このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
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「これは俺が最強の剣士になるまでの物語」
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- 1 : 2021/12/04(土) 16:23:07 :
- 西暦 2025年
世界は突如として蒼い光に包まれた。
その日を境に、世界各地で異能を持つ人間が現れる。
その異能はどれもが剣に関連するものだった。
ある預言者が言った。
「近い将来、全ての人間に異能が授けられ、剣の力が全てになるであろう」
と、そうすると世界各国の政府は異能を持たざる者と持つ者とで選別、正義の心を持つ異能者を軍に引き入れ、悪の心を持つ異能者は捕縛及び殲滅を目的とした大規模な戦争を起こした。
それから300年。
世界は全人類が異能を持つようになり、国の長はその国で1番強い剣士が務めるようになった。
日本────
オンギャアオンギャアオンギャア
「生まれましたよ!元気な男の子です!」
ここにあるひとりの男の子が産まれる。
男の子を産んだ母親は目に涙を浮かべながら男の子の名前を呼ぶ
「あぁ、愛しい私の子、あなたの名前は朱兎(あかと)よ」
朱兎、と
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- 2 : 2021/12/04(土) 16:47:59 :
- それから数年の月日が立ち、赤ん坊は青年に
凛々しい顔立ち、背は160はあるだろうか、どちらにせよ同年代の子供達の中では低い方だ
「朱兎!遊ぼー!」
朱兎「ん?理沙か」
朱兎「ちょっと待ってー!今…腕立て伏せ…してるから!」
理沙「そんな事しなくてもいいじゃーん!早く遊ぼうよ!」
朱兎「駄目だ…!俺は…この国で最強の…!剣士に…ッなるんだから!」グググ
理沙「えー…」
「理沙、無駄だよ、朱兎は言い出したら聞かないって、知ってるでしょ?」
理沙「天翔!遊ぼー!」
天翔「はいはい…っと、あ、朱兎、最強の剣士になるのは僕だからね?」ニコ
朱兎「はぁーん?最強の剣士になるのは俺だね!そんでそんで!剣聖に選ばれて!この国の長になるんだ!」
天翔「えー、僕は剣聖はいいかな…」
朱兎「なんでだよ!剣聖だぞ!?この国のリーダーだぞ?」
天翔「僕はただ強くなりたいだけだよ」
朱兎「ふーん、じゃぁ!俺とお前!どっちが最強になるか!勝負だな!」
天翔「!…あぁ!勝負だ!」
理沙「え…ちょっと…じゃあ私も強くなる!」
朱兎、天翔「はぁぁ!?」
この日を境に、3人は個々での訓練に励むようになる
そして、月日が流れ3年後、彼らは異能検査及び配属学校の選抜式に呼ばれる
ザワザワザワ
朱兎「うぉー!遂に…俺の異能が分かるのか!」
天翔「うん、楽しみだね」
「えー、異能検査を行う者は左の道を進んで、配属学校を聞く者は右の道を進め」
朱兎「どっちから先に行く?」
理沙「そりゃもちろん!異能でしょ!」
天翔「そうだね、異能検査を先にしようか」
朱兎「わかった!なら行こうぜ!」
────────────────────────
「えー、これから異能検査を始めます、まず順番にこの水晶に触れ、属性を確認、その後にこの扉、この扉は異空間に繋がっており、その先にある剣を抜け、一人一人の剣士としての素質によって、剣は強く、強靱になる、剣のランクは下から、子型、これが選ばれる事はほとんどない、まぁ才能がない…ということだ、次に小型、これに選ばれたものは剣士ではなく、忍として生きていくことがほとんどだ、次、3等業物、これが通常、2等業物、これは常人より多少才能がある、1等業物も同様だ、そして、ここからは選ばれることはほとんどないだろうが…説明しておく、大業物、名工大業物、特級大業物、そして、最上大業物、特級最上大業物だ、最上特級大業物はこの国で剣聖しか持っていないものだ!さぁ、君達の将来を決める扉を触れよ!」
ザワザワザワ
朱兎「特級最上大業物…!ワクワクするなぁ!」
「次、はい次、はい次」
天翔「あ、朱兎、次だよ!」
朱兎「!おお!」
「はい、次」
朱兎「よし…来い!」
朱兎が水晶に手を触れる
すると、水晶が眩く光り出す
「な…なんだ!?」
「これは…まさか!最上級の異能の持ち主…!?」
「おい!どうした!何が…ッ!」
朱兎「え?どうなってんの?」
水晶から溢れ出す光は止まるところを知らない
そうしていると、水晶にヒビが入る
ビシッビシビシ
バキィィィィン
「!水晶が…割れた!?」
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- 3 : 2021/12/04(土) 17:10:57 :
- 朱兎「何が起きてんの?」
しかし、当の本人は何が起こっているのか、何故検査官が驚き驚愕しているのかさえ、理解が出来ていなかった
「と、とりあえず、君はあの扉の向こうにある剣を取ってきたまえ、新しい水晶をもってこい!」
朱兎「あ、はい」スタスタスタスタ
朱兎は扉を開け、その向こうにある世界に足を踏み出した
スタスタスタスタ
朱兎「なんか…変なところだな…おーい!」
朱兎は大声を出し、奥に続く暗闇へと呼びかける、声は反響し、段々と小さくなっていく
朱兎「本当に誰もいないのかよ…」スタスタスタスタ
朱兎「あ、あった、あれが俺の…剣…?バカデカいな」
奥にあった刀は刀というには長く、それは大太刀のようだ
朱兎「あぁ、見たことあるな、これ本で、大太刀って奴か?」
──お前か?俺の新しい主は──
朱兎の脳内に何者かの声が響く
朱兎「誰だ?」
──俺はお前の真ん前にある大太刀だよ──
──まぁ、大太刀といっても、ただの大太刀じゃねぇぜ?ちゃんと名前がある、名前がある刀は特級大業物以上の位列があるからな、前の俺の主の時は特級最上大業物だったが…お前の時はどうだろうな?──
朱兎「特級最上大業物!?…来た…俺の時代!お前の名前は?!」
──まぁ待てよ、その前に俺とお前が契約、つまり俺がお前の所持する刀になるって事を証明する儀式が必要だ──
朱兎「他のみんなもそんなことやってんのか?」
──いいや?俺や他の意思のある刀の場合だけだ──
朱兎「へぇ…お前の他にも意思のある刀があるんだな」
──あぁ、あるとも、聖剣や魔剣、他にも鬼剣、名剣の場合は意思がある──
朱兎「お前は?聖剣か?魔剣か?」
──俺か?俺は…どうだろうな──
朱兎「どういうことだ?」
──俺も俺のクラスを知らねぇんだよ、前の主の時は聖剣として世界を守って戦い、散った、そして、その前の時は魔剣として、その前は鬼剣として、所有者の命を吸い取りながら戦ったよ──
朱兎「そんなことがあんのか?」
──そんなことは通常有り得ねぇよ──
朱兎「…つまり、お前は特別な刀…ってことだな?」
──…まぁ間違いではない──
朱兎「なるほど、よし契約しよう」
──いいのか?──
朱兎「どっちにせよ、強くなれるんだろ?なら俺は手段を選ばねぇよ、選ぶつもりもない」
──ふっ…気に入った…契約だ、お前の血を数滴よこせ──
朱兎「あぁ」
朱兎は自分の親指の皮を噛み、数滴の血を刀に垂らす
──おぉ…これはお前…まさか…──
朱兎「ん?」
──いいや…なんでもねぇよ──
朱兎「これでいいのか?」
──あぁ、契約完了だ、さ、俺を抜くといい──
そう刀の意思に促され、朱兎が刀の柄に手を出し力の限り握り、抜くと刀は形を変える
グググググググググ
──おぉ…来た来た!…さぁお前の運命はどうだろうな?英雄として国を守る剣士となるか!影で暗躍し、世界の調和を守る剣士となるか!俺が聖剣か魔剣から鬼剣になるかで変わるぜぇ!──
朱兎「どちらにせよ最強になれるんだったらいいよ」
朱兎「それに、魔剣になったからと言って剣聖になれない訳でもないだろう?」
──まぁ…そうだな──
そうしていると、刀の形状変化が終わる
──これは……──
朱兎「これは…?」
──魔剣だな、残念賞!──
朱兎「まじかよ、まぁいいけど」
──知ってるか?お前の代で魔剣を保有する者、つまりお前の事だが、お前は聖剣を保有する者と戦う宿命にあるんだ、それがどんなに仲の良い友人であろうとな、己の信念を貫き通すために──
朱兎「…へぇ、つまり結局は最強の道を上がることになると」
──あぁ、だがな、これまでに魔剣の保有者は聖剣の保有者に勝ったことがない、何故だろうな?──
朱兎「さぁな、俺は勝つけど」
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- 4 : 2021/12/04(土) 22:54:33 :
- ──いい自信だ、ますます気に入ったぜ、朱兎──
朱兎「そう言えばあんたの名前、まだ聞いてなかったな」
──俺か?俺は…名前はないが…まぁ…月詠と呼べばいい──
朱兎「あぁ、よろしくな、月詠」
────────────────────────
朱兎が刀を獲得し、異界から帰還すると外では天翔と理沙が待っていた
天翔「ようやく帰ってきた、おかえり」
朱兎「うん、ただいま」
理沙「朱兎の刀の位列はー?」
朱兎「ん?位列か…」
「!…君達!」
朱兎「誰だ?」
「検査官を統率している検査官長、柳川だ」
天翔「どうかしたんですか?」
理沙「?」
柳川「君達3人は水晶を触れた、つまり検査を行っただけで水晶を破壊することが出来た…という報告を受けてね」
朱兎「君"達"?」
理沙「言うの忘れてたけど…私達も水晶が壊れたんだよね」
天翔「うん、なんでかは分からないけどね」
柳川「それは恐らく、君達3人はこの国の将来を担う剣聖の素質を持った者達だからだ!」
天翔「剣聖の素質を持つ…僕達が?」
柳川「あぁ、この国の調査書によると我々の先代が開発した水晶を破壊できたのは剣聖達だけなんだよ」
朱兎「……つまり?」
柳川「少なくとも水晶を破壊できる人材が現れるのはこれまでは30〜60年周期…剣聖が年老いて、力を失ってくる辺りだったんだよ、しかしな、今の剣聖はまだまだ若く、力も持っている、その周期の法則を捻じ曲げて現れたのが君達3人…ということなんだよ」
天翔「なるほど、で、僕達3人に何をしろと?」
柳川「これは現剣聖からの要請だ、君達3人は配属先の学校へは行かずにそのまま、剣士団への入団を、との事だ」
朱兎「つまり、俺達3人は飛び級で戦線で戦うことになる、ということか…」
柳川「…それは、戦地へ向かうこともあるかもしれない、だから、この選択はあくまで自由な選択だ、強制はしないよ」
天翔「そんな魅力的な話…断るはずがない」
朱兎「あぁ、断る理由がねぇ!」
理沙「え!えぇ?!ちょっと…!」
朱兎「理沙は普通に学校に行った方がいい」
理沙「な…ッ!私だって!私の刀の位列は最上大業物よ!私だって戦える!」
天翔「僕のは聖剣だ、特級最上大業物、大和叢雲」
朱兎「!?…聖剣…」ボソッ
天翔の口から飛び出したのは自分の刀は聖剣だという暴露、それはつまりいずれ朱兎と天翔は己の信念を貫き通すために戦うことになる…ということだった
──おっほほ!いきなり聖剣の登場かよ!──
──面白い展開になってきたな!なぁ!朱兎!──
朱兎「俺のは…最上大業物だ名前は…」
──おいおい?!偽るのかよ?!──
朱兎「あぁ、まだその時じゃあ、ない…」
柳川「…なるほど、分かったなら君達3人は剣聖の要請に応じる…ということでいいな?」
3人「はい!」
────────────────────────
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- 5 : 2021/12/04(土) 23:05:35 :
- 剣士団 入団式
パーパーパッパッパッラッパパー
これより剣士団第58期の入団式を始めます。
最初に通常入団員の紹介です。
次に剣士団始まって史上初となる特別入団員3名の紹介です。
聖剣保有者 早川天翔 位列 特級最上大業物 大和叢雲
霧雨朱兎 位列 不明
中野理沙 位列 最上大業物
この3名は異能検査において、水晶を触れただけで破壊する程の異能力を持ち合わせており、次世代の剣聖、と期待されている3名です。
────────────────────────
団舎
朱兎「ぶへぇ!疲れたァ!」
天翔「まさかあんなに大々的に紹介されるとはね…」
天翔「それよりも…朱兎、位列不明ってどういうこと?最上大業物じゃなかったの?」
朱兎「…ッ…はァ…言うしか…ないか」
天翔「?」
朱兎「まず…俺の剣は魔剣だ…このことが指す意味をお前なら知ってるだろ?」
天翔「あぁ、聖剣から話は聞いてる、聖剣保有者と魔剣保有者はいずれ戦わなくては行けない定めだと」
朱兎「そういうことだ、そして、俺が魔剣保有者と言うことが知れたら、俺は多分忌み嫌われ、迫害され、この国を追われるか、収容所に収監されるだろうな、過去の魔剣保有者は凶悪な人間が多かったから」
天翔「だから…隠してたのか…」
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- 6 : 2021/12/05(日) 14:44:15 :
- 朱兎「あぁ、だけど、もう黙っておくのも無理があるしな」
天翔「大丈夫だよ、僕はこのことは誰にも言わない」
朱兎「ありがとう」
天翔「うん、でも戦うことになったら手加減はしない」
朱兎「は…ッ…当たり前だ!」
────────────────────────
翌日──────
理沙「ふぁぁ…おはよぉ…」スタスタ
朱兎「ん、おはよう」
天翔「理沙、寝癖立ってるよ」
理沙「治らない…」
朱兎「今日から俺達も剣士か!楽しみだなぁ!」
天翔「正式には剣士見習いだけどね」
「あ、おーい!3人共!」
朱兎「あれは…柳川さんか」
柳川「早速だけど3人はこれから剣士団の団長の所に行ってもらうよ、挨拶をしないとね」
朱兎「うぇ…挨拶か…」
天翔「挨拶も大事だよ?」
朱兎「そりゃ分かってるけどさ…」
柳川「さ、こっちだ、着いてきて!」
────────────────────────
団長室────────
「………」フゥ…
団長室に入り、待っていた人物は無精髭にボサボサの髪、片目には眼帯を付け、タバコを吸っていた、部屋はタバコの煙で充満し、なんとも形容しがたい光景だった。
朱兎「あの人が…団長…?」ボソ
天翔「…さぁ…?」
理沙「なんか…不潔…」ボソボソッ
「で?そいつらが昨日行ってた飛び級で入団した奴らか?」
柳川「…はい!」
「ふーん、じゃ自己紹介」
朱兎「霧雨朱兎です!刀の位列は… 「位列なんて聞いてねぇ、名前だけだ」 …すみません!」
天翔「早川天翔です!」
理沙「中野理沙です!」
「……俺は剣士団の団長をやってる宮本武蔵」
柳川「……あの…異能とかは…」
宮本「あぁ?要らねぇよそんなもん、この剣士団では力が全てだ、強けりゃ異能が弱くても位列が低くても問題ねぇ」
宮本「いいか?テメェら、水晶を破壊出来たか知らねぇがな、ここでは強いやつが偉い、浮かれんじゃねぇぞ?」ゾォッ
朱兎「ッ…!」ビリビリ
天翔「ッッ…」ビリビリ
理沙「ゥ…」ビリビリ
柳川「はぁ…団長!悪い癖が出てますよ」
宮本「………」
宮本「合格だ」スンッ
朱兎、天翔、理沙「え?」
宮本「俺が放った殺気を気絶せずに耐えた奴はこの団でも数える程しかいねぇ、それを何の訓練も受けてねぇお前らが耐えきったって事は…つまり強いって事だ、だから、合格だ」
柳川「もう…」
宮本「柳川、3人を案内しろ、明日から訓練を開始する」
────────────────────────
柳川「ごめんね?うちの団長が」
朱兎「いえ、ただ、あのまま殺気を当て続けられたらちょっと戦うことになってたかもしれませんがね」
柳川「アハハ…でもあの人の実力は本物だ、今の現剣聖と互角に戦う程の力を持っているからね」
天翔「なるほど…どうりであの脇に置いてあった刀…あれは…最上大業物クラスですね?」
柳川「あぁ…あれは…」
柳川「10年前に起きた戦争でね、団長は恋人を失ってるんだ…あの刀は恋人の形見だよ…その戦争で団長は片目も失ってしまった…あの戦争は団長にとって失う物が多すぎた…」
朱兎「!…」
柳川「それからだ、団長が二刀流になったのは」
柳川「そして…その戦争を境に以前に増して訓練や任務は難易度の高いものになった、それも全て団長はもう何も失いたくないからだろうね」
天翔「あなたは一体何者…?」
柳川「俺は…現剣聖と団長の同期だよ」
朱兎「はぁ!?」
理沙「えぇ?!」
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- 7 : 2021/12/05(日) 14:58:48 :
- 柳川「でも俺は持たざる者だからね、剣技もあの2人には及ばない」
柳川「でも君達3人は才能がある、この3人の中から次の剣聖が出るのは必然だから、俺はその瞬間を見届けたい」
柳川「さ、ここが食堂だ」
────────────────────────
柳川「こんなものかな、場所は覚えたかい?」
朱兎「うぅ…広すぎる…」クラクラ
柳川「まぁ、覚えていけばいい話だからね、頑張って!明日からは本格的な訓練、任務が入ってくるから今日はもう休むといい」
朱兎、天翔、理沙「はい!」
────────────────────────
翌日──────────
剣士団の訓練が始まった、それは朱兎、天翔、理沙にとって想像を絶するキツさ、下手をしたら命を落としかねない状況での戦闘等、様々な状況に応じての訓練が行われた。
朱兎「ハァ…ハァ…ぐ…ッ…くそ…!」
「はァッ!」シュンッ
ガキィン
ガキィン
朱兎「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!」ガキィン
ドガッドガッ
「ぐ…ッくそ!リタイア…だ」
宮本「あと3人は同時にかかれ!殺す気でな!」
「「「…はい!」」」
朱兎「はァ?!」
A「せいッ!」ドガッ
B「オラッ!」ドガッ
C「はぁっ!」ドガッ
朱兎「ぐ…ッッ…ぁぁぁッ!!!」ガキィンガキィンガキィン
ドガッドゴッズドッ
A「ぐあ…ッ!?」ドシャァッ
B「ぐ…ッ」ドサッ
C「…」ガクッ
朱兎が受けていた訓練は百人斬り、その名の通り腕のつく団員達を100人連続で相手をするというものだ
宮本「まだまだだな、朱兎達は休憩!」
宮本「さて…天翔、理沙、お前達は連携の訓練だ、俺に2人でかかってこい、お前たちが俺に傷1つ、いやお前達の攻撃が少しでも掠ればお前たちの勝ちだ、いいな?」
天翔「は…?それはさすがに…」
理沙「舐められてる…ね」
柳川「始めっ!」
宮本「行くぞ」ドンッ
ガキィィィィィン
天翔「ぐ…ッ!理沙!」
理沙「はぁっ!」バッ
ガキィィィィィン
天翔「せいッ!おらっ!」ドガッドガッガキィンガキィン
宮本「もっと一撃に力を込めろ!1人で技を完結させようとするな!」
宮本「2対1は連携だ!2人で技を完結させるんだ!」
天翔「うぉぁぁぁぁぁぁぁ!理沙!」
理沙「うん!」ダッ
ガキィンガキィンガキィンガキィンガキィンガキィン
ドガガガガガガガガガガガガガガ
宮本「異能を使え!」
天翔「は…?いいのかよッ!」
天翔「瞬歩…!」ドンッッッッッッッ
宮本「ふむ…足に力をありったけ貯め、放出する異能か…スピードが早いな…だが」シュンッ
天翔「…!なっ!?」ドガァァァアン
宮本「真っ直ぐ突っ込んできたらバレバレだ」
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- 8 : 2021/12/06(月) 10:34:21 :
- 天翔「ぐ…ッは…ッ!」ドシャァッ
理沙「天翔!…ッ!」キィィィィン
宮本「お前の異能…なるほど、視力を極限まで高め、筋繊維などの体内をも観察することの出来る異能か…」
理沙「!?…なんで…」
宮本「教えてやろう、俺の異能は対象者の全ての情報を得ることができる、もちろん異能も、持っている刀の位列も、な」
理沙「そんな…?!強すぎる…!」
宮本「そして稀に異能は1人の人間に複数発現するという、俺は発現しなかったが、この国の剣聖は複数個異能を持っている」
理沙「…!」
宮本「さて、訓練の続きを…始めようか」
理沙「…はい!」ドガッ
ガキィンガキィン
ズドッズドドドドドドドド
ドガァァァアン
理沙「…ッ!…筋肉の動き…どれを見ても隙がない…ッ!」
理沙「次の攻撃への予備動作が…見えない…!?」
宮本「見えないんじゃない、お前が見ようとしてないだけだ」
宮本「もっと集中しろ、全てを見るつもりで、臓器まで!」
理沙「ッ…!」ググググ
宮本「そうだ、その調子で目に全神経を集中させろ」
理沙「ぐ…ッ!」ツー
グラ
理沙「あ…?」ドサッ
理沙「あ、あれ?」ググ
宮本「異能の使いすぎ…だな」
宮本「今日はもう終わりだ、明日からは動けるようになるだろう」
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- 9 : 2021/12/14(火) 21:46:00 :
- ────────────────────────
理沙「あぅ…いてて…」
天翔「理沙!大丈夫か?」
理沙「あ、天翔…なんとかね…いてて…」
朱兎「……もっと強く…ならないと…」スタスタ
天翔「?…朱兎?」
朱兎「…」ブツブツ
天翔「朱兎!」
朱兎「…あぁ!天翔と理沙か!」
天翔「大丈夫か?」
朱兎「あぁ…でも…こんなんじゃダメだ…もっと強くならないと…」
理沙「朱兎!休憩と訓練のうちだよ!筋肉が悲鳴を上げてる!」
朱兎「ん…あぁ、わかってる…」
朱兎「わかってるさ…」
────────────────────────
バタバタバタバタ
朱兎「ん…うぅん…」
ガチャ
天翔「朱兎!起きろ!緊急だ!早く!」
朱兎「!…何があった!?」
天翔「どうやら、隣国が剣士団を動かしてるみたいだ!俺たちは今からそれの警戒に行くぞ!」
朱兎「えぇ!?いきなりかよ!?」
天翔「あぁ!場合によっては戦闘になるかもな!急げ!」
────────────────────────
「全員乗ったな!?よし!発進しろ!」
ブルルルルルルル
隊長a「移動時間に本作戦の内容を説明する、俺達の部隊は隣国の剣士団を発見後、動きを警戒し、場合によっては武力行使を行う、いいな!?」
「「「「「了解!」」」」」
────────────────────────
朱兎『こちら朱兎、剣士団を発見、どうぞ』
天翔『こちら天翔、こちらも剣士団を視認した、どうぞ』
隊長a『了解、朱兎と天翔はそのまま監視を続けろ、増援を向かわせる』
天翔、朱兎『了解』
朱兎「………こんな山奥で何をしてる…?」
朱兎「…………」
ザザ
天翔『朱兎、こちら天翔、剣士団を視認できなくなった、何が起きてる?』
朱兎「こちら朱兎、剣士団は洞窟の中へ入っていってる」
天翔『分かった、僕も合流する』
朱兎「了解」
────────────────────────
某国・剣士団──
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- 10 : 2021/12/19(日) 19:09:49 :
- 「────!」
「──?──ッ!──!」
「────…」ユラ
「────ッ!──」
ドガガガガガガガガガガガガガ
「──!」ズバッ
「────?!」ドガァァァアン
「──!」ブシュッ
「──────………」スタッ
タッタッタッタッタッタッタッタッタッ
朱兎「動くな!」
天翔「日本の剣士団だ!動くと敵とみなし攻撃する!」
朱兎「所属国を名乗れ!」
「………」
天翔「!?…朱兎…どうやらそいつは剣士団の奴じゃないみたいだ、奥の方を見てくれ」
朱兎「…!お前…何者だ!」
天翔「名乗れ!」
「オレか…オレは…魔剣の所有者だ、奴らの国の剣士団は手応えが無さすぎた…だから、日本の聖剣所有者を殺害しに来た」
天翔、朱兎「は…!?」
月詠『なんだ?!何を言ってやがる!あいつ!』
朱兎「魔剣所有者は俺のはずだ!何を…!」
「…」ニヤ
天翔「何を…笑って…ッ!?」
「聖剣所有者はお前だな!?」ドンッ
ガギィィィィィン
天翔「ッッッ!…朱兎!ここは僕が何とかする!お前は本隊へ連絡を!」
朱兎「何を言って…ッ!俺も戦うに決まってんだろ!」
天翔「こいつの剣技は本物だ!僕達2人が束になっても返り討ちにされる!だが僕の聖剣のスキルを使えば防ぎ切ることなら出来る!だから朱兎は連絡を!早くッ!」
朱兎「〜ッ!分かった!死ぬなよ!天翔!」タッ
「…良かったのか?お前にオレの剣技を防ぎ切る力はないだろう?」ニヤニヤ
天翔「…さぁ…なッ!」ガギィィィィィン
ガキィンガキィン
「攻めてくる…か、いいね!それでこそ魔剣と聖剣の殺し合いだ!」ニヤニヤ
ドガァァァアン
ガギィィィィィン
ガキィンガキィンガキィンガキィン
────────────────────────
朱兎「…どういうことだ!月詠!魔剣所有者は俺だけじゃなかったのか!?」タッタッタッタッタッタッタッタッタッ
月詠『俺にもわからん!正直…あらゆることがイレギュラーすぎて…』
朱兎「クソが…!今はこの洞窟を抜け出すことが最優先だ!」ダッ
-
- 11 : 2021/12/21(火) 23:56:07 :
- 朱兎「こちら朱兎!本隊へ通達!」
ザザザザザザ
朱兎「チッ…やっぱり電波妨害を…ッ!」ダッ
月詠『…』
朱兎「天翔なら…大丈夫…大丈夫だ…」タタタタタ
────────────────────────
ガキィンガキィン
天翔「ぐ…ッ!」ブシッ
天翔「瞬歩…!」ドンッ
ドガガガガガガガガガガガガガ
「おぉ…ッ!やるなぁ…!ワクワクする…ッ!」ゾクゾク
「俺の異能は…『無効化』ありとあらゆる事象を無効にすることができる、もちろん、相手の異能を一時的に消すこともな…!」
「『無効化』発動!」パチンッ
天翔「ッッ!」ザザッ
「これで異能無しの怠慢だ…ッ!」ドッ
ガキィンガキィンガキィンガキィン
ブシッブシュッ
天翔「ぐ…ッァァッ!」
ガギィィィィィン
ギギギギ
天翔「ハァ…ハァ…ッ」ドガァァァアン
天翔「ぐ…ッは…ッ!は…ッ!」パラパラ
「こんなものか?聖剣は覚醒していないのか…つまらない…実に…ツマラナイ」ズズズズ
「冥土の土産に教えてやる、俺の名と目的を…」
「俺の名はヴァルヴァドス、72柱の悪魔の1人だ」
天翔「悪魔…?は…ッ!惚けたことを…ッ!ガハ…」
ヴァルヴァドス「俺の目的は1つ、この世と魔界を繋げ、第一次人魔大戦を勃発させること…そして、この世を魔界にする事だ…ッ!」
ヴァルヴァドス「今はまだ計画の初期段階でな…72柱の内俺しか現界していない、だがそのうち全ての72柱の悪魔が現界し、我らが頭領を現界させよう…!」
天翔「そうは…させない!…」ズズズ
ヴァルヴァドス「無理だ、人間はどう足掻いても悪魔には勝てん、なぜなら、我々悪魔を傷付ける方法は聖剣か魔剣のような特殊な武器ではないと傷付けることさえ出来ないからだ…ッ!」ニヤニヤ
-
- 12 : 2021/12/21(火) 23:57:58 :
- ヴァルヴァドス「さて、お喋りは終わりだ、これでトドメ…だ!」シュッ
ブゥンッ
ガギィィィィィン
朱兎「なんとか…間に合ったみたい…だな!」ギギギギ
天翔「!…朱兎…本隊は…?」
朱兎「あぁ、もちろん呼んできた!団長達もな!」
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- 13 : 2021/12/26(日) 06:48:21 :
- ヴァルヴァドス「チッ…邪魔が入ったか…!」
ヴァルヴァドス「まぁいい、今度会った時は必ず殺す」シュンッ
宮本「待て!」
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- 14 : 2021/12/28(火) 22:55:32 :
- 天翔「ハァ…ハァ…」ドサッ
宮本「天翔、よく耐えた」
天翔「なんとか…持ち堪えてみせましたよ…」
宮本「救急班!急げ!こっちだ!」
宮本「とにかく今日の任務は終わりだ、さ、帰るぞ」
-
- 15 : 2022/01/15(土) 08:41:50 :
- ────────────────────────
天翔「……」
朱兎「天翔…」
天翔「う…ぅ…ッ」
朱兎「!天翔…?天翔!」
天翔「はぁ…ッ…はぁ…ッ…」
天翔「ぐ…ッぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?」
ダダダ
宮本「何があった!?」
朱兎「分かりません!天翔が急に苦しみ出して…ッ!」
天翔「ッづァァァァァァァァァァ!!」ズズズ
天翔「ぐ…ぁ…朱兎…ッ!俺の…中に…"ナニ"か…ッ!いるッ…!」
天翔「ぐ…づァァァァァァ!!!!」ビキビキ
ズズズズズズ
天翔?「はぁ…ッはぁ…ッ」
朱兎「…天翔?」
天翔?「はぁ…はぁ…」ズズズズズズズズズ
天翔?「ふぅ……」ニヤ
天翔?「く…くくく…くくくく…ははははははははは!!」
天翔?「遂に…ッ遂にこの時が来た…ッ!」
朱兎「誰だ!お前は…天翔じゃないな!?」
天翔?「天翔?…あぁ、この体の持ち主の名か」
天翔?「残念だが…その天翔とやらはもうここにはいない…俺様の名はソロモン72柱のベリアル」
朱兎「ッ!お前ッ!」ジャキッ
天翔?「…その武器は誰に向けている?」
朱兎「天翔を返せ!」
天翔?「俺様が質問しているだろう?」クンッ
ズンッッッッッ
朱兎「ぁ…ッぐ…ぅ…」ググ
天翔?「人間が俺様に勝てると思ってるのか?」
天翔?「俺様は悪魔の王サタンを殺し、この世界を俺様の所有物にする」
宮本「…ッ!」ジャキッ
ズンッッッッッ
宮本「…!?」ドガァァァアン
ベリアル「俺様の能力は3つある、一つはグラビティ・ドメイン、俺様に敵意を向ける存在が領域内に存在する場合自動で攻撃する、2つ目はイビル・アイ、俺様の眼はなんでも出来る、3つ目は身体超強化、単純に身体能力を大幅に強化する」
-
- 16 : 2022/01/22(土) 21:31:03 :
- 朱兎「バカ正直に教えてくれてどうも…ッ!」シュンッ
ドガァァァアン
朱兎「ぐ…ヅァァァ…ッ…」
ベリアル「?…アホか?お前はだから言っただろう?俺様の能力は… 「知るかよ…ッ…ぐ…ぁ…ぁぁ…」ズズズ
お前…何者… ガシッ ……てめぇ…ッ…」
朱兎「はぁ…ッ…はぁ…ッ…捕まえ…た…ッ…!」
朱兎「月詠!俺に…力を貸せ!」
──了解──
ズズズズズズ
朱兎?「………」
朱兎?「力が…溢れて…ッ!」ググ
ベリアル「チッ…こりゃ真面目にやんねぇと行けねぇか…ッ!」ドガァァァアン
ベリアル「オラァァァァァァ!!!!死にさらせぇ!!!!」ズガガガガガガガガガ
朱兎?「…凄い…剣筋がわかる…見える…!」ガキィンガキィンガキィンガキィンガキィンガキィンガキィンガキィンガキィンガキィンガキィンガキィンガキィンガキィンガキィンガキィン
ベリアル「ぐぁぁぁぁぁあ!!!!ぉぉぉぉぉぉ!」ビキビキッ
ドギャッ
朱兎?「これならお前もたおせ ドギャッ
ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン
ご…は…ッ…な…何が…ッ…」ボタボタ
宮本「!朱兎!」ダッ
朱兎?「だ、団長…ッ!逃げ… ズドォォォォォォォォォン
げ…ふ…ッ…」ゴパッ
ボタボタボタボタ
ベリアル「…人間が…ッ!図に…乗るな…ッ!」カチャッ
──やめろ!──
ベリアル「ぐ…!?」ビシッ
ベリアル?「朱兎!僕がこいつを抑えてるうちにトドメを…ッ!」
ベリアル?「ぐ…依代が…ッ!俺に語り…かけるなぁ…ッ!」
ベリアル?「ぐ…ッ…ッ!ァァァァァァ!?」
ベリアル?「はぁ…ッはぁ…ッ…早く…してくれ…ッ!」
-
- 17 : 2022/01/26(水) 21:30:02 :
- 朱兎「天翔!?…そんな…他に方法は…」
ベリアル?「ぐ…ッッ!」
ベリアル「はぁ…はぁ…はぁ…チッ…体力を使いすぎたな…ここは一旦引いてやる、次に会う時は必ず殺す、覚悟しておけ」シュンッ
朱兎「はぁ…ッ…はぁ…ッ…天翔…ッ…」
宮本「………」
────────────────────────
ヴァルヴァドス「……」ピク
ヴァルヴァドス「顕現したか…ベリアル…」
────────────────────────
ベリアル「はぁ…ッ…はぁ…ッ…てめぇ…邪魔を…!」
『その体は僕のものだ、返してもらう』
ベリアル「は…嫌なこった…あいにく俺はこの体が気に入った…ここまで俺の魂に馴染む体は初めてでな…暫くは俺が堪能させてもらう」
『なら力ずくでも奪ってやる』
ベリアル「やってみろ人間」
-
- 18 : 2022/02/05(土) 10:00:25 :
- ────────────────────────
朱兎「ぐ…ッ…クソ…ッ!」ギリ
宮本「…この件は剣聖に報告し、即刻、剣聖会議を開かねばならん事態になった…出来れば我々だけで対処したかったが…どうやらこれは我々の国だけの問題ではなくなった…これは…世界を揺るがしかねん事件だ…」
朱兎「ッ…俺の…せいだ…俺がもっと…強ければ…ッ!」
宮本「自惚れるな、お前一人の力でどうこうできる問題ではない」
朱兎「…ッ!う…ぅぁ…ぁぁぁぁぁぁあ!天翔ォォォォ!!!」
理沙「朱兎…」
────────────────────────
宮本「──────」
朱兎「……」
宮本「────以上が今回起こった事件だ」
「なるほど…で…そいつは?」
宮本「あぁ…こいつは…────」
「なるほど…面白い…今回の件…もしかしたら…この世界の存亡を懸けた戦いになるかもしれない…剣士団は戦力の増強に力を入れろ、この国の治安は政府直属の公安隊に任せろ、そして…朱兎、と言ったか、そいつは俺が預かろう」
朱兎「…!?」
「どうやらそいつは己の非力さに打ちのめされているんだろう、そういうやつは同じ経験をした者が話を聞くのがいいんだよ、それに…まだまだお前…朱兎は伸びる、もしかしたら…俺を超える剣士になるかもな…次の戦いで活躍してもらう為にも…な」
宮本「あぁ、分かった、朱兎はお前に預ける」
「助かる、武蔵」
武蔵「あんまり、下の名前で呼ぶな、小次郎」
「ふ…お前もな」
武蔵「じゃあ…俺はこれで剣士団の方に戻る…やらなきゃならないことが山積みだからな」スタスタ
小次郎「あぁ、また来てくれ、今度は吉報を持って…な」
-
- 19 : 2022/02/09(水) 22:47:50 :
- 小次郎「さて…」
朱兎「…あの…俺は…これからどうしたら…?」
小次郎「少し話をしよう」
朱兎「あ…はい…」
小次郎「朱兎、俺は今剣聖と呼ばれるこの国を統治する立場に居る、剣聖と呼ばれるくらいだから当然剣の腕もこの国で1番ある」
朱兎「…」
小次郎「いきなりだが…今までの剣聖になってきた剣士達はみんな剣の天才だったと思うか?」
朱兎「あ…はぁ…まぁ、剣聖になるくらいだから…天才なんじゃ…」
小次郎「ふ…甘いな、確かに今までに剣聖になってきた剣士達はほとんどが剣の才能があった、先代剣聖も、だがな俺は生まれつき剣の才能はなかった、あったのは偶然授かったこの太刀と…」カチャ
「この世に数人しかいないという異能を複数所持することの出来る体質、そしてその異能だけだ、俺は小さい頃は体が弱くてな…剣を振ることさえままならなかったよ」
朱兎「え…歴史上最強と謳われる貴方が…?」
小次郎「あぁ、だが…ある日この国と別の国との争いに巻き込まれて、俺の家族は全員死んだ」
小次郎「憎んだよ、戦争をするこの国も、家族を殺した剣士達も…」
小次郎「だから俺は力を付けた、誰にも負けないくらいの剣の腕を持てるように…」
朱兎「…」
小次郎「血反吐吐いても剣を振り続けた、手の皮が破れようとも、手から骨が軋む音がしようとも」
小次郎「全てはもう何も大切なものを失わないように…」
─────────────────────────
ブンッ ブンッ ブンッ
小次郎「1900…1901…」ブチブチ…
小次郎「…190…う…ッぉぇぇぇえッ!」ベチャベチャ
「小次郎!今日はもうやめとけ!」
小次郎「…ハァ…ッ…ハァ…ッ…ダメだ…もっと…もっと強く…ならないと…」
ブンッ ブンッ ブンッ
────────────────────────
小次郎「そしてそんな日が5年…いや10年だったか…続いた頃…歴史に残る壮絶な戦闘…ゴルゴダ戦役が起こった」
小次郎「俺は剣士団の第一師団の団長として最前線に駆り出された、俺の隊の中には俺の愛する者も…信頼する仲間もいた…」
────────────────────────
ガキィン ガキィン ガキィン
小次郎「全員死ぬなよ!生きて帰るぞ!」
ガキィン
「えぇ!小次郎くん!」
ガキィン
ドガァァァン
────────────────────────
小次郎「ゴルゴダ戦役はソロモン72柱の1つ、ベルゼブブが引き起こした物…俺たちの第1師団の元にやつが来たんだ…」
────────────────────────
ベルゼブブ「美味そうな人間がありんこのようにうじゃうじゃいやがる!ご馳走だ!」
「奴は…!」
小次郎「不味い!逃げろ!全員…ッ!逃げろ────ッ!」
ベルゼブブ「うるさいなァ…餌の分際で…ッ!」ドッ
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
小次郎「!逃げ…!」
「小次郎くん!」ダッ
小次郎「──!避けろ──!」
「え…小次郎く ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
小次郎「…ッ!──────ッ!!!」
──────────────────────────
シュゥゥゥ
小次郎「う…ぐ…」ググ
小次郎「…そうだ…!──は…?──はどこだ?」
スタ…スタ…
ガラガラ
「う…ぅ…ぁ…」
小次郎「ッ!──!」
「小次郎…く…ん…へへ…良かった…生きて…る…」ボタボタ
小次郎「うそだ…なんで…──が…」
「私は…大丈夫…だよ…?」
小次郎「…ッ!──…」
「なんで…そんなに…泣いて…るの…?」
小次郎「…──…もう…」
-
- 20 : 2022/02/09(水) 22:53:23 :
- 「…もう腰から下の感覚がないや…もう…私…死ぬのかな…?」
小次郎「…ダメだ…そんな事…──!」
「何だか…私…眠くなって…きた…な…」
「ねぇ…小次郎くん…どこに…いるの…?」ググ
ズルズル
小次郎「──?俺は…ここに…!」
「あ…ここにいたんだね…小次郎…くん…小次郎くん…暖かい…」
小次郎「──…」ッ──
「最後に…私の隠してた…もうひとつの異能…を使う…ね?」パァァァァア
「私の異能…は…譲渡…私の本来の異能を…小次郎…くんに…あげる…だから…勝って…?…小次郎……くん…」スゥ-
小次郎「あぁ…──…あぁ…約束だ…俺がやつを…倒す…絶対だ……!」
小次郎「──?」
「…………」
小次郎「……ぁ…あ…ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…!」
-
- 21 : 2022/02/11(金) 00:10:25 :
- ────────────────────────
小次郎「そうして…今の俺がいるということだ」
朱兎「あなたにも…そんな過去が…」
小次郎「あぁ、俺はやつを…ベルゼブブを許さない…ッ!」ギリ
朱兎「で…でも…ッ…やつは…ヴァルヴァドスはこの世界に顕現したのは自分が最初だと…」
小次郎「恐らく…奴らは顕現したての頃は魔界での力が存分に発揮できないんだろう…ベルゼブブの時も不可解な点があった…」
朱兎「なるほど…」
小次郎「まぁ…つまり…己の非力さに打ちのめされている場合ではない…自分の大切な人、場所を守る為に、お前は強くならなければならない…その剣、月詠と共にな」
朱兎「!…この剣を知って…ッ!?」
小次郎「いいや、俺の異能の1つだ、俺の前の全ての事象は自分の情報を開示する」
月詠『なんてこった…そんなバケモン級の異能が…』
小次郎「早速訓練を開始するぞ、着いてこい」タッ
-
- 22 : 2022/02/11(金) 00:23:01 :
- ガキィン ガキィン ガキィン
朱兎「うぉぉぉぉぉぉッ──!!!」ガキィン
小次郎「もっとだ!もっと大太刀のリーチの長さを活かせ!感覚を研ぎ澄ませろ!」
朱兎「は…ッ!ぉぉぉぉおッ!」ドンッ
小次郎「…!」ガキィン
朱兎「ぐ…ッ!これも…防ぐのか…ッ!」
小次郎「…大太刀の使い手ならぬ動きをするのは素晴らしい、俺でなければ…やられてたかもな」
朱兎「…!」
小次郎「だが…!まだまだだ、お前は俺とは違い才能がある、異能も複数所持できる人間の筈だ…!さぁ…もっと高めろ!」
朱兎「ッ…!はいッ!」
ガキィン ガキィンガキィン
ズズズズズズ
朱兎「ぉぉぉぉぉぉぉぉおッ────!!!」ズズズズズズ
小次郎「ッ!」ガキィンガキィン
小次郎「つァッ!」ドガッ
朱兎「う…ぐ…ッ!」
ドシャァッ
朱兎「し…師匠…何を…」ガク
小次郎「こいつは…化ける…」
────────────────────────
朱兎「ッは…!は…ッは…ッ…」
朱兎「知らない…天井…」
小次郎「目が覚めたか、朱兎」
朱兎「師匠!」
小次郎「すまない、お前の動きのキレが格段に上がったものだから、少し本気を出した」
朱兎「……」
小次郎「お前の異能は……フッ…そういうことか…剣鬼の加護、噂通りの強力さだ…」
朱兎「剣鬼の加護の力がいまいちよく分かってないんですよ…」
小次郎「簡単に説明すると…剣を使って戦っている時、体のどこかに痣のような物が出てきて、膨大な力を得ることのできる異能だ」
-
- 23 : 2022/02/17(木) 00:11:21 :
- 朱兎「痣…」
小次郎「お前の異能は伝承にも登場する」
朱兎「伝承…?」
小次郎「あぁ、伝承に…
72の魔が地を支配しに天より降りし時、地は紅く、天は黒く、絶望に染まる日、10の剣士現る
率いる者、一騎当千の力をもってして10の剣士を率いる
彼の者は剣鬼の力を持ち、全てを焼き尽くさん
…とな」
朱兎「ちょ…ちょっと待ってくださいよ!焼き尽くすって…そんな物騒な真似しませんよ!」
小次郎「あぁ、わかっている、伝承はあくまで言い伝えだ、気にする事はない」
朱兎「それにしても10の剣士って…」
小次郎「…もしかしたら…七大罪の剣士かもな」
朱兎「七大罪…って…かつて優れた剣士が同時期に7人誕生し、その7人は各々の持つ特有の強い欲望に従い罪を犯したっていう…」
小次郎「あぁ…七大罪はまだ生きてる、それもお前達のような子供の見た目でな」
朱兎「な…っ!?」
小次郎「七大罪はそれぞれ、強欲、傲慢、暴食、怠惰、憤怒、嫉妬、色欲の罪がある、強欲は全てを手に入れんとし、傲慢は己の力に酔いしれ逆らうもの全てを殺害せんとし、暴食は己の食欲を満たすために、怠惰は目の前で大切な者が傷つけられようと仲間が傷付けられようと何もしようとせず、憤怒は怒りのまま一国を堕とし、嫉妬は全てに嫉妬し、色欲は一国の長を魅力し国を崩壊に導いたこと」
朱兎「それだけ聞いたらとんでもない事をしてますね…」
小次郎「そして…これは限りある者しか知らないが…本当は七大罪は7つではなく、9つだ、そして、8つ目は虚飾、9つ目は憂鬱」
朱兎「9つ…」
小次郎「虚飾は無いはずのものをあたかもあったかのように作り、存在するはずのものを存在しないように消したこと、憂鬱は…己の体調、気分によって国を滅ぼそうとしたこと」
小次郎「そして…この俺が…虚飾の罪(ヴァニティ・シン)の佐々木小次郎だ」
朱兎「な…ッ!?」
小次郎「俺の2つ目の異能は虚飾、能力は事情改変、ありとあらゆる事象を変えることができる、例えば…」
小次郎「」スゥ…
小次郎『人間は本当は水の中でも呼吸が出来る』キィィン
朱兎「…?」
小次郎『俺達は本当は湖の近くで修行していた』キィィン
朱兎「…ッ!?ここは……」
小次郎「琵琶湖だ、異能を使った瞬間移動は久しぶりだ」
朱兎「こんな事が…なら!72柱の襲撃もなかったことにすれば…!」
小次郎「俺の異能、虚飾は改変する事象の規模が大きければ大きいほど反動が世界に、自分に帰ってくる、俺が受けきれないほどの反動はこの世界に行き、どこかで災害が起こる、それを知ってもなお災害をおこし続けたことが…俺の罪だ」
-
- 24 : 2022/02/17(木) 00:12:25 :
- 朱兎「…そんな…」
小次郎「だから…お前には俺を超える実力者になってもらわなければならないんだよ」
-
- 25 : 2022/02/23(水) 20:55:58 :
- 小次郎「そして…いずれ起きる魔族との全面戦争に向け、お前は七大罪の剣士を仲間にし率いて戦わなければならないんだ」
朱兎「その時、師匠も一緒に戦いますよね?」
小次郎「さぁ…な」
-
- 26 : 2022/02/23(水) 21:43:57 :
- タイトルが厨二臭い
-
- 27 : 2022/03/03(木) 00:30:48 :
- ────────────────────────
ガキンッガキンッ
朱兎「うぉぉぉぉぉぉッ!!!!」シュッ
ブォッ
小次郎「甘い…ッ!」スッ
朱兎「うぉぉ…ふっ…師匠ならそう来ると思いましたよ」
ピタッ
スーッ
チャキンッ
小次郎「納刀した…?…お前…抜刀術が使えるのか…?!」
朱兎「えぇ…といっても…幼い頃に父に少し習った程度ですが…」スッ
小次郎「…素晴らしい剣気だ…!少しなんてものでは無いだろうに…!…ふ…いいだろう…俺の剣技…秘剣 燕返しを見せてやろう…!」カチャ
シーン
朱兎「…………」
小次郎「…………」
……ッ…タ……タッ…タッタッタッタッ…
ガラガラガラ
「小次郎様!こんな所に!」
小次郎「」ピク
朱兎「…づぁッ!」ジャキンッ
ドンッ
小次郎「…!…燕返し!」
ガガガガッ
ドガッッ
朱兎「……くそ…!」バタッ
「………」ポカーン
小次郎「ふぅ…こんなものか…」スタスタ
朱兎「…はぁ…ッ…くっそ!勝ったと思ったのになぁ!」
小次郎「まだまだ負けん」
小次郎「それで、どうした?こんな所に」
「…はっ!小次郎様!王都郊外のとある街から緊急要請です!恐らく…!72柱の悪魔が…!出現しました!」
小次郎「なに…?」
「いかが致しましょうか」
小次郎「俺が行こう、ついてこい、朱兎」スタスタ
「は…?しかし!王都を留守にしては…!」
小次郎「話によるとその72柱の悪魔とやらは剣士団の者では歯が立たんのだろう?なら、俺が行くしかないだろう?」
小次郎「大丈夫だ、ここには武蔵もいる」
「…ッ…分かりました…!」タッ
朱兎「いいのか?」
小次郎「あぁ、剣聖の戦いを見せてやろう」
朱兎「…!」
────────────────────────
ドガァァァァァァァァァァアン
女性「きゃぁぁぁぁ!!!!」
???「うるさいなァ、ニンゲンのくせに」
ドガッッ
女性「きゃa ブシュッ
???「……楽しくない…本当に楽しくない…はァ…なんで今顕現しちゃったんだろう…僕」
ドガァァァァァァァァァァアンドガァァァァァァァァァァアン
剣士「ぐ…くそ…ッ…お前…が…」ズルズル
???「へぇ…この街にも中々腕の立つ奴がいたんだァ、僕の使い魔を倒して僕の前に来るなんて」
剣士「お前…は…悪魔…なのか…?」ズルズル
???「そうだよ、僕はパイモン、72柱の悪魔が1人だ、さて、ニンゲン、君には敬意を持って一瞬で殺してあげるよ」
剣士「ぁ…?」ズドンッ
剣士「ご…ぷ…」ブシャァッ
剣士「いた…い…いだいいだいいだい!!!!いだぃぃぃぃいぃぃぃ!」
パイモン「あれ、ミスっちゃった♪、ま、いっか」
剣士「う…ぅ…うぅ…助けて…だれ…か…」
パイモン「ん〜、死にそうになったらすぐこれだもんなぁ、ニンゲンってほんとにツマラナイナァ」グググ
パイモン「おっとと、慣れてないから油断すると直ぐに依代の体が崩れちゃうや」
剣士「たずげで…だれが…たず…け…」
パイモン「まぁもういいよ、死んじゃいな」シュッ
剣士「たず…げ…う゛…」ドスッ
ドガァァァァァァァァァァアンドガァァァァァァァァァァアンドガァァァァァァァァァァアン
ギャォォォォォォォン
パイモン「ん…?僕の使い魔達が…」
小次郎「お前か?この街をこんな地獄に変えたのは」
パイモン「そうだけど…なにか?」
パイモン「君かな?僕の使い魔達を殺したのは」
小次郎「いいや?俺じゃない」
ドガァァァァァァァァァァアン
ガシャァァァァァァァアン
-
- 28 : 2022/03/05(土) 00:56:26 :
- 「グルル…」ボタボタ
朱兎「…」スタスタ
カチャ
朱兎「これでいいんですか?師匠」スタスタ
小次郎「あぁ、どうだった?」
朱兎「ん〜…そんなに強くは…なかったですね」
小次郎「ふ…着々と力をつけてきているな」
小次郎(…思ったより成長が早いな…これなら剣聖会議でも出た伝承を実現する計画も夢物語ではないな…!)
パイモン「僕の…使い魔が…弱い…だと…?」プルプル
パイモン「ふざけるな…ふざけるな貴様ァァァァァァァァァァッ!!!!」ゴォッ
小次郎「ッ!中々の殺気…」
朱兎「師匠…こいつは流石に…僕にはまだ無理ですよ?」
小次郎「あぁ、わかってる、だから俺が来た、俺の戦いを見ていろ」カチャ
朱兎「師匠…!」
小次郎「さて…お前には聞かないといけない事が山ほどあるからな…」スタスタ
小次郎「とっとと終わらさせてもらうぞ…ッ!」ゴォッ
ドガァァァァァァァァァ
パイモン「貴様…ッ!僕の殺気を相殺した…!?」
小次郎「…ベルゼブブに比べるとお前なんて虫けら同然だな…!」
パイモン「は…?…その名を軽々しく口に出すなァァァッ!!!!」
パイモン「ォオォォォォォォ!!!!」
ドガッッ
小次郎「…」カチャ
ガキィィィィン
-
- 29 : 2022/03/05(土) 00:58:39 :
- 期待。
今スレを荒らしまくってるバカがおるが、そいつがコピペして嫌がらせしてきたら非表示にしとき。反応するとめんどくせぇからほっときなよ。がんばれ
-
- 30 : 2022/03/05(土) 01:25:43 :
- ドガッッッッッッ
パイモン「ぐ…は…ッ!」ドガァァアン
小次郎「おい、どうした?楽しめよ?この街を蹂躙してた時の様によ…ッ!」ドガッッボゴッ
パイモン「…ぐ…ッぅ…ッ!ァァァァァッ!」ドガァァアン
小次郎「ッ!…少しはやるようだな」
パイモン「好き勝手殴ってくれやがって…ッ!次は僕の番だ…ッ!!」ドガッッボゴッドガッッドガッッ
小次郎「……」カチャ
ガキィィィィンガキィィィィンガキィィィィンガキィィィィン
パイモン「…なぜだ!なぜ僕の攻撃が当たらない!」
小次郎「怒りに任せて攻撃しているからだな…」スッ
ズバァァッ
パイモン「が…ッ!」
パイモン「…ぶふ…ッ!」ボタボタ
パイモン「な…なんだ…僕は一撃しか受けていないはず…!」
小次郎「さぁ…?何故だろうな?」ズバァァッズバァァッ
パイモン「ぐ…づぁ…ッ!」ブシュッブシュッ
パイモン「この僕が…!…72柱の悪魔の1人であるこの僕が…ッ!…ただの人間の剣士に1度ならず3度までも攻撃を受けるなんて…ッ!ありえない!そんなことはあってはならないのだァァァァァァ…!!!!」
小次郎「ハァッ!」ズバァァッズバァァッズバァァッ
パイモン「ごは…ッ!ぐ…ァァァァァァ…!」ボタボタ
ブシュァァァァァァァァァア
パイモン「…ぁ…が…」ピクピク
小次郎「…こいつは捕縛対象だが…もう一撃喰らわせておこうか…!」シュッ
ドガァァァァァァァァァン
???「おっと…うちの可愛い弟に何してくれてんだよ」
小次郎「お前は…」 「ヴァルヴァドス…!」
朱兎「お前…!」
ヴァルヴァドス「生きていたのか、弱い癖に」
朱兎「なんだと…!!」
パイモン「に…兄さん…」
ヴァルヴァドス「よぉ…助けに来たぜ」
パイモン「そこの白髪の長い髪の男…強い…」
ヴァルヴァドス「へぇ…パイモン…お前は寝とけ…後は俺がやる」
ヴァルヴァドス「さて…お手並み拝見と…行こうか…!」ゾォッ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
小次郎「この殺気…!」
ヴァルヴァドス「あぁ?」
小次郎「奴の…ベルゼブブの殺気に似ている…!」
ヴァルヴァドス「あぁ、てめぇあれかベルゼブブの顕現した時の生き残りかよ…なんだよあの野郎生き残りはいねぇとかほざいてた癖にいるんじゃねぇか生き残り…まぁいいや…俺が殺すから関係ねぇよなァ?!」ゾォッッッッッ
ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
小次郎「…ッッッッ!」ゾォッッッッッ
ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァン
ヴァルヴァドス「何…?」
小次郎「本気を…出させてもらう…ッ!」
ズドォァン
ヴァルヴァドス「ッ!いきなり…ッ!やるじゃねぇか!」
ヴァルヴァドス「こっちもやらせてもらうぜッ!」ドガァァァァァァァァァァアン
ドガッッガキィィィィン
小次郎「オォッ!」シュッ
ガキィィィィンガキィィィィン
小次郎「スゥ…」
『俺は実は魔剣の使い手だった』
ヴァルヴァドス「あぁん?」
小次郎「せぃッ!」ズバンッ
ザシュゥッ
ヴァルヴァドス「な……ッでぇぇ!」ブシュゥゥ
小次郎「見ていろ、朱兎、魔剣の戦い方を!」
ヴァルヴァドス「ってぇなァ!!!!」ドガッッッッッッ
ガキィィィィン
小次郎「ぐ…ッ!」ズザァッ
朱兎「師匠ッ!」
小次郎「来るなよ!これは俺の戦いだ!ベルゼブブに復讐するための…ッ!…やっと掴んだチャンスなんだ!邪魔されて…ッ!たまるかッ!」
ヴァルヴァドス「残念だがそれは出来ないよ!なぜなら、お前は今日ここで俺に殺されるからなァッ!」
ドガッッドガッッドガッッドガドガドガ
-
- 31 : 2022/03/05(土) 01:26:28 :
- >>29さん
ありがとうございます!
頑張ります!
-
- 51 : 2022/03/09(水) 23:32:00 :
- ヴァルヴァドス「死に晒せェ!!人間!!!!」ドガッッドガッッドガッッ
小次郎「ヅ…ッ!!!!」ドガドガドガドガドガドガドガァァァァァァァァァァアン
ズドォァン
ガラガラガラ
朱兎「ッ!…師匠!!!!」
小次郎「…ぶふ…ッ゛」ゴバァッ
小次郎「ぁ゛あ゛……」
ヴァルヴァドス「トドメだ…!!」ドンッ
小次郎「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」キィィィィィン
ドガァァァァァァァァァァアン
ヴァルヴァドス「な…ッ!?…貴様のそのボロボロの体のどこにそんな余力が!」
小次郎「ゼェ…ッ…ゼェ…ッ…余力?…は…ッ!…そんなもの…ねェよ!!!!」
小次郎「俺は…ただ……この国の人々を守る為に…お前を倒す…ッ!!!!…この命に賭けても!!!!」
ヴァルヴァドス「ほざけ!貴様はもう死ぬ!体はボロボロ!刀ももう使い物にならんだろう!諦めて俺に殺されろ!人間!!!!」
小次郎「これは俺の刀ではない…!本当の刀は…!これだ!!!!」スッ
小次郎「顕現せよ!妖刀・正宗!!!!」
スーッ
小次郎「行くぞ!ヴァルヴァドス!」カチャ
小次郎「正宗は使い手の生命力を喰らい!その分強化される!正宗!ありったけの生命力をくれてやる!!!!だから!!!!俺に力をよこせェェェェェ!!!!」
ヴァルヴァドス「ち…ッ!…ならばかかってこい!!!!俺が引導を渡してやる!!!!」
小次郎「うぉォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!ァアァァァァァァァァァァァァァァァァア!!!!」
ヴァルヴァドス「死ね!!!!人間!!!!」
ガッッッッ
ギィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン
小次郎「見ていろ!朱兎!これが!魔剣の!戦い方だ!!!!ァアァァァァァァァァァァァァァァァァア!!!!」
ヴァルヴァドス「くそ…ッ!こっちの力も奪われて…ッ!ぐ…ッ!」
小次郎「ォォォォォオオオォァォォォォォ!!!!」
グググ
ヴァルヴァドス「ぐ…ッ!…く…ッそ…がァァァァァァァァ!!!!」
ヴァルヴァドス「この俺が…ッッッッ!人間に…ッッッッ!負けるだとォォォォォ!!!!」
小次郎「行けェェェェェェェェェェェェェェェエ!!!!」
グググ
ビシッビシッ
ヴァルヴァドス「ぐ…が…ッ…ァァァア!!!!」
バキィィィン
ヴァルヴァドス「な…ッ!」
小次郎「ァァァァァァァァァァ!!!!」
ズバンッ
ヴァルヴァドス「が…ッ゛…あ゛…」ブシュゥゥッ
ザシュゥッ
ヴァルヴァドス「く゛…ぁ゛…ッ゛」ブシャァッ
小次郎「と゛と゛と゛め゛た゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!」
ブォンッ
???「やれやれ…」シュンッ
ガキィィィィン
小次郎「な゛…ッ゛…!!!!」
???「世話がやける…」スタスタ
小次郎「お゛前゛は゛……ベルゼブブ!!!!」
ベルゼブブ「いかにも…俺がベルゼブブだが?」
小次郎「はァ…ッ…はァ…ッ…俺は…貴様に…復讐する為に…この日まで…生きてきたッ!!!!」
ベルゼブブ「俺に?復讐?お前がか?……?なんの事だ…?」
小次郎「忘れたとは言わせんぞ!貴様ァァァ!!!!俺は…ゴルゴダ戦役の…生き残りだ!お前を…!…殺す!!!!」
ベルゼブブ「…あの時の…生き残り…?」
-
- 52 : 2022/03/09(水) 23:52:33 :
- ベルゼブブ「ぁ………ぁ…ぁぁぁぁあぁぁあ……だ…メだ…ダメだダメだダメだ駄目だダメだ駄目だダメだ駄目だダメだ駄目だダメだァァァ…!…俺は…僕は…私は…あの時…あの場所にいる人間…全て…全員…1人残らず…皆殺しにしたはずなのだ……いいや…したのだ!…皆殺しに…したのに……なぜ?なぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜ…アナタは…オマエは……テメェは…キミハ…イキテイル?…ありえない……ありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえない…ありえない……ね……ね…死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね…ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
ベルゼブブ「……………………」
ベルゼブブ「…俺は…あの時全員皆殺しにした…その事実は変わらない…だから…お前は……ダメだ…死ね」
ドンッ
小次郎「ッッッッ!!!!」
ドガッッ
小次郎「か゛…ッ゛…」ドガァァァァァァァァァァアン
朱兎「師匠!!!!」
ベルゼブブ「…死ね…死ね…死ね…死ね…」スタ…スタ…
小次郎「け゛…ぉ゛…ッ゛」ビチャビチャ
小次郎「はァ…ッ゛…ッ゛…」ガクガク
足が…震えて…あの衝撃で脳をやられたのか…?平衡感覚が…乱れる…ダメだ…まだ死ねない…あいつを…朱兎を…強く…しないと…
小次郎「か゛…ほ゛…ッ゛…」ボタボタ
立て…脳震盪なんて知ったことか…!…頑張れよ!俺の体!ここで俺が死ねば確実に朱兎もやられる…!くそ…!どうすれば…!あいつに虚飾を使おうものならこの世界のどこかで大災害が起こる…ッ!…どうすれば…
ベルゼブブ「…ブツブツ…」スタスタ
ガシッ
小次郎「く゛…ッ゛…離゛せ゛…ッ゛…」
ドガッッ
小次郎「か゛…ッ゛…」ブシュゥゥ
な……今…殴られたのか?今…俺は…どうなってる?
ドガッッドガッッドガッッ
小次郎「こ゛…は゛…ッ゛…」ブシャァッ
ビシャッ
朱兎「やめろ…!…やめてくれ…!」フルフル
ドガッッドガッッメキャッゴシャッドガッッ
小次郎「け゛…ぅ゛…か゛…ッ゛…ぁ゛」ボタボタボタボタ
朱兎「師匠…!師匠…!」スタ…スタ…
小次郎「あか…と…く゛…る゛な゛……くるな゛!!!!」
朱兎「…!」ビクッ
小次郎「に゛…け゛ろ゛…」ボタボタボタボタ
ベルゼブブ「…」シュンッ
ブンッッッッッ
朱兎「ぁ…!…師匠────ッッッッ!!!!」ダッ
???「」タタタタタタタタタタタッ
ガキィォン
???「間に合った…かな?」
ベルゼブブ「何者…だ…」
???「私?私は七大罪の剣士が一人…"強欲"のメリッサ…この子…佐々木小次郎は私達七大罪の剣士の仲間よ…そして…その子も我々七大罪の仲間…いいえ…いずれ七大罪を率いる者…アナタ達には殺させないわ…」
ベルゼブブ「七大罪だか…強欲だか…知らないが…俺の邪魔をするな…」ゾォッ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
メリッサ「あら…殺る気?」ゾォッ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
-
- 53 : 2022/03/10(木) 00:13:04 :
- メリッサ「実力で言えば…私の方が上みたいだけど…それでも殺るの?」
ベルゼブブ「貴様の目的はなんだ…」
メリッサ「私の目的?私の目的はあの子を保護し、この佐々木小次郎も助ける、そして私のアジトに連れて帰ることよ…今の所はね」
ベルゼブブ「分かった…あのガキはやろう…だが…この男はおいていけ…それで取引成立だろう」
メリッサ「何を言っているの?アナタ…私は…この男も連れて帰るし、あの子も連れて帰るの…分かった?」
ベルゼブブ「…強欲な…ダメだ…この男はおいていってもらう…それでも連れていくというなら…分かっているな?」
メリッサ「あらあら…私より弱い癖に…強気ね?」
ベルゼブブ「ほざけ…俺の方が強いに決まって…」ドガッッ
ドガァァァァァァァァァァアン
ベルゼブブ「ぐ…ぁ…ッ」
メリッサ「誰が…誰より強いですって?」シュゥゥゥ
ベルゼブブ「おのれ…貴様…本当に何者なのだ…ただの七大罪では無いだろう!」
メリッサ「いいえ?私はただの七大罪の剣士よ?ただ…私の権能"強欲"であなたは弱体化しているだけよ?」
ベルゼブブ「ぬぅ…ッ……」
ベルゼブブ「…連れて行け…」
メリッサ「あら…ありがとう…最初からそう言えよ…グズが」ゾォッ
ドガッッ
ベルゼブブ「か゛……ぁ゛…ッ゛…」ドガァァァァァァァァァァアン
朱兎「…は…?」
メリッサ「まったく…私の貴重な時間を無駄にして…まぁいいわ…さぁ、行きましょう」
朱兎「…ぇ?俺ですか?」
メリッサ「そうよ?早くしなさい?」スタスタ
朱兎「あ、はい!」スタスタ
メリッサ「私の手を握って」スッ
朱兎「え、あ、はい」ギュッ
メリッサ「転移」シュンッ
シュンッ
朱兎「……」ポカーン
メリッサ「さて…このバカをどうするかね…」
小次郎「……………」ボタボタ
メリッサ「はァ…しょうがない…」
メリッサ「…」パンパンッ
シュンッ
執事「如何なされましたか、お嬢様」
メリッサ「ギル、彼の傷を癒して」
執事「しかし…この傷は…彼の負担が…」
メリッサ「いいから」
執事「かしこまりました」
スッ
小次郎「……」
ズズズズズ
執事「完了致しました」
メリッサ「ありがとう、あと、あの子は例の子よ、部屋へ案内して」
執事「かしこまりました、坊っちゃま、こちらでございます」
メリッサ「彼について行って、後で私の元に来てちょうだい、話さないと行けないことがあるわ」
朱兎「は、はい!」
執事「こちらになります」スタスタ
朱兎「あ…!」スタスタ
────────────────────────
スタスタスタスタ
朱兎「凄い…広い…」
執事「」スタスタ
朱兎「あの…あなたの…名前は…」
執事「は…私は七大罪の剣士、"強欲"のメリッサに仕えております、ギルフォードと申します、お嬢様にはギルと呼ばれております」
朱兎「あ、じゃあ俺もギル…って呼んでいいですか?」
執事「えぇ、構いませんよ」ニコリ
ギル「着きましたよ、ここがあなたの部屋です」ギィィィ
朱兎「ここ…が…」
朱兎「って…えぇぇぇぇ!!???」
理沙「朱兎!待ってたよ!」
宮本「よう、元気してるか?」
朱兎「な、なんで団長…と理沙が!?」
理沙「朱兎が剣聖と訓練をしている時ね…私も団長と特訓をしてたの、そしたら急にあの女の人が現れて…」
『着いてきなさい、この世界の命運をかけた戦いが始まるわ』
理沙「って言われて2人で着いてきたの」
-
- 54 : 2022/03/10(木) 00:26:03 :
- 朱兎「世界の…命運を賭けた戦いか…」
小次郎「ゼェ…ゼェ…」ガクガク
小次郎「よぅ、武蔵」ガクガク
宮本「!?小次郎!?」
朱兎「ギル?傷は直したはずじゃ…」
ギル「えぇ、直しましたとも、しかし、私の異能は治療ですが、その傷の度合いによって傷病者のスタミナを消費します、今回は小次郎殿のスタミナが大量にあったため良かったのですが…さすがにあの傷では小次郎殿でもしばらく歩けないだろうと思っていたのですが…なるほど…とんでもない忍耐とスタミナをお持ちだ」ニコリ
小次郎「あ、あぁ…ギル、助かった…」ゲッソリ
メリッサ「はァ…あなた達…後で私の元に来いと言ったの…覚えているかしら?」
朱兎「あ…!すみません…」
メリッサ「謝らなくていいわ、それに…これからアナタは私達、七大罪を統べる立場になるのよ、もっと堂々としなさい」
朱兎「え…?貴方達七大罪の剣士を統べる…?俺が?」
メリッサ「えぇ、まずはこのことから話しましょうか」
────────────────────────
私達、七大罪の剣士はこんな姿をしているけれど、もう数百年も生きているわ、それは何故か?…そうね…かれこれ500年前になるかしら、私達、七大罪は人間と結託し共に魔族に立ち向かっていたのよ、それが最初の人魔大戦、それは何十年も続く、長い長い戦いだったわ…
そんな中、私達、七大罪の剣士達は魔族の魔王達を倒し、魔神と対峙した…
しかし…魔神は強大な力を持っていて私たちはあっという間に戦闘不能にまで追いやられたわ…
そんな時、私達の中の大罪因子が覚醒し、私は強欲を、他の者はそれぞれの罪を背負う事を条件に魔神にも対抗しうる力を手に入れたわ、そして魔神との長い長い戦いはついに私達、七大罪の剣士の勝利に終わったわ
-
- 55 : 2022/03/10(木) 00:42:24 :
- でもね、魔神の強大すぎる力で私たちは完全に葬り去る事が出来なかった…そう…しくじったのよ…
魔神を封印することが出来ず、完全に魔族を滅ぼすことが出来なかった私達は、共に戦っていた人間達に罵倒され…迫害され…恨まれた…
理沙「そんな…なんで…」
メリッサ「彼らからしたら、お前達を信じていたのに魔神を滅ぼし去ることが出来なかった、お前たちに裏切られた…と思っていたのでしょうね…」
彼ら人間は、私達七大罪の剣士と私達を統べていた一人の人間にある呪いをかけた
その呪いは七大罪の剣士に対してはこれから先何百年も生き続け、魔神が復活する度に戦い続け…魔神を滅ぼすまで生き続けるという呪い
人間にはこの先何世代にも渡り生まれ変わり続け、七大罪の剣士を導き、共に戦い、同じく魔神を滅ぼすまで生まれ変わり続けるという呪い
私達は約500年前から何度も何度も何度も戦い続けた…魔族と…魔神を滅ぼす為に…しかし…何度やっても魔神を滅ぼすことが出来なかった
そして、300年前、歴史に残る青い光が世界を包み込み…世界は剣の世界になった
そして…次の世代で今度こそ終わらせると、前の私達のリーダーは約束し、彼は死んだわ
それが君…朱兎ってわけ
朱兎「俺が…貴方達を導く…」
七大罪の剣士達の中ではそれぞれ役回りがあるの、強欲、つまり私はその世代の指揮者が記憶を取り戻す前に死なないように見守ること
だから、あなたの事は小さい頃からよく知ってるわ
朱兎「そんなこと急に言われても…」
でもね、今回の世代がチャンスなのよ、史上最強の剣聖に聖剣使いと魔剣使いが味方についてる
今度こそ、やつを滅ぼせるチャンスなの、お願い、私達を導いて
朱兎「少し…考えさせてください…」
-
- 56 : 2022/03/10(木) 22:55:28 :
- ────────────────────────
メリッサ「ふぅ…子供にはまだ荷が重いかな…」
────────────────────────
スタスタスタスタ
朱兎「……俺が…」
理沙「朱兎」スタスタ
朱兎「理沙…か…」
理沙「どうするの?七大罪の件…」
朱兎「分からない…」
理沙「私は…朱兎の意志を尊重するよ?朱兎が七大罪の人たちをまとめて戦うのもいいし、今のまま剣士団の人達と戦うのもいいと思う…」
朱兎「理沙…俺は…出来れば…剣士団の人達には死んで欲しくないんだよ、剣士団にいたのは少しだけだけど…みんないい人だった…」
理沙「じゃあ、もう答えは出てるんじゃないの?」
朱兎「…!」
理沙「朱兎はこの世界を守りたい、でもそれには仲間がいる、剣士団の人達には死んで欲しくない、だったら…七大罪の人達と戦うっていう道しかないよ」
朱兎「そうか……そう…だよな…」
理沙「じゃあ、行ってきなよ、朱兎」
朱兎「あぁ!ありがとう!理沙!」タッ
────────────────────────
メリッサ「……」
タッタッタッタッタッタッ
朱兎「メリッサさん!」
メリッサ「ん、決断してくれたかしら?朱兎」
朱兎「あぁ、俺は…貴方達と共に戦います…!そして…この国と世界を守る!俺の世代でこの戦いを終わらせましょう!」
メリッサ「貴方ならそう言ってくれると思ったわ、えぇ、一緒に終わらせましょう」
────────────────────────
-
- 57 : 2022/03/15(火) 21:59:45 :
- ドガァァァァァン
「ぐぁ…ッ!」ドサッ
「くそ…ッ!お前達は…一体…!何者だ!」
ドガァァァァァンドガァァァァァン
スタスタスタスタ
???「俺達か?…俺達は…72柱の悪魔だ」
ドガァァァァァンドガァァァァァン
ドガァァァァァン
「ぐぁァァァ!」ドシャアッ
???「…良くも俺達の国をこんな地獄絵図にしてくれたな…」スタスタ
「け、剣聖!」
???「…ここは俺に任せろ、お前はこの事を…アメリカは72柱の悪魔の手によって陥落したと、他の国に伝えろ…!…港に船は用意している…行け!」
「………ッ!…はい!」タッ
???「行ったか…」
「ふぅん…お前…いいな…名前は?」
???「俺は…この国の剣聖…ブローディだ…」
「俺は72柱の悪魔筆頭、バエル」
「同じく、ベルフェゴール」
「同じく、ヴァサゴ」
「同じくキマリス」
ブローディ「…72柱の悪魔が一気に4体も顕現したとはねェ…」
ブローディ「だがな…アメリカは滅んだが…俺達には日本の剣聖、佐々木小次郎がいる…あいつがいる限り…日本は…世界は負けないんだよ!」
バエル「佐々木小次郎…か…ふ…ッ…どうやらそいつはベルゼブブが殺したようだが…?」
-
- 58 : 2022/04/18(月) 17:14:48 :
- ブローディ「は…?…そんな訳ねぇだろうが!」
バエル「残念だが…貴様の言う佐々木小次郎はベルゼブブに惨敗し、殺された」
-
- 59 : 2022/05/02(月) 23:26:42 :
- ブローディ「そんなデマを…ッ信じるはずがないだろうが!」
バエル「…信じないならいい…死ね…」
ズバァァァアッ
ブローディ「が…ッふ…」ドシャッ
────────────────────────
「はァ…はァ…はァ…」タッタッタッタッタッ
バンッ
「急報です!アメリカが……ッ…アメリカが陥落しました!」
「「「「何!?」」」」
「突如現れた72柱の悪魔、4体の手によって…!剣聖ブローディは討ち死に!アメリカの首都、ワシントンが陥落!その勢いのまま各地の剣士団を壊滅させ都市を占領しています!現在占領されていないアメリカの都市はハワイだけとなりました!72柱の悪魔はワシントンで続々と悪魔を顕現させている様子!」
「そんな馬鹿な!剣聖ブローディは一騎当千の異能を持っていたはず!」
「一騎当千はその名の通り戦場で1人になると力を発揮する異能…その異能が発動すればこちらの佐々木小次郎でさえ手を焼くという力を持っているのに…!」ダンッ
「我らの剣聖は…佐々木小次郎は…先日悪魔共によって討ち死にしたというのに…!」
「こうなったら世界各国の剣聖、及び首脳陣と連絡を取り、共同戦線を張るべきでは無いか!?」
「そんな事できるはずが…!むしろ剣聖を討ち取られたという事を外部に漏らせば韓国や北朝鮮の近隣国に攻め込まれるぞ!」
「韓国にはアメリカ陥落の報は行ってないのか!?」
「くそ…!どうすればいいのだ!」
「えぇい!こうなったら剣士団団長、宮本武蔵を呼べ!あやつを至急、剣聖に据え置き!世界各国の剣聖、首脳陣と会談を行う!」
「は…は!」タ
「その必要はないぜ」スタスタ
「な…何者だ!」
宮本「俺を呼んだか?」スタスタ
「お、おぉ!来てくれたか!宮本!」
宮本「話は聞いた、俺を剣聖にだって?いいだろう、俺が剣聖になる」
「そうか!よし!各国に連絡を!会談の場を設けよ!」
────────────────────────
宮本「これでいいのか?」
メリッサ「えぇ、これで会談が行われ、連合軍が結成されると世界的なニュースになる、それで各地に散らばり、戦力を集めている七大罪の剣士達がこの隠れ家に集まってくるわ」
メリッサ「でも…連合軍が結成されないと…流石の私達でも72柱の悪魔達と魔神を同時に相手をすることは出来ないわ、だから連合軍に72柱の悪魔達の相手を任せ、私達七大罪軍は魔神の本拠地に向かい、魔神との永きに渡る戦いに決着をつけるわ!」
-
- 60 : 2022/05/04(水) 12:31:38 :
- 剣聖会談編 に続く
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