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サシャ「次の満月があなたの涙で濡れますように」3

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  1. 1 : : 2017/03/13(月) 12:24:38
    これの続きです

    http://www.ssnote.net/archives/48103

    12月中旬に書くと言ってたやつですが大分時間が経ってしまい、その上このシリーズを無視して他の作品に手を出してしまい本当に申し訳ない

    恐らく2まで読んでくれた人も、このシリーズ殆ど覚えてくれてないかもしれませんが読んでくれれば幸いです、マジで!

    それでは始めます!

  2. 2 : : 2017/03/13(月) 12:37:00
    ――対人格闘訓練

    ガヤガヤ…

    エレン「うおおおっっっ!!!」ダッ!!

    アニ「…」

    アニ「ハァ…」スッ…

    ダダダッ…!!

    エレン(よしっ…今日こそ…)


    ガシッ!


    エレン(……体は押さえた!これで抜け出せるわけがねぇ!)グググ…

    アニ「…」スッ…

    フワッ…!

    エレン「えっ…!?」

    アニ「…シッ!!」ガッ


    クルリ


    エレン「おわあっ!?」ドシャアッ!!
  3. 3 : : 2017/03/13(月) 12:38:02
    アニ「…ふん」ザッ…ザッ…

    エレン「いててて…!!」

    アニ「…」

    アニ「…大丈夫?」

    エレン「あぁ…なんとかな…」ヨッコイショ

    アニ「そうかい…」

    エレン「どうやら毎日投げられて受け身ばっか上手くなっちまたな…」

    アニ「…」ハァ…

    アニ「…もうこれで何回言ったか覚えてないけどアンタは毎回力みすぎなんだよ…もう少し相手の出方をうたがって…」

    エレン「んなこと言ったってお前、俺が様子見て攻めると容赦なく蹴ってくるじゃねぇかよ!」

    アニ「しらないよ、そんなの。どうやったら勝てるかは自分で考えな」

    アニ「私にできるのは、こうして訓練の相手になってやる事と、技術を教える事だけだよ」

    エレン「…そりゃそうだけどよ」

    アニ「…」

    アニ「…この前の休日明けから思うんだけど…アンタ普段より肩に力入ってるね…」

    エレン「!…気づいたのか?」

    アニ「まぁ…いつもよりアンタが吹っ飛んでるのをみてね」

    エレン「そ、そうか…」

    アニ「いつもの訓練馬鹿に磨きがかかってるみたいだけど…何かあった?」
  4. 4 : : 2017/03/13(月) 12:40:48
    エレン「……!」

    エレン「…あったけど言わねぇよ」

    アニ「そう…まぁ、どうでもいいけど」

    アニ「…」チラ

    アニ「…!」

    アニ「エレン…」

    エレン「?」

    アニ「…ジャンのほう見なよ」

    エレン「?…んだよ、突然…」チラ

    アニ「…いつもみたいに流してるようにみえるかい?」

    エレン「見えねぇけど…それがどうかしたか?」

    アニ「いや…アンタが最近、いつもにまして馬鹿真面目なのと何か関係あんのかってね…」

    エレン「!?」

    エレン「べべべ別に関係ねぇよ!」

    エレン「な、何で俺がアイツの様子なんか見なきゃいけねぇんだよ!?」

    アニ「そう…分かった」

    エレン「下らねぇ事言ってないで続きやるぞ!」

    アニ「はいはい…」

    ザッザッ…

    エレン「…」

    エレン(くそっ…図星だ…アニの奴、意外と鋭い…)

    エレン(ジャンの野郎…俺がミカサへの気持ち伝えた次の訓練から、急に真面目になりやがって…)

    エレン(おおかた俺の得意な対人格闘の時間にミカサの前で赤っ恥かかせてぇんだろうな、下らねぇ…)

    エレン(…ま、それに焦っていつもより力んじまってるのも事実なんだがな…)

    アニ「…」ダッ!!

    エレン「!?」

    アニ「隙あり…」バシッ!

    エレン「うわ!?えっ、ちょ…アニ!?」ドサッ…

    アニ「何ボーッとしてんだい。続き早くしようって言ったのはアンタだよ」

    エレン「あ、あぁ…そうだったな。わりぃ…」

    アニ「ったく…」

    エレン(これで本当にジャンに負けたら本末転倒だろ!しっかりしろよ俺!)パンパン…!!

    エレン「よしっ、もう一度頼む!」バッ

    アニ「……」スッ
  5. 5 : : 2017/03/13(月) 12:41:50
    ――食堂

    ガヤガヤ…

    ジャン「……!」ガツガツ…

    カチャカチャ…

    サシャ「……」

    サシャ「ジャン、何だか今日は良く食べますね」モグモグ

    ジャン「…腹減ってんだ…わりぃかよ」

    サシャ「いえいえ、悪い事ないですよ。大いに食べるのは良いことです」

    ユミル「ククク…今までサボってた対人格闘を急に真面目にやるんだもんなぁ…そりゃ、いつもより腹が空くだろ」

    サシャ「恋の力は偉大ですねぇ」ニヤニヤ

    ジャン「うるせぇな…」
  6. 6 : : 2017/03/13(月) 12:46:09
    ちなみにシリーズとして纏めています!

    http://www.ssnote.net/series/3066
  7. 7 : : 2017/03/13(月) 12:47:19
    クリスタ「ミカサに良い所見せたくて頑張ってるんだよね!私もこんな恋してみたいなー!」

    ジャン「…俺はエレンには絶対負けん…ミカサの事にしても…訓練にしてもだ」

    ジャン「死に急ぎ野郎とケンカして勝てないんじゃ格好つかねぇしな」

    サシャ「えー?でも、エレンだってミカサに勝てないと思いますよ?」

    ユミル「つーか、お前ら2人ともミカサにゃ勝てねぇだろ。惚れてる女に勝てないんじゃなんて情けねぇな」ケラケラ

    ジャン「うっ…」グサッ…

    ジャン「アイツは…まぁ…特別だからな…」

    ユミル「違いねぇ、あいつを凌げるのは化け物しかいねぇよ。少なくとも人間が敵うあいてじゃねぇ」ケラケラ
  8. 8 : : 2017/03/13(月) 12:48:00
    クリスタ「うーん…でも特別って言ったってミカサだって普通の女の子でしょ?」

    サシャ「ですよねー。この前なんか料理の中に砂糖と塩入れ間違えてましたよ?」

    ユミル「はぁ?あの完璧超人がか?」

    サシャ「意外ですよね」クスクス

    ジャン「ちなみにその料理は何のために作ってたんだ?」

    サシャ「あぁ、確かエレンとアルミンに食べてもらいたい、って」

    ジャン「…あいつら!…………でもそんなベタな失敗するミカサマジ天使」

    クリスタ「ミカサっていつも守られるって言うより守る方のイメージが強いけどさ」

    クリスタ「ほら…こういう風にたまに抜けてるところもあるし」

    クリスタ「心の中では無意識に守るだけじゃなくて自分も誰かに守られたい、って思ってるかもしれないよ?」

    ジャン「守られたい…か」

    クリスタ「うん。さっきも言ったけどミカサも普通の女の子だからさ」

    ユミル「なるほどな。つまりクリスタが言いたいのはこう言う事か?」ニヤ…

    ジャン「?」

    クリスタ「うん。ジャンがミカサの事を守ってあげれたらなぁ、って」ニコ

    ジャン「…はぁ?俺がミカサを?」
  9. 9 : : 2017/03/13(月) 12:48:59
    ユミル「それがミカサに近づくのに一番手っ取り早いだろうな」

    サシャ「あー、確かに!ミカサって1人で何でも出来すぎてあまり私たちに相談する事とかないですよねー」

    ジャン「でも俺、あいつより強くねぇぞ?」

    サシャ「そういうの以外にも色々あるじゃないですか!悩みとか!」

    ジャン「悩み?…しかしアイツの悩みって言ったら…」


    ミカサ『エレンは、いつも食べ方が汚い…』


    ミカサ『エレンは、感情的になりやすい。もっと自分の気持ちを抑えて』


    ミカサ『エレン、よそ見して食べない』


    ジャン「…」

    ジャン「…ダメだ、エレンの事で悩んでる絵しか浮かんでこねぇ」

    ユミル「奇遇だな、私もだ」

    サシャ「私もです…」

    クリスタ「…」

    ジャン「あいつ個人の悩みみたいなのはねぇのか?いや、悩みは無いに越した事はねぇけどよ」

    サシャ「ちょっと考えづらいですよね」
  10. 10 : : 2017/03/13(月) 12:55:15
    ガチャ

    サムエル「おい、ジャンいるか?」

    ジャン「!」

    サシャ「呼んでますが?」

    ジャン「分かってるっつーの」

    ジャン「どうしたよ、サムエル」

    サムエル「昨日の訓練日誌の当番お前だっただろ?まだ提出してねぇってキース教官苛立ってたぞ?」

    ジャン「!?」ガタッ!!

    ジャン「やっべ!忘れてた!」

    ユミル「おいおい」

    サムエル「たまたま教官室に用があっただけの俺まで説教されちまった。ったく、とんだとばっちりだ」

    ジャン「行ってくる!!」ダッ

    クリスタ「行ってらっしゃーい」

    バタン!!
  11. 11 : : 2017/03/13(月) 12:56:47
    サシャ「ジャンが、こういうの忘れるのって珍しいですね」モグモグ

    クリスタ「そうだね………………って、サシャはジャンのパンをナチュラルに食べるのやめようね?後で渡そうね?」

    サシャ「ちっ…気付かれてましたか」

    ユミル「本当に油断も隙もねぇな」


    ――男子寮

    ライナー「ふむ……」カキカキ

    ガチャ

    エレン「よ、ライナー」スタスタ

    ライナー「エレンか」

    エレン「あー……さっぱりした」スキッ

    ライナー「風呂あがりか?」

    エレン「おうよ。多分、皆そろそろあがってくるぜ」

    ライナー「もうそんな時間だったか」

    エレン「お前も早く入ってこいよ。一人になっちまうぞ?」

    ライナー「あぁ、そうしたいのはやまやまなんだが……」

    エレン「?」

    ライナー「これだ」ペラ

    エレン「……来週のトロスト区襲撃予想訓練の資料か。お前確か班長だったもんな」
  12. 12 : : 2017/03/13(月) 12:57:37
    ライナー「班長どうしで互いの陣形の確認。メンバーの能力把握と役回りの考案、街並みの把握など、その他云々かんぬん……」

    ライナー「それら全部頭に入れて、さらに書き込んで教官に提出しなきゃならん、って訳だ」

    ライナー「忙しくて今日中にある程度進めなきゃ余裕がないんだ」

    エレン「うへー……やっぱ班長って大変だな……!」

    ライナー「そうか?忙しいとは別に考えて俺は結構楽しいぞ?チェスみたいでな」

    エレン「チェス……!?」

    ライナー「あぁ、チェスだ」

    エレン「……」シ-ン…

    ライナー「エレン?」

    エレン「ひでぇよ、ライナー!班長は俺達班員を捨て駒としか思ってねぇのか!?」ワァッ!!

    ライナー「いやいや、そういう意味じゃなくてだな?」タジタジ…

    エレン「どういう意味だよ!」
  13. 13 : : 2017/03/13(月) 12:58:31
    ライナー「単純にメンバーがどんな奴でどんな動き方をできるのか、それからその動き方の良いところや悪いところ……まぁ、要するにだ!」

    ライナー「班長やってると仲間の事を改めて見直せる、って話だ」

    エレン「……何だ、そういう事ならちゃんとそう言えよ」ホッ

    ライナー「あぁ、すまなかったな。例えが悪かった」

    エレン「まぁ、俺には程遠い話だよなー班長なんて」

    ライナー「? 何でだよ?お前成績は悪くねぇだろ」

    エレン「それでもやっぱり頭使うってのは性に合わないんだよな。どっちかっつーと俺は、もっと前線に出て派手に行動したい!」
  14. 14 : : 2017/03/13(月) 13:14:11
    ライナー「はは、確かにお前はそうだろうな」

    エレン「何だ、その馬鹿にしたような笑いはよ~?」ムッ

    ライナー「そんなんじゃねぇよ。ただな」

    ライナー「班長なんてお前も調査兵団で偉くなるんなら必ず通る道だろ?」

    エレン「うっ……!確かに……」

    ライナー「今のうちに経験しておいても損は無いと思うがな」

    エレン「で、でもよ!それ以前に班長なんて今までに任された事ねぇよ!」アセアセ

    ライナー「あぁ……言われてみりゃそうだな」

    エレン「ほらな……?」ズーン…

    エレン「こういうリーダー役って、やっぱり俺には向いてねーのかもな」シュン
  15. 15 : : 2017/03/13(月) 13:16:38
    ライナー「任されないんだったら考えるだけでも良いんだ」

    エレン「考える?自分でか?」

    ライナー「あぁ。今度の襲撃予想訓練でも考えてみろ」

    ライナー「自分の班員にはどんな特質があってどう動いてくれるのが一番ベストか」

    ライナー「もちろん自分も含めてな」

    エレン「おぉ……!」

    ライナー「そうやって普段から意識して動いてりゃそのうち、教官の目にも留まって大役だって任せられるようになるさ」ポン

    エレン「おぉ!」パァッ!!

    エレン「そうか、分かったぜライナー!やってみる!」

    ライナー「おう、班長目指して頑張れよ」ニカ

    エレン「それはそうとライナー」

    ライナー「何だ?」

    エレン「お前のところの班員は誰なんだ?」

    ライナー「……気になるのか?」

    エレン「? まぁ別に深い意味はねぇが単純に気になるだけだ」

    ライナー「……」

    エレン「ライナー?」
  16. 16 : : 2017/03/13(月) 13:47:02
    ライナー「サシャとコニーだ……」

    エレン「!?……お、おう」

    ライナー「まさかこの2人をまとめてぶっ込んで来るとは思わなかった。教官め……」ヌググ…

    エレン「お前のリーダーとしての力量をみる、って事じゃねぇか?」ハハハ

    ライナー「う、む……偏った駒だがしっかり指事しなきゃな……!」

    エレン「さながら2つのルークってところか?」

    ライナー「猪突猛進って事か」クスッ

    ライナー(お前も人の事言えんがな……)


    コニー「おいおい、誰が猪突猛進だ」ヌッ

    エレン「コニー!?」バッ!!

    ライナー「戻ってたのか!?」ビクッ!!

    コニー「エレン来たすぐ後になー。御教授ありがとよ、ライナー」

    ライナー「す、すまん……お前を馬鹿にした訳じゃないんだ……!お前には、お前の良さが……」アセアセ
  17. 17 : : 2017/03/13(月) 13:47:28
    コニー「あぁ、別にそれは良いんだけどよ」

    ライナー「? そ、そうなのか?」ホッ

    コニー「さっきの話だ」

    コニー「要するにあれだろ?人を動かすにはまず相手の事を知れ、って事だろ?」

    ライナー「ま、まぁ……そうだな。だけどそれがどうかしたか?」

    コニー「よし……」

    ライエレ「?」

    コニー「班長になるための方法、心得たぜ!」グッ

    ライナー「え?」

    コニー「人をよく観察する……これで次の班長は、この天才コニー様だぜ!」ピョン!!

    ライナー(いや……そんな急場凌ぎみたいな感じじゃないんだがな……)
  18. 18 : : 2017/03/13(月) 13:48:07
    エレン「おい、コニー!」ガタッ!!

    ライナー「?」ビクッ

    エレン「次の班長は俺だぞ!」

    ライナー(そこでお前も張り合うか)

    コニー「いいや!俺だな!」ガタッ!!

    ライナー「……」

    エレン「俺!!」

    コニー「俺!!」


    エレコニ「ぬぐぐぐ……!」バチバチ…


    ライナー「おい、2人とも……班長になれるのは一人じゃないんだから今張り合う必要はねぇだろ」ハァ…

    エレコニ「あっ」ピタッ

    ライナー(あ、って)

    エレン「何だ、そういやそうだったよな」

    コニー「一緒に班長目指して頑張ろうぜ!」ガシッ

    エレン「おう!」ガシッ

    ライナー(つくづく素直なやつらだな……)シミジミ

    ライナー「ともかくお前ら。班長目指すんなら普段から周りの奴らがどんな風なのか観察してみろ。実戦で役立つかもしれん……って、ん?」


    エレコニ「……」ジーッ


    ライナー「おい2人とも……俺の顔に何かついてるか……?」

    エレン「いや、何もついてない」ジーッ

    コニー「ついてねーけど」ジーッ

    エレン「お前の言う通りまず今一番身近なライナーを観察してる」ジーッ

    コニー「ちょっと待ってろよ……ライナーの考えてる事ピタリと当てて俺の方がエレンより班長として優れているとこを証明するぜ」ジーッ

    エレン「望むところだ……」ジーッ

    ライナー(……そういう事じゃねぇんだがな……いや、そういう事なのか?)ムムム


    エレコニ「……」ジーッ


    ライナー「うっ……」

    コニー「……分かったぞ」スッ

    エレン「何だと!?」

    ライナー「……言ってみろ」
  19. 19 : : 2017/03/13(月) 13:48:36
    コニー「ライナーの考えてる事!それはズバリ!『お花畑でデスマッチ!花の香りは死の香り!?』だ!!」

    エレン「どういう意味だよ!?」

    ライナー「コニー選手、不正解です」ブッブー

    ライナー(何!?俺今そんな顔してたの!?)

    コニー「くっそー!」ガクッ

    エレン「……!」ジーッ

    エレン「!……分かった!はい!」

    ライナー「どうぞ、エレン選手」スッ

    エレン「正解は『男2人に滅茶苦茶ガン見されて正直ちょっぴり気持ち悪い』だろ!」

    ライナー「正解。エレン選手、1ポイント獲得です」ピンポンピンポーン

    ライナー(まぁ普通に考えりゃそうだろ。てか何だ、1ポイントって……)

    エレン「っしゃあ!!」ガッツポーズ

    コニー「負けたー!!」ガクッ

    ライナー「……」

    ライナー(……何だこれ?)

    ワイワイガヤガヤ…!!
  20. 20 : : 2017/03/13(月) 13:49:03
    ガチャ

    アルミン「……」

    マルコ「……お風呂からあがってきたら」

    ベルトルト「……何やってんだろうね、3人とも」

    アルミン「さぁ……」

    ワイワイガヤガヤ…!!


    スタスタ…

    ベルトルト「ねぇ、ライナー。これは一体どういう……」

    ライナー「すまんが俺にもよく分からん」

    ベルトルト「そ、そう……?」

    マルコ(じゃあ誰がこの状況を説明できる、って言うんだ……)
  21. 21 : : 2017/03/13(月) 13:49:44
    ライナー「? そういやジャンはどこだ?一緒じゃねぇのか?」キョロキョロ

    マルコ「あぁ、ジャンなら……」

    ベルトルト「昨日の訓練日誌出してない、って呼び出し喰らってたね」

    マルコ「今ごろトボトボ歩いてるんじゃないかな?」

    ライナー「そうか」


    エレン「おーい、ライナー!2回戦目やろうぜ!」

    コニー「そうだー!リベンジマッチだー!」

    ライナー「やらん!」クワッ

    エレン「えー!良いじゃねぇかよ!」ブーブー

    コニー「そうだそうだー!」ブーブー


    ライナー「……」

    ベルトルト「……ねぇ、ライナー。本当に何やってたの?」

    ライナー「よく分からん!」キッパリ

    アルミン「えぇ……」
  22. 22 : : 2017/03/13(月) 20:29:47
    期待です
  23. 23 : : 2017/03/14(火) 12:42:13
    >>22

    ミカサさん!

    どうも、12月に執筆すると言ったきり満月を放置した文学少女です

    覚えてくれていて、しかもまたこうして見てくれて本当に嬉しい限りです。ありがとうございます!
  24. 24 : : 2017/03/14(火) 12:42:27
    ――同刻 馬術訓練所前


    ゴシゴシ……

    ジャン(後は床の藁草掃いて馬の世話して、っと……)


    ジャン「チッ…」サッサッ…


    ジャン「あーあ……教官め……!何が罰則で『馬小屋の掃除をしろ!』だ?」サッサッ…

    \ヒヒーン!!/

             \ブルルル…!!/

    ジャン(別に良いじゃねぇか、1日日誌サボるくらいよぉ!)

    ジャン(だいたい、あんなの殆どの訓練兵が見てねぇし日誌つけたところで意味ねぇ、っつーの!)

    ジャン(……くっそ……あのハゲ頭思い出すと腹立ってきたな……!)ゴリゴリ…!!


    「!?――ブルルル!!!」バタバタ!!


    ジャン「!? こら糞馬!暴れんなよ!せっかくブラッシングかけてやってんのによぉ!」
  25. 25 : : 2017/03/14(火) 12:51:08
    「ヒヒーン!」ジタバタ…!!

    ジャン(ちっ……イラついてブラシ強くかけすぎたか……ダセェな、俺)

    「ヒヒーン!」ジタバタ…!!

    ジャン「お、おいおい……悪かったって、痛くして……」

    ジタバタジタバタ…!!

    ジャン(聞く耳持たず……って、当たり前か)


    スッ…


    ジャン「!?」

    ミカサ「どうどう」


    「ぶるるる……!!」


    ジャン(ミカサ!?)

    ミカサ「よーし、よしよしよし……」

    「……」ピタッ

    ジャン(静まった……)

    ミカサ「良い子、良い子」ナデナデ…

    「ひひーん……」
  26. 26 : : 2017/03/14(火) 13:01:17
    ジャン「ミカサ!すまん、本当に助かったぞ!」

    ミカサ「ジャン、馬がブラシを痛がってた。ちゃんと優しくかけなくては」

    ジャン「あ、あぁ……俺も自覚はしてた。ありがとな、本当に」

    ミカサ「気にしなくて良い」
  27. 27 : : 2017/03/14(火) 13:12:08
    ジャン「それはそうと、お前何しに来たんだ?」

    ミカサ「え?」

    ジャン「俺が罰則受けたのは知ってるだろ?馬小屋の当番は俺がやるから別に来なくても良かったんだぜ?」

    ミカサ「えぇ、あなたが罰則を受けたのは知ってた」コクッ

    ジャン「? 知ってたのか……」

    ジャン(用も無いのに何でこんなところに……!)

    ジャン(……って、ハッ!?まさか俺が居るのを分かってて手伝いに来てくれたということも……?)ドキドキ
  28. 28 : : 2017/03/14(火) 13:21:50
    ジャン「……!」

    ジャン(いや!ねーよ!……でも、もしかしたら……)チラッ

    ミカサ「?」

    ジャン(もしそうだとしたら、これって絶対脈ありだよな!?いや……絶対それはねぇけど?絶対にねぇけどな?念のためだ!そうだ!念のため!全然期待は、してないけどな?)デレデレ

    ミカサ「……?」

    ミカサ(……さっきから色んな顔して忙しそうだ……何を考てるのだろうか?)ボンヤリ

    ジャン(よし……!)グッ


    ジャン「な、なぁミカサ!」

    ミカサ「どうしたの?改まって」

    ミカサ「もしかしたらお前、俺の事手伝いに来てくれた……とか……何てな!あはははは……!」

    ジャン(どうだ……?)ドキドキ


    ミカサ「いや……別にあなたを手伝いに来た訳じゃ……」フルフル…

    ジャン「ですよねー」

    ミカサ「あ、その……ごめんなさい……」シュンッ

    ジャン「い、いやいや!むしろ俺が図々しかっただけだろ!本当にすまん!」

    ジャン(くっそ……恥ずかし過ぎんだろ……///この自意識過剰野郎が!!)プシュー…!!
  29. 29 : : 2017/03/14(火) 13:40:57
    期待‼
  30. 30 : : 2017/03/14(火) 17:46:36
    >>29期待どうもです
  31. 31 : : 2017/03/18(土) 16:41:55
    ――


    ジャン「は……?犬を飼ってる?」

    ミカサ「そう」コクッ

    ジャン「おいおい、ちょっと待てよ……それは、この馬小屋で飼ってる、って事か?」

    ミカサ「向こうにある昔の掃除用具置き場の裏の小屋」

    ジャン「そこにいるのか?その……犬が」

    ミカサ「なかなか人が来ないから隠しておきやすい」

    ジャン「その辺りは確かに人は寄り付かねぇよな……って、お前隠しながら飼ってんのかよ?」スタスタ

    ミカサ「教官にバレたら飼っていけないから」スタスタ

    ジャン「まぁ……そりゃそうだよな」スタスタ

    ジャン(意外だったな……ミカサのやつ、犬に興味があったとは。しかも隠して飼うほど)スタスタ
  32. 32 : : 2017/03/18(土) 17:02:46
    ミカサ「ついた」ガチャッ

    ギィッ…

    ジャン「おぉっ……廃墟みてぇな小屋だと思ってたが、中身は割としっかりしてんだな」

    ミカサ「窓もあるから日当たりも良い」


    「キャン!キャン!」テコテコ



    ジャン「!?」

    ジャン「コイツか?随分小さいんだな」

    ミカサ「……可愛いでしょ?」

    ジャン「ははっ、そうだな」
  33. 33 : : 2017/03/18(土) 17:08:41
    ジャン「おい、犬!お手!」

    ミカサ「!」

    ジャン「……なんつってな」

    「ぐるる……!」

    ジャン「?」


    カプッ


    ジャン「!?」

    ミカサ「!?」

    ジャン「……ってぇぇぇぇぇ!!!」

    「ばうばう……!」

    ジャン「小さくて大人しいと思ってたら何てやつだよ……って、イテテテ!!!まだ噛んでる!まだ噛んでる!」ジンジン
  34. 34 : : 2017/03/18(土) 17:16:56
    ミカサ「『いぬっころ』!どうどう!」スッ

    「ぐるる……!」


    パッ


    ジャン「は……離れた……って、イテテテ!!!」ジンジン

    ミカサ「ジャン!大丈夫?」

    ジャン「あぁ、大丈夫だ。まだガキの犬だからか知らんが大したことは……」

    ミカサ「そう。良かった……」ホッ

    ジャン「……お前には今日で2回も助けられちまったな。しかも両方、動物がらみだ」

    ミカサ「気にしなくて良い。でも、今噛まれたのはジャン、あなたが悪い」

    ジャン「え?」
  35. 35 : : 2017/03/18(土) 17:26:03
    ミカサ「いぬっころ、おいで」

    「きゃんきゃん!」テコテコ

    ジャン「わっ!」

    「くぅーん……」

    ミカサ「よしよし」

    ジャン「すげーな……しつけも完璧じゃねぇか……つーか『いぬっころ』?ミカサ今いぬっころ、って呼んだのか!?」ビクッ
  36. 36 : : 2017/03/18(土) 17:27:10
    ミカサ「いぬっころ、これがこの子の名前」

    ジャン「えー……」

    ジャン(センス……)

    ミカサ「あなたが噛まれたのは名前がついてるのに、犬と呼び捨てたから。ねー?いぬっころ?」ヨシヨシ

    「ばうばう!」フンス

    ジャン(心なしかミカサの犬に対する口調が柔くなってるような……やばい、良いものみれた……///)
  37. 37 : : 2017/03/18(土) 17:36:40
    ジャン「じゃ、じゃあよ?俺も名前で呼べば言うこと聞いてくれるのか?」ドキドキ

    ミカサ「もちろん」

    ジャン「マジかよ!?」ビクッ

    ジャン(……そんなんで本当に大丈夫なのか?)

    ジャン「じゃ、じゃあ……行くぞ……?」コホン


    ジャン「い、いぬっころ!お、お手!」


    「きゃん!」パフッ


    ジャン(し、してくれたーー!?)パアッ

    ジャン「な、何だよ、お前!可愛いやつじゃねぇか!このこのー!」ナデナデ グリグリ

    ジャン(くそ生意気だと思ってたら、やっぱり可愛いじゃねぇか……///やばい、自分ながらキモいけどちょっとキュンってなっちまったぞ!?)

    ミカサ「ジャン、撫ですぎ。いぬっころが痛がってる」

    ジャン「あ……すまん」パッ

    「きゅーん……」
  38. 38 : : 2017/03/18(土) 17:55:47
    ――


    ミカサ「はい、いぬっころ。夜の分のごはん」スッ

    「きゃん!」ハグハグ

    ジャン「脇目もふらず飛びついたな」

    ミカサ「えぇ。食べるのに関して言えばずば抜けて興味をもってるみたい」

    ジャン「その餌ってパンだよな?まさかお前の分の飯分けてんのか?コイツに」

    ミカサ「朝昼晩の3食をこの子に分けてる。半分ずつだけど……」

    ジャン「おいおい……大丈夫かよ?」

    ミカサ「大丈夫。私は体を完璧に支配してる。空腹を紛らわすくらい……」


    グー…!!


    ミカサ「……///」


    ジャン「……誰が何を支配できてるって?」

    ミカサ「違う、ジャン。今のは、いぬっころのうめき声……!」


    カプッ


    ミカサ「!?」

    「ぐるるる……!」

    ミカサ「……」
  39. 39 : : 2017/03/18(土) 18:24:27
    ジャン「……思いっきり膝にかじりつかれてるが……本当にこれはコイツのうめき声なのか?」

    ミカサ「ごめんなさい……今のは私のお腹の音……」シュン

    「ばうっ」パッ

    ジャン(離した……)

    ミカサ「うぅ、不覚……!」

    ジャン「ミカサ、お前なぁ……」ハァ…

    ジャン「流石に自分1人分の飯だけでコイツの食う分も補うのはキツいだろ?そんくらい普通に考えたら分かるはずだ」

    ミカサ「でも……周りからパンをせびるなんて……そんな事……」

    ジャン「してもいいんだよ」

    ミカサ「!」

    ジャン「……」

    ジャン「ミカサ、お前は確かにあらゆる面で万能だが人に頼らなすぎだ。いくら、お前でも1人で出来る事には限界があるだろ?」

    ミカサ「……」

    ジャン「お前は人に心配かけたくないから抱え込むんだろうが、1人で無理してバテたら、逆に不安にさせるの分かってるのか?」

    ミカサ「不安に……させる……?」

    ジャン「いるだろ?お前がバテて心配するやつら……エ、エレンとか、アルミンとか……な」

    ジャン(俺もだが……)

    ミカサ「!」コクコク
  40. 40 : : 2017/03/18(土) 18:43:58
    いぬっころ可愛いw 期待です
  41. 41 : : 2017/03/18(土) 19:10:48
    >>40

    ありがとうございます!いぬっころは馬小屋で飼ってる犬ということで何となく銀匙の「ふくぶちょー」を自分で勝手にイメージしてますw
  42. 42 : : 2017/03/19(日) 12:57:00
    期待です(`・ω・)ゞ
  43. 43 : : 2017/03/19(日) 16:42:44
    >>42ども
  44. 44 : : 2018/01/25(木) 15:53:35
    期待です^^

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文学少女

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