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アニ&ユミル「弟は私達が守る」エレン「初の大会!」

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  1. 1 : : 2017/08/20(日) 07:21:52
    part5を作りました!
    構想が固まったら書いていきますのでゆっくりになりますがよろしくお願いします。

    前作です
    http://www.ssnote.net/archives/54762
  2. 2 : : 2017/08/20(日) 07:24:57
    ちなみになんですけど。
    自分はセリフとセリフの間を一行しか空けてないんですけど、読みづらいですか?
    だいぶ、今さら感がありますけど(笑)

    コメントで教えて頂けるとありがたいです!
  3. 3 : : 2017/08/20(日) 12:08:54
    大丈夫!全然見やすいです!
    (๑•̀ㅂ•́)و✧
  4. 4 : : 2017/08/20(日) 13:51:24
    弟って誰?多分エレンかな?
  5. 5 : : 2017/08/20(日) 20:54:30
    ↑は僕です
    前作読んでなかったので、
    全作品読んできました
  6. 6 : : 2017/08/20(日) 21:10:36
    期待じゃ
  7. 7 : : 2017/08/22(火) 00:00:45
    >>3 了解です!コメントありがとうございます!

    >>5 前作品を読んで頂きありがとうございます!これからもよろしくお願いします!

    >>6 ありがとうございます!期待に応えられるように頑張りたいです!

  8. 8 : : 2017/08/22(火) 00:22:40
    リヴァイ「エレン…そろそろ『とんで』みるか?」ニヤ

    アップが終わって本練習に入ろうとしたときにその一言を投げ掛けられた


    エレン「…え?」


    当然であるが、この場合の『とぶ』は、『飛ぶ』や『翔ぶ』でもなく…

    『跳ぶ』…である

    しかし、エレンはすぐに理解出来ず


    エレン「…え?」


    二回も聞き直してしまうはめになった

    しかし、そこはさすがリヴァイ
    部長たる器を持っているために、軽く舌打ちをしたあと丁寧に説明を続けてくれた


    リヴァイ「棒高跳びの練習だ、ボケっとすんな」パシン


    前言撤回。説明を一言で済まされ、かつ頭をはたかれた…

    当のエレンは事の重要さにやっと理解し、目を輝かせた


    エレン「本当ですか!?」

    リヴァイ「嘘は言わん」

    エレン「…やっと…この地獄から…」

    解放される…

    リヴァイ「…」


    当然である
    リヴァイはエレンの基礎体力が低いために今まで体作りをメイン(リヴァイ基準の)とした練習しかさせなかった。
    それは当然何日もしてれば疲れも溜まるし、飽きもくる。
    それでもエレンが続けられたのはリヴァイの棒高跳びの姿がカッコ良かったからだ。


    リヴァイ「やるだろ?」ニヤ

    エレン「もちろんです」ニヤ



    ライナー「…なんかあそこの二人、ニヤついてるな…」

    ユミル「…なに話てんだろな」

    アニ「…」

    ベルトルト「…まぁ、僕たちは自分の練習をしよう」

    ミカサ「そうね」







    クリスタ「…エレンは大丈夫なんですか?」

    ペトラ「なんで?」

    クリスタ「だって、もう棒高跳びをやろうとしてるんですよ?」

    ペトラ「大丈夫よ、リヴァイ部長も見てくれるし。それに最初はポールを短く持っての練習だから、後ろに倒れる心配はないよ」

    クリスタ「へ~、詳しいんですね」

    ペトラ「…まぁ、リヴァイ部長のことずっと見てきたしね」

    クリスタ「…」

    ペトラ「…」

    クリスタ「…」

    ペトラ「ま、マネの仕事しようか」

    クリスタ「はいぃ!」



    オルオ「なんかペトラ達、張り切ってんな」

    エルド「ああ、天使だ」

    グンダ「お前、そんなキャラだったか…?」

  9. 9 : : 2017/08/22(火) 00:41:09
    そんなこんなでエレンの棒高跳びの練習が始まった…







    エレン「」グテェ

    …キツい。実際に跳ぶとスゴい体力を使う…

    リヴァイ「よし、今日はこんなもんだな」

    エレン「…おつかれ…さまです」グググ

    リヴァイ「…片付けたらダウンしてこい」

    エレン「…はい」フラフラ

    リヴァイ「……フッ」ニヤ







    ユミル「…で、晴れてやっと競技の練習が出来たと思ったら競技練習自体しこたまツラい…と」グィー

    エレン「ああ」グッグッ

    アニ「体壊さないようにしなよ?」グッグッ

    エレン「わかってるよ」グィー



    ライナー「この光景も見慣れたな」

    ベルトルト「毎日のようにユミルとアニがエレンをストレッチするからね」

    アルミン「最初はエレンは恥ずかしがってたけど、今は普通だね」

    ライナー「いや、そーでもないぞ?」

    アルミン「え?」

    ライナー「よく見てみろ…エレンのやつバレないように顔を伏せながらストレッチしてんだよ」

    アルミン「ホントだ」

    ベルトルト「エレンはもう自分の気持ちに気づいたからね。なおさら恥ずかしいと思うよ」

    ライナー「…いつまでこの関係が続くかな?」

    アルミン「でも実際どーするんだろうね」

    ベルトルト「なにが?」

    アルミン「エレンが二人のこと好きって告白しても、普通には付き合えないよね」

    ベルトルト「んー、」

    ライナー「別に好きなら好きで伝えるだけでもいいんじゃないか?」

    アルミン「なんで?」

    ライナー「他のやつらのことなど知らんがあの3人は姉弟のように育ったんだ…気持ちが伝わってもその関係は変わらんだろ」

    アルミン「つまり、そのままってこと?」

    ライナー「そりゃお互い好きなんだってことがわかりゃ、次のステップくらい踏むだろ」

    ベルトルト「…大人の階段を…」

    アルミン「…なるほど、関係は変わらなくてもスキンシップが大胆になるか」

    ライナー「…まぁ、実際はわからんがな」
  10. 10 : : 2017/08/22(火) 12:49:43
    こうして、エレンの棒高跳びの練習はリヴァイの指導の元に始まった






    ~土曜日、部活~

    エレン「お疲れさまでした!」

    リヴァイ「おう」

    エレン「…ふぅ」

    「エレン」ピト

    エレン「ひゃっ!?」


    エレンがため息を溢したとき、名前を呼ばれたと同時に首元に冷たい感触が広がる


    「今『ひゃっ!?』って、おい」ゲラゲラ

    「変な声だね」クスクス

    エレン「…」クル


    エレンは後ろを振り返り、声の主に視線を向ける。
    そこにはスポドリを片手に笑っているユミルとタオルを片手に微笑するアニがいた


    エレン「…お前らか」

    ユミル「なんだよ、随分と不機嫌だな」

    エレン「別に機嫌は悪くねぇよ」

    ユミル「それより、ん」スッ

    エレン「ああ、サンキュー」


    エレンはそう一言だけ礼を言うとユミルが差し出したスポドリを受け取る
    受け取ってみるとペットボトルがキンキンに冷えて水で濡れていた
    なるほど、冷たいわけだ。きっとペトラ先輩とクリスタが氷水にでも入れて冷やしてくれたのだろう


    エレン「…」ゴクッゴクッ

    アニ「ほら、このタオルで汗拭きな」

    エレン「…それ誰のタオル?」

    アニ「私の」

    エレン「いやいや、拭けねぇよ」

    アニ「なに、私のタオルは汚いから使いたくないの?」

    ユミル「うわ、エレンひでぇな?」ニヤニヤ

    エレン「ちげぇよ!」

    アニ「んじゃ、使ってもいいじゃん」

    エレン「…いや、なんつーか…」

    ユミル「」ニヤニヤ

    エレン「…」

    アニ「…わかったよ」

    エレン(諦めたか…)


    エレンがそう思ったとき、アニはエレンに額の汗を自分のタオルで拭いた


    エレン「…」

    アニ「~♪」フキフキ

    エレンはアニの手をはたこうとしたが、アニの顔を見てその考えは明後日の方向に飛んでいった

    エレン(…もういいや)



    実際…恥ずかしいけど…




    嬉しいし…









    エレン「…サンキュ」

    アニ「どういたしまして」

    ユミル「顔真っ赤だな」ニシシ

    エレン「…察してくれ」

    ユミル「可愛いなおい!」ワシワシ

    エレン「ちょ、ユミル!汗で汚いって!」

    ユミル「んー、別に私は気にせん!」ワシワシ

    エレン「気にしろ!」

    アニ「…」ナデナデ

    エレン「アニもかよ!」




    そんな光景を同級生達は眺めている
    その中でライナーが代表して一言


    ライナー「早くダウンしろよ!」
  11. 11 : : 2017/08/24(木) 01:12:54
    ~そんなこんな練習終了後~


    ハンジ「1年生の諸君。ちょっといいかい?」


    ミーティングが終わって帰る準備を始めようとしたときにその話は始まった


    アルミン「どーしたんですか?」

    ハンジ「いや、そろそろ地区総体を意識しないといけないからね」

    1年「!」


    皆は唖然とした。当然である。まさか1年生の地区総体に出れるとは誰一人思っていなかった。


    エレン「俺たち総体出れるんですか!?」

    ハンジ「うん。うちは個人競技だからね。1つの競技に出れるのは3人までって決まってるけど」

    ライナー「…そうなると3人以上かぶってるやついないな」

    ベルトルト「…そうだね」

    ハンジ「それで、そろそろユニフォームの準備をしようと思ってね。あとうちの陸部のジャージもね」

    ミカサ「…」

    アニ「…」

    ユミル「…」

    女子(遂に…覚悟を決めなければいけない日がきた…)

    ミカサ「…恥ずかしいけど…」

    アニ「…覚悟を決めなければ…」

    ユミル「私達は戦うことはできない…」

    エレン「?」

    アニ「…あんたはわからないかもしれないけど、あのユニフォームは着るのに抵抗あるんだよ」

    エレン「…まぁ、察した」

    ユミル「やっとエレンも女心を察するようになったか」

    エレン「なんだよそれ。人をすげぇ鈍感野郎みたいに言いやがって」

    アニ「鈍感じゃん」

    ユミル「ああ」

    エレン「…」

    エレン(そういや、ライナーにもそんな事言われた気がするな…)

    ハンジ「それじゃユニフォームのサイズを取るよ~クリスタ手伝ってくれる?」

    クリスタ「はい!」

    ハンジ「よし、それじゃ…」ゴソゴソ

    1年「…」

    ハンジ「…採寸しようかな」ニヤ


    …なぜかこの人がメジャーを片手にそう言うと変態に見えるな…


    1年(こえぇよ)


    それが正直な感想だった





  12. 12 : : 2017/08/24(木) 01:31:47
    ハンジ「はい、お疲れさま~♪」

    ライナー「ふう、終わったな」

    ベルトルト「うん」

    アルミン「そうだね」

    エレン「…なあ?」

    ライナー「どうした?」

    エレン「なんで女子のやつらは顔が真っ赤なんだ?」

    ベルトルト「…」チラッ

    アルミン「…」チラッ

    ライナー「…」チラッ



    ミカサ「…///」

    ユミル「…あんな所まで測られた…///」

    アニ「…恥ずかしい…」

    クリスタ「もう!シャキッとしなよ!」



    エレン「な?」

    アルミン「…まぁ、女子には女子で色々あるんだと思うよ」

    ライナー「…ああ」

    ベルトルト「あんまり、深く聞かないほうがいいと思うよ」

    エレン「やっぱ恥ずかしいもんかな」

    ライナー「それは人それぞれだろうな」

    ベルトルト「ライナーが恥ずかしがったら気持ち悪いだけだもんね」

    エレン「あー、なるほど」

    ライナー「いきなりひでぇなお前ら」



    ハンジ「そーし、注文は私がしとくから今日はこれで解散!」

    1年「お疲れさまでした!」







    ~エレン・ユミル・アニの帰り道~


    エレン「…疲れたなぁ」

    ユミル「私は精神的に疲れたよ…」

    アニ「私も…」

    エレン「なんで?」

    ユミル「まぁ、その…何て言うか…///」

    アニ「…男子には言えないことなの///」

    エレン「ふーん」

    ユミル「男はそういうの気にしなそーでいいよな」

    エレン「まぁな」

    アニ「…楽そーでいいね」

    ユミル「ああ」

    エレン「そんな恥ずかしかったか?」

    アニ「…」

    ユミル「…」

    エレン「…」

    アニ「うん…」

    ユミル「…もう……お嫁にいけない…くらい…」

    エレン「…」ピクン

    アニ&ユミル「…」チラッ

    エレン「…まぁ、嫁に行けるだろ」

    アニ「…なんで?」

    エレン「…なんでって…」

    ユミル「なんだ、エレンが貰ってくれんのか?」ニヤニヤ

    エレン「…」カア

    ユミル(…おいおい、顔真っ赤にしやがって…)

    アニ(…可愛い)

    エレン「…ほら、この話は終わりにしてさっさと帰ろうぜ」

    ユミル「…そうかいそうかい」ニヤニヤ

    アニ「…」フフッ

    エレン「~~~!」

    ユミル「ははっ!悪かったよ!」

    アニ「ほら、帰ろ?」

    エレン「…ああ」

  13. 13 : : 2017/08/24(木) 02:03:01
    それから日にちがたち、総体が近くになり出場する競技が決まった頃


    ハンジ「1年の諸君!遂にユニフォームが届いたよ!」


    ハンジのこの一言に男子は


    「おお、やっときたか」


    に対して女子は


    「…遂にきたか」


    ハンジ「それじゃ、名前を呼ぶから取りに来てね~」







    ハンジ「終わったね、呼ばれてない人いないよね?」

    クリスタ「数えてましたけど、大丈夫です」

    ハンジ「なら良かったよ」

    エレン「よーし、早速着てみようぜ!」


    女子「…え?」


    ライナー「…男子だけでいいだろ」

    ベルトルト「そうだね…」

    アルミン「うん」

    ライナー(見てみたい気もするが…)

    エレン「俺は着てみたいから着るぞ!」

    アニ「え、エレン…」

    エレン「ん?」

    ユミル「…私達のユニフォーム…見てみたいか?」

    ライナー「!?」

    ベルトルト「!?」

    アルミン「!?」

    アニ「…どーなの?」

    エレン「…まぁ、少しは…」

    ユミル「エレン」スッ

    エレン「なんだよ」

    ユミル「…あ、後でな///」ボソッ


    ユミルはそう一言だけ…エレンの耳元で囁いた…


    エレン「」

    アルミン「…おーい、エレン~?」

    ライナー「…固まったな」

    ベルトルト「そうだね…」

    ミカサ「…今日のところは帰らない?」

    アニ「そうだね、言い出しっぺがこんなんだし」

    ユミル「賛成」

    ライナー「まぁ、俺はかまわん」

    ベルトルト「僕も」

    アルミン「ハンジ先輩いいですか?」

    ハンジ「全然構わないよ」

    クリスタ「よし、それじゃ帰ろー!」

    ライナー「…女神」ボー

    ベルトルト「ほら、ライナー戻ってきて」ペシペシ

    アルミン「天使…」ボー

    ベルトルト「アルミン、君もかい!?」

    エレン「」

    ユミル「…どれ、帰るか」

    アニ「そーだね」

    ミカサ「そうしよう」

    クリスタ「ほら、ライナー!起きなさい!アルミンも!帰るよ!」
  14. 14 : : 2017/08/24(木) 02:20:58
    ~総体数日前の帰り道~

    エレン「…そういや、近いうちに壮行式があるな」

    ユミル「壮行式って…なにするんだ?」

    アニ「さぁ?」

    エレン(…言うべきだよな?)

    エレン「…実はリヴァイ部長に聞いたんだけどな?」

    ユミル「おう」

    アニ「うん」

    エレン「…壮行式、ユニフォームで出るらしい…」

    ユミル「」

    アニ「」

    エレン「…」

    ユミル「…エレン…今からうちにこい。アニもユニフォーム持ってな」

    アニ「…了解」

    エレン「な、何する気だよ…」

    ユミル「いいから!」






    ~ユミル家~


    エレン「…で、現在にいたるわけですが」

    ユミル「…おう」

    アニ「うん」

    エレン「なにするんだ?」

    ユミル「…エレン、もう一度確認するぞ?ホントに壮行式はユニフォームで出るんだよな?」

    エレン「…あ、ああ。部として統一を出したいからって…リヴァイ部長が…」

    アニ「…はぁ、もう最悪…」

    エレン「…やっぱ、恥ずかしいよな…?」

    ユミル「当たり前だ」

    アニ「…競技者同士でならともかく…壮行式であのユニフォームは見せ物じゃないか」

    エレン「…」

    ユミル「…だからよ、その前に…な…」

    エレン「?」

    アニ「…あんたに見せてあげる」

    エレン「…へ?」

    ユミル「…アニ、着替えるぞ」

    アニ「うん…」

    エレン「いや、ちょい、待て待て待て待て」グイ

    ユミル「うおっと、なんだよエレン」

    エレン「おかしいだろ!なんでいきなり俺に見せんだよ!」

    アニ「…だから」

    エレン「…」

    アニ「…皆に見られる前にあんたに見て…ほしい
    …の///」

    ユミル「…まぁ、そういうこった…///」

    エレン「…」

    ねぇ!なに!この可愛い二人!
    可愛いすぎだろ!
    むしろ、俺のほうが恥ずかしくなるわ!

    エレン「」ポケェ

    ユミル「…おーい」

    アニ「…今のうちに着替えよう」




  15. 15 : : 2017/08/24(木) 02:36:36
    エレン「」

    「ほら、起きな」ゲシ

    エレン「いで!」


    エレンは正気に戻り、自分を蹴った犯人に視線を向ける…が、その視線はすぐに下に向かった


    エレン「もう、着替えてんのかよ!」

    ユミル「あ、ああ」

    アニ「…」

    エレン「…」

    ユミル「…見ないのか?」

    エレン「俺はどんな目でお前らを見たらいいかわからない…」

    アニ「…」

    アニ(それって少しは意識してくれてるってことだよね?)

    ユミル「…姉として頼む。私は他の男に見られる前にエレンに見てほしい」

    エレン「…俺は…弟として…」

    ユミル「そうだ」

    エレン「…わかった」

    アニ「…頼むよ」

    エレン「ああ…」スッ


    エレンは覚悟を決め、視線を上げる
    そこにはユミルとアニが恥じらいの顔をしながら、それでもしっかりとエレンに顔を向けて立っていた

    エレンはそんな二人を見て純粋に思った


    エレン「…綺麗だ」

    ユミル「…そ、そうか///」

    アニ「…良かった…よ///」

    エレン「…ああ」

    ユミル「…以外と普通なのな」

    エレン「…単純にお前らに見とれてただけだよ」

    アニ「…ふーん」

    エレン「ほら、もう着替えてこいよ」

    ユミル「もういいのかよ?」

    エレン「ああ」

    アニ「そんなに私達に魅力ない?」

    エレン「…そういうわけじゃないから安心しろよ」

    ユミル「ふーん」

    エレン「…///」プイッ

    ユミル「…まぁそういうことしといてやるよ」ニヤニヤ

    アニ「それじゃ着替えてくるよ」

    エレン「あ、ああ」
  16. 16 : : 2017/08/24(木) 02:39:58
    期待です!
  17. 17 : : 2017/08/24(木) 02:59:27
    エレン「…綺麗だったな…」

    「なにがだ?」

    エレン「!?」

    ユミル「おう」

    エレン「…聞いてたか?」

    ユミル「ばっちし」

    エレン「忘れてくれ」

    ユミル「無理」

    エレン「くそ…」

    アニ「なにしてんの?」ヒョコ

    ユミル「ああ、今エレンがな…」

    エレン「待てぇい!」

    ユミル「冗談だよ」ケラケラ

    アニ「ねぇ、なんの話?」

    エレン「大丈夫だ、アニ…気にしなくていい…」

    アニ「そう言われると余計気になるんだけど」

    エレン「…頼むから…な?」

    アニ「…わかったよ」

    ユミル「…どれ、どうせだしこのまま飯でも食うか」

    エレン「いいのか?」

    ユミル「もち」

    アニ「私も手伝うよ」

    エレン「俺も」

    ユミル「あいよ」


    やっぱり小さい頃から姉弟のように育ってきた3人。あんなことがあった後でも普段通りに過ごせた







    エレン「やっぱ、ユミルの飯はうまいな」

    アニ「うん」

    ユミル「サンキュ、まぁお前らも手伝ってくれたからな」

    エレン「俺も料理してみようかな」

    ユミル「おっ、どうした急に」

    アニ「どういう風の吹きまわしだい?」

    エレン「…なんだその散々な言われようわ…」

    ユミル「だって、エレンがいきなりそんなこと言い出すからな」

    アニ「うん、今まで手伝うことはあっても料理はしなかったからね」

    エレン「…まぁ、お前らには何度も料理を作ってもらったからな…俺も料理でお返しがしたいなぁ…と」

    ユミル「嬉しいこと言ってくれるじゃないか」

    アニ「まぁ、私達はエレンが美味しいと言ってくれるだけで充分なお返しになるんだけどね」

    ユミル「おっ、アニ良いこというじゃねぇか」

    アニ「まぁね」フフン

    エレン「まぁ、見てろよ。俺も料理で二人に美味しいって言わせてやるからな」

    ユミル「楽しみにしてるよ」ワシワシ

    アニ「期待してるよ」ナデナデ

    エレン「撫でんなよ」


    エレンはそう言いつつも二人の手を払い除けようとはしなかった。
  18. 18 : : 2017/08/24(木) 03:09:24
    >>16 なつみかんは腐ってくさん!コメントありがとうございます!自分もなつみかんさんの作品は楽しく読ませて頂いてます!これからもよろしくお願いします!
  19. 19 : : 2017/08/24(木) 12:56:22
    ~壮行式前日~


    リヴァイ「…」

    部員「…」


    部活が終わったあと、集合を掛けられた
    …がリヴァイは一言も発さない


    リヴァイ「…」

    部員「…」


    こんなことが長く続けば当然なにかあったのかと不安も積もる


    リヴァイ「…おい」

    部員「!、っはい!」

    リヴァイ「…もう少し楽にしていいぞ」

    部員「…」

    部員(出来るか!)

    リヴァイ「…」

    部員「…」


    そしてまた無言タイムに突入にした



    と思ったその矢先に



    「おーい、準備出来たよ~」


    リヴァイ「ちっ、遅いんだよ」

    ハンジ「そんなに悪態つかないでよ」

    ミケ「…まぁ、間に合ったのだからいいだろう?」

    リヴァイ「まぁな」


    エレン「…どういうことですか?」

    リヴァイ「ああ、1年。呼ばれた順にこい」

    ハンジ「最初は男子からね!えーと、最初は…アルミン!」

    アルミン「は、はい」

    ハンジ「はいこれ」スッ

    アルミン「…これって」

    ミケ「開けてみろ…」

    アルミン「…」ビリビリ

    アルミン「!」

    1年「!」

    アルミン「これは…」

    エレン「陸部のジャージ!」

    アニ「…背中に進撃中陸上競技部って書いてあるね」

    ユミル「裾には名前がローマ字で書いてある…」

    リヴァイ「…明日の壮行式にはこれで出てもらう」

    ユミル「!」

    アニ「!」

    リヴァイ「…あるやつから相談を受けてな…壮行式はユニフォーム以外で出れないかとな…」

    ユミル「…」チラッ

    アニ「…」チラッ

    エレン「…」プイッ

    リヴァイ「…学校のジャージで出るには俺のプライドが許さなかったからな…間に合って良かったな」

    ハンジ「ほら、次々名前を呼ぶから取りに来てね!」







    ~帰り道~

    エレン「良かったなお前ら、見せ物にならなくて」

    ユミル「…ああ」

    アニ「ねぇ、相談したのって…」

    エレン「…さぁ、誰だろうな」

    ユミル(…つまんねぇ嘘つきやがって)

    アニ(…ありがとね)

    エレン(…他のやつらには見せたくねぇしな…)

    ユミル「エレン…」ギュ

    アニ「…」ギュ

    エレン「…いきなり手なんて繋いでどーした?」

    ユミル「…まぁ、いいだろ?」

    アニ「あんたは…いや?」

    エレン「…さぁな」プイッ

    ユミル「…素直になりゃいいのに」

    エレン「うるせぇ、さっさと帰るぞ」

    アニ「うん」


    そこから3人は家まで仲良く手を繋いだ
    エレンは表情こそ変えないものの繋いだ手を離さぬよう、ギュッと握っていた…
  20. 20 : : 2017/08/25(金) 11:18:25
    アニとユミルキャワワ°+♡:.(っ>ω<c).:♡+°
    期待です!
  21. 21 : : 2017/08/26(土) 13:08:37
    >>20コメントあざます!
    この二人が可愛いと思ってくれたならとても嬉しいです!
  22. 22 : : 2017/08/26(土) 13:34:05
    ~壮行式~

    ユミル「似合ってるなエレン」

    エレン「ユミルもな」

    アニ「…」コソッ

    アニ(エレン…ユミル…かっこいい)

    エレン「…ん?おお、アニ。」

    アニ「!」ビクッ!

    ユミル「どーしたんだよ?そんなところに隠れて」

    アニ「…ちょっとね」

    アニ(…似合ってるかなんて聞けない…)

    エレン「いいからこっちこいよ」グイ

    アニ「あ!ちょっと…」

    エレン「……」マジマジ

    アニ「…な、なに…」

    エレン「…うん、アニも似合ってるな!」

    アニ「…あ、ありがと」プイッ

    アニ(エレンが似合ってるって言ってくれた!)

    ユミル「良かったな…アニ」ニシシ

    アニ「…うん」ニコッ

    リヴァイ「おい、そろそろ俺らの番だぞ。準備はいいか?」

    部員「はい!」

    「そろそろ、陸上競技部の番です!」

    リヴァイ「…行くぞ」



    その後の壮行式は無事に終了した

    …まぁ、1年のエレン達には特にはすることはなく、すべてリヴァイ部長が進めたのだが


    エレン「あっという間だったな」

    ユミル「そんなもんだろ」ケラケラ

    アニ「長くなるよりマシ」
  23. 23 : : 2017/08/27(日) 08:06:08
    そして地区総体当日


    エレンは五時半に起床した
    地区総体はここらで一番設備が整っている進撃中でするため、少し早く行って準備する必要があるのだ


    エレン「…ねみぃ」


    そう一言だけ漏らすと、自室を出て台所に向かう。


    エレン「おはよう」

    カルラ「おはよう、ちゃんと時分で起きれたのね」

    エレン「ああ、朝飯ある?」

    カルラ「あるわよ、ほら」

    エレン「ありがと、朝早くから」

    カルラ「まったくよ!精一杯頑張りなさいよ!」

    エレン「ああ」


    朝食を済まし、朝の準備を終え玄関に出る。


    ユミル「おう、おはよう」

    エレン「おはよう」

    ユミル「珍しいな、私が迎えに行く前に出てくるなんて」

    エレン「俺だって成長してるんだぜ?」フフン

    ユミル「はいはい、そうだな~」

    エレン「むっ、なんかバカにされた気がする」

    ユミル「そんなことはないぜ?」

    エレン「そうか?」

    ユミル「そうだ」ケラケラ

    エレン「…まぁ、アニ迎えに行くか」

    ユミル「あいよ~」
  24. 24 : : 2017/08/27(日) 09:30:17
    ガチャ


    カルラ「ほらほら、エレン!弁当持ってきなさい!」

    エレン「あっ、忘れてた!サンキュー!」

    カルラ「まったく…ってあら、ユミルちゃん。おはよう」

    ユミル「おはようございます」

    カルラ「ユミルちゃんはお昼御飯大丈夫?」

    ユミル「大丈夫ですよ、パンとか持ってきてるんで」

    カルラ「だめよ!そんなんじゃ!」

    ユミル「え?」

    カルラ「だと思って、エレンの弁当多めに作っといたから食べなさい」

    エレン「へ?」

    ユミル「いいんですか?」

    カルラ「遠慮したら怒るわよ?」

    ユミル「ありがたく食べさせて頂きます」ヘヘヘ

    カルラ「よろしい」

    エレン「そろそろ行こーぜ?」

    ユミル「ああ」

    カルラ「行ってらっしゃい。頑張りなさいよ!」

    エレン「あいよー」

    ユミル「はい」







    ユミル「…」テクテク

    エレン「…」テクテク



    ユミル「…誰が成長してるって?」ニヤニヤ

    エレン「うるせー」
  25. 25 : : 2017/08/27(日) 11:01:08
    その頃アニ家


    アニ「」ボー

    アニ母「ほら準備できてるの?」

    アニ「…うん」ボー

    アニ母「ったく、ほんと我が娘は朝に弱い」


    ピンポーン


    アニ「きた!」ピクン

    アニ母「気をつけてね」

    アニ「うん」タッタッタッ




    ユミル「…起きてっかな」

    エレン「起きてるだろ。さすがに」

    ユミル「いやー、アニだぞ?」

    エレン「…まぁな」


    ガチャ


    アニ「おはよ」

    ユミル「おっ」

    エレン「ほらな」

    アニ「なんの話?」

    ユミル「アニがちゃんと起きてるかって話」

    エレン「そ」

    アニ「失礼だね…ちゃんと目覚ましセットしたよ」

    ユミル「ほー」

    アニ「私だってちゃんと成長してるんだから」フフン


    ガチャ


    アニ母「アニ!弁当忘れてる!」

    アニ「…」

    ユミル「…」ニヤニヤ

    エレン(あれ、デジャブ?)







    そして姉弟一行は学校について、先に準備を始めていたライナー達と合流し、先輩が来る頃には終わっていた


    リヴァイ「おう、ご苦労だったな」

    エレン「はい!」


    ゾロゾロ


    ハンジ「おっ、そろそろ他の学校も会場入りするみたいだね~」

    ライナー「やべ…緊張してきた」

    ベルトルト「僕も…」

    アルミン「胃が痛い…」

    ミカサ「大丈夫?」

    アルミン「なんとか…」

    ライナー「ああ…大丈夫かな…」


    ポンポン


    ライナー「ん?」クルッ


    プニッ


    「らーいなー?」

    ライナー「く、クリスタ!」

    クリスタ「大丈夫だよ!あんなに練習したんだから!自分に自信を持って!」

    ライナー「…クリスタ」

    クリスタ「ね?」ニコッ

    ライナー「…ああ」ニコッ



    ベルトルト「ライナー…成長したね」

    エレン「ただ、気絶しなくなっただけじゃないのか?」

    ユミル「まぁな」

    アニ「ベルからしたらそれが嬉しいんでしょ」
  26. 26 : : 2017/08/28(月) 23:48:48
    開会式を終え、陣地で少しの休憩をとる


    ユミル「エレン、競技は何時からだ?」

    エレン「んーと…あと9時に召集開始だから…10時半には開始だな」

    アニ「召集してから開始まで長いんだね」

    エレン「最初の足合わせとかでな」

    ユミル「応援行くから頑張れよ」

    アニ「カッコ悪かったから許さないから」

    エレン「へいへい、ありがとな」



    リヴァイ「エレン、アップするぞ」

    エレン「はい!…よし、んじゃ行ってくるわ」

    ユミル「そのまま直行か?」

    エレン「ああ」

    アニ「頑張って」

    エレン「もち」グッ


    そしてエレンは小走りでリヴァイの後を追いかける
    その背中をジッと見つめるアニとユミル


    ユミル「…たくましくなったな」

    アニ「うん」

    ユミル「なんか私達から巣だって行くみたいだな…」

    アニ「…そうだね」

    ユミル「…寂しいな」

    アニ「でも」

    ユミル「うん?」

    アニ「エレンがもし私達から巣だって行っても…エレンは私達を置いてはいかないよ?」

    ユミル「…アニ」

    アニ「それに…エレンが逞しかろうが弱虫だろうが私はエレンのことが大好きだしね」

    ユミル「…はっ、もちろん私もだ」

    アニ「そうだね」クスクス

    ユミル「ああ!」ニシシ




    ライナー「エレン愛されてるなぁ」

    ベルトルト「エレンの気持ちを知ってるだけあって3人とも幸せになってほしいね」

    ライナー「ああ、あいつら3人は大丈夫だろ。なんたってユミルとアニはエレンにベタ惚れだし、エレンも二人のこと大好きだしな」

    ベルトルト「そういや、エレンを交えての喧嘩ってあの3人ないよね」

    ライナー「んー、まぁユミルとアニはエレンに手を出さなそうだけどな」




    ユミル「もし、私達を置いてったらコチョコチョの刑だな」ニヤ

    アニ「そうだね」ニヤ




    ライナー「…」

    ベルトルト「…」

    ライナー「…一応、平和…だよな?」

    ベルトルト「…多分ね」
  27. 27 : : 2017/08/30(水) 23:57:48
    リヴァイ「…緊張するか?」

    エレン「もちろん、してます」

    リヴァイ「…ふっ、まぁ練習の通りに落ち着いていけ」

    エレン「リヴァイ部長は一番最初の大会は緊張しなかったんですか?」

    リヴァイ「…さぁな」

    エレン「えー、気になるんすけど」

    リヴァイ「うるせぇ。それより体はほぐれたのか?時間も近いし行くぞ」

    エレン「うす!」







    エレン「…以外と競技者少ないんですね」

    リヴァイ「まぁ、全ての中学校か棒高跳びを練習できるわけじゃないからな」

    エレン「なるほど」

    リヴァイ「それよりコールが始まるぞ。ユニフォームにゼッケンはつけてるか?」

    エレン「もちろんっす」

    リヴァイ「よし、OKだな」


    イチバン、キルシュタインサン!
    ハイ!
    ニバン、スプリンガーサン!
    ア,オレカ!ハイ!



    「三番、イェーガーさん!」


    エレン「はい!」


    リヴァイ(…いい返事だ)


    そして、全てのコールが終わると棒高跳びは競技を開始した
  28. 28 : : 2017/08/31(木) 00:09:40
    いや、内容面白すぎる
    そしてユミルとアニかわゆす
  29. 29 : : 2017/08/31(木) 00:18:57





    エレン「…」ドクンドクン

    ヤバい、二回跳ぶのに失敗しちまった…
    チャンスはあと一回しかない…

    リヴァイ「おい、落ち着け」

    エレン「…」

    リヴァイ「…ったく」

    エレン「…まさか、こんなにも練習と違うなんて…」


    そう、今エレンは練習で跳んでいた高さを跳べずに二回失敗している

    棒高跳びや走り高跳びといった競技は三回失敗するまで高さを上げて競技できる

    エレンは練習で跳べた高さ…2m80㎝を跳べずにいた

    リヴァイ「…まぁ、競技自体の練習を始めたのが遅かったからな。跳べる高さが低いことは仕方がない」

    エレン「…」

    リヴァイ「…はぁ」ポン

    エレン「…部長」

    リヴァイ「肩に力が入りすぎだ。おかげでテンポが狂って動きがぎこちない」

    エレン「…すみません」

    リヴァイ「謝るのは後だ。次の一本、いつも通りに跳べるかどうか…それに懸かってる」

    エレン「…」

    …やばい、緊張してるのが凄くわかる

    手汗がやばい

    喉がかわく

    頭が働かない

    エレン「…やばい」ボソッ



    「エレン」



    ん?
    この声は…



    ユミル「おう」

    アニ「頑張ってる?」

    エレン「…来てくれたのか」

    ユミル「そりゃ、弟の晴れ舞台だしな」

    アニ「私達が応援しないで誰が応援するの?」

    エレン「…ははは」

    ユミル「頑張れよ!頑張ったら撫でてやるよ!」

    エレン「いらねぇよ」

    アニ「…んじゃ、抱き締めてあげる」

    エレン「恥ずかしくなるから勘弁してくれ」

    ユミル「はいはい」

    アニ「それじゃ、頑張りな」



    ユミル&アニ「エレン」



    ああ…なんか…

    緊張がほぐれたな…



    エレン「…ああ…ありがと」

    ユミル「おう、死ぬ気で跳んでこい!」

    アニ「ガンバ~」フリフリ


    …へっ、そうだよな…



    審判「それでは、次の試技に入ります!」





    いつも一緒にいてくれて応援してくれる姉ちゃんに…





    審判「三回目!」





    …俺の大好きな二人に




    審判「三番!」





    エレン「かっこ悪いところは見せらんないよな」ニッ
  30. 30 : : 2017/08/31(木) 00:37:07
    そして、エレンはポールの先を地面に着け左手で軽くポールをしならせた後、棒高跳びのフォームを作る

    最初こそ窮屈なフォームだったが今ではスムーズな姿勢になった


    エレン「…スー、フゥ、スー、フゥ」


    深呼吸をして自分のタイミングを掴む


    エレン「…」スッ


    ダッ


    ガコッ


    テンポよく助走をつけ、ポールの先をボックスに突っ込んで精一杯に左手でポールを押し込み空中で足を上に振り上げる


    エレン(…いけぇぇぇ!)グイン



    スッ



    ドスン




    …カラン



    エレンはマットに叩きつけられたあと、さっきのカランとした音に絶望した

    今自分が飛び越えたであろうバーをエレンは怖くて見ることができずに、そっと、審判を横目にみる


    エレン「…」


    すこしの静寂の後、審判は旗を振った


    …成功の白旗を



    エレン「…は?」


    エレンは跳ね起きてカランとした音の正体を確認する。

    …なるほど、ポールが地面に落ちた音だったか


    エレン「…跳べた」ボソッ


    嬉しさのあまり、エレンは審判に一礼をし、リヴァイの元に駆けた


    エレン「部長!」

    リヴァイ「ああ、跳べたな」

    エレン「はい!」

    リヴァイ「…あのフォームは悪くなかった」

    エレン「…」

    リヴァイ「…その調子で頑張れ」フッ

    エレン「部長…ありがとうございます!」



    その後、エレンは2m90㎝をクリアしたあと3mで三回失敗し、競技を終了した
  31. 31 : : 2017/08/31(木) 00:47:26
    >>28 コメントあざます!
    面白いと思ってくれてありがたいです!
  32. 32 : : 2017/08/31(木) 01:09:04
    リヴァイは他の中学の三年とは別格で4m85cmで大会記録を達成し見事一位で締めた


    エレン「リヴァイ部長!一位っすよ!スゴいっすね!」

    リヴァイ「当たり前だ。俺よりスゴいやつは、そういねぇ」



    「なぁ」



    エレン「ん?」クルッ

    「…たしか、イェーガー…だったか?」

    エレン「ああ、俺はエレン・イェーガーだ。」

    「俺はジャンだ。ジャン・キルシュタイン。同じ1年だ。」

    「俺はコニー・スプリンガーってんだ!俺も1年だ!ヨロシクな!」

    エレン「ジャンにコニーか…そういや、さっき棒高跳びの競技で選手だったよな?」

    ジャン「ああ。これから長い付き合いになると思ってな」

    コニー「俺たち隣町の中学校なんだ」

    エレン「…なるほどな、お互い頑張ろうぜ」

    ジャン「…負けねぇぞ」

    コニー「俺もだ!」

    エレン「ああ!」





    エレン「…リヴァイ部長、すみません。待たせてしまって」

    リヴァイ「構わねぇよ。それよりエレン…」

    エレン「はい」

    リヴァイ「…いいライバルが出来たな」

    エレン「…そうですね」

    リヴァイ「俺の見た感じ、馬面の方は空中動作がスムーズでキレイだったな。丸刈りの方は体格が小さいが助走のスピードの上げ方がうまかった」

    エレン「なるほど」

    リヴァイ「…でもまぁ、お前も負けてねぇよ」

    エレン「…リヴァイ部長、俺泣きそうっす…」

    リヴァイ「キタねぇから泣くな」

    エレン「…いや、世間一般的にそこはとどめの泣かせるセリフを言うのが先輩じゃないっすか?」

    リヴァイ「世間一般的になのかどうかは知らんが俺はキタねぇと思ったからキタねぇと言ったまでだ」

    エレン「…へへっ」

    リヴァイ「…なにがおかしい?」

    エレン「…なんか兄貴みたいな気がして…すみません」

    リヴァイ「…ふん。おら、陣地に戻るぞ」

    エレン「うっす」

    リヴァイ(…兄貴分…か。そう呼ばれるのも悪くねぇな)ニヤ
  33. 33 : : 2017/08/31(木) 01:35:51
    リヴァイ「戻ったぞ」

    エレン「只今、戻りました」

    競技に出ている数人を除いて、多くがこちらを見た

    いや、リヴァイ部長を見たと言った方が正しいか?


    ハンジ「リヴァイ、どーだった?」

    リヴァイ「…まぁ、そこそこだな」

    エレン「大会新記録作ってそこそこって…」

    ハンジ「あ、そっか。1年は知らないのか」

    エレン「なんですか?」

    ハンジ「リヴァイは去年も大会の記録を塗り替えたよ。しかも元の記録を大きく更新して」

    エレン「…まじすか?」

    ハンジ「まじっす」

    リヴァイ「…ふん、エレンの試合の後だ。体をほぐしとけよ」

    エレン「…はい」トコトコ

    ハンジ「いやー、言い過ぎたかな」

    リヴァイ「…あいつに変なプレッシャーを与えるなよ」

    ハンジ「いや、大丈夫でしょ。彼には心の支えになってくれる二人がいる」

    リヴァイ「…そうだな」

    ハンジ「あの二人がいる限り、エレンは大丈夫さ」

    リヴァイ「…お前って以外と見てるんだな、クソ眼鏡」

    ハンジ「ひどい言い様だなー、これでも副部長だよ?」

    リヴァイ「…ふっ、そうだったな」








    エレン「…ただいまー」

    ライナー「おう、おかえり」

    ベルトルト「どうだった?」

    エレン「記録は2m90㎝。練習で跳んでた高さより10㎝プラスで跳べた」

    「エレン」ダキッ

    エレン「うおっ!…ユミル」

    ユミル「おお、我が愛しの弟よ」ギュ~

    エレン「は、な、れ、ろ」グッ

    ユミル「やなこった」

    「こら、ユミル」グイ

    ユミル「ぐえっ」

    エレン「…アニ」

    アニ「エレンが困ってるでしょうが」

    ユミル「いいだろー、別に」

    エレン「恥ずかしいから今はやめてくれ」

    ユミル「…『今は』?」

    アニ「ふーん、今じゃなきゃいいんだ?」

    エレン「…っ!」カァ

    ユミル(おいおい、自分で言っといてそれかよ)

    アニ(可愛いったらこの上ないね)

    ユミル「まぁ、それよりも棒高跳びカッコ良かったぞ」

    アニ「うん」

    エレン「ほんとか?」

    アニ「嘘はつかないよ」

    エレン「…へへっ」

    ユミル「よし、カッコ良かったから撫でてやろーか?」ワシワシ

    エレン「もう撫でてるじゃん!」

    アニ「私も撫でたい」ナデナデ

    エレン「…くそ」

    エレン(…俺はいつもこの二人にやられぱなしだからな…俺も…)スッ

    ユミル「?」

    アニ「?」

    エレン「…撫でてやる」ナデナデ

    ユミル「…ちょ、エレン…///」

    アニ「は、恥ずかしいって///」

    エレン「なにが恥ずかしいだ。いつも俺を撫でるくせに」ナデナデ

    ユミル(これ…やばい…。)

    アニ(エレンに…大好きなエレンに…頭を撫でられると…)

    ユミル&アニ(…すごく落ち着くし…嬉しい)

    ユミル「…///」

    アニ「…///」

    エレン「…」ナデナデ

    エレン(なんか…二人の髪サラサラしてて撫でてて気持ちいいな)





    ライナー「…」

    ベルトルト「…」

    ライナー(俺たち)

    ベルトルト(完璧に)

    ライベル(蚊帳の外だな!)




  34. 34 : : 2017/08/31(木) 12:55:30
    エレン「…そういや、腹へったな」

    ユミル「ああ、もう昼時か」

    エレン「飯食ってもいいのかな?」

    ライナー「ああ、飯食う時間とかは各自でいいらしい」

    ベルトルト「そのかわり応援とかはしっかりしろってさ」

    エレン「ほー、そういや今誰が競技に出てるんだ?」

    アニ「今は誰も競技にでてないよ」

    エレン「なら、飯食うか」

    ユミル「ああ」

    アニ「うん」




    エレン「ユミル、ほれ」スッ

    ユミル「ああ、サンキュー」

    アニ「…」

    エレン「…どした?」

    アニ「…別に」

    エレン「?」

    ユミル「…はぁ、エレン」

    エレン「ん?」

    ユミル「この弁当私達3人で食べないか?」

    アニ「!」

    エレン「俺は全然いいぞ」

    ユミル「なら決まりだな」

    アニ「ユミル…」

    ユミル「へっ…」




    エレン「んー、うめぇ」モグモグ

    ユミル「ああ」モグモグ

    アニ「ね、ねぇ?」

    エレン「ん?」

    アニ「このチーハン私が作ったんだけど…食べない?」

    エレン「食う食う!」

    ユミル「私もいいか?」

    アニ「もちろん」

    エレン「うまそうだな」スッ

    アニ「ストップ!」

    エレン「え?」ピタッ

    アニ「…ほら、あ~ん」

    エレン「えっ、ちょっ、マジで?」

    アニ「マジで」

    ユミル「おおー、エレン。あ~んしてもらえよ」ニヤニヤ

    エレン「…えぇー」


    かなり、恥ずかしいんですけど…
    …ライナーとベルトルトがニヤニヤしてやがるな…


    アニ「…私のチーハン食べたくないの?」ウルウル

    エレン「…っ!、そんなわけねぇだろ!?」

    アニ「んじゃ、あ~ん」スッ

    エレン「…」


    くそっ、わかったよ。やるよ。やりゃいいんだろ!


    エレン「…あーん」

    アニ「はい」

    エレン「…」パク

    アニ「…」

    エレン「…」モグモグ

    アニ「…どう?」

    エレン「モグモグ…ゴクン。」

    アニ「…」ドキドキ

    エレン「…もちろん、美味いに決まってるだろ?」ニコッ
  35. 35 : : 2017/08/31(木) 21:06:26
    んん〜エレン羨ましい…
  36. 36 : : 2017/09/02(土) 00:43:05
    期待やで!(*•̀ᴗ•́*)و ̑̑
  37. 37 : : 2017/09/02(土) 12:31:12
    >>35
    >>36

    コメントありがとうございます!


    なぜ、土曜日まで仕事あるんだ…
    書こうと思ってたのに…

    というわけで更新が亀になりそうです…

    楽しみにしてくれている人に申し訳ありません…
  38. 38 : : 2017/09/03(日) 10:29:24
    アニ「そう…///」

    エレン「…それに」

    アニ「うん?」

    エレン「アニが作ったものなんだ。不味いわけねぇだろ?」

    アニ「…うん、ありがと!」

    ユミル「アニ、私にもくれよ」

    アニ「自分で食べな」

    ユミル「ひでぇ…」

    アニ「私はエレンにしか、あーんはしないよ」

    エレン(…それはそれで恥ずかしいんだがな)




    ユミル「…そういや、アルミンとクリスタとミカサは?」

    ライナー「ああ、あいつらは競技の補助員で出てるよ」

    ベルトルト「その競技も終わったしそろそろ帰ってくるんじゃないかな?」

    エレン「補助員でも疲れるだろうし、飲み物準備しといてやろーぜ」

    ユミル「そうだな。たしかここにスポドリが…」ゴソゴソ

    アニ「あっ、これ?」スッ

    ユミル「ああ、それそれ」

    エレン「てか、2Lのペットボトルって誰が買ってきたんだ?」

    ライナー「ああ、オルオ先輩が買ってきたんだ」

    エレン「オルオ先輩が?」

    ライナー「ああ」

    エレン「なんか、そういうことしなさそうな先輩だけどな…」

    ベルトルト「そうだよね…」

    ライナー「まぁ、普段があれだからな」

    ユミル「おら、さっさとペットボトルをクーラーボックスに入れとけよ」







    アルミン「…ただいまぁ」ヘロヘロ

    ミカサ「あ…あつい」フゥ

    クリスタ「…つ、疲れたぁ」パタン


    クリスタはそう一言だけ呟くとライナーの背中にもたれる


    ライナー「く、クリスタ?」

    クリスタ「…あ、重い?ごめんね…」

    ライナー「いやいやいや、そういう訳じゃないんだ!…なんていうか、その…」

    クリスタ「…プッ」クスクス

    ライナー「…」

    クリスタ「しどろもどろなライナー、面白いね」ニコッ

    ライナー「そ、そうか?」

    クリスタ「うん。…もうちょっと、もたれてていい…?」

    ライナー「…ああ、いいぞ!」

    クリスタ「ありがと♪」





    アルミン「…」

    ベルトルト「…」

    エレン「おーい…なぁ、アルミンとベルの目が死んでるんだが」

    ユミル「ほっとけ、現実逃避してるだけだ」

    アニ「それにしても、クリスタはライナーが…ねぇ…」

    エレン「お似合いっちゃ、お似合いだがな」

    ユミル「美女と野獣じゃねぇか」ケラケラ

    アニ「言えてる。あの二人はくっついたら面白そうだね」

    エレン「…付き合うかぁ…」

    ユミル「…」

    アニ「…」

    エレン「…」



    …なんか気まずい!



    ペトラ「ほら、そろそろファーラン先輩の400m走だよ!応援応援!」

    エレン「!、はい!」

    アニ(…助かった)

    ユミル(…ペトラ先輩ナイス)


    エレン(…)





    ごめんな、二人とも





    すぐに返事をできなくて…





    ありがとな、二人とも






    意気地無しな俺を好きになってくれて…







    俺も二人のこと











    大好きだよ


  39. 39 : : 2017/09/03(日) 10:36:06
    エレン「…いつになったら俺は言えるかな…」ボソッ

    ユミル「あ?どうした?」

    アニ「ん、なにか調子悪いの?」

    エレン「…」



    いつも俺が少し調子が悪かったり、機嫌が悪かったりするとすぐに心配してくれる…

    当たり前のようにそうやって過ごしてきたけど、今だからこそ言える



    エレン「なんでもねーよ」

    ユミル「…ん、なら応援するか」

    アニ「そうだね」

    エレン「ああ」



    エレンは前を歩く二人に背に向かってそっと、


    「ありがとな」


    と呟いた


    そしてそれに続くように



    「大好きだよ…」



    とも…


  40. 40 : : 2017/09/03(日) 14:39:19
    いつ見てもいいssですね^^*
  41. 41 : : 2017/09/06(水) 08:00:36
    >>40 コメントありがとうございます!

    しばらく更新してなくてすみません…
    あいた時間にでも少しずつ書き溜めしておこうと思います
  42. 42 : : 2017/09/06(水) 12:32:45
    オルオ「おい、エレン」


    唐突に後ろから呼ばれたかと思うと袋を投げられ、エレンはそれを受けとる


    エレン「これは……塩飴?」

    オルオ「ああ、1年で舐めとけ」

    エレン「ありがとうございます。しかし、なんでこれを…?」

    オルオ「バカ野郎、1年が俺らを応援しないで誰が応援するんだよ」フッ

    エレン「…」

    オルオ「…まぁ、そういうことだ。しっかり応援しろよ」

    エレン「はい」








    エレン「…ということで、はい飴」スッ

    ユミル「おお、サンキュー」

    アニ「ありがと」

    ベルトルト「それにしても、理由がオルオ先輩らしいね」

    ライナー「そのことなんだけどな」

    エレン「ん」

    ライナー「いや、さっきグンダ先輩に聞いてよ」

    ユミル「なんだ?」

    ライナー「オルオ先輩、去年の地区大会で熱中症でぶっ倒れたらしいんだ。舌を噛みながら」

    アルミン「ええ…なんか悲惨…」

    ライナー「そのせいで、自分の競技には出られないわ、お世話になった先輩の応援も出来ないわで悔しい思いをしたらしい」

    ミカサ「…もしかして」

    ライナー「…ああ。口ではあんなこと言ってるけどスゴい人だよ、あの先輩は」

    エレン「…以外に面倒見がいいんだな」

    ベルトルト「僕ちょっと感動しちゃったよ」

    ユミル「なら、その恩義に報いるためにも一生懸命応援しなくちゃな」

    アニ「そうだね」





    ペトラ「ほら、応援するよ!」


    ペトラの一言でエレン達は競技に出ている先輩達を一生懸命に応援するのであった
  43. 43 : : 2017/09/06(水) 12:52:03
    ~大会2日目~


    エレン「ユミルとアニはいつ競技が始まるんだ?」

    ユミル「私は午後から」

    アニ「私は午前中から…もうすぐ行かないとね」

    エレン「応援行くからさ、頑張れよ!」

    アニ「ああ、わかってるさ」フフッ

    アニ(これは是が非でも頑張らないとね)

    ユミル(嬉しそうだなぁ)

    ユミル「エレン…私の応援は?」

    エレン「するに決まってんだろ?当たり前のことなに聞いてんだ」

    ユミル「そ、そうか」

    ユミル(…やべ、ちょっと嬉しい)

    アニ「…そろそら着替えないとね」

    エレン「どこで着替えるんだ?」

    ユミル「ああ、そこのちっちゃいテンとの中で着替えるんだよ」ユビサシ

    エレン「…へぇ、こんなのあるんだ」

    アニ「…って、あんたはどこで着替えたのさ」

    エレン「ん、下はスパッツ穿いてたし現地で着替えた」

    ユミル「…男子はそういうこと出来るから楽だよな」

    アニ「ほんとにね…」

    エレン「いいだろー…てかアニ着替えないといけないんじゃないのか?」

    アニ「…あっ、そうだった」

    ユミル「はやく着替えてこいよ」

    アニ「うん」スッ

    エレン「ああ、ユミル。そこの俺の水筒とってくれ」

    ユミル「これか?」スッ

    エレン「そうそう、サンキュー」カチャ ゴクゴク

    アニ「…エレン」

    エレン「ん?」ゴクゴク

    アニ「…覗かないでよね///」

    エレン「…ぶふー!」

    ライナー「ふぁっ!」


    エレンが吹き出したスポドリはライナーにふりかかる!


    ライナー「エレン!マジかよ!」ボタボタ

    ユミル「うるさい、今良いところだから黙ってろ」

    ライナー「…」

    ライナー(なんだ、この仕打ちは…)



    エレン「の、覗くわけねぇだろ!」

    アニ「…」ジー

    エレン「…なぁ、頼むから。絶対に覗かないから」

    アニ「…まぁ、信用したげる」スッ


    そう一言だけ言うとアニはテントに入り、着替えを始める


    エレン「はぁ…」

    ユミル「…ホントは覗いてみたいんだろ?」ニヤニヤ

    エレン「うるせぇ」
  44. 44 : : 2017/09/07(木) 19:51:39
    ユミル「エレンはスケベだなぁww」

    エレン「ちょ、マジでやめてくれ」

    ユミル(…ちょっとからかってやろ)

    ユミル「アニー、エレンがテントに近づいてるぞ」

    エレン「!」


    一方テントの中


    アニ「!」

    アニ(嘘…エレンが…)

    (でも、エレンになら…)

    (いやでも、私達はまだ中学生だし…)

    (あっ、でもエレンが求めるのなら…)


    …などと自問自答を繰り返す始末だった



    ユミル「…思ったより反応がないな」

    エレン「ユミル勘弁してくれよ。俺、アニに蹴られちまう」

    ユミル「本望だろ?」

    エレン「俺はドMじゃねぇ」

    ユミル「んじゃ、Sなのか?」

    エレン「…わからん」

    ユミル「アニはどうだろうな」

    エレン「あいつはSだろ。絶対にそうだ」

    ユミル「そうか?」

    ユミル(案外エレンに対しては……わからんが)

    エレン「ユミルもSだよな」

    ユミル「さぁな~」ケラケラ



    アニ「…なんの話してんのさ」ゲシッ

    エレン「いだっ!ちょ、蹴るのやめ!」

    ユミル「おお、着替えたか」

    アニ「エレン、覗かないでって言ったよね?」

    エレン「覗いてもねぇし、近づいてもねぇよ!」

    アニ「え?」

    エレン「ユミルのイタズラだ!い、た、ず、ら!」

    アニ「…ユミル?」ニコッ

    ユミル「はい、すみませんでした」ドゲザ

    アニ「…あとでジュースね」

    ユミル「…はい」



    ライナー「…アニちゃんよ、準備はいいのか?ミカサが待ってるぞ」

    ミカサ「」ジー

    アニ「…あっ、ごめんミカサ!」

    ミカサ「…あとでジュースね」

    アニ「…はい」

    エレン(…ユミルが奢ったジュースがミカサに行くな…)

    イザベル「おらお前ら!行くぞー!」

    ミカアニ「はい!」



    「アニ!」


    アニ「ん?」

    エレン「…頑張れよ!」

    ユミル「3ファはやめろよ?」ケラケラ

    アニ「…もちろん!」ニコッ

    エレン「ああ!」ニッ

    ユミル「よし、行ってこい」ニッ

    アニ「うん、行ってきます!」




    イザベル「アニ…お前はいい二人を友達に持ったな」

    アニ「そんなんじゃないですよ」

    イザベル「え?」

    アニ「私達は…姉弟ですから」ニコッ

    イザベル「…そうか!」

    ミカサ「ホントに?」

    アニ「え?」

    ミカサ「…姉弟の関係で終わっていいの?」ニヤニヤ

    アニ「ちょ、ミカサ!」

    イザベル「おっ!アニ、青春してるなぁ!」ニヤニヤ

    アニ「もう!先輩まで!」

    イザベル「まぁ、大好きな人が応援してくれるのはいいことじゃないか」

    アニ「…」

    イザベル「がんばれよ」

    アニ「…はい!」

    ミカサ「…私も頑張るから。アニには負けない」

    アニ「こっちこそ!」

    イザベル(…こいつらは良いライバルになりそうだな)
  45. 45 : : 2017/09/10(日) 12:46:22
    エレン「んー、これから誰の競技が始まるんだ?」

    ユミル「そうだな…」

    ライナー「プログラムはどこだ?」キョロキョロ

    ベルトルト「はい」スッ

    ライナー「ああ、サンキュー」

    エレン「どれどれ」

    ユミル「…」

    ベルトルト「…」

    ライナー「…」

    エレン「…へー…」

    ライナー「…やばい」

    ベルトルト「僕も…」

    グンダ「ライナー、行くぞ!」

    ライナー「はい!」

    ミケ「…ベルトルト、準備はいいか?」

    ベルトルト「だ、大丈夫です!今行きます!」



    ユミル「…あいつらゆっくりし過ぎだろ」

    エレン「そうだよな」

    ユミル「あれ、そういやアルミンは?」

    アルミン「いるよ」

    エレン「おお、いたのか」

    アルミン「ひどいな…まぁ僕ももう行くけどね」

    エレン「100mか?」

    アルミン「うん」

    ユミル「頑張れよ、応援してやるからよ」ケラケラ

    アルミン「もちろんだよ」

    アルミン「それじゃ、行ってくる」

    エレン「いってら~」




    エレン「…んー、そして誰もいなくなった」

    ユミル「陣地のテントに私達二人だけ…か」

    エレン「部長もやることがあるとか行ってどっか行っちゃったし」

    ユミル「クリスタはエルヴィン先生の手伝いとかで行ってるし」

    エレン「応援しようにも、まだ誰も競技には出てないからな」

    ユミル「…そうだなぁ」

    ユミル(そういや、こうしてエレンと二人きりになるってことは最近なかったなぁ…。こないだ泊まったとき二人で話したがアニが寝てたしな)

    ユミル(少し、意識しちゃうな…)

    エレン「…そういや、二人きりって久しぶりだよな」

    ユミル「!」

    ユミル(…エレンも同じことを……やべ、ちょっと嬉しい…)

    エレン「…どうした、にやついて?」

    ユミル「に、にやついてなんかいねぇよ!」

    エレン「…?、そうか?」

    ユミル「ふん」プイ

    ユミル(…なんでだ…エレンの顔が見れない…)

    エレン「…ゆーみるー?」

    ユミル「…」

    エレン「…俺…怒らせちゃったか?…ごめん」

    ユミル「…別に怒ってるわけじゃねーよ」

    エレン「じゃ、なんだよ」

    ユミル「…私もお前と同じことを考えて少し嬉しかった…だけ///」プイ

    エレン「…」


    なんですか、この可愛い生き物は!
    同じ事を考えてたって…
    やばい、なんか俺もにやけてくる!


    エレン「お、おうぅ」

    ユミル「…なんだよ、その顔」

    エレン「…いや」

    ユミル「そんなわけないだろ?」

    エレン「…白状しますと、なんつーか、その…」

    ユミル「…」

    エレン「ユミルがそう思ってくれたことに…嬉しくなりまして…」

    ユミル「…///」

    ユミル「…あ、ありがと…///」

    エレン「…お、おう」

    ユミル(…これは少しは期待していいよな?)

    ユミル(…たまには甘えても…)

    ユミル「エレン」

    エレン「なんだ?」

    ユミル「ちょっと座ったままあっち向いてくれ」

    エレン「こうか?」スッ

    ユミル「そう、そのまま」

    エレン「…?」


    なにをするんだ?とエレンの頭に疑問が浮かんだとき、エレンの背中になにかが寄り添う


    エレン「ゆ、ユミル?」

    ユミル「…」


    ユミルは今エレンの背中に自分の背中を合わせて座っている。


    ユミル「…しばらくこういさせてくれよ」

    エレン「あ、ああ」


    ユミル(…いつのまにかエレンの背中…大きくなったな。前はこんなにゴツゴツしてなかった。これもリヴァイ部長に鍛えられたおかげ…か)

    ユミル「重くないか?」

    エレン「お、重いわけねぇだろ!むしろ軽い軽い!」

    ユミル「そうか…ならもう少し体重かけていいか?」

    エレン「あ、ああ」

    ユミル「ありがと」ニコッ

    エレン「…」ドキ


    それから二人は恥ずかしさのせいか会話を交わすことはなかったが、それでも離れようとせずに幸せな時を過ごした




    …リヴァイとペトラが帰ってくるまで
  46. 46 : : 2017/09/12(火) 06:15:16
    期待してます!
    頑張ってください!
  47. 47 : : 2017/09/14(木) 12:20:27
    >>46 期待コメントありがとうございます!

    すいません!最近発売されたゲーム、デッテニー2にドはまりしてまして…サボりがちになってしまいました…

    そろそろ再開していこうと思います!

  48. 48 : : 2017/09/14(木) 12:52:01
    リヴァイ「…お前ら…」

    ペトラ「へー、あなた達そういう仲だったんだ~」ニヤニヤ

    エレン「!」

    ユミル「!」

    エレン「こ、これは…その…」

    リヴァイ「…別にお前らの仲をどうこう言うつもりはねぇよ。ただ、今は大会中だ。…わかるな?」

    エレン「は、はい!」

    ユミル「はい!」

    ペトラ「さぁ、二人とも。応援行ってきなさい!」

    エレン「いってきます!ほら行くぞ!ユミル!」ギュッ グイッ

    ユミル「うおっと!え、エレン!」ダダダ

    ユミル(え、エレンが私の手を掴んで…///)



    リヴァイ「…」

    ペトラ「あらあら、青春してますね?」

    リヴァイ「そうだな」

    ペトラ「エレンって、結構大胆なんですね」

    リヴァイ「そうだな」

    ペトラ「…私達も応援に行きます?」

    リヴァイ「そうだな」

    ペトラ「…もう!なんで、『そうだな』ってしか言ってくれないんですか!?」

    リヴァイ「…」

    ペトラ「…」ムスッ

    リヴァイ「…こうやって二人きりでいるってのは…照れるよな…」ボソッ

    ペトラ「…えっ?」

    リヴァイ「なんでもない、行くぞ」

    ペトラ「…はい!」ニコッ

    リヴァイ「…フッ」








    エレン「えっと、幅跳びの競技場所は…ここか」

    「よお」

    エレン「ん?」クルッ

    ジャン「昨日ぶり」

    エレン「おお、ジャンか」

    コニー「俺もいるぜ!」

    エレン「おっす、お前は変わらず元気だな」

    コニー「俺は天才だからな!元気なのも天才のうちだ!」

    エレン「そうなのか?ジャン」

    ジャン「俺に聞くな…」

    コニー「ところでよ?」

    エレン「ん?」

    コニー「お前らは付き合ってるのか?」ユビサシ

    エレン「…あ」

    ユミル「///」


    振り返るとそこには頬を真っ赤にそめたユミルが立っていた。

    なんで、真っ赤だって?

    そりゃあ、大好きなエレンにテントを出るときからずっと手を繋いでたんだから当然だろう


    エレン「わわっ!ごめんユミル!」バッ

    ユミル「…あっ」シュン

    ジャン(…今明らかに落ち込んだな)

    コニー「なぁなぁ、紹介してくれよ。エレン」

    エレン「ああ、こいつは俺の幼なじみのユミルってんだ」

    ユミル「ユミルだ。よろしく」

    ジャン「俺はジャンだ」

    コニ「俺はコニー!よろしく!」

    ユミル「エレン、どういう知り合いだ?」

    エレン「ああ、こいつら隣町の中学で棒高跳びやってるんだよ」

    ユミル「なるほど、そういう繋がりか」

    コニー「…なぁ?…ユミル…だったよな?」

    ユミル「ああ」

    コニー「俺達どっかで会ってなかったか?」

    ユミル「…あ」

    コニー「…あ」

    ユミル「自転車!」

    コニー「そう!」

    ユミル「あん時はありがとな!」

    コニー「いや、いいってことよ!」

    コニー「…じゃなくて、返せよ!」

    ユミル「…やっべ、あれ廃工場の前にあるな…」

    エレン「…どういうこと?」

    ユミル「ああ…ほらアニが拐われた事件があっただろ?あん時にたまたま通ったコニーに自転車を借りて私は追いかけたんだ」

    エレン「…あー、それでそのまま忘れてたと」

    ユミル「そういうこと」

    コニー「返してくれよな」

    ユミル「ああ…でもいつの機会にするか」

    ジャン「それなら問題ねぇよ」

    エレン「なんでだ?」

    ジャン「お前ら何も聞いてねぇのか?今度から休日練習はお前らと俺らで合同でここで練習することになったらしいぜ」

    ユミル「そうなのか。なんでまた?」

    ジャン「なんでも、うちの顧問とそちらの顧問が大学の同期らしくてな」

    エレン「なるほど、そこから話が上がったと」

    コニー「?、つまりどういうことだ?」

    ジャン「…こいつは無視してくれ」

    エレン「ああ」

    ユミル「んで、その合同練習の時に自転車を返せばいいんだな」

    ジャン「そういうことだ」

    コニー「とにかく自転車は返ってくるって事だよな?」

    エレン「ああ」

    コニー「良かった!」

    ユミル「すまん、忘れてて」

    コニー「大丈夫だ!俺も忘れてた!」

    エレジャンユミ(バカだ!)
  49. 49 : : 2017/09/15(金) 12:28:24
    ジャン「そういや、お前ら女子幅の応援か?」

    エレン「ああ。ってことはそっちもか?」

    ジャン「まぁな」



    ソレデハキョウギヲカイシシマス!



    ユミル「…おっ、競技が始まったみたいだぞ」

    エレン「アニの応援しなきゃな」

    ユミル「…ミカサとイザベル先輩は?」

    エレン「するに決まってんだろ」

    ユミル「アニしか頭になかったのかなぁと思ったんだよ」

    エレン「…そんなわけねぇだろ?」

    ユミル「ふーん」

    エレン(…図星だなんて言えない)
  50. 50 : : 2017/09/15(金) 12:53:01
    ジャン「…ところでよエレン」コソコソ

    エレン「なんだ?」

    ジャン「その…実際のところユミルとはどういう関係なんだ?」

    エレン「…まぁ、一言では言えないな」

    コニー「なんの話だ?」ズイ

    ユミル「ん?」

    ジャン「…いや、エレンとユミルってどういう関係なのかなぁ…と」

    ユミル「…ああ、そうだな。私達三人は姉弟のように育ったんだ」

    ジャン「三人?あと一人いるのか?」

    エレン「ああ、次に跳ぶやつだ。今待機してるあいつ。金髪のやつだ。」

    ジャン「あれか」

    ジャン(…あの子も随分可愛いじゃねぇか。ユミルは多少ソバカスはあれど綺麗系でスタイルもいいし…)

    ジャン「なんか、軽くムカついてきた」

    エレン「なんで?」

    ジャン「気にするな」

    ユミル「で、話は戻るが私とアニはエレンの姉ちゃんだ」

    エレン「まぁ、そういうこと」

    ジャン「そうか、ってことはお互い恋愛感情とか持ってる訳じゃないんだな?」

    エレン「え、えっとそれは…」

    ユミル「ま、まぁそうだな…」

    コニー「なぁなぁ、なんでそんな顔真っ赤なんだ?」

    ジャン「…」

    ジャン(こいつら…マジか…)



    ミカサ「…アニ」

    アニ「なにミカサ」

    ミカサ「エレンとユミルがあそこにいる」

    アニ「どこ?…ほんとだ」

    ミカサ「…アニ嬉しそう」

    アニ「そりゃね」

    ミカサ「それは姉弟に応援されるから?それとも愛する人に応援されるから?」

    アニ「それは…」

    ミカサ「冗談、ほら次頑張って」

    アニ「…はいよ、ありがと」




    エレン「…っと、おい、アニが今から跳ぶぞ!」

    ユミル「っとやべぇ、応援しねぇと」

    エレン「アニ~!、ガンバ~!」

    ユミル「アニ、一本!」



    アニ「…嬉しいもんだね」



    大好きな二人に応援されるってのは…



    アニ「…」スゥ ハァ スゥ ハァ

    アニ「…いきます!」


    アニは深呼吸をして掛け声をする

    アニは練習の時から掛け声をしてから跳んでたため、そこからルーティーンが始まるのだろう

    助走はテンポ良く、かつ勢いよく乗り、調子よく跳ぶことが出来た。空中動作もなかなかのものだろう


    審判「…」ジー

    審判「…よし!」白旗

    審判「…記録~…」



    アニ「よし!」グッ

    ミカサ「ナイス、アニ」

    イザベル「良かったぞ!」

    アニ「ありがとうございます!」

  51. 51 : : 2017/09/15(金) 17:10:56
    エレン「よーし、よしよし」

    ユミル「なかなかの記録じゃないか?」

    エレン「1年にしてはな」


    その会話をよそにジャンはある一人の女子に心を奪われていた


    ジャン「…なぁ、エレン…」

    エレン「なんだ?」

    ジャン「…あの黒髪美少女は…」

    エレン「黒髪美少女?ユミルのことか?」

    ユミル「な、何で私だ!?ミカサのことだろう!?」

    ユミル(エレンがそう思ってくれたのは嬉しいけど!///)

    ジャン「…ミカサってのか…」

    エレン「…どうかしたか?」

    ジャン「…いや、なんでもない」









    ~幅跳び終了~


    エレン「おー、イザベル先輩が一位か~」

    ユミル「アニもミカサも頑張ったけど、やっぱまだ2、3年には勝てない…か」

    エレン「そりゃな」

    ジャン「おっ、選手が帰ってきたぜ」

    アニ「ただいま」

    ミカサ「ただいま」

    エレン「おつかれ」

    ユミル「結構よかったんじゃないか?」

    アニ「んー、練習よりは?って感じ」

    ミカサ「私も」

    エレン「本番に強いならいいじゃねぇか」

    アニ「エレンは酷かったもんね」

    エレン「うるせ」




    ジャン「おっ、俺達のほうもきたな」

    コニー「おつかれ!サシャ!ミーナ!」

    サシャ「もう疲れましたよ…ご飯食べます!」

    ミーナ「サシャさっきからそればっかだよ」ハァ
  52. 52 : : 2017/09/16(土) 20:04:54
    サシャ「ご飯は私のパワーの源です!」

    コニー「そうなのか!?」

    ジャン「コニー、お前は驚いてるが誰もがそうだぞ」

    ミーナ「…ところで、ジャンとコニーがさっきから話してるこの人たちは?」

    ジャン「ああ、こいつらは…」



    ~説明中~



    ミーナ「あ~、なるほど」

    エレン「よろしくな!」

    サシャ「こちらこそ!」

    ジャン「…な、なぁあんた…ミカサって言ったか?」

    ミカサ「…?、うん」

    ジャン「お、俺はジャンってんだ。よ、よろしく」

    ミカサ「うん、よろしく」

    ミーナ(…これは…)ニヤニヤ

    サシャ「…お腹空きました…」

    アニ「あっ、そういえば私も…」

    ミカサ「…私も」

    エレン「それじゃ、陣地に戻るか」

    ジャン「…ああ、今度の合同練習でな」

    エレン「ああ」

    アニ「…合同練習?」

    ユミル「ああ、その話は戻りながらな…」





  53. 53 : : 2017/09/17(日) 19:22:18
    アニ「へー、そんなことが」モグモグ

    ユミル「そういうことだ。ほら、エレン。あーん」ヒョイ

    エレン「なんで俺にアーンをする!?自分で食えよ!」

    ユミル「だって私、競技あるからゼリーくらいしか食えねぇんだよ」

    エレン「そうか」

    ユミル「だからこの飢えを満たすためにもエレンにアーンをする」

    エレン「おかしい。その考えはおかしいぞ!」

    ユミル「おかしいか?アニ」

    アニ「いや、至極まっとうな発想だと思うよ?」

    ユミル「だってよ」

    エレン「いやいやいや、なんで!?」

    アニ「てことであーん」ヒョイ

    エレン「お前は自分の飯があるだろうが!」

    アニ「試合を頑張ってきた自分へのご褒美さ」フフン

    ユミル「おー、なるほど」

    エレン「いや、納得してねぇからな?」

    ユミル「んじゃ、エレン」

    エレン「なんだよ」

    ユミル「私が試合で頑張れるためにもアーンさせてくれ」ニヤ

    エレン「ぐっ…」

    アニ「上手い…ユミル」

    エレン「…わかったよ」

    ユミル「やった♪ほら、あーん」ヒョイ

    エレン「…」パク

    ユミル「美味いか?」

    エレン「…美味いよ」

    アニ「ほら、あーん」

    エレン「…」パク

    アニ「美味しいかい?」

    エレン「もちろんだ」モグモグ

    ユミル「♪」

    アニ「♪」

    エレン(…まぁ、幸せっちゃ幸せだな)




    ベルトルト「…」

    ライナー「…」

    アルミン「…」

    クリスタ「イチャイチャ…」

    ミカサ「し過ぎ…」
  54. 54 : : 2017/09/18(月) 16:01:37
    エレン羨ましい!(*´꒳`*)
    頑張ってください!
    期待してます!!
  55. 55 : : 2017/09/20(水) 02:08:51
    >>54 おお!期待コメントがまぶしい…


    さぁて、少しずつでも書いていけたらいいなぁ程度に頑張ります!
  56. 56 : : 2017/09/20(水) 02:25:16
    ユミル「なんだ、お前らいたのか」

    アニ「全然気付かなかった」

    ライナー「お前らがエレンにちょっかい出し始める辺りから帰ってきてたよ」

    ユミル「ちょっかいとは失敬な。可愛い可愛い弟をイジッ…愛でてただけだ」

    ベルトルト(今完璧にイジッてたって言おうとしたよね?)

    アニ「それよりもあんたらは試合どうだったの?」ナデナデ

    エレン「撫でんなよ」

    アルミン(そう言いながらも君は手を振りほどかないんだね…)

    ベルトルト「ああ、僕はそこそこだよ。一年生の中では一位だと思う」

    エレン「おっ、すげぇじゃん」

    ベルトルト「ありがと」

    クリスタ「ライナーも凄かったんだよ!」

    ライナー「く、クリスタ?」

    クリスタ「ライナーはトップ8に入ったんだから!」エッヘン

    ユミル「ほー、それはそれは。だが、なぜクリスタが威張る?」

    クリスタ「…さぁ?」ンー

    ライナー「…というわけで、8位だった」

    エレン「おめでとう!」

    ライナー「ああ、ありがとな」ハハッ

    エレン「アルミンは?」

    アルミン「んー、僕はとりあえず今の自分の力は出し切れたかな」

    エレン「そうか」

    アルミン「…ところでさ」コソッ

    エレン「どうした」

    アルミン「…僕は自分の競技がすぐ終わったからライナーの競技を応援してたんだけど」

    ユミル「ああ」

    アルミン「…ユミルも聞くのね」

    ユミル「面白そうなんでな」

    アニ「私を除け者にしないでよ」

    アルミン「…」

    エレン「こいつらは気にするな」

    アルミン「…まぁ、いいや。続けるよ」

    エレン「ああ」

    アルミン「実はライナー、あまり調子が良くなくて練習通りに投げられなかったみたいなんだ」

    アニ「…緊張してたの?」

    アルミン「多分ね」

    ユミル「で?それでなんで8位になれたんだ?」

    アルミン「…途中からクリスタが応援に来てね。」

    アルミン「クリスタの頑張っての一言だけでライナーは本調子に戻って自己新だよ」

    エレン「…」

    ユミル「…」

    アニ「…」

    エレン「…なんつーか」

    ユミル「愛の力っては」

    アニ「偉大だね」
  57. 57 : : 2017/09/22(金) 20:56:36
    またもや少し放置してスミマセン…

    明日は休みを頂けたので時間を作って書いていこうと思います!
  58. 58 : : 2017/09/23(土) 05:42:56
    ライナー「ああ、それよりもユミル。そろそろ準備し始めた方がいいんじゃないのか?」

    ユミル「ああ、もうそんな時間か…」

    エレン「頑張ってこいよ」

    ユミル「当たり前だ…あっ、そうだ」ピコーン

    エレン「なんだ?」

    ユミル「…もし、私がトップ8に残れたらなんかご褒美くれよ」

    エレン「はぁ?」

    ユミル「ほら、やっぱそういう目的と言うかなんと言うか…そういうものがあったほうが頑張れると思うんだよ」

    エレン「…ホントか?」

    ユミル「ホントホント」

    エレン「…わかった」

    アニ「えー、ユミルズルくない?」

    ユミル「言ったもん勝ちだろ?」フフン

    エレン「それで?なにがいいんだ?」

    ユミル「…んー、そうだな」

    エレン「できる範囲でな」

    ユミル「わかってる…そうだ。ちょっと耳貸せ」スッ

    エレン「あ?」

    ユミル「~」ゴニョゴニョ

    エレン「なっ!///」

    ユミル「どうだ?」

    エレン「俺が恥ずかしいわ!」

    ユミル「私からはやったことあるだろ?」

    エレン「そうだけど!」

    ユミル「私はエレンからしてほしいなぁ~?」

    エレン「…わかった!トップ8に入れたらな!」

    ユミル「よっしゃ!」

    エレン「…ったく」

    ユミル「それじゃ、行ってくる」

    エレン「ああ、行ってらっしゃい」

    アニ「…行ってらっしゃい」






  59. 59 : : 2017/09/24(日) 09:24:40
    アニ「…」ムスッ

    エレン「…アニちゃん?」

    アニ「なに」ギロ

    エレン「…ふくれんなよ」

    アニ「ムリ」プイ

    エレン「仕方ねぇ姉ちゃんだなぁ」

    アニ「…嫌になった?」

    エレン「は?」

    アニ「だから…すぐ嫉妬しちゃうとかさ…嫌にならない?」

    エレン「…」

    アニ「…」

    エレン「…なるわけねぇだろ」

    アニ「…」

    エレン「…俺はそんなアニが大好きなんだから」ボソッ

    アニ「…」

    アニ「…!///」ボンッ

    アニ「い、今なんて…!?」

    エレン「…さぁな」プイ

    アニ「もう一回言って!」

    エレン「知らないですねぇ」ケラケラ

    アニ「姉ちゃんをバカにするなぁ!」ゲシ

    エレン「いったぁ!?」




    ミカサ「痴話喧嘩…」

    アルミン「うん」

    ベルトルト「まぁ、アニの機嫌も直ったし。流石エレンだね」

    ライナー「いや、ホントに機嫌直って良かったよ…」ブルブル

    クリスタ「どうして?」

    ベルトルト「…昔からアニとユミルはエレン絡みで機嫌が悪くなるとライナーに当たるんだ」

    ライナー「…あいつらお互い喧嘩こそしねぇけど…俺で発散すんのはやめてほしい」

    アルミン「まぁ、それで平和に済むなら」

    ミカサ「必要な犠牲」

    ベルトルト「うん」

    ライナー「おい!てかベルトルトも乗るな!」

    クリスタ「そうだよ!ライナーは犠牲なんかじゃないよ!」

    ライナー「…クリスタ」

    クリスタ「ライナー!」

    ライナー「ん?」

    クリスタ「怪我したときは手当してあげるね?」ニコッ

    ライナー「………ああ、ありがとう」ニッ



    アルミン「ねぇ、なんで今溜めがあったの?」

    ベルトルト「…ライナーは無駄に頑丈だし、ユミルとアニだって当たるって言ってもそこまでやるわけじゃないからね」

    アルミン「ああ。それじゃ怪我はそこまでしないと」

    ベルトルト「多分ね」
  60. 60 : : 2017/09/24(日) 18:03:39





    エレン「アニ、そろそろユミルの競技始まりそうだし応援しにいこーぜ?」

    アニ「ああ、そうだね」

    ライナー「ああ…なら俺達も…」

    アニ「…」ギロ

    ライナー「後から行くわ」キリ

    ベルトルト「先に行ってて」キリ

    アルミン(…怖い)

    エレン「ん、そうか。わかった」

    アニ「ほら、エレン。行こ?」

    エレン「ああ」
  61. 61 : : 2017/09/24(日) 18:48:47
    ライナー「よし、危機は脱した」

    ベルトルト「うん、危なかった」

    アルミン「…心なしかエレンも嬉しそうに見えるよ」

    ライナー「そりゃそうだろ。大好きなアニと一緒に大好きなユミルの応援に行けるんだから」

    「そうなの?」

    男子「!?」

    ミカサ「それは初耳」

    クリスタ「へー」ニヤニヤ

    ライナー「」

    ベルトルト「」

    アルミン「」

    クリスタ「ユミルとアニの気持ちは知ってたけど…両思いだったんだね」

    ライナー「…あのー、クリスタさん?ミカサさん?」

    ミカサ「わかってる。二人にはこの事は言わない」

    ベルトルト「助かるよ」ホッ

    クリスタ「うん、でも…」

    アルミン「うん?」

    クリスタ「…楽しくなりそうだね」ニコッ

    ライナー(可愛い!…でも)

    ベルトルト(何故かこの笑顔が…)

    アルミン(怖くも感じる)

    ミカサ(出た…クロスタ)
  62. 62 : : 2017/09/26(火) 19:56:03




    エレン「アニ」

    アニ「なんだい?」

    エレン「なんで手を繋いでるんだ?」

    アニ「迷子になったら嫌でしょ」

    エレン「いや、ならねぇよ」

    アニ「なに、そんなに私と手を繋ぐの嫌なの?」

    エレン「…」

    アニ「…ユミルとは繋いだのに私とは繋ぐの嫌なんだ」

    エレン「な、なんでそれを!?」

    アニ「さっきユミルから自慢された」

    エレン「…いや、あれは、その…わざとじゃないってゆーか…」

    アニ「…」

    エレン「嫉妬してんのか?」

    アニ「…」

    エレン「…わかったよ」

    アニ「よろしい」ニコッ

    エレン「…」


    可愛いなぁ、チクショウ


    エレン「…」

    アニ「…エレン?」

    エレン「うん?」

    アニ「…強く握って?」

    エレン「…ああ」ギュッ

    アニ「…ふふ」ニコ

    エレン「ほら、ユミルの応援行くぞ」

    アニ「もちろん」




    クリスタ「アニ、可愛い!」

    ミカサ「うん」

    アルミン「…なんでこっそり後をつけてるの?」

    ライナー「後でバレて蹴られたらやだろ?」

    アルミン「なら、追わなきゃいいじゃないか」

    ベルトルト「アルミンは気にならないの?」

    アルミン「…そりゃ、まぁ気になるけど」

    ライナー「なら、お前も共犯だ」

    アルミン「…わかったよ」

    クリスタ「ほら、そこの男子三人置いてくよ」

    ミカサ「見失ってしまう」

    ライナー「あいさー」スタスタスタ

    ベルトルト「ほら、アルミン」スタスタスタ

    アルミン「うん」スタスタスタ
  63. 63 : : 2017/09/27(水) 09:56:27




    ジャン「…んで、今度は違う女かよ」

    エレン「うっせ」

    ジャン「しかも、妙にレベルの高い女の子ばっかり…」チラ

    アニ「…」ギュッ

    エレン「痛い痛い!アニ!強く握りすぎ!」

    アニ「うるさい」ゲシ

    エレン「理不尽!?」

    ジャン「…色々大変そうだな」

    エレン「俺は色々大変な姉ちゃんを持ってしまったよ」ハァ

    アニ「ちょっと、どういうこと?」ギロ

    エレン「そういうとこだよ」

    アニ「…ふん」プイ

    アニ(…せっかく二人でいたのに…)

    エレン「にしてもよく会うな」

    ジャン「そりゃ、競技場はそこまで広いわけじゃねぇしな」

    エレン「そりゃそうか。誰かの応援か?」

    ジャン「いや、暇だからブラブラしてただけだ。そっちは?」

    エレン「ユミルの応援だ」

    ジャン「ああ。さっきの…」

    エレン「そういう訳だから俺は行くわ」

    ジャン「ああ」

    アニ「ちょっと」

    エレン「うん?」

    アニ「…『俺は』行くの?私は?」

    ジャン「…」

    エレン「置いてくわけねぇだろ?」

    アニ「なら、よろしい」ギュッ

    ジャン「…幸せそうで」

    エレン「まぁ…な」

    アニ「ほら、そろそろ行かないと始まるよ」

    エレン「わかった。ジャン、またな」

    ジャン「ああ」
  64. 64 : : 2017/09/27(水) 19:55:37




    ~待機場所~


    ユミル「…ん、やっぱ緊張するな」

    「おーい、ユミル!」

    ユミル「ん?」

    エレン「応援にきたぞ!」

    ユミル「おお、可愛い可愛い我が弟よ」

    アニ「頑張りなよ」

    ユミル「当たり前だ…ところでだな?」

    エレン「ん?」

    アニ「なに?」

    ユミル「なんでお前らは手を繋いでるんだ?」

    エレン「アニが離してくれない」

    アニ「さっきユミルに自慢されたからね」フフン

    ユミル「なるほど…嫉妬したと」ニヤニヤ

    アニ「なっ!そんなんじゃない!」

    ユミル「いやいや、嫉妬以外のなにものでもねーだろ。なぁ、エレン」

    エレン「ああ、俺もそーおも…」

    アニ「ふん!」ゲシ

    エレン「痛い!痛いから!」

    アニ「…どう?ユミル。羨ましい?」ドヤ

    ユミル(…やっぱ嫉妬してたのね)

    ユミル「あー、羨ましい羨ましい」

    アニ「ふふん♪」

    ユミル(…ちょっといじめるか…)

    ユミル「でも私はこの後頑張ってトップ8に残ればエレンにご褒美貰えるからなぁ~」ニヤ

    エレン「あっ、おい!」

    アニ「…ズルい」

    エレン「…ほら、こーなるから…」

    ユミル「なら、アニもなにかしてもらえばいいだろ?」

    エレン「は?」

    アニ「なるほど」

    エレン「え?」

    ユミル「だがそれは、私がお褒美を貰ってからだ。じゃないと不公平になるからな」

    アニ「わかった」

    エレン「え?なに?俺の意見は?」

    ユミル「エレンは私達に優しいよねー」

    アニ「そうだね。私達はそんなエレンが大好きなんだもんねー」

    エレン「…はい。わかりました」

    ユミル(ちょろい)

    アニ(やった♪)

    エレン「…」

    エレン(なんか、はめられた気がする…)

    ユミル「…と、そろそろ時間だ。行ってくる」

    エレン「ああ、頑張ってこいよ」

    アニ「応援してるから」

    ユミル「ああ」フリフリ



    わかってるさ



    頑張るしかないだろ



    大好きなアニと



    大好きなエレンに



    応援されたらよ…



  65. 65 : : 2017/10/02(月) 18:56:07





    エレン「…ところでユミルは何組目なんだ?」

    アニ「…さぁ」

    「2組目だ」

    エレアニ「!」ビクッ


    不意をつかれた声の持ち主を見やる
    そこにはユミルの直属の先輩

    ファーランがいた


    ファーラン「…驚きすぎだろ」

    エレン「す、すみません」

    ファーラン「てか、お前ら。応援するやつの出番くらい知っとけ」

    アニ「はい…」

    ファーラン「…なにせ、あいつはお前らのために走るんだからな」

    エレン「?」

    アニ「どういうことですか?」

    ファーラン「お前ら。ユミルのスパイクを見たことあるか?」

    エレン「ええ。あれは俺達が…」

    ファーラン「ああ、悪い。…『最近』のユミルのスパイクを見たことあるか?」

    アニ「いえ…」

    ファーラン「…後で見てみろ。ビックリするだろうから」

    エレン「?、わかりました」
  66. 66 : : 2017/10/03(火) 13:20:23
    ~ユミルside~


    審判「それでは競技を開始します!一組目の選手は準備をしてください」

    ユミル「…始まったか」


    一組目の選手が名前を呼ばれ一歩前に進み周りに礼をする

    それが一通り終わり、会場のガヤが少し収まる



    「On your marks」


    選手がスターティングブロックに足を乗せ、各々構えて体を静止させる


    「Set」


    会場が静寂に包まれる




    パン!



    審判のライカンの音が鳴り、一組目の選手は走りだした






    エレン「…はえぇな」

    アニ「…いつもユミルの見てて思うけど…つらそう」

    ファーラン「まぁな。残りの100メートルなんかは気合いだな。気合い」

    エレン「ユミル…」

    ファーラン「心配か?」

    エレン「…はい」

    ファーラン「大丈夫だ。なにせ俺の練習に着いてくるようなやつだぜ?」

    アニ「そういえばファーラン選手の順位は…」

    ファーラン「一位だ」ニヤ

    エレン「…」



    頑張れよ…



    ユミル…
  67. 67 : : 2017/10/03(火) 13:37:34
    一組目の競技が終わり、二組目の準備が始まる



    審判「…それでは二組目の選手は準備をしてください」

    選手1「…」スゥ ハァ スゥ ハァ

    選手2「…はぁ、緊張する」

    ユミル「…」

    きっと私と同じ一年生なんだろうな
    この大会が初めてってやつも多いんだろう

    …私も少なからず緊張はしてる

    …でも



    ユミル「…エレンに告白した時よりゃ、マシだな…」ニヤ



    放送による選手紹介がはじまる

    放送「…1レーン、~」

    呼ばれた選手はその場で礼をする


    ガンバー!


    礼に合わせて各学校の応援が飛ぶ


    放送「…2レーン~」


    ユミル「…」


    放送「…3レーン、ユミルさん」


    ユミルは名前を呼ばれると一歩前に立ち、大きく手を上に挙げ、礼をする


    「ガンバァ!」


    聞き慣れた声の応援が会場中に響く


    ユミルは誰の声なのかすぐにわかった


    ユミル「…ち、うるせぇな」ニヤ

    でも、ありがとな



    アニ…


    エレン…



  68. 68 : : 2017/10/03(火) 13:40:51
    ファーラン「…」ミミキーン

    エレン「…聞こえたかな?」

    アニ「…多分ね」

    ファーラン「いや、むしろうるせぇ。俺の鼓膜が破れるわ」

    エレン「す、すみません」

    ファーラン「…まぁ、応援としては百点だがな」

    アニ「ありがとうございます」

    エレン「あざす!」



    放送が終わる

    選手紹介が終わりいよいよ、競技が開始する
  69. 69 : : 2017/10/06(金) 11:58:16
    「On your marks」


    いつもの様にブロックに足を乗せ、深呼吸をする


    よし、落ち着いてる

    これなら行ける


    クラウチングスタートの姿勢に入り、体のバランスをとったあと、体の動きを静止させる


    「…Set」


    腰を上げ、臨戦態勢に入る

    スタートの合図にいつでも反応出来るように






    パン!






    甲高いライカンの音が競技場に鳴り響く





    女子400メートル予選二組目の競技が開始された瞬間だ


  70. 70 : : 2017/10/06(金) 12:11:41
    スタートにキレイに入れたユミルは100メートルを過ぎた辺りで少しギアをあげる


    ユミルは手足が長くストライドが大きいために直線の勝負で差をつけようとする


    が、それは経験豊富な3年の選手もいるわけでトップにはなれない


    それでも、1年の選手のなかではぶっちぎりの速さだ


    今現在の順位は3位と言ったところか




    エレン「…トップ8って、何位でなれるんですか?」

    ファーラン「今大会の女子400は4組だからな。タイムレースだと話は別だが、今回は予選で二位以内に入ればトップ8だ」

    エレン「!」

    アニ「ユミル…」

    ファーラン「一瞬足りとも目を離すなよお前ら…」

    エレン&アニ「はい!」
  71. 71 : : 2017/10/06(金) 12:20:55
    200メートルを走り2回目のカーブに入る


    少し右腕を大きく振るように走り、カーブをスムーズに走っていく


    ここら辺りから呼吸が少し荒くなってきた


    が、それでも苦しいというほどでもない



    自分の前を走る二人はスピードが全く落ちずむしろ上がってるようにさえ見える



    さすが3年だ



    私なんか、勝てるわけがなかったのだろうか…



    …いや、




    弱気になってどうする




    勝負の世界に1年も3年も関係ない




    私だって練習はしたんだ




    それに私には…




    エレンとアニが応援してくれている




    それだけで私は元気をもらえる




    力をもらえる




    勇気をもらえる




    …私は






    負けない!
  72. 72 : : 2017/10/06(金) 12:34:17
    ファーラン「…お?」

    エレン「ど、どうかしたんですか?」


    ファーラン「…いや、少し肩の振りが速くなった…かな」

    アニ「…肩の振りが速くなるとどうなるんですか?」

    ファーラン「足の筋肉は腕の筋肉の3倍。どれだけ足を速く動かそうとしたって腕がついてこなきゃ足は動かせない」

    エレン&アニ「…?」

    ファーラン「単純な話にすれば、腕を速く動かせば足は自動的に付いてくるって話だ」

    エレン「な、なるほど」

    アニ「…」

    ファーラン(実際、二位のやつに追い付いてはいる。…が、あいつの足は…もつのか?)







    ユミル「」ハァハァ



    なんとか二位には追い付いた


    二位の選手をチラッと横目に見やる


    疲れがでてか、足の回りも遅くなりスピードが落ちてきている


    残り100メートル


    どの選手だって余裕はない


    もちろん、スピードを上げた私も余裕なんかこれっぽっちもない


    しかし、ここで無理をしなきゃトップ8になんか残れない


    …動け私の体…


    速く振れ、私の腕


    一歩一歩大きく踏み込め私の足





    ユミルはスピードを上げ二位の選手を抜かす


    ゴールを見据えて必死に走る


    残りは30メートルを切った



  73. 73 : : 2017/10/06(金) 12:40:38
    その時だった



    左の袋はぎに違和感が生じた


    次の瞬間には袋はぎが割れたような痛みが走った


    ユミル「うぐっ!嘘だろっ!」


    ユミルの急なスピードの上げかたに足が悲鳴を上げたのだ




    エレン「ど、どうした!」

    ファーラン「…ありゃあ、肉離れ…かな」

    アニ「そ、そんな」




    ユミル(ふざけんじゃねぇよ!)


    ゴールは目の前


    ここで諦められるハズがない


    ユミルは激痛が走る左足で1歩を踏み込む







    …その瞬間にユミルはゴールを目の前に倒れた


  74. 74 : : 2017/10/06(金) 14:55:17
    エレン「アニ!行くぞ!」ダッ

    アニ「わかってる!」ダッ

    ファーラン「あっ、おい!」ダッ





    ユミルが倒れたあと、うしろの選手はユミルを抜かし次々とゴールラインを越える



    ポチャン


    ポチャン



    ユミル「……チクショウ…」グググ


    かつてこんなに悔しいことがあっただろうか?

    いや、ない

    本当に悔しい

    そう思えるほどに本気だったのだ


    審判「君、大丈夫かね!?」

    ユミル「…すみません。動けません」

    審判「回りに知り合いの方は…」

    「ユミル!」


    声がした方を一度見る

    しかし、すぐに俯いてしまう


    …どんな顔をして姉弟を見たらいいかわからなかった


    審判「知り合いかね?」

    エレン「身内です」

    ユミル「…は?」

    審判「そうか。なら、先生は…」

    「私です」

    アニ「…エルヴィン先生!」

    エルヴィン「やあ」

    エレン「なぜここに?」

    ファーラン「俺が呼んだ」

    エルヴィン「ということだ。…ユミル、動けそうにないか?」

    ユミル「…はい」

    エルヴィン「…ふむ。…肉離れのようだな」

    エルヴィン「…仕方ないな。エレン、アニ、二人でユミルを医療テントに。私もついていく」

    エレン「わかりました」

    アニ「はい」

    ユミル「…ごめんな」

    エレン「いいって、遠慮すんな」

    ユミル「…」



    …私はそういうつもりで言ったわけじゃ…



    …ないんだけどな
  75. 75 : : 2017/10/08(日) 22:57:05
    題名を少し変えてみました!

    こっちのほうが分かりやすいんじゃないでしょうか?
  76. 76 : : 2017/10/09(月) 05:30:54
    大丈夫です!d('∀'*)

    ユミル・・・大丈夫かな
  77. 77 : : 2017/10/10(火) 12:30:07
    >>76 返信ありがとうございます!

    ユミルはきっと強い子です!
  78. 78 : : 2017/10/10(火) 12:55:03
    エレン「あっ、足も切れて血が出てるじゃねぇか」

    ユミル「…多分、転んだときだろうな」

    エレン「なら、ほら、急がねぇと」スッ

    ユミル「…おんぶ?」

    エレン「あたぼうよ」

    ユミル「恥ずかしいんだが」

    エレン「今さら何言ってんだ。早く乗れ…ってか、自分で乗れねぇか」

    ユミル「ああ」

    アニ「私が乗せたげる」ガシッ

    ユミル「えっ、おい!」

    アニ「エレン」スッ

    エレン「ほい」ヨイショ

    ユミル「…」

    エレン「よし行くぞ。アニ、後ろから見ててくれ」

    アニ「はいはい」

    ユミル「な、なぁ」

    エレン「なんだよ」

    ユミル「おんぶじゃないとダメか?」

    エレン「他になにかあるのか?」

    ユミル「…いや」

    エレン「なら、お姫様抱っこのほうがいいか?」

    ユミル「勘弁してくれ」

    エレン「さすがに俺もそれは恥ずかしいからな」

    アニ「…私はしてほしいけどな」ボソッ

    エレン「ん?」

    アニ「なんでもない。ほら行くよ」

    エレン「へいへい」トコトコ

    ユミル「…お、重くないか?」

    エレン「へーきへーき」

    ユミル「そこは重くないって言えよ!」

    エレン「無茶言うな。ユミルは俺より身長でけぇんだぞ」

    ユミル「…重くて悪かったな」

    エレン「別に重いとは言ってねぇだろう」

    ユミル「…」

    エレン「ほら、ちゃんと捕まってろよ」

    ユミル「…ああ」

    エレン「まぁ、俺は絶対に離さないけどな」

    ユミル「…っ///」ギュッ

    エレン(…背中に何かが当たってる気がするのは俺の気のせいだ…うん)

    アニ「ユミル落ちないでよ」

    ユミル「…わかってるよ」


    …離れたくないしな


    アニ「ユミル…嬉しそうにだね」

    ユミル「そう見えるか?」

    アニ「…でも、つらそうにも見える」

    ユミル「…」


    こいつは…なんでもお見通しってか


    ユミル「…まぁな」

    エレン「…ユミル。俺とアニは誇らしいよ」

    ユミル「…あ?」

    エレン「…スパイクを見てわかったよ。全然ほつれねぇのな。お前、いつも練習後に手入れしてるんだな」

    ユミル「…そりゃな」

    アニ「あの練習量でほつれないわけないのに…」

    ユミル「…お前らから貰ったものだ。大事にするさ」

    エレン「…ありがとな」

    ユミル「なんで、お前が礼を言うんだよ…」

    エレン「…ユミルは俺達との約束のために今日死にもの狂いで走ってくれたんだろ?」

    ユミル「…」

    エレン「…嬉しかった…かっこよかった…」

    ユミル「…」ポロ

    アニ「…私はユミルが姉弟でとても誇らしいよ」

    ユミル「…」ポロポロ

    エレン「誰もお前のことを責めねぇよ。…だから俺の背中でいいなら、今溜まってるものを出してくれ」

    ユミル「…いいんだな?」ポロポロ

    エレン「ああ」

    ユミル「…うわぁぁぁあ!」ギュッ

    エレン「…」テクテク

    アニ「…」テクテク



    人前でこんなに泣いたことはないだろう




    でもなんでだろうな?




    …エレンの背中だと思うと…




    遠慮せずに涙を流せたよ…




    アニ…




    エレン…






    ありがとう
  79. 79 : : 2017/10/10(火) 21:41:19
    いい話やなーウルウル

    期待です
  80. 80 : : 2017/10/12(木) 00:18:24
    >>79 いつもいつも期待コメントありがとうございます!

    そう思ってくださると俄然やる気がでてきます!
  81. 81 : : 2017/10/12(木) 00:49:23
    ~医療テント~


    医者「…処置はこれでいいでしょう。あとはしばらく激しく動かないこと。いいね?」

    ユミル「…はい」

    エルヴィン「ありがとうございました」

    アニ「まだ、動けなさそう?」

    ユミル「…いや、歩けるぐらいは」スッ

    グラッ

    ユミル「…っ!」

    エレン「おおっと」ガシッ

    ユミル「え、エレン…」

    エレン「無理すんなって…な?」

    ユミル「…ああ」

    エレン「ほれ」スッ

    ユミル「またおんぶか?」

    エレン「いやか?」

    ユミル「嫌じゃねーよ」


    むしろ…


    嬉しい……かな


    ユミル「…それじゃ、頼む」ノシ

    エレン「おし、きた」グイ

    エルヴィン「君たち二人でユミルと陣地のテントに戻れるか?」

    エレン「大丈夫です」

    エルヴィン「そうか。頼んだよ二人とも」スタスタ

    エレン「…んじゃ行くか」

    アニ「…」ムー

    ユミル「どうしたアニ?」

    アニ「…怪我してるとはいえ、エレンにおんぶしてもらってるのがね…」

    ユミル「…ハハハ、嫉妬か?」

    アニ「…そんなんじゃない…羨ましいだけ」

    ユミル(それを嫉妬と言うんだがな)

    エレン「…そういや、ご褒美の件は無しだな」

    ユミル「あー、あのままいけたらなぁ」

    アニ「…ところでユミルはエレンになんてお願いしたの?」

    ユミル「さぁな」ヘラ

    アニ「…エレン」

    エレン「すまん。言えん」

    アニ「…姉ちゃんに隠し事?」ゴキゴキ

    エレン「今は勘弁してくれよ!ユミルを背負ってるんだから!」アセアセ

    アニ「…それもそうだね」スッ

    エレン「ふぅ…」

    エレン(…とても言えねーもんな)

    ーーー



    ーーーーーー



    ーーーーーーーーー



    ユミル「…そうだ、ちょっと耳貸せ」

    エレン「あ?」

    ユミル「…こないだ私がしたように私の頬に…キスしてくれよ///」

    エレン「なっ!///」



    ーーー



    ーーーーーー



    ーーーーーーーーー



    エレン(…言えるわけない)

    ユミル「…エレン」ボソッ

    エレン「…なんだ」クルッ

    ユミル「」スッ



    チュ♥️



    エレン「…は!?///」

    アニ「な!?」

    ユミル「エレンから貰えないなら私からな…///」

    アニ「ちょっと!」グイ

    エレン「うおっと!」

    アニ「」スッ



    チュ♥️



    エレン「」

    アニ「ユミルだけ抜け駆けはなし!」

    ユミル「いやー、すまんすまん」

    エレン「」

    ユミル「…エレン?」

    アニ「…エレーン?」

    ユミル「ダメだ、1歩も動かねぇ」

    アニ「…やりすぎた」






    ライナー「あいつら、なにしてんだよ」

    ベルトルト「ほんとにね」

    クリスタ「うわぁ//キス///」

    ミカサ「…ほっぺに///」

    アルミン「ほら、陣地に戻らないと。そろそろテントの片付けとか始まるよ」

    ミカサ「あっ、もうそんな時間…」

    ベルトルト「…あの3人には会わないように少し遠回りしてこうか」

    アルミン「…」

    ライナー「」ジー

    クリスタ「」ジー

    ベルトルト「まだ、あの3人を見てるよ…」

    アルミン「…ほらそこの二人…いくよ」

    クリスタ「…はーい」

    ライナー「」ジー

    アルミン「…怒るよ?ライナー」ニゴッ

    ライナー「はい、すみませんでした」

    アルミン「まったく…」



    ベルトルト「アルミンってこわいんだね」

    ミカサ「うん。たまに出る」

    ベルトルト「…あんまり逆らわないようにしとこ…」
  82. 82 : : 2017/10/12(木) 01:03:09
    ~陣地~


    リヴァイ「…エレン」

    エレン「」

    アルミン「今は…そっとしておいてあげてください」

    リヴァイ「…ああ」



    エルヴィン「集合!」


    突如の集合に部員は円を作るように集まる

    もちろん、エレンも


    エルヴィン「2日間、お疲れ様」

    部員「お疲れ様です!」

    エルヴィン「…~~~」

    エレン「」


    正直、先生の話は耳に入ってこない

    なぜかって?

    そりゃあ原因は俺の左に立つアニと、俺の右肩に手を乗せてバランスをとって立っているユミルの二人のせいだ




    エルヴィン「…ということでこれで解散とする」

    リヴァイ「気をつけ、おつかれさまでした」

    部員「おつかれさまでした!」
  83. 83 : : 2017/10/12(木) 02:06:05
    ばなな!!!
  84. 84 : : 2017/10/12(木) 03:36:12
    ~帰り道~


    ユミル「…悪いなエレン」

    エレン「あ?」

    ユミル「帰り道までおんぶしてもらって…」

    エレン「なに、問題ねぇよ」

    アニ「私は3人分の荷物を持っててつらいんだけど」

    ユミル「重いか?」

    アニ「全然」
  85. 85 : : 2017/10/12(木) 03:53:57
    エレン「なぁ、ユミル」

    おもむろに自分の背中の住人に話しかける

    ユミル「なんだ?」

    エレン「その…もう、大丈夫か?」

    ユミル「…大丈夫ならこうしてお前に背負われて帰ることもねーだろーよ」

    エレン「怪我もそーなんだが…」


    言ってしまったほうがいいのだろうか?

    でも聞いたほうがいい


    エレン「…気持ちに整理ついた?」

    ユミル「…」

    ユミルは押し黙る

    隣を歩くアニもジッとユミルを見やる

    ユミル「…まぁ、本音をいうとつらい」

    エレン「…」

    ユミル「…が、いつまでもウジウジしてられんだろ。それにお前らのおかげですぐに立ち直れたしたな」

    エレン「そーなのか?」

    ユミル「ああ」

    アニ「…よかった」ハァ

    ユミル「なんだ、心配してたのか?」ケラケラ

    アニ「当たり前じゃない」

    ユミル「…ありがとな」ニコ


    二人に目一杯の笑顔を送る




    エレンには見えないが


    エレン「おっ、さすがユミル!それでこそ俺の姉ちゃん!」

    ユミル「たりめーだ!お前の姉ちゃんナメんなよ!?」

    アニ「え?エレン。ナメてたの?」

    エレン「いやいや、なぜそーなる」

    アニ「ちがうの?」

    エレン「ちがうわ!」


    ギャーギャー!ワーワー!


    ユミル(…今日だけでこいつらに何度感謝したかな)



    ありがとな



    一緒にいてくれて



    ありがとな



    励ましてくれて



    ありがとな



    好きでいてくれて



    私も



    お前らが






    大好きだよ












    いつもの学校の帰り道とは違い
    少し騒々しい3人


    嬉しいこと、つらいこと、様々な経験をしたエレン達の初の大会はこれで幕を閉じた



    ~to be continued~
  86. 86 : : 2017/10/12(木) 04:10:56
    これで陸上大会編は終了になります!

    いやー、自分が中高で陸上をしてたので書いてみたのですが…案外大変でした

    バスケとかを題材にしてSSを書いている方を尊敬しますね

    競技の順番がおかしいなどの点は目をつぶってください…(話の都合上)

    多分、しばらくは陸上を絡んだSSは書かないかもしれませんね



    ここまで読んでくださった皆様
    ありがとうございました

    おかげで5作目も無事に書き終えることができました

    社会人で忙しいということもありますが
    これからも読者の皆様に期待と言ってもらえるように活動していきます!


    ちなみになんですけど

    姉弟シリーズにからめてなんか短編を書いて欲しいとかありますか?

    例えば姉弟への質問SSなどですかね

    安価で書いてみるのもいいかもしれませんね

    コメントしてくれたらありがたいです!



    これからもよろしくお願いします!
  87. 87 : : 2018/08/25(土) 00:04:01
    http://www.ssnote.net/archives/56248
    勝ってにすみません 続きです

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misagori339

みさごり

@misagori339

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姉弟恋物語 シリーズ

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