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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品はオリジナルキャラクターを含みます。

この作品は執筆を終了しています。

ダンガンロンパV2【プロローグ・第1章】

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  1. 1 : : 2017/02/21(火) 15:19:01
    ……………………。

    正直言って、今の状況を理解できる人間はそうそう居ないと思う。

    僕達の目の前には今、驚くほど真っ白な雪原が広がっているのだ。

    ココがどこであるのかすら、僕達にはわかっていない。

    増してや、今から僕達16人が巻き込まれる、”想像を絶する絶望”のことなど、

    誰一人として知る由もなかった。

    ------------------------------

    …話は数分前に遡る。

    僕達16人は、前も見えない暗闇の中に居た。

    定期的に訪れる小さい震動。
    どうやら僕達は、トラックの荷台に乗せられて何処かへ運ばれているらしく、
    16人の声だけが響いていた。

    ???「ねぇ…これ、今どこに向かってるんだろうね?」

    誰かが口を開く。

    ???「お前…姿は見えないが、よく落ち着いていられるな。どう考えても非常事態だぞ。」

    追うようにして、別の方向から鋭い指摘が飛ぶ。

    ???「ごめんごめん、僕はこういうのには慣れてるから…」

    ???「…お前、それで謝っているつもりか?」

    その一言で、車内は一気に不穏な空気になった。
    …と言っても、暗闇の中だから、なったように”感じられた”だけなんだろうけど。

    僕の脳内の独り言を他所目に、2人の発言はヒートアップしていく。

    ???「何?まさかこんな暗闇で喧嘩するつもりじゃないよね?」

    ???「残念だが…そのつもりだ。」

    と、その時。

    ???「ちょっと、そこの2人!さっきからうるさいわ!」

    1人の女性の声が響いた。

    ???「今は言い争ってるような場合じゃないのは分かるでしょ?今起こってる、この”おかしなこと”について話し合うべきよ。」

    彼女の正論で、言い争っていた2人はスッと黙ってしまった。

    ???「話し合うも何も…お互いの顔も見えない状況でどうするってんだ?」

    ???「いや…この状況でも、話し合うべきことは充分にありますよ。」

    聞きなれない新しい声が続々と響く。
    少なくとも、この車内には、10人以上の人間が居るだろうか。

    ???「まず、第一に確認しておきたいんですが…。皆さんは”自分がどうしてここに居るのか”、心当たりはありますか?」

    突如、全員を取り仕切るように、青年のような声が轟く。

    ???「……そういえば無いわね~。ふふっ。」

    ???「…俺も…ねぇな。」

    他のメンバーも、彼の質問に口々に答えているようだ。

    ???「…じゃあ。念のためもう1つ。…この車に乗り込んだ記憶は、ありますか?」

    その質問に、僕はハッとした。
    ごく普通の、単純で、当たり前な質問のはずだが、なぜか盲点を突かれたかのような気分になる。

    何故なら、彼の言う通り、僕はこの車に乗り込んだ記憶が無かったのだ。

    ???「…車に乗り込んだ記憶……そういえば無いな…。」

    ???「だとしたら妙ですよ。絶対におかしいです。」

    車に乗った十数人は、彼の質問を聞いて初めて、この”奇妙な状況”に気が付き始めた。

    …と、その時。

    「──ピーッ、ピーッ…。」

    突如、何の前触れもなく、電子音が響いた。

    ???「あっ!もしかしてこれって~…」

    ???「停車音…ですね。」

    彼の言葉に重なって、ブレーキ音も遅れて聞こえてくる。

    そして、真っ暗だった車内に、光が差し込んだ。
    荷台の扉が、ゆっくりと開いていく。

    …そこで僕達の目の前に広がっていたのは…

    一面の雪景色だった。

    -------------------------------------
  2. 2 : : 2017/02/21(火) 15:24:08
    …という訳で、初作品ですがよろしくお願い致します。(´°ω°`)
    基本的に安価は無い方針ですが、もしかすると安価要素をぶち込むかもしれません。

    後半になると、本家ダンガンロンパシリーズのネタバレがありますので、ご注意ください。
  3. 3 : : 2017/02/21(火) 16:41:18
    目の前の雪景色を見て、彼らはバラバラに喋り始めていた。

    「とりあえず降りてみようか?」

    僕がそう問いかける。

    ???「ちょっと待ってください。こんなワケの分からない状況ですよ?ここで待つべきです。」

    「…それもそうだね。じゃあ…しばらく待ってみよう。」

    ???「ねえ~。ただ待ってるのもアレだし~。自己紹介、とかしてみない~?」

    突然の提案。だが、正直彼女の提案には賛成だった。
    このまま名前も知らない見ず知らずの相手と行動するのも、それはそれで気が引ける。

    「賛成だよ。僕からでいいかな?」

    ???「いいよ~。全然。むしろ大歓迎?ふふっ。」

    「じゃあ…

    僕の名前は【地川 卓(チカワ スグル)】。
    目立った肩書きだとか、そういったものは特に無い。

    一応【超高校級の"看守"】って呼ばれることはあるけど…
    バイト先で脱獄犯を何度か捕まえたってだけで、特に凄い才能だってワケじゃないけど…」

    ???「ちょ、ちょっと待ってください。」

    地川「え?」

    ???「あなた今…超高校級って言いました?」

    地川「…え?言ったけど…」

    ???「じゃあ…"希望ヶ峰学園"…この名前に聞き覚えは?」

    地川「もちろんあるよ。僕はその学園にスカウトされて…」

    真田「…実は…僕もそうなんですよ。【超高校級の"探偵"】【真田 成実(シンタ セイジ)】…ってね。」

    明日香「それを言うなら~。私もよ~。【超高校級の"ピエロ"】【中野 明日香(ナカノ アスカ)】。ふふっ。」

    多花「どうやら、共通点が見えてきたみたいだな…。俺は【超高校級の"学級委員"】【多花 孝(タバナ コウ)】だ。」

    真田「…ということは。他の皆さんも…何かしらの才能を?」

    奈々蜂「どうやらその線で正解みたいね。私は【超高校級の"画家"】【奈々蜂 九(ナナハチ ココノ)】よ。」

    剛業「あ~…。めんどくせぇな…。俺は【剛業 東太(ゴウギョウ トウタ)】。【超高校級の"スケートボーダー"】だ。」

    橘「へぇ~。じゃあやっぱり皆才能の持ち主なんだ。僕は【超高校級の"幸運"】…【橘 慎(タチバナ シン)】。知ってる?抽選枠ってやつだよ。」

    マリア「私は【星花 マリア(ホシバナ マリア)】…【超高校級の"旅人"】よ。」

    王野「私は【王野 檸檬(オウノ レモン)】。【超高校級の"フォトグラファー"】ってことになってるわ。」

    若葉「え~と、私は【青島 若葉(アオシマ ワカバ)】。【超高校級の"コメンテーター"】らしいわ。」

    安田「んじゃー次は私ね!!【超高校級の"研究者"】【安田 多恵(ヤスダ タエ)】!!」

    津田「次は私ですね。【超高校級の"執事"】、【津田 英二(ツダ エイジ)】。以後お見知りおきを。」

    立橋「なるほどね…私は【超高校級の"作曲家"】、【立橋 美里(タテハシ ミリ)】。」

    龍眞「【都木 龍眞(ツギ リュウマ)】…【超高校級の"電気工事師"】だそうだ。」

    曜子「私は【神蔵火 曜子(カグラビ ヨウコ)】、【超高校級の"和装家"】。和装家って結構マイナーだよね?あはははっ!」

    雷太「あの…ちょっと良いかな。僕の名前は【加村 雷太(カムラ ライタ)】…なんだけど。その…【超高校級の才能】が…思い出せないんだよね…」

    地川「…思い出せない?」

    多花「元から才能が無い…とかじゃないのか?」

    雷太「それはないよ。希望ヶ峰学園にスカウトされた記憶はあるから…」

    安田「怪しいですね!!」

    真田「そうやって不当に疑うのはよくありませんよ。せめて根拠が無いと。」

    モノクマ「う~ん。というか、才能の持ち主を集めて何がしたいんだろうね~?」



    …ん?

    ………は?

    地川「ちょ…ちょっと待って?今のは僕の気のせいかな?」

    橘「…………いや…残念ながら、気のせいじゃなさそうだね。」

    明日香「あら~。これってヌイグルミよね~。どんな絡繰なのかしら。ふふっ。」

    モノクマ「はぁ…。やっぱりこの展開は定番なのかな。さすがに50回近くやってると飽きてきちゃうよね。」

    王野「50回…?」

    モノクマ「冗談冗談!今のは気にしなくていいよ。」

    奈々蜂「っていうか…コイツ、何なのよ?」

    モノクマ「あ~はいはいはいはい。ま、とりあえず付いてきなよ。説明は後でするからさ。」

    地川「付いてこいって…」

    安田「怪しいですね!!」

    真田「いえ…今はあの変なのの指示に従うべきでしょう。」

    モノクマ「変なのってなんだよ。僕にだって名前があるんだよ?モ・ノ・ク・マ。いい?覚えた?」

    多花「…何の冗談かは知らないが…致し方ない。少々付き合ってやろう。」

    そうして、僕達は渋々ながら、雪原の中を、謎のヌイグルミに付いていくことになった。
  4. 4 : : 2017/02/21(火) 17:03:15
    僕達16人は、モノクマの後ろを付いて歩き、
    中央に大きな噴水のある、円形の広場に辿り着いた。

    モノクマ「さてさて…それでは始めちゃいますか!」

    龍眞「始めるって…何をだ?」

    モノクマ「もちろん!"創始式"に決まってるよね?」

    剛業「…はあ?」

    明日香「…創始式、ね~…ふふっ。」

    地川「………」

    モノクマ「今からオマエラ16人には、無期限の【コロシアイ研修生活】を送ってもらいまーす!」

    雷太「…え?」

    多花「…ほう。」

    王野「ね、ねぇ…今、なんて?」

    モノクマ「聞こえなかった?【コロシアイ研修生活】だよ。」

    真田「…どういうことですか?」

    モノクマ「あれれ?探偵の真田クンならもう察してると思うんだけど…まぁいいや!そーれ!」

    そう言うと、モノクマは突如、タブレットのような装置を16人に投げ渡した。

    モノクマ「それは希望ヶ峰学園が誇る最新鋭の…………えーと…モノパッド!貴重品だから失くさないようにね?」

    奈々蜂「ねぇ…さっぱり状況が理解できないんだけど。」

    モノクマ「あ~っ、そう。なら分かるように説明してあげるよ。
    簡単に言えば…”誰かを殺すまで外に出られない”!これで分かるかな?」

    地川「殺す…?」

    真田「冗談…ですよね?」

    モノクマ「冗談なワケないだろ~?ちなみに研修のルールはモノパッドに書いてあるから!よーく目を通しておいてねー。じゃ、ばいなら!」

    そういうと、モノクマは何処かへ消えてしまった。

    地川「……どうなってんだ?」

    マリア「…皆さん、とりあえず落ち着きましょう。」

    真田「ええ。そうですね。待っていればいずれ助けが来るはずです。」

    多花「それより…”研修のルール”ってのが気になるが。」

    地川「…そうだね。念のため確認しておこうか。」

    ①コロシアイ研修生活に期限はありません。
    ②誰かを殺し、”学級裁判”で犯人指摘を免れたクロは、卒業となり、残ったシロは全員がおしおきとなります。
    ③逆に、クロを指摘出来た場合、指摘されたクロだけがおしおきとなります。
    ④希望ヶ峰学園合同研修所の外柵を、無断で越えてはいけません。
    ⑤皆さんには、コテージが1つずつ割り当てられています。こちらのコテージは、自由にお使いください。
    ⑥校則は随時追加されます。

    地川「…学級裁判…?」

    明日香「多分~。犯人が誰かを議論する場じゃないかしら。ふふっ。」

    多花「…なるほどな。」

    橘「どうやら地図も付いてるみたいだね…。」

    曜子「ゴメン…ちょっと…自分のコテージに居ていいかな。」

    真田「どうしてです?」

    曜子「ちょっとさ…色々ありすぎて困惑してるから…落ち着きたいの。」

    雷太「賛成だよ。僕もコテージに行っていいかな。」

    真田「では…今日1日はそれぞれで落ち着いて過ごして…明日の朝、食堂に集合し、本格的に話し合う。それでいいですか?」

    地川「そうだね。それが良いと思う。」



    ………こうして、僕たちの”コロシアイ研修生活”が始まった。

    ----------------------------
  5. 5 : : 2017/02/21(火) 18:50:11
    僕達16人は、それぞれバラバラに、広場から離れていった。

    この研修所は、様々な施設がある中央エリアを基点として、
    東西南北の4方向に、コテージが4つずつ、計16つ配置されている。

    モノパッドの地図によると、僕のコテージは北エリアの左上、「W1番コテージ」らしい。

    校則や地図の他にも、生徒の情報や天気予報、時計など、
    ある程度の機能はこのモノパッドに集約されている。
    …天気予報によると、午後6時頃から天気は晴れ、今日の夜にも、雪は融けてしまうらしい。

    …僕はモノパッドの情報を見つつ、W1番コテージに辿り着いた。

    地川「なんだか…面倒なことに巻き込まれたな。」

    そう呟きながら、暖房のスイッチを入れ、ソファーに座る。

    …と、その時だった。

    「──ピンポーン…」

    玄関口から、インターホンの音が鳴った。

    都木「よう、邪魔するぜ。」
    奈々蜂「…あっ、警戒しなくても大丈夫よ。別に変なことするつもりはないから。」

    2人の声を聞いた僕は、ガチャッと扉を開けた。

    地川「やあ。えーっと…確か…」

    都木「都木 龍眞。超高校級の電気工事師だ。ま、16人一気に紹介したから、覚えてなくても仕方ないがな。」

    奈々蜂「あ、私は奈々蜂 九ね。超高校級の画家。よく789って呼ばれるから、それで覚えてくれたらいいよ。」

    地川「分かった、ありがとう。…でもどうして僕のコテージに?」

    都木「奈々蜂が”安心できる人と行動したいから”って俺の所に来てな…」

    奈々蜂「で、地川くんは”超高校級の看守”だから、安全なんじゃないか?って提案してもらったの。」

    地川「…なるほどね。安全管理役が僕なんかで良いなら、一晩過ごしてもいいけど…」

    奈々蜂「本当?じゃあ…よろしくね。」

    都木「…ま、良かったな。じゃ、俺はコテージに戻るぜ。」

    そう言って、都木くんは自分のコテージに戻っていった。
    彼、本当に高校生なんだろうか…。すごく大人びてるけど。

    …とりあえず、奈々蜂さんと一晩過ごすことになった…。

    -------------------------------
  6. 6 : : 2017/02/21(火) 19:06:01
    …次の朝。

    奈々蜂「地川くん?もう朝だよ!ほら早く起きて!」

    彼女の叫び声で、ハッと目が覚めた。
    どうやら、かなり寝過ごしてしまったらしい。

    地川「えっ!?あ…ごめん!」

    奈々蜂「約束の時間まであと5分しかないよ!食堂に集合しなきゃ!」

    地川「え!?う、うん!」

    若干焦りながら、急いで準備を整え、猛ダッシュで食堂に向かう。
    天気予報の通り、既に雪は融けきってしまっていた。

    ----------------------------

    真田「さて…あなた達で最後ですね。」

    都木「やけに遅かったな。一体何してたんだ?」

    安田「ウーン…怪しいですね!遅れた理由を述べなさい!」

    奈々蜂「ごめんね…2人とも寝過ごしちゃって。急いで走ってきたんだけど…」

    どうやら、僕達以外の14人は、既に食堂に集まっていたらしい。

    橘「それで…これからどうするの?」

    立橋「そうね。まずは方針を決めないと。」

    真田「とりあえず、出口を探すべきです。この研修所をぐるっと一周回ってみましょう。」

    剛業「チッ…めんどくせぇな…。」

    明日香「ま~、それも面白いんじゃないの~?」

    多花「だが…この研修所はかなり広いようだぞ?」

    曜子「だったら、いくつかのチームで手分けして探しましょうよ。」

    真田「そうですね。丁度コテージの区域が4つに分かれてますから、そのメンバー分けで構わないですよね?」

    雷太「分かったよ。」

    津田「…少し、宜しいでしょうか?」

    地川「津田くん?どうしたの?」

    津田「私、執事ですから…この研修所の環境がよくないように思えるのです。」

    剛業「めんどくせぇなー、ハッキリ言えよな!」

    津田「はい…この研修所、積雪が非常に危険なのです。そこで提案なのですが…皆さんが出口を探している間、私は単独で除雪作業をさせてもらいたいのです。」

    王野「だってさ。真田、どうするの?」

    真田「…問題ないでしょう。彼が単独行動でも、他のメンバー全員が3人以上で行動していれば殺人は起こりませんし。」

    マリア「じゃあ、それで決定ね。」

    こうして僕達は、4つのチームと、1人の個人に分かれ、それぞれ行動を始めた。
    -------------------------------------
  7. 7 : : 2017/02/22(水) 01:07:55
    ………しばらくした後。
    探索を終えた4チームが、それぞれ食堂に集まってきた。

    真田「これで全員、揃いましたね。…どうでしたか?」

    マリア「私達は北地区を1周してみたんだけど…」
    王野「残念ながら、出口はどこにもなかったわ。」
    安田「ええ!!怪しい場所すらありませんでした!!」
    明日香「私も確認したわ~。全部、柵で囲まれてた。」

    橘「僕達は南地区だったよね?」
    雷太「そうだね。でも、残念だけど怪しい場所は無かったよ。」
    剛業「ま、ソイツらの言う通りだぜ。」
    都木「ああ。全くダメのようだ。」

    奈々蜂「私たちは東地区を見て回ったけど…。」
    曜子「ま、他のみんなと同じで…」
    立橋「全然ダメね。」
    若葉「そう…ね。」

    真田「…もう察してるでしょうけど…」
    地川「僕達は西地区を探索したんだ。」
    多花「フン…結局無駄足だったな。」

    津田「私も除雪の傍ら、探索をしておりましたが…残念ながら何も。」



    真田「…結局、手詰まりってことですか…。」

    剛業「マジかよ?めんどくせぇなー…。」

    多花「やはり救助を待つしかない、という訳か。」

    誰もが愚痴を呟く中、1人だけ、”彼女”が口を開いた。

    立橋「でもさ…本当に救助なんて来るのかな?」

    …彼女のその言葉に、僕達15人は俯き、うな垂れた。
    その時。

    奈々蜂「待ってよ。そうやって暗い事言ってるとホントにダメになっちゃうよ?もっとポジティブに行こうよ!」

    奈々蜂さんが、僕達16人に、明るい言葉を投げかけた。

    王野「…そうだね。明るく行こう。」

    追うように、王野さんが僕達を激励した。

    …と思った次の瞬間だった。

    モノクマ「ねえねえ、そろそろ始めない?」

    剛業「げっ…また出てきやがった。」

    突如現れたモノクマに若干困惑しながらも、僕は問いかけた。

    地川「始めるって…何をだよ?」

    モノクマ「だからー、コロシアイだよ、コロシアイ。」

    安田「まだそんな事言ってるんですか!!」

    真田「…やめましょう。ソイツには構ってるだけ無駄ですから。」

    モノクマ「う~ん、酷いなぁ。せっかく”動機”をあげようと思ったんだけどなぁ。」

    …動機…?

    構っても無駄というのは分かっているが、僕はその言葉がどうにも気になった。
    どうやらそれはみんなも同じだったみたいで…

    明日香「動機ってなんのことかしら~?」

    雷太「…よくわからないね。」

    モノクマ「動機は動機だよ。人を殺してでも外に出たくなるような…そんな動機!」

    曜子「…はあ?」

    多花「おい。動機だか何だか知らないが…俺達はそんなものを受け取るつもりは無いぞ。」

    モノクマ「へ~、そう!じゃあ無理矢理押し付けちゃおうかな~。」

    マリア「無理矢理…?」

    マリアがそう聞いた時だった。

    「──ピロンッ…」

    16人分のモノパッドから、同時に同じ音が響いた。

    真田「…なるほど…強制的に、ですか。」

    …どうやら、全員のモノパッドに、”動機”が追加されてしまったらしい。

    モノクマ「えー、動機を見るか見ないかは…オマエラ次第でーす!じゃ、ばいなら!」

    そう言うと、モノクマは、前と同じように、音もたてずに何処かへ消え去ってしまった。

    真田「皆さん…。くれぐれも、動機は開かないように、お願いします。絶対にね。」

    真田はそう念を押したかと思うと、スタスタとコテージの方へ戻っていってしまった。

    …動機、か。

    唐突に渡された”誘惑”に翻弄されながら、
    僕達16人は、それぞれコテージに戻った。



    ………思えばこの日が、僕達が”16人”で過ごした、最後の日だったのかもしれない。







    ----------------------
    【第1章】

       『雪原を血に染めて』
    ----------------------
  8. 8 : : 2017/02/22(水) 01:11:03
    -------------------------------------------

    …さてさて、長かったプロローグもこれで終わり、いよいよ本編開始です。

    こういった事に慣れていないので、私自身も緊張していますが、
    ただただ、生暖かく見守って、応援してくれれば幸いです。
    (書き込み途中っぽい雰囲気でも、割り込みでコメント入れて頂いて結構です)

    …それでは、第1章、開幕です。

    -------------------------------------------
  9. 9 : : 2017/02/22(水) 01:30:31
    …次の朝。

    僕は、毎朝7時に鳴るという、チャイムの音で目が覚めた。
    ベッドから起き上がり、周りを見渡す。

    と、ここで僕はある違和感に気が付いた。

    地川「あれ…?」

    正面のテーブルの上に何かが置かれている。
    …どうやら、手錠と…警棒だろうか。
    何故こんなものが置かれているのか、必死に考える。
    そして導き出された答えは…

    地川「看守用の道具、ってことか…?」

    …うーん、どちらかというとこれは警察官の道具だが。
    まぁ、僕のコテージにあるということは、きっと看守用の道具なのだろう。

    真田くんの提案で、朝は食堂に集まる約束になっている。
    …さすが探偵というか、行動が冷静で正直尊敬してしまう。

    僕はクローゼットの制服に着替えると、玄関のドアを開け、食堂へと向かった。

    --------------------

    地川「みんな、おはよう。」

    食堂のドアを開けて、中に走り込む。

    真田「おはようございます。…これで…あと1人ですかね?」

    あと1人。
    その言葉を聞いて、僕は内心焦っていた。
    もし、もうちょっと起きるのが遅いと僕が最下位だったのかも…。

    雷太「あと1人…っていうと、都木くんだね。」

    マリア「変ね。昨日までは私より早く集まっていたはずだわ。」

    曜子「ま、ただ遅れてるだけって可能性もあるし、もうちょっと待ってみましょ。」

    真田「そうですね。10分くらい待っても来なかったら…起こしに行きましょうか。」

    …本当にそうなのか?
    僕は、”ただ遅れているだけ”、じゃないような、そんなどうしようもない不安に襲われる。

    そして、そのまま…10分が過ぎた。



    立橋「10分…経ったみたいね。」

    多花「フン…あの馬鹿を起こしにいくぞ。」

    雷太「えっ…16人全員で?」

    多花「そんな訳ないだろう。3人で十分だ。」

    真田「じゃあ、僕が行くよ。」

    地川「…それなら、僕も行っていいかな?」

    王野「…あれ?誰も行かない?じゃあ3人目は私が貰うね。」

    多花「では…真田、地川、王野。頼んだぞ。」

    地川「うん。それじゃ。」

    こうして、僕達3人は食堂を出て、都木くんのいる南コテージに向かった。
  10. 10 : : 2017/02/22(水) 01:40:34
    ---------------------------
    「──ピンポーン…」

    僕はインターホンを押し、呼びかける。

    地川「都木くーん!起きてるー?」

    ………返事が無い。
    この時なぜか、僕は…すごく”嫌な予感”がした。

    真田「おーい!おーい?」

    王野「うーん。ダメね。全然起きないわ。」

    地川「そうだな…中の様子を見てみようよ。」
    僕がそう提案すると、

    真田「見ると言われても…コテージに窓はありませんよ?」
    ド正論を直球で投げられ、ちょっと悔しくなる。
    …探偵に正論をぶつけられるのは、ある意味貴重な経験かもしれないけど。

    地川「うーん、このドア開いたりしないかな?」

    冗談半分で、ドアノブに手をかけ、ガチャッと回した。
    …………回した?
    …………なんで回せるんだ?

    地川「えっ…まさか、鍵、開いてる?」

    真田「そのようですね。」

    王野「…そのようですねって…まさか勝手に押し入る気?」

    真田「起きないのが悪いんです。問題ありません。」

    地川「それは探偵としてどうなんだろう…」

    王野「うーん、まぁちょっと気が引けるけど…仕方ないか。」

    そうして、僕達3人がコテージに入った、その瞬間。

    地川「う…なんだこの匂い?」

    何故かコテージの中には、鼻を突く異臭が漂っていた。

    真田「…………まさか。」

    真田くんが一気に顔に焦りを浮かべた。
    と思うと、彼は途端に、部屋の奥に向かって走り出した。

    王野「えっ、真田くん!?」

    僕達2人も、真田くんを追って、部屋の奥へと向かった。



    …………そこで、僕達の目に飛び込んできたのは…
    変わり果てた姿の、都木くんの”遺体”だった。
    ------------------------------------------------
  11. 11 : : 2017/02/22(水) 02:07:03
    所変わって、中央エリアの食堂内。

    津田くんが執事の才能を生かして、16人分の朝食を作ってくれているようだ。

    ………私の名前は奈々蜂 九。
    変な名前だから、友達からは789、ってあだ名を付けられている。
    私自身も、このあだ名は気に入ってるから、特に何も思わないのだけど…。

    「ねえねえ、ココノちゃん!」

    …そう話しかけてきた彼女の名前は、神蔵火 曜子。
    聞いた限りでは、『超高校級の和装家』らしい。

    奈々蜂「その呼び方はやめてってば…」

    曜子「仕方ないじゃない、789ってどう読めばいいか分かんないし…」

    …初めて言われた事だったが、言われてみればそれもそうだ。
    「ナナハチキュウ」なんて長い言い方よりは、ココノ、って言った方が明らかに早い。

    奈々蜂「ま、別にいいけど…何か用?」

    曜子「別に用ってワケじゃないけど…暇だから雑談でもしよっかな、って。」

    奈々蜂「雑談、ね~。やっぱり、才能に関して話すべきかな?」

    曜子「才能、ね。ココノちゃんは”画家”だったっけ?」

    奈々蜂「うん。一応ね。」

    曜子「でも、画家って言っても色々あるでしょ?人物画が得意とか、風景画が得意とか…」

    奈々蜂「…一応、どっちもかな。いろんなジャンルを広く浅く、って感じ。」

    曜子「へぇー。なるほどね。」

    奈々蜂「それより、曜子ちゃんの”和装家”っていうのがよくわかんないんだけど…」

    曜子「うん。私もわかんない。」

    奈々蜂「えっ?」

    曜子「私の場合、趣味で和服を着てたら、いつの間にか和装家で定着しちゃって。だから専門的な知識とかはな~んにもないの。」

    奈々蜂「全部ノリ、ってこと?」

    曜子「そうね。だから─────

    彼女がそう言いかけたところで、唐突にチャイムが鳴った。

    「死体が発見されました!至急、現場の”S4番コテージ”までお集まりください!」

    曜子「……は…?」

    奈々蜂「えっ…?」

    突然すぎるアナウンスに、私は状況が呑み込めないでいた。

    雷太「…よく…わからないけど…行くべきだよ。S4番コテージに。」

    彼の一言で、私達12人は、バラバラに歩き始めた。

    …その時。

    多花「待て!」
    超高校級の学級委員、多花くんが大声で叫んだ。

    曜子「待て…って。何を待つ必要があるのよ?」

    曜子が多花くんに突っかかった。

    多花「分からないか?”殺人事件”が起きたんだぞ。証拠を残すべきだ。」

    さつじんじけん…?しょうこをのこす…?

    奈々蜂「ねえ、何言ってるかわかんないよ。ちゃんと説明してくれない?」

    多花「雪だ。」

    マリア「…雪?」

    多花「貴様らも見ただろう。外は今日の午前0時から雪が積もっている。
    ”雪についた足跡”は重要な証拠になる。貴様らが踏み荒らせば犯人が絞り辛いだろう?」

    …言い方はキツいし、言いたいことはたくさんあったけど、
    彼が言っていることは正論だった。

    若葉「でも…雪を残すとして、どうやってS4番コテージに行くのよ?」

    多花「雪を残す必要は無い。」

    …は?

    立橋「ねえ…さっきから言ってることがバラバラじゃない?」

    多花「アホか。よく考えてみろ。足跡を記録するのにうってつけの才能を持ってる奴がいるだろう。」

    ………彼の一言で、私はハッと気付いた。

    奈々蜂「”超高校級のフォトグラファー”…」

    多花「ほう?なかなか頭が切れるじゃないか。褒めてやろう」

    …うーん。なんだコイツ。すごくムカつく。

    明日香「つまり~。写真家の彼女が現場周辺の足跡を撮影するまで待ってろ、ってこと~?」

    剛業「でもよ、フォトグラファーって王野のことだろ?あいつは今コテージの方にいるはずだぜ。」

    多花「心配する必要は無い。向こうには真田がいるからな。探偵のアイツなら足跡の写真を撮らせることくらいしているはずだろう。」

    …あ、確かに。それもそうだ。
    とりあえず今は多花くんの指示に従おう。

    …私たち12人は、確認が取れるまで、食堂で待機する事にした。
    -------------------------------------
  12. 12 : : 2017/02/22(水) 02:24:35
    真田「………嘘だろ。」

    地川「……どうなってんだよ…」

    目の前にある遺体と、当然のように流れたアナウンスに、
    僕達は言葉を失っていた。

    王野「……これ…死んでるの…?」

    王野さんが、ゆっくりと都木くんの遺体に歩み寄ろうとした時、

    真田「待って!現場は動かさない方がいい。」

    咄嗟に真田くんが王野さんを制止した。

    真田くんは、少し俯いて何かを考えているような仕草をすると、
    王野さんに話しかけた。

    真田「王野さん、カメラは持ってる?」

    王野「…え?…こんな時に何を…」

    真田「こんな時だからこそだよ。一刻も早く、写真で現場の状況を保存すべきだ。」

    王野「……わかった。」

    そういうと、王野さんは真田くんにカメラを手渡した。

    カメラを受け取った真田くんは、至って冷静に、現場と、現場周辺の撮影作業を始めた。

    ☆コトダマGET!!
    【遺体の写真】【コテージ周辺の足跡の写真】

    ……撮影作業が終わると、真田くんは食堂にいるメンバーと合流し、
    現場となったS4番コテージへと全員を誘導した。



    モノクマ「もう!遅いよ!」

    現場に戻ってきて最初に聞こえたのは、そんな文句だった。

    モノクマ「とっとと集まれって言ったのに、いちいち写真なんか撮っちゃってさ…ボクは悲しいよ。うぅ…」

    多花「黙れ、クソクマ。」

    モノクマ「ひぐっ!暴言はSAN値が減っちゃうよ~。」

    奈々蜂「ねえ。そんな事どうでもいいから、早く本題を言いなよ。」

    モノクマ「はいはい、仕方ないな…じゃあ短縮モードで説明するよ。」

    モノクマ「…えー。皆さんのお察しの通り!なんとこの研修所で!殺人事件が起きてしまいました!
    校則にも書いてある通り、”学級裁判”を開かねばなりません!」

    剛業「なあ、聞きたいんだが…その”学級裁判”ってなんだ?」

    モノクマ「…被害者を殺したクロが誰なのかを!クラスメイト全員で議論する場で~す!
    正しいクロを指摘すればクロだけがおしおき、
    クロを間違えた場合は…クロ以外の全員がおしおき!
    クロ本人は”研修終了”となり、この研修所から脱出することが~できます!」

    津田「その…”おしおき”とは?」

    モノクマ「は~い、処刑です!」

    雷太「処刑!?」

    多花「やはりな…」

    モノクマ「ま、そういう訳だから、捜査を頑張ってくだちゃい!学級裁判は5時間後だからね~!
    …あ、そうそう!モノパッドも更新しといたから、目を通してね!じゃ、ばいなら!」

    そう言うと、モノクマは何処かへ去って行ってしまった。

    若葉「…突然すぎてワケわかんないんだけど。」

    真田「捜査…やるしかないみたいですね。」

    地川「……………。」

    僕達15人は、それぞれ困惑しながらも、捜査を始めた。
    …本当に犯人がこの中に居るのか?必死になって考える。

    こうして、第1の殺人の、”捜査時間”が始まった。
  13. 13 : : 2017/02/22(水) 02:34:31
    混乱も醒めないまま、突然始まった捜査時間。

    僕は、”更新された”というモノパッドを確認する。

    地川「モノクマファイル…?」
    画面に表示された、見慣れないメニューをタッチする。

    -----------------------------------
    モノクマファイル①
    被害者は超高校級の"電気工事師" 都木 龍眞。
    死因は刺殺、死亡推定時刻は不明。

    背中に刺さったナイフと、テーブルにもたれ掛かるような遺体の体勢から、
    少なくとも自殺の線はないと考えられる。

    遺体が見つかったコテージには、鍵は掛かっていなかった。
    -----------------------------------
    ☆コトダマGET!!
    【モノクマファイル①】



    さてと、次は何を調べようか? >>14

    [遺体] [足跡の写真] [証言]
  14. 14 : : 2017/02/23(木) 18:45:45
    遺体

    早速好みそうなキャラか死んじゃいました

    期待です
  15. 15 : : 2017/02/23(木) 21:54:32
    (天海くんいますか?)
  16. 16 : : 2017/02/25(土) 23:04:45
    --------------------------------

    地川「とりあえず遺体を調べてみるか…ちょっと気が引けるけど。」

    恐る恐る、再び遺体の方へ歩み寄ると、そこにはもう先客がいた。

    真田「地川くん…丁度良いところに来ましたね。」

    彼はそういうと、ナイフが刺さっている、遺体の背中の部分を指差した。

    真田「コレ…どう思いますか?」

    地川「コレ…って、このナイフがどうかしたの?」

    真田「柄の部分、よく見てみてください。」

    指示された通り、遺体の背中を見ると…

    地川「”S3”…?」

    真田「…ええ。それですよ。S3という文字が刻印されているんです。」

    地川「S3、ってまさか…」

    真田「はい。念のためこのS4コテージのナイフを持って来たんですが…この通り。」

    真田くんが見せたナイフの柄には、”S4”の文字がしっかりと刻印されていた。

    地川「…じゃあ、この凶器のナイフは…」

    真田「ええ。S3番…”超高校級の幸運”、橘くんのコテージの物です。」

    地川「………。」

    ☆コトダマGET!!
    【S3番コテージのナイフ】
    遺体の背中に刺さっていたナイフは、
    ”超高校級の幸運”である橘 慎のコテージにあった物だった。



    さて、次は何を調べようか?
    >>17
    [足跡の写真] [証言]
    --------------------------------

    >>15 天海くんは………ふふ、どうでしょう?後からやって来るかもしれませんよ。少なくとも、いない訳ではないです。
  17. 17 : : 2017/02/28(火) 01:36:39
    証言
  18. 18 : : 2017/02/28(火) 03:49:31
    -----------------------------
    地川「真田くん…とりあえず皆から証言を集めてみない?」

    真田「…分かりました。とりあえず…橘くんの証言が気になります。」

    地川「そうだよね…ナイフの件もあるし。橘くんを探しに行こうか。」

    真田「ええ。そうしましょう。」

    -----------------------------

    橘「…え?僕のナイフが遺体に刺さってたって言うの?」

    地川「うん。そうなんだ。」

    真田「ですから…残念ですが今のところ、貴方がすごく怪しいんです。」

    橘「実はね…僕、コテージに鍵を掛けてなかったんだ。」

    地川「え?」

    橘「もちろん昨日の夜もね。ま、僕自身は食堂で寝てたんだけど…」

    真田「は…?」

    橘「うっかりってやつかな。ま、証明できるものは無いけど。」

    真田「では…なぜ、食堂に?」

    橘「不安だったからだよ。いつ殺されるか分からない状況だからね…。」

    地川「…橘くんにはアリバイなし…か。ほかにも話を聞くの?」

    真田「はい、そうですね。都木くんを見た人がいるかもしれませんから。」

    ☆コトダマGET!!
    【橘の証言】
    橘は事件時に食堂で寝ていたそうだが、
    それを証明するものは何一つない。
    --------------------------------

    安田「都木くんなら見たわ。確か…昨日の深夜11時頃だったかな。体育館の前を歩いてたから、”こんな時間に1人で何をやってるんですか!!怪しいです!!”って怒ってやったの。」

    真田「えっ…は、はあ。」

    安田「…これは雷太も見てたから間違いないわ。」

    雷太「…うん。僕もその様子は見てたから間違いないと思う。」

    地川「つまり安田さんと雷太くんにはアリバイがある…と。」

    ☆コトダマGET!!
    【安田と雷太の証言】
    2人は、11時頃に体育館の前にいる都木を目撃。
    よって、この時点で都木は生きていたと思われる。
    また、安田と雷太はお互いにアリバイの証人となっている。

    ----------------------------
  19. 19 : : 2017/02/28(火) 03:54:55
    -----------------------
    真田「…さて…それでは写真を調べてみましょう。」

    地川「写真って言うと、足跡を撮影した、あの?」

    真田「そうです。…とりあえず、南エリアの構造を整理しておきましょうか。」

    地川「えーと、確か、正方形の形の道があって、四隅に1つずつコテージがある、って感じだよね。」

    真田「はい。左上からZ字の順に、S1、S2、S3、S4番のコテージです。S1からS2までの道だけは、中央広場に繋がる道が分かれていますけどね。

    地川「で、足跡の様子はどうだったの?」

    真田「それが…残っていた足跡はたった1つだったんです。」

    地川「1つだけ?」

    真田「はい。”S3番コテージとS4番コテージを1往復”する足跡、ただこれだけです。」

    地川「S3とS4っていうと、橘くんのコテージと、現場になった都木くんのコテージだね…」

    真田「…そう…ですね。」

    ---------------------------
  20. 20 : : 2017/02/28(火) 04:09:12
    ☆コトダマ更新!!
    【コテージ周辺の足跡の写真】
    雪には、遺体発見時の地川、真田、王野の足跡を除くと、
    S3番コテージとS4番コテージを1往復する足跡のみが残されていた。

    --------------------------------

    奈々蜂「……捜査、って言われてもねぇ…」

    突然目の前に立ちはだかった現実に、思わずため息が出る。

    曜子「うーん…とりあえず歩き回って、怪しい物を探してみようよ。」

    奈々蜂「…そうだね。」

    曜子「…南エリアの出入口とか、なんかありそうじゃない?」

    奈々蜂「なんかって…」

    曜子「あれ?私の勘は結構頼りになるんだよ?」

    奈々蜂「分かった…行ってみよう。」

    -----------------------

    多花「ん?なんだお前らは。」

    曜子「捜査をしに来たの。なんとなくだけどね。」

    多花「…捜査、か。…あの電柱を見ろ。」

    そういうと、多花くんは、突然電柱の一部分を指差した。

    奈々蜂「…あっ。」

    多花「俺が仕掛けておいた監視カメラだ。これで南エリアの出入りを確認できる。」

    曜子「えっ…こんなの、いつの間に仕掛けてたの?」

    多花「昨日の朝だ。学園内のあらゆる場所に仕掛けてある。感謝しろ。」

    …態度は気に食わないけど、やっている事はかなりすごい。
    まるで、これから起こる事が読めているような…そんな行動だった。

    多花「………はは。ははははははっ…。」

    !?

    奈々蜂「…えっ…ど、どうしたの?」

    多花「なんてことだ。誰一人映っていない。」

    曜子「…え?」

    多花「雷太が南コテージから出て、死んだ都木が南コテージに入り…それ以降、事件発覚まで、誰一人ここを通っていない。」

    奈々蜂「へぇー。なるほどね。」

    ☆コトダマGET!!
    【南エリアの出入り記録】
    雷太が南コテージから出て、
    都木が南コテージに入った後、
    誰一人として南エリアを出入りしていない。

    -------------------------------
  21. 21 : : 2017/03/01(水) 20:20:53
    -----------------------
    地川「…あれ?奈々蜂さん、こんなところで何を?」

    そういってやってきたのは、地川くんと真田くんだった。

    奈々蜂「あ、地川くん。ちょっと"捜査"をね。」

    曜子「ま、馬鹿は馬鹿なりに役に立とう、ってことよ。」

    真田「で…多花くんはそこで何をいじってるんですか?」

    多花「…………真田か。お前は探偵だったな?」

    真田「…え?は、はい。」

    多花「監視カメラだ。俺があそこの電柱に仕掛けておいた。」

    真田「ええ!?」

    多花「この研修所の至るところに取り付けてある。」

    地川「ってことは…犯行の様子も映ってるんじゃない?」

    曜子「それがね…残念だけど、映ってないのよ。」

    真田「と言うと?」

    奈々蜂「コテージがある区域には、カメラを仕掛けられる場所が無いらしいのよ。」

    多花「それに…プライバシーの問題もあるからな。」

    地川「ってことは…」

    多花「各エリアの入り口に1台ずつ、計4台だ。」

    真田「全然”至るところ”じゃないですね…」

    多花「何か文句でも?」

    真田「あっ…いえ!なんでもないです。」

    奈々蜂「で、そっちは何か見つけたの?」

    地川「……そうだね。いろいろ見つけたよ。」

    真田「…提案なのですが…この辺りで一度、お互いの証拠を整理しておきませんか?」

    多花「整理?」

    真田「はい。その方が捜査も捗るかと。」

    地川「賛成だよ。じゃあ、1度整理してみようか。」

    ------------------------
  22. 22 : : 2017/03/01(水) 20:40:42
    --------------------------------
    こうして、僕達は「事件の整理」を始める事にした。

    奈々蜂「…殺されたのは都木くん、超高校級の電気工事師だったよね?」

    多花「凶器はコテージの台所にあるナイフ、だな。」

    地川「…あ、でも、ただのナイフじゃないよ。」

    曜子「ただのナイフじゃない?ロボットを切れる刀に変形するとか?」

    真田「…あ、いえ、そういう意味ではなく…まずはこれを見てください。」

    そう言って、真田くんは、都木くんの遺体の写真を取り出した。
    そしてもう1つ何かを取り出した。S4番のナイフだ。

    奈々蜂「見てください…って、これがどうかしたの?」

    地川「ナイフの柄の部分を見てほしいんだけど…」

    多花「S3…つまり凶器のナイフは橘のものなんだな?」

    真田「ええ。よって、犯人はわざわざ”橘のナイフを持ち出し”、”都木のコテージに向かい”、”都木くんを殺害した”わけです。」

    と、ここで曜子が切り出した。

    曜子「それっておかしくない?普通なら、都木のナイフを使うわよね?」

    真田「ええ。もし仮に橘くんが犯人だとしても、自分につながるような証拠を現場に残すのは、あまりにも不自然です。」

    奈々蜂「じゃあ…そのナイフは橘くんを犯人にするためのミスリード、ってことかしら?」

    多花「そうとも限らないぞ。誰かがその不自然な点に気付くことを見越した”ミスリードのミスリード”、かもしれないからな。」

    地川「じゃあ、橘くんが犯人じゃないとも言えない訳だね。」

    真田「はい。…次です。事件当時、完璧なアリバイがある人物。」

    地川「安田さんと雷太くんだね。」

    真田「ええ。あの2人は事件当時、一緒に体育館に居ましたから、お互いがアリバイの証人なんです。」

    多花「共犯、という線は有り得ないのか?」

    雷太「…それは有り得ないよ。」

    …え?

    地川「雷太くん!?いつの間に…」

    雷太「ごめんね。偶然君たちを見かけて、ちょっと気になっちゃってさ。」

    真田「それで…共犯が有り得ない、というのは?」

    雷太「え…?」

    奈々蜂「……雷太くん、どうしたの?」

    雷太「…あ、いや…確かに共犯は有り得ないよ。ルールにも書いてあるよね?」

    真田「え?ルール…?何を言って…」

    曜子「何なのよ、はっきりしなさいよ。」

    その時、真田は、雷太に鋭い質問をぶつけた。

    真田「…雷太くん。もしかして君は…このコロシアイ、初めてじゃないんですか?」

    雷太「…え?」

    一気に焦り顔を浮かべる雷太。だが、次の瞬間…

    モノクマ「お困りのようですね!」

    突如、モノクマが柵の外の雪山から飛び出した。

    奈々蜂「うわっ!!」

    地川「え!?」

    僕達のリアクションもガン無視して、モノクマは喋り続ける。

    モノクマ「…えー…2人以上の共犯があった場合、クロになるのは実行犯のみです!…ま、これはルールに追記しておくね。」

    …そういうと、モノクマは、言いたいことだけ言って、どこかへ消えてしまった。

    地川「…え?それで何が言いたいの?」

    奈々蜂「”共犯のメリットはない”、ってことかしら。」

    …その時、途端に5人のモノパッドが鳴った。

    真田「…ルールが追加されたんでしょうか。」

    雷太「…そうみたいだね。」

    奈々蜂「……………なるほどね…。」

    -----------------------
  23. 23 : : 2017/03/01(水) 23:15:33
    --------------------------------
    真田「ところで、カメラには何が映っていたのですか?」

    多花「雷太と橘だな。どちらも南エリアの住民だ。」

    奈々蜂「雷太くんがS1番コテージ、橘くんがS3番コテージね。」

    曜子「で、殺された都木くんがS4番…S2番は誰なの?」

    地川「剛業くんだよ。」

    雷太「あぁ、あの人か…」

    真田「…それで…その2人が映ってた時刻は?」

    多花「雷太が出て行ったのが10時、都木が入っていったのが11時30分だな。」

    地川「それで、僕達が遺体を発見したのが…」

    真田「翌日の7時30分です。」

    多花「つまりだ…都木の死亡時刻は、11時30分から7時30分、ってことだな。」

    真田「結構広いですね…」

    地川「そうだね…。」

    ☆コトダマGET!!
    【都木の死亡推定時刻】
    都木が死んだ時刻は、
    都木がカメラに映った11時30分から、
    遺体を発見した翌日の7時30分までの間と思われる。

    奈々蜂「っていうかさ…多花がそのカメラを細工したって事はないの?」

    真田「…残念だけど、その可能性は否定できないよ。」

    多花「フン…疑うなら疑え、俺は何もしていない。」

    地川(確かに…多花くんがカメラに仕掛けをしている可能性も否定できないけど…。)

    と、その時だ。
    僕達全員のモノパッドに、通知が届いた。

    -----------------------------
    [NEW!!]
    裁判の開始時刻になりました。
    中央エリア、噴水広場までお集まりください。
    -----------------------------

    真田「えっ…もう時間ですか?」

    多花「…そのようだな。行くぞ。」

    奈々蜂「……分かった。」

    ---------------------------------
  24. 24 : : 2017/03/01(水) 23:25:00
    ------------------
    僕達が噴水広場に辿り着いたころには、
    ほかのメンバーは全員そこに集まっていた。
    …殺された都木くんを除いて。

    橘「…裁判の開始時刻…ってことはさ。もう、始まるんだね?」

    モノクマ「はい!その通りでーす!」

    明日香「ねぇ~…念のために聞くけど、本当に私たちの中に犯人がいるのよね~?」

    モノクマ「もちろんです!都木クンを殺した犯人は、オマエラ16人の中にいます!」

    王野「…やっぱり…そうなんだね。」

    剛業「マジかよ…めんどくせー。」

    安田「本当に犯人がいるんですか!?怪しいです!」

    モノクマ「しつこいなー。僕は嘘はつかないよ。」

    真田「それで…まさかこんな所で裁判をするわけじゃないですよね?」

    モノクマ「もちろんだよ。そーれっ」

    モノクマがそう言うと、
    突如、コンクリートの地面に亀裂ができ…謎の箱が現れた。

    雷太「エレベーター…だね。」

    若葉「え、そうなの?」

    モノクマ「その通り、エレベーターです!じゃ、さっさと乗っちゃって~。」

    津田「…これに乗れば良いのですね?」

    マリア「そうみたいね。」

    立橋「じゃ、早く乗りましょ。ここで突っ立ってても仕方ないわ。」

    多花「そいつの言う通りだ。乗るぞ。」

    …………こうして、僕達15人は、エレベーターに乗った。
    薄暗いエレベーターは、ゆっくりと地下へ動き始める。

    …この15人の中に、犯人がいる。
    お互いを疑うしか、生き残る方法は無い…。
    そう思うと、猛烈な不安に襲われる。

    奈々蜂「…地川くん、大丈夫?顔色悪いよ。」

    地川「大丈夫なわけないだろ…。」

    奈々蜂「…そうだよね………ごめんね。」

    地川「………」

    …命懸けの、学級裁判が始まる。
    -------------------------------
  25. 25 : : 2017/03/04(土) 20:08:00
    ☆コトダマ一覧

    【モノクマファイル①】
    被害者は超高校級の"電気工事師" 都木 龍眞。
    死因は刺殺、死亡推定時刻は不明。

    背中に刺さったナイフと、テーブルにもたれ掛かるような遺体の体勢から、
    少なくとも自殺の線はないと考えられる。

    遺体が見つかったコテージには、鍵は掛かっていなかった。

    【遺体の写真】
    殺された都木の遺体の写真だ。
    特に変わったところはない。

    【コテージ周辺の足跡の写真】
    雪には、遺体発見時の地川、真田、王野の足跡を除くと、
    S3番コテージとS4番コテージを1往復する足跡のみが残されていた。

    【S3番コテージのナイフ】
    遺体の背中に刺さっていたナイフは、
    ”超高校級の幸運”である橘 慎のコテージにあった物だった。

    【橘の証言】
    橘は事件時に食堂で寝ていたそうだが、
    それを証明するものは何一つない。

    【安田と雷太の証言】
    2人は、11時頃に体育館の前にいる都木を目撃。
    よって、この時点で都木は生きていたと思われる。
    また、安田と雷太はお互いにアリバイの証人となっている。

    【南エリアの出入り記録】
    雷太が南コテージから出て、
    都木が南コテージに入った後、
    誰一人として南エリアを出入りしていない。

    【都木の死亡推定時刻】
    都木が死んだ時刻は、
    都木がカメラに映った11時30分から、
    遺体を発見した翌日の7時30分までの間と思われる。
  26. 26 : : 2017/03/04(土) 20:09:16
    ----------------------------
    エレベーターが停止すると、目の前には円形の席が並んでいた。
    全部で16個。…死んだ都木くんの席も含まれているようだ。

    僕達16人は、ネームプレートに従って、席についた。
    …そして、モノクマによる、開廷の合図が鳴った。



    地川「…開廷、って言っても…何を話し合えばいいのかな?」

    僕が何気なく口にしたこの疑問は、どうやら他の人も同じだったらしい。

    真田「そうですね…誰か、”気になってること”なんて無いですか?」

    そこで真田くんが、探偵らしく議題を提案した。

    剛業「俺は特にねぇな。」

    立橋「私はあるわよ?」

    その一言で、皆が一斉に立橋の方を見た。

    立橋「……アンタたちは気付いてないだろうけど…犯人なんて、議論するまでもなく決まってるのよ!」

    明日香「へぇ~?詳しく説明してもらえる~?」

    立橋「真田、アンタ足跡の写真持ってたわよね?」

    真田「え…?」

    雷太「あれ、もしかして気付いてなかった?」

    地川「気付いてなかった…って、何の事?」

    橘「捜査中に見つかった証拠品なんかは、自動的にモノパッドで全員に共有されるんだよ。」

    真田「そ、そうなんですか?機械には疎いもので…」

    マリア「で…真田くんは確か、足跡の写真を持ってたわね。」

    立橋「ええ。…あの足跡からすると…犯人は橘、アンタで決まりなのよ!」

    橘「…へぇ。なるほど、ね。…別にそう思ってもらっても構わないんだけどさ…それだけの根拠はあるの?」

    立橋「当然じゃない!事件現場のS4コテージに伸びてる足跡は、アンタのコテージから出てるのよ?しかも凶器のナイフもS4コテージの物だわ。」

    橘「…でもさ、それじゃ確実に僕の犯行とは言えないよね?」

    立橋「…どうして?」

    橘「例えば…雪が降る前に誰かが僕のコテージに忍び込んで隠れて、雪が積もったのを確認して都木くんを殺害した……っていうパターンもあるよね?」

    立橋「…!」

    多花「今はそんなことはどうだって良い!!重要なのは”あの証拠”だ。」

    王野「あの証拠…?」

    多花「…犯人の候補を3人にまで絞り込める”とっておきの”証拠があるだろう?」

    地川(候補を3人まで絞り込める証拠…それって…)

    【コトダマ一覧から証拠を選択してください】>>26
  27. 27 : : 2017/03/04(土) 22:30:29
    「南エリアの出入り記録」でいいのかな?
  28. 28 : : 2017/03/07(火) 04:37:53
    地川「南エリアの出入り記録…多花くんが仕掛けた監視カメラのことだね?」

    真田「そうですね…あの映像では、都木くんの死亡推定時刻に南エリアに居たのは、橘くん、剛業くん、そして死んだ都木くん本人…容疑者はこの3人だけ、ということになります。」

    マリア「待って。映像に細工がされている可能性は無いの?」

    多花「無理だな。カメラをパソコンにでも繋がなければ加工は不可能だ。」

    橘「でも、カメラを取り外した形跡はなかった…つまり映像は本物ってことだね?」

    多花「その通りだ。」

    奈々蜂「じゃあ…1人ずつ犯人の可能性を考えてみようよ。」

    地川「そうだね。そうするべきだと思う。」

    --------------------------------------

    ★【コトダマ】と【矛盾する発言の番号】を選べ!
    >>29

    装填:
    【モノクマファイル①】
    【S3番コテージのナイフ】
    【遺体の写真】

    雷太「じゃあ…まずは都木くんが犯人…つまり自殺だった可能性だね。」

    王野「…うーん、自殺するメリットってあるのかしら?」

    曜子「まぁ、【①極限状態】だし…あり得るんじゃないかしら?」

    真田「ええ。僕も動機だけで言えば自殺も充分あり得ると思いますよ。」

    津田「ですが…彼が自殺するような人間だとは、とても思えません…。」

    若葉「確かに、【②遺書も残されてなかった】訳だしね。」

    明日香「ま、動機なんて知らないわ~。重要なのは現場の状況よね。ふふっ。」

    剛業「…あいつはナイフで刺されて死んでたんだろ?…自殺だとしたら、都木は【③自分で自分を刺した】ってワケかよ?」

    安田「う~~ん!!怪しいです!!」

    --------------------------------
  29. 29 : : 2017/03/10(金) 00:11:02
    【モノクマファイル①】と【③】
  30. 30 : : 2017/03/10(金) 00:51:41
    >>29 正解!
    地川「それは違うよ!」

    剛業「...あ?何が違うってんだ?」

    地川「"自分で自分を刺す"なんて、都木くんには不可能なんだ。」

    真田「ええ。地川くんの言う通りです。彼が自殺なんて有り得ない。皆さん、モノクマファイルの内容をもう一度思い出してくれませんか?」

    多花「モノクマファイルか?ああ..."背中に刺さったナイフと、テーブルにもたれ掛かるような遺体の体勢から、少なくとも自殺の線はないと考えられる"...ってヤツか。」

    地川「うん...モノクマファイルに書いてあるとおり、自殺は有り得ないと思う。」

    王野「でも...勝手に背中にナイフが刺さるように仕掛けておけば、自殺することも出来るんじゃないの?」

    橘「確かにそれなら自殺は可能だけど、あの部屋に仕掛けの痕跡はなかったよね?」

    真田「はい、ありませんでしたね。」

    多花「では...次は剛業、お前が犯人の可能性だが...」

    剛業「俺が犯人だってんのか!?」

    マリア「あのねぇ...念のため疑うだけよ。断定したわけじゃないわ。」

    立橋「ふーん...そうね、剛業のアリバイを証明すればいいのね?」

    曜子「あ、それなら私が証明できるよ!」

    地川「ほんとに?念のため説明してもらえるかな?」

    曜子「実はね...昨日の夜、モノパッドでビデオ通話をしてたの。夜の12時くらいまでかな?」

    剛業「ああ。間違いねえぜ。履歴も残ってるはずだ。」

    曜子「その時、背景は剛業くんのコテージだったし...スケートボードが届いた〜とか騒いでたから間違いないわ。」

    多花「だが...それが何になる?都木の死亡推定時刻は翌日の7時30分までだ。12時までのアリバイが分かったところで...」

    真田「いえ...アリバイは証明できますよ。天気予報を見れば分かるのですが...12時から、研修所全域に雪が降ったんです。」



    地川(12時から雪が降って...その時間帯まで剛業くんは自分のコテージにいた...ってことは、"あの写真"で剛業くんのアリバイは証明できる!)



    剛業のアリバイを証明できるコトダマを選べ!
    【モノクマファイル1】【コテージ周辺の足跡の写真】【橘の証言】
    >>31
  31. 31 : : 2017/03/16(木) 20:52:04
    【コテージ周辺の足跡の写真】
  32. 32 : : 2017/03/17(金) 06:41:55
    >>31 正解!



    真田「もしも12時移行に剛業くんがS4コテージまで移動したとしたら...」

    地川「彼のコテージ周辺に足跡がついているはずなんだ。」

    マリア「なるほど。つまり彼には犯行は不可能だったということね。」

    剛業「さて...消去法で行けば...」

    橘「僕が犯人みたいだね?」

    奈々蜂「それ、自分で言うことじゃないわよね...?」

    橘「はは、大丈夫。僕は何を言ったって"誰にも投票されない"からね。」

    雷太「え...?」

    王野「何キモいこと言ってんの?頭おかしくなった?」

    曜子「まぁいいわ。橘が犯人で間違いないわよ。」

    多花「他の人物には犯行は不可能だからな。」

    真田「......。」

    橘「あれ?やっぱり僕が犯人で決まっちゃったかな?おかしいな...」

    若葉「コイツは...さっきから何を言ってるの?」

    立橋「まあいいわ。とっとと投票タイムにしてよ。」

    モノクマ「はいは〜い、それでは...」

    真田「待ってください!」

    立橋「え?」

    真田「本当に橘くんが犯人なんでしょうか?」

    安田「当たり前じゃないですか!こんなに怪しいんですよ!」

    真田「彼が犯人だとは...どうしても僕には思えないんです。」

    -----------------

    今回から、{}で囲まれたウィークポイントが現れます。
    これは「同意」のウィークポイントです。

    また、今回は誰かのウィークポイントの発言を記憶して、コトダマとして使用することができます。

    -----------------

    装填:
    【S3番コテージのナイフ】
    【コテージ周辺の足跡の写真】

    奈々蜂「真田、橘が犯人じゃないってホントなの?」

    真田「ええ。恐らくは。」

    立橋「まさか剛業が{1.雪に足跡を残さず移動した}なんて言わないわよね。」

    真田「いえ...まさにその通りなんです。」

    津田「本当にそのような方法が...?」

    真田「ええ。あの道はバリアフリーですから、手摺りが存在していましたよね?」

    曜子「そうね...でもそれがどうしたの?」

    安田「【2.ロケット】でぶっ飛んだんです!間違いありません!」

    明日香「【3.スケートボード】...なんてどうかしら〜。」

    立橋「【4.手摺りの上を歩いた】んじゃない?」

    ----------------
  33. 33 : : 2017/03/17(金) 13:44:36
    4手摺りを→1足跡を残さず移動で同意
  34. 34 : : 2017/03/17(金) 15:02:43
    地川「もしかして、手摺りの上を歩いたんじゃないかな?」

    真田「いえ...何も使わずに手摺りを歩ける可能性は低いです。」

    津田「雪も降って滑りやすいでしょうしねぇ...超高校級のピエロ、明日香さんなら可能でしょうけど...」

    明日香「私はそもそもカメラに映ってないのよね〜。」

    地川(どうやら間違っていたみたいだ...もう1度やり直そう!)

    >>35
  35. 35 : : 2017/03/17(金) 17:46:54
    [3]→1同意ですかね?
  36. 36 : : 2017/03/19(日) 14:50:53
    >>35 正解!



    地川「明日香さんの言う通りだ。スケートボードを使ったんじゃないかな?」

    真田「はい...あの手すりは普通の人間が普通に歩いても、滑って落ちてしまいます...
    ですが、超高校級のスケートボーダーである剛業くんなら...」

    若葉「手すりの上をスケートボードで通れるってわけね。」

    剛業「は...はぁ...?」

    真田「都木くんのコテージにスケートボードで渡ったあと、橘くんのコテージに向かい...」

    真田「そこでナイフを回収して、再び都木くんのコテージに戻って都木くんを殺害したあと...」

    地川「またスケートボードで自分のコテージに戻れば、あの状況が完成するわけだね。」

    橘「ちょ、ちょっと待ってよ!容疑者の僕が言うのもなんだけどさ...」

    橘「さすがに超高校級のスケートボーダーでも、それは無理があるんじゃないかなぁ?」

    剛業「え...?お、おう!!そうだ!!変な言いがかりはやめろ!!」

    橘「だって...雪の積もった滑りやすい手すりの上を進むなんてさ...」

    橘「いくらなんでも不可能だよ!...だよね、剛業くん?」

    剛業「あ、ああ!」

    奈々蜂「どうせ嘘よ!本当はそれくらい簡単にできるんでしょ?」

    安田「うぅーん!!怪しいです!!」

    橘「じゃあさ...剛業くんがその犯行を行ったっていう決定的な証拠でもあるの?」

    真田「...ええ。そうですね..."あの写真"には、手すりも映り込んでいますから...。」
    --------------

    突然ですが、「ワードインプット」の説明を致します。
    「ワードインプット」では、文章の空欄に、正しいワードを入れて頂きます。
    ワードは、一覧から選択して当てはめる形になります。

    --------------

    ★空欄を埋めろ!
    >>37


    Q.剛業が犯行を行った証拠は?
    「【?】に映った【?】の上の【?】」


    ワード:
    A【コテージ周辺の足跡の写真】
    B【遺体の写真】
    C【S3番コテージのナイフ】
    D【手すり】
    E【コテージの屋根】
    F【遺体】
    G【血痕】
    H【雪】
  37. 37 : : 2017/03/19(日) 23:50:33
    A、D、Hですかね?違ったらごめんなさい…
  38. 38 : : 2017/03/20(月) 08:12:09
    >>37 正解!




    地川「証拠ならあるよ...この写真を見てもらえるかな?」

    橘「...足跡の写真だね。それの何が証拠になるの?」

    地川「この写真には手すりが映り込んでいるんだけど...」

    奈々蜂「...あっ。剛業が通った手すりだけ、雪が積もってないわね。」

    地川「そうなんだ。...もし手すりの上をスケートボードで通ると、そこに積もった雪は手すりから落ちるんだよ。」

    剛業「...っ!」

    地川「だから...この写真は、君が犯人だという決定的な証拠になるんだ!」

    ---------------

    裁判場は、誰もが口を閉ざし、
    重い空気に包まれていた。

    モノクマ「議論の結果が出たみたいですね!ではでは、お手元のスイッチで投票してください!」

    全員が無言でスイッチを押した。
    超高校級のスケートボーダー...剛業東太のスイッチを。

    モノクマ「...大正解!今回都木くんを殺したクロは、剛業東太くんでした!」

    多花「...クソがッ!」

    剛業「...」

    長い沈黙のあと、モノクマが叫んだ。

    モノクマ「それでは張り切っていきましょう!おしおきタイム!」
  39. 39 : : 2017/03/20(月) 08:26:11
    大きな音が鳴ると、剛業くんの首に輪が掛かり、



    ...橘くんが剛業くんの足を掴んだ。

    2人は部屋の奥に引き摺られていき、
    僕達14人は、モニター越しにその様子を見ることになった。



    剛業くんと橘くんは、巨大なスケートボードの前に立たされていた。

    恐ろしい形相を浮かべている剛業くんに対し、
    橘くんは何故か笑顔でこちらに手を振っている。




    ...と、その時、
    突如モニターにノイズが走った。

    段々ノイズは増えていき、モニターの機能が完全停止する。

    モノクマ「あ...れ?」

    どうやらモノクマも想定外の事態だったらしい。




    しばらくして、モニターがスッと元に戻ると、
    橘くんの姿はそこにはなく、剛業くんの遺体だけが転がっていた。

    ----------------





    多花「...おい、アレはどういうことだ?」

    多花くんがモニターを指さす。

    モノクマ「いや〜まさかおしおきが妨害されるなんて...困ったなぁ。」

    真田「......剛業くん、何があったんでしょう?」

    モノクマ「さあね〜。探偵なんだし推理でもしてみれば〜。」

    地川「...。」

    僕達は、それぞれ混乱を抑えながら、エレベーターで地上に戻った。
    ただ1人、真田くんを除いては。

    真田「このコロシアイは..."いつ"終わるんでしょうか。」

    地川「え?そんなこと僕に聞かれても...」

    真田「...そうですよね...すいません。」

    僕達は2人で次のエレベーターに乗り込み、皆と合流した。

    ---------------
  40. 40 : : 2017/03/20(月) 08:27:19
    第一章「雪原を血に染めて」



    END




    -------
    生存:13人
    死亡:2人
    行方不明:1人
    -------
  41. 41 : : 2017/03/20(月) 08:53:27
    第二章はこちらから〜
    http://www.ssnote.net/archives/52421

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rate4nac

June

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