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弐の書 信長の遺志
- 未分類 × アクション × 歴史
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- 1 : 2020/02/06(木) 20:50:49 :
- ・・・・・・
大蛇ノ記録
コノ世ニ舞ヒ降リシ大蛇
時ノ門抉ジ開ケ
世ヲ終焉ヘト導ク
古代ノ人々
コレヲ退ケ支配スル
支配モ長ク続カズ
遂ニ大蛇復活ス
ソシテ人々ハ
大蛇ヲ封ズルタメ
鬼ヲ操ル術ヲ得タ
東海異人伝
弐の書 信長の遺志
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- 2 : 2020/02/06(木) 22:22:28 :
- ・・・遠江の地
かつて徳川家康が居城にしていた浜松城。
異人との闘いの中で崩れ去ったはずのその城が姿を現した。
異人の能力か、それともまた別の力が働いているのか。
調査任務を受けた龍太郎と虎之助は、浜松城に向かった。
異人が溢れるこの世に、織田信長や徳川家康、羽柴秀吉などといった数多の名将が姿を現さない理由はいたって単純である。
ひとつは、将というのは軍勢を率いる者であるため、狙われやすいこと。
異人の知性を侮っては、一瞬のうちに名将の率いる軍も崩れる。
そしてもうひとつは、将というものは″居城″を持っているためである。
信長、秀吉は清須城にて、家康は浜松城にて散った。
城は、他の建物と比べて大きいうえに荘厳さ物が多い。
いや、殆どそうだといえるだろう。
しかも、異人が外から押し寄せてくるとは限らず、城の内部から突然姿を現すことも多い。
完全に虚を突かれ、なす術なく将が討ち死に、落城する。
結果、日本の将たる将はその殆どが歴史に消えた・・・
そして、この浜松城はただ姿を現しただけではない・・・
龍太郎「・・・・・・浮いてます・・・」
虎之助「壮観だな・・・思考が止まりそうだ・・・」
本丸は天空に浮き、石垣の階段が支柱もなく天空の城に続いている。
魔術かそれとも妖術か。
幻覚を見ているような気もしたが、石垣は普通に登れる。
・・・どうやら現実のようだ。
龍太郎「・・・天空の本丸以外は渡れそうもありませんね」
虎之助「階段はこれしかないようだ、行くぞ」
空に続く階段を上る。
道中にいる異人は雑魚ばかりであった。
斬っては浄化し、そしてまた斬る。
まるで天守に異人の将でもいるかのような空気だ。
階段を上るたびに圧が増す。
決闘の覚悟をしなくては・・・・・・
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- 3 : 2020/02/23(日) 10:02:33 :
- と、その時
龍太郎「!!身体が光って・・・」
虎之助「りゅうたろ・・・」
光に包まれた龍太郎が、突然姿を消す。
浜松城はもう目前のところで・・・
そして虎之助の前には無数の異人が現れる。
虎之助「こんな時に・・・」
一方龍太郎は、天守閣まで飛ばされていた。
そこにいたのは大型の異人。
自分の身長を遥かに上回る巨体・・・二倍以上はある。
勝てるのか・・・いや戦うしかない。
異人を・・・許してはおけない。
そして龍太郎は、異人めがけて地を蹴った。
斬っても斬っても湧いて出てくる。
周期的に襲い掛かる中型の異人には一撃を食らう。
正直、体力が持つかどうかわからない。
血も山ほど浴びている、気分が悪い。
ここが終わりか?
まだ・・・信長殿の野望を果たしていないのに・・・
あれは、炎渦巻く本能寺でのことだった。
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- 4 : 2020/02/23(日) 10:47:19 :
- 織田信長「・・・光秀・・・これしきで儂を殺せるとでも思ったか」
蘭丸「信長様!!退路が確保されました!!」
信長「退路が?・・・そうか・・・お蘭、儂の背は預けたぞ」
蘭丸「御意!!」
本能寺の変
本来ならば、ここで信長は死んでいた。
偶然居合わせた虎に、儂は救われた。
虎之助「信長殿!!ご無事でありますか!?」
信長「当り前よ、この信長がこれしきの奇襲で討ち取られる訳が無かろう」
明智光秀「そんなものだろうと思っていたところです、信長殿」
虎之助「!!光秀殿・・・」
光秀「背を預けた蘭丸殿は・・・逝きましたか」
信長「・・・中々愉快なことをしてくれたな光秀よ・・・」
不敵に、信長殿は笑っていた。
それから二人は斬りあった。
信長殿は、そんな時でも笑みを絶やさなかった。
やがて光秀殿の刀を弾き飛ばしても、その首を取らなかった。
光秀「・・・戦乱の世は・・・終わらせられないのですか・・・」
信長「儂があらゆることをしようが、この世は変わらぬ、戦は人間の本能で起こるものじゃ、誰にも止められん・・・現にかつて存在した二つの幕府も天皇家も数度滅びているではないか」
光秀「っ・・・」
信長「虎之助」
虎之助「はっ」
信長「戦は続く、永遠にな・・・だがお前は生きるのだ、儂にはできなかった、儂には振るえなかった剣を振れ」
虎之助「?」
信長「儂の剣は『殺人剣』・・・己の意志を達するために、老若男女問わず・・・罪の有無問わず斬ってきた・・・もうずいぶん赤く染まったものだ・・・」
虎之助「・・・」
光秀「・・・」
信長「だが虎之助、お前の手は、まだ染まってはおらぬ・・・お前にも人を斬らせてきたが、お前の目は、いまだ変わらぬ人を慈しむ心を失っておらぬ」
虎之助「・・・信長殿・・・」
信長「お前は、儂には振るえなかった剣を・・・一人の悪を斬り多くを救う抑止力・・・『活人剣』を振るえ」
虎之助「一殺多生の活人剣・・・」
信長「そうだ・・・そして、もしお前が無数の悪に押され、屈しそうになった時は、活人剣と共にこう言えばいい・・・」
虎之助「・・・己 は・・・」
信長殿・・・
虎之助「第六天の魔王・・・織田信長が家臣、寺門虎之助であるぞ・・・異形の者なぞ、襲るるに足らん!!」
そしてその青年は、波のように押し寄せる異人達の中に飛び込むのであった・・・・・・
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- 5 : 2020/04/23(木) 11:44:48 :
- 天守閣 龍太郎
とんでもない異人だ・・・
もう、腕を何度切り落としたか分からない。
首を守るあの腕・・・斬ってもたちどころに再生する・・・
斬りにいくたびに己は奴の攻撃を食らう。
躱す余裕はない。
人を凌駕する巨大な体躯。
身体のあちこちが赤く光る異人。
いや・・・異人と言うかは"鬼"だ。
どうすればいい・・・心臓も硬い皮膜と鋼の筋肉で護られている。
それを貫ける程己は強くない。
やはり頸だ!!
龍太郎「悪鬼妖魔は己が討ち果たす!!覚悟しろ!!」
自らを奮い立たせ、異人に向かっていく。
襲いかかる巨大な拳を躱しながら、距離を詰めていく。
もう片方の腕を振り上げた瞬間、龍太郎は高く跳躍する。
頸に腕を回す異人、だがその動きは間に合わない。
先に頸まで到達したのは龍太郎。
渾身の力で刀を振り抜く。
刃が頸の肉を通る。
そして脊髄に刃が当たった瞬間···
龍太郎の刀が折れた。
龍太郎「!!嘘だろ···」
そんなに刃こぼれしてたのか?
どうする···もう半刀しか残って無いぞ···
その時、異人が頸に腕を回した。
護るためだろう。
しかし、頸に刺さった刃に気付いていないのか···
頸に刺さった刃は、奴の手に押し込まれ、脊髄を絶った。
討伐完了だ···
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- 6 : 2020/05/03(日) 02:35:42 :
- 倒した…初めて自分だけの力で…
虎之助は…
虎之助「あまり動くな、怪我が悪化する」
!!いつの間に…
虎之助は無事なようだ…良かった…
だが、空間転移する瞬間に見えた異人群は凄い数だったはずだ。
それを抑えここまで…天守閣までの道にも異人がいたろうに…
改めて凄い男だ…寺門虎之助
強い…
高杉晋助「ほう…桜木龍太郎が…それも"ハクメンソウズ"を…そうか…」
大型の異人討伐から2日後
突然、全国各地に無数の異人が発生した。
東の勢力はほぼ壊滅、モノノフ・ツワモノの世界から異人が溢れ出し、人の世にまで干渉を始めた。
鬼兵隊東海支部も、兵員の出撃が止まない非常事態に陥った。
そして、この状況の中、不可思議な現象が引き起こる。
鬼兵隊総督・高杉晋助、同隊員・桜木龍太郎の2人が失踪 した。
続く
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真・討鬼伝(没) シリーズ
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