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エルヴィン「世界の果てまでいってよし」

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  1. 1 : : 2014/02/10(月) 16:38:05
    エルヴィン率いる調査兵団の面々が、常夏の島やら極寒の地やらさまざまな場所で羽目をはずします

    実際は海やらみたことがない彼らですが、パラレルってことで許して下さい

    ※したらばvipからの再掲載です
  2. 2 : : 2014/02/10(月) 16:39:54
    調査兵団の団長室はいろんな意味で今日も騒がしい

    ハンジ「さあ今夜も始まりました!!削ぎ削ぎ調査バラエティ、世界の果てまでいって」

    エルヴィン「よし!!」

    ハンジ「今日は常夏の楽園で、美味しいもの食べるよ!!」

    リヴァイ「ほう、それは楽しみだ、しかしお前らといくのは気が進まん
    嫌な予感しかしねぇ」

    ハンジ「またまたあ、いやよいやよも好きのうち~リヴァイそんなにわたしの事が!!でも私には心に決めた(巨)人が!!だからごめんなさい!!」

    リヴァイ「…どんな解釈してんだ。さすが奇行種」

    エルヴィン「リヴァイ、そうだったのか、意外な趣味だな」

    リヴァイ「…俺にも選ぶ権利くらいブツブツ」

    ハンジ「さあ外野はスルーして、行くよ~!それ!」

    ぴよーん三人はハンジのつくったどこでもワープ装置で移動した
  3. 3 : : 2014/02/10(月) 16:40:29
    ハンジ「さあ、ここは南半球のおっきい島、オーストラリアだよっ!!」

    エルヴィン「ざっくりした説明だな、ハンジ」

    リヴァイ「くっそあつい、はえがたかってくる」

    ハンジ「オーストラリアはおっきいんだ!!ここはその中心付近に位置するエアーズロックだよ!!」

    リヴァイ「ほう、あの巨人の寝床みたいなデカイ岩か」

    エルヴィン「確かに暑いな、はえがよってくる。おかしいな、風呂には毎日欠かさず入ってて不潔ではないはずなんだが」

    リヴァイ「不潔の代名詞ハンジにははえがよりつかねぇのもおかしい、っ目にはえが入ってきた…」

    ハンジ「あ、そうそう忘れてた!!ここは砂漠気候なんだ、暑いしはえが多い。はえは水分によってくる。だから目に目掛けて飛んでくるんだ。ちなみに…」

    ハンジは香水のようなビンを取り出した

    エルヴィン「ハンジも香水をするようになったんだな…感慨深い」
  4. 4 : : 2014/02/10(月) 16:40:55
    リヴァイ「今さら香水なんぞふったところでクソババア臭は消せねえ」

    エルヴィン「またまた、その匂いも好きなんだろうブオワッ!!」

    ハンジはエルヴィンに向かって大量に香水を噴射した

    リヴァイ「なんだこの匂い、香水じゃねえ…エルヴィンにかけたってことは、育毛…」

    エルヴィン「…毛には不自由していない!!断じてだ!!」
  5. 5 : : 2014/02/10(月) 16:41:14
    ハンジ「はいはい、エルヴィンの毛が地毛かどうかはおいといて、これはユーカリのエキスだよ!!ちょっとくせがあるけど、ハエ避けになるんだ!!」

    ハンジはリヴァイにもユーカリのエキスを噴射した

    ハンジ「これであとは、このネットを頭からかぶってね」

    ハンジが懐から出したネットを頭から被った三人は、エアーズロックの調査に赴くのであった…
  6. 6 : : 2014/02/10(月) 16:41:33
    ハンジ「エアーズロックに着くまでに、いくつか注意事項があるよ!!まずは絶対に登坂ルートから離れないこと。例えば帽子なんか落としても、ルート外に落ちたら近くでも拾わないこと。守らなくて落ちて亡くなる人いるからなめるなよ~」

    エルヴィン「了解した」

    リヴァイ「エルヴィンの帽子の中の毛は飛んだら生死をわけるから取りに行かなければ…グフゥ…」
    エルヴィンの見事な肘鉄リヴァイにヒット!

    ハンジ「立体機動しないこと。無闇に硬質ブレード振り回さないこと。突撃!!とかでかい声で叫ばないこと。順序を守って登ること。」

    エルヴィン「突撃!!突撃!!」

    ハンジ「…いい声なのはわかるけど、ここでは我慢してよ、エルヴィン、注目浴びてるし…」

    エルヴィン「言ったら駄目だと言われると言いたくなるのが人というものだ」

    リヴァイ「泣く子も黙る調査兵団の団長がこんなに天然だとは誰も気がつかないだろうな…」

    エルヴィン「お前たちの前だけだ。安心しろ」
  7. 7 : : 2014/02/10(月) 16:42:04
    ハンジ「さあっついたよ!!エアーズロック!!おっきいだろ♪これは一枚岩なんだよ!!くっそでかいんだよ!!」

    エルヴィン「登山口に看板があるぞ。なになに、アボリジニの聖地だから登るな…」

    リヴァイ「アボリジニってどいつなんだ」キョロキョロ

    ハンジ「アボリジニとは、ここに古くから住む先住民なんだ。エアーズロックをウルルと呼んで、聖地として親しんでるんだ」

    リヴァイ「登って欲しくなさそうだが…いいのか?」
    エルヴィン「背に腹は変えられんからな。観光で収入を得ている地域だから、登るのを禁止はできんだろうな。」

    ハンジ「そうなんだよね、やっぱり登るっていう目的がないとここにくる人激減だろうしね」

    エルヴィン「アボリジニに敬意を…さあエアーズロックに突撃!!」

    右手を高々と掲げて登山口に突っ込むエルヴィン

    ハンジ「おーー!」

    リヴァイ「…タニンノフリタニンノフリ…」
  8. 8 : : 2014/02/10(月) 16:42:26
    エルヴィンに続き、ハンジ、リヴァイが突撃した…が

    エルヴィン「おい君、そこをのいてくれないか」
    登山口には屈強な男が仁王立ちしている

    リヴァイ「どけ、削ぐぞ…」

    ハンジ「ちょいまち!喧嘩売らないでよ!!」

    二人を押し退けて何やらわからん言語で男と話すハンジ

    リヴァイ「ハンジが賢くみえるな…」

    エルヴィン「惚れ直したか?」

    リヴァイ「だから何か誤解してないかてめぇ」

    エルヴィン「ハンジはよく見たら美人だぞ、ちょっと新しいもの好きなだけだ。人類最強の男と似合いだと思うが」

    リヴァイ「人類の希望である調査兵団団長さんとの方が似合いだ、クソめがねとはな」

    エルヴィン「ありがたい申し出だが、私には決めた女性が…」

    リヴァイ「いないことは知っている」
    エルヴィン「…」

    ハンジ「二人ともひっでぇ…いいさ後でモブリットに慰めてもらうもんね!!ところで、話しついたよ。今日は登れないそうだ」

    エルヴィン「なぜだ、折角登りにきたというのに…」

    ハンジ「風が強いんだ。風、雨、気温によっては登れない日もあるんだ。危険だからね」
  9. 9 : : 2014/02/10(月) 16:42:58
    リヴァイ「こっそり登ればいい、立体機動で…」

    ハンジ「使うなってさっきいったろ!!馬鹿リヴァイ!!」

    エルヴィン「いや、リヴァイならかがめば見つからずに行けそうだ」

    リヴァイ「おう。俺は小さいからなってふざけんな!!」

    ハンジ「いいかいあんたたち、約束事を守らないと、多額の罰金が課せられるんだ。50万円くらい支払わないといけないんだよ!!エルヴィンの給料いくらだよ、払えないだろ?!」

    エルヴィン「一応団長だ。結構もらっているぞ。しかしほぼ調査兵団運営費に充ててるから貯蓄はない」

    リヴァイ「俺も貯蓄はない。掃除道具を買い換えたり、きたねぇ壁紙張り替えたりしてたらいつの間にか…な」

    ハンジ「うわあ、こんな男のとこに嫁には行きたくないよ…」

    エルヴィン・リヴァイ「こなくていい」

    ハンジ「…モブリットがいるからいいもんねーだ!!このハンジさんの良さがわからないなんて!!…とにかく、あり得ない額の罰金が課せられるし、あぶないからね、今日は諦めよう。明日朝三時に起きて、もう一度チャレンジしてみよう」

    リヴァイ「朝はえぇな…つーか夜だよな」

    エルヴィン「俺は平気だ。もともと早起きだからな」

    リヴァイ「年食うと早起きになるからな。ジジヴィン」

    エルヴィン「お前と変わらんお年頃だぞ。」

    ハンジ「はいはいどんぐりの背比べはおいといて、お待ちかねのディナーにいこう。ちょっと移動するよ!!」
  10. 10 : : 2014/02/10(月) 16:43:37
    リヴァイ「お腹と背中がくっつきそうなくらい腹へった…」

    エルヴィン「高級レストランのフレンチディナーな気分だ」

    ハンジ「高級レストランじゃないよ、野外でバイキングなんだ。でも絶対に気に入るよ!!」

    リヴァイ「野外って、壁外調査と変わらねえじゃねえか」

    エルヴィン「フレンチディナー…」

    ハンジ「くらぁ!!おまえらつべこべ言わずについてこんかい!!」

    ハンジに首根っこ捕まれた二人は夕食会場へと連行…移動させられたのであった。
  11. 11 : : 2014/02/10(月) 16:44:06
    ハンジ「さあ、あそこに見えるのがエアーズロックと共に聖地とされているマウントオルガ、だよ!!有名なジブ○映画の舞台になった所だよ!!通称風の谷!!」

    リヴァイ「ほう。さっきのエアーズロックとはちがって、でかい岩がぽこぽこ並んで立ってるな」

    エルヴィン「風の谷の~ナウーシカ~♪」

    リヴァイ「エアーズロックにしろ、マウントオルガにしろ、どうやったらあんなでかい岩があんな風に立つのか不思議だ」

    ハンジ「立つというか、雨風に削られて出来た地形だと言われているよ」

    エルヴィン「風の谷のーナウーシカ~♪」

    ハンジ「今日の夕食は、マウントオルガのサンセットを見ながら楽しもう♪」

    エルヴィン「風の谷のー」

    リヴァイ「なあハンジ、そろそろエルヴィンにつっこんでやれよ…」

    ハンジ「やだよなんで私が…歌わせといたらいいよ、面白いし…」

    エルヴィン「風の谷のーナウーシカ~♪」

    リヴァイ「そうだな、いい声してるしな」

    エルヴィン「風の谷のー( ;∀;)」

    リヴァイ「チッ、涙目になるくらいならさっさとやめりゃいいだろうが」

    エルヴィン「引くに引けなくなってな…もう少し団長に対して愛情をもってつっこんで…接してもらいたいものだ…」
  12. 12 : : 2014/02/10(月) 16:44:42
    そうこうしてる間に、マウントオルガに夕日が差し掛かってきた

    美しい夕日を眺めながら、酒に料理に舌鼓をうった三人であった
  13. 13 : : 2014/02/10(月) 16:45:02
    ハンジ「皆さんおはよーございます!皆さんお待ちかね、恒例の寝起きドッキリのコーナーですよ!!」

    小声ではあるが、興奮を抑えきれないハンジ

    ハンジ「さあて、まずは早起きと言ってたジジヴィン…もといエルヴィン団長の部屋へレッツゴー!!」

    ハンジ「まずは、部屋の鍵をこじ開けますよ…、え、普通はマネージャーから合鍵をもらってるだって?残念だけどエルヴィンにはマネージャーは不在なんだ!!だからこうやって…グフフ…」

    針金こちょこちょ…カチーン

    ハンジ「ほらあいた!!入るよ~」

    ハンジ「部屋は真っ暗だね、今午前1時。さすがのジジヴィンも眠っているようだよっぐへへ…」

    ハンジ「ベッドがあるね、こんもり盛り上がってるお布団、この中に、いーるのかな~♪」

    ハンジ、布団をまくりあげた!
    「き、きゃぁぁぁぁぁぁ!!」
  14. 14 : : 2014/02/10(月) 16:45:25
    エルヴィン団長は全裸で就寝中だった

    リヴァイ「うるせぇぞクソめがね!!何時だとおもってやがる!!」
    叫び声で目覚めたリヴァイがやってきた

    ハンジ「エルヴィンセクハラだよ~(TT)全裸で寝てるなんてセクハラだよ~(TT)放送できないよ~(TT)」

    エルヴィン「スヤスヤ…」

    リヴァイ「別にまっぱで寝てようがエルヴィンの自由だろ!!俺は服着て寝る派だがな。だいたいお前が覗いたんだろ、セクハラはお前だクソめがね」

    ハンジ「だって、旅のロケと言えば定番なんだもん…寝起きドッキリ…」

    リヴァイ「つーかさ、普通は女の寝起きドッキリをやらねぇか?野郎のなんて誰にサービスしてんだよ」

    ハンジ「私の寝起きドッキリに何かドキッとさせるものあるかな?」

    リヴァイ「ねぇな、クソめがね」

    ハンジ「クソクソいうなぁ!!クソちびリヴァイ!!」

    エルヴィン「むにゃむにゃ…なんだ騒がしいな、痴話喧嘩なら自分のへやでやりたまえ…ぐーぐー」

    ハンジ・リヴァイ「…」

    かくして、ハンジのドッキリは失敗に終わった…
  15. 15 : : 2014/02/10(月) 16:45:47
    ハンジ「…おはよー…」

    リヴァイ「おう」

    エルヴィン「おはよう!!む、ハンジ、元気がないが大丈夫か?ちゃんと睡眠とったのか?」

    ハンジ「うー」

    リヴァイ「エルヴィンのまっぱを見て興奮して寝れなかったんだなクソめがね」

    エルヴィン「?なんの話だ?」

    ハンジ「わーわー違うしそんなわけないしー!( ;∀;)」

    リヴァイ「エルヴィン昨夜のこと覚えてねぇのか?」

    エルヴィン「すまん、久々の酒で酔っぱらったのか、記憶がないな。何かあったのかな」

    リヴァイ「ハンジがエルヴィンのまっぱをモグググ…」
    リヴァイの口を手でふさぐハンジ

    ハンジ「何もないよ何もない!うふふ…さ、気を取り直して…今日はおにぎりもってサンライズを見ながら朝食!!&エアーズロック登坂チャレンジだよ!!」

    リヴァイ「ハンジはな、おまえの裸をだな…ゴニョゴニョ…」
    エルヴィン「そうだったのか、ハンジ…」
  16. 16 : : 2014/02/10(月) 16:46:13
    ハンジ「ごーらぁぁ!!裸の話は終わったんだよっ!!リヴァイ適当なことをエルヴィンに吹き込むなっ!!」

    リヴァイ「…フフン」
    エルヴィン「ハンジ…///」

    ハンジ「だ~っもう!!色ボケじじいどもっ!!」

    エアーズロック登坂…できるのはいつになるやら…
    頭を抱えるハンジであった…
  17. 17 : : 2014/02/10(月) 16:46:34
    ハンジ「エアーズロック登坂前に、ここから朝日を拝みつつ、おにぎり食べるよ!!」

    ハンジは懐からビニールシートを取り出して地面にひいた
    三人は並んでシートに腰を下ろした

    リヴァイ「まだ真っ暗闇だな、腹もへってねぇ…クソねみぃ…」

    エルヴィン「しかしハンジ、俺に夜這いにくるとはなかなか大胆だな。」

    リヴァイ「プブ」(^w^)

    ハンジ「…り、リヴァ~イ、エルヴィンに何吹き込んでんだよ~(TT)」
  18. 18 : : 2014/02/10(月) 16:47:01
    エルヴィン「深夜にこっそり針金で鍵をこじ開けて、部屋に侵入、ベッドに寝てる俺の布団をまくりあげた…んだろう?」

    リヴァイ「そうだな。」

    エルヴィン「そんな状況、どう考えても夜這いだろう」

    リヴァイ「そうだな」(^w^)

    ハンジ「ドッキリっていう状況なんだってばー!うわーん( ;∀;)」

    エルヴィン「お前はリヴァイにモブリットだけでなく俺にまで手を出してくるとはな…贅沢な奴だ」

    リヴァイ「俺は手を出されていない。クソめがねとは無関係だ」

    エルヴィン「そんな風には見えんがなあ…いつも痴話喧嘩してるじゃないか。しかしハンジ、さすがに一人に絞ったほうがいいと思うぞ」

    ハンジ「うわーん( ;∀;)モブリット~」

    リヴァイ「モブリットが泣きたいと思うぞ」
  19. 19 : : 2014/02/10(月) 16:47:24
    エルヴィン「ハンジ、良く考えて結論を出せばいい。リヴァイも俺もモブリットも、お前を受け入れる覚悟はできているぞ」

    ハンジのボサボサ頭を優しくなでるエルヴィン

    ハンジ「ぎやぁぁ優しくするなぁぁ…」

    リヴァイ「ちなみに俺はお前を受け入れる覚悟はできない。これからもずっとだ」

    エルヴィン「いや、モブリットも含めて話し合わなければな」

    ハンジ「エルヴィンそんなに真剣な顔して思案にくれるなよ~(TT)謝るから、勝手に部屋に侵入して裸みちゃってごめんm(__)m」

    エルヴィン「…ははは、ハンジをからかうのは面白いな!!」

    リヴァイ「クソめがね、エルヴィンの掌の上で踊らされてるな…なんか同情する」

    ハンジ「エルヴィンひでぇ~(TT)モブリット~」

    涙目のハンジの顔にかすかに赤い光がさしてきた。
    エアーズロックが美しい朝日に包まれる幻想的な情景の中、三人は存在を忘れかけてたおにぎりに手を伸ばすのであった
  20. 20 : : 2014/02/10(月) 16:47:49
    ハンジ「さあさあ、ついにやってきましたエアーズロック登山口!!今日は登れるかな…」

    リヴァイ「昨日突っ立ってたでけえおっさんは今日はいねぇな」

    エルヴィン「小さいおっさんならいるがな」

    リヴァイ「どこだ…?」

    エルヴィン「ここd…ぐあっ!!」

    ハンジ、エルヴィンの頭を思い切り後ろに引っ張った

    ハンジ「いわせねーよ!!」

    エルヴィン「ハンジ、なかなかやるな…」

    ハンジ「今日は登れるね!!みんな昨日の注意事項は覚えて…」

    エルヴィン「第2回エアーズロック調査を開始する!!前進せよ!!」

    リヴァイ「声でけぇ…」
    ハンジ「いい声なんだけどねぇ、時と場所を選んでほしいよ…」

    とにもかくにも、やっとエアーズロックに登れる事になった調査兵団幹部三人であった
  21. 21 : : 2014/02/10(月) 16:48:15
    登山口からしばらくは普通に徒歩で登れるが、途中からは登山ルートに鎖が張ってあり、それを持ちながらの登坂になる。

    鎖が命綱と言っても過言ではないほど急斜面
    訓練や調査で鍛えられた三人でさえも、立体機動装置という使いなれた命綱がないので不安になるほどだ

    リヴァイ「おい、クソめがね…」
    ハンジ「なんだいチビァイ」
    リヴァイ「チビァイってなんだ削ぐぞクソめがね…」

    エルヴィン「…チビァイ、もといリヴァイ、鎖から手を離すな、落下するぞ…結構というかかなり急斜面だ。しかも滑りやすい、足元にも注意しろ」

    ハンジ「そうだよ、なめるなっていったろ…」

    リヴァイ「立体機動装置が恋しい…なんで装着を許可しなかったんだハンジ…」

    ハンジ「いいかい、エアーズロックは聖地なんだ、石ころ1つ持って帰るのを許されない程だ。勿論自然を破壊することも絶対駄目だ。」

    エルヴィン「立体機動装置のアンカーをさせないということだな。岩肌に傷をつける」

    ハンジ「エルヴィン正解!話の解る上司だよ!」

    エルヴィン「そうかリヴァイ、小さい体のお前には少々きついか…おぶってやろうか?」

    リヴァイ「…全世界のちびを敵に回したぞエルヴィン…」

    ハンジ「おんぶも駄目だよ!!真面目に登ってよ頼むからさ…」
    でかいおっさんとちっさいおっさんの態度に頭を抱えるハンジであった…
  22. 22 : : 2014/02/10(月) 16:48:48
    エアーズロック登坂をはじめて一時間、やっと頂上にたどり着いた
    小さい山に見えよう、しかし見た目よりずっと急勾配で、ハイキングではなくまさに登山!!といった感じである

    エルヴィン「やっとついたな。凄い見晴らしだ!」
    眼下を見下ろしながら大きくのびをするエルヴィン。

    ハンジ「スーハースーハー…」

    リヴァイ「ハンジどうした、酸素が足りねぇのか?」

    ハンジ「いや、喉の調子を整えてるんだよ」

    リヴァイ「喉の調子ってなにするつもりだ…?」

    ハンジ「…あーあー」

    リヴァイ・エルヴィン「?」
  23. 23 : : 2014/02/10(月) 16:49:06
    ハンジ「すぅー…ソニー!!ビーン!!そしてモブリットぉぉぉ!!」
    がけっぷちに立って見事な敬礼をしたハンジは突然叫んだ

    ハンジ「愛してるよーーー!」

    リヴァイ「気が触れたか…ついに、いやいつもか…」

    エルヴィン「モブリットより先に巨人の名が出たな…」

    リヴァイ「モブリット…」

    ハンジ「ふう、すっきり♪リヴァイもエルヴィンも、愛を叫んじゃいなよ♪ここは有名な《せかちゅう》の舞台でもあるんだよ!!主人公が愛を叫ぶんだ!!」

    リヴァイ「せかちゅうってなんだ、わからねぇクソめがね」

    エルヴィン「なるほど、《世界の中心で愛を叫ぶ》だな。確かに小説ではここで叫んだが、映画ではここでは撮影できなくて、少しはなれた場所で叫んだったよな」

    ハンジ「…エルヴィン何でそんなに詳しいのさ…?」

    エルヴィン「殺伐とした生活を送っていると、たまに泣きたくなる時もある。そう言うときに見るんだ。自然と涙がでるぞ。リヴァイ、君にもおすすめするぞ」

    リヴァイ「全く興味がねぇ…」
  24. 24 : : 2014/02/10(月) 16:49:30
    ハンジ「しかし意外だなあ、エルヴィン泣くんだね。涙なんて一回も見たことがないよ」

    リヴァイ「血も涙もない奴なはずなのに、せかちゅう…では泣くんだな」

    エルヴィン「俺は結構泣くぞ。さだまさしの償いっていう歌を聴いても泣く。しかも号泣だ。」

    ハンジ「泣いてみ・せ・てハァト」

    リヴァイ「…スッ(ビデオかまえ)」

    エルヴィン「こんなところで大の男が泣く訳がない。ましてやビデオなんか構えられて、万が一泣いたら一生ゆすられる」

    ハンジ「えーつまんねぇ!!エルヴィンくっそつまんねぇ!!」

    リヴァイ「チッ」

    エルヴィン「まあでもいい機会だし、私たちも愛、は無理にしてもなにか叫んでおくか。記念だしな」

    リヴァイ「俺はやらねぇ、めんどくせぇ…」
  25. 25 : : 2014/02/10(月) 16:49:52
    エルヴィンは右の拳をにぎると、見事な敬礼をした!!
    「調査兵団団長エルヴィン・スミスはここに誓う!!どんな犠牲を払おうとも必ず人類を壁の中の籠から飛び立たせる!!自由の翼の名に懸けて!!」

    ハンジ「かっけーエルヴィン、滾るわあ!!間違えて惚れそうになるよ~危ない危ない…」

    リヴァイ「チッ…俺は絶対にやらねぇからな…」

    エルヴィン「リヴァイ、命令だ」
    冷たくいい放つエルヴィン

    リヴァイ「( ´△`)イヤダ」

    ハンジ「リヴァイ諦めなよ~あほヅラしても無駄だって」

    エルヴィン「…」

    リヴァイ「チッ…言やぁいいんだろ…」

    リヴァイは意を決して大きく息を吸い込んだ…
  26. 26 : : 2014/02/10(月) 16:50:16
    リヴァイ「…ちびでなにがわりぃんだ!!誰にも迷惑かけてねぇはずだ!!ちびなほうが体が軽くて立体機動には適してんだよクソ女ども!!この体あってこその人類最強なんだよ豚どもっ!!だいたいバレンタイン人気投票でなんで俺がジジヴィンに負けんだよ!!納得いかねぇすべてやり直せ!!それからなあ…ぎゃーぴー…」

    ハンジ「ねぇ、エルヴィン…いこ…」

    エルヴィン「あ、ああ、かなり溜まっているようだし、言わせておいてやろう…」

    ハンジ「タニンノフリタニンノフリ…」
    エルヴィン「以下同文…」

    必死に叫んでるリヴァイを尻目にそそくさとエアーズロックを降りるエルヴィンとハンジであった

    ちなみにリヴァイは駆けつけたレンジャー隊(オーストリアの各地で治安維持につとめる、警察外の組織)に連行されたのであった…
  27. 27 : : 2014/02/10(月) 16:51:00
    ハンジが何やら電話をかけているのを尻目に、リヴァイはため息まじりにつぶやいた

    リヴァイ「チッ…ひでぇ目にあった。俺より頭二つはでけえ男どもに口は塞がれるわ、わけわからん言葉でまくし立てられるわ…」

    エルヴィン「お前がだまってやられるとは思えないが…」

    リヴァイ「あたりめえだ。口塞がれた瞬間に相手をぶん投げた」

    エルヴィン「相手が気の毒だな…というかだな、リヴァイ、意外だったよ」

    リヴァイ「何がだ」

    エルヴィン「いやあバレンタイン人気投票の結果を気にしていたとはな…ははは」

    リヴァイ「うるせぇ!!だまれ忘れろ!!気になんてしてねぇ!」

    エルヴィン「留守番してる団員たちにいい土産ができたよ、しばらくは退屈せずにすみそうだ」

    リヴァイ「…てめぇ!!また俺をゆするつもりか!?団員に言うなよ!?」

    エルヴィン「ははは」

    リヴァイ「…てめぇいつか絶対に弱味握ってゆすってやるから覚悟しとけよ…」

    エルヴィン「ははは、楽しみにしているよ。とりあえず、来年のバレンタイン人気投票はがんばりたまえ」

    リヴァイ「…(TT)」
  28. 28 : : 2014/02/10(月) 16:51:28
    ハンジ「ふぅーやっと予約とれたよ!!」

    エルヴィン「長い電話だったな。ご苦労。」

    リヴァイ「何の予約だ?」

    ハンジ「明日の夜のオプショナルツアーの予約だよ♪人気だから早めに予約とらなきゃいけなかったんだ♪」

    エルヴィン「なんだかご機嫌だなハンジ。巨人の捕獲に成功した時のようだ」

    リヴァイ「巨人博物館とかそんなげてものツアーじゃねぇだろうな…」

    ハンジ「違うよ!!巨人じゃなくて、もっとかわいらしい子達だよ!!詳しくはナイショ~あー楽しみ(*^^*)」

    エルヴィン「何にせよ、ハンジが喜ぶ顔をみるのは嬉しいだろうリヴァイ」

    リヴァイ「だからてめぇ、クソめがねには全く興味がねぇっていってるだろ」

    エルヴィン「まあまてリヴァイ、ハンジに優しくしておいたら、バレンタイン人気投票でお前に一票入れてくれるかもしれんぞ?」

    リヴァイ「…テメェシツケェゾ…エルヴィン…」

    エルヴィン「何だね、小声過ぎて聞こえんな」

    リヴァイ「…」

    やはり敵に回すと恐ろしい男エルヴィンであった
  29. 29 : : 2014/02/10(月) 16:51:54
    エアーズロックからの帰りにレストランで夕食を平らげたご一行は、宿泊先ホテルに帰還した

    ハンジ「明日は飛行機でまた別の場所に移動するよ!!なのでいまから明日の朝までは自由行動ね♪各自楽しんでね♪」

    エルヴィン「そうか、ならまだ寝るには早いし、散策がてら土産でも見に行くかな」

    ハンジ「それもいいね♪この辺りはホテルや土産物やさんが軒を連ねてるから、ぶらぶらするだけでも楽しめるよ!!」

    リヴァイ「俺は早起きしてねみぃから部屋で寝る」

    ハンジ「リヴァイ、あくびばっかりしてるね~やっぱ小さいから昼寝タイムが必要なのかもね~。というかわたしもねむいなあ…」

    リヴァイ「うるせぇクソめがね!!てめぇのせいで寝られなかったんだろうが!!エルヴィンに夜這いなんかかけやがるから…」

    ハンジ「ひ、人聞きわるいな!!夜這いなんかじゃ…」

    エルヴィン「なあハンジ、今夜も眠れなくしてやろうか?」

    ハンジ「ぎゃぁぁぁ結構です間に合ってます失礼します!!」

    ハンジは敬礼するとダッシュでその場を離れた
  30. 30 : : 2014/02/10(月) 16:52:21
    エルヴィン「…ははは、な、ハンジは可愛いだろう?顔が真っ赤だったぞ」

    ハンジの逃げ去る姿を見送りながら、長身をよじらせて笑うエルヴィン

    リヴァイ「あんまりからかってやるなよ。泣きそうな顔してやがったぞ」

    エルヴィン「なんだリヴァイ、妬いてるのか?」

    リヴァイ「妬いてるとかありえねぇが…」
    エルヴィン「ん?」

    リヴァイ「少しかわいそうかなとは思う。ほんの少しな!!」

    エルヴィン「ほう、そうか」

    リヴァイ「だいたいエルヴィン、お前は見た目聖人君主で優しげなぼっちゃんな感じなのに、中身がえげつなすぎる」

    エルヴィン「…そうかもしれんな、その点リヴァイは逆だな。見た目は目付きが悪くて近寄りがたい潔癖症のチビ…だが」

    リヴァイ「喧嘩うってるだろてめぇ…」

    エルヴィン「…お前は優しい奴だからな。見た目に反してな」

    リヴァイ「…優しくなんかねぇよ…」
    鼻の頭をポリポリかくリヴァイ
  31. 31 : : 2014/02/10(月) 16:52:47
    エルヴィン「お前は、自分にないものを俺が持っているからついていくと言ったな」

    リヴァイ「…」

    エルヴィン「お前も、俺が持っていないものを持っている。だから…」
    エルヴィンはリヴァイの頭にポン、と手をおいた

    エルヴィン「これからもついてきてくれよ?」

    リヴァイ「…人の頭に手をおいて…ものを頼む態度じゃねぇぞ…エルヴィン」

    エルヴィン「ははは、まあ気にするな。なあリヴァイ、久々に飲みに行くか」

    リヴァイ「おごりなら付き合ってやるよ…」

    調査兵団のでこぼこコンビは、こうして夜の町に消えていった
  32. 32 : : 2014/02/10(月) 17:53:43
    「ぎゃぁぁぁぁ!!寝坊したぁぁぁ!!11時のフライトなのにもう10時だぁぁぁ!!!!間に合わねぇぇぇ!!」

    いつものボサボサ髪をよりいっそう振り乱して慌てるハンジ

    ハンジ「それもこれも、酔っ払いのちびでかおっさん二人が部屋に雪崩れ込んできて、勝手に酒盛りなんかしだすからだよ!!ばかエルヴィンばかちびー(TT)」

    ハンジ「ハッ、とりあえず二人も起こさなきゃ…」

    ハンジは隣のエルヴィンの部屋に押し入った

    ハンジ「エルヴィンおきろぉぉぉ!!」
    布団をまくった

    ハンジ「きゃぁぁぁぁぁまた裸だったぁぁぁ見ちまったァァァ!!」

    エルヴィン「むにゃむにゃ…ハンジ、寒い…うとうと」

    ハンジ「寒いなら服くらい着やがれぇぇ!!ハレンチおやじぃ!!」

    リヴァイ「うるせぇクソめがね!!てめぇは学習能力ねぇのかよ!!」
    またまたハンジの悲鳴で起こされたリヴァイ

    エルヴィン「…お、皆おはよう。なんだね朝から騒がしい。」

    リヴァイ「ハンジがまたてめぇのまっぱを見たかったらしい」

    ハンジ「ちがぁう!!断じてちがぁう!!急いでて忘れてたんだよおぉ…エルヴィンが裸で寝てることを」

    エルヴィン「二回も見たんだな、ハンジ。責任はとってくれよ。婿にいけなくなったからな」
  33. 33 : : 2014/02/10(月) 17:54:14
    ハンジ「しっかりみてないよーだから婿にいけるよぉぉ( ;∀;)」

    エルヴィン「なんならじっくり見せてやろうか?ハンジ」

    ハンジ「いらんわぁぁぁ!!ばかエルヴィン!!それより大変なんだぁ!!11時のフライトに間に合わないんだぁぁ!!」

    リヴァイ「今7時だが、間に合わねぇのか?」

    ハンジ「へっ…?」

    エルヴィン「十分間に合いそうだが、空港遠いのか?」

    ハンジ「えぇーーーー!」
    慌てて自分の部屋に戻るハンジ
    部屋の時計を見て、またエルヴィンの部屋に戻ってきた

    ハンジ「時計、くるってたぁぁぁぁ!!」

    リヴァイ「てめぇ、貴重な睡眠時間を二日連続で台無しにしてくれたなぁハンジ…」

    エルヴィン「二日連続で裸を見られた。確信犯としか思えん」

    ハンジ「ごめんなさぁぁい!!二人ともぉぉ(TT)」

    ハンジの悲鳴のような謝罪が、しばらく辺りに響き渡った…
  34. 34 : : 2014/02/10(月) 17:54:37
    ハンジ「いろいろなトラブルがあったけど、ついに到着しました!!ケアンズ国際空港!!」

    リヴァイ「ケアンズ、という場所なんだな。」

    エルヴィン「飛行機から見た海が凄く美しかったな」

    ハンジ「あの海はね、グレートバリアリーフっていうんだよ!!色とりどりの
    珊瑚礁、熱帯魚、まさに海の宝石箱って感じだろ♪」

    リヴァイ「暑いし泳ぎてぇな…」

    ハンジ「うん、明日から海やら陸やら、ケアンズを満喫するから楽しみにしててよね!!もちろん泳ぐし♪とにかく見所満載なんだよ♪」

    エルヴィン「美味しいものもたべれるんだよな、ハンジ」

    ハンジ「うん、フレンチディナーではないけど、沢山美味しいもの食べるよ♪」

    リヴァイ「泳ぐなら水着がいるじゃねぇか。買いにいかないと…」

    エルヴィン「俺も、持ってきてないな」

    ハンジ「あ、だいじょーぶだよ♪私が買って準備してあるから♪」

    リヴァイ「どうせケツが丸見えの恥ずかしいやつとか用意してんだろ。変態」

    ハンジ「な、なんでわかったの~?!」

    エルヴィン「しかもリヴァイと色違いのお揃いだったりしてな」

    ハンジ「えー!!ばれてるし!!くっそつまんねぇ!!」
  35. 35 : : 2014/02/10(月) 17:54:59
    リヴァイ「クソめがね、お前の水着も買ってきてやるからな。楽しみにしとけ」

    エルヴィン「ハンジには男物水着が似合いそうだ」

    ハンジ「一応胸も隠したいんですけどっ!!」

    リヴァイ「あるのかないのかわかんねぇくらいの胸だし、貝殻でもつけとけ変態」

    エルヴィン「…おや、リヴァイはハンジの胸のサイズを把握しているようだね…?」

    リヴァイ「し、しらねぇ見た目で判断してるだけだ!!」

    ハンジ「リヴァイやらしいぃぃ!!クソめがねなんていいつつ、人の胸観察しないでくれよ~!」

    リヴァイ「うるせぇ!!観察なんてしてねぇクソめがね!!」

    エルヴィン「…リヴァイ、ちなみにハンジはけっこう胸はあるぞ?」

    リヴァイ「てめぇが一番観察してんじゃねえか…!」

    ハンジ「このエロヴィンめっ!!」

    そんな会話をしながら、水着を物色に行った三人であった
  36. 36 : : 2014/02/10(月) 17:55:41
    水着を選んだり、マクドナルドに行ってみたりしているうちに、夕日が落ちて夜になった

    ハンジ「つぅいーにぃぃぃぃーきたぁぁぁ!!」
    両目を血走らせてガッツポーズをしてるハンジ

    エルヴィン「ハンジ、何を興奮しているんだ。落ち着け」
    リヴァイ「バスの中だぞ、でけぇ声でさわぐな、うるせぇ」

    ハンジ「落ち着いてなんていられないよっ!!だって私はこの日のために生きてきたようなもんなんだから!!」

    エルヴィン「これから行く所になにかしらハンジの好物があるんだろうな」

    リヴァイ「ろくなもんじゃねぇ予感しかしねぇ…」

    リヴァイはまだガッツポーズし続けている怪しいハンジを見やってため息をついた

    そして、ついに感動?の対面の時がやってきたのである
  37. 37 : : 2014/02/10(月) 17:56:05
    ハンジ「きゃぁぁぁぁ!かわいいー!!」

    リヴァイ「なんだあれは…」
    柵に囲まれた池のなかには、大きな口と鋭い歯をもつ体長二メートル程はあろう生き物がたくさんいた

    ハンジ「ワニさんだよぉぉぉぉリヴァイぃぃぃ!!ワニさん初めましてぇぇ私は分隊長のハンジ・ゾエだよ!!仲良くしてね!!うわっ」

    エルヴィン「ハンジ危ない、柵から手を伸ばすな!!」

    ハンジ「あはは!!握手は口とじゃなくってお手手とだよぉぉワニさん♪間違えないでねー(*^^*)」

    エルヴィン「意志疎通を図ろうとしているのか…」

    リヴァイ「巨人以上に無理な気がする…チッハンジ!柵を乗り越えんな馬鹿!」

    今にも柵を乗り越えようとしたハンジの首根っこ…は届かなかったので、腰を引っ張って引きずりおろしたリヴァイ

    エルヴィン「リヴァイ、これ以上ここにいるのは危険だ。撤退しよう」

    ハンジ「うわぁぁぁんワニさんー!また会いに行くからねぇぇー!(TT)」
    エルヴィンに担ぎ上げられながら、さながら恋人と無理矢理引き裂かれたかの様に泣くハンジであった
  38. 38 : : 2014/02/10(月) 17:56:26
    いると、また何かがいた

    エルヴィン「ぴょんぴょんぴょんと…凄い脚力だな」

    リヴァイ「腹になんかいれてやがるぞ?こどもか?」

    エルヴィン「母親が子を腹の袋にいれて守っているのだろうな」

    リヴァイ「けっこうかわいいかもしれねぇ。なんて名前なんだろうな」

    エルヴィン「肝心のガイドがあの状態ではな…」

    ハンジは傷心状態でぼんやりして動かない

    リヴァイ「役に立たねぇクソめがね…ワニに食われりゃよかったのかよ」

    エルヴィン「まあ仕方ないな。とりあえずしばらくそっとしておこう。ところで、あれはなんだろうな。皆並んでいるぞ」

    エルヴィンが指差した先には人々が列を作って並んでいた

    リヴァイ「わかんねぇが、並んでみるか」

    エルヴィン「そうしよう。何があるんだろうな、楽しみだ」

    行列に並ぶなど普段体験することがほとんど無い二人は、微かな高揚感と期待感で胸をおどらせていた
  39. 39 : : 2014/02/10(月) 17:56:50
    エルヴィン「…こ、これは…」
    リヴァイ「…」

    ついに行列の先頭にきた二人は係員に何かを手渡された

    それはエルヴィンの腕の中にしっかり納まってじっとしている

    ふかふかした感触、丸っこい体、なんとも愛らしい…

    エルヴィン「か、かわいい…」
    リヴァイ「しっかりお前にしがみついているな…なんというか…」
    リヴァイは愛らしいそれの頭を優しくなでてやる

    リヴァイ「…かわいいな…」
    エルヴィン「リヴァイ、お前も抱いてみろ…ほら」

    リヴァイ「…あったけぇ…」
    エルヴィン「我が子を抱くとはこういう感じなのかな…」

    調査兵団のトップと、人類最強と言われている人物らしからぬ表情で、二人は時間いっぱいまで愛らしいそれと触れ合ったのだった
  40. 40 : : 2014/02/10(月) 17:57:15
    ハンジ「どういう事なんだぁぁ!!(TT)」

    数枚の写真を見て泣き叫ぶハンジ

    エルヴィン「とってもかわいらしかったぞ。」

    リヴァイ「おいエルヴィン、てめぇすげぇにやけた顔で写真うつってやがるな」

    エルヴィン「リヴァイ、お前こそなんだ、この目尻の下がり様は。今までに一度も見たことがないぞ、こんな表情」

    リヴァイ「ほんとだ、やべぇ顔してるな、俺…」

    エルヴィン「お互い様だ、俺も相当緩んだ顔をしているよ…」

    ハンジ「わぁぁぁん、どうして起こしてくれなかったんだよぉぉ!!コアラ、抱っこしたかったよぉぉ(TT)」

    エルヴィン「何度も起こそうとしたんだが、放心状態だったぞ、ハンジ」

    リヴァイ「愛しのワニさんに逢えたからいいじゃねぇか。そうか、コアラっていうんだな、あの丸っこいやつ」

    ハンジ「ワニさんかわいかったよぉぉ、でもコアラもかわいいよお…(TT)」
  41. 41 : : 2014/02/10(月) 17:57:54
    エルヴィン「ハンジ、そんなにコアラと触れ合いたかったのか、無理矢理起こせばよかったな、すまん」

    エルヴィンが、ぐすぐす泣いているハンジの頭を撫でてなぐさめていた

    リヴァイ「チッ…」
    リヴァイは踵を返すと、何処かに行ってしまった

    ハンジ「エルヴィンもリヴァイも悪くないんだよぉ、ごめんねぇ(TT)」

    エルヴィン「…」ヨシヨシ

    ハンジ「リヴァイが怒ってどっか行っちゃったよぉぉ(TT)」
  42. 42 : : 2014/02/10(月) 17:58:21
    エルヴィン「そんなことで怒るようなやつじゃないだろ。ほら、戻ってきた」

    リヴァイはツカツカと歩み寄ると、座り込んでいるハンジの頭にポン、と何かを乗せた
    リヴァイ「チッ、それで我慢してろ、クソめがね」
    ハンジ「えっ?!…あっ!!」
    ハンジは頭の上に置かれた物を、しっかり胸に抱いた
    ハンジ「コアラのぬいぐるみ…」

    リヴァイ「…これはオマケだクソめがね」
    リヴァイがハンジに投げてよこしたそれは…
    ハンジ「ワニさんのフィギュア!!」

    エルヴィン「良かったな!!ハンジ」
    ヨシヨシ、とまたハンジの頭をなでてやるエルヴィン
    ハンジ「うん…(TT)ありがとう!!エルヴィン、慰めてくれて」
    頭をなでてくれているエルヴィンの手を握るハンジ

    リヴァイ「…ぬいぐるみなんかもらって喜んで、ガキみてぇ」
    リヴァイはプイッとそっぽを向くと、スタスタ歩き出した

    ハンジ「リヴァーイ!」
    立ち上がってダッシュするハンジ
    ハンジ「ありがとう~!大好きだよぉ!!」
    リヴァイの後ろから覆い被さるかのように抱きついた

    リヴァイ「てめぇっ離れやがれ!!きたねぇ!!汗くせぇ!!」
    ハンジ「や~だよ!!おんぶおんぶ」
    リヴァイ「甘えんなぁ!!クソめがね!!」

    エルヴィンはその二人の様子を目を細めて、満足そうに見つめていた
  43. 43 : : 2014/02/10(月) 17:58:58
    夜の動物園から帰った三人は、エルヴィンの部屋で酒盛りに興じていた

    ハンジ「リヴァイってさあ、見かけによらず優しいよねぇ♪」
    パジャマ姿でコアラのぬいぐるみを抱いてるハンジはご機嫌である

    リヴァイ「優しくなんてねぇ」
    ハンジ「優しいって!!」

    エルヴィン「…」(カキカキカキ)

    リヴァイ「だまれクソめがね!!」
    ハンジ「照れてるね~(^w^)」
    リヴァイ「うるせぇ!!酒のんでさっさと寝やがれ!!」

    エルヴィン「…」カキカキカキ…

    ハンジ「あれ、エルヴィンさっきから何書いてんの~?」

    エルヴィン「絵葉書だよ、ハンジ。留守番をしている団員たちに宛ててね」

    ハンジ「見てもいいかな?」
    エルヴィン「構わんよ」
    ハンジ「じゃあ読むね♪」
  44. 44 : : 2014/02/10(月) 17:59:25
    ハンジ「調査兵団の皆、元気にしているかな?リヴァイもハンジもとっても弾けて楽しんでいるよ。(ハンジがリヴァイに後ろから抱きついてる写真ペタペタ)」

    ハンジ「ハンジは《せかちゅう》の舞台で愛を叫んでいたよ。一位ソニー。二位ビーン。三位モブリットだったよ。人間では一位だよモブリット。おめでとう!!」

    ハンジ「ちなみにハンジは夜になったら私の部屋に押し掛けて、布団をめくるんだ。人肌が恋しいのかな?」

    ハンジ「…エルヴィーーン!!何書いてんだよぉぉ!こんなの送るなよ~!」

    エルヴィン「ああ、ハンジ。それはもう送ったよ。ハンジが持っているのは念のための予備だ。書類は万が一のために予備を常に作る癖があってね」

    ハンジ「ぎゃぁぁぁぁ!!モブリットが見ませんように…」

    リヴァイ「…エルヴィンひでぇ…」
  45. 45 : : 2014/02/10(月) 18:00:09
    ハンジ「もう一枚あるよ…?怖いけど見てもいいかな…?」
    エルヴィン「構わんよ」
    ハンジ「よ、読むね…」

    ハンジ「そうそう、リヴァイの素敵な写真を皆に見せたくてね。どうだい?目尻が下がってとても優しげだ。こんな顔、見たことがないだろう?皆。(リヴァイがコアラを抱いている写真ペタペタ)」

    リヴァイ「…!!」

    ハンジ「ちなみに私も楽しんでいるよ。ハンジの様に愛は叫ばなかったが、自由の翼の名に恥じぬ宣誓をしたと自負しているよ。(せかちゅうの舞台でかっこよく敬礼しているエルヴィンの写真ペタペタ)」

    ハンジ「明日は海に行く予定だよ。また写真を見せるから楽しみにしていてくれよ!!調査兵団団長エルヴィン・スミス」
  46. 46 : : 2014/02/10(月) 18:00:33
    リヴァイ「エルヴィン…てめぇぇ!!」
    ハンジ「エルヴィンのばかぁぁぁ!!」

    エルヴィン「事実しか書いていないのになぜそんなに怒ってるんだ?」

    ハンジ「事実かもしれないけどさあ、紆余曲折あったわけで…」

    リヴァイ「てめぇだけなんでいい写真なんだよ…!コアラ抱いてる写真あるだろうが!!」

    エルヴィン「ああ、私のコアラ写真はきっちり処分したよ。残っていてはいつどこでどう使われるかわからんしな」

    ハンジ「明日、覚えてろぉエルヴィン…」

    リヴァイ「ぜってーお前の恥ずかしい
    写真とるからな…!」

    エルヴィン「ははは。まあ頑張りたまえ」

    ハンジ「うー…なんかエルヴィンには勝てる気がしないよぉ…」

    リヴァイ「やる前から泣き言いうなクソめがね、と言いたいところだが、勝てる気がしねぇ…」

    エルヴィンの掌の上でジタバタしている二人であった…
  47. 47 : : 2014/02/10(月) 18:01:48
    ハンジ「リヴァイ、エルヴィン、おっはよ~!!」
    リヴァイ「…ねみぃ…」
    エルヴィン「おはよう!!ハンジは今日も張り切ってるな!!」

    ハンジ「リヴァーイ!!今日は念願の海だよぉ!!ねみぃ…なんて言ってる暇はないよ!!」

    リヴァイ「ハンジ、お前その格好…」

    ハンジ「なに?なんかへんかな?着替えるの面倒だから、水着きてるんだけど」

    ハンジはビキニにショートパンツ姿だ
    リヴァイ「…はしたねぇ、丸見えじゃねぇか…」

    ハンジ「え、なにがぁ!?丸見えってなにがぁ!?」
    リヴァイににじり寄るハンジ

    エルヴィン「…」パシャッ

    リヴァイ「だから、見たくもねぇが胸が丸見えだっていってんだよ!!シャツくらい着ろよ!!」

    ハンジ「リヴァイ…」
    ツカツカと歩み寄って、リヴァイに顔を近づけるハンジ

    エルヴィン「…」パシャッパシャッ

    ハンジ「そっかあ心配してくれてるんだね!!ありがとう!!シャツは着るよ!!」
    リヴァイ「誰も見ねえし興味もねぇだろうが一応そうしてろクソめがね」

    エルヴィン「…」パシャ

    ハンジ「エルヴィン!!またいつの間にか写真とってるぅぅ…」
    リヴァイ「チッ、しまった…」
    エルヴィン「いい写真がたくさんとれたよ♪」

    リヴァイ・ハンジ「(|| ゜Д゜)しまったぁぁ」
    後悔先に立たずであった…


  48. 48 : : 2014/02/10(月) 18:02:18
    ハンジ「さて、気を取り直して…今日はこのくっそでかいヨットにのって、グレードバリアリーフの中の、珊瑚でできた白い島、ミコマスケイにいくよ!!」

    リヴァイ「立派なヨットだな。かなりでけぇ」

    エルヴィン「あの飛行機から見た海に行くんだな。楽しみだ!!」

    三人は、真っ白な大きいヨットに乗り込んだ

    ハンジ「二時間くらいかかるけど、ゆっくりのんびり過ごそう!!」

    エルヴィン「デッキにでていようかな、海をみたいしな」

    ハンジ「そうしよう♪」

    リヴァイ「酔うかもしれねえし、俺も外のほうがいいな」

    ハンジ「そうだね、ヨットだとはいえそんなには揺れないけど、長時間だから、酔い止め飲んでおいた方がいいね」

    ハンジがリュックから取り出した酔い止めと、エルヴィンが差し出した水で、リヴァイは薬を飲んだ

    リヴァイ「助かった」
    ハンジ「いえいえ!!エルヴィンは大丈夫?酔わない?」
    エルヴィン「ああ。大丈夫だよ。ありがとう。」

    三人は、他愛もない話をしながらグレードバリアリーフの景色を楽しんだ
  49. 49 : : 2014/02/10(月) 18:02:45
    エルヴィン「凄いな。360度青い海だ…」

    大型ヨット…オーシャンスピリット号の前方デッキから海を飽きることなく眺めるエルヴィン

    ハンジ「…」パシャ

    いつもは調査兵団の制服を着こんでいるが、今日は白いシャツにジーンズというラフな格好である

    長身で立派な体躯、優しげな青い瞳、端正な顔立ち、これだけ揃っていれば…

    乗客A「あの人かっこいいね!!」
    乗客B「俳優さんかなあ?」
    女性の視線はエルヴィンに釘付けである

    なんとなく視線を感じたエルヴィンが振り向くと…
    女性ども「きゃぁ!!目があっちゃった!!」

    黄色い声援の主たちに、はにかんだような笑顔を見せておいて、また視線は海へ。
  50. 50 : : 2014/02/10(月) 18:03:42
    エルヴィン「お、鳥が増えてきたな」

    鳥にてを伸ばしてみるエルヴィン

    ハンジ「…」パシャッパシャッ

    ハンジ「あーエルヴィンかっけー…」
    リヴァイ「かっこいい写真とってどうすんだよ、クソめがね!」

    ハンジ「だって、かっこいいのしかとれないんだよ~!リヴァイ、変顔して笑わせてきてよ!!」

    ハンジ「てめぇがやれ、ばかハンジ!」
    やはり隙がないエルヴィンであった

    エルヴィン「リヴァイ、ハンジ、島が見えてきたぞ」

    360度青い海の中にぽつんと真っ白な小さな島
    沢山の鳥が島にいるのが見える

    ハンジ「ミコマスケイだ!」
    リヴァイ「鳥が多いな」
    ハンジ「ミコマスケイは特別保護区でね、桟橋を作れない島なんだ、鳥も保護されているよ!!あとから泳いで島に行こう!!」

    リヴァイ「おう、やっと泳げる」
    エルヴィン「楽しみだな!!」
    ハンジ「よーし泳ぐぜぇぇ!!」
  51. 51 : : 2014/02/10(月) 18:04:30
    島から300メートル程離れた位置に停泊したヨットのそばで、思い思いに海を満喫している三人

    ハンジは見つけたマンボウを追いかけている
    ハンジ「まってぇぇぇ食わないからまってぇぇぇ!!」

    と、たまに水面に浮上したかと思えば叫び、また潜っている

    リヴァイ「あいつは潜ってるか叫んでるかどっちかだな。落ち着きがねぇ」

    エルヴィン「凄い体力だな。しかし、潜ったらしばらく浮いてこないし、心配にならんか?」

    二人は一泳ぎして、デッキで休憩中である

    リヴァイ「心配いらねぇ。あの奇行種はサメも食いそうだしな」
  52. 52 : : 2014/02/10(月) 18:05:09
    エルヴィン「…そうだな。…なあリヴァイ」
    リヴァイ「なんだ?」
    エルヴィン「お前は死ぬなよ」
    リヴァイ「…なに言ってやがる」
    エルヴィン「ハンジも、死なせたくない。誰も死なせたくない。だが実際はどうだ、俺は…」

    リヴァイ「それ以上言うな、エルヴィン。どうした、らしくねぇな。観光気分で脳ミソ弱っちまったのか?」

    リヴァイは怪訝そうな表情でエルヴィンを見た

    エルヴィン「はは、らしくないよな」
    リヴァイ「ああ。気色わりぃ」
    エルヴィン「気色悪いとはひどいな…まあ今だけだ」
    リヴァイ「わかってる。ので、俺は死なねぇ」

    エルヴィン「…アッカーマンの真似か…?」
    リヴァイ「あいつのしゃべり方変だろ。たまに真似ると部下が喜ぶ」

    エルヴィン「…はははは!!」
    リヴァイ「ので、お前は何を犠牲にしても目的を達成しろ。それが死んでいった者たちへの償いだ」
    エルヴィン「…ははは、了解だ、アッカーマン…ははは」

    長身を捩らせて笑うエルヴィン
    ハンジ「…」パシャッ

    ハンジ「やったぁぁぁ!!崩れたエルヴィンゲット~!」
    両手を上に高々と挙げて、勝利の雄叫びをするハンジであった
  53. 53 : : 2014/02/10(月) 18:05:45
    エルヴィン「…しまった。油断した」
    ハンジ「エルヴィンの恥ずかしい写真~ウフフ♪」

    リヴァイ「どんな写真なんだよ、見せろ」
    ハンジ「いいよぉ♪ほら!!」
    ハンジからデジカメを受け取って画像を確認したリヴァイ

    リヴァイ「…全然おもしろ写真じゃねぇじゃねぇか、クソめがね」
    カメラに写っているのは、エルヴィンが大笑いしている画像だったのだが…

    エルヴィン「普段見せない笑い顔、か。悪くないな。むしろ新たな一面が垣間見えるいい写真だ。ハンジありがとう」

    ハンジ「くぁぁぁぁ!!やっぱりへんなエルヴィン撮れねぇぇぇ!!」

    リヴァイ「…こうなりゃもう、最後の手段だ。ハンジ、行くぞ!」
    ハンジ「了解!!リヴァイへいちょー!!とりゃぁぁ!!」

    二人はエルヴィンに一斉に襲いかかった、はずだったが…
  54. 54 : : 2014/02/10(月) 18:06:22
    エルヴィン「おっと…」
    ヒラリとエルヴィンにかわされた

    ハンジ「わぁぁぁ」
    リヴァイ「しまったぁ!!」
    ドボーン…そのまま二人は絡まりあって海にダイブした

    エルヴィン「見事な飛び込みだなあははは!!」

    ハンジ「くらぁぁエルヴィン避けんなよぉぉ!!」
    リヴァイ「だいたいハンジ、てめぇの飛びかかるタイミングがわりぃんだよ!!時間差にするっつったろ!!同時に行ってどうすんだよ!!クソめがね!!」

    ハンジ「行くぞって言われたから行ったんじゃないか!!チビァイ!!」

    リヴァイ「うるせぇチビァイいうな馬鹿が!!」

    エルヴィン「…ずっと絡まりあってて仲良しだな、お前たち」パシャッパシャッ

    ハンジ「し、しまったぁぁぁまたまたやられたぁ!!」
    リヴァイ「もうどうにでもなりやが
    れ…」
    エルヴィンの恥ずかし写真はまたお預けになった…
  55. 55 : : 2014/02/10(月) 18:06:45
    昼食後、三人は泳いでミコマスケイに上陸した

    ハンジ「鳥さんこんにちはぁぁ!!私は調査兵団ってとこで分隊長やってるハンジ・ゾエだよ!!」

    エルヴィン「鳥にも自己紹介か、ハンジ。相変わらずだな…」
    リヴァイ「クソやら羽根やら至るとろに落ちてる、きたねぇ…掃除してぇ」

    ハンジ「あ、リヴァイ、さっきも言ったけど、ここは特別保護区だから、島をむやみに変えたり、島の物を持ち帰ったり禁止だよ!!だから掃除もだぁめ!!」
    リヴァイ「チッ、」


    波打ち際に腰を下ろす三人
    ハンジ「ところでエルヴィン」
    エルヴィン「ん?なんだ?」
  56. 56 : : 2014/02/10(月) 18:07:05
    ハンジ「…さっきのリヴァイと話、実は聞いちゃってたんだ~ごめん」
    エルヴィン「…ああ、構わんよ、ハンジ、君になら」

    リヴァイ「…」

    ハンジ「あのさ、私はやりたいことがあるんだ。巨人の脅威が去ったらね」

    エルヴィン「そうか…何がやりたいんだ?」

    ハンジ「動物園を作りたい」

    エルヴィン「ほう、いい夢だな」

    ハンジ「…ので、私も死なない。夢を現実にするために」

    リヴァイ「…聞いてやがったのか、俺のアッカーマンものまね…」
  57. 57 : : 2014/02/10(月) 18:07:26
    エルヴィン「…ははは。死なないでくれよ」

    ハンジ「…うん死なない。…ので、エルヴィンも死ぬな。あなたの代わりは誰もできない」

    リヴァイ「…ので、俺はハンジの動物園でコアラを担当する予定だ。ので、死ねねぇ」

    ハンジ「リヴァイ、ので、の使い方へんだよ~ミカサにおしえてもらいなよ(^w^)」

    エルヴィン「はははは!!」
    つぼにはまって、また大笑いのエルヴィン
    そんな団長に寄りかかるハンジ

    ハンジ「エルヴィン、たまには頼ってよね?」

    リヴァイ「まて、こんな奇人に頼るくらいなら俺に頼れよ」
    ハンジ「なんだよ!!チヴァイのくせに!!」
    リヴァイ「頼りがいに背丈は関係ねぇだろうが!!クソめがね!!」

    エルヴィンはそんな様子を見ながら、まだ希望の光かまぶしく輝いている事を感じた
  58. 58 : : 2014/02/10(月) 18:08:00
    しばらく波打ち際に座って、海をながめていた三人

    エルヴィンはたまに思い出したように笑い、二人にアッカーマンものまねをねだったり、自らチャレンジしてみたり…
    そういえば、こんな風に笑ったり馬鹿をやったりした事があっただろうか、自分の子どもの頃から思い出しても、記憶に無い気がしたエルヴィンであった


    ハンジ「ん…?あれは…?」
    ハンジは海に目を凝らしながら立ち上がった

    エルヴィン「何か見えるのか?」

    ハンジ「あそこみえる?…マンボウ君だよぉぉ!また戻ってきたぁ!!」

    リヴァイ「まだ諦めてなかったのか、お前…」

    ハンジ「当たり前だよ!!あんなに可愛いマンボウ君を、触りたいに決まってるだろ!!」
    目をキラキラさせているハンジ

    エルヴィン「…よし、付き合おう」
    エルヴィンも立ち上がる

    ハンジ「えー!!手伝ってくれるのぉぉ!?やったぁ!!」

    リヴァイ「チッ…」
    神経質に砂を払いながらリヴァイも立ち上がった

    ハンジ「リヴァイも協力してくれるんだね!!ありがとう!!もー、二人とも最高だよ!!」
    チュッチュッと投げキッスを贈るハンジ
  59. 59 : : 2014/02/10(月) 18:08:43
    リヴァイ「…気色わりぃ…」

    エルヴィン「直接ここにくれてもいいぞ。ハンジ」
    エルヴィンは唇を指でポンポン、と指した
    ハンジ「いやあ、それはエルヴィンのファンに申し訳ないからやめておくよ~!」

    エルヴィン「残念だ」
    リヴァイ「エルヴィン、ふっかけんな!!モブリットがかわいそうだろうが!!」
    ハンジ「リヴァイはいい子だねぇ♪さて!!」

    ハンジはそう言うと、目標を指差す
    ハンジ「目標100メートル先!!1メートル級マンボウ!!」

    と言ってから、エルヴィンをみる
    団長はうなずくと右手を高々とあげ、横に降り下ろす

    エルヴィン「長距離索敵陣形展開!!」
    エルヴィンのええ声が辺りに響き渡る

    リヴァイ「…三人でかよ…」

    エルヴィン「前進せよ!!」

    ハンジ「団長に続け!前進せよぉ!!」

    ザブザブザブと海に突入した三人は、小一時間マンボウを追っかけたのだった
  60. 60 : : 2014/02/10(月) 18:09:05
    ハンジ「あー楽しかった♪さわってやったぜ~!」
    右手をニギニギして、マンボウの感触を思い出すハンジ

    ヨットのデッキに三人そろって寝転んでいる
    長距離索敵陣形…によって追い詰められはしたが、マンボウはつかまらなかった

    しかし…

    リヴァイ「ハンジ。結局はダイバーが金属音カツンカツン言わせりゃ寄ってきたじゃねぇか!!」

    ミコマスケイのマンボウ、一匹ダイバーが餌付けしており、呼べば寄ってくるとわかったのが、索敵陣形開始から30分ほどたった頃だった…

    ハンジ「結局呼んでもらって、ちょっと触って、一緒に写真も撮れたよね~!満足!」

    エルヴィン「無駄に疲れた様な気がせんでもないが、終わりよければすべてよしだな」
  61. 61 : : 2014/02/10(月) 18:09:30
    リヴァイ「普段の効率的なお前の発言とは思えん…」

    エルヴィン「しかも、長距離索敵陣形はいろいろ応用できそうだな!?」

    リヴァイ「敵が見えてるのに索敵って変だろうが」

    エルヴィン「ははは、そこは雰囲気だ、なあハンジ」

    ハンジ「そうだよ!!索敵陣形万歳!!考えたエルヴィン天才!!」
    そう言いながら身を翻したハンジは…

    ハンジ「よっ!!」
    エルヴィンの腹の上に馬乗りになった

    エルヴィン「!?」
    ハンジ「かかったなぁぁぁエルヴィンンフフフ~」
    両手をワキワキとさせながら怪しい笑みを浮かべるハンジ

    リヴァイ「…」カメラスチャッ
  62. 62 : : 2014/02/10(月) 18:09:57
    エルヴィン「しまった…」
    ハンジ「くすぐり回して、白目むかせてやるぞぉぉ…ヒーッヒッヒッ…ぶわっ!!」

    いきなりリヴァイに頭を後ろから蹴られたハンジは、団長のたくましい胸に顔をうずめる結果となった

    リヴァイ「…」パシャッ

    ハンジ「こらぁ!!リヴァイ!!話が違うじゃないかぁぁ!!」
    リヴァイ「…いい写真がとれた…そうだな、ハンジ分隊長はついに真っ昼間から団長を襲うようになりました…とでも書くかな…」パシャッ

    ハンジ「ぎゃぁぁぁやめろぉ!!だましたなぁぁ!!」
    エルヴィン「…襲われたと認識していいんだな。では続きを部屋で」

    そう言いながら、ハンジを軽々担ぎ上げるエルヴィン
    ハンジ「きゃぁぁぁ!!離せぇ!!降ろせぇ!!」

    エルヴィン「そんなに嫌がるとは心外だ。自分から襲ってきたくせに…なっ!!」
    と言うと、そのままハンジを海に放り投げた
    ザバーン!!

    リヴァイ「…」パシャッパシャッ

    ハンジ「…ひでぇぇぇ!!二人とも馬鹿ぁぁぁ!!」

    エルヴィン「はははははは!」
    またまた大笑いのエルヴィンであった
    リヴァイ「そこでマンボウと戯れてろ、クソめがね」

    ハンジ「モブリットーー(TT)」
    結局またエルヴィンの恥ずかし写真は撮れなかった…
  63. 63 : : 2014/02/10(月) 18:28:15
    ハンジ「リヴァイひどいなぁ、信じてたのに」
    拗ねて海から上がってこないハンジを見かねて海に入ったリヴァイに、悲しそうな表情でせまるハンジ

    リヴァイ「俺を信じるという選択をしたお前が悪い…」
    遠くを見つめながらつぶやくリヴァイ

    ハンジ「かっこつけていうセリフじゃないよ!!だいたい女の子の頭を後ろから蹴るとかありえねぇぇ!!」

    リヴァイ「女の子、の頭は蹴らん。俺は」

    ハンジ「私はなんなんだよ?!」
    リヴァイ「ハンジ」
    ハンジ「そんなこと聞いてない!!性別だよ!!」
    リヴァイ「ハンジはハンジ」
  64. 64 : : 2014/02/10(月) 18:28:38
    ハンジ「もーー!!リヴァイのばーか!!しらねぇ!!」
    またすねて去ろうとするハンジのポニーテールをぐいっと引っ張ったリヴァイ

    ハンジ「痛い(TT)」
    リヴァイ「ハンジ…ちょっとまて、おい、下みてみろ。なんかたくさん泳いでるぞ…なんだ…?」

    ハンジ「なんだよもう、…っておっ…これはぁぁ」
    目をキラキラさせて、両手を高く突き上げるハンジ

    ハンジ「GTの群れだぁぁぁかっこいい~!さわりてぇ!一緒に泳ぎてぇ!!」
    と言うが早いか、群れの中に突入すべく潜ってしまった
  65. 65 : : 2014/02/10(月) 18:29:07
    リヴァイ「GTってなんだ…?まあいいか、機嫌はなおったみてぇだしな…」
    リヴァイがため息をつこうとした瞬間
    バサァッとハンジが海面から顔を出した

    ハンジ「GT、グレートトレバリー、別名ロウニンアジ。イケメンでしょ!?体長一メートルは越える子達が、グレートバリアリーフではたまに群れを作ってるんだよ♪会えてラッキー!」
    と言い残して、また追いかけて行った

    リヴァイ「せわしねぇ…」
    ヨットに戻ろうとしたリヴァイの背後からまたハンジが顔を出し…

    ハンジ「ちなみに食べてもウマイよ!!」
    と言ってまた消えた
    リヴァイ「…」
    今度こそヨットに戻ろうとした時…
    リヴァイ「!?」
    下から足を引っ張られた
    犯人はもちろん…

    ハンジ「一緒に泳ごうよ!!かっこいいよ!!GT」

    リヴァイ「…ああ」
    文句の1つでも言ってやろうとしたが、喜んでいる顔を見ると言えなくなった
  66. 66 : : 2014/02/10(月) 18:29:30
    その頃エルヴィンは…

    乗客A「お仕事なにされてるんですか?(*^^*)」

    エルヴィン「…兵士ですよ」

    乗客B「軍隊かなにかなんですねぇ!!筋肉凄いですね!!触っていいですか!?」

    乗客A「ちょっとB子!!初対面の人にそんなこと言ったらあかんやん!?」

    エルヴィン「…いや、構いませんよ?」

    乗客AB「きゃぁ~!」

    みたいに逆ナンパにあっていたのだった
  67. 67 : : 2014/02/10(月) 18:29:54
    リヴァイ「お前、水の中の方がイキイキしてんな。泳ぎだけは感心する」
    さすがの人類最強も、水の中ではハンジにかなわなかった

    ハンジ「おお!!リヴァイに誉められるとは!!嬉しいな♪私、人魚みたいだっただろー!?」
    マーメイドのつもりなのだろうか、身体をくねらせて悩ましげな顔をするハンジ

    リヴァイ「…人魚というよりは半魚人だな、気色わりぃぞクソめがね」
    チラリとハンジを見て、眉を潜めたリヴァイ

    ハンジ「…なんだよそれ!誉めてないよね!?」
    ムクッと身体を起こしてリヴァイにつめよった
  68. 68 : : 2014/02/10(月) 18:30:26
    半時間ほど、GTを追いかけ回した二人は、ヨットのデッキに戻って倒れこんだのだが、ハンジは疲れた様子もなく、至って元気だった

    リヴァイ「…誉めてるわけねぇだろ?クソめがね」
    ハンジ「キーー!!絶対人魚だからな!?」
    リヴァイ「半魚人だけはゆずれねぇな」

    ハンジ「くっそ~!こうなったら!!とぅ!!」
    先ほどエルヴィンにやったのと同じように、リヴァイの腹の上に馬乗りになったハンジ

    ハンジ「ヒーッヒッヒッ、人魚と認めるまでくすぐり回す!!」

    リヴァイ「のけよ、クソめがね!おもてぇ!!」

    エルヴィン「…」パシャパシャッ

    ハンジ「…ぎゃぁ!!いつの間に!?エルヴィン!?」

    エルヴィン「…ハンジ分隊長はついに兵士長にまで手を出した。男性兵団員は注意するように…こんな所かな」

    ハンジ「ぎゃぁぁぁちげぇ~!」

    リヴァイ「…ばーか」

    結局もう一度リヴァイに担ぎ上げられて、海に放り投げられたハンジであった…
  69. 69 : : 2014/02/10(月) 18:31:00
    ハンジ「あーひどい目にあった…女の子をなんだと思ってるんだよ…」
    ブツブツ文句を言いながら海から上がってきたハンジ

    エルヴィン「どう考えても、被害者は俺たちだと思うが…」

    リヴァイ「女の子、にひどいことはしねぇ」

    ハンジ「じゃあ私は…」
    リヴァイ「半魚人。性別ハンジ」
    ハンジ「ムキーー!!」

    エルヴィン「はははは!」
    ハンジ「エルヴィン笑いすぎ!!」
    リヴァイ「フン」

    そんな感じで、島からの帰りをデッキで寝そべって賑やかに、仲良く過ごした三人であった
  70. 70 : : 2014/02/10(月) 18:32:20
    島から帰って、ホテルでさっと身支度をした三人は、ケアンズ市街地へ足を踏み入れた

    ハンジ「皆さんお待たせいたしましたっ!!今日の夜は肉を食いに行くよ!!」

    エルヴィン「おお!!肉か!!」
    リヴァイ「お腹と背中がごっつんこしてるからはやく食いてぇ」
    リヴァイとエルヴィンは目を輝かせている

    ハンジ「夕食にはまだ少し早いから、街散策しながら向かおう!!」

    エルヴィン「そういえばケアンズはまだあまり散策していなかったな」

    ハンジ「…実は、他にもちょっと寄りたい所があるんだ♪」

    リヴァイ「腹減ってるってのに…」
    すぐに肉か食べられないとわかり、不機嫌そうにつぶやいた

    エルヴィン「リヴァイ、こどもみたいだな、我慢しなさい」
    ハンジ「ちっさいおっさん~」

    リヴァイ「誰がちっさいおっさんなんだてめぇ!!」

    ハンジ「かわいいチビァイ♪」
    ハンジはヨシヨシとリヴァイの頭を撫でた

    エルヴィン「腹空かして泣きそうなリヴァイのためにも、急ぐか」
    リヴァイ「泣きそうじゃねぇ!!」

    三人は街の北に向かって歩き出した
  71. 71 : : 2014/02/10(月) 18:47:50
    沢山のブランドショップや土産物屋が建ち並ぶメインストリートを離れて、北にしばらく歩いた

    ハンジ「あ、ここだ!!」
    と立ち止まったのは、何かの工房のような店だった

    エルヴィン「石がたくさん置いてあるようだな」
    ショーケースの中には、石というか、岩のような塊が並べられている

    ハンジ「ここはね、オパール工房だよ!!オーストラリアはオパールの産地なんだ!!」

    リヴァイ「オパールって宝石か?」
    ハンジ「そうだよ!!あの岩の中にオパールがある!!かち割って取り出して、削る磨く…で、綺麗なオパールがお目見えってわけ!!」

    エルヴィン「ハンジが宝飾品に興味があるとは知らなかった」

    ハンジ「綺麗な物は好きだよ!!とりあえず入ろう!!」
  72. 72 : : 2014/02/10(月) 18:48:18
    店の中には髭を蓄えたおじさんが、オパールを磨いていた

    エルヴィン「ほう、商品になると、元の岩とは全然ちがうな。」
    リヴァイ「石の中に色んな色が入ってるな。見る角度によっちゃあ赤がでたり青がでたり…不思議だな」

    磨かれた後のオパールを興味深く見物するエルヴィンとリヴァイ

    ハンジは店の奥にいたおじさんと、何やら話し込んでいた

    リヴァイ「指輪になったり、ペンダントになったりするんだな」

    エルヴィン「ハンジにプロポーズの時のために、買っておいたらどうだ?婚約指輪」

    リヴァイ「…てめぇはどうしても俺とハンジをくっつけたいらしいな…?」

    エルヴィン「そういうわけではないんだが、お前たち仲良しだしな。それに、興味がある」

    リヴァイ「何だよ?」

    エルヴィン「人類最強と人類最強の変人との間の子に…」

    リヴァイ「考えられねぇ!!つーか、婚約指輪はダイヤだろ、普通」

    エルヴィン「人それぞれだぞ。ルビーやサファイアを婚約指輪にした奴もいるぞ」
  73. 73 : : 2014/02/10(月) 18:48:49
    ハンジ「ごめんごめん、お待たせー♪おじさんが、一人だけだけど、オパール磨き体験させてくれるって!!代表でエルヴィン行ってきて!!」

    エルヴィン「一人だけ、なのか」
    ハンジ「時間が遅いからね~面白そうだから楽しんできて?エルヴィン」

    エルヴィンは一人、おじさんに連れられて工房の奥に入っていった

    ハンジ「…さて、リヴァイ、ちょっと相談!」
    リヴァイ「何だ?」
    ハンジ「あのね…ゴニョゴニョ…」
    リヴァイ「…いいんじゃねぇか?」
    ハンジ「よし、決まりだね!!」

    二人は一緒に店に並んでいるオパールを物色し始めた
  74. 74 : : 2014/02/10(月) 18:49:13
    リヴァイ「俺はこれがいい。青がたくさん入ってる」

    ハンジ「私はこれがいい。赤がたくさん入ってる」

    リヴァイ「ゆずれねぇな!!」

    ハンジ「わたしもゆずれねぇ!…っと、これはどう?少し高いけど、赤も青も、緑、オレンジ、水色、下地は黒だから、ブラックオパールだね」

    リヴァイ「…それ、いいんじゃねぇか?」
    ハンジ「いいよね?初めてリヴァイと意見があった気がする!!記念日だね!?」

    リヴァイ「何の記念日なんだ、クソめがね」

    ハンジは選んだオパールを手に、髭のおじさんに何やら相談しに行った
  75. 75 : : 2014/02/10(月) 18:49:39
    一時間後、エルヴィンが満足そうに奥から出てきた
    体験させてくれたおじさんとハイタッチをし、心臓をささげよ、の敬礼までお互いやりあっていた

    …どうやってコミュニケーションをとったか定かではないが…

    ハンジ「なんだかエルヴィンすげぇ」
    リヴァイ「適応力半端ねぇな」

    エルヴィン「長い時間だったが、暇だったんじゃないのか?すまなかったな」
    ハンジ「いや!リヴァイとオパール談義に華を咲かせていたから!!」
    リヴァイ「赤と青で対決したりな…」

    エルヴィン「そうか。で、婚約指輪は選んだのか?リヴァイ」

    ハンジ「えぇぇぇ!!婚約すんのぉ!?誰と誰と!?」

    リヴァイ「しねぇし買わねぇ!!」

    ハンジ「リヴァイと婚約なんて凄い勇気ある人だねぇ!!よほど根性すわってなきゃ無理だよね~チビで潔癖症で、口悪いし」

    リヴァイ「…削ぐ…」

    ハンジ「リヴァイ、冗談だって冗談…ひやぁぁぁ!!逃げろ!!」

    ケアンズの街を舞台に、リヴァイによるハンジの大捕物が繰り広げられたのであった
  76. 76 : : 2014/02/10(月) 19:48:24
    ハンジ「いやはや、お腹へったねぇ!!」

    リヴァイ「てめぇが無駄に逃げやがるから飯までに時間かかったんだろうが!?」

    立体機動を使わない追っかけっこは、なかなか決着がつかず、最後はエルヴィンに足を引っ掛けられた所をリヴァイに取り押さえられた

    ハンジ「リヴァイ怖いんだもん、何されるかわかったもんじゃないよ~」
    両腕で身体を抱きながら、震えるハンジ

    リヴァイ「女の子のふりすんな!クソめがね」

    エルヴィン「まあまあ、折角いいにおいの店にいるのだし、痴話喧嘩はやめたまえ」

    三人は、街の北にあるオージービーフ専門店で、料理がくるのを待ち構えていた

    リヴァイ「痴話喧嘩じゃねぇ!!」
    ハンジ「喧嘩じゃないよ?リヴァイと戯れてるんだよ?エルヴィン」

    エルヴィン「はは、仲の良い証拠だな…おっ料理がきたぞ」

    三人の前に並べられたのは、凄くボリュームのあるステーキだった

    ハンジ「うきゃぁぁぁにぐぅぅ!!いただきまぁす!!」
    リヴァイ「モグモグモグ…」
    エルヴィン「いただきます、がないぞ?リヴァイ」
    リヴァイ「…いただいてます…モグモグモグ」

    三人は一心不乱に肉を削ぎにかかった
  77. 77 : : 2014/02/10(月) 19:49:01
    エルヴィン「ふぅ、久々に腹一杯肉を食べたな」
    ステーキをペロリと平らげ、おかわりまでした三人は、食後の一杯をしに雰囲気の良いバーに行った

    ハンジ「すごく分厚い肉だったよねえ♪」
    リヴァイ「…腹はち切れそうだ、でもうまかった…」
    リヴァイは机に突っ伏して目を閉じた

    エルヴィン「リヴァイ眠いのか?」
    テーブルに置いてあるワインを少しずつ飲んでいるエルヴィン

    リヴァイ「…少しねみぃ…」
    ハンジ「お腹一杯になったら眠いって、ほんとこどもみたいだねぇリヴァイは」

    リヴァイ「…あほぬかせ、昼間てめぇに付き合って泳いで疲れてんだよ、クソめがね」

    ハンジ「飲んでる物もオレンジジュースだし、こどもだね?」
    リヴァイ「フン、いま酒飲んだら確実に寝るから飲まねぇんだ…」
    今にも寝そうなリヴァイは、目をこすりこすりしている

    ハンジ「リヴァイがおねんねしちゃう前に…エルヴィン、はいこれ、プレゼント」

    ハンジはリュックサックから取り出した箱をエルヴィンに手渡したら

    エルヴィン「お?なんだいこれは」
    ハンジ「リヴァイと一緒に選んだんだよ。気に入るといいな~!ね、リヴァイ」
    リヴァイ「…おう」

    エルヴィン「開けても構わないかな?」

    ハンジ「もちろん!!」
  78. 78 : : 2014/02/10(月) 19:49:26
    エルヴィンが箱を開けると、中には…
    エルヴィン「お、ループタイじゃないか!!しかもオパール…」

    ハンジ「いつも世話になってるから!!リヴァイと喧嘩しながら選んでたんだけどね、最終的にそのオパールで二人意見があったんだよ♪」

    リヴァイ「なかなか選ぶのには時間がかかったな…ハンジが変な趣味だからな」

    ハンジ「リヴァイの選ぶのは地味なのばっかだし!?」

    エルヴィン「…」

    リヴァイ「…おいエルヴィン、気に入らなかったのか?」

    二人の痴話喧嘩をよそに、ループタイを握りしめて神妙な顔つきになっているエルヴィンに、リヴァイは首をかしげながら言った

    エルヴィン「…いや、高かっただろう?」
    ハンジ「二人で買ったから、平気だよ♪」
    リヴァイ「それ買うくらいの金はあるぞ、ばかにすんな」


    エルヴィン「…そうか。ちょっと手洗いにいってくる」

    というと、ループタイを握りしめたまま、二人の顔も見ずに行ってしまった

    ハンジ「…エルヴィンどうしたんだろうね…?」
    リヴァイ「わかんねぇ…クソでもしにいったんだろ」
  79. 79 : : 2014/02/10(月) 19:49:57
    ハンジ「戻ってこないねぇ」
    リヴァイ「クソがでねぇんだろ」
    ハンジ「そうかなぁ…あ、戻ってきたよ!!」

    エルヴィン「すまん、クソが長引いた」
    と言うエルヴィンの服の襟元には、オパールのループタイが輝いていた

    ハンジ「なんだ!!着けてくれたんだ!!良かった~気に入らなかったのかと思ったよ~」

    エルヴィン「いやいや、嬉しかったよ。ありがとう」
    はにかんだ様に笑うエルヴィンの目元は、ほんのり赤かった

    リヴァイ「エルヴィン、目が赤ぇな」

    エルヴィン「ん?そうか?気のせいだ」
    ゴシゴシと目をこするエルヴィン

    ハンジ「エルヴィンもねむいんだね?」

    リヴァイ「ちげぇ!!エルヴィンは泣いてムググ…」

    エルヴィン「そうだ、眠くてな」
    リヴァイの口を、大きな手でふさぎながら言うエルヴィン

    ハンジ「…なんだぁ、感動して泣いちゃったの!?エルヴィン。最大のシャッターチャンス逃した…」
    エルヴィン「ははは」

    リヴァイ「泣いたに違いねぇ」
    ハンジ「まじかぁぁぁ…」
    エルヴィン「さて、どうだろうな?」
  80. 80 : : 2014/02/10(月) 19:50:44
    ハンジ「エルヴィンはさあ、10月が誕生日だろ~?誕生石がオパールなんだよ。だからプレゼントしたいなあってね♪」

    エルヴィン「そうだったのか」

    リヴァイ「それに、憲兵団のうすら髭がな…」

    エルヴィン「…ナイルの事か?」

    ハンジ「そうそう、事あるごとにエルヴィンに対抗してる奴!!」
    リヴァイ「全てにおいて勝てねぇくせにな」

    ハンジ「顔も身長も、体つきも、カリスマ性も、指導力も、知力も、体力も、女性人気も、全て勝てないくせに偉そうなんだよ、エルヴィンに対して!!」

    エルヴィン「ひどい言われようだな、ナイル…」

    リヴァイ「唯一お前に自慢してやがったのが、ループタイだった」

    エルヴィン「そんなことあったか…?」
    ハンジ「あったよ~エルヴィンはニコニコしながら聞いてやってたけどさ」

    リヴァイ「調査兵団は役立たずの金食い虫だから、団長もろくなループタイを買えないとか言ってやがった」

    エルヴィン「そんなことあったような、なかったような…気にしたこともなかったな」
  81. 81 : : 2014/02/10(月) 19:51:16
    ハンジ「だから、エルヴィンにも良いものつけてもらおうと思ってね♪」

    エルヴィン「そうだったのか…」

    リヴァイ「まあ、少しは世話になってるしな、お前に」
    ハンジ「凄く世話になってるって!!」

    エルヴィン「二人ともありがとう!!まあオパールのループタイを自慢はしないつもりだが、聞かれたら、親愛なる部下がプレゼントしてくれたと言おう」

    ハンジ「うんうん!!」
    リヴァイ「薄ら髭は、部下から心のこもったプレゼントなんて貰ったことねぇだろうから自慢になるはずだな」

    エルヴィン「私にとっては、物の価値はいいんだ。大事なのは、リヴァイとハンジが心をこめて贈ってくれたと言うことだ」
    エルヴィンは微笑みながら、ループタイを指で触れている

    ハンジ「…」パシャ

    エルヴィン「お?」

    ハンジ「最高にいい顔のがとれた!!」
    リヴァイ「見せろ、うわ、目尻下がっててすげえぞ、エルヴィン」

    エルヴィン「…本当か…?」
    写真の中には、普段は滅多に見せることのない、優しげな笑顔のエルヴィンがいた
  82. 82 : : 2014/02/10(月) 19:51:43
    ハンジ「エルヴィンが喜んでくれて嬉しいよ♪」
    リヴァイ「らしくねぇ顔つきした写真も撮れたしな」
    エルヴィン「いや、本当にありがとう。ところで…」
    と言うと、懐から何かを取り出した

    エルヴィン「ハンジ、リヴァイ、お前ちにプレゼントだ」
    と言いながら、小さな箱を二人に手渡した

    ハンジ「えええ!!私たちにもあるの?いつの間に!!」
    リヴァイ「…開けるぞ」

    箱に入ってるいたのは、オパールの革ひもネックレスだった

    ハンジ「オパールだあ!!綺麗なんですけどっ!!」

    エルヴィン「実は、研磨体験の時に岩を砕いたら、結構大きいオパールの層が出てきてな。二つできたんだ」

    リヴァイ「おっさんに手伝ってもらって急いで作ったんだな」

    エルヴィン「ああ。革ひもならお前もつけられるだろ、リヴァイ」

    リヴァイ「早速つける」
    リヴァイの胸元にもオパールが輝いた

    ハンジ「エルヴィン…」
    エルヴィン「ん?なんだいハンジ?」

    ハンジ「ありがとうの、ちゅー!!」
    ハンジはエルヴィンに抱きついて、頬にキスをした
  83. 83 : : 2014/02/10(月) 19:52:12
    エルヴィン「ははは、ハンジ、どうせなら口に欲しかったな」

    ハンジ「えーどうしようかなあ、サービスしちゃうかな~!」
    といいつつ、自分の唇にリップをぬりなおすハンジ

    リヴァイ「サービスするんじゃねぇ!!ばかが!写真撮るぞ!?」

    エルヴィン「もしや、リヴァイ妬いてるな?」
    ハンジ「えー!!?」

    リヴァイ「…ちっ、違うぞばかども!!モブリットが可哀想だと…」

    エルヴィン「ちなみにそのオパール、二つとも同じ原石から出来てるから、夫婦みたいなものだな。いわばお揃いを一緒に身に付けていると言うことだ。仲睦まじくなJ

    ハンジ「リヴァイと夫婦かあ…毎日喧嘩だろうなぁ…」
    リヴァイ「想像すんなクソめがね!!」

    旅行も明日で最終日。
    ケアンズで過ごす最後の夜、三人の心はまるで温かい風が吹いているように、ほっこりしていた
  84. 84 : : 2014/02/10(月) 19:52:38
    エルヴィン「皆、またせたな…寝起きドッキリの時間がやってきたよ…!」
    深夜のホテルの廊下にて、よく通る声を極力押さえて言うエルヴィン。

    エルヴィン「現在時刻午前4時。気分よく酒をたらふく飲んでいたターゲットはぐっすり眠りについているはずだ」
    フフ、と怪しい笑みを浮かべる

    エルヴィン「私はやられたらやり返す主義なんだ。フフフ。と言うわけで、ターゲットが誰かはもうお分かりだろうと思う!!早速行ってみよう」

    エルヴィン「鍵を開けなければな…と、その必要は無いようだ」
    ガチャリ、とドアが開いた

    エルヴィン「鍵をかけずに寝るとは、無用心だな。後で注意しておこう。さて、部屋に入るぞ」

    エルヴィン「部屋にうっすら明かりが灯っているな。真っ暗だと眠れないのだろうか…お、机には書類の束が散らばっているな…ナニナニ…」

    エルヴィン「ワニさんの生態、ワニさんとの意志疎通、ワニさんの愛、ワニさんかわぇぇ…一応研究資料なのかな?書類を揃えておこう。整理整頓もさせないといけないな…」

    エルヴィン「…書類を整理したら、本が出てきた。と思ったら日記だ。見るべきか見ないべきか…」
    しばらくあごに手をやりながら思案するエルヴィン

    エルヴィン「いや、私は団長だしな。幹部が何を考えているのか、知る権利かあるはずだ。うむ、そうだ、そうに違いない…」
    エルヴィンはそういい聞かせながら、日記をパラパラとめくりだした
  85. 85 : : 2014/02/10(月) 19:53:47
    エルヴィン「《○月☆日。今日はいい天気!!ソニーもビーンもごきげんだった♪また頭をかじられそうになっちゃったよ!!こどもは元気が一番だよね!?こどもじゃなくて巨人だけど、まあ似たようなものさ!!》…似てもにつかんと思うが…ハンジは懐が深いな。見習うべきかもしれん」

    エルヴィン「《○月★日。リヴァイに牛乳をたくさんプレゼントしたら、削ぐって言われた…人の恩を仇で返すなんてひでぇ…嫌われまくってるのかもね…》…リヴァイの気持ちを考えないとな、ハンジ。嫌われてはないぞ!?むしろ…」

    エルヴィン「《☆月☆日。エルヴィンがお腹がいたいと言うので、薬を渡したよ!!優しいなあ私!間違えて精力増強剤渡したけど…ま、いっか!?》…なるほど、それで…っていいわけないだろうが!」

    エルヴィン「《☆月▲日。エルヴィンに、昨日の薬どうだった、とおそるおそる聞いたら、元気になったって!!精力増強剤で、お腹痛も治るんだね~。エルヴィンの研究もしてみたいな!!》………お仕置きが必要だな…」

    エルヴィン「…いかん、読めば読むほど頭痛が酷くなりそうだからやめよう…それより、そろそろベットを拝見しよう」
  86. 86 : : 2014/02/10(月) 19:55:35
    エルヴィン「さて、まずは寝顔を拝見しよう」
    スースーと寝息をたてて寝ているハンジ

    エルヴィン「なかなか可愛い寝顔だな…コアラのぬいぐるみを抱いてねているぞ。ワニフィギュアも枕元に、気に入っているんだな」

    エルヴィン「…良く見ると、本当に可愛いかもしれん。いつものハンジとはまた違った…そうか、眼鏡がないか…」
    エルヴィンは、ヨシヨシとハンジの頭を撫でてやった

    ハンジが少し身じろぎすると、布団から上半身がはみ出した

    エルヴィン「…ハンジ、君は…」
    ハンジの胸元にそっと手をやるエルヴィン


    エルヴィン「…オパール、着けたまま寝ているのか。革ひもで首がしまるぞ…?」
    そう言うと、革ひもを最大限長く調節してやった

    エルヴィン「…リヴァイ、いるんだろう?」
    背後に感じる気配に声をかけるエルヴィン

    リヴァイ「ばれたか…」
    エルヴィン「凄い殺気を感じたからな。怖い怖い」

    リヴァイ「まあお前の事だから、ハンジをどうこうはしねぇとは思ったがな」
    エルヴィン「…それはわからんぞ?男というやつはな…」
    つぶやくように言うエルヴィン

    その時…
  87. 87 : : 2014/02/10(月) 19:56:09
    ハンジ「ふぁー、あれれ、二人とも何してんのぉ…?」
    呑気なハンジが目を覚ました

    ハンジ「もしかして、夜這い…?そういえば、布団はだけてる!!リヴァイめくったね!?」

    リヴァイ「はぁ!?ちげぇ!!してねぇ!!」
    ハンジ「エルヴィンが止めてくれたんだね!?」
    リヴァイ「違っ!ばかが!!」
    エルヴィン「いやあ、普段の行いは大事だなあ、リヴァイ。ははは」

    ハンジ「油断も隙もあったもんじゃないよお~リヴァイのえっち~」

    リヴァイ「ちげぇっ!!クソめがね!!お前なんかに興味ねぇよ!!」

    エルヴィン「ははは!!」
  88. 88 : : 2014/02/10(月) 19:56:36
    ハンジ「なんだあ、夜這いはエルヴィンだったのかぁ~」
    結局、事の顛末をエルヴィンから聞いたハンジ

    エルヴィン「夜這いではないぞ。寝起きドッキリの仕返しをするつもりだったんだ」

    リヴァイ「途中でやばかったくせに、良く言う…」

    ハンジ「やばいってなにが!?何が!?」

    エルヴィン「…まあいい、それよりハンジ、君はもう少し自己管理をしろ。部屋に鍵がかかっていなかったし、書類は散らばっていたし…」

    リヴァイ「…エルヴィンが話をすり替えやがった」
    ハンジ「だから、やばいってなにが!?」
    エルヴィン「…ハンジしつこいぞ?」
    リヴァイ「お前、エルヴィンに襲われかけてたんだぞ?」

    ハンジ「……えぇー!!まじで!!シャッターチャンスだったんじゃないか!」

    リヴァイ「自分の身体より写真かよ…」
    エルヴィン「ははは」

    ハンジ「まあでも、エルヴィンも研究してみたいしなあ…ちょっと惜しいことしたかも!?」

    リヴァイ「もうしらねぇ!!」
  89. 89 : : 2014/02/10(月) 19:57:07
    エルヴィン「そうだ、ハンジ。研究といえば、君は腹痛の薬と間違えて、変な薬をくれたよな…?」

    ハンジ「な、なんで知ってるのぉぉ!?まさかエルヴィン日記読んだね!?プライバシーの侵害だあ!!」

    エルヴィン「団長権限だ!!」
    ハンジ「そんなのないし!?」
    エルヴィン「というわけで、お仕置きだ。責任はとってもらおう」
    ハンジ「責任ってなんだよぉ!?」

    エルヴィン「俺を研究したいんだよな?存分に研究するといい」
    というと、ベットにハンジを押し倒した

    ハンジ「リヴァイ助けて~!」
    リヴァイ「知らねぇ」

    エルヴィン「覚悟したまえ、ハンジ」
    ハンジ「うわぁん、ごめんなさいエルヴィン団長~(TT)怖い、やめて~」
    リヴァイ「バカにつける薬、どっかにねぇかな…?」

    リヴァイはため息をついて、部屋を出た

    ケアンズの静かな夜、部屋で温かい紅茶を入れて、ベランダでゆっくり過ごすリヴァイだった
  90. 90 : : 2014/02/10(月) 19:57:49
    ケアンズの夜
    少し暖かい、海の香りをほのかに感じさせる優しい風が、リヴァイの頬を撫でる

    目の前に広がる海
    いつものスタイルで紅茶を楽しむ
    ゆったりとした時間

    ふと、自分の手に目をやる
    身長のわりには大きい手だと思う
    この手で、何体の巨人を倒しただろう
    討伐数など数える暇もなかった

    4000人の兵士に匹敵するらしい
    …言い過ぎだと思う
    時代が英雄を欲した
    ただそれだけの事

    ただ、そう言われてしまったならば、それらしく振る舞わねばならない

    自分に見合っているとは思えない、人類最強という名のでかい冠を、被り続ける

    そうする事で、あいつらと肩を並べられる
    それが今の、自分の居場所

    紅茶を口に含む…冷めてしまっていた

    入れ直そうと立ち上がった時…
  91. 91 : : 2014/02/10(月) 19:58:17
    ガチャガチャガチャ!
    ドンドン!!
    ハンジ「開けてぇ!!」
    ガチャガチャ!!

    リヴァイ「チッ、うるせぇな…」
    放っておこうかと思ったが、静かな夜に近所迷惑は申し訳ない、開けてやる事にした

    ガチャガチャガチャリ…
    ハンジ「あー危なかったあ!!早く開けてよ?リヴァイ」

    リヴァイ「てめぇの部屋に戻りゃいいだろうが。折角の静かな一時を台無しにしてくれやがって…」

    不機嫌な表情のリヴァイに、うなだれるハンジ
    ハンジ「あー、ごめんね…。でもさぁ…」

    リヴァイ「…お前、パジャマのボタン全部ずれてるぞ」
    ハンジ「えっえっえっ!?」
    慌て出すハンジ

    リヴァイ「…済んだのか?お仕置き」
    ハンジ「えっえっえっ!?なんの事!?」
    顔を真っ赤にしながら、ボタンのかけ違えを慌てて直すハンジ

    リヴァイ「…自分の部屋か、エルヴィンの部屋に戻れ」
    リヴァイはハンジの背を押して、部屋から出そうとした
  92. 92 : : 2014/02/10(月) 19:58:47
    ハンジ「ま、待って、リヴァイ!!なんか誤解してない!?」
    オロオロするハンジ

    リヴァイ「してねぇ。静かに紅茶を飲みてぇから出てけ。クソめがね」
    部屋のドアにハンジの体を押しつけた

    ハンジ「待ってよ!!話を聞いて!!」
    ハンジは素早く身を翻し、ドアから離れた

    リヴァイ「…チッ。何だよ。早く言えよ、紅茶を飲みてぇんだからな」

    ハンジ「紅茶、入れてあげるよ!!」
    リヴァイ「…一人で飲みてぇから話あるなら早くしろ。クソめがね」

    ハンジ「えっとね…ごめんね、リヴァイ。さっきは、その、ほんとは助けてくれたのに、勘違いしちゃって…」

    リヴァイ「余計な事をしただけだろ、研究したかったらしいしな。まあその様子じゃあ無事研究できたんじゃねぇか?さあ、部屋に戻れよ」
    盛大に不機嫌な顔で、吐き捨てるように言うリヴァイ
  93. 93 : : 2014/02/10(月) 19:59:23
    ハンジ「いやいや、エルヴィンは何にもしなかったよ!?ただ…その…」

    リヴァイ「…何だ」
    鋭い目線がハンジを刺す

    ハンジ「…パジャマのボタンをね、全部外された」
    リヴァイ「…」

    ハンジ「で、ここからが不思議なんだけどさ、何故かまたボタンをかけ直したんだ、エルヴィン」

    リヴァイ「…」
    ハンジ「で、一言、このままリヴァイの部屋に行って謝ってこいって…多分エルヴィンがかけ違えたんだと思う、ボタン」

    リヴァイ「…なるほどな。あいつめ…」

    ハンジ「何?なに?!何がわかったのか教えて?」
    リヴァイ「てめぇで考えろ」
    ハンジ「えーー!!わかんねぇ…男心!!急に抱きたくなくなった、とか?!」

    リヴァイ「…ちげぇ、ばーか」
    ハンジ「あー、もう、頭回んないよ!!」
    ハンジは頭をブンブン振った
  94. 94 : : 2014/02/10(月) 19:59:51
    ハンジ「どうせばかですよーだ…」
    部屋のソファにドサッと腰を下ろしてつぶやいた

    リヴァイ「…お前はわからなくていいんだよ」
    そう言うと、ハンジの両頬をつねった

    ハンジ「いひゃい(TT)」
    リヴァイ「ばーか」
    ハンジ「ひゃなせ~(離せ~)」
    リヴァイ「断る。お仕置きだ」
    ハンジ「…」
    リヴァイ「…チッ」
    目に涙をためたハンジを見て、手を離した

    ハンジ「痛いじゃないか…女の子の顔になんて事を…」
    リヴァイ「…女の子と認識してもらいてぇなら、もう少し節操を持て、クソめがね」

    ハンジ「…うん。考えておくよ」
    リヴァイ「考えずに行動にうつせよ…」

    はぁ、と盛大にため息をついたリヴァイであった
  95. 95 : : 2014/02/10(月) 20:50:49
    ハンジ「リヴァイ兵士長様!!紅茶をお入れしました!!」

    ベランダの椅子にふんぞり反っているリヴァイに、へりくだるハンジ
    リヴァイ「…そこに置いとけ、クソめがね」

    ハンジ「じゃあ私も座ろっと…」

    リヴァイ「…誰が座っていいっつった?」
    ハンジ「いじわる!!」

    リヴァイ「俺が許すまで言うこと聞くんだろうが」
    ハンジ「…はい…」
    リヴァイ「返事がちいせえな…」
    ハンジ「はいっ!!リヴァイ兵士長殿っ!!」
    完璧な敬礼をして見せるハンジ

    リヴァイ「うるせぇ…」
    ハンジ「はぁっ!?声がちいせえなって言ったのリヴァイだろ!?」
    リヴァイ「フン」

    ハンジ「リヴァイ兵士長、お願いが…」
    リヴァイ「断る」
    ハンジ「せめて聞いてから断ってくれよ!!」
    リヴァイ「どうせろくなお願いじゃねぇだろうが」
    眉をひそめるリヴァイ

    ハンジ「ちゃんと謝って、お礼がしたいのですが…」
    リヴァイ「抱きつきも、投げキッスもいらねぇぞ」
  96. 96 : : 2014/02/10(月) 20:51:16
    ハンジ「…うん。だから…」
    ハンジは少し屈むと、リヴァイのおでこに唇を落とした

    ハンジ「ごめんね?」
    リヴァイ「…おでこかよ」
    ハンジ「…えっ、もしかして口にほしかった?」
    リヴァイ「うるせぇ、ほしくねぇ」
    プイッとそっぽを向くリヴァイ

    ハンジ「口にしたかったけど、届きにくくって…」
    リヴァイ「…はぁ!?喧嘩売ってんのかてめぇ!!」
    ハンジ「売ってないよ!!ばかリヴァイ!!」

    リヴァイ「…はあ、俺もどうかしてるな…」
    頭を抱えるリヴァイ

    ハンジ「柄にもなく口にキスを迫るリヴァイ…」
    リヴァイ「言うな…」
    ハンジ「一夏のアバンチュール、旅行中の開放感、そんな所かな~」
    リヴァイ「分析すんな…」
    ハンジ「まあ、そういう時もあるさ!!というわけで」
    ハンジは身を屈めて、リヴァイの唇に自分の唇を重ねた

    ハンジ「私もアバンチュール~!じゃあおやすみ!」
    と言って部屋から走って出ていった

    リヴァイ「………」
    ハンジが入れた紅茶を飲んだ
    リヴァイ「…にげぇ…」
    しばらくそのまま、ケアンズの風に抱かれていた
  97. 97 : : 2014/02/10(月) 20:51:45
    ハンジ「…あーやっちまったなぁ…」
    部屋に走って戻り、部屋のドアをバタン!!としめたハンジ

    ハンジ「…そういえば、久々だったなあ…」
    自分の唇に触れながら、そうつぶやいた

    エルヴィン「何が久々だったんだ?ハンジ」
    ベッドの方から声がした

    ハンジ「ぎゃぁぁ!まだいたのか、エルヴィン」
    思わず扉まで後ずさる

    エルヴィン「…逃げなくてもいいだろう?お仕置きはもう終わっているから」
    困った様な表情のエルヴィン

    ハンジ「…そんな顔してもかわいくないよ!?」
    エルヴィン「はは。ところで、リヴァイの反応は?」

    ハンジ「あっ、そうだ、エルヴィン。ボタンくらいちゃんととめてくれよ~そのせいでひどい目に…あったよ」

    エルヴィン「はは。で、それを見たリヴァイの反応は?」

    ハンジ「…うーん、最初は凄く怖い顔してたねぇ…でも、最終的にはなるほど、あいつめ…って…わけわかんないよ」

    エルヴィン「そうか、あいつは几帳面だから、ボタンのかけ違えにはすぐ気がつくと思ったが、当たりだったな」
    フフ、と不敵な笑みを浮かべて言う
  98. 98 : : 2014/02/10(月) 20:56:16
    ハンジ「なに企んでたんだよ…油断も隙もないのはエルヴィンの方だね…」

    エルヴィン「…今さら気がついたのか?遅いな。まあでも、久々に何かあったみたいだし、よかったよかった」

    ハンジ「…もしかして全部エルヴィンの掌の上での…」
    エルヴィン「いや、俺がやったのは、背中を少し押したくらいだよ」
    そう言うと、にっこり微笑んだ

    ハンジ「ああーなんか疲れたよ、急に眠気が…」
    エルヴィン「俺も部屋に戻って寝よう」
    そう言うと、ベッドから立ち上がって扉に向かった

    ハンジ「エルヴィン、服着てねてよ!?風邪ひくよ!?」
    エルヴィン「そうだな、また布団捲られても困るし、考えておくよ。」

    ハンジ「まくらねぇ!!」

    エルヴィン「全然説得力がないな。二度あることは、三度あるというしな。ま、おやすみ、ハンジ」
    手をひらひらと振って、エルヴィンは出ていった

    ハンジ「おやすみ~」
    ベッドに飛び込んで10秒たたずに、スヤスヤ眠りについたハンジであった
  99. 99 : : 2014/02/10(月) 20:57:25
    ハンジ「皆おっはよー!!」
    エルヴィン「おはよう!!」
    リヴァイ「…おう…」

    ハンジ「あれれ、一人元気のない子がいるなあ!?今日は旅行最終日だよ!?盛り上がっていこう!!」

    エルヴィン「リヴァイ、目の下にすごいくまができているな。眠れなかったのか?」

    リヴァイ「…少しは寝た…紅茶飲みすぎて、眠れなくなった上にトイレが近くて参った…」
    今にも目をつぶりそうなリヴァイ

    ハンジ「仕方ないなあ!?リヴァイ、眠気覚ましのちゅうを!!さあ!!」

    リヴァイ「じ、冗談じゃねえ!!なんの罰ゲームなんだよ!?」
    にじりよるハンジに後ずさるリヴァイ

    エルヴィン「公開プレイだな!?」カメラスチャッ
    ハンジ「ほら、遠慮はいらないよぉ~ちゅうをしよう!!リヴァイ!!」

    リヴァイ「しねぇ!!遠慮する!!」

    ハンジ「エルヴィン団長~リヴァイがちゅうさせてくれないよ…」

    エルヴィン「リヴァイ、命令だ。キスくらいしろ。公衆の面前で」

    リヴァイ「…お前ら俺で遊んでるだろ!?」

    エルヴィン「いやあ、青春が眩しいな」

    結局何があろうと、いつも通り賑やかな三人であった
  100. 100 : : 2014/02/10(月) 20:58:05
    ハンジ「さあ、今日は旅行最終日!!ケアンズにある世界自然遺産の二つをまわるよ!!」

    エルヴィン「世界遺産か。そういえば、先日行ったエアーズロック一帯も世界遺産なんだよな?」

    ハンジ「そうそう、エアーズロック、アボリジニではウルル。マウントオルガ、アボリジニではカタジュタ。両方をあわせて《ウルル・カタジュタ国立公園ていうんだ。その一帯が世界遺産なんだよ」

    リヴァイ「海もだろ?昨日行った。グレートバリアリーフ。オーストラリアってスケールでけぇな」

    ハンジ「そうだね!ほんとはまだまだ世界遺産があるんだ。全部はまわれないけど、いつか行きたいね♪」

    エルヴィン「今日も水着持参だが、海に行くのか?」
    ハンジ「うん!!昼から行くつもり♪楽しみにしておいて♪いまから行くのは、海ではなくて森…かなあ。とりあえず行ってみよう!!」
  101. 101 : : 2014/02/10(月) 20:58:36
    ケアンズからバスで15分
    お洒落な外観の駅、カラボニカターミナルに到着した

    ハンジ「さあ、ここからスカイレールに乗るよ!!あれに乗って、今日の一つ目の世界遺産、クイーンズランド州の熱帯雨林を調査に行くよ!!」
    ハンジが指さす方向には、数人が乗れるような、小さな緑色のゴンドラがあった

    エルヴィン「スカイレールか、文字通りなら空を飛ぶ感じなのだろうな」
    リヴァイ「落ちたりしないだろうな…」
    ゴンドラの小ささに不安げなリヴァイ
    ハンジ「大丈夫だよ!!怖いの?リヴァイ」
    リヴァイ「…地に足がつかんのは落ち着かねぇな…」

    エルヴィン「大丈夫だ。もし落ちたら立体機動で助ける」
    季節外れなマントを着用していたエルヴィンがマントを翻すと、立体機動装置がちらりと見えた。

    リヴァイ「奇遇だな、エルヴィン」
    リヴァイもマントの下に立体機動装置を身に付けていた

    ハンジ「こらぁぁ!!誰が立体機動装置の着用を許可したかな!?」
    エルヴィン「許可はされていないが、却下もされていないぞ。何日も着けていないから、そろそろ慣れておかないと…」
    リヴァイ「立体機動があるから安心だ」
    ハンジ「どんだけ立体機動が恋しいんだよ!?とにかく邪魔だから外してきてよね!?」

    エルヴィン「着用しておくだけだ。しかし、できれば熱帯雨林の木で、立体機動をすこーし試させてもらえたら嬉しい…」

    リヴァイ「アーアアーって、ターザンのものまねもすこーし試させてもらえたら嬉しい…」

    ハンジ「世界遺産にアンカーを打とうとするなよ!ばか!」
    結局立体機動装置は、ハンジに没収されたのであった
  102. 102 : : 2014/02/10(月) 20:59:03
    スカイレールに立体機動装置未着用で乗り込んだ三人

    リヴァイ「ぜってー落ちねぇだろうなあ…?」
    エルヴィン「立体機動、試したかった…」
    ハンジ「いい加減あきらめなよ!!あっ、見てみて!!後ろ!」

    動き出したゴンドラの後方には、ケアンズの海が見えた
    エルヴィン「海と、ケアンズの街だな」
    リヴァイ「昨日食った肉屋はどこだろうな」

    ハンジ「皆、前見てごらん!!」
    三人が前を見ると、そこは地平線まで緑に覆われていた

    リヴァイ「あれが熱帯雨林か…」
    エルヴィン「広大だな…」
    ハンジ「見渡す限り、だよね!!」

    ゴンドラが進んでも進んでも、林は途切れることはなく、しばらくすると、後方のケアンズの町並みもみえなくなり、まさに360°熱帯雨林の景色になった

    エルヴィン「これはすごい。圧巻だな」

    ハンジ「この熱帯雨林は、世界最古のでね、昔はオーストラリア全土を覆っていたんだ。地殻変動で、今の大きさに縮小されたんだ」

    リヴァイ「調査してみてぇな」
    ハンジ「後で調査できるから、もう少し上から楽しもうね♪」
  103. 103 : : 2014/02/10(月) 20:59:45
    約30分ほど、熱帯雨林の空の旅を楽しんだ一行。
    ハンジ「さあ、スカイレールの最終駅キュランダについたよ!!これから少し歩いて、レインフォレストステーションにいくよぉウヒヒ…」

    エルヴィン「しかし、なんだか空気が湿ってる気がするな」
    リヴァイ「確かに、空気が下とは違う」

    ハンジ「そうだね!!熱帯雨林って、晴れてても雨降るし、突然スコールになったりもする天候だから、雨のにおいかも…ウフフ…」

    木々の間に拓かれた道を歩きながら、レインフォレストステーションを目指す。
    時折意味不明の笑いや、スキップをして、挙動不審なハンジ。

    エルヴィン「ハンジ、君の顔が先ほどから異様に赤いのは気のせいか?」

    ハンジ「フフッ…あぁ…もう我慢できないよ…はやく、はやく…」
    完全に目が逝ってるハンジ

    エルヴィン「やはりハンジが変だ」
    リヴァイ「スカイレールから降りた辺りから怪しかった。まあいつも変なやつだがな」

    エルヴィン「リヴァイ、お前ゴンドラに乗ってる時にハンジに何かしたんじゃないのか?セクハラとか…」

    リヴァイ「するか!!」
    エルヴィン「まあ、しばらく様子をみるか…」

    怪しいハンジの後を、少し距離を置いてついていく二人であった
  104. 104 : : 2014/02/10(月) 21:00:09
    ハンジ「ついに、ついにきたぁぁぁぁ!!」
    レインフォレストステーションの、ある施設の前で両手を空に高々と上げて叫ぶハンジ

    エルヴィン「なるほどな、ハンジが変になるわけだ」
    リヴァイ「動物園か」

    ハンジ「コアラ・アンドワイルドライフパークだよぉぉ!!名前の通り、コアラやカンガルー、ウォンバット、そぉしぃてぇ…ワニさぁぁんがいるよぉぉ!!早く行こう!!」

    リヴァイ「コアラ…」
    エルヴィン「コアラ…」
    ハンジ「ワニサァァン…」

    三人は動物園に進撃した



    ハンジ「うぉぉ!!カンガルーが放し飼いだっっ!!かわいすぎるゥ!!」
    園内を自由に動き回るカンガルーを、同じ体勢でピョンピョン跳ねながら後を追って行ってしまったハンジ

    エルヴィン「か、かわいらしいな、ハンジ…」

    リヴァイ「…お前が昨夜欲情しそうになった相手だ。いい趣味してるな、エルヴィン」

    エルヴィン「…欲情、しそうになってはいない…断じて…。お前こそ久々になんかしたんだろ?」

    リヴァイ「…してない、された…慰謝料請求したい気分だ…」
    はぁ、と二人同時にため息をついた
  105. 105 : : 2014/02/10(月) 21:00:45
    しばらくすると、スキップをしながらハンジが戻ってきた
    ハンジ「お待たせ~!ああ、楽しかった…カンガルーかわいすぎる!!」

    エルヴィン「よ、良かったな」
    リヴァイ「コアラはまだかよ…、クソめがね」
    ハンジ「そ、そうだ!!コアラだよね!!ここでもコアラ抱っこして写真撮れるんだよ!!行こう!」


    コアラ舎の前には列があり、どきどきしながら並んだ
    リヴァイ「コアラが何か食ってる。草か」
    エルヴィン「モシャモシャ食べているな。かわいらしい。ぬいぐるみの様だ。持って帰りたい」

    ハンジ「コアラが食べているのは、ユーカリの葉だね!!実は毒があるんだよ!!」

    リヴァイ「毒があるものを食えるのか。すげぇ腹してんな、コアラ」

    ハンジ「話すと長くなるから端的に話すとね、コアラは動きが鈍い、だから他の動物が食さないユーカリの葉を食べてきたんだ。長い月日の間に、コアラの体はユーカリの毒を中和できるように進化していったんだ」

    エルヴィン「コアラはかわいいのに努力家なんだな。ますます気に入った。連れて帰りたい」

    リヴァイ「お前にもぬいぐるみを買ってやろうか?エルヴィン。団長室の机にでも飾りゃあいい」

    ハンジ「じゃあ私もリヴァイにぬいぐるみ買ってあげるね!!お揃いで各々机に飾るって事で!!」

    リヴァイ「…フン、悪くない」
    そうこうしている間に、行列の先頭にきた
  106. 106 : : 2014/02/10(月) 21:01:12
    ハンジ「か、かわえぇ…コアラちゃん、かわえぇ…」
    ハンジの胸の辺りにしっかりおさまっているコアラ

    ハンジ「爪は結構鋭いんだね、その爪で、しっかり掴まってるんだよ?ね?君はほんとにかわいいよ♪」
    コアラに話しかけながら、優しく撫でてやっている

    エルヴィン「良かったな、ハンジ。コアラを抱けて」
    エルヴィンはそんなハンジを見て、知らず知らずのうちに優しげな表情になっていた

    ハンジ「うん、嬉しいよ!!…みてよ、胸にしがみついて離れない!!ほんと連れて帰りたいよ~!」
    母性本能をくすぐられているのだろうか、この上なく優しげな表情のハンジ

    リヴァイ「…ぬいぐるみで我慢してろ」
    そう呟いたリヴァイの顔は何故か赤かった

    エルヴィン「お、リヴァイの顔が赤い。もしや…コアラが羨ましいのか?」

    リヴァイ「はぁ!?羨ましくねぇ!」

    ハンジ「そっか、リヴァイはコアラがしがみついてる私の胸を凝視していたんだね…」
    エルヴィン「そして、コアラと代わりたいと思っているはずだ」

    リヴァイ「も、妄想しすぎだ馬鹿ども!」
    リヴァイの悲鳴のような叫びが辺りに響き渡った
  107. 107 : : 2014/02/10(月) 21:27:57
    ハンジ「コアラ抱っこして写真も撮ったし、コアラのぬいぐるみも三人お揃いになったし、お待ちかねのワニさんに行くよ~!」
    ハンジはリヴァイに、リヴァイはエルヴィンに、コアラのぬいぐるみをプレゼントした。

    リヴァイ「てめぇハンジ。今度は檻に入ろうとすんなよ。握手もすんな。約束だぞ?」

    ハンジ「そんなことしない…かもしれないしするかもしれない…」
    リヴァイ「するな、クソめがね!」
    ハンジ「うー、わかった、我慢する…」
    三人はワニの檻に向かった

    ハンジ「ワニさんこんにちはー!!はじめまして!!調査兵団の分隊長ハンジ・ゾエだよ!!君かっこいいね!!惚れるよ~!」
    ワニの檻には1匹だけワニがいた

    エルヴィン「夜の動物園でみたワニより数倍大きいな…」
    リヴァイ「体長 5メートルってとこか。でかすぎるだろ」

    ハンジ「うん、大きいね。この間のワニさんはかわいげがあったけど、この子は明らかに目付きが違うね。さすがに握手もできないや」
    大きなワニは、三人を威嚇するように口を大きくあけていた。

    ハンジは近くを通ったボランティアガイドに何やら話しかけた
    ハンジ「なるほどね、この子はジャックって名前で、お嫁さん候補のワニ12頭を全部食べたらしい。獰猛すぎて、他のワニと一緒に飼えないみたい」
  108. 108 : : 2014/02/10(月) 21:28:52
    リヴァイ「エルヴィンなら、きっと素手であいつを懐かせるだろう。やってみてくれ。団長の力を見せてくれ」

    ハンジ「そうだよ!!だってあんな鬼みたいにこえぇリヴァイをなつかせるくらいなんだもん!!ジャック君くらい余裕だよ!!連れて帰って、壁外遠征に連れていこう!!」

    エルヴィン「俺に死んでこいと言ってるんだなお前たち…ひどい部下を持った…立体機動もないのに…」

    リヴァイ「しかし、嫁を 12人も食うとは凄い」
    ハンジ「エルヴィンなら12人一度に食えそう!ジャックより上だね!?」

    エルヴィン「…ハンジ、俺は君の目に色魔として映っているのかな…?」
    ハンジ「次々と女をたぶらかし、言葉巧みに誘導し…食らう色魔」
    エルヴィン「どこからみてそう映るんだ!?」

    リヴァイ「話がずれてるようだが、放置が一番だな」
  109. 109 : : 2014/02/10(月) 21:29:34
    エルヴィン「色魔だなんて、傷ついたよ…」

    ハンジ「うわぁ、エルヴィンごめん
    ね!?嘘だよ!?冗談!もてるし、口がうまいのはほんとだけどさ!?」
    悲しそうにうなだれるエルヴィンに、あわてふためくハンジ

    リヴァイ「エルヴィンに昨夜襲われかけて、妄想力が上がってるな、ハンジ」

    ハンジ「ぎゃぁぁぁ!!思い出してしまったぁ!!リヴァイのばか!!」
    顔が真っ赤になるハンジ

    エルヴィン「もう一度、ボタンをはずそうか…?ハンジ。俺は色魔だから遠慮しなくていいよな?」

    ハンジ「結構ですぅぅ!!遠慮しますぅ!!遠慮してくださぁい!!」

    リヴァイ「ばーか」

    威嚇するワニのジャックを尻目に、なんとものんきな会話の三人であった
  110. 110 : : 2014/02/10(月) 21:30:18
    ハンジ「動物園楽しかったね!!さて、次はこれに乗って熱帯雨林を調査するよ!!」
    動物園を後にした一行は、ボートに車輪がついたような乗り物の前にいた

    ハンジ「水陸両用車アーミーダックだよ!!実際に戦争にも使われていたんだ!!」
    エルヴィン「水から陸まで乗り換えなしなんだな。便利だ」

    リヴァイ「ワニとかいねぇだろうな…?」
    ハンジ「ワニさんもいるよ!!でもジャックみたいなのは特別だから、大丈夫」
    ハンジはそう言うと、舟の操縦士と話
    をし出した

    ハンジ「熱帯雨林のなかでね、幻の鳥、ヒクイドリや、幻の蝶、ユリシーズが見れるみたい♪特にユリシーズは、三回見たら幸せになれるらしいよ!!」

    エルヴィン「必死で探すことにしよう」
    リヴァイ「なんだか最近不幸な気がするからな、見つけられん気がする…」
    ハンジ「大丈夫だよ、リヴァイ。心配はいらないよ。一緒に探そうね!?」
    リヴァイの頭をヨシヨシと撫でた

    リヴァイ「…ああ」
    珍しく文句を一つ言わず、頭を素直に撫でられていたリヴァイだった
  111. 111 : : 2014/02/10(月) 21:30:58
    ザバーン!!
    水しぶきを上げて、熱帯雨林の間を縫うように流れる川に入水したアーミーダック

    ハンジ「ひゃっほー!!」
    エルヴィン「凄いな。大迫力だ!!」
    リヴァイ「早速だが、あれはなんだ!?何かいるぞ…」
    リヴァイが指差す方向には、大きく長いヘビがいた

    ハンジ「ニシキヘビだね!!体を伸ばして、日光浴中なんだ」

    エルヴィン「川縁にまで木が生えているんだな。その木の根元に沢山魚がいる」

    ハンジ「バラマンディだね。オーストラリアで一番美味しい魚って言われているよ!!お昼に食べる予定!!」
  112. 112 : : 2014/02/10(月) 21:31:20
    エルヴィン「あの、簾みたいなカーテンみたいな木はなんだ?」

    ハンジ「「カーテンフィグツリーだね。簾のように根を垂らしたイチジクの木。別名、絞め殺しイチジクって呼ばれているよ」

    リヴァイ「絞め殺し…?ぶっそうな名前だな」

    ハンジ「あのカーテンみたいな木はね、寄生した親木の養分なんかを吸いとりながら成長するんだ。その課程で、親木を枯らしてしまうんだよ」

    エルヴィン「見た目美しいが、中では親木が死んでいるんだな。世界は残酷だ」

    ハンジ「ちなみに、カーテンフィグツリーは、天空の城ラピュタのモデルだと言われているよ」

    エルヴィン「あのちーへいせーん~かがーやくーのーは~♪」

    リヴァイ「バルス!!」

    ハンジ「…よく知ってるね…?」
  113. 113 : : 2014/02/10(月) 21:31:39
    しばらく珍しい植物や動物を見つけては、わいわいがやがやしていた一行

    リヴァイ「なあ、あの先に青いヒラヒラが見える」

    リヴァイが指差した方向には、きらきらと光るような青い光りがみえた

    ハンジ「ユリシーズバタフライだ!!別名オオルリアゲハ。止まっているときは、裏面の地味な茶色い羽しかみせないんだけど、ああやって飛ぶときだけ、表の綺麗な青い羽が見えるんだ!!」

    舟から50メートルほども先に飛んでいるのに、はっきり見てわかる青

    三人はしばらくその青い羽に吸い込まれるように見入っていた

    リヴァイ「あと二匹だな…」
    目を皿のようにしてユリシーズを探すリヴァイであった
  114. 114 : : 2014/02/10(月) 21:32:01
    アーミーダックから降りた一行

    ハンジ「楽しかったねぇ♪わにさんの日光浴も見れたしね♪」

    エルヴィン「ジャックに比べたら赤ちゃんのようだったな、あのワニ」

    ハンジ「かわいいよねぇ♪飼いてぇ!!一緒に寝るんだ!」

    エルヴィン「ハンジ、却下だ」
    きっぱり言い放つエルヴィン

    ハンジ「そんなぁ~神様仏様エルヴィンさまぁー」

    リヴァイ「…」
    二人がワニで盛り上がっているのに、リヴァイは一人無言で落ち込んでいる

    リヴァイ「お前らはいいよな。ユリシーズを一匹見ただけだ。だがな、おれは…二匹、見てしまったんだ…」

    エルヴィン「二匹見れたならラッキーじゃないのか?」

    ハンジ「実はさ、ユリシーズは一匹見たら、幸せに、三匹見たら金持ちになるって言われててね」

    エルヴィン「ふむふむ」

    ハンジ「二匹見たら、一匹目の幸せが消えるって話なんだよね~あはは」

    リヴァイ「…」
  115. 115 : : 2014/02/10(月) 21:32:23
    エルヴィン「ハンジ、そんな事教えてやるなよ、かわいそうに…」

    ハンジ「だってさ、リヴァイが凄く自慢してくるんだもん!!お前とは動体視力が桁違いだとかさ~」

    リヴァイ「…嘘じゃねぇ、実際ユリシーズは俺が見つけた。お前らのは俺のおこぼれだ。だからお前らのはノーカウントだ」
    胸を張って言い張るリヴァイ

    ハンジ「えー、リヴァイ、こどもみたい。クソガキ~」
    リヴァイ「うるせぇクソメガネ!!」
    ハンジ「やーいチビァイ!!」
    リヴァイ「チビァイ言うなバカハンジ」

    エルヴィン「なあ、お前たちほんとに昨夜いい雰囲気になったのか…?」

    エルヴィンの作戦でいい雰囲気になったはずの二人が、また振り出しに戻ったのを感じで、頭を抱えたエルヴィンであった…
  116. 116 : : 2014/02/10(月) 21:32:46
    ハンジ「さて、キュランダ熱帯雨林を後にしまして、ここは飛行場!!」

    リヴァイ「飛行機にのるのか?」

    ハンジ「当たり前だろ!?でなきゃ飛行場なんて行かないし~」

    リヴァイ「クソメガネ!!お前いちいちムカつく!!」

    まだ喧嘩中の二人であった…

    エルヴィン「あまりに喧嘩が長引くなら、兵士長も分隊長も降格にするからな」
    厳しい表情で言うエルヴィン

    リヴァイ・ハンジ「やれるもんならやってみな!!」

    エルヴィン「…そうだな、ではリヴァイ、お前はエレンの副官な」
    リヴァイ「!?」
    ハンジ「やーいチビァイ!!」

    エルヴィン「ハンジ、お前は俺の副官だ。24時間こき使ってやるから覚悟したまえ」

    リヴァイ「俺がエレンの部下…」
    ハンジ「エルヴィンの副官なんて死んだ方がましだぁぁ!!」

    エルヴィン「ハンジ、ひどいな君は…」
  117. 117 : : 2014/02/10(月) 21:33:25
    ハンジ「と、とにかく、今からセスナに乗って、ケアンズの海を上空から見るよ♪ハートの形のリーフがあったり、綺麗なんだ!!」

    エルヴィン「ハート型か。珍しいな」

    ハンジ「うん。本当は、グレートバリアリーフ1綺麗な浜と海がある、ハミルトン島ってリゾート島にいって、その近くにあるハートリーフを見たかったんだけど…」

    リヴァイ「ハミルトン島に行けばいいだろうがクソメガネ」

    ハンジ「ケアンズから 510キロあるんだ。とても日帰りではいけないから…それにさ~」

    エルヴィン「ハミルトン島に行きたい」

    ハンジ「ごめーん!!ハミルトン島は私がハネムーンに行く予定だから今回は行かな~い!!やだやだちびでかおっさんとハミルトン島なんてもったいない」

    リヴァイ「よし、このセスナでハミルトン島へ行こう。後一泊のびてもいいだろ、エルヴィン」

    エルヴィン「大丈夫だ。問題ない。セスナで寝てれば朝には着くな」

    ハンジ「私のハネムーンがぁぁ!!夢がぁぁ!!」

    と言うわけで、土壇場で一泊追加でハミルトン島に行く事になった…
  118. 118 : : 2014/02/10(月) 21:33:57
    エルヴィン「おい、リヴァイ!!凄く綺麗だぞ、下が…」

    リヴァイ「すげぇ…」
    結局セスナでそのままハミルトン島に向かっている一行

    飛行機から見るグレートバリアリーフは絶景以外表現しようがないほど綺麗だ

    ハンジは先程から電話ばかりしていて景色を楽しんでいない

    リヴァイ「ハミルトン島楽しみだな」
    エルヴィン「危うく逃すところだったな。しかしハンジは先程から電話ばかりしているな。もっとゆったり楽しむべきだと思うが」

    リヴァイ「だよな」

    ハンジは電話を切ると、エルヴィンにヘッドロックをかけた

    ハンジ「君達が急にハミルトン島に行くって言うから、ホテルやツアーの予約の手配してんだよ…!」

    エルヴィンはヘッドロックかかったまま動かない

    リヴァイ「おいハンジ、ヘッドロックかかってねぇぞ。それじゃあただてめえの胸にエルヴィンの顔を押し付けてるだけだ」

    エルヴィン「…」ピース

    ハンジ「ぎやぁぁ!!しまった…」
    リヴァイ「もっと技を磨けよ、ハンジ」
    エルヴィン「いやぁ、役得だった」
    ハンジ「キィィィ!!」
  119. 119 : : 2014/02/10(月) 21:34:20
    ハミルトン島には二時間くらいのフライトで到着した

    ハンジ「さて、着いたね。早速だけど…」

    リヴァイ「Aじゃねぇのか?」
    エルヴィン「いや、Bは固い。Cかもしれん」
    リヴァイ「そんなにあるか?」
    エルヴィン「俺の予想が正しければな」

    ハンジ「こらぁぁ!!何の話ししてんだよ!!人の話を聞けぇ!!」

    リヴァイ「てめえのまな板胸の話だ」
    エルヴィン「で、サイズはいかほど?」

    ハンジ「言うか!!バカ!!それよりホテル行こう。夕食に間に合わなくなる!!」

    一行はホテルに向かった
  120. 120 : : 2014/02/10(月) 21:35:03
    ハンジが予約したハイヤーで着いた先は、超豪華ホテルだった

    ハンジ「クオリアっていうホテルだよ。世界のトップ10に入る5つ星ホテル。ハネムーンに泊まる予定だったけど、ハミルトン島に来ちゃったし、相手に不服ありまくりだけど仕方ないからここにしたよ…」
    ため息とともに悲しげに言うハンジ

    エルヴィン「そんなに俺達と一緒が不服なのか…?」

    リヴァイ「てめぇに言われたかねぇクソメガネ」

    ハンジ「まあ、ハネムーンの下見と思おう…」

    リヴァイ「三人でも楽しめばいいだろうが」

    エルヴィン「そうだな。折角の豪華ホテル、満喫しよう。ハンジ」

    ハンジ「…そうだね!!楽しまなきゃ損だ!!うん!!折角の素敵ホテルなんだもんね♪」
    ハンジは暗い表情から一転、笑顔になった

    リヴァイ「切り替え早ぇな…」
    エルヴィン「それもハンジの良い所だ」

    三人は丁寧すぎるホテルマンに連れられて部屋に向かった
  121. 121 : : 2014/02/10(月) 21:35:32
    エルヴィン「こ、これは部屋なのか…?」

    三人が案内されたのは、普通の豪華な一軒家のような部屋…だった

    ハンジ「一番いい部屋だよ。だからハイヤー付きだったんだ」

    リヴァイ「…プールがあるぞ…でかいプールが」

    部屋は広すぎなほど広く、洒落た豪華な家具が、この部屋のランクを物語る

    ハンジ「わぁ~みてみて!!プールから海が見えるよ~ていうか、離れのコテージまでついてる!!」

    10人がけのダイニングテーブルに、屋外プライベートプール、キングサイズのベッド、そして海が見渡せるロケーション。

    エルヴィン「王族にでもなった気分だ…」

    リヴァイ「折角だしプールで泳ぎてぇな。飯までまだ時間あるのか?ハンジ」

    ハンジ「うんうん、まだまだ大丈夫だったから、ゆったり楽しんで!!プール入ろう♪」

    早速三人は水着に着替えてプールで遊ぶことにした
  122. 122 : : 2014/02/10(月) 21:35:54
    12メートルほどのプールは、完全プライベートで、目の前に海。

    ハンジ「いくよー!?タァッ!!」
    ザバーン
    変な格好で飛び込む、という遊びに興じているハンジ

    リヴァイ「高級リゾートなのに、まるで雰囲気ねぇな…」

    ハンジ「リヴァイもやりなよ~楽しいからさ!!」

    リヴァイ「…チッ仕方ねぇな…ハッ!!」
    ザバーン
    思いきり飛んで、前に2回転して着水した

    ハンジ「立体機動なしの回転切りみたい!!おもしろ~!人間にはできない技だよねそれ!!」

    リヴァイ「俺はなんなんだ!?」
    ハンジ「リヴァイ」
    リヴァイ「そうだけどよ…?」
  123. 123 : : 2014/02/10(月) 21:36:22
    そんな二人の様子を見ているエルヴィンは、プール横のサンデッキで日光浴しながらトロピカルジュースを飲んでいる

    エルヴィン「お前たちは本当に仲良しだなあ。昔から何故かリヴァイはハンジには優しかったよな。そういえば」

    リヴァイ「腐れ縁なだけだ」
    ハンジ「仲良しかな?喧嘩ばっかりだよねぇ」

    エルヴィン「痴話喧嘩にしかみえんよ、いつも」

    リヴァイ「んなこたぁねぇ!!それよりエルヴィン、お前もおもしろ飛び込みしろよ」

    ハンジ「じじいになっちゃうよ!!寝そべってばかりじゃ!!」

    エルヴィン「ははは。では失礼して…ヤァ!!」
    ザバーン…
    エルヴィンも、二回転立体機動飛び込みができた

    ハンジ「えー!!エルヴィンもできた!!すげ~!!わたしも練習しよ♪」

    折角の高級リゾートも、三人にかかればいつもの賑やか空間になるのであった。
  124. 124 : : 2014/02/10(月) 21:36:54
    プールで散々遊んだあと、三人ならんでサンデッキで夕日をみた

    ハンジ「海に夕日が沈んでくね~」

    リヴァイ「綺麗だな、これみたいだ」
    と、リヴァイが指差したのは、ケアンズでエルヴィンからもらったオパールのネックレスだった

    エルヴィン「そうだな。この風景は、青に橙に赤…グリーン、海の色と相まって、オパールのように美しいな」
    エルヴィン、景色の美しさに目を細める

    ハンジ「壁の外の何処かにも、こんな場所あればいいな」

    リヴァイ「もっと綺麗な場所があるかもしれねぇな」

    エルヴィン「そのためには、前に進まなければな」

    ハンジ「頑張ろう…!」
    リヴァイ「おう」
    エルヴィン「ああ、そうだな…!」

    そのまましばし、夕日をながめていた
  125. 125 : : 2014/02/10(月) 21:37:28
    夕食は、ホテル内の海の見えるレストランで摂ることにした

    ハンジ「これがバラマンディ、キュランダでみたよね?食べよ♪」

    三人のテーブルには沢山の料理が並んでいる
    バラマンディという魚の香草焼き、ワニの肉など、オーストラリアでしか味わえないような物から、定番の牛肉まで、盛りだくさんである

    リヴァイ「ワニって旨いな。聞いた時は罰ゲームかと思ったが、わりとあっさり、臭みもなく、食べやすい。悪くない」
    リヴァイはワニ肉が気に入ったようだ

    エルヴィン「やはりバラマンディだな。この魚、大きいのに大味ではなくて、濃厚だよな」

    ハンジ「二人に喜んで貰えて嬉しいな♪」
    ハンジはニコニコしながら料理に舌鼓を打つ二人を見ていた

    ちゃっかりオージーステーキも平らげた三人のお腹は幸せで満腹だった
  126. 126 : : 2014/02/10(月) 21:38:01
    お腹一杯になった三人は、ホテルのブライベートビーチに来て、寝そべっていた

    エルヴィン「星が綺麗だな。まさに満点の星空だ」
    リヴァイ「いろんな色の星があるな。明るさも様々。不思議だな」

    ハンジ「あれが南十字星だね。真ん中の一番よく見える明るい星が、ケンタウルス座のα星。
    地球から一番近くにある恒星だよ」

    リヴァイ「十字架が寝てるみたいな感じなんだな」

    ハンジ「うんうん、南の天の川も見えるね。ほんと星が綺麗に見えるね」

    エルヴィン「そういえば、北極星はあるが、南極星ってあるのか?ハンジ」

    ハンジ「ううん、南極星はないんだ。あっ、あそこに星が固まってるの、解るかい?上と下に。あれはマゼラン星雲だね」

    リヴァイ「綺麗だな。なあ、人って死んだら星になるのかな…」

    ハンジ「…きっとなると思う!」

    リヴァイ「だとしたら、あの鈍く光ってるのはオルオで、隣の赤いのはペトラだな」

    エルヴィン「夫婦星みたいでいいな」
    リヴァイ「ああ、寂しくねぇしな」
    ハンジ「私たちは、皆の分まで頑張らなきゃね…!」
    満点の星に、誓いを新たにした三人であった
  127. 127 : : 2014/02/10(月) 21:38:46
    エルヴィン「部屋にも飲み物がたくさんあるよな。酒もある。折角だし部屋でゆっくりしようか」

    ハンジ「そうだね♪海を見ながら静かに酒盛りしますか!!」

    リヴァイ「ハンジがいたら静かにとはいかなさそうだが、部屋でゆっくりしたいし、賛成だ」
    と言うわけで、豪華な部屋に戻った三人。



    リヴァイ「俺は風呂に入りてぇ。入ってくる」
    リヴァイは部屋に入るなりそう言うと、服を脱ぎながらバスルームに向かった

    ハンジ「エルヴィンも入ってきなよ♪離れにもバスルームあるよ♪」

    エルヴィン「ではお先に頂こう…なんなら一緒に入るか?ハンジ」

    ハンジ「嫌だよエロヴィン!!ばか!!」

    エルヴィン「ははは。残念だ。では入ってくる」
    エルヴィンは離れのコテージに行った。
  128. 128 : : 2014/02/10(月) 21:39:27
    暫くすると、リヴァイがバスルームから出てきた

    リヴァイ「あーさっぱりした。ハンジ、お前もさっさと入ってこい。風呂の湯、張りなおしておいたからな」
    頭をタオルでゴシゴシしながら言った

    ハンジ「わざわざお湯張りなおしてくれたんだね!ありがと、リヴァイ♪優しいなぁ~」

    リヴァイ「当たり前の事をしただけだろうが。優しくねぇよ!」

    ハンジ「はいはい、意地っ張りなんだからなあ、もう。誉めてるのにね?」

    リヴァイ「うるせぇ、早く入ってこい!」

    ハンジ「は~い。リヴァイ、お風呂覗かないでね?覗きたいだろうけど」

    そう言ったハンジの顔にバスタオルが飛んできた

    リヴァイ「お前のなんて覗きたくねぇよ!!さっさと行け!!」

    ハンジ「え~?ほんとかなあ?まあいいや。入ってくるね♪」
    ハンジはそう言うと、バスルームに消えた

    エルヴィン「わざわざ覗かないで堂々と見るよな、リヴァイ」
    いつの間にか離れから戻ってきたエルヴィン

    リヴァイ「堂々とも見ねぇ!!興味ねぇよ!!」
    エルヴィン「ほう…そうか…?」
    意味深な表情のエルヴィンであった
  129. 129 : : 2014/02/10(月) 21:39:59
    ハンジ「あー最高の眺めのお風呂だなぁ~気持ちいいな♪」
    風呂はガラス張りで、外の景色を見ながら湯に浸かれる
    ちなみに外はもちろん海と、星空だ。

    ハンジ「リヴァイはほんと気が利くよね?普通わざわざ風呂の湯張り替えたりするかな?」

    ハンジ「…いい奴だよね…うん」

    ハンジ「…む、のぼせたかな!?体洗おっと…」
    ハンジはそそくさと体を洗い出した
    鏡に映る顔が何となく赤いのは気のせいだと思いながら…
  130. 130 : : 2014/02/10(月) 21:40:29
    その頃部屋では…


    エルヴィン「…」カキカキカキ…
    エルヴィンが何やら書類を書いていた

    リヴァイ「おいエルヴィン、何書いてやがる?まさか写真貼った、記事でっちあげの報告書じゃねぇだろうな?」

    エルヴィン「いや、違うよ。ちょっといろいろ辞令をね」

    リヴァイ「そうか。こんなときにも仕事なんだな」

    エルヴィン「一応団長だからな…さて、これで完成」
    ポン、と書類に印鑑を押した

    ハンジ「お待たせ~!!」
    まるでタイミングを見計らうかのように風呂からでてきたハンジ

    リヴァイ「外で飲むか。風が心地よかったぞ」

    ハンジ「そうだね♪そうしよう!!」

    エルヴィン「酒もっていくから、グラス頼む」

    リヴァイ「了解だ」

    ハンジ「私はおつまみ~!」

    プールサイドのデッキで、調査兵団幹部の飲み会が始まった
  131. 131 : : 2014/02/10(月) 21:40:53
    夜のハミルトン島も、また魅力的だ
    デッキから見えるのは静かな海
    灯りさえ少ない

    ハミルトン島は、島の70%は未開発で、手付かずの自然だ
    ホテル地帯や空港などの付近だけ開発されている

    クオリアは、島の最北端に位置し、小高い丘に海を見下ろすロケーションで建っている

    また、クオリア内は宿泊客しか立ち入ることができなくなっており、その点でもホテルのランクが高い事がわかる

    ちなみに、 16才以外は宿泊できないので、まさに大人のための施設なのである

    静かな落ち着いた雰囲気

    三人はそんな大人リゾートで、どんな酒盛りを展開するのであろうか
  132. 132 : : 2014/02/10(月) 21:41:16
    ハンジ「では、素敵なハミルトン島の夜に~」
    リヴァイ「空の星になってるあいつらに」
    エルヴィン「俺たちの愛と友情と絆に」
    三人「…乾杯!!」

    ハンジ「リヴァイ、泣かせないでよぉぉ!!星になってるあいつらにとかさ、うわぁぁんうわぁぁん」
    ハンジ、いきなり泣き出した

    エルヴィン「泣くな泣くな、ハンジ」
    エルヴィンはハンジの頭をヨシヨシと撫でてやった

    リヴァイ「うるせぇ泣き声だな、クソメガネ。泣いても普通でも、てめぇはいつもうるせぇ」
    チッ…と舌打ちをするリヴァイ

    ハンジ「だってさあ!!だってさあ!!うわぁぁん…」

    エルヴィン「まあ、こうして泣く所もかわいいじゃないか。なぁリヴァイ」

    リヴァイ「俺に振るな!!俺に!!」
    エルヴィン「お前しか振る奴がいないだろ?」
    リヴァイ「まあ、そうかもしれねぇけどよ…」
    エルヴィン「お前が泣かせたのだから、慰めてやれよ。リヴァイ」

    ハンジ「うわぁぁん…」
    泣いてるハンジをチラリと見るリヴァイ

    リヴァイ「無理だ…いい加減泣き止めクソメガネ!!」
    リヴァイは悲鳴をあげた
  133. 133 : : 2014/02/10(月) 21:41:44
    エルヴィン「頭撫でてやれば泣き止むぞ、リヴァイ」

    リヴァイ「何で、俺がクソめがねの頭撫でてやらなきゃいけねぇんだよ!?」
    ただ頭1つ撫でるだけの事を頑なに拒むリヴァイ

    ハンジ「シクシク…」
    しつこく泣くハンジ

    エルヴィン「仕方がないな…ほらハンジ、泣くな。空にいる仲間に笑われるぞ」
    エルヴィンはハンジの背中を優しくさすってやった

    すると、あら不思議、ハンジは泣き止んだ
    ハンジ「ありがとうエルヴィン。ちょっといろいろ思い出しちゃったよ…ごめん」

    エルヴィン「いや、そうしてたまに思い出して泣く事も良いと思うぞ」

    ハンジ「リヴァイは慰めてくれなかった…」

    リヴァイ「…」ギクッ

    エルヴィン「恥ずかしがりで素直じゃないから仕方がない。しかしハンジを慰めてやるくらいはしてほしい所だな」
    エルヴィンはリヴァイをちらりと見て言った
  134. 134 : : 2014/02/10(月) 21:42:16
    三人は海を見ながら、思い思い酒を飲んだり、喋ったりしていた

    エルヴィン「ところで、今期の新入団員は君たちから見てどんな感じだ?」

    ハンジ「104期か、面白い子が多いよね。なんかさ、食べ物に凄く執着してる子とかね」

    リヴァイ「それはサシャだな…」

    エルヴィン「ミカサ・アッカーマンはどうだ?リヴァイ。共闘したんだろう」

    リヴァイ「ベテラン調査兵より戦闘能力は上だな。だが冷静さが足りねえ。熱くなりすぎる。まだまだだ」

    ハンジ「これからが楽しみな子たちばかりだよ!エルヴィンは誰か気になる子はいた?」

    エルヴィン「全員尊敬に値するが、アルミンの発想力には助けられているな。常に目先ではなく遠くを見ようとしている」

    ハンジ「確かにアルミンはスゴいね!!エルヴィンの後輩って感じ。顔は可愛らしいけどね」

    エルヴィン「全員鍛えがいがありそうだな」

    ハンジ「かわいいのはクリスタかな?目が凄く大きいの!女子の人気投票あれば一位じゃないかなあ?」

    エルヴィン「では副官候補に…」

    ハンジ「すんな!!」
  135. 135 : : 2014/02/10(月) 21:42:45
    エルヴィン「そうだ。副官といえば、先ほど辞令を書いていたんだが、早速お前たちに渡そう」
    エルヴィンは胸のポケットから一枚の紙を取り出した

    ハンジ「何々?ええぇぇぇ!?何で!?」
    リヴァイ「なんだよ、見せろクソめがね…っておいふざけんなエルヴィン!!」
    辞令書を見て叫ぶ二人

    エルヴィン「もう、印鑑を押したから決定事項だ」

    ハンジ「いや、だっておかしいだろ?納得できないし!」
    リヴァイ「ハンジに賛成だ!!」

    エルヴィン「部屋を見たんだが、キングサイズのベッドが二つしかないんだ。1つは部屋に、1つは離れに」

    ハンジ「そうだよ!?だから私が離れで一人で寝るつもりで…」

    エルヴィン「辞令の通り、俺が部屋で一人で寝る。お前たちは離れでゆっくりしたまえ。嫌ならこの辞令に判を押す予定だ」

    エルヴィンが差し出した紙には…
    ハンジ「…本日付けで、ハンジ・ゾエの分隊長職をを解任し、団長秘書とする…ひぃぃぃ…」

    リヴァイ「…エレンの副官になっちまう…」

    エルヴィン「というわけだから、よろしくな。きちんと話をするいい機会だろう」

    ハンジ「横暴だあ!!」
    リヴァイ「…」プルプル…
  136. 136 : : 2014/02/10(月) 21:43:11
    エルヴィン「お前たちは、お互いにもう少しゆっくり話をすべきだ。素直な気持ちでな。そのためにも、辞令を飲んでくれよ。親心みたいなものなんだからな」
    慈しむような表情で二人を見るエルヴィン

    ハンジ「…そっか、そうだね。リヴァイとは口を開けば喧嘩だからね…懐かしい話でもしますか!!」

    エルヴィン「それもいいな。そうしなさい」

    リヴァイ「チッ…仕方ねぇ…のか…」
    リヴァイは相変わらず不服そうだったが、そこまで嫌がってはいなさそうだ

    エルヴィン「明日も朝からツアーだろう?そろそろ休むよ」
    エルヴィンはそう言うとグラスを片付け始めた

    ハンジ「私たちは話しないといけないし、酒を持っていこう」

    リヴァイ「ああ」

    エルヴィン「では二人ともおやすみ。ゆっくり話せよ」

    ハンジ「了解~!エルヴィンおやすみ~」

    キングサイズのベッドに横になるエルヴィンを後目に、離れのコテージに向かう二人であった
  137. 137 : : 2014/02/10(月) 21:43:33
    ハンジ「いやぁ、でもほんとエルヴィンは横暴だよねぇ…団長権限使いすぎでしょ!?」

    エルヴィンに、団長秘書やら部下の副官やら、無理な人事異動を突き付けられて、離れのコテージに追いやられた二人

    リヴァイ「あいつは昔からああだ。目的のためには手段は選ばねぇからな」
    部屋の真ん中にあるローテーブルに、持参した酒を置きながら言うリヴァイ

    ハンジ「有無を言わさずだったもんねぇ。まさに取り付く島もないよね」
    ハンジはローテーブルにグラスを置いて、二人掛けソファに腰を下ろした

    リヴァイ「…」
    リヴァイは無言でグラスに酒を注いだ

    ハンジ「まあこうなったのも何かの縁だし、思い出話でもしようか。座って、リヴァイ」
    ハンジは自分の隣を指差して言った

    リヴァイ「…遠慮しておく…」
    ハンジ「え?なんで?ずっと突っ立っとくわけ?」
    リヴァイ「…うるせぇ!!嫌なもんは嫌だ」
    頑なに拒むリヴァイ

    ハンジ「何で嫌なんだよ!?私の隣だからか?!…っと、また喧嘩になりそうだ…とりあえず、座りなさい!」
    ハンジは、駄々っ子を戒めるような口調で言うと、リヴァイの手を引っ張って隣に座らせた

    リヴァイ「…」
    ハンジ「この状況のなにが嫌なんだよ、リヴァイ」
    ハンジは首をかしげた
  138. 138 : : 2014/02/10(月) 21:43:57
    ハンジ「あーそっかあ。ソファに二人で並んで座るなんて、ちょっと恥ずかしいよね!?そういうことか!!」
    所在なさげに隣に座っているリヴァイを見ながら言った

    リヴァイ「…さぁな。」
    そう呟くリヴァイの顔が赤い
    ハンジ「リヴァイが恥ずかしがってる~!かわいいよ~!プニプニ」
    と言いながら、リヴァイの頬を突っついた

    リヴァイ「!!何をしてやがる!?触るな!!」
    ハンジ「いいじゃん、減るもんじゃなし」
    リヴァイ「減るんだよ!!」
    ハンジ「リヴァイのほっぺは減るのか!お餅なのか!?食べちゃいたいな~!」
    今度はつねって引っ張った

    ハンジ「ビョーン、て伸びないじゃん。あはは」
    リヴァイ「人の顔で遊ぶな、クソめがね!!」
    ハンジ「だって面白いんだもん、リヴァイ。あはは!!プニプニ…」

    リヴァイ「気安く触るな!!バカハンジ!!」
    今度はハンジの頬を思いきり引っ張っるリヴァイ

    ハンジ「いでぇぇぇ!!顔が歪む!!力加減てのを知らないのか!?リヴァイは!!」
    リヴァイ「多少歪んだ位のほうが良かったりしてな。整形手術要らずだな」

    ハンジ「顔が歪んだら責任とってよね!?」
    リヴァイ「知らねぇ」
    ハンジ「ムキー!!顔が歪んだら嫁にいくからな!?」
    リヴァイ「来んな!!」
    ハンジ「リヴァイのばーか!!」
    ハンジは盛大に頬をふくらませ、拗ねた…
  139. 139 : : 2014/02/10(月) 21:44:25
    ハンジ「リヴァイ、デリカシーなさすぎー!!」
    ハンジは膨れっ面でプンプン怒っている

    リヴァイ「てめぇが先に人の顔をつねったんだろうが!?目には目をは基本だろ」
    ハンジ「女の子と男の顔の価値は違うし!?」
    リヴァイ「女の子がどこにいる…?」
    辺りをキョロキョロと見回すリヴァイ

    ハンジ「ここにいるだろ!?」
    と、自分を指差すハンジ

    リヴァイ「…ハンジだな、うん」
    ハンジ「ムキー!!」
    ますます頬を膨らますハンジ
    その様子をちらりと見たリヴァイは、ププッと吹き出した

    リヴァイ「おもしれえ面してやがるな…風船かよ、クソめがね」
    と言うが早いか、ハンジの顔を両の手のひらで押さえて、押し潰した

    ハンジ「ひでぇ…面白い面ってなんだぁ…」
    ハンジは、リヴァイの手に顔を挟まれたままで呟いた
  140. 140 : : 2014/02/10(月) 21:45:06
    リヴァイ「おもしれぇもんはおもしれぇ」
    ハンジの頬をつまんだりグニグニ押したりしながら言うリヴァイ

    ハンジ「リヴァイ、人の顔で遊ぶなよぉ」
    リヴァイ「フン。お前さっきさんざん俺の顔で遊んだじゃねぇか。お互い様だろ」

    ハンジ「ぶさいくになったらどうするんだよ…」
    ハンジ、涙目になった

    リヴァイ「言っておくが、泣いてもやめねぇぞ?」
    ハンジの顔を引っ張ってニヤリと笑うリヴァイ

    ハンジ「リヴァイがいじわるになってる!!ほっぺたいてぇ!!ほんとにいてぇ!!離せぇ!」

    リヴァイ「うるせぇクソめがね…」
    リヴァイはハンジの顔を両手で挟んだまま、顔を近づけた

    ハンジ「!?」
    リヴァイの顔があり得ないくらい近づいてきたので、目をギュッと閉じた…

    お互いの唇が重なったのは、その一瞬後だった
  141. 141 : : 2014/02/10(月) 21:45:33
    しばらくそのまま動かなかった二人だが…

    ハンジ「…プハァ~!く、苦しい!窒息死するところだった…私を殺す気か、リヴァイ!?」

    リヴァイ「あのなあハンジ、てめぇには鼻がねぇのかよ」

    ハンジ「…はっ、そういえば鼻で息ができた!!」

    リヴァイ「ばーか」
    リヴァイはため息をついた

    ハンジ「ばーかって!!突然キスしといて言うかな!?」

    リヴァイ「昨日のお返しだ。やられたらやり返すのが俺の持論だからな」
    勝ち誇ったかのようなリヴァイ

    ハンジ「なんだよ、その敵討ちみたいな言い方は?!ムードもなにもないし?!」

    リヴァイ「そんなもの、最初からねぇだろ」
    ハンジ「そういえばそうだったね…」

    リヴァイ「まあ、細かいことは気にするな、ハンジ」
    ため息をつくハンジの頭を、優しく撫でてやるリヴァイだった
  142. 142 : : 2014/02/10(月) 21:46:03
    ハンジ「しかしびっくりしたなぁ…まさかリヴァイにキスされるとは…!!言ってくれたら、リップくらい塗るのに~イチゴ味の」
    ポケットからリップを取り出してムフフ、と笑うハンジ

    リヴァイ「んな甘ったるいもん塗んな」
    顔をしかめるリヴァイ

    ハンジ「あらら、リヴァイは気に入らないかな?キッスはあま~いイチゴ味~」

    リヴァイ「てめぇ、酒くせぇ上にイチゴを上塗りしてどうすんだ…」

    ハンジ「危険な大人の味がするかもよ…?」

    リヴァイ「しねぇよ、ばーか」

    ハンジ「ばーかと言われたから腹いせに塗りたくってやる!!」
    と言って、ハンジは唇にリップを塗りたくった

    ハンジ「ぷるんぷるんになったよ!!さあリヴァイ、もういっちょちゅうしよう!!」
    ズイッとリヴァイに顔を近づけるハンジ

    リヴァイ「はぁ!?馬鹿か!?お断りだ!!」
    キスを迫ってくるハンジから逃げるように身をよじるリヴァイ

    ハンジ「逃がさん!!」
    ハンジは、ガシッとリヴァイの顔を両手で挟んだ
  143. 143 : : 2014/02/10(月) 21:46:33
    ハンジ「リヴァイ、顔ちいせぇ~」
    リヴァイの顔を両手で挟んだまま、自分の顔を近づけるハンジ

    リヴァイ「チビだからとか言いてぇんだろ。近寄るな、イチゴくせぇ」

    ハンジ「チビだからなんて思ってないよ。因みにイチゴ美味しいよ~?」

    リヴァイ「…とにかく俺の顔から手を離せ」
    ハンジ「嫌だ」
    眉をひそめるリヴァイに、真剣な表情のハンジ

    リヴァイ「はぁ!?」

    ハンジ「手が離れなくなったかも?」

    リヴァイ「んなわけねぇだろ…ほら」
    リヴァイは自分の顔に張り付く手を、いとも簡単に剥がした

    すると、ハンジが予想外に悲しそうな顔をするので、そのまま両手を握りしめてやった

    リヴァイ「分かったハンジ。どうして欲しいか言え」
  144. 144 : : 2014/02/10(月) 21:47:00
    何時に無く優しいリヴァイの眼差しと、逆に強く握られた手の温もりで、ハンジの中の何かが弾け飛んだ

    ハンジ「リヴァイ、キスして?」

    その言葉を聞いたリヴァイは、手を握りしめたまま、顔を近づけた

    リヴァイ「おいハンジ、目ぇ瞑れ。見開いてんじゃねぇよ、やりにくい」

    ハンジ「ん…だってキスする時のリヴァイの顔、どんなのかなって気になって…」

    リヴァイ「…変態め…」
    リヴァイは唇をハンジのそれに密着させた

    しかし、すぐに離した
    リヴァイ「…イチゴくせぇ…ハンジ、てめぇ塗りすぎだ…ばか」
    握っていた手を離して、手の甲で唇を拭うリヴァイ

    それを聞いたハンジの瞳が妖しく光る
    ハンジ「リヴァイの唇もイチゴ味…食べてあげる」
    口を開けて、まさに食べようとするかの様なハンジ

    リヴァイ「まて、先にてめぇの唇を拭えっ…」
    リヴァイの唇はあっけなくハンジに捕食された
  145. 145 : : 2014/02/10(月) 21:47:21
    ハンジ「…フー…リヴァイの唇美味しかった…」
    自らのイチゴ味を、リヴァイの唇だけではなく、おでこやら鼻やら、顔中つけまくったハンジ

    リヴァイ「ばかが…顔中イチゴ味になっちまったじゃねぇか…気色わりぃ」

    ハンジ「マーキングだよ…ウフフ~」

    リヴァイ「自分の顔がくせぇ…甘ったりぃ…」
    堪らず、ハンジのパジャマの上着の裾で顔を拭うリヴァイ

    ハンジ「こら、リヴァイ、人の服で拭うなよ!?」
    リヴァイ「うるせぇ、てめぇイチゴ味好きなんだろ?服にもつけてやっただけだ」
    ハンジ「服についたらなかなか匂いがとれないのに!!」
    プンプン怒るハンジ

    リヴァイ「…じゃあ上着脱げよ。洗ってやるから」

    ハンジ「…え?」
  146. 146 : : 2014/02/10(月) 21:47:45
    ハンジ「上着脱いだら上半身むき出しなんですが…」
    困ったような表情のハンジ

    リヴァイ「あぁ?だからなんだ?俺は気にしないから脱げ」
    何故か不機嫌なリヴァイ

    ハンジ「いやぁ、私は気にするんだけどなぁ…ってこらこら!?」
    ハンジを無視して上着のボタンを外し始めたリヴァイ

    リヴァイ「洗わなきゃいけねぇ、可及的速やかに。手伝ってやるから覚悟しろ」

    ハンジ「覚悟しろって…洗うためだよね、なんか目的が絶対違うと思うんですけど~!?」

    リヴァイ「違わねぇ、洗うんだ。後からな…チッボタン多い…」

    ハンジ「待った!!さっきの優しい顔のリヴァイは何処行ったんだ!?怖いし?!」

    リヴァイ「てめぇのせいで、どっか行っちまった」

    ハンジ「も、戻っておいで~!」

    リヴァイ「暫く戻って来ねぇ。諦めろ」
    ハンジをじっと見つめるリヴァイ

    ボタンはすべてリヴァイに駆逐されていた
  147. 147 : : 2014/02/10(月) 21:48:22
    リヴァイ「…さ、どうする?ボタンは全部外した。ここからはどうして欲しい?」
    いたずらっぽい表情で、ハンジに問う

    ハンジ「ここまでしといて、どうして欲しいか聞くかな…?」
    はだけた上着を手繰り寄せるハンジ
    顔は何時に無く紅い

    リヴァイ「無理矢理は趣味じゃねぇからな。で、どうする?なんならもう一度ボタンはめてやろうか?」

    ハンジ「リヴァイ、意地悪だね…?」
    リヴァイ「そうか?優しいじゃねぇか。わざわざどうして欲しいか聞いてやってるだろ」

    ハンジ「それは優しいと言うのか…?」

    リヴァイ「さぁな。おいハンジ、俺は気が長い方じゃねぇから、いい加減早く決めろ」
    リヴァイの視線が鋭くなって、自分を射しているのを振り払うかの様に頭を左右に降るハンジ

    ハンジ「…分かった」
    と言うと、リヴァイの首に腕を回して抱きついた

    ハンジ「後で服を洗ってよね…?」
    耳元でささやいた
  148. 148 : : 2014/02/10(月) 21:48:43
    ハンジ「…うぅーん…あれ、寝ちゃってたかぁ…」

    何度か体を交えて、いい加減疲れてピロートークに移行したが、酒のせいもあってそのまま寝てしまっていた

    ハンジ「よく寝てるなぁ…ツンツン」
    隣でスースーと規則正しい寝息をたてているリヴァイの頬を軽くつつく

    ハンジ「起きないね…よほど疲れたのかな…?あはは…何か飲み物取りにいこう、喉がかわいた」

    ハンジはベッドからそっと立ち上がると、何も身に付けていない事に気が付く

    ハンジ「そうだった…裸だった…服…あれ?」
    ベッドの横にあるサイドテーブルには、きちんと畳まれた自分の服があった

    ハンジ「リヴァイ、起きてたのか…きちんと畳んでくれたんだね…上着は…まさか」

    洗面室を覗くと、洗われたであろうパジャマの上着が干してあった

    ハンジ「リヴァイ女子力高すぎ…」
  149. 149 : : 2014/02/10(月) 21:49:08
    ハンジ「上着洗ってくれるってほんとだったんだね。変なところで律儀だなあ、リヴァイは」
    クスッと笑って、自分の荷物から新しいシャツを取り出して着る

    ベッドに戻って、サイドテーブルに置かれた下着などもはく

    リヴァイはスースーと、起きる気配がない
    ハンジ「リヴァイには寝起きドッキリやってなかったなあ、そういえば…」

    そっと布団の中を覗くと、リヴァイはきちんとパジャマを着ていた

    ハンジ「自分は服着てて、私は裸のまま寝てたのか!?なんだか恥ずかしいんですけど…ああ、でも服着せてもらうのはもっと恥ずかしいか…」
    ハンジの顔がまた赤く染まった

    ハンジ「いかんいかんいかん、思い出すな思い出すな…」
  150. 150 : : 2014/02/10(月) 21:49:49
    ハンジ「だいたい、私よりかなりチビなくせに軽々お姫様抱っこだよ!?あんなのされるのは結婚式だけかと思ってた…」

    ベッドに腰掛けて、リヴァイの安らかな寝顔を見ながら呟く

    ハンジ「人の胸品定めするしさ…まあ悪くねぇかもなってどんな感想なんだよ…誉めろよ!?」

    ハンジ「久々だからゆっくり優しくって言ってるのに、無理だって聞かないし…」
    リヴァイの額を指でピンッと弾く

    …やはり起きない

    ハンジ「寝てたらかわいいのにね?」
    リヴァイの唇に指で少し触れて、唇でも触れた

    ハンジ「さ、飲みもの取りにいこう。さすがにエルヴィン寝てるよね…?」

    離れには酒しかなかったため、本部屋に取りに行く事にしたハンジ

    顔は何時になったら赤く無くなるのかわからないくらい赤くて、なんだか体も熱い気がした
  151. 151 : : 2014/02/10(月) 21:50:13
    現在夜中2時
    さすがに団長殿は眠っているだろう
    ハンジはそっと本部屋のドアを開けた
    部屋は真っ暗ではなく、灯りが灯っていた
    デスクの上の灯りが…

    エルヴィン「ハンジか」
    声量を極力抑えたであろう声は、しっかりハンジに届いた

    ハンジ「げっ!!エルヴィン、まだ起きてたのか…」

    エルヴィン「やる事は山積みだからな。ところで…げっ、て何だ?俺が起きていたらまずいのか?」
    デスクには書類が山積みにされていて、それに目を通していたが、ハンジに視線を向けた

    ハンジ「いやあ、そういうわけでは…あはは」

    エルヴィン「ハンジ、パジャマはどうした?破られでもしたか?」

    ハンジ「ひっ!?いやいや破られてないよ…」
    何となく後ずさるハンジ

    エルヴィン「そうか」
    エルヴィンの視線がハンジに絡み付く

    ハンジ「あのさ、喉がかわいて…向こうにはお酒しかないから…」

    エルヴィン「なるほど。少し座って待っていなさい」
    そう言うと、立ち上がって部屋の隅の冷蔵庫に向かう

    ハンジは大人しく、デスクの前にある応接椅子に座った
  152. 152 : : 2014/02/10(月) 21:50:39
    ハンジが大人しく椅子に座っていると、エルヴィンが向かい側に座って、氷の入った水を差し出した

    ハンジ「ありがとうエルヴィン」
    カランと氷の音をさせて、水を口に含んだ

    エルヴィン「ハンジ、顔が真っ赤だな」

    ハンジ「うん…そうだよね、やっぱり」
    冷たいグラスを持って冷えた指先を、自分の頬に当てた

    エルヴィン「そうか、そうか」
    エルヴィンは何を悟ったのか、うんうん、と頷いた

    ハンジ「エルヴィンは寝てたらよかったんだよ、恥ずかしいんだからね」

    エルヴィン「ははは、そうか、すまなかったな」
    てを伸ばして、ハンジの頭をワシャワシャと撫でた

    エルヴィン「ところでリヴァイは?」
    ハンジ「疲れて寝てる…スースースースー」
    リヴァイの寝息を真似るハンジ
    エルヴィン「ははは、そうか、ぐっすりか」
  153. 153 : : 2014/02/10(月) 21:51:07
    ハンジ「エルヴィンはさ、どうしてリヴァイと私を離れに追いやったのかな…?こうなって欲しかったから?」

    エルヴィン「さて、どうだろうな。ゆっくり話せる機会を作ってやりたかっただけだよ。それを勝手に発展させたのは君たちだからな」

    ハンジ「ゆっくり話なんて、逆に出来なかったよ…?」

    エルヴィン「ははは、そうか。でもまあよかった」
    エルヴィンが優しく微笑む

    ハンジ「子どもが出来たら戦えなくなるぞ!?なにがいいわけ!?」
    呑気に思えたエルヴィンに、詰め寄るハンジ

    エルヴィン「その時はその時で考えるよ。まあ、あいつもその辺は抜かりは無さそうだけどな」

    ハンジ「無責任すぎない?」

    エルヴィン「いや、ハンジ。君たちには人並みに幸せになって欲しいと思っているんだよ」

    ハンジ「…いつ死ぬか、わからないのに?」

    エルヴィン「…だからこそ、だ」
    エルヴィンは何処か遠くを見つめるように、ハンジから視線を外した
  154. 154 : : 2014/02/10(月) 21:51:33
    ハンジ「君たちには幸せになって欲しいってさ、まずはエルヴィンからだと思わない?年の順番的に…」

    エルヴィン「ははは、まあいい人がいればそのうちな」

    ハンジ「…ほんとにそう思ってる…?」
    ハンジはエルヴィンの目をじっと見つめる

    エルヴィン「さぁ、どうだろうな」
    ハンジを見つめ返す

    ハンジ「…自分の幸せの事は考えてない、エルヴィンは。私はそう思う」

    エルヴィン「そうかもしれんな。だが、今も別に不幸じゃないぞ?寧ろ、いい部下に恵まれて幸せだよ」
    エルヴィンは破顔一笑し、ハンジの頭をまた撫でた

    ハンジ「よし、分かった。エルヴィンの幸せのためにも私は尽力をつくそう」
    ハンジはビシッと敬礼を決めた

    エルヴィン「ハンジは俺を婿に貰って幸せにしてくれるという事かな?」
    いたずらっぽい笑みを浮かべるエルヴィン

    ハンジ「違うわ!!一緒に戦うと言ってるんだよ!一人で背負うな!!」

    エルヴィン「…ありがとう。了解した」
    そう言って、ほほえんだ
  155. 155 : : 2014/02/10(月) 21:52:12
    エルヴィン「ハンジ、そろそろ部屋に戻ったほうがいいぞ。リヴァイが起きているかもしれん」

    ハンジ「いやぁ、デコピンしても起きなかったから大丈夫だよ。でもそうだね、戻るかな」
    少し伸びをして、立ち上がるハンジ

    エルヴィン「ああ、そうしてやってくれ。ついでに水も持っていってやればいい」
    ハンジ「了解~!」
    パタパタと歩いて水を取りに行き、部屋のドアの前まで行くと、くるッと身を翻した

    ハンジ「エルヴィンも一緒に寝る!?」

    エルヴィン「ブッ!?何を言ってるんだハンジ、君は?!」
    ハンジ「三人で川の字に…」
    エルヴィン「却下だ、ハンジ…はははは」
    身を捩らせて大笑いのエルヴィン

    ハンジ「リヴァイが真ん中だよね。背丈的に」

    エルヴィン「想像したらかなり怖い絵面だった…ははは」

    ハンジ「想像したのか!?」

    エルヴィン「ああ…ははは。とりあえずハンジは部屋に戻れ。俺に気は使わなくていいぞ?仲良くな?」

    ハンジ「了解~おやすみ、エルヴィン」
    エルヴィン「おやすみ。いい夢みろよ?」
    ハンジは手をパタパタと振って、部屋から出ていった
  156. 156 : : 2014/02/10(月) 21:52:57
    ハンジは部屋に戻ると、ベッドをチラリと伺った

    リヴァイはまだ寝ている様だった
    水を冷蔵庫に入れて、サンデッキになっているバルコニーに出た

    目の前が海だ
    風が心地いい
    フワリ、と髪が風を含んで揺れる
    いつもほったらかしで、手入れなどしたことがない髪
    今日はリンスもばっちりしたから、いい匂いがした

    星が綺麗だ、手を伸ばせば届きそうなくらい、近くに見える
    思わず手を伸ばす

    …手は空を切る
    失った命も、もう戻ってはこない
    何度も何人も見てきた、命を落とす瞬間を

    仲間を食った巨人を、刃が無くなるまで切り刻んだりした
    急所をわざと外して…
    残酷な自分
    大切な人を失ったら、またそうなるのか…?
    いや、失わない、必ず守る
    もう後悔はしたくない

    皆を守りたい…だから前に進む

    この手で出来ることは限られていようとも…
  157. 157 : : 2014/02/10(月) 21:53:21
    ハンジがデッキから部屋に戻ると、ベッドの上で体を起こしていたリヴァイと目があった

    ハンジ「あ、起こしちゃったかな」
    と言いながら、ベッドとは違う方向に歩むハンジ

    リヴァイ「いや、目が覚めた」
    何かを後ろ手に持って戻ってきたハンジをじっと見つめる

    ハンジ「そっか…はい、お水」
    冷えた瓶に入っている水を、リヴァイの頬に押し付けた

    リヴァイ「!?冷てぇ…」
    ハンジ「喉かわいたよね?」
    リヴァイ「普通に渡せねぇのかよ…」
    ハンジ「サプライズサプライズ!!」
    フフ、と笑うハンジ

    リヴァイは眉をひそめる
    リヴァイ「もったいつけて後ろ手に持ってくるから、もっといいもんくれるのかと思った…」

    ハンジ「水で十分だろ!?むしろリヴァイにはもういいものあげたよね…?ウフフ」
    ベッドにピョンとジャンプで上り、正座座りするハンジ

    リヴァイ「お前の体っつーオチは要らねぇぞ?」
    ハンジ「クッ…ばれたかっ…」
    リヴァイ「フン」
  158. 158 : : 2014/02/10(月) 21:53:57
    リヴァイ「ハンジ、さっき向こうの部屋行ってただろ?」
    自分の横で正座座りしているハンジに言った

    ハンジ「うん。なんだ、知ってたんだね」
    リヴァイ「お前が部屋に戻ってきた時には起きてたからな」
    ハンジ「なあんだ、声かけてくれたらいいのに…」
    頬を膨らますハンジ

    リヴァイ「お前、なんだか神妙な顔付きで外行きやがったからな」
    ハンジ「そっか…」
    正座したまま俯くハンジ

    リヴァイ「何かあったのか?」
    リヴァイはハンジの頭を撫でた

    ハンジ「ううん、あのさ、幸せってなんだろうね…?」
    リヴァイ「また何だ突然…そんなの人それぞれとしか言いようがねぇよ」
    困惑しながらも、正座したままのハンジに言った

    ハンジ「そうだよね…」
    リヴァイ「エルヴィンの事か?」
    ハンジ「うん…」

    リヴァイ「あいつは一般的な幸せってのは棚上げにしてる。だがな、その代わり自分の能力総動員して戦ってるんだ。動かされる側に甘んじてねぇ。男としてはなかなかな生きざまだと思う」

    ハンジ「動かされるより動かす…か」
    リヴァイ「そうだ。おもしれぇじゃねぇか。ただ漠然と巨人を怖がって怯えてるよりよほどいい」
    ハンジ「結果的に皆を守る事もできるよね」
    リヴァイ「ああ」
  159. 159 : : 2014/02/10(月) 21:54:24
    ハンジ「私も動かしたいよ」
    ハンジの目が力を取り戻した

    リヴァイ「お前はある意味いろいろ動かしてるぞ。発想が奇想天外奇人変人だからな」
    顎に手をやって、うんうんと頷くリヴァイ

    ハンジ「何だよ!?それ誉めてないよね!?」
    正座している自分の腿を拳で叩いて抗議した

    リヴァイ「最大級の誉め言葉のつもりだがな」
    ハンジ「奇人変人ってなんだぁ!?」
    リヴァイ「まんまお前の事じゃねぇか、クソめがね」
    ハンジ「もー!!リヴァイひでぇ!!」
    リヴァイ「だから誉めてるっつーのに…」
    はぁ、とため息をついた

    ハンジ「まあ私はかわいい天才少女ってところだよね?」
    リヴァイ「ああ、もうそれでいい。かわいいかわいい…天才少女」

    ハンジ「気持ちがこもってない!!」
    リヴァイ「込めれるか!クソめがね!!」

    結局ベッドの上でいつもの様に喧嘩が始まったのだった
  160. 160 : : 2014/02/10(月) 21:55:01
    ハンジ「あ、そうだリヴァイ」
    ハンジが何かを思い出したかのように、水をがぶ飲みしているリヴァイに言った

    リヴァイ「何だ?かわいい天才少女」
    ハンジ「…ばかにしてるだろ?!」
    リヴァイ「ああ、してる」
    ハンジ「ムキー!!」

    リヴァイ「…何か言いかけたんじゃねぇのか?ハンジ」
    また喧嘩になりそうだったので、話題を変えた

    ハンジ「あ、そうだった。リヴァイ、パジャマ洗ってくれてありがとう!!」

    リヴァイ「ああ、洗ってやるって言ったからな。だが服はともかく、俺の顔が未だにイチゴくせぇんだ。洗ったのにな」
    顔をしかめるリヴァイに、ハンジが顔を寄せた

    ハンジ「スンスン、たしかにまだイチゴ味が残ってるね~?」
    リヴァイ「明日には取れるのか…?参ったな…ハンジ、お前のせいで…」
    ハンジ「私何かしたかなぁ~?」
    リヴァイから視線を反らすハンジ

    リヴァイ「ハンジ、お前また顔が赤いぞ?」
    ハンジ「なっ何も思い出してません!」
  161. 161 : : 2014/02/10(月) 21:55:40
    リヴァイ「何も思い出してませんって、別になにも聞いちゃいねぇのに…」

    ハンジ「しまった!!墓穴を掘ってしまった!!」
    そしてますます顔が赤くなるハンジ

    リヴァイ「何を思い出した?」
    正座座りのハンジの腿に手を置いて、表情をうかがう

    ハンジ「な、何も…」
    腿に置かれた手を振り払うかのように、正座のまま後ろに下がるハンジ

    リヴァイ「それ以上下がるとベッドから落ちるぞ」

    ハンジ「うっ…」

    リヴァイ「まあ、こっちにこい。何もしねぇから」

    ハンジ「ほんとかな…?」
    と言いながら、また正座でリヴァイの横に座る

    リヴァイ「たぶんなっ」
    ハンジ「わっ!?」
    リヴァイは布団の中にハンジを引き摺りこんで、組強いた

    ハンジ「リヴァイのうそつき!!」
    リヴァイ「何を思い出したのか言えば離してやるよ」
    ハンジ「意地悪!!」
    リヴァイ「ああ、意地悪だ」
    ニヤリと笑うリヴァイであった
  162. 162 : : 2014/02/10(月) 21:56:17
    ハンジ「何を思い出したかと言いますとですねぇ…」
    へりくだるハンジ
    リヴァイ「何だそのしゃべり方は?まあいい、何だ?」
    ハンジ「その、まあ、いろいろと…」
    リヴァイ「いろいろとって何だ?」
    しつこくつつくリヴァイ

    ハンジ「何だって言われても…は、恥ずかしいだろ!?言わせるなよ!?」
    ハンジ遂にキレた、顔はこれ以上無いほど真っ赤になった

    リヴァイは組敷くのを止めて、真っ赤になったハンジの顔を撫でて頬に口づけた

    リヴァイ「恥ずかしいのはお前だけじゃねぇよ」
    ハンジの横に寝転んで、つぶやくリヴァイ
    ハンジ「えぇっ!?」
    ハンジがリヴァイの顔を見ると、ほんのり赤かった

    ハンジはリヴァイの体に自分の体を寄せた
    ハンジ「リヴァイあったかーい」

    リヴァイ「おい、もう寝るぞ、眠気が限界だ」

    ハンジ「えー、じゃあせめておやすみのちゅうを!」
    とハンジが言い終わるか終わらないかのところで、リヴァイは素早くハンジの唇を奪った

    ハンジ「…おやすみ、リヴァイ」
    リヴァイ「ああ、悶々として寝れないからって起こすなよ?」
    ハンジ「ばかっ!!」

    オーストラリア旅行最後の夜はこうして更けていった
  163. 163 : : 2014/02/10(月) 21:56:49
    ブーッブーッブーッ…
    目覚ましのアラームが鳴り響いた

    ハンジ「んー…」
    布団に入ったまま手を伸ばし、がさがさとアラームを止めるボタンを探すハンジ
    ブーッブーッブ…

    ハンジ「もう朝か…まだ眠いな…」
    目を擦りながら上半身を起こすと、チラリと隣を伺った

    スースーと静かに寝息をたてている人類最強の男がいた

    ハンジ「よく寝るなぁ…私が悪いやつならとっくに殺されてるよ…?人類最強のリヴァイ兵長」
    そっと首もとに手を伸ばすハンジ
    無防備にさらされた急所を指でなぞる…

    ハンジ「起きないや…安心しきってるのかな…」
    指はそのまま顎へ

    ハンジ「いただきまーす」
    そう言うと、リヴァイの唇に自分のそれを触れさせた

    ハンジ「!?」
    唇を離すと、リヴァイと目が合った
    リヴァイ「よう奇行種。朝から食欲旺盛だな」

    ハンジ「おっ、起きてたのか!?」
    リヴァイ「起こされたんだよ、いただきまーすってのでな」
    ハンジ「うわ、恥ずかしい…ごめん…起こしちゃって…」
    またまた顔が真っ赤になったハンジ
  164. 164 : : 2014/02/10(月) 21:57:18
    リヴァイ「そのまま寝た振りしても良かったんだかな、貞操の危機だから目ぇ開けた。食われちまう」

    ハンジ「ぎゃー!?何言ってんだばか!!」
    ますます顔を赤く染めるハンジ

    リヴァイ「おもしれぇ面だな。りんごみてぇ。真っ赤だぞ」
    寝たまま手を伸ばして、ハンジの頬を軽くつねる
    ハンジ「痛い!!」

    リヴァイ「自分からキスしといて、いちいち真っ赤になるなよな?少女じゃあるめぇし…ってそうか、お前かわいい天才少女だったか…」

    ハンジ「さりげなくばかにしただろ!?」
    リヴァイ「さりげなくじゃねぇ、思いきりばかにした」
    ハンジ「キー!!」
    別の意味でも顔を真っ赤にしたハンジを見て、プッと吹き出すリヴァイ

    リヴァイ「あーおもしれぇ」
    ハンジ「リヴァイ!!私で遊ぶな!!」
    リヴァイ「嫌だ。遊ぶ」
    ハンジ「リヴァイ、却下だ!!」
    リヴァイ「エルヴィンの真似しても駄目だ」
    ハンジ「ムキー!!」

    そしてまたまた朝から喧嘩…というよりは完全にリヴァイに遊ばれるハンジであった…
  165. 165 : : 2014/02/10(月) 21:57:43
    ハンジ「皆さんおはようございます!!」
    エルヴィン「おはよう!!今日もハンジは元気いっぱいだな!?」
    リヴァイ「…ねみぃ…」
    目を擦り擦りしているリヴァイ

    ハンジ「リヴァイは悶々として寝れなかったんだよね~!」

    リヴァイ「はぁ!?それはてめぇだろ、クソめがね!!」

    ハンジ「私はよく寝たもんね!!」

    エルヴィン「あのな、どうでもいいが、俺を挟んで痴話喧嘩はやめてくれ」
    げんなりするエルヴィンであった


    ハンジ「さて、今日はヘリに乗ってハートリーフをみるよ!!」

    エルヴィン「このホテル凄いな…ヘリポート完備か」
    クオリアにはヘリポートがあり、ここからあらゆる空のツアーに行ける

    ハンジ「そりゃぁ、世界有数のホテルだからね♪早速乗ろう!!」

    三人はヘリに乗り込んだ
  166. 166 : : 2014/02/10(月) 21:58:02
    ヘリはハミルトン島の上空から、グレートバリアリーフを周遊する

    真っ青な海に珊瑚が群生し、エメラルドグリーンやライトブルーなど、様々な色に変化させている

    どの色も宝石より美しい、自然の成せる技

    エルヴィン「青と翠の地図のようだな。美しい」
    ハンジ「綺麗だよね~!自然万歳!!」
    リヴァイ「青色の部分が川見てぇだな」
    ハンジ「濃い青色の所は珊瑚が無いか、深いところにあるね。エメラルドグリーンや、薄い青色のところに珊瑚が群生してて、色のコントラストを作っているね」

    グレートバリアリーフの美しさを表現するにはどの言葉も役不足なほど、神秘的な美しさだ

    リヴァイ「日光が当たると、蛍光色になるな。また全然色が変わっておもしれぇ」

    エルヴィン「本当に、綺麗だ」
    三人は眼下に広がる海に釘付けだった
  167. 167 : : 2014/02/10(月) 21:58:25
    リヴァイ「…ん、あそこにハートが見えるぞ?」
    リヴァイが指さす方向には、珊瑚が奇跡的にハートの輪郭を作っていた

    ハンジ「あれがハートリーフだよ!!」
    ハート型の輪郭の外はエメラルドグリーン、内側がライトブルー、青いハートになっている

    エルヴィン「本当にハート型だな」
    ヘリは少し高度を下げ、何度もハートリーフの上空を旋回する

    ハンジ「因みに、ハートリーフをみたカップルは、更に絆が深まるらしいよ!!」
    ハンジ、瞳をきらきらさせながらハートリーフを見つめている

    エルヴィン「そうか、良かったな、二人とも。ますます仲良しになるな?」
    ニヤリと笑うエルヴィン

    ハンジ「…ギャァ!!思い出したぁ!!」
    ハンジの顔がタコの色になった

    エルヴィン「何を思い出したのか是非詳しく報告を…」
    ハンジ「するかぁ!!ばか!!」
    エルヴィン「報告は義務だぞ?」
    ハンジ「そんな義務無いわ!!」

    リヴァイ「…どっちもばかだ」
    リヴァイはため息をつき、眉をひそめた
  168. 168 : : 2014/02/10(月) 21:58:52
    リヴァイ「要するに、ハートリーフをみたら絆が深まるわけだろ」
    リヴァイは天然の青いハートを指さしながら言う

    ハンジ「うん、そうだよ」

    リヴァイ「…三人で見てるんだから、三人の絆が深まる…でいいだろうが」

    それを聞いた二人が固まった
    エルヴィン「リヴァイ、お前…人が変わったのか…?お前の口からそんな言葉が出るとは…」
    ハンジ「リヴァイがいい事言ってる…真っ当な人間みたいな発言…」

    リヴァイ「お前らどうやら俺に削がれてぇらしいな…」
    殺気むんむんのリヴァイ

    エルヴィン「ハンジ、君は昨夜リヴァイに何を施した?何があった…?薬でも盛ったのか!?」
    ハンジ「薬なんか盛ってないよ…施されたのはむしろ私だし…」
    エルヴィン「ではなんであんな事をリヴァイが言うのか…理解に苦しむ」
    真剣な表現で話し合うハンジとエルヴィン

    リヴァイ「お前らいい加減にしろ!!」
    リヴァイは顔を真っ赤にして怒った
  169. 169 : : 2014/02/10(月) 21:59:21
    ハンジ「リヴァイ、謝るから殺さないで!?死んじゃう!」
    エルヴィン「!!!!!」

    リヴァイ「ハンジ、これが本物の、ベッドロック、だ!!見て学べよ!?」

    ハンジ「ま、学んだ!!学んだから離してやって!」
    リヴァイは体格差のかなりあるエルヴィンに、軽々ベッドロックをかけている

    以前ハンジがエルヴィンにかけて、失敗した技だ

    リヴァイ「…次はてめぇの番だから待ってろハンジ…」

    ハンジ「…エルヴィンはまだまだ余裕がありそうだから、離さなくてよし!!」
    手のひらを返すハンジ

    リヴァイはパッと腕を離した
    崩れ落ちるエルヴィン
    エルヴィン「死んだと、おもっ…た…ゼェゼェ…」

    リヴァイ「フン。殺しても死なねぇだろお前は」

    ハンジ「いや、さすがに殺したら死ぬだろ…いくらエルヴィンでも…?」
    エルヴィンの背中をさすってやるハンジ

    リヴァイ「次はハンジ、てめぇの番だな?」
    コキコキと指を鳴らすリヴァイ

    ハンジ「ぎゃぁぁ殺される!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」
    結局二人に土下座で謝らせたリヴァイであった
  170. 170 : : 2014/02/10(月) 21:59:51
    エルヴィン「いやあ、しかしあのリヴァイが三人の絆、なんて言うとは…感慨深いよ」
    ハンジ「リヴァイは見た目は怖いけど優しいよ、実は」
    エルヴィン「そうだな、いい奴だよな」
    ハンジ「うんうん、最高に優しいよ!!ほんといい奴!!」

    リヴァイ「お前ら、思ってもねぇ事言うな!!聞いてるこっちが恥ずかしいじゃねぇか!!」
    身体中総毛立つリヴァイ

    ハンジ「誉めてるのに…」
    エルヴィン「思ってる事を言ってるだけだぞ?」
    リヴァイ「わかった、もう言わないでくれ、頼む。身体中無図痒い!!」

    ハンジ「リヴァイは恥ずかしがりやさんだね~」
    エルヴィン「顔が真っ赤だな」

    リヴァイ「お前ら面白がってるだろ!?やめろ!!」
    リヴァイの悲鳴のような叫びか、ハートリーフにまで届いた
  171. 171 : : 2014/02/10(月) 22:00:12
    ハートリーフをあとにし、しばらくすると、ヘリが高度を下げた

    ハンジ「着陸するよ!!」
    エルヴィン「ヘリポートではないな、砂浜か?」
    ハンジ「ホワイトヘブンビーチだよ!!みて、真っ白な砂浜!!」

    真下には真っ白な砂浜と、美しいブルーグリーンの海がコントラストを描いていた

    リヴァイ「砂浜に着陸するのか」

    思った程の衝撃はなく、静かに砂浜に降り立つヘリ

    ハンジ「着いたぁ!!ホワイトヘブンビーチ!!グレートバリアリーフ一綺麗なビーチって言われてる所だよ!!」

    白いシリカ砂でできた浜は、真っ白で、砂の質は細かい
    さらさらである

    ハンジ「ホワイトヘブンビーチは、別名鳴き砂の浜って呼ばれてるんだ!!こうして踵を着けて、足の先を少し上げて歩くと…」
    キュッキュッキュッ…

    エルヴィン「音がするな、おもしろい」
    しばらく三人は、まるでペンギンのような歩き方で、ビーチを楽器にして音を楽しんだ
  172. 172 : : 2014/02/10(月) 22:00:37
    ハンジ「さあ、早速だけど、おーよーぐーぜー!待っててお魚ちゃーん!!」
    着ていたシャツと、短パンを脱ぎ散らかして、ビキニ姿で海に突入していったハンジ

    リヴァイ「チッ…散らかしやがって…」
    おもむろに服を拾って畳むリヴァイ

    エルヴィン「リヴァイ、お前いい嫁になれそうだな?」
    砂浜に座って服を畳むリヴァイの肩をポン、と叩いて隣に腰を降ろすエルヴィン
    砂がキュッと音を鳴らした

    リヴァイ「好きでやってねぇ!!散らばってたら我慢が出来ねぇだけだ」

    エルヴィン「ハンジが婿でお前が嫁って所かな。ははは」

    リヴァイ「冗談ぬかせ!俺は嫁にするなら、立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花、な清楚なチビだ!!」

    エルヴィン「それは、ハンジとは逆の理想像じゃないか。ならば何故昨夜ハンジを抱いた?遊びか?」
    真剣な眼差しのエルヴィンに、たじろぐ人類最強

    リヴァイ「いや、あのな、それは…」
    エルヴィン「何だ…?うちの大事な分隊長を遊びでどうこうしたならば許さんぞ?」
    リヴァイ「…理想と現実は違うって事だ」
    プイッとそっぽを向いたリヴァイの頬が紅潮していた
  173. 173 : : 2014/02/10(月) 22:00:59
    ハンジ「エルヴィン、リヴァイ!!ナポレオンフィッシュがいるんだけど、捕まえられないから手伝ってよー!」
    15メートルほど沖合いで、叫ぶハンジ

    エルヴィン「リヴァイ?行くか」
    リヴァイ「…ああ」
    二人は顔を見合わせて頷き合う

    ハンジ「エルヴィン早く、長距離索敵陣形展開してよ!!」

    エルヴィン「了解だ!!」
    リヴァイ「またそれかよ…三人で…」

    三人はホワイトヘブンビーチの美しい海で、長距離…いや短距離索敵陣形を展開し、ナポレオンフィッシュとの追いかけっこを楽しんだのだった
  174. 174 : : 2014/02/10(月) 22:01:22
    ハンジ「あーさすがに疲れたぁ!!」

    ナポレオンフィッシュを全力で追いかけたり、シュノーケリングでトロピカルフィッシュを観察したり、海を満喫した三人

    白い砂浜に上がり、キュッと音をさせながら寝転んだ

    エルヴィン「ナポレオンフィッシュは捕まえられなかったな。索敵陣形失敗か…」

    リヴァイ「かなり近くまでは接近できたがな…」

    ハンジ「でも、珊瑚の間に沢山綺麗な魚いたよね♪ナポレオンフィッシュは触れなかったけど、大満足!!ありがとうね、二人とも!!」
    にっこり嬉しそうに笑うハンジに、いつの間にか二人の顔も綻ぶ

    エルヴィン「ハンジが喜んでくれて嬉しいよ」
    微笑むエルヴィン

    リヴァイ「まあ、楽しかったな」
    白い砂を指でもてあそびながら言うリヴァイ

    エルヴィン「これで旅行も終わりだな」
    ハンジ「うん」
    リヴァイ「ま、十分楽しんだな」
    ハンジ「良かった!!そう言ってもらえて!!」
  175. 175 : : 2014/02/10(月) 22:01:54
    ハンジ「帰りのヘリで、グレートバリアリーフの夕焼けを見てから帰ろ!!」

    エルヴィン「そういえばもうそんな時間か…楽しい時は、経つのが早いな」

    リヴァイ「また、これるだろ」
    ハンジ「そうだね!!またこよう!!」
    エルヴィン「一仕事終えたらな…必ず、またこよう」

    決意を新たに、帰りのヘリに乗り込んだ三人であった



    ヘリは、美しく色を変えていくグレートバリアリーフ上空を飛ぶ

    ハートリーフも、また見ることができた
    「皆が幸せに暮らせる日がきますように…そのために、頑張るから」
    ハンジは祈った

    エルヴィン「海に夕焼けがさして、なんともいえん色になっているな。花が咲いたようだ」

    リヴァイ「…」
    リヴァイは無言で眼下の景色を眺めていた
  176. 176 : : 2014/02/10(月) 22:02:19
    エルヴィン「そうだ、一つ気になる事があった」
    エルヴィンが突然切り出した
    ハンジ「何だろ?」

    エルヴィン「なあハンジ、リヴァイとああなった話は、モブリットにはするのか?」

    ハンジ「…!」
    リヴァイ「…!」

    エルヴィン「まさか、忘れてはなかったよな?ハンジ、君は確かエアーズロックで愛を叫んでいたはずだか…」

    ハンジ「う、うん」
    エルヴィン「モブリットともそういう関係なのか?」
    エルヴィンの問いに、首を横に振るハンジ
    ハンジ「ううん、何もないよ。まあでもいつも側にいてくれるからね」

    リヴァイ「…俺がモブリットに話す」
    ハンジ「ええ~!?モブリットが危ない!!」
    リヴァイ「俺を見損なうな、クソめがね。俺がやったことだから、俺が責任を持つ。それだけの事だ。まあ、めんどくせぇがな」
    ハンジ「リヴァイ…!」

    エルヴィン「ではこの問題は任せたぞ」
    リヴァイ「了解」
  177. 177 : : 2014/02/10(月) 22:02:39
    ハンジ「リヴァイは真面目だなあ…感動しちゃうよ!!」
    そう言いながら、リヴァイの頭を撫で回すハンジ

    リヴァイ「やめろ、俺の髪は焼きそばじゃねぇぞ」

    エルヴィン「リヴァイを幸せしてやれよ、ハンジ。たくさん可愛がってあげなさい」

    ハンジ「うんうん了解!!かわいいかわいい!!」
    ますますワシャワシャと髪の毛を混ぜるハンジ

    リヴァイ「俺を可愛がるな!!」
    ハンジ「だって団長からの命令だし…」
    リヴァイ「んなあほな命令は聞かなくていいんだよ!!」
    エルヴィン「俺の命令は絶対だぞ?」
    リヴァイ「 なら少しはまともな命令をしろ!!」

    三人はこうして最後まで賑やかに旅を終え、来たときと同じどこでもワープ装置で、調査兵団団長室に戻ったのであった
  178. 178 : : 2014/02/10(月) 22:03:17
    調査兵団団長室にて

    ハンジ「ただいまぁ!!」
    リヴァイ「世界のはてまで行って」
    エルヴィン「よし!!」

    ハンジ「いかがだったでしょうか!?次は誰にどんな旅をしてもらおうかな!?では今日はこの辺で!!」

  179. 179 : : 2014/02/10(月) 22:03:51
    番外編《モブリットVSリヴァイ》

    私はモブリット・バーナー
    調査兵団第四分隊副長、という肩書きだけは割りと一人前な、しがない一兵士

    ハンジ・ゾエ分隊長の副官の立場にあり、主に分隊長のお世話役…
    何しろ無茶ばかりなさる方なんでね…

    今日も分隊長の執務室で、実験概要のチェックなど雑務をこなしていたが、一人の来訪者が、そのいつもの空気を一変させた
  180. 180 : : 2014/02/10(月) 22:04:19
    コンコン…とドアを叩く音と共に部屋に入ってきたのは…

    「入るぞ」
    リヴァイ兵長だった

    いつも通り、いやいつも以上に眉間にシワを寄せて、かなりの威圧感
    機嫌も悪そうだ…
    きっとまたハンジさんがへまをやらかしたんだな…

    「やあ、リヴァイ。元気かい?」
    ハンジ分隊長はいつも通りの挨拶をする。呑気なんだ、この人はいつも…

    「ああ、まあまあだ。ところでハンジ」
    ほらきた…兵長のお怒りタイムだ
    私は頃合いを見て、代わりに平謝りするのが日課…

    「ちょっとモブリットを借りてもいいか?」
    …はい!?何か私の名前が呼ばれた気がしたような…
    いやいや気のせい気のせい…

    「うん、どうぞ。いじめないでよ?リヴァイ」
    気のせいじゃなかった…
    分隊長…どうぞってあんた…
    明らかに不機嫌な兵長に拉致される
    自分の身に何が起こるのか、想像することすら恐ろしかった…
  181. 181 : : 2014/02/10(月) 22:04:39
    兵長と共に、こじんまりとした会議室に来た

    「そこに座ってくれ」
    兵長に指示されたように、ソファに腰をおろす

    兵長は、私の向かい側に座った
    二人きりで話すのは初めてかもしれない
    相変わらず不機嫌そうだが、怒っているわけではなさそうだ
    少しだけほっとした

    「なあ、モブリット」
    兵長が話を切り出した

    「はい、なんでしょうか、リヴァイ兵長」
    「お前はその…ハンジの事はどう思っている?」
    えっ…?!どう思ってるって…

    「少し、いやかなり変わっていて、大変な所はありますが、立派な上官だと思っています」
    ここは正直に答えておこう

    「それは、副官という立場からの話だよな。じゃなくて、男としてハンジをどう思っているかを聞いている」

    な、なんでそんな事を聞いてくるのだろうか…頭が混乱しそうだ
    落ち着け自分!!

    「要するに、ハンジ分隊長を女としてどう思っているか、という事でしょうか」

    「そうだ。話が早いな」
  182. 182 : : 2014/02/10(月) 22:05:14
    ハンジさんの事か…
    かなり長い間一緒にいるせいもあって、実はかなり惹かれている

    「お前、ハンジの事好きだろ?」
    ぶっ、見抜かれてる…
    なんでわかるんだろうか…
    そんな素振り、見せたことはないはず、たぶん…
    「は、はあ…」

    「ハンジはな、旅行中に、モブリット愛してるって叫んだ、知ってるよな?」

    ああ、団長からきた定期報告書に記載されてたな、そういえば…
    「巨人の次だったようですね」
    「ああ、だが人間ではお前しか名前が出なかった」
    「はあ、嬉しいような悲しいような…ですね」

    「だがな、ハンジに名前すらだされない俺が、ハンジを抱いてしまった」

    …!兵長…何を告白してくれてるんですかっ…!
    「は、はぁ」
    としか言いようがないじゃないですか!?

    「ハンジはお前を愛してるといい、お前はハンジが好きだ。だが俺が横槍を入れちまった」
    すまなそうにしている、リヴァイ兵長

    確かにショックだ、でも兵長が謝る事じゃない

    「兵長、ハンジさんは私の事を男として見てくれていません」
    ハンジさんの行動に対して、自分が常日頃思っていた事を兵長に話そう
  183. 183 : : 2014/02/10(月) 22:05:38
    「何故なら、いつも無防備で、女性が男性の前でやらないような格好を平気でやります。私の前で」

    「それは、ハンジがお前を信頼しているからじゃねぇか?」
    違うんです、兵長
    「もし私を意識してくださっていたら、恥じらうなりなんなりするはずです」
    真剣に話を聞いてくれている兵長に、自分は思っていた事を全て話そう

    「兵長には恥じらったのではありませんか?私には恥ずかしいなんて言ったこと、一度もないんですよ、ハンジさんは」

    「…モブリット」
    「だから、ハンジさんが貴方を求めたなら、それがハンジさんの今の、本当の気持ちです」

    「…そうか」
    「ですが、私もまだ諦めたわけではありません。ずっと側にいるのは私なので、必ずチャンスはやってきます」
    「ああ、そうかもしれん」
    「ですので、いくら相手が私とはいえ、油断はなさらないように」
    兵長になにいってるんだ自分…
    宣戦布告してしまったようなものだ…

    「了解した。これからもよろしく頼む。ハンジの世話…」

    「大変ですが、やりがいがありますから頑張ります」
    と言って会議室を出た
    一気に徒労感に襲われる…

    さあ、いつもの仕事に戻ろう
    何があろうと、私がやる仕事には変わりはないのだから

  184. 184 : : 2014/02/10(月) 22:06:01
    番外編2《うすら髭と金髪たぬき》

    王都にて、各兵団の代表を召集して、重役会議が行われていた

    調査兵団からはもちろん、エルヴィン・スミス団長
    今回は副官の代わりにリヴァイ兵長を連れていた
    憲兵団からはナイル・ドーク師団長
    駐屯兵団からはドット・ピクシス司令
    そして、この3つの兵団を束ねるダリス・ザックレー総統
    このメンバーでの会議だった

    王都の会議室で静粛に執り行われた会議も終わり、一息つこうとした矢先だった

    エルヴィン「皆さんに土産があります。リヴァイ?」

    リヴァイが会議出席者に紙袋を1つずつ手渡す
    ピクシス「そういえば、少し休日をとったらしいのお、満喫できたか?スミス団長」

    エルヴィン「はい。お陰様で、リフレッシュさせていただきました」

    ザックレー「これは、酒かな?」
    エルヴィン「はい。総統の口に合うと良いのですが」

    ピクシス「わしには酒ではなく、チョコじゃな…」
    エルヴィン「副官殿に酒を止められていると伺いましたので…」
    控えていたピクシスの副官アンカがクスッと笑った
  185. 185 : : 2014/02/10(月) 22:06:23
    ナイル「なあ、エルヴィン…」
    ナイルが不満そうにエルヴィンに問いかける

    エルヴィン「何だ?ナイル」
    ナイル「酒にチョコ、はわかるが、なぜ俺にはこれなんだ!?」

    ナイルが袋から取り出したのは…
    リヴァイ「うすら髭、てめぇの土産は俺が選んだんだ。文句言うなよ?」

    エルヴィン「すまんナイル。リヴァイとハンジがどうしてもお前にはそれをやるんだと聞かなくてな」

    ナイルが手にしているのは、体長30センチ程のワニのフィギュアだった
    首に名札が掛けられていた
    《ナイル》と…

    ピクシス「おお!!ナイルにそっくりな顔じゃな!!」
    リヴァイ「だろう?じいさん」
    ナイル「似てないだろう!?」
    リヴァイ「似てるぞうすら髭」
    ナイル「うすら髭なんて名前じゃない!!それならエルヴィンも金髪たぬきじゃないか!?」
  186. 186 : : 2014/02/10(月) 22:06:44
    リヴァイ「エルヴィンはたぬきみたいな腹してねぇよ、うすら髭」

    ナイル「リヴァイ貴様ぁ!?」
    ザックレー「まあまあ、喧嘩はやめたまえ。しかしナイル、その人形お前にそっくりだぞ」

    ナイル「クッ!!」

    エルヴィン「折角うちの部下がお前に選んだのだから、是非デスクに飾ってくれよな?」

    ナイル「誰が飾るか!?この金髪たぬきが!」
    リヴァイ「だからエルヴィンの腹は出てねぇだろうが、エルヴィン、腹見せてやれよ」
    リヴァイはエルヴィンのシャツを捲ろうとする

    エルヴィン「こらこらリヴァイ!!脱がなくても見たらわかるだろう?」
    リヴァイ「金髪たぬきなんて言われて黙ってられんだろ!?」

    ナイル「脱いだらワイセツ物陳列罪で逮捕だエルヴィン!!」

    リヴァイはとことん副官には向かない事が証明されたのであった

  187. 187 : : 2014/03/24(月) 09:12:59
    ニヤニヤが止まらない!
  188. 188 : : 2014/04/04(金) 01:07:13
    >>ハンジもどきさん☆
    わわ。こちらにもコメント下さっていたのですね!!
    ありがとうございます♪

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fransowa

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