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無自覚プレゼント-アニ・エレン誕-

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  1. 1 : : 2015/03/30(月) 00:00:00
    24作目です。

    エレンの誕生日を祝うお話。

    2000年の記憶シリーズ(http://www.ssnote.net/series/1973
    の本編です。

    お手数ですが、話を把握していただくために上記のシリーズをご覧頂けると嬉しいです……!


    誤字や脱字などあればご指摘お願いします。
  2. 2 : : 2015/03/30(月) 00:02:09
    わーいアニ誕に続き、00:00:00投稿成功しました(*´∀`)

    それはともかく、最初からシリーズを読まないと何のことやらな内容になっていますのでお気をつけくださいませ。

    それでは、どうぞ!
  3. 3 : : 2015/03/30(月) 00:07:58
    *〔可愛い女子が可憐な女性になる話〕


    「1! 2! 3! エレン、ダメだダメだ。音をよく聞け!!」

    「アニ、もっと柔らかく」

    ジャンとマルコによる厳しいダンスレッスン。

    こんなのが何時間も続くと、最初よりもできるようになるのは当たり前である。
  4. 4 : : 2015/03/30(月) 00:37:06
    「うん、2人とも最初に比べたら随分いいよ! 少し休憩しようか」

    休憩、という言葉にアニとエレンは安堵する。

    「あ゙ぁ゙ーづがれだーー」

    「暑苦しいよ」

    「ジャンのやつ厳しすぎだろ……」

    「……まあ、正直マルコの人格が変わるとは思わなかったね」

    ジャンはエレンに、マルコはアニについてそれぞれダンスを教えていた。
  5. 5 : : 2015/03/30(月) 01:31:48
    「え、人格変わってた……?」

    「おう、踊ってるときアニのことバシバシ叩いてたぞ」

    「エレン……俺が教えてやってるときによそ見とはいい度胸だな? まだ踊る元気があると思っていいか?」

    「いや、なんかアニに目がいったというか」

    無自覚とは恐ろしい。

    「……エレンの馬鹿」

    「えぇ……ごめんアニ……」
  6. 6 : : 2015/03/30(月) 04:05:11
    生徒2人が水を飲み込んだことを確認して、先生2人は立ち上がる。

    「始めるぞ! つってもお前ら自身の基礎はかなりできてきたから、次は2人で踊る練習だ」

    「僕がエレンと、アニはジャンと踊るよ」

    「今まではステップを教えていたが、今度は互いの気持ちを教える」

    「お互いが踊りやすくしていくことで、1つの綺麗なダンスができるんだ」

    「上手な俺らがパートナーとしてアドバイスしてやるんだから、しっかり話聞けよ!」
  7. 7 : : 2015/03/30(月) 14:26:50
    「エレン、芯をしっかり意識して。男性側が女性をリードするんだ。自分が中心になると同時にしっかり相手を支えられるようにしなきゃ」

    「おいアニ。男から離れるな。男に原因があるにしても、そのズレをフォローしていくのが女の仕事だ。先に動かない、男の動きを待つ。これが基本だ、いいな?」

    こうした練習が2時間続いた。
  8. 8 : : 2015/03/30(月) 14:46:27
    「おう……上出来だな。エレンとアニで踊れ。最後の仕上げだ」

    「2人にしかない踊りを作ってね。頑張って!」

    相変わらず続いているジャンとマルコのスパルタレッスンも、終わりを迎えようとしていた。


    「……あんたさ、何でこんなことしてるか聞いた?」

    「ん? ああ、解散式の前日にある舞踏会……プロムナード、とかいうやつのためだろ」

    アニはそう、と呟いて踊りに集中した。

    確かに卒業時の一大イベント、プロムも近いが本当はエレンの誕生日会のためである。

    本人には秘密、という約束なのでどう伝えられているのかだけ知りたかったのだが

    「あのさ……いや、なんでもない」

    色々気をつけなよ、なんて言えなかった。

    「おう?」
  9. 9 : : 2015/03/30(月) 15:25:45
    「計画確認第一!」

    『ウィッスッ!』

    アルミンの掛け声に、男子寮の一室にいる(ほぼ)全員が応える。

    「一! 部屋に入る直前のエレンを捕まえる!」

    「二! ライナーが捕まえた瞬間、僕が目隠しをつける!」

    「三! ベルトルトとライナーに抑えてもらっている間、素早く手錠をかける!」

    「四! コニーが手錠をかけたのを確認したら……服を脱がせる!」

    「五! マルコが脱がせ終わったら、服を着させる!」

    「六。アルミンが服を着させたらホールの目の前まで担いでいく……」

    「ジャンもっとやる気出してー」
  10. 10 : : 2015/03/30(月) 15:59:04
    「計画確認第一!」

    『ウィッスッ!』

    クリスタの掛け声に、女子寮の一室にいる(ほぼ)全員が応える。

    「いち! 皆で料理を運ぶ!」

    「にー。ミーナがケーキを運び終えたらレッドカーペットを敷く」

    「さん! ユミルがレッドカーペットを敷いたら音楽をかける!」

    「よん。クリスタが音楽をかけはじめたら花びらを持って入口に向かう」

    「ご! アニのスタンバイが終わったら男子に合図を送ります!」

    「ろく……サシャから料理を守る」

    「ミカサひどいですよ~!」
  11. 11 : : 2015/03/30(月) 16:41:58
    エレンが近づいてきたのを確認して、サシャとコニーは合図を送りあった。

    「104期、戦闘用意!! 目標、目の前! エレン・イェーガー!! これは好機(チャンス)だ、絶対逃がすな!!」

    「エレン……久しぶりですね」

    「あ? お前らなんでそんなかっこぅお!? ライナーなにすんだよやめ、おまっ!!」
  12. 12 : : 2015/03/30(月) 17:30:35
    こうしてタキシードを着た男子と

    華やかなドレスを身にまとった女子の

    誕生日パーティーが始まる。


    「こっちは大丈夫です!」

    「よし、エレン行ってこい」

    「わ、ジャン、押すなって!!」

    ドアを開けると、そこはダンスホールでした。
  13. 13 : : 2015/03/30(月) 17:52:39


    『エレン、誕生日おめでとう!』


    「……お、おー、ありがとう?」

    「なんで疑問形なんだよ」

    コニーが笑いながら突っ込む。

    「突然過ぎて反応が……」

    「ふふ、それではダンスパーティーを始めましょー!」

    ミーナをきっかけに、全員男女のペアになって踊りだした。
  14. 14 : : 2015/03/30(月) 18:23:08
    「よろしくね、アルミン!」

    「うん、ミーナのドレス素敵だね」


    「ミカサ、手柔らかに頼む」

    「私は強い……ライナーも強い、ので大丈夫」


    「クリスタと俺ならバランスいいな」

    「うん、コニーとなら上手に踊れるよ!」


    「足踏んだら殺すからな、マルコ」

    「ふふ、アニに踊りを教えたのは僕だよ? ユミルをちゃんとエスコートするからね」


    「おお、私の身長でこんなに差があるのはベルトルトくらいですね!」

    「僕からしたらサシャも小さいからね。よろしくね」


    「お手をどうぞ、アニ」

    「エレン……踊りだけじゃなくて女の子との話し方も覚えたみたいだね」


    それぞれペアとの個性を出しながら、各々の踊りを魅せていた。

    忙しい中、練習していたのはアニとエレンだけではなかったのだ。
  15. 15 : : 2015/03/30(月) 18:49:19
    1曲が終わり、食べ物に直進する人とそのまま2曲目に入る人に別れた。

    食べ物に直進したのはサシャとコニーだけで、相手がいなくなった者同士でベルトルトとクリスタが踊り始める。

    「そういえばさっき、自分のこと女の子って言ってたけどよ」

    「……はあ、文句でもあるの?」

    周り以上の特訓を積んだ2人は、しっかりと踊りながら喋ることができた。

    「いいや。今のアニはどっちかっつーと“女性”って感じだよ」

    アニは呆気にとられる。

    「……無自覚ってこれだから」

    「なんでだよ。ドレスきて化粧? もして、十分“可憐な女性”って感じするぜ」

    「誰から教わったの」

    こんなエレンがこんな異性に対するこんな表現を知っているとは思えなかった。
  16. 16 : : 2015/03/30(月) 19:08:37
    「あー? 別に教わったとかはねえけど……ああ、アルミンが読んでた本に出てきたやつにそっくりなんだよ」

    納得したアニはそれ以上何も聞かなかった。

    「それにしても、どうやって踊る組み合わせ決めたんだ? うまくできてるよな」

    「身長とか体格が合う人……と、髪色。同じ色にならないようにしたらしいよ」

    それ以降は踊りに集中した。
  17. 17 : : 2015/03/30(月) 19:31:35
    4曲目が終わった頃、食べ物に向かうものが多くなった。

    「お疲れ」

    窓際で涼んでいるアニに、エレンは自分が持っているものと同じ飲み物を差し出す。

    「どうも」

    「それにしても、アニを追い越せねえな」

    「何の話?」

    グラスを傾けながら顔をしかめる。
  18. 18 : : 2015/03/30(月) 20:02:35
    「もう少しで追いつけると思ったらお前が先に誕生日迎えちゃうしよ」

    「はぁ。まあそうだね。ちょうど1歳違うから」

    「格闘だって、この訓練所内だったらほとんど負けねえけどアニには勝てない」

    「私が教えてるから当たり前だよ」

    「いろんな意味で、お前の横に並べる日は来なさそうだよな……」

    らしくない弱気なエレンにアニは微笑んだ。

    「エレン、踊ろう」

    「えっ!? アニ引っ張んなって! 服が破けちゃうだろうが!」

    「私に合わせることくらい、できるでしょ」
  19. 19 : : 2015/03/30(月) 20:44:15
    料理を皿に移しながら、ジャンとマルコは2人を見ていた。

    「おお、息合ってるね」

    「動きもいいな」

    「わぁ、ワンピース……!」

    近くにいたクリスタも思わず息を漏らしていた。
  20. 20 : : 2015/03/30(月) 21:02:56
    「よく知ってるね!」

    「ワンピース? 服じゃないのか?」

    「2人で1人のような、一体感に溢れたダンスをワンピースっていうんだよ」

    「へえ。俺でさえ知らなかったのに、すげえなお前」

    「あっ……うん、昔聞いたことがあって」

    それより、とクリスタは自分に向いた視線を踊りに戻させる。

    「コンタクトもばっちり、音楽ともすごく合ってる……これはプロムのペア、1組決定かな」

    「どうだろうね、ジャン?」

    「あ? まあその方がミカサと踊れる可能性もあるな」

    「ふふ、そうだね」
  21. 21 : : 2015/03/30(月) 21:16:56
    全員着替え、会場の後片付けも終わり食堂に集まっていた。

    「じゃあ最後は主役のエレンに締めてもらおうか」

    アルミンがエレンを前に押し出す。

    「えーと……皆、今日はありがとうな! すげえ楽しかった」

    「きっと、一生忘れない夜になると思う」


    「本当に皆ありがとう!」


    食堂は拍手と声援に包まれた。
  22. 22 : : 2015/03/30(月) 21:27:29
    食堂の外にある階段。

    ここには3人しかいない。

    「エレン、アルミン。これ」

    ミカサが四角い箱を取り出す。

    「これ……指輪か?」

    エレンは目を丸くさせ

    「わあ、すごいね! 黄色……トパーズ?」

    アルミンの瞳はキラキラと輝いていた。

    「本物ではない。けれど、誕生石の色をいれた指輪」

    「2人と私はずっと一緒ということ」

    優しく微笑むミカサにつられて全員が笑顔になった。
  23. 23 : : 2015/03/30(月) 23:39:17
    「ありがとな、ミカサ!」

    「とっても嬉しいよ」

    「実はアニが相談にのってくれて、一緒に買いに行った」

    2人はきょとんとして事の真相が気になった。

    「え、アニが?」

    「すげえな、なかなか想像つかねえよ」

    「ので、私だけじゃなくアニにもお礼を言って欲しい」
  24. 24 : : 2015/03/30(月) 23:56:18
    「“女子デビュー”ってこれだったんだね!」

    「……まあね」

    「アニ」

    食堂にミーナと残り、お喋りしていたアニに声をかける。

    「ミカサ……と2人か」

    「俺らをおまけみたいに言うなよ」
  25. 25 : : 2015/03/30(月) 23:57:12
    アルミンは指輪を取り出した。

    「アニ、これミカサと買いに行ってくれたんだって? ありがとう!」

    「私はミーナに言われてただついていっただけだよ。選んだのはミカサ」

    「アニったら、そんなこと言っちゃって! 楽しかったくせに~!」

    「うるさいよ」

    「そんなにミカサと仲良かったんだな」

    「別にそこま「そう、私とアニは卒業まで約束した仲」

    言い切る前に声を被せる。
  26. 26 : : 2015/03/30(月) 23:57:32
    「何言ってんのあんた」

    「ええ、そうなのアニ!?」

    「っていうか卒業まででいいのかよ!」

    「あはは……あ、エレンまだここにいて! 男子寮片付けなきゃちょっとひどいから!」

    突如走り去ったアルミンの言葉にエレンはクエスチョンマークを浮かべていた。

    「きっとエレンを拘束する道具を片付けに行った」

    「は!?」

    「私達も女子寮にある道具を片付けなくちゃ……ミカサ、行こっか」

    「……それじゃあアニ、あとはよろしく」

    「あ、うん……」
  27. 27 : : 2015/03/30(月) 23:57:57
    「エレン、ごめん」

    「何がだ?」

    「プレゼント。用意してなかった……」

    「ああ。いいよ別に。俺だってあげれてねえし、それに」


    「俺と踊ってくれたことがプレゼントだから」


  28. 28 : : 2015/03/30(月) 23:59:59
    「……無自覚って本当めんどくさい」

    「だから何がだよ?」

    「いや、それなら私も貰ったことになるなって思って」

    「それもそうだな」

    「無自覚なプレゼント、どうも」

    「こっちこそ、ありがとうな!」


    〔Happy Birthday Eren!!〕

    -END-
  29. 29 : : 2015/03/31(火) 00:14:17
    ものすごくほのぼのと楽しい感じが涌き出るような作品で、自分も踊りたくなりました!笑
    これからも、素晴らしい作品をどんどん書いて下さい!
  30. 30 : : 2015/03/31(火) 02:09:05
    >>29
    進撃sunnyさん

    そういって頂けて光栄です、是非一緒に踊りましょう!笑

    ありがとうございます。
    拙い文章ですが、これからも頑張らせていただきます!
  31. 31 : : 2015/03/31(火) 09:38:25
    とっても良かった!毎回表現とかも上手だし『無自覚なプレゼント』っていう発想も良かったよ!
    これからも期待だよ!
  32. 32 : : 2015/03/31(火) 13:19:08
    >>31
    りお

    ありがとう、いつも応援してくれるからまた次も書こうって気持ちになるよ(*´∀`)
    エレンほど無自覚が似合うキャラはいないね!w
  33. 33 : : 2015/03/31(火) 16:07:50
    >>32確かにwコニーとかは無自覚っていうかやらなさそうw次も期待だよ♪
  34. 34 : : 2015/03/31(火) 22:28:57
    >>33
    りお

    気づかなそうだし誰かが教えてもそれまで覚えてなさそうだよねw
    ありがとう!

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著者情報
Liebeschon1104

咲*

@Liebeschon1104

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2000年の記憶 シリーズ

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