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Fate/if 第3話 邂逅
- 未分類 × Fate
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- 1 : 2021/03/01(月) 23:29:50 :
- ──────────────────────────
ザシュッ
ドガァァァン
「こうも魔獣達に邪魔されるとは…」
ダダダダダダダダ
「こっちだ!急げ!」
タッタッタッタッタッ
ドガァァァン
「ハァ…ハァ…ハァ…まだ…つかないのか?」
「もうそろそろ着くはずだ…この洞窟の先を行けば基地の地下に繋がってる…行くぞ」スタスタ
──────────────────────────
「士郎…」
「セイバー」
「なんですか?ライダー」
「士郎が心配ですか?」
「…はい」
「ランサーが着いてます…きっと大丈夫ですよ」
ブロロロロロロロ
「セイバー!ちょっとこっちに来て手伝ってくれ!」
「分かりました!」タッ
「……」
ブルルルルルゥン
ザワザワ
──────────────────────────
「セイバーとライダーのマスターはまだ到着しないのか?」
「捜索しているのですが…中々見つかりません…」
「チッ…攻め込もうにもマスターを見つけねぇと始まらねぇぞ!早く見つけろ、行け!」
「はっ!」タッタッタッタッ
「セイバー!ここに置いといてくれ!」
「ここですね、分かりました」
「いつも、悪いな」
「いえ、これも騎士としての勤めです!」
「騎士…か…」
──それが貴様の目指した騎士の姿か?──
「!?…誰だ!」
──もう1人の私だ…──
「貴様…隠れてないで出てきたらどうだ!」
「セイバー?どうかしたのか?」
「聞こえないのですか?この声が」
──当然だろう、貴様にしか聞こえないようにしているのだから──
「何の用だ…!」
──そう邪険に扱うな…仮にも自分だぞ?──
「戯れ言を…」
──まぁいい…貴様…強くなりたいだろう?──
「……」
──強くなるには…自分の心の奥底に住まうもう1人の自分と対話するがいい…まぁ…協力してくれるかは…貴様次第だが…──
「一体…どういうつもりだ!」
──弱い者と戦っても楽しくないからな…次に会う時には少しでも強くなっていることを期待する──
「…自分の心の中の自分…」
「セイバー…?」
──あぁ…それと、サーヴァントが一騎其方に向かったぞ…中々な遣手がな──
「な…!?…そっちが本来の目的か…!」
ビ────ビ────
「未確認サーヴァントが一騎こちらに向かってきます!!」
-
- 2 : 2021/03/07(日) 11:09:46 :
- 「なんだとッ!…総員退避!」
ゥゥゥゥゥゥゥ───────
「未確認サーヴァントが接近中、総員退避せよ
繰り返すザザザ未確認サーヴァントが──ザザ接近中──ザザザザザ総員ザザザザザ」
ドガァァァン
「なっ!司令部が!」
ドゴォォォォォォォン
「くっ…貴様は!」
「ほう…話には聞いていたがよもや本当にセイバーがいるとはな」
「ギルガメッシュ!」
「ギルガメッシュだと…!?」
「ふん…まぁいい、俺に課された任務はこの基地の制圧及び雑種共の殲滅だ、セイバー諸共死ね!」シュゥゥウン
ガガガガガガガガガガガガガガガガガ
「くっ…やはり手強い…そして強くなっている…」ガキィンガキィンガキィン
-
- 3 : 2021/03/07(日) 11:36:20 :
- 「くそ…!全員!セイバーを援護しろ!」
ダダダダダダダダダダダダダダダダ
「チッ…雑種がぁ!邪魔をするなァ!」ドガァァァン
「閃光弾!投げぇ!」
カッ!!!!
「な…!なんだこれは!目がァ!」
「迫撃砲!てぇっ!」
ドガァァァンドガァァァンドガァァァンドガァァァン
「ぬぅっ!」
「次!ファランクスをありったけぶち込め!」
「ここはファランクスの射線を切っています!」
「チッ!壊してもいいから無理やりこっちに向けろ!」
「り、了解!」
グィィィイン ドルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル
「豆鉄砲が喰らうわけなかろうが!雑種ゥ!」
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガ
ドカァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン
「ファランクス部隊!沈黙!」
「迫撃砲を撃て!」
「そこか!」ドガァァァンドガァァァンドガァァァン
「迫撃砲部隊もやられました!」
「セイバーは!?何処にいるんだ!」
「分かりません!ギルガメッシュへの攻撃に巻き込まれたものかと」
「人間風情がよくもこの俺に手間を掛けさせたな…」スタスタ
「これで終わりだ…」
エヌマ・エリシュ
天地乖離す開闢の星!!
「Iam born of mySword」
「この詠唱は…!」
「熾天覆う七つの円環!!!!」
「チッ…贋作がァ!」
「エヌマ…エリシュ!!!!」
ギャルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル
「今だ!セイバー!」
──束ねるは星の息吹──
「マズイ!やめろぉ!」
──輝くは命の奔流──
「離せ!贋作ゥ!」
「断る!」
──受けるがいい!──
「エクス……」 ドンッ
「カリバ─────────────!!!!」
ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
「な…こんな…所で…!」シュゥゥゥゥゥゥゥ
────────────────────────
「ハァ…ハァ……ハァ……士郎は…」
「お疲れ、セイバー」
「士郎!無事だったのですね!」
「いや、俺もあの時諦めたんだけどさ」
「ったく、こっちもあっちの坊主も自分の命を捨てようとしやがるからな」
「ランサー!」
「よ!待たせたな」
「セイバー?セイバーなのか!?」
「士郎!」
-
- 4 : 2021/03/08(月) 00:19:13 :
- 「無事だったのですね!士郎…」
「あぁ、ごめんな、セイバー…」
「士郎ですか?」
「…ライダー!お前も無事だったか!」
「えぇ、士郎が無事で良かったです」
「ちょっと…これはどういうこと?なんで衛宮くんが2人と居るの?」
「遠坂!」
「合流作業完了したわ、で、どういうことなの?」
「カクカクシカジカって訳なんだよ」
「なるほどねー、ふぅん…」ジロジロ
「な、なんだよ、遠坂…」
「確かに嘘偽りなく衛宮くんね…」
「まぁいいわ、それより衛宮くん、総攻撃は何時なの?」
「それはこれから決めよう」
「えぇ、あなた達も着いてきなさい」
「えぇ?」
「この世界を支配している桜を止めないと、あの世界樹は消えないわよ、確実に」
「そ、うなのか…わかった…行こう」
────────────────────────
「先輩!先輩──!」
「アーチャー!ここを通して!」
「スマンが…マスターの言うことなんでな、聞くしかないんだよ」
「アーチャー!通しなさい!」
「どうしてもと言うのなら…私を倒してから行くんだな」
「本当にいいの?アーチャー」
「イリヤ!あなたどこに行ってたの!?」
「ちょっとね」
「イリヤか…ふん、やれるものならやってみるがいい」
「だって、殺っちゃえ、バーサーカー!」
「■■■■■■■■──!!!!!」ドガァァァン
「な…!?」ガキィン
「どういう事だ!バーサーカー!貴様…衛宮士郎のサーヴァントでは無いのか!?」
「■■■■■■■────!」
──マスターからは何も命令を受けていない、だから我は我が娘の為に動こう──
「貴様…!」
「■■■■■■■■──!」ブゥンッ
ドギャァァァァァァアン
「ガフッ…」
「チッ…私も本気で行こう!」
I am the bone of my sword
体は剣で出来ている
Steel is my body, and fire is my blood.
血潮は鉄で 心は硝子。
I have created over a thousand blades.
幾たびの戦場を越えて不敗。
Unknown to Death.
ただの一度も敗走はなく、
Nor known to Life.
ただの一度も理解されない。
Have withstood pain to create many weapons.
彼の者は常に独り 剣の丘で勝利に酔う。
Yet, those hands will never hold anything.
故に、生涯に意味はなく。
So as I pray, UNLIMITED BLADE WORKS.
その体は、きっと剣で出来ていた。
ゴォォォォォォ
「キャァァ!」
「固有結界…!」
「この世界では私が全てだ、私が最強だ、バーサーカー、ヘラクレス、11個の心臓を持ち、最強の肉体を持つ者よ、この世界で朽ち果てるがいい!」
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお──────!!!!」
「■■■■■■■■■■──!!!!」
-
- 5 : 2021/03/10(水) 16:39:52 :
- ────────────────────────
シュゥゥゥゥゥ
「ハァ…ハァ…」
「■■■■…」ズン…ズン…
「ハァ…ハァ…ここまでしても…無駄のようだな…」
「■■■■■」
「フッ…行くがいい…マスターの…元へ…」シュゥゥウン
「お疲れバーサーカー、霊体に戻っていいよ」
「■■■■」シュゥゥウン
「さぁ…行きましょうか衛宮くんの元へ」
「はい!」
────────────────────────
「作戦の概要は以上だ…何か質問は?」
「…ないな…では作業に取り掛かれ」
ザワザワザワザワ
「衛宮士郎達はあっちで戦力増強の為、訓練を受けてくれ」
「わかった、行こう」スタスタ
────────────────────────
ガキィンガキィン
「士郎、腰が浅いです」
「あ、あぁ」ガキィンガキィン
「もっと足を踏み込んで!」
-
- 6 : 2021/03/13(土) 00:04:31 :
- ──どうやら、そちらに送り込んだギルガメッシュは退けたようだな──
「また貴様か…!」
「セイバー?どうかしたのか?」
───まぁ落ち着け、宝具は展開できる、ようだな──
「…それがどうした!」
───私がこうなる前、衛宮士郎のサーヴァントだった時は宝具は使えなかった、魔力不足でな──
「?…私は問題なく魔力供給を受けているが…」
──どうやら少しだけ違いがあるみたいだな──
「…それだけの為にわざわざ連絡をとってきたのか…?」
──フッ…勘が鋭いな、ギルガメッシュが倒されたのでな、私が今からそちらに直々に向かおう…まぁ私が着いた頃にはもう既に滅んでいるやも知れんがな──
「な…!貴様!」
ブツンッ
ビ────ビ────
「こちらに侵攻してくる大量の魔獣を確認!」
「種類は?」
「カテゴリー3です!」
「よし、わかった、総員迎撃準備、ひとつ残らず殺せ」
「了解」
──総員迎撃準備、侵攻シテクル魔獣ヲ残ラズ殲滅セヨ──
「さぁ戦いだ!武器を持て!」
ガチャガチャ
「お前たちはこっちだ!」
ブロロロロロ
「セイバー!俺達も参加するぞ!」タッ
「えぇ!」
「セイバー!衛宮くん!こっちへ!」ブルルル
「遠坂!」
ブゥゥゥゥウンッ
「あなた達はここで待機してて!」
「なんでだよ!遠坂!」
「今死なれたら困るからよ、それじゃ」ギィィィ
ガチャァァン ギュィィィィィン ガシャン プシュゥゥゥウッ
「……どういう事だよ!」
────────────────────────
「魔獣接近中!距離100、90…80……60…」
「距離50になったら迎撃戦闘開始だ」
「了解」
「距離60!」
──戦闘準備、構え──
「死ぬなよ!野郎共!」
ォォォォォォォォォォォ!
「迎撃戦闘開始!」
──総員、撃ち方始め──
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ
「おらおらおらおら!」
グシャッ ドチャァアッ ブチュ グチョッ
「脆いなぁ!」
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ
「キリがねぇ!」ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ
グシャッ ブシュゥッ
「うわっ!血が口に入った!」
「おいおい!気を付けろ!?」ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ
「が…がは…っ…」ブハッ
「おい!?」
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ
-
- 7 : 2021/03/13(土) 00:09:38 :
- 「く…苦し…い…」
「おい!どうした!」
「おいおい!衛生兵!こっちだ!」
「どうかしましたか!?」
「魔獣の血が入ったと言った瞬間、もがき始めた!診てやってくれ!」ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ
「……わかりました!」
「が…ぐ…ぐぁぁぁぁぁあ!」
「落ち着いて!もう大丈夫!」
「だ…黙…れ!」
「俺か…ら…ハァ…ハァ…離れろ!…何か…良くないことが…起こる…ぞ…」
「ぐぉぉぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」グチュグチュグチュグチュ
バァァァァンッ
「うわ!」ベチャベチャ
「が…ぐぐぐ…」ゴフッ
「ぎ…ぎぃ…」グチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュ
バァァァァンッ
「ぎゃぁぁぁぁぁぁあ!?」バァァァァンッ
バァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッ
「なんだ!何が起こっている!」
「魔獣の血を浴びてしまった人々が苦しみ、爆死しています!」
「なんだと!?」
バァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッ
-
- 8 : 2021/03/27(土) 18:53:56 :
- 「外は一体どうなっているんだ?」
「さぁ…」
「恐らく…魔獣の襲撃にあっているのかと…」
「…どうして俺たちはここに避難してるんだよ…!」
「私達が生き残ることで何か重要な事があるのでは…?」
「くそ…魔術さえ…使えれば…」
「…駄目ですよ、士郎」
「わかってるさ、でも…っ!」
────ほう…?衛宮士郎、貴様魔術が使えないのか?──────
「誰だ!」
「士郎!あなたにもこの声が聞こえるのですか?」
────私か?私はこの世界のセイバーだ、聖杯の泥をかぶったな────
「セイバー…!」
「落ち着いてください!これは私であって私ではありません!」
────案ずるな、今、私が殺しに行ってやろう────
「何を…」
ドガァァァァァァァァアン
「うわ…っ!」
「こんなシェルターで私から逃げられると思ったのか?衛宮士郎」
「セイバー!」
「はい!行きますよ!ライダー!ランサー!」
「はいはいっと…」ダッ
「分かりました…」ダッ
「衛宮士郎、貴様は戦わないのか…?」ニヤ
「魔術が使えない…魔術が使えないんだよ!」
「士郎!奴の言葉に耳を貸さないでください!」
「私は今衛宮士郎と話しているんだ、お前は邪魔だ、消えよ」ドギャァァァアン
「セイバー!」
「ライダー!ランサー!頼む!」
「承った!」ガキィンガキィンガキィン
「ランサー、貴様は何故戦う?」
「さぁな…っ!」ガキィンガキィン
「ランサー、伏せてください」
ゴォォォォォォ!
「…危なっ…!」
「ライダー、貴様は何のために…どんな大義があって戦う?」
「桜と士郎の幸せの為に」
「桜の幸せ…か…フッ」
「何がおかしい…?」
「ライダー!避けろ!」グググッ
「刺し穿つ死棘の槍!」
ドヒュゥゥゥン
「エクスカリバー!モルガァァァァァァアン!」
ドガァァァァァァァァアン
ベルレフォーン
「騎英の手綱!」
ドガガガガガガガガガガガガガガ
「ぐぅ…小賢しい真似を!」
ブラッディ・アイアス ⚠️オリジナルです
「血濡れた七つの円環」
ドギャァァァアン
「カハッ…」
「アーチャーか、遅いぞ」
「悪いな、お前と違って直接、聖杯の泥を被ったわけではない」
「まぁいい、今はこの害虫を駆除するぞ」
「増援…ですか…」ガラッ
「中々卑怯な真似するじゃねぇか…セイバー…騎士道…とやらはどこに言ったんだろうな?」
「騎士道…か、確かに、昔の私だとそれを重んじていたのだろうな、だが、今は違う、勝利を求め、何よりマスターの為に尽くそう、全身全霊をかけて、例え、その先に何も無くても…な」
「へぇ…心変わりしたってわけか…」
「ランサー、このままでは勝てませんよ、何か勝機があるのですか?」
「いいや、無いね、悪いが宝具の出来も、純粋な戦闘力も差がありすぎるもんでな」
「って訳で、ライダー、あんたは坊主とセイバー連れて逃げろ」
「ランサー?何を…」
「何、ここで死ぬのが俺の運命だ、共に死ぬのがお前達の運命か?否、お前達はここでは死なない」
「何を言っている、貴様らはここで全員死ぬ、それが運命だ」
「そうかい、なら俺はその運命をぶっ壊す、行け!ライダー!」
「坊主…達者でな、どんな時も運命に抗え、その先が暗く険しい道になろうと、お前はあの時進むと、間桐桜を救うと決めたのなら、進め!立ってその手で運命を変えろ!人理?運命?知ったこっちゃねぇ!お前の手で!運命を切り開け────!!」
-
- 9 : 2021/03/28(日) 18:13:25 :
- 「アーチャー、手は出さないで下さい、私が倒します」
「…わかってるさ、やれやれ騎士の精神が残ってるのやら残ってないのやら…」
「ランサー、運命に抗うか!ならば来い!私が正々堂々!正面からねじ伏せてやる!」ドォン
「…まったく…ありがとよ、死に場所を作ってくれて、行くぜェ!セイバァァァァァァァァ!」
「ゲイ…ボルグッッッッッッッッッッッッッッッ!」
「エクスカリバー、モルガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアン!!!!」
ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアン
「ランサー!」
「士郎!こっちへ!」
「まったく、世話の焼けるマスターだ」
────I am the bone of my sword.
“熾天覆う七つの円環”────!
「アーチャー!?」
「何と…其方側のアーチャーも参戦したか…」
「桜たちはどうしたんだ!?」
「すまない…マスター、私には止めることは出来なかった…」
「こっちへ来たということか」
「すまない…せめてもの贖罪だ…この世界での戦闘を私が全力で補佐する」
「此方がわのアーチャーは…やはり聖杯の泥を被っているのか…フン…私が相手だ、さぁこい」
「いいだろう!聖杯の力を見せてやる」
ガキィンガキィンガキィンガキィン
────────────────────────
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
「ハァ…ハァ…中々、やりますねランサー、彼の地ならば、やられていたところでしょうね、ですが、ここは日本、冬木の地…分が悪かったですよ、あなたは」
「へ…へへ…買い被りすぎだ…あん…た…」シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン
「さて…セイバーを殺しに…行きますか…」カチャ
────────────────────────
「ぉぉぉぉ!」ガキィンガキィン
ガガガガガガガガガガガガ
ドガァァァン
ズシャァァァ
「やはり、五分五分か…決着がつかんな」
「待たせましたね、アーチャー、後は私がやりましょう」
「セイバー…オルタ…ランサーは!どうした!」
「く…ハァ…ハァ…」
「セイバー、起きましたか…体は…?」
「何とか…無事です、今は…どうなって…」
「ランサーは私たちを逃がすためにセイバーと宝具の撃ち合いになり、負けました…そして、消滅しましたよ」
「私が…不甲斐ないせいで…!」ギリギリ
「セイバー、私が…直々に殺してやる」
「セイバーオルタ!!!!」ドンッ
ガキィン
「斬りかかる元気は残っているか…」ギャリリリリリ
ガキィンガキィン
「ぐ…」ガキィンガキィン
ギャルルルルルル
ドギャァァァアン
「ぐ…は…まだだ!!!!」ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ガキィンガキィン
ズドォォォォン
「中々、やるな…だが、もっとだ…まだ足りない!」
ガキィンガキィンガキィンガキィン
ギャリリリリリ
ズシャァァァ
「ごふっ…」
ドサッ…
「まだ…行け…る」グググッ
「…こんなものか…」スタスタ
ドスッ
「ぁぁ…!」
「セイバー!」
「少し…静かにしてもらおうか…衛宮士郎」シュンッ
ドゴッ
「か…は…」ガクンッ
-
- 10 : 2021/03/28(日) 18:17:55 :
- 「し…ろう…」ググ
「まだ動こうとするのか…ならばこれで良いだろう」スタスタ
カチャ
「な…何をしている…?…やめろ」
「これで…終わりだ…!」
「やめろ…やめてくれ…」
ゴォッ
「やめろぉぉぉぉ!!!!」
ガキィィィィィィィィィン
ビキッ
ビシビシッ
バキィィィィィン
「…ハ…ァ…エクス…カリバー…が折れた…?」
「やはり…宝具如きではここまでだな、まぁいい次に期待する、次までに新しい武器を作っておけ、そして、少しでも私を楽しませろ」
「貴様…!」
「帰るぞ、アーチャー」
「いいのか?見逃しても」
「いいさ、別に」
ドンッ
ドンッ
-
- 11 : 2021/04/25(日) 15:32:03 :
- 「あ…あ、エクスカリバーが…」
「ん…セイバー…?」
「し…ろう…エクスカリバーが…」
-
- 12 : 2021/04/27(火) 20:59:09 :
- 「なんだって?!…エクスカリバーが…?…折られた…?そんなことが出来たのか…?」
「…士郎…私はこれからどうしたら…」
「とりあえず…俺が代わりの武器を作る、ちょっと待ってくれ」
「────投影、開始」
バチバチバチ
「……」
バチバチバチバチィン
「…っ!…ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「士郎!」
「士郎!何をしているのですか!?エクスカリバー級の宝具を投影しようなどとするのは自殺行為だと言うことはあなたが1番理解している筈!」
「ライダー…あぁ、そうさ、でもそうしないと…勝てないんだ…っ!」
ガラガラ
「ゲホッゲホッ…誰か!無事か!?」
「シロウか…」
「あぁ、お前達か!無事か?」
「私達は…無事ですね、しかし、セイバーのエクスカリバーが…」
「…そうか」
「新しい武器…更に強力な宝具でもない限り…太刀打ちできる相手では…」
「知り合いの魔術師に超級の投影魔術師がいる、その人に頼んでみよう、その人なら…もしかしたら…」
「わかりました、私達はどこへ向かえば?」
「その人はこの世界にはいないんだ、魔術、いや、魔法で他の世界を転々としているからな…呼べばすぐ繋げてくれるとは思うが…」
「呼べない事情が?」
「呼べないというか…繋ぐ為には相当な魔力が必要になるからな…」
「それなら俺の魔力を使ってくれ!」
-
- 13 : 2021/04/27(火) 21:04:07 :
- 「お前は…!柊!?どこに行っていたんだ!?」
「ごめん。少しこの世界の別の場所に用事があってね。」
「そんなことより!魔力を使えるのか?」
「一応ね、これでも夏木市の代表のマスターだぜ?」
「そうか…そうだったな!やろう!俺も魔力を…」
ドクンッ
「カハッ…ぐぅっ…ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「士郎!あなたは休んで!」
-
- 14 : 2021/05/01(土) 22:27:00 :
- 「士郎、お前は本来魔術を行使できない体だ、無理をして魔術を使おうとすれば、そうなる、ここは俺達に任せて休んでおいてくれ」
「あ、あぁ」
「よし、ではやるぞ、柊?だったか、俺の背中に手を置いてくれ」
「私も手伝うわ」
「リン!すまない、助かる」
「やるぞ、集中してくれ」
「は、はい!」
「投影魔術師 リチャード・ボルデモントをここへ、全ての世界を繋ぐ、門番へ」
ゴゴゴゴゴゴゴ
「シロウ?またリチャードの奴を呼ぶの!?」
「ローラか、すまない、今は時間がないんだ、親っさんに繋いでくれ」
「ぶー、つまんないの」
ゴゴゴゴゴゴゴ
「親っさん!リチャードさんは?」
「滞在している世界は把握している!だがその世界から連れ出してくるのはこの老いぼれにゃ無理だ!シロウ!おめェ達が行って連れ出しな!帰りは儂が何とかする!」
「…わかった!ありがとう!」
-
- 15 : 2021/05/01(土) 22:39:56 :
- 「という訳だ、セイバー!士郎、ここは俺達が守っておく、だから行け!」
「…あぁ!」
「親っさん!俺はやる事があるからそっちには行けねぇ!この2人を頼む!」
「おぉよ!…っておめぇさん、シロウの奴にそっくりだなぁ!それに…あんたはセイバーオルタにそっくりじゃねぇか!」
「そりゃ同一人物だからな!詳しい話は後だ!行け!」
「ここを通った先がリチャードの野郎がいる世界だ、時代は明治、新政府が成立して間もない時期だ!気をつけろよ!それと…最近じゃ人斬りとか言う奴が出たみたいだ、心配には及ばねぇとは思うが…まぁ、行ってこい!」
ドンッ
「うわ!」ドサッ
「士郎!無事ですか!」スタッ
「あ、あぁ、なんとか…な」ムクッ
「それにしても、厄介な時間に出ましたね」
ピィィィィィィィ!ピィィィィィィィ!
「笛の音?何が…」
人斬りだァ!人斬りが出たぞぉ!
「何だって!?」
「まずいですね、武器も何も無い状況で襲われたら、いくらサーヴァントといえど…」
「女と男が2人で夜道をこんな所で徘徊するのは危ないでござるよ」
「?…あなたは?」
「拙者か?拙者は…とある道場の居候でござるよ」
「そっちだ!そっちに逃げたぞ!」
「おろ?どうやらこっちに人斬りが逃げてきたようでござる」
「ハァ…ハァ…チッしくじった!」
「?こんな所にいい獲物が!死ねぇ!」
「牙突!」
グォォォォォォォォオ
「ガハッ…」ズブズフズブ
「おい、貴様、こんな所で何をしている」
「あ、いや…」
「道場の門下生でござるよ、拙者が見送りに行っていただけでござる」
「…フン、しっかりと躾をしておけ、こんな時間に出歩くのは今の明治では命取りだと言うことをな」
-
- 16 : 2021/05/23(日) 00:05:14 :
- 「フゥ…行ったか…お主たちは?どうやら日本の人じゃないようでござるが…」
「カクカクシカジカ…で…」
「なるほど、にわかには信じ難いが…お主達のその服を見るに恐らくホントのことでござろう、薫殿に頼んで家に泊めてもらうようにしてみるでござる、しばらくの間待っていてくれ」
「なんとか宿は確保できそうですね、士郎」
「あぁ、後はリチャードを見つけるだけなんだけど…」
「そのリチャードという魔術師に私の新しい武器が作れるのでしょうか?」
「投影魔術を極めた使い手らしいからな、恐らく作れるんじゃないか?」
「…そうだと良いのですが…」
「おーい!」タッタッ
「薫殿に聞いてみたら快く承諾してくれた、さ、こちらへ」
-
- 17 : 2021/05/23(日) 14:50:43 :
- 「おじゃま…します」
「いらっしゃい!あなた達が剣心の言ってた人達ね!」
「はい、しばらくの間お世話になります」
「大丈夫よ!今日はもう遅いからこっちの部屋で寝てね!」
-
- 18 : 2021/05/24(月) 13:36:09 :
- 翌朝──
チュンチュン チュンチュン
「ん…んー」ムクッ
「士郎、起きましたか」
「セイバーは早いな…」
「早起きも騎士王としての務めです!」
「なんだそりゃ笑」ハッハッハッ
「2人とも、起きたでござるか?」
「剣心さん、はい」
「じゃあこれからの事を話し合うために着いてきてくれないか」
「あぁ」
スタスタ
「士郎達は刀鍛冶を探しているんだったな」
「ん?まぁ…そんな所だ」
「…刀鍛冶なら当てがあるでござるが…」
「その方の名前は?」
「理智、理智殿だ、どうかしたでござるか?」
「理智…リチャード…?」
「他には…拙者のこの刀を打った赤空殿がいるでごさるが…」
「その理智って人はどこに住んでるんですか?」
「あの人は色んな所を旅してるからどこにいるかは拙者にはわからんでござる、お役に立てず、申し訳ない…」
「いやいや!大丈夫です!」
-
- 19 : 2021/07/04(日) 23:45:20 :
- カラン カラン カラン カラン
「」カラン カラン
「この下駄の音…!まさか!」
「ヤァ、剣心、元気してたカイ?」
「理智殿!」
「!?この人が!」
「?…この人達は誰デスカ?」
「理智殿を探してここまで来た方々でござる」
「へぇ、僕を?」
「ここでは少し話しにくいので、どこか人目のつかないところでお願いしてもいいですか?」
「エェ、いいですヨ」
────────────────────────
「カクカクシカジカという訳で、セイバーの新しい宝具を超える武器が必要なんです、お願いします!僕に、僕にこの体に支障のないような魔術を、教えてください!」
「……いいですヨ」
「本当ですか!?」
「えぇ、ですが、まずは宝具を超える武器について話しまショウ」
「…」
「その黒いセイバーの言った宝具を超える武器とはつまり、神器のことでしょう」
「神器…」
「えぇ、宝具とは元来、その英霊の思い入れ、伝承にまつわる武器が宝具になる事が多いデス、セイバーならば真名がアルトリア・ペンドラゴン…なので、アーサー王伝説に出てくるエクスカリバーと言うように、本人が使っていたり、伝説…言い伝え…その他諸々の英霊に関わるものが宝具になります、もっとも、ギルガメッシュの場合は宝具自体が倉庫の様なものなので、宝具を無尽蔵に繰り出せる…という事ですが、それとは異なり神器とは、神自信がその武器に憑依したり、神がその武器を創造したり…詳しいことは私にもわかりまセン、しかし、確実に神器は宝具よりも圧倒的な力を所有者に与えます、恐らく、黒いセイバーはそれをセイバーから奪い取る事が目的だと思いマス」
「それで…神器の作り方は…」
「神器は…人間には作れまセン、というのも、人間が作ろうとすると、宝具とは違い、かかる負担が桁違いなので、良くて精神崩壊、悪くて即死、ということになりマス」
「じゃあ、どうすれば…」
「ただし、神を召喚し、武器自体に憑依させることは人間にも可能デス」
-
- 20 : 2021/07/21(水) 01:25:20 :
- 「ならば!」
「ですが、その神を召喚するには膨大な魔力と何より、英霊の過去の後悔をなくす必要がありマス」
「どうやって、セイバーの後悔をなくすんですか?」
「私の神器を使い、空間を歪め、過去の特定の場所に移動します、そして、貴方、セイバー自身の手で後悔をしないように過去を変える、それがあなたには出来ますか?」
「…ッ」
「セイバー?」
「わ、分かりました、行きましょう、過去の世界へ」
「分かりました、神器、展開」
「ブリタニアへ、転移」
ギュゥゥゥゥゥゥゥゥン
「行ってしまわれた…」
「剣心…あの人たち、大丈夫かな?」
「大丈夫であろう、きっと」
────────────────────────
-
- 21 : 2021/07/21(水) 01:26:33 :
- ※ここからアーサー王伝説の物語とは全く違う内容の話になります、苦手な方はブラウザバックか、飛ばして読むことを推奨します。
-
- 22 : 2021/07/21(水) 01:52:49 :
- ────────────────────────
スタスタ
ギィィ
『伝令!キャメロットに向け、進軍中の軍隊を発見!どうなされますか?』
『……』
『アーサー王!ここは私、アグラヴェインに迎撃の命を出していただきたい!そして、必ずや、敵軍を返り討ちに 『いや』
『王…?』
『私が行く、戦の準備を、ベディヴィエール、ガウェイン、私に着いてこい、アグラヴェイン、モードレッドは私の留守を頼む』
『トリスタン、ランスロットは先に出立し、敵軍の進軍先にある街に避難命令を』
『はっ…!』
『宜しかったのですか?アグラヴェインをこの城に置いていくことになって…』
『えぇ、アグラヴェイン1人では何も出来はしないでしょう』
『アグラヴェイン1人では…?』
『えぇ、今回の戦で…私への反乱の意志を持つものが必ず現れる、それかをマーリンの予言です、これは円卓の騎士達の本質を探る戦でもある、というわけだ』
『その裏切り者が私とは、考えなかったのですか』
『貴公は裏切らないとわかっている』
『!…勿体なきお言葉…』
『さぁ、急ぎましょう、こうしている間に敵はこのキャメロットに向けて前進しているのだから』
『は!』タッタッタッタッ
『モードレッド、そこにいるのでしょう?』
『…!…騎士王様にはなんでもお見通しってわけですか』
『いえ、モードレッドの気配がしていたので、それよりも、私の留守を頼みますよ、アグラヴェインでもなく、貴方にしか出来ないことです』
『…ッ…』
『それでは私は行きます』スタスタ
ダンッ
『クソ…なんだってんだよ…ッ!』
──────────────────────
『アーサー王は貴方の命を狙っている』
──────────────────────
『黙れ…』
──────────────────────
『私と一緒に来い…なればこの王国は私達の物にできる』
──────────────────────
『黙れ黙れ黙れ!』
『アーサー王は私を信頼してくれているんだ、お前には…ついて行かない…!』
『そうか、残念だよ、モードレッド』
『は…ッ!』クルッ
『いない…』
ブゥゥゥゥゥゥゥゥ
『アーサー王の出陣だぁぁあ!』
ブゥゥゥゥゥゥゥゥ
『我がブリタニアに勝利を!』
『ブリタニア万歳!』
『開門!全員門から離れよ!』
ガラガラガラ
『スゥー…ゆくぞ、全軍!進め!』
ドドドドドドドドドドドドド
ワァァァァァァァァァァァァァァァア
ブリタニア万歳!ブリタニア万歳!
『アーサー王、ご無事で…』
『モードレッド』
『…!…アグラヴェイン…』ジリ…
『そう警戒するな…返事を聞きたいだけだよ』
『知っているだろ!?…私は…私は…貴様について行かない!』
『そうか、残念だよ、モードレッド…』
『この手を使うしかないとは』パチン
ザザッ
『な…!?貴様ら!アーサー王にたてつくというのか!?』
『アーサー王は王としては未熟である、どれだけ剣の才があろうとも、どれだけ人を束ねる力があろうとも、奴は決断力に欠ける…今回だってそうだ、何故王自ら戦場に出向く?』
『クソ!離せ!貴様らのやっている事は死罪に値するぞ!』
『モードレッド、君はアーサーに洗脳されている、いや、マーリンに』
『黙れ!私は洗脳されてなど!』
-
- 23 : 2021/07/21(水) 09:43:42 :
- 『いいや、モードレッド、お前は洗脳されている、おい、こいつを例の部屋へ』
『はっ!』
『おい!離せッ!どこに連れていく気だ!』
『』
『答えろ!アグラヴェインッッ!』
『アグラヴェインッッッッッッッ!』
────────────────────────
ジャラ
ガチャン
『く…クソ…俺にこんなことしてタダで済むと思ってんじゃねぇぞ…絶対ぶっ殺す…』
『無理だよ、あなたは今から私の支配下に置かれるのだから』
『は…?…ふざッけんじゃねぇ!誰がてめぇの支配下になんて…!』
『』パチン
キュィィィィィィン
『な…にを…』
『アーサー王はお前を殺そうとしている』
『そんな…はずが…』
『生きたければ私に着いてこい、そして私に従え』
『や、や…めろ…』
『モードレッド、お前は私のモノだ』
『あ…う…』
『この仮面を付けるといい、アーサー王にバレてはいけないからな』
『』スチャ
『さて、最初の仕事を始めてもらおうか』
『まずはキャメロット城内に残ったアーサー王の部下を全員殺せ』
『…了解、マスター』
スタ…スタ…
────────────────────────
『ふむ、なるほどなるほど、実に興味深い術だ』
『お師匠様、どうなされたのですか?』
『いや、なんでもないよ、ほら!修行の続きを始めよう、君はアーサー王の跡を継がなければならないのだからね』
『はい!』
-
- 24 : 2021/07/22(木) 23:44:03 :
- ────────────────────────
ドスッ
『が…何者…だ…』ドチャアッ
スタスタ
『命令は順調にこなせているようだな、モードレッド 』
『はい、マスター』
『よしよし、では続けてくれ』
『承知』
ドスッドスッドスッ
ブシュゥゥウ
『貴様!何を…!』
『敵だ!敵がい ドシュッ
『がふ…』ボタボタ
ドサッ
『命令…命令…』スタ…スタ…
ザザザ
──────────────
『信頼していますよ』
──────────────
『…この幻覚は…』
──────────────────────
『…ではなく、貴方にしか出来ないことです』
──────────────────────
『うる…さい…』
『モードレッド、何をしている』
『マスター…申し訳ございません、直ちに命令を…』
『いや、お前は今からアーサー王が帰還した時、襲撃する部隊の指揮を行ってもらう、頼んだぞ』
『御意』
────────────────────────
ワァァァァァァァ
ガキィン ガキィン
『各隊!陣形を保ちつつ前へ!』
ヒュゥゥゥウ ドガァァァン
『アーサー王!』
『ベディヴィエールか、どうした?』
『遊撃部隊、第一波壊滅!このままじゃ、負ける!』
『負ける…だと?』
『ベディヴィエール!何をしている!早くこっちへ!前線に行くぞ!』
『ガウェイン!ここはもうダメだ!撤退の準備を!』
『な!?何を言っている!ベディヴィエール!』
『情報が漏れている!恐らく…円卓の騎士の中に裏切り者がいる…マーリンの予言は本当だった…ッ!』
ヒュゥゥゥウ ドガァァァン
『このブリタニアが負ける…?そんな事…あってはならぬ…ッッ!』
『全軍に通達!これより、総攻撃を開始する!私が前に出よう!全軍、私に続け!』
ワァァァァァァァ
ガキィンガキィン
ヒュゥゥゥウ ドガァァァン ヒュゥゥゥウ ドガァァァン
『アーサー王!?』
『行くぞ!ベディヴィエール!アーサー王に続け!』
ドドドドドド
『怯むな!戦え!ブリタニアに勝利を!』
オォォォォォォォォォォォォォォォォ
ドガァァァン ドガァァァン
『何だ…?ブリタニアの奴…!突撃してきやがる!』
『まずい!この砦が破壊される!全員!全力で向かえ撃て!』
ドガァァァン ドガァァァン
バガァァァァァン
『正門が突破された!』
ドガァァァァァァァアン
『東門、爆発!とんでもない量のブリタニア兵がなだれこんでするぞ!』
バガァァァァァン
『まずい!囲まれてる!脱出口が…!』
『まさに…鬼人…』
『アーサー王だ!アーサー王が居るぞ!殺せ!』
『アーサー王さえ、殺せば!』
-
- 25 : 2021/07/22(木) 23:50:07 :
- ドガァァァンドガァァァンドガァァァンドガァァァン
『なんだ!?』
シーン
『聞け!反乱分子共よ!』
『私は円卓の騎士が1人!ガウェイン!アーサー王の勅命である!』
『貴殿らの総大将は討ち取った!投降するならば命は取らん!歯向かえば命はないと知れ!』
『…は…?大将が…やられた…?』
カラン カラン カチャン
『…抵抗は…しない…』
『アーサー王、どうしますか?』
『殺せ、私のブリタニアに手を出した罪は重い』
『!…それは話が!』
『黙れ、いいから殺れ』
『は…』ドシュッ
ドシュッ ドシュッ ドシュッ ドシュッ ドシュッ
『これより我らは帰還する!』
────────────────────────
『アーサー王が帰還するようです』
『分かった、モードレッド、迎撃部隊を城壁に展開、弓兵部隊も展開させておけ、後はお前の好きに使うがいい』
『承知』
-
- 26 : 2021/07/23(金) 12:45:01 :
- カァンカァンカァン
アーサー王!凱旋!
開門!
ガラガラガラガラガラガラ
『…妙ですね、静かすぎる』
『ベディヴィエール、もしかすると、裏切り者が何かを企んでいる可能性がある、別の場所から城に潜入し、探りを入れてくれ』
『はい』パカラッパカラッパカラッ
『!…どういうつもりだ…?』
『貴様は、誰だ?』
『弓兵、構え』
キリキリキリキリ
『放て』
ピュンッピュンッピュンッピュンッピュンッピュンッピュンッピュンッピュンッピュンッピュンッピュンッ
『盾兵部隊、前進!』
ガチャガチャ
カキィンカキィンカキィンカキィン
『謀反か!』
『近接戦闘用意』
『かかれ』
ワァァァァァァァ
アーサー王を殺せ!
『させるか!』ガキィン
ドゴッドシュッ
『ぐ…』
『ガウェイン、私は先に行く、ここは任せた』
『あぁ!』
ガキィンガキィン
『行かせない!』
ガキィンガキィン
『謀反の首謀者は誰だ?』
『教える義務があるか!?』
ガキィンガキィン
『まぁいい、わかっている事だ、アグラヴェインなんだろう?』
『…』
『図星か…モードレッドはどうした、殺したか?』
『…あぁ!殺した!邪魔だったのでな!』
『そうか、なら死ね』
ガキィンガキィン
ドゴッ
『がは…』ドサッ
────────────────────────
タッタッタッタッ
『アグラヴェイン卿!アグラヴェイン卿はいるか!?』
『なんだ、騒々しい!…ベディヴィエールか』
『アグラヴェイン卿!ここは一体どうなっているんだ!?外では謀反が起きているぞ!?何をしている!早く増援を ドシュッ ドシュッ え…?』
ボタボタ
『ハァ…君には困ったものだよ、ベディヴィエール卿、裏切り者は私だ』
『な…モードレッド卿は…モードレッド卿はどうした!?』
『…さぁな、殺したんじゃないか?』
『貴様ぁッ!』
『喧しいぞ、やれ』パチン
ドシュッドシュッドシュッ
『ぐ…ふ…』ドサッ
『後はガウェイン卿とアーサー王、トリスタン卿とランスロット卿だけだ…』ニヤ
『やはり、裏切り者は貴様か、アグラヴェイン』
『な!?アーサー王!?』
『ど、どうしてここに!』
『トリスタンとランスロットが増援を連れてきてくれたのでな、楽に通れたよ』
『く…まぁいい!殺れ!』
『…フン』ガキィンガキィン
ドシュッドシュッ
『この三下共で私を殺せるとでも?アグラヴェイン』
『くそ!使えない連中だ!もういい!私がやる!』
『ブリタニアの民はどうした』
『あぁ!?』
『ブリタニアの民はどうしたと聞いている』ゴゴゴゴ
『…軟禁したか、見せしめに殺した…』
『罪なき民を軟禁だと…?見せしめに殺した…?』ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
『貴様、調子に乗るなよ?』ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ビシッビシッビシビシ
『な。なんだ!何が…起こって…』
『アグラヴェイン…貴様は私を怒らせた…』
『それだけで殺される理由は十分だ』
『ひ…!』
『何か言い残すことは?』
『…や、やめてください…お、お願いします』
『……』
『こ、殺さないで…くだ ザシュッ ぎゃぁぁぁぁぁあ!う、腕がぁッ!』
『罪なき民を殺しておいて、やめてください?殺さないでくださいだと?』
『戯言を…ッ!』
『貴様は…出来る限りの苦痛を与えて殺す』
『ひ…い、嫌だァァァッ!』
ドシュッ
-
- 27 : 2021/07/23(金) 12:55:41 :
- 続きに期待
-
- 28 : 2021/07/24(土) 10:38:32 :
- ドガァァァン ドガァァァン
『ハァ…ハァ…数が多すぎる…』
『ガウェイン卿!』
『ランスロット卿か!』
『くそ…どうなってやがる!』
『さぁな…だが、我らがアーサー王に仇なす者は殺すだけだ!』ゴォッ
『ふ…あぁ!』
この剣は太陽の映し身。もう一振りの星の聖剣
あらゆる不浄を清める焔(ほむら)の陽炎
『エクスカリバァァァ…』
最果てに至れ、限界を越えよ。彼方の王よ、この光を御覧あれ!
『縛鎖全断・過重湖光ッッッ!』
『ガラティィィィィィィィィィンッッッ!!!』
ドギァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
シュゥゥゥゥゥゥゥゥ
『…ぐ…』ガラガラ
『なるほど…やはり、貴様はまだ生きているか』
『さっさとその仮面を外して姿を見せたらどうだ!?』
『う、うるせぇぇぇ!』
『ハァ…ハァ…ハァ…ぐ…ァァァ!』
『この私、ランスロットとガウェイン卿を2人に勝てると思っているのか!』
『ァァァ…ァァァァァァァァァァァ!!!!』ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
『この魔力…何だ…何が起こって 『ァァァ!』
ドガァァァン
『ぐは…』ドサッ
『ランスロット卿!』
『なんて…速さ…』
『ァァァァァァァァァァァァァあ!』ドガァァァン
ガキィンガキィン
ドガァァァン
『ぐあぁッ!』
ドガァァァン
『この魔力は…聖杯…か…?』
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ビシッビシ
『ォォォォォォォォォォォォォ…』
『おい!お前!このままだとお前の体ごと爆散するぞ!?』
『う…五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い!!!!』ドガァァァン
『な…』ドゴッドシュッ
『が…』
『…ハァァァァァァァア…』
『ガ…ガウェイン…』
『…』スタスタスタ
『ランスロット卿!!』
ドシュッ
『が…ガウェイン…アーサー王に…伝えろ…』
『危機が…せまって…いると…』
『ぐ…クソッ!』
『逃がすか!』ドガァァァン
『がッ…』ドシュッドシュッドシュッドシュッ
『死ねェェェェェ!!!!!!』
ドガァァァンドガァァァンドガァァァンドガァァァンドガァァァン
『ぐ…ふ…』ボタボタ
ドチャアッ
-
- 29 : 2021/07/26(月) 00:52:26 :
- ────────────────────────
スタスタ
『…』
『グ…ゥ…』
『?…誰だ?誰かいるのか?』
『!…ベディヴィエール!』
『と、トリスタン…』
『ど、どうしたんだ?』
『アグラヴェインだ…裏切り者は……アグラヴェイン…』ガクン
『ベディヴィエール!』
『トリスタン、ベディヴィエールを頼む、私は外の様子を見てくる』
『アーサー王…はい…』
────────────────────────
ドガァァァンドガァァァン
『しらみ潰しに探せ!民間人も容赦なく殺せ!』
ドシュッドシュッ
ガラガラガラ ドガァァァン
『見つけたぜ…!死ねぇッ!』ドシュッ
『きゃぁぁぁぁ!』ドチャアッ
ドシュッドシュッドシュッドシュッ
ドガァァァン
『…?』
ドスッ
『が…誰…だ ドシュッ
ボタボタ
『1人残らず殺せ!皆殺しだァ!』
スタスタ
『』
『?…ヘ…随分遅い登場だな!アーサー王さんよォ!』
『ガウェインとランスロットはどうした』
『?…あぁ、あいつらか…殺した…』ニヤ
『そうか…』
『どうした?かかってこねぇのか?かかってこねぇなら…こっちから行くぞ!』ドンッ
ガキィン
『…』
ガキィンガキィンガキィンガキィン
『さすが騎士王と呼ばれるだけはある、中々手強い』
『貴様のせいで罪なき人々が死んだ』
『あぁ!?どうでもいいぜ、そんなこたァよ!』
『…』ギリッ
ガキィンガキィンガキィンガキィン
ドガァァァァァァァアン
『ごほ…』ドガァァァン
『へへ…へへへ…いい…一撃だ…』ガラ
『だが…!』
我は王に非ず、その後ろを歩むもの。彼の王の安らぎの為に、あらゆる敵を駆逐する!
我が麗しき父への叛逆!
ドガァァァァァァァアン
『この宝具…そうか…お前も…』
『すまない…私を許してくれ…』
『エクス…カリバァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!』
『ォォォォォォォォォォォォォ!!!!』
『はァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!』
ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン
シュゥゥゥゥゥゥゥゥ
『ハァ…ハァ…』
『ハァ…ハァ…ハァ…ぐ…ぁぁッ…!』ボタボタ
『クソが…!…まだ…負けて…ない…』カチャ
ビシッ ビシッ
バキィン
『…!…チッ…ここまでかよ…』
『ハァ…ハァ…私はお前を殺さなければ…ならない…我がブリタニアに…罪なき民を殺戮したのだから…』
『勝手にするがいいさ…だが…最後に抵抗はさせてもらうぜェ!』
『くッ…また来るか!』カチャ
ビシビシ
バキィン
『な…エクスカリバーが…』
『ぐ…』ダッ
カチャ
『おらァァァァァァ!!!!』ダッ
『ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』ダッ
ドスッ ドスッ
『ごふ…』ボタボタボタボタ
『ぐ…ぁ…』ボタボタ
ビシビシッ
パキン
『…仮面が…』
『…やはりお前だったのか…
モードレッド…』
-
- 30 : 2021/07/26(月) 01:04:31 :
- 『信じたく…ハァ…ハァ…なかった…』
『……ぁ…アーサー…王…?』
『ごぶ…』ブシュッ
『モードレッド…』
『俺は…確か…アグラヴェインに洗脳されて…』
『!…モードレッド…洗脳…されていたの…か…』ボタボタ
『俺は…何を…』
『モードレッド…私は…貴方の親には…ゴボ…』ボタボタ
『なれなかった…でも、これだけは確かだ…私は…あなたを愛して……いた…』
『アーサー…王…』
『ハァ…ハァ…』ブシュッ
『行かなければ…まだやるべき事が…このエクスカリバーをあの湖に返さなければ…』
『アーサー…王…いや父上…すまない…私が未熟なばかりに…』ボタボタボタボタボタボタ
『もう…喋るな…さぁ…こっちへ、モードレッド…』
『父…上…うん…』ズリズリ
『私の隣に座るといい…ゴボ』ボタボタ
『さぁ…私達が死ぬまでこれまでに出来なかった親子でお話をしようか…』
『うん…うん』
────────────────────────
『ベディヴィエール!』
『ぐ…ハッ!』
『トリスタン!アーサー王は!アーサー王はどこに!』
『外の反乱軍を、鎮圧しに行った…』
『私も行かなければ…』スタ…スタ…
『ベディヴィエール!その怪我で…』
『アーサー王は私を待っている…私は…エクスカリバーを湖に返さなければ…行けない』
スタ…スタ…
────────────────────────
『──それで──』
『──そうか…──今まで苦労させたな…モードレッド…』
『父上…大丈夫…今が幸せだ…』
『なんか眠くなってきたよ…』
『そうか…じゃあ…しばらく寝るといい…私が見といてやるから…』
『うん…そうする…』
『父上?』
『ん?』
『そこに…いますか……?』
『あぁ…ここにいるよ』
『何も…見えないや…父上…おやすみ…』
『あぁ…おやすみ…モードレッド…』
-
- 31 : 2021/08/03(火) 18:06:58 :
- 『…王…アーサー…王…!』
『ベディヴィエール…か…』
『その傷は…!』
『すまない…私は…ここで死んでしまうようだ…ッ!…だから…聞いてくれ…私の…最後の…王としての…責務を…果たす…』
『聖杯を…ここに…』
『!…それは…ダメです!アーサー王!聖杯を使えば…この王国は…!』
『それでも…ッ!…やらねば…ならないのです…』
『ッ…!…どうしても…ですか』
『えぇ…この国の…王になった時から決めていたことです…ここで死ぬことになっても…別の場所で死ぬことになっても…』
『…わ、かりました…』
『…ありがとう…ベディヴィエール』
『…』パチンッ
ズズズッ
『そんな所に…隠しておいたのですか…』
『違います…これは私の魔術…王国の全ての物を掌握…私の手に持ってくることが出来ます、このように』パチンッ
ズズズッ
カランカラン
『なるほど…それは…便利な…魔術だ…』
『聖杯を…』
『はい…』
『フゥ…聖杯よ、我が意思に答えよ…我はブリタニア王国、国王、アルトリア・ペンドラゴン、我が願いを叶えよ!』
──────傲慢なる者よ──────────
──────願いは何か────────────
『願い…それは…』
『この国の滅亡…そして、これから先…この地に興る国の安寧を…』
──────ほう…──────────
──────何故この国の安寧を願わない?────
『この国はどこかで間違えてしまった…いや、国王である私が選択を誤ってしまった…この状態で建て直しても…他の国に攻め込まれ植民地にされるだけだろう…だから…この国を…滅ぼして欲しい…聖杯の力で』
──────良かろう…────────
────────この国を滅ぼそう────────
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
『この揺れは…!?』
『ベディヴィエール…全て…終わったよ…』
『アーサー王!』
『これを…湖に還して来て欲しい…折れてしまったが…』
『聖剣…なんという姿に…』
『頼む…この国はもうじき滅ぶ…』
『…分かりました…』
『ベディヴィエール…今まで仕えてくれてありがとう…私は暫くの間、眠りにつく…起きる頃には全てが終わり、平穏な日々が戻っていることを…切に願う…』
『アーサー…王…』
────────────────────────
「これは…?」
「これが…君の…セイバーの変えたい過去で間違いないですネ?」
「えぇ」
「それでは…行ってきてくださイ、私はこの空間を保つ為に過去に干渉できまセン、貴方達の力で過去を変えてください」
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- 32 : 2021/08/06(金) 02:51:59 :
- 「あ、衛宮さん、あなたはこちらへ、やはり、セイバー自身の手で過去を変えなければなりまセン、貴方は魔術を行使できるようにしなければ」
「え、は、はい!」
「じゃあ、ここで一旦別れよう、絶対次合流する時には俺も戦えるようになっておくから!だから!絶対に戻ってこい!」
「はい!士郎!」
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「さぁ、本題に入りましょうか、貴方は今高度な魔術によって一部の魔術回路が破壊されています、それによって魔術の行使に制限がかかっているという事です」
「なるほど、だから使う時によって痛みがあるのか…」
「えぇ、簡単な投影魔術、例えば物体の作りを把握、頭の中に保存することは痛みを伴わずに使うことが出来ます、しかし、その物体を投影、模倣しようとしたり、固有結界、貴方の場合は無限の剣製を展開すると体全体に激痛が走り、それでも無理に使おうとすると…四肢が爆散し、命の危険があります」
「な…」
「破壊された魔術回路を修復するのは魔術では不可能です」
「そんな…」
「しかし、魔術ではなく私の知りうる中で一つだけ魔術回路を修復し、更に強化することが出来る方法が一つだけ…あります…これは…非人道的な方法ですが」
「やってください」
「良いのですか?失敗すれば命を落としてしまうことだって… 「大丈夫です、元より、命をかける覚悟でこの世界を…別の世界線の冬木を救いに来たんですから」
「なるほど、分かりました」
「じゃあ…説明します」
私が先程言った魔術回路を修復する方法…それは…
貴方自信がサーヴァントと一体化することです
「そんな事が…出来るんですか?」
えぇ…まずはデミ・サーヴァントにしたい人物と生まれ育った環境が似ているサーヴァントを見つけなければならないのですが…それは簡単そうですね
「はい、当てがあります」
「じゃあ善は急げ…です、早速とりかかりましょう」パチンッ
ギュゥゥィィィィン
「ここは…?」
「私の研究施設デス、世界各地に点在する中の1つデスヨ」
「所長?戻ったんですか?」
「はい、早速ですが、彼をデミ・サーヴァントにします、準備をしてください」
「な…!?デミ・サーヴァントにするにはまだ実験が進んでいません!人体に及ぶ危険性も…!」
ピピピ
「それなら問題ないよ」
「貴方は…!」
「人理継続保障機関 フィニス・カルデアの研究チームリーダーで所長代理のロマニ・アーキマンだ、僕のことはDr.ロマンと呼んで欲しい、みんなもそう呼んでいるしね」
「それで…なんの用ですか?私達の研究チームを突然抜け、何をしているかと思えば、軍の狗ですか、あの天才チームを率いた方が成り下がったものですね」
「ハハハ…そう言われると流石に人でなしの僕でも…堪えるなぁ…」
「こらこら!ドクターロマン?早く本題に入らないと」
「おっと…そうだったね、僕が今通信を送っている理由は1つ、君…衛宮士郎さんの世界に僕達…カルデアの裏切り者…レフ・ライノールという男が向かったという情報が入ってね」
「レフ・ライノール!?彼が…!?裏切り者!?」
「あぁ、僕の推測によると彼は魔術王ソロモンの直属の部下だ、そして、目的は人理焼却、衛宮士郎さんの世界を完全に破壊すること」
「は…!?」
「それを何とかして防ぐのが僕達、人理継続保障機関カルデアの設立された目的だよ、そして、カルデアからもマスターを1名送ったんだが…どうやら、苦戦しているようでね、だから、衛宮士郎さん達に協力をお願いしたい、そのために必要な情報は何でも提供する、例えば…デミ・サーヴァントの人体に及ばせる危険性…とかね」ニコリ
「最初からそれが目的…?」
「そんなに疑われると困るんだけどなぁ…ハハハ…」
「デミ・サーヴァントの研究結果を私たちに譲渡するということでいいんですね?」
「協力してくれるなら…ね」
「…ハァ…わかった、君の口車に乗ろう、ロマニ」
「じゃあ交渉成立ということで、今情報を送りました」
「情報、届きました…これは…!」
「どうしたんですか?」
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- 33 : 2021/08/08(日) 00:14:45 :
- 「デミ・サーヴァント化における人体への影響の情報…必要な情報が全て揃っています!」
「なんだと!?我々が何年かけても辿り着かなかったデミ・サーヴァント化をどうやって…」
「それは機密情報ですよ」
「ま、まぁいい!早速…衛宮さん、準備はいいですか?」
「…あぁ」
「分かりました…全員準備にかかれ!」
────────────────────────
ピッピッピッ
「フゥ…フゥ…」
「所長!準備完了しました」
「わかりました、ではこれより衛宮士郎をデミ・サーヴァントにします、デミ・サーヴァント化、開始」
「英霊召喚」
ヒュォォォォォ
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- 34 : 2021/08/08(日) 00:15:16 :
- 第3話が凄く長くなってしまった笑
第4話 デミ・サーヴァント
に続きます!
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