このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
【進撃の荒野行動】エレン「みんなで荒野行動やるぞ!」
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- 1 : 2020/03/02(月) 22:06:53 :
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はじめに
読者の皆様こんにちは!
かなり久しぶりのSS投稿です。
今回は筆者が学生時代からどっぷりハマった進撃の巨人と荒野行動のコラボSSです。
完結まで書き溜めてあるのでハイペース更新していきます。
どうか最後までお付き合いください。
それでは本編スタート!
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- 2 : 2020/03/02(月) 22:13:03 :
昼休み中の訓練兵団の食堂
エレン「今から訓練兵団104期生の主要メンバーで荒野行動をやっていくぞ!」
アルミン「荒野行動っていうのは大勢のプレイヤー達が広大な無人島で落ちてる武器や乗り物を使って殺し合い、毒ガスで徐々に狭められる安全地帯内で生き残った最後の1人または1チームが勝利することができる大人気バトルロワイヤルゲームのことだよ」
ミカサ「そのゲームと進撃の巨人は過去3度に渡ってコラボしてきた。ので、私達も一緒に遊んでみることにした」
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- 3 : 2020/03/02(月) 22:14:22 :
エレン「ってことで今回の参加メンバーの紹介だ!」
エレン「まずは俺!一人残らず駆逐してやるからお前ら覚悟しとけよ!」
アルミン「バトルロワイヤルの基本は戦うことより生き残ることが重要だから、僕は不要な戦闘は避けたいところかな」
ミカサ「私も無駄な血は流したくないけど、弱肉強食の残酷な世界では戦わなけば勝てない」
ジャン「とにかく俺はエレンをブッ殺せればそれで満足だ」
マルコ「僕はシューティングゲームとかあまり得意じゃないんだけど、下手くそなりに頑張ってみるよ」
ライナー「へぇ、このメンツでバトロワか。なかなか面白そうじゃないか」
アニ「要は敵の頭をぶち抜いてやればいいんでしょ?シンプルなゲームだね」
ベルトルト「あはは、物騒な物言いだなぁ。お手柔らかに頼むよ」
クリスタ「こういう暴力的なゲームはあまり良くないと思うなぁ……」
ユミル「安心しろよクリスタ。たかがゲームだ。気楽にやろうぜ」
コニー「難しいことはよく分かんねえけど、殺られる前に殺ればいいんだな?」
サシャ「それより優勝したら賞品とかあるんですかね?お肉とか食べ物系でお願いしますよ」
エレン「賞品ならあるぞ」
サシャ「それは本当ですか!まさか高級焼肉食べ放題ですか!?」
エレン「いや、焼肉ではない」
サシャ「そうですか……。早くも私は戦意喪失気味です」
エレン「だが、焼肉よりもっといいものが貰えるぞ」
サシャ「お、お肉よりって……!本当にそんなものがこの世界に存在するんですか!?」
エレン「それは最後まで生き残ってからのお楽しみだ」
サシャ「絶対に負けられない戦いが、ここにあるというわけですね……!」
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- 4 : 2020/03/02(月) 22:16:50 :
エレン「じゃあメンバー紹介も済んだことだし、今回のルールを説明するぞ」
エレン「荒野行動ではシングル(一人)、デュオ(二人協力)、スクワッド(四人協力)、クインテット(五人協力)の四つのモードがあるんだ」
エレン「それで今から俺達がやるのはシングル戦。つまり、全員敵同士ってわけだ。もちろん敵同士が協力することは禁止だぜ?これだけはしっかり守ってくれよな」
エレン「それと選択出来るマップは〈激戦野原〉、〈嵐の半島〉、〈東京決戦〉の全部で三つあるけど、今回は一番最初に作られた〈激戦野原〉でやっていくぞ」
エレン「あと、俺達12人だけで戦うためには身内ルームを開かないとダメなんだ」
エレン「身内ルームじゃない通常戦では100人のプレイヤー達がランダムに選ばれてゲームが始まるからな」
エレン「そこで、俺がルームリーダーとして身内ルームを開くから、各自ルームリストより入室してくれ。ルーム名は【104期生の内戦】でパスワードはAOT37564だ。ルームIDは104で検索すれば出てくるぞ」
ルーム:104
104期生の内戦(12/100)
リーダー:絶対駆逐マン
1、絶対駆逐マン(エレン)
2、年中無休マフラー(ミカサ)
3、イジメダメゼッタイ(アルミン)
4、キタジャンブラック(ジャン)
5、困る子(マルコ)
6、弾丸ライナー(ライナー)
7、キューティーアニー(アニ)
8、冷や汗ソルジャー(ベルトルト)
9、肩パンクイーン(クリスタ)
10、ユー民(ユミル)
11、天才こにー君(コニー)
12、ミートイズジャスティス(サシャ)
エレン「よし!12人全員のルーム入室を確認した」
エレン「最後にルームの細かい設定として、補給物資の出現頻度、爆撃頻度、信号(毒ガスエリア)頻度は正常、武器と車両は全部有りでやるぞ」
エレン「それじゃあ、みんな準備はいいか?もうすぐ始まるぞ!」
参加メンバー達「準備完了!」
エレン「ゲームスタートだ!」
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- 5 : 2020/03/02(月) 22:19:15 :
最初の待機場の島
演習開始まで59秒
サシャ「残り12人。全員最初の待機場の島にいますね」
コニー「うおっ!?もう戦闘開始か!?俺まだ攻撃出来ないぞ!?」
ミカサ「落ち着いて。ここは待機場だから誰も攻撃することは出来ない。戦闘は1分後に始まる」
コニー「なんだそういうことか」
演習開始まで42秒
ジャン「てか、お前ら射撃場で基本的な操作確認とタッチパネルのカスタムは済んでるよな?」
アニ「当たり前でしょ。射撃はエイムが命だからね。感度設定には随分と悩まされたけど」
ライナー「自分が操作しやすいようにボタンの配置や大きさを自由に変えられるってのは便利だよな」
演習開始まで27秒
ベルトルト「それにしても、このルームの待機場には課金車両がないからとても静かだね」
マルコ「確かにここでは御自慢の課金車両でクラクションを鳴らし続けたり、爆音で乗り回す人が後を絶たないからね」
演習開始まで14秒
エレン「最後に一つだけ俺の話を聞いて欲しい。全員付近チャンネルはオンにしておいてくれるか?そうすると、ある一定の距離まで近づくと敵の声が聞こえて面白いことになるからよ」
アルミン「ははっ、それは間違いないね」
演習開始まで5秒
ユミル「おっ、そろそろ始まるな」
クリスタ「なんだか緊張してきたね」
演習開始まで1秒
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- 6 : 2020/03/02(月) 22:21:29 :
穏やかな雰囲気の待機場から画面は一転し、遥か上空を大型のヘリコプターが12人のプレイヤー達を乗せて、絶海の孤島の端から猛スピードで前進し始めた。
各々の画面右上のミニマップには黄色の点線の飛行ルートが表示されている。
この時、ヘリコプターから降下するまでには10秒間の猶予があった。
エレン「さーて、どこに降りよっかな」
コニー「お?まだエレンの声が聞こえてくるけど、ゲーム始まったのにこれは大丈夫なのか?」
アルミン「ゲーム開始直後のヘリコプター内では、互いに付近チャンネルを付けてる場合は敵の声が聞こえるんだよ。まぁ、一度ヘリから飛び降りたら着陸後に再接近するまで聞こえなくなるけどね」
コニー「そーいうことか。ありがとよ、アルミン」
アルミン「礼には及ばないよ。じゃあ、僕は先に失礼するね。戦場でまた会おう」
コニー「おう!」
プレイヤー達はミニマップを確認して、自分が着地したい場所にそれぞれ青いピンを刺し、好きなタイミングで目的地へと飛び立っていった。
ヘリコプターのキャビン内の人数は次々に減っていき、ついに全員が大空を舞った。
ある者は遠くへ降りるために体勢を地面と平行にしてスピードを緩め、またある者は近くへ降りるために体勢を地面に垂直にしてスピードを上げていく。
このゲームでは、着陸後にいかに早く島に落ちている物資を拾い集め、自分の装備を充実させるかが鍵となるため、なるべく装備が整っていない序盤では戦闘を避けるのが賢明である。
また、それらの物資は建物の屋内でしか手に入らないため、最初は建物が密集している場所に降りることが重要だ。
陸地へと急降下したプレイヤー達のパラシュートが開かれると、ゆったりと建物に近づいていった。
全員が無事に着陸し、いよいよバトルロワイヤル、荒野行動の幕開けである。
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- 7 : 2020/03/02(月) 22:25:25 :
と、なるはずだったが、この時にエレンだけがパラシュート降下中、回線の接続不良が起こり、画面が再接続中の画面に切り替わってしまった。
エレン「おいおいマジかよ!初っ端からこれは勘弁してくれ!」
1分ほど再接続に時間を要して、今度こそ無事に地面へ着地成功したのだった。
エレン「思わぬハプニングで足止めをくらっちまった!とりあえずトレインステーションのマンションに到着は出来たから良しとするか」
通称マンションと呼ばれる、その青い四階建ての大きな建物は〈激戦野原〉のマップ内では最も物資が豊富な建物であり、そこの屋上からの見晴らしの良さは索敵を有利にするため、非常に人気が高い場所である。
エレン「ここは結構ホットスポットだから誰かと遭遇するかと思ったけど、意外と誰も来てないみたいだな」
エレンはマンションの屋上からトレインステーション全体を見渡して安全を確認すると、物資の収集に努めた。
しかし、動かなくなった列車や青いコンテナ、鉄塔の上、大型倉庫の中など隅々まで丁寧に物資を漁っていくが、強力な武器は見つからず、ハンドガンのP9と鉄製のシャベルしか見つけられなかった。
エレン「一体どうなってやがんだ!?これだけ漁り回ってこれっぽっちかよ!」
苛立って近くの集落へ物資を求めて移動しようとしたその瞬間、エレンの背後から7.62mmの銃声が鳴り響いた。
エレン「今の発砲音は!?」
エレンは即座に反応して、コンテナの陰に身を隠すと銃声がした方向を確認した。
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- 8 : 2020/03/02(月) 22:28:15 :
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ジャン「よぉ、エレン。逃げ回るしかない無力な獲物になった気分はどうだ?」
そこには高火力なアサルトライフルのAK47を二丁携えながら、付近チャンネルで実に愉快そうに語りかけてくるジャンが立ちはだかっていた。
エレン「お前もトレインに降りてたのかジャン!どおりで物資が全然無かったはずだ!」
ジャン「ああ、お前がノロノロとパラシュート降下してる間に強力な物資は全部頂いたぜ」
エレン「俺はパラシュート降下中に再接続になってたんだよ!」
ジャン「はっ、そんなこと知るか!運も実力のうちだ!」
威力、連射速度、射程距離。
どれをとってもハンドガンのP9がアサルトライフルのAK47とまともに撃ち合って勝てる要素など見つからない。
絶対絶命のエレンに今出来ることは、ただひたすら逃げ回ることしか無かった。
ジャン「そーら、狩りの時間だ!せいぜい俺を楽しませてくれよ!」
先ほど発砲したAK47のリロードを終えると、ジャンはエレンが隠れるコンテナへと乱射した。
コンテナ自体は破壊不可能なオブジェクトのため、本来なら撃つ必要は無いのだが、獲物であるエレンにプレッシャーを与えるという意味では効果的だった。
エレン「くそったれ!」
ジャンの挑発行為に我慢出来ずにエレンはコンテナの陰から飛び出して、近くの通称豆腐ハウスと呼ばれる白くて低い建物へと逃げ込もうとした。
しかし、更にジャンの挑発行為はエスカレートしていき、エレンの腰の後ろにぶら下げた鉄製のシャベルに集中砲火を浴びせた。
このシャベルには特殊効果があり、被弾した際に弾を弾いてダメージからプレイヤーを守ってくれるというものがある。
これは殺そうとすればいつでも殺せるという最大級の挑発行為とエレンは受け取った。
エレン「舐めた真似しやがってあの野郎!絶対に許さねぇ!」
ジャン「おら!おら!おら!ゴキブリのように逃げ惑え!」
変わらずジャンの銃弾の嵐が猛威を奮う。
だが、逃げ惑うエレンの視界の片隅に起死回生のチャンスが転がり込んできた。
エレン「あれは…!」
エレンはそれを入手すると、二連大型倉庫横の塀裏を防壁にしながら、通称高級ハウスと呼ばれる二階建ての建物へと間一髪逃げ込んだ。
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- 9 : 2020/03/02(月) 22:34:19 :
ジャン「おいおい、苦肉の策で二階に篭るつもりか?篭ったところでハンドガン一丁のお前に今さら何が出来るっていうんだよ?」
余裕綽々でその建物へと踏み入るジャンに対して、エレンは二階の一番奥の赤いソファーの裏で息を潜めた。
一階から二階に繋がる唯一の階段をゆっくり登ってくるジャンはエレンに提案を持ちかけてきた。
ジャン「なぁエレン。お前に好きな死に方を選ばせてやるよ。一つ目は俺のAKで蜂の巣にされる。二つ目はあの鉄塔から飛び降りて自殺する。もちろん、鉄塔を登る途中に抵抗するようなら銃殺刑だけどな。さあ、どっちか好きな方を選びな」
エレン「……そうだな。じゃあ選ばせてもらう」
ジャン「ほう、やけに素直じゃねーか?で、どっちにするんだ?」
エレン「三番目の…お前が爆死するをな!」
ジャン「はぁ?俺が死ぬだと?何をワケ分かんねーこと言ってんだ?」
エレン「ジャン、そこの段ボールの裏に赤い箱があるだろ?」
ジャン「赤い箱?」
ジャンが登り終えた階段の横に置いてある3、4個の段ボールの裏には赤い箱が紛れていた。
ジャン「ちょっ、おまっ……!」
エレン「獲物を前に舌舐めずりは三流のすることだ」
ジャン「クソがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
危険を察知したジャンは二階の近くの窓枠から急いで飛び降りようと背を向けたが、エレンはすかさずハンドガンのP9でその赤い箱、つまりガソリンタンクを撃ち抜いた。
一発の9mmの弾が命中した瞬間、ガソリンタンクは大爆発してライフ最大だったジャンを一瞬で葬り去った。
絶対駆逐マンがジェリ缶の爆発でキタジャンブラックを倒した(3m)-第12位にランクインしました
エレン「いや〜、今のはマジで危なかったな。ガソリンの爆発範囲が広いから俺にも若干ダメージ入って、あと一発でもAKに撃たれてたら確実に死んでた。サンキューなシャベル!」
エレンの残りのライフは10%を切っていた。
残りの生存者は11人。
誰かが死亡した場合は、それがキルログとして全てのプレイヤー達に通達される。
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- 10 : 2020/03/02(月) 22:37:49 :
ライナー「おっ、早速エレンがジャンを殺ったか。だが、まさか最初の死亡者がガソリンで爆死とはな」
マップ右下にあるコースタルタウンで物資を漁っていたライナーが他人事のように呟いていた。
ライナー「ぼちぼち装備も整ったし、あのジープで移動するか」
そうしてライナーがそのジープに乗った瞬間、運転席に一発の銃弾が撃ち込まれた。
スナイパーライフルのKar98kがライナーの頭を直撃したのだった。
ライナー「くっ!どこから撃たれた!?」
不幸中の幸いで、ライナーはヘルメットLv.3を装備していたおかげで即死は免れた。
だが、この攻撃でライフを8割くらい削られたせいで、次は胴体に一発でも掠めれば死に至る。
ライナー「とにかく敵の居場所が分からない以上、下手に動けん。ここは車で一時撤退だ」
ライナーは瀕死の状態で何とかコースタルタウンからの脱出を試みる。
しかし、今度はアサルトライフルの95式の弾幕がライナーの車体を襲う。
ライナー「うおっ!なんて執着心だ!頼むから見逃してくれ!」
大量の弾丸を浴びた車体から黒煙が上がってくると、ライナーは車から飛び降りた。
そして、すぐに近くの木の裏に避難すると、10%程残ったライフの回復を始めた。
ライナー「危なかった。あのまま車に乗り続けていたら、俺も今頃はジャン同様に爆死してたところだったぜ。医療箱で全回復したら今度はこっちの反撃だ」
医療箱で全回復するためには10秒程かかるため、その間は無防備な状態でその場に居座ることになる。
だが、この隙を敵は見過ごしてはくれなかった。
ライナーが隠れている木に握り拳ほどの大きさの黒い球体が飛んで来た。
ライナー「グレネード!?」
回復中のライナーはその爆発の衝撃波をもろに受けて吹き飛んだ。
年中無休マフラーが破片手榴弾で弾丸ライナーを倒した(54m)-第11位にランクインしました
ミカサ「時に爆発は芸術だけど、今のは汚い花火だった」
ミカサは倒したライナーの物資を速やかに漁り、コースタルタウンを後にした。
残り生存者は10人。
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- 11 : 2020/03/02(月) 22:40:25 :
そして、この時ついに最初の安全地帯がランダムで決定され、安全な白い円と危険な毒ガスの赤い円が発生した。
プレイヤー達はこの白い円の内側で行動していればダメージを受けないが、赤い円の外側に出ると毒ガスによってダメージを受けることなる。時間の経過と共に外側の赤い円が徐々に狭まっていき、内側の白い円に完全に重なった直後、さらに白い円が小さくなっていくという流れを繰り返す。これらの二つの円が小さくなればなるほど、縮小スピードと受けるダメージ量が増加する。
アニ「ここは物資が豊富でかなり装備も整えられたし、安全地帯(以下、安地)にも恵まれたようだね」
マップ右上にあるイーストピアーで物資を調達していたアニは、近くの車庫に納車されていたバギーに乗ると、南側の橋へと向かった。
アルミン「ついに安地縮小が始まったか。マップ右上のパワープラントとイーストピアーの方に大きな白い円が現れたから、ボートで海を越えるか車で橋を渡っておく必要がありそうだ」
マップ左下のオールドタウンで物資を収集していたアルミンは、冷静に次の行動を計画していた。
アルミン「いや、橋での待ち伏せ。いわゆる、検問をされたら厄介だから、やはりボートで海を越えた方がいいかな」
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- 12 : 2020/03/02(月) 22:43:11 :
マップ中央の山岳地帯。
コニー「くっそー!パラシュートの操作がよく分かんなくて建物が全然無い山に降りちまった」
コニーはオールドタウンとトレインステーションの中間にある山の中腹に降りていた。
コニー「おっ?こんな山の中にトンネルがあるぞ!」
コンクリートで整備された、人が余裕で通れるくらいの山のトンネルにコニーは入っていった。
コニー「トンネルの中は薄暗いけど、物資も結構落ちてるしラッキーだぜ」
しばらくトンネル内を探索していると、ミニマップに赤い足音マークが現れた。
コニー「足音?俺の他にも誰かいるのか!?」
コニーは拾ったばかりのサブマシンガンのMP5を片手に警戒しながらトンネル内を進んで行く。
しかし、足音は一瞬で消えて敵の気配は感じられなくなった。
コニー「敵もこちらに気付いてトンネル内に隠れたな」
静まり返ったトンネル内に緊張が走る。
目の前には左右に分かれた通路があるが、どちらから敵が出てくるかは分からない。
コニー「どっちだ?右からか?左からか?」
サシャ「後ろですよ」
コニー「なっ!?」
突然、背後からサシャの声が聞こえて急いでコニーは振り向くが、勝負はすでに決っした。
サシャが放った一発のクロスボウがコニーの頭を捉えたのだ。
ミートイズジャスティスがクロスボウで天才こにー君を倒した(5m)-第10位にランクインしました
サシャ「あなたがこのトンネルに向かって来るのが見えたので箱の裏に隠れさせて貰いました。私の横を通り過ぎても全然気付かないものだから笑いを堪えるのが大変でしたよ」
サシャは冷ややかな笑みを浮かべて、クロスボウを捨てる。
ここは血に飢えた冷徹なハンターの狩場だったのだ。
サシャ「さて、楽しい戦利品の剥ぎ取りタイムです」
残りの生存者は9人。
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- 13 : 2020/03/02(月) 22:44:57 :
クリスタ「人がどんどん死んでいく……。いくらゲームとはいえ、仲間同士で殺し合うなんて嫌だなぁ……」
クリスタは人を殺す残酷なゲームに抵抗があったため、武器を見つけてもあえて拾わなかった。
クリスタ「このまま誰も傷つけずに終われたらいいんだけど」
戦闘意欲がまるで無いクリスタは、道端に停車してある車両を見つけては乗り換えるを繰り返し、マップの整備された道に沿って走り回っていた。
ユミル「クリスタは今頃どの辺にいるんだ?あいつは敵を発見しても攻撃しなさそうだから、案外長生きするかもな」
ユミルは名も無い小規模な集落を中心に物資を集めて、パワープラント方面の安地に向かってバイクを走らせていた。
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- 14 : 2020/03/02(月) 22:46:07 :
ベルトルトはマップ左側にあるウェストピアーで物資を収集していた。
ベルトルト「おっと、次の安地は真逆の位置だから遠いな。早めに移動しなきゃ」
ベルトルト「ん?ヘリコプターの音がする!近くに補給物資を落とすかもしれないから、上空を確認しておこう」
先ほど12人を乗せていたヘリコプターが島に再び姿を見せた。
そのヘリコプターが島のどこかに補給物資と呼ばれる貴重な武器や防具などの入った大きな木箱をパラシュートで降下させる。
その箱は着陸後に自動的に黄色い煙を空高くまで舞い上げることにより、プレイヤー達に落下場所を知らせ、その貴重な物資を巡って戦闘をより一層激化させることになる。
ベルトルト「あっ、落とした!あれはここから一番近い麦畑くらいに落ちそうだ」
ベルトルトはバギーに乗り込むと、真っ先に補給物資へと向かって行った。
しかし、その補給物資を発見したプレイヤーは他にもいた。
マルコ「あれは補給箱!取りに行かなきゃ!」
ウェストピアー近くの集落にいたマルコもまた補給物資へ一直線に走り出した。
ベルトルト「あっ!誰かが補給物資に向かって走って来てる!譲るものか!あの物資は僕の物だ!」
ベルトルトはバギーを加速させると麦畑の中を走るマルコに急接近した。
マルコ「うわ!?車がこっちに向かって走って来てる!僕をこのまま轢き殺すつもりだな!」
マルコは麦畑の中にある遮蔽物を利用して身を隠すと、ベルトルトはそのまま全速力でその遮蔽物の横をバギーで通過した。
マルコ「逃がすものか!くらえ!」
マルコは自分の横をすれすれで横切っていったバギーの車体後部に弾丸の嵐をお見舞いした。
アサルトライフルのM4A1を30発撃ち切ると、バギーは黒い煙を上げて停車した。
マルコ「よし!後はリロードして数発撃ち込めば爆破出来る!」
マルコはM4のリロードを終えると、容赦無くバギーを追撃して爆破させた。
だが、運転手は死亡しなかった。
マルコ「何だって!?なぜ運転手は車体が爆発したのに死なないんだ!?」
ベルトルト「死なないさ。だって僕はここにいるんだからね」
マルコ「べ、ベルトルト?」
ベルトルト「お疲れ様、マルコ」
ベルトルトはマルコの背後からぬらりと姿を現して、困惑しているマルコの後頭部にアサルトライフルのM27で赤い花を咲かせた。
冷や汗ソルジャーがM27で困る子を倒した(3m)-第9位にランクインしました
ベルトルトはマルコが隠れた遮蔽物に接近した時、横を通り過ぎる直前で車から飛び降りていたのだった。
ベルトルト「今のはヒヤヒヤしたよ。一か八かの賭けだったからね」
ベルトルトはプレイヤー名通り冷や汗を流すと、マルコの物資を漁ってから補給物資に近づいた。
ベルトルト「さぁ、何が出るかな?」
その補給物資の中身を確認すると、ヘルメットLv.3、ボディーアーマーLv.3、バックパックLv.3と医療箱3個が入っていた。
ベルトルト「防具とバッグと回復薬だけかぁ……。命懸けの戦利品としては少し期待外れだなぁ」
ベルトルトは文句を言いつつも全て回収して安地へと向かった。
残りの生存者は8人。
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- 15 : 2020/03/02(月) 22:52:18 :
サシャ「後はここの橋を越えて、イーストピアーとパワープラントの中間にある山頂を陣取れば、身の安全を確保出来そうですね」
サシャはトレインステーションを横切りイーストピアーに近い方の橋をピックアップトラックで通過しようとしていた。
ここまで概ね順調に進んできたサシャだったが、ついに彼女にも試練が訪れた。
サシャ「あっ、あれは……!」
サシャの眼前に広がっていた光景は絶望的なものだった。
橋の出口が数台の車で通行止めにされている、いわゆる《地獄の検問》である。
橋の向こう側に渡るには、この検問をした本人を倒すか、橋の上から海に飛び込んで自力で泳いで上陸するか、引き返してボートで迂回するかの3択になる。
サシャ「くっ!なんて迷惑な行為を!」
もちろんサシャの不満の声は検問の主に届くことは無く、毒ガスエリアだけが徐々に迫って来ていた。
アニ「やっと通行人のお客さんが来てくれたようだね。ふふっ、そんな恨めしそうに立ち往生されると頑張って車を集めた甲斐があったってもんだよ」
スナイパーライフルのCSLR4を匍匐の状態で構え、それに装着した8倍スコープでサシャの様子を観察しながら、アニはこの状況を心底楽しんでいた。
サシャ「次の安地縮小が始まっているし、いつまでもここにいるわけにはいきませんね。蛇行運転で被弾回避して、接近戦に持ち込むしか勝機は無さそうです!」
強行突破の覚悟を決めたサシャは最大加速で検問へ立ち向かう。
アニ「せっかくの検問なんだ。たっぷりと遊ばせてもらうよ」
しかし、圧倒的に有利な位置を占めているアニは、あえてサシャ本人を狙わなかった。
まずはサシャの運転するピックアップトラックの右側の前輪を狙撃する。
その弾が命中するとタイヤが破裂してスピードが格段に落ちた。
サシャ「酷い!タイヤを狙って私の足を奪う気ですね!?」
そして、間髪入れずに左側の前輪も撃ち抜かれてパンクした。
これでその車は方向転換する能力を失ってしまい、ゆっくりと直進することしか出来なくなった。
こんな鈍い車に乗り続けていれば簡単に頭部を狙撃されてしまうことを察したサシャは、直ちに車を降りて車体の後部に回り込んで身を隠した。
アニは続けて後部のタイヤも二つ破裂させて、サシャの車から完全に移動能力を奪った。
サシャ「この車はもう動けない。でも、生身で走って渡るには遮蔽物が無さ過ぎて簡単に狙撃されてしまう。一体私はどうすれば……」
このピンチを切り抜ける方法を必死で考えていると、サシャは一つの突破口を閃いた。
サシャ「あっ!まだありました!私がこの状況を打開する手段が!」
サシャは手持ちの全ての毒ガス弾をがむしゃらに検問車へ向けて投げつけた。
計5個の毒ガス弾が次々に炸裂する。
これらは検問車の一番奥に潜んでいたアニに直接ダメージを与えなかったものの、画像処理が重くなりアニの照準はスローモーションになり、またサシャの走りも一定距離をワープしているかのようにアニの画面には映っていた。
アニ「大量の毒ガス弾でわざとラグを引き起こして活路を見出してきた!?」
この奇策にまんまと嵌まったアニは、ジグザグに走るサシャを上手くエイムで捉えることが出来ずに接近を許してしまった。
サシャ「検問の犯人見つけましたよ!こんなところからよくも狙撃してくれましたね!」
アニ「なんてすばしっこい奴だ!この私のエイムがまるで追いつかないなんて!」
未だラグで態勢を立て直せていないアニに対して、サシャは一気に距離を詰めて至近距離からアサルトライフルの81式で三連バーストを頭に叩き込んだ。
サシャ「これでもくらわんかぁぁぁぁぁいっ!!!」
サシャは訛り全開の雄叫びと共にアニを屠った。
ミートイズジャスティスは81式でキューティーアニーを倒した(5m)-第8位にランクインしました
サシャ「っしゃぁぁぁぁぁぁ!!!賞品は私のもんじゃぁぁぁぁぁい!!!」
野生児の叫び声が橋に轟いた。
残りの生存者は7人。
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- 16 : 2020/03/02(月) 22:56:42 :
マップ右上の離島への橋はもう一つあった。
ユミル「あー、全然敵と遭遇せずにここまで来ちまった。私も派手にドンパチやり合いたいんだけどなー」
ユミルは退屈そうに通称ヤオタイと呼ばれるバンでその橋を渡っていた。
すると、ユミルの後方から二輪バイクが橋を渡ろうと近づいて来ていることに気づいた。
ユミル「おっと!ようやく私にも戦うチャンスがやって来たか!」
ユミルは橋の中央でバンを停めると、近くにある青い廃車の裏に隠れた。
ユミル「ここから先はタダでは通さねえ!通行料はお前の命だ!」
ユミルは本戦初の接敵で血が騒いでいた。
だが、橋を渡ろうとしていた敵はユミルの乗り捨てたバンに気づいたせいか、橋の入り口の直前で停車した。
ユミル「ちっ、用心深い奴だな。残りの生存者から察するにアルミンかミカサってところか?」
そして、そのバイクが再び走り出すと信じられない行動を起こした。
橋の両端にある50cm程度の幅しか無い鉄骨の上を登り始めたのだ。
ユミル「嘘だろ!?あんなところ登れるのかよ!?」
そのバイクはユミルの頭上20mくらいの鉄骨の上をスピードを緩めずに通過していく。
ユミルはその華麗なドライビングテクニックに魅了されて銃撃することを忘れていた。
ユミル「あんなの見せられたら戦う気も起きねーわ。どうぞご自由にお通りくださいって感じだ」
ユミルはその場に呆然と立ち尽くして、例のバイクの後ろ姿を見送った。
クリスタ「あ〜怖かった〜!今の橋にいたの誰だったんだろ?何とか逃げ切れて良かったけど」
この離れ技をいとも簡単にやってのけたは、ずっと逃げ回っていたクリスタだった。
誰とも戦闘せずに様々な乗り物を乗り回していたおかげで、彼女の運転技術はこの短時間で飛躍的な成長を遂げていた。
ユミル「なんかもう乗り物を運転する自信失ったし、安地は近いから走りでいいか」
そう言うとユミルは乗って来たバンを腹いせのつもりで全弾命中させて爆破すると、橋の出口へとランニングで向かった。
しかし、それは致命的なミスだった。
先ほどの橋の入り口から新たな敵車両が迫って来ていたのだ。
ユミル「なんつー嫌なタイミングで来やがる!やべー!このままじゃ轢き殺される!」
ユミルは中途半端に走りで橋の出口へと向かったせいで、近くに身を守る遮蔽物が見当たらなかった。
ユミル「こっちは散々苦労して物資集めてまだ一発も撃ってないんだぞ!こんなところで死んでたまるか!」
一番近い遮蔽物に隠れるまでにもう時間が無いと判断した結果、橋の下に広がる海へ飛び込むことを決意した。
ユミル「一度海に潜っちまえば見つからないはずだ。その後は泳いで上陸すればいい」
このゲームではどんな高所から飛び降りても、海に着水さえすればダメージは受けない。
ユミルは最寄りの柵を乗り越えて躊躇なく100m以上はある高さから海へとダイブした。
ユミル「っと、無事に着水完了だ。毒ガスエリアも迫って来てるし、流石に橋の上から追い撃ちはかけてこないだろ」
ユミルは敵に見つからないように水中を平泳ぎで陸を目指した。
-
- 17 : 2020/03/02(月) 22:59:56 :
エレン「今200mくらい先で誰かが橋から飛び降りたよな?倒しに行くか?いや、そんなことより今は安地内の強い位置取りが優先事項だ!」
エレンはユミルを追撃せず、セダンで橋を渡っていった。
ユミル「どうやら私に構わず通り過ぎてくれたようだ。上陸後は橋の近くの集落に敵がいるかもしれないから警戒しないとな」
上陸後のプランを立てていると、一隻のボートが接近していることに気がついた。
ユミル「ちっ、今度はボートか。次の安地がこの離島に決まったから続々と集まって来たな。でも、水中に潜ってやり過ごせば問題無いはずだ」
しかし、そのボートが陸に乗り上げると、運転手はすぐに内陸の方へ向かわず、しばらく沿岸部に留まり続けた。
ユミル「何してんだあいつ!?早くどっか行けよ!じゃないと私が上陸出来ないだろうが!」
そのプレイヤーは銃口を海岸線に向けて辺りを見渡している。
アルミン「橋で検問されることを恐れてボートか泳ぎで来るプレイヤーがきっといるはずだから、ここでしばらく警戒しておこう」
アルミンは自分と同じように海を渡って来る他のプレイヤーがいないか念入りにチェックしていたのだった。
ユミル「クソッ!もう息が続かねぇ!一旦海面に浮上して呼吸しないと酸素ゲージが切れちまう!」
ユミルは長時間潜水したせいで、肺の酸素ゲージが切れてじわじわとダメージを受けていく。
それから少しして、アルミンは一通り索敵を済まして満足したのか、内陸の方へ走って行った。
アルミン「う〜ん、結局誰も来ないかぁ。ということは、僕が一番最後にここの島に来たってわけか」
ユミルは運良くアルミンに見つからずに水中でやり過ごすことが出来た。
ユミル「ふぅ〜、あっぶねー。後5秒でも長く索敵されてたら酸素切れのダメージで死んでたな」
ユミルは急いで海面に浮上して酸素を取り込み、応急処置キットとスポーツドリンクでダメージを回復した。
ユミル「よし!上陸したら今度は私が無警戒なあいつの背中を撃ち抜いてやる!覚悟しとけよ!」
と、思った矢先に、ユミルの後方から別のボートがやって来たせいで、ユミルの方向を振り向いたアルミンと目があってしまった。
アルミン「ん?」
ユミル「あっ…」
アルミン「あはっ、見ーつけた」
ユミル「ちょ、待っ!」
アルミンは水中で攻撃出来ない無抵抗なユミルを容赦なくフルカスタムされたアサルトライフルのM27で銃撃した。
イジメダメゼッタイはM27でユー民を倒した(16m)-第7位にランクインしました
残りの生存者は6人。
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- 18 : 2020/03/02(月) 23:03:20 :
-
続けざまにアルミンはユミルを発見するきっかけとなったボートに対してM27のグレネードランチャーで破片手榴弾を撃ち込む。
アルミン「ひゃっはー!汚物は消毒だぁ!」
それはボートのわずか右に逸れて着弾はしなかったが、十分な危機感を与えた。
ベルトルト「うわぁ!海岸からグレネードランチャー!?」
ベルトルトは最寄りの海岸への上陸を避けて、イーストピアー方面の海岸へ迂回を試みる。
アルミン「逃がさないよ!絶対にここで仕留める!」
だが、アルミンは執拗にベルトルトのボートを射撃して爆破を狙う。
ベルトルト「ヤバい!黒い煙が出てきた!もう少しだけ耐えてくれ!」
爆発寸前の状態まで追い込まれたボートは、辛うじてアルミンの射線を切れる岩場まで逃げ切ることに成功した。
ベルトルト「はぁ〜、ギリギリセーフだ。まさかあんなところで待ち伏せているなんて思わなかった」
ベルトルトはそのボートを乗り捨てて、岩場を登って陸地へ上がる。
ベルトルト「さっきの敵とは結構距離を取ったから大丈夫だろう。でも、他の敵が今の銃声やボートの音を聞きつけて集まってくるかもしれない」
ベルトルトは冷静に状況を整理して、次の行動を考える。
ベルトルト「まずは高いところを陣取って、登って来る敵を見下ろせるようにしよう。そろそろ索敵もしっかりしないとね」
アルミンの襲撃で負ったダメージを回復していると、セントラルシティ方面から一隻のボートが接近してきた。
ベルトルト「おやおや、今度は僕のターンってことかな?悪いけど、ここで死んでもらうよ」
ベルトルトは不敵な笑みを浮かべて、そのボートを迎撃する。
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- 19 : 2020/03/02(月) 23:07:28 :
だが、そのボートは逃げようとせずに海上で停止した。
ベルトルト「あれは降参のつもりかな?じゃあ、最後は綺麗にヘッドショットで終わらせてあげるよ」
ベルトルトはアサルトライフルのM16A4を仕舞って、スナイパーライフルのゴールデンクマに持ち替える。
そして、8倍スコープでそのボートの運転手の頭に照準を合わせると、ベルトルトは呟いた。
ベルトルト「お疲れ様」
一発の銃弾が、その運転手の頭を撃ち抜く。
……はずだった。
ベルトルト「なっ!?」
しかし、ベルトルトが撃った弾が頭に命中する寸前のところで、その運転手は助手席側に乗り移ったのだった。
ベルトルトは奇跡的な回避をされて焦ってしまい、次弾の狙撃の前にリロードを挟んでしまった。
ベルトルト「ははっ、流石に今のは驚かされたよ。でも、次は外さないよ」
リロードを終えたベルトルトは再び8倍スコープを覗いて、例の運転手の頭に照準を合わせる。
ベルトルト「えっ」
だが、そのスコープの先には、すでにこちら側に銃口を向けている姿が映っていた。
ベルトルト「ははっ!この僕と撃ち合うつもりか!いいだろう!受けて立つ!」
ベルトルトは相手の胴体に一発命中させた。
ベルトルト「よし!あと一発当てれば僕の勝ちだ!Lve.3ヘルメットも装備してるし負ける要素が無い!」
ベルトルトはすぐさまトドメの2発目をお見舞いしようとスコープを覗き込むが、凄まじい轟音が彼に沈黙をもたらした。
ミカサ「降りかかる火の粉は払うだけ」
例のボートの助手席から、ミカサが最強のスナイパーライフル、AWMで冷静にベルトルトの頭を一撃で撃ち抜いたのであった。
年中無休マフラーはAWMで冷や汗ソルジャーを倒した(243m)-第6位にランクインしました
ミカサ「早く安地へ入らないと」
ミカサはベルトルトから撃たれたダメージを回復してからボートで上陸した。
残りの生存者は5人。
-
- 20 : 2020/03/02(月) 23:10:26 :
サシャ「ふっふっふっ、残り5人ですか。そろそろ私の勝利が見えてきましたね。ここは安地に入ってるし、このまま隠れ続けて、敵同士が戦闘中のところを漁夫らせてもらいますよ」
サシャは補給物資から入手した緑色のギリースーツを身に纏い、草木の濃い山頂にて匍匐待機していた。
それは近くでよく目を凝らして見なければ視認出来ないほどに、自然に溶け込んでいる。
そのまましばらく隠れていると、サシャの近くに乗り物の接近音が現れた。
サシャ「ん?車の音ですか?まぁ、スルーしていいでしょう。自然と一体化した今の私を見つけることなんか出来るわけがないですからね」
その運転手はクリスタだった。
先ほどの橋をバイクで渡り、そのまま山の近くまで来ていたのだ。
クリスタ「うーん。安地には入ったけど、これからどこに行けばいいのかな?もうかなりエリアも狭まってきて、これ以上乗り物で逃げ回るのも厳しそうだよね……」
クリスタはここまで運良く生き残ってきたが、安地が狭いゲーム終盤では戦闘を余儀無くされるため不安に駆られていた。
クリスタ「とりあえず、先に敵を見つけて逃げられるように、あの見晴らしの良い山頂で隠れてようかな」
そうしてクリスタはサシャが潜伏している山頂へと向かうことにした。
サシャ「おっと、あんなところにパワープラントに向かって走ってる人がいますねぇ」
サシャは草むらの中から、8倍スコープを装着したスナイパーライフルのCSLR4で、そのプレイヤーの後ろ姿を観察していた。
サシャ「くぅ〜、撃ちたい!私の中の狩猟本能があいつを撃てと訴えかけてきます!でも、今は我慢です!確実に仕留められる立ち止まった瞬間が訪れるまでの辛抱です!」
サシャはスコープで遠方の敵を追いかけることに夢中になり、周囲の警戒を疎かにしていた。
と、その時、事故が起こった。
肩パンクイーンが乗り物の衝撃でミートイズジャスティスを倒した(1m)-第5位にランクインしました
クリスタ「えっ、ウソ!?今、私が誰かを轢いちゃったの!?」
バイクで山頂を目指して登って来たクリスタは、草に擬態していたサシャを偶然にも轢き殺したのだった。
残りの生存者は4人。
-
- 21 : 2020/03/02(月) 23:12:43 :
ミカサ「くっ!このままでは安地内に入る前に毒ガスのダメージで死んでしまう!」
ベルトルトとの戦闘で時間を取られてしまったミカサは、毒ガスエリアに苦しめられていた。
その上、イーストピアー周辺の車はアニが検問のために橋へ乗って行ってしまったせいで、上陸後のミカサは海岸沿いの道路に車を見つけられなかった。
ミカサ「車が全然無い……。しかも、次の安地は真逆の位置のパワープラント北部……。もう自分の足で走って行くには時間がかかり過ぎてHPがもたない。これまでか……。」
ミカサはスナイパーライフルのAWMを仕舞い、空を見上げて呟いた。
ミカサ「いい人生だった……」
だが、ミカサはふと思い出した。エレンのあの言葉を。
エレン『戦え!戦わなければ勝てない!』
ミカサ「ッ!……ありがとう、エレン。私はまだ諦めない。最後まで戦い続ける!」
ミカサはスポーツドリンクを4本一気飲みして移動速度と自然回復力を上げ、ガムシャラに安地に向かって走り出した。
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- 22 : 2020/03/02(月) 23:13:52 :
クリスタ「ああ、私はなんてことを……。ごめんね、サシャ……。殺すつもりなんてなかったの……」
クリスタは予期せぬ事故とはいえ、サシャを轢き殺した罪悪感に激しく苛まれていた。
クリスタ「絶対に私のことを怨んでるよね。あんなにサシャは優勝したがってたもん」
クリスタ「……決めた!私はこのゲームで優勝して、サシャに賞品をプレゼントする!それが、私に出来るせめてもの償いだから」
クリスタはサシャの木箱の中から本戦初めての武器を拾って、戦い抜く決意を固めた。
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- 23 : 2020/03/02(月) 23:14:39 :
エレン「誰もいないか…」
エレンはパワープラント中央にある4連マンションの青い足場が連結している屋上で敵を索敵していた。
そこは攻守に優れたパワープラント随一の強ポジである。
エレン「おっ!あれは!」
パワープラント近くの山から一機の無人偵察機(ドローン)が近づいて来た。
アルミン「敵、発見」
アルミンが操作するそれは屋上にいたエレンの姿を捉えた。
エレン「残りの生存者と慎重な索敵スタイルから察するに、あれはアルミンの仕業か?」
エレンはそのドローンをアサルトライフルのAKで撃墜しようと照準を定めるが、ハエのように俊敏に動くそれを捉えるのは至難の業であった。
エレン「チクショー!ちょこまかと動きやがって!全然当たりやしねぇ!」
試合終盤での安地が縮小されたエリアでは無闇な発砲は自分の居場所を他のプレイヤーに知られてしまうため、極力避けなければならない。
アルミン「よし、いいぞ。もっと撃つんだ。君がドローン撃墜に夢中になっている間に、他の敵が銃声を聞きつけて君と交戦する。そこを僕がまとめて倒す作戦だからね」
策士アルミンのこの陽動は極めて合理的な戦法であった。
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- 24 : 2020/03/02(月) 23:16:32 :
クリスタ「ん?パワープラントの方から銃声がした!誰か交戦中なんだ!」
アルミンの読み通りに銃声を聞きつけたクリスタがパワープラントへと接近して行く。
クリスタ「あっ!いた!誰かが屋上から銃を連射してる!」
クリスタは屋上のエレンを発見すると、木の裏に身を隠して、サシャの装備だったスナイパーライフルのCSLRを手に取る。
クリスタ「今しかチャンスはない。お願い!当たって!」
クリスタは8倍スコープで、動きながらドローンに銃撃しているエレンの頭に照準を定める。
クリスタ「今だ!」
クリスタが渾身の一撃を放った。
エレン「うわっ!?いきなり狙撃された!」
クリスタの狙撃はエレンの頭部には当たらなかったが、胴体に当たり、残りライフを大きく削った。
クリスタ「あっ!仕留め損ねた!」
エレンはドローン撃墜を中断して、屋上から屋内へと避難していく。
エレン「今のはどこから撃たれたんだ?ヘッドショットされなかったのは不幸中の幸いだが」
エレンはマンションの3階の窓から狙撃された方角を回復しながら見回したが、敵の位置は特定出来ずにいた。
アルミン「僕の作戦通りに別の敵がエレンを攻撃したか。今のでスナイパーのおおよその位置が分かったし、僕もそろそろ場所を変えて戦いに備えるとしようかな」
そうしてアルミンはエレンの陽動に使ったドローンを手元まで回収しようとしている最中、背後から何者かの気配を感じた。
ミカサ「あっ……敵、発見」
安地外の毒ガスエリアから命からがら走り抜けてきたミカサが、ちょうどドローン回収中のアルミンに遭遇したのだった。
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- 25 : 2020/03/02(月) 23:19:52 :
アルミン「ちょ、待って!タイム!今はドローン回収中で身動き取れないから!無抵抗だから!後生ですから命だけは!」
ミカサ「安心して。私はあなたを撃たない」
ミカサはそう言うと、手に持っていた95式を背中にしまった。
アルミン「あ、ありがとう。動けない敵を背後から撃ち殺すなんてミカサがするわけないよね?信じていいんだよね?」
アルミンは冷や汗をかきながらドローンの回収作業を続ける。
ミカサ「ええ。私はこっちでいかせてもらう」
ミカサは腰にぶら下げた赤いレンガを手に取って、頭上に振りかざす。
アルミン「えっ?」
ミカサ「この世界は残酷だ。そして、美しい」
年中無休マフラーが近接武器(レンガ)でイジメダメゼッタイを倒した(1m)-第4位にランクインしました
残りの生存者は3人。
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- 26 : 2020/03/02(月) 23:20:59 :
クリスタ「私を含めてあと残り3人か。敵はエレンとミカサだよね。強そうな2人が残っちゃったけど、頑張らないと」
クリスタは山の木陰からパワープラントの建物に近づこうとすると、突如、右上のマップが黄色に染まった。
クリスタ「え?何これ?まぁ、いいや。早く建物の中に入って一旦落ち着こう」
そう言って数メートル走った次の瞬間、クリスタは即死した。
肩パンクイーンは爆撃の衝撃で死亡しました-第3位にランクインしました
最悪なことにクリスタはマップにランダムに発生する爆撃ゾーンに足を踏み入れてしまい、一発の爆撃が直撃したのだった。
これでついに残りの生存者はエレンとミカサの2人のみ。
最後の生き残りをかけた一対一の極限のサバイバルが幕を開ける。
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- 27 : 2020/03/02(月) 23:22:15 :
エレン「後はアルミンを倒したミカサだけか。あいつとは一番戦いたくなかったが、仕方ない。やるしかねえ」
エレンは再び索敵に有利なマンションの屋上から周囲を見回す。
ミカサ「エレン。あなたは私の手で倒す」
ミカサはアサルトライフルの95式をリロードすると、見晴らしのいい鉄塔を目指した。
ここまでの戦績を振り返ると、エレンが倒したのはジャン1人。
それに対して、ミカサはライナー、ベルトルト、アルミンの3人。
キル数で見れば3倍の差がある。
これが果たして最後の一騎討ちに力の差として表れるのだろうか。
試合が終盤に差し掛かり、安地縮小回数が残り3回ほどになると、身を隠せる建物や遮蔽物が限られてくる。
いつどこで敵と遭遇するか分からない。
突然死角から弾丸が飛んでくるかもしれない。
一瞬も気が抜けず、自然と呼吸は浅くなり、心拍数が上昇する。
このゲームが最も緊張感を醸し出す時間帯である。
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- 28 : 2020/03/02(月) 23:23:43 :
-
エレン「流石はミカサだ。屋上からの索敵で簡単に見つかるような安易な立ち回りはしないか」
エレンは陣取っていたマンションが次の安地から外れたのを確認すると、速やかに次の安地内の建物へと移動する。
ミカサ「ついてる」
幸運なことにミカサが陣取った安地は次の安地に入っていた。
そして、ついにミカサの鷹の目が塀伝いに移動する獲物(エレン)を発見する。
ミカサ「やっと見つけた」
ミカサはすかさず最強のスナイパーライフルのAWMに持ち替えて、その獲物に照準を定めた。
エレン「一体どこに潜んでるんだ?」
エレンは自分が発見されたとはいざ知らず、慎重に中腰姿勢で塀の裏側を歩いていく。
ミカサ「これで終わり」
ミカサは塀の上に少しはみ出しているエレンの頭に即死の弾丸を撃ち込んだ。
AWMの凄まじい轟音がパワープラントに鳴り響く。
エレン「うお!?撃たれた!」
だが、エレンはまだ生きていた。
ミカサ「避けられた!?」
偶然にもミカサが撃つと同時にエレンは操作ミスで匍匐に切り替わったおかげで被弾を免れたのだった。
自分の位置がバレたミカサはすぐさまアサルトライフルの95式に持ち替えて塀に向かって威嚇射撃をお見舞いし、間髪入れず毒ガス弾を投げつける。
エレン「ちくしょう!全く反撃する隙が無え!ここは一時撤退だ!」
エレンは即座にスモークグレネードを投げ、煙幕に紛れてその場を離れた。
ミカサ「絶対に逃がさない」
ミカサは鉄塔の頂上から最小限の落下ダメージで地面に着地すると、すぐさまエレンの後を追う。
-
- 29 : 2020/03/02(月) 23:26:44 :
最強のスナイパーライフルを所有するミカサと屋外の中遠距離で真っ向勝負をするのは分が悪いと踏んだエレンは、近くの屋内に駆け込んだ。
屋内は最初に陣取った者が有利な位置から待ち受けることが出来るので武器の性能差を埋めてくれる。
エレン「とりあえず二階を陣取ったが、あのミカサが無用心に突撃してくるわけないよな」
エレン「……そうだ。あの作戦でいくか」
すると、エレンはジャンを倒した時と同じように二階の階段の登ったところにガソリンタンクを配置した。
さらに、そこに覆い被さるように回復アイテムの応急処置キットを配置することによって、危険物のガソリンタンクの姿が見えなくなる。
これでガソリンタンクが誘爆用の罠と認識されて、遠くから破壊される可能性が大幅に減少する。
エレン「よし。準備完了だ。いつでもかかってこい!」
間も無くエレンのミニマップにミカサの足音マークが現れた。
その後、建物の一階の扉が開く音が聞こえる。
エレン「入って来た!」
だが、ミカサはなかなか二階に上がって来ない。
一階の一部屋一部屋を丁寧にクリアリングしているのだ。
エレン「まだ来ないのか。早く来てくれ……」
エレンはガソリンタンクに照準を絞りながら、固唾を飲んで頰に一筋の汗を流す。
そして、一階の足音マークが消えた。
ミカサが足を止めたのだ。
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- 30 : 2020/03/02(月) 23:28:27 :
エレン「なんだ?どうした?」
不穏な静寂の直後、グレネードが二階の階段横に飛んでくると、エレンの仕掛けたガソリンが誘爆された。
エレン「クソッ!見破られたか!」
さらに、スモークグレネードが投げ込まれ、ミカサが階段を駆け上がってくる様子が視認不可能となった。
エレン「ヤバい!これじゃあ迎撃が出来ねぇ!」
エレンは煙幕の範囲外の二階奥にある赤いソファの裏まで退却を余儀なくされる。
エレン「あの煙幕の中から飛び出してきたところを仕留める!」
エレンは赤いソファから上半身を出しつつ、AK47を構えてミカサを待ち受ける。
だが、その煙幕が晴れる数秒前に新たな投擲物がエレンの元へ飛んできた。
エレン「今度は何だ!?」
エレンがその正体を確認する前にそれは目の前で破裂した。
一瞬で視界が閃光で白一色に染まり、聴覚に強烈な爆発音が襲いかかる。
それはスタングレネードであった。
これが直撃すると5秒間は視覚と聴覚が奪われて、まともな戦闘は不能となる。
まさに今、数メートル先の敵と対峙している時にこの奇襲は絶望的であった。
だが、エレンはこんな極限の状況下にもかかわらず、驚くほど冷静だった。
エレン「何も見えず、何も聞こえない……。それなら、今の俺にできることはただ一つだ!」
エレンは自分の操作の勘を信じて、背後にある二階の窓から飛び降りたのだった。
ミカサ「ウソでしょ!?」
視覚を失ってパニックに陥り、的外れな射撃をしてくると思い込んでいたミカサは、エレンの極めて冷静沈着な行動に驚きを隠せなかった。
エレン「よし!何とかピンチを脱した!」
5秒間が経過して視覚と聴覚を取り戻したエレンは、やや離れた位置の塀の裏に身を隠した。
エレン「ふぅ、今のはマジでヤバかったな。だが、やられっぱなしは趣味じゃねぇ。今度はこっちから行くぜ!」
-
- 31 : 2020/03/02(月) 23:31:50 :
-
その頃、ミカサは不意のエレンのファインプレーに気を取られたせいで、追撃が出遅れ完全にエレンの居場所を見失っていた。
ミカサ「はぁ……。また逃してしまった。本当に私は詰めが甘い。次こそは倒す」
深い溜息混じりの決意を新たに、ミカサはエレンの再捜索を開始する。
ここで、安地の縮小回数が残り2回となった。
2人が次の安地で身を隠せる大型の建物はもうない。
後はわずかな塀と木や草むら岩だけである。
ここからはたった一つの立ち回りのミスが命取りとなる究極の選択の連続。
どこを見て、どこに歩を進めるべきなのか、正解は誰にも分からない。
悔い無き選択を取れるのは果たしてどちらか。
エレン「もう次の安地的に上から狙撃されることはないな。それなら草むらを匍匐前進して、あの岩裏を陣取るか」
エレンは塀の裏を慎重に離れると、草むらへと潜っていった。
エレン「頼む!バレないでくれ!」
一方、ミカサはエレンが先ほどと同じように塀の裏にいると仮定して、周囲を警戒していく。
ミカサ「エレンはどこにいるの!?時間が無い!早く見つけないと!」
現状、次の安地に近いのはエレンである。
ミカサはあまりにもエレンを見つけることに躍起になり、次の安地取りを疎かにしていた。
そして、ついに最期の安地縮小が始まった。
この最終安地の縮小は速度も安地外ダメージも極めて高い。
これに乗り遅れると安地外の毒ガスによる死亡という最も悔やまれる敗北を迎えることになる。
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- 32 : 2020/03/02(月) 23:33:46 :
-
ミカサ「え!?もう最終安地収縮!?」
ミカサは血眼になってエレンを探していたせいで、毒ガスエリアが自身の体を蝕み始めてようやく気がついた。
ミカサ「くっ!まだ間に合うか!?」
ミカサはエレンの捜索を即座に中断して、自分の立ち位置を追い越した収縮ラインを必死で追いかける。
同じ頃、エレンは草むらの匍匐前進が功を奏して、先に最終安地内の岩裏を陣取っていた。
エレン「辺りを見回してもミカサの姿は見えないってことは、あいつはまだ安地外にいるのか?」
エレンの周囲をオレンジ色の安地のラインが取り囲んでいく。
それは最終安地の縮小が完全に終了する直前の証だった。
エレン「このまま俺の安地取りの勝利か?」
と、エレンが勝利を掴みかけたその瞬間、豪快なエンジン音が急接近してきた。
エレン「車両!?この狭い最終安地に乗り込んで来るつもりか!?」
ミカサ「エレェェェェェンッッッ!!!!」
ミカサは魂の叫びを上げながら、クリスタが乗り捨てたバイクでエレンへ一直線に爆走していく。
この時、ミカサはすでに毒ガスエリア内で負ったダメージで瀕死の状態だが、最後のチャンスでエレンにバイクアタックを狙うのだった。
エレンはそのミカサの熱い闘争本能に呼応するかのように、銃を投げ捨て、身を潜めていた岩陰を飛び出した。
エレン「ミカサァァァァァッッッ!!!!」
そして、エレンは正面の岩を踏み台に力強く宙へ浮くと、空中で腰のシャベルを手に取り、鬼神の如く突撃するミカサへ振りかざした。
その瞬間、ついにラストサバイバーが決まった。
絶対駆逐マンがシャベルで年中無休マフラーを倒した(1m)-第2位にランクインしました
第1位 絶対駆逐マン
エレン「よっしゃあぁぁぁぁぁ!!!!」
ミカサ「私の、負けだ……」
こうして訓練兵団104期生の第1回シングル大会はエレンの優勝で幕を閉じたのだった。
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- 33 : 2020/03/02(月) 23:40:41 :
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試合終了後、訓練兵団の食堂にて
エレン「おう!みんなお疲れ!めっちゃ楽しかったぜ!」
アルミン「優勝おめでとう!エレン!」
ミカサ「いい最期だった。おめでとう、エレン」
ジャン「クソッ!結局、死に急ぎ野郎が優勝かよ!」
ライナー「まぁまぁ、素直に祝ってやろうじゃねーか。これは結構凄いことだと思うぜ」
ジャン「ふんっ、安地に恵まれて優勝出来て良かったな」
マルコ「あはは、素直じゃないなぁ」
サシャ「それより酷いですよクリスタ!私のこといきなり轢き殺すなんて!あれさえ無ければ私が優勝してたかもしれないんですよ!」
クリスタ「ごめんね、サシャ。私も急に爆撃で即死して納得いかないけど、今度私のパンあげるからそれで許してくれる?」
サシャ「パンは汝の罪を許します」
ユミル「お前は何様だ?」
サシャ「ところでエレン、優勝賞品は何だったんですか?」
エレン「優勝賞品?ああ、あれは参加者のモチベーションを高めるための適当な嘘だ。何も用意してない」
サシャ「えぇ〜!そんなのあんまりですよ!」
エレン「悪りぃ悪りぃ。まぁ、みんな本気で戦ったんだし、今回はいい思い出ってことでいいじゃないか」
サシャ「うっ、優勝者がそう言うなら仕方ないですね。仮に私が優勝してたら猛抗議してたでしょうけど……」
アニ「はぁ……あの時、サシャに舐めプしないで瞬殺すればよかった」
ベルトルト「僕もだよ、アニ。油断大敵だね」
コニー「俺なんか背後から奇襲されて1発も銃撃たずにゲームオーバーだぞ!」
マルコ「僕たち背後から奇襲された仲間だね、コニー」
このゲームは、もっとあの時こうしておけば……と、しばしば後悔の念に駆られるが、それがまたこのゲームの中毒性であり、優勝した時の達成感を何倍にも増幅させる魅力なのである。
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- 34 : 2020/03/02(月) 23:43:11 :
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しかし、このゲームの一番恐ろしいところは、その面白さのあまり時間を忘れて没頭してしまうところだ。
キース「おい、貴様ら!昼休みの時間はとっくに過ぎているぞ!いつまで休んでいるんだ!」
キース教官が鬼の形相で食堂へ入って来た。
エレン「ヤベェ!キース教官が来た!みんなスマホをポケットに隠せ!」
参加者達は速やかにスマホを各々のポケットにしまうと、心臓を捧げるポーズを取ってキース教官を待ち受ける。
キース「アルレルト!貴様らは一体訓練を差し置いて何をしていた!正直に答えろ!」
アルミン「はっ!我々は荒野行動をやっておりました!」
キース「ほぅ……もう一度聞こう。今何をしていたと言った?」
アルミン「こ、荒野行動をやっておりました!」
すると、キース教官は体を小刻みに震わせ沈黙した。
彼の頭皮には怒りの血管が脈打つように浮き出ている。
エレン達は目を瞑り、恐ろしい怒号と懲罰が飛んでくるのを覚悟した。
そして、キース教官が満を持して重い口を開く。
キース「バカ者ッ!荒野するならこの私も呼ばんか!」
参加者一同「……え?」
キース教官はまさかの荒野行動ガチ勢だったのであった。
完
-
- 35 : 2020/03/02(月) 23:50:28 :
おわりに
読者の皆様ここまでお読みいただきまして本当にありがとうございました!
荒野行動をやったことがある人も無い人も楽しんでいただけたなら幸いです。
僕はシングル戦もフレンドとの協力プレイもどちらも大好きで今でも週末の休みに遊んでます!
このSSを読んだことをきっかけに荒野行動を新しく始める方がいてくれたら嬉しいです!
みんなで荒野行こうや\\\\٩( 'ω' )و ////
以下、荒野行動の公式サイトのリンクです。
https://www.knivesout.jp/m/
このSSを読んだ感想などありましたらお気軽にコメントください!
それではまたどこかで!
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- 36 : 2020/03/13(金) 11:35:47 :
- 普通に面白くて草
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- 37 : 2020/03/15(日) 12:05:21 :
- 東京決戦編もやってほしいです
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- 38 : 2024/01/07(日) 13:20:19 :
- もう4年ちかくも前の投稿。URLを伝え聞いた直後に読了し、
お気に入りもプッシュしてすっかり感想を
投稿したつもりでいた筈がどうしてこうなったという勢いで、当時の忙しさを呪うしかない訳ですが、、
年始休みの締めくくりに漸くss執筆の時間が取れました為、モチベーション維持の為に
久々に縁ある皆様のssを巡回中の駄馬、夢馬と申します。
その頃のフォーネさん、もといオッドボール三等軍曹さんですら
自分同様お仕事の多忙さゆえこちらに足を運ぶ機会が激減していたワケですし、
これだけ年月経過していれば流石に「ああ、そんなゲームもやってた、懐かしい」、、というくらいの
境地に達してしまって居るかもしれませんが、
それでもあえて読了後の感想を書かせて頂きに参じました
(いやいくらなんでも遅すぎィ...^_^;;)
いやはや、、これほどnote過疎化が
進んで居なければもっともっとカウンターもお気に入りも
桁違いに伸びそうな程に楽しませて頂きました。
終始笑いと緊張感の連続なわけでしたが、ゲームで競合して居る中でのやり取り、
っていうのがミソですよね。シリアスにもできるし
ギャグにも瞬時に切り替えられる。それでいて
やりすぎてしまっても遺恨が残らない(笑)
とりあえずジャンのハンドルネームが初っ端から
笑いをとりにくる自虐スタンスだったとか、
擬態を極めすぎてそれが仇となったサシャの顛末だとか、
ゲーム内の固有通称が、
似た様なゲームをやった事がある人なら
「ぁ〜、確かにオブジェクトってそんな呼び方するww」
っていう命名センスだったとか、
個人的な笑いポイントは取り上げるとキリが無いんですが、
これ程期間が経過していて、オッドボールさんも中々ここnoteに立ち寄る機会が自分同様にかなり減少している事だと思いますので、、、
締めとして簡潔に読後感想を述べさせて頂きます。
やっぱり数回読み直しても笑えるくらい楽しかったですww
こういうのがssってのの良いところなのかもしれませんね
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