ったこと」
ミカサ「?、当たり前」
再び、長い沈黙が流れた。
ミカサ「……ごめんなさい。唐突で」
エレン「すごくな」
ミカサ「今の話は、無しで。」
エレン「……」
ミカサ「……」
エレン「……」
彼女の顔を見ると、色々考えさせられた。
付き合うのはまだ早い。そこは彼は断ろうとしていた。
しかし、彼女の瞳は潤んでいた。
何かを思い出させる、そんな瞳。
エレン「……つ、付き合うのは無理だけど。」
ミカサ「!」
エレン「彼女候補としては……、申し分ない」
つまり、お互いをよく知ってから交際をしようと言っているのだ。
ミカサ「……いいの」
疑問系なのか、終止形なのか、わからない声。
エレン「そっちこそ」
ミカサ「じゃあ、今日から」
ミカサ「一緒に住んで欲しい」
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- 23 : 2015/10/13(火) 23:41:46 :
- 期待です!!!
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- 24 : 2015/10/14(水) 00:40:18 :
- 期待
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- 25 : 2015/10/16(金) 17:34:14 :
- リヴァハンお願いします!
期待です!
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- 26 : 2015/10/17(土) 23:08:45 :
- じゃあ、今日から 一緒に期待してほしい
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- 27 : 2015/10/19(月) 06:31:19 :
- お待たせ。書くぜ。
エレン「・・・え」
ミカサ「じゃあ今日から……」
エレン「二回も言わないでいい!」
ミカサ「……ダメ?」
彼は考えた。
はっきり言って、昨日まで赤の他人だった女性をいきなり同棲など非常識ではないだろうか。
絶対、アルミンやライナーに何か言われるに違いない。
しかも、同棲など……同居もやったこともない。自分は相手を不快にさせないよう、上手くできるだろうか。
そんなことを考えていると、彼女は言った。
ミカサ「……3日。だけはダメ?」
エレン「ん?」
3日……。3日なら、二人に隠し通せるし少ない期間、気をつかえばいいだけだ。
彼は勝手に納得し、彼女に承諾の返信をした。
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- 28 : 2015/10/19(月) 06:39:14 :
◆◆◆
ミカサ「ここが、家。」
エレン「狭いだろ。俺には丁度いい」
二人では少し窮屈だが。
きっと、ガッカリするだろうと彼は思っていたが、彼女は目をキラキラと輝かせていた。
ミカサ「う、あ、うう……」
エレン「落ち着け」(笑)
ミカサ「楽しい毎日がおくれそう……」
エレン「あ、但し、あいつらにバレたら即効帰るんだぞ」
ミカサ「はーい」
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- 29 : 2015/10/19(月) 07:30:31 :
- 期待です!
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- 30 : 2015/10/19(月) 21:05:39 :
彼女は同棲させてもらう身。
自分で彼にルールを与えた。
1.私(ミカサ)がいても普通の生活通り過ごすこと。
2.何でも頼みごとを押し付けること。
3.仕事の時は完璧な家事をこなさせること。
このルールを見て、彼は思った。そして言った。
エレン「……お前ってMなの?」
ミカサ「へ?」
自分で自分を追い込むようなルールを作っている。
彼は、いじめられるのが好きなのかと感じたのだ。
ミカサ「あ!いや、……私が無理矢理言ったから、気をつかわせたくなくて……」
シューンと少し落ち込む彼女を愛しいと思った。
いかにも女らしい仕草で、彼の心は打ちのめされた。
エレン「……」
ミカサ「まずは、洗濯から。」
家事を始めたミカサを見つめて、彼は自分の母を想像していた。
……母さんも、最初はあんなに必至に家事をしていたのかな。
反抗期の時は、適当に家事をしてその癖口口うるさいと思っていたが、
適当そうに見えるのは、慣れたから。
本当は、頑張っていた。
それが、今。初めて知った苦労だった。
今さらだが、そんなことを思っていた自分が恥ずかしく思えてきた。
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- 31 : 2015/10/20(火) 21:26:30 :
- 初めて他人と生活をしたせいか、いつもより疲れてしまい早く寝てしまった。
慣れない家事を必至に彼女は行っていた。
眠りに着いたのは、午前3時頃だった。
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- 32 : 2015/10/20(火) 21:33:36 :
翌朝
彼女は6時に起床した。
三時間しか眠っていないのだ。
朝ごはんを作り、洗濯物を干していた。
彼は、その洗濯物の香りにつられて目が覚めた。
家で洗っていたときとは少し違う匂い。いい香りである。
エレン「……うま」
ミカサ「!」
朝ごはんを誉められ、舞い上がってしまったミカサであった。
エレンが出勤する頃、彼女も準備を整えていた。
彼は尋ねた。
エレン「どこに行くんだ?」
彼女は驚きの所を行った。
ミカサ「貴方の探偵事務所です」
エレン「!?」
エレン「バレたら……」
ミカサ「言わないけど、友達になったってことで」
エレン「……知らん」
冷たく突き放し、バイクに乗った。
彼女はオロオロしていた。
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- 33 : 2015/10/20(火) 21:36:31 :
エレン「……乗れば?」
ミカサ「!」
二人乗り用だ。父が念のためにと購入していたので、彼女は乗れた。
きっと、父はエレンに彼女ができたことを想像して買ったのだろう。
エレン「……行くぞ」
ミカサ「……うん」
ギュッと彼の腰を両腕で包み込んだ。
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- 34 : 2015/10/20(火) 22:35:08 :
- 期待!
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- 35 : 2015/10/22(木) 20:00:16 :
- うひょー
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- 36 : 2015/10/26(月) 22:18:06 :
正直、探偵という仕事は彼に合っていると思う。
彼の眼差しに負けない人間は大抵、依頼を引き受けている。
目は、嘘をつかない。
昔、誰かから教わった言葉である。
二人は仕事場に着いた。
ミカサ「ここが……!」
彼女は感動していた。
エレン「・・・」
彼は黙ったまま、中へ入った。
アルミン「やあ、おはよう」
ライナー「ふああぁ……」
いつも通り、この二人は先に来ていた。
ライナーの大きいあくびにつられ、アルミンも大きなあくびをした。
エレン「……今日は何か依頼来てるか?」
アルミン「あ、そうそう。実は……」
ミカサ「あの……」
ライナー「!?」
アルミン「あれ?エレンまさか成功したの?」
エレン「半分成功」
ライナー「てめぇ抜け駆け……」
エレン「黙れ。俺の勝ちだ」
ライナーは悔しそうな顔をした。
アルミン「何か、用事でも?」
ミカサ「私も……ここの仲間に入れてもらえないでしょうか?」
一瞬、沈黙が起きた。
アルミン「本当に?」
心配そうに聞いているが、目はキラキラと輝いている。
ライナー「ぜひ頼む」キラン+
ライナーの言葉に腹を立てたエレンは脛を蹴ってやった。
ライナーは悲鳴をあげていた。
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- 37 : 2015/10/26(月) 22:27:19 :
アルミン「歓迎するよ!」
エレン「……」コクリ
エレンがゆっくりと頷き、彼女は三人の仲間になった。
エレン「そうだ、依頼は?」
アルミン「ごめんごめん、話がかなり逸れたね」
アルミン「これだよ」
一通の手紙を、アルミンは差し出してきた。
妻の浮気を調査してほしい
ありがちな依頼だ。
この手は全て断っている。
今回も断ろうとした。しかし、
アルミン「気になる所がある」
手紙は二通に別れており、彼は二通目に、目を通した。
妻は私がわざわざいる日曜日に出掛ける。家に監視カメラを設置したのだが、出掛けていない。ただ、夜まで誰かと電話で話している。
アルミン「なぜ、夫の前でわざわざ出掛けるだろう?」
エレン「……」
ライナー「あれだろ、ヤキモチ妬いてほしいとか」
ミカサ「そうでしょうか」
いい香りのするコーヒーを淹れてきたミカサが言った。
エレン「最近暇だし、受けてみるか」
コーヒーをすすりながら言った。
アルミン「久しぶりの活動だね。じゃあ連絡をしておくよ」
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- 38 : 2015/11/03(火) 22:00:20 :
- 翌日、依頼人が彼らの元へ訪れた。
「私の名は、エルヴィン・スミス。職業は○○会社の社長を勤めています」
きっちりと整えられた前髪。見るだけで社長と分かる雰囲気だった。
エレン「それで・・・奥さんは今」
エルヴィン「監視カメラと私の携帯をリンクさせています。どうぞ」
依頼人が見せた画像には、確かに電話をしている女性が映っていた。
どこか嬉しそうな表情をしているのは気のせいではないだろう。
アルミン「奥さんの話の内容は分かりますか?」
エルヴィン「いや。盗聴器は今手に入れている最中で」
ライナー「……どう思う、エレン」
ライナーが、エレンに問う。
彼は暫く考え込み、目を瞑った。
エレン「いや…まず盗聴器を。いつ頃届く予定で?」
エルヴィン「約二週間後となっています」
エレン「ではこちらで盗聴器を用意しますので貴方は設置をお願いします」
エルヴィン「はい。」
その翌日、彼らは盗聴した声を聞いた。
『ああ、ありがとうございます。本当に』
『今度の日曜、どうか会えませんか?』
『では--時に---でお願いします』
エルヴィン「……」
依頼人はかなりショックを受けているようだ。
ライナー「尾行、だな」
アルミン「そうだね、折角情報聞き出せたし」
ミカサ「しかしまだ、浮気と決まった訳ではないですよね」
エレン以外の皆がミカサに注目した。
エルヴィン「……何故、そう思いで?」
ミカサ「だって、浮気相手に『ありがとうございます』なんておかしくないですか」
ミカサ「親しい人間ならば、『ありがとう』とか……」
そのことについてはエレンも同意見だ。
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- 39 : 2015/11/03(火) 22:06:05 :
彼は思った。
彼女は並みの人ではない、と。
探偵の自分と同じ推理をするとは、単に頭がいいだけか?
しかし、そうは思えない気がする。
エレン「では尾行しましょう。」
アルミン「また僕がやろうか?」
穏やかで目立たないアルミンは尾行役をしている。
尾行役と言っても今まで仕事をしたのは5.6件だが。
エレン「いや、俺がやる」
ライナー「珍しいな。コソコソすることは嫌いなんて言ってた癖に」
エレン「どうも嫌なにおいがする」
エルヴィン「……!!では、妻は……」
ミカサ「……大丈夫ですよ。解決来て見せますから」
仲間に入りたての人間の言葉だが、その場にいた者全員の緊張を少し解いた。
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- 40 : 2015/11/03(火) 23:15:18 :
- KITAIしてます
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- 41 : 2015/11/05(木) 17:05:17 :
- 楽しみに待っていますー
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- 42 : 2015/11/07(土) 20:57:17 :
ライナー「決行はいつだ?」
エレン「二日後の日曜日、待ち合わせの一時間前に待っておく」
アルミン「そんなに長く待ってると怪しまれるんじゃないかなぁ」
エレン「アルミンとは違って時間にルーズだからな、俺は。年のためだ。仕方ない」
ミカサ「では私、一緒に尾行しましょう」
アルミン「ええ!?」
ミカサ「デートっぽくしたら気づかれにくいのでは」
ライナー「……しかしな…」
アルミンとライナーは驚きに躊躇った。
エレン「いいんじゃね?」
意外にも、エレンが賛同した。
エレン自身が言うのならいいだろうと、二人も了解した。
・・・エレンが賛同したのは、自分の都合……と、言うことに誰も気づいていなかった。
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- 43 : 2015/11/08(日) 10:47:02 :
- 期待!
-
- 44 : 2015/11/08(日) 22:33:52 :
エルヴィン「では、よろしくお願いします。」
深々を頭を下げて、帰った。
・・・
何かを忘れている気がする。
エレン「・・・?」
彼はそれを、思い出せなかった。
ミカサ「・・・」
ミカサ「片付けますね…」
ミカサが隣の部屋に行った。
アルミン「なんか元気なくない?」
ライナー「疲れたんじゃないのか」
アルミン「う~ん。女性ってよく分からないからなぁ」
ライナー「おいアルミン。そんなんだからモテないんだぞ」
アルミン「自分だって彼女いない歴=年齢のくせによく言えるよ……」ボソッ
ライナー「聞こえてますよー?」(泣)
-
- 45 : 2015/11/08(日) 22:40:06 :
ミカサ「……はぁ」
彼女は一人、悩んでいた。
お忘れかもしれないが、今日が同棲生活最終日なのだ。
ミカサ「どうやって切り出せばいいのだろう」
正直、自分がいないと色々と心配なのだ。
朝ごはんはきっちり取っているか
洗濯物は溜め込んでいないか
空気の入れ換えは毎日しているか
心配することは山ほどある。
しかし、期限は今日まで。延長しようとは中々言えなかった。
彼だって、急に延長なんて迷惑だろうと思った。
ミカサ「でも、『あれ』を知られる前に立ち去った方が……」ブツブツ…
-
- 46 : 2015/11/08(日) 22:55:27 :
とうとう夜になった。
エレン「あー眠い」
ミカサ「……」
エレン「おい、入らないのか」
ミカサ「……あの」
エレン「んだよ、あー寒っ!さっさと入れよ」
ミカサ「う……」
このまま、帰ると言ったらドアを閉めるのだろうか。
ミカサ「・・・苦しい」ボソ……
エレン「なんか言ったか」
ミカサ「……」
エレン「……黙ってちゃ分かんねぇよ」グイッ
ミカサ「!」
彼は無理矢理、家の中へ入れた。
ミカサ「……」
エレン「うわお前冷た。カイロ今年買ったかな……」
温かかった。
彼の体温が
行動が
優しさが
全て温かかった。
ミカサ「……っ、あの」
エレン「なんだ」
彼は段ボール箱を漁っている。
ミカサ「今日約束の最終日、なのだけど……」
エレン「・・・」
エレン「あ」
動きが止まり、三秒後に反応した。
まさか、忘れていたのか?
エレン「感想を言わせてもらう」
ゴク
彼女は思わず生唾を飲み込んだ。
-
- 47 : 2015/11/08(日) 23:07:26 :
◆◆◆
彼はどう思っているのだろう、同棲。
私はそれなりに出来たと思うのだけど・・・
エレン「もう最高。」
・・・え。
エレン「いやもう欠点ないっつうか……うん」
……と、言うことは……?
エレン「でも、今日までありがとな」
・
・
・
ミカサ「ど、どうして・・・?」
エレン「いや完璧だった。うん、だからこそだ」
ミカサ「……?」
エレン「これ以上お前を頼ってたら自分がダメになってしまいそうだ」
エレン「そんな自分を甘やかすのは俺のやり方じゃない」
・・・そうか。…頑張りたいんだ。
エレン「でも今まで通り仕事場には来てもいいしお前の自由だ」
ミカサ「……わかった。今までありがとう……」
私は黙って帰る支度をした。
彼は私を必要しない。ここにいる意味が、ない。
彼が寛いでいるリビングを出て隣の寝室へ身支度をしに行った。
-
- 48 : 2015/11/08(日) 23:11:05 :
『ここでも』私は人の役に立てない。
自分の存在を、いつまでもさ迷っている。
頼る人もいなくなったし頼られる人もいなくなる。
最悪。
震える彼女の頭部に、何かが見えた。
続く
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- 49 : 2015/11/08(日) 23:14:25 :
- 第一話、しゅーりょー。
楽しめたでしょうか。
大好きな作家さんの文章を真似してみたんですけどまっっっっだまだデス。
次回はミカサについてエレンが迫ります。(いろんな意味で)
どうぞお楽しみにー
-
- 50 : 2015/11/09(月) 00:01:19 :
- 面白かったデス!!!!!
-
- 51 : 2015/11/09(月) 00:07:47 :
- あざま
-
- 52 : 2015/11/09(月) 00:08:49 :
- 次スレ
http://www.ssnote.net/archives/40880
-
- 53 : 2015/11/09(月) 20:30:28 :
- 面白かったデス!
次も期待デス!
-
- 54 : 2015/11/13(金) 17:37:10 :
- いいSSだった。乙
-
- 55 : 2015/11/13(金) 17:37:39 :
- いいSSだった。乙
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不思議な二人【エレミカ】 シリーズ
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