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氷と夢-アニ・ミカサ-
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- 1 : 2015/04/06(月) 18:01:55 :
- 27作目です。
色々な思いを抱えたアニとミカサのお話。
2000年の記憶シリーズ(http://www.ssnote.net/series/1973)
の本編です。
『ミカサ「アニ、落とした……」』(http://www.ssnote.net/archives/32994)
の話がベースとなっているので、本編と一緒に読んでいただけたらと思います。
誤字や脱字などあればご指摘お願いします。
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- 6 : 2015/04/07(火) 01:08:35 :
- *〔洗練された美女が眠り姫になる話〕
「私はただ、自分が助かりたいだけだよ」
苦しくて仕方がない。
いつまで兵士ごっこをしなければならないのだろう。
苦しくて仕方がない。
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- 7 : 2015/04/08(水) 01:18:55 :
- 「最近アニは変わった」
「そんなことないと思うけど」
夕焼けを背に、握られた手。
「いいえ。前は表情が乏しかったけれど、最近は微笑みをよく浮かべるようになった」
「感情を表に出すことに関して、ミカサに言われたくないね」
ミカサの温もりを感じながら解散式後のことを思う。
「あと、私のことを名前で呼ぶようになった」
「呼べって言うからでしょ」
私はこの手で殺すのだろうか。
それとも、この手に殺されるのだろうか。
「ねえ、アニは何と戦っているの」
ミカサの目は相変わらず、冷たかった。
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- 8 : 2015/04/08(水) 23:17:55 :
- 「アニ! 何となく状況はわかってる。その上で……私情を挟んで申し訳ないけど、エレンの班を見かけなかった?」
「私は見てないけど、壁を登れた班も……」
珍しく感情を表に出したミカサ。
一番に頼ってくれて、嬉しかったよ。
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- 11 : 2015/04/10(金) 13:56:31 :
- 「マルコ。本部に群がる巨人を排除すればガスの補給ができてみんなは壁を登れる、違わない?」
「あぁ……そうだけど……でもいくらお前がいてもあれだけの数は……」
「できる」
「……!?」
何のために死ぬんだ、なんて呟いていたマルコ。
あんたが希望を取り戻してくれて、心底喜んだ。
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- 12 : 2015/04/10(金) 16:50:53 :
- 『サシャとコニーだ!!』
『急げ援護!!』
「すまねえな……」
「どうも」
巨人を殺り損なったコニー。
助けられて……死ななくて、本当によかった。
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- 13 : 2015/04/10(金) 18:23:41 :
- 「おいおい、危なかったなアニ……怪我をしなくてよかったぜ本当に……」
やめてよ、ライナー。
ずっと戦士の……私たちのライナーでいてよ。
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- 14 : 2015/04/10(金) 19:29:42 :
- 「おい……お前ら……所属兵科は何にするか、決めたか?」
「俺は決めたぞ、俺は……俺は……調査兵団になる」
涙を零しながらそう決断したジャン。
なんで、あんなに憲兵がいいって、待って、行かないで。
……私が、殺すことになるから。
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- 15 : 2015/04/10(金) 20:05:46 :
- 「殺さない……のか? 何だ今の……? フードをつまんで……顔……? 顔を確認した……?」
なんで……だろうね、アルミン。
あんただと分かった途端、殺すことができなかった。
「ジャン、仇をとってくれ! 右翼側で、本当に死に急いでしまった、死に急ぎ野郎の仇だ!!」
おかげで覚悟が鈍ったじゃないか。
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- 16 : 2015/04/10(金) 20:48:53 :
*「めでたしめでたし、ってことだよ」
アルミンの話の上手さに魅せられ。
*「なんか他に聞きたいのあるか?」
ジャンの包容力に安心させられ。
「眠り姫の話、かな」
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- 17 : 2015/04/10(金) 21:28:59 :
*「アニ、ネタ見てくれ!」
コニーの必死さが輝いていて。
*「渾身のライナーベルトルトネタです!」
サシャの素直さが羨ましくて。
「もうアドバイスすることはないね……兵士なんかやめて芸人になりな」
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- 18 : 2015/04/10(金) 22:07:46 :
*「いつでも俺たちを頼れよ」
ライナーを家族のように愛してる。
*「1人にさせてごめんね、アニ……」
ベルトルトだってずっと愛してる。
「あと少しだし、大丈夫……一緒に故郷へ帰ろう」
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- 19 : 2015/04/10(金) 23:37:03 :
*「アニ、もうそろそろメイク自分でできるんじゃない?」
クリスタの手が優しいから。
*「何度も言うがアイメイクは気使うし疲れるんだよ」
ユミルの面倒見が良いから。
「ああ、これでやってもらうのは最後にするよ」
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- 20 : 2015/04/11(土) 10:12:35 :
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*「よっ! 今日の対人格闘、俺と組んでくれよ」
エレンの真っ直ぐな瞳が私を貫く。
「……まあ、及第点かな。ミカサに挑んでみれば?」
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- 21 : 2015/04/11(土) 11:20:31 :
*「もうすぐ夢の憲兵団に入れるね」
マルコの真面目さ、私には真似できない。
「そうだね。約束、したもんね……」
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- 22 : 2015/04/11(土) 13:03:45 :
- 「アニ。エレンを逃がすことに協力してくれないかな」
「このままじゃエレンが殺される!」
ああ
「あんたさ……私がそんなに良い人に見えるの?」
いつもそう
「アニがこの話に乗ってくれなかったら、アニは僕にとって悪い人になるね……」
あんたは、ずるい
「いいよ……乗った」
壁外調査でもあんなこと言うから殺せなかったんだ。
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- 23 : 2015/04/11(土) 13:25:40 :
- 「あ! あった……ここだ!」
……!
「……ここ?」
「うん、ここを通る。昔計画されてた地下都市の廃墟が残っているんだ。これがちゃんと外扉の近くまで続いている。地上を歩くより、はるかに安全だ。……アニ?」
やっぱり、気づいてたんだね……。
「何だお前……まさか暗くて狭い所が怖いとか言うなよ?」
ははっ、あんたの演技力はどう指導しても上達しなさそうだ。
「……そうさ、怖いんだ。あんたみたいな勇敢な死に急ぎ野郎には……きっと、か弱い乙女の気持ちなんて、わからないだろうさ」
これは、こんなにくだらない世界に浸かってしまった私への罰だろうか。
「……大男を空中で一回転させるような乙女はか弱くねぇよ。バカ言ってねぇで急ぐぞ!」
女の子との話し方を教えてやりたいけど……
「いいや、私は行かない。そっちは怖い……地上を行かないんなら協力しない」
それは、私の故郷で教えてあげることになりそうだね。
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- 24 : 2015/04/11(土) 14:23:10 :
- 「な……何言ってんだてめぇは!? さっさとこっちに来いよ!! ふざけてんじゃねぇ!!」
私はいたって真面目さ。
「エレン! 叫ばないで」
そしてこの3年間で、一番素直だよ。
「大丈夫でしょ? ミカサ」
こんな中でも、私は彼女の名前を呼んだ。
「さっきからこの辺には、なぜかまったく人がいないから」
あいつらに戦士だ兵士だって説教されるわけだよ。
「まったく……傷つくよ。一体、いつから……あんたは私をそんな目で見るようになったの?」
でも
「アルミン」
もう兵士はやめる。
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- 25 : 2015/04/11(土) 14:52:04 :
- 「アニ……何でマルコの立体機動装置を持ってたの? わずかなキズやヘコみだって……一緒に整備した思い出だから……僕にはわかった」
ああ、あれは私たちの
「そう……あれは……拾ったの」
約束。
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- 26 : 2015/04/11(土) 15:26:08 :
- 「……じゃあ、生け捕りした2体の巨人はアニが殺したの?」
皆の顔を見れない。
「さぁね……でも1ヶ月前にそう思っていたんなら……何でその時に行動しなかったの?」
私には、希望も見えない。
「今だって信じられないよ……きっと、何か……見間違いだって、思いたくて……そのせいで……」
「でも、アニだってあの時僕を殺さなかったから……今、こんなことになっているんじゃないか……!」
今日は静かに風が吹くね。
「……あぁ……心底そう思うよ。まさかあんたにここまで追い詰められるなんてね」
「あの時……何で……だろうね」
故郷から見る星は綺麗だったな。
「おい、アニ! お前が間の悪いバカで、クソつまんない冗談で適当に話を合わせてる可能性が……まだ、あるから……とにかく! こっちに来い!!」
また、あの星を見るために必ず帰ろう。
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- 27 : 2015/04/11(土) 15:57:17 :
- 「この地下に入るだけで証明できることがあるんだ!! こっちに来て証明しろ!!」
もう、悪魔と思えない彼らを殺すしかないんだ。
「そっちには行けない」
それでも私はやり遂げてみせる。
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- 28 : 2015/04/11(土) 16:52:11 :
「私は……戦士に成り損ねた」
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- 29 : 2015/04/11(土) 17:23:44 :
- そんな悲痛そうな顔したってもう駄目だよ。
私はもう兵士じゃないんだから。
「だから……!! つまんねぇって言ってるだろうが!!」
エレンの瞳は……そう、目に突き刺さるような翠だったね。
あんたの巨人に対する気持ちがそのまま私に突き刺さるようで、好きじゃない。
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- 32 : 2015/04/11(土) 19:45:03 :
- 「話してよアニ!! 僕達はまだ話し合うことができる!!」
アルミンの瞳は、透き通った蒼。
自分の全てを見透かされていると思うほど、透き通っていて……やっぱり好きじゃない。
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- 33 : 2015/04/11(土) 20:15:25 :
- 「もういい、これ以上聞いてられない」
ミカサ
「不毛」
あんたの瞳が一番好きじゃないよ。
「……もう一度ズタズタに削いでやる」
「女型の巨人!!」
いつだって冷たい氷のような目をしてるから。
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- 34 : 2015/04/11(土) 20:57:16 :
- そんな目で私を見ないでよ、悲しいよ……
「……あはは! ふふ、ふふっはは! あはははは!」
でも、私は『正しい』あなた達を見なくていいの!
だってバレちゃったんだもん。
私は、壁内の人類にとっては極悪人で
孤独で
臆病だけど
もう嘘をつく必要なんて無い!
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- 35 : 2015/04/11(土) 21:39:22 :
- 「アルミン……私があんたの……良い人でよかったね」
あんた達が教えてくれた話に出てくるお姫様も、皆良い子だったね。
私はか弱い乙女、アニ・レオンハート。
「ひとまずあんたは賭けに勝った」
はーあ、なんて清々しい気持ちなの。
もうこそこそしなくていいなんて、素晴らしいね。
「……でも、私が賭けたのはここからだから!」
何としてでもエレンを奪って、帰る!
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- 36 : 2015/04/11(土) 22:26:03 :
- 手を噛み切ろうとしたとき、乾いた音がした。
信煙弾だ。
「っ!!」
腕、足は捕まえられた。
口も布で縛られた。
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- 37 : 2015/04/11(土) 22:58:10 :
- あーあ。
これじゃあ噛めないね。
でも、大丈夫。
大好きなライナーとベルトルトがくれた秘密の指輪があるから。
肌身離さず持っててよかった。
ようやくこの指輪の使命が果たせるね。
私も、自分の使命を果たさなきゃ。
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- 38 : 2015/04/11(土) 23:14:05 :
- 「あの指輪は……」
『自傷行為はよくない』
『っ! こ、これは』
ああ、ミカサにこの仕掛け見られてたんだっけ。
でもさぁ
「くっ……!」
もう遅いよ。
「ミカサ!?」
「一歩……遅かった……!!」
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- 39 : 2015/04/11(土) 23:35:54 :
- 閃光とともにに鳴り響く轟音。
『女型の巨人と思わしき人物を見つけた』
『彼女の名は』
私は踊る。
「アニ!!」
エレン、人間としての名前を呼んでくれてありがとう。
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- 40 : 2015/04/12(日) 09:27:11 :
- *「ねぇアニ。私にもそれ、教えて」
ミカサの強さには敵わないよ。
「この技は人間用なんだ。あんたに必要あるとは思えないけど。ただ……猛獣に通用するかどうか興味はある」
あの時確信したんだ。
あんたには勝てないって。
いや、今となってはエレンを奪えないことを、かな。
エレンが絡んだ途端ああなるミカサは正直怖かったよ。
私に怖いって思わせるのは対したもんだ。
今まであんたと……リヴァイ、だっけ。
あいつしかいないよ。
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- 41 : 2015/04/12(日) 10:08:47 :
-
【なぁ……アニ、お前……何のために戦ってんだ】
「ガァ゙ア゛ア゛ア゛!!」
「ア゛ァ゙、ヴァ゙ア゛ア゛ア゛!!」
【どんな大義があって、人を殺せた】
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- 42 : 2015/04/12(日) 10:41:13 :
- 痛い……!
ダメだ、駄目だ!
エレンを奪って帰るなんて、無茶だった。
どうして私は仲間を信じなかったんだろう。
大人しく地下を通って、何もないことを証明して、3人でやればよかった……!
私はよく知っていたはずだ。
エレンはどうしようもなく巨人を憎んでいて、どうしようもなく執拗い奴だってことを。
ごめんなさい、ライナー。
ごめんなさい、ベルトルト。
2人を置いて故郷に帰ることを赦して欲しい。
我が儘だってわかってるけど。
もうこうするしかないんだ。
ごめんなさい。
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- 43 : 2015/04/12(日) 11:00:44 :
- 壁を登って、エレンを振りほどいて、壁を登って……
がつん!
私はこの音を知っている。
この3年間で、何度も聞いた。
悪魔達を絶滅させるために学び、自らも命を預けた
立体機動装置のアンカーが壁に刺さる音だ。
「行かせない!!」
ミカサ……!
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- 44 : 2015/04/12(日) 11:22:13 :
- 右指が切断され、左手の力だけで壁にぶら下がる。
そしてすぐに左指も切断された。
……そこまで敵意に満ちたあんたの瞳は初めて見るよ。
ああ、人間に対しての敵意じゃなくて巨人に対しての敵意だからか。
冷たいね、本当。
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- 45 : 2015/04/12(日) 12:30:24 :
- 彼女は私の鼻に着地する。
「アニ、落ちて……」
ミカサ……?
……あんた、そんな顔するんだね。
びっくりしたよ。
さっきから言い続けた冷たい目っていうのは撤回する。
だって、私に対して、こんなに……
あんたの手みたいに、暖かい目をしてるんだもん。
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- 46 : 2015/04/12(日) 13:39:59 :
- 『父さんだけは、お前の味方だ!』
はは、空ってこんなに綺麗だったっけ。
「まずい、中身も食われるぞ!」
マルコが言った通り、ここは素敵な世界かもしれないね。
「エレン、よせ!」
私もこの素敵な世界で
「エレン!」
純粋に踊りたかったなぁ
【俺は……自由だ!!】
戦士じゃなくて、兵士として。
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- 47 : 2015/04/12(日) 14:15:05 :
- 『だから約束してくれ……帰ってくるって……』
ミカサ、あんたは暖かい。
だけど2つ、残念なことがある。
哀しみと冷たさが混じってる。
仕方ないね。
こんな私に暖かさをくれた恩返しだよ。
『哀しみ』と『冷たい氷』の部分を私が奪ってあげる。
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- 48 : 2015/04/12(日) 15:22:44 :
- ……泣くのは久しぶりだな。
でもミカサの哀しみを奪ったんだから、涙がでるのは当然だね。
エレン……私を食べないの?
今まで神様は私に意地悪ばかりしてきたけど
最後の最後にくれた慈悲かな。
いや、エレンのことだからきっとこれも無自覚だろうね。
あんたがくれた時間で、冷たい氷も使うことにするよ。
プレゼントありがとう。
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- 49 : 2015/04/12(日) 15:46:30 :
ありがとう、ミカサ。
私に夢を見させてくれて。
『アニ!!』
〔いばらの城は閉ざされ、美しいお姫様は誰にも邪魔されることなく2000年の眠りにつくのでした〕
-END-
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- 50 : 2015/04/12(日) 16:40:17 :
- 凄い…それぞれのキャラの気持ちに共感できる…
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- 51 : 2015/04/12(日) 18:00:27 :
- >>50
りお
そこまで感じてもらえるなんて嬉しいっ!
ありがとう!
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- 52 : 2015/04/12(日) 18:04:23 :
- ここでシリーズの一旦の区切りです。
今までの話に関連するキーワードを全部詰め込んだのにはお気づきでしょうか?
よければ探してみてくださいね!
また、『慈悲』と『戦士は踊る』というのは原作でのサブタイトルです。
アニ誕のためにSSを書こうと思って1月からここまでくるとは思いませんでした。
あと1つ話がありますが、今までは原作寄りかつ明確なCPがなかったのに対してがっつり捏造の超マイナーCPなのでそれが嫌な方はあまりおすすめしません。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!
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2000年の記憶 シリーズ
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