このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
同じ会社で働く相対的なカップル
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- 1 : 2021/02/01(月) 13:20:32 :
- この物語は、性格が真逆なエレフリの平凡な労働生活を淡々と描く物語です。過度な期待はしないでください。あと、部屋は発電球以上に明るくして、画面からは給料分以上は離れて見やがってください。
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- 2 : 2021/02/01(月) 22:02:59 :
- 小鳥が囀る声が響く朝早いこの時間。
2人の一日はここから始まる。
「さて、出勤まであと2時間。飯を作る前に風呂の用意して、ゴミ出し…弁当は、全部終わってからでも間に合うな」
「……んっ」
「…………はぁ。おい、起きろ。朝だぞ、フリーダ」
「…っ、んぅ」
彼の揺さぶり、起きろという声が聞こえていないのか、ゆっくりと寝返りをうつフリーダ。
「…………準備に一番時間掛かるのお前なんだから起きろっての」
朝の入浴、着替え、朝飯、そして出勤するための化粧。それを加味して毎日この時間帯に起きるフリーダを起こすエレンである。
そこでようやく目が覚めたのか、フリーダは再びこちらに身体を向けて抱きついてきた。
「んっ……やだぁ…仕事行きたくない…ずっと2人で家にいたい」
「……気持ちは分かるけど、今のうちに稼いでおかないと後々大変になるのは自分だぞ?」
「うぅ……」
「分かったら早く起きような。風呂に朝飯、弁当だって作らないといけないんだからな」
「……はぁーい」
身体を起こし欠伸をしながら精一杯身体を伸ばすフリーダ。
まずは顔を洗うべく、洗面所に向かった。
「さて、風呂の用意をするとしますかね」
彼らの家にある浴室だが、便利な事にボタン一つで湯船にお湯が貯められていくというハイテク設定だ。
お湯の温度等の設定をすると、エレンはゴミ出しをするべく部屋のゴミ箱やキッチンの三角コーナーのゴミを全て一つのゴミ袋にまとめ、口を縛り、ゴミ収集置き場へと向かう。
それと入れ違うように、洗顔から戻ったフリーダはテレビの電源を付け、向いに配置された3人程は余裕で座れるソファに横たわる。
「この時間って何も見たいものないんだよねぇ。どこの局もニュースばっか」
するとフリーダは自身のスマホを手に取り、彼女自慢の画像フォルダを眺め始める。
「はぁあ。それにしても…私の彼氏はいついかなる時も素敵…。内緒で写真撮ってるって言ったら怒られそうだけど、私は気にしないもんね」
彼女のフォルダには、エレン本人が写る写真がズラりと並んでいた。
「えへへへ……この時のエレン可愛かったなぁ。普段は冷静な雰囲気だけど、お酒入ると別人のように変わるんだもの。ギューって私の事抱きしめて顔を胸に埋めて甘えてくるんだから…普段とのギャップがたまらないのよね…。よく理性が保てたもんだよ、あの時の私すごい!」
そこにゴミ出しを終えたエレンが朝飯を作るため、キッチンへと入る姿が目に入る。
「今日の朝ごはん何ー?」
「今日は目玉焼きとワカメの味噌汁、軽く済ませられるもんだ」
「もうちょっと手の込んだものでもいいのにー」
「朝はこれくらいがちょうどいいんだよ」
「あ、そうそう。今度の休みさ、2人でお家デートしようよ」
「毎日してるようなもんだろ。少しは外に出る心を持て」
「ぶー」
「けど、ここ最近は飲み会だったり色々あって2人で過ごせる時間が無かったしな。考えとくよ」
「ホントっ?ふふっ、やったぁ!!」
「だからって抱き着くなっての、火扱ってんだから危ねぇだろ」
「ダメでーす。今は彼氏成分補給の時間なのです、何を言われても離れませーん」
「動きにくい…」
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- 3 : 2021/02/02(火) 06:50:31 :
- 数分後…。
「ふう、ごちそうさま〜。やっぱり彼氏が作るご飯ってのは最高だね〜!」
「誰が作っても一緒だろ」
「もう…夢が無いなぁエレンは。少しは私に好き好きーって雰囲気出してくれてもいいのに」
「そういうのはこの関係になってからずっと与えてるつもりなんだけどな…まだ足りないか?」
「知ってる?女の子は愛に貪欲なんだよ?」
この後めちゃくちゃ……。
「その結果、電車に乗り遅れた訳だが。何か言い訳は?」
「うぅ、確かに煽ったのは私だけど…乗ってきたエレンも同罪じゃない?」
「……今回はそういう事にしといてやる」
「もう…あんなに出すもんだからムズムズする」
「何か文句でも?まだ足りないなら会社休んで第2ラウンド開始する為に準備してもいいんだぞ?」
「も、もう大丈夫!!!充分貴方の愛情は伝わったから!これ以上されたら…ホントに立てなくなっちゃうから」
「さてと……なんて言い訳するかな」
「普通に2人で愛し合ってたって素直に言ったら?」
「お前少しは発言を自重しろよ…オープンにも程がある」
「えぇ〜?エレンが閉鎖的なんじゃないの〜?」
「お前が異常なだけで俺は正常だ…」
「彼女にそんな事言うのエレンだけだよ…」
「逆にこういう会話を平気な顔してするのもお前だけだ」
「え?『俺にはお前しか居ないって?』キャーッ!エレンったら…だ・い・た・ん♡」
「…………(コイツ…後で覚えとけよ)」
「あーっ!置いてかないでよー!肩貸してくれるって約束でしょー!」
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- 4 : 2021/02/04(木) 11:17:48 :
- 会社へ到着2人は揃って上司であるリヴァイに叱責を受けていた。
「エレン。てめぇまで遅刻した理由はなんだ?」
「すいません…昨日、夜遅くまで起きていたもので…」
「私も同じ理由です!」
「エレン…いつになったらこの女は真面目になるんだ」
「すいません…帰ったらよく言い聞かせます」
「はぁ…ならいい。ついさっき朝会が終わったばかりだが、それについてはミーティングと一緒に再度説明してやる」
「はい…」
「はーい!」
遅刻した事に深く反省の色を見せるエレンと全く気にしてないようなフリーダそんな2人を近くで見ていたエレンの幼馴染の2人が声をかける。
「エレン、夜更かしはダメ。それは貴方も分かってるでしょう?」
「リヴァイ課長と同じタイミングで来てるエレンが居ないから心配したよ」
「ミカサ…アルミン。悪い…」
「エレンってば初めて遅刻したからって気にしすぎだよー。もっと気楽にいこ?」
「誰のせいでこうなったと思ってやがる…」
「まぁまぁ、落ち着いてよエレン。フリーダさんも、少しは反省しないとダメですよ?」
「やはりエレンは私が養うべきだった」
そんな4人を見て冷やかしに来たのはジャン・キルシュタイン。エレンに絡んではミカサに撃沈されてしまう残念な人だ。
「よぉエレン、お前遅刻したらしいな?初めて遅刻した気分はどうだ?」
「ジャン…相変わらず冷やかす元気はあるみたいだな」
「っ。答えになってねぇぞてめぇ…!」
「ジャン、いい加減にして」
「おぉ!ミカサの言葉がお馬さんの心にクリティカルヒットー!」
「エレン…ホントにフリーダさんとやっていけてるの?正反対の性格してるから喧嘩してるんじゃないかってたまに心配になるよ」
「アルミン…俺のせいで胃の調子とか悪くなってたりしたらいつでも言ってくれ…詫びに何か奢るから」
「あはは…気持ちだけ受け取っておくよ」
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- 5 : 2021/02/17(水) 06:21:20 :
- ミーティングが終わりを迎え、社員各々が作業を開始してから2時間が経過した。
「ふぅ…」
「エレン、作業の調子はどう?」
「ミカサか…見ての通り順調だ。キリがいいとこまで来たからそろそろ休憩にしようと思ってな」
「そう。また何か躓いたりしたら私に言って。必ず力になるから」
「いつもごめんな」
「気にしないで。幼馴染だから、当然のこと」
「あの、イェーガーくん…だよね?ほんの少しだけでいいから、時間もらえるかな?」
「まぁ、別にいいけど」
「エレン、アレ」
「ん?」
「じぃー………」
「……………はぁ」
おもむろにスマホを取り出すエレン。
何かを打ち込み再度ポケットにしまい込み、用件があるという同僚の後を追う。
「あれ?エレン?フリーダさんどうす……って」
「うへへへ〜……そ、そんな事言われちゃあ…何も言えませんよぉ〜」
「何か表情緩み過ぎてる気がするけど……」
「先程こっちに来る時にチラ見をしてきた。エレンから『これで我慢しとけ』というメッセージと一緒にブロマイド写真が送られていた」
「ミカサ…疑問が晴れたけどチラ見はダメだよ……って!!鼻血出てるじゃないか!!」
「エレンの肉体美の耐性が私には無かった…それだけの事。だからアルミンは気にしなくていい」
「淡々と言ってるけどそれエレンの上裸に興奮してるって意味だからね!?」
「他の女性と付き合っている幼馴染の身体に興奮する程私は弱くない」
「鼻血、鼻血出てるよ?」
「これは鼻水。後でティッシュを詰めておくから大丈夫」
「……ミカサ…エレンがフリーダと付き合い始めてからあらゆる耐性が無くなってる気がするのは気のせいかな…」
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- 6 : 2021/04/08(木) 03:51:23 :
- 数時間後
「エレン、少しデザートを作りすぎてしまったのだけど…食べる?」
「あまりなら、貰うけど」
「てめぇ!彼女居るくせに他の女子からの手作り貰っていいと思ってんのか!」
「別にいいだろ、本人の意思でくれるってんだから。それに、疲れた時の甘味はより美味いんだ」
「こんのぉ…!!」
「落ち着きなよジャン、いずれ君にだって素敵な人が見つかるよ」
「そうそう。そうやって婚期を逃した女性が焦ってるみたいな雰囲気出してると、ますますいい人見つかんないよ?」
「フリーダお前、追い討ちかけたって自覚あるか?」
「え?」
「くぅっ!!!羨ましいんだよこの野郎!!」
「離せよ、服が破けるだろ。食事中だぞ」
「大人になってエレンは変わった。昔は売られた喧嘩は直ぐに買ってたのに」
「そうか?」
「自覚無いの?エレンってば高校の時、ジャンと2人してキース先生に怒られてたじゃないか」
「そんな事あったか?覚えてないんだけど…」
「なになに?エレンの昔話?聞きたい聞きたい!」
「聞かなくていいだろ別に」
「無視すんなエレン!こっち見ろ!」
「昔を振り返るのも大事なんだよエレン。それで、中学の時なんかは──」
「おい!俺を無視して話進めるなっての!」
「ジャン……静かにして」
「あははは!!そんな事あったの?」
「もうどうにでもなれ…」
極力目立つ事を避けたいエレンとどんな事をしても目立つフリーダという対極的な2人の生活は、これから先も円満に続いたのであった。
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