この作品は執筆を終了しています。
アニ「奇妙な友情」
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- 1 : 2014/01/02(木) 19:04:44 :
- 原作のキャラを崩さない程度の軽度のアニ→エレになります。
今回はエレンはほぼ出演なし、アニとミカサの絡みですw
11巻の対人格闘訓練と、時系列的に後である補給室を目指すシーンで、エレンの安否について真っ先にアニに声をかけたミカサを見てなんとなく考えたSSです!
SSの投稿を初めて間もないので、読みにくさ、誤字脱字、
他至らぬところあるかと思います。
それでもいいよという優しいお方、見てくださると嬉しいです!
それでは、お目汚しなSSになるかと思いますが、
どうかよろしくお願い致します!
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- 2 : 2014/01/02(木) 19:05:22 :
- ミカサ「ねぇ、アニ」ザッ
ミカサ「私にもそれ」
ミカサ「教えて」
アニ「・・・」
――― ヤレヤレ、いよいよ保護者様のお出ましか。
すぐ傍には私より倍のデカさはあろう同郷の男が、苦悶の表情で転がっている。
そんな状態のライナーを気にかけることもなく、無表情で私の方を見つめてくるミカサ。
恐ろしい程の過保護っぷりだ。
エレンはというと、倒れ込んでいるライナーを気に掛けつつ、
何が起きているのか毛程も分かっていないという感じで私とミカサのやり取りを見ていた。
この鈍感野郎に少しでも意識してもらおうという気まぐれで仕掛けた寝技だったんだけど、
まさか、猛獣の方を先に呼び寄せてしまうなんてね。
――― 打って変わってコイツはというと、相も変わらずの無反応だったってのに。
――― まったく。
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- 3 : 2014/01/02(木) 19:08:29 :
- http://www.ssnote.net/archives/6496
リンクの仕方分からないですが、
一応↑の続きです!
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- 4 : 2014/01/02(木) 19:13:08 :
- アニ「どうかな、この技は人間用なんだ」
アニ「アンタに必要あるとは思えないけどね」
アニ「・・・ただ、この技がアンタみたいな猛獣に通用するかどうか、興味はある」
悪態をつきながら、私は猛獣と対峙した。
面倒事には付き合うつもりはさらさら無いんだけれど、
この保護者様にそれが通用する訳もないから仕方がない。
・・・別に、邪魔をされた腹癒せなんかじゃあないよ。
夢のカードだの、どちらが勝つか賭けるだの。
周囲の仲間達が注目する中、
――― 私とミカサの【訓練】は始まった。
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- 5 : 2014/01/02(木) 19:21:21 :
- ~訓練終了後~
キース「そこまでっ!!」
キース「これにて本日の訓練は終了とするっ!!」
キース「では、解散っ!!」
いつもながら耳鳴りな声だ。
空を見上げ、息を切らしながら、そんな事を考えていた。
私とミカサの訓練はと言うと・・・
どちらが一本取るという事もなく、終始激しく攻防を繰り広げる形になった。
あの教官が黙って見守ってくれる程には、いいデモンストレーションになってはいたんだろうね。
アニ「はぁ・・・はぁ・・・げほっ・・・」
ミカサ「はぁ・・・はぁ・・・」
私は立てない程に疲労しているというのに、
息を切らしてはいるもののまだ立っていられるなんて。
ミカサはホントに化け物なんじゃないのかと思う。
――― いや、ホントの化け物は私か。
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- 6 : 2014/01/02(木) 19:28:25 :
- ミカサ「なぜ、笑っているの・・・?」
アニ「・・・別に」
自虐めいた事を考えていたせいか、自然と口の端が上がっていたようだ。
アニ「・・・ただ、」
ミカサ「ただ・・・?」
アニ「空ってこんなに青かったんだって、そう思っただけさ・・・」
柄にも無い事を言っている。
ミカサ「・・・アニ、似合わない」
アニ「うるさいね。分かってるさ、そんな事は」
――― まったく、家族揃ってデリカシーの欠片も無い。
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- 7 : 2014/01/02(木) 19:35:03 :
アニ「・・・私は、」
アニ「この訓練をしていて、ひっくり返された事は一度もなかった・・・」
ミカサ「ええ、知ってる」
何気ない一言のハズなんだけれど・・・
ホントにアンタはどれだけ気にかけているんだか、エレンを。
アニ「もちろん、アンタにも」
ミカサ「ええ、残念なことに」
そんなに私をひっくり返したかったのか、コイツは。
アニ「・・・けど、悔しいかな」
アニ「私は今。こうして対面する事がなかった青空と、嫌ってくらい向き合っている」
ミカサ「・・・」
口下手な私なりの褒め言葉だった。
あの馬鹿みたいに素直には褒めたり出来ないからね、私には。
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- 8 : 2014/01/02(木) 19:43:09 :
ミカサ「それは私も同じ」
アニ「・・・?」
不意にミカサが口を開いた。
ミカサ「私は強い、ここの誰よりも」
ミカサ「そう思っていた」
ミカサ「・・・もちろん」
ミカサ「アニ、貴女よりも」
アニ「・・・あながち間違っちゃいないと思うけど?」
ミカサ「・・・貴女には、力と持久力が足りないだけ」
ミカサ「・・・それと・・・体格」
アニ「何が言いたいのさ?」イラッ
最後のは明らかな嫌味だろう、まったく。
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- 9 : 2014/01/02(木) 19:48:43 :
ミカサ「つまりは、技術の面では明らかに負けていたと言いたい」
アニ「・・・ははっ、その技術が通じなかったんだけどね」
手のひらを返したかのような褒め言葉に、思わず自分を卑下してしまう。
エレンといいコイツといい、よく恥ずかしげもなく言えるもんだ。
ミカサ「貴女がもし私の想定よりも強かったら、」
ミカサ「私もエレンのように投げ飛ばされていたと思う」
アニ「私はか弱い乙女なんでね、アンタみたいには強くなれないさ」
さっきの仕返しとばかりに皮肉めいた言い回しをする。
けれども当の本人は、全く気にも止めていないという感じで言葉を紡いだ。
ミカサ「・・・私は」
ミカサ「強くありたいと願った」
ミカサ「強くなるために、努力をした」
アニ「・・・」
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- 10 : 2014/01/02(木) 19:55:14 :
- ミカサ「そしてもっと、強くなる必要がある」
ミカサ「もうこれ以上家族を・・・」
ミカサ「エレンを失いたくないから・・・」ギュ
首に巻きつけた紅いマフラーを握りしめながら、ミカサは言った。
アニ「そう・・・」
アニ「そうだね、アンタはそういうやつだもんね」
――― 私はそう、
誰かを守りたいなんて、アンタのように強くは生きられないから。
私を守ってくれる誰かを。
私の存在を肯定してくれる誰かを。
――― 必要としている、弱い人間だから。
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- 11 : 2014/01/02(木) 19:58:31 :
そう思った時、
不意に頭をよぎったのは。
私に格闘術を教え込んだ父親と。
父親譲りの格闘術を。
私自身を。
ありのまま認めてくれた。
――― いつも真っ直ぐな大馬鹿野郎の顔だった。
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- 12 : 2014/01/02(木) 20:02:47 :
――― 訓練が終わってから何分経ったのだろうか?
やっとのことで私は上体を起こした。
ミカサ「アニ、大丈夫?」
アニ「そんな訳ないだろう。全身ダルい・・・」
――― どの口がそんなことを言う。
とは思ったが、まぁ心配はしてくれてるんだ。
わざわざ悪態をつく必要はない。
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- 13 : 2014/01/02(木) 20:09:04 :
エレン「おーい!」
エレン「ミカサ!アニ!」
ミカサ「!・・・エレンっ!」パッ
即座にエレンの方へと向き直るミカサ。
まるで飼い犬のようだ。
訓練中は狂犬のようだったというのに。
エレン「ほら、二人共。水持ってきてやったから飲んどけよ!」
ミカサ「エレン、ありがとう」
アニ「アンタにしては気が利くね、頂くよ」
エレン「な・・・せっかく持ってきたのに酷いな、オイ」
エレン「つってもまぁ、アルミンに言われて取ってきたから否定もできないが・・・」
バツが悪そうな感じで頭をかくエレン。
そこは別に隠してもいいだろうに、コイツはホントにまっすぐで馬鹿だな。
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- 14 : 2014/01/02(木) 20:14:45 :
エレン「それにしても・・・」
エレン「すげぇ組み手だったな。俺なんか目で追うのがやっとだったぞ」
ミカサ「ごめんなさい、エレン。貴方の仇を取れなかった・・・」
エレン「は?何の仇だ?」
心底悔しそうなミカサと何もわかっていないエレン。
ミカサ、アンタも苦労が耐えないね、ホント。
エレン「そんなことより、アニ」
アニ「何だい?」
スッ
エレン「ほら、立てるか?いつまでも座り込んでるけど」
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- 15 : 2014/01/02(木) 20:19:41 :
ミカサの話題をそんなこと呼ばわりして私に手を差し伸べるエレン。
後ろでミカサが恨めしそうに私を睨んでることにも、気づかないんだねコイツは・・・
――― けど。
アニ「・・・ありがと」ギュ
私も遠慮はしないよ。
例えこの馬鹿と違ってアンタの気持ちが理解できていても、ね。
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- 16 : 2014/01/02(木) 20:23:07 :
エレン「なぁアニ!」
アニ「・・・何?」
エレン「今日はあんまり一緒に訓練出来なかったけど、また今度よろしく頼むな!」
アニ「・・・ああ、いいよ」
エレン「そうか!ありがとな、アニ!」
気付かぬ内に追い打ちをかけるエレン。
ミカサ、気持ちはわかるけど私を睨むなよ。
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- 17 : 2014/01/02(木) 20:26:21 :
アニ「だけど・・・」
エレン「ん?」
――― でも。
そんな不器用なアンタだけど。
アンタも私を認めてくれる1人だって、
一戦交えて感じさせてもらったよ、ミカサ。
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- 18 : 2014/01/02(木) 20:30:34 :
――― だから、
アニ「たまには、アンタ以外の人間とやるのも」
アニ「悪くないかもしれないね」
アニ「ね、ミカサ?」
ミカサ「!」
――― 驚いたような表情を見せるミカサだが、
ミカサ「ええ、次はちゃんと。貴女の技を教えてほしい、アニ」
――― いつも私に見せるような表情とは幾分か柔らかい顔でそう答えた。
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- 19 : 2014/01/02(木) 20:35:25 :
アニ「・・・そういえば、そろそろ夕食時だろ?」
エレン「ああ、そうだな。一緒に行くか?肩貸すぞ?」
ミカサ「っ!・・・エレン!それはダメ!」
エレン「え?なんでだよ?」
エレン「まだアニもフラフラじゃないか」
ミカサ「そ、そうだけれど・・・」
また体が密着するのが気に食わないらしいミカサ。
なかなか引き下がらない。
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- 20 : 2014/01/02(木) 20:40:09 :
アニ「それなら、ミカサに肩を貸して貰うからいいだろ?」
溜息すら出そうなほどもどかしいやりとりに助け舟を出す。
それもそうだなと、エレンも納得した様子だ。
アニ「悪いね、ミカサ」
ミカサ「いや、いい」
ミカサ「なんならアニをお姫様抱っこで運んであげるのも構わない」
アニ「そんな柄じゃないんでね、遠慮するよ」
エレン「歩けるか、アニ?」
アニ「ああ、問題ないよ」
最初は険悪だったミカサと、肩を組みながら歩く。
自分で言うのも変だが、奇妙な光景だ。
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- 21 : 2014/01/02(木) 20:43:32 :
エレン「よし、じゃあ行くか」
――― 先頭をエレンが行く。
エレンに続くように歩きながら、
私は小声で、ミカサに訊ねてみた。
アニ「・・・ねぇ」
ミカサ「?」
アニ「アンタってエレンのこと・・・」
――― そこまで言いかけて、私は訊くのをやめた。
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- 22 : 2014/01/02(木) 20:46:37 :
ミカサ「・・・何?」
アニ「・・・いや、何でもない」
ミカサ「・・・」
怪訝そうな顔をこちらに向け訴えかけてくるミカサ。
でも、私が何を聞こうとしたか。
――― アンタは分かってるんだろう?
そしてアンタがなんて答えるかも分かっている。
アンタは絶対に言う。
――― 【家族だ】って。
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- 23 : 2014/01/02(木) 20:51:14 :
――― だから私は。
――― アイツの背中を真っ直ぐ見つめながら。
――― 一方的に宣戦布告をするよ。
アニ「アンタはエレンを守りたい・・・」
アニ「アンタとエレンは家族でずっと一緒だ・・・」
アニ「そんな決意も、」
アニ「そんな絆も私にはないけれど」
アニ「けどね、ミカサ・・・」
アニ「アンタには負けないよ」
アニ「格闘術も ―――」
アニ「――― アイツの事も、ね」
ミカサ「!」
言葉を投げると同時に、ミカサと目が合う。
ミカサ「――― アニ、受けて立つ!」
同じように強い決意を持った眼差しが、こっちを見ていた。
~第2部:おわり~
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- 24 : 2014/01/02(木) 21:02:15 :
- ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!
まだまだ稚拙な文章で申し訳ないです、汗
ホントはもっとデレオンなアニさんと、デレンなイェーガー君でエレアニが書きたいモノです、w
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- 25 : 2014/01/02(木) 21:06:06 :
- お疲れ様でした
原作の裏話としてホントにあってもよさそうな内容
お見事です!
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- 26 : 2014/01/02(木) 21:37:28 :
- お疲れ様です。
面白い!
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- 28 : 2014/01/03(金) 01:13:41 :
- 原作でもこんな風にお互いに兵士としてそして恋敵としても認め合ってる関係だったら良いのにな。
おもしろかった‼
続きも絶対見ます‼
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- 29 : 2014/01/03(金) 11:04:55 :
- >>29さん
不器用な友情と愛情が入り混じった関係なんじゃないかななんて想像しながら書きました、w
エレンを攫おうとした事とエレンが信じようとした事で、また以前のような敵対心が生まれたのではとか、色々妄想が捗ります、w
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- 30 : 2014/01/03(金) 15:34:31 :
- お疲れ様です!!!
続編期待しています!!!
面白かったです!
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- 31 : 2014/01/03(金) 21:38:22 :
とても良かったです
原作の雰囲気を大切にした良いアニエレを読めて、満足です
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- 33 : 2014/01/16(木) 10:25:54 :
- アニらしくて最高でした!!
デレデレよりこっちの方が俺は好きです(´Д`*)
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- 34 : 2014/01/16(木) 12:54:55 :
- >>33 ムナク・ソラブさん
コメント、ありがとうございます!
アニらしく書けているのなら幸いです!w
こちらは続きを考えてはあるのですが、何かと時間がないのでなかなか更新できずにいます!汗
ゆっくりお待ち頂ければ!
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- 35 : 2014/01/23(木) 03:09:32 :
- 続編書き始めました!↓
http://www.ssnote.net/archives/8430
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- 著者情報
- この作品はシリーズ作品です
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ただ普通であることに焦がれた少女のお話 シリーズ
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