このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品はオリジナルキャラクターを含みます。
BIOHAZARD the last resistance chapter1 Escape
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- 1 : 2014/10/07(火) 16:01:28 :
- ─日本 東京都 ???─
今が何時なのかもわからない… 外からは生物災害を伝えるサイレンがけたたましく鳴り響く。
鉄格子から漏れる月明かりから、かろうじて今が夜であることは分かる。
こまる「お父さん… お母さん… お兄ちゃん……」
わたしの名前は「苗木こまる」。「超高校級の幸運」である…「苗木 誠」の妹だ…。
こまる「もう… お兄ちゃん… こんな時に…修学旅行だなんて…」
─3日前─
苗木父「行くぞ…」
苗木母「えぇ。」
こまる「お父さん…お母さん…行っちゃうの?」
苗木母「ゴメンね…こまる。 お母さん達…どうしても研究所に行かなきゃならないの…」
苗木父「ゴメンな… すぐに迎えに来てやるから…大人しくここで待ってるんだぞ…」
こまる「イヤだよ… こわいよぉ…」
苗木父「大丈夫だ。 すぐに戻って来るから…」
苗木母「あなた…早くしないと…」
苗木父「分かってる… じゃあな。 こまる。」
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- 2 : 2014/10/07(火) 16:11:20 :
- ─現在─
こまる「お父さん…お母さん…早く迎えに来てよぉ……」
こまる「お兄ちゃんもこんな時に修学旅行だなんて! サイッテー!」
お兄ちゃんが入学式の日に…いきなりわたし達の家に手紙が届いたのだ…
「苗木 誠殿は 我々希望ヶ峰学園が責任を持って『修学旅行』へ連れて行くこととなりました。
なお、この事に関し、一切の質問にはお答え出来ません。
ご了承下さい。」
─ファイル 『修学旅行のお知らせ』を手に入れた。─
こまる「修学旅行について質問は一切受けられないなんて…変な話だよね…」
こまる「もしかして… お兄ちゃん…一人だけで逃げちゃったのかなぁ…?」
こまる「うぅ… お兄ちゃんのバカ…」
一人でわけもわからず混乱していると…
ドアをノックする音が聞こえた。
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- 3 : 2014/10/07(火) 17:08:28 :
- こまる「お父さんかな? お母さん? それともお兄ちゃんかな?」
こまる「はっ…!」
脳内に数日前のニュースが頭をよぎった。
『こちら現場から中継です!! 現在、暴徒化した住民に対し、自衛隊および、SITが対策にあたっています!!!!!!
暴徒化した人物に噛みつかれると非常に危険です!! 見かけた方は速やかに避難を…!』
こまる「もしかして… その暴徒化した人とかかも…」
キッチンから包丁を1本取り出した。
─出刃包丁─
肉や魚を切るために使う包丁。刃が厚く丈夫な上に、切れ味もいい。
こまる「自分の身は… 自分で守らないと……」
バン!!
明らかに穏やかな入室でない音が玄関から聞こえて来る。
そして、重々しい足音が近づいて来る。
こまる「ど…どうしよう… 隠れなきゃ…!」
>>4
隠れる場所
押し入れ
ベットの下
ベランダ
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- 4 : 2014/10/07(火) 17:13:40 :
- 押し入れ!!
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- 5 : 2014/10/07(火) 18:00:55 :
- こまる「か…隠れなきゃ…!」
急いで押し入れに駆け込んだ。
足音は尚も続いている。
こまる(早く帰ってよ…!)
天に向かって祈るしかない。
僅かに空いたすき間から覗いて見ると…
こまる(な…何アレ…!?)
??「……」
思わず声を出しそうになった。
3mはあろうかというコートを羽織った大男が窮屈そうに部屋の中を探している。
こまる(お願い…! 気づかないで…!)
しばらくして、諦めたのか、部屋から大男は出ていったようだ。
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- 6 : 2014/10/07(火) 18:48:17 :
期待!! ワクワクしてキタ!!
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- 7 : 2014/10/07(火) 21:56:05 :
- 今回の大男はSH:DPのブギーマンみたいですね。
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- 8 : 2014/10/07(火) 22:45:53 :
- タ○○ント?
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- 9 : 2014/10/08(水) 08:30:37 :
- こまる「……」
大男が部屋から出たあと、押し入れから出ることにした。
こまる「もしかして…アレが『暴徒化』した市民なのかなぁ…?」
大男が部屋へ入る時に、玄関の扉は破壊されていた。
こまる「外に… 出られる!」
そして、息を飲んだ。
こまる(まだいる…!)
大男はマンションの廊下を見回している。
こまる(逃げなきゃ…! 隠れながら…)
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- 10 : 2014/10/08(水) 16:31:34 :
- こまる(なんで…? なんでわたしがこんな目に…)
こまる「エレベーターだ…!」
こまる「あ…1階で止まってる…」
エレベーターのスイッチを押し、ランプが1個1個右へ移動していく。
こまる「はやく…はやくしてよ!」
あと2階…というその時!
こまる「…!!」
大男と目が合ってしまった。
大男「……」
こまる「あ…あぁ…」
こまる「開いて!! おねがい!! 早く!!!!」
鉄の扉を夢中で叩く。
大男は静かに忍び寄って来る。
ポーン!
到着を知らせる電子音が鳴るや否や。転がり込むようにエレベーターに乗り込んだ。
扉が閉まり。大男の姿は見えなくなった。
こまる「ふぅ…」
その時…!
激しい音と共に、あの大男の拳が扉を突き抜けてきた。
こまる「きゃあああああああ!!」
金属が曲がり、軋む音が響く。
こまる「イヤっ!! 来ないで!!!!」
思い切り出刃包丁を大男の拳に突き立てた。
大男「ゴォオッ!?」
大男の拳は引っ込み、エレベーターは通常の作動へ戻った。
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- 11 : 2014/10/08(水) 20:03:26 :
- ヤベェ…ドキドキした。こまるは第二の主人公補正で死にませんよね?
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- 12 : 2014/10/09(木) 08:35:51 :
- こまる「なに…コレ…?」
まるで戦争でもあったかのようだ。
ビルは傾き、今にも倒れそうで…道端にはクラッシュした車。所々で火災も発生している。
こまる「どうしよう…? とにかく逃げなきゃ!」
遠くからは銃声まで聞こえてくる。最近まで平和だった日本とはとても思えない。
─東京 とある大通り─
立ち並ぶ赤色灯。その向こうから静かに光を放つフラッシュライトの数々。
警察官「『暴徒化』した一般人に告ぐ!」
警察官「今すぐ進攻を止めて投降せよ! さもなくば銃撃を開始する!!」
警察官「進攻を停止せよ!」
「 ウァアアアア…」「オオオオ…」 「ア"ア"ア…」
警察官「繰り返す!! 進攻を停止せよ!!」
暴徒は進攻を止めない。言葉が通じているのかさえ怪しい状態だ。
警察官「撃て!! やっちまえ!!!!」
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- 13 : 2014/10/09(木) 17:50:56 :
- 押し寄せる『暴徒』に向かって銃撃が開始された。
しかし、『暴徒』は怯む事なく…と言うより、まるで痛みを感じないかのように迫って来る。
SIT隊員「クソッ…クソッ…クソッ…クソッ!!!!」
「うわぁああああああ!!!!!!」
「あああああああああ!!!!!!」
警察官「ひ…怯むな!! 撃て!! 」
警察官「うわ!! や…やめろ!!!! クソッ! ぎゃあああああああああああ!!!!!!」
銃声は何時しか断末魔に変わった。
そして、後には食い散らかされた隊員が残っていた……
だけではなかった。
隊員「…」
『それ』はムクリと起き上がると…
隊員「アアア…」
警察官「オオオオ…」
『暴徒』へと変貌を遂げた。
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- 14 : 2014/10/09(木) 21:22:28 :
- ─東京 ガーディアン製薬社員寮前─
こまる「逃げなきゃ…! 早く!」
こまる「どっちに逃げればいいんだろ…? なんか戦争の後みたいになってるし……」
道に出て逃げ道を模索する。コートの大男はもう追いかけて来ないようだ。
こまる「火事だ… 何があったの!? 一体…」
暗い空とあちこちから上る火事の煙。たまに銃声も聞こえてくる。
こまる「歩いていくしかないのかなぁ…?」
こまる「そうだ! 家にある自転車があれば…!」
父がたまに使う社員寮にはよく、着替えや差し入れを持って行ったので、家への道はよく分かる。
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- 15 : 2014/10/09(木) 21:36:04 :
- こまる「えっと… ここを右…だよね? 町中メチャクチャで何が何だか分からないよぉ…」
町は、なんとかそれが自分が住み慣れた町であると理解できる程度にまで荒廃していた。
こまる「一体どうしてこんな…?お父さんがわたしを置いて行ったのも関係あるのかなぁ…?」
家までの道のりで、倒れている少年を見つけた。
こまる「誰か倒れてる…!」
こまる「ねぇ…きみ!大丈夫?ねぇ…こんな所にいたら危ないよ?」
ところが、いくら揺すってもまるっきり反応がない。
こまる「し…死んじゃったのかなぁ……?」
諦めて家に自転車を取りに行こうとしたその時であった。
少年「グァアアア!!!!」
こまる「えっ!?」
突然。掴みかかって牙をむいて来たのだ。
少年「ガァアアアアッ!!!!」
こまる「ちょっと…!やめて!落ち着いて!」
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- 16 : 2014/10/09(木) 22:11:41 :
- 少年は腕が折れそうな力で掴みかかり…
こまる「いやっ!! 痛いよ…! やめてよ!」
ガリッ!!!!
思い切り腕を噛まれた。
こまる「ああああっ!?」
こまる「このっ!」
思わず包丁で切りつけてしまった。
少年「ガァアアアア!?」
こまる「ごめん…! 痛かったよね?」
手当てしようと近寄ると…
少年「グァアアア!!!!!!」
顔面に拳が飛んできた。
こまる「いっったぁあ…」
こまる「もう怒った!!」
噛みつき少年との乱闘が始まった。
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- 17 : 2014/10/09(木) 22:20:09 :
- しかし、激しい乱闘の中で冷静さを見失っていた。
こまる「このっ!!」
少年「ギキャアアアアアアアアアア!!!!!!」
振った包丁が少年の頭に刺さっていた。
こまる「へ…?」
噛みつき少年はその場に崩れ落ちると、二度と動き出す事はなかった。
こまる「き…きみが悪いんだよ! いきなり噛みついたりするから…」
こまる「…あれ? ねぇ…?どうして起きないの?」
こまる「ウソ…そんな…わたし…わたし…」
こまる「イヤァアアアアアアアアアアアア!!!!!!」
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- 18 : 2014/10/10(金) 22:33:15 :
- こまる「ううっ… お父さんお母さん…お兄ちゃん…ごめんなさい…」
こまる「『人』を…人を殺しちゃうなんて……」
こまる「うわぁああああああ…」
??「オイ。なに泣いてんだ?」
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- 19 : 2014/10/13(月) 17:31:52 :
- こまる「ふぇ…?」
??「何故泣いているのか聞いている。そしてお前はこんなところで何をやっているんだ?」
こまる「だって…人を…殺しちゃったから…」
??「そこに転がってるヤツのことか?」
こまる「うん…」
突然話かけてきたその人は一目で軍事関係者と分かる格好をしていた。
軍服姿に、数々の銃器を携行している。
その人はわたしが殺してしまった子を何やら調べ始めた。
??「チッ… 『感染者』だ…。」
こまる「え?」
??「率直に言うぞ。 お前は殺人罪には問われない。」
こまる「なんで…?」
??「なんだ? 知らないのかお前は……」
??「今、世界中が『バイオハザード』で大変な事になってんだぞ。この日本もな。」
こまる「え?なに?『バイオハザード』…?」
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- 20 : 2014/10/15(水) 09:38:04 :
- ??「そうだ。」
こまる「ちょっと待ってよ…! いきなりそんな事言われても分かんないよ!」
??「ハァ……」
見たところわたしと同じくらいの年齢。自衛隊の訓練生か何かだろうか?
その男はやれやれといった感じで口を開いた。
??「今、世界中で謎のウィルスによる『バイオハザード』が発生している。」
??「いきなり世界中で同時にだ。これだけで事の重大さが分かるだろう?」
??「そしてお前が殺したのはそのウィルスに感染した『暴徒』だ。」
こまる「ニュースでやってるあの…?」
??「そうだ…。」
??「だが…政府はパニックを避ける為にあえて『暴徒』という言葉を使うが…」
??「コイツは所謂『ゾンビ』と言うヤツだ。」
こまる「えっ…!? ゾンビ?」
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- 21 : 2014/10/15(水) 23:43:43 :
- 「バイオハザード」「謎のウィルス」「ゾンビ」ごく普通の女子高生を混乱させるには充分すぎる単語の羅列。
??「とにかく…これ以上ここにいるのは危険だ。お前は俺が保護する。」
こまる「えっ…!? ちょっと待ってよ! わたしは…」
その時。
???「ゴォアアアアアアア!!!!!!」
遠くからおどろおどろしい叫び声が聞こえてきた。
こまる「えっ…? なに?今の……」
??「チィッ!!!! マズイぞ!」
こまる「ねぇ…何なの今の…」
??「超大型B.O.W……」
??「通称『ダイダラボッチ』」
ダイダラボッチ『グォオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!』
鼓膜が裂けそうな咆哮が響き渡り……
こまる「ウソでしょ…? 何なのアレ!!!!」
その、『ダイダラボッチ』と呼ばれる者。
周りのどの建物よりずっと背が高く、低い山なら楽々またぎ、遥か上空には煌々と、紅い目が巨星のように輝いていた。
??「逃げるぞ!!!! さっさと乗れ!!!!」
こまる「あ…あぁ…」
??「早く!!」
ジープに転がり込むように乗り込んだ。
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- 22 : 2014/10/16(木) 08:09:00 :
- ‘??’さんは誰なのかな?
クリスかレオンでもなさそうだし…
期待です!
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- 23 : 2014/10/17(金) 13:20:20 :
- こまる「あ…あなたは誰なの…?」
??「聞いてどうする?」
こまる「ど…どうって言われても…」
??「自衛隊員だ!!!!」
滅茶苦茶になった道路を突っ走る。所々にあの『ゾンビ』も見受けられる。
こまる「ねぇ… どこに向かってるの?」
??「避難所だ!!!!」
こまる「ねぇ…」
??「ヤバイ!」
??「喋ってると舌噛むぞ!!!!!!」
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- 24 : 2014/10/20(月) 13:20:30 :
- ジープは道なき道を進んで行く。 車内はまるでジェットコースターのように揺れていた。
こまる「うわっ! もうちょっと丁寧に運転してよ!」
??「出来るか!!!!」
猛スピードで突き進むジープの前に…
こまる「ストップ!! 人! 人がいるよ!!!!!!」
??「何度も言わせんな!!!! あれは人じゃ…」
ドンッ!! と鈍い音がして、フロントガラスに髪の毛と血がこびりついていた。
こまる「ひっ……」
??「いってぇ……」
爆走を繰り広げた挙げ句、ジープはようやく止まった。
どこかの学校のようだ。
しかし、校庭には数々のテントが張ってあり、装甲車や戦車が駐留していた。
??「いってぇ……」
こまる「どうしたの…?」
??「お前のせいで舌噛んだんだよ……」
こまる「ご…ごめん…。」
??「さて、目的地だぞ。」
??「ようこそ。 我らが基地へ…」
─陸上自衛隊 臨時基地─
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- 25 : 2014/10/20(月) 14:21:10 :
- ??「ここが俺らの臨時の基地…兼避難所だ。」
見ると、怪我人や、小さな子供から老人まで様々な人が避難していた。
こまる「ところで… あなたは誰?」
??「ただの自衛隊員だ…。」
こまる「そうじゃなくて…」
??「……大河虎太郎だ。」
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- 26 : 2014/10/21(火) 08:16:26 :
- 隊員「ん? 大河じゃないか! その娘は…?」
大河「街で泣いてやがったから保護してきた。 物資とスペースは?」
隊員「ん~ なにぶん今でさえギリギリだからなぁ…ま、一人くらいはなんとかなるさ。」
大河「そうか… 」
大河「…お前…名前は?」
こまる「苗木…こまる。」
大河「『こまる』?変わった名前だな…」
大河「とりあえず今日の寝床は確保出来たぜ。 良かったな。」
こまる「ありがとう…」
??「ちょっと待てぇ!!!!!!」
突然、何者かが怒鳴り散らした。
声の主をたどると、 元はかなりいい品だったらしいボロボロのスーツ、似合いもしない宝石をギラギラ腕やら首にまとった太った中年男がいた。
隊員「あ…あの方…まだ避難してなかったのか…」
大河「………」
こまる「あの方?」
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- 27 : 2014/10/21(火) 08:35:51 :
- 中年男「は…早くワシを避難させんか!!!! 街中バケモノだらけじゃ!!!!」
隊員(自分で避難したんじゃないのかよ…)
大河(悪運の強い豚野郎だぜ…)
隊員(バカ!! 言葉を慎め!)
何やらヒソヒソ話すのが聞こえてくる。
中年男「屋敷のヤツは全員ワシをほったらかしてさっさと逃げおったわ… クソッ!! 全員クビじゃクビ!!!!」
中年男は周囲に怒号を散らしていた。
中年男「とにかく…ワシをさっさと避難させろ!!!! そこらじゅうバケモノだらけなんじゃ!!!!」
隊員「で…ですが…しかし……」
大河「……」
すると、大河クンがずいっと前に出てきた。
大河「申し訳ありませんが、被災者を収容するスペース、及び物資はあの娘で最後です。
今でさえ限られた物資をみんな分け合っているのです。 お引き取りを。」
中年男「なんじゃと!? ワシよりもそこの小娘の方が大事だと言うのか!!!!」
隊員「大河!! 言葉を慎め!!」
隊員さんの忠告を無視して大河クンは続けた。
大河「被災した方々に上も下もありません。 お引き取りを。」
中年男「こ…このクソガキがぁあああ!!!!!!」
中年男は寂しくなった頭の天辺まで真っ赤にした。
中年男「貴様!!!! ワシが誰なのかよく分かってないらしいなぁ…」
中年男「このバイオハザードで自衛隊の活動資金を寄付してやったのはどこのどいつだ!!!」
中年男「普段から資金やら物資を面倒見てやったのはどこのだーれだ!!!!!!!!」
中年男は激昂した。
大河「だからどうしたんだよ…この豚野郎。」
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- 28 : 2014/10/21(火) 17:08:11 :
- 中年男「ぶ…豚だと…?」
大河「あぁそうだよ。分かったらさっさと回れ右して帰れよ。」
隊員「いい加減にしろ!!」
中年男「ふざけるな!!!! そこの小娘を追い返せばいいだろうが!!!!!!」
中年男は私を指差して叫んだ。
大河「いい加減にしろよこの野郎!!!!」
隊員「落ち着け!!!!」
中年男「おい。 この避難所はワシで最後のようじゃ。 分かったらさっさとワシの前から消えろ。」
こまる「えっ…」
大河「これが落ち着いていられるか!!!!!!」
中年男「さっさとしろ!!!! こっちはお前のような庶民とは存在する『価値』が違うんだよ『価値』が!!!!!!」
こまる「その……」
中年男「分かったらさっさと消えんくぅあああああああああああ!!!!!!」
中年男はますますヒートアップしていた。
大河「こまる!!」
こまる「……っ!」
大河「こんな野郎の言うことなんか耳を貸すな!!!! 」
複数の隊員に押さえ付けられながら大河クンは叫んでいた。
こまる「……」
大河「横っ面ひっぱたいてやれよ」
こまる「……」
こまる「ごめんなさい。」
大河「なっ…!?」
大河には一瞬何が起こっているのか分からなかった。
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- 29 : 2014/10/23(木) 18:34:39 :
- こまる「大河クン… この人…けっこう偉い人なんでしょ?」
こまる「だったら…いいよ。この人に譲っても…」
大河「こまる!!」
こまる「それにわたし…行かなきゃいけないから…」
中年男「フン!! どうせ悲劇のヒロイン気取りなんじゃろうがこれは当たり前のことだ。」
中年男「まったく…このワシにたてつくとは…
半端な待遇ではこの部隊がどうなるか分からんぞ。」
中年男はぶつぶつ言いながら隊員に案内されていった。
隊員もさすがに「やれやれ」といった表情であった。
こまる「そういうワケだから…ゴメンね。 助けてくれたのに…」
こまる「でも…行かなきゃ…」
門の外へ向かって歩いていった。
大河「お…おい! ちょっと待てよ! こまる!!!!」
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- 30 : 2014/10/23(木) 18:49:10 :
- こまる(行かなきゃ… お兄ちゃんを助けに…)
こまる(きっと…どこかで助けを待ってるはずだから…!)
少し年季のいった鉄の門を開き、「危険地帯」へと足を踏み入れた。
こまる「まず…お兄ちゃんについて情報を集めなきゃ…」
こまる「お兄ちゃんは希望ヶ峰学園へ行ったはず…そこへ行けば情報が手には入るかも…」
こまる「だけど…ここから希望ヶ峰学園まで歩いて行くのはなぁ…」
こまる(それに… 大河クンの言う通りなら…この包丁だけじゃ足りないかも…)
>>31
行動選択肢安価
1.まず、武器を調達する。
2.希望ヶ峰学園への位置を調べる。
3.移動手段を探す。
-
- 31 : 2014/10/23(木) 18:57:36 :
- 1でお願いします。
期待です!
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- 32 : 2014/10/24(金) 08:02:34 :
- 安価にご参加ありがとうございます!
-
- 33 : 2014/10/24(金) 18:39:37 :
- こまる「先ずは武器を探そうかな…」
道端には警察官の死体が転がっていた。
こまる「警察の人って…拳銃持ってるよね?」
ホルスターから拳銃を引き抜いた。
こまる(ホルスターも貰っちゃおうかな)
─ニューナンブ M-60─
日本警察が採用しているリボルバー拳銃。
威力は高い方ではない。
.38スペシャル弾を使用する。
こまる「んしょと…」
腰にベルトを巻きホルスターを取り付ける。
こまる「バキューン!… なんてね」
拳銃を射つマネをした。 しかし、手にあるのは紛れもなく本物の拳銃である。
警察「……」
突然警察官がムックリと起き出した。
-
- 34 : 2014/10/27(月) 16:01:02 :
- 警察官「……」
こまる「あ…あの! ごめんなさい! い…今返しますから!」
慌ててホルスターを外そうとするが、警察官からは何も返事がない。
こまる「その…ごめんなさい!」
警察官「アアアアア……」
こまる「ひっ…!」
その警察官の眼に生気は宿っていなかった。
例えるなら、まるで死体を無理矢理何かで動かしているかのような…そんな感じだ。
こまる「あ…あぁ…」
本能がうるさく警鐘を鳴らす。「コイツはヤバい」と…
こまる「…!!」スチャッ!
拳銃を構え、警察官に向けた。
こまる「と…止まって下さい!!」
警察官は幽霊のように腕を前にだし、虚ろなうめき声だけを上げて迫ってくる。
こまる「う…撃っちゃい…ますよ?」
警察官は答えない。
突然、警察官がつかみかかって来た!!
警察官「グァアアアア!!」
こまる「キャアアアアアアアアアア!!」
腕がもげそうな力で引っ張ってくる。
こまる「いやっ!!」
警察官を思いきり蹴飛ばした。
警察官「ウアアアッ!?」
構えていた拳銃の引き金を引いた。
ズギューン!!
真っ黒な空に銃声がこだました。
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- 35 : 2014/11/08(土) 12:15:54 :
- 警察官「うぁアアアアア…」
警察官であった物は倒れた。
こまる「ハァ…ハァ…」
こまる「さて…武器を探さないと…」
道ばたに、倒れた男がいた。
こまる「これ…使えるかな?」
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- 36 : 2014/12/03(水) 09:43:24 :
- ミロク sp120
上下2連ショットガン。 日本製ショットガンであり、彫刻が施されている。
こまる「こんな…ゲームみたいな事になるなんて…」
こまるは「ミロク sp120」を手にいれた!
こまる「よしっ! これで…イケる気がしてきた!」
─現在のこまるの装備─
ニューナンブm-600
弾数20
ミロク sp-120
弾数10
こまる「あとは…希望ヶ峰学園への行き方が分かれば…」
こまる「そう言えば…この近くに確か駅があったはず…」
あいかわらず空は暗いまま。あまり時間は経過していないようだ。
近くの駅まで歩く事にした。
─駅舎前─
こまる「どっかに地図は…?」
─────
───
─
こまる「あった! ここから希望ヶ峰学園駅まで電車で行ける!」
こまる「そうと決まれば!」
こまるは元気よく階段を下りていった。
こまる「あ…だけど…電車走るのかなぁ…?」
ヒタ… ヒタ…
何者かがこまるの後ろから迫っていた。
こまる「ん~~」
「アアアアアアアアア…」
こまる「キャアアアアアア!」
危うく後ろから掴まれるところだった。
こまる「くっ…くそっ! このっ!」
こまる「あ…あれ? 引き金が…引けないっ!」
そのショットガンにはセーフティがかかっていた。
ところが、普通の女子高生が銃の安全装置の解き方など知っているはずもない。
こまる「あぁ…ううぅ…どうなってんの…?」
焦るばかりで事態は好転しない。
「異形」と化したそいつは、今まさに腹ペコであった。
「アアアアアアアアア…」
こまる「なんで!? もう!」
ガチャガチャやっているうちに幸運にもセーフティが解かれた!
手にいれたばかりのショットガンをガチャガチャやりながらなんとか発砲した。
ドォン!!
頭を吹き飛ばされたそいつは動かなくなった。格好からして恐らく駅員だっのであろう。
こまる「はぁ…はぁ…はぁ…」
これで3回目。 だんだんと「慣れ」が生じて来ているようだ。
こまる(そう言えば…武器も弾も運よく手に入ったけど…さっきみたいにパニクってちゃあ……)
こまる「よ~し…」
こまるはベンチに座ったかと思うと銃を色々といじり始めた。
こまる「このショットガン…どう弾込めすんの?」
どうやら新手が来ないうちに銃器の仕組みを理解しようとしているらしい…
-
- 37 : 2014/12/03(水) 15:15:43 :
- こまる「これを引くと引き金が引けないのか…だからさっき引き金を引こうとしても引けなかったんだ…」
だんだんと銃器に対して理解が深まってきた。
すると…
コツン…コツン…
上から階段を下りて来る音が聞こえる。
こまる「…!」
こまる「誰!?」
ショットガンを構え、足音をたどる。
すると…
大河「やっと見つけた…こんな所にいやがったか…」
こまる「大河クン…!」
大河「まったくお前に追い付くの大変だったんだぞ。 ほら、帰るぞ。」
こまる「待って…! まだダメなの!」
大河「何がダメだってんだよ…?」
こまる「お兄ちゃんが…! お兄ちゃんがまだ…」
大河「『お兄ちゃん』だって?」
こまる「うん。 お兄ちゃんを…助けないと!」
大河「マジかよ… 生きてんだろうなぁ…? ちょっと待て。」
大河クンは無線機を取り出した。
─────
───
─
大河「こちら大河。 さっきの避難者は無事確保した。生きている。」
大河「だが… ソイツの兄がまだ見つかっていないらしい。 救助に向かって構わないか?」
大河「…了解した。 すぐ戻る。」
大河「上から許可が降りたぜ。 それで…そのお兄ちゃんはどこへ?」
こまる「…希望ヶ峰学園。」
大河「はぁ!? 『希望ヶ峰学園』だぁ?あの超名門校か?」
こまる「うん。 そう…」
こまる「信じられないかも知れないけど…わたしはそこに通ってる『苗木 誠』の妹なの。」
大河「マジかよ… それで? 行くアテはあるのか?」
こまる「この電車で行けるみたい。」
大河「そうか… だがありゃどう見ても動かないぜ。」
ホームに止まっている電車には明かりはなかった。
幸い、非常灯が点いているため、視界は確保できるが、ここは地下鉄のホーム。非常灯が無ければ恐らく真っ暗闇だろう…
こまる「じゃあ…手分けして動かす方法を探そ!」
大河「いや、一緒に来い。 お前に銃を向けたくないからな。」
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- 38 : 2014/12/04(木) 08:53:11 :
- http://www.ssnote.net/archives/23395
この作品の資料集です。別の作品メインになってますが…
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- 39 : 2014/12/08(月) 08:54:30 :
- こまる「うん…」
大河「ところでお前… この車両で一体どうするつもりだ? コイツは希望ヶ峰学園駅で終点だぞ。」
こまる「うん…それで大丈夫。」
大河「お前の兄はどこにいるのか目星はついているのか?」
こまる「…ううん。」
大河「は? 目星もつかねぇのに一人で探しに行くつもりだったのか?」
こまる「だって…! 行き先も言わないで『修学旅行』に行っちゃったんだもん!」
大河「し…修学旅行? 珍しいな…この時期に…」
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- 40 : 2014/12/08(月) 09:54:34 :
- 大河「いや、待てよ… 『修学旅行』……」
大河「おい…まさか…お前の兄ってのは…」
こまる「うん。 希望ヶ峰学園の生徒で…『超高校級の幸運』。」
こまる「苗木誠だよ。」
大河「や…やはり…最初からどこかおかしいと思ってたんだ…」
大河「……て言うか…それなら心配な…やべっ!」
こまる「え? どうしたの…? 『大丈夫』ってどういうこと!?」
大河「そ…それは… 」
大河「『国家機密』だ。 これ以上は言えない。」
こまる「なんで!? なんでよ! 教えてよ! お兄ちゃんはどうなったの!?」
大河「………」
大河はこまるから目を反らした。
こまる「ねぇ! なんでよ!?どうしてよ! 」
こまるはこまるで大河に掴みかかる。
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- 41 : 2014/12/08(月) 13:27:46 :
- 大河「……」
大河「後で必ず話す。だから…今は聞かないでくれ…」
こまる「そんなぁ…」
こまる「……っ! 大河くん! 後ろ!」
大河「うわああっ!!」
大河「この……!」
スギューーン!!
暴徒「オオオオ……」
『暴徒化』した市民はガックリと倒れた。
大河「はぁ…はぁ…まさかお前に助けられるとはな……」
大河「だけどこまる。 お前、銃の構えが全然なってない。」
こまる「えっ…?」
大河「貸してみ…ほら。 ハンドガンはこう構えんだよ…」
大河「左肩を出して… 左足を前に…」
こまる「こ…こう?」
大河「そうだ。もう少し腕を曲げて……」
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- 42 : 2014/12/21(日) 19:43:10 :
- ハンドガン、ショットガン、SMGの射撃スキルが上がった!
こまる「ねぇ… こんなことやってる時間ないんだけど…」
大河「もしもの時に俺が戦えなかったりいなかったりしたらどうするんだ? 自分の身は自分で守るんだ。」
こまる「うぅ…」
大河「…まぁ。いいか。そろそろ探しに行こう。」
こまる「うん!」
大河「さてと…動力室とかそーゆー感じの部屋とかねぇかな…?」
暗い駅の構内を歩いてると…
『関係者以外立ち入り禁止!』
『警告! 高圧電流!』
大河「たぶんここだな。」
こまる「えぇ… だって…『関係者以外立ち入り禁止』って…」
大河「この期に及んでそんなこと気にしていられるか。」ガチャガチャ
大河「……やっぱカギかかってるか。」
こまる「どこかにカギは…」
大河「事務室とかその辺だろ。」
-
- 43 : 2014/12/27(土) 15:09:29 :
- 暗い駅の構内を二人は進む。
こまる「さむい…」
大河「ガマンしろ。」
こまる「だって…」
大河「ちっ… しょうがねぇな…」
大河は自らの上着をこまるに預けた。
こまる「わぁ…すごい……」
大河「ちゃっちゃと進むぞ。」
こまる「うん…」
ガシッ!!
こまる「きゃあああああ!!」
大河「こまる!!」
線路からホームに無数の手が伸びていた。
市民「アアアアア…」
サラリーマン風の男やら女子高生のような者から中年の男まで…
大河「クソッ… みんなして待ち伏せしてたってのか…」
こまる「やめて! 離して!」
大河「その手を離せ!バケモノ野郎!!」
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- 44 : 2015/01/07(水) 11:48:39 :
- 大河「喰らえ!!」
彼の89式が火を吹いた。
閉鎖された地下での空間も手伝って、かなりうるさい音を立てた。
大河「野郎……!」
こまる「……」ガクブル
大河「おめぇなんで俺の後ろに隠れてんだよ!」
こまる「ふぇえ!?」
大河「おめぇも戦うんだよバカ!」
こまる「そんな…できるわけないよ!」
大河「できなきゃ死ぬだけだ!」
こまる「そんなぁ…」
こまる「うぅ…」
こまるは更に身を縮めた。
大河「邪魔だ! ただの足手まといじゃ困るんだよ!!」
こまる「わ…わかったよぉ…」
こまるはしぶしぶ銃を構えた。
大河「いいか!? ヤツラの弱点は頭だ! よく狙って撃て!!」
こまる「うん……」
大河「ぞくぞくと沸いて来やがって…!」
こまる「あ…頭…頭………」
震えながらも頭部に照準を合わせ…
パァーン!!
脳漿が飛び散った。
こまる「う…うぅ……」
-
- 45 : 2015/01/09(金) 20:20:18 :
- ────
───
─
大河「今ので最後か…」
こまる「はぁ…はぁ…はぁ…」
こまるは地面にへたりこんだ。
大河「ほら。立て。いくぞ」
こまる「う…うん。」
暗い構内をなおも進む。
大河「あそこだ!」
こまる「やった! これで電車を動かせるね!」
─事務室─
大河「よし! 動力室に戻るぞ!」
動力室のカギを手にいれた!
-
- 46 : 2015/01/14(水) 18:57:52 :
- こまる「ねぇ! 大河クン!」
大河「なんだ?」
こまる「わざわざ電車を動かさなくても… 線路を歩けばいいんじゃないかな?」
大河「あの線路には高圧電流が走ってる。線路を踏んだバケモノが黒コゲになってんのを見たろ。」
こまる「そ…そうだった……」
大河「それに、列車で移動する方がまだ安全だ…」
こまる「そうだね…」
ミギャァアアアアアアアアアアア!!
大河・こまる「!?」
不快な叫び声が暗闇のむこうから響く。
大河「気を付けろ。何かくるぞ。」
こまる「な…何かって何が…」
ギキャァアアアアアアアアアアアアア!!!!
大河「うわ…」
こまる「きゃああああああっ!!」
目の前に現れたのはドブネズミ。
しかし、無論 ただのドブネズミではない。
口のまわりをどす黒い血で汚した規格外の大きさのドブネズミだ。
大ネズミ「ギュアアアアアア!!!!!!」
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- 47 : 2015/01/16(金) 08:30:56 :
- 大河「こりゃなんとも… とんでもねぇドブネズミがいたもんだな…」
こまる「あ…あぁ… あああ…」
大河「よぉ。ドブネズミ。俺とお遊戯するか? それともチーズでも食うか?」
こまる「ふざけてる場合じゃないよぉ! 早く逃げなきゃ!」
大河「逃げて… どうするんだ?」
こまる「え…?」
大河「兄に会うんだろう。両親に会いたいだろ! だったら… ラクな道ばっか選べね~んだよ…」
こまる「でも…」
大ネズミ「ギュアアアアアアアアアアアア!!!!」
大ネズミが叫び声を上げる。口からは血塗れの前歯が顔を覗かせている。
大河「やれ! やるんだ!」
こまる「…………」
-
- 48 : 2015/01/19(月) 11:16:58 :
- 言われるまま大ネズミに発砲するが…
大ネズミ「ミギャァアアアアアアアアアア!!」
獣の毛皮と、皮下脂肪の防御力は侮れない。
例え傷をつけることができたとしても、丈夫な毛皮と、脂肪に阻まれ、なかなか致命傷に至らない。
そして、野生の戦いにおいて、敵に致命傷を与えることに失敗した場合。
待つのは「死」のみである。
こまる「ぜんぜん効いてないよぉ!」
大河「頭使え! コイツの弱点を探すんだ!」
大ネズミ「ギャアアアアッ!!」
大河「うわっ!!」
大ネズミが前歯をむき出して飛びかかる。
紙一重で大河はかわした。
ボッゴォーーン!!
こまる「えっ!?」
大ネズミ「ギュイ… ギギィ……」
コンクリートの壁に大ネズミの前歯が突き刺さっている。
大河はそのスキを見逃さない。頭部に向かって乱射する。
大ネズミ「ギャキィィイイイイイイイイッ!!!!」
大河「何をボサッとしてやがる! お前も射つんだ!」
こまる「わ…わかってるよ!」
こまるはそんな事より、あの前歯に自分が捉われていたら… ということで頭がいっぱいだった。
こまる「……」
黙って頭部に発砲する。
大ネズミ「ギャアアアアガガッ!!!!」
奇妙な叫び声と共に前歯がコンクリートの壁から抜けた。
大ネズミ「ガァアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
大ネズミは「本気モード」に突入した。
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- 49 : 2015/01/21(水) 16:25:40 :
- 大河「よし!一気に畳み掛けるぞ!」
こまる「うん!」
牙に捉われないよう、距離をとりつつ攻撃を加える。
カチッ!
こまる「え…?」カチッカチッ
こまる「う…うそぉ……」
大河「なんだ?」
こまる「た……弾が無くなっちゃった…」
大河「はぁ!?」
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- 50 : 2015/02/08(日) 19:06:30 :
- 大河「クッソ!! コレを使え!」
こまる「えっ なにこれ?」
9mm機関けん銃
自衛隊に採用されている短機関銃。
通称M9(エムナイン)
大河「さっさとやれ!」
こまる「わ…分かったよぉ!」
大ネズミ「ぎぎぎぎぃいいいっ!!!!」
巨大なドブネズミはなおも食い下がる。
こまる(やりたくない… 早く帰りたい! だけど…)
こまる(お兄ちゃんだって…きっとどこかで頑張ってる!)カチッ
ババババババババッ!!
こまる「うわ! これマシンガンだ! スゴいよ! 」
大河「分かったから集中しろ…」
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- 51 : 2015/04/15(水) 20:27:09 :
- こまる,誠に遭えるといいな。
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- 52 : 2015/05/05(火) 14:08:13 :
- そういえば,>16らへんで腕を噛まれなかったけ?まさか,こまるも誠と同じなのか?
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